第348回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2022年(令和4年)9月7日(水) 10時00分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員

議題

  1. (1)ワクチン接種に係る人材確保等について(公開)

議事

議事内容
○山川部会長 おはようございます。それでは、ただいまから第348回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は松浦委員、小野委員、原委員、永井委員、奈良委員、佐久間委員、佐藤委員及び田尻委員がオンラインでの参加となっております。永井委員におかれましては、所用により途中退席される場合があると伺っております。
 本日は、「ワクチン接種に係る人材確保等について」を御議論いただきます。では、議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。それでは、「ワクチン接種に係る人材確保等について」という議題につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○尾﨑企画官 健康局予防接種担当参事官室の尾﨑と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、資料1を1ページおめくりいただきまして、2ページを御覧ください。これまでのワクチン接種の状況を整理したものです。これまで約3億回の接種を行っているところです。表を見ていただきますと、1、2回目はセットとなっておりまして、2回目接種完了者が約8割、それから3回目接種が約65%、4回目接種は高齢者が中心でして、高齢者の方で約6割というような状況になっております。次に3ページ目を御覧ください。ワクチンに関するこれまでの経緯です。黒い四角がワクチン接種の状況、白い四角がワクチン接種会場への看護師派遣に関係するもので、これは後ほど御説明があると思いますので、私からは黒い四角を中心に御説明します。令和3年2月から、まずワクチンの接種が開始されました。令和3年12月から3回目接種、令和4年5月からは高齢者等に関する4回目接種が行われているというような状況です。4ページ目は、市町村が設置する接種会場における看護師の確保方法を整理したものです。令和4年3月10日時点のデータを調査しておりますが、これは3回目接種を実施すべく、自治体が体制を整えている時期として調査したものです。接種回数もこのときは、1日約100万回を超えていたということで、冒頭2ページ目にお戻りいただきますと、直近では月曜日の増加回数は金曜日比で100万回を超えていますが、平均すると今は大体1日50~60万回という状況です。後ほど説明をしますが、今後は100万回を超える形で進めていきたいということで、この令和4年3月10日時点の状況というのを今回、出させていただいております。ここで(3)ですが、へき地以外の自治体616のうち、23.4%に当たる144自治体が人材派遣を活用しているという状況です。続きまして5ページです。市町村における直接雇用の採用ルートを調査したものです。上から2番目のナースセンターを使ったもの、自治体のホームページでの募集のほか、下の※にありますが、過去に協力を得た看護師さんへの声掛け等による採用が行われているという状況です。6ページです。左側に初回の場合に看護師派遣はどうだったか、3回目の場合はどうだったかということで、累計別に整理していますが、上から2段目を御覧ください。初回は労働者派遣を活用したが、3回目接種では活用していない自治体というのが63あります。その理由としては右を御覧いただければと思いますが、中ほどで、直接雇用などの方法で看護師の確保を図った自治体が29あるほか、集団接種会場の数を減らして活用しなかったというのが理由として挙げられております。一方で上から3段目ですが、初回には労働者派遣を活用していないが3回目接種の際には活用した自治体が38自治体あります。これについて右の、その活用状況が異なる理由ですが、直接雇用などほかの方法での看護師の確保が困難だったという理由が多く挙げられているという状況にあります。7ページですが、看護師派遣を活用した233の自治体に対しまして、看護師からトラブル等についての相談の有無を確認した結果です。15の自治体から何らかの相談を受けたことがあると回答がありまして、具体的には経験のある看護師と同じシフトにしてほしいというものや、勤務時間の増減、ワクチンの管理についての指示に関する相談というのが挙がっているという状況ですが、いずれも労働者の権利が損なわれるようなトラブルは報告されていないものと考えております。先ほどは市町村の設置する集団接種会場での状況ですが、8ページ、9ページは、都道府県が設置する大規模接種会場での状況です。都道府県の約25%が、人材派遣を活用しているという状況です。10ページ目以降が今後のワクチン接種の状況です。10ページですが、現在、ファイザー社、モデルナ社によりまして、オミクロン株対応ワクチンが開発されている状況です。ここに2価と1価というのがありますが、2価というのは武漢株・オミクロン株の2種類の成分を含んだワクチンで、1種類のものを1価というように書いております。そして、このオミクロン株対応ワクチンについて、その従来の武漢株対応のワクチンと比較してどうかということで、1点目がオミクロン株に対応した成分が含まれているので、従来の武漢株に対応したワクチンを上回る効果が期待されるということ。2点目は、オミクロン株と武漢株、両方の成分を含んでいるので、そこから得られる多様な免疫反応によりまして、今後の変異株に対しても有効である可能性が高いといったようなことが分科会でも確認されているということです。11ページは、このオミクロン株対応ワクチンについて、8月8日の厚生科学審議会におきまして、初回接種というのは1、2回目の接種のことですが、初回接種を完了した全ての方、約1億人に接種することを想定して準備すること、接種開始時期は10月半ばになることが確認され、さらに先週の9月8日金曜日ですが、同審議会におきまして、9月半ば過ぎから前倒しで、そのワクチンが配送されるという状況を踏まえ、重症化リスクが高いなどの理由で今、4回目接種を行っているのですが、その4回目接種の対象者から、新しいワクチンの接種を開始すること、4回目接種について一定の完了が見込まれた自治体においては、そのほかの初回接種完了者の接種に移行すること、初回接種を完了したほかの全ての方への接種については、引き続き10月半ばをめどとして準備をすることが確認されました。今後、薬事承認されることが前提となりますが、速やかに接種開始できるよう、この方向性に沿って、行政部内で準備を進めているところです。矢印の先にありますが、自治体の皆様に対しても事務連絡を発出したり、それから昨日ですが、自治体の担当者の方々への説明会を開催しまして、準備を進めるようお願いしている状況になります。12ページ、自治体における体制整備につきましては、13ページにもありますとおり、看護師派遣については、あくまで特例であり、期間限定の9月30日で終了するということを前提に、複数回にわたって直接雇用など、その看護師派遣を活用しない体制の構築を求めてきたところです。実際に、看護師派遣に頼らない体制を構築した自治体も聞いておりますので、引き続きこうした周知は行っていきたいと考えております。一方で、先ほど申し上げましたとおり、オミクロン株対応ワクチンの接種に向けて、約1億人に対応できる体制を構築する必要が出ております。この点について昨日、岸田総理から、年末年始に備えまして、1日約100万回を越えるペースの体制整備を進めるといった発言もありました。そしてまた、一般的に年末には感染の波が来る可能性もありますので、オミクロン株に対応した免疫を速やかに国民の皆様に獲得していただく必要があると考えておりまして、自治体においても集団接種会場を設置するなど、大規模な体制整備のために、看護師派遣に頼らざるを得ないといったような自治体も生じているという状況です。※にありますが、幾つかの自治体に当室でヒアリングを行いましたところ、看護師派遣に頼らない体制を構築した自治体がある一方で、この秋以降、その接種体制構築に当たって、看護師派遣に頼らざるを得ない自治体も存在しております。また、下から2番目の○ですが、9月1日付けで、全国知事会からも看護師派遣の特例の延長を求める提言が出されているところです。ワクチン接種担当部局としましては、引き続き、へき地以外における看護師派遣の特例について、お願いしたいと考えております。なお今、新型コロナワクチンというのは、特例臨時接種という形で行っていますが、その期間については、年度末まで延長するという方向で調整していることを申し述べます。以上です。
○草野対策官 続きまして、医政局看護職員確保対策官の草野と申します。よろしくお願いいたします。資料2に基づきまして、説明をいたします。本日の議論に先立ちまして、一昨日の9月5日、社会保障審議会医療部会におきまして、本件についての議論が行われましたので、医療部会における議論について御報告を申し上げます。なお、この資料2の内容は、資料1、資料3と重複する部分がありますので、要点に絞って御説明をいたします。1ページ目は現状、2ページ目も、今、健康局から説明があったとおりなので、省略をさせていただきます。3ページ目ですが、この対応方針(案)の記載に基づいて、一昨日の医療部会で御議論いただきました。ここにありますように、新型コロナワクチン接種会場の看護師確保のための選択肢の1つとして、コロナ禍の特例措置として、従事者(看護師、准看護師)、場所(新型コロナワクチン接種会場)、期間(現行は令和4年9月30日まで)という形で限定した上で可能とされています、へき地以外の新型コロナワクチン接種会場への看護師及び准看護師の労働者派遣について、オミクロン株対応ワクチンの接種に対応するため、延長後の特例臨時接種の期限、これは今年度末を想定して調整していますが、ここまで期間を延長してはどうか、この案で医療部会で御説明をいたしました。右下の点線にありますとおり、ワクチン接種業務の適切な実施を確保するための措置として、へき地以外のワクチン接種会場への派遣に当たりましても、引き続き、へき地と同様に、ワクチン接種方法等についての事前研修の実施を求めるという案で御説明をしました。下の今後の進め方にありますように、本件につきましては、労働政策審議会の御意見を聴く必要があるとなっておりますので、医療部会での検討の報告を行った上で、労働力需給制度部会、今日の部会において御議論いただく旨を、医療部会でお話し申し上げました。今、御説明しました資料を受けまして、医療部会で議論が行われたところですが、その概要について御説明いたします。医療部会では、3名の委員の方から御意見がありました。議事録作成中ですので、取り急ぎ、事務局の私どもの聴き取りに基づき、意見の概要を口頭にて御説明いたします。1点目ですが、今後、オミクロン株対応ワクチン接種が開始されるに当たり、看護師等の確保の選択肢が広がることは、各自治体が迅速な接種を進める上で非常に重要であり、全国知事会による要望を踏まえた対応に感謝する。2点目ですが、新型コロナ感染症の収束が見通せない中で、2回目となる特例措置の延長は、特例措置の延長の常態化につながりかねない点、また、この例外的な措置をきっかけとして、なし崩し的に派遣業務拡大へとつながりかねない点で危機感を抱いている。自治体に対しては、派遣に頼らない体制整備に向け、引き続き、しっかりと働き掛けをお願いしたい。あわせて、派遣された看護師等が接種に関わる業務以外の業務を行っていないかなど、チェック機能が十分に果たされるよう、監督指導の徹底をお願いしたい。3点目ですが、今回の接種は、現場感覚からすると、これまでの接種ほど殺到して逼迫することにはならないだろうと思われるが、ただ、短期間で接種を行うという上で、特例措置の延長を行っていただけるということは、自治体としてありがたい。この点について、現場として歓迎申し上げたい。一方、実際のところは、人材派遣会社からの労働者派遣という形ではなく、余裕のある医療機関から他の医療機関に対して、看護師が応援に入るという形で、看護師の確保を図りたいところであり、こうした観点からの検討を行ってほしい。このような御議論がありました。以上、御報告です。
○増田補佐 続きまして、職業安定局需給調整事業課から御説明申し上げます。資料3を御覧ください。先ほどの資料1と資料2の説明を踏まえた上での対応案をお示ししたものです。2ページ上段に、制度の現状についてまとめています。医療機関への看護師等の派遣につきましては、原則禁止となっておりますが、今般のワクチン接種と関係するものといたしまして、昨年4月から大きく2つの例外が認められております。1つは、へき地の医療機関に限って、看護師等の労働者派遣が可能となっております。これにより、へき地にあるワクチン接種会場については、看護師の労働者派遣が可能となっております。2つ目といたしましては、これに加えてへき地以外の地域のワクチン接種会場についても、全国知事会などからの要望を踏まえ、昨年4月から、予防接種法に基づき厚生労働大臣が指定する期間に限り、ワクチン接種会場の人員確保の選択肢の1つとして、看護師及び准看護師の労働者派遣を可能といたしました。この厚生労働大臣が指定する期間につきましては、当初、令和4年2月28日までとされておりましたが、新型コロナワクチンの3回目接種が行われることとなり、また、全国知事会からの引き続きの要望もあったことから、令和4年9月30日まで延長されております。今般、先ほどの説明にもありましたとおり、初回の接種を完了した全ての者、およそ1億人を対象に、オミクロン株対応ワクチンの接種が行われることとなりました。期間は、先ほどの御説明にもありましたとおり、令和4年度末までの方向で調整中とのことです。また、全国知事会からも、へき地以外の地域におけるワクチン接種会場への引き続きの看護師派遣に関する要望が出されております。そこで、以上を踏まえまして、へき地以外のワクチン接種会場への看護師等の労働者派遣が認められる期間を引き続き限定した上で、令和4年度末まで延長するというのが対応案です。なお、臨時のワクチン接種期間の期限は調整中ですが、今回は省令改正は不要ですので、現状を前提にこの資料は記載させていただいております。資料3の3ページ目以降は、重複する部分ですので、説明は省略いたします。続きまして、資料4を御覧ください。資料4は、令和3年度に施行された改正政令及び省令で可能とされた、看護師等の労働者派遣の適切な履行確保を図ることを目的とした指導監督の実施結果を御報告するものです。この中には、本日の議題のワクチン接種会場や臨時の医療施設への派遣のように、期間限定で可能としているものと、へき地への派遣、社会福祉施設等への日雇派遣のように期間限定でないものとがありますが、併せて御報告させていただきます。1ページは概要です。今回の指導監督等の対象事業所は、421の事業所です。令和3年6月1日現在の労働者派遣事業報告において、看護師、准看護師、日雇派遣労働者(看護業務)の実績などがある全ての派遣元事業所等を対象に、通知で定めている事項について適正に実施されているかを確認いたしました。なお、当部会における、前回のワクチン接種会場への看護師等の労働者派遣の延長に関する御議論の際に、把握対象をできるだけ広げてほしいという御意見がありましたことも踏まえ、指導監督の対象を前回の100弱から421に増やしたものです。2ページ目は、へき地を含むワクチン接種会場への看護師派遣に係る指導監督の状況をまとめたものです。へき地を含むワクチン接種会場へ看護職員を派遣していた82の事業所に対して指導監督を実施し、その結果、特段の指摘事項は確認されなかったとの報告を受けております。3ページ目は、へき地を含む臨時の医療施設への看護師派遣に係る指導監督の状況をまとめたものです。へき地を含む臨時の医療施設への看護職員を派遣していた4の事業所に対し、指導監督を実施しました。その結果、特段の指摘事項は確認されなかったとの報告を受けております。4ページ目は、ワクチン接種会場及び臨時の医療施設を除いたへき地への看護師派遣の指導監督の状況をお示ししたものです。20の事業所に対して指導監督を実施し、事前の研修の取扱いが適正にされていなかったものなどが確認されております。5ページ目は、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣の指導監督の状況をお示ししたものです。50の事業所に対し指導監督を実施し、日雇派遣看護師の知識・技術、又は経験について把握するとともに、派遣先となる社会福祉施設等のニーズに応じた教育訓練の実施等に努めていないものや、緊急時の対応について説明を受けていない、あるいは第三者に損害を与えた場合の責任の所在について、明確にしていないといった事案が確認されております。事務局から、本議題に対する資料の御説明は以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対する御質問等がございましたら挙手をお願いいたします。ズームで御参加の委員は、ズーム内の「手を挙げる」機能を使うか、画面で映るように挙手をお願いいたします。御質問等ございますでしょうか。佐久間委員、お願いします。
○佐久間委員 私からでよろしいでしょうか。
○山川部会長 どうぞ、お願いします。
○佐久間委員 御説明、ありがとうございました。全体としての感想、あるいは意見ですが、今回の看護師の派遣は例外的に認められてきたわけですが、看護師を集めるに当たって、今回の派遣の道筋が有効な方法として選択肢が広がるのであれば、今回の例外的な措置の延長は、よろしいのではないかと思います。ただ、やはり労働側の皆さん方、そして看護協会等の意見を十分留意しながら、引き続きお願いできればいいのかなと思います。また、資料の内容についての質問を3つほどお願いしたいと思います。資料1と3にも少々、絡むのですが、実際に選択肢として、例えば資料1の4ページで、全体の1,741自治体で(1)から(4)の4つの方策を全て採っている自治体がどれだけあるのか、もし分かれば教えていただきたい。また、派遣方式だけを採っている自治体は多分ないと思うのですが、これの有無について、教えていただきたい。それから、もう一点なのですが、資料1の5ページで看護師を直接雇用したと回答した1,030の自治体の採用ルートとあります。ここに記載されている数は直接雇用なので、実際に自治体のほうでも「正規の職員」として採用したのか、それとも「有期」で採用しているのか、分かる範囲でよいので教えていただきたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、事務局からお願いします。
○尾﨑企画官 御質問ありがとうございます。御質問の御趣旨は、4ページ目の(1)から(4)全てを1つの自治体で採っている所がどこか、それから、派遣だけしか選んでいない所はどこかということでよろしいでしょうか。
○佐久間委員 はい。
○尾﨑企画官 すみません、ちょっとそれについては今手元に持ち合わせがないので、後ほど確認したいと考えます。それから、2点目ですが、あくまでこれは直接雇用について、正規、有期にかかわらず、御回答いただいたものと認識しておりますので、正規か有期か別のお答えは特に把握していない状況です。
○山川部会長 佐久間委員、よろしいでしょうか。
○佐久間委員 ありがとうございます。実態として派遣ではなく正規職員で直接雇用していくのが望ましいと思うのですが、こういう事情での採用、雇用なので、ワクチンを接種する期間だけ有期で採用されるパターンもかなり多いとは思うのです。本当に推進していくのは「正規職員」の形が望ましいと思いますが、正規、無期・有期など、その辺を数値を出していくうえでも今後は留意をしていただければと思っています。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。田尻委員、お願いいたします。
○田尻委員 ありがとうございます。私から意見を1点申し上げさせていただきます。現在流行しているオミクロン株に対応したワクチン予防接種体制の整備を目的に、これまでの看護師派遣の措置を延長することはやむを得ないと考えています。しかし、一方でこれまで過去3回のワクチン接種において集団接種会場に多くの看護師が、時給が高いということでかなり確保されたために、介護施設などで通常業務を行う看護師の確保がこれまで以上に困難であったという声を多く聞いております。感染予防と社会経済活動の両立のためにワクチン接種は重要であって、優先すべきことは理解しておりますが、デルタ株と比べて重症化率が低いとされているオミクロン株の特性であったり、3回目の接種率が減少していることを見ると、今回の4回目の接種に対する国民のニーズはこれまでと異なることが予想されます。迅速な接種体制整備が求められているので、難しいとは思うのですが、可能な限り自治体や会場での接種希望者の人数を事前に把握した上で、過剰な看護師の確保は行わないでいただきたいとお願いしたいと思っております。以上でございます。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御意見等ございますでしょうか。冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 私からは2点意見を申し上げたいと思います。社会保障審議会の医療部会でも同様の発言があったようですが、ワクチン接種会場への派遣に係る今回の特例措置の期間延長についてです。現下の感染状況を考えるとコロナ感染症の終息は不透明な状況だと思いますが、特例延長は今回が2回目であり、前回の延長の際も申し上げました通り、特例の延長が常態化すること、またなし崩し的に派遣対象業務が拡大していくことに対して懸念がございます。看護師の労働者派遣につきましては、これまでも申し上げておりますが、チーム医療の確保の重要性等の理由によって、本来は禁止されていると認識しております。医療政策として、直接雇用により人材確保を図るべきということは改めて申し上げたいと思いますし、安易な派遣の拡大については認められないことも併せて申し上げておきます。一方、今回約1億人を対象に迅速にワクチン接種を行うことが求められていること、また知事会からの要望も踏まえれば、あくまでワクチン接種に限定し、期間を区切った特例であることを前提として、やむを得ないと考えております。資料1で先ほど御説明いただきましたけれども、9月末の特例終了に当たって、自治体に対して直接雇用等を活用した体制構築を求めてきていただいたとありました。今回の特例延長の如何にかかわらず、自治体に対しては、引き続き派遣に頼らない体制整備に向けてしっかりと働き掛けを行っていただきたいと思います。2点目は、資料4の指導監督の実施結果に関してです。ワクチン接種会場等を除くへき地、社会福祉施設等への派遣については、複数県に対して指導が行われたと説明がありました。引き続き適正な運用がなされるよう、適切な監督指導を是非実施していただきたいと思いますし、派遣される看護師等に対しては、事前の研修も含めて、しっかり必要な措置を取っていただくよう、お願い申し上げます。以上でございます。
○山川部会長 ありがとうございました。平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。意見と質問です。まず、意見から申し上げます。知事会からの要望もあり、また医療部会での議論の結果、医療政策上問題ないという判断だと理解しており、特例の延長は妥当と考えます。これまでも申し上げてきました通り、時代の変化や要請に対応し、派遣先のニーズを制度に適切に反映させていくことは重要です。労働者派遣制度において医療関係業務が禁止業務であることを十分に意識しつつ、今後も特例のあり方について必要に応じ医療部会等で議論していくことが望ましいと考えます。その上で質問です。資料2の1ページの説明が省略されてしまいましたが、医療関係業務が労働者派遣事業を行うことができないとされている理由について、改めて医政局に御説明を頂きたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。それでは、御質問がございましたので、医政局からいかがでしょうか。
○草野対策官 医政局です。そもそも看護師について、原則として、労働者派遣が禁止されている理由につきましては、看護師等の医療従事者について労働者派遣事業を行うことは、医療提供を行うチームの構成員同士の能力把握や意思疎通が十分になされず、その結果、患者に提供される医療に支障が生じかねないおそれがあるため、チーム医療の確保等の観点から、労働者派遣事業を行うことが禁止されているものと承知しております。
○山川部会長 ありがとうございます。平田委員、何かございますか。よろしいでしょうか。ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。それでは、ございませんようでしたので、種々御意見を頂きまして、それら御意見は受け止めさせていただくとした上で、この今回のワクチン接種会場への看護師派遣の期限に関する点につきましては、資料3にありますような対応案のとおりとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、本日予定されておりました議題はここまででございます。委員の皆様から特段何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、事務局から連絡事項等ありますか。
○笠松補佐 事務局でございます。次回の部会の日程につきましては、追って事務局から御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○山川部会長 それでは、以上をもちまして第348回労働力需給制度部会を終了いたします。皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。