令和4年10月7日 第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年10月7日(金) 13:00~16:00
 

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

10月7日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。また、山縣委員より御欠席される旨の御連絡をいただいております。濱田委員より、途中退席される旨の御連絡をいただいております。
 本日は、愛知医科大学医学部疼痛医学講座教授の牛田享宏参考人、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人、国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部部長の竹原健二参考人、国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部研究員の山本依志子参考人、以上にお越しいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意をお願いいたします。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において、審議される品目は新型コロナウイルス、HPV、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社でございまして、事前に各委員に申告をいただいております。
 各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、舟越委員、牛田参考人が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 柿崎委員、牛田参考人は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 牛田参考人は、ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社から500万円以上の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-11、資料2-1から2-26、資料3-1から3-9、参考資料1から15になります。
 資料順は新型コロナワクチンからとなってございますが、牛田参考人の御予定の関係から、HPVワクチンの審議から始めさせていただけたらと思います。
 資料の不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、審議を始めたいと思いますけれども、ただいま御説明がありましたように、議題3「HPVワクチンの安全性について」から始めさせていただきたいと思います。
 HPVワクチンの安全性につきましては、これまでの議論に基づいて、積極的勧奨再開後の6か月間は、通常3か月に1回の評価スケジュールを、おおむね1か月に1回とし、頻度を上げて評価を行うこととしておりました。今回がその最後となるわけですけれども、事務局から、資料3-1から3-9の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。
 HPVワクチンについて、令和4年8月1日から8月31日までの1か月間における副反応が疑われる症例の報告の状況を御説明いたします。資料は3-1から3-6になります。
 資料3-1は、サーバリックスについてです。1ページの中段の表をご覧ください。サーバリックスの期間内の接種可能延べ人数は4,910人となっております。報告対象期間内に製造販売業者及び医療機関からの報告はございませんでした。
 資料3-1は以上です。
 資料3-2は、ガーダシルについてです。ガーダシルの期間内の接種可能延べ人数は18万258人となっており、接種人数の増加が見られております。報告対象期間内の製造販売業者からの報告は13件、医療機関からの報告は17件、うち重篤が2件でした。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0072%、医療機関からの報告頻度は0.0011%となっております。
 資料3-2は以上です。
 資料3-3は、シルガード9についてです。シルガード9の期間内の接種可能延べ人数は7,939人となっております。報告対象期間内において製造販売業者からの報告が3件あり、報告頻度は0.0378%となっております。
 資料3-3は以上です。
 資料3-4は、医療機関からの報告症例一覧になります。No.3の症例についてご覧ください。こちらの症例について補足説明させていただきます。
 報告書の記載によりますと、「椅子に座った状態で接種を行い、接種後に自力で起き上がった後に転倒し、顔を打ち、上顎右側切歯を破折した」という経過の症例になります。歯が折れたものとして、後遺症ありとして報告されている症例にはなりますが、一方で、この事象の要因として、「もともと病院受診が苦手で、歯科受診などでも過換気が起こることがあり、内科受診を嫌がっていた。当院受診時も精神的緊張が強い状態だった」というワクチン以外の要因について評価されており、ワクチンとの因果関係は関連なしとして報告医より評価をいただいている症例になります。
 資料3-4は以上です。
 資料3-5は、製造販売業者からのHPVワクチンの報告症例事案についてになります。
 No.15の症例については、今回の報告対象期間前の症例においてアナフィラキシーの再評価された事例になります。詳細については資料3-6を御確認いただければと思いますが、専門家評価によりブライトン分類4、因果関係評価はγとなっております。
 No.14の症例につきましては、報告対象期間後に製造販売業者の追加調査により、現時点では報告対象外となっている症例になります。事前に委員の先生より御意見をいただいておりますので、今回注釈をつけさせていただいております。
 資料3-1から3-6は以上になります。
○岡座長 関連して、事務局より資料3-7の御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料3-7、HPVワクチンの実施状況につきまして御説明いたします。
 7月の部会でお示ししたサンプリング調査の続報でございます。令和4年4月以降、政令市を対象にサンプリング調査を行っております。令和4年7月までの接種状況については、現時点で20市のうち10市より回答があり、実施状況はお示しの表のとおりでした。こちらの表は4月から7月までの従来の定期接種及びキャッチアップ接種の累計の接種者についてお示ししております。
 従来の定期接種の実施率は、初回接種者が16.6%、2回目接種者が10.8%、3回目接種者が4.8%であり、併せて記載しております令和2年度の年間実施率を初回接種としては4か月で既に超えた数値となっております。
 キャッチアップ接種は割合でのお示しが難しいため接種者数でのお示しですが、徐々に増加しております。引き続き接種の実施状況について把握してまいります。
 資料3-7については以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 資料3-1から3-7までについて、何か御意見、御質問等はございますか。いかがでしょうか。
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
 今回、1か月ごとの審議が最後ということで、発言させていただきます。
 積極的勧奨が再開になって副反応疑い報告が増えてこないかということで、1か月に1回の資料作り、厚生労働省の皆様、PMDAの皆様、感染研の皆様、大変だったと思います。本当にありがとうございました。
 先ほど御紹介がありました後遺症症例ですが、歯が折れてしまったという御報告でした。関連なしと記載はされておりますが、これはまさしくWHOが最近提唱しているISRR、予防接種ストレス関連反応、岡部先生が中心となって翻訳も出されていますけれども、心配をしているお子さんについては事前によく説明をして、例えばベッドに横になって接種をするなど工夫することで予防ができるということも言われてきているものになります。ワクチンとの関連なしとするのではなく、やはり痛いワクチンであるということもあって、接種前の問診と接種のときの注意というのは引き続き注意が必要と思いました。
 もう一つ、こちらはその後削除になっていますと御紹介いただいた2例、接種後の淋疾とサルモネラ症になります。これは副反応疑い報告ではないので、報告されたものを取り下げることは難しいということですけれども、こうやって報告されてしまいますと残ってしまいますので、企業様におかれましては副反応疑い報告であるかどうかの判断をしていただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 ただいまの1点目、接種前の問診の注意等についてということで、事務局のほうから何かございますか。よろしいですか。引き続きそれについても検討していただければと思いますし、2点目の淋疾等、直接副反応と考えられないものが上がってきているということで、その辺りの企業側の御判断も検討いただければと思いますので、事務局のほうでまた御検討いただければと思います。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、引き続き、令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)「HPVワクチンの安全性に関する研究」、研究代表者、岡部信彦先生の結果報告に入りたいと思います。本年4月からのHPVワクチンの積極的勧奨再開に伴いまして、研究班ではワクチン接種後に症状を呈して協力医療機関を受診した患者数の推移を月単位で把握するサーベイランスを実施しております。詳細と現時点での経過報告につきまして、竹原先生から概要の御説明をお願いしたいと思います。資料3-8となります。よろしくお願いいたします。
○竹原参考人 よろしくお願いいたします。国立成育医療研究センターの竹原でございます。
 7月の当部会でも御報告をさせていただきましたように、HPVワクチン接種後の症状を呈した患者さんのサーベイランスに関して、速報を御報告させていただきたいと思います。
 スライドの2枚目に行きまして、調査対象は協力医療機関の増減がございまして、現時点では79の協力医療機関に対して、毎月1回、ウェブアンケート調査を実施するという形で行っております。
 令和4年3月から実施をしておりまして、HPVワクチン接種後に何らかの症状を訴えて協力医療機関を受診した患者様の人数を確認する、その背景について捕捉するというようなことを行っております。
 スライドの3枚目です。こちらも既に前回御報告させていただいておりますけれども、月に1回、協力医療機関の皆様に回答依頼を行いまして、結果を集計した上で、その速報値は地域ブロック拠点事業のミーティングなどを通して各地域に還元をしている状況にございます。
 スライドの4枚目の集計結果に関して御報告をさせていただきます。回答施設数に関しましては、引き続き全体の8~9割ぐらいの協力医療機関から御回答いただけている状態が維持できているかと思います。
 ワクチン納入数自体は月を追うごとに増えておりますものの、真ん中のピンク色に塗られている新規受診患者数に関しては、大幅な増加というような変化は認められておりません。現在も引き続き9月分に関して調査を実施しているところでございます。
 なお、7月の当部会で御報告をさせていただいた際に、委員の先生方から、患者のイン、新規患者数の捕捉だけではなくて、終診となったアウトの数も捕捉できないかという御意見を頂戴いたしました。そのことに関しまして、まだ検討しているところではございますけれども、本件は患者さん、御家族の方にとって非常にセンシティブな問題で、主治医がもう大丈夫ですよ、来なくていいですよというような形で言うと、もちろん喜ぶ方もおられるのですけれども、見放されてしまったと感じられる方もいらっしゃるということで、主治医の先生方がその辺りを非常に苦慮、配慮されている点だということが分かっております。
 そのため、インの定義に関しては新規受診患者数ということで定義がしやすいのですけれども、アウトをどのように定義するのかが少し難しい状況にありますので、引き続き研究班内で検討している段階でございます。
 以上、前回いただきましたコメント、御意見も含めまして御報告させていただきます。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいまの研究班からの御説明につきまして、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。
 お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
 竹原先生、前回、終診という問題を提起させていただきまして、大変御迷惑というか御苦労させてしまっているなということで、患者さんにとってはどのようなところで、受け手のほうの感覚というものが非常に重要であるというのがこの状況だろうと思いますので、丁寧にお話しいただいてありがとうございます。そのような形で、なるべくそごのないように結果を出していただければと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○竹原参考人 どうもありがとうございました。
 引き続き、班内で検討させていただきたいと思います。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、御意見、御質問等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、引き続きまして、HPV感染症の予防接種に関する相談支援・医療体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業の現況についての御報告に入りたいと思います。この事業は本年4月から実施しているということです。詳細と現時点での経過報告につきまして、牛田先生から概要の御説明をお願いいたします。資料3-9となります。
○牛田参考人 資料3-9をご覧ください。こちらに書いてございますように、まず、各ブロック拠点病院の設定を進めてまいりました。
 2枚目をご覧いただけたらと思いますけれども、目的としましては、御承知のように、ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種を進めるに当たって、特に4月から積極的勧奨の再開を受けまして、地域ブロック別に拠点病院を設けて、予防接種に関する相談支援体制を強化していこうというものでございます。
 具体的には全国を8ブロックに分けて、この8ブロックというのは下に書いてございますけれども北海道、東北、関東・甲信越、北陸、東海、近畿、中国・四国、九州・沖縄ブロックということで、8ブロックに分けて医療機関、自治体、関係団体との連携のハブとして拠点病院をつくって、そこで、これまでございました協力医療機関と地域の医療機関の連携を構築する。それから、研修会だとかを通して協力医療機関の診療支援、地域医療に関する情報提供を行って、診療体制を強化していこうというものであります。
 同時に、もちろん都道府県あるいは市町村、医師会、学校関係者、それから予防接種センターとの連携も強化していこうというものでございます。
 具体的な進め方について、3枚目の資料を見ていただけたらと思います。これが1つのブロック拠点の連絡体制の図となってまいります。真ん中に書いてございますのが拠点病院ということで、この拠点病院がハブになりましょうというようなことなのですけれども、具体的にはこの拠点病院と自治体が連携して情報共有をするということです。県だとかとの情報共有をする。もちろん県だとかは医師会だとかとの連携をしながら、情報を地域の医療機関のほうに、医師会だとかを通したり、別のルートで連絡をしていく。
 それと同時に、実際に患者さんが来られたりするのは右に書いてある地域の医療機関になってまいりますので、こちらに関しましては、HPV感染症の予防接種や接種後の症状に対する情報提供を拠点病院から行っていく。それから、相談体制です。病院そのものをサポートしていくということをしています。
 もちろんこれまでありました協力医療機関がたくさんございますので、そちらとの密な連携も同時に構築しながら、拠点病院、協力医療機関、地域の医療機関が連携して進めるような体制をつくるということであります。
 具体的には、これまで各県の担当の方だとかにも入っていただいて、既に8ブロックともキックオフミーティングを行いました。毎月、いわゆる症例検討会をしてくださっているようなブロックもありますし、それから、今まさにスタートして、関係構築をして進めてきたというところもありますけれども、9月の時点で全てのところでキックオフが終了したという段階に入っているかと思います。
 この拠点病院をつないで具体的な情報共有をしていこうということも現在定期的に進めているということでございまして、少なくとも年に数回は拠点病院間の会議、それからブロック拠点病院内での研修会、連絡会を定期に進めておられることをチェックしている段階で、モニターしながら進めているところであります。
 実際の患者さんについても把握を始めているというところが現在の状況であると考えております。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 ただいまの牛田参考人からの御説明について、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 キックオフミーティングをしていただいたということで、これから体制を充実させていただけるかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 牛田先生、主にはペインクリニックの先生が各施設の中心になるのでございましょうか。
○牛田参考人 ペインクリニックの先生が中心になってくれているところもございますし、婦人科などの先生が中心になってくれているようなところもあります。いずれにしても病院内での協力体制も同時につくりながらということで、今回の拠点に関しましては、今まで特に中心となって関わってくれた先生方がおられる病院が参画してくださっていることになろうかと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 多屋先生、お願いします。
○多屋委員 牛田先生、いつも貴重な報告をありがとうございます。勉強させていただいています。
 1つ教えてください。今、岡先生の御質問にもあったのですけれども、中心となる先生がペインの先生あるいは産婦人科の先生ということではありましたが、HPVワクチン以外でも同じような症状が出たときに、こちらの研究班の経験はすごく生かされるのではないかと思うのですけれども、その他のワクチンでそういう症状が起こったときに、先生の研究班の御経験を一緒に共有していただく、あるいはそういう方も御相談に乗っていただくということは可能な体制なのでしょうか。
 以上です。
○牛田参考人 多屋先生、ありがとうございます。
 非常に人材的なパワーの問題になってくるところもございますので、即答することが非常に難しいところかなと思います。けれども、実際的なノウハウについては、別のワクチンの接種後だとかについては、別のグループが動いているというところもあろうかと思いますし、特にコロナ関係のワクチンではないのですけれどもコロナ後の遷延症状についてのワーキンググループに関しましては私自身も入って動いておりますので、そこのところの横の情報共有は現在進めているところはあります。
 ただ、今回の枠組みの中でするべきかどうかについて、少しちゅうちょしているところがございますけれども、先生がおっしゃっておられるように同じノウハウが使えるところは非常に大きいですので、そちらにつきましては研修会だとかで情報共有という格好で伝達できたらとは考えております。ありがとうございます。
○多屋委員 先生方の経験はとても大事だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○岡座長 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
 今、お話を聞いていて、やはりワクチン等を含めた接種後の遷延症状はいろいろなものがありますので、各ワクチン別ですといろいろな動きがしにくくなることがあるかなと思って今、聞いておりました。今後、厚労省を含めて、何らかの機関というか場所をつくって、ワクチン接種後の症状、遷延症状を含めて、ある程度皆さんが議論できる、そういう知識を共有する場所を何らかでつくっていただくことが必要なのかなと。今後の私たち日本の医療を支えていくいろいろな先生方がその知識を持たれることは非常に重要なことかと思いますので、何らかの御配慮をいただければと思って、国のほうに何らかの動きをお願いしたいなと思ってございます。よろしくお願い申し上げます。
○岡座長 ありがとうございます。
 牛田先生のほうから何かコメントはございますか。よろしいですか。
○牛田参考人 我々としては、今のグループの中にほかのワクチンのことも含めて、これまでのノウハウだとかについては共有していくことは少なくともやっていこうと思いますし、実際には我々のところに別のワクチンのような患者さんがもう来られているという事実もございます。
 ただ、形の問題につきましては、また先生方にいろいろ御指導いただきながら、形に持っていけるようなものなのか、いずれにしても実のあるものにできたらいいのかなと存じ上げております。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局のほうは何かございますか。事務局。
○事務局 ありがとうございます。
 牛田先生、御発表ありがとうございました。また、多屋先生、宮川委員、御発言いただいてありがとうございます。
 まず、地域ブロックの定期連絡会には厚労省のほうでも参加させていただいておりまして、地域の状況を把握しているところでございます。それによりますと、地域によりましてはHPVワクチンにとどまらず、ほかのことにも対応できるようにということで、一括した対応するセンターを整備していただいている地域も既にございます。ですので、御指摘いただいた内容につきまして検討させていただきまして、今後につながるように知識の共有等、ぜひ牛田先生はじめ皆様と御協力させていただければと思います。
 ありがとうございます。以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 そのほか、御意見、御質問等はございませんか。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 倉根です。
 1つ質問をさせてください。スライドで見ますと3枚目になるのですけれども、先生がおっしゃっている拠点病院は、この絵を見ると自治体との連携はあるのですが、拠点病院として、協力医療機関との連携は同じ医療機関ということで比較的取りやすいのだと思うのですけれども、他の県の自治体との連携もこの拠点病院が担うことになるのでしょうか。
○牛田参考人 具体的には、私たちのところの例で言いますと、必ず研修会の際には、例えば拠点病院の愛知県で行ったときにはもちろん愛知県の担当の方にも入っていただいて、それから協力医療機関と地域の医療機関の方に入っていただいて研修会をするという形でやっています。岐阜県だとか三重県だとかと一緒にやったときも、岐阜、三重の県の担当者にも入っていただいて、一緒に研修会をやりながらというようなことで、そんな中でこんな連絡をしてほしいだとか、そのようなことが通じやすいような環境をつくっていっているのかなと思っています。
 今の段階では、地域によって力の入れ方に若干温度差があります。先生がおっしゃっておられるように、例えば静岡だとかの場合どうするのかとか、そんなことが考えられるかと思いますけれども、拠点病院はそちらでの会にも参加するような形で、リードしていくような形で入っておりますので、その際に関与していけるかなと思っております。
 もちろん協力医療機関のほうが非常にアクティブに動いてくださっているところもあったりするので、そういう場合はそちらのほうにある程度イニシアチブ的なものもお願いしながら、他の県ですので、行きにくいところはそのようなところも応用しながらということで、いずれにしましてもコミュニケーションを取る機会をたくさんつくっていくことが大切なのかなと思っております。
○倉根委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 これまで御議論いただきました内容をまとめたいと思います。これまで確認できた内容としては、まず、マル1として、HPVワクチンについて、副反応疑いの報告頻度は積極的勧奨再開以前の期間に比べ、特段高いということはないとさせていただきました。
 マル2として、後遺症の症例は、医療機関より1例の報告があったということで、これは先ほど御報告いただいた内容となります。これにつきましては、多屋委員よりもISRR(immunization stress-related responses)、予防接種ストレス関連反応の観点からも、事前の問診、それから接種時の対応について引き続き努力が必要だという御指摘をいただきました。
 マル3として、アナフィラキシー症例は、対象期間前の再評価の事例で1例報告されたが、専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
 マル4として、ADEM症例、GBS症例、死亡症例は、新規の報告にはなかったとまとめさせていただきましたけれども、こうした形でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただいているかと思います。
 この内容を踏まえまして、HPVワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。
 また、あわせて、積極的勧奨再開直後の6か月間は、通常の3か月に1回の評価スケジュールをおおむね1か月に1回として、頻度を上げて評価を行ってまいりましたけれども、今回がその最後になりますが、こちらについても予定どおり、従来の頻度、3か月に1回に戻すということで、それについても御意見をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。両方ともよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 皆さんうなずいていただいていると思いますので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められない、また、今後の評価スケジュールについては、当初の予定どおり、通常3か月に1回の評価スケジュールとするということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただきましたので、この形で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」に移りたいと思います。資料1-1-1から資料1-7について、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1から1-7を用いまして、今回の集計対象期間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に説明したいと思います。
 今回の集計対象期間は、9月4日までとなっております。
 まず、資料1-1-1をご覧ください。
 2ページになります。副反応疑い事例の報告状況の概要について御説明いたします。表の一番左下に行っていただきまして、まず、コミナティになります。今回の集計対象期間におけるコミナティの推定接種回数は2億3797万4617回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0124%でございまして、前回から若干頻度が下がってございます。
 右に行っていただきまして、コミナティ5~11歳用は、推定接種回数が308万6893回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0039%でございまして、前回から若干頻度が下がってございます。
 スパイクバックスにつきましては、7623万4655回接種、頻度としましては0.069%、バキスゼブリアについては11万7746回接種、頻度としては前回と同じ0.0136%となってございます。
 一番右に行っていただきまして、ヌバキソビッドでございます。ヌバキソビッドについては18万2034回接種、副反応疑いの報告頻度としましては、前回0.0135%のところ、0.0148%となっております。
 続きまして、4回目接種について御説明させていただきます。63ページをご覧ください。一番上の表をご覧ください。コミナティの推定接種回数については、前回部会における集計期間では1065万157回接種でしたが、今回の部会における集計期間では1847万8779回となってございます。副反応疑い報告については112件報告されており、死亡は17件報告されております。
 続きまして、スパイクバックスの4回目接種については、前回部会時では569万9053回接種でしたが、1052万3292回に増加してございます。副反応疑い報告については78件報告されておりまして、死亡は10件報告されております。
 その他の副反応疑い事例の報告状況については、接種回数別の事例やロット別の報告件数などについて、いずれのワクチンでも顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
 続きまして、死亡事例について御説明させていただきます。
 まず、資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目の「1.報告状況」についてです。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに25件報告されまして、そのうち4回目接種後の事例は10件新たに報告されております。総数としましては、令和3年2月17日から令和4年9月4日までに報告された死亡事例は合計1,668件と報告されておりまして、うち4回目接種後は22件の報告となってございます。
 2つ目の○に進みまして、上記に加えまして、令和4年9月5日から9月23日までに報告された事例が12件ありまして、そのうち4回目接種後の死亡例は8件となってございます。
 「2.専門家の評価」のほうに専門家評価の結果を表としてまとめてございます。2ページ目の中段、参考2の報告頻度の部分でございますが、各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。また、4回目接種については、前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目の「1.報告状況」です。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに14件報告され、そのうち4回目接種後の事例は9件報告されております。また、令和4年9月4日までに報告された死亡事例は計185件、うち4回目接種後の事例は11件となってございます。なお、上記に加えまして9月5日から9月23日までに報告された事例が14件報告されておりまして、そのうち4回目接種については4件報告されております。
 「2.専門家の評価」のほうに専門家評価の結果を表としてまとめております。2ページ目の中段、参考2、報告頻度の部分でございますが、各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。また、4回目接種については、前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 スパイクバックスの説明は以上となります。
 続きまして、バキスゼブリアは新規の死亡事例の報告はございませんので、説明は省略いたします。
 続きまして、資料1-3-4をご覧ください。5~11歳用のコミナティについては、今回データ集計期間外に1例死亡事例が報告されましたので、御説明いたします。
 4ページのラインリストをご覧ください。11歳男児で過去に13回のけいれんの既往がある事例でございまして、既往として熱性けいれんもございます。3回目に本剤接種後、翌日発熱がございまして、昼頃けいれんを起こし、救急搬送され、複数の抗けいれん薬を用いるも収まらず、鎮静薬の追加投与を行い、14時頃けいれんが収まっております。その後、本報告医療機関搬送中に血圧低下がございまして、搬送後、外液負荷、ノルアドレナリンで一時的に改善するも経過中に再度低血圧性ショックを起こし、播種性血管内凝固症候群等が発現しております。
 心収縮は良好で、脳波は低電位、抗菌薬及び脳保護目的に体温管理が開始されまして、接種2日後、代謝性アシドーシスは改善せず、接種3日後の夕方より瞳孔散大、対光反射消失、頭部CTで脳ヘルニアを認め、接種5日目の夕方、死亡が確認されてございます。
 検査については記載しているとおりで、剖検は結果待ちとなってございます。
 因果関係評価につきましては、血清、髄液からHHV-6が少量検出されておりまして、突発性発疹の既感染者であるものの、患者が示した脳炎の臨床経過から、HHV-6が急性脳症の原因となった可能性も否定できない。ただし、PCRで陽性と考えられる閾値以下の増幅しかないことから、これを意味なしとすることも間違いではないと考える。
 また、直接死因の原因として敗血症が挙げられておりますが、敗血症として診断された際の情報が確認できない。
 本ワクチン中のSARSコロナウイルスのメッセンジャーRNAは髄液中に移行しないが、これまでに海外から本ワクチン接種後の急性脳症が報告されております。
 新型コロナウイルスワクチンが細胞性免疫を活性化し、hyperactive encephalopathyを発症させる可能性は残されているが、現時点では急性脳症が新型コロナウイルスワクチンの接種によるとの最終的な結論は出されていない。
 急性脳症発症早期の髄液や血清中の各種サイトカイン濃度上昇の所見があると、免疫賦活化が発症している傍証となり、hyperactive encephalopathyが発症した可能性は高くなるが、現時点でこれらの所見の情報がなく判断できないとしまして、γの評価となってございます。
 続きまして、ヌバキソビッドについてですが、こちらは前回の部会のときに報告したものでございまして、そこから追加の情報はございませんでしたので、割愛させていただきます。
 資料1-4から1-6では、報告基準症状であるアナフィラキシー、TTS、心筋炎・心膜炎に関する資料についてまとめてございます。
 資料1-6-4では、ヌバキソビッドの心筋炎・心膜炎の症例についてまとめておりまして、前回の部会で御報告したヌバキソビッドの死亡例と同一症例でございます。
 その他の資料につきましては、報告状況に大きな変化はありませんでしたので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、小児接種事例について、9月23日までの症例を資料1-7でまとめてございます。
 医療機関報告においては、14ページのNo.118から前回部会以降に報告されたものでございますが、全ての症例について転帰が軽快または回復となっている症例になっております。
 製造販売業者からの報告につきましては、44ページのNo.133からが前回部会以降報告があった事例となりまして、転帰が不明の症例もございますが、その他の症例については転帰が軽快または回復となっております。
 最後に、9月2日の部会資料1-2-1のスパイクバックス筋注接種後の心筋炎報告件数、ロット別報告件数、スパイクバックス筋注の心筋炎報告数の不明件数、合計件数の記載に誤りがございましたため、修正の上、ホームページで差し替えておりますことを御報告させていただきます。
 以上になります。
○岡座長 それでは、引き続きまして、資料1-8について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 それでは、資料1-8の2ページ目をご覧ください。
 まず、全体の資料構成でございますけれども、引き続き9月2日までの審議会資料と同様の構成となっております。全体の概要、死亡に係る報告事例、心筋炎または心膜炎疑いとして報告された事例についてお示した上で、その他、論点のまとめスライド、参考資料となっております。
 委員の先生方におかれましては、あらかじめ資料をお目通しいただいておりますことも踏まえ、要点に沿って御説明してまいります。
 4ページ目、5ページ目は、副反応疑い報告の概要でございます。9月4日のデータロックまでの報告状況について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめたものでございます。先ほどの説明と重複する部分がございますので、重複の説明を避けるため詳細な説明は割愛させていただきますけれども、これまでの報告状況と特段の変化はないという状況が続いていることを御確認いただければと存じます。
 5ページ目では、ノババックスの報告状況につきましても更新をしておりますけれども、こちらも前回審議会時点と大きな特段の変更はございませんでした。
 7ページ目、8ページ目におきましては、新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要を、数値の時点更新をしたものとしてお示ししております。今回もmRNAワクチンの4回目接種後の事例やノババックスワクチンの3回目接種後の事例についてもご覧いただける資料構成としております。傾向としてこちらも特段の変化はございませんので詳細な説明は割愛させていただきますが、7ページ目、ファイザー社(5-11歳用)ワクチンの3マル目として、先ほど御説明した追加接種後の死亡として報告された事例について記載しております。
 10ページ目、11ページ目をご覧ください。新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめております。こちらも先ほどのスライド同様、mRNAワクチンの4回目接種後の事例やノババックスワクチンの3回目接種後の事例についてご覧いただける資料構成としております。
 10ページ目上段、ファイザー社ワクチンの1マル目をご覧いただきますと、4回目接種後の心筋炎疑いの事例として6例の報告があり、うち2件がブライトン分類1~3の心筋炎と評価されておりますが、現時点では引き続き若年男性等への特段の集積がないという状況となっております。
 10ページ目下段、モデルナ社ワクチンの1マル目をご覧いただきますと、4回目接種後の心筋炎疑いの事例として2件の報告がありましたが、ブライトン分類1~3の心筋炎と評価されたものはございませんでした。
 また、心筋炎・心膜炎と評価された事例の性・年齢別の報告数及び報告頻度につきましては、引き続き参考資料13として掲載しておりますので、そちらも御参照いただけますと幸いでございます。
 なお、参考資料13に関連しまして、前回9月2日に御議論いただきました審議会資料の参考資料13について修正の報告がございます。前回9月2日の参考資料13におきまして、小児用ワクチン接種後における心膜炎と評価された報告の状況について掲載しておりませんでしたため、7ページ目として掲載しております。
 また、3ページ目の小児ワクチン接種後における心筋炎と評価された報告状況についての表のうち、年齢区分を10~12歳と記載した部分がございましたが、新しくは10~11歳でございましたため、訂正して記載しております。
 修正いたしました資料につきましては、ウェブサイトで既に反映しております。こちら訂正して、おわび申し上げます。
 今回の審議会資料1-8の説明に戻りまして、12ページ目以降、その他の項の御説明をいたします。
 13ページ目におきましては、心筋炎・心膜炎を含めたノババックスに係る海外情報を更新しております。上段の副反応疑い報告の件数及び報告頻度の情報につきましては、時点更新をしておりますけれども、前回審議会時点と動向に大きな変化はなく、オーストラリアの報告頻度については、前回9月2日の審議会時点では100万回当たり約4,200件であったところ、今回4,157件とおおむね同様の状況となっております。
 次に2段目、規制当局の安全性等情報につきましては、米国におきまして錯感覚等に係る記載の情報があり、また、オーストラリアの項では心筋炎・心膜炎の例数を時点更新しておりまして、前回心筋炎が7例であったところ、今回9例、心膜炎については前回26例であったところ、今回27例と更新しております。
 ノババックスに係る海外情報につきましても、全体として大きな変化はない状況と承知しておりますが、引き続きその情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 14ページ目は、8月19日のMMWRに公表されました5歳から11歳の承認におけるファイザー社ワクチンの3回目接種の安全性情報に係る資料を載せております。要旨といたしましては、リード文の2マル目にお示ししておりますとおり、2回目、3回目接種後の局所反応及び全身反応はいずれも有意な差は見られなかったと報告されております。
 また、最下段の記載部分をご覧いただきますと、VAERSに報告された581件の有害事象のうち99.5%は非重篤事象であり、この報告時点においては、3回目接種後の心筋炎や死亡の報告はなかったとされております。
 事務局といたしましては、海外の小児の追加接種後の安全性情報についても引き続き情報収集に努めてまいります。
 15ページ目から18ページ目は、2022年4月13日の本審議会におきまして、新型コロナワクチン接種後に遷延する症状を訴えられる方に対応する診療体制の構築等について御説明を申し上げた内容につきまして、直近の厚生労働省の取組状況を御紹介しております。
 15ページ目、16ページ目におきましては、新型コロナワクチン接種開始当初に本審議会でお示しした資料を参考として再掲しております。
 17ページ目をご覧いただきながら、直近の状況を御報告申し上げたいと存じます。新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築につきましては、4月13日の本審議会におきまして、上段1~3マル目に記載した経緯につきまして御説明したところでございます。
 その後の状況といたしまして、4マル目、令和4年3月及び4月通知の発出から3か月以上経過したことを踏まえまして、令和4年7月付事務連絡にて、住民からの相談に対応できる窓口の運用状況や、専門的な医療機関の確保及び公表の状況等について確認いたしましたところ、全ての都道府県において、住民からの相談に対応できる窓口が設置されていること及び遷延する症状を訴える方にも対応できる専門的な医療機関の確保がなされていることが確認されました。
 また、専門的な医療機関の名称等の公表がなされているのは全都道府県のうちおおよそ3~4割程度にとどまりましたものの、令和4年9月9日付事務連絡におきまして、名称等を公表していない自治体であっても、被接種者が受診を希望する場合に専門的な医療機関に円滑に受診するための工夫として、専門的な医療機関の名称等を接種医やかかりつけ医に情報共有し、必要に応じ被接種者に専門的な医療機関を紹介すること、あるいは被接種者が自治体相談窓口へ相談した際に専門的な医療機関を紹介すること等の工夫がされており、改めて、運用上、必要な診療体制が構築されていることを確認しております。
 具体的な各都道府県における、被接種者が受診を希望する場合に専門的な医療機関に円滑に受診するための工夫の状況につきましては、18ページ目にフロー図としてお示ししております。
 まず、専門的な医療機関の名称等を公表する工夫をしている都道府県は、上段11及び6の計17都道府県があり、現時点におきまして非公表としている30の自治体におきましても、下段の四角囲みにありますように、全ての自治体において工夫がなされていることを確認しております。
 なお、各自治体より寄せられたその他の工夫等につきましては、別添の参考資料13に記載しておりますので、こちらも適宜御参照いただければと存じます。
 20~24ページ目がまとめスライドとなります。構成といたしましては、前回と同様、死亡事例、心筋炎・心膜炎、小児ワクチン、4回目接種後に係るまとめスライドとしております。
 22ページの小児ワクチン接種に係るまとめスライドをご覧ください。青囲みの最新の小児ワクチン接種後の報告状況の整理の4マル目におきまして、3回目接種後に死亡として報告された事例について、報告された記載及び専門家評価を踏まえた状況を事務局としてまとめております。
 2022年9月5日から9月29日までに3回目接種後の死亡として報告された事例が1件あった。症状の概要に記載された死因等は、多臓器不全、敗血症、急性脳症であった。ウイルス性の急性脳症であった可能性も否定できない等により、専門家によるワクチンと死亡との因果関係評価はγであったとまとめさせていただいており、本事例に係る報告状況も含め、下段にありますとおり、小児ワクチン接種後の報告状況について、現時点においては、引き続き、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいか、御意見を賜れればと考えております。
 24ページ目におきまして、4回目接種、小児ワクチンの接種の状況等も含め検討いただいた結果、引き続きコロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいか、御議論いただきたいと考えております。
 なお、小児の死亡事例の御議論をいただくに当たりまして、26ページ目、27ページ目に米国のVSDの情報を参考として載せております。
 また、参考資料15をご覧ください。参考資料15では、9月1日の米国ACIPの資料を参考としてお載せしています。原文のままで恐縮でございますけれども、こちらの32ページ目におきまして、VSDのRapid Cycle Analysisの結果として、この時点でございますけれども、5歳~11歳のファーストブースター接種におきましては、その時点において有意なシグナルは検知されていないという記載がございます。また、26ページ目、27ページ目で御紹介申し上げましたVSDに係る参考情報の更新版として、33ページにおきましては、12歳以上のデータでございますけれども、こちらでも心筋炎・心膜炎以外においては、ファーストブースター接種群において、有意なシグナルは検知されていないということが記載されておりますので、こちらも御参照いただきながら御議論いただきたいと考えてございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 続いて、資料1-9について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-9「新型コロナワクチンに係る合同部会資料の構成について」をご覧ください。
 「1.経緯」でございます。新型コロナワクチンに係る副反応疑い事例の評価におきましては、現在、コミナティ筋注に加えまして、5~11歳用コミナティ、スパイクバックス、バキスゼブリア、ヌバキソビッドの5種のワクチンの副反応疑い報告をまとめてございまして、部会で御審議いただいております。
 先日、オミクロン株対応ワクチン、乳幼児用ワクチンが承認されまして、今後さらに資料や論点が増えることが予想されることから、部会での円滑な審議のためにも、焦点を絞った資料の構成としていく必要があると考えておりまして、資料構成の改訂について御提案させていただきました。
 資料構成案について御説明させていただきます。主な変更点としましては、新たに承認されたオミクロン株対応ワクチン、乳幼児用ワクチンに係る資料の追加、それから報告症例一覧にインフルエンザワクチンとの同時接種を追加すること、そのほか十分安全性情報が集積されているものや今後接種される可能性が低いもの、重複している資料の省略等を行い、今後オミクロン株対応ワクチンや乳幼児用ワクチン、それから継続して4回目接種、小児用ワクチン、ヌバキソビッド、心筋炎、心膜炎に注視した資料構成とすることを検討しております。
 具体的な資料の変更点は3ページの別紙1でまとめておりますので、そちらで御説明させていただきます。
 まず、資料1-1の大きな変更点としましては、オミクロン株対応ワクチン、乳幼児用ワクチンの追加、それから成人用のコミナティ及びスパイクバックスについては、今後2価ワクチンを中心にまとめることとしまして、起源株ワクチンのみとしての資料化は行わない方針としてございます。
 マル2の報告基準別報告件数のTTSについては、当時の医療現場の認知度が不明であったことから、医療機関からの報告を幅広く対象としておりましたが、今後、報告基準設定後の状況も踏まえまして、企業報告と同様に副反応疑い報告の様式のTTSにチェックが入っているものを対象とさせていただきたいと考えてございます。
 マル3の性別、マル4の年齢別の報告につきましては、マル6の接種回数別に性別、年齢別の情報が記載されているので、マル6でまとめて報告させていただく方針としております。
 マル7、ロット別報告件数につきましては、アナフィラキシー等個別の症状別の件数を省略しまして、副反応疑い報告件数、死亡件数として取りまとめることとしております。
 そのほか、資料を確認しやすいように記載整備しておりまして、資料1-2-1も同様の改訂を行う方針としております。
 続きまして、資料1-2-2につきましては、新規ワクチンの追加とバキスゼブリアの削除に加えまして、交互接種に係る資料も落としております。交互接種開始当時と比較して、今後は株違いも考慮するとほぼ全ての症例が交互接種となりますため、以降は各ワクチンの安全性に注視し、交互接種に関わる新たな知見や特定のシグナルが認められた場合に適切に情報をまとめて、部会に報告させていただく方針としてはどうかと考えております。
 資料1-2-3も同様の整理としております。
 また、専門家による因果関係評価の対象につきましては、オミクロン株対応ワクチンの評価対象は起源株ワクチンと同一としまして、乳幼児用ワクチンは全例評価、ヌバキソビッドはこれまで全例評価としておりましたが、承認から一定期間経過し、今後はコミナティ等と同様に特に注目すべき事象に焦点を当てて評価することとしてはどうかと考えてございます。
 TTSにつきましてはバキスゼブリアで注目されていた副反応でございまして、ほかのワクチンにつきましては因果関係が否定できない症例の集積が認められない状況に鑑み、今後は特定のシグナルの検出が認められた場合等に評価する方針としております。
 続きまして、死亡症例、資料1-3につきましては、新たなワクチンの追加とバキスゼブリアの削除に加えまして、データロック期間内の情報のみお出しすることとしまして、これまでと同様、追加で情報提供すべきものについては臨機応変に御報告させていただくような方針でどうかと考えてございます。
 資料1-4から6につきましては、今後特に注目すべき事項として心筋炎・心膜炎に注視して、資料1-6のみとしてはどうかと考えております。
 資料1-7につきましては、資料1-1-2-4、1-2-2-4と重複しているため、そちらでまとめて報告させていただく方針で考えております。
 別紙2につきましては、資料1-1-1の資料構成のイメージになります。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料1-11について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-11、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告について、簡単に御紹介申し上げます。
 今回の集計対象期間は9月11日までの報告となっており、主に4回目接種後の報告を中心にデータが集積しております。
 78ページの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし回答いただいた方は565名、そのうち有効回答数は471名となっており、前回から168名増加しております。
 95ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、さらに飛びまして124ページからワクチンのメーカーごとの症状の発現率を掲載しております。124ページが接種1回目及び2回目の後の症状の発生頻度、125ページが接種3回目の後の発生頻度、126ページが接種4回目の後の発生頻度になっております。症状の発現率などの傾向につきましては、前回から特筆すべき変化はございません。
 飛びまして、193ページからでございますが、3回目接種又は4回目接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。前回の集計時から主に4回目の接種後の報告が集まってきておりますので、3回目と4回目の比較のデータが集まってきておりますが、ワクチンの接種の組合せによっては回答数が限られるものもありますため、引き続き回答の集積をしていきたいと考えております。
 資料1-11につきましては、簡単でございますが御説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、資料1-10について、伊藤澄信委員より御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 本日は、4回目の追加接種の結果と、武田ノババックス社のヌバキソビッド筋注の1・2回目接種の初回シリーズの結果、及びメッセンジャーRNAワクチンあるいはアストラゼネカ社のバキスゼブリア筋注の初回シリーズ後にヌバキソビッド筋注を3回目として接種された方の結果をお示しします。
 4回目接種は、最初は60歳以上と60歳未満で疾患がある方を対象にして始まっております。その結果の概要は8月5日に示しておりましたが、今回は医療従事者全体に広がりましたので、6ページ、7ページに数字がありますように、年齢層が広がってきております。全体として2,113人と1,065人の方がファイザー、あるいはスパイクバックスを接種していただいております。その安全性情報が1,490例、690人集まっておりますので集計しております。前回と結果が少し異なっていますが、それは年齢分布の違いであると御理解いただければと思います。
 8ページです。抗体価採血をしていただいた方、370人のデータです。年齢ごとの分布に著しい違いがありますので、95%信頼区間が大きく異なっているグループがあります。少し見にくいですが、ブルーの部分が4回目接種前で、グリーンの部分が追加接種1か月後の値です。左は年齢階級別で、右は3回目接種で、接種したワクチンごとの違いを示しています。スパイクバックス筋注を3回目に接種された方が少ないので、エラーバーが大きくなっているのはそういう理由です。9ページにスパイクバックス筋注4回目接種の結果を同様に示しています。
 ご覧いただいて分かりますが、コミナティ筋注もスパイクバックス筋注も、接種前も、接種後の年齢ごとの違いはありませんでした。また、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注で抗体価の絶対値も幾何平均抗体価倍率も違いがはっきりしておりません。症例数が変わると差がついてくるかもしれませんが、接種1か月後の抗体価を従属変数にして線形回帰分析を実施していますけれども、接種前の抗体価が主たる要因になっておりまして、年齢、性別、接種ワクチンの種類は今回の分析では違いが出てきておりません。
 10ページからは安全性の情報を、上にコミナティ筋注、下にスパイクバックス筋注のデータとして表示しております。
 19ページに、分かりやすいようにコミナティ筋注、スパイクバックス筋注の初回シリーズ、3回目接種、4回目接種のデータをまとめております。年齢分布などの背景がそれぞれの集団で異なっておりますので、直接比較はなかなか難しいと思いますが、4回目接種が3回目に比べて少し頻度が低い傾向がご覧いただけるかと思います。
 21ページからは、武田/ノババックス社のワクチンです。初回接種は6月から順天堂大学の4施設、NHOの13施設、JCHOの2施設の19施設と、比較的多くの施設で始めていて、一般の方をインターネットの募集サイトを利用して参加者を募集しております。リクルートに大変てこずっておりまして、初回シリーズは84名の方に参加いただいております。3回目接種でコミナティ筋注とかスパイクバックス筋注、バキスゼブリア筋注を打たれた方が御参加されていますが、全体で320人です。
 28ページに接種前後の抗体価を示しております。左側が2回接種した初回シリーズ1か月後の抗体価が得られた19人のデータです。これは初回シリーズとしてヌバキソビッド筋注を打たれた方です。数が少ないので確定的な話はしにくいのですが、事前に感染された方もいらっしゃるので平均すると接種前は0.5ですけれども、それが2回接種1か月後は577という値でした。接種1か月後の値は5~11歳の小児接種よりも少し小さいのではないかと思います。
 3回目接種後の抗体価は、初回シリーズでどのワクチンを接種されたかということによって大きな違いがあるのはご覧いただいて分かるとおりです。スパイクバックス筋注を初回シリーズで接種された方の数が少し少ないのですけれども、メッセンジャーRNAワクチンを初回シリーズとして接種された方については、1か月後に1万1000~1万3000程度まで上昇しておりますので、ヌバキソビッド筋注を3回目の追加接種として接種された方に関しての有効性は認められているのではないかと思います。
 幾何平均抗体価倍率は接種前の抗体価が低いと高く出ますので、この値は参考にならないと思っております。
 29ページからは安全性のデータです。このデータに関しては、特に2回目は初めて提示させていただいています。1回目と2回目はもちろん同じ人で、3回目は対象者が違っておりますので、それを1枚のスライドにしているということを御理解いただいた上でご覧いただければと思います。
 1回目はほとんど発熱が出ておりませんが、2回目接種後はコミナティ筋注とほぼ同じぐらいの発熱頻度になっております。31ページから32ページに局所反応を示しておりますが、2回目の局所反応はメッセンジャーRNAワクチンとほぼ同じか、もしかすると頻度が高い程度という数字が出ておりますけれども、何分にもnの数が少ないのではっきりしたことを申し上げるのは難しいです。一方で、倦怠感や頭痛の頻度は低そうというデータが出ております。
 38ページに比較表を載せましたが、3回目接種については、2回目接種やメッセンジャーRNAワクチンの3回目接種より明らかに局所反応や全身反応の頻度が低いということが分かります。
 報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局から報告があったこれまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査について議論させていただきたいと思いますけれども、効率的に議論を進めるために、論点に沿って議論を進めていきたいと思います。
 まずは、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価について、1番目として12歳以上の死亡事例について、2番目は小児接種について、それからそのほかの論点についての順で御議論いただいて、小児の死亡事例については2点目の論点の小児接種の審議の際に御意見をいただこうと思います。
 まず、最初に12歳以上の死亡事例について議論を行いたいと思います。12歳以上の死亡事例の論点につきましては、資料1-8の20ページで事務局から挙げていただいておりますけれども、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 大きな傾向の変化はないという御説明だったと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 次に、小児接種について議論を行いたいと思います。
 今回新たに小児の死亡事例も報告されております。小児接種の論点については資料1-8の22ページにおいて事務局から挙げられておりますけれども、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学の藤井でございます。
 貴重な議論をありがとうございます。
 9月19日に接種をして、24日に亡くなられた11歳の男子について少しコメントさせていただきたいと思います。
 まず、亡くなられた患者様と御家族にはお悔やみ申し上げいたします。
 患者さんの既往歴と現病歴を詳細に拝見いたしましたが、今回に関係するかもしれない事象が幾つか見受けられます。
 第1に、熱性けいれんを複数回繰り返すなど、体質としてけいれんや意識障害を来しやすい素因があったことが1つ考えられます。
 また、ぜんそくの治療が行われていて、用いられていたテオフィリンは意識障害や脳症を来すことが効能書きにも記載されております。
 さらに、HHV-6ウイルスが髄液のPCRで検出されていますが、これらは少量で脳内移行の値としてははっきりと言えるものではありませんでした。
 このように、今、お話ししたものはどれも原因となり得るものですけれども、いずれも推定の範囲にとどまり、現時点のデータや資料から同定することが難しいと言わざるを得ないケースだったと思います。
 今後も同様の患者さんに見られることがないか、引き続き注意していく必要があるかと思いました。
 以上、コメントです。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、委員のほうから何か御意見、御質問等はございますか。
 森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 森尾です。
 藤井先生、コメントありがとうございました。
 今回の方は、熱があって、けいれんをおこされ、そして急性脳症の診断ということでございましたけれども、小児用ワクチン5歳から11歳の今までのワクチン接種の中でけいれんを起こされた方、あるいは急性脳症等の報告のあった方がどのくらいいらっしゃるかというデータがありましたら教えていただけたらと思います。
 一方で、先ほど事務局から御説明がありましたけれども、米国VSTでは5歳から11歳の小児用ワクチンではシグナルは出ていないと。これは恐らくけいれんや脳炎、重積などを含めてのことだと理解をしております。いかがでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。5歳から11歳でけいれんあるいは急性脳症といった報告について、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 手元の集計ではございますけれども、5歳から11歳用の小児用ワクチンを接種後にけいれんとして報告された事例については16件確認しております。
 また、熱性けいれんと思われる報告については、5件の報告を覚知しているところでございます。
 現時点でけいれんについて覚知している情報は以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、委員の先生方のほうからいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○事務局 ただいま御質問いただきました小児用コミナティ接種後の脳症の事例なのですけれども、今のところの報告はございません。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしますと、このスライドについて、症例の記載については今、3点御指摘があったと思うのですけれども、そのうちの1点は元の文章にウイルス性の急性脳症という記載がございますが、ウイルスの移行がはっきりするほどの量ではないという御意見もありましたので、髄液のPCR等でウイルスが検出されているという点、それからけいれん反復の既往歴及び内服していたぜんそくに対する薬剤が関係していた可能性も否定できないなどにより、ワクチンと死亡との因果関係はγとされたというような表現です。
 まとめて言い直しますと、「ウイルス性の急性脳症であった」から始まる一文を「専門家及び審議会の評価では、髄液PCR等で検出されたウイルス、けいれん反復の既往歴、及び内服していた喘息に対する薬剤が関与していた可能性も否定できない等により、ワクチンと死亡との因果関係はγとされた」と追記するということで、藤井委員、よろしいでしょうか。
○藤井委員 お話しされた内容で十分だと思います。よろしくお願いします。
○岡座長 その次のこのスライドのまとめとして、5歳から11歳の小児用について、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないという方向性で、皆様よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、次の論点に移りたいと思います。
 最後に、そのほかの論点ですけれども、資料1-8の論点スライドで示されました心筋炎・心膜炎あるいは4回目接種後の副反応を含め、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から、御意見、御質問等はございますでしょうか。そのほか、伊藤先生の御報告などについてもいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 伊藤先生の御報告で、確認でお伺いしたいのですけれども、よろしいでしょうか。
 非常に興味深いデータをありがとうございます。特に今回ノババックスのヌバキソビッドのデータを幾つか出していただいて、非常に興味深く拝見したのですけれども、3回目にヌバキソビッドを打っていらっしゃる方の効果も今回出していただいて、ある程度効果があるというデータをお示しになられたと思います。例えばファイザー、モデルナを3回目に使うのと同じくらいの効果があるということが出たと考えてよろしいわけですね。2点お伺いしたのですが、1点はその点です。世界的にも交互接種のデータは少ないので、非常に貴重なデータではないかと思います。
 もう一点が副反応の面で、ヌバキソビッドを使った場合、先生のデータからすると発熱、倦怠感といった全身反応は、ファイザー、モデルナなどのメッセンジャーRNAワクチンよりも低いと。一緒に行っていないので有意とかいう話はもちろんないと思うのですが、そういう印象でよろしいのでしょうか。
 その2点をお伺いしたいと思いました。よろしくお願いします。
○岡座長 伊藤委員、いかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 同じ形式でデータを取っているので、数字を比較していただいて分かるとおりですが、これは抗S抗体だけですので、この数字がどの程度臨床的な意味を持つのかはなかなか難しいところがありますが、メッセンジャーRNAワクチンを打つと2万弱ぐらいまで上がる。それに比べると少し低いのかなという正直ベースの印象は持っておりますが、ただ、1万を超えるような状況になっていますので、免疫原性は十分あるのだろうと思っています。
 3回目接種の全身性の副反応に関してですが、比較表をつけさせていただいております。3回目接種に関して明らかに2回目に比べて低いのと、同じ評価指標を使っておりますので、比較できるかと思いますが、明らかに頻度が低いと思っています。
 例数が増えてから、年齢、性別で調整した多変量解析をして、また報告させていただきたいと思っておりますが、印象としてはご覧いただいたとおりで、全身反応に関しては低いのではないか。3回目接種に関してはそのように思っております。
 2回目、3回目がこんなに変わるのかなというのはよく分からないところがあります。これに関してはヌバキソビッド筋注を3回接種した人と、ほかのワクチンを接種してヌバキソビット筋注を接種した人との違いがあるかどうかを見ていかないと分からないとは思っておりますが、今の段階のデータはこういうふうになっています。
 説明は以上です。
○濱田委員 ありがとうございます。
 メッセンジャーRNAワクチンで2回目まで打って副反応がつらかった方が、3回目をちゅうちょされているケースもかなり多いと思いますので、今回のデータはそういった方々にワクチンを打っていただくために非常に有益ではないかと思いました。
 以上でございます。どうもありがとうございます。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 先生がおっしゃるとおりで、実際に3回目にヌバキソビット筋注を1・2回目に他のワクチンを打たれた方に打つと、ほとんど副反応は出てきていないとお感じになる方も多いようですので、そういう方にとっては朗報になり得るかもしれないとは思っております。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 そうしましたら、先に舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 私も伊藤澄信先生にお伺いしたいことがあるのですけれども、今回初めてヌバキソビッドの1回目、2回目、3回目の情報をありがとうございました。ほかのコロナのワクチンと違って、1回目と2回目の局所部位反応の出方は挙動が違うかなという部分があると思うのですが、こちらについては以前、モデルナアームの話とかでもいろいろ議論にはなりましたけれども、今回、例えば添加物の違いとか、植物の抽出物のMatrix Mが入っているとか、そういったことの影響とか、先生の御見解を少しいただければなと思ったのです。
 そういうものであれば、1回目、2回目、3回目もより局所反応は出るのかなと思ったりもしましたし、1回目から2回目、2回目から3回目は落ち着くという部分については、現時点では分からないと思いますが、コメントいただけたらなと思いました。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 私自身、新型インフルエンザのワクチンの開発を随分やっておりまして、その中にはAS03というアジュバントが入っているものがあります。今回のヌバキソビッドの挙動と比較するとAS-03の局所の副反応はこれほど強く出るものではないのですが、発熱に関してはAS03が1回目は出ないのだけれども2回目が出ていましたので、挙動としては不活化+アジュバントのAS03のワクチンとほぼ同じような印象を持っております。ですので、モダリティーの違いが一番大きいのではないかと思っています。
 モデルナアームは、1回目が最初の数日は出なかったのが、1週間後ぐらいから出てくると発赤ですが、モデルナアームと言われているものについて、ファイザーのコミナティでも年齢によって0.4%ぐらい出てくるのですけれども、今回打っていただいた方は数が少ないので、あるかどうかを言うのは難しいと思います。
 ただ、2回目接種のときは明らかに発赤とかかゆみとかの局所反応が強く出ているという印象はありますので、数が少なくて解析は難しいのですが、今後集まった段階でまた報告させていただきたいと思っています。
 添加物の話に関しては、すみません、私にはちょっと分かりません。ただ、新型インフルエンザワクチンのAS03に近い挙動ではないかなという印象は持っています。
 以上です。
○舟越委員 ありがとうございました。よく分かりました。
○岡座長 それでは、先に手を挙げていただいた多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。2点あります。
 1点目は資料1-9で、今後の資料について御紹介がありました。生後6か月から4歳までのワクチン、それから従来型とBA.1の2価ワクチンの名前は入っていたのですけれども、従来型とBA.5の2価ワクチンについてはどうなるのでしょうかということが1つ。
 それから、生後6か月から4歳までのお子さんに対するワクチンなのですが、副反応について、なるべく早くしっかり海外の情報提供をしていただきたいなと思いました。
 その理由として、この年齢は熱性けいれんの好発年齢でこれを起こす頻度が高いですし、日本の子供たちは欧米に比べると熱性けいれんの有病率も高いので、海外の副反応情報をなるべく早くに情報提供していただきたいなと思いました。
 3点目、先ほどの11歳の死亡の方なのですけれども、私の僅かな経験ではありますが、髄液以外に血清からもHHV-6のDNAが少量検出されていたという御報告でした。これまでの経験だと、細胞成分が含まれていない血清、できれば血漿のほうがいいかもしれないのですけれども、HHV-6のDNAは、ウイルスがリアクティベーションしているとき以外に見つかったことがなかったもので御報告させていただきました。
 以上、2点です。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 多屋先生、御質問ありがとうございます。
 まず、1点目、BA.4-5の資料なのですけれども、こちらもBA.1と同じように部会資料に載せる予定です。そのときにBA.1と株を分けてBA.4-5も載せることを検討しています。
 2点目につきまして、乳幼児の情報につきましては、適切に情報をまとめて、迅速に対応できるようにしていきたいと思っております。引き続き検討してまいります。
○岡座長 多屋委員、先ほどまとめさせていただいた資料1-8のスライドの表現なのですけれども、先ほど藤井委員から脳への移行はあまり断定できないということで、脳炎という言葉は省いてみたのですが、脳炎等の可能性も含めみたいな表現のほうがよろしいでしょうか。
○多屋委員 今の表現で問題ないと思うのですけれども、ただ、細胞成分が含まれない血清からも出ているというのはめったにないことだと、僅かな経験ですが思いましたので、そこについて御報告しておきたいなと思いました。
○岡座長 ありがとうございました。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 伊藤先生にお伺いしたいのですけれども、メッセンジャーRNAワクチンの場合に、オミクロンに対する中和抗体が出てくるのが3回目接種以降なのですが、今日お示しいただいたヌバキソビッドでは、ELISAでのデータだと思うのですが、例えば3回目接種後の血清を用いたオミクロンに対する中和抗体の誘導といったものは見られているのでしょうか。
 以上です。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 中和抗体に関しては、感染研から技術供与を受けたBML社と契約できましたので、今後、今持っている血清をお願いして測ってみるつもりでおります。ですので、中和抗体については別途、報告させていただければと思っております。何分にも中和抗体ですので、測定できるサンプル数が限られているのと、前値と後とを一緒に測定しないと測定誤差が大きくなってしまうので、まとめて結果報告することになるかと思います。今月から始めても年内に報告ができるかどうか微妙なところではあります。どのサンプルについて交差免疫も含めて早めに調べたほうがいいのかという先生方からの御意見をいただいた上で、できるだけ御希望に沿う形で結果を早めに提出させていただきたいと思っております。
 それでよろしいでしょうか。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 中和抗体に用いるウイルスは、オミクロンですか。
○伊藤(澄)委員 BA.1とBA.5と一部は野生株も含めた3つの株を見ていきますが、現行はBA.5ですので、BA.5に対するものを中心に見ていきたいと思ってはおります。
○長谷川委員 ブースターワクチンとして使えるかどうかというところが非常に重要なデータになると思いますので、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 伊藤先生、いつも貴重なデータをありがとうございます。
 今後、乳幼児の接種が始まるわけですが、乳幼児のデータを集めるのは非常に大変かと思うのですけれども、研究班で乳幼児のコホートのデータを取るという計画等はございますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 乳幼児に関しても今、検討しておりまして、今日の分科会が終わった後に、プロトコルをつくって、国立病院機構やJCHOの皆さんにもお願いをしに行きたいと思っております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 資料1-9のこともこの時間でよろしいでしょうか。
○岡座長 併せて資料1-9についても御意見をいただければと思います。ありがとうございます。
○舟越委員 事務局に確認なのですが、アナフィラキシーショック関係の資料も概要等をまとめて省略するとあったと思います。まとめることや省略することは構わないと思うのですが、一度確認したいことがありまして、従来のワクチンは生物学的プロセスとして血清や不活化などをして、ロットごとにばらつきがあるため見ていく必要があると今まで聞いていたのですが、今回のメッセンジャーRNAワクチン等はそういった生物学的プロセスを踏んでいないので、ロットごとのばらつきとかはない。今回、この1年半ぐらいモニタリングをして、大きなアナフィラキシー関係のことがそれほどないということで省略するというような形の認識でよろしいのでしょうか。
○岡座長 事務局のほう、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 先生が御指摘の箇所は、ロット別報告のアナフィラキシーを削除する点かと思いますが、よろしいでしょうか。
○舟越委員 はい。
○事務局 ロット別報告件数につきましては、先生御指摘のとおりアナフィラキシー等の発現等の観点について非常に重要だと認識しているのですけれども、一方で、アナフィラキシーに限らず、どのような有害事象が発現するか必ずしも明らかではないということから、全体の傾向を確認しつつ、異常が認められた場合には詳細を確認する方針としてはどうかということで、あの形でまとめております。
○舟越委員 分かりました。事務局のほうでは、そういったロット別の部分はある程度見ているということで、何か問題があった場合にはこの副反応部会のほうに資料として出してくるという考え方でよろしいですか。
○事務局 ロットごとの件数は、引き続き副反応疑い報告数は出すのですが、アナフィラキシーやTTSといった数値では出さないという修正になります。
○舟越委員 分かりました。副反応としては、一応ロットごと出していただけるということで、そちらを気をつけながら見ていきたいと思います。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 資料1-9を含めて、御意見はよろしいでしょうか。
 御議論ありがとうございました。
 どうぞお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 1点、ホームページ掲載資料のことでおわびを申し上げたいと思います。
 資料1-6-4につきまして、会議開始当初、ホームページへの掲載不備がございまして、大変申し訳ございませんでした。先ほど掲載させていただいたところでございます。
 資料1-6-4でございますが、事務局から御説明したとおり、ヌバキソビッドの心筋炎の症例についてまとめたものでございます。1例あるのですが、この症例につきましては転帰、死亡ということで、既に資料1-3-5に掲載されていること、また、前回既に御報告した症例でございますので、今回新しい症例を資料1-6-4に掲載したというものではございません。おわびとともに御報告いたします。
 以上でございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 申し訳ありませんけれども、ホームページのほうで御確認いただければと思います。
 そのほかよろしいですか。
 そうしましたら、これまで確認できた内容を皆さんと一緒にまとめたいと思います。
 まず、マル1として、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や、年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果などについて、動向の大きな変化はないとさせていただきました。
 死亡事例につきましては、マル1として、12歳以上の死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに25件の死亡事例の報告があり、うち10件が4回目接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,668例については、10件がβ、そのほかの事例はγと評価されております。また、9月5日から9月23日までにはさらに12件の報告あり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が8件報告されております。
 スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに14件の死亡事例の報告があり、うち9件が4回目接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された185件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされております。また、9月5日から9月23日までには、さらに14件の報告があり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が4件報告されております。
 バキスゼブリア及びヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はございませんでした。
 死亡例の報告に関しては、現時点において、4回目接種後の事例も含めて、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えているとまとめさせていただきました。
 続いて、小児接種についてでございますが、マル1として、コミナティ筋注5~11歳用については、9月23日までに、医療機関から122件、製造販売業者からは142件の副反応疑い事例の報告があった。
 マル2として、死亡事例については、新たに1件の報告があり、専門家による評価はγであった。この件につきましては、先ほどこの部会でも御議論をいただいたところとなります。
 また、マル3として、報告基準に定められた症状について、報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。
 マル4として、コミナティ筋注5~11歳用の接種後の報告状況について、現時点においては、引き続き、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきましたけれども、こういった形のまとめ方でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 皆さんうなずいていただけているかと思います。
 以上、今回報告がありました具体的な事例を踏まえて、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。
 特にないようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただきましたので、そういった形で進めさせていただきます。
 また、事務局からの資料の改訂の案につきましては、変異株対応ワクチンや、乳幼児ワクチンなど新たに承認されたワクチンや、引き続き注視しておくべき心筋炎・心膜炎、それから小児用のワクチンに焦点を当てた資料としていくという事務局案ですけれども、これについてもよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、以上で新型コロナワクチンにつきましては終わらせていただいて、次に議題2「コロナワクチン又はHPVワクチン以外の各ワクチンの安全性について」に入りたいと思います。事務局より、資料2-1から2-26までの御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。
 新型コロナワクチンとHPVワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2022年4月1日から6月末までの3か月間における副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。資料は2-1から2-26になります。
 まずは、資料2-1のMRワクチンについてです。
 1ページの中段の表をご覧ください。MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約65万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は3件、うち重篤なものが3件ございました。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0005%となっております。
 資料2-1は以上になります。
 資料2-2、麻しんワクチン、資料2-3、風しんワクチンにつきましては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はございませんでしたので、説明は省略させていただきます。
 資料2-4は、おたふくかぜワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約34万人、製造販売業者からの報告は9件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが6件でした。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0026%、医療機関からの報告頻度は0.0018%となっております。
 資料2-4は以上です。
 資料2-5は、水痘ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約53万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件ございました。
 製造販売業者から報告頻度は0.0006%、医療機関からの報告頻度は0.0008%となっております。
 資料2-5は以上です。
 資料2-6は、帯状疱疹ワクチンです。
 接種可能延べ人数は約11万3000人となっており、販売開始より出荷数量が伸びております。製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものが1件でした。
 製造販売業者からの報告頻度は0.016%、医療機関からの報告頻度は0.001%となっており、頻度としてはこれまでと変わりございません。
 また、今回の集計対象期間内におきまして、アナフィラキシー症例、GBS症例、死亡症例の報告が各1例ずつあります。アナフィラキシー症につきましては資料2-24のNo.12を、GBS症例につきましては資料2-23のNo.2を、死亡症例につきましては資料2-25のNo.2を御確認ください。いずれも専門家の評価により因果関係はγとなっております。
 資料2-6は以上です。
 資料2-7は、23価肺炎球菌ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約55万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものが3件でした。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
 また、今回の集計対象期間内におきましてGBS症例の報告が1件あり、詳細につきましては資料2-23のNo.3をご覧いただければと思いますが、専門家評価によりブライトン分類4、因果関係評価はγとなっております。
 資料2-7は以上です。
 資料2-8は、DPTワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約1万7000人、医療機関からの報告は1件であり、報告頻度は0.0059%となっております。
 資料2-8は以上です。
 資料2-9は、DTワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約19万2000人、医療機関からの報告は4件であり、報告頻度は0.0021%となっております。
 資料2-9は以上です。
 資料2-10のジフテリアトキソイドについてですが、こちらは対象期間内に報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-11は、破傷風トキソイドです。
 接種可能延べ人数は約16万人、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものが2件となっており、報告頻度は0.0012%となっております。
 資料2-11は以上です。
 資料2-12の不活化ポリオワクチンにつきましては、こちらも対象期間内に報告がございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-13は、4種混合ワクチンになります。
 接種可能延べ人数は約78万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は12件、うち重篤ものが6件ございました。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
 9ページをご覧ください。こちらはアナフィラキシーのまとめになりますが、3件のアナフィラキシー疑いがあり、詳細は資料2-24のNo.7~9に示しておりますが、いずれも専門家の評価によりブライトン分類3以上とされた症例はございませんでした。
 資料2-13は以上です。
 資料2-14は、13価肺炎球菌ワクチンです。
 接種可能延べ人数は約77万人、製造販売業者からの報告は12件、医療機関からの報告は21件、うち重篤なものは15件ありました。
 また、6か月間の死亡症例の報告頻度は10万接種当たり0~0.18となっており、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
 報告対象期間前の症例も含め、アナフィラキシー疑いの報告が8件、後遺症症例が1件、GBS症例が1件報告されております。アナフィラキシーにつきましては資料2-24のNo.1、2、4、6、7、8、9、11を御確認ください。専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例は1件となっております。
 後遺症症例は資料2-22のNo.2、GBS症例は資料2-23のNo.1を御確認ください。こちらは同一の症例になりますが、専門家によりブライトン分類1、因果関係評価はγとされております。
 資料2-14は以上です。
 資料2-15は、Hibワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約76万人、製造販売業者からの報告は11件、医療機関からの報告は21件、うち重篤なものが15件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0015%、医療機関からの報告頻度は0.0028%となっております。
 アナフィラキシー症例が対象期間内に5件、期間前に3件報告されておりますが、詳細は資料2-24を御確認ください。
 また、6か月間の死亡症例の報告頻度は、こちらも10万接種当たり0~0.18となっており、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
 資料2-15は以上です。
 資料2の16は、BCGワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約18万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は16件、うち重篤なものが3件ございました。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0089%となっております。
 資料2-16は以上です。
 資料2-17は、日本脳炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約73万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが1件ございました。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関から報告頻度は0.0005%となっております。
 今回、アナフィラキシー症例が対象期間に1件報告されております。資料2-24のNo.10に詳細を示しておりますが、こちらも専門家の評価によりブライトン分類4、因果関係評価はγとなっております。
 資料2-17は以上です。
 資料2-18は、B型肝炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約146万人、製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は15件、うち重篤なものが9件ございました。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0010%となっております。
 アナフィラキシー疑いとして7件報告がございますが、こちらは資料2-14等で御説明した症例と同一のものになりますので、説明は省略させていただきます。
 資料2-18は以上です。
 資料2-19は、1価のロタウイルスワクチンになります。
 接種可能延べ人数は約24万人、製造販売業者からの報告は19件、医療機関からの報告は10件、うち重篤なものが8件となっております。
 製造販売業者からの報告頻度は0.008%、医療機関からの報告頻度は0.004%となっております。
 アナフィラキシー疑いとして対象期間内に3件報告されております。
 資料2-19は以上です。
 資料2-20は、5価のロタウイルスワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約18万人、製造販売業者からの報告は9件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが2件となっております。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0049%、医療機関からの報告頻度は0.0022%となっております。
 アナフィラキシー疑いとして対象期間内に1件報告されておりますが、こちらも説明済みの症例と同一のものですので、省略させていただきます。
 資料2-20は以上です。
 資料2-21をご覧ください。こちらはロタウイルスワクチンによる腸重積の発現状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。
 まず、資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフになっております。
 7ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、同様にまとめた資料となっております。
 2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、ベアーズに基づく海外との比較においても、外科手術や死亡に至った事例は低いことが示されております。
 資料2-21は以上です。
 資料2-22から2-24につきましては、各ワクチンの資料において説明しておりますので、説明は省略させていただきます。
 資料2-25は死亡事例一覧になります。No.1につきましては、ロタワクチン等の同時接種の症例になり、以前の部会で報告したものの、今回評価いただいた症例になります。詳細は別紙1を御確認いただければと思いますが、専門家の評価により因果関係評価はγとなっております。
 No.2につきましては資料2-6で説明済みですので、こちらも省略いたします。
 No.3につきましては、帯状疱疹ワクチン接種後の死亡であり、今回の報告対象期間以降に報告された症例になります。こちらは現在調査中となっております。
 資料2-25は以上です。
 最後、資料2-26になりますが、こちらは帯状疱疹ワクチンに関しまして、過去の接種可能延べ人数について、企業のほうより修正の連絡がございましたのでお示ししております。修正期間は令和2年1月から12月までの期間で、数百件程度の修正となっておりますので、御確認ください。
 資料2の説明は以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいまの御説明に対して、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 事前に御連絡できていなかったのですけれども、破傷風トキソイドのワクチンでお二人、横紋筋融解症という報告があるのですが、同じロットで結構接種日が近いのですけれども、この方々は何か情報等はございますでしょうか。
○事務局 多屋先生、申し訳ございません。今、手持ちの資料で確認ができませんので、また御連絡させていただければと思います。
○多屋委員 事前に確認できていなかったのですけれども、破傷風の医療機関報告の2例です。
 失礼いたしました。
○岡座長 ありがとうございます。
 横紋筋融解症はかなり軽症なものからシステミックなものまであって、どの程度のものか御確認いただければと思います。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、これまでいただいた内容をまとめたいと思います。これまで確認できた内容としましては、まず、マル1として、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いということはない。
 マル2として、後遺症の報告は対象期間内に1例、対象期間前に1例報告されたが、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされております。
 マル3として、ADEMの可能性があるとされた症例は今回新規の報告はございませんでした。
 マル4として、GBSの可能性のある症例は、対象期間内で3例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされております。
 マル5として、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーとして評価された症例は、対象期間内に、13価肺炎球菌ワクチンなどの同時接種の1例があり、専門家評価によりワクチン接種との因果関係は否定できないとされました。
 マル6として、死亡症例は、対象期間内に報告された帯状疱疹ワクチンの単独接種が1例、対象期間前のロタワクチンなどの同時接種の1例について評価がされましたが、いずれも専門家評価により、情報不足等のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。また、対象期間後に帯状疱疹ワクチン単独接種の1例の報告がされておりますけれども、これについては現在調査中であることから次回以降で検討を行うこととさせていただきます。
 マル7として、なお、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも、急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていたとまとめさせていただきました。
 このようなことでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただけていると確認できました。
 この内容を踏まえまして、新型コロナワクチンまたはHPVワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。
 特にないようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念を認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 皆さん首肯していただいていることが確認できましたので、そのように進めさせていただきます。
 本日の議題は以上となりますけれども、そのほか、全体を通じて、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本日の議事は以上で終了となります。
 そのほか、事務局から何かございますか。事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 審議会資料1-8につきましては、先ほど座長の先生から頂戴いたしましたコメントを踏まえまして、後ほど審議会より御意見いただいた資料として公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了とします。活発な御議論をどうもありがとうございました。