2022年8月25日 第12回政策評価に関する有識者会議 医療・衛生WG 議事録
日時
令和4年8月25日(木)15:00~17:00
場所
オンライン開催
出席者
印南座長、大西委員、佐藤委員、田宮委員、宮﨑委員
議事
- ○肥沼室長補佐
それでは定刻になりましたので、ただいまから第12回政策評価に関する医療・衛生WGを開催したいと思います。政策評価の担当をしております肥沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましてはオンラインでの開催に御協力いただき、感謝申し上げます。また、井深委員におかれましては所用のため、御欠席となっております。
今回はオンラインでの開催となりましたので、御不便をお掛けすることもあるかと存じますが、会議の途中で不都合を生じた場合には、チャット機能又はお電話にて事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
本日の会議では事前に、委員の皆様にお送りした会議資料を使って、議事を進めさせていただきます。会議中は御自身が御発言される場合以外はマイクをオフにして、音声をミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。御発言の希望がある場合にはWEBEXの「挙手」アイコンをクリックいただく、若しくはチャット機能を使って、発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認した後に、発言者を座長が指名いたしますので、座長から御指名を受けたらミュートを解除し、御発言ください。発言に合わせて御自身の映像を表示される場合にはビデオの開始をクリックいただければ、皆様の画面を会場のモニター上に表示することができます。御発言が終わったら再度、マイクをミュートにし、ビデオも停止していただくよう、お願いいたします。
それでは、本日の議事進行については座長の印南先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○印南座長
印南でございます。よろしくお願いいたします。本日は議事次第にありますように、5つのテーマの実績評価案について、委員の皆様に御議論をいただきます。
それでは、配布資料及び本日の議事の進め方について、事務局より説明をお願いします。
○肥沼室長補佐
議事の進め方について、御説明いたします。お手元の議事次第を御覧ください。本日は議事にある1~5の順番で、テーマごとに担当課の入れ替えを行い、御議論をいただきます。
テーマによって多少、時間は異なりますが、まず担当課より5分程度で説明を行いその後、約15分程度で御議論をいただく形で進めたいと思います。また、担当課説明の際に、5分経過時点で、事務局でベルを鳴らしますので御参考にしてください。
本日、御議論いただく実績評価書及び概要については御確認いただく上でのポイントを幾つか簡単に御説明します。お手元の資料1-2の概要を用いて御説明します。
まず資料1-2を開いていただいて1ページ目、特に、目標未達になった指標について、その要因が記載されているか。また、9番目、目標未達となった指標について、今後の具体的な改善策が記載されているか等です。
また、指標については判定方法がルール上決まっておりまして、2ページ目、目標値に対する達成度合によって、記号の意味が異なります。◎から○△×と4種類あります。
3ページ目、指標には主要な指標と、それ以外の指標、参考指標というものがあります。こちらを御参考に、御審議をお願いしたいと思います。事務局からは以上です。
○印南座長
それでは、1つ目のテーマ、「施策番号Ⅰ-7-1、有効性・安全性の高い新医薬品等を迅速に提供できるようにすること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○医薬局
医薬品審査管理課でございます。それでは資料1-2、施策番号Ⅰ-7-1について概要の資料に基づいて、御説明いたします。
スライドの4ページです。実績評価書の概要ですが、まず施策目標は上の枠に書いているとおり、有効性・安全性の高い新医薬品等を迅速に提供できるようにすることです。
現状、背景ですが、まずは1.医薬品等の審査期間の現状ということです。これまでも特に、新有効成分の審査期間は、これはPMDAを中心にやっておりますが、ほぼ世界最速レベルをキープしている、しかも、そのばらつきが少ないということ、予見性の高い審査ができていると考えております。それを更に、審査の迅速化の堅持と、質の向上を図る必要があるというのが現状です。
真ん中の2.アクセスの迅速化に関する取組で、最近の話題では令和2年9月、法改正はその前に行われましたが、それを受けて新たな制度ができております。先駆け審査、条件付き承認、医療機器の承認制度になっておりますので、そういう新たな取組について、しっかりと運用していく必要があるということです。
3.です。いわゆるオンライン化の話があります。これは申請あるいは届出について、オンラインでやりましょうという話が、実際には令和3年7月から始まっているという状況です。
4.これまで同様、国際調和を進めていくことです。
課題ですが引き続き、承認審査の迅速化の堅持と質の向上という話です。今、申し上げた所を進めていくということで、達成目標は下にあるように、審査期間をしっかりと数字として確保するということが1~4まで。5は新しいアクセスの向上ということで、新たな法制化された条件付き承認の相談をPMDAで行っていますが、それがちゃんと相談が進んでいるのかというのを、達成目標に設定しました。それからオンラインの実績といったものを指標として定めたところです。
その結果、5ページです。総合判定を上に書いております。結果を申し上げると、指標1~4が具体的な新薬あるいは新医療機器についての優先あるいは通常の審査結果です。80%のところ、80%タイル値の審査期間で目標を達成しておりましたが、結果は赤で書いているのが重要な達成目標になりますが、指標2、指標4とも、目標達成率が121%で◎とさせていただいています。具体的にどういうことかというと、新薬で御説明すると、6ページですが、目標値は新薬の通常品目、下のほうになりますが、80%タイル値で、12か月を達成すればいいわけですが、実際の88品目を処理した中で、12か月より上回っていたものは、実は85品目ありましたので、実際は96.6%のものが、12か月を上回っていたということで、80%を分母として、96.6%のものが上回っていたので、121%という達成率にしております。機器についても同様です。
5ページに戻ります。指標5は相談の実績ということだったのですが、残念ながらちょっと実績が相談ですので、受身ですから、ちょっと現実的ではありませんでした。
指標6です。オンラインの届出で、これも実績ベースになりますが、一応40%を目標の達成と設定させていただきましたが、残念ながら、これは実績としては7月から始めましたが、最終的に年度末で13%という形です。
こういった形になりますので、目標達成としては主要なものについては、全部達成しておりますけれども、2ページの評価区分でいくと、主要な測定指標以外の一部のものが×あるいはバーになるということですので、3の相当程度進展ありという形になると思っています。
一応、こういったこともありますが、全体を総合すると、目標が達成かと思っております。これらについての評価としては、こういったような問題と言いましょうか、評価をさせていただいているということです。
特に、実績がない条件、相談実績がなかったとありますが、これについては条件付き承認制度というのが、いわゆるオーファン・ドラッグというのですか、そういったようなものが、そもそもの対象になりますので、その時期に令和3年度に、そういったものを開発していなければ当然、相談もないわけですから、結果として実績がなかったのは開発の実績が、そのとき相談すべきものがなかったというのが実績かと思っております。
更に、こういったような評価をさせていただいておりますが、これについて更なる審査の質の向上を図るための取組、ここに書いてはありませんが、一応レギュラトリサイエンスのいろいろな研究を進めて、新たなガイドラインづくりや、あるいは国際的なハーモナイゼーションもやっておりますので、審査の質あるいは開発に当たっての予見性の向上等々については取り組んでいるところです。その結果が、こういった目標と、審査期間の達成につながっていると思っているところです。
ちょっと超過して恐縮ですが、以上です。
○印南座長
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。大西先生お願いします。
○大西委員
よろしいでしょうか。詳細な御説明ありがとうございました。指標5についてなのですが、これは達成目標値とか実績値の対象としたのは、医薬品についての条件付き承認品目該当性相談に限定した目標値や実績値を設定した結果、令和2年度、3年度は相談の実績がなかったという理解でよろしいですよね。
○医薬局
おっしゃるとおりでございます。
○大西委員
利用実績がなかったというデータ自体は、必ずしも消極的な面ばかりではなくて、むしろこういう条件付き承認の対象品目となるような希少疾患向けの医薬品の開発について、日本の製薬企業の、若干消極的というか、及び腰な現状を若干浮き彫りにするという点については、むしろプラス面もあるのかなというように理解はしました。ただそうはいっても、やはりせっかくできた制度の利用相談について、なかなか実績値が取れない状況が続くというのも、若干どうかと思うところもあります。
例えば医薬品以外の医療機器、プログラムを含めた医療機器、再生医療等製品の相談についても、目標値や実績値を設定する、あるいは先駆け審査の該当性についての相談についても、目標値とか実績値を対象にすべきなど品目や制度を広げて、企業にとって利用しやすい相談制度になっているかどうかを評価することも必要であると思っているのですけれども、所管課の見解をお伺いできればと思います。
○医薬局
ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、先駆けのほうについては、参考指標という形で設定させていただいているのですけれども、それだと確かに、令和3年度も2年度も相談件数は減少をしておりますので、そちらのほうというのもあるのかもしれませんけれども、これは令和元年度からこの前も流れの中で、元年度から設定してきたということで、条件付きについて設定してきているというところはございますので、こういったような形で、今後問題があれば検討させていただければなとは思いますが、一応そのような状況です。やはり条件付きについては、今オーファン・ドラッグとなりますので、常にオーファン・ドラッグをやっているわけではありませんから、そういったようなのは、先駆け的なもののほうが、水準が高いものというのは、分野を問わずあったりするかもしれませんので、そういったものは今後の検討課題にさせていただければなと思っています。ありがとうございます。
○大西委員
どうもありがとうございました。
○印南座長
ほかにございますか。
○佐藤委員
産経新聞、佐藤です。よろしくお願いします。総合判定等については、これでよろしいかと思います。幾つか気になったことを申し上げます。1つは今出ましたけれども、指標5、指標6について達成しなかった理由が、指標5については申込みがなかったため、指標6については事業者側の外部要因とあって、だから達成できなかったと書いてあるのは、若干寂しい感じがいたします。条件付き承認のような、もともと品目数が少ないものを目標に掲げることがどうなのか、という課題設定の問題は、次回に向けてあるのではないかと思います。
あと、気になりましたのは、こちらの課の目標が、指標1から指標4に上げられるような審査期間が主な指標になることはもちろん当然だと思っておりまして、この項目が今や世界最速で、早過ぎると言われるようなこともあるような達成率になっているのは、努力の結果だと思います。
一方で、最近の課題として承認のラグよりも、申請のラグが問題になってきており、これにどのように対処していくかを考えないと、再び同じような問題が起きかねないかと思います。申請ラグとか開発ラグを生まないための指標が出てくるといいと思います。
あまり踏み込むと担当課が違うようなこともあるかと思いますが、挙げられているような、例えばRS戦略相談であるとか、そういったものが指標になるのか、是非その辺りについてお考えいただけると有り難いと思います。以上です。
○医薬局
貴重な御指摘どうもありがとうございます。最後におっしゃられました、いわゆるドラッグ・ラグとか、ドラッグ・ロスとかという言葉も使われるようになってきておりますが、それについては私どもだけでできる話ではなくて、正に開発のラグだと思いますので、ここに書いてあるのは主には審査の話でございますので、そこは区別しなければいけない。参考までに厚労省全体として見ますと、エコシステムということで、アカデミア、ベンチャー、製薬企業がしっかりリンクするような、海外のベンチャーも含めて、日本に目を向けられるような取組も必要であり、これから政府全体で取り組んでいくという状況を御理解いただきたい。あるいは治験をしっかりやれる環境も政府として取り組んでおります。我々ができることとしましては、おっしゃるように相談、特にベンチャー企業等が我々に相談できるような、枠組みとしてはなくはないのですが、受け身ではなく積極的に進めていくために、必要な指標ができればと思っています。御指摘を踏まえて考えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
○印南座長
ほかにいかがでしょうか。
それでは私から1つよろしいですか。思い付きのような質問で申し訳ないのですが、業界のほうからいうと、相談料とかPMDAの審査料が、非常に高額だというお話もあって、本当に高額なのかどうかは、例えばFDAや諸外国でどのぐらいかかっているのか等のデータも必要だと思います。そのようなデータから、少なくとも審査料や相談料は障害になっていないと言えるのでしょうか。
○医薬局
御指摘どうもありがとうございます。新たな相談等は、当然諸外国の例を参考にしています。私の記憶では、日本がかけ離れて膨大な手数料を取っているとは思いません。むしろ安いぐらいではないかと認識しております。あとは、相談になぜ時間がかかるのかについては、一定のデータの評価を実際に審査委員が行った上でアドバイスをするので、場合によっては文書で返していますから、一定の時間と労力がかかりますので、手数料がかかる。その実費相当分の手数料を頂いています。これについては、諸外国に比べて、法外では多分ない、適正だと思います。ただ、今批判を受けているのは、そういったものが、必ずしも審査の短縮につながっているかに関していうと、必ずしも十分ではないという御意見があると承知しています。その点について、十分それはいかしているつもりでございますが、認識の相違があれば、検討していきたいと思います。
○印南座長
ちなみにバイオ医薬品等ではベンチャーが多いと思うのですが、そういうところにとっても、相談料は高くないということで、よろしいでしょうか。
○医薬局
相談内容によりますが、数百万円程度の内容です、ベンチャーであっても少なくとも臨床試験はやっていただく必要があると思っております。その臨床試験に必要な費用に比べれば、相談料は相対的に高くはないと言えると思っております。
○印南座長
ありがとうございました。ほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては、本日の議論も踏まえて、実績評価書への反映をお願いいたします。
それでは次のテーマに移りたいと思います。準備のほどをよろしくお願いいたします。 続きまして、「施策番号Ⅰ-8-1、健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内需給、適正使用を推進し、安全性の向上を図ること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○医薬局
よろしくお願いいたします。では、私のほうから、血液事業の推進ということで、御説明させていただきます。まず、お手元の概要の資料の6ページをお願いいたします。血液製剤は人から採取されました血液を原料とする性質上、有限です。そして大変貴重なものです。同時に、血液を介して病原体に感染するリスクもしっかりと考えておく必要があります。6ページに書いておりますように、血液法「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」において基本理念を定め、そうした考え方に則って総合的な施策を進めております。
続きまして、8ページです。こうした血液事業を実施するに当たり、厚生労働省、国の役割、地方公共団体、採血事業者等、関係者が連携・協力しながら進めています。血液製剤の安定供給の確保という点では、毎年度、国が献血推進計画や需給計画を策定して、献血によって確保すべき血液や血液から作られる血漿製剤の確保の目標量を定めております。
続きまして、21ページを御覧ください。HIV訴訟及び恒久対策の概要ですが、いわゆる薬害エイズ、HIV訴訟での裁判上の和解に基づく和解確認書を踏まえ、HIVに感染されている方に対しては健康管理費用を、エイズを発症されている方については健康管理手当を支給する事業です。
戻りまして4ページです。中ほどに、血液に関して3つの現状があります。1つ目が献血者数の推移、こちらは昭和60年度をピークに減少傾向にあります。実績値として、令和3年度は505万人となっています。
2つ目の現状ですが、需要推計による必要献血者数について、採血事業者である日本赤十字社のシミュレーション、詳しくは20ページに資料を追加していますが、中期目標である献血推進2025として、将来の人口の推移や地域での医療計画の医療ニーズの変化などを踏まえてシミュレーションしたものです。それによると、令和4年度では約514万人、令和9年度には507万人が必要になるという推計があります。
3つ目の現状です。献血者数に占める若年層割合の推移です。こちらは19ページに別途グラフをお示ししています。19ページのグラフで年代ごとに色分けしていますが、右側に注釈も付けていますように、青色、赤色、緑色の若年層、いわゆる10代から30代までの割合は減少傾向にあります。
指標の達成状況について御説明いたします。5ページです。指標1として、安定供給に必要な血液量の確保を挙げています。こちらは献血推進計画でその量を定めるものですが、令和3年度の目標値は222万Lで、実績値が225万Lでした。つまり101%を達成しており、今回の達成度合の評価では○とさせていただきます。
指標2、需給計画です。需給計画というのは、血液製剤の中でも、いわゆる血液から必要なタンパク質だけを分離して、そのタンパク質を基に血漿分画製剤という製剤を作っています。その血漿分画製剤を作る際の原料となります原料血漿の確保目標量を指標としております。こちらの目標値が122.3万Lを目標としており、実績値が124.8万Lでした。こちらも102%を達成しており、達成状況は○とさせていただきます。
指標3、若年層の献血率です。少子高齢化が進む中で、将来の献血基盤の確保という観点から、10代から30代の若年層の献血率を増加させる必要があるため設定している指標です。先ほどもグラフで説明しましたが、こちらは減少傾向にありますが、16~39歳までの実際の対象人口3,184万人に対し、献血者数は171万人に御協力いただいております。献血率として5.4%の実績です。目標値が5.9%としていましたので、目標を下回る92%の達成率ですので、達成状況は△となりますが、令和3年度においては新型コロナウイルス感染症の影響を加味しますと、これまでのトレンドからすると、十分目標を達成できたのではないかと考えております。
指標4、献血推進運動の協力企業・団体数です。企業へ働き掛けをして集団献血を行うことにより、安定的な献血者の確保に努めています。令和3年度の目標値は6万2,000社としておりましたが、実際には6万2,435社に御協力いただき、目標達成率101%、達成状況○となります。
指標5、複数回の献血者数です。1度献血を経験していただいた方に繰り返し御協力いただきたいと思っており、令和3年度の目標値110万人に対し、105万人の実績でした。こちらも目標を下回ってしまっており、達成率は95%で△となりますが、これまでの流れ、新型コロナウイルスの影響等を考えると目標を達成できたのではないかと考えております。
指標6です。献血Web会員サービス「ラブラッド」というものがあります。これは献血者の利便性を向上させる取組としまして、予約献血などを推進しているものでして、利用者数を指標としています。目標値として270万人を設定していましたが、令和3年は296万人の方々に御登録、御利用いただきましたので、達成状況は109%、○となります。
最後に、目標の達成度合の測定結果、総合判定についてお伝えします。目標の達成度合の測定結果については、全ての指標が○又は△の場合、3の相当程度進展ありですので、当該事業はこちらに該当するのではないかと考えており、総合判定結果についてはAとさせていただいております。測定の結果は3とさせていただいております。目標の達成状況に△もありますが、新型コロナウイルスの影響等などを考えますと、十分に目標は達成できたと予測しており、Aとさせていただきました。
血液製剤の確保については、医療に必要な輸血用血液製剤や血漿分画製剤、こうしたものを過不足なく提供するのに必要な血液を確保しなければなりませんし、人工的には、まだまだ実用化には遠い段階です。有効期限の問題もあります。それから、皆様の御協力と善意に基づいて血液を確保していかなければならないことから、あらかじめ十分に確保しておくことも難しいものがあります。頂いた血液を有効活用していかなければならない事情も考え、医療ニーズに応じた必要量を、その都度、確保していくことが求められているという、なかなか難しい分野でありますが、御理解いただきたいと考えております。以上です。
○印南座長
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があればお願いいたします。まず、宮﨑先生、それから佐藤先生、お願いします。
○宮﨑委員
御説明、ありがとうございました。総合判定を見させていただいて、△となっているところが指標3、指標5にあるのですが、いずれも達成率を見ると90%を超えていますよね。比較的高い達成率なのかと思うのですが、△を付けている理由を伺いたいのですが、ここは改善の余地があるという御判断で△になったのか、達成率だけから見ると9割を超えていますが総合的に判断して△ということでしょうか。少し説明を加えていただけるといいかと思いました。お願いします。
○医薬局
私ども担当としまして、これは本当に○としたいところでもあります。実際、そのような状況かと思ってはいるのですが、資料の2ページを見ていただいたときに、目標達成が100~120%という所、我々が△としましたのは、単純にここの100%を切ってしまったということです。先生から、このように評価していただいておりますことを感謝しております。ありがとうございます。
○宮﨑委員
そうすると、本来、期待したいのは100%~120%だからということですか。
○医薬局
はい、そのとおりでございます。
○宮﨑委員
120%というのは、設定目標以上の値をということですね。120%としている理由は何かあるのでしょうか。水準をもっと上げればいいという考え方もありますが「○」となるのが、達成率100%~120%とした理由を伺えればと思いました。
○肥沼室長補佐
事務局から補足させていただきます。ここで100%~120%を○としておりまして、120%超を◎としていますのは、年度末の有識者会議でもご説明しましたが、第4期までは、「目標を大幅に超過したとき」の具体的な定量的な判断基準がなかったため、独法評価の会議の指標の達成状況等や判定の仕方も参考にしながら、120%超を◎と設定させていただいた次第です。御説明になったでしょうか。
○宮﨑委員
分かりました。◎というのに価値を置いてるわけですね。了解いたしました。
○佐藤委員
産経新聞の佐藤です。今の御質問に関連して少し質問させていただきます。この血液に関しては、指標1と指標2で恐らく120%が出ることは決していいことではないと思うのです。つまり、余ってしまうという状態ですので。そうなると、評価に◎は付き得ない、というのもやや納得しかねる部分があります。適切な言葉が見つかりませんが、需要と供給がイコールになることがベストであるとすれば、その状態が◎なわけで、今回はよくできた結果だったとなります。常に均衡状態であることを求められていて、それより5%欠ければ大問題で、5%上回ることも大問題だということをどのように評価するのかは、なかなか難しい課題だと思いました。目標値の設定の仕方を考え直したほうがいいのかもしれないという印象です。それが1つです。
もう1つですが、中期目標として20ページに文章が出ているのですが、できたら、次回以降、グラフを出していただいたほうがいいのではないかと思っております。
現状、2025年のシミュレーションが出ているのですが、例えば、2040年のシミュレーションがいつ頃に出る予定なのか、出すつもりなのか、2025年は3年後ですので、恐らくもう少し先のものが必要だろうというのが印象です。
それから、令和7年度の数値は、この2025年の指標に基づいて設定された数値だと思うのですが、さらに延ばしていくと人口構成が変わるので、若者をもっと増やしていかないと難しいということだと思うのです。そういうものがきちんと見えるようなデータを出していただいて、長期の設定をしていくことが必要なのではないかと思いました。その辺について、御見解をお聞きできればと思います。
○医薬局
前段で御指摘いただきました目標の設定については、おっしゃるとおりだろうと考えております。目標と、需要と供給のところをいい塩梅で設定していかなければならないのですが、どういう形がいいのかは少し検討させていただきたいと思います。
それと、献血者のシミュレーションについて、次の2040年をいつだせるかについては分かりませんが、5年毎に推定値は見直すことになると思います。
○佐藤委員
割り戻して指標3、指標4、指標5の設定がされている、つまり、現役世代をもう少し引き上げていく目標値の設定がされているいう理解ですが、そうしますと、指標3の、令和7年度の設定が6.7%になっていて、令和3年度の実績値が5.4%はなかなか厳しい数値ではないかと理解しており、この△については、重く受け止める必要があるのかと思いました。以上です。
○印南座長
ほかによろしいでしょうか。では、田宮先生、お願いします。
○田宮委員
入りが遅れて申し訳ありませんでした。少し音声が聞きにくいところがあって、もう議論になったかもしれないのですが、私が気になったのは、今のお話の最後に出てきた若年層の献血のところで、特に10代が下がっているけれども、20代はそんなに下がっていません。これはコロナの影響で集団の学校での献血ができなくなったからだと御説明があったのですが、これは高校とかですか。ここを上げなくてはいけないとなると、具体的にどういう方策をするかを考えていかないと、目標が高くても実現ができないのではないかと思います。先ほどお話が出たように思うので、もう少し具体的に何が一番下がっている原因なのでしょうか。
○医薬局
ありがとうございます。コロナの中で大学等がオンラインでの授業になり、学校に献血バスを派遣させていただいて献血の機会を提供していたものが減少してしまったことが一番大きい要因だろうと考えております。
○田宮委員
そうすると大学生ですね。でも、20代が意外に下がってないですよね。この要因は何なのでしょうか。会社とか、それとも普通の献血のシステムなのですか。20代が少し下がっているけれども10代ほどではない。20代や30代の方に対してはどのような事情があったのでしょうか。例えば、学校の献血バスが会社に行ったりすることなどはあるのですか。
○医薬局
企業への献血については指標4の所で少し触れたのですが、目標が6万2,000社のところ6万2,435社に訪問できたということで、企業に対しての働き掛けや献血の機会は一定程度確保できたものと考えております。
○田宮委員
ですよね。ここはコロナでも会社の数では減らなかったが、でも、献血した人も10代ほど減ってないわけです。もともと学校の献血の割合が高いのでしょうか。10代だけ4%台まで減少しで、これを令和7年度に6.6%まで引き上げるのは結構大変だと思います。若い方にも献血バスが学校を訪問できなくても、献血に行けるシステムを作るなど、具体的な方策考えていかないとこれは増えないと思いますが、どのようにお考えですか。
○医薬局
ありがとうございます。高校生などを対象に出前講座といって、各地域の血液センターなどから学校へ講師を派遣し、献血への協力を呼びかけたり、血液製剤の有用性などを御説明する機会もありましたが、そうした回数が減っているのも要因ではないかと考えております。
○田宮委員
その出前講座があったら、その後は献血バスで献血できるようになっているのでしょうか。
○医薬局
その場ではすぐに献血できることにはなっていないと承知しています。ただ、ラブラッドなどの予約のシステムを御紹介したりすることで裾野を広げていこうとしているところです。
○田宮委員
なるほど。そうすると、例えば、出前講座をオンラインでやることなどはされていますか、オンライン出前講座というか。
○医薬局
正確な数は把握できていませんので確認したいと思います。一方で、我々も日本赤十字社と一緒に、こうした若年層にどう働き掛けていくと効果があるのか考え続けており、今まで紙媒体で作っていた資料を電子化し、学校で配付されるタブレット端末でご覧いただくことで、コストも少なく、そしてより多くの目にとまるような取組を正に議論し始めたところです。
○田宮委員
自分がどのぐらい献血したか、ポイントがアプリで残るとか、ゲーム感覚でできると、10代には受けるかなと思いました。自分がどのぐらい献血したかを把握する手帳はありますか。
○医薬局
あります。ラブラッドというアプリ(WEB会員サービス)でも、そうした過去の履歴も含めて確認できるようになっています。
○田宮委員
アプリもあるのですね。
○医薬局
はい、ございます。
○田宮委員
そのようなツールを使うことは、これから感染が必ずなくなるわけではなく、また繰り返すと思うので、抜本的に10代にアプローチすることを考えていくと、その方たちが成人した後でも献血していただくことにつながっていくと思います。是非、この落ち込んだ数字を、大変ですけど頑張っていただきたいと思います。ありがとうございます。
○医薬局
ありがとうございます。また、御協力、アドバイスも頂きたいと思っています。
○印南座長
ほかよろしいでしょうか。
○佐藤委員
すみません。手短に。今、田宮先生の御発言にちょっと触発されて。やはり、指標3や指標5が大きな課題だと思いますので、この中間指標みたいなものを作るのも1つありかなと感じました。以上です。
○印南座長
ほかはよろしいでしょうか。1つだけよろしいですか。フォーカスは10代にと、若年層に当たっていますが、いろいろなグラフを見ると、50代の方たちが非常に協力していただいているみたいですが、その理由は何でしょうか。逆にここに何かヒントがあるのではないかと思って聞くのですが。
○医薬局
明確にはなかなか難しい部分がありますが、我々が議論する中では、やはり40代以降になってきますと、御両親が医療にかかられたり、御自身がかかられたり、医療に接する機会が増えつつある世代ではないか。そうした中で、輸血をする機会も、輸血をすることによって経過がよくなったということも経験されたということが、では、今度は自分が協力してみようかなということにつながっているのではないかなという話をしております。以上です。
○印南座長
ありがとうございました。大西先生、お願いします。
○大西委員
さらに、印南座長の御発言に触発されて、関連質問になります。年齢階層別の献血者数の推移を見ると、概要の17ページの所ですが、私も含まれますが、50代の年代の方たちの伸び率の心強さで十分カバーされていますが、40代が令和3年度になって、少しインパクトのある数千人単位の下がり方をしていることについて、要因分析を担当課でされてますでしょうか。
○医薬局
申し訳ございません。ここは、まだ分析が十分でないものですから、少し資料を揃え、分析・検討をしたいと思います。ありがとうございます。
○印南座長
よろしいでしょうか。ほかになければ、これで議論を終了したいと思います。本日の議論を踏まえて、実績評価書に反映させていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次のテーマに移りたいと思います。続きまして、「施策番号Ⅱ-1-1 食品等の飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○生活衛生・食品安全企画課
生活衛生・食品安全企画課長の成松です。本日はよろしくお願いいたします。資料に基づいて御説明させていただきますが、資料3-2がポイントですので、まずはそれに基づいてということです。あと1~3ページは共通したものなので、4ページ、アウトラインから御説明いたします。
先ほど座長からお話があったように、施策目標としては、食品等の飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止することです。施策の現状、取組、背景を次の行に書いています。4つほどに分けております。1つ目が、食品等の規格基準の策定等です。項目だけおさらいしますと、残留農薬、食品添加物、器具・容器包装、遺伝子組換え食品、いわゆる「健康食品」等について、基準等を策定しているという状況です。
もう1つは、現場の飲食店、あるいは食品製造の工場に対しては、HACCPに沿った衛生管理の制度化を平成30年にさせていただいています。あるいは営業許可制度の見直しなどをしております。
3つ目に検査・監視体制で、国内の流通食品等について、各都道府県において実施しています。輸入食品も増えていますので、水際である検疫所において対応しております。
4つ目はリスクコミュニケーションで、食品についてはほぼ全て、多くの国民が消費者となります。また、事業者数も多いということもあります。そういった方々としっかりとコミュニケーションを取っていくという取組をさせていただいております。
その中で抽出される課題を課題1から課題4として整理しております。課題1としては、エビデンスに基づいてしっかりとした審査を行います。課題2は安全性の更なる向上、課題3は輸入食品の適切な監視、課題4は消費者等とのしっかりとした双方向のやり取り。このようなものを課題として掲げております。
それぞれの目標を下に書いております。達成目標1は残留農薬と添加物の関係です。その中の測定指標として、1つ目は、特に農薬の残留基準については、食品安全委員会から評価結果通知を受けてから1年以内に、残留農薬をしっかり見直すということです。添加物についても1年以内に手続を終えるということです。指標1については令和3年度の目標値を60%、指標2については令和3年度の目標値を70%と設定しております。
次に達成目標2です。測定指標を書いております。指標3として、大規模食中毒の発生件数ベースでどうだったかを設定しています。指標4として禁停止命令を受けた施設数を設定しています。参考指標として、食中毒による死者数を掲げております。課題3については、輸入食品のモニタリング検査の達成率などを掲げております。
達成目標4はリスクコミュニケーションの関係です。食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合などを掲げています。
5ページです。それぞれの達成目標なり指標の達成状況については、全体として左上のとおりです。詳しくは後ほど申し上げます。それぞれ△、○、あるいは測定不能となったものもあります。それらを総合的に考えますと、右上のように、総合判定としてBになっております。
施策の分析ですが、達成目標1の指標1です。先ほど申し上げた残留農薬の関係の達成状況です。こちらは令和3年度から有識者の皆様からの御指摘を受けて指標の内容を変更しております。通知日から1年以内に残留農薬の基準を見直した品目です。残念ながら1品目が2日早ければ、達成目標63%でしたから目標達成できたのですが、数値的には1品目足りなかったので、△になっております。
指標2は、食品安全委員会で評価に時間がかかったということがありまして、令和3年度中に食品安全委員会から評価を受け取ったのが10月5日で、令和3年度の最初の評価でした。そのため、我々として手続が完了した品目がなかったということです。このようなことは、余りないことですが、令和3年度に限っては指標の実績値が算出できませんでした。
達成目標2については、大規模食中毒の件数です。こちらは低水準に維持されています。これはコロナの影響もありますので、引き続きしっかりと分析していかなければならないと思っております。
もう1つは水際対策の関係です。こちらは計画の達成を維持しています。リスクコミュニケーションの関係で言うと、目標値は8割でしたが、お年を召した方は高い傾向にありますが、若い方々がやや低いという状況ですので、若い方々へのアプローチが必要だと考えております。参考までに達成目標4の測定指標については、食育に関する意識調査ということで、農水省がやっている調査で、標本数は5,000人、有効回答は2,447人、郵送及びインターネットで調査をさせていただいております。
指標2の関係ですが、毎年度の分子と分母を教えてほしいという御意見もありましたので、ここで申し上げます。分母は当該年度に指定手続等が完了した数です。分子が、そのうち評価結果を受けてから1年以内に指定手続を完了した数です。平成29年度で申しますと4分の4、平成30年度についても同じく4分の4、令和元年度は進捗状況が悪くて11分の3、令和2年度が9分の8、令和3年度は分母が0ということなので指標の実績値が出せない状況になっております。
施策の分析(効率性の評価)です。こちらは御覧いただければと思いますが、それぞれしっかりと効率的にできるように、あるいは申請者に御負担などを掛けないようにするということで、効率性をできるだけ小さくするという取組を行っております。
6ページを御覧ください。現状分析ですが、達成目標1については、農薬の残留基準は達成できませんでしたが、これもしっかりと取り組むということです。食品添加物については、令和3年度は分母が0ということでしたが、令和4年度以降の指定手続の品目についてはしっかりと詰めさせていただいておりますので、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
達成目標2についても、大規模食中毒の発生状況というのは大きな差はないということですが、人口構造が全体的に高齢化していくと、同じ食中毒でも重篤化することも考えられますので、しっかりと取り組んでいく必要があります。食品関係の営業施設の禁停止の件数も微減傾向ですが、できるだけ少なくしていく必要があるということです。
達成目標3について、新型コロナウイルスで輸入食品の届出件数が一時的に減ったということですが、今後を見据えると、経済連携協定も進展して、海外からの人の往来だけでなく、物の往来も今後も増えていくと思われますので、適切な監視指導体制を作っていく必要があると考えております。
達成目標4のリスクコミュニケーションの関係です。先ほども申し上げたとおり、若者の方々に対してもう少し意識を高めていく必要があります。そういったためにもいろいろな媒体、若い方々が使うような媒体も使わせていただきますし、今年の8月に開催された「こども見学霞ヶ関デー」においても、こども向けに食品の安全ついて楽しみながら学べるコンテンツを作成するなどしており、引き続き、お子さんの段階からもしっかりとお伝えすべきことをお伝えしていくことに取り組んでいこうと思っております。
最後に、次期目標等への反映状況です。それぞれ申し上げたとおり、指標と毎年度の目標というのは、引き続き維持していくのかなと思っていますけれども、必要な改善をさせていただくとともに、一部達成目標4については、令和7年度までは80%ということも第4次食育推進基本計画に書いておりますので、それも踏まえながら、ただ一方で、我々が取組の評価としてどういった指標が適切かというのは、引き続き考えていければと思っているところです。何か御不明な点がありましたら、質疑のほうで御指摘いただければと思います。
○印南座長
ただいまの説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。
○佐藤委員
佐藤です。御説明ありがとうございました。ロジックツリーの中の達成目標2に、「HACCPの義務化など国内外の状況を踏まえた的確な監視・指導対策の推進等」とあるのですが、HACCPに関連した履行状況等の指標はどれかあるのでしょうか。
○生活衛生・食品安全企画課
こちらの実績評価においては、HACCPに関連した特定指標というのは、今のところ設けていないところです。そこで、食中毒の発生状況とかで全体を見ているということだと思います。
○佐藤委員
大きな動きだったかと思うのですが、それに関する指標が何もないのは少し残念な感じがいたしますが、これについては次年度以降になるのでしょうか、何か出していただくことはあり得るのでしょうか。
○生活衛生・食品安全企画課
HACCPを全ての食品事業者に制度化するというのは非常に大きな制度改正で、これを入れていくことは大事ですし、どういった形で指標として作れるかというのは研究させていただきたいと思いますし、そういったことが浸透しているというのは、1つ国民の皆さんにとっても安心なことだと思う一方で、どうやって把握できるかというのは統計とか、その状況なども見極めさせていただければと思っています。
○佐藤委員
もう1点、素朴な疑問なのですが、指標8の食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合なのですが、目標値が毎年80%以上になっていて、例年絶妙に足りないのですが、なぜこういうことが起きるのでしょうか。
○生活衛生・食品安全企画課
そうですね。絶妙に届いていないということでして、先ほど若干申し上げましたけれども、年代別に見ますと、70代とか、ちょっとお年を召している方だと80%とかの数値が出ているのですが、若い方々が72%ということで、少し若い方々の割合が低いということがあります。これは分析を重ねなければなりませんが、性別によっても少し差があるかもしれないと思います。そういったところの分析をして、どこにターゲットを重点的に置かなければならないかというところも、分析をしていければと思っております。
○田宮委員
私も今のところで、この調査がどのように行われているのか、Nが有効回答数2,447です。これは毎年比較していらっしゃるのですが、その比較可能性がどうなのかなと。集団は毎回変わっていらっしゃるのか、それとも同じ方々になっているのかとか。2,000人というのは、全国民のレベルを語るには少ない数字なので、その辺を年代ごとに層別化して、サンプリングを取っていらっしゃるのかとか、どういう調査なのか。それから、回収率はどうなのかとか、その辺について、これだけ重要な指標として比較に出していらっしゃるので、比較可能性自体とか、その辺を理解したいので、調査するというのは簡単なことではないので分かるのですが、どのようにされているのか、もう少し御説明いただいていいですか。
○生活衛生・食品安全企画課
詳細は追って御報告させていただければと思いますが、今把握しているのは、調査対象者は全国20歳以上の者、標本数は5,000人、有効回答数は2,447人ですので、回収率としては5割弱かなというものです。抽出方法は層化二段無作為抽出法ということで把握しております。同じ人たちを追っているかどうかというのは確認が必要ですが、そういうことで、この調査がなされていると承知しております。
○田宮委員
分かりました。どのような項目なのかなども興味がありますので、これを微妙にいつも到達できないところにいるというのがあるので、逆に、何を突っ込んでいったらできるのかなというのも、点数の低いところとか低い層とか、先ほど年齢別の回答を教えていただきましたが、どこをTarget Populationにしてすればいいのかを分析されたらいいと思いました。
○印南座長
ほかによろしいでしょうか。宮﨑先生、お願いします。
○宮﨑委員
水際対策の検疫のことについて伺いたいと思います。もちろん、目標は○ということで、達成しているという評価でよろしいと思うのですが、一時期コロナで、こうした食品の輸入は低減していたと思いますが、今後、ますますこういった流通が活発化すると思ったときに、現状分析の達成目標の3の1ポツの所に、「適切な監視指導を行うための体制整備が求められる」とありまして、この検疫に当たる方々の人員というのは充足しているのでしょうか。ここでは指標には挙げていないのですが、体制強化と言ったときに、そういう人員の点から充足について、状況を知り得ているようでしたら教えていただきたいのですが。
○生活衛生・食品安全企画課
数字を申し上げると、体制としては、食品衛生監視員というものを検疫所に置いております。例えば平成元年度だと89人、平成20年度だと341人、令和2年度については422人ということで、昔に比べると体制が充実していますけれども、最近で言うと、1人、2人ぐらいの増員になっているという形です。
○宮﨑委員
400人とか、それぐらいの人数がいらっしゃるけれども、新規雇用は数名だということですね。
○生活衛生・食品安全企画課
雇用と言うか、恐らく定年退職される方もいらっしゃるので、検疫所で勤めていらっしゃる食品衛生監視員の人数として、平成30年度は420人、令和元年度は421人、令和2年度は422人ということで、1人ずつ増えているという状況でございます。
○宮﨑委員
今回は、それを指標化するということではありませんけれども、注目すべきデータだと思いました。検疫するのは空港ばかりではなくて、港でも検疫活動をされていらっしゃるのですよね。だから、輸入食品の増加ということを考えたときに、今後活発化する業務かなと思ったので、注目しておいていただけるといいかなと思った次第です。
○生活衛生・食品安全企画課
体制の強化は非常に大事な視点ですし、それに併せて、それとともに諸外国の状況、情報もしっかりと把握して、どうしても全数検査はできませんので、検査の対象をしっかりと的確なものにしていくという、その二本立てと言うか、そういったことで国際化で増えていく輸入食品についての安全性を確保していくことが非常に大事だと思っていますので、また御助言等を頂ければというように思います。
○大西委員
指標2についてなのですが、先ほどの御説明の内容の確認になります。要するに、令和3年度は、たまたま分母に当たる指定手続が完了した事案がなかったから、該当なしという結果になってしまったという理解でよろしいのでしょうか。
○生活衛生・食品安全企画課
そうです。おっしゃるとおりで、令和3年度は指定手続が終わったものが0だったということです。
その周辺状況を申し上げると、令和3年度で初めて食品安全委員会から評価を受け取ったのが10月5日ですので、令和3年度途中は、それ以降は5品目を受け取っているのですが、そのうち令和3年度中に評価が終了したものが0ですので、分母が0になっているというように御理解いただければと思います。
○大西委員
1年以内に指定手続を完了したというアウトカムの指標で、目標値とか実績値を設けている以上、たまたまこの令和3年度のような該当なしという結構はやむを得ないのかもしれませんけれども、ただ、さはさりながら、指定手続が滞りなく、こういうイレギュラーな事態が生じた年度でも、進んでいるかということを判定するためのアウトカムになるのか、アウトプットになるのか分かりませんけれども、例えば食品安全委員会に評価を終えた件数の割合とか、どういう指標を取ればいいのか分かりませんけれども、そういう処理状況を把握するための参考指標は、今回のようなイレギュラーな事態が生じた年度でも、あったほうがいいのではないかと感じました。
○生活衛生・食品安全企画課
おっしゃったように、国民の皆さんにも、ちゃんと仕事をしているかということを説明するときに、周辺状況を丁寧にお伝えするというのは非常に大事ですけれども、それだけではなくて、何かこういうことが現に起きておりますので、そういうときにサブな指標がいいのか、活動内容、あるいは10月以降に5品目を受け取っていますので、それについて何か数値として示すのがいいのか、今回の件はレアケースだと思いますが、今後も起きないとも限りませんので、どういった指標をどういう形でお示ししたほうがいいのかというのは、検討課題かなと思っております。
○大西委員
そうですね、必ずしも定量的な指標を何が何でも代替指標として設定するというのではなくても、担当課から御説明いただいたような、補足の現状説明のようなものがあれば、該当なしというアウトカムの指標の結果を過大視するような解釈は避けられるかと思いますので、その辺りについて、所管課として工夫を御検討いただければと思います。
○印南座長
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで議論を終了したいと思います。担当課におかれましては、本日の議論を踏まえて、実績評価書へ反映をお願いしたいと思います。
○生活衛生・食品安全企画課
承知しました。ありがとうございました。
○印南座長
次のテーマに移ります 続きまして、「施策番号Ⅱ-2-1、安全で質が高く災害に強い持続的な水道を確保すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○水道課
水道課でございます。よろしくお願いいたします。4、5、6ページに概要を記載しておりますので、説明させていただきます。4ページに、実績評価書のつくりについて書いてありますが、目標としては、安全で質が高く、災害に強い持続的な水道を確保することです。これが3つのコンポーネントからなっておりまして、安全について、1.で書いてありますが、現在、水道の普及率が全国的に98.1%となっています。安全性については、WHОから「水安全計画」の策定を提唱されていて、厚生労働省のほうでも、「水安全計画の作成支援ツールの簡易版」を公表して、取組を支援しています。
測定指標につきましては、列の一番下を御覧いただくと、1つは地域水道ビジョンという、それぞれの地域での水道事業の先行きを決めていただくということで、ビジョンの策定を依頼しているのですが、それが1つ。もう1つは、2の所に書いてある水質基準の適合率で、水道については水道法で、水質基準を守るようにとなっておりますので、その適合率というのを付けています。3で、水安全計画の策定率を挙げております。
横の列に行って、2.で、老朽化の進行と耐震化の遅れです。耐用年数を超えた水道管路ですが、令和元年度で19.1%と、2割ぐらいが耐用年数を超えています。その下に更新率が書いてありますが、令和元年度で0.67%です。全体で73万kmぐらいあるのですが、更新延長が約5,000kmです。こういうことを踏まえて、測定指標としては、その下の4と5で書いておりますが、5では基幹管路の耐震適合率を指標にしております。それから、持続性の所ですが、その右のカラムで、水道事業者の経営基盤です。水道事業者は全国に4,300ぐらいありますが、ほとんどの所が小規模で、職員も少なく、資金も十分確保できていません。指標については、下を見ていただくと、6~10の指標を挙げておりますが、例えば7では、広域連携に取り組む市町村数とか、8では、デジタル化の推進に関する事項を盛り込んだ水道広域化推進プランを策定した都道府県数を挙げています。
5ページです。上のほうの3分の1の所で、総合判定を挙げております。それぞれの指標について、どういう評価であるか、それから、右のほうには総合判定も書いております。下の3分の2の所で分析を書いておりますが、有効性の評価として、水の安全性の確保の所、水質基準適合率、毎年度100%を維持していますが、水安全計画については、状況はもう少し悪いということです。
それから、達成目標2、災害に強い水道の確保ということですが、指標5の、基幹管路の耐震適合率、令和2年度時点で40.7%と、耐震化が進んでいない状況です。それから、達成目標3、持続性の確保で、それぞれの状況について記載しておりますが、達成目標3の2つ目のポツの所で、文言に少し修正があります。冒頭の所、水道事業ビジョン(地域水道ビジョン)と書いておりますが、ここの所が地域水道ビジョン(水道事業ビジョン+都道府県水道ビジョン)の誤りです。また、直近の実績値が83.6となっておりますが、それが83.2の誤りです。これは、最終的には修正させていただきたいと考えております。
6ページです。施策の分析(効率性の評価)で、予算の執行率についての記載をしておりますが、執行率の改善に取り組んでいます。その下、施策の分析(現状分析)ですが、水質基準適合率については100%を堅持していくのと、水安全計画の策定促進の取組を継続します。それから、達成目標2についても、中小規模の水道事業者の耐震化状況が低いために、底上げをしていきたいと考えております。達成目標3、持続性の確保で、今、「広域連携等」という所で書いておりますが、令和4年度末までの「水道広域化推進プラン」の策定を都道府県に要請しています。そういった取組を今後も進めていきたいと考えております。説明については以上でございます。
○印南座長
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等があればお願いします。
○佐藤委員
産経新聞の佐藤です。よく分からないことが多くて、申し訳ないのですけども。そもそも執行率がこんなに低いのは、どうしたらいいのかと。施策の目標を立てる以前に、執行率の目標を立てなければいけないのか、みたいな数字だと思いますが、これについてどう考えていらっしゃるのか、どうしていくつもりなのか、お聞きしたいです。それが1つ、大きな質問です。小さい質問は、ロジックツリーだったかと思いますが、大きな2ポツ、老朽化している水道管の耐震化が遅れていることは、極めて大きな問題と認識しております。その具体的な目標が、指標5で基幹管路の耐震適合率になっているのですが、その中間の課題2を見ると、2が全管路について書かれていて、3が基幹管路について書かれていて、挙がっている目標が基幹管路だけなのですが、基幹管路の耐震適合率を上げると、全管路の耐震適合率も上がるということなのか、基幹管路の耐震適合率だけが指標として設定されているのはどういうことなのか、耐震適合率を上げていくための指標として、基幹管路の耐震適合率だけでいいのかどうかについて教えてください。
○水道課
ありがとうございます。執行率については、6ページの上のところ、「施策の分析」の「効率性の評価」で書いておりますが、地方自治体の厳しい財政状況や入札不調等により、計画どおりの執行とならない事例があるということでして、ここ数年、予算の中身と実際の執行の状況がずれていることが続いています。これに対して、事業者からのニーズの高い対策を支援する、補助のメニューとして、できるだけニーズの高いものにするといったことも含めて実施しております。要望等も精査をして予算要求につなげており、執行率の改善に取り組んでいます。恐らく本年度ぐらいから執行額が予算額にかなり近い状況になる見込みです。来年度か再来年度に本年度を振り返ったとき、かなりいい数字になるのではないかと見込んでおります。
それから、耐震化の状況についてですが、全管路と基幹管路は違います。根元に近くて、太くて、重要な所を基幹管路と言っておりますが、まずはそこの耐震率を上げることを目標にしています。ただ、何かあれば、地震等で水が噴くというのは、それ以外の所も同様ですが、ただ、細い所だと、その先につながる家の数とかが少ないので、影響は少なくなると、太い根元に近い部分が駄目になると、そこから先、全部に水が行かなくなるので、断水等が増えますので、まずは基幹管路の耐震化率を上げていくことを目標にしています。
○佐藤委員
ありがとうございます。大変力強いお言葉を頂きました。では、次年度以降の数値は楽しみにするということで、是非、達成できるように、指標5の基幹管路の耐震適合率についても決して高い実績値とは言えませんので、何か中間的な指標が作れるのであれば、それもまた有効かと思います。以上です。ありがとうございました。
○印南座長
ほかの先生方、いかがですか。田宮先生、お願いします。
○田宮委員
今、改善に向けたお言葉がありました。ちょっと聞き取れなかったところもあって。私は、耐震化がこんなに進んでいない、そして、担当している水道業者がこんなに零細で、原価割れをしながらやっていることに非常にショックを覚えております。私も公衆衛生医学系ですが、水というのは全ての基本で、健康の源ですので、水の供給が止まると、脱水や死亡にもつながるので、国を上げて整備しないといけない状況だと思いました。今、具体的な改善策についてお話をしてくださったようですが、是非これはかなり力を入れて改善していかないといけない。こんなに耐震化が進んでいないというのは、とても危ないと思いますので、是非力を入れて、零細企業の方をサポートして、それが水道広域化推進プランになるのでしょうか。中小企業は非常につらいながらやっていると思うので、現場の方たちがきちんと安心して、耐震工事に行けるような補助等も含めて、しっかりと進めていただきたいと思いました。コメントになります。
○水道課
ありがとうございます。まず、基盤の強化につきましては、平成30年に水道法の改正を行って、広域連携や官民連携も含むような基盤強化をしていく法改正がされています。こうしたものを踏まえて、広域化プランで、県が中心になって、県内の水道事業の広域的な連携とか、場合によっては統合とかを進めていく方向で、動いています。それによって、経営面もそうですし、零細で職員が数人しかいないとかいうところも、広域的に連携していくことでそれを補っていくということです。また、原価割れの所についても、自分の事業の施設の状況とか、台帳も整備して、どういう状況にあるかをしっかり見極めて、アセットマネジメントということで、今後、どれぐらいのお金がかかっていくのかも、シミュレーションしていただく取組を進めております。水道料金を簡単に上げることができないという状況であり、国としても、水道の置かれている状況について、国民、住民の皆様にお知らせしていくことで、どうすればよりよくなるかについては、しっかりサポートできるようなことをやっていきたいと思います。
○田宮委員
よろしくお願いします。
○印南座長
よろしいですか。ほかにありますか。それでは、本日の議論を踏まえて、担当課の皆様、実績評価書への反映をお願いします。ありがとうございました。
次のテーマに移りたいと思います。続いて、「施策番号Ⅱ-4-1 化学物質の適正な評価・管理を推進し、安全性を確保すること」について担当課から5分程度で説明をお願いします。
○医薬局
医薬生活衛生局化学物質安全室の大久保と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。それでは、これより御説明いたします。まず、施策の概要ですが、生活環境で使用されている化学物質について、化学物質による人の健康被害を防止する観点から、主に3つの法律に基づき次の施策を実施しております。
1つ目は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、通称「化審法」と呼んでいるものですが、こちらについては、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染防止を目的としたものとなっております。
もう1つは、毒物及び劇物取締法、通称「毒劇法」と呼んでおりますが、こちらについては、急性毒性による健康被害が発生するおそれが高いものを規制している法律です。
3つ目は、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律。通称「家庭用品規制法」と呼んでおりますが、有害物質を含有する家庭用品について必要な規制を実施する法律となっております。
それぞれについて、現状、課題、達成目標等について御説明いたします。1つ目の化審法関連です。化審法関連では、我が国で初めて製造・輸入される化学物質については、その安全性等を事前に審査・確認するとともに、環境を経由して人の健康を損なうおそれがある化学物質の製造・輸入及び使用規制する仕組みを設けております。この法律の制定以前から存在していた既存化学物質については、国による安全点検を行い、その結果を情報提供する等しております。
また、包括的な化学物質の管理を行うことを目的として、既存化学物質を含む全ての一般化学物質を一定数量以上製造・輸入した事業者に対して、毎年度その数量等を届け出る義務を課しています。更に、届出により把握した製造・輸入数量、その性状等を踏まえ、リスク評価を優先的に行う必要のある化学物質として、優先評価化学物質として指定しております。こちらの関連の達成目標として、化学物質の適正な評価・管理、規制等の適切な実施、環境への排出量の把握・管理を挙げております。測定指標として化学物質の安全性点検と安全性情報の公開物質数を挙げております。
2つ目の毒劇法です。毒劇法については、この法律に基づき、急性毒性作用がある化学物質を毒物又は劇物に指定し、これらの取扱事業者に対する規制を実施しております。その監視指導については、都道府県等に配置されている毒物劇物監視員が、毒物劇物営業者、特定毒物研究者及び業務上取扱者について、1登録・許可・届出状況、2製造・販売、取扱場所の状況、3譲渡・交付手続き、4表示の適否、5盗難紛失の防止措置、漏洩防止措置等の監視を行うとともに、貯蔵、運搬、廃棄に関する技術基準等を遵守するよう指導を行っております。
また、毒物及び劇物に関しては、毒物劇物営業者だけでなく、業務上取扱者の情報や毒劇物の事故情報等を管理する「毒物劇物営業者登録等システム」を構築しております。
達成目標として、毒物・劇物登録等の事務の迅速・効率化、毒劇物の取扱基準の作成とともに、効率的・効果的な監視指導の実施により、適正な管理を推進するとしております。
測定指標は設定しておりませんが、参考指標として、立入検査における改善率を設定しております。
3つ目は家庭用品規制法です。家庭用品に使用される化学物質による健康被害を防止するため、家庭用品規制法に基づき、有害物質を指定し、更に有害物質を含有する家庭用品について、その含有量等の規制基準を設定することにより家庭用品の安全性確保を図っております。家庭用品規制法に定められている有害物質の一部については、その試験法の見直しを検討しているところです。事業者には、商品が基準違反でないことを検査して市場に流通させる責務がありますが、家庭用品が市場に出た後は、都道府県等が家庭用品の試買等試験検査を行い、規制基準に適合しない家庭用品の販売等に対し監視・指導を行っております。その結果については、厚生労働省で取りまとめの上、都道府県等に情報提供を行っているほか、厚生労働省のホームページにも掲載しております。
達成目標として、規制基準の設定、監視指導の強化等、試験法の見直しの検討としております。測定指標は設定しておりませんが、参考指標として家庭用品試買等調査における違反率を設定しております。
令和3年度の実績評価です。指標1の化学物質の安全性点検については、達成率130%で、達成については◎、指標2の安全性情報の公開の達成率は30%で×としております。目標達成程度の度合の測定ですが、3(相当程度進展あり)としており、総合判定としてはB、達成に向けて進展ありとしております。
達成目標1の指標2が未達ですが、こちらの未達の要因としては、試験実施後から情報公開用の公開資料の作成に一定時間を要するため、指標1の目標に掲げております安全点検が前年度まで実施側の目標を下回る状況が続いていたことから、そちらの影響を受けて低い達成率となっております。指標1の安全性目標実施が未達であったことに関しては、試験実施施設のキャパシティ不足や多数の動物を使用する試験等の実施により、1件当たりの単価が上昇し予算額の制約といったものがあります。令和3年度に目標を大きく超過して達成したことの要因としては、比較的安価に実施可能な遺伝毒性試験を多数実施したことがあります。
達成目標2は毒劇法の関係ですが、参考指標について、立入検査における改善率を挙げております。こちらについては75%前後を維持しており、引き続き、適正な管理と販売の徹底を図ってまいりたいと考えております。
達成目標3についても、同様に参考指標ですが、試買等調査における違反率は極めて低い水準を維持しており、引き続き、試験法の改善のための検討等を行ってまいる予定です。少々時間を超過して恐縮ですが、説明は以上です。
○印南座長
ただいまの説明について、御意見、御質問等があればお願いいたします。大西先生お願いします。
○大西委員
御説明ありがとうございました。達成目標2、達成目標3については、測定指標をいずれも設定されずに参考指標のみの扱いですが、何らかのそれぞれの達成目標と関連性のある測定指標を設定することが困難であったのかどうかについて、担当課としての御見解をお伺いできればと思います。
○医薬局
御質問の点ですが、参考指標としておりますのは、測定可能なもので達成目標を測れる目標が、当時うまく立てられなかったことがあり、参考指標として、改善率や試買調査における違反率を参考指標として設定したものです。
○印南座長
大西先生、よろしいですか。
○大西委員
ありがとうございました。ただ、達成目標2や達成目標3を見ると、毒物・劇物の使用取扱基準作成、家庭用品の規制基準の設定等、必ずしも監視摘発件数に着目しなくとも、アウトプットなのか、アウトカムなのかよく分かりませんが、そのような前段階のところに着目して、何らかの測定指標を設定することは考えられなくはないのではないかとの感想を持ちました。そのような点から測定指標の設定の在り方について、御検討いただければと思います。
○医薬局
御指摘ありがとうございます。どういった形のもので測定できるかというところはありますが、アウトカムにこだわらなくてもというお話もいただきましたので、そういった点で何かアウトプット的なものでも、指標が今後設定できないか検討していきたいと考えております。
○印南座長
ほかに、佐藤先生、次いで田宮先生お願いします。
○佐藤委員
大西先生の問題意識と同じなのですが、目標値が出ていないと、この数字を見ても高いのか低いのかが分かりません。例えば、この達成目標2の76.8%が高いのか低いのかを考えたときに、4分の3しか改善されなかったということなのかと思うのですが、それは低いのではないかと思うのです。そうすると、限りなく100を目指すものなのか、その辺が分からないものですから、やはり何か指標とそれに伴い目標値を設定しないと何とも言えない。そのような分からない状態にしておくのは、そもそも評価に当たらないのではないかと思います。
同様に、指標4も0.04になっており、こちらは抽出調査の違反率ですよね。恐らく、限りなくゼロであることを目指すものなので、0.04は前年度よりも少し多いと見るべきなのか、何らか比較するものを示していただく必要があるのではないかと思います。以上です。
○医薬局
御指摘ありがとうございます。達成目標2の関連で、参考指標が大体4分の3というのが少し低いのではないかという御意見をいただきましたが、100にならない要因ですが、こちらは集計上、立入り後、年度末までに改善が確認できたところで区切っておりますので、改善に時間を要する場合は、どうしてもここに入ってこないという要素があります。場合によっては、事業者がその毒劇物の取扱いをやめてしまったので改善も何もないというケースもあると聞いております。100に近付かない要因としては、そういったところがあります。
指標4、達成目標3関連は、こちらはおっしゃるとおり、かなりゼロに近い値で推移しており、そういった関係で、件数が1件、2件増えると、そこで大分違反率が大きく動いてしまう。ただ、全体として見れば、非常に低い値を維持できておりますので、こちらについては良い状態を維持できていると考えております。
○佐藤委員
やはり、何らかの比較できるものを置くことを検討していただけないかということと、それができないということであれば、割合だけではなく実数も出していただくことも検討対象だと思いました。以上です。
○印南座長
よろしいですね。では、田宮先生お願いします。
○田宮委員
本当に今までの議論は、評価である以上、ある程度の何か目安は、是非、作っていただきたいと思っておりました。私が聞き逃したかもしれませんが指標2です。これが進んでいない理由が、検査のキャパシティという言葉も聞こえたように思うのですが、確認したいのは、公開物質数と書いてありますが、その安全性評価自体はもっとやっていても公開されていないのか、その安全性評価の点検自体、既存の化学物質については、非常にまだやれていないものが多いということなのか、この辺が結構この目標に比べて現実低いわけですよね。例えば、平成30年度は14物質できていたりしますので、どうして、このような目標よりも低い状況になっているのか、御説明があったようにも思いますが、ここは大事なことなのでもう一度確認してもよろしいですか。
○医薬局
御質問ありがとうございます。指標2の安全性情報の公開ですが、こちらについては、安全性の点検の結果を公開するということで進めておりますので、指標1と関係してくるのですが、その指標1に置いております化学物質の安全性点検を実施し、その結果を公開することでやっております。
令和3年については、令和2年度までの試験実施がうまくいっていなかったところがあり、その影響を受け、公開が低い数字にとどまっている状況です。ですので、令和4年度は、現在、実施中ですが、令和3年度に大分試験は行うことができましたので、令和4年度については目標を上回るような公開数を出せるものと考えております。
○田宮委員
分かりました。逆に、指標1の令和3年がこんなに増えたのはなぜですか。
○医薬局
化学物質試験については幾つかの種類があり、その中でも動物を多数使用するような試験が、令和2年度、令和元年度でなかなか進みにくかったところを踏まえ、令和3年度については、比較的簡便に実施できる遺伝毒性試験を中心に多数実施したことがあります。その結果、試験数としては大きく増えた状況です。
○田宮委員
それで済むものかどうか、レベルによっていろいろあると思います。大きいものをやらなければ安全性が評価できないものであれば、やらなければいけないと思います。増えた理由は分かりました。でも、是非、この辺も重要なので、やったものは公開するということで、指標1と指標2の関係は分かりました。令和3年が増えている事情も分かりましたが、本当にもっと大規模なことでないと評価ができないものであれば、それは簡便なものだけでなく、件数をただ、ただと言っては失礼ですが、簡便なものであれば件数は増えるわけですが、それで良いのかということも含めて、増えていることは良いことだと思いますが、それも公開につながるように、是非、お願いします。ありがとうございます。
○医薬局
ありがとうございます。
○印南座長
ほかに御意見等、宮﨑先生お願いします。
○宮﨑委員
私もこの毒物のところが少しよく分かっていないところもあるかもしれませんが質問します。いただいている資料の実績評価書の施策の分析のところに、登録・届出施設6万8,229とありますが、これはどのような内訳になるのですか。例えば、私は大学に所属していますが、大学も研究室によってはかなり毒物・劇物を所有しております。このような業者だけでなく、所有している施設も含まれるという理解でよろしいのですか。
○医薬局
こちらは登録届出施設ですので、製造・輸入・販売の施設が対象となっておりますので、そちらの数になります。
○宮﨑委員
やはり販売業者数ですよね。分かりました。この施策目標のカバーする範囲がどちらかというと、ボトルネックというか、そのような業者の監視・管理というところなのですかね。結局、そういった薬物を使用している末端のユーザーがいるのですが、そこは私の所属大学の例を見ると、いろいろな指針や要綱等、いろいろな規定を作って管理している状況ですが、そこは自己管理ということで、この施策のカバーする範囲が、そうした業者という理解でよろしいですか。
○医薬局
毒劇法は毒物・劇物の流通管理の側面の強い法律ですので、そういったところから届出登録対象が製造・輸入・販売という、それこそ、量をそれなりに扱うようなものを想定した所が中心となっております。
○宮﨑委員
分かりました。この流通の適切な管理というところで、これを評価しようということですね。そうすると、先ほどから話題になっている評価指標が、アウトカムは先ほどの食中毒ではありませんが、そのようなことになると事件性が絡むので難しいと思いながら、考えるとしたらアウトプットの指標ですかね。そのようなことを思ったり考えたりしました。コメントになってしまいますが以上です。
○印南座長
ほかにありますでしょうか。佐藤先生。
○佐藤委員
先ほど実数について申し上げましたが、実際にこの実績評価書の中で、達成目標3については実数が上がっていますが、平成29年度から令和3年度にかけては数字が大分下がってきていますが、これは何か理由があるのでしょうか。
○医薬局
こちらについて、数字が下がっている理由の1つにコロナの影響があると聞いております。こちらは自治体で行っている結果を挙げているものですが、コロナの影響で試買調査も多少の影響を受けて検査件数自体が下がっていると聞いております。
○佐藤委員
分かりました。ありがとうございました。
○印南座長
ほかはよろしいでしょうか。それでは、以上で議論は終わりにしたいと思います。担当課におかれましては、本日の議論を踏まえて、実績評価書に反映をしてください。ありがとうございました。
本日、予定しておりました議事は全て終了いたしました。本日は非常に熱心かつ有意義な御審議をいただき、ありがとうございます。それでは、事務局より本日の議論の取扱い
について説明をお願いします。
○肥沼室長補佐
本日いただいた御意見の取扱いですが、まず、実績評価書の記載に関する御指摘については、担当課において必要な修正をするとともに、評価書の該当欄に反映状況を記入いたします。また、この会議の場でお時間の関係で伝えきれなかった御意見等がございましたら、来週、9月1日の木曜日までに事務局まで御連絡をお願いいたします。
実績評価書については、当室で取りまとめの上、総務省への通知、また厚生労働省ホームページでの公表手続を進めたいと思います。また、併せて、皆様にも最終版をお送りいたします。また、今後の目標設定等に関する御指摘のうち、中長期的な検討課題となるものも幾つかございました。事務局で整理の上、担当部局に検討いただき、進捗状況を、次回、来年2月を予定しておりますが、ワーキングで皆様に御報告させていただきたいと思います。説明は以上です。
○印南座長
本日の議論は、5つ議事があったわけですが、目標設定に関するものに、結構、意見が出ており、1つは、これは事務局サイドの話かもしれませんが、単純に100%、120%という、そのような閾値で切れるものと、例えば、血液事業のようなものは、本当は需給ギャップですよね。ですので、需給ギャップが5%以内なのか、何%以内なのかということも、きっと、設定の仕方ではあり得るのではないかと、そうでないと、担当部局が少し困っているところがありましたので、それは、もう少し工夫の余地があるのかなと思います。
それから、なるべく、アウトカム指標の設定が望ましいのですが、それが今まで言い過ぎたのか、アウトカム指標を探して、それがないと、その後、何も書かないという、言い過ぎですが、アウトカムが一番望ましく、それがどうしても書けないような事情がある場合にはアウトプットあるいは実数等、そういったもので、全体としては、全員が政策を評価できるような指標を作っていただくことが、恐らく、担当課にはあったのではないかと思います。
ほかに何か御意見があれば、ただいま事務局から御説明があったとおり、9月1日までによろしくお願いいたします。少し時間をオーバーしましたが、以上をもちまして本日の会議は終了といたします。どうもお疲れさまでした。
【会議後の提出意見】
座長の指示のとおり、会議時間の制約により、会議の場で発言できなかった意見については、事務局宛に提出されることとなっていたところ。田宮委員より意見提出があったことから、議事録として以下のとおり公表する。
「施策番号Ⅰ-8-1、健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内需給、適正使用を推進し、安全性の向上を図ること」について
献血について、10代にいかに伝えるかについて、保健体育の教科書に盛り込むことも有効ではないか。
「施策番号Ⅱ-2-1、安全で質が高く災害に強い持続的な水道を確保すること」について
水道料金について、所得によって、傾斜配分の料金になっているのか。ライフラインであるため、整備は必須であると考える。