第347回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2022年(令和4年)8月24日(水) 15時00分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
労働基準局第1会議室(16階)

出席者

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員

議題

  1. (1)労働者派遣法第30 条の4第1項第2号イに係る通知について(公開)
  2. (2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  3. (3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容
○山川部会長 それでは、ただいまから「第347回労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は労働者代表の相羽委員、奈良委員が所用により御欠席とのことです。それから原委員、松浦委員、小野委員、冨髙委員、田尻委員がオンラインでの参加となっております。本日は議題(1)「労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知について」をまず御議論いただきます。その後、許可の諮問に係る審査を行います。このうち、許可の諮問に係る審査につきましては、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するということで、非公開になっております。
 では、議事に入りますのでカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。議題(1)「労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知について」、事務局から説明をお願いします。
○村上補佐 失礼いたします。事務局の村上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。早速ではありますが、資料の2ページ目の「派遣労働者の同一労働同一賃金【概要】」を御覧いただきますようお願いいたします。派遣労働者の同一労働同一賃金につきましては、令和2年4月から施行されておりまして、派遣労働者の公正な待遇確保のため、資料の左にあります「派遣先均等・均衡方式」と、右にあります「労使協定方式」から待遇決定方式を選択していただく必要があります。
 派遣先均等・均衡方式とは、派遣先での正社員との待遇について均等・均衡の待遇を確保していただくものです。労使協定方式とは、派遣元で労使協定を締結しまして、その協定に基づいて派遣労働者の待遇を確保していただくもので、労使協定で定めるべき内容は法令において定められています。特に赤で囲んでおります賃金の決定方法につきましては、一般労働者の賃金額と同等以上とすることとされております。もう1つ赤で囲んでおります箇所のとおりですが、この一般労働者の賃金額の水準につきましては、賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計を活用し、いわゆる一般賃金水準として毎年度公表しているところです。これが今回御報告する内容となります。
 次に、待遇決定方式の状況について御説明させていただきますので、3ページを御覧ください。資料のとおり「派遣先均等・均衡方式」を選択している事業所につきましては、約1割。「労使協定方式」を選択している事業所は約9割の状況です。また、労使協定の締結主体は「過半数代表者」が9割以上。労使協定の有効期間につきましては「1年」が7割という結果です。
 次に4ページ目を御覧ください。当課では毎年度労働者派遣事業報告書に添付をしております「労使協定書」に記載されている賃金額につきまして、サンプル調査として集計し公表しております。こちらの資料につきましては、昨年12月に公表しました令和3年度の集計結果から主要な職種を抜粋したものであり、例えば、真ん中の表の一番上ですが、情報処理・通信技術者の平均額が1350円と令和2年度の1344円を上回っているなど、掲載した主要3職種につきましては、労使協定書に記載されている賃金額の上昇が見られるところです。なお、この賃金額は労使協定書に記載されている金額を集計したものでして、実際に派遣労働者に支払われている賃金額の集計結果ではない旨、御留意いただければと思います。また、この表の最も右の欄ですが、職業安定業務統計と賃金構造基本統計調査の使用割合を記載しておりますが、職業安定業務統計の使用割合は情報処理・通信技術者では76%、一般事務員では100%、製品製造・加工処理では89%と、多くが職業安定業務統計の職種を選択している状況です。
 5ページ目を御覧ください。これまで説明をさせていただきました資料3ページと4ページにつきましては、待遇決定方式の選択状況や労使協定書に記載されている金額の状況など、制度の枠組みへの対応状況を示すもので、派遣労働者の実際の賃金の支払いの状況を示しているものではありません。これから御説明します5ページ目の資料につきましては、派遣労働者の同一労働同一賃金が施行された令和2年4月以降の派遣労働者の待遇改善の状況につきまして、当課で行っているサンプル調査などでは把握できない実際に支払われている賃金額や各種手当の適用の状況などを示した資料です。出典は本部会の小野委員が中心に分析、執筆されましたJILPTの「派遣労働をめぐる政策効果の実証分析」です。この調査につきましては、労働者派遣事業開始から2年以上たった派遣元事業所を対象としたものです。法施行後の派遣労働者の賃金につきましては、約半数の事業所で賃金が増えたと回答。また、派遣労働者の賃金が上昇した割合を待遇決定方式別で見ますと、「派遣先均等・均衡方式」を選択した事業所が48.6%、「労使協定方式」を選択した事業所が50.9%、「2方式を併用」している事業所は79.6%となっております。各種手当の適用割合につきましては、法施行後は上昇していることが確認できます。ここまでが派遣労働者の同一労働同一賃金の施行状況の説明です。
 次が「令和5年度に適用する一般賃金水準について」です。7ページ目を御覧ください。この資料につきましては、令和5年度の一般賃金水準のうち、一般基本給・賞与等について、職業安定業務統計を活用した一般賃金水準と、賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準の産業・職業計の賃金額を記載しています。産業・職業計では職業安定業務統計を活用した一般賃金水準は1,196円で、前年度からプラス9円。賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準は1,265円で、前年度からマイナス20円でした。資料にもありますが、労使協定方式を選択している事業所のうち、9割以上が職業安定業務統計を活用した一般賃金水準を選択している状況です。
また、資料の下ですが、(参考)一般賃金水準の仕組みのとおり、令和5年度の一般賃金水準につきましては、直近の令和3年度、又は令和3年の職業安定業務統計及び賃金構造基本統計調査をもとに算出したところです。
 次に8ページを御覧ください。「一般賃金水準に用いる各指数等の更新」について、説明をさせていただきます。1の賞与指数につきましては、令和5年度適用は令和4年度適用と同数の0.02。能力・経験調整指数につきましては、全ての年数において令和4年度適用よりも上がっております。学歴計初任給との調整につきましては、12.7%から12.4%に変更。一般通勤手当につきましては、令和4年度適用と同額の71円。退職手当に関する調査につきましては、局長通達で示している5つの調査のうち、3つの更新を行う予定です。退職金割合につきましては、6%が5%と変更になります。
次に9ページ目を御覧いただければと思います。「【今後の予定】厚生労働省編職業分類の改定による影響」について、説明をさせていただきます。この厚生労働省編職業分類とは、職業安定法第15条に基づき、労働力需給調整機関において共通して使用するものとして作成されたものでありますが、前回の改定が平成23年と10年以上経過しており、この間の産業構造等の変化に伴い乖離が生じている分野もあるため、令和4年4月に改定されたものです。
 一般賃金水準として活用しております「職業安定業務統計」では、この職業分類をもとに分類分けをしているため、今後影響が生じるところです。具体的に影響が生じる時期につきましては、令和5年度分から新しい職業分類での集計が可能となる見込みと聞いているため、早ければ令和6年度に発出、公表する令和7年度の適用分から変更が生じる可能性があります。
 最後に10ページ目です。「派遣労働者の同一労働同一賃金に関する報告等に係るスケジュール」です。本日の部会報告後9月上旬までには一般賃金水準に係る局長通達を発出、公表したいと考えております。この発出を踏まえ、今後派遣元事業主様は来年度の労使協定に係る手続きを進めていただくことになります。また、今年度もサンプル調査を予定しておりまして、1月までには労使協定書の職業別賃金水準などを集計し、派遣元の労使交渉や派遣先の契約交渉の参考資料となるようお示しできればと考えております。その後、年度末には労働者派遣事業報告書の正式な集計結果が公表され、協定対象派遣労働者数などが公表されることとなります。以上が一般賃金水準に係る説明となります。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関しまして御質問等がありましたらお願いいたします。Zoomで御参加の方は挙手をしていただくか、あるいはZoomの手を挙げる機能をお使いいただければと思います。では画面で、冨髙委員お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。令和5年度に適用する一般の賃金水準について、資料4ページに、中央値が一般賃金水準をある程度上回っている職種が示されております。厚労省のHPに掲載されている労使協定書の賃金等の記載状況等を見ますと、一般賃金水準と中央値が1円しか違わないような、一般賃金水準が労使協定方式における最低賃金のようになっている職種も見受けられます。一般賃金水準を示していただく際には、最大値も併せて示していただくなど、行政としても派遣労働者の処遇の改善につながるような取り組みをお願いしたいと考えております。
 それから、8ページで指数の更新についてご説明いただいています。職業安定業務統計などに基づけば、この指数自体に上がり下がりは生ずるものの、結果的には労使が協議をして結論付けるということだと考えています。労使協定において前年度定めた賃金を下げるということは、労働条件の不利益変更に当たる場合があることも是非周知徹底いただきたいと思います。先ほど申し上げたように、同一労働同一賃金に関する法整備は、派遣労働者の処遇の改善のための施策ですので、処遇の改善につながるような周知の仕方や対応を是非お願いしたいと思いますし、指導も含めて徹底いただきたいと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。御要望と思いますが、事務局から何かありますか。
○村上補佐 事務局です。賃金水準についてはやはり下がっている職種もありますが、賃金の引下げを目的に、統計を使い分けたり変更することは認めておりません。後は、先ほど委員からもありましたが、不利益が生じる場合もありますので、今回局長通達の中にはその旨、例えば、労働契約法の関係で問題が出てくるということも追記をさせていただきながら、そのようなことがないように徹底させていただきたいと考えております。
 あと最大値については、今までの通達の中にも記載をさせていただいております。今回も同様に最大値も書かせていただきまして、きちんと確認ができるような形にさせていただこうと思っております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。冨髙委員、特に何かありますでしょうか。
○冨髙委員 大丈夫です。
○山川部会長 ありがとうございます。では、会場で先ほど永井委員から挙手がありましたか。
○永井委員 ありがとうございます。私のほうからも5ページ目の待遇改善の状況について2点申し上げたいと思っております。
 派遣労働者に係る同一労働同一賃金の法規定が施行された後、手当中心ではありますが、一定の効果が出ているものと考えております。5ページの真ん中の右の所の賃金全体の状況を見ると、「増えた」「かなり増えた」と回答している割合の記載があります。2方式併用については、「労使協定方式」、「派遣先均等・均衡方式」と比べると、賃金が増えたという割合が8割と高くなっています。これについて母数が少ないことが背景にもあるのかもしれませんが、何か理由を把握されていればお伺いしたいと思います。
 もう1点は意見になりますが、私たち連合傘下の労働組合でも労使協定方式に基づく協定を締結する際には、一般賃金水準を上回る賃金額を協定で定めるといったことはもちろんのこと、派遣労働者を受け入れる派遣先の組合においても、有期雇用の派遣労働者にはパート・有期法も適用されるということも踏まえ、派遣先の社員と不合理な待遇差がないように取り組んでいるところです。一般賃金水準を上回っていればそれでよいということではなく、パート・有期法も適用されるということも行政としてしっかり周知していただき、一刻も早く不合理な格差の是正につながるように努めていただきたいと思っております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。御質問も含まれておりますので、事務局からいかがでしょうか。
○篠崎課長 需給調整事業課長篠崎です。併用方式の所で御質問がありました。JILPTの報告書の中でも触れられているところではありますが、そちらは労使協定方式という問題で手続的にはいろいろ踏まえなければならないところがあります。また、2方式併用というのは労使協定方式に加えて派先均衡方式も併せてやるということでは、制度をよく熟知できるような派遣元事業所が多いということもあって、結果的にそういう賃金のアップとかが積極的になるのではないか、ということがうかがえるような形かと思っております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。永井委員、よろしいですか。
○永井委員 ありがとうございました。
○小野委員 よろしいですか。
○山川部会長 小野委員どうぞ。
○小野委員 すみません、私がまとめたものなので、少し補足してお伝えさせていただければと思います。永井委員がおっしゃったように、まず、この2方式併用している事業所のサンプルというのがほかに比べてかなり少なくなっているというのは事実としてあります。ですので、それが影響しているかもしれません。また、調査の結果から見ると、比較的派遣労働者数が少ない事業所で2方式で併用しているというような状況であるようですね。デメリットを聞いている設問項目があるのですけれども、この2方式併用の事業所では、手続が面倒くさいという比率が高くなっているというのもあります。やはり2方式併用するとかなり事業所の負担は大きくなるであろうということは想像されるところでありました。以上です。補足でした。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに会場で先ほど...佐久間委員どうぞ。
○佐久間委員 ありがとうございます。働き方改革の関係で、同一労働同一賃金や均等・均衡待遇など、派遣労働者に対しても適用することで、本制度ができて3回目を迎えるわけです。この派遣先事業者の均等・均衡方式、派遣元事業者の労使協定方式、いずれかを使っていくのか、推移を見てきたところでありますが、「労使協定方式」を採り、また、「職業安定業務統計」のほうを使用している事業者が多いということで、傾向がはっきりしてきたのではないかと思っています。この金額をどちらにしても「派遣労働者の最低賃金」的に見ていくことになりますので、8月1日に中央最低賃金審議会から最低賃金の目安額が決定されたばかりですけれども、この差額は使用者側にとっても結構、負担になるところもありますので、統計の数値も厳しく精査していただきたいと思います。あと1点、質問ですが、7ページのところに職業安定業務統計の職業計、これは1,196円と記載されています。昨年度より金額が上がる職種と下がる職種があると思います。また、賃金構造基本統計調査においても、昨年度より上がる職種が57職種、下がる職種が65職種ということで、この職種が職業安定業務統計のほうが多い。確か450ぐらいの職種があって、賃金構造基本統計調査のほうは大体145程度ですかね、そのくらいの職種があったと思います。この職種は両統計ともに明記されている職種があると思われますので、両方とも上がる職種、又は一方では上がっただけど、一方では下がった職種について把握していればご教示をお願いします。
○山川部会長 事務局からお願いします。
○村上補佐 事務局です。両統計間で賃金水準が異なる動きをしていますが、賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準で前年度との差がマイナスで、職業安定業務統計を活用した一般賃金水準の前年度との差がプラスになったということで、異なる動きをしているものとしては医師などの職種があります。逆に賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準で前年度との差がプラスで、職業安定業務統計を活用した一般賃金水準で前年度との差がマイナスとなった職種としては理・美容師などがありました。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。佐久間委員、よろしいでしょうか。
○佐久間委員 ありがとうございます。医師は結構高い額で、最高位ではないかと思うのですけれども。理・美容業では、いずれの統計数値を使用するのか、金額の推移により、変わるのではないかと思われます。少し安価になったから、もう一方の統計数値を使おうとか、そのような傾向が出てくるとか、または、金額の高低により事業者が使い分けているような話を聞いたことがありますでしょうか。
○村上補佐 事務局です。先ほども少しご説明をさせていただきましたが、統計間の使い分け、例えば下がったこと、賃金額を下げることを目的に統計を変えるなどは認めておりません。今回、局長通達にもその旨を記載させていただくというのと、先ほどもありましたが、労働契約法との関係においても問題になることもありますので、そういうところも記載をさせていただきまして、不利益にならないような形、通達に書きつつ、周知徹底をさせていただきたいと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ありますでしょうか。平田委員どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。2つありまして、まず単純な質問です。7ページの所で職業安定業務統計を活用した一般賃金水準は、合計だとプラス9円となっているところ、下がっている職種が76もあります。答えられる範囲で構いませんので、何か典型的な職種を把握しているのであれば教えてください。それから、もう1つコメントです。5ページ目の所で、先ほど永井委員からも御指摘がありましたが、法施行前と比べると程度の差はあるのでしょうけれども、賃金が増えたとする回答が4割を超え、各種手当の適用割合も増えており、待遇改改善が着実に進んでいると理解しています。引き続き派遣元事業主による同一労働同一賃金への対応や待遇改善などを通じて、派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間の不合理な待遇差の解消が更に進展していくことが望ましいと思っております。経団連としても、その必要性については周知に努めていきたいと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。7ページ目に関して御質問がありましたので、事務局からどうぞ。
○村上補佐 事務局です。まず、職業安定業務統計で賃金水準が特に下がった職種については、例えばダム・トンネル作業員、あと金融・保険専門職、中学校の教員、学芸員などがあります。もう1つの賃金構造基本統計調査の中で下がった職種の主なものですが、先ほど御説明した医師、あとは管理的職業従事者、あと、はん用・生産用・業務用機器・電気機械器具整備・修理事業者、あとは居住施設・ビル等管理人等があります。以上です。
○山川部会長 平田委員、特段何かありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに御質問、御意見はありますか。それでは、ないようでしたら今日は御報告ということで、先ほど説明があったようなスケジュールが今後予定されております。ほかにありませんでしたら公開の議題はここまでとさせていただきます。