第175回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和4年9月28日(水) 16:00~18:00
 

場所

 厚生労働省 専用第22会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館18階)
 

議事

議事内容
○山崎係長 皆様、お世話になります。事務局でございます。開催に先立ちまして御案内です。
本日は、こちらの会場及びオンラインで開催しております。部会の進行中は、オンラインにて参加されている方のマイクをオフとさせていただきます。発言をされる際には、会場の方は挙手をしていただき、オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を使用してください。部会長のほうから指名があった後に御発言いただきますようよろしくお願いいたします。なお、オンラインにて参加されている方のカメラについては、部会の進行中は常にオンにしていただきますよう、御協力をお願いいたします。
通信遮断等が生じた場合には部会を一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようよろしくお願いいたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症の蔓延防止の観点から、一会場の人数を抑えるために、傍聴は別会場においてオンラインで行わせていただきます。傍聴の皆様におかれましては御理解いただきますよう重ねてお願いいたします。
進行に係る説明については、以上となります。
それでは、部会長、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 それでは、ただいまより第175回「雇用保険部会」を開催いたしたいと思います。皆様方、お忙しい中お集りいただき、どうもありがとうございます。
本日の委員の出欠状況なのですけれども、労働者代表の千葉委員及び使用者代表の段委員が御欠席となっております。
なお、公益代表の水島委員におかれましては、所用により途中退席の予定と伺っております。
また、事務局においては、田中職業安定局長、松本職業安定審議官、弓総務課長は公務のため御欠席となっております。
それでは、議題に入りたいと思います。
第1の議題なのですけれども「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」でございます。
それでは、まず、事務局より資料について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○山口調査官 それでは、資料の御説明を差し上げます。資料1-1、1-2を用いて御説明をいたします。
まず、資料の1-2を御覧いただければと思います。
こちらは、8月31日の職業安定分科会雇用保険部会の合同会議におきまして一度お諮りをさせていただいた内容を、省令改正をするといったものでございます。
縦置きの概要の次に、横置きの助成内容の資料を入れてございます。こちらを御覧いただければと思います。
まず、左の雇調金ですけれども、令和4年7月から9月と比較いたしまして、令和4年10月、11月は、それぞれの特例内容の日額上限を引き下げるということになっております。具体的には、原則的な特例措置につきましては、9,000円から8,355円、それから地域特例、業況特例につきましては1万5000円から1万2000円と変わっております。
こちらと平仄を取るような形でありまして、休業支援金につきましても、10月、11月につきましては、地域特例について日額上限を1万1000円から8,800円としたいと考えているところでございます。
資料1-1を御覧いただけますでしょうか。こちらで省令改正の諮問の要綱を作成してございます。
第1で、臨時特例法の施行規則の一部改正ということで、一のところを御覧いただきますと、休業支援金の対象となる休業の期間を令和4年11月30日まで延長することとするということ。また、その際の日額上限を8,355円とする内容を記載してございます。
二のところを御覧いただきますと、こちらが蔓延防止等重点地域に属する場合の特例内容ですけれども、2ページ目のほうを御覧いただきまして、最後のところ、一の規定にかかわらず、令和4年10月1日から11月30日までの間における日額上限を8,800円とするとしております。
三のところですけれども、こちらは緊急事態措置実施地域に属する場合というケースでございますけれども、1枚おめくりをいただきまして、こちらにつきましても二と同様に令和4年10月1日から11月30日までの間、日額上限を8,800円とするとしております。
こちらの省令は、公布の日から施行ということになっておりまして、公布日は9月下旬を予定しているといった内容になっております。
資料の御説明は、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、今の御説明にあった本件について、御質問、御意見等がありましたら、お受けしたいと思います。
冨髙委員、手を挙げていらっしゃいます。
○冨髙委員 ありがとうございます。
先月の職業安定分科会・雇用保険部会の合同会議でも、申し上げておりますが、雇調金特例・休業支援金の見直しと、産雇金の拡充につきましては、雇用情勢、感染拡大状況、雇用保険財政等、様々な要素が総合的に勘案されているものだと理解しております。
産業ごとの業績にばらつきがある中で、連合にも様々な意見が寄せられておりますが、今後も雇用維持に関する支援を必要とする産業・地域に適切に対応していただくとともに、休業以外の手段での雇用維持を支援する産雇金のさらなる活用促進等もお願いしたいと考えているところです。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに、御意見、御質問ありますでしょうか。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございました。
省令改正案でございますけれども、今ほど冨髙委員からも御指摘がありましたが、先の合同会議の議論を経てということでございますので、その議論を経て政府案、施政方針を既に示されていると思いますけれども、それが適切に反映されていると思いますので、改正案は妥当ではないかなと思っております。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに、御意見、御質問等ありますでしょうか。
特にありませんでしょうか。
それでは、当部会といたしましては、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告いたしたいと思います。
それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱の報告文案を画面に表示いたしますので、御確認いただければと思います。
会場で出席されている皆様には、事務局より報告文案を配付いたしますので、こちらを御確認ください。
(文案共有・配付)
よろしいですかね。それでは、ただいま画面に表示されている報告文案によって職業安定分科会へ報告いたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、この報告文案で職業安定分科会へ報告いたしたいと思います。
議題1については、以上となります。
次の議題に入りたいと思います。
議題の2は「雇用保険制度の現状について」でございます。
まず、資料に基づいて、事務局より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山口調査官 それでは、資料2について御説明を差し上げます。
まず、3ページ目を御覧いただければと思います。
失業等給付の関係の収支状況について、資料を入れてございます。
この9月に令和3年度の決算が公表されたということで、それを踏まえた数字をお示ししたものでございます。
3年度決算という欄を御覧いただければと思いますけれども、まず、収入の欄でありますが、失業等給付の保険料の収入ということで3908億円計上しております。保険料率1,000分の2に相当する約4000億の収入ということになっております。
失業等給付に係る国庫負担金といたしましては、令和3年度の補正予算で1.7兆円、一般会計が雇用勘定に繰り入れられたという結果といたしまして、1兆7550億円が計上されております。
一方、支出でございますが、失業等給付費1.3兆円ということになっておりまして、令和2年度の決算と比較をいたしますと、少し支出が低下をしているという状況でございます。
結果、差引剰余といたしましては、プラスの7000億円程度ということになっているわけなのですけれども、その下の欄で雇用安定事業費への貸出し、具体的には雇調金の支払いのために、積立金から二事業にお貸しをした金額というものは計上してございますが、それが約1.4兆円ということになっておりまして、最終的に積立金の残高といたしましては、1兆2460億円ということになっております。
この決算の結果を令和4年度の当初予算に反映をした収支イメージというものを、一番右側の欄に記載をしてございます。
まず、収入の欄でありますけれども、こちら保険料収入につきましては約8000億円で、最初の上半期が1,000分の2、下半期が1,000分の6ということで、通年でなべて見ると1,000分の4相当の保険料収入に当たる金額が計上されております。
次に国庫負担でございますけれども、こちらは失業等給付費の40分の1ということで、200億程度を計上しているものでございます。
失業等給付費につきましては、1.38兆円ということで、令和3年度の実績と比較いたしますと、少し多い金額になっておりますが、こちらは予算上の見込みとなっておりまして、受給者実人員43万人に相当する金額を計上してございます。
結果として、差引剰余がマイナス0.77兆円ということでありまして、それに加えまして、さらに雇調金の支払いのために二事業に貸し出しているという金額が1800億円計上されており、結果といたしまして、令和4年度末時点の積立金残高が2900億円、それから積立金から二事業への貸出累計額が約3兆ということになっております。
1枚飛ばしまして、その次のページです。基本手当の主要指標の推移というところを御覧いただきますと、左側に初回受給者数の数字を掲載してございます。
令和2年度が約130万人であったのに対しまして、令和3年度は113万人ということになっておりますので、約20万人ほど少なくなっているということであります。
雇用情勢の回復ということを受けまして、コロナ前というほどではないのですけれども、若干少なくなっているということが傾向として見て取れるかと思います。
次のページでございますけれども、基本手当の受給者実人員の推移ということを記載してございます。
左側の表を御覧いただきますと、令和2年度が47.6万人でありましたが、令和3年度は43.4万人ということで少し減っております。
右側の月別のデータを御覧いただきますと、令和4年度に入ってからの足元の4月から7月というところを御覧いただきますと、対前年比マイナスが続いております。実人員減少傾向が継続しているということが確認できます。
1枚飛ばしまして、その次のページでありますけれども、二事業関係の収支状況ということの表を入れてございます。
3年度決算の欄を御覧いただければと思いますけれども、まず、収入の部分で保険料収入といたしましては、1,000分の3の料率に相当いたします約6000億、5856億円が計上されております。
一般会計より受入れということで、こちらは雇調金の日額上限超えの部分に充てる金額といたしまして5227億円。それから積立金からの受入れということで、雇調金の支払いに必要な金額を二事業で借り入れたものということでありますが、1.4兆円ということであります。
支出のほうですけれども、雇調金等というところの欄を御覧いただきますと、2.7兆円となっておりますが、うち翌年度繰越が4960億円ということになっておりますので、令和3年度には正味2.2兆円雇調金を支払っているということになります。
それから、うち上記以外という欄が雇調金以外の二事業の事業費でございまして、5330億円ということであります。
結果といたしまして、差し引き剰余はゼロ、積立金への返還もゼロで、安定資金残高もゼロという結果になっております。
この決算の結果を4年度当初予算に反映したのが、一番右側の収支イメージという欄であります。
保険料収入のところを御覧いただきますと、保険料率1,000分の3.5になっておりますので、収入が約7000億円、それから一般会計より受け入れる雇調金の日額上限超え部分が3300億円、雇調金の支払いに充てるための積立金からの借入れが1800億円ということになっております。
一方、支出のほうでありますが、雇調金等という部分を御覧いただきますと、前年度から約5000億円繰越しをしておりますので、予算現額としては約1兆円の規模を確保しております。
また、雇調金以外の二事業の事業費といたしましては、6500億円を計上しております。
結果といたしまして、安定資金残高、令和4年度末時点でもゼロということで、積立金からの二事業への借入れ累計額が約3兆円ということになっております。
2枚ほど飛ばしていただきまして、雇調金の支出状況、支給状況についての資料を入れてございます。
こちらでございますが、右下のところを御覧いただきますと、支給決定額の累計額が記載してございます。コロナが始まって以来の累計額でありますけれども、約6兆円ということで、雇調金が5.6兆、それから緊安金が4600億ということになっております。
そのすぐ左側の支給決定額、週別のところを御覧いただきますと、9月23日までの状況で110億円ということになっております。週当たりの支出の金額は、かなり低くなっているということであります。
それから、次の12ページを御覧いただきますと、休業支援金・給付金の支給累計額ということの記載がございます。
累計といたしまして、3362億円ということになっておりまして、休業支援金と給付金1対2の比率の傾向は変わっておりません。
経年的に過去からのトレンドで見ますと、支給申請件数というところも大分落ち着いてきているということであります。
13ページを御覧いただければと思います。
育児休業給付関係の収支状況の資料でございます。
令和3年度決算というところを御覧いただきますと、まず、保険料収入でございますけれども、料率1,000分の4ということに相当いたします、約8000億の収入が計上されてございます。
それから、育児休業給付に係る国庫負担金といたしまして、支出額の80分の1であります80億円が計上をされております。
一方、支出額ですけれども、令和3年度の支出額が6656億円で、令和2年度とほぼ同じぐらいの支出額ということになっております。
2年度はコロナの影響で、保育所に預けることを控えるということの裏腹といたしまして、育休の支出が増えましたので、それと同程度の水準に収まったということであります。
結果といたしまして、育休資金残高が2310億円ということになっております。
これを踏まえた令和4年度でございますけれども、収入面の状況というのはほとんど変わっておりません。支出のほうが少し経年的に伸びるという前提を置いておりますので、7500億の支出ということを置いておりまして、結果といたしまして、育休資金残高が2700億ということになっております。
14ページに、育休の支給の状況のデータを入れてございます。
一番下の令和3年度というところを御覧いただければと思いますが、初回受給者数が44.5万人ということで、男性が7万人弱、女性が37.7万人ということになっております。
また、平均受給月額ですけれども、こちらは男性のほうが多く月額18万円、女性は13.6万円となっております。
平均給付期間につきましては、男性は約3か月、女性は12か月ということになっております。給付総額といたしましては6500億円という規模感になっております。
最後15ページを御覧いただきますと、令和4年度、足元の状況ということを御覧いただけるかと思います。
令和4年度4月から7月というところを御覧いただきますと、まず、初回受給者数というのは増加しておりまして、特に男性の人数が、対前年比で非常に増加をしているということが確認できます。
また、支給金額につきましても、令和4年度に入っても、引き続き増加という傾向にございますので、支出増の傾向というのは、まだ続いていると認識をしております。
御説明は、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、質問、御意見があったらお受けしたいと思います。
三島委員、どうぞ。
○三島委員 ありがとうございます。
説明ありがとうございます。1点要望をさせていただきます。
8ページの「令和4年度の雇用保険二事業の関係の収支状況」では、雇調金の令和4年度の支出が約1兆円とされておりますが、年度上期だけでも支出決定額は5000億円を超えております。このことから、補正予算による一般会計からの繰入れも視野に入れた財政運営が必要となると考えます。
また、失業等給付の雇用保険料率については、来月に0.2%から0.6%に引き上げられることにより、労使の負担感が増す中、令和5年度の料率についても年内に検討していくこととなります。
今年3月の法改正時の附帯決議にもあるとおり、今後も労政審の委員に対して、雇用情勢や雇用保険の財政状況の推移を逐次報告していただくとともに、安定的な財政運営に向けて、これまで以上に機動的かつ実効的な対応を行っていただきたいと考えますので、どうぞよろしくお願いします。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございました。
この保険二事業に係る雇用安定資金の残高でございますけれども、ゼロ円とありますけれども、もう皆さん御存じのとおり、事実上は3兆円超の赤字であると認識しております。
先般の法改正、返済猶予額も含め、借入額の返済の在り方について、令和6年度末までを目途に検討とされましたところでありますけれども、雇用保険財政再建の道筋の明確化が、今後極めて重要だと思っておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
では、続きまして、日商の清田委員、お願いいたします。
○清田委員 御説明ありがとうございます。日商の清田でございます。
資料の説明にありましたとおり、失業等給付の積立残高は0.29兆円と非常に厳しい状況にあります。今年1月の雇用保険部会報告にございますとおり、失業等給付の支払いに支障が生じるおそれがある場合には、機動的に国庫金を繰り入れるなど迅速な対応をお願いいたしたいと思います。
足元では、中小企業の人手不足が非常に深刻化しておりまして、業種で見ましても、建設業、運輸業では約8割弱の企業が人手不足、また、コロナの影響を強く受けている宿泊飲食業についても、7割強が人手不足を課題としている状況でございます。
これまで雇用調整助成金をはじめとして、雇用の安定を図る施策に重点を置いてきたかと思いますが、今後は、成長分野や人手不足企業への円滑な労働移動といった政策に重点を置いていくということが必要と思っております。
ただし、御説明いただいたとおり、枯渇化している二事業会計の早期安定化を図ることが優先課題だと思いますので、運用規律の徹底を図っていただきながらも、円滑な労働移動や、生産性向上に資する実効性の高い能力開発に重点を置いた運用をお願いしたいと思っております。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか、御質問、御意見ありますでしょうか。
大丈夫ですかね。
それでは、御質問、御意見は、もうないようですので、本議題はこれで、以上とさせていただきたいと思います。
本日予定されている議題は以上ですので、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございました。