令和4年10月21日 第87回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年10月21日(金) 13:00~13:30
 

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

10月21日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第87回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同開催を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。本日は会議の時間が限られていますため、先生方の御議論のお時間としていただきますよう、一部事務的説明を割愛しながら御説明させていただきます。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員、安全対策調査会委員ともに全員御出席いただいております。厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。なお、全ての委員において関係企業の役員、職員等ではない旨を申告いただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○事務局 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの。
○濱田委員 済みません。声が聞こえにくいのですけれども。
○事務局 失礼いたしました。
 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連事業からの寄附金、契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社モデルナ・ジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社でございまして、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員において、審議される品目の新型コロナワクチンに係る4社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンを含め、関連する製造販売業者からの寄附金、契約金などの受け取り状況について各委員より申告いただいており、舟越委員は第一三共株式会社から50万を超えて500万円以下の受け取り、藤井委員及び柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 以上でございます。
○森尾座長 皆様、声は聞こえていますでしょうか。小さくないですか。大丈夫ですか。
 ありがとうございます。
 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1、資料2、委員提出資料、参考資料1から8になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。  
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 それでは、審議を始めたいと思います。
 議題「新型コロナワクチンに関する副反応への対応について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1と2、委員提出資料に関しまして、時間も考慮しまして手短に御説明します。
 資料1の4ページをご覧ください。
 こちらは10月11日に持ち回りで開催いたしました、副反応検討合同部会においてお示しした論点スライドです。ファイザー社製ワクチン6か月~4歳用について、臨床試験の結果を踏まえた添付文書の重大な副反応の記載などを踏まえまして、事務局より副反応疑い報告基準の変更不要の案を提示いたしましたが、委員の皆様より基準の設定について御意見を賜り、本日の合同部会において継続して御審議いただくこととなりました。
 5ページをご覧ください。
 この部会の開催に合わせまして、委員より11日の部会の議論を踏まえた意見書をいただきました。本日の会議の委員提出資料としてもお配りをしております。
 その概要は6ページ中ほどにまとめております。読み上げます。
○今般、予防接種法に基づく臨時特例接種の対象となる生後6か月以上4歳以下の者を対象とする新型コロナウイルス感染症に係るワクチンは、熱性けいれんの好発年齢(6か月~5歳)を接種対象に含む。
○臨床試験の結果を踏まえると、現時点において、本剤の接種が熱性けいれんを誘発すること、また、本剤により、熱性けいれんのリスクを上昇させることのいずれも統計的エビデンスは報告されていない。
○しかし、本剤を熱性けいれんの好発年齢に接種を行うことで、有熱性のけいれんを誘発し得ることも否定はできない。本剤をより安心して接種していただくためには、本邦における本剤接種後の熱性けいれんの発症の実態を適切に把握し、その結果を本剤の接種の関係者に周知することが望まれる。そのため、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準に「熱性けいれん」を追加し、接種後に発生した熱性けいれんについて、広く情報収集するよう事務局に御願いしたい。
と御意見をいただいております。
 本日はこの意見書を踏まえまして、現状の副反応疑い報告基準をどのように変更するか御議論をいただきたいと思います。
 新たな症状の報告基準を追加する場合には、ワクチン接種から症状を確認するまでの期間についても御意見を賜りたいと存じます。なお、報告基準の具体的な内容についてはこれから御議論いただくところではございますが、乳幼児接種の開始が週明けに迫っていることから事務的なスケジュールも踏まえ、先日の持ち回り会議でいただいた御意見や意見書の内容を取りまとめる形で諮問書を作成させていただきました。諮問内容は資料2のとおりでございます。
 なお、10月11日の持ち回りの合同会議で継続審議となりましたオミクロン株BA.4-5を含むファイザー製の2価ワクチンの副反応疑い基準は、オミクロン株BA.1を含む2価ワクチンと同じく、新型コロナウイルス感染症の予防接種に適用される報告基準を適用することでよいかにつきましても御意見をいただけますと幸いです。資料につきましては、参考資料1の末尾の26ページにございます。
 御説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○ウェブ参加者 よく聞こえませんでした。
○事務局 失礼いたしました。それでは、今の御説明のうち、ポイントとなります資料1の6ページのところの御説明をさせていただきます。
 こちらでございますが、これまでの持ち回り会議での委員の皆様方の御意見を踏まえ、本日、意見書が提出されたことを踏まえまして、その内容をまとめております。
 こちらの中ほどに意見書の内容がございますので、読み上げさせていただきます。
○今般、予防接種法に基づく臨時特例接種の対象となる生後6か月以上4歳以下の者を対象とする新型コロナウイルス感染症に係るワクチンは、熱性けいれんの好発年齢(6か月~5歳)を接種対象に含む。
○臨床試験の結果を踏まえると、現時点において、本剤の接種が熱性けいれんを誘発すること、また、本剤により、熱性けいれんのリスクを上昇させることのいずれも統計的エビデンスは報告されていない。
○しかし、本剤を熱性けいれんの好発年齢に接種を行うことで、有熱性のけいれんを誘発し得ることも否定はできない。本剤をより安心して接種していただくためには、本邦における本剤接種後の熱性けいれんの発症の実態を適切に把握し、その結果を本剤の接種の関係者に周知することが望まれる。そのため、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準に「熱性けいれん」を追加し、接種後に発生した熱性けいれんについて、広く情報収集するよう事務局に御願いしたい。
と御意見をいただいております。
 本日はこの意見書を踏まえまして、現状の副反応疑い報告基準をどのように変更するか御議論をいただきたいと思います。新たな症状の報告基準を追加する場合には、ワクチン接種から症状を確認するまでの期間についても御意見を賜りたいと存じます。
 なお、報告基準の具体的な内容についてはこれから御議論いただくところではございますが、乳幼児接種の開始が週明けに迫っていることから事務的なスケジュールも踏まえ、先日の持ち回り会議でいただいた御意見や意見書の内容を取りまとめる形で諮問書を作成させていただきました。諮問内容は資料2のとおりでございます。
 なお、10月11日の持ち回りの合同部会で継続審議となったオミクロン株BA.4-5を含むファイザー社製の2価ワクチンの副反応疑い基準は、オミクロン株BA.1を含む2価ワクチンと同じく、新型コロナウイルス感染症の予防接種に適用される報告基準を適用することでよいかについても御意見をいただけますと幸いです。
 御説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 また確認ですが、森尾の声は聞こえておりますでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、新型のワクチンに関する副反応への対応について議論をさせていただきたいと思います。
 事務的に諮問書も提出していただきましたけれども、あくまでも具体的な内容は本日の議論が大切で、これを踏まえて決定するということでございます。10月11日から13日の持ち回り開催の審議会におきまして、事務局から臨床試験結果に基づく添付文書の記載状況等を基に報告基準を変更しない案を提示していただいておりましたけれども、複数の意見の委員から、先ほど説明がありましたけれども、熱性けいれんを報告基準に設定することについてということで意見が出ておりまして、これは意見書ということでご覧いただいたとおりでございます。経緯については資料の1の6ページにまとめられているとおりでございます。このような状況を踏まえまして、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準について、どう考えるか御議論をいただけたらと思います。ぜひ御意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。
 伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 小児科の先生方の御意見を尊重すべきだと思っておりますが、乳幼児のワクチンは発熱を抑えることが目的だと思っていますけれども、mRNAワクチン含量は、大人の10分の1で、交差免疫が期待できる、3回接種になっています。審査報告書では、2歳未満の2回目接種後の38度以上の発熱が7.4%ではありますが、日本人の熱性けいれんの発症頻度が8%程度という小児科の先生方の御報告から計算すると、200人に1人、0.5%、100万人接種では5,000人程度が熱性けいれんをおこすと予想されると思っております。
 熱性けいれんそのものは、5歳未満の子供で、成長に伴って6歳前後でほとんど見られなくなる基本的に良性の疾患で、乳幼児に発熱があれば一定の割合で発症すると認識しておりますが、予防接種法第12条の第1項の規定に基づいて、厚生労働省に報告をしなければならない制度の対象として熱性けいれんを指定しますと、現場の負担も相当程度あるのではないかと懸念しています。現在でもけいれんは、ギランバレー症候群などとともに報告を検討してくださいとされている疾患ですけれども、熱性けいれんとして義務化する必要があるのだろうかということについては、多少懸念は感じています。
 10月7日に、乳幼児接種について公的関与の規定の適用を決めた予防接種・ワクチン分科会の委員でもありますので、熱性けいれんを取り上げることで保護者のお母さんたちが不安にならなければいいなとも思っております。でも、そうはいっても乳幼児を実際診ている小児科の先生方の提案なので、もちろん尊重いたしますが、私見として述べさせていただきました。
 意見は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信先生、どうもありがとうございます。それぞれ貴重な御意見と承っております。
 それでは、藤井先生、手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学小児科の藤井でございます。貴重な御意見、ありがとうございます。
 まさに伊藤先生の御指摘の点は重々理解することもできます。小児科では、確かにちょうど6か月から5歳というのは、各種のワクチンを接種する時期に相当しております。別にこのワクチンに限らずどのワクチンでも発熱する機会は確かにございます。なので、そういう意味では、小児科医としては、接種後の発熱についてはそれなりの対処は行っておるところではございます。
 一方で、このコロナワクチンは、今までとは違うmRNAワクチンであること、それから、今までの流行に伴って、特にオミクロン株ではかなりの熱性けいれんの発生数があったということで、実際の罹患とは異なりますけれども、ワクチン接種での発熱は現場としては確かに危惧するところではあります。
 伊藤先生が御指摘のように、確かに良性の疾患ではございます。しかしながら、けいれんを起こしたときに、それが良性なのかどうかはその瞬間にはまだ分かりません。なので、現場としてもやはり気になるところではありますが、先ほどお話ししたように製剤としてそうした工夫がなされていること、熱性けいれんが起きることを考えて打ち方を考えられているということなどから、私としては必ずしも固執するものではございません。いずれにしても接種に関しては注意をして、そのような危惧がないように各所が協力してやっていけたらと考えております。
 以上、コメントです。
○森尾座長 藤井委員、ありがとうございました。
 それでは、多屋委員、濱田委員、柿崎委員の順でお願いできればと思います。多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
 伊藤先生の御意見、確かに承りました。今回の6か月から4歳のワクチンは、日本では臨床治験はされていませんので、日本の子供たちでどうかという結果が分かりません。また、熱性けいれんを起こしたことがあるお子さんでも、熱が出たら必ずけいれんを起こすというわけではなく、そんなに多くの子供たちがワクチンでけいれんを起こすというのは、ほかのワクチンでもあまりないので、そこまで大きな数になるとは思っていません。ただ、どれぐらいの割合で、この時期に起こることが多い、ということを保護者の方にもきちんと伝えることができる、日本での情報をまとめることができれば、それはむしろ保護者にとっての安心や安全にもつながると思っております。この時期は熱が出るかもしれないから気をつけてくださいねということを言ってあげることもできるかもしれません。むしろ小児科医としては、安心のために、もし起こったら報告してくださいということを先生方にお願いするものであると理解をしております。
 以上です。
○森尾座長 多屋委員、どうもありがとうございました。
 それでは、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
 私も内科のほうが専門なので、小児科の先生の御意見は尊重したいと思っておるのですが、根本で申し訳ないのですけれども、副反応報告というのは、調査をすることが目的ではもともとないのではないかと私は思うのです。確かに今回の乳児用の審査文書、PMDAのものが公開されているので見ますと、製造販売後、安全性情報がまだ日本ではそろっていないので、その後に調査を行うということが書かれておるので、そういった位置づけでもあると思うのです。しかし、この副反応報告の基準に上がるものというのは、エビデンスがあるから上げるということであって、調査をするために上げるということではないのかなと思っております。その辺はどのようにお考えなのか、事務局なり委員の先生がお考えなのかなということは伺っておきたいと思います。
 もう一つ、今回これで熱性けいれんを入れた場合、国民の皆さんも非常に御心配になると思います。特に小児をお持ちの御父母の方々。そういった方々への情報提供を、起きた場合にどうするのかといったものを、今後国民向けのパンフレットとかホームページ上のQ&Aに掲載していかないと、不安だけが先行してしまうように思っております。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事務局への問いかけがあったように思いますけれども、事務局はいかがでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 先ほどは、説明を割愛させていただきましたけれども、資料1の12ページ目をご覧ください。こちらに副反応報告制度及び副反応報告基準の設定について、説明がございます。
先生は、副反応報告は調査が目的ではないのではないか、とおっしゃられていたのですけれども、基本的にはこの制度の趣旨は、1マル目のところに書いてあるとおり、予防接種後に生じる身体反応や副反応等について情報収集していくということです。この情報収集をしていくことを調査と呼ぶかどうかは御判断ですけれども、副反応疑い報告は情報収集することを目的としているところであり、報告を義務づけることについては、2マル目と3マル目のところに書いているところでございます。また、副反応疑い報告基準の設定の考え方については、次の13ページ目にもお示ししているとおり、接種後の一定の対象期間については、医師等がそれを確知した場合には報告を義務づけるということであり、濱田先生の先生の御質問の趣旨に照らした回答になっているか分からないのですけれども、この12ページ目、13ページ目が先生に対する御回答になっているかと思いますので、こちらもご覧いただければと考えております。
 以上でございます。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
 そうすると、今回の熱性けいれんというものを基準に入れる場合も、この副反応基準の設定には制度的に合致しているという考えでよろしいということですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 このページにもございますとおり、また、以前からも御説明しておりますとおり、報告基準に位置づけなくとも、情報収集自体は行っております。それを省令として報告を義務づけるかどうかであって、両方とも情報収集をするという意味では同じ方向性となります。制度の中でどのような報告の求め方をするか、という方法論の違いなのかなと感じております。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 熱性けいれんやけいれんの情報収集をすることは重要だと思うのですが、報告基準に入れた場合、従来の小児用や成人用の新型コロナウイルスワクチンの報告基準の取扱いがどのようになるかということが質問です。ほかのワクチンは疾患に対して1つの報告基準ですが、このワクチンで熱性けいれんを入れた場合、新型コロナウイルスワクチンの報告基準の様式が2通りになるのか、あるいは小児用、成人用にも熱性けいれんを加えるのかというのが質問です。
○森尾座長 柿崎委員、ありがとうございます。
 それも本日は議論の対象と心得ております。もし報告基準に入れるのであれば、どのワクチンにということに議論を進める、どの年齢層という言い方がいいかもしれませんが、そういう形になるかと思います。柿崎先生、ひとまずよろしいですか。
○柿崎委員 ありがとうございます。
 それでは、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 倉根です。
 私自身は小児科ではありませんけれども、小児科の先生方の熱性けいれんに対する御懸念ということは非常に重く受け止めておりました。ですので、今回、6か月から4歳という年齢層に打つということを考えれば、それがどの程度の発生頻度であるのかということをきちんと把握するということは、逆に情報を得るという意味で非常に重要だと思いましたので、この件については入れることに賛成をいたしました。
 以上です。
○森尾座長 倉根委員、どうもありがとうございました。
 ほかの委員から御意見をいただきたいと思います。岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
 最初に伊藤委員がおっしゃったように、これが変に誤解されることも本当に懸念されると思っております。それはおっしゃるとおりかなと思っておりますけれども、熱性けいれんはどんな原因の発熱でも起こってくるわけで、別にワクチンで全然起こりやすいわけではなく、それを心配して打たないでいると本当の疾患にかかってしまって、結局熱性けいれんを起こしてしまったり、けいれん重積を起こしてしまったりするということで、熱性けいれんの体質のある方でもワクチンを勧めるというのは本当にそのとおりかと思っております。
 また、副反応報告基準では、ADEMのような後遺症を起こす疾患が記載されておりますけれども、それとは確かに区別をするべきではありますけれども、副反応という点は入院することもありますので、保護者の方の関心も高いのかなと思っております。
 今回のワクチンは、海外のデータでも本当に発熱の頻度がプラセボ群と差がないとか、発熱の頻度が少なくて、副反応の点で本当に乳幼児に配慮していただいたワクチンだなと思っていて、やはり治験でも熱性けいれんを誘発するという所見がなかったという、これは本当に大事な点だと思っております。この点で小児科医としては本当に安心はしている一方で、やはり同じ成分でも5歳以上のワクチンで、発熱が全身反応として一部のお子さんに見られておりますので、また、先ほどの委員の意見書にもありましたように、日本の熱性けいれんの頻度が海外よりも高いということもありますので、やはり副反応としての頻度を国として把握していただけるのが保護者として安心かなと思っております。
 もし、仮に一定の頻度で起こったとしても、では、接種しないということではないと。それはあくまでも熱性けいれんの既往のあるお子さんの場合には、そういう場合には、発熱時の対応の方向などについて、ちゃんとかかりつけ医が指導するということで、例えば麻しんのワクチン等はその様に打っておりますので、そういった形で進めさせていただければと思います。
 私は特に、実はオミクロン株になりまして、新型コロナで熱性けいれんを起こしてくるお子さんが本当に多かったということを実感しております。結構な数の方がやはり入院しておりまして、そういう方こそ打ってほしいと思っております。そういう意味では、しっかりとした情報を私どもも教えていただいて、保護者に指導ができればいいなと思っている次第です。
 現場の先生方や事務局の方に本当に御負担をおかけするというのは、伊藤先生の御指摘のとおりだなと私は思いますけれども、短期間で実用化されているワクチンでございますので、その辺りは御理解いただければなと思っている次第です。
 大事なことは、この副反応基準を入れることが何か誤解されて情報発信されないようにという点で、それは私ども小児科医の現場もそうですし、国としてもそのように、この部会としても注意していきたいことかなと思っております。
 以上です。
○森尾座長 岡委員、どうもありがとうございました。
 それでは、宮川委員から手が挙がっております。
○宮川委員 宮川でございます。
 今、岡委員がおっしゃったことは非常に重要なことで、私たち現場の医師にとってどのようなコミュニケーションを取っていくのか、保護者の方、それから、お子さんたちとどのように向き合っていくのかということは、より正直であるべきだろうと思っております。
 そういう意味では、こういう取組というのは、今後の予防接種の枠組みの中でも重要な試金石になっていくのかなと思っています。そういうことからすれば、この中に熱性けいれんという言葉も入るということは、保護者の方とじっくりお話をするというようなことができますし、それから、その後のことお話しできます。そういう現場としては非常にありがたいかなと考えます。罹患した方のほうが、今、岡先生がおっしゃったようにいろいろなトラブルが起こっているので、そうならないために、いかにこのワクチンと向き合うべきかということをしっかりとお話しできることは、逆に幸いなのかなと考えております。
 以上です。
○森尾座長 宮川委員、どうもありがとうございました。
 ほかに御発言、御意見はいかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 基本的に委員の先生方と同じコメントですが、どうしても統計的なエビデンスが報告されないというところで、本剤をより安心して接種いただくためには、やはり評価時期とか、医師のほうに行って相談する保護者の方だったらいいのですが、うちもそうですが、基本的に接種券持って予約をするとか相談をしに行くということさえも控える可能性も出てきてしまうのです。その点については、今回のこの熱性けいれんについて、評価時期とかを早めに評価をして、特に大きな問題がないとか、そういったことを日本人のデータを早めに、副反応部会の中でも結論を出してあげたほうがいいと思いました。
 また、現在、全てのファイザー社製品の規格が、リスク管理計画書が同一です。添付文書ならびにリスク管理計画では、潜在的リスクに記載していくのか、もしくは不足情報に記載されていくなどの各情報源との整合性も確認する必要があるのではないかと思いました。
 コメントまでになりますが、以上です。
○森尾座長 舟越委員、どうもありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 先ほどのコメントに追加ですけれども、今子供たちが受けている例えばヒブワクチンや肺炎球菌ワクチン、MRワクチン、熱が1割ぐらい出るワクチンについては、けいれんが報告基準の中に入っております。それが入っているから心配されているという方は多分いらっしゃらないのではないかなと思います。新型コロナウイルスワクチンは幅広い年齢の方に接種されるので、熱性けいれんを入れることで、低年齢の子供さんに起こるけいれんを報告してください、という意味が伝わりやすいと思いました。ほかのワクチンでは報告基準はけいれんですけれども。
 以上です。
○森尾座長 「けいれん(熱性けいれんを含む)」という書き方もございますかね。ありがとうございます。
 ほかには。大体意見としては出尽くしているでしょうか。皆様、しっかりした情報を、打っていただく方々、親御さんを含め伝えていく必要があるということ、あと、情報収集はしていくべきだということをお伝えいただいているのではないかとは理解をしております。
 一方、臨床試験とか今までの論文、添付文書等でエビデンスがあるというものでは決してない。ただ、一方で、今回6か月から4歳という形の熱性けいれんの好発年齢を含む、しかも、mRNA自体のワクチンでまだアンノウンがあるのではないかと。あとは日本でのデータが出ていない、そして、今、多屋委員がおっしゃっていただいたように、ほかのワクチンの中で、熱が10%ぐらいのワクチンの中で、この熱性けいれんあるいはけいれんが副反応の中に入っているものがあるというところがまとめなのかなとは思っております。
 いずれにせよ国民の皆さんにしっかりした情報を提供する、安心して受けていただくということが一番重要なのかなと思っておりますが、ここで皆さんに取りまとめについて御意見を伺ってしまってよろしいですか。
 今回、省令改正ということで、報告基準の変更ということで事務局から出ておりますけれども、この時点で皆さんうなずいていただくかどうかという形で御確認をいただいてよろしいですか。
 ありがとうございます。
 それでは、今いただいた御意見は、いずれも非常に重要な御意見ですけれども、今述べたような理由をもちまして、乳幼児ワクチンの接種の開始に当たって報告基準を変更し、接種後に発生した熱性けいれんについて、より広く情報収集をするという方向性でよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 うなずきをはっきり確認させていただけたと思っております。ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただけたらと思いますが、これはやはり重要なことは、どのようなメッセージをお伝えするかということだと思いますので、こちらについては皆様、いろいろと御示唆、御教示をいただけたらありがたいなと思います。どうもありがとうございました。
 2点目でございますけれども、先ほど柿崎委員のほうから御質問がありました、どのような被接種者がということと、あと、けいれんなのか熱性けいれんなのかということでございます。年齢層につきましての御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 明確に何歳から熱性けいれんが起こる起こらないということを分けるのは非常に厳しいと思いますし、他の副反応についても、例えば心筋炎は若い男性で起こるという事例も年齢で区切っていることはないと思いますので、全年齢層を対象として、熱性けいれんという形であれば、疾患そのものが規定されてくるので、そういうのはいかがかと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 全てのワクチンに展開すべきではないかという御意見でございますが。
○長谷川委員 全てのワクチンではなくて全ての年齢層です。
○森尾座長 ごめんなさい。全てのワクチンではないですね。言葉が間違っていました。全ての年齢層にということです。ありがとうございます。
 この件につきましていかがでしょうか。
 皆さんうなずいていただいていますかね。ありがとうございます。
 そして、けいれんか熱性けいれんか、これは今までの議論ですと熱性けいれんだと私は理解いたしますけれども、よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 最後が、報告を求める接種後の期間でございます。こちらにつきましては、今まで前回の審議会の時点におきまして、10月7日ですけれども、全ては接種から3日以内に発症した報告でございました。これは資料1の8ページ目に示されておりますけれども、一方、新型コロナワクチン以外の乳幼児期に接種されるワクチンのうち、けいれんの報告基準が設定されているものは、MRワクチンを除いて7日間となってございます。日数については何か御意見はございますでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 今回の新型コロナワクチンにつきましては、MRワクチンは接種から10日ぐらいして熱が出るワクチンなので、ちょっと長い21日ですけれども、ほかのワクチンは接種して比較的早く熱が出るワクチン、例えば四種混合とかヒブ、肺炎球菌、それは7日になっているので、7日ということにすれば、先ほど出していただいた表をカバーして、さらに少し長めに取ることができるのではないかなと思いました。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ほとんどのワクチンは、今、7日というのもありましたけれども、接種した日あるいは接種した翌日というのが比較的多いのかなと考えています。なので、個人的には3日以内でもいいのかと思いますけれども、全体の情報収集のやり方、それから、要否の仕方とか、7日がよければ7日でもよいと思いますけれども、現実的には打ってから3日以内に起きることというのが一般的かなとは感じております。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。これはもうちょっと意見がないと。
 どうぞ、岡委員、お願いします。
○岡委員 日数については、では、例えば4日はどうなるのかという辺りが、難しくなるのかなと思いますので、それを含めた7日ぐらいが適切かなというのは考えております。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 PMDAに提出されたファイザー社からの資料も、7日目のデータということでいろいろ集めているところがありまして、ほかの添付文書等とけいれんでのフォローアップの日数を見ると7日というところが標準的と考えますが…。
 藤井委員、いかがですか。
○藤井委員 3日以内が多いという意味で、4日はどうするかという問題も確かにございますので、幅広く捉えるという考え方でございましたら7日でも同意いたします。
 以上です。
○森尾座長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 幅広く、そういう意味で取るということも賛成でございます。しかしながら、やはりいろいろなデータ、ほかのデータと整合性を取るということからすれば、やはり7日という数字が一番適切ではなかろうかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、皆様、7日ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 御審議いただく事項は以上ですけれども、何か追加で意見とかコメントはございますか。よろしいですか。
 事務局。
○事務局 事務局でございます。
 最後のところで御説明いたしました、新型コロナの2価ワクチンで、BA.4-5の株を含むものに関して、BA.1と同じ報告基準を適用することでよろしいか、念のため御確認いただけますと幸いです。
○森尾座長 ありがとうございます。
 こちらにつきましても重要な点でございました。こちらにつきましても同様の扱いということでよろしいかということでございますけれども、こちらはよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。大変失礼いたしました。
 宮川委員からコメントはございますか。
○宮川委員 付け足しというわけではないのですけれども、こういう諸問題を今までずっとこの検討会で委員の方が本当に真摯に御意見、それから、議論をして積み上げてきたところでございます。そういうものが間違って伝わらないようにするということが非常に必要だろうと思っています。そのためにも各報道機関の方々が、こういうワクチンを含めて、薬というものはどのようにあるべきかということをお考えいただきながら、しっかりとした報道姿勢というものを今までもかなり取ってきていただいた部分があって非常に感謝しております。これからも報道機関の方々の適切な報道の仕方をぜひお願いして、そして、国民の皆様に情報というものがしっかりと届くような仕組みをつくっていただければと思っています。
 これは全体の感想でございます。失礼しました。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 正式な議論の前に少しまとめておきたいと思っております。
 どうぞ、事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 事務局の受け止めについて、少しコメントさせていただければと思います。
 副反応報告をどうやって位置づけるのかということで御議論いただきましたけれども、事務局からも説明したとおり、基本的には情報収集のためという趣旨だと承知をしております。
 また、現場の御負担という御議論もありましたけれども、副反応報告基準に位置づけることについては、法令上の義務をかけるということになりますので、行政的に制度的にも非常に重い決定だと考えております。そうなると、やはり根拠は必要だということになろうかと思いますが、ただ、一方で、統計的エビデンスがそこに必要かというと、必ずしも統計的エビデンスは必須ではないという認識でございます。やはり情報収集をするに当たり、副反応であるということを疑うに足る科学的根拠があれば、やはり副反応報告基準に位置づけるべきであると考えているところでございます。
 そういった趣旨で、いただいた文書を拝見させていただきますと、3マル目のところで、熱性けいれんの好発年齢に接種を行うことで、有熱性のけいれんを誘発し得ることも否定をできないと専門家の先生に記載していただいて情報収集をお願いしたいという形でまとめていただいています。こうしたことも踏まえて、また、本日の議論中で、やはり副反応報告基準に位置づけるだけの科学的根拠、これは統計的エビデンスではないですけれども、科学的に合理的に疑い得る根拠ということがあると受け止めてございます。
 そういった意味も含めて、こうした文書をいただいたことも含めて重く受け止めたいと思っておりますし、情報収集の仕方、情報発信のこれからの仕方ということで非常に大切だと御発言、御意見をいただきましたので、そちらについても事務局として留意したいと考えているところでございます。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 よろしいですかね。少し正式な取りまとめの前に議論をまとめておきたいと思っておりますけれども、今、事務局のほうから御指摘がありましたけれども、エビデンスとかがあるわけではなくて、添付書上で熱性けいれんというのが入っているわけではないということでございました。
 一方、日本では、データがまだないということと、日本での熱性けいれんの発症率、そして、熱を出したときにけいれんを起こすということは否定できないということなどから、副反応報告基準に入れたらどうか。
 プラスしまして、mRNAのアンノウンがあること、そして、ほかの乳幼児用のワクチンの中でやはり明示的に示されていると考えると、やはり情報収集をしたいと。皆様にこういう頻度だということを知っていただきたいということでありまして、これを副反応検討部会でもしっかり見ていくということのメッセージなのかなと思っております。
 そういう中で、ちょっとまとめをさせていただきますが、よろしいですか。
 まず、乳幼児用の新型コロナワクチンの接種開始に当たり報告基準を変更し、接触後発生した熱性けいれんについてより広く情報を取る必要があるかにつきましては、おおむね多くの委員から、これはそうするべきではないかという御意見をいただいたと考えております。
 また、報告基準を変更して報告を求める場合に、どのような被接種者がどのような症状が生じた場合に報告を求めるかということにつきましては、多くの委員から、全ての年齢層の方で熱性けいれんを起こしたときにと御意見をいただいたと承知しております。
 そして、発症した場合に報告を求める、接種から確認までの期間につきましては7日間にするということでございます。
 これにつきまして、このまとめ方でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。                             
 以上を踏まえまして、報告基準を改正し、これまでと同様、新型コロナウイルス感染症に対する全てのワクチンに対し、熱性けいれんが生じた場合報告を求めるということでよろしいですか。
 なお、先ほど事務局から説明がございましたが、ファイザー社製の野生株とオミクロン株BA.4-5を含む2価ワクチンの接種開始に当たっては、これまでと同様、新型コロナワクチン感染症の予防接種に適用される報告基準を適用するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、先ほど省令改正案というのが出ていたと思います。こちらが、資料2でしょうか。こちらの内容につきまして、今回御議論をいただいたことと相違がない内容と思っております。この諮問書の内容と相違のない内容としての結論ということに思いますので、これをもちまして諮問された省令改正案についても御了承いただいたということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。非常に活発な御議論をいただきまして、ありがとうございます。
 やはりしっかりとした情報を収集していくということの姿勢を示すということと、やはりプラスアルファの懸念が生じないようにしっかりとした広報させていただくということが極めて重要なのだと感じました。
 本日いろいろと御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 議事は以上でございますが、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえまして報告基準の改正に関わる事務手続を進めていただけたらと思います。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は活発に御議論いただきまして、ありがとうございます。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡を差し上げます。
○森尾座長 それでは、本日の会議をこれで終了いたします。活発な御議論をどうもありがとうございました。