第1回高齢者保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引きに係るワーキンググループ 議事録

日時

令和4年9月28日(水)15:00~17:00

開催方法

オンライン開催

議題

  1. 1.高齢者保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引きの見直しに向けた検討について
  2. 2.その他

議事

議事内容
○宇野調整官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「高齢者の保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引きに係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
なお、本日の会議は報道関係者に限りオンライン公開しておりますことを申し添えさせていただきます。
次に、構成員の皆様方の御紹介についてですが、時間の関係上、資料1の開催要綱3ページ目の構成員名簿をもって御紹介に代えさせていただきます。
次に、本日の構成員の出席状況について申し上げます。本日、田中和美構成員より15時30分ごろからの遅れての御出席との御連絡を頂いております。
事務局職員につきましては、高齢者医療課長の田中、保健事業推進専門官の春日、一体的実施調整官の宇野となります。
それでは最初に、高齢者医療課長の田中より御挨拶を申し上げます。
○田中高齢者医療課長 高齢者医療課長の田中です。本日は大変お忙しいところ、皆様、御参加頂きましてありがとうございます。
本ワーキンググループにつきましては、令和6年度、再来年度から開始します第3期データヘルス計画の策定を見据えまして、現行のデータヘルス計画策定手引きの見直しを目的といたしております。現行計画の期間中、後期高齢者医療制度におきましては、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施がスタートしておりまして、広域連合から市町村への委託という形で現在多くの市町村で実施を頂いております。この一体的実施の取組に当たりましては、広域連合と市町村の関係を今まで以上に強化するということで御検討を頂いているところです。データヘルス計画を策定するにあたりましても、広域連合と市町村の連携というものが重要な視点となると考えております。そのため、本ワーキングにおきましては、広域連合及び市町村の両保険者から構成員として御協力を頂いており、また、高齢者保健事業に関する学識経験者の皆様にも御参集頂いております。皆様には忌憚のない御意見を頂戴いたしたく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○宇野調整官 続きまして資料でございますが、議事次第に記載のとおりでございます。今回、初回の会議になりますので座長を選任いたします。座長につきましては、構成員の互選により選出としております。事前に井出構成員を御推薦頂いておりますが、いかがでしょうか。
(反対意見なし)
それでは、ここからの進行は井出座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○井出座長 よろしくお願いいたします。それでは、早速議事に移りたいと思います。本日は「高齢者保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引きの見直しに向けた検討について」、御意見をお伺いしながら進めてまいりたいと思います。
では、お手元の資料2「第2期データヘルス計画の現状と第3期に向けた課題等」について、事務局より御説明をお願いします。
○春日専門官 資料2を御覧ください。最初に「データヘルス計画の現状」について御説明し、次に「課題と手引き見直しに向けた論点」について御説明いたします。
こちらは第3期データヘルス計画に向けた検討のスケジュールになります。ワーキンググループにおいて広域連合のデータヘルス計画策定に係る手引きについて検討を頂きまして、3月に開催予定のデータヘルス計画(国保・後期)検討会に報告というスケジュールになります。
こちらが現行の手引きの構成をお示ししたものになります。現行の手引きは、国保・後期、同一の手引きでお示ししております。
次に、「データヘルス計画の背景と経緯」になります。左側に背景、右側に経緯をまとめております。平成25年に全ての保険者にデータヘルス計画の策定が求められ、以降、標準化の取組の推進や評価指標の設定の推進が掲げられております。
6ページは、データヘルス計画の標準化についてまとめております。●の2つ目になりますが、標準化により期待されることとして、計画策定や保健事業運営の負担の軽減、共通の評価指標を用いることで実績が比較可能になること、効果的な保健事業をパターン化することによる事業効果の向上等が挙げられております。また、最低限の要素を標準化した上で、各保険者による独自の工夫を促すことが想定されております。
こちらは、改革工程表における保険者共通の評価指標やアウトカムベースでの適切なKPIの設定に係る記載の抜粋になります。
続きまして、データヘルス計画の現状について、本日は3つの調査結果より御説明をいたします。
まず1つ目ですが、第2期データヘルス計画が開始された平成30年4月にデータヘルス計画策定チェックリストを用いて計画の策定状況を把握いたしました。11ページを御覧ください。こちらが結果の1つ目になります。第2期データヘルス計画策定時、チェックリストの全ての項目において「実施」であったのは3広域連合、9割以上の項目が「実施」であった広域連合が全体の約半数となっております。
12ページから14ページにつきましては、実施が全体の80%未満であった項目に赤枠を付けております。12ページは分析・健康課題の抽出についての結果になります。保険者等の内部の集団について比較分析をしている割合は66.0%、計画策定を外部委託した場合、保険者等がKDB等を活用することにより比較分析をしている割合は42.6%、最後に地域特有の質的情報の分析や地域資源の把握をしている割合は68.1%となっております。
13ページは目標についてです。ストラクチャー・プロセス・アウトプット・アウトカムの4つの視点に立って目標設定を行っている割合は70.2%となっておりまして、目標におけるほかの項目に比べて低くなっております。
14ページは評価・見直しについての結果です。評価指標について計画の策定段階であらかじめ設定できている割合は89.4%となっておりますが、アウトカムの要素を含めた評価を行っている割合になりますと78.7%。また、評価に当たり市町村国保と連携して行うなど、他の保険者等との連携・協力体制を整備している割合は57.4%と低くなっております。
続きまして、デスクリサーチの結果になります。今年度は3つの調査を実施します。本日はデスクリサーチ、アンケート調査の一部について御報告いたします。デスクリサーチは全広域連合のホームページに掲載されているデータヘルス計画の記載内容を確認し整理をした結果になります。
まず、第1期計画の振り返り/市町村別データの掲載についてです。全ての広域連合で第1期計画に関する記載がありましたが、第1期計画全般に関する考察を記載しているのは28広域連合となっております。また、下のグラフになりますが、医療費・疾患・健診の状況等について、市町村別のデータを掲載しているのは45広域連合となっておりますが、このうち市町村別あるいは圏域別の健康課題を記載していたのは20広域連合となっております。
次に、「健康課題の抽出」についてです。施策や分野ごとの抽出が最も多く、医療・介護等のデータ分析ごとに抽出している場合、あるいは健康課題の抽出ではなく、保健事業ごとに現状や課題を整理しているという広域連合もございました。
また、健康課題と保健事業の対応関係を整理、記載しているのは14広域連合でありまして、その中身を見てみますと、1つの課題に対して複数の事業が対応している場合、課題と保健事業がほぼ同一レベルで1対1という形で対応している場合の2パターンに分けることができました。
19ページから21ページは、各保健事業に対するアウトプット指標、アウトカム指標をまとめた結果になります。19ページは健康診査、健康状態不明者に係る保健事業で設定されている指標になりますが、幅広く設定されておりまして、中には健康に対する意識の向上というような指標もございました。
20ページは、糖尿病性腎症重症化予防に係る指標になります。こちらも広域連合により様々な指標が設定されております。
21ページは、重複頻回受診、重複投薬者等に対する事業の指標になります。こちらも、他の保健事業と同様に様々な指標が設定されていました。
22ページは、事業内容と評価指標の設定状況になります。左のグラフが計画書に記載されている事業内容になっておりまして、全ての広域連合で健診、歯科健診、適正受診・適正服薬に係る事業が記載されておりました。右の表は、事業ごとに評価指標の設定状況についてまとめた結果になります。事業ごとに何かしらの評価指標を設定している割合は高くなっておりますが、4つの視点別に設定している割合になりますと比較的低いという結果になっております。
こちらは参考としてお示ししておりますが、令和3年度より健保組合で示されている共通の評価指標になります。こちらのスライドも参考としてお示ししております。現在、厚生労働科学研究の研究班において検討中の評価指標案をまとめたものになります。
こちらは「広域連合におけるデータヘルス計画の特徴」になります。広域連合の場合、計画策定(Plan)等の主体は広域連合、保健事業の実施(Do)については広域連合から市町村への委託という形で、市町村が実施することが多く、計画策定等と保健事業の実施の主体が異なっておりますので、このような状況も踏まえた手引きの見直しが必要になるのではないかと考えております。
続きまして、「アンケート調査」の速報になります。こちらはアンケート調査の全項目になります。9月22日時点で46広域連合からの提出がございました。本日は、29ページに挙げている設問に絞りまして、結果を御報告いたします。
結果の1つ目、次期計画の策定体制になります。担当職員数は平均3.54人、保健師は平均1.46人となっておりまして、主担当の職種については「事務職員」が最も多くなっております。また、右下のグラフになりますが、次期計画の担当者のうち現行計画の策定に携わった担当者の配置があるのは7広域連合となっております。
次に健康課題の抽出のために活用した主な情報と実施内容になります。活用した主要な情報としては「KDB」「後期高齢者のレセプト・健診データ」が多くなっております。
健康課題の抽出のために実施したこととしては、健診データ、レセプトデータなどのデータ分析や加入者の状況把握が多い一方で、「他の広域連合との情報交換」「市町村国保との必要な情報の共有」「近隣保険者とのデータの比較」は少なくなっております。
続いて、KDBの活用状況と一体的実施・KDB活用支援ツールの活用状況になります。KDBの活用については、当該広域連合全体の現状把握が最も多く、次いで市町村別・日常生活圏域別の比較による現状把握が多くなっております。また、一体的実施・KDB活用支援ツールを活用したことがあるのは26広域となっておりました。
続いて、評価における課題、次期計画で強化を図りたい保健事業についてです。評価については「新型コロナウイルス感染症拡大が与えた影響を踏まえた評価方法が分からない」が最も多くなっておりまして、次いで「現行計画で設定した指標・目標が評価しづらい」となっております。
次期データヘルス計画で強化を図りたい保健事業としては、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」が最も多くなっております。
続きまして、次期計画で整合性を図る予定の他の計画としては、「医療費適正化計画」「健康増進計画」が多くなっておりまして、他計画との整合性を図ることで見直しを想定している内容としては、関連項目についての目標値などが挙げられております。
こちらは標準化に対する考え・希望についてです。46広域連合のうち、35広域連合が「標準化を進めてほしい」と回答しておりまして、その内容としては「評価指標」が最も多くなっております。
また、標準化を進めてほしい理由としては、保険者間の比較が容易になる・策定業務の効率化・目指すべき方向性の明確化が挙げられておりました。
一方で、11広域連合は「分からない・標準化を進めてほしくない」と回答しておりまして、その理由としては、標準化によって地域特性に応じた計画策定が難しくなるなどが挙げられておりました。
最後に、現行の手引きについて、見直しまたは例示の追加を図ってほしい内容についてです。見直しを希望する事項があると回答したのは21広域連合で、その内容としては、一体的実施に関する追記や事業評価方法、高齢者に合った目標の提示などが挙げられております。
こちらは、各計画の計画期間と記載内容をまとめたものになります。現行の手引きにおいて「計画期間を定めるに当たっては、他の保健医療関係の法定計画との整合性を考慮する」としておりまして、健康増進計画や、ここに記載しております他の計画と調和のとれたものとする必要があると示しております。
続きまして、「保険者支援について」です。
こちらは後期高齢者医療制度の保健事業に対する現行の補助金や交付金について概要をまとめた資料になります。また、保険者インセンティブにおきましても、固有指標の1つにデータヘルス計画の実施状況が組み込まれております。
こちらは、国保・後期高齢者ヘルスサポート事業の全体像をお示しした資料になります。国保中央会が国保連合会を、国保連合会が保険者を支援するというスキームになっておりますが、保険者支援の内容の1つにデータヘルス計画も挙げられております。
続きまして、「課題と手引き見直しに向けた論点」になります。
こちらは、先ほどもお示ししました現行手引きの構成になりますが、前半に御説明しましたデータヘルス計画の策定状況・一体的実施の開始・標準化に対する意見等を踏まえまして、※の項目を中心に、記載事項の充実に向けた見直しを行ってはどうかと考えております。
最後に、本日の論点になります。4つの項目でまとめておりまして、まず1つ目が「保健事業の内容の充実」になります。現状と課題について、現行の手引きには一体的実施に係る事項が記載されておりません。また、全ての広域連合で概ね同様の事業が実施されておりますが、構成市町村における実施状況については差が生じております。これらを踏まえまして、論点になります。「実施主体・関係部局の役割」の項目や「保健事業の内容」を中心に、一体的実施に係る記載を追加してはどうか。また、どのような記載が必要になるか。高齢者の健康の保持・増進及びQOL向上や医療費適正化の観点から、構成市町村における実施状況に差が生じていることについて、どのように考えるかとしております。
2つ目、「データヘルス計画の標準化」についてです。次期計画の策定に係る担当職員数は平均3.54人であり、保健師は平均1.46人。健保組合等でデータヘルス計画の標準化が実施されておりますが、広域連合においてはまだ実施されておりません。次期計画策定に向けて標準化を希望する広域連合が多い一方で、地域特性に応じた計画が策定しにくくなるという意見も挙げられております。これらを踏まえて論点になります。第2期データヘルス計画の内容、第3期データヘルス計画に向けた課題・標準化に対する要望を踏まえ、広域連合におけるデータヘルス計画の標準化についてどのように考えるか。また、データヘルス計画の項目のうち、何について、どこまで標準化することが必要かとしております。
3つ目「評価指標の設定」についてです。第2期データヘルス計画における評価指標の設定状況は様々でありまして、広域連合間の比較が難しくなっております。また、見直しや例示の追記を希望する事項としては、事業評価方法や高齢者に合った目標の提示などが挙げられておりました。これらを踏まえて論点になります。保健事業の内容ごとに評価指標を整理し、例示することについてどのように考えるか。一体的実施の開始により、保健事業だけでなく介護予防の取組も実施されている状況を踏まえまして、評価指標の具体を示すことについてどのように考えるか。また、アウトカム指標については、短期的なものと中長期的なものに整理し、例示してはどうかとしております。
最後に4つ目「他の計画との調和(整合性)」についてです。次期計画で調和を図る予定の計画として「医療費適正化計画」と「健康増進計画」が多く挙げられ、調和を図る上で想定している見直し事項として、他計画との関連項目についての目標値などが挙げられておりました。これらを踏まえて論点になります。高齢者保健事業のより効果的な展開を目指し、医療費適正化計画など、他の計画との調和(整合性)を図ることについてどのように考えるか。また、国保データヘルス計画との連続性を踏まえ、どのような記載が必要になるか。
以上4点としております。
こちらは9月12日に開催しました第1回データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会の論点になりまして、参考としてお示ししております。
47ページ以降は国保のデータヘルス計画の標準化の取組事例、一体的実施の実施状況、KDBシステムの特徴について参考としてお示ししております。
資料2の説明については以上になります。
○井出座長 ありがとうございました。
それでは続きまして資料3、管構成員から御提出頂いている資料でございます。こちらは現在、福岡県後期高齢者医療広域連合で設定されている指標に関しての資料ということです。管構成員より御説明をお願いいたします。
○管構成員 福岡県後期高齢者医療広域連合の管と申します。データヘルス計画自体の評価指標ではないのですが、保健事業と介護予防の一体的実施事業の評価指標について御報告させていただきます。
まず、本広域連合では、一体的実施事業が始まった令和2年7月に事業の実施方針を策定しまして、その中で評価指標を設定しております。その背景としましては、まず資料の1ページ下段のフロー図のとおり、一体的実施事業によって、在宅で自立した生活がおくれる高齢者が増加し、ひいては健康寿命が延伸することを本広域連合の一体的実施事業における目指す姿としております。
2ページの上段のとおり、「一体的実施事業における課題と対策」ということで、医療費、健診受診率、服薬、介護給付費、低栄養・フレイルについて、それぞれ課題と対策を整理しました。
そして、2ページの下段ですが、本広域連合の一体的実施事業における数値目標において、1「一体的な実施」に取り組む市町村の増加、2後期高齢者健康診査・歯科健診の受診率向上、3通いの場への参加率の上昇、4健康状態不明者の割合の減少、5低栄養(BMI≦20)の減少、6多剤処方の減少、7人工透析患者率の低下、8一人当たり医療費の減少、9一人当たり介護給付費の減少、10健康寿命の延伸と、10項目の評価指標を設定しております。 この10項目の評価指標の真ん中の「現状」の欄につきましては、令和2年7月に一体的実施の方針を策定したときの数値となっておりますので、昨年度の数値等によりまして現時点での10項目の評価指標に基づく成果について簡単に御報告させていただきます。
本広域連合では、令和2年度に19市町村で開始いたしまして、3年目を迎えた今年度は44市町村で取り組んでおり、令和6年度には全60市町村で実施することとしております。令和2年度に事業が始まって、まだ間もない、時間がそれほどたっておりませんので、実際、事業の成果を反映しているとは言い難いところもありますが、この10項目のうち、項目2の上段の健康受診率、項目5の低栄養、項目6の多剤処方については改善傾向にあります。また、項目2の下段の歯科健診受診率、項目4の健康状態不明者、項目7の人工透析患者率につきましては、全体的には改善傾向は見られませんが、一体的事業に取り組む市町村と、取り組んでいない市町村を比較しますと、取組が長いほど改善傾向にあります。また、一体的実施事業に取り組んでいる市町村につきましては、直接取り組んでいない分野の指標に関しても効果が見られますことから、一体的実施事業が後期高齢者の健康意識や向上に影響を与えている可能性があると考えております。ただし、本広域連合で設定しております評価指標につきましては、マクロ的な視点での中長期的な指標でありまして、成果の確認にはある程度の年数を要することが想定されます。
ミクロ的な視点といたしましては、市町村の一体的実施事業の実施報告により支援対象者の介入後の検査値や生活習慣病の改善などで個別の成果が報告されており、これらの集積が中長期的評価の目標達成につながっていくのではないかと考えております。そのため、本広域連合では、中長期的指標とともに事業ごとに毎年の一体的実施事業の成果を確認し、次年度の事業改善を積み重ねていくための短期的指標の設定が必要であると考えまして、県や国のマニュアル、指標等を参考に事業ごとの標準的な評価指標を策定しております。その指標が次のページ、資料2になります。
例えばハイリスクアプローチの「低栄養」の欄を見ていただきますと、St:ストラクチャーが実施体制の評価指標、Pr:プロセスが運営の状況に関する評価指標、Op:アウトプットが実施状況に関する評価指標、Oc:アウトカムが成果に関する評価指標となっており、Oc:アウトカムの上段の保健指導を実施した者のうち、体重が維持・改善した者の割合を短期的指標というふうにしております。
また、同じ表のハイリスクアプローチの「糖尿病性腎症重症化予防」と「その他生活習慣病重症化予防」につきましては、後ろのページに別表1、別表2を付けております。これらにつきましては、国保事業からの継続性が求められるということから、国保事業との整合性を図るために同じようなアプローチの評価指標としております。この資料2につきましては、昨日、市町村の担当者会議を実施しまして、一体的事業の標準的な評価指標として市町村に活用していただけるよう提案させていただいたところでございます。
以上で、私からの報告を終わります。
○井出座長 御説明ありがとうございました。
今、管構成員から御説明頂いた資料につきましては、この後の3点目の議論で、また御質問等あればしていただきたいと思っております。
それでは、資料の説明が終わりましたので早速ですが議論に移らせていただきたいと思います。本日は論点が4つございました。資料2の44ページに論点が4つ書かれております。それぞれの論点について議論していただきたいと思いますが、まず1つ目の「保健事業の内容の充実」について御意見等を伺いたいと思います。何か、御意見等がございましたら、挙手のボタンを押していただけますでしょうか。 それでは、一体的実施に関わる事項が現行の手引きには記載されていないということで、広域連合さんのほうに事前にお伺いしたアンケートにそういった記載がございましたので、初めに広域連合さんのほうから御意見を頂きたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。では、勝手に指名して恐縮ですけれども、唐川構成員から初めにお願いしてよろしいでしょうか。
○唐川構成員 ありがとうございます。
愛知県後期高齢者医療広域連合の唐川と申します。よろしくお願いいたします。
論点1の一体的実施の記載に関してですが、既に高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版が出ているので、その内容を踏まえて、例えば広域連合の役割と市町村の役割にはこんなことがあって、具体的にはこういうことに配慮したアプローチに取り組みますよ、というような記載があればいいのかなと考えております。この論点の中の2つ目、市町村によって実施状況に差が生じていることついてというところに関しましても、恐らく実施状況の差自体はさほど問題ではないのかなと思っているのですが、差というよりも、各市町村で健康課題があるにもかかわらず、その健康課題に沿った取組ができているかどうかというところが1つの課題になるのかなと思うので、そういったところの記載があればいいのかなと考えております。ちょっと大枠な意見ですけれども、以上です。
○井出座長 ありがとうございました。
今、大枠というところで御意見を頂いたところですが、続いて、今資料を御説明頂いたばかりなのですが、管構成員からも御意見を頂いてもよろしいでしょうか。
○管構成員 保健事業と介護予防の一体的実施につきましては、後期高齢者保健事業の中で中心的な役割となっております。そのため、追加というよりもむしろ、中心になってくるのではないかなと考えております。
○井出座長 下段についてももし御意見がありましたらよろしくお願いします。
○管構成員 この実施状況に差が生じているということから、次の項目の標準化のほうにつながるのではないかと思います。
○井出座長 ありがとうございました。
今、唐川構成員から、実施状況というのは、市町村における実施状況が問題ではなくて、問題ではなくてというと言い過ぎかもしれませんが、健康課題に合った事業が展開されていればどうかということで御意見があったところだと思うのですが、市町村側からの御意見ということで続けてお伺いできればと思います。
それでは、石黒構成員からお願いできますでしょうか。
○石黒構成員 ありがとうございます。
愛知県蒲郡市で働いております石黒と申します。蒲郡の一体的実施はモデル事業のときからずっと関わらせていただいてはいるのですが、差が生じているということがここに書いてあるのですが、多分、市町村によっても進み具合がかなり違うかなという印象を持っています。今日見させていただいた資料や自分が経験した感じでいうと、「連携」というところが皆さん課題なのかなと思っているのと、あとは、一体的実施や国保のデータヘルス計画に関わる担当部署を、どこが持ち、どこと連携体制を組んでいくかというところが、上手にできるところと、なかなか難しいところとがあって、進み具合も広域であったり各市町村であったりで、差が生じているのではないかなと思うので、そういったところが標準化されたり、広域のほうでアプローチをしていただけると、市町村もやりやすくなるのではないかなと思っています。
また、標準化のところでは、やはり地域の特性があるデータヘルス計画がいいかなと思います。標準化することによってパッケージみたいになってしまわないような特色の評価みたいなものもあると、市町村にとってはとてもありがたいのではないかと感じています。
○井出座長 どうもありがとうございました。
もう一方、市町村からいらっしゃっている構成員がいらっしゃいますのでお伺いしたいと思います。夏原構成員、御意見をお願いできますでしょうか。
○夏原構成員 東近江市健康福祉部の夏原といいます。どうぞよろしくお願いします。
もう3人さんがおっしゃったことそのままになるのですけれども、私はもともと国保が長かったので国保の立場から考えさせていただくと、健康課題をしっかりと各都道府県で把握しておられるのだったらいいのかなというふうに感じています。保健事業の内容についても、例えば必須項目的に都道府県で整理されているところと、資料2の後ろのほうに滋賀県の資料がついていますが、保健事業の、各都道府県でもちろん違うので実施状況に差というものが、やっている内容とか度合いによっての差であったらいいと思うのですが、全くしていないところがあるとだめだと思いますので、その辺も上手に、下の標準化にかかわってきますけれども、対応できるような内容であればいいのかなと感じています。
○井出座長 ありがとうございました。
今、51ページ以降の資料についても言及頂いたような感じでしょうか。こちらについて何か補足で御意見を頂くようなことはございますか。
○夏原構成員 51ページ以降の資料なのですが、これは国保が都道府県単位化になったときと並行して、県のほうのデータヘルス計画をつくるようになりましたので、市町村とのやりとりでどういうふうにしていくかということで、県のほうがまとめられた資料になっています。特に県版を策定する前の段階で第1期の市町村のデータヘルス計画が出来上がっていて、その中で委託事業者にたくさん出していた背景があったのですが、そうなると、金太郎アメのような計画ばかりだったので、特徴を持たせる代わりに、県内でも比較ができるようにというふうな話で、国保連合会のほうにお願いして、KDBデータから均一的にデータ分析を全県の市町村が同じ条件で分析しています。それに基づいて、その集約を県のほうがして、データヘルス計画のデータをつくったという報告を頂いているような内容になります。多分、広域連合の今のこのデータヘルス計画にも見えてくるものではあるかと思うのですが、市町村と県がなかなか、どういうのですか、腹を割って話すというか、しっかりとした議論ができていないと、お互いが牽制し合ってしまうような計画になりがちだったのですが、滋賀県の場合はそういうとこら辺を何回も議論し、そのようなことがきちんとできたところが一番大きかったかなと思います。やはり共通認識で共通課題を共有することによって、こういう形での共有化というか、標準化ができたのかなと思っています。
○井出座長 ありがとうございました。
学識の先生をお待たせして申し訳ないのですが、今、間の立場からアドバイザーとして御活躍頂いている土屋構成員からも、市町村と県の連携という面で御意見を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
○土屋構成員 土屋です。よろしくお願いします。
私は、静岡県の保健師を長年やっておりました。最近は、静岡県だけではなくて他の都道府県からも色々な情報や問い合わせが入ってきています。日本全体47都道県の広域連合を見ると、やり方が、市町村との連携とか事業の出し方が様々だなというのがよく分かりました。
それで、広域連合にまずお聞きしたかったのは、広域連合として市町村に年にどのぐらいまわっていらっしゃるのか、どのぐらい要望を聞いていらっしゃるのかということを教えてほしいことと、あと多分、県も国保の保険者になったということで、色々と連携させてもらっていると思うのですが、どういう問題点を感じていらっしゃるのか。この場で言いにくいかもしれませんが、実情を教えてもらえたらというのを思っています。
標準化は、参考資料に掲載されています。説明は、後でよろしいですか。
○井出座長 標準化は後でお願いします。
○土屋構成員 私のほうからの質問になってしまいました。よろしくお願いします。
○井出座長 ありがとうございます。
これは御回答頂いても大丈夫ですかね。では、唐川構成員からお願いできますか。広域から見たときに市町村とどのぐらいコミュニケーションがとれているか、また県とどれぐらいコミュニケーションがとれているかということでお願いします。
○唐川構成員 一体的実施を中心としたコミュニケーションということでよろしいでしょうかね。
○井出座長 はい。
○唐川構成員 愛知広域では、昨年度から私をはじめ2名の保健師が配置されたのですが、昨年度に関しては年3回設けて、新しく実施する市町村を訪問するという訪問の時期、秋ごろに既に実施している市町村の中間報告を頂いて、その中間報告に基づく訪問を実施する時期。最後は11月ぐらいですかね、次年度実施する予定の市町村の事業計画を事前に出していただいて、その出していただいた事業計画を基に訪問する、この3つの時期を中心に訪問させていただいて個別相談等をさせていただいています。ただ、愛知県では現在54市町村中32市町村が実施しておりまして、なかなか全部の市町村に回ることは難しいので、事前に出していただく資料などを基に必要なところに行かせていただくという形をとっているのが1つと、あと、今年は3回行う予定なのですが、企画調整を担当する医療専門職さんを集めた意見交換会というものを実施しまして、愛知県における課題や事業計画書に関する書き方、考え方、事業計画の立て方、評価といったところのグループワークを中心とした意見交換会を実施するなど、そういった中で、なるべく腹を割ってというか、顔の見える関係をつくっていくというところはさせていただいているつもりです。蒲郡市に関しては、もう令和2年度、その前から実施していただいていて、もう既に軌道に乗っているという表現は変かもしれないのですが、取り組まれている実績がありますので、そういった自走できているところに関してはあまり積極的には関わっていなくて、これからどんどん乗せていかなければいけないところを中心に回っているということで取り組んでいます。
また、県との連携については、これも年3回か4回、国保連合会ですとかその他の関係機関を交えて市町村支援に関する打合せ、協議を実施して方向性などを共有した上で、関係機関が市町村支援をする手法みたいなものを作成して、連携して支援ができるようにというコミュニケーションをとっている状況でございます。
○井出座長 ありがとうございました。
管構成員からも御意見を頂こうかと思ったのですが、よろしいですか。
○管構成員 まず市町村との連携なのですが、一体的実施事業の会議を含めて年6回ぐらい、2か月に1回ぐらいは市町村向けの会議を行っております。それから、ヒアリング、実地調査なのですが、福岡県は60市町村あるのですが、国保連が国保の保健事業で、60市町村を全部回ります。その中で、後期高齢者の保健事業についても希望する市町村を回っています。それが、今年が10市町村ぐらい、去年はWebも含めて20市町村ぐらい実地調査、ヒアリングを行っておりました。
あと、県との連携なのですが、正直、県の所管部署がコロナ対策もやっていますので、業務で忙しいということもあって、こちらから積極的に連携を働きかけないと連携がとれていないような状況があります。今のところ、こちらが積極的に働きかけて連携をとるようにしているところでございます。
○井出座長 唐川構成員と管構成員、ありがとうございました。事情は様々で、やり方とか狙いというのも様々だなというような印象を持ちましたけれども。すみせん、大変お待たせいたしました。学識の先生方からも、こちらの議題について御意見等を頂戴できればと思いますが、もし何かございましたら挙手をお願いできますでしょうか。
○石崎構成員 石崎でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどお話がありましたが、健康課題の把握が第一であるというのは、私は本当に同感であります。健康課題が把握できなければ、その健康課題に対してどのように取り組むかというのが進まないと思いますので、健康課題の把握が第一と。ただ、後期高齢者の場合、複数の健康課題を持っている方が多いということですので、それぞれの健康課題に対する保健事業をどこから実施するかというのは、そこの地域におけるマンパワーとか対象者数などがありますので、ばらつきがあっても仕方がないと思いますが、やはり健康課題の把握が必要です。
特に後期高齢者の健康課題に関しては、個々の疾患、糖尿病に関しては国保からの事業の連携ということで重要だと思いますけれども、他疾患並存とかフレイルというような、国保の被保険者に対する課題とは違うことを重点的に見ていく必要があるだろうと思っています。
○井出座長 ありがとうございました。
先生方の研究班で研究された仕事などについて後ほどまた御紹介頂ければと思います。
それでは、津下構成員、お願いします。
○津下構成員 ありがとうございます。
データヘルス計画は基本的には個別の保健事業計画とは違う、長期計画というか、保険者の保健事業全体の枠組みであると認識しています。先ほどのアンケートでは個別事業計画のことと整理がついていない結果があったのではないかなと思っています。
そもそもデータヘルス計画は保険者機能としてどういう位置づけでつくっていくのか、広域連合がつくるという保険者機能としてつくっていくと。広域連合が果たす役割については個別市町村に実施していただかなければいけないので、その市町村の底上げとか市町村でそれぞれが健康課題を分析して、それに適合した保健事業をスムーズに行えている、この状況をきちんとモニタリングしていく必要があります。そういう大きな視点で、この計画をつくっていくのだという位置づけとか、これをつくるときに広域連合が丸投げというものではなくて、一体的実施という本当に具体的な事業がそれぞれで、悩みながらやっているところなので、それをきちんと押さえた計画が必要と思います。個別市町村の状況をみると、まだ立ち上げに至っていないところ、役割分担を決めかねているところから、実際に動き出して、その中でいろいろ課題が見えてきているところや手応えを感じているところ、色々な段階の市町村があります。そういう市町村の状態を把握しつつ、6年後とか、中間評価をするかもしれませんけれども、それまでにどうなっているべきか、どうなっていなければいけないのかということをしっかり議論して作成してほしいと思います。何か事業するのが目的のような書きぶりではなく、何年度にはどういう状態にしていたいということをしっかり見定めて、それに向けて後期高齢者に必要な保健事業を推進できるような計画です。国保と違う部分もあります、それから、資料を見ると、介護保険計画との連携を図らないつもりのところも結構あるのかなとちょっとびっくりしたのですが。結局、つなぐ相手は地域支援事業だったり介護保険関係の事業も多いので、そういう全体の計画を見定めた上で、本当に市町村とコミュニケーションを取りながらつくっていく。個別の話に行く前にデータヘルス計画そのものの位置づけというものをしっかり御理解頂く必要があるのではないかなと私自身は思いました。
そのため、一体的実施については今後期高齢者の保健事業の本丸になっていて、多彩な事業があるから、では一体的実施以外の事業に何があるのかというふうに思ったりするのですが。こういう広域全体のデータヘルス計画があって、それに一体的実施などの保険者の保健事業がぶら下がっていくような形というか、それを総体系にしたデータヘルス計画だったら、つくる意味が大きいのではないかなと思います。
○井出座長 ありがとうございました。
データヘルス計画の位置づけとして俯瞰的な位置づけがあって、その中で保険者さんが目標とか設計したり、されていくべきではないかというような御意見だったかなと思うのですが。ちょっとお伺いしたいのですが、津下先生のおっしゃっていた、アンケートの中でちょっと勘違いされているのではないかというのはどのあたりでしょうか。
○津下構成員 例えば地域特性があるから標準化は嫌といった意見。それは地域特性は確かにあるけれども、この日本の中で同じ法律の法体系で健康寿命の延伸を目指すという大きな目標とか医療費適正化とか、そういうゴールのもとに実施する保健事業であるわけで、そういうものを目指したデータヘルス計画というのには、ある程度標準化というか、型があって然るべきだろうと思うのです。ただ、保健事業として具体的に何をやっていくかとか、どういう資源を活用するかとか、どういう健康課題がメインかなどについては地域特性があり、個別事業の実施方法については多様性があって然るべきと思います。データヘルス計画の果たすべき役割というものを広域連合また市町村もよく理解していただくことが重要かなと。国保の場合は、市町村が保険者となってデータヘルス計画をつくるという建付けなのですが、こちらについては広域連合が全県的につくるという話になっていくと思うのですね。なので、そこの整理をしていく必要があるのかなというふうには思いました。
○井出座長 ありがとうございました。
今、保健事業の内容の充実というところでお話を頂いているわけですが、最後の津下構成員のお話というのは位置づけをどうしていくのかというお話だったかと思いますし、事業で現状記載されていないことがあるという以上に、市町村における地域の健康課題であるとか連携、リソースの問題ということで、様々な観点、御意見を頂けたのかなと思っております。これはまた今後この場で議論、それから整理していきたいと思います。
それでは、申し訳ありませんけれども、次に2つ目の論点に移らせていただきたいと思います。2つ目の論点は、資料の44ページを御覧頂くといいと思いますが、「データヘルス計画の標準化」ということでお伺いしたいと思います。アンケートの結果からいうと、35ページあたりを見ていただくのがいいのかなと思いますが、標準化の中で評価指標に関する部分というのは、次のトピックでお話しいただきたいと思いますので、評価指標以外の標準化について御意見を頂ければと思っております。
それでは、どなたでも結構ですので、もし御意見があれば挙手をお願いいたします。御意見がないようでしたら、実際に計画を策定される方が標準化についてどのような捉え方をされているかということでお伺いしたいと思います。それでは、唐川構成員からお願いしてもよろしいでしょうか。
○唐川構成員 アンケートの結果などを見ても、標準化に対する皆さんが持っているイメージは結構ばらばらなところがあるので、標準化の定義づけが大事なのかなと思うのですが、私としては一定のフレームワークを設けて、基本的にはそのフレームワークに沿って各広域連合がデータヘルス計画を策定していきつつ、独自性というものを取り込めばいいのかなと思っているので、フレームワークや考え方を示していくところの標準化をするのがいいのかなと思っています。評価指標のことはこの後ということだったと思うのですが、どこまで示すか。既にある手引きでも一定のエッセンスが明記されていて、基本的にはあれを見れば、ある程度できるのかなと思うのですが、それより一歩踏み込んで具体化したものだとか、こういうふうに書いてくださいねといったものを書くという意味での標準化という認識でよろしいでしょうか。
○井出座長 そこは恐らく最初におっしゃったとおり、それぞれの方でイメージが少しずつ違っているかもしれないのですが、現行の手引きにおいて、ある程度の考え方は示されていると思うのですけれども、そこで足りていないようなことというのは、例えばどんなことなのでしょうか。質問になってしまって恐縮ですけれども。
○唐川構成員 どこが足りていないのかなと私も思ってしまうところではあるのですが、恐らく項目が書かれているのですが、その項目に対して具体的にどのように書けばいいというのはもちろん書いていないわけなので、書いていない部分が足りないと感じるところなのかということを考えてしまったりします。
○井出座長 少し抽象度がまだ高いかなというところですかね。現行の手引きだと、もう少し具体的に考えられるように示してほしいということかなと理解しましたが、もし違っていればおっしゃってください。
では、次に管構成員にもお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
○管構成員 結論からいうと標準化は賛成です。まず、9月12日の「データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会」での意見が出ておりましたが、他の自治体、市町村でありますとか、他の広域連合との比較ができるということが1つです。それから、先ほど報告しました広域連合で策定しております一体的実施事業の評価指標について、昨日、市町村のほうに報告したら、こういうのがもともとあればよかったというような意見も頂きましたので、指標を含めて標準化されたほうがいいのかなと思っております。
○井出座長 ありがとうございました。
標準化ということで、評価指標以外のところで標準化の要素というのはどんなところにあるのかということで御意見を頂きたいと思いますけれども、他の構成員の皆様、いかがでしょうか。
例えばという話ですが、先日、親のほうの委員会の話があったわけですが、そこで標準化の話というのはかなりされていたのかなと。津下構成員にも出ていただいておりましたけれども、かなりされてきたのかなと思うのですが、そこでの話は評価指標の標準化と様式の標準化という話があったのかなと思います。広域の場合、計画様式による標準化というものはしたほうがいいのかどうかということもあるのですが、例えばそのような観点に関してはいかがでしょうか。
○土屋構成員 私は、津下構成員の先ほどの発言のところですごく考えてしまっていました。
今話している論点のところと、あと津下構成員からいろいろお話ししてくださった目的のところを、広域連合が保険者として目的を明確にする必要があると思いました。このワーキングとして明確化したほうがいいと思いました。このデータヘルス計画は何のためにあるのということをもう一回押さえた上で、標準化とは何かを考えたほうがいいと思います。
例えば、静岡県の健康課題は地域差があり、東部、中部、西部では全然違ってしまいます。できればデータヘルス計画の中も統一の指標と地域別の指標があるといいなと思っています。東・中・西地区の高血圧の有病者をこのぐらい下げるという目標を変えていってもいいのかなと。今後も市町村と対話をしながら、広域連合には作成してほしいと思っています。データヘルス計画の標準化は、フレームを示して事業内容の振り返りとまとめに用いることができます。担当者の振り返りがとても大切になると考えています。
○井出座長 ありがとうございました。
○津下構成員 データヘルス計画の標準化は、健保組合、国保、他の保険者でも標準化といいますか、フレームをきちんと示すと。構造というか、どういう目的で、どういう加入者の状況があって、どういう健康課題があって、先ほどの話のように、静岡県では、エリアで健康課題についてこういう特徴があるとか、そういう課題認識と、それから実際にそれをどうしていきたいのだというような目標立て、それは事業をしていく中でどこぐらいまで目指すかという、ある程度マクロ的なものと個別事業に落としていくものという、そういう構造があって、そこに入っていくとか。それからもう1つ、次の評価指標にも絡んでしまうのですが、もう既にKDBやNDBから出せるデータで、標準化して国が出し得る数字については、広域連合がまた計算するのではなくて、一定のものはもう数字が入っているとか、個別市町村の状況もある程度KDBから引っ張ってこられるとか、そのような形が決まっていると、作業の時間が減り、保健事業の検討とか考察の時間に取れるかなというふうに思います。計画をつくるというのは、表をつくることが目的ではなくて、それをつくるために話し合うとか事業を考えるためにするのではないかなと思うので、その時間が割けるように素材、考え方、フレームはきちんと整理すること、何をしたらいいのだろうと迷う時間を減らしたほうがいいなということで、私はこの標準化はかなり重要なポイントではないかなと考えています。
○井出座長 ありがとうございました。
フレームワークを提示して、本当に考えなければいけないことに時間を費やしていただくと、そのようなお話でお二人とも共通しているところがあるのかなと思いました。
それでは、田中構成員、お願いします。
○田中構成員 私の発言も津下先生とほぼ同じで、本当に同感いたします。広域連合が立てる計画で落ちてしまいがちなものは、集合体なので、我が町の小さいところでやるわけではないので、大きな視点で、標準化しないといけないかなと私も思います。
標準化するのですけど、その標準化のところだけ、細かいところにだけ目をいかさず、どういう目的で、何を、どうするのかということを入れておくことがすごく重要で、そこを押さえない限り、標準化をしていっても何だか空回りしてしまうので、だからきちんと大きな視点で個別の市町村と色々お話をしながら、その大きな視点のところを確実に大きく入れ込む。そのためには、全体的に共通のもののフォーマットの標準化的なものがあればそこには入れ込められる。例えば一体的なものも色々な指標もありますし、そういうものもある。うちの県だとこういうものがあるので、こういう形のものをプラスアルファとして、その特色を入れていく。でも、何にしても、先ほど津下先生も土屋先生もおっしゃっていましたけれども、大きな視点で、一体この計画は何をするものなのということを打ち出すことがとても重要だと思います。それが恐らく有機的に動く第一歩かなというふうに思いました。
○井出座長 ありがとうございました。
先ほどの1点目の論点から続いているお話かなと思いますが、目的というものをしっかり明示して考えて記載する。それに向けていくための手引きというものが必要なのではないかなということで、具体的にどうしていくのかというのはこの後の議論かなと思うのですが、ありがとうございました。
他にないようでしたら、次の3点目の論点に行かせていただきたいと思います。「評価指標の設定」についてということなのですが、御議論をお願いしたいと思います。先ほども少し出ておりましたが、私のほうからちょっとだけ先に補足させていただきたいのですが、資料2の23ページに、私どものほうで書かせていただいた記事から抜いていただいた資料が出ているのですが、これは健康保険組合の共通の評価指標ということで、こちらの検討にも多少携わらせていただきましたが、こちらの特徴について説明したいと思います。
まず今、皆様の御議論であったのと同じく、これは個別の事業に対する評価指標だというふうに位置づけられているわけではなくて、もちろん、例えば特定健診実施率とあるのですが、この分類を見ていただくと分かるように、生活習慣病の予防対策に対する評価指標ですよということで、個別の事業というよりは、健康保険組合全体を評価していくときに、この指標を用いて評価していきましょうというものの1つになります。
2点目としまして、共通の評価指標というのは令和3年度に導入されたのが5つだったのですが、令和4年度には増えて今23になっていると思います。これは○と◎で分けているのですが、国の色々な方針等に沿ってだんだんアウトカム志向になってきているということがあります。これは順調に動いていけばまた足されていくと思いますが、アウトカム志向になってきているというのが2点目です。
結果はどうかということで、健保組合として登録することが推奨されているわけですが、現状の登録率は大体7割ぐらいで、指標の把握というものに苦労される保険者さんもいらっしゃいます。ただ、一番右の列を見ていただくと分かるのですが、●がついているところは、先ほどKDBからというお話がありましたけれども、これはNDBから自動的に計算されて組合のほうにフィードバックされているものです。皆さんの現場の負担をできるだけ抑えながら、組合同士で比較できるようにということで設定されている指標になります。少し先行して動いているとも言えるかもしれませんので、参考のために補足させていただきました。ありがとうございます。
それでは、3点目の論点ということで改めて御議論を頂きたいと思います。御意見ございましたら挙手をお願いできますでしょうか。では、津下構成員、よろしくお願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
このデータヘルス計画においては、個別事業計画と違ってマクロ的な指標をしっかり出していく必要があると思っています。NDBから出されたり、こちらのほうもそうなればいいかなと思うのですけれども。その際に、広域連合単位で他の都道府県の広域連合、47都道府県で比較可能なデータもあるし、それから広域連合の中で各市町村のデータもあるということになります。データヘルス計画をつくるときに、広域単位での指標として必要なものと、個別の市町村については個別の市町村の状況をデータとして把握しやすいものについてきちんと押さえていくことが分かりやすいのではないかなと考えます。
ちょうど、保険者努力支援制度の評価で、都道府県の指標はマクロであったり、その中で実施市町村の数がカバー率だったりしていると思うのですよね。そういうようなものが近いかもしれないし、市町村については小さな市町村で健康指標の変化など、かなりブレが出過ぎてしまうこともあるので、保健事業の評価としてはどういうふうに事業が進行しているかということを把握するような指標とか、短期的な指標として、例えば受診勧奨で受診が上がったとか、通いの場につながったとか、そういうようなものは短期的なものとしてあると思います。大き過ぎる指標については広域単位で大きなマクロ的な指標を示すなど、重症化予防をやったら透析患者さんを減らすとか、そういう指標が出ていたりしていますけれども、そんな短期に結果が出しにくいものとか、年度によるブレがあるものは整理するなどしたほうが良いと思います。
また、数値については、後期高齢者といっても年齢構成がかなり違いますので、どういうふうにするのか。75歳以上、健診データも恐らくないであろう90、100の方々まで含むのか、上限をどこまでとってとか、色々その辺、データを出すのを決めたのはいいけれども、ターミナルの方々も結構多い中で、グロスで出してもそういう状況に引っ張られてしまいます。マクロ的に出すにしても、どういう範囲で出すのか、標準化するのかどうなのか。もちろん、層別化という考え方もあると思うのですね。75から85とか。そのオールディストオールドの問題、国保は74歳という上限ありなのですけど、上限なしの後期高齢者のマクロデータの出し方というのは国で一定の方式を示さないと、数字を比較しただけでは何も分からないという状況になってしまうのではないかなと思います。評価指標を国で設定するというのは、特に広域の数字はある程度国のレベルで計算したものがいくみたいな感じのほうが比較しやすいのかなと思ったりしました。
○井出座長 ありがとうございました。
今、広域単位、市町村単位、それから事業の対象者の単位で多分評価指標を設定したほうが、それがまた時間的な軸でいうと、長期、短期というところで整理できるのかなと。そこを示したほうがいいのではないかというお話だったかと思います。後期高齢者ならではのお話かなと思うのですけれども、今、年齢に分けてというお話だったと思うのですが、例えば今日の資料の24ページに出していただいているのは、これは研究班のほうで御検討頂いた、恐らく個別の事業とか対象の方に対しての評価指標かなと思うのですが、こんなところから俯瞰してみてみると、市町村単位の評価指標であるとか広域単位の評価指標というのはどんなものであるべきかという考え方について学識の先生から御意見を伺いたいと思いますが。
○津下構成員 24ページについてはデータヘルス計画の指標というよりは個別の保健事業というか、それをきちんと評価するための指標として出しているということで、一体的な実施の事業でこういう事業をしたときに、特に短期的な評価として、PDCAサイクルが回ってくためにどういう指標が必要かという観点で検討したものが多いかなと思うので、それと今回のデータヘルス計画の指標というのはより上位といいますか、より大きなものになっていくのかなというふうな、私自身はイメージを持っております。
○井出座長 そうですね。そういう御意見かなと思いました。
他に先生方から御意見等はございますでしょうか。石崎構成員、よろしくお願いいたします。
○石崎構成員 先ほどの津下先生のお話とも絡んでくるのですが、健診受診としたときに、分子は把握できますけれども、分母をどうするかと。75歳から79歳、まあ80歳前半ぐらいでしたら移動能力が自立している方もいらっしゃると思いますけれども、100歳以上の方の健診受診というのは、受診されたことだけでも日本らしいすごいデータだと思うのですが、その分母をどう捉えるかというときに、これは研究班でも、ワーキングでも出たのですが、介護保険で例えば要介護5の人も健診受診者の分母として含めるかどうかという議論がありますので、このデータヘルス計画を出すときに、指標もさることながら、割合とか率を出すときの単位をどうするか、そこの議論も今後していただければと思っております。
○井出座長 ありがとうございます。
意味のある数字をつかむために整理をしっかりしてくださいと。恐らく先生の意図というのは、それを提供していく、国として示していくことも必要なのではないかなと、そのような御意見かなと思いました。
まだ御発言頂いていない樺山構成員、よろしいでしょうか。
○樺山構成員 はい、ありがとうございます。
先生方がおっしゃったこととほとんど同じようなことになりますが、例えば具体例を出したとしても、例を出すというよりはデータの出し方の考え方みたいなところを共通で持っておかなければいけなくて、100歳以上の人たちをこういうところでは省いて考えるべきだとか、層別にして出したほうが意味がある、といったように、どういう考え方でこの指標が出ているのかということを示しつつ、評価指標を提示していかなければいけないかなと思っています。
○井出座長 ありがとうございました。
大変よく分かるお話で、先ほど私のほうから23ページの健保組合のというお話で御紹介しましたけれども、あちらをつくるときにもやはり分母、分子の問題というのは、健保組合といえどもずれてくるところがありまして、非常に調整に苦労したことを思い出しました。
それでは、ほかに御意見はございませんでしょうか。もしなければ、市町村それから後期ということで、今レイヤーごとに評価指標があるというお話があったと思うのですが、これについて御意見を頂きたいのですが、それでは、市町村のほうからまずお伺いしたいと思います。
○夏原構成員 市町村という、直接住民さんが窓口に来られる立場で考えていきますと、後期高齢という制度ができたときに、最初に住民さんが「切り捨てられた制度」という言い方をされていました。要するに、これまでは恩恵というか、医療費も無料な時代があったわけで、それがいきなり、全く切り捨てられた保険の制度というようなイメージがあったのです。今ずっとお話を聞いていた中で、津下先生が、75歳からはもう全然違うような形だというふうに言われていた話があったかと思うのですが、話をまとめてみると、後期高齢のフレームの最後はみんな死というふうになると思うのですよ。死亡は計画の中には全然上がってきていないので、例えば亡くなられるまでに使われている医療費の差とか、そういうふうなものが本当は評価の中に出てくるべきなのかなというのが、話を聞いていて思ったところです。
フレームの最後、健保組合さんとか国保とか、他のものについては、他の保険者さんに移ればそれで終わりなのですが、後期高齢の場合は最後は必ずみんなそこで終わられるという、その最後は決まっているにも関わらず、そこがあまり、この評価指標の議論の中にないのかなというイメージで受けています。市民さんの直接の声からいけば、ピンピンコロリではないのですが、元気に亡くなられるような、そういう素敵な町とか素敵な県でなければならないということをよく言われることがあるので、そういうものが健康課題というか評価指標の中に入ってくると、市町村の立場としてはありがたいです。そういうふうに感じました。
○井出座長 ありがとうございました。
Well-being的な考え方なのかなと思うのですが、例えば健康寿命みたいなものというのは、今、国も出していますが、ああいった指標というのは今のお話に沿ったものになるのでしょうか。
○夏原構成員 多分それはもちろんなると思いますし、滋賀県の場合、後期の場合は自治体に移ってもデータ分析で健康課題を全部出していけるようなKDBのシステムになっていると聞いたので、例えば東近江市から隣の町に移られた方も、その方が後期でいる間というか、亡くなられる前の医療費というのは75歳以降、全部データとして持てるので、先ほど、そういうものを国の方針として分析をすればという御意見があったかと思うのですが、そのような分析の仕方も取り入れていただけると、全く違った、他の保険者にないようなデータの分析をしていただけるのではないかなと思います。もちろん、健康寿命というのもとても大切なのだと思いますけど。
○井出座長 分かりました。どちらかというと、市町村というよりは広域全体での指標というお話だったかなと思います。
それでは、石黒構成員からも御意見をお願いできますでしょうか。
○石黒構成員 私も国保で仕事をしていたり、今、一体的実施の議論もさせていただいていて思うことは、先ほどは後期高齢者の最後のお話を言われたのですが、私は入口のところの考え方を示させていただくと、国保から連続的に、継続的に後期高齢に移るという、その辺も大事かなと思っています。実際に国保で重症化予防に取り組んでいて、そのまま後期まで継続してやっていると、CKDの予防につながったりということもあるので、国保との連続性的なところも標準化の中に入れていくことも広域連合の方たちに視点を持っていただくとよろしいのではないかなと思いました。
あと、標準化のところで先生方がおっしゃってみえたと思うのですが、広域連合全体でどういう課題をどうしたいかというところの部分と、その計画に基づいて進める市町村がどうなるか、というところを具体的に示していただくと、市町村側としては広域全体、例えば愛知県全体でどこを健康課題として、どこを目指していって、市町村がどうなることを望んでいるかということ。何かを実施していますか、いませんか、というところだけではなくて、どこまで改善しているのかなというところを、一緒に共通認識していただいて進めていただくといいのではないかなと思います。
○井出座長 ありがとうございました。
大変重要な御指摘かなと思いますけれども、国保からの連続で住民さんを見ていくことと、それから、市町村としてもどちらの方向を向いていくのかという方向性を示してもらえるような指標がいいというようなお話だったかなと理解しました。
それでは最後にということなのですが、広域のほうから指標の標準化に関して御意見をいただけますでしょうか。それでは、管構成員に先にお願いいたします。
○管構成員 指標に関しましては、一体的実施事業の指標のところで報告させていただいたのですが、マクロ的な評価指標とミクロ的な評価指標それぞれしたほうがいいのかなと思います。先ほども申しましたように、支援対象者の介入後の検査値や生活習慣予防の改善などの個別の成果の集積がマクロ的な評価につながるのではないかと思いますので、それぞれ資料にありますように短期的なものと中長期的なものの評価指標というものがあったほうがいいのではないかと思っております。
○井出座長 ありがとうございます。
確認させていただきたいのですが、御提出いただいている資料3の中の「資料2」で示されている指標案というのは、多分事業の対象の方をどのように評価していくのかという指標になっているのかなと思うのですが、資料3の2枚目の下の表、「3.福岡県広域高齢者医療広域連合の一体的実施事業における数値目標」にあるのは、広域さんとして、その中にある市町村を評価していくときにこういった指標で評価していくという、そのような使い分けになっているのでしょうか。
○管構成員 市町村が一体的実施事業を行って、実績報告をされる中で、各市町村が評価される、その共通の指標として使っていただくという趣旨で提案させていただいております。
○井出座長 それは市町村が評価者だと、「資料2」のほうを用いるということですか。
○管構成員 そうです。
○井出座長 市町村を広域さんの中で評価していくというか、広域全体が評価していくときには2枚目の下の表の指標を使っていくという感じのイメージでよろしかったでしょうか。
○管構成員 広域連合が市町村を、そういう側面もあるかと思いますが、市町村自体がマクロ的評価をするという側面もあります。
○井出座長 分かりました。レベルでいうと市町村レベルの評価をするための指標だということですね。
○管構成員 はい。
○井出座長 ありがとうございます。
○管構成員 広域連合全体での評価というのもあっていいと思うのですが、もともと目的としては確かに広域連合全体としての評価指標として策定しております。一体的事業なのでそうですね。市町村がそれぞれ事業を評価するためのマクロ的評価指標です。ただ、それをして、広域連合のほうで比較検討するということも、その目的の1つではあります。
○井出座長 ありがとうございました。すみません、ちょっと確認をさせていただきました。
津下構成員から手が挙がっているのですが、先に唐川構成員からお話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○唐川構成員 ありがとうございます。
評価指標の設定、標準化という意味でいけば、先ほどの先生方のお話の中でもありましたが、データヘルス計画の先に目指すものというか、あるべき姿というところをきっちり設定するとなると、それを図るための指標というのは自ずと決まってくるかなと。健康寿命なのか、ピンピンコロリなのか、色々あると思うのですけれども、そういったデータヘルス計画の先に目指すものをきちんと設定すると評価指標も決まってくるかなと考えます。例示というところもいいかなと思うのですが、最低限、この評価指標は設定しようねというところまで組み込めるといいのではないのかなと考えたりしています。
また、もう1点、評価指標を立てるのですが、恐らく目標値も立てるかと思うのですが、目標値の設定の仕方とか目標値の妥当性といったところの考え方というのも整理できるといいのかなと思っております。33ページのアンケートの「評価結果の妥当性を担保する仕組みがない」という意見にもつながるのかなと思うのですが、目標は立てたほうがいいけど、この目標値はいいのかなとか、そういった不安や疑問も考えながら設定するのかなと思うと、そういった目標値を設定する上での考え方も整理できるといいのかなと思いました。
○井出座長 ありがとうございました。
今、新しい論点として目標値の設定の仕方、考え方という話も出てきたと思うのですが、ちょうど33ページに触れていただいたので、私も1点、できれば広域連合の方に御質問させていただきたいと思っていたのですけれども。33ページのところで「現行計画で設定した指標・目標が評価しづらい」というのはどういう現象なのかなと思ったのですが、これは何か思い当たるところがありますでしょうか。推測という話になってしまって申し訳ないのですが、多分これは、先ほど石崎構成員からお話があったような、定義がはっきりしていなくて、後任の方がなかなか評価しづらいというのをよく見聞きする話なのですが、そういったこともあるのかなと思ったところでした。すみません、失礼いたしました。
それでは、手が挙がっておりますので津下構成員、よろしくお願いいたします。
○津下構成員 私、先ほど夏原さんの話を聞いていて後期高齢者の保険者としての機能って、亡くなるところまで保険者であるという重さというか、それで、一体的な実施というのは、基本は在宅高齢者で、要介護状態になっていない比較的自立した集団を対象としているということになるのですよね。そうすると、広域全体の集団と一体的実施の対象集団のずれがあります。一体的実施においては、それができるだけ右側にシフトしないようにしながら満足した最期を迎えられるようにということになっていくのだろうと思うのですけれども。その集団のずれというのを認識しないと、何の数字を見ているか分からないということになってしまうし、それが流動的に移行していくので、一定のルールを決めていかないと評価しづらい。土俵の大きさがだんだん変わっていってしまうような話になってしまったりしますので、データヘルス計画自体のスコープにも関わってくることだと思うのです。保険者として医療費適正化ということも考慮に入るのかどうなのかということで、加入者全体を見るという考え方と、そこから健康状態不明者というのが今回新たな対象になっているわけですけれども、誰も取りこぼさない健康支援という考え方を入れて、いつの間にか孤独死になっていたという人を減らしたいという理念とか。
また、透析患者さんの減少ということを出していても、高齢化してきて腎機能が悪くなって、最後、ちょっとだけ透析するという人も増えておりますね。そういう意味では、透析しなくても看取りでいきましょうみたいな、老年学会のステートメントもあるわけですけれども、本人が望む医療は受けられるけど、過剰医療になっていないかどうかというのは一方では気になっているところです。後期高齢者の健康課題分析として死因分析する際、一番影響が出るのは老衰の割合が自治体によって全然違うということです。循環器疾患などの病名を死因とする人が都市部は多いようですし、地方に行くと老衰の割合が高い。老衰で亡くなる方をどう扱うかで課題の見え方は随分違います。後期高齢者のデータヘルスを考える中でそういうことも議論しつつ、加入者全体を見るもの、また、一体的な実施の対象者を見るものというような、定義を明確にした上でその数値をどうしていくのか。その際に、年齢が高い方がだんだん増えていきますので、できたら一定の年齢層の中で減少率が何%減としたほうがすっきりするのかなと私自身は思います。複雑な問題が色々絡み過ぎると、結局評価ができないということになってしまわないかなというのを心配します。
○井出座長 ありがとうございました。
今、大変難しいお話だったかなと思うのですけれども、考えるべきところが多いお話だったかなと思います。指標としてどういったものを捉えたほうがいいのかという話と、それが適切に捉えられている指標になるのかというお話があったかと思います。こちらの点については、またこの後の議論になっていくのではないかなと思いますが、そろそろ終了時間ですので、4点目の議論に移らせていただきたいと思います。
最後の論点は、「他の計画との調和(整合性)」についてということで、参考になる資料としては37ページに事務局のほうで整理を頂いておりますけれども、こちらについて御議論を頂きたいと思います。
土屋構成員、いかがでしょうか。
○土屋構成員 他の計画との整合性について、大切なのは、医療計画や医療費適正化計画、健康増進計画などがあります。
今日、私がお伝えしようと思ったのは、介護予防との整合性です。私は、厚生労働省の地域支援事業のアドバイザーをやらせていただいています。実は私が県庁にいるときから、保健事業と介護予防の一体化を一生懸命進めてきました。しかし、アドバイザーをやってから気が付いたことがありました。私は、保健事業のサービス内容しか見ていなかったと思いました。例えば、閉じこもりの低栄養の方を通いの場につなげることや総合事業の訪問型サービスにつなげるということです。そのため、どんな介護予防サービスがあるのかを知るためにも介護保険事業計画などと、きっちりと調和することが重要と思っております。
○井出座長 ありがとうございました。
続いてですけれども、比較的発言の機会が少なかった構成員にお願いしたいと思います。田中構成員、いかがでしょうか。
○田中構成員 はい、ありがとうございます。
他の計画との整合性は絶対欠かせないことですよね。保健事業では、健康増進計画あたりがかなり大きく影響してきます。そうしますと、今の「健康日本21」の第2次で評価を出している、その次のところも視野に入ってきますし、すごく小さい話かもしれないのですが、健康増進計画や介護保険事業計画との整合性をとらなければいけないのはもう絶対に間違いのないことで、お互いのところに必ず書き込むようにする、リファレンスではないですけど、そういう感じでお互いに書き込むような形にするのはいかがかなと。そうすると、お互いに、期間はひょっとすると少しずつずれるかもしれないのですが、必ずそこを見ないといけないし、そこの欄外にでもコラムにでも何でも書くとか、必ず入れ込むということ。絶対にこれが必要なので、そういう工夫もいかがかなと。実務的な話なのですけれども、そのように思いました。
○井出座長 ありがとうございました。
私も、国保の計画ですけれども、そうやってつくっている保険者さんを見たことがありまして、それはすごくいいことだなと思ったのを覚えております。
では、樺山構成員はいかがでしょうか。
○樺山構成員 ありがとうございます。
今、田中先生がおっしゃったことと同じような感じなのですけれども、入れ込むというのはいい手だなと思いました。他部局が計画を立てて色々な現状把握をしているということ自体も、意外に知らないままに評価をしているということが多々あったりとかもするので、まずは本当にこういったものの整合性を図ること、またそこを踏まえるというプロセス自体が大事だろうなと思います。
○井出座長 ありがとうございました。
では、今度は策定する側ということで、今でももちろん参照するようにということにはなっているわけですけれども、現状どのような様子かということで広域連合の方にお伺いしたいと思います。それでは唐川構成員、お願いできますでしょうか。
○唐川構成員 現行計画でいいますと、現状だと「健康日本21」を基にした愛知県の健康増進計画との整合性を図るということは書かれているのですが、それ以外のことはあまり書かれていなくて、保健事業というか、保健という立場からの視点しか現状はないのかなという現行計画になっておりますので、やはり一体的実施も含めて、後期高齢者の特性ということを踏まえると健康増進という観点以外の部分が重要になってくるかと思いますので、そういった視点が重要だよねというところはしっかり明記して、どの計画と、どの計画との連携を図る、整合性を図るというところを明記していくのがいいのではないかなと感じております。
○井出座長 ありがとうございました。
それでは、管構成員からもお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
○管構成員 広域連合が策定する計画ですので、県の健康増進計画ですとか介護保険の計画と整合性をとるというのは当然だと思います。ただ、それぞれ市町村にもまた同じような計画がありますけれども、そことの整合性をどこまでとるかというところが難しいのかなと考えております。
それから、先ほどから話が出ておりますように、国保についてはまた別のワーキングで一緒に計画作成についてやっておられますので、当然連携をとられるかなと思いますが、国保との連携、継続性についても考えていかなければいけないのかなと思っております。
○井出座長 ありがとうございました。
国保との継続性のお話、それから広域全体では市町村の介護保険事業計画等までの整合というのはなかなか難しいのではないかというお話があったのかなと思います。
他の先生方からも何か御意見はございませんでしょうか。市町村からも何かございましたらお願いできますでしょうか。夏原構成員、いかがでしょうか。
○夏原構成員 私が第2期の国保のデータヘルス計画をつくったときには、先ほど石崎先生がおっしゃった介護保険との連携というか、一緒にやる事業や内容を明記した計画をつくったのです。今回、このデータヘルス計画をつくるときにも、国のほうから例えば介護とか都道府県単位の国保のデータヘルス計画との整合性を義務化するような形で出していただくのが一番手っ取り早いのかなと思いますし、そのときに、連携する、例えば健康課題の指標みたいな、先ほど少し違うという話がありましたけれども、24ページの部分とかで共通できるようなものを挙げていけばいいのかなというふうには感じます。
○井出座長 ありがとうございます。
指標においても連携したほうがいいという、具体的なお話かなと思いました。
それでは、石黒構成員、お願いいたします。
○石黒構成員 夏原さんが言われたこととあまり変わらないのですけれども、整合性というか、関係性を持つことが大事かなと思っています。私たちも、健康増進計画、データヘルス計画を作らせてもらっていると、どうしてもその計画ばかり見てしまうので、他の計画がどこを目指していて、どんな事業をやっていてということが分からないまま自分の計画を立てるというところが出てきてしまうので、高齢者ということであれば当然介護保険事業計画であったり健康増進計画であったりというところが、どういう事業を計画の中でやっていて、どこを目指しているのか、課題はどこかということを認識し、整合性をとりながら立てることが非常に大事だなと思っています。
○井出座長 ありがとうございました。
計画で整合性をとることが、いつもの事業の運営においても連携がとれていくことにつながっていく、そのような視点を頂いたのかなと思います。
他の先生方からコメントはございませんでしょうか。石崎構成員、よろしくお願いします。
○石崎構成員 総論的な話になってしまうかもしれないのですが、整合性もさることながら、書き込むというか、他の事業ではどのようにアプローチするか。つまり、後期高齢の場合、病気を持っている方が多いことと、それから介護予防も必要な方というのも増えてくる。健康保険制度に関係なく色々な制度、サービスを利用するという点では、ヘルス部門ではこういうアプローチだけれども、医療のサポートではこういう考え方が必要だとか、介護予防の地域支援事業としてはこういうサポートが必要と。1つの健康課題でも複数のアプローチが必要になってくると思うのですね。なので、そういったところでそれぞれの制度をどのようにその人がどういう制度を活用していくか、そのための計画というのはどういうふうに俯瞰的に捉えるかというのを、後期高齢者だからこそ入れるのかなと思っています。ちょっと抽象的ですが、以上です。
○井出座長 ありがとうございました。
私も全く同感でして、個々の住民の方がどういう制度の対象になるのかなというのはすごく疑問に思うところがありまして、どうもありがとうございました。
それでは、そろそろ本日予定されていたお時間が終わるのですけれども、拙い進行で申し訳ございませんでしたけれども、今日、私が当初予定していたよりもテクニカルな話題というよりは、計画の方向性とか計画を推進していくための体制を整備していくために、この計画に対してどんなことを書き込めばいいのか、どういう視点を持ったらいいのかというようなお話が随所に出てきたのではないかなという感想を持ちました。論点としては、事務局で想定した論点の中で大筋、この後も論点を整理し、具体化ということに進められてくるのではないかなという印象も持ちました。
以上、私の感想でしたけれども、これで本日予定していた4つの議題は全て終了させていただきたいと思いますので、事務局のほうにお返しいたします。よろしくお願いいたします。
○宇野調整官 ありがとうございました。
皆様方から頂戴しました御意見を踏まえ、検討を進めてまいります。次回の開催日程は後日日程調整をさせていただきます。長時間にわたり御議論を頂きましてありがとうございました。