2022年8月31日 第12回政策評価に関する有識者会議 労働・子育てWG 議事録

日時

令和4年8月31日(水)10:00~12:00

場所

オンライン開催

出席者

玄田座長、岩佐委員、新田委員、松浦委員、皆川委員、村上委員

議事

 
○肥沼室長補佐
それでは、皆様がそろいましたので、ただいまから「第12回政策評価に関する有識者会議労働・子育てWG」を開催いたします。政策評価を担当しております肥沼です。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、オンラインでの会議開催に御協力いただきまして御礼申し上げます。今回はオンラインでの開催となりましたので、御不便をおかけする点もあるかと思いますが、会議途中で不都合等が生じた場合には、チャット機能又はお電話にて事務局まで御連絡いただきますよう、お願いいたします。
本日の会議では、事前に委員の皆様にお送りした会議資料をもとに議事を進めさせていただきます。会議中は御自身が御発言される場合以外は、マイクをオフにして音声をミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。
御発言の希望がある場合には、WEBEXの「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認した後、発言者を座長が指名しますので、座長から指名を受けましたらミュートを解除し、御発言ください。発言に合わせて御自身の映像を表示される場合には、「ビデオ開始」をクリックしていただければ、皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。御発言が終わりましたら、またマイクをミュートにし、ビデオも停止していただきますようお願いします。
それでは、本日の議事進行につきましては、座長の玄田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
改めて、おはようございます。玄田です。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、議事次第にありますとおり、5つのテーマの実績評価書案について委員の皆様に御議論いただきたいと考えています。それでは、配付資料及び本日の議事の進め方につきまして、事務局より御説明をお願いします。
 
○肥沼室長補佐
それでは議事の進め方について御説明します。お手元の議事次第を御覧ください。本日は議事にあります1~5の順番でテーマごとに担当課の入替えを行い、御議論をいただきます。テーマによって多少時間が異なりますが、担当課より5分程度で説明を行い、その後15分程度で御議論いただく形で考えています。御議論いただく実績評価書(案)及び概要について、御確認いただく上でのポイントを幾つか簡単に、資料1-2の概要の1~3ページに記載しています。
簡単に口頭で御説明しますと、目標未達となった場合に、その要因が記載されていますかという点。また、その要因を踏まえて、今後の改善点が明確になっているかという点。また、過年度の実績値の推移等から既に役割を終えたと判断される指標がありますかという点。また、主要な指標が適切に選定されているか、また現状を説明するための参考指標が必要十分かどうかという点。こういった点について御議論をいただければと思います。事務局からは以上です。
 
○玄田座長
それでは早速、1つ目のテーマに入らせていただきます。最初は施策番号Ⅲ-1-1、「労働条件の確保・改善を図ること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いします。
 
○労働基準局監督課長
おはようございます。労働基準局監督課長の竹野と申します。施策目標Ⅲ-1-1にかかる令和3年度の実績評価書について御説明します。資料1-2、概要資料の4ページをお願いします。
基本目標Ⅲ:働く人が安心して安全で快適に働くことができる環境を整備すること、施策大目標1と施策目標は、労働条件の確保・改善を図ることとされています。課題1と達成目標1を左側に、課題2と達成目標2を右側に記載しています。まず1について、監督課から御説明いたします。2については、後ほど賃金課から御説明したいと思います。
まず、課題1の背景の部分ですけれども、全ての人が安心して安全で快適に働くことができるよう、法定労働条件の確保が必要ということですが、遵守されていない実態が見られるということです。
こうした中で、平成30年の働き方改革関連法で時間外労働の上限規制が設けられ、大企業には平成31年4月から、中小企業には令和2年4月から適用されており、その定着を図る必要があると考えています。その上で、令和5年4月からは、中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が引き上げられ、令和6年4月からは、現在は時間外労働の上限規制が適用猶予にされている自動車運転者や医師などについて、上限規制が適用されるということで、遵守に向けた取組が一層求められます。
課題としましては、先ほど申し上げましたとおり、遵守が求められる中で、労働条件が適正に確保されていない労働者が存在するということで、達成目標としては、労働基準関係法令等に関する相談対応・指導を行い、労働条件の確保を図るとしています。測定指標として、指標1~6まで掲げています。そのうち主要な指標として、36協定の届出件数を定めています。
5ページをお願いします。主要な指標について御説明します。指標1については、目標達成率が74%で未達成ということです。この未達成の理由については、「施策の分析」の欄の1ポツ目に記載していますが、新型コロナウイルス感染症の影響で企業活動や監督署の活動にも影響があったこと、それから令和元年度、令和2年度の届出件数が増加しており、その反動で、令和3年度は届出件数が減少したものと考えています。
令和元年度については、先ほど申しましたとおり大企業における時間外労働の上限規制の適用、それから令和2年度においては中小企業における上限規制の適用ということがありましたので、その影響で届出件数が増加したのではないかと考えています。
一方で、過去5年の平均では目標値を超えており、増加傾向にあるということですので、事業場に36協定の届出を求める取組は有効に機能していると考えております。トータルで見ますと、他の指標については、目標達成又はおおむね達成ということですので、目標達成度合いの測定結果としては、進展が大きくないということですけれども、総合判定は「B」ということで、「達成に向けて進展あり」ということを記載しております。監督課からは以上です。
 
○労働基準局賃金課長
続きまして、労働基準局賃金課の岡から、最低賃金の周知について御説明します。最低賃金法を遵守していただくためには、制度や適用される額について知っていただく必要がありますので、制度や額について周知に取り組んでいくことが必要だと考えています。
それでは、資料4ページに戻ってください。測定指標については、4ページの下の指標8及び指標9です。指標8は、最賃額の周知ポスターの認知率、指標9は市町村広報誌への最賃制度の掲載割合となっています。また、参考指標としては、その左側に3つの参考指標を定めています。
次の5ページを御覧いただきたいと思います。指標8、指標9の達成状況です。まず、指標8は目標達成率が87%ということで、これは目標22%に対して実績が19.1%ということです。それで、目標を下回った理由については、次の6ページの分析のところにありますけれども、いろいろな要因が考えられます。1つには、昨年は緊急事態宣言等がありまして、ポスターを駅などに掲示していましても、なかなか御覧いただけなかったということも要因の1つかと考えています。
それから、指標9につきましては、目標90%に対して実績が89.7%、目標達成率は99.7%ということで、若干足りなかったのですけれども、ほぼ達成に近かったのかなと。特に、その前の年が81%ということだったので、そこは大きく改善したのかなと考えています。
6ページの下のほうですが、次期目標への反映の方向性ということで、今回、外出機会の減少によって、なかなかポスターを見ていただけなかったということもありますので、今後はインターネット広告の活用なども積極的にやっていきたいと考えています。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。約1分オーバーでした。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見などありましたら、どなたからでも結構です。よろしくお願いします。新田委員、どうぞ。
○新田委員
御説明いただきましてありがとうございました。私からは最低賃金の部分について御意見を申し上げたいと思います。今し方、岡課長から御説明のあった内容のうち、気になっている点があります。それは指標の部分で、最低賃金額の周知ポスターの認知率、これを主要な指標として掲げて、なおかつ、市町村広報誌への掲載割合というのも指標ということで掲げておられますが、私は中央最低賃金審議会の委員も務めていますが、その場で、以前に三菱UFJコンサルティングに発注していた調査の中で、最低賃金額をどのように知ったのかという経緯のアンケート結果があったと承知しています。その中では、例えば最低賃金に関するポスターを見て知ったとか、自治体の広報誌で知ったというのは1割ぐらいしかなくて、テレビで知ったとか、他の媒体が非常に高くなっています。
先ほど、インターネットを通じても、今後は力をいれるとおっしゃっていましたが、その点は是非、今後続けていただくとして、ポスターの認知率や広報誌への掲載割合を主要な指標として続けることは、そもそもこの経緯で知った方は非常に少ないということからすると、適切ではないのではないかと考えます。
一方で、参考の指標として最低賃金の未満率というのが掲げられていますが、未満率がしばらく同じような率で推移しているのは承知していますが、この率を下げていくことを非常に重視する必要があるのではないかと考えています。
参考指標には影響率も入っているのですが、影響率を、この場合の指標として見るのは、果たしてどうなのかについても、是非御検討いただければと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。あと御質問を頂いて、まとめてお答えいただくということでよろしいですか。
 
○新田委員
はい。
 
○玄田座長
では村上委員、お願いします。
 
○村上委員
ありがとうございます。村上です。3点ほどあるのですが、1つは今、新田委員からもありました達成目標について、最低賃金についてです。指標9で、今ほど市町村広報誌への掲載割合については適当ではないのではないかという御意見もあったのですが、様々なツール、媒体があって認知を広げていくということは重要だと思っており、私としては最低賃金の周知については、地方公共団体との連携は重要ですので、この指標設定は妥当であると思っています。引き続き取り組んでいただきたいと思っていますし、また目標値は、より高い数字を掲げていただきたいと思っています。
2点目は、達成目標1です。1つ目が指標1の36協定の届出件数ですが、こちらについては様々な議論があるということですけれども、36協定の届出件数を主要な目標とすることについては、以前、36協定など知らないといった発言が中小企業の皆さんから多く出されていたことなどを考えますと、引き続きこのことを掲げていくことは意味があるのではないかと考えています。
ただ、それだけでは質的なもの、改善が進んでいるのかどうかが分からないので、例えば指標7の定期監督等の実施状況について、違反率を捉えそれを改善させていくことも指標として掲げてもよいのではないかと思います。
また、指標6の週60時間以上の雇用者の割合です。こちらについて最近の実績値を踏まえると減少幅が鈍化しているので、本当にこれで令和7年度に5%を達成することができるのかということは、非常に難しいと想定されます。資料1-2の5ページの「施策の分析」では、業種等の属性を分析していただく、つまり長時間労働の割合の高い業種と、そうではない業種もありますので、そういったところを明確にして、特に高い部分をどのようにして抑えていくのかを重点に掲げていくことも必要ではないかと考えております。以上です。
 
○玄田座長
それでは、ここまでのところで、お答えいただけますでしょうか。どちらからでも。
 
○労働基準局賃金課長
まず、新田委員からの最賃のポスターの認知度、それから広報誌への掲載割合ではなくて、最賃の未満率を目標にしてはどうかという御意見を頂きました。ありがとうございます。それで御存知のとおり、最賃は減額特例もあるので未満率に該当するところが全て法違反というわけではないのですけれども、ただ、もちろん違反しているところもあろうかと思いますので、御意見を踏まえて検討させていただきたいと思っています。
それから、村上委員から広報誌の掲載は、自治体との連携という意味でも非常に重要で、是非目標値を上げてほしいという御意見をいただきまして、ありがとうございます。こちらについても、確かに予算を掛けずにできるというメリットもありますので、目標値を高くすることについて検討したいと考えております。以上です。
 
○労働基準局監督課長
続きまして、監督課です。村上委員から御指摘を2点いただきまして、ありがとうございます。まず1つ目について、測定指標として定期監督等の実施状況を掲げてはどうかということです。これは目標設定をするときに、内部で検討をしましたが、定期監督等の実施状況は、経済情勢等によって件数が左右されるという側面があります。実際に令和2年度は新型コロナウイルスの影響があり、監督件数がちょっと落ちています。そうしたことから、36協定の届出件数を指標として掲げていますが、両面が重要でありますので、取組は引き続きしっかり行っていきたいと考えています。
それから、週60時間超の減少幅を見てはどうか、業種別に見ていってはどうかという御指摘がありました。これについては、適用猶予業種に対する時間外労働の上限規制の施行が目前に控えていますので、そのための準備を進めています。医師については、内容を固めて周知を図っています。自動車については、例えばトラックに係る改善基準告示について見直しを検討している最中です。こうした業界ごとに対する周知等も引き続きしっかり行っていきたいと考えています。以上です。
 
○玄田座長
村上委員、新田委員、よろしいでしょうか。では、その他の委員の皆様から御質問、御意見などありますか。いかがでしょうか。岩佐委員、どうぞ。
 
○岩佐委員
ほぼ内容が重なるのですけれども、それぞれ一言ずつ。達成目標1及び課題1に関して、労働条件の確保を図るということですけれども、恐らく主に、労働時間に関して法令を守る、残業時間を減らすというところに焦点が当たっていると思います。そうだとすれば、基本的には、結果の検討というのは長時間労働が減っているのかとか、労基法違反の長時間労働がないのかとか、そこが1つの争点になると思います。ですので、どちらかと言うと今回挙げていただいている指標の中では、指標6が基本的な指標になり、36協定が出ているのか出ていないのかとか、きちんと守られているのかというのは非常に重要だと思うのですけれども、そういう流れの中の1つの手段に過ぎない。そのため、目標との関係で指標の優先順位を御検討いただけると有り難いです。今まで出た質問と同じ趣旨になりますけれど。
それから、最低賃金の関係も、やはり最低賃金を守っていないところがどれぐらいあって、それをどのように撲滅していくのか、もしくは最低賃金だけでなくて、賃金の低いところを、どう賃金を上げていくのかが目標になるのだろうと思います。そうだとすると、そこがどのように動いているのかが検討課題になり、周知されているかどうかは、これも重要だとは思うのですが、そのこと自体が優先的な指標にはならないのではないかということです。
同様に、指標5で、外国人労働者、特に脆弱な状態にある労働者に焦点を当てて、相談件数をチェックしていると思いますが、これも相談件数がどうかというのは参考になる重要な指標ですけれども、結局そのような脆弱な状態にある労働者に、どれぐらい労働時間や、ほかの点についても違反行為があって、それが減っていっているのか、どうなっているのかについてが基本的な発想になると思いました。以上、意見です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。その他に松浦委員、皆川委員、いかがですか。では皆川委員、どうぞ。
 
○皆川委員
御説明ありがとうございました。私からは意見になりますが、これまで委員からお話があったところと基本的に重なりますが。36協定の届出件数については、村上委員から御指摘があったように、指標としては意義あるものだと思いますが、その他の意見について特に、長時間労働が疑われる場合に是正された結果ですとか、監督指導の結果、そのような違法状態が除去されたとか、そういう法違反が認められる件数が経年的に減少していくのかどうか、そういった辺りの指標を今後、併せて御検討いただければと思います。
達成目標1の指標2、3は非常に目標を達成していて、高いところに張り付いているような状況で、これまでの議論だと「殿堂入り」の可能性が高い指標かと思いますので、御検討いただければと思います。私からは以上です。ありがとうございました。
 
○玄田座長
それでは松浦委員、どうぞ。
 
○松浦委員
ありがとうございます。既に御指摘いただいた点は割愛して、1つだけ御質問したいのですけれども、概要の資料の中のスライドの4ページのところです。労働基準関係法令等に関する相談対応・指導による法定労働条件の履行確保について、ポツが3つぐらいあって、その最初のポツですが、「労働基準関係法令が遵守されていない実態が見られる」というところで、令和3年度は8万3,212事業場が違反と書いてあるのですけれども、この8万3,212というのはどうやって出しているのですか。
 
○労働基準局監督課長
今、松浦委員から御指摘いただいた、8万3,212件をどうやってカウントしているかということですけれども、これについては監督指導の結果をまとめて集計しているということです。
 
○松浦委員
分かりました。相談件数とか届出件数という指標も大事だと思うのですけれども、他の要素、改善しているかどうかという以外の要素が結構影響してくると思うので、本当は労働関係法令に違反しているかどうかの数字が出ると一番いいと思いました。
 
○玄田座長
よろしいですか。それでは御質問、御意見などありましたので、お答えできる範囲でよろしくお願いします。
 
○労働基準局監督課長
監督課でございます。先ほどの話と重複しますが、岩佐委員、それから皆川委員から違反件数、その是正の状況について目標として掲げてはどうかとの御指摘がありました。
これは先ほども申し上げたとおり、定期監督等の件数が経済情勢等によって左右されることと、監督指導を行う際には、当然ながら違反が疑われるところに重点的に行くということもあり、そうした中で令和3年度では8万3,212という数が出てきております。なかなか目標設定がやりにくいところかと思っていますけれども、今後も引き続き検討課題とさせていただきたいと思います。
それから週労働時間40時間以上の雇用者のうち、60時間以上の雇用者の割合を指標にしている点につきましては、目標に向け引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。以上です。
 
○労働基準局賃金課長
賃金課からですけれども、先ほど岩佐委員からの御意見について、最賃の監督件数の関係は監督課の説明のとおりなのですが、新田委員から、未満率を指標にしてはどうかという御意見がありましたので、そちらについては検討したいと思います。以上です。
 
○玄田座長
では私からも、若干重複になりますが、まず書き方の問題で、この資料1-2の4ページ目の課題2と、達成目標2の書き方が、全く同じ内容が繰り返されているというのは、多分、課題と達成目標に何を書けばいいのかという認識が十分取れていないのではないかと思います。課題には、何を問題意識として持っているかということを記載し、達成目標には、そのために具体的に何をするかということを記載いただかないと、意味がありません。
以前にも、こういうケースが散見されたような印象もありますので、事務局でも何を書くべきかや、こういう書き方は余りよくないというのは、これまでも指摘されているのです。先ほど皆川委員からあったような主観的な評価で、ほぼ達成しているものは、我々は「殿堂入り」という言い方をしているのですけれども、そういうものは新しい目標に切り替えてはどうかというように、これまでも課題として指摘されたことは、事務局としてまとめて、御説明者に情報提供することを御検討いただければと思います。山田さん、何かありますか。
 
○山田参事官
今の御意見を受けて、省内で情報共有するといったことも含めまして、改善に引き続き努めていきたいと思います。
 
○玄田座長
よろしくお願いします。あとは、先ほどの指標6もそうですし、松浦委員からあった事業場の違反数もそうですが、やはり評価のときに数字が大事になってくるのですけれども、その数字の出所、どこから得られたデータかというのはきちんと書いておかないと、特に労働時間は把握が非常に難しいので、事業場調査なのか世帯調査なのかで、だいぶ違いますし、これも事務局も含めて、数字の出所、どこから来ているかを極力明確に書くようにしていただければと思います。
その他は、皆さんから御指摘があったことです。特に、指標1に関しては、村上委員の前の石田委員のときから同様の指摘はずっと再三繰り返されていますので、長期的な課題ということで御認識いただければと思います。
また当初、新田委員がおっしゃったように、ポスターだけではなくてテレビは皆が見るので、こういうことができるかどうか分かりませんけれども、総務省と連携して、10月の第1週のニュースから、ローカルニュースか何かで、この県の最低賃金は幾らになりましたということを報道すると大分違うのではないかと思うので、そういう連携ができるかどうかということも是非御検討いただければと思います。
肥沼さんから、何かありますか。
 
○肥沼室長補佐
事務局に向けて玄田先生から幾つか御指摘を受けました。おっしゃるとおり、概要の課題の部分と達成目標の部分のブレイクダウンが、なかなかできていないというのは、第5期からこのような取組を始めましたので、これまでこういったような取組を原課に求めていなかったという部分もありますので、事務局側のサポートが十分ではなかったと反省しています。
今後、また新しい施策が出てくるたびに、この概要を作りますので、同じような議論が繰り返されないように、局内で展開いただけるような、どういう点を特に指摘されやすいとか、どういう点だとbadになってしまうのかというのが、幹部の皆様や、実際に作業される職員の方々に分かるような形で、我々からもお伝えしなければいけないと考えています。
また、数字の出所についても非常に重要な御指摘ですので、今も記載要領がありますが、今後はそこに明記するとともに、明記するだけではなくて、きちんと事務局でも確認して、記載されていない場合には記載された資料を会議に提出するということを徹底したいと思います。
また、複数の先生方から定期監督の状況等について、是正の件数、割合という点について御指摘いただきました。監督課からは目標設定は難しいという御説明がありました。そういうものについては、他の施策でも多くありますので、例えば参考指標という形で目標を設定しない指標の設定もあります。また、現状だけを書く、現状の数だけ書くというやり方もありますので、今回の指摘を踏まえて、今後担当課と相談していきたいと考えています。事務局からは以上です。
 
○玄田座長
それでは、他に御意見など、よろしいでしょうか。では、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて実績評価書への反映をお願いします。ありがとうございました。それでは、次のテーマに移りたいと思いますので御準備をお願いします。
 
(担当課 入替)
 
○玄田座長
では、続きまして施策番号Ⅲ-1-2、「最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援をすること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いします。
 
○労働基準局賃金課長
それでは、引き続き賃金課から御説明いたします。まず、資料2-2の「概要」の4ページを御覧ください。まず、最低賃金に関する状況ということで、いわゆる骨太方針の中でも、最低賃金の引上げの環境整備を一層進めるために、中小企業へのきめ細やかな支援や取引適正化等に取り組みつつ、全国加重平均1,000円以上をできるだけ早く目指すとされています。こうした中で、いろいろと取組をしてきました。この資料では令和3年度の数字しか書いていませんが、令和3年度は、最賃が28円引上げで930円となりました。また、本年度は、加重平均で31円の引上げで961円ということで、近年は大幅に上昇していることになります。
それで、課題と達成です。まず、課題としては、ここにあるように中小企業・小規模事業者の生産性向上のための支援に取り組むことで、達成目標としては、生産性向上のための支援策の実施ということで、先ほど御指摘がありましたけれども、同じようなことを書いていて重複感があるのですが、いずれにしても、中小企業の生産性向上への支援に取り組んでおります。
それで、指標については、4ページの下のほうにあります。指標1が、業務改善助成金の支給決定件数で、指標2としては、指標1の内訳で業種別の支給決定件数、それから指標3としては、助成金の支給を受けた事業場において、最低時間給以外の労働者について賃上げを行った割合という3つを指標としています。また、参考指標としては4ページの下の右のほうにありますが、この3つを指標としております。
5ページ目、個別の指標の達成状況です。まず、指標1、それから指標2についてですが、目標達成率を非常に大きく上回っています。一方で、指標3につきましては、目標達成率が83.9%で、令和3年度については集計中ですが、令和2年度までの実績では80%以上となっています。以上の3指標から、総合判定を「B」とさせていただきました。
次期目標等への反映の方向性としては、5ページの下のほうにあります。指標1及び指標2については、目標は達成しているわけですが、予算額の状況を見ながら適切に目標を設定していきたいと考えています。それから、指標3につきましては、これまで、指標をとる際に、対象とする労働者の賃金額の範囲について、年度によって範囲が異なっていたため、過去の指標を参考に、一定の目標値を立てて、経年でモニタリングをすることになじまないものになっておりました。その一方で、賃上げの波及効果を把握することは重要ですので、次期以降は、例えば、助成対象の事業場において、時間給1,000円未満の労働者のうち、賃金の引上げが行われた労働者の割合とするなど、より適切な指標を検討していきたいと考えています。簡単でございますが、以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。お時間を厳守していただき、助かりました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見など、お願いいたします。新田委員、どうぞ。
 
○新田委員
経団連の新田です。御説明ありがとうございました。ただいまの説明に関連して、私からは、特に指標1の業務改善助成金の支給決定件数に関して意見を申し上げたいと思います。生産性向上に係る審査は様々あるわけですが、最賃との関係で業務改善助成金を取り上げたことは十分理解しております。ただ、ここでは支給決定件数のみが提示されておりますが、今年の目安小委員会の際にも、使用者側から資料請求させていただいたように、単に実績の支給決定額とか、支給決定件数だけではなくて金額とか、そもそも応募申請件数がどれぐらいあったのかという点についても、併せて、指標として是非御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。私からは以上です。
 
○玄田座長
では、村上委員の御質問を頂いた上で、お答えいただきます。村上委員、どうぞ。
 
○村上委員
ありがとうございます。今、新田委員が御指摘されたのと同じところなのですが、業務改善助成金の支給決定件数について、これだけ多くの件数があったこと自体、また、執行率も高まっていることについては、評価をしたいと思います。今、御指摘もありましたが、達成率が429%とか、業種別で見ると、支給件数が1,077%と、極めて大きな数字もあったりすることや、支給件数が予算額に左右されることにも鑑みますと、引き続き支給件数だけを指標とすることが適当なのかについては、少し考えたほうがよいのではないかと思いました。施策目標の執行率を指標とすることもあり得るのではないかと思います。新田委員の御指摘もありますが、それも併せて御検討いただければと思います。
 
○玄田座長
それでは、今のお二人の御質問、御意見に対して、御回答をよろしくお願いいたします。
 
○労働基準局監督課長
新田委員、村上委員、御指摘ありがとうございます。今回、非常に大きく上回っているのは、昨年度、要件を緩和したことと、それから使用者団体、労働組合団体から周知していただいたことも非常に大きかったと考えています。その上で、先ほど支給決定件数だけではなくて、例えば金額、申請件数、あるいは執行率などを指標にしてはどうかという御意見を頂きましたので、どの指標が適当かということも含めて、是非検討したいと考えています。以上でございます。
 
○玄田座長
他に御意見はいかがですか。皆川委員、先にどうぞ。
 
○皆川委員
ありがとうございます。まず意見として、既にお二人の委員からの御指摘があったところは、私も同意見です。あと、今回、指標を立てていただいたところ、指標2のように、業種別に、最低賃金の影響を受ける労働者が多い業種について、細かく指標を立てていただいたことは大変適切だと思いますので、今後も続けていただければと考えております。
次に、指標3ですが、5ページの「次期目標等への反映の方向性」のところで、今後は時間給1,000円未満の労働者のうち、賃金引上げが行われた労働者の割合とするなど、より適切な指標をというお考えということですが、確かに、今のところ、時間給というか、基本給が低い所の改善の割合というところにフォーカスするのは適切だと思いますので、この方向でお考えいただければと私も考えました。
最後に1点、質問なのですが、指標3は、要するに、最低時間給以外の労働者について引上げを行った割合ですから、基本的にここは法令の最低基準を上回っているので、労使自治に委ねられる部分だと思います。この部分を改善するために、政策的に後押しするというか、基本的には労使自治でやるところについて、促すような方策は何かありますかというところを、1点お伺いできればと考えています。以上です。
 
○玄田座長
松浦委員、この件で何か御質問はありますか。大丈夫ですか。では、お願いします。
 
○労働基準局賃金課長
皆川先生、ありがとうございます。まず、最初の2点については、この方向で進めてほしいという御指摘を頂きました。先ほど、新田委員と村上委員の御指摘もありましたので、新たな指標は検討しつつ、方向性として、業種別に細かく見るとか、あるいは低い所にフォーカスすることは今後も続けていきたいと考えています。それから、労使自治の部分を後押しするような施策があるかということで、正にそこが厚労省としても悩ましいところです。最低賃金は、ボトムアップというか、一番下のところで、それ以外の、もう少し上の層の賃上げ策がなかなかなくて、厚労省としても、今後、どういうことをやっていくかは非常に課題だと考えておりますので、そちらも引き続き検討していきたいと考えています。お答えになっていないかもしれませんが、失礼いたします。
 
○皆川委員
ありがとうございました。明確に、こういうことをというのは、確かに難しいと思います。ただ、実績値といいますか、達成度ですね。最賃を上回っているところの改善度という指標が出ること自体、有意義だと思いますので、この指標を続けていただければと思います。以上です。ありがとうございました。
 
○玄田座長
御説明にあった企業の1,000円未満のところで、どのぐらい改善があったかというのは非常に分かりやすい目標だと思います。恐らく今の政府全体の取組にも合致するので、今の御説明にもあった1,000円という基準は、経年的な変化を見る上でもかなり有効な指標であると私は感じたので、引き続き御検討をお願いできますか。
 
○労働基準局賃金課長
承知いたしました。
 
○玄田座長
ありがとうございました。他に御意見はよろしいですか。それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いいたします。ありがとうございました。
 
○労働基準局賃金課長
ありがとうございました。
 
○玄田座長
それでは、次のテーマに移りたいと思いますので、御準備をお願いいたします。
 
(担当課 入替)
 
○玄田座長
続きまして、施策番号Ⅲ-2-1「労働者が安全で健康に働くことができる職場づくりを推進すること」について、担当課から、5分若しくはプラス2、3分で御説明をお願いいたします。
 
○労働基準局安全衛生部計画課長
ただいま御紹介いただきました労働基準局安全衛生部計画課長の松下と申します。資料に基づいて説明いたします。資料3-1と資料3-2がございますが、資料3-2の概要を使って説明いたします。
スライドの4ページ目を御覧ください。上の赤字ですが、施策目標1として、労働者が安全で健康に働くことができる職場づくりを推進することを目標として立てています。この部分については、労働安全衛生法に基づき、労働災害防止のための対策を推進するということとしており、職場における労働者の安全と健康を確保することが施策の基本ということになっています。このため、法に基づいて労働災害防止計画を策定し、国と事業者、労働者といった関係者が一緒になって、安全衛生対策に取り組もうということでやってきております。
早速、達成目標及び測定指標の内容について簡単に御説明いたします。同じページの真ん中から下の辺り、左側のほうを御覧ください。この達成目標及び指標の中身について、今申し上げた労働災害防止計画、現在は第13次の計画になりますが、この計画に基づいて、ここに盛り込まれている目標を踏まえて、達成目標と測定指標を設定しております。具体的には、4ページの左側のほうです。
まず、死亡災害の発生状況ということで、具体的には死亡災害については長期的に減少しておりますが、死亡災害の多くを占めている建設、製造、林業については、引き続き対策を取り組む必要があるということを考えています。達成目標の1番目として、死亡災害を減少させることという形にし、そのための測定指標1として、労働災害防止計画に基づいた労働災害による死亡者の減少ということで設定しております。
右側のほうを御覧ください。2つ目の死傷災害の発生状況という所です。ここについては、第三次産業など、死傷者数の増加が見られる業種があります。こうしたことを踏まえて達成目標2として、死傷災害を減少させることということで目標を立てております。そのための測定指標2として、労働災害による死傷者数の減少という形で設定しています。
5ページ目を御覧ください。3の所です。仕事に関する強い不安やストレスを感じる労働者が全労働者の半数を超えており、こうした状況の中でメンタルヘルス対策が強く求められているということです。こうした状況を踏まえての達成目標3ですが、職場におけるメンタルヘルス対策を推進することとしております。そのための指標としては、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が、指標3、指標4として、仕事上の不安、悩み又はストレスを職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合という形で設定しております。
その右側ですが、化学物質における重篤な健康障害を防止するという観点から、化学物質の危険性、有害性の情報の通知をしっかりやっていかなければいけないということですが、これが十分に行われていないと。こうした課題に対応していくため、目標として4つ目ですが、化学物質による労働災害防止対策を推進するということとしております。そのための測定指標として、危険性又は有害性の情報を表示するラベル表示、安全データシート(SDS)の交付を行っている方の割合ということで設定しております。
右端の5番です。死傷者数が増加している外国人労働者の労働安全衛生を確保していくため、達成目標5として、外国人労働者の労働安全衛生を確保することとしております。そのための測定指標6として、外国人労働者向けの安全衛生教材の作成件数を設定しております。
6ページを御覧ください。それぞれの総合判定と分析です。まず、達成目標1に関連する測定指標1の労働災害による死亡者数の減少については、2021年に死亡者人数の目安の目標を860人としておりますが、2021年の実績が867人となっており、少しオーバーしております。達成率が99%で、△としております。
指標2ですが、労働災害による死傷者数の減少について、2021年度の死傷者数の目安の目標を11万5,000人としております。実績が14万9,900人を超えており、目標を上回っております。目標達成率は70%ということで、×としております。
達成目標3、測定指標3ですが、職場でメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合については、2022年度までに80%を目標として立てておりますが、2021年の実績が59%となっており、目標達成に至っていないということで、×にしております。
測定指標4、悩みを抱えている方の相談先がある労働者の割合ということで、目標として2021年で86.5%としておりますが、実績が70.3%ということで、これも目標達成に至っておりませんが、目標達成率は81%ということで、△としております。
測定指標5ですが、危険性・有害性の情報を有するラベル表示であって、安全データシートの交付を行っている割合です。ラベル表示が2021年は69.9%、SDSの交付が77.9%で、目標値の80%に対しておおむね達成しております。達成率は87%と97%となっておりますので、△にしております。
測定指標6の外国人向けについては、目標達成しているということで、○にしております。
最後になりますが、総合評価は、○が1つ、△が3つ、×が2つという指標を踏まえて総合判定としては、「進展が大きくない」のうち「B」で「達成に向けて進展あり」としております。以上、簡単ですが説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
御質問、御意見などがございましたら、お願いいたします。今度は逆からで、松浦委員、いかがですか。
 
○松浦委員
全般に、実効的な納得性の高い目標を設定いただいていると思うのですが、1つだけ、外国人労働者に関する達成目標5の所で、安全衛生教材の作成件数とか相談件数という目標が掲げられていたと思います。御説明を拝聴して、恐らく予算が6億削られている中で、予算を確保して目標どおりの冊数を作成して配布するのは非常に大変なので、このような目標を設定されているのだということは理解できたのですが、A3の資料だけを見ると、目標値と達成値が全部同じになっていて、これだけを見たときにはすごく違和感を覚えました。もちろん予算が削減される中でこれを死守することが大切だというのはすごくよく分かるのですが、他の目標のように、例えば具体的に労災の件数を減らすとか、そういったことも外国人についてもそういう指標を考えられないのかというように思いました。要は、外国人労働者数に占める外国人死傷者数の割合を減らすことを目標にすることもあり得るのではないかと思ったのですが、意見として、1つ気付いた点です。以上です。
 
○玄田座長
後でまとめて御回答いただきます。岩佐委員、どうぞ。
 
○岩佐委員
今の外国人関係のところは御指摘があったのと同じで、先ほどとも通じるのですが、結局、外国人労働者の労働環境、災害に遭わないような環境を整える。そうすると、外国人労働者がけがをしているとか、亡くなってしまっているのはどのぐらいの数で、それをどう減らしていくのかというのが大きな目標で、それを達成するために周知を図るとか、研修をするとか、事業場を指導するとか、いろいろあると思うのですが、その中の1つではないかということで、組立てを考えていただけると有り難いということです。
同じような趣旨になるのですが、資料1と資料2は、そういう意味では、それぞれ究極的な数値とか目標が書かれていて、ただ、先ほどの件で、原局からもありましたけれども、もちろん減ったほうがいいのですが、むしろ私としたら、減ることを大きな目標にしつつ、今増えているとか、減りにくいのはどういうことが問題になっていて、そのためにどういう施策をしているのかという形で、御説明いただけると有り難いと思います。
特に、指標2に関しては、説明等からすると、高齢者の方たちがたくさん就業されるようになって、逆にそれによって、けがをされる部分が多くなってきたということで非常にジレンマみたいなことがあると思うのですが、増えたから駄目というわけではないと言ったらおかしいですけれども、そういう要因で増えているというところもあるのだとしたら、またそこに焦点化したような施策があって、それをどのように展開されるのかを御説明いただけると有り難いと思いました。
 
○玄田座長
村上委員のお話までを聞いてから、その後で御回答いただきたいと思います。村上委員、どうぞ。
 
○村上委員
ありがとうございます。2点ございます。1点は、今ほどお二人から出ましたが、達成目標の外国人材の受入れのところです。指標6で安全衛生教材の作成件数のところです。こちらについては、お二人からの御指摘と重なりますけれども、もし、これを掲げるのであれば、作成した外国語の教材がどのぐらい活用されたのかということについて、見える指標を考えるということもあるのではないかと思います。ウェブサイトへのアクアセス件数というようなことも考えられるのかなと思いました。
また、外国人労働者の労災発生状況についても、差し当たり参考指標ということで示していくということもあるのではないかと思います。
また、達成目標3のメンタルヘルス対策のところでの指標3についてです。御説明にあったように、令和3年度の実績というのは、全体として見れば59%だったということですが、これは事業場の規模別で見ると、50人以上で見れば9割を超えているようですし、小規模の事業場では導入が進んでいないといったところがあるかと思います。そういうことを見ると、もう少し規模別に見ていくということも必要ではないかと思います。
1点、質問なのですが、資料3-2の7ページです。実績評価書として、ストレスチェックについての記述があります。結局、メンタルヘルス対策として、ストレスチェックをするかしないかというところで見ているのかという質問です。そうであれば、ストレスチェックをもっと広げていくということになるでしょうし、そうではなくて、他の施策があるのかということであれば、そちらの施策に重点を置いてやっていくということになるかと思いましたので、1点質問させていただきました。
 
○玄田座長
御提案、御質問、御意見がございましたのでお願いいたします。
 
○説明者
各種のご提案、御質問をありがとうございます。最初に、外国人労働者に関する指標の設定の在り方ということで、御意見等を頂きました。
測定指標については、その教材の作成ということで、アウトカムと言うよりはアウトプットを目標として掲げさせていただいております。
今し方、各委員の皆様から御意見を頂いていますように、労働災害の件数の一定程度の削減とか、教材であればどのように活用されているかといったことを御提案いただきましたので、また今後、我々は今、労働災害防止計画を作って、今年度が最終年度になっております。秋口から来年度、次期の労働災害防止計画に向けて議論をしていこうと思っています。もちろん、この外国人以外のところも含めて幅広くやっていくわけですが、御指摘の点も含めて、外国人労働者に対する労働災害防止の在り方といった中で、御指摘いただいた点を踏まえながら検討させていただければと思っております。
また、岩佐先生から御指摘のあった労働災害の死傷者数が直近で増えてきているというところです。直近で増えてきていることについては、いろいろな要因が考えられると思っておりますが、我々の今考えている分析としては、大きく4点ございます。
まず1点目が、経験年数の浅い労働者が増加してきていて、そういう方々は安全教育を十分に受けていない。もちろん、仕事自体も不慣れな方が多いと、そうした労働者の方が増加しているということです。
それと、先ほど委員から御指摘のあった60歳以上の高齢者が増加していて、御承知のとおり、高齢者の方々というのは労働災害の発生率が比較的高い層ですので、そういう方々が増えてきているということです。
3点目として、第3次産業における新規就労者の増加です。特に小売業や介護関係など、社会福祉施設の関係の分野において就労者が増えており、これは1点目で申し上げた経験年数が浅いというところと重なる部分がありますが、こうした分野については安全衛生意識が若干薄いところもあり、転倒、腰痛での災害が増えてきているということも考えられるのではないかと思っております。
4点目として、コロナ禍で生活様式の変化、例えばテレワークにより自宅で仕事をする、いわゆる自宅生活が増えてきている中で、物流、特に宅配便が増えています。そのため、陸上貨物運送事業、配達等の中で交通災害なども増えてきており、腰痛も関連して増えています。今申し上げました何点かの要因を考えて、最近の死傷病関係の労働者の災害が増えてきていると考えています。
それから、村上委員から御指摘のあったメンタルヘルス対策のところです。御指摘いただいたように、50人以上の事業場についてはメンタルヘルス対策の取組は進んできておりますが、50人未満の小規模なところについてはメンタルヘルス対策の取組は進んでいないということで、我々としても、しっかりと対策を打っていかなければいけないという認識を持っております。特にストレスチェックについても、ここが測定指標の中に含まれるのか含まれないのかということで言うと、ストレスチェックについても当然含まれるということで評価を行ってきております。ストレスチックの実施率自体は、7ページに書いているように、90%以上という高い数字でありますので、このストレスチェックの部分についても、しっかりと取り組み、周知啓発をしつつ、先ほど申し上げた小規模事業場については、我々としての対策をしっかりと検討していかなければいけないということで、課題として認識しているところです。
 
○玄田座長
先ほど御説明のあった4つの点ですが、そういうことを御説明いただく必要があって、特に今の、現状分析の欄に、事実と同時に、どういう構造があるのかというのは、政策担当者でないと分からないところがあるはずです。その事実を踏まえて、次の第14次につながるので、今御説明のあったことを、きちんと記述として残すような工夫を、今後お願いいたします。
 
○説明者
はい、現状分析について承知いたしました。
 
○玄田座長
新田委員、皆川委員、何かございますか。
 
○皆川委員
特にありません。ありがとうございます。
 
○玄田座長
新田委員、どうぞ。
 
○新田委員
経団連の新田です。かなりの部分について各委員から御指摘がありましたので、今回のことで直接という部分ではないかもしれませんが、今回取り上げられている安全衛生の推進というのは非常に大事なことであると認識しております。
その観点で、今回いろいろな指標の中で、例えば今後入れられるのかというのを御検討いただければと思っている部分があります。そもそも安全衛生の体制がどうなっているのかという部分です。例えば、産業医の設置の状況や、安全衛生委員会あるいは衛生委員会の活動状況といった部分を、もし指標化できるようであれば、これは各目標にまたがる話ですので、この段階で、どこに具体的に盛り込むべきかというのは私も案があるわけではないのですが、そういった部分も今後は指標化して、できるのであれば是非御検討いただきたいと思います。今後の課題ということで御提案させていただければと思います。以上です。
 
○説明者
御指摘、御意見ありがとうございました。我々としましても、それぞれの事業場における安全衛生体制の確保というのは非常に重要だと思っております。御指摘いただいた産業医、衛生管理者等、そうしたことの体制確保というのは重要だと認識しておりますので、どのような形で評価の中に盛り込むことができるのかどうかも含めて、また御指摘いただいた点を検討させていただきたいと思っております。
 
○玄田座長
私も1つだけ。指標3について、この達成が×だというのは、かなり深刻に考えるべきことかなと思います。今、恐らく労働行政で最も期待されている内容が、このメンタルヘルス対策だと思うのです。それがこういう状況であるということは、国民の期待に十分に応えられていないという受止めをするほうがいいのではないかと思います。
そうすると、なぜ、これが進まないのだろうか。特に、50人未満の事業場でストレスチェックがなぜ進まないのか。先ほど4点の御説明があったように、背景の分析がもっと進むといいかと思います。村上委員がおっしゃったように、ストレスチェックが大事だということは分かっているのだけれども、できていない。それを含めて、やはり担当者がいないということが、すごく小規模事業場で難しいとか、十分に情報が伝わっていないとか、この辺りも政策担当者ならではの分析を加えていただいて、第14次の検討に踏まえていただきたいと思うのですが、この辺りについて、追加があればお願いします。
 
○説明者
ありがとうございます。正しく、小規模事業者や事業場におけるメンタルヘルス対策、メンタルヘルス対策だけではなくて、安全の部分も含めて取組を進めていかなければいけないということは大変重要だと認識しております。
この辺りについて、我々も分析という深いところについて確たるものを持っているわけではありませんが、1つの仮説ということになるかもしれませんが、こうした小規模事業場においては、安全衛生対策については、ややもすると、それに掛ける費用というのを、コストという形で認識している事業場が多いように思っております。今後の第14次労働災害防止計画の議論を進めていくに当たっても、その辺りの事業場の意識改革を図っていかなければいけないと思っています。具体的には、コストではなくて、事業主にとっても安全衛生対策を行うことはメリットがあるのだという点をしっかりと説明していき、具体的には労働損失につながったり、その取組をすることによって従業員の方々が健康に働けるということで生産性の向上にもつながっていくということを、エビデンスをもとにしながら、事業者の方にも説明等をして意識改革を図っていくことが重要であると思っております。
 
○玄田座長
よく分かります。王道はそうだろうなと思う一方で、労働政策の中でも、小規模事業者対策というのは永遠の課題みたいなところですよね。それを事業主にきちんと理解してもらって、コスト以上にメリットがあるという、そのメリットを認識し、それを実現する体制を作ってもらうのですが、そうは言っても、そんな余裕がないとか、取り組む人員もいないという声も同時に聞こえてくるというのが現状です。
そうしたときに、やや過大の期待もあるのですが、コストを下げるという意味でいくと、各事業所に担当者を置くことが難しいとするならば、政府が推進しようとしているデジタル活用とか、そういうことが小規模事業場の労働安全衛生対策の中には重要かもしれないし、某かの突破口になるかもしれない。最近は、DXについて様々な分野について取り入れることが検討されていますが、労働政策で可能性があるのは、小規模事業場の人たちが無理なく事業場にそういうリソースを置かなくても、必要な情報にアクセスでき、相談のできる体制をつくるということは、政策の課題としては考えていくことだと、労働安全衛生に限らず小規模事業場対策として、私は思いますので、是非その辺りも御検討いただきたい。
今の段階では、なかなか具体的なイメージを持ちにくいかもしれませんが、3年後、5年後、正に14次が終わる頃になっていくと、それに取り組んでおいてよかったというようなことになる可能性もあると思いますので、是非その辺りについて、併せて御検討いただければと思います。
 
○説明者
承知いたしました。
 
○玄田座長
よろしいでしょうか。それでは、御意見を踏まえて、実績評価書をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
(担当課 入替)
 
○玄田座長 続きまして、施策番号Ⅲ-4-1「労使関係が将来にわたり安定的に推移するよう集団的労使関係のルールの確立及び普及等を図るとともに、集団的労使紛争の迅速かつ適切な解決を図ること」についてです。担当課から、5分程度で御説明をお願いいたします。
 
○中央労働委員会事務局
中央労働委員会事務局の山本と申します。よろしくお願いします。それでは、資料4-2に基づきまして御説明いたします。4ページ目ですが、施策目標として赤字になっておりますが、労使関係が将来にわたり安定的に推移するよう集団的労使関係のルールの確立の普及等を図るとともに、集団的労使紛争の迅速かつ適切な解決を図ることとなっております。現状は、資料に書いておりますとおりの労働組合の状況、あるいは労働委員会の状況です。課題としては、安定した労使関係というのは、経済社会の発展の基礎になるものですので、できるだけ安定化させることが必要であるということで、達成目標を記載のとおりとしております。
指標としては、その下にありますように3つ設定しております。労使関係が安定的に維持されること、新規申立事件の終結までの日数、私どものやっている労使関係セミナーの受講者の満足度を指標として設定させていただいております。結果につきましては、5ページ目になりますが、指標の総合判定の所にありますが、指標1と指標3は達成しておりますが、指標2は達成できませんでした。
それぞれについては、下に書いております。指標1については、平成29年度以降、おおむね85%以上で推移しており、特に令和2年度及び令和3年度は90%を超えているという非常に良い状況です。指標2は、事件の終結までの処理日数ですが、令和3年度の数字は令和3年度中に終結した事件について見たものですので、どうしても令和2年の状況が反映されてくるところです。令和2年度と申しますと、新型コロナがひどかったときで、一時的に調査・審問の実施を見合わせたりしておりますので、そこの部分でどうしても処理日数が掛かってしまったところがあり、今回、達成できなかった状況になっております。指標3については、これは満足度90%以上という高水準ですので、達成済みということです。
今後は、効率性の評価ですが、特に指標2については、未達成ですので、申立事件が来れば調査の期日を早目に設定するとか、ウェブ会議が活用できるようになってきておりますので、これをできるだけ活用して迅速な処理を図るなどを利用して、できるだけ迅速な処理に努めてまいりたいと思っております。ということで、引き続き、この3つの指標をもとに総合的に勘案して施策を進めてまいりたいと思っております。説明は以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。時間内で御説明いただきまして感謝申し上げます。それでは、御意見などございましたら、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。では新田委員、お願いいたします。そのあとで村上委員、お願いします。
 
○新田委員
経団連の新田です。御説明ありがとうございました。御説明を踏まえて、意見を申し上げたいと思います。以前にも申し上げたような気がするのですが、この指標のうち、主要な指標として掲げられている割合なのですが、これは毎年大きく変動するものではないですし、先ほどの玄田先生のお言葉を借りれば、ほぼ「殿堂入り」の状態であると思いますので、これをいつまでも主要な指標として上げるのが適切なのかどうか是非御検討いただきたいと思います。もし、主要な指標として掲げるならば、集団的な労働紛争の件数等を検討してはどうかと思います。測定指標2では、新規申立事件の日数を掲げていますので、そもそも申立の件数がどうかということを指標とすることについて検討する必要があるのではないかと思います。
併せて、3番目の指標として、セミナーの受講者の満足度を掲げていますが、このセミナーに参加する方の意識自体、非常に高い方が多いでしょうし、人数もかなり限定的ですので、これを指標とするにしても参考指標ぐらいではないかなという気がいたします。その点も併せて御検討いただければと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
では村上委員、お願いいたします。併せて、あとで御回答いただきます。
 
○村上委員
ありがとうございます。まず、指標2についてです。こちらはコロナの影響により少し長引いてしまったことがあったり、また平均処理日数が長い事案が解決日数に与える影響も大きいことがありますので、終結事由ごとの内訳なども記載しておくと、長い事件があったことが分かるのではないかと思いますので、その点を御検討いただければと思います。
また、資料4-2の4ページのロジックツリーを拝見していて、よく分からなくなっております。施策目標があって、現状は労働組合の数はこうなっているとか、労働委員会のことが書いてあって、その課題として掲げられていることと、どうつながるのかが分かりません。さらに、達成目標の部分も現状や課題とのつながりが分からない。このロジックツリーの流れがうまく流れているのだろうかと疑問を持ったところです。
その上で、例えば集団的労使関係のルールの確立・普及であれば、これが労使関係セミナーの指標3になっているのかもしれませんけれども、果たして、これが適切なのかというと、少し違うのではないかと思います。先ほど新田委員がおっしゃったように、意識の高い人たちが、このセミナーを受けているので、労使関係のルールを普及するのであれば、もう少し違う対象者に対する認知度の向上の方が適切ではないかと思います。
ただ、それを測定するだけの何かを持っていらっしゃるのかどうかはよく分からないのですが。私どもも、大学で寄付講座などをやっておりますけれども、パートでも労働組合に入れるのですかとか、学生でも労働組合に入れるのですかみたいな質問はコンスタントに受ける質問でありまして、そういうことからも知られていないんだなということを実感しております。そういうことを踏まえると、もう少し考えたほうがよいのではないかということです。
もう1点は、中央労働委員会としてのお仕事の中で考えていらっしゃるのですが、集団的労使関係というのは中労委だけの話なのかというと、そうではないのではないかというところもありまして、その点も少し、この施策評価の議論の中では、こなしきれないことかもしれませんけれども、問題意識として発言しておきたいと思います。ありがとうございます。
 
○玄田座長
では併せて、お答えをよろしくお願いいたします。
 
○中央労働委員会事務局
ありがとうございます。指標2に関連して、事件件数なども見てはどうかとのことですが、施策というか、申立事件が来るかどうかは、我々はコントロールできない部分がありまして、もちろん事件が来ればお受けして、それを処理するものですが、来たら受けませんということはできないので、来れば処理するし、そこは我々は全く何もできないので、指標として上げさせていただいているのは、来た事件については、できるだけ早く処理するということで掲げさせていただいているところです。ただ、件数として、どうかと言われますと、長期的に見ると、労使関係の安定などの影響もあり、減少傾向にあるのは実態です。
それから、指標3の労使関係セミナーの関係はおっしゃるとおり、セミナーに来る方は興味があって来ている方が多いと思われますので、割と高めに出るのは、ある程度おっしゃるとおりかなと思っております。ただ一方で、少し御指摘もありましたが、果たして一般的に、この労使関係のルールなどの認知度を把握する指標がほかにあるのかと言われますと、なかなか思い付かないところですので、御指摘を踏まえて、どういうものが取れるかどうかも含めて検討させていただきたいと思っております。以上です。
 
○玄田座長
岩佐委員、どうぞ。
 
○岩佐委員
岩佐です。よろしくお願いします。私も弁護士として裁判の場にいるので、ある意味そういう意味では似たようなところがあって、裁判の数が多い方がいいのか、少ない方がいいのかとか、数が多かったら多かったで、それだけ活用してもらっているのではないかとも言えるし、それだけ紛争が多いとも言えるので、数値等の評価が難しいところもあります。ただ、いずれにしても、指標2で、内容も一定程度充実していることを前提で、迅速になる方がいいということで、この日数を上げられているのは指標としてはいいと思うのですが、やはり内訳を出していただける方が有り難いと思いました。
例えば、取下げで終わっている場合はすごく短く終わるので、それも平均すると影響を与えたり、また逆に、長いものが終わったというと、そこも違ったりすると思います。和解で終わっているのか、また別の形で終わっているのかとか、そういうことが分かるほうが、評価をしやすいと思ったのが、1点です。
それから、もう1点は、これは今回の指標そのものに盛り込んでほしいとまでは言えないのですが、労使紛争が申立てまでに至っている場合に、どのような紛争が多くて、どういう部分で問題が起こっているのかというのは、多分されていると思うのですが、そこを分析して、むしろ使用者、経営者側や、労働者側に周知をしながら、そういう紛争に発展しない形でスムーズに組合と使用者とが話し合える、若しくは労働者と使用者、経営者が話し合えるための素地をどう作るか。事件自体はコントロールできないとは思うのですが、ここに来た事案を通じて、どういう形で周知して、紛争を少なくするかという発想も必要なのではないかと思ってコメントさせていただきました。以上です。
 
○玄田座長
では皆川委員、お願いします。
 
○皆川委員
御説明ありがとうございました。私も、指標2については御説明のとおり、今回令和3年度は未達成ということなのですが、概要の5ページの所で、施策の分析と効率性の評価の所で指標2について書かれているのですが、調査期日の迅速・効率的な設定とか、調査手続きにウェブ会議等を活用して、あとは労使の委員の働きかけを通じた和解による解決促進によって、より効率的・迅速的に紛争解決を図るという方向性が書かれております。私も、この内容は妥当だと、指標の設定も含めて、考えております。それで、簡単にお伺いしたいのは、今お話したような、こうした取組の効果が表れてくるのは、これから次年度以降、令和4年度以降だと思われるところなのですが、感覚といいますか、現状について、ウェブ会議等を活用した取組などで、解決までの日数が段々元どおりに近くなっていくといったような傾向は、今のところはどうでしょうか。その点だけお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
よろしくお願いします。
 
○中央労働委員会事務局
まず、現状についてですけれども、数字は、まだ十分なものが出ておりませんが、正直申し上げて、コロナ等に伴いまして、一度、継続件数が積み上がってしまいますと、ウェブ等を活用して、できるだけ迅速にと努めてはおりますが、一旦積み上がったものの効果としては若干渋滞する結果になりまして、例えば日程も複数の案件がバッティングしやすいとか、審査委員も頭数が増えるわけではございませんので、そういった事情で若干、まだ少しタイムラグの効果が残っているのが正直なところです。実感としては数年掛かるかなと思いますので、そこはきっちりキャッチアップできるように努めてまいりたいと思っております。
あと、先ほど来、何点か御指摘いただいておりました終結事由についてですが、終結事由としては、大きく命令決定で終わるケースと、取下げとか、和解で終わるケースがあります。こちらの有効性の評価の説明の中でも若干触れておりますけれども、処理日数の長い事件(命令決定で終結した事件)ということで、処理日数が短い事件(和解により終結した事件)ということで触れておりますが、こちらを実際の数字で御紹介申し上げますと、令和3年度につきましては、命令決定の平均処理日数が854日、取下げ(和解)の場合は474日となっておりまして、やはり取下げ(和解)のほうが短くなっております。長い、短いというだけではなくて、紛争につきましては将来的なことも考えますと、当事者によく納得していただいた上で、その後も安定した労使関係が築けるようにという意味では、お互いに納得していただく和解という形で終わらせるのが望ましいという理解で、中労委の委員、皆様に御理解いただいて、できるだけ和解、当事者の理解が得られるようにという取組を優先させて行う。ただ、それで難しい場合はやはり、きっちりと事実認定等もしっかり行って、命令決定等を行うということで、こちらの手続は、やはり先ほども委員からも御紹介いただきましたとおり、裁判に近いような手続になりますので、若干時間が掛かるということで、このような形で、やや長い日数が掛かることになっております。
あと、紛争の事由で申しますと、不当労働行為絡みでは、大きい類型として、団体交渉を拒否するとか、組合の中で組合員に対して不利益な取扱いをするといった類型があり、そういったものについては数字を取っておりますので、その活用等については今後、相談をしてまいりたいと思っております。以上です。
 
○玄田座長
他に御意見はいかがでしょうか。それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
(担当課 入替)
 
○玄田座長
では、5番目に移りたいと思います。続きまして施策番号Ⅴ-3-1「高齢者・障害者・若年者や就職氷河期世代・外国人材等の雇用の安定・促進を図ること」につきまして、担当課から5分程度で御説明いただきたいと思いますが、若干、延びても大丈夫です。7、8分程度を目途に御説明いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いします。
 
○職業安定局高齢者雇用対策課長
それでは、順番に説明させていただきます。まず、高齢者雇用につきまして高齢者雇用対策課長から御説明申し上げます。資料5-2を御覧ください。4ページの左側に記載したとおり、高年齢者の雇用・就業機会の確保等を達成目標とし、4つの測定指標を設定しております。資料6ページに記載したとおり、これらの指標のうち、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、指標2のシルバー人材センター会員の就業数及び、指標4の高年齢労働者の処遇改善については目標を達成しておりません。それぞれの指標にかかる有効性の評価などは、資料7ページから9ページに記載したとおりです。説明は割愛させていただきます。
資料10ページに記載したとおり、次期目標等において、シルバー人材センターについては就業先の開拓等を図ること、処遇改善につきましては事業主が取り組みやすい仕組みを検討することなどにより、引き続き目標達成に取り組んでまいりたいと考えております。高齢者関係は以上です。
 
○職業安定局障害者雇用対策課
続きまして、障害者雇用について障害者雇用対策課から説明申し上げます。同じ資料の6ページに戻ってください。障害者雇用関係では、指標5、指標7、指標8では目標値を達成したところですが、指標6の雇用率達成企業割合では、実績値が目標値を少し下回っている状況です。これについては、新型コロナウイルスの影響で、事業所訪問ですとか、雇用指導がなかなか行えなかったことにも影響するところがあろうかと思いますが、今後は優先的に支援を行う企業を選定しながら積極的な事業所訪問などを行って、目標の達成に努めてまいりたいと考えております。以上です。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
続きまして、若年者雇用の関係ですけれども、担当参事官から御説明いたします。若年者雇用に関して、まず、新卒者の支援につきましては、指標9と指標10で、「新卒応援ハローワーク」の利用者数と正社員就職者数という2つの指標を設定しております。令和3年度の実績については、いずれも前年度から改善しているのですが、目標を僅かに下回りました。これはコロナ禍で、セミナーの開催などができず、施設の利用者が伸び悩んだことですとか、コロナの影響を強く受けた業種、観光や、そういった業種への就職を希望する学生が正社員就職に至らなかったことなどによると考えております。
次に、フリーター支援については、指標11と指標12「わかものハローワーク」における新規登録者数と、正社員就職の割合という2つの指標を設定しております。このうち指標12の正社員就職割合につきましては、令和3年度の実績については前年度から改善しておりますけれども、こちらも目標を僅かに下回っております。これはコロナ禍で、一部の事業所で採用活動の中止などが生じていた中で、就職が叶うまでに時間を要して、求職者が正社員就職を諦めるケースが見られたことなどによると考えております。新卒、フリーターともに、本年度は学生数や事業実績などを踏まえて目標設定をするとともに、大学等との連携や、オンラインの活用なども着実に進めることにより、目標達成に向けて取り組んでいくこととしております。以上です。
 
○職業安定局外国人雇用対策課長
続きまして、外国人雇用に関して御説明します。外国人雇用対策課長の吉田です。5ページ目の真ん中の下段にありますとおり、外国人につきましては、4つの指標で効果を見ていただきます。この4つの指標ですが、6ページの達成目標4にありますように、指標13は目標達成、指標15、指標16は、83%、87%で、それぞれ概ね達成という状況になっております。指標14の外国人就労・定着支援事業の受講者数、いわゆるアウトプットにつきましては50%で、目標に届きませんでした。本事業については、定住外国人等の求職者てを主な対象として、日本の職場でのコミュニケーション能力の向上や職場習慣や雇用慣行等の知識の習得といった就職ノウハウ等を付与し、安定的就職と職場定着の促進を図るという事業ですが、令和3年度は新型コロナウイルス感染の影響を受けて、こうした研修の形態は、集合型の研修の開催が非常に難しかった。あるいは、開催できたとしても、感染症対策の観点から定員を縮少するといった運営にならざるを得なかったことで、目標である受講者数を確保できなかったと承知しております。令和4年度については、感染症対策に留意しつつも、目標達成に向けて、継続的に事業ができるよう、オンラインなども活用しながら受講者数の確保に取り組みたいと思っております。以上です。
 
○職業安定局総務課訓練受講支援室長
5番目の生活困窮者等の就労支援です。訓練受講支援室長です。資料5ページの一番右ですが、生活保護受給者、それから生活困窮者の就労支援は、労働局・ハローワーク等と自治体が一体となった支援を行っております。具体的には、福祉事務所にハローワークの常設窓口を設置したり、巡回相談を実施しております。自治体の福祉部門の関係者も参加する就労支援チームを設置して、支援プランに基づいた支援を行っています。コロナ禍においては生活困窮者が増加する動きがありましたけれども、就職の活動の面で見ますと、緊急事態宣言時には就職活動を自粛するという動きがありました。指標は、助成金の対象者の離職割合、相談件数と就職率ですけれども、どの指標も目標を達成しております。次期目標につきましても、引き続き達成を目指すこととしております。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは、御説明について御質問、御意見お願いいたします。どなたからでも結構ですが。では新田委員、お願いします。
 
○新田委員
経団連の新田です。御説明ありがとうございました。中身の話というよりは、単純に質問ですが、この資料において施策目標の中で、高齢者、障害者、若年者等と書いてある中に、就職氷河期世代という文言が目標の中に入っております。にもかかわらず、今の御説明の中で、この就職氷河期世代に対しての言及がないのですが、この部分は、例えば若年者雇用の部分に含まれるとお考えなのか。ただ一方で、就職氷河期世代も若年者と言えない方も相当いますので、このことに記述がないことについてお伺いしたいのが、1点です。
もう1つは、外国人雇用のところで、測定指標の中で外国人雇用サービスコーナー等を利用した求職者の「就職件数」を主な指標としておられていますが、今後は、その下の「就職率」も主要な指標として、併せて考えてもいいのではないかと思いました。私からは以上です。
 
○玄田座長
この施策の取りまとめ責任部局はどちらですか。就職氷河期世代が含まれていないことの御説明は、どなたがなさいますか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
若年者担当参事官です。お答えします。今回の実績評価書については、令和3年度の実績評価ということですので、この目標などを設定した時には、この就職氷河期世代に関しての記述はありませんでした。この中に就職氷河期世代に関する記述はないということです。今回、新しい期に入り、施策の目標の中に、新たに就職氷河期世代に関する文言が入ったということです。そのような形で、今回、実績に関する記述の中に就職氷河期世代のことについては入っていないということです。
 
○玄田座長
では、今後、対応するということですね。では、外国人雇用についてお願いします。
 
○職業安定局外国人雇用対策課長
外国人雇用対策課長の吉田です。今の新田委員からの御質問ですが、「就職件数」が指標15のアウトカム指標で、「就職率」については指標16のアウトカム指標となっており、見ていただきますとおり、実際に今回の達成度合いが若干異なっております。これはハローワークに来て新たに求職登録をしていただいた者の数である分母の部分と、それを受けてハローワークが新規求職者の就職の実現に向けてどれだけ努力したのかという、分子の部分があります。とりわけ、その分子の部分である就職件数については、求職者をどれだけ就職させることができたかを示すハローワークの本来の目標ですので、特に分子の「就職件数」でアウトカム指標にしているということです。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
そのほかは、いかがでしょうか。村上委員、どうぞ。
 
○村上委員
時間も余りありませんので何点か手短に申し上げます。1つは、先ほど新田委員からもありました就職氷河期の話です。今後やっていくということではありますが、既に、政府が就職氷河期世代の支援として、3年間の就職取組で正規雇用を30万人と掲げているところが未達成だということもありますので、何か参考指標のような形で記載しておいてもよいのではないかという意見が、1点です。
それから、達成目標1の指標4です。高年齢労働者処遇改善促進助成金の実績値が0となったことについて、コロナ関係以外で、何か要因はあるのではないかと思い、その点についての質問です。そうしておかないと、今後に向けた対応ができないのではないかということで、1点質問させていただきます。
それから、達成目標4の外国人労働者の指標14です。先ほど御説明があったように、外国人就労・定着支援事業受講者数ですが、この事業の対象者は、身分に基づく在留資格を有する外国人のみが対象となっていると理解をしております。その他の在留資格で働く方も対象に就労支援として取り組んでいることがあるのであれば、それらも含めた総合的な指標を検討いただければと思いました。差し当り、以上です。ありがとうございます。
 
○玄田座長
もし、お答えがあれば、どうぞ。
 
○職業安定局外国人雇用対策課長
では、外国人に関するご質問についてお答えしたいと思います。就労・定着支援事業ですが、本事業で主な支援対象としている永住者、定住者、日本人と結婚した方であるといった、そうした身分系の在留資格の方については、その就職先も、どの仕事に就けるかといったことも、もちろん働かないことも含めて日本人と概ね同じであるため、ハローワークを多く利用されるという傾向がございます。他方で、技術、人文知識、国際や特定技能のように、分野を限って、あるいは働いていることを前提として在留している方ということで、身分系の在留資格を有する方と比べると、ハローワークを利用される度合いに非常に大きな違いがあります。そうした背景やニーズ等も踏まえ、現在の本事業における主な支援対象者を身分系の在留資格を有する方として実施しております。
他方で、例えば、留学生の方については、国内に留学して、更に日本国内に就職していただく方のニーズも多いですし、そうした取組もハローワークとして努力しておりますので、そうした方についてコミュニケーション能力の向上という観点での支援が有効なのか、あるいは日本の学卒同様、例えば、インターシップのような企業との接触機会を増やすような支援が有効なのか、そうした特性を踏まえて本事業での支援のあり方をを考えていきたいと思います。ありがとうございます。
 
○玄田座長
就職氷河期世代についてのご質問についてはいかがでしょうか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
御意見ありがとうございます。就職氷河期世代に関する記述について、この実績評価書の中で、どういった形で触れられるのかということについては、今後、よく検討したいと思います。以上です。
 
○玄田座長
就職氷河期世代関係の施策は、若年者・キャリア形成支援室でご担当されているのでしょうか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当室です。就職氷河期世代担当については、いろいろな部署にまたがっております。
 
○玄田座長
取りまとめ部局があるのですか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
取りまとめはございます。
 
○玄田座長
どちらにあるのですか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
いろいろございますので。
 
○玄田座長
いろいろあるのですね。今後、いろいろ説明というか。
 
○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官
関係部局と相談した上で、どこに記述ができるのかを検討したいと思います。
 
○職業安定局雇用保険課
高年齢労働者処遇改善促進助成金担当の雇用保険課から御回答します。お尋ねにあったコロナの影響として、そもそも本助成金は、賃金の増額改定を行うことで、その事業所における高年齢雇用継続給付の合計額を一定程度減少させることを支給要件の1つにしております。このため、企業全体で賃上げを行わない場合は、助成金の支給要件を満たしませんが、コロナ禍でなかなか賃上げができないことが影響としてあったと思います。
また、令和3年度は、事業開始初年度でもあり、なかなか周知・広報がうまくいかなかったところも原因の1つとして考えております。その事業主が高年齢雇用継続給付の合計額を減らすためにどのような取組をすればいいのか、また、どれぐらい賃上げしたときに高年齢雇用継続給付の合計額が減少するのか、少し分かりにくい制度になっているのも事実ですので、その事業主が取り組みやすい仕組みとなるように、制度設計の在り方も含めて、現在、課内で検討を進めており、引き続き、検討していきたいと思います。以上です。
 
○玄田座長
岩佐委員、どうぞ。
 
○岩佐委員
私からは一点です。指標16の関係で、質問と意見です。これは指標として掲げていただいていて有り難いのですが、パーセンテージが全体として、もともとの絶対値が20%とか、15%など、低いようにも見えるし、それが低くないかもしれませんが、どうしてこのようなパーセンテージになっているのかを分析されているのであれば、お教えいただきたいです。
また、その低い理由の中に、単に労働サービスの部分だけが課題なのか、もう少し在留外国人関係の支援や全般的な相談窓口等も絡むのか、はたまた、入国してきたときのいろいろな経過や状況が絡むのか、そこもよく分かりませんが、もしかしたら総合的なこともあるのかと思いながらの質問です。よろしくお願いします。
 
○玄田座長
どうぞ。
 
○職業安定局外国人雇用対策課長
外国人の就職率ですが、実は、我々日本人の就職率も、もちろん把握しており、それとの比較で簡単に申し上げますと、例えば、2021年12月を見ますと、外国人を除く就職率は大体3割ぐらいです。日本人の就職率は、コロナで一番低かったときでも2割を下回っていなかったと認識しています。
他方、外国人の就職率については、コロナ前でも2割に届かない状況です。指標としては18%と、2割を下回る水準で定めておりますが、コロナ前の外国人の就職率の状況も良くても2割程度だったことも踏まえて、この辺りの水準に定めております。外国人の就職率が低調な理由については、大きく構造的要因と変動的要因の2つがあると考えております。1つ目の構造的要因については、先ほど在留資格について御説明しましたが、就職できる先が、特に限られている方がいらっしゃるという在留資格制度の問題がございます。2つ目の変動的要因については、コロナ禍で今回一番ダメージが大きかったと思われるのが、インバウンド系の産業での人材ニーズでございまして、特定の国から観光客が来られるので、その外国語ができる方を働き手としているインバウンド産業における就職先の人材ニーズがコロナの影響により低下したということ問題でございます。
その日本人と外国人の差は、制度的に入管制度の部分もございますが、例えば、ハローワークができることとして、多言語に対応する、あるいは外国人の雇用についての若干の不安があれば、そこはノウハウも含めてコンサルティングする努力をしているところです。こうした就職率の指標については、経年でみて、努力をすることは大事だと思っております。
 
○玄田座長
松浦委員、どうぞ。
 
○松浦委員
ありがとうございます。測定指標2のシルバー人材センター会員の就業者数についての質問です。もう御賢察のとおり、高齢者雇用については65歳までの雇用確保措置が既に法律で導入されており、更に70歳までの就業確保措置も努力義務として求められている中で、シルバー人材センターの会員数というものを、ほかの施策も含めてどのように位置付けておられるのかと、少し疑問に思ったところがあります。
もちろん、高年齢者の就業機会ということも、1つの選択肢であることは間違いなくて、意義ある施策だとは思いますが、これを就業者数としてはかることが妥当なのかどうかについては御意見を伺いたいと思っております。もちろん、新型コロナ関係で人数が減っていることもあるかと思いますが、その前から、既に目標値を達成されていない状況で、そもそも、このシルバー人材センター以外の高齢者の就業の選択肢も広がってきている中で、目標値を就業者数ではかることについて、どうお考えなのかということです。以上です。
 
○職業安定局高齢者雇用対策課長
御案内のとおり、基本的な考え方として、シルバー人材センターは臨時的、短期的又は軽易な就業を提供する「生きがい就労」というような言い方をされることもあります。また、実際に年齢を見ましても、平均年齢74.1歳というように、今、先生がおっしゃったような、今、高齢法改正によって目指していこうとしている70歳までの就業機会の確保と、シルバー人材センターの対象者、ここは一定の整理はできると考えております。
とは言うものの、先生がおっしゃった問題意識は、実は私どもも持っており、高年齢者雇用安定法に基づく対象の年齢がどんどん引き上がっていくと、その中でシルバー人材センターの役割も変わってくるのではないかということは問題意識として持っております。まだ、その段階ですので、お答えできるものはありませんが、次期以降の考え方を整理するに当たり、先生がおっしゃったことを踏まえてまいりたいと思います。ありがとうございました。
 
○玄田座長
シルバーに限りませんが、この評価の中で数を問題とするのか、割合を問題とするのかというのはすごく大きな問題で、なかなか唯一の解はないのですが、例えば、1つの整理として、ある仕組みを導入されて、まず、絶対数を確保する。最初は参加者とか、増やすという意味では、まず数を目標とするのが最初のステージで、それがある程度の目標を達成すれば、質的改善ということで、その参加者の中でどのような割合の人がどうなっているかという、多分そういうような考え方もあるので、シルバーはそういうような意味では、もう完全にスタートアップの段階では全くないので、先ほどの70歳の努力義務ができた段階で、どのような質的な目標を設けるのか。シルバーはもういらないという話にはならないので、その辺りは整理して、次回に御検討いただければと思います。
では皆川委員、どうぞ。
 
○皆川委員
私も、松浦委員と座長から御質問のありました高年齢者雇用の指標2に関わるところで、松浦委員とほぼ同じような御質問をさせていただければと思ったのですが、関連して、1点だけお伺いしたいのですが、指標3で、65歳から69歳の就業率を掲げており、こちらは目標値を達成してきていて、段々、率が上がってきているということですが、私は統計の専門ではないので教えていただきたいのですが、ここでの就業率の算定に、シルバー人材センターの会員で就業された人がいれば、これは就業している率にカウントされているという理解でよろしいのでしょうか。その点をお伺いできればと思います。
 
○職業安定局高齢者雇用対策課長
ありがとうございます。実は、私どもも気になっているところではあるのですが、この就業率は労働力調査から引用しております。そこでの就業者の定義に照らすと、シルバー人材センターで就業された方は、大体平均すると1か月に10日弱ぐらい就業されていますので、そのような方は、就業率の計算に入っているのではないかと推察しております。具体的に、どのぐらい、どう重なり合っているかについては、申し訳ございませんが、データがございませんので分かりかねます。
 
○玄田座長
収入を伴う仕事をされているので排除する理由はないですよね。全くのボランティアはないですよね。無償はないですよね。
 
○職業安定局高齢者雇用対策課長
全くの無償ということは、シルバー人材センターの考えとしてはありませんので。
 
○玄田座長
通常は、入っていると考えるのが自然だと思います。
 
○皆川委員
ありがとうございます。そうであれば、松浦委員の御質問であったような点に関わって、そのシルバー人材センター会員の就業数が少なくなっていっても、69歳までの就業率のアウトカムのところで向上が見られれば、継続雇用も含めて全体として高齢者雇用数の底上げが図られているという指標にはなると思いました。その辺りのところを、整理なりしていただければと考えたところです。以上です。
 
○職業安定局高齢者雇用対策課長
ありがとうございます。今後、よく検討し、次期以降の目標の中に反映したいと思います。以上です。
 
○玄田座長
私は最後に1つだけ、この全体の施策番号というか、この施策評価自体について一言申し上げたいのですが。何か、オールスターみたいな、てんこ盛り、1つ1つだけでも30分以上やらなければいけないものを、まとめて30分でやるという、この枠組み自体がどうなのかと率直に思います。
ただ、分かると言えば分かるというか、個別にそれぞれきちんと施策をやっていますよということと同時に、多分、大事なことは、いろいろな意味で、属性に基づく課題を抱えている人たちに対してそれぞれ施策をやっていることを通して見える普遍的な、このようなことが大事なのだという、もう少し大きな枠組みを示すことが大事なのではないかと、つまり、この評価は、少し縦割り感がありすぎます。
それぞれやっていますという、ある意味でアリバイ作りをしているように感じますので。もう少し具体的に言うと、これは、それぞれ課題が違うのですが、ある種共通の項目があると思います。例えば、ほとんど全てで、ハローワークが関与するときに、恐らく、ハローワークは包括支援というか、チーム支援みたいなものが、多分、どの部分でもすごく大事になっていることがあり、やはり個別に対応していくと、包括支援やハローワークの集団支援が大事なのだとか、やはり比較的障害者から始まって若年の評価とか、トライアルのような、お試し的に就業できるものをどんどんやっていかなければいけない。
特に、困難を抱えている人たちには、やはり求人、人手不足の部分で、特に、中小企業に受け皿があって、そこにどうやってうまくマッチングしていくかというのは共通の課題のはずです。それに対して評価が、今、政策をどういうふうにしていて、評価とか、それに対する支援人材が、ハローワークも含めて足りているのかどうかとか。従割りではない、これをまとめてやるからこそ見えてくる施策課題や達成状況があると思います。
これを安定局で、総務課かどこかの課で取りまとめて検討いただくか、もう少し事務局で整理していただいて、是非、個別だけではなく、これをまとめてパッケージとして評価するならば、その上で、みんなが持ち寄って、いろいろな困難者が出て来るときに大事なヒントになるのではないかと思います。そういう評価を継続していくことが大事だと思いますので、次の段階にステップアップしていただくことも、是非、御検討いただければと、今回拝見していて思いました。是非、今後、御検討いただければと思います。
それでは、そのほかに、御質問、御意見等はよろしいでしょうか。少し時間が過ぎてしまいましたが、以上といたします。各担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて実績評価への反映をよろしくお願いいたします。お疲れ様でございました。
(各担当課 退室)
 
○玄田座長
若干、時間がオーバーしましたが、お時間をいただければと思います。今回は、第5期に入っての初めての実績評価の審議となりました。第5期から新たに「概要」を添付するなどの変更がありました。本日の議事内容や進め方について、御意見やお気づきの点等ございましたら、この機会に御発言等をお願いいたします。では皆様、一言ずつで結構ですので、何か本日の評価について順番にお願いしてもよろしいでしょうか。では岩佐委員、よろしいでしょうか。
 
○岩佐委員
途中でも発言しましたが、究極的に検討すべき数字が何で、その数字で目標を立てることや、評価をすることは難しいのですが、そこをベースに置きながら、それを達成するための具体的な施策はどれでと、全体の構図が徐々に工夫されていると思いますが、もう少し分かりやすくなったら良いと思っています。以上です。
 
○玄田座長
では、あいうえお順で、新田委員、お願いします。
 
○新田委員
玄田座長、本日はありがとうございました。概要ができたことで、前回もそうですが、非常に議論もしやすくなって問題点も明解になってきました。原局の御負担は増えていると思いますが、是非引き続き、続けていただければと思います。やはり懸念されるのは、我々委員会で申し上げたことが、今後の施策にきちんと生かされていくことが非常に大事だと思っておりますので、玄田座長からもありましたが、この会議がアリバイ作りになることがないように、そのような方向で、自主的な検討として有意義な場として活用していただけるようにと、切に願っております。感想として申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
 
○玄田座長
ありがとうございました。松浦委員、お願いします。
 
○松浦委員
非常に熱心に資料作成も含めてやっていただいたという印象で、感謝申し上げます。一方で、恐らく、資料を作っている担当者の方は、もちろんトップの方ではないと思いますので、作っている人からすると、どこまで踏み込んで挑戦的な目標設定を持っていっていいのかは迷うところではないかと思います。
そこについては、やはり、その組織のトップが、本当に改善に向けて具体的に実践的な取組をしていっていいのだということをきちんと表明していただいて、安心して踏み込んだ目標設定や改善取組ができるようにしていただくことが、背景としては大事なのだと思いました。以上です。
 
○玄田座長
確かに、手堅い目標と、野心的な目標みたいな分け方ができれば本当はいいですよね。では皆川委員、お願いします。
 
○皆川委員
本日はどうもありがとうございました。既に御指摘のありましたように、今回、実績評価書のポイントの概要を御準備いただき、非常に分かりやすくなり、チェックする、あるいは質問をするポイントが理解しやすくなりました。皆様の御尽力に感謝申し上げます。大変かと思いますが、今後もお願いできればと思います。
本日の議論については、個々、具体的な調査指標や評価の在り方について、委員の皆様から出た御質問や御意見は1つ1つ、それぞれ、そのとおりというか、ごもっともと伺っていました。原局からの回答もあって、現行の指標に代わる指標の設定が難しいというレスポンスもありました。ただ、本日も既に御指摘のありましたように、アリバイ作りだけで終わるのは勿体ないというか、逃げにかかるところだと思いますので、可能なところから少しずつでも構わないので、今回のような政策評価で出た意見を、今後の目標設定や指標の設定に反映していただければと考えております。以上です。ありがとうございました。
 
○玄田座長
それでは村上委員、お願いします。
 
○村上委員
かなり重なる部分があります。松浦委員がおっしゃったように、担当者の皆様に、これは何のためにやっているのかを十分理解していただき、より良い施策を作っていくためなのだということを、もう一度改めて徹底していただくことが大事なのかなと思いました。
前回も申し上げましたが、ロジックツリーがあることで、ロジックがあるのかないのかも、よく分かるようになったと思います。また、玄田座長からの最後のまとめでもありましたように、ハローワークの評価をされていると思いますが、そこで分かることがかなりありますので、そのようなことも活用されたらよいのかなと思いました。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。概要については、皆さんのおっしゃるとおり、本当にあって良かったと思います。一方で、課題も大分見えてきたような気がします。例えば、課題と達成目標を同じことを重複して記載することは意味がない。必要な数値については出典を付けるとか、幾つか共通した御指摘を委員の皆様からいただきましたので、このようなものは余り望ましくないという事例等も踏まえて、事務局で整理していただいて提案いただくと、このようなことを書けばいいとか、このようなことを書いても意味がないということが分かると思いますので、その辺りの工夫もお願いいたします。事務局、何かございますか。
 
○肥沼室長補佐
先ほども申し上げましたが、概要を作成することで、期せずしてロジックが成立していない、ロジックツリーになっていないものも幾つかありました。本来、このようなものを会議に出さないようにできればいいのですが、現状の事前分析表を設定する段階、目標を設定する段階から直さないと、評価の段階になってから、このロジックツリーを変えるのはなかなか難しいので、このような形になってしまいました。
今回は6月と8月に2回WGを開催しまして、幾つか御指摘の点や気づきとかもあったかと思います。玄田座長からも御指摘がありましたように、goodな事例とbadな事例のような形で、原局を支援するような形でお示ししていきたいと思います。参事官からも御発言がありますのでお願いいたします。
 
○山田参事官
本日は、まず長時間お疲れ様でした。5つの施策の業績評価への御議論を通じて、5つ、それぞれのロジックや指標だけでなく、引き続いての共通の施策の改善に向けた課題や視点もいただいたところです。今、伺った御意見も踏まえて、それぞれの政策の改善につなげていくことは大切ですし、この業績評価書の作成の段階で、国民の皆様が納得する分かりやすい流れとなっているか、こういった観点から、省内で関係者がデザインをしていくことも必要だと思います。
今、頂いた御意見を踏まえ、事務局としてもどのようなことができるか、まず、この6月、そして8月のWGで出された御意見、見受けられた改善に要するポイント等を省内で共有し、浸透させていくことも、もちろん始めていきたいと思いますし、頂いた御意見を含めて、できるところは改善したいと思います。ありがとうございます。
 
○玄田座長
ありがとうございました。では、特に御意見がなければ、事務局におかれましては、今、御発言いただいた内容を踏まえ、今後の会議運営等に生かしていただくようお願いいたします。本日、予定しておりました議題は全て終了となります。今回も誠に熱心かつ有意義な御審議をいただきまして、ありがとうございました。では、事務局より本日の議論の取扱いについて御説明をお願いいたします。
 
○肥沼室長補佐
皆様方、本日は御議論ありがとうございました。本日、頂きました御意見等の取扱いですが、まず、実績評価書の記載に関する御指摘については、担当課において必要な修正を行うとともに、評価書の所定の欄に反映状況を記載させていただきます。また、この会議の場でお時間の関係で伝え切れなかった御意見等がございましたら、来週の水曜、9月7日水曜日までに事務局まで御連絡ください。
実績評価書については、当室で取りまとめの上、総務省への通知、また厚生労働省ホームページでの公表手続を進めます。併せて、皆様にも最終版を送付させていただきます。また、今回の会議の場でも、今後の目標設定等に関する御指摘、また中長期的な検討課題となるようなものについても、様々な御指摘を受けました。こちらについては、事務局で整理の上、担当部局とともに検討を進め、進捗状況を次回のWG、恐らく年明けの2月頃になるかと思いますが、こちらの次回のWGで皆様に御報告させていただきます。説明は以上です。
 
○玄田座長
それでは、本日は時間を超過し、大変恐縮です。以上をもちまして、本日の会議は、終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。どうぞ、御散会ください。ありがとうございました。
 
【会議後の提出意見】
座長の指示のとおり、会議時間の制約により、会議の場で発言できなかった意見については、事務局宛に提出されることとなっていたところ。村上委員より意見提出があったことから、議事録として以下のとおり公表する。
 
<施策目標Ⅴ-3-1>
高齢者・障害者・若年者や就職氷河期世代、外国人材等の雇用の安定・促進を図ること
<達成目標2>
障害者の雇用の促進その他の職業生活における自立の促進を図ること
 
■【指標5:公共職業安定所における就職件数(障害者)】について
 
コロナ禍の厳しい雇用情勢下でも、前年度実績以上の就職件数を達成したことは評価させていただきたい。一方、コロナ禍での実態を明らかにするため、新規求職申込件数の増減状況も踏まえ、就職率などを参考指標として記載してはどうか。
 
■【指標7:精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了した者のうち、就職に向けた次の段階へ移行した者の割合】及び【指標8:精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了し、次の段階へ移行した者のうち、就職した者の割合】について
 
  精神障がいは2018年に雇用義務対象となったが、実績評価書に記載の通り、就職件数が増加する一方、障害特性から職場定着に課題が残る。精神障がい者の就労促進・職場定着を進める観点から、短時間労働者への特例措置も実施されていることから、精神障がい者の職場定着率などを新たに指標として設けてはどうか。
また、指標7・8における支援を受け、次の段階に移行した者の実数を示すことで、相談支援の状況が明確になるため、記載をお願いしたい。