2022年10月19日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年10月19日(水)18:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)五十音順
行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、ただいまから薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まずは本日のウェブ会議におけます委員の出席状況ですけれども、松下委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 したがいまして、本日は、現在のところ当部会委員数21名のうち20名の委員にこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 次に、部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 清田でございます。
 それでは、本日の議題に入ります。
 まず、事務局から資料の確認を行ってください。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として、資料No.1と参考資料を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○清田部会長 本日は、その他事項1議題となっております。
 それでは、その他事項1議題に移りたいと思います。
 事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明いたします。
 その他事項の議題1「医薬品コミナティRTU筋注、コミナティ筋注及びスパイクバックス筋注について」御報告いたします。資料No.1「オミクロン株対応2価ワクチンの接種間隔短縮について」を御覧ください。
 まずは、資料の1ページ、接種間隔に係る状況について、1.にまとめております。オミクロン株対応2価ワクチンについて、令和4年9月12日開催の医薬品第二部会において、モデルナ社の2価ワクチンは接種間隔3か月以上の臨床データが提出されておりましたが、ファイザー社の2価ワクチンは接種間隔が5か月以上の臨床データが提出されていることや、実際の接種現場における混乱を考慮いたしまして、両社の2価ワクチンの接種間隔は1価ワクチンの接種間隔とそろえて、「5か月以上」とすることが適当と判断されております。
 一方で、部会当日には、海外ではより短い期間の接種間隔が設定されていること等を踏まえ、接種間隔をより短い期間で設定するべきではないかという意見をいただきました。このことから、接種間隔の短縮について、今般、事務局にて情報を整理いたしましたので、御意見いただければと考えております。
 続いて、2.以降に有効性/安全性に関する情報を整理しております。
 まず、モデルナ社ワクチンについては、冒頭にも申し上げたとおり、2価(起源/オミクロンBA.1)ワクチンにおいて、接種間隔3か月以上での追加接種に係る臨床試験データが提出されております。細かなデータとしては1~5ページ中段までに記載されており、詳細な説明は割愛させていただきますが、中和抗体価の上昇が認められており、また、安全性について特段の懸念は報告されておりません。
 5ページ以降には、ファイザー社のワクチンについての情報も整理しております。ファイザー社のワクチンでは、2価(起源/オミクロンBA.1)ワクチンの臨床試験における追加接種の接種間隔は5か月以上となっておりましたが、オミクロンBA.1株を用いた1価ワクチンの接種間隔3~6か月での臨床試験データが提出されており、こちらも詳細なデータの御説明は割愛いたしますが、5~8ページ中段に示しておりますとおり、中和抗体価の上昇が認められており、安全性について特段の懸念は報告されておりません。また、米国で緊急使用許可を得ているファイザー社、モデルナ社、ヤンセン社の三つのワクチン(いずれも1価起源株のワクチン)を用いて行われた臨床試験においては、最低12週間隔で3回目接種が行われ、この試験においても安全性に関する懸念は確認されなかったと報告されております。
 ここまでが臨床試験として取得されたデータの御紹介となります。9ページの3.以降には、欧米における接種実績等をまとめさせていただいております。
 まず、2価(起源/オミクロン)ワクチンの承認状況についてですが、米国FDAでは両社の2価(起源/オミクロンBA.4-5)ワクチンがともに追加接種の接種間隔を2か月以上と設定されておりますが、当該接種間隔の設定に際して、臨床試験等の成績は示されておりませんでした。一方で、欧州EMAでは両社の2価(起源/オミクロンBA.1)ワクチンがともに追加接種の接種間隔を3か月以上と設定されております。これは、臨床試験の結果に基づいて、従前から両社の12歳以上の1価(起源)ワクチンの接種間隔が3か月以上とされておりましたので、2価(起源/オミクロンBA.1)ワクチンについてもこの接種間隔を踏襲できると判断されたものになります。
 また、2価(起源/オミクロン)ワクチンの接種状況・製造販売後安全性情報については、ファイザー社のワクチンの2022年8月16日~9月15日の報告期間分の製造販売後安全性情報を取りまとめたSafety Monthly Summary Reportが提出されております。こちらでは、新たな安全性のシグナルは報告されておらず、安全性について特段の懸念はないと考えられます。なお、資料の12ページ以降に別添としてSafety Monthly Summary Reportの報告を添付しておりますが、2価ワクチンに関する報告としては、1価ワクチンを誤って接種した、2価ワクチンを初回免疫として使用したといった接種過誤に関するものが多数であったと報告されております。また、先ほどご紹介したデータは2価(起源/オミクロンBA.4-5)ワクチンの接種が行われた米国での報告になっており、本レポートにおいては2価(起源/オミクロンBA.1)ワクチンの接種が始まっている欧州も報告対象となっていましたが、報告期間内で副反応報告がなかったと聞いております。
 また、1価(起源)ワクチンの接種状況・製造販売後安全性情報については、説明は割愛いたしますが、ファイザー社、モデルナ社ともに副反応について報告数の上昇といったシグナルは見られておらず、新たな安全性の懸念は報告されておりません。
 これらの情報を踏まえまして、対応案を10ページの4.に示させていただきました。2価ワクチン、1価ワクチンに関する情報は先ほど御説明したとおりですけれども、ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチンともに接種間隔を3か月以上とした臨床試験や製造販売後安全性情報等のデータにおいて、有効性は問題なく、安全性も特段の懸念がないものと考えられます。以上のことから、両社のオミクロン株対応2価ワクチン(起源/オミクロンBA.1及び起源/オミクロンBA.4-5)ともに3か月以上の間隔で接種して差し支えないのではないかと考えております。なお、これに合わせて、ファイザー社の1価(起源)ワクチンの12歳以上の追加接種及びモデルナ社の1価(起源)ワクチンの18歳以上の追加接種の接種間隔についても、3か月間隔での接種を実施している海外においても特段の安全性上の懸念は認められていないことを踏まえ、「3か月以上」へと短縮してはどうかと考えております。
 御説明は以上となります。御意見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。
 委員の先生方から御質問等を受け付けますが、中野先生、ワクチンの方の立場から御意見はございますか。
○中野委員 中野でございます。御指名をありがとうございます。
 私の意見を述べさせていただきます。
 まず、臨床試験の成績を見ますと、オミクロン株対応の2価のワクチンに関しましては、モデルナはもともと3か月以上で、ファイザーは2価のワクチンに関しては5か月以上ですけれども、1価のオミクロン株ワクチン同様にメッセンジャーRNA量が30マイクロという、1価のワクチンで3か月という間隔での接種の成績があると。その有効性というか、主に今日は免疫原性ですね。中和抗体の誘導あるいは安全性に関しては、特に懸念する事項はないのではないかという事務局からの説明を私は内容として了解いたしました。
 そもそもオミクロン株対応ワクチン並びに従来株ワクチンに関しても、追加接種というワクチンの本来の意味を考えますと、初回免疫が終了してしばらくして減衰してきたときとか、あるいは変異株が出現して追加免疫が必要になったときに接種するということを考えますと、何か月が最適かという観点はもちろん大切なのですけれども、最低限どれぐらい経過したら接種することができるかという側面は、薬事の点でとても大切な点ではないかと考えております。
 そういうこともあって、前回私もその観点の質問を1点させていただいて、今日それをお示しいただいて、非常にありがたく思っておりますけれども、そう考えますと、諸外国でも米国は2か月間隔、欧州は3か月程度のところが多い。ですから、実臨床でもやはり2か月、3か月というところから追加免疫を行っている。それと本日お示しいただいたデータから、我が国におきましても追加接種に用いるオミクロン株対応ワクチンを3か月の間隔で追加免疫として用いることができるということを私も支持いたします。
 それに加えて、今、事務局から御報告いただきました従来株の単価のワクチンというのも追加免疫に使用されるわけでございますけれども、追加免疫という観点から考えますと、3か月に短縮するということで、私も特に異議はございません。
 それに関して1点お尋ね申し上げたいのが、例えば私、小児科医ということもあるのですが、5~11歳の3回目の追加免疫が1~2か月前にちょうど承認されて、なおかつ予防接種・ワクチン分科会でも特例臨時接種として3回目の追加免疫が行われています。また、先週の木曜日、13日にファイザー社がBA.4-5対応のオミクロン株対応の5~11歳のワクチンを国内でも承認申請をした。米国では既にEmergency Useが承認されているという状況を考えますと、そういったこれから出てくるであろう追加免疫のメッセンジャーRNAワクチンに関してもどのように考えておられるのかなということに関して、これは補足事項になりますが、併せて質問させていただきます。
 私からは以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 それでは、お答えの方をお願いします。
○事務局 事務局よりお答えさしあげます。
 御質問いただきました5~11歳の3回目接種に関する接種間隔ですけれども、御指摘いただいたとおり、13日にファイザー社からBA.4-5株に対応した5~11歳用ワクチンの承認申請があったところです。
 今般、12歳以上に関するデータは一定程度集積されてきたところで、本日のような議論をさせていただいておりますが、5~11歳に関するデータはまだ十分蓄積したとは言い切れない状況かなと思っております。とはいえ、御指摘のとおり、5~11歳の接種間隔を考えることは大変重要だと認識しておりますので、こちらについては一度引き取らせていただきまして、別のタイミング、例えば13日に申請された5~11歳のBA.4-5対応ワクチンの審査の中でなど、議論いただければと考えております。
○中野委員 どうもありがとうございます。
 今、現場で、2回打った5~11歳の子の3回目接種の予約状況とかを見ていますと、5か月は結構長い期間があるなと思っていて、オミクロン株対応ワクチンがより高い効果が期待できる、中和抗体の結果からはそれも期待できるワクチン、これで感染症の拡大を何とか阻止しようという手段の一つであるわけなので、ぜひその辺りも御検討いただければありがたく思います。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。
 宮川先生、いかがですか。
○宮川委員 宮川でございます。
 今、中野先生に問題点を整理していただいたわけですけれども、現場からの対応とすると、誤接種というか誤用というか接種間隔で間違えてしまうようなことがちらほら見られるということもありますので、なるべく接種間隔は整理していくことが全体的な視野として好ましいのではないかなと思います。なるべくそろえていく方が臨床場面では有効ではなかろうかと思います。今後、いろいろな年代で拡大していくということについては、またそこで議論していくことが必要であろうかと思っております。
 以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。
 事務局から、その点につきまして何かございますか。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 御指摘いただいた安全性で特段のシグナルが出ていなければそろえていった方がよいという点は、事務局としても認識をしておりまして、先ほどの中野先生への御回答とも重複しますけれども、今後、5~11歳についてもデータを収集し、検討させていただければと思っております。
○清田部会長 宮川先生、よろしいでしょうか。
○宮川委員 現場は、ワクチンスケジュールは子供から大人まである程度考えなければいけない部分がありますので、それはぜひ議論していただければと思います。お願いします。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見のある委員の先生方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 しょっちゅうワクチンを打っているような感じになってしまいますね。
 宗林先生、どうぞ。
○宗林委員 単純な話なのですが、自治体側が接種券を用意するということは、3か月ごとに送付してということになるのでしょうか。追加接種に関してだけ短くなっていく、そしていろいろなものが出てくる、あと年齢も変わってくるということで、クリニックでも混乱というか、いつからとか、そういうことが明確でないとなかなか難しいと思うので、ワクチン分科会とかいろいろなところを通るのでしょうけれども、実際はいつから、そして接種券は当然ありの状態でという前提ですね。そうすると、自治体が接種券を用意してという意味ですね。確認です。
○医薬品審査管理課長 まさにその辺は厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の方で整理すると。今日御議論いただいたのは、薬事の方の取扱いは少なくとも3か月以上ということで、たしか明日予定されていると思いますけれど、予防接種事業の方でどうするかは厚生科学審議会の方で改めて御議論いただく形になると思います。
 さらに申し上げれば、自治体の方でどのようにやっていくのかというのは、いろいろなバリエーションがあるみたいですけれども、接種券をあらかじめ配送されている自治体もあるやに聞いております。あらかじめ接種券を送っておいて、5か月あるいは3か月になったらあなたが対象ですよと改めてアナウンスをしてやるのでしょうか。その辺は自治体ごとに工夫しながらやっているように聞いておりますけれども、詳細は必ずしも明るくありませんので、申し訳ありません。そのような扱いであったように記憶しております。
○宗林委員 ありがとうございました。
 私の住民票があるところの市のそういう部署も、これから先を見据えてどうしていくのかということをおっしゃっているので、接種券の出し方は、何回も使うではないけれども、今の吉田課長のような使い方をできるのかどうかという辺りを明確にしてあげると、市としては大分ありがたいと思います。よろしくお願いします。
○医薬品審査管理課長 健康局にも改めて申し伝えますけれども、自治体の方へはいろいろなやり方、工夫の仕方を事例も含めて広く周知するみたいな取組もしていると聞いておりますし、健康局から丁寧な自治体への周知、指導を徹底するように、改めてお伝えしておきたいと思います。
 ありがとうございます。
○宗林委員 ありがとうございました。
○清田部会長 どうぞ。
○宮川委員 宮川です。
 そういう意味では、宗林先生、子供の場合だと母子手帳みたいな形で一つの手帳があるのです。そうするとそこへ記録していけば問題なくわかります。
 成人の場合困っているので、独自に大人の場合の接種手帳を作ったのです。何月何日に何を打ったというのを渡しておくと便利です。カルテ上にも書いてありますがご本人はわかりません。そういう意味では、国としてはワクチン接種のための大人用の手帳みたいなものを今後考えていくことが非常に重要なのかなと思っています。
 以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。
○宗林委員 先生、ありがとうございました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
 御質問、御意見がないようでございますので、本議題につきましては御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますか。
○事務局 次回の部会は令和4年10月31日月曜日、午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。お疲れさまでございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)