第1回産業保健のあり方に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

日時

令和4年10月17日(月)10:00~

場所

労働委員会会館会議室205号室

議題

  1. (1)産業保健に関する現状と課題について
  2. (2)産業保健の今後のあり方に関するフリーディスカッション
  3. (3)その他

議事

議事内容
○岩澤産業保健支援室長補佐 本日は、お忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより産業保健のあり方に関する検討会を開催いたします。座長選出まで、事務局の岩澤が議事進行を担当いたします。初めに、安全衛生部長より御挨拶申し上げます。
○美濃安全衛生部長 安全衛生部長の美濃です。皆様、本日は大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。今年は労働安全衛生法が制定、施行されて50年という節目の年となります。これまでの間、労働安全衛生法の目的であります職場における労働者の安全と健康を確保するべく、労働安全衛生行政は皆様方の御協力の下、様々な施策を講じてまいった次第であります。こうした中で、労働安全衛生法が制定された当時には想定されていなかったような、職場における労働者の健康確保に関する様々な課題が生じてきております。具体的に申し上げますと、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援をはじめとして、高年齢労働者や女性労働者の増加に伴う対応、新型コロナウイルス等の感染症対策などでございます。
 しかしながら、現行の労働安全衛生法令が規定しております産業保健の活動内容や体制というものは、社会や産業現場の変化に必ずしも十分に対応しておらず、産業現場の実態と合わなくなってきている部分があると存じます。また、中小規模の事業場においては、必ずしも十分な産業保健活動が行われていないといった現状もあります。そうした実態も踏まえて、産業現場の現状に即した効果的な産業保健活動を推進するために、どのように制度を見直し、どのような体制を構築していくべきか、改めて検討が必要なときを迎えていると考えております。
 このため、有識者の皆様や関係団体の皆様に御参集をお願いして本検討会を開催し、今後の産業保健のあり方について、専門的な御知見、現場の視点から活発に御議論いただきたいと考えております。また、御議論を通じ、今後の産業保健のあるべき方向性をおまとめいただきたいと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○岩澤産業保健支援室長補佐 報道関係者にお願いいたします。カメラ撮りはここまでとしてください。
 それでは、本日の出席者を御紹介いたします。まず、構成員の先生方を名簿の順に御紹介いたします。全国中小企業団体中央会常務理事、及川様でございます。日本商工会議所産業政策第二部長、大下様でございます。富士通株式会社健康推進本部健康事業推進統括部健康支援室長、岡田様でございます。公益社団法人日本看護協会常任理事、鎌田様でございます。公益社団法人日本医師会常任理事、神村様でございます。公益社団法人全国労働衛生団体連合会専務理事、亀澤様でございます。全国衛生管理者協議会監事、神津様でございます。健康保険組合連合会組合サポート部長保険担当、小松原様でございます。一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部長、鈴木様でございます。日本労働組合総連合会総合政策推進局長、冨髙様でございます。全国健康保険協会理事、中島様でございます。東京大学未来ビジョン研究センターデータヘルス研究ユニット特任教授、古井様でございます。近畿大学法学部法律学科教授、三柴様でございます。公益社団法人日本人間ドック学会理事、武藤様でございます。産業医科大学産業生態科学研究所教授、森様でございます。なお、本日は三井記念病院の中嶋構成員は所用により欠席されております。
 次に事務局を紹介いたします。美濃安全衛生部長です。石川労働衛生課長です。中村産業保健支援室長です。清水中央労働衛生専門官です。
 初めに、お手元の資料の確認をいたします。資料1、産業保健のあり方に関する検討会開催要綱です。資料2、産業保健に関する現状と課題です。資料3、今後の産業保健のあり方に関する論点です。参考資料としまして、参考資料1が産業保健の現状と課題に関する参考資料、参考資料2が産業保健業務の具体化に向けた現状整理・課題抽出のためのWG報告書となっております。資料の不足等はありませんでしょうか。
 それでは、開催要綱について説明いたします。資料1を御覧ください。まず、目的ですが、大きく3つ書いてあります。1つ目は、メンタルヘルスや働き方改革への対応、労働者の高齢化への対応、女性の就業率増加に伴う健康課題への対応、治療と仕事の両立支援など、産業保健に関する課題は多様化しており、現場のニーズの変化に対応した産業保健体制や活動の見直しが求められているということです。2点目ですが、法令に基づいて産業保健体制が整備されている事業場の中にも、効果的に活動が行われていないとか、保健事業を実施する保険者との連携が十分に図られていない事例もあることから、より効果的に産業保健活動の推進を図る必要があるということです。3点目として、産業医の選任義務のない50人未満の事業場について、産業保健活動が低調な実態があるということで、こうした小規模事業所における産業保健体制の確保と活動の推進が必要になってくるということです。こうしたことから、産業現場のニーズを踏まえ、より効果的に産業保健活動が推進されるよう、産業保健に関わる者の役割分担を検討いただくために、本検討会を開催するというものです。
 検討事項については、産業保健活動における課題に関することをはじめ、こちらに9つほど列挙させていただいております。
 構成等については、厚生労働省労働基準局安全衛生部長が関係者の参集を求め開催するとなっております。構成員については先ほど御紹介したとおりですが、使用者団体、労働者団体、保険者、関係団体の代表者、学識経験者等から構成するとなっております。その他、所用の規定を設けております。
 最後に、検討会の運営ですが、この検討会、会議資料、議事録については、原則として公開となっております。ただし、個別事案を取り扱う等、座長が非公開が妥当であると判断した場合には、非公開とすることができるとなっております。その他、所用の規定が書いてあります。別紙には構成員の名簿を掲載しております。要綱の説明は以上です。
 本日は、議事次第にありますとおり、産業保健に関する現状と課題及び産業保健の今後のあり方について、現場の実情等も踏まえ、自由に御意見を頂き議論をお願いしたいと存じます。
 次に座長の選出を行います。開催要綱にもありますとおり、座長は構成員の互選により選出いたします。構成員の方から御推薦はありますでしょうか。
○三柴構成員 三柴ですが、森晃爾構成員が適任と考えますが、いかがでしょうか。
○岩澤産業保健支援室長補佐 ただいま、森構成員の推薦を頂きました。ただいまの推薦に基づき、森構成員を座長とすることに御賛同いただけますでしょうか。
(異議なし)
○岩澤産業保健支援室長補佐 ありがとうございます。皆様、御了解いただきましたので、今後の議事進行については、座長の森構成員にお願いいたします。
○森座長 御指名いただきましたので、座長を務めさせていただきます。この検討会は、産業保健の世界にとって、また労働者の健康にとって重要な検討会になろうかと思いますので、是非皆様と一緒に建設的に議論をして、よりよい方向性を見いだせればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 今日は、かなりの方がオンラインで参加されております。それから、メンバーも16名とかなり多い状態です。できるだけ多くの方に発言いただきたいと思いますが、オンラインの方は挙手マークを表示いただくということで対応したいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、これから議事に入ります。まず最初は、議題(1)産業保健に関する現状と課題についてです。事務局からの説明後にこの議論をしてから次の議題に移っていくという流れで進めたいと思います。それでは、議題(1)について事務局から御説明をお願いいたします。
○中村産業保健支援室長 事務局の中村から御説明いたします。お手元の資料2を御覧ください。事務局で産業保健に関する現状と課題がどういうものかということを簡単にまとめておりますので、こちらを御紹介して御議論いただければと思います。
 1ページ目は職場における健康課題の多様化と深刻化です。労働安全衛生法が制定された当時には想定されていなかった、最初の部長の挨拶にもありましたが、ここに並べております様々な健康課題が現場で生じているのではないかというのが、まず1つです。こうした課題について現状がどうなっているのかということで、参考資料1にもデータを載せておりますが、まずメンタルヘルスに関する状況です。こちらは参考資料1の2、3ページに労災の認定の状況を載せておりますが、年々増加が続いている状況になっております。同じく参考資料1の8、9ページ目にありますが、例えばメンタルヘルス対策として法令で義務付けられておりますストレスチェック制度、これは50人以上の義務となっておりますが、小さい企業では実施率が低い状況にとどまっているといった課題もあるかなと思っております。
 2点目ですが、一般健診の有所見率が増加しているということで、参考資料1の12、13ページ目に、今後労働力の高齢化が進んでいくというデータと、年々有所見率が上がっているというデータを載せております。14ページ目には、年齢とともに血圧や血糖の有所見率が上がっていっているということで、労働力の高齢化とこの有所見率は関係してくるだろうと。15ページ目には、年齢が上がるといろいろな疾病の有病率が上がっていくというデータもありますので、今後高齢化に伴ってこうしたことが厳しくなっていく状況にあるのではないかというのが、2つ目の内容です。
 3つ目ですが、高齢化に関連して、高齢者の転倒が増加している状況もありまして、16、17ページ目に身体機能がどのように高齢化で落ちていくのかということと、実際に転倒についてどのぐらい年齢層で差があるのかというデータを載せております。それから、がんなどの病気を持っていらっしゃる方の治療と仕事の両立の関係は18、19ページ目に載せておりますが、何らかの疾患で通院している労働者の割合が年々増えているというデータと、職場で十分な配慮を受けられていない方が2割弱ほどいるというデータも出ております。
 それから、女性の就業率が上がっているということで、20、21ページ目にデータを載せております。各年齢層で女性の就業率が上がっていることに併せて、21ページにありますが、職場で女性の健康問題に関して困った経験があるという方が半数を超えているというようなデータもあります。今、現場ではこういった課題が生じているのではないかというのが、1枚目にまとめたデータになっております。
 資料2の2ページです。こういった現場の課題と、法令が想定をしている産業保健活動に大分ずれが生じてきているのではないかというのが、こちらに書いている内容です。真ん中の青い部分は、法令で規定されている産業医や衛生管理者が行うべき職務なのですが、今御紹介申し上げたような現場で生じている課題が十分に反映されていないのではないかというのが1つです。それから、実際に産業医や衛生管理者が活動している内容と、この法令で想定している内容とがずれてきているのではないかと、こういった声も現場から多く頂いている状況です。
 2つ目のマルにありますが、1,000人未満の事業場では産業医の活動時間が少なく、職場巡視や衛生委員会への出席が中心で、健康管理が行われていないのではないかという関係で申しますと、参考資料1の33ページ目からアンケート調査の結果を載せておりまして、33ページ目は、日本医師会が行ったアンケート、それから産業医科大学が行ったアンケートなども載せておりますが、多くは本業の傍ら産業医活動をやっているという方が多い状況になっております。34、35ページ目辺りに、どれぐらいの時間活動しているのかということが載っておりますが、月に数時間というのが中心になっているということが、このデータからは分かります。36ページ目には、どういう活動が中心になっているのかということもデータとして出ております。
 3つ目のマル、50人未満の事業場での産業保健活動の実態ということですが、30ページ目に規模別の産業医の選任状況、衛生管理者の選任状況が載っております。実際の事業場、企業からのヒアリングなどでも、この50人未満の事業場の産業保健活動というものは余り行われていないのだという声もお聞きしております。
 資料2の3ページ目は、今申し上げた産業医や衛生管理者の活動の実態とは別に、産業保健を支える方々が多様化している実態があるのではないかという内容です。
 職場の産業保健活動に従事する保健師・看護師が増加しつつあるという実態を紹介しております。参考資料1の44ページ目には、労働者健康安全機構が行った事業場に対する調査の結果も載せており、規模ごとに保健師・看護師をどのぐらい活用しているのかということもデータとして出てきております。
 資料2の3ページの2つ目です。特定健康診査・特定保健指導が制度化されて大分時間がたっておりまして、職域で事業者と保険者が連携した取組、コラボヘルスと言われますが、これが進んできているということですが、事業者による産業保健活動と保険者による保健事業をどのように連携してやっていくのかということも、現場では課題になっているのではないかというのが2つ目に書いている内容になります。
 3つ目として、平成26年にストレスチェック制度が制度化をされたわけですが、その後健康管理支援をサービスとして行う企業が増えてきておりまして、参考資料の48ページ目に、これはストレスチェックに限ってですが、どのぐらい外部委託をしているのかというデータもあります。こういった健康管理の支援をサービスとして行う企業の活動というのも実態として増えてきている中で、こういった活動をどう活用していくのかということも課題の1つなのかなと思っております。
 4ページ目の3番、健康経営の広がりと経営者の意識の変化ということで、参考資料の50、51ページ目に載せております。経済産業省が制度として運用している健康経営の認定が増えているというデータや、中小企業の経営者の健康経営への認知、取組状況などもデータとして出ており、こうした動きが広がっているのではないかということです。一方で、法令違反にならない範囲で最低限のことをやればいいのではないかと考える事業者も一定程度いるのではないかということで、従業員への健康の取組が経営にもプラスになるのだという意識をどう広げていくのかということも課題の1つなのではないかと思っております。
 最後に4番、健康管理を支援するIT技術の拡大です。参考資料の56ページ目以降に事例として載せました。AIやウエアラブル端末などを活用して健康管理をやっていこうという動きが出てきているということで、産業保健活動の中でもこうしたものを有効に使っていくようなこともできるのではないかということが1つです。それから、テレワークがこのコロナの影響でもかなり拡大しているところで、就業場所が自宅を含めて分散化している中での産業保健活動のあり方というのも整理をしていく必要があるのではないかということで、課題として挙げさせていただきました。事務局からの説明は以上です。
○森座長 ありがとうございます。ただいまの事務局の説明について、皆さんからの御意見、御質問を頂きたいと思います。今日は、議題(2)としてフリーディスカッションがありますので、今の課題認識について特にこういったこともあるのではないかとか、ここが違うのではないかといったことについてお話を頂くということにしたいと思います。後ろにできるだけ時間を残しておきたいという事情もありますので、ある一定の時間で区切って、もし追加があれば議題(2)のほうで話をしていただくという流れで進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、どなたからでも結構ですので、何かありましたらお願いいたします。岡田構成員、お願いします。
○岡田構成員 富士通の岡田です。資料2の1枚目、高年齢労働者が増えていて有所見率が増加しているとありました。ある一定の年齢層から有所見率が急に上がっているという状況もあり、高齢になってからというよりは、それ以前の若い世代からの健康管理も視野に入れて検討していただきたいなと思いました。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。この段階では特にありませんか。では、私から1つだけ。この資料の最初の所で、「化学物質の自律的な管理への移行に伴う健康管理対策」とあります。化学物質の自律管理に関しては、特殊健診の項目の選定や実施について、まだ十分には検討ができていない状況です。自律管理の中で、特殊健診を事業者と労働者が話をした上で、医師の意見を聞いて特殊健康診断を実施することが必要になります。本検討会の議論の中心では、どのように広く産業保健サービスを提供するかということですが、併せて特殊健診の問題になると、かなり専門性の要る部分を、どのようにしてカバーするかということが、1つの論点になろうかと思っています。
 ハイジニストとか労働衛生コンサルタントといった技術者が、今後リスクマネジメントでかなり活躍していただくことが前提なのですが、健康評価については間違いなく医師が中心にならないといけない部分なので、ここの部分の専門性をどのように担保するかということが、今後の化学物質管理の中では1つの大きな課題かなと思っています。そこで、1のほうの項目にはなるのですが、今後の検討課題、この委員会でやるかどうかは別にして、検討しなければいけない課題としては、化学物質の自律的管理の中で特殊健診を実施できる産業医の確保の問題を、是非何らかの形で残していただきたいなと思っています。
 皆さんの現状に関する認識はこれで共通であるということで、次に進めてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議題(2)産業保健の今後のあり方に関するフリーディスカッションに移ります。フリーディスカッションに当たり、皆さんと共有させていただきました現状と課題を含めて、今後はどういったことを論点にしていったらいいのかということについて事務局で案をまとめていただいておりますので、資料3に基づいて事務局から御説明をお願いいたします。
○中村産業保健支援室長 資料3を御覧ください。事務局のほうでかなり幅広めに論点を御用意させていただいておりますので、まず、そちらを御説明したいと思います。
 1枚目の1番、多様化するニーズに対応した産業保健の位置づけについてということで、こちらは少し大きなテーマになります。ここに書いてあるように、これまで労働安全衛生法に基づく産業保健活動というのは、業務に起因して発生する疾病であったり、業務によって悪くなる疾病というのを予防することを一義的な目的としてきたということです。今、認識共有をさせていただいたように、高齢者の疾病の予防や管理、若しくは高齢者に至る前のより早めの健康管理による介入、これは生活習慣病の予防なども含めますが、それから女性の健康問題の対応など、こうしたことについては業務と関連して生じる疾病というよりは、個人が持っている疾病をどう管理して予防していくのかということに関連していく話だと思っております。
 他方で、こういったものをきちんと管理していかなければ、業務にも影響が出ますし、生産性などにも影響が出てくるということで、職域の保健で扱うべきテーマであることは恐らく間違いないだろうという中で、いわゆる産業保健、これはこれまであまり明確な定義がされてきませんでしたが、産業保健が今後どういう役割を担っていくべきなのか、何を目的としていくべきなのかということを改めて整理する必要があるのではないか。その中で、2つ目のマルにあるように、業務と直接関連のないものをどういうふうに位置づけていくべきか、それに対する企業や職場の対応はどういうふうに位置づけていくべきか、まずはこういう全体像を整理させていただきたいというのが1つ目に書いてある内容です。
 それに関連して、2つ目として、今後、産業保健活動として何を重点にして取り組んでいくべきなのかということを御議論いただきたいということです。2つ目のメニューとしては、先ほどの現状と課題についての資料に書いていたメンタルヘルス、両立支援、疾病予防、こういった課題についての対策をここに並べております。これに限るということではありませんが、御議論をお願いできればと思います。
 2ページ、こうした産業保健をどういう体制で今後実施していくべきかということで、2ページから3ページにかけて論点を整理させていただいております。産業医の職務については、今の現状は、冒頭の資料2にあったように、産業医がかなり広範な業務を担っているということになっておりますが、そもそも医師である産業医の資格を持った方がどういう職務を中心にやるべきなのかということ、特に医師不足である地方の事業場や中小企業も含めて、広範囲に産業保健のサービスを提供していくことを考えたときに、ある程度リソースとしては限られている産業医が重点として何を職務として担うべきなのかということを、改めて整理をする必要があるのではないかというのが1つ目です。
 2つ目として、産業保健を担う重要な役割にある衛生管理者の職務というのは、これまで余り具体的に整理されてこなかった面があります。法令の中では衛生に関する技術的な事項を担うということになっておりますが、実際はどういう職務を現状としては行っているのかとか、今後、産業医とか他の専門職との関係も含めて、衛生管理者というのは事業場でどういう役割を果たすべきなのかということを、もう少し具体化していけないのかということが2つ目の内容です。
 3つ目として、今、法令では衛生管理者・産業医が規定されているわけですが、それ以外にも保健師・看護師が活動しているという実態があります。先ほど、森座長から化学物質の話もありましたが、今後の化学物質の自律的な管理の中で化学物質管理者、ここには書いておりませんが、化学物質専門家という方も出てきます。それから、作業環境測定士など様々な専門職の方がいるので、こういった方々がそれぞれ自分の専門性をいかして、どういう活動をしていけば、実態に合わせた産業保健活動を実施していけるのかということを改めて整理したいということです。
 特に、この中で保健師・看護師については、安衛法の中では位置づけがされていないわけですが、そういった方々も今後どういうふうに位置づけていくべきなのかというのが、3つ目のマルに書いてある内容です。
 続けて、3ページを御覧ください。こういったそれぞれの個人の専門職の役割分担と併せて、そもそも法令に定められている産業保健体制が、現場の実態に合っているのかどうかということです。現状は、50人を超えると産業医や衛生管理者の選任義務がありまして、1,000人を超えると産業医は専属でなければならないということになっております。様々な業態や業種がある中で、今の事業場の人数規模で区切っていくという仕組みが妥当なのかということです。本来、産業保健が目指すべきなのは、必要とする全ての労働者の方に必要な産業保健サービスを届ける、提供されるということだと思いますので、その目的に照らしてどういう仕組みにすることが、現場を踏まえて適切な体制になっていくのかということを、改めて議論をさせていただきたいというのが1つ目のマルです。
 それに関連して2つ目と3つ目のマルを設定しております。こうした今の仕組みは産業医を選任する、衛生管理者を選任するという、個人を選任する形になっておりますが、現状、保険者による保健事業や、健診機関が健診に合わせて様々なサービスを提供するとか、健康管理のサービスを行う会社による取組などが広がってきています。産業保健サービスを提供するという中で、こういう組織や団体による取組をどういうふうに位置づけるべきなのか、中小企業も含めて幅広くサービスを提供していくためには、もう少し柔軟な仕組みにしていくことも考えられるのではないかということも含めて御議論いただきたいというのが2つ目のマルです。
 それと関連して、3つ目のマルに書いてあるのが、保険者というのは健康保険法や高確法で役割が定められているわけですが、被保険者に対する健康増進の活動というのは、正に労働者に対する健康増進の活動、産業保健と重なる部分がありますので、どういう役割分担・連携の中で保険者と産業保健というものを位置づけていくのがより効率的、効果的になるのかということも整理していきたいというのが、3つ目のマルになります。ここまでが体制の話です。
 4ページですが、こうした体制を担う者の資質の向上をどうしていくのかということです。この中で、産業保健を担う中心的な立場になっている産業医、衛生管理者が実際に現場で役立つ知識や技能を身につけるために、今の教育や資格の仕組みの中で何か見直すべき点はないだろうか。これは再教育も含めて、どういう知識や技能を身につけさせるべきなのか、そのための方法として、どういうものがあるのかということを改めて整理したいと思います。併せて、先ほど申し上げた保健師とか看護師に対しては、産業保健を身につけさせるという仕組みが、今の国の仕組みではないわけですが、どういう教育研修をやっていくべきなのか、そういうことも併せて整理が必要なのではないかというのが4点目です。
 5点目として、今申し上げたように、人数規模によらず全ての労働者に必要なサービスを提供していくという中で、中小企業でどうすれば産業保健活動を実のある形で実効性を担保していけるのかということ、そのためにどういうリソースをどういうふうに使えばうまく回っていくのかということも、委員の先生方の知恵も頂きながら整理ができないかということです。その中で、2つ目のマルにありますが、国による支援、産業保健総合支援センターや地域産業保健センターの役割は何なのかということや、地域に根ざした経済団体、商工会、同業者組合、そういう所との連携のあり方、国による経済的支援のあり方、こういったことも併せて整理をしていきたいというのが、5つ目の論点です。
 5ページですが、冒頭の問題意識の所でも、健康経営の広がり、経営者の意識の変化というお話をさせていただきましたが、健康経営に関心を持つ経営者が増えているという事実はあるのですが、特に中小企業で健康管理活動がどんどん活発になっているという状況までにはまだ至っていないということです。経営にもプラスになるという新しい概念も含めて、健康経営をうまく進めながら産業保健も前に進めていく、そういったことをどういうふうに進めていくべきなのかという議論を頂きたいというのが、1つ目、2つ目のマルになります。
 3つ目にあるのは、従業員が健康になるような取組は、従業員というのはその地域の住民でもありますので、住民の健康増進にもなりますし、健康寿命の延伸にもつながっていくということ、従業員が健康になっていけば、当然、企業の活力も上がっていくということで、これは地域の活性化にも当然つながっていく取組でもありますので、地方公共団体や地域の団体ともう少し強く連携をしていって、相乗効果を高める意味での取組を進めていけないだろうかというのが3つ目のマルです。
 最後、7点目は、IT技術の活用促進ということで、ウエアラブル端末を含めて、現場で使えるようなIT技術をうまく活用していくことで、効率化できるような取組があるのかどうかということです。2点目として、オンライン化が進む中で、産業保健活動もより時間を有効に使って効率的にやっていくために、どういうことをうまくオンライン化でやっていけば、より効果的なものにつながっていくのかということです。それから、テレワークで事業場が分散化していくという中で、これは例示として書いておりますが、今、職場巡視ということを定期的にやることになっておりますが、こういった就業場所が多様化していく中での職場巡視のあり方はどうあるべきなのかということも御議論いただきたいと思います。かなり多岐にわたっているのですが、事務局のほうで整理させていただいた論点は以上でございます。
○森座長 ありがとうございました。非常に多岐にわたったテーマになっています。今後、いろいろな形でまず皆さんの意見を聞いて、それからテーマを絞りながら検討していくということで理解しております。ここからは皆様から御発言を頂ければと思います。今日はできるだけたくさんの意見を題材として出せればと思います。よろしくお願いします。三柴委員、お願いします。
○三柴構成員 少し長めになりますが、御寛容いただければと思います。産業保健が今後どういう役割を果たしていくかということですが、端的に言いますと、個人と仕事や職場との適応支援、そしてそれに基づく就業判定ということになっていくと思います。これはきれい事ではなくて、個人と組織の納得の最大化、特に健康障害で問題が生じたときに、そういうことをやらないといけないと思います。そうしますと、これは従来の医学の枠に恐らく収まらなくて、かなり社会的な文系的な仕事になってくるのだろうと思います。そして、それを関係者との連携に基づいて、働き掛けていくということが求められてくるだろうと思います。
 では、これが現行の法令との間でどうかと見たときに、資料の中にもあるように、法令と実態とで、やはりずれが生じているのだろうと思います。それは、経営者側から求められるものもそうですし、産業医、産業保健者が提供できるものもそうですし、それと法令との間では多分がずれが生じているだろうと思います。
 私自身は、産業医の方々、産業保健の関係者の方には誇りを持って働いていただきたいという思いが非常に強くあります。また、法令上、衛生関係の専門職としては、産業医が、名前は変わりましたが最も歴史が長いわけです。その前提で現状に鑑みたときに、例えば法第13条第2項の医学に関する知識が専門性であるという定め方はいいのかということを考えなければいけないと思うのです。医学の枠にはまらない仕事を求められているのに、医学のみを掲げた定め方でいいのか。仮にそこを変えないとしても、医学に関する知識の中身を再検討しないといけないのではないかということは思っております。
 これは、認定研修に関する平成17年省令47号などにも反映しておりますので、要するに産業医をどう育てるかということにも関わってきておりますので、よく考えないといけないのではないかと思っております。
 どうしたら産業医に限らず、産業保健専門職の方が誇りを持って働かれるとなったときに、経営者から見た頼りがいというのは重要だと思います。要するに、法令に選任義務がなくても選任されるかということです。海外では、選任義務がなくても産業医が選任されている国というのはあるわけです。そういう所でどうして選任されているかというと、やはり頼りがいがある、リスクテイクをするということが大きいかとは思っております。もちろん、医師としての良識やしなやかさというのは大事なのですが、例えば健康に関する問題事例が起きたときに、そこから逃げてしまう、働き掛けや判断から逃げてしまうようでは、経営者、人事から見たときに、何をしてくれる人なのかということになってしまうと思うのです。
 ですので、よほど生まれつき察知力があるとか、社会的なスキルに長けているというような事情がないのであれば、きちんと法令とか社会学とか、そういうところについても学びを深めていただいて、関係者から「なるほど、この先生には頼れるな」と思っていただくことが重要ではないかということです。そのためには、現行の産業医学の専門性の定義については考えなければいけないのではないかと思っております。以上です。
○森座長 ほかはいかがですか。武藤構成員、お願いします。
○武藤構成員 幾つかあります。まず、論点の2番目、女性の健康問題の対応についてです。我々は健診機関の代表で出ているものですから、恐らくターゲットになるのは、がんにかかってその後の就労がなかなか難しいという方だと思うのです。健診機関の立場としては、今はもう婦人科検診、乳がん検診、子宮がん検診などはしっかりやっておいていただければ、かなり支障なく仕事も生活もできるという方がとても多いのですが、ただ、健診の実施率が非常に低いということで、職域で事業主の費用で健診をというのはなかなか難しいと思いますが、健診を受ける場を提供していただくとか、健診の実施率を少し上げるようなことも検討いただければと思います。
 あとは、3番目の産業保健の実施体制・担い手ということですが、我々は実際、中小企業の産業医もたくさんやっているのですが、看護師、保健師さんがいる所は非常にやりやすいと産業医の先生は皆さん言っているのです。今、これが安衛法で規定されていないものですから、ほとんど企業の努力義務みたいな感じでやっているわけです。産業医の業務を補完するような形、産業医を選任しないわけにはいかないと思いますので、その産業医の業務を補完するような形で認めていただけると、この辺の活動の幅が広がるかなと思っておりまして、その辺は安衛法で規定できないかと思っております。
 あと、衛生管理者の職務についてですが、特に中小企業、しっかりされている方も多いとは思いますが、正直言いまして、取っているだけという方が多くて、もう少し活動の場を広げていただきたいと日頃から思っております。
 それから、衛生管理者に限らず、特に中小企業はそういう傾向があるかと思うのですが、医療情報に関する守秘義務がほとんど分かっていないということです。つまり、業務としてやりにくくて、健康問題を会社の人事とかにはなかなか相談しにくいところもあって、もちろん、従業員には合意を取って話をするわけですが、その辺を下手に話をすると、周りに広まってしまったりとか、守秘義務に関しては企業のほうにも何かしら周知するようなことも必要かと思っております。
 特定健診・特定保健指導に関する部分ですが、私も特定健診・特定保健指導の検討会に参加させていただいておりまして、今、第4期の見直しがかかってしまって、次は6年後になるので難しいと思うのですが、事業所における保健指導もしているので、特定保健指導と重なってしまうと、その辺が二重になって無駄ではないかみたいな話もありますので、その辺はうまく融通を利かせて、効率よくできればいいかなと思っております。
 最後に、IT技術の活用促進についてなのですが、これは正にそのとおりだと思っております。今、一般の地方の都市ではそうだと思うのですが、製造業が街中から郊外へ出ていっていまして、我々も産業医でたくさん出ているのですが、かなりあちこち遠くまで移動して産業医業務をやらなければいけないのです。そうしますと、移動の時間でかなり取られてしまうので、安全衛生委員会はテレワークでもできますし、健康相談とかメンタル相談などもそうなのですが、職場巡視もITである程度認めていただけると、その辺が非常に効率良く、時間も無駄なくできて、業務が多くできるということもありますので、これは是非検討していただきたいところです。以上です。
○森座長 ありがとうございました。オンラインで3名、冨髙さん、神村先生、亀澤先生、その順番で御発言を頂きたいと思います。まず、冨髙構成員、お願いします。
○冨髙構成員 御説明いただきましてありがとうございました。全般的な考え方の部分と個別の話について、数点御意見を差し上げたいと思います。
 先ほど、資料2のほうでも御説明いただきましたが、労働安全衛生法が制定された当時には想定されていなかった健康課題が生じているということで、基本的に労働安全衛生というものは、全ての働く人が安全に安心して仕事をすることができる職場環境をいかに構築するかということが重要だと考えておりますし、それは状況が変化しても変わることのない基本的な考え方だと捉えております。そうした意味では、業務と直接的に関係のない健康問題の対応もしっかりとしていくことが重要だろうと考えております。
 また、今までも状況の変化に応じて、メンタルヘルスやハラスメント、高齢者の就労など、個別の案件ごとに様々な対策を追加してきておりますが、必ずしも現状は十分ではないと考えます。規模にかかわらず、全ての事業場において、現場の実態をよくするために、労使を含め、産業保健スタッフとこれまで以上に連携を深めて、それぞれ業種業態によって異なる課題を洗い出し、同じ職場で働く全ての者が安全衛生課題の改善に主体的に取り組んでいける体制を整備することが重要だろうと考えております。
 産業保健の実施体制と担い手の部分にも関わる話ですが、50人未満の小規模事業場での取組が進んでいない現状があるということで、事務局からは、現場の実態に合わせて柔軟にという話もありました。規模にかかわらず全ての事業場において安全衛生管理体制がしっかりと構築されること、これを強化していくということが、本来あるべき姿であり、重要だと考えております。気を付けなければいけないのは、現場の実態に合わせて柔軟化することで、現行の法制度が緩和されるような形となり、現在、小規模も含めて、しっかり安全衛生管理に取り組んでいる所の取組が後退するようなことになっては本末転倒だと思いますので、そうした緩和につながるような形にならないように議論をしていくことが重要だろうと考えております。
 次に5ページの生産性向上効果についてです。健康経営によって労働者の健康保持増進を図る、この取組自体はしっかり進めていただくことも重要かと考えております。しかしながら、労働者の健康保持増進というものは、労働安全衛生法第69条第1項によって、事業者に努力義務として課せられており、少なくとも、こうした責務の取組が不十分であったり、ないがしろにされるような形で、聞こえの良い健康経営という言葉に置き換わってしまうのは、問題であると考えております。
 そもそも労働者の健康管理というのは、事業者の基本的な責務です。これは業種、業態、規模にかかわらず重要であり、まずは義務事項や努力事項を適切に実施していただくことが不可欠だと考えております。その上で、結果として健康経営として評価されて、企業価値向上につながっていくことが順序ではないかと考えています。まずは、法制度の遵守が大前提であるということを示していただいた上で、適切に遵守をしていれば結果的に健康経営になり、経営者にとってもメリットがあるということを発信していくことが必要ではないかと考えております。以上です。
○森座長 ありがとうございます。続きまして、神村構成員、お願いします。
○神村構成員 日本医師会の神村でございます。私自身が産業医として、それも、医師も産業医も少ない地方で活動しているものですから、やはり大企業の産業保健サービスと地方で産業医も少ない所、あるいは中小規模、本当に小さい所とは随分状況が違うのだということは常に実感しているところで、その辺り、今の御発言いただいたことにもありましたけれども、全ての働く人に産業保健サービスが提供される、健康が守られるということは基本中の基本だと思いますが、現実として、規模の小さい所で産業保健サービスを構築していくというのが本当にできるのかということはちょっと危惧するところではあります。実際に産業医、あるいは今、産業看護師、保健師の方も話題の中に挙がってきましたけれども、そういう人材すら十分とは言えない、また、ちゃんとこれからトレーニングして全国に十分になるかというと、そこも怪しいところではないかと思っております。
 そこで、1つ、私のほうで常に考えておりますのは、働く人も、居住している地域にとっては大事な住民です。小規模事業所での働く人たちの健康を守るということにもっと、5ページ目でしたか、行政とか地方の自治体の関心が高まってほしいと思います。例えば、地域・職域連携の会議を推進するようにと言われておりますけれども、なかなかそれが実効性を持ったものになっていない地域が多いのではないかと思います。まず考え方として、全ての働く人の健康を守るのだということは一番の基本であるというところから、様々なこういう制度とか、あるいは法律の運用とか、いろいろなサービスのあり方について考えていきたいというのを基本としたいと思います。
 細かいところにつきましては、それぞれの御専門の方の御意見を頂きたいと思いますけれども、やはり今、連合の冨髙構成員がおっしゃったように、健康経営という言葉に流されてしまって、あるいはそれに動かされてしまって、企業のほうで不必要な出費を強いられているということを私としては目にしているところでございます。健康経営の認定を得るための努力は、それは1つ、職場にとって有効なものではありますけれども、それのみに、1人、2人と忙殺されている人がいるとか、あるいは健康経営を取ってしまえばそれでいいのだとか、「うちの会社は健康経営取れていたんだ」と従業員の方がおっしゃるような、実効性が疑問であるようなものも多々あるということで、現場にきちんと生きていることを今後やっていきたいと思っております。様々な専門性のある方の御意見をもっと聞いていきたいと思っております。以上です。
○森座長 ありがとうございました。続いて、亀澤委員、お願いいたします。
○亀澤構成員 亀澤です。遅れて申し訳ありませんでした。私は全衛連という健診機関などの労働衛生機関が会員となっている所の代表として参加をしております。また、小規模事業場の人事労務管理も担当しておりましたので、その視点、両方の視点から発言したいと思います。4つの論点に関してと、その他合わせて5つの視点から発言させていただきたいと思います。
 まず、論点1に関してですが、業務との関連ではないけれども業務に影響のあるものを産業保健の中でどう取り扱うかということについてです。がんとか糖尿病など、入院治療や継続的な通院が必要な疾病につきましては、業務等の関連がなくても、もう既に治療と就労の両立支援などの取組が、事業場の中で産業保健スタッフが関わって行われていることを考えますと、労働安全衛生法での事業者の安全配慮義務ではないかもしれませんけれども、産業保健の範疇に入れて整理するのが適当というように考えております。特に、がんにつきましては、職域でのがん検診をどのように推進していくかということが、がん対策推進協議会においても課題の1つになっております。両立支援の前に、いかにして早期発見し、早期治療するかということを考えていくべきではないかと思っております。具体的には、健診を受けやすくするための休暇制度を設けるとか、安衛法の事業主健診ではなく、これがいいかどうか分かりませんけれども、住民健診を活用するとか、そういうようなことを検討してみてはどうかということを考えております。
 2点目は論点3に関してです。ここについては3つあります。1つは看護職をどのように位置づけるかということです。後の論点とも関連がありますが、健診機関が事業場の産業保健活動を支援しているケースが多いです。その場合に、事業場において保健師の位置づけが明確になっていれば、健診機関で保健師を採用して、その保健師に事業場の産業保健活動を支援する役割を担ってもらいやすいという意見を健診機関から聞くことがございます。是非、事業場の産業保健活動を担うスタッフとして、保健師や看護職を位置づけていただきたいと思っております。
 引き続き、論点3についてですが、産業保健を担う体制についてです。部署としては、人事労務担当が該当すると思われます。衛生管理者や保健師でなくても、一定の知識を有すれば産業保健を担えますし、産業医との連絡調整も行えると思われますことから、このような部署に対して情報提供などの支援を行うことも有効ではないかと思います。
 論点3に関する3つ目ですが、外部機関としての健診機関による産業保健サービスをどのように位置づけるかということです。全衛連では、良質な健診機関を育成するという観点から、労働衛生サービス機能評価事業を行っております。森先生にも御指導いただいております。これは、健診施設の運営管理体制や健診実施体制だけではなく、産業保健支援体制なども評価しまして、労働衛生機関として適切な外部支援機関であることを認定する制度になっております。会員以外にもオープンになっておりまして、現在139施設が認定対象機関となっております。ここでは産業医業務ですとか、保健指導による産業保健支援業務を積極的に受託するように求めております。全ての健診機関がこのような外部支援機関として機能できるわけではないかもしれませんけれども、一定の機関においては、十分に産業保健サービスを担えると考えております。また、全衛連では健診の精度管理も重要と考えておりまして、関係する学会とも連携の上、健診項目に関する外部精度管理も行っておりますので、併せて御紹介申し上げます。
 それから、3つ目、論点6の健康経営の関心をどう高めるかについてです。以前、小規模事業場の人事労務管理を担当しておりましたが、この際、協会けんぽの生活習慣病健診を活用して健診を実施しておりましたが、健康宣言というものを頂きまして、次はステップ2に進むようにと協会けんぽの方から指導いただいたわけです。やる気はあったのですけれども、ちょっとチェックリストを見て、挫折をいたしました。小規模事業場というのはやはり総務担当が少ないということで、やるべき仕事もたくさんありましたので、総務担当に余力がなかったこと、それからそのステップ2に上がるメリットが理解できなかったことが要因であったと記憶しております。中小企業にやる気がないわけでは決してありませんので、障壁を取り除くように御支援いただければと思います。
 論点7のオンライン化の活用性についてです。先ほども御意見がありましたけれども、コロナ禍を背景としてオンラインでの活動が容易に行われるようになってきました。一部の国際機関による監査もオンラインで行われていると聞いております。今後はオンラインの手法も積極的に検討していくべきではないかと思います。
 最後、その他で2点あります。健診機関からの結果の受取りに関してですが、事業場の人事労務担当として職員の健診結果を把握しておりました。そうすると、事業場が契約する健診機関だけでなく、複数の健診機関を受診しておりますので、様々なフォーマットの健診結果が届きまして、大変整理に苦慮しておりました。現在、別の検討会で健診データの標準化や電子化について検討されておりますけれども、事業場での事後措置に関する検討といった視点から、このような対応が進むことを望みたいと思います。
 最後に、ヘルスリテラシーというか、労働者の認識に関してですが、受診する方が何の検査を受けているか分からないという、そういう方もいらっしゃると聞いたことがありますので、働く方への教育も大事なのかなと思います。以上です。
○森座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。鎌田構成員、お願いします。
○鎌田構成員 日本看護協会常任理事の鎌田でございます。まず論点1について意見を述べます。多様化するニーズに対応するためには、これまでのように業務に起因して発生した問題に対処し予防するという目的だけでなく、職場において更なる健康の保持増進に取り組む必要があると思います。また、高年齢労働者やメンタルヘルス不調を抱える労働者等への疾病管理や重症化予防も、産業保健として位置づける必要があると思います。そのためには、全国の事業場の96%を占める50人未満の事業場においても、等しくその恩恵を享受できるような体制整備を検討しなければならないと思っております。
 次に、論点2についてです。人生100年時代であり、厚生労働省でも健康事業推進等に向けて様々な取組が進められておりますが、がん等の病気の治療と仕事を両立する労働者やメンタルヘルス不調を抱える労働者、女性の抱える健康問題の増加といった課題に対しては、特に重点的に取り組むべきと考えております。また、入院や通院が必要なこれらの課題を持つ労働者に対して、相談支援の中核となる産業保健を担う看護師や保健師が生活状況や就業状況を把握した上で、適切に主治医と連携して療養支援を行う体制づくりが必要です。
 論点3の産業保健の実施体制・担い手について、産業医の職務は労働安全衛生法で規定されている通り多岐にわたり、これまでの検討会でも産業医の業務負担が課題となっていることも報告されています。これまで、産業医でないとできない業務と産業医の指示の下で産業保健スタッフが実施できる業務とに分けて、産業保健チームで動いていくという方向性が示されてきましたが、日本看護協会もこの方向性に賛同し、本検討会では、この方向性で議論が進められたら良いと思います。産業看護職の職務については、産業医の職務に準ずるような内容を看護職も実施しています。労働者の健康保持増進、健康診断後のハイリスク、高ストレス者、長時間労働者に対する面接指導等を実施しており、法令に規定されている産業医の役割の一部は保健師や看護師も実施することも可能であり、現場で多岐にわたって活動しています。産業保健活動を実施する上で、保健師や看護師の何らかの位置づけが必要だと思います。併せて、事業場等で必要な看護職を採用できる方向性についても検討していただければと思っております。
 また、小規模事業場における健康管理体制の構築を進めていく必要がありますし、産業保健を担う者の資質向上については、産業現場就職時の新任期の研修であったり、中堅期や管理期の研修が現在は体系化されていないため、研修の体系化が必要だと思います。特に新任期の研修は重要ですが、人材確保法では努力義務となっているにもかかわらず、「令和2年度 事業場における保健師や看護師の活動実態に関する調査報告書」によれば、事業場保健師で34.2%、看護師で30.4%しか実施されておりません。質の向上に向けて研修の体系化が必要だと思います。
 続いて、中小企業における産業保健活動についてです。産業保健サービスは労働者数によって区分されるべきものではなく、全ての労働者が同じサービスを受けられる体制を整えていくべきだと思っております。中小企業においても健康管理体制を構築するためには、産業保健総合支援センターや地域産業保健センターの強化が必要です。例えば、地域産業保健センターに専従の看護職を配置して、中小企業の健康管理サポートや職場環境改善指導などを行う体制を整えるべきと考えております。これらの点についても、今後検討を進めていただきたいと思います。以上です。
○森座長 ありがとうございました。では、鈴木構成員、その後に古井構成員ということで。
○鈴木構成員 経団連の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。私からは、3点ほど発言させていただきたいと思います。
 まず、論点1に関して、今後産業保健が担うべき役割、目指すべき姿についてです。大企業の多くは、広く産業保健活動に積極的に取り組んでいると認識しております。ただし、先ほど事務局から御説明がありましたとおり、産業保健の幅がかなり広くなっている中で、優先順位を付けて考える必要があるのではないかとも思っております。特に、事業を営む上で労働者に発生する危険、これを事業者や使用者の責務・責任の下で予防していく。このことが何よりも大事だと思っております。また、そのような法的な責務・責任を、保険者等の関係者が担うことはなかなか難しい部分もありますので、業務に起因して発生する疾病や、業務による疾病の増悪を予防するということ、これを産業保健の一義的な目的・役割にすることは引き続き堅持することが適当ではないかと思っております。
 先ほど事務局から御説明がありましたように、メンタルヘルス対策や、中小企業も関わる化学物質管理規制の見直しなど、産業保健をめぐる課題は近年山積しております。こうした中で、企業の法的な責任の範囲が拡大することになりますと、中小・小規模事業所を中心に対応が一層難しくなることを懸念いたします。むしろ中小・小規模事業所における産業保健活動の取組の推進に向けて、どのようなサービスや支援を行っていくかという視点を強く持って議論していくことが重要ではないかと思っております。これが1点目でございます。
 2点目ですが、産業保健のあり方を検討していく上で、労働者一人ひとりの健康情報とそれらを加工したマスの情報を、誰が保管し活用していくのか、このような視点も重要ではないかと思っております。この点については別途、厚生労働省が開催している「転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会」の中でも議論がありましたように、例えば下半身の筋力や平衡感覚が低下することは、転倒事故が発生する一因となりますが、事業者がそのような個別の労働者の健康情報を得ることになりますと、場合によっては安全配慮義務履行の観点から、高年齢労働者の方々の職域の制限や、ひいては雇用機会の喪失というような事態にもつながりかねません。そのようなことにも配慮した上で検討していくことが重要ではないかと思っております。
 3点目は、論点3の産業保健の実施体制・担い手についてです。経団連は今年、会員企業の人事・安全衛生担当の方々にアンケート調査を実施いたしました。自社の産業医に対して、衛生委員会や総務・人事スタッフとより連携を図ってほしいといった声が比較的多くございました。また、産業医としての活動時間が限られていて、職場巡視や短時間の面接にとどまるというような指摘も聞かれるところです。先ほどから論点に挙がっていたと思いますが、企業側が産業医の先生に期待したい、お願いしたい業務と実際の活動内容にミスマッチがあるのではないかと思っております。その意味で、産業保健の実効性を高める観点から、産業医、衛生管理者、その他の産業保健スタッフ、それから外部組織の方々との役割分担のあり方を改めて検討することについては、時宜にかなったものだと思っております。私からは以上です。
○森座長 ありがとうございます。古井構成員、お願いします。
○古井構成員 前段で事務局から御説明のあった現状認識は本当にそのとおりだなと思って拝聴いたしました。特に、やはり多様な働き方や形態が増えているという中で、労働環境が変化していくことに対して、体制面の整備はもちろん大事だと思いますし、それから別の先生がおっしゃったと思いますが、労働者自身が今まで以上に自分で主体的に健康管理に向かえるような仕組みにすることと、促すということも産業保健に求められるのではないかと感じたところです。
 2点あるのですが、1点目は、3番の体制の所です。まず1つ目は、経団連さんからもありましたが、事業者を支援するという体制もすごく重要なのだと思います。1つ目は、健診という健康づくりの基点となる健診機関さんが寄り添うということで、これは武藤先生がずっとやられてきたと思いますけれども、とても有用だと思っています。2つ目は、自治体、特に都道府県庁が、働き盛り世代、先ほどもお話がありましたが、特に地域の中小企業のメンバーというのは住民でもありますので、この住民の働き盛り世代の健康施策ということで、都道府県庁が協会健保の支部や商工会議所と連携して、40の都道府県ぐらいで既にやられています。ただ、健康経営というのが非常に分かりやすいワードになっている中で、産業保健の基礎的な要素もしっかりとこの中に入れていくと、広がりが出てくるのではないかなと思っています。
 3点目ですが、日本は国民皆保険制度ですので、医療保険者に導入されたデータヘルス計画というのをうまく活用できるかと思います。今、このデータヘルスは標準化というのが進んできまして、全国どこの職域、地域でも、例えば評価指標を共通化しようというのをやっています。したがって、それぞれの中小企業を含めた職場の健康課題が可視化されて、それが同業他社などと比べて客観化ができます。全国的には健康スコアリングレポートもありますし、協会健保さんでいうと支部ごとに発行されている事業所カルテがあるのだと思います。また、データヘルス計画の中に、保健事業という特定健診を含めたサービスがありまして、これは今、4,000億~5,000億規模の事業費で全国でやられています。このほとんどが、健診機関さんを含めて、民間事業者に委託し、そのソリューションが活用されています。こういったサービスが実際に職場に入っていますので、こういったデータや健康管理のソリューションを、うまく事業所さんのほうで使われていくというのもあるかと思います。
 それから、2点目は6番の所ですが、ここは労働生産性ということに少し重点が置かれてしまっていますけれども、基本的には、事業者は労働者の健康が企業活動のベースになるのだということをしっかりと認識いただけることが重要かと思います。我々の大学内の隣の研究室で、コロナ禍でどれぐらい企業経営が影響を受けたかというのを調査した結果、コロナ禍前から産業保健の対策がきちんとやられている企業ほど、レジリエンスとか労働者のエンゲージメントが高いということが示されていますので、やはり健康管理、産業保健というのが企業経営のベースとして大事なのだということをしっかりと伝えるのは、これまで以上に大事なのだと思います。以上です。
○森座長 ありがとうございました。オンラインの方々、こちらの意見が聞きづらいということが伝わっておりますが、今からですと修正が難しいようですので、今日は皆さんの意見を聞くということで、少し我慢して御参加いただければと思います。では、次は中島構成員、お願いします。
○中島構成員 協会けんぽの中島でございます。本日は、中小企業で従事しておられる方々、その扶養のご家族を含め4,000万人が加入する保険者の立場から意見を申し上げたいと思います。
 まず、本日の資料2、資料3ですが、産業保健をめぐる論点を網羅的、体系的にきれいに整理されていると思っておりまして、大変参考になりました。
 その上で2点申し上げたいと思います。1点目として、産業保健と医療保険者が行う保健事業において、その役割分担をどうしていくのかということについて、2点目として、小規模事業所の健康づくりに対する支援をどうしていくのかということについて申し上げたいと思います。
 まず、1点目の役割分担の話ですが、労働衛生の柱の1つに健康管理ということがあります。保険者においては、医療費を財政的にファイナンスしていくということと並んで、加入者の健康増進を図るため、健康づくりに取り組んでいくという役割があります。現実に健診について見ますと、労働安全衛生法に基づく事業主健診と保険者の行う特定健診がありますが、これらについては問診項目、健診項目、更には健診を受けた後の保健指導という流れが、共通化してきています。問診項目、健診項目については、内容面で共通化が図られています。そういう中で、産業保健において何に重点を置いて健診をしていくのか、保健指導をしていくのか、一方、保険者においては、何を自分たちの持ち場として健診をし、保健指導をしていくのか、そこについて改めてこの場で整理をして、検討を進めていく必要があるのではないかと思っております。
 一方、メンタルヘルスにつきましては、開催要綱や本日の資料でも強調されていましたが、この取組をしっかり進めていくことについては、我々も意を強くしているところでございます。医療保険者として、傷病手当金というものを現金給付として支給しておりますが、その傷病別の割合を見ますと、精神及び行動の障害は、平成7年は全体の4.45%でしたが、平成15年には10%を超えました。そして、令和3年には32.96%と、傷病手当金の支給を受けた方の3分の1が精神及び行動の障害で申請されており、申請者の傷病の中では、最も高い割合になっています。ここについては保険者としてもいろいろ取り組みをしなければなりませんが、職場環境に起因したものも多くあるのではないかと思っておりますので、産業保健と連携しながら、双方が力を合わせて重点的に対応していく必要があると認識しております。
 2点目は、小規模事業所に対する支援です。協会けんぽとしては、特に小規模事業所に対してしっかり健康づくりのサポートをしていかなければならないと思っておりますが、実態としては、小規模事業所ほど健診受診率が低いという実態があります。令和3年度の被保険者御本人の健診の実施率は、協会けんぽ全体では62%ですが、被保険者数5人未満の事業所ではその半分以下の30%、被保険者数が5~9人の事業所では47.9%となっています。こういった小規模事業所に対して、どのような形で健診を受けていただくようアプローチしていくか、それも含めた健康づくりのサポートをさせていただくかということについては、産業保健とも課題を共有していると思いますので、連携して取り組んでいく必要があると考えております。
○森座長 ありがとうございました。先に及川委員にお願いしてから、神津委員にお願いしたいと思います。では、及川委員、お願いいたします。
○及川構成員 ありがとうございます。及川です。私からは、4ページの5番、中小企業における産業保健活動に関連して発言をさせていただきたいと思います。
 大企業であろうと中小企業であろうと、必要とする全ての労働者に産業保健サービスの提供ができる仕組みでなければならないと考えています。したがって、5人未満の所に格差が固定化される、ましてや格差が拡大するということがあってはならないと感じています。それを前提としまして、5番目の中小企業における産業保健活動に関してです。どのような体制で実施することが望ましいかということについては、中小企業のいろいろな支援機関の中で、既存の支援ネットワークというのがありますし、それを活用しつつ、関係者のネットワークを構築して、実施することが効果的、効率的ではないかと思っております。
 次のマル、どのような支援が必要かということです。地域産業保健センター等々には大きな期待をしておりますので、是非具体的なメニューを、「こんなことができますよ」という具体的な例示を直接中小企業に出していただくと、今後の連携が大変深まるのではないかと思っております。地域に根ざした組織ということで、同業者団体、私どもの中小企業の業種別組合等の連携ということにも言及していただいてありがとうございます。連携は大変有効だと考えておりますけれども、この同業種組合のキーマンとなるような事務局長等の人材育成とか、その他環境整備が必要ではないかということ、その環境整備があってこそ、連携がうまくいくのではないかと思っております。
 そして、生産性向上についてです。確かに、健康経営という少しきれいな言葉になっているという御発言もありましたが、私ども中小企業の支援現場から言いますと、ウィズコロナあるいはアフターコロナで人手不足感が強く、なおかつ、中小企業の賃金をどうやって引き上げるかということで、一生懸命日々仕事に励んでいる中小企業の方は、やはり生産性を向上させるという意欲が大変強いものですから、こういう時期を逃がさずに、健康であることが生産性向上につながるという啓蒙は極めて大事だと認識しております。特に、大量に物を作る、あるいは大量に物を販売するというところから、個別に中小企業が海外とのやりとりであったり、自律化をしていく、クリエイティブなことを作っていくときには、心身ともに健全であることが大変腹落ちすると感じておりますので、健康経営についての重要性は重ねて指摘させていただきたく思います。
 最後にITについてです。もちろん、IT技術の活用促進というのは重要ですが、活用と活用した結果、主にITデータの利活用とその広報は必ず念頭に置いて進めていただければ大変有り難いと思っております。以上です。
○森座長 ありがとうございました。では、神津構成員、お願いします。
○神津構成員 神津と申します。全国衛生管理者協議会という部門から参画させていただいております。この全国衛生管理者協議会は中央労働災害防止協会に事務局がありまして、全国の衛生管理者を支援するという仕事をしております。また、私は製造業に勤務しており、専属の産業医の先生と、私たち衛生管理を担当する者が協力して仕事をしております。そういう中で、少し現場の状況をお話させていただきたいと思っております。
 大企業の場合は専属の産業医がいて、なおかつ事業所は小さいのですけれども、それぞれに衛生管理者がいます。その中で、私たち本社に勤務するような者が、そういう小規模の事業場をサポートするというような役割を当然担っており、現場をよく知り、現場に対してアプローチする、一緒になって現場の衛生管理者と仕事をするということをやっております。
 一方で、中小企業は今、大変苦しんでいるという状況だと思います。それは、50人から100人、200人もそうかもしれませんが、皆さん兼務で衛生管理者としての仕事をやっております。そうした中で専属で事業場にいるのは当然嘱託の産業医ではなく、あるいは保健師でもなく、衛生管理者なわけです。唯一現場にいるということになります。ですから、安全衛生規則の11条にもありますように、週に1回職場巡視をしなさいという中で、現場をしっかり見るということ、現場ですから、もちろんオフィスも含めてですが、その中で人を見るということも当然やらないといけないと思います。その人がどういう仕事の中で苦労をしているのかということも含め、やはりちゃんと見ないといけない。なおかつ、現場の作業環境というものも、しっかり見ないといけない。そして、健康管理については、その人が今どんな健康状態にあるかということを、ある程度把握しておく必要があると思っています。それは管理監督者からヒアリングをしたりということも含めて、とにかく現場の実情を知るということが専属にできる役割なのだと思っております。そのために、安全衛生規則11条の職場巡視があると思っています。
 ただ、今は衛生管理者がなかなかうまく活動できないのです。1つには、初任時の教育が欠けている部分があろうかと思っております。衛生管理者は国家資格ですので、免許を取らなければいけません。そうすると、勉強をして試験を受けて合格するということで、お願いするのはやはり若い人たちであったり、人事総務に配属されたという若い人たちが試験を受けて合格して、その人たちがやるというケースが非常に多いと思うのです。そういうときに、衛生管理者になっても、何をやったらいいのか、何ができるのかということが十分に理解されない中で届出をして、そのまま仕事に挑むということが多いのです。そうすると、そこの教育の部分を実態に即した形で提供していかなければいけないということが、1つ大きなポイントとしてあるのではないかと思っております。
 それからもう1つは、労働衛生の3管理、これに2つの管理を加えて5管理というケースもありますが、いわゆる作業環境管理、作業管理、健康管理、そして総括管理、労働衛生教育管理という5つの管理ですが、今まで、私たち衛生管理を担当する者は、この5管理ということでものを見てきました。今はそれが産業保健という形になっておりまして、そこを現場の衛生管理者たちにどう伝えたらいいかという点が、私も少し悩んでいるところです。この産業保健についての定義を、今一度整理をしていただくことが必要ではないかと思っております。その点も現場の実情を踏まえて、私も含めてですが、議論をさせていただければと思っております。どうもありがとうございます。
○森座長 ありがとうございました。それでは、岡田構成員、お願いします。
○岡田構成員 岡田です。私は、現場で働いている保健師の立場で発言したいと思っております。まず、論点1、2に関わることです。業務に起因しない私傷病への保健指導というのは、これまで私たち保健師がごく当たり前に日常的にやってきました。個別対応が中心でしたけれども、実はここの部分がアブセンティーズムとかプレゼンティーズムに関連する、事例が多くあります。今後、企業の生産性ということも考えますと、この分野をしっかり取り込んで、産業保健活動の中で対応していけたらよいと思っております。
 それから、働く人がみんな元気で働くといったところで、我々産業保健あるいは関連部門がいくら旗を振っても、実は組織長や経営層が必要性をどれだけ腹落ちするかということが非常に関係してくると思っております。そういった意味で、経営者側や組織長にも働き掛けられるような仕組みが非常に重要だと思っております。弊社の事例ですけれども、ストレスチェックの集団分析の結果とスコアリングレポートを活用し、職場や組織長へフィードバックに行き、そして腹落ちしてもらえるように会話を重ねていこうと進めているところです。参考になればと思います。
 論点の3点目、産業保健の実施体制・担い手についてです。もう既に、ほかの構成員の先生方からの意見にも出てきていることで、重ねて申し上げるところですけれども、産業医の先生にしかできないこととは何だろうかと考えたところ、やはり冒頭に三柴先生がおっしゃっていたように、どう働かせるか、どう働くかにに対して医学的判断というのは、産業医の先生にしかできないと考えております。私どももそこを先生に判断してもらうために、日々必要な情報を収集しながら提供し一緒にチームを組んでやっているところです。
 参考資料の29ページを拝見しますと、産業医の職務と衛生管理者の職務が書いてあります。その脇に保健師があるのですけれども、そこは余白が多くて、「労働者の健康管理業務等」と集約されてしまっているところが非常に寂しく感じました。逆に書き切れなかったというように解釈もしており是非この体制の中に何かしらの形で位置づけていただければと思っております。
 50人未満の事業所に関しては多くの構成員の方と同感です。事業所規模にかかわらず、同じサービスを届けていきたいと思っています。弊社では、私どもの保健師の組織が、昨年4月に集約することになり、支社、支店等小さな事業所も一緒に産業保健活動を進めることになりました。嘱託産業医と非常勤の保健師のペアで日々の業務はそれで事足りることもあるのですが、。例えば、お休みした人の復職支援をしようと思ったときに、クリニックの嘱託産業医の先生が呼吸器専門だったので、「コロナ対応で産業医業務に割く時間がないんだよ。どうしようか」という相談を受けました。そういうときに本部の常勤の産業医の先生のお力を借りて、そこを支援したということがありました。そういうサポート体制がうまく機能したのではないかと思っているので、このようなサポート体制が参考になればいいかと思っております。
 最後は教育についてです。やはり新任期が非常に重要です。特に産業保健分野での保健師に限って申し上げますと、働く企業の背景によって求められるものが違っています。新卒あるいは初めて産業分野に入ってくる保健師が、すぐに何かできるかというと、ほとんどできません。ですので、「指導を受けながら」というのが、現状です。私は日本産業保健師会の会長もやっていまして、2019年にキャリアラダーに基づいて、試み的に新任期研修を始めております。昨年はオンラインで、今年は集合型で開催する予定になっていますが、非常にニーズが高いです。産業保健に関わる研修体制をしっかり整えていただきたいと思っております。以上です。
○森座長 ありがとうございます。続いて、大下構成員、お願いします。
○大下構成員 日本商工会議所の大下です。御説明ありがとうございます。私どもの傘下にある全国の商工会議所の会員企業の大半は中小企業や小規模事業者です。「中小企業における産業保健活動」を1つの大きなテーマに挙げていただいたこと、また、皆様が中小企業や小規模事業者の実態を踏まえて、この問題を真剣に考えようと思っていただいていることに、非常に有り難くうれしく思っています。
 先ほど、どなたかからもお話がありましたが、コロナ禍から経済活動が元へ戻ってくるに従って、もともとコロナ前から中小企業にあった構造的な人手不足の問題が非常に深刻になっています。衛生管理者が形骸化しているというお話もありましたが、中小企業や小規模事業者だと、衛生管理者が場合によっては人事や総務、経理など他の業務もやっていることが考えられるので、働いている人の健康状況をよく見ることは難しいと思います。義務化されているから一応知識のある人間を1人置いているというのが、多くの事業所の厳しい実態だと思います。
 これ以上中小企業に義務を重く課していくことが本当にプラスになるかというと、恐らく対応しきれず、場合によってはネガティブに受け止められる可能性もあると思っています。他方で、人手が足りないからこそ、1人の従業員が傷病で欠けてしまうと、経営に大きな影響を与えることから、本来であれば健康管理をしっかりやることは、中小企業にとっても本当はプラスなはずです。従業員が数少ないからこそ、みんなが健康で働ける状況を作っていくことがプラスになるという健康経営のメリットを訴えることも、片方で必要かと思っています。
 義務付けとメリットのどちらのアプローチでいくにしても、特に健康管理、衛生管理、産業保健に関してほぼゼロベースの取組しかできていない中小企業において、どうやって最初の一歩、なおかつ実質的な産業保健活動を進めていくかは、非常に大きな課題ですし、容易ではないだろうと、皆さんの御意見を伺っていても思います。
 経営者も中小企業で働く人も、働いたり事業を進めたりする上で、自分の健康管理や従業員の健康管理は大事だと思うきっかけがあると思います。そういうときに、身近に相談できる組織や仕組みがあることが非常に大事ではないかと思っています。どういう形で公的に用意するか難しいところかと思いますが、経営者も中小企業で働いている従業員も相談でき、更に言えば衛生管理者も「こういうケースがあったんだけど、どうしたらいいんでしょう」と相談できる所が身近にかつ公的にあることが非常に重要かと思います。そういうものを最初に整備していただいて、「こういうものができましたら、今後は是非使ってください」と言われると、経営者も衛生管理者も「やりなさい、やりなさい」と言われるのではなく、何かあったときに支えてくれる仕組みがあることで、本当の意味でポジティブに衛生管理に取り組めるのではないかと思っています。
 加えて、そうしたネットワークをしっかり全国に張り巡らせ、相談を促す仕組みが非常に必要ではないかと思います。それは、我々商工会議所のような、日々経営者の相談に対応している組織でも、金融機関でもいいかもしれません。小さな町や村のお医者さんだったらその方がどこで働いているかは知っているでしょうから、相談があったときに、「職場の健康管理はどうなっていますか。何かあったら、こういう新しい組織に相談できる仕組みがありますよ。是非、社長さんに言ってみてください」というふうに助言したり、あるいは経営者自身が健診を受けたり病院に行ったりした際に、「社長さん、こういう組織がありますよ。相談されたらどうですか」と促したりするなど、公的で安心していつでも相談できる組織と、そこへの相談を促すネットワークがしっかりと隅々まで構築されていることが、まず第一歩としては必要かと思っています。
 いずれにしても、ゼロベースの中小企業が、急に健康管理、安全衛生管理、産業保健で100点になることはなかなかないと思います。何年ぐらい掛けて、どういうステップで少しずつ進めていくのかを、しっかり考えていく必要があると思っています。この辺りは是非皆さんと一緒に議論をして、最初の一歩をしっかり踏み出せるようにできればと思っています。私からは以上です。ありがとうございます。
○森座長 ありがとうございます。それでは、小松原構成員、お願いします。
○小松原構成員 健保連の小松原です。保険者の立場から少し発言をさせていただきます。保険者が行う保健事業と産業保健はかなり重なる部分もあり、役割分担が必要と日頃から感じています。一方で、特定健診・保健指導において、あまり実施できていない保険者の多くは、産業保健との連携が取れていないことが如実です。特に産業医、衛生管理者の理解が全くないような場合は、特定健診・保健指導が壊滅的になることもあります。保険者に実施義務が課せられている特定健診・保健指導ですが、産業医や衛生管理者にも御協力を頂けるような連携体制の構築を是非お願いしたいと考えております。
 また、特定健診と一般健康診断で医療機関への受診勧奨が、それぞれ行われておりますが、これらが加入者あるいは労働者へ混乱を来している1つの要因になっています。別々で受診勧奨をするのではなくて、健康で安全に労働を提供をするための基準として、平仄合わせも御検討いただけたらと思っています。
 また、今回の検討会の範疇ではないかもしれませんが、健保連に多く寄せられている一般健康診断と健保組合が行っている人間ドックとの関係です。例えば、精密的なヘリカルCTを実施した場合に、胸のレントゲンをもう一度別に撮りに行かなければならないという実態が、かなり多く我々に寄せられております。今回の検討会では御議論いただけないかもしれませんが、是非このような点についても検討する仕組みをお考えいただけたらと思っています。
 最後に、論点4の産業保健を担う者の資質向上について、少しお話したいと思います。産業保健師、看護師への教育体制というのは非常に重要と考えており、我々健保連でも専門職に対する研修会を毎年実施しているところです。一方、国による研修制度がないので、受講者のレベルが年々下がっている実態があります。また、大学教育においても産業保健のフィールドが余りにも少ないことから、保健師、看護師教育が地域保健偏重になっているのではないかと思っております。そういう意味でも、論点3の実施体制・担い手にも通ずる話ですが、産業医、衛生管理者に限定された仕組みではなく、保健師や看護師の位置づけを少し検討いただけたらと思っております。
○森座長 ありがとうございました。皆さんの意見を一通りいただきました。私も構成員の1人として意見を言わせていただきます。6点ほどあります。
 まず1番目ですが、産業医でなければならない役割は何かという点について、いろいろな言い方があると思いますが、まずは労働者の健康上の職務適正をきちんと評価するということが固有の業務であろうと思っております。一方で、今後リスクマネジメントを中心に産業保健、安全衛生が進んでいったときに、リスクを判断し、一定のリスクを許容することになりますので、その過程で必ずこぼれ落ちるものがあるます。このこぼれ落ちた結果が健康影響ですので、やはり医学の専門家である産業医が最後のところで全体を把握するという機能、総括管理が極めて重要だという認識が大事だと思っています。また、産業医はかなり独立性の高い立場で機能するので、現在も労働安全衛生法上で付与されている勧告権を、今後も産業医が基本的にきちんと果たせるようにしておくのが望ましいのではないかと思っています。一方で、職場巡視について産業医がどこまで必要なのかという議論があります。これは、リスクアセスメントを中心にリスクマネジメントがしっかり行われることが前提ですが、そのような状況の職場になると、職場に行って有害物を見付けて指摘をするという機能は小さくなることになります。健康障害要因のリスクアセスメントについても、恐らくハイジニスト中心の仕事になってくると思います。そのような状況であっても、職務適正の評価というのは仕事の状況をしっかり理解して、健康状態の評価結果と併せて判断するものですので、一人一人がどういう働き方をしているかという意味で職場を理解することは、引き続き極めて重要な役割だと思っています。ですので、産業医の職場巡視は、そういったところが今後きちんと担保できる必要があるだろうと思います。
 2番目に、看護職の活用についてです。私も、専属産業医経験を経てから大学で仕事をしていますが、その中でも継続的に数か所の嘱託産業医を行っています。その中では、間違いなく看護職の皆さん、保健師の皆さんの活躍があって、産業医が生きるということを実感しています。ただ一方で、産業看護職の知識や技能については、かなりばらつきがあることも事実です。今後の質の向上をどうしていくかが重要と思います。例えば学会参加でも、会社は産業医には参加費や旅費を出して参加させてくれるけれども、看護職はなかなか認めてくれないという状況があることは実際に聞いています。それは多分、産業看護職の専門性に対する正当な位置づけがないからだと思いますので、そういったことも支援できるためには、まず一歩、きちんと法律でも位置づけられることが大事かと思っています。
 3番目が健康経営に関してです。生産性うんぬんという話があります。私は、健康経営の研究を専門に行っているのですが、結局、健康経営において、生産性を上げることを目的に従業員の健康に対して投資をしようとすると、生産性は上がらないというパラドックスがあります。むしろ、従業員の健康が大事だから投資をすると、その意思が従業員に伝わってプログラムの参加率が高まり、結果的に生産性も上がるということになります。考えてみればこれは当たり前のことなのですが、ここをきちんと伝えていく必要があるかと思っています。また、中小企業の健康経営に関して、紹介したい事例があります。先日、自治体と様々なステークホルダーがうまく組んで、10年間で健康寿命を全国30数位から男性1位、女性4位に大幅に改善した大分県の事例を聞く機会がありました。これは県庁が中心になって、協会健保と事業者と支援団体をうまくまとめて、どんどんPDCAが回っていったという事例です。そのときに、大分県は保健医療の部局だけではなくて、企画の部局、経済部局がセットになって支援をしたというのが圧倒的なパワーだったようで、そういった自治体が増えてくるといいなと思っています。
 4番目は、先ほどの岡田構成員のお話と多分関連すると思うのですが、今後、自律管理や健康経営をやっていこうとすると、現在の事業所単位での取組では難しくなります。そもそも経営は事業所単位では動いてはいないのですよね。そうなると、産業保健を企業全体とか、場合によっては資本関係の中でどういうようにやっていくかという選択肢がかなり大きくなってくると思います。このような産業保健体制や活動の単位の柔軟性をどのように担保するかというのが、すごく大事になってくると思います。そういったことも含めて考えていかないといけないわけです。
 5点目です。第1の議題のときにお話した特殊健診の話です。今後、そのような高い専門性が必要なサービスになってくると、すべての企業や事業所でその資源を持つというのが極めて難しくなってきます。そうすると、そのような専門サービスが受けられる体制が全国で必要になってきます。今日は亀澤構成員が出席されていますが、全国労働衛生団体連合会や労働安全衛生コンサルタント会などの全国をカバーした組織の役割が重要になると思います。私は、これらの団体の役員を務めているので、利益相反があり、そのことを前提にお話しますけれども、全衛連が行う品質保証の仕組みである労働衛生サービス機能評価を、ある地域ではほとんど機関が受けていなかったり、労働安全衛生コンサルタント会の組織率が十分ではなく、地方の都道府県では質の高いサービスを受けたくてもアクセスすることが難しいという実態があります。今後、そういった全国ネットの資源を、国として活用することが重要と思いますが、もう少し国が踏み込んで、何かサポートしていただいてもいいのではないかと思います。
 最後に、いずれにしてもいろいろなサービスを提供をしていくのですが、自律管理の方向に進むというのは、事業者に選択肢を与えていくということになるわけですけれども、自律管理というのは、それをやらなかったときに結果責任は誰が取るのかということを担保しないと、恐らく良い所はやったけれども、悪い所でいろいろな問題が起きてくるものです。そのような自律管理をやっている国は、罰則が重たかったり、訴訟が起きやすかったりして、やはりペナルティが重いために、実施が担保される傾向にあります。私は、ペナルティを重くしろという発言をしているわけではありませんが、そうでなければ、自律管理の実施の担保をどうするのかということを併せて議論していかないといけないと思っています。例えば50人未満の事業場でも、一般健康診断の後の事後措置、有所見者について就業上措置をするために医師の意見を聞くということは、今でも法律上の義務になっているのです。それでも、その実施率がどうかというと極めて低い。その体制がないからです。しかし、やっていなくても許されているということであれば、いくら法令を改正しても効果は十分ではありません。実施を担保することについて、しっかり議論をしなければいけないと思っています。長くなりましたが、以上です。
 今日のそれぞれの発言を聞いて、インスピレーションが湧いて、多分皆さんもまだまだたくさんの思いがあると思います。この議論は、しばらく情報を入れながら続けていきます。今日は、ご参加の構成員には一通り意見を言っていただいたということで、ちょうど時間ですので、この2番目の議題は終わりにしたいと思います。
 それでは、議題(3)のその他です。何かございますか。
○岩澤産業保健支援室長補佐 特にありません。
○森座長 それでは、事務局のほうで次回の議論に向けて整理をお願いします。本日の議題は全て終了いたしました。事務局のほうにお返ししたいと思います。
○岩澤産業保健支援室長補佐 事務局です。連絡事項が2点あります。次回の日程は、11月14日の10時からの開催を予定しております。構成員の皆様には、改めて御連絡をさせていただきます。また、本日の議事録については、先生方に内容を御確認いただいた上で、厚生労働省ホームページに掲載いたします。追って御連絡をさせていただきます。
○森座長 本日の検討会は、以上で終了したいと思います。皆さん、活発な御議論をありがとうございました。