2022年9月13日 第178回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

日時

令和4年9月13日(火) 14:00~16:00

場所

AP虎ノ門 Aルーム
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

公益代表委員
荒木委員、安藤委員、川田委員、黒田委員、佐藤(厚)委員、水島委員
労働者代表委員
梅田委員、川野委員、北野委員、櫻田委員、東矢委員、冨髙委員、八野委員、世永委員
使用者代表委員
池田委員、鬼村委員、佐久間委員、佐藤(晴)委員、鈴木委員、鳥澤委員、山内委員
事務局
鈴木労働基準局長、青山審議官(労働条件政策、賃金担当)、古舘総務課長、松原労働条件政策課長、竹野監督課長、岡賃金課長、長澤労働条件企画専門官
オブザーバー
眞下金融庁総合政策局フィンテック参事官、伊藤金融庁総合政策局資金決済モニタリング室長

議題

  1. (1)資金移動業者の口座への賃金支払について
  2. (2)労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について

議事

議事内容
○荒木分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第178回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。
本日の分科会も、会場からの参加とオンラインでの御参加、双方で実施をしてまいります。
本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の藤村博之委員、両角道代委員、使用者代表の兵藤美希子委員が御欠席と承っております。
カメラ撮りはここまでということでお願いいたします。
本日の議題に入りたいと思います。
本日の議題(1)は「資金移動業者の口座への賃金支払について」です。
なお、本議題は金融庁の所管事項に関係することから、労働政策審議会運営規程第4条の規定に基づき、金融庁の担当官2名の方に本日オブザーバーとして御出席をいただいております。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○賃金課長 賃金課長の岡でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料No.1「資金移動業者の口座への賃金支払について課題の整理⑦」を御覧いただきたいと思います。
表紙をめくっていただきまして2ページ目からでございますけれども、まず前回の御審議が5月だったということもありまして、それから少し時間もたっているということで、今回新しく変わった部分、あるいは追加した資料だけではなくて、これまでの御議論の部分も含めまして全体的に御説明したいと思います。
まず、この議論は2020年8月27日の当分科会から議論が始まりまして、これまで労働者の同意、破綻した場合の保証、不正利用があった場合の保証、現金化、個人情報の保護、監督体制、そういった様々な課題について御指摘をいただきました。
それを踏まえて、2ページは昨年の4月の段階でございますけれども、この制度をつくる場合の制度設計案の骨子ということになります。
ポイントは3つございます。
まず1つ目は(1)でございますけれども、労働者の同意が必要であること。
(2)として①から⑤の要件がございますけれども、これらを全て満たすものとして厚生労働大臣が指定する資金移動業者の口座への資金移動のみを認めること。
それから、(3)として要件を満たさなくなったような場合は指定を取り消すこともできるようにすることがポイントでございます。
3ページ目以降は、具体的なこれまでいただいた意見と、それに対する方向性でございます。
まず、3ページ目は「労働者の同意」についてでございます。幾つか御意見いただいておりますけれども、簡単に申し上げますと、同意というのは強制されずに本当に自由意思に基づいて行われることが必要であること。
また、その同意に当たっては銀行口座との違いですとか、あるいは滞留規制や破綻時の保証など、必要なことについて理解した上で同意することが必要であること。
また、労働者の同意を取る際に使用者の負担にも配慮して本人同意のひな形をつくるべきといった御意見をいただきました。
これに対しまして、今、申し上げたような点についてきちんと説明した上で同意を求める。また、使用者は労働者に対し、現金か資金移動業者の口座かという2択ではなくて、銀行口座あるいは証券総合口座への賃金支払いというのも併せて選択肢として提示をする。こういったことできちんと理解をした上で同意を求める。
また、使用者の方の負担を軽減するということ、また労働者の方の理解を深めるという意味でも、労働者の同意の様式例というのを今後作成していくこととしたいと考えてございます。
続きまして、次の4ページでございます。4ページも「労働者の同意」についてでございます。
まず1つ目でございますけれども、賃金支払いが認められた場合に資金の滞留が生じ得るのではないかという御指摘に対してでございますが、先ほどありました同意書の様式例に口座の性質ですとか、あるいは労働者の利用実績を踏まえた給与振込額とする必要がある、そういったことなどを記載していきたいということと、それから同意書だけではなくて、例えば賃金のうち大半の部分はこれまでどおり銀行口座に振込をし、一部のもののみを資金移動業者の口座に振り込む例なども記載したリーフレットを作成するなど、理解が進むように努めていくということでございます。
それから、外国人の方、あるいは使用者の方が制度を理解できるようにすべきだという御意見をいただきました。これにつきましては、まず外国語のパンフレット等もできるだけ多くの言語で作成したいと考えておりますし、また、使用者の方が理解しやすいようにということで周知方法もどのようなものが効果的かということも今後検討していきたいと考えてございます。
また、銀行口座への振込と同様に労使協定が必要であるということで、この表にありますようなことについて労使協定を締結すること、あるいは同意を得る際には振込エラー対策の観点から、労働者の代替口座の情報なども併せて確認するようにしたいと思っております。
続きまして、5ページでございます。5ページは「資金移動業者の指定要件」で、まず総論でございますけれども、銀行口座と同等、または同程度の仕組みとすることで労働者保護に欠けないようにすることということで、そういった方向で全体的に制度を組んでいきたいと思っております。
また、第1種、第3種が賃金支払いという意味では不適切ではないかという御意見がございましたので、第2種に限定していきたいと考えてございます。
それから、3つ目が<資金保全>でございます。破綻時に残高全額が保証されるようにすべきだという御意見がございました。
それで、これまでの議論で、100万円以下であれば保証機関を介在させたスキームなどで保証ができるのではないかという議論になってきたわけでございますけれども、ただ、100万円を超える場合が生じた場合は保証されないのではないかという御意見がございました。
このため、第2種のうち、口座残高上限額を100万円以下に設定している資金移動業者、あるいは100万円を超えてしまった場合でも速やかに100万円以下にするための措置を講じている資金移動業者に限定することで、もし仮に破綻が起こった場合でも労働者の口座残高全額を速やかに労働者に保証することができるようにしたいと考えてございます。
それから、100万円を超えてしまった場合ですけれども、具体的には当日中に労働者の資金移動業者の口座からの出金、その送金先としては労働者があらかじめ指定する銀行口座、あるいは証券総合口座のほうに出金することで100万円以下の状態にしまして、万が一、破綻という事態が生じた場合でも全額が保証されるようにしていきたいと考えてございます。
それから、一番下でございますけれども、しばらく使わないうちにアカウントが消えてしまうのではないかという御意見がございましたので、最後に口座残高が変動した日から少なくとも10年間はアカウントが有効であることを要件にしたいと考えてございます。
次に6ページでございます。引き続き指定要件でございますけれども、<不正引出の補償>について、でございます。これについては、インターネット・バンキングと同様のものとなるようにすべきという御意見がございました。それを踏まえまして、無過失の場合には全額補償とすることとし、資金移動業者への通知の期限についても損害発生日から30日以上は確保することとしたいということでございます。
それから、不正取引などの発生状況、またはそれに対する補償の状況について、銀行については全銀協のほうで公表がされているわけですけれども、資金移動業者のほうについても同様に公表すべきではないかという御意見がございました。これにつきましては8月2日でございますけれども、日本資金決済業協会のほうで不正取引の発生状況、それから補償の状況を公表したところでございます。
ちょっとページが飛びますけれども、10ページを御覧いただきたいと思います。この10ページが日本資金決済業協会がホームページ上に公表したものでございまして、左の表が不正利用、不正引出しなどの件数、金額でございます。
また、右側が、補償件数になります。補償率を見ますと、100%に近い補償率とはなっていますけれども、一部、補償されていないものもございます。
それがどういったものかということが、このページの下のほうにございます。(1)(2)とございますけれども、まず1つ目は利用者自らが第三者にアカウントの情報、口座の暗証番号などを伝えたということで利用者に重過失がある事例、それからもう一つは利用者の家族などが取引をしたと判断される事例、こういった場合については補償がされておりませんけれども、それ以外については補償がなされているということでございます。
資料はまた6ページに戻っていただいて、恐縮でございます。次に<換金性>ということで、出金は1円単位でできるようにすべき、また、月1回は無料で出金できることとすべきではないかという御意見をいただきました。
これにつきまして、ATMを利用すること等によって1円単位で受取りができるようにする。また、少なくとも毎月1回は手数料を負担することがなく受取りができるようにすることとしたいと考えてございます。
次に、7ページでございます。引き続き、指定要件についてでございます。
まず1つ目が<報告体制>ということで、先ほど、破綻の場合の保証機関、保証スキームの話がございましたけれども、保証機関には監督官庁がないわけですが、どのように資金保全の実効性を担保するのかという御意見がございました。
これにつきましては、資金移動業者だけではなく、そのスキームに関わります保証会社、保険会社等に関しても厚生労働大臣に報告できる体制を求めることとしたい。具体的には、資金移動業者が保証会社等に厚生労働省から求められた場合には報告するという同意書を取得しまして、それを指定の申請時に提出することとしたいと考えてございます。
また、指定時だけではなくて、指定後も資金保全に関わる契約の内容だけではなくて、資金移動業者あるいは保証会社等の業務の実施状況や財務状況についても適宜、確認をし、万が一、要件を満たさないような場合については指定取消しについても検討することとしたいということでございます。
次に、<技術的能力・社会的信用>ということで、振込エラー対策を行うことが必要であるということで、これについては振込エラー対策、それから労働者が指定する口座がそもそも適切かどうかということを確認する措置を講じていることを要件としたいと考えてございます。
それから、今回こういうスキームをつくる場合は労働基準法施行規則を改正するわけでございますけれども、労規則の指定要件だけではなくて資金決済法に基づく金融庁の対応も確認して、場合によっては指定取消しなども判断すべきだという御意見に対しましては、資金決済法に基づく行政処分がなされていないかということも指定の要件としたいというふうに考えてございます。
それから、個人情報保護に加えて上乗せの規制を検討すべきではないかという御意見をいただきました。これにつきましては、まずは銀行等と同様に個人情報保護法関係の規制がかかるわけでございますけれども、これに加えまして第三者機関による認証、「プライバシーマーク」あるいは「ISMS認証」等を取得していることを要件としたいと考えてございます。
次に8ページでございますけれども、指定あるいは指定取消しについてでございます。指定要件を満たさなくなった場合は指定取消しがあるのかということで、これは冒頭も申し上げましたとおり指定の取消しがあり得るわけでございますけれども、ただ、労使にとって影響が大きいということもありまして、まずは要件の未充足の程度、あるいは改善の見込みがあるかどうか、そういったことも含めて総合的に判断して、なお必要があれば取消しということになります。
それから、1階部分、2階部分ということで、今回のスキームは2階部分ということになりますけれども、それについて厚生労働省において把握判断できるのかどうかという御意見をいただきました。
厚生労働省では、まず指定に当たっては、資金移動業者から提出された書類を確認するだけではなくて、資金移動業者あるいは保証スキームに関わる保証会社等も含めてヒアリングなども行っていきたいと考えてございます。
それから、次に、金融庁とどのように連携するかということでございます。先ほど、指定要件で資金決済法などの行政処分を受けていないことということがございましたので、そういった行政処分がなされていないかなど、必要な事項を情報共有させていただきたいと考えてございます。
次に、9ページでございます。「その他」ということで、1つ目は賃金支払い専用の口座を設けることが必要ではないかという御意見ですけれども、これはこれに限ることはないということではございます。
次に、銀行振込の支払い実務となるべく変わらない形で制度化してほしいということで、これも実際に制度が決まりましたら事業者のほうで検討がなされると考えてございます。
3つ目でございますけれども、厚生労働大臣への報告について、厚労省のウェブサイトに掲載するなど労使に周知してほしいということで、指定された業者名、あるいはその保証スキームに関する情報などについて厚労省のウェブサイトで公表したいと考えてございますし、また、資金決済法による行政処分などを受けた場合は厚労省のウェブサイトでも周知をしてまいりたいと考えてございます。
ページが飛びまして、11ページでございます。保証機関が介在する資金保全スキームの関係でございます。先ほど、厚労省できちんと把握できるのかという御意見がございましたけれども、厚労省は指定時、それから指定後に保証機関が金融機関との契約等によって一時的な資金需要に対応する手段を有しているかどうか、また、想定される要履行保証額が調達可能額の範囲内に収まるかどうか、これを確認していきたいと考えてございます。
それに加えまして、保証機関が破綻しないようにということで、財務状況についても定期的に確認をし、もしこれらの資金保全の要件を満たさない場合については指定の取消しも検討していきたいということでございます。
それで、左の下が実際の資金保全の流れということになります。もし資金移動業者が破綻してしまった場合には、破綻から4から6営業日以内に保証機関から労働者は全額の保証を受けられるようにする。あとは、保証機関が供託金を還付してもらうなどして、金融機関のほうにそれらの債務を返済する。こういったスキームにしていきたいと考えてございます。
資料は以上でございまして、様々な御意見をいただきまして、これまで可能な限りの課題、解決方法ということを御説明申し上げたところでございます。本日も御議論をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして委員の皆様より御質問、御意見があればお願いしたいと思います。
なお、オンライン参加の委員の皆様におかれましては、御発言の希望についてはチャット機能でお知らせください。どうぞ、御意見、御質問等があればお願いいたします。
東矢委員、お願いします。
○東矢委員 ありがとうございます。
本議題に入る前に、御説明いただいた資料No.1についてではなく、本件に関連する事項で1点確認させていただきたいことがあります。
8月30日付で認定されております「前払式支払手段と交換可能なポイントを労働者へ付与することに関する実証」について確認させていただきたいと思います。
こちらは経産省と厚労省の共管となってございまして、申請事業者の認定新技術等実証計画の内容を見ますと、福利厚生サービスの実施のみならず、企業の労働者に対する賃金等の支払を企業から委託を受けて行う場合にも活用し得るものとされております。
まず、実証目的、計画の内容に賃金が含まれていることに関して、これだけ本件ペイロールに関して資金移動業者の口座の安定性や確実性などが問題とされている中、厚労省としてどのような認識でこちらの計画を認定されたのかといった点についてお伺いできればと思います。
○荒木分科会長 それでは、事務局からお願いします。
○監督課長 監督課でございます。
今、御指摘いただきました実証計画につきまして、これはいわゆる規制のサンドボックス制度というものでございまして、これは本年8月30日付で経済産業大臣、厚生労働大臣が認定をしたという内容でございます。
この実証計画の内容でございますけれども、福利厚生としてオンライン研修の受講でありますとか健康推進活動など、特定の活動を行った労働者に対して前払い式支払い手段と交換可能なポイントを付与するものであるということでございます。
この付与されるポイントにつきましては労働基準法上の賃金には該当しないということでございまして、賃金支払い方法に関する労働基準法の規定に抵触するものではないという整理でございます。
このいわゆる規制のサンドボックス制度につきましては、その根拠法である産業競争力強化法に基づきまして、実証計画の認定の申請があった場合において、その内容が現行の法規制に抵触しないなど、同法に定める要件に適合するものと認められるときにはこれを認定するものとするというふうに法律上定められているということでございます。
今回申請があった実証計画につきましても、こうした要件に適合すると認められたことから認定したものでございます。
以上でございます。
○東矢委員 御回答ありがとうございました。
今、御回答いただきましたとおり、付与されるものは福利厚生的なポイントということですが、そのようなポイント付与は様々な民間会社の福利厚生制度の中で既に行われているようなケースも実際ございますので、規制のサンドボックス制度として改めて実証する必要性について疑問を感じたところがあって質問させていただいた次第です。
また、前払式支払手段については、資金移動業よりさらに保全の基準が緩く、また現金化もできないものでございますので、賃金支払の手段として到底認められるものではないと考えております。
申請事業者の実証計画には、参加者アンケートによって賃金の「デジタル通貨払いに関する労働者のメリット、デメリットを検証する」という記載がございますけれども、先ほども申し上げた課題認識などから、本件の検証結果が労政審の場における賃金支払方法の追加につながるようなものであってはならないと考えておりますので、その点について事務局としての認識を確認させていただけますでしょうか。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○賃金課長 今回の実証実験の性格については、先ほど監督課長が御説明したとおりでございます。
今回の実証実験については、今後の賃金の支払い方法の見直しの判断材料にするために行ったものではなくて、あくまでも現行の制度の中でということで行われたものでございますので、本実証実験の結果をもって今後の賃金支払いの見直しにつなげていくことは考えておりません。
以上でございます。
○東矢委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。
北野委員、お願いします。
○北野委員 ありがとうございます。
まず質問ですが、保証会社の関与するスキームに対して今回の資料5ページにあるとおり、第2種の資金移動業者のうち、口座残高に100万円という上限を設け、その100万円を超える部分について速やかに払い出す措置を講じている業者に限定するという方向性が示されていると受け止めております。
私どもは従前より、本来は送金目的の口座に賃金を振り込むことにより、口座に賃金の滞留が生じる。その結果として、破綻時に資金保全が十分なされない場合が起こり得るのではないかという懸念を示してきたわけですが、このように100万円の上限を設け、保全スキームの最大100万円を早期に支払う仕組みとの整合が取れることは、資金保全の確実性が担保できる方策の一つであると受け止めさせていただいております。
一方で、資金保全のスキームに関しては破綻時に保険会社、さらには銀行といった金融庁が所管する金融機関が直接労働者に保証するパターンと、監督官庁がない保証会社が保証を行うパターンと、この2つあると思っております。そのうち監督官庁がなく許認可制でない保証会社は参入も容易であり、そもそも会社としての財務の健全性、さらには保証を履行できるだけの資金力があるのか。そして、誰が責任を持ってそれを確認するのか、できるのかといった点から懸念があることを申し上げてきました。
その上で、厚労省として、8ページにあるように、資金移動業者を指定する際、資金保全スキームに関する保証会社等も含めて指定要件を満たしているかを確認するということでありますし、また、指定後においても定期的に確認をするということです。よくあることだと思いますが、書類上は整っていても実態が異なるというのは十分あり得ることだと思っております。
その意味では、しっかりと適正性を判断できる専門人材を厚労省として新たに配置するのか、さらには厚労省としての体制整備をどのように検討しているのか、この点をお伺いしたいと思います。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○賃金課長 ありがとうございます。
まず体制整備でございますけれども、今ちょうど予算、それから組織定員の要求というものをしておりまして、まず体制の整備は図っていきたいというふうに考えてございます。その上で、なかなか我々はこの資金決済関係の専門知識がございませんので、やはり専門的な知識を持っている人材が御指摘のとおり必要かと考えてございます。それで、どういう形態で確保するかというのは今後検討ではございますけれども、きちんと金融あるいは資金移動業関係の専門知識を持った人を確保していきたいと考えてございます。
以上でございます。
○北野委員 ありがとうございました。
○荒木分科会長 よろしいでしょうか。
八野委員どうぞ。
○八野委員 今、北野委員が意見をおっしゃったところなのですが、監督官庁がない保証会社が保証履行を行うパターンがあると承知しているわけですが、そのような認識でよろしいですか。
○賃金課長 はい。先ほどの図でお示ししたスキームがそれに当たります。
○八野委員 そのスキームは監督官庁がなく許認可制ではない保証会社に対するチェック体制というのでしょうか。今のご説明では、今後体制を整えていくということでしたが、この保証は労働者の生活にとって重要な賃金に関するものであり、資金移動業者の口座への賃金支払を可能とするためには、チェック体制がしっかりと整備されていることが前提だと考えております。体制整備のあり方について、今一度お伺いしたいと思います。
○賃金課長 先ほど御説明したのは専門人材の確保ということで、その確保の方法はいろいろやり方がありますので、どれがふさわしいかというのは検討していきたいと思っております。
その上で8ページを御覧いただきたいのですけれども、先ほどの資料の説明のときにも少し簡単に触れただけであったわけですが、2つ目の「2階部分の指定要件の充足性について、厚生労働省において、把握・判断できるのか」というところでございますけれども、厚生労働省では指定に当たってまず資金保全の契約がちゃんとあるか、先ほど申し上げたように、必要額を満たせるかということを確認するだけではなくて、その資金移動業者、それから保証会社についても必要に応じてヒアリングを行って、本当にそうしたことができるかということを把握していきたいと思いますし、また指定をした後も指定時だけではなくてその後も定期的に確認をしていきたいと考えてございます。
○荒木分科会長 八野委員、どうぞ。
○八野委員 8ページのその項目については記載がありますので理解をいたします。
ただし、その体制が整うのかどうかというところが重要ですので、しっかりと体制を整え、きちんとチェックできる体制にしていく必要があると考えております。よろしくお願いいたします。
○賃金課長 承知いたしました。
○荒木分科会長 それでは、オンラインのほうで佐藤晴子委員から希望が出ております。どうぞ、御発言ください。
○佐藤(晴)委員 ありがとうございます。私からは、資料の10ページに関して2つほど質問をさせていただきたいと思います。
10ページと申して違うページを言うのは恐縮ですけれども、そもそもこの資料が御提示くださったところとして、6ページに<不正引出の補償>ということで、インターネット・バンキングと同等の補償になるべきという御意見から方向性の赤い米印でありますけれども、インターネット・バンキングにおける補償状況等ということで、こちらは32ページに載っております。それに対応するものとして、資金決済業協会で出してくださったものが10ページということで、資金移動サービスに関する不正取引の発生状況等に関する取りまとめ結果ということかと思います。
この10ページの取りまとめ結果と、それから32ページのインターネット・バンキングに関するアンケート結果の2つなんですけれども、こちらは比較可能なものという理解でよろしいかという確認です。
つまり、被害件数であったり、あるいは金額、それに対する補償件数、補償率、こういったものというのは同じ性質ということで比較可能な資料かというところがお聞きしたい1点目です。
それからもう一つが、10ページで先ほど御説明もありました「補償せずの取扱いとなる事例について」ということで、(1)利用者自らが第三者へのアカウント情報や口座の暗証番号等を伝えていて重過失というような事例は対象にならないというような御説明がございました。
この関係でお聞きしたいのが、最近いわゆるフィッシング詐欺が、何を多発と言うのかというのはありますけれども、多発をしております。そうしたときに、例えばフィッシングサイトに、フィッシングサイトは釣られるわけですけれども、そこに自ら名前ですとか、IDですとか、釣られているとはいえ自ら入力するということにはなります。外形的にはこの要件に当たってしまうようなことも考えられるかと思うのですけれども、このフィッシング詐欺による事案というのがここの(1)で指している重過失と認められる事例というものに当たるのかどうかというところを確認させていただければと思います。
以上、2点質問させていただきます。よろしくお願いします。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○賃金課長 インターネット・バンキング、それから資金移動業のそれぞれ不正取引の状況と補償状況の資料をおつけしてございます。いずれも利用者の意思に反して行われた不正利用に関する補償の実績ということでございまして、補償の内容もガイドラインに沿ってやっておりますし、基本的には並びが取れているものと理解してございます。
それから、フィッシング詐欺が含まれるかどうかという御指摘がございました。これについても、含まれているというふうに聞いてございます。
以上でございます。
○佐藤(晴)委員 2点目のお答えですけれども、フィッシング詐欺はこの10ページの(1)の重過失に当たるというお答えでしたか。すみませんが、そこをもう一度お願いします。
○賃金課長 補償される側に入っております。
○佐藤(晴)委員 では、この重過失と認められる事例には当たらないということですね。
○賃金課長 はい。
○佐藤(晴)委員 分かりました。ありがとうございます。理解いたしました。
○荒木分科会長 続いて、オンラインで池田委員から発言の希望が出ております。お願いいたします。
○池田委員 どうもありがとうございます。私のほうからは、5ページの<資金保全>の部分について、事務局に2点確認をさせていただきたいと思います。
まず1つ目、上のほうですね、1点目です。こちらは、文中に「速やかに」という表現が2か所登場しています。それで、後半3行目の「速やかに」というのは、指定資金移動業者が破綻した場合に労働者の賃金保証のために4から6営業日程度というふうなものを「速やか」で指しているんだというふうに理解しますが、一方で前半2行目の「速やかに」というのは、通常時に口座残高上限額を100万円に維持するための措置ですということだと思いますので、より短い期間になる印象を受けています。こちらは具体的に何日程度を指すのかというのをまず1点確認させてください。
もう一点、次にその下の○の2点目ですけれども、こちらは「100万円を超えた場合には、当日中に、労働者の資金移動業者の口座からの出金を行うこととし、送金先は、労働者が予め指定する銀行口座又は証券総合口座とする。」という記載がございます。
使用者の送金指図に基づきまして、賃金支払日に労働者が持つ資金移動業者の口座に適切に賃金が送金されていれば、その当該送金によって口座残高が100万円を超えて出金が必要になった場合であっても、送金を済ませた使用者側は送金を済ませた段階で労働基準法第24条の義務を履行したことになるかという認識、それがよいかというのをお聞きしたいです。
すみませんが、もう少し細かく言うと、使用者が従業員の給与を従業員が指定した資金移動業者の口座に送金したときに、その送金を受け付けることによってその口座が限度額を超過することになる場合であっても、使用者からの送金を資金移動業者の口座が拒絶せずに受け付けて、その時点で法第24条の義務を使用者は履行したことになるのかということ、それでよろしいかということと、またその瞬間、その口座は一時的に限度額を超過する状況になると思いますが、それは一旦、許容されて超過分以上の額が当日中に労働者があらかじめ指定する銀行口座に出金されて、当日中に限度の超過額が解消される。そういうスキームになるということでいいかということを確認させていただきたいです。
以上2点です。よろしくお願いします。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○賃金課長 まず1点目でございますけれども、5ページの3つ目の箱の1つ目の○の2行目の「速やかに」というのは、次の○にありますように当日中に100万円以下にするための措置を講じているという意味での「速やかに」ということになります。
それから、3行目の「速やかに労働者に保証する」というほうは、図にありましたように4から6営業日に保証されるという意味での「速やかに」ということで、同じ文言を使っておりまして紛らわしいですけれども、意味としてはそういうことになります。
それから、2つ目の御質問ですけれども、使用者側の労働者の持つ資金移動業者の口座に適切に送金されれば、その時点で仮に100万円超えてしまったという事態が生じたとしても、労働者、使用者としては24条の義務は果たしているというふうに認識してございます。
以上でございます。
○池田委員 質問、確認の内容は理解しました。ありがとうございます。
最後に意見を1点申し上げます。賃金支払いにより限度額が超過した場合、その超過分を解消するために当日中に出金するということになると思いますが、こちらは従業員の何らかの送金指示を求めるようなスキームになってしまうと、従業員側の指示漏れ等が発生した場合に限度額超過の状況が1日で済まないなどということも発生し得るのではないかということを危惧しています。
ですので、その辺りは例えばシステムで制御する等によって自動的に実施されるような形が望ましいのではないかと考えておりますので、そのことを意見させていただければと思います。
私のほうからは以上です。ありがとうございました。
○荒木分科会長 ありがとうございました。事務局からよろしいですか。
ほかには何か御質問、御意見等ございますか。
梅田委員、お願いします。
○梅田委員 どうもありがとうございます。私からは、不正取引の発生状況等に関する取りまとめ結果について、2点お伺いをしたいと思います。
先ほど使用者側の委員の方も触れられておりましたけれども、資料でいきますと10ページのところになります。今回資金決済業界として資金移動業における不正取引の発生件数についての取りまとめがなされたということで、利用する側から見ましたら、事案がどの程度発生をしていて、そのうちどれだけの補償がされているのか一つの目安になると考えているところです。
その上で、御案内のとおり改正資金決済法は今年の5月に施行されまして、この5月以降、資金移動業者の類型として第1種、第2種、第3種ということでそれぞれ分類がなされておりますが、10ページに示していただいた発生状況につきましては法改正の前の状況を取りまとめたものであると承知をしております。今後、先ほどの類型ごとに取りまとめをされた上で定期的に公表されるものということで認識してよろしいのかどうなのかというのがまず1点目でございます。
それから、資料の24ページには、2019年3月時点では資金移動業者の口座アカウントの約95%において、1円以上5万円未満の資金残高であったということを示されております。今後賃金の振込口座として使うようになりますと、その口座の資金残高が確実に増加するであろうと考えております。
資金移動業者の第2種においては賃金口座と、そうでない口座が併存することになると考えますけれども、その場合に不正事案の発生状況や補償状況につきまして、単に第2種ということで一くくりとするのではなくて、賃金口座とそうでない口座の2つに分けて結果を示すということが必要になってくると考えておりますけれども、その対応が可能なのかどうなのか。
この2点についてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○賃金課長 まず、類型ごとに取りまとめた上で公表されるものかどうかという御質問をいただきました。現時点ではまだ第1種、第3種の業者が存在していないということなので、これまではそこまで検討されていなかったわけですけれども、今後、第1種、第3種の業者が出てきた場合は検討いただけると聞いてございます。
それから、2つ目でございますけれども、賃金支払口座とそれ以外の口座で分けて結果を示すことが必要ではないかという御意見をいただきました。
それで、これも協会のほうに聞きましたら、技術的には把握することは可能だということでございましたので、どういうふうにお示しするかということも含めて検討していきたいと考えてございます。
以上でございます。
○荒木分科会長 梅田委員。どうぞ。
○梅田委員 どうもありがとうございます。
ぜひお願いをしたいと思います。2つ目の賃金口座とそうでない口座での不正取引額の差が表れるという課題が生じないように定期的な実態把握、それから検証、検討が必要であると我々としては考えておりますので、改めて申し上げておきたいと思います。
ありがとうございました。
○荒木分科会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
八野委員、どうぞ。
○八野委員 ありがとうございます。
資料20ページにありますように、賃金の確実な支払と賃金口座の安全性のために労基法に関することは、この分科会で議論できますが、規制のイメージにあるように全体のごく一部であって、2階部分にすぎないと認識をしています。大本である1階部分の適正性がそもそも確保されていなければ、2階部分を幾ら議論しても十分ではないということは以前から申し上げております。
その上で、金融庁に3点ほどお伺いをしたいと思います。
金融庁の事業者への監督指導に関して、事務ガイドラインにおける資金移動業者関係の一部改正案が公表されています。それによれば、システムリスク管理体制及びセキュリティー対策において全銀システムに参加する第2種資金移動業者の監督に当たり、第1種資金移動業者に関する監督基準を留意するものとする、となっております。
それで、1つ目ですが、金融庁のホームページを見る限りでは、現時点において第1種資金移動業者は1社もなく、全ての業者が第2種となっています。金融庁の監督指導において主な着眼点として指摘されている事項については、第2種も同様に適正性を厳格に監督していくという理解でよろしいのでしょうか。
2点目は、賃金口座を有する資金移動業者に何らかの指導があった場合、厚生労働省と指導内容は共有されるという認識でよろしいのでしょうか。
3点目です。資金移動業者が金融庁から業務停止命令を受けた場合、払い出しの範囲がどうなるかについて教えていただきたいと思います。
以上でございます。
○荒木分科会長 それでは、これは金融庁のほうからお答えいただけますでしょうか。
○金融庁総合政策局資金決済モニタリング室長 金融庁資金決済モニタリング室長の伊藤と申します。
まず、1点目の部分です。資金移動業者については、資金決済法上、第1種業、第2種業、第3種業で、送金額に応じて類型が設けられ、各類型に応じた規制が適用されているのですけれども、いずれにしろ資金決済法に基づいて第2種業についても、引き続き、適切にモニタリングを行ってまいりたいと考えております。
それから、2つ目の御質問についてですけれども、厚生労働省の事務局が御説明された資料にも記載がございます通り、実際に今後、仮に制度化された場合には、必要な場合に厚生労働省と金融庁の間で情報連携を行っていくものと考えております。例えば、資金決済法に基づく業務改善命令や業務停止命令がなされていないかなど、指定要件に関連するような情報連携というのを含めて連携をしてまいりたいと考えております。
それから、3点目の御質問についてですけれども、資金決済法上、一定の場合において業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができると規定されております。なお、資金移動業者に対する業務停止命令は過去に一度、発出されております。その際には資金移動業者に係る全ての業務を停止する処分ということが公表されていますが、一方で、為替取引に関し負担する債務の履行の完了など当局が個別で認めたものを除く旨も記載されておりまして、利用者への資金の払出し等は可能となっていたと認識しております。
私からは以上です。
○八野委員 ありがとうございます。
ガイドラインのほうで、第2種、第3種も留意するものとするとなっておりますので、第2種を含めてお願いをしたいということでございます。もともと、資金移動業者は送金目的の業態であり、そこに労基則で上乗せ規制をかけ、賃金に関しては金融庁と厚生労働省が共管の仕組みとして提案されているものであります。
重要なのは制度の空白のところで労働者の賃金の安全性が脅かされることは絶対あってはならないと考えています。通常からの連携はもとより、何らかの事案が発生した場合の速やかな情報共有など、要するにエアポケットのような空白が生じないように取り組みいただくことが重要であると認識をしております。
以上です。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかには何か御意見、御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
○佐久間委員 ありがとうございます。
資金移動業者の口座への賃金支払いの件は大分、大詰めの審議になってきたと思うのですけれども、あえて私のほうから繰り返しになりますが、お願いを申し上げたいと思います。
資金移動業者を利用にあたり、多くの中小企業は労働者からの依頼により資金移動業者の口座(アカウント)へ支払いをする方策や仕組みについて説明をしなければいけない、ということが出てくると思います。労働者にとって、出金については月1回無料になるとか、そういう方向性もあるかもしれませんけれども、賃金を払い込む利用者としての中小企業者にとって、給与の振り込みの際の振込手数料についてもぜひ無料、これはなかなか難しいのかもしれませんけれども、安価な手数料で利用できるようにしていただきたいと考えます。給与支払いは毎月毎月発生するものですから、ぜひその辺の費用負担の低減をお願い申し上げたいと思います。
それからもう一点ですけれども、資金移動業者のサイトを閲覧し、給与を振込む方法、振り込んでからの資金の移動がどのような仕組みで行われるか、経営者が理解をしようというとき、これは以前の分科会でも申し上げましたけれども、資金移動業者の方々がその個別の中小企業に来社して教えていただければよいと思うのですが、実際には、数が多すぎて、各社ごとに対応していくのは難しいのではないかと思います。
それで、ネットでの説明書き、パンフレットということになるのですが、これだけだとやはり不親切なのかなと思います。例えば、チャット機能とAIを使ったQ&Aというのもありますけれども、やはりなかなか使いにくいということもあります。アナログ的かもしれませんけれども、電話等でつながるように、これは20分、30分、平気で待たせるようなことをしないように、すぐつながるような仕組みというのを導入して、1年、または2年ぐらい、そこまでの期間、説明をするというのをリアルで行えるような体制というのもぜひつくっていただきたいと思います。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 ありがとうございます。
先ほどから様々、労働側より意見を申し上げておりますが、この資金移動業者の口座への賃金支払が労働条件分科会に議題として提起されて以降、そもそも送金目的の資金移動業者と資金を預かる銀行では、資金保全の安全性や確実性確保という点でベースが大きく異なるということ、また資金決済法で定められている資金保全の仕組みでは、労働者の賃金は非常に大きな生活の糧であり、その賃金の保全方法として果たして迅速性と確実性があるのか、欠けているのではないか、その他の不正利用の場合の補償について現行の賃金支払方法の一つとして認められている銀行との違いがかなりあるのではないかということを指摘してまいりましたし、少なくとも銀行と同程度の安全性の確保が必要最低限であるということを主張して参りました。
生活の利便性の向上はもちろん重要だと思っておりますけれども、先ほど申し上げたように労働者の生活を支える賃金に関しては安全性と確実性が担保されることが大前提であり、単に便利だからというだけでは安全性に疑念が残るようなものを軽々に認めることはできないということは繰り返し申し上げてきたとおりでございます。
この間の議論で、破綻時の迅速な確実な返金のための保全スキームの構築、それから100万円の上限規制の件が今日明確に示されたと思っておりますけれども、不正利用の場合の補償について銀行並びにすることなど、安全性を高めるための仕組みについて議論がされ、検討されてきたというふうに考えております。
安全性という意味では一定担保されてきた部分もあると思いますけれども、先ほど北野委員の発言にもあったように、実効性を高めるためには体制整備が非常に重要であるにもかかわらず、先ほどの賃金課長の答弁では、確実に実施されるのかという点で不安を感じたところでございます。実効性を高めるための体制整備が大前提であると考えます。
また、金融庁のほうからも御発言いただきましたけれども、我々が当初から申し上げてきたとおり、そもそも1階部分をきちんと金融庁において監督指導していただくことが非常に重要であり、大前提だと考えております。その前提があって初めて2階部分の労基則が意味を持つということも、改めて申し上げておきたいと思っておりますし、その点につきましては、今後も厚労省だけではなくて、金融庁にも認識、対応いただきたいと考えています。労働者の不安が払拭されるように、金融庁、厚労省、いずれにおいても事業者の適正性、口座の安全性、確実性の確保のために厳正に取り組んでいただきたいと思います。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかに、御質問、御意見ございましょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、御意見、御質問等については本日のところは尽きたというふうに受け止めさせていただきます。本件につきましてはこれまで数度にわたり御議論いただいてまいりましたけれども、本日も様々な御質問、御意見をいただいたところでございます。金融庁と連携しつつ検討していかなければいけないという課題についても御意見があったところでございます。
そこで、事務局におかれては、労働者の生活の糧である賃金を預かる口座となり得るということも踏まえて、賃金の確実な支払い等の労働者保護が図られるよう、引き続き金融庁と連携、検討いただきながら諮問に向けた準備を進めていただきたいと考えております。
それでは、本議題につきましては以上とさせていただきます。金融庁の方々には、御出席いただきありがとうございました。ここで退席されます。
(金融庁退席)
○荒木分科会長 それでは、次の議題に移ります。
「(2)労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○監督課長 監督課でございます。
資料No.2で御説明をさせていただきます。
2ページをお願いいたします。
趣旨と経緯でございますけれども、労働基準法等に基づく届出等につきましては、令和2年の規制改革実施計画を踏まえて押印原則の見直しがございました。これに合わせて、電子申請における電子書面の添付を不要とすることとしたということでございまして、令和3年4月1日から施行されております。
その際、労働条件分科会でも御議論いただき、様々な御意見をいただきました。「電子申請の利便性向上は急務である一方、今後、電子署名が普及し、行政手続の標準になる可能性も将来的にはあるかもしれない」といった指摘もございました。
こうしたことを踏まえまして、電子申請の件数、利用率、それから取組の実施状況について、細かに本分科会のほうに御報告を申し上げて御審議いただきたいという趣旨でございます。
(参考)で「オンライン利用率引上げに係る基本計画」ということで、令和3年の規制改革実施計画に基づきまして、年間10万件以上の手続についてオンライン利用率を引き上げるための「基本計画」をつくるということになってございます。
労働基準法等に基づく届出等につきましては、時間外・休日労働に関する協定届、いわゆる36協定届でございます。それから、就業規則の届出、1年単位の変形労働時間制に関する協定届が対象になっております。
これらの手続のオンライン利用率を、令和5年度までに20%までに引き上げることを目標としてございます。
3ページをお願いいたします。「電子申請件数と利用率(令和3年)」の実績でございます。
まず、時間外・休日労働に関する協定届、36協定届でございますけれども、全申請件数が約189万件、うち電子申請が約26万件、電子申請利用率が13.79%でございます。
それから、就業規則届でございますけれども、全申請件数が約92万件、電子申請件数が約21万件、電子申請利用率が23.15%。
それから、1年単位の変形労働時間制に関する協定届でございますけれども、全申請件数が約40万件、電子申請件数が約3万7000件、電子申請利用率が9.11%となってございます。
下に、過去5年の電子申請利用率の推移をお示ししております。いずれも順調に伸びていると思っておりまして、特に就業規則届出につきましては令和3年で23.15%ということで、令和5年度に20%という目標を既にこれについては達成しているという状況でございます。
次に、4ページをお願いいたします。電子申請利用率向上に向けた取組をまとめてございます。
1は「電子署名添付の不要化」ということで、冒頭申し上げた内容でございます。
2は「電子申請に限った本社一括届出の要件緩和」ということで、36協定届の本社一括届について、電子申請の場合に限り、労働者代表が事業場ごとに異なっていても届出を可能としたということで、令和3年3月から実施してございます。
3ですけれども、API連携のための仕様の公開ということでございまして、民間で開発されたソフトウェアから直接電子申請を行えるようにするために、労働基準法等に基づく届出等についてソフトウェアの開発者向けに電子申請の仕様、データ形式等でございますけれども、これを公開したということでございます。
現在、電子申請は、特定の仕様に基づいてe-Govの電子申請システムと労働基準行政システムとの間でデータのやり取りをすることを通じて行われていますけれども、この特定の仕様を公開したことで、その仕様に沿ったデータをやり取りできるソフトウェアを民間が開発することが可能となり、そのソフトウェアから電子申請を行うことが可能となったということでございます。
それから、4は広報・啓発ということで、リーフレット、メールマガジン等により周知をすることで電子申請の利用を勧奨してございます。
5ページをお願いいたします。
「ユーザビリティ向上のためのシステム改修」ということで、実際に届出の実務に携わっている方からは「画面が見にくい」であるとか「操作に手間がかかる」といったような声がございます。このため、システムを改修しユーザビリティを向上させることで、電子申請の利用率向上を図る取組を行っています。
1点目は、36協定の記載例を申請書の入力画面に掲載するということで、これは令和3年に措置済みでございます。
2点目は、36協定届のエラーチェック機能について、単項目チェック・相関チェックを拡充。
3点目は、必須入力欄を黄色ハイライトにして明示するということで、これは令和4年度中に改修予定でございます。
4点目は、電子申請の受理印イメージを付した控文書の返送を行う機能の対象を、36協定届だけではなくほかの届出等にも拡大するということです。これは例えば就業規則を届け出ていただいた際、そこに受理印を監督署で押してそれを事業者にお返しするのですけれども、使用者が労働者に対して周知をする際に受理印を押してあったほうが周知効果が高いというような声がありまして、こうしたことを電子申請の場合でもできるようにするという改修でございます。
最後は、36協定と就業規則の本社一括届出の際に事業場一覧をつくっていただくことになりますけれども、共通項目が多いのでこの一本化を図るという改修でございます。これらについても、令和4年度中に改修したいと考えてございます。
6については、「一年単位の変形労働時間制に関する協定届の本社一括届の開始」ということで、今年の規制改革実施計画に基づき、本社一括届出の対象手続の拡大など、より企業の利便性を高める方策を検討し、必要な措置を講じるとされてございます。これに基づきまして、費用対効果のこともございますので、届出件数の多い1年単位の変形労働時間制に関する協定届について、電子申請の場合に限り新たに「本社一括届出」の対象とする方向で検討中でございます。
最後のページはシステム改修のイメージということで、右側に36協定の届出様式をお示ししてございます。
緑の枠で囲いました「事業の名称」、「事業の所在地」については、現行でもチェック項目になっていますけれども、これに加えて、赤枠で囲んだ「事業の種類」や「協定の有効期間」について、新たに単項目チェックの対象にするということでございます。
それから、青枠で囲った時間外労働の欄に記入をいたしますと、必ずその矢印の先の起算日の欄にも記入をしなければならないということになりますので、仮にその時間外労働の欄に記載があって、起算日の欄に記載がないというような場合には、それがエラーとして表れるというようなことで改修を進めたいということでございます。
それから、左下を御覧いただきますと「ハイライト例(黄色)」とありますけれども、必須入力項目が未入力の場合にはこのような黄色ハイライト表示をするということで、分かりやすく表示をしていく改修を行っていきたいということでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様より御意見、御質問があればお願いをいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
資料の3ページに電子申請件数と利用率の図表がございます。この図表を見まして、数年前の1%にも満たない状況から大幅な前進がみられたと受け止めております。この間の厚生労働省事務局の皆様の御尽力に感謝したいと思います。
その上で、私からは本社一括届出について2点、意見を申し述べます。
1点目は、対象となる手続の拡大です。資料の5ページをご覧ください。下の欄に「一年単位の変形労働時間制に関する協定届の本社一括届出の開始」とございます。こちらは経団連が昨年度、「規制改革・行政改革ホットライン」に要望を提出させていただいた事項でもございます。多数の事業場を抱えている企業にとって、本社一括届出は大変利便性の高い仕組みとの声を聞いております。今後とも、事業者のニーズの高い手続を洗い出し、本社一括届出の対象に含めていただければと思います。
2点目は、本社一括届出の要件です。時間外労働・休日労働に関する協定届、いわゆる36協定届を本社で一括して届け出るためには、御案内のとおり、事業の種類、名称、所在地、労働者数、労働組合の名称または過半数代表者職名・氏名、それから過半数代表者の選出方法以外の項目が各事業場で同一でなければなりません。
具体的には、業務の種類や時間外労働、休日労働をさせる必要のある具体的事由、それから延長することができる時間数、これらが各事業場で異なる場合は本社一括届出の要件を充足しないとことになります。そのため、事業場ごとに、労働時間の削減を含めた最適な働き方を模索している企業にとって利用しづらい面がございます。
行政手続である届出の負担軽減ということ以上に、各事業場の実態に応じた協定の締結を確保する観点からも、現行の本社一括届出の要件の見直しが必要だと考えているところです。ぜひ今後御検討いただければと思う次第です。
私からは以上です。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、続いて川野委員お願いします。
○川野委員 ありがとうございます。
私からは、資料2の3ページの電子申請について、電子申請の利用率2割以上という目標達成を目指した取組が目的になってしまうということに対して大きな懸念がございます。
就業規則は御案内のとおり意見書の提出を義務づけられていまして、就業規則の作成・変更に関して丁寧な説明を労働者にして、その上で意見書を添える。意見書は反対の意見であっても、就業規則の内容が法律に反していなければ受理するというこれまでの手続があるわけですが、電子申請の件数が伸びたことで意見書の内容や件数の変化があったかどうか伺いたい。
十分な説明がされずに形骸的になって、企業内におけるルールである就業規則が十分に労働者に周知されておらず、手続だけが先行してしまうことがあってはならないと思っています。
あとは、5ページのところで先ほど鈴木委員が一括申請にも触れられましたけれども、1年単位の変形労働時間制の協定届も電子申請の場合に一括届出の対象とすることを検討中とあります。本社の一括届出をするために枠として統一しなければならないために上限に張りついて、本来であれば、各事業場で適正な労働時間の協定が結ばれることを阻害するようなことになっては本末転倒であります。これまでの労働時間規制の議論をしてきた当分科会の議論とは逆の方向に動いてしまう懸念があるということでございます。
また、労働基準法に基づく届出に関しては、働き方改革関連法の施行に合わせて36協定等の労使協定の締結の適正化を図るために、協定締結当事者である過半数代表者の要件の厳格化が労基則改正によって行われてきたわけでございます。しかし、近年の労働相談においても適正な選出に疑義がある事案も複数寄せられていますので、働き方改革関連法の施行によって労使協定の重要性が今まで以上に増している中にあって、引き続き過半数代表者の適切な選出に向けた検討をしっかりと進めていく必要があると考えております。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
1点御質問がありましたので、事務局からお願いします。
○監督課長 ありがとうございます。
最初に、就業規則の意見書について御指摘をいただいたかと思います。これは、就業規則について電子申請で届出をする場合であっても、労働組合又は労働者代表の意見書は必ず添付しなければならないということになっておりますので、法令の規定どおり、意見書は必ず添付されるということでございます。
その上で、電子申請の場合にその内容が変わっているかどうかの傾向ということですが、これは恐縮ですが、なかなかそこまでの分析は難しいと考えておりまして、今後の検討課題かと思っております。
それから、適切に労使協定が結ばれるかどうかということで御指摘をいただいたかと思います。これは、やはり電子申請をする場合であっても、労使協定を締結することと、それを届け出ることは別のフェーズの話でして、労使協定は各事業場で労使でしっかり話し合って適切に締結していただく。それを届け出る際には、電子化による効率化を図っていただくということかと思っております。労使協定の締結を適切に行っていただくということは重要なことだと思っておりますので、引き続きしっかり周知をしていきたいと思っております。
以上でございます。
○荒木分科会長 よろしいでしょうか。
○川野委員 ありがとうございます。
今ほど説明があったとおり、やはり適正に行われるということが大変重要でございまして、この電子申請2割を目指した取組によって変化が生じて、本来目指したものと違う方向に行くことに懸念があるということを改めて申し上げておきたいと思います。
○鬼村委員 ありがとうございます。鬼村でございます。
私のほうから2点、意見を申し上げさせてもらいたいと思います。
まず1点目ですけれども、申請後の受理の御連絡というものの在り方についてでございます。従来のやり方ですと、監督署のほうに書面を持ち込んで手続をするということだったわけですけれども、そうした場合、監督署の担当者の方がその場で副本に受理印を押して返却をしていただけるといった運用で、これは企業にとっては大変安心感のあるものだったと思っています。
e-Govの電子申請においても受理印のイメージを付した、こういう控え文書の返送を行う機能を実装していく、あるいはその対象手続を広げていく予定であるというのは非常にありがたいことで、これはぜひ進めていただきたいなと思っております。
ただ、一方で、現状こうした控え文書の返送には一定期間を要するケースもございまして、例えば時間外・休日労働に関する協定届、いわゆる36協定ですけれども、多くの企業でその協定本体の有効期間が年度末だったりすると思うのですが、行政機関には迅速に受理いただきたいというようなケースが多いのではないかなと思います。
こうした場合、企業の担当としては、提出後に適切にきちんと受理をいただけたのかどうかということに非常に気をもんでいたり、気がかりになっていると思いますので、非常に御多用な時期であるとは思いますが、データ送信後に各監督署で迅速に処理を進めていただくとともに、あるいは申請側のほうで何らか現状のステータスがタイムリーに分かるような仕組みになるとか、こういった点も御検討いただけると大変ありがたいなと思っております。
それから、2点目が使い勝手の部分でございまして、1年単位の変形労働時間制の協定届なのですが、先ほど本社一括届の対象にという方向性もあるということで、これも非常にありがたいというように聞いておりましたが、現状、これには対象労働者の勤務時間とか所定休日等の記載が必要になるものでございます。
所定休日は今だと当該期間のカレンダーを添付することで代えられる運用になっていると思っており、製造業などを中心に多いと思うのですが、交代勤務のように勤務時間や所定休日の組合せが複数ある事業場の場合、書面だとこうした複数のカレンダーを添付すればそれをまとめて受理いただけたというものが、電子申請の場合になりますとこの組合せのパターンに応じて手続を複数回に分けて行わなければいけない。非常に実務的な話で恐縮ですけれども、こうした実態がございます。
書面と同様、何か柔軟な対応ということが可能となれば、より一層こういう電子申請の利用を検討される事業場も増えていくのではないかと思いますので、全体の中でこうしたことについても御検討いただければ大変ありがたいと思います。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
続いて、山内委員お願いいたします。
○山内委員 ありがとうございます。
まず、御説明いただきましてありがとうございました。私からは意見を1つと、あとは簡単ですが、質問を1つさしあげたいと思います。
まず意見のほうですけれども、今回御説明いただいた電子化、電子申請化について、企業側においても、実は届出のために役所に足を運ぶ時間が減るとか、いわゆる24時間受け付けてくれていますので、そこら辺は時間の選択肢が増えた。労働時間の削減につながっているだけではなくて、実は今お話しいただいたように、本社の一括届出に向けて拠点間で微妙にルールとか制度の差があるものを改めて労使間で協議をして、これまでの制度の考え方とかをもう一回整理して、できる限り統一、標準化していけるものはしていくような形のいい機会になったかなと思っています。
これが結果的には、働く人たちにとって労働生産性を高めることにつながっていけばというふうに考えておりますので、引き続きユーザビリティーの向上に向けた取組を進めていただけるというふうに記されておりましたので、継続してお願いしたいと思います。
そこで、些細な点ですが、1点だけ質問させてください。電子申請の利用率向上に向けた取組についてです。現在、e-Govの電子申請、アプリケーション、これは私もアカウントを登録させていただいて実際にのぞいてみたんですけれども、皆さん御承知のとおりパソコンだけで対応されています。スマートフォンでも閲覧とか、進捗状況の確認はできるようになっているのですが、これはぜひスマートフォンでの申請も可能にしていただけるとありがたいかと思います。
パソコンだと、画面の大きさとかで利便性の高いことは当然ながらあるのですが、スマートフォンの利用というのが非常に急激に高まっていることは皆さん御承知のことかと思います。4ページの3つ目の箱に、「API連携のための労働基準法等関係手続に関する仕様公開」ということが記されておりました。民間企業が開発した労務関連のソフトウェアから電子申請を行うことが可能になっているというふうに記されておりますが、これによって連携先のソフトウェアがスマートフォンに対応していれば実質的にスマートフォンから電子申請が可能となるわけなのですけれども、当該ソフトウェアを利用していない事業者の方々にとっては、依然としてパソコンを用意して電子申請を行う必要性が出てきます。
e-Govの電子申請のアプリケーション自体をスマートフォンで対応させるような予定が今後考えられているのかどうか、些細な質問かもしれませんが、教えていただけるとありがたいかと思います。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、事務局からお願いします。
○監督課長 ありがとうございます。
スマートフォンのアプリから電子申請できるようにすべきではないかということの御指摘だったかと思います。現状でそのような改修計画が進んでいるということはないのでありますけれども、今、御指摘いただきましたことも踏まえて将来的な検討課題として承らせていただきましたので、検討していきたいと考えております。
○山内委員 どうもありがとうございました。ぜひ検討の中の一つとして含めていただけるとありがたいかと思います。引き続きよろしくお願いします。
以上です。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等、いかがでしょうか。
冨髙委員。
○冨髙委員 ありがとうございます。
先ほど、懸念する部分につきましては川野委員からも御発言がありましたけれども、使側の皆さんから本社一括届についてぜひ進めていただきたいというようなお話がございました。労働側としましては、各事業場の勤務実態を踏まえて、その事業場における労使がきちんと話合いをすることが非常に重要だと考えておりますので、そのような効率化のみが重視され、働き方に関する課題が埋もれるようなことがあってはならないと考えております。その点をぜひ踏まえていただいて慎重に検討いただければと考えております。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日も種々、御意見いただきました。事務局においては、本日いただいた御意見も踏まえて、今後の電子申請の利便性向上と普及促進に努めていただくようお願いしたいと思います。
それでは、本日の議事はここまでとさせていただきます。
最後に、次回の日程等について事務局から説明をお願いします。
○労働条件企画専門官 次回の日程等につきましては、調整の上、追ってお知らせいたします。
○荒木分科会長 それでは、第178回「労働条件分科会」は以上で終了といたします。
本日は、御参加いただきましてどうもありがとうございました。