2022年7月25日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第27回) 議事録

日時

令和4年7月25日(月)13:00~14:19

場所

労働委員会会館講堂(7階)

出席者

真野主査、五十嵐構成員、石井構成員、石渡構成員、河村構成員、田宮構成員、名里構成員、松原構成員、三田構成員

議事

議事内容

○事務局
 それでは定刻になりましたので、ただいまから「第27回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGを開催させていただきます。事務局の政策立案評価担当参事官室室長補佐の工藤でございます。よろしくお願いいたします。構成員の皆様におかれましては、本日大変お暑い中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 まず、新任の構成員を御紹介させていただきます。和歌山県立医科大学薬学部教授の太田茂先生、そして筑波大学医学医療系ヘルスリサーチ分野教授/ヘルスサービス開発研究センター長の田宮菜奈子先生に構成員として御就任いただいております。なお、太田先生におかれましては、医薬品医療機器総合機構の運営協議会委員に就いている関係から、本日の会議は不参加となっております。田宮先生、ここで簡単に御挨拶をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。一言御挨拶を頂きたいと思います。

○田宮構成員
 筑波大学の田宮でございます。ヘルスサービスリサーチというのは、医療とか保険とか介護を含めた全体のシステムの評価をする学問で、一応専門にしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局
 ありがとうございました。それでは、本日の出席状況について御報告いたします。本日は、五十嵐構成員、石渡構成員、田宮構成員、名里構成員、松原構成員、三田構成員がオンラインでの御参加となっております。ここで、担当参事官の山田より御挨拶を申し上げます。

○政策立案・評価担当参事官室参事官
 皆様、お疲れさまでございます。山田と申します。昨年9月に参事官に着任いたしました。本日は厚生労働省の独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGにお集まりいただきましてありがとうございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局
 続きまして、本日の議事について御説明いたします。本日の資料に関してですが、会場に御参集いただきました皆様におかれましては、お手元のタブレットに収納しておりますので、そちらを御確認いただければと思います。オンラインの先生方には、既に御送付させていただいているかと思います。なお、参考資料の3と4にお示している本年3月2日付けで改定されました総務大臣決定の指針につきましては、昨年の秋にデジタル庁の発足に伴う所要の改正がなされたものです。改めて、この場をお借りして事務局より御報告申し上げます。
 本日の議題は、「医薬品医療機器総合機構の令和3年度業務実績評価」に関する意見聴取を行うこととなっております。法人から各評価項目における評定の根拠につきまして重点的に説明をいたしますので、評価の内容を中心に皆様方から御意見、御質問をいただきたいと存じます。
ここで、傍聴の方に御連連絡です。本日の会議の撮影に関しては、「頭撮り可」とさせていただいているところですが、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。また、マイクを使用して発言する際の御注意ですが、できるだけマイクは口元に持っていただいて、顔とちょうど90度になるように御発言いただきますと音が拾いやすい形になりますので、御協力のほどお願いいたします。この後の進行は、当ワーキンググループの主査であります真野先生にお願いしたいと思います。それでは真野先生、よろしくお願いいたします。

○真野主査
 よろしくお願いいたします。構成のメンバーが少し代わったので、また引き続きよろしくお願いいたします。松原構成員が少し遅れておりますが、始めていきたいと思います。

○真野主査
 本日は、1時間半ほどを予定しておりますので、円滑に進めていくようによろしくお願いします。先ほど事務局から説明がありましたが、特に御質問はないですか。では早速、議事に入っていきたいと思います。今日は「令和3年度業務実績評価」に関わる意見から始めていきたいと思います。最初に法人のほうから、「法人の業務概要」及び「自己評価」について御説明いただいて、その2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。まず、法人のほうから、業務概要及び自己評価について御説明をお願いいたします。20分ほどでお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構岸本執行役員
 では、経営企画部門担当の執行役員の岸本から御説明申し上げたいと思います。資料2-1を御覧ください。
 まず、法人の概要について御説明申し上げます。3ページを御覧ください。4番の所に記載がありますとおり、我々の医薬品医療機器総合機構には3大業務がございます。第1に、副作用・感染による健康被害の救済、次に、医薬品等の有効性・安全性・品質の審査、3つ目に、医薬品等の安全対策という柱の業務を行うことにより、3番の目的の所にありますとおり、国民保健の向上に資することを目的とした組織です。
 続きまして、5ページを御覧ください。これは、我々PMDAの人員体制の変化、推移でございます。約20年前、平成16年に発足した当時は250人程度でしたが、令和4年4月時点で約4倍の1,000人を超えるところまで、計画的に体制の強化を図ってきております。
 2ページに戻ります。ここに列挙されているのが、実績評価(自己評価)の項目です。1-1と1-2が、先ほどの3大業務の1つ目の救済給付関係の業務です。そして、1-3が審査、1-4が安全対策、2-1はガバナンス関係ということになっております。令和2年度の評価は、昨年度厚生労働省から頂いた評価になっており、一番右が令和3年度の自己評価となっております。これから自己評価の根拠について御説明してまいります。
 資料6ページを御覧ください。評価項目1-1 健康被害救済業務です。自己評価はAとさせていただいております。Ⅰ 中間目標の内容としては、救済制度に関する広報及び情報提供や、請求事案の迅速な処理ということとなっております。指標としては、請求から支給・不支給決定までの事務処理期間6か月以内の処理件数を60%以上として指標を設定しており、これについては実績83.2%と、達成度は100%を超えております。
 要因分析の所ですが、昨年度(令和3年度)は、120%を大きく超える過去最高の達成度となっております。1つの要因としては、ここ3、4年の平均と比べて1割弱(7%程度)請求件数が少なかったこともありますが、主には実質的な調査に着手するまでの間に、初期の段階で症例経過概要表を作成しますが、そこに集中的に人員を投入することによりアイドルタイムを短縮したり、テレワーク下で業務を処理できるシステムの整備を行ったことにより、順調に事務を処理できたと考えております。
 続きまして、7ページを御覧ください。7ページは、評定の根拠です。1つ目は、救済制度の広報及び情報提供の拡充です。まず、医療関係者向けについては、eラーニング講座の一層の周知と受講を促す取組を実施しております。また、一般国民に向けては、インターネット広報に注力することで特設サイトへの誘導を図っております。特設サイトへのアクセス数は、昨年度よりも年間で20万件弱増えて70万件強のアクセス数となっております。また、委託業者の登録モニターに対して実施していただいております認知度調査におきまして、令和3年度は一般国民の認知度33.8%で、過去最高となっております。
 2つ目は、請求事案に対する調査の適切な実施です。情報が不足しているものにつきましては、医療機関に追加の資料の提供を求めるなどして適切に実施し、年間処理件数として支給・不支給の決定は1,450件でした。
 一番下に書いていますが、救済制度がまだ十分に認知されていない部分があり、十分に救済しきれていない部分が制度的にあるのではないかという問題意識から検討会を行ってきております。本年3月に、とりまとめが行われております。ここでは、申請の請求の際に、医療関係者の書類が必要になるのですが、なかなか医療関係者の協力が得づらい等々の課題が上げられておりますので、この請求業務の書類の合理化、簡素化、更なる関係者への周知などの課題が上げられておりますので、今その対応について検討しているところです。
 続きまして8ページ、項目1-2 スモン患者等に対する給付業務です。自己評価はBとしております。これはスモン患者の方々や血液製剤によるHIVの感染者の方々等に対して給付業務を行っているものです。これにつきましては、委託契約に基づき、適切に実施しているということで、Bとしております。
 続きまして9ページ、審査業務関係について御説明いたします。自己評価はSとしております。Ⅰにありますとおり内容としましては、医薬品・医療機器等の迅速かつ適切な審査の実施、また国際化の推進を内容としております。
 10ページを御覧ください。ここから指標が30ぐらい並んでおりますが、これは医薬品・医療機器等の製品の区分、医薬品についても新薬とジェネリック、新薬の中でも優先品目、通常品目等々、区分ごとに細かく指標を設定している関係で、数が非常に多くなっております。例えば一番目の「新医薬品(優先品目)の総審査期間について説明いたしますと、指標は80%タイルで9か月になっており、実績値は80%タイル8.5か月です。全体件数56件につきまして9か月を達成している件数は53件です。80%タイルで言いますと、56品目のうち44.8品目目になりますので、9か月を達成している53件を44.8で割り、達成度は118.3%としております。以下、項目が多くありますが、基本的に同じような考え方で評価しており、全てにおいて100%を達成しております。
 14ページの評価の指標の一番下を御覧ください。これは国際化関係の指標になっております。我々アジア諸国の規制当局の担当者向けに、トレーニングセミナーを実施しております。それを受講した方々の満足度を評価しており、これにつきましても100%以上ということで達成しております。
 続きまして、15ページを御覧ください。目標値が120%以上になっているところが多いわけですが、その要因分析です。「審査期間等」の所につきましては、先ほど御説明しましたとおり、28の指標があり、そのうち17の指標について2年連続で達成度が120%を超えております。これは、おおむね総審査機関で設定しておりますので、我々PMDA側の迅速な審査と、審査の過程で企業側に追加データ等を求めることもあるのですが、企業側にもそれに対して適切に対応してもらって、双方の努力の結果、この指標をクリアできている状況です。120%を超える指標が多いのは事実ですが、今現在、コロナの関係の製品の審査が集中しているとか、また指標の見直しに当たっては、今申し上げましたとおり、我々だけの事情だけではなくて企業側の事情もありますので、相談しながら設定していく必要があるということで、今直ちに目標を見直すのではなく、次の中期計画に向けての検討課題と考えております。
 下の「セミナー受講の満足度」についても、今はコロナ禍ということで、対面形式でのセミナーの開催が困難となっております。これは、原則ワークショップとか対面でやるのが原則でしたが、今現在は、eラーニングやテレビ会議を使って暫定的な開催になっております。このような開催方式の下でも高い満足度は得ているわけですが、目標設定の指標の在り方を検討するに際しては、対面形式に戻ったところで検討するのが妥当だと考えております。

○真野主査
 すみませんが、今回は新任の先生からもいろいろ質問が出るかもしれないので、少し早めにお願いします。

○医薬品医療機器総合機構岸本執行役員
 分かりました。では、続きまして16ページ、「評定の根拠」です。一番上は、新型コロナウイルス関連製品の関係の承認審査です。17ページに一覧で示しておりますが、医薬品、医療機器等々、それぞれの区分ごとに、これだけの件数を承認しております。一番下にありますとおり、戦略相談としても186件実施しているところです。16ページの一番下ですが、多国間交渉・会議におきまして、我々は副議長、共同議長という立場から、COVID-19に関する複数のステートメントの作成等の活動をリードしているところです。
以上、通常業務に加えて、引き続き新型コロナウイルス感染症対策の取組を進めたということで、S評価とさせていただいております。
 続きまして、18ページを御覧ください。1-4 安全対策業務で、自己評価はSとしております。Ⅰにありますとおり、内容としましては、副作用・不具合情報の適切な収集・整理・評価、また、医療関係者や患者等への安全性情報の提供と安全対策措置のフォローアップといったものが内容です。
 19ページは、指標、目標が4つあります。情報提供関係で、全て達成度100%以上となっております。
 20ページを御覧ください。特に下ですが、新型コロナワクチンの副反応疑い報告の受付、専門家による評価、頻回開催の審議会への報告です。例年の医療関係者からのワクチンの副反応疑い報告の受付件数は約1,000件となっておりますが、令和3年度は、これに加えまして新型コロナワクチン副反応疑い報告だけで約3万件を受け付けております。
 資料21ページを御覧ください。見ていただければ分かりますとおり、医療関係者からの副作用等報告は例年1万件程度となっているところ、令和3年度は4万件程度となっております。下の*にありますとおり、この中で新型コロナワクチンに係る報告が約3万件を占めており、そのうち約9割がFAXによる報告になっております。
 20ページにお戻りください。この受け付けた報告についてはPMDAが内容を確認し、情報について不足・不備がある場合には、医療機関に問い合わせて修正・追記等を行った後、厚労省に報告を行っております。また、死亡・重篤症例については専門家による個別症例評価も実施した上で取りまとめて厚労省に報告を行っております。例年は100件程度であることに対し、令和3年度は評価件数が延べ4万件となっております。こうした情報は、厚労省の審議会に報告されるわけですが、例年は年6回程度の開催であるところ、令和3年度は21回の開催があり、これに間に合うように、我々としても安全対策の報告を取りまとめて報告しております。
 以上、通常業務に加えまして、こうしたコロナワクチン対応の処理があり、それを適切に実施したということで、S評価とさせていただいております。
 最後に、25ページを御覧ください。ガバナンス関係です。自己評価はBとしております。Ⅰの内容の所にありますとおり、ガバナンス体制、人材の確保・育成、業務実績の定期的な開示と広報活動を内容としております。
 26ページを御覧ください。Ⅱ 指標としましては、広報関係のものになりますが、いずれも100%達成しております。Ⅲ 評定の根拠です。理事長が自ら、職員一人一人と個人面談を行っており、令和元年度以降、1人10分で約1,200人に実施しております。職員に向けて理事長メッセージとして、把握した問題点等の改善につきまして配信しております。また、理事長、監事と各部長以下の職員がフリーディスカッションをする機会を設けており、業務運営の方向性についての認識の共有を行っております。1回1時間で、29回開催し、約600人に対して実施しております。
 次に、昨年度、問題を御指摘いただきました役員の退職手当支給漏れの件です。我々は、これを重大事案として改めて認識し直しました。まずは、業務フローチャートを作成し、それを関係部署と共有しております。それにより、作業の流れ、責任の明確化を図って再発防止を図っております。現在、システム化を検討しており、これにより支給漏れを防止する仕組みについて検討を進めているところです。また、民間の人材を登用し、その方を中心に、業務プロセスの見直しを図る、いわゆるBPRの推進体制を整理し、取組を強化しております。更にリスク管理委員会の在り方を見直し、個別事案の原因分析、再発防止策の検討にとどまらず、構造的な問題を把握して将来発生し得るリスク事案に対応できる仕組みに改めております。我々からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。

○真野主査 
 ありがとうございました。それでは早速、質疑に入っていきたいと思います。今、法人から説明があった部分だけではなくて、委員の先生方が読まれて、何か他の質問というのも大丈夫ですけれども、オンラインの方も気を付けて見ておりますので、是非御質問ください。それでは、どうでしょうか。河村先生、お願いします。

○河村構成員
 御説明いただきましてありがとうございます。幾つか御質問させていただきたいと思います。全体として、やはりコロナの関係があって、PMDAにもものすごい負荷が掛かったと思うんですが、全体として高い業績を達成されているなと感じております。
 最初のところでちょっと御質問させていただきたいのですけれども、1-1の健康被害救済業務のところで、御質問したいのは、もともとの申請の件数、請求の件数ですか、これが例年より1割弱、7%ぐらい少なかったというお話だったのですが、これはどうしてだったのかということを、まずお尋ねしたいと思います。
 その上で、7ページの所で、一般国民の認知度が上がっているというのはよいことだとは思うのですが、33.8%で過去最高となっていますが、これは過去の時系列を取って比較できるようなものであるのかどうかといったところで、そこをちょっと御質問させていただきたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。組織運営マネジメント役の河野と申します。まず最初の御質問ですが、請求件数が例年より1割弱少なかったことについての原因分析についてのお尋ねと理解いたしました。これについては、いろいろな要因を分析しなければいけないと思いますけれども、考え得る話としては、やはりコロナの影響なども考えられまして、請求される方が医療関係者の方々に自分の症状なり書類に書いていただくというようなプロセスもある中で、その影響があった可能性があるかもしれません。全体的な要因は今後も考えていく必要があろうかと思っています。
 それから、2点目の御質問として、7ページの一般国民の認知度33.8%は過去と比較しうる数字かどうかという御指摘だと理解しました。これにつきましては、冒頭の説明の中でも申し上げたとおり、委託により調査を行っているということ、また、その委託調査に登録してくださる方が、ある程度こういった分野に関心を持たれている方であるというようなバイアスが多少あるかもしれません。そう考えますと、単純に比較するのは難しい可能性はありますけれども、ただ、そういった前提におきまして過去最高であったということを御報告させていただいたものです。

○河村構成員
 ありがとうございました。では、続けて審査業務のところです。ここはもう意見です。これは目標、指標を設定していただいて、S評価の高い達成度ということで、これは目標の設定をどうするかというところはいずれ議論になると思うのですが、先ほどの御説明でも次期の中期目標の期間で検討課題が出ているとおっしゃってくださいましたので、是非そのようにしていただくのがいいのではないかと思います。やはり、これで続けていくと達成できていると、やはりちょっと設定の仕方を次期中期のときには考え直さなければいけないのではないかと思います。これは意見です。
 1-4 安全対策業務について、18ページ以降のところで御質問させていただきたいのですけれども、コロナ禍の下で、21、22ページに一目瞭然で、グラフでお示しくださっていますけれども、報告数というのがすごくたくさん上がったと。大変な中で処理してくださったということなのですけれども、この項目の目標を立てられるときに、後期の中期計画時に、実数の数値目標的なところは、ここの部分が入ってなかったわけですよね。その辺をもともとどういうふうにお考えになっていらしたのかということです。それから、このグラフ、21、22ページを見ると、これだけ件数が増えると、やはり相当なマンパワーを投入しないと、これだけの処理はとてもしきれなかったのではないかと思いますけれども、その辺りはどういうふうにPMDAさんとしてなさったのか。何か他の業務に、もしかしたらいろいろ調整とか、しわ寄せが及んだりしたのかなという気もしますが、その辺りも含めて御説明をお願いできればと思います。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。まず審査業務の次期中期計画に向けての指標をどうするかにつきましては、先ほどの説明のとおり、いろいろな状況を踏まえまして、委員の御指摘のように、検討を進めていきたいと思っています。
 それから安全対策に関する指標についての御指摘ですけれども、19ページの各目標、指標を設定したときには、当然コロナの状況にはない中で、確実に製造販売業者からの相談に応じる体制づくりも進めつつ、医療機関からの不具合報告、副作用報告等をきちんと受けて、それを公表していく、そういった体制を念頭に目標を作ってきたという事情があろうかと思います。
 他方で、今回のコロナを踏まえまして、多数の報告を受け付けるといった実績も積み上がってきたところですが、この点につきましてもどういった目標を次期中期計画に向けて立てていくのがいいのかということは、検討を進めていきたいと考えています。

○河村構成員
 はい、ありがとうございます。それで、ここでの評価にちょっと関わるところなのですが。今回、自己評価をSということで出してきてくれているのですけれど、参考資料に出ている国全体で横断的に考えられている評価の根拠を見ると、S評定というのは、120%以上+質的に顕著な評価となっていて、余り数値目標ばかり杓子定規に見るのもどうかということもあるかもしれませんが、一応そういうものが決まっていて、それで数値目標は、もともと19ページにあるような項目しか達成していなくて、その後コロナの状況が入ってきて、実際にやはりこれだけのことをやってくださっている。実際にいろいろ厚生労働省の審議会とかにも出してくださっているでしょうし、非常に国民としては大変に有り難かったとは思うのですけれども、それをもって、ここでS評価にしてしまって大丈夫なのかという感じはいたします。これは意見です。以上です、すみません。

○真野主査
 今の2件目というか、最後のところは、評価の考え方にもつながると思うのですけれども、ここはどうなりますか。そもそも指標にないもので、すごく頑張った場合というのはどういうふうに評価されるのか。むしろ、これは厚労省側にお聞きしたほうがいいのかもしれませんが、どういうことになりますか。

○政策立案・評価担当参事官室参事官
 御指摘いただきましてありがとうございます。今の点につきましては、参考資料という部分で、少し説明を割愛しましたが、今法人から御説明いただいているものの前に、資料で保存されている参考資料の4というものがあります。それが、総務大臣決定の「独立行政法人の評価に関する指針」ということです。
 参考資料4として、総務大臣決定の独立行政法人の評価に関する指針というものがあります。これを踏まえて、本日、まず法人から御説明いただいているというところですけれども、その中で、中期目標管理法人ということで、参考資料4の10ページからになります。こちらは御案内かと思うのですけれども、10ページの下に、「7 項目別評定及び総合評定の方法、評定区分」とあります。ここの(1)というのが年度評価ということで、今法人の3年度の業績評価をしているという整理です。
 設定においては、まず①項目別評定ということで、S~Dの5段階の評価でBを標準とするということになっています。先ほど御説明いただいた資料の冒頭のところで、重要度、難易度ということで設定をいただいているということであり、その中で参考資料4の12ページに、「イ 目標で設定された困難度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることについて考慮する」ということにされています。
 先ほど申し上げたBを標準としつつ、こういった困難度、難易度の高いものについては考慮するということで、ここに書いておりますように、評定を引き上げる場合は評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について、具体的かつ明確に記述するものとする。その下に、ウとして、目標策定の時点では困難度を設定しなかったものについても、評価の時点において状況が困難度の高いものと認められる場合は、評定を一段階引き上げることについて考慮するといったことが書かれています。
 今回、御議論をいただいて御意見を頂戴している法人に限らない話ではありますけれども、正に今、3年度の評価をやっていただいている中で、様々な状況の変化に対応して、法人それぞれにおきまして、その必要性に鑑みた業務を推進していただいているところであると、事務局としても承知しておりますので、この点も含めまして、もちろんなのですけれども、全く目標に関係ないことについて書かれているものではないと承知しています。
 その中で、当初から規定されていた目標に鑑みてその達成はどうだったかというものについて、まず自己評価がされ、御意見を頂戴しているというところがベースですけれども、改定をしまして法人のほうで取り組みいただいたもの、そして御説明いただいたもの、ここにつきましても、忌憚のない御意見を本日は頂戴したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○真野主査
 ありがとうございました。そうすると、今回は原因がコロナという、非常に特殊なものだというのは確かなのですが、ほかの法人においてもコロナ対応をされる法人は、厚労省ですから幾つかあると思うのです。そういった所は同じように、当初の評価方法に入っていなくても、コロナ対応ですごく努力されている所が多いと思うので、そういったところは同じような記載があるという理解ですね。

○政策立案・評価担当参事官室参事官
 真野先生、ありがとうございます。今の点につきましては総務大臣決定の目標、そしてその評価というところでいうと、それはあり得るということです。ただ、実際のところは、このコロナ禍ということで、厚生労働省の独立行政法人それぞれの業務ということで、実際にどのような取組をされているのかというのは正に様々です。ですので、少し繰り返しになりますが、それは可能と、状況の変化に応じて、その辺りも法人の皆様の取組の部分というところは自己評価をしていただくことはもちろん可能ですし、その点につきましても、通常の業務、そして、そういった状況の変化に応じてなされた業務、こういったものも加味して、令和3年度の業務実績がどうでしたかということについて、本日、御意見を引き続き賜れればと思います。よろしくお願いします。

○真野主査
 はい、分かりました、ありがとうございました。河村先生、どうですか。

○河村構成員
 御説明くださいましてありがとうございます。参考資料4も拝見して了解しましたが、この項目は、ちょっと難しいところですね。これだけのたくさんの報告を受けてくださって、相当な負荷が掛かったと思うのです。だから、そこは多分前向きに評価して一段階上げるということはあり得ると思うのですが、じゃあ、その上げる前の段階のところをどこに置くのかというのが、やはりちょっと鍵になるのではないかと。
 それで、ほかの指標のところを見ると、そこの段階でAが付くのかなという気がします。ですから、ここでAが付いているのだったら1つ上げて、Sということがあり得るのかなという気がしますが、ちょっとこれは分かりません。委員によって、もしかしたら見方が分かれるところかもしれませんけれども、もともと設定された指標がBのところを、こういったたくさんの報告が得られたというところなども、質的なというところで加味して一段を上げるとしても、A評価なのではないかという気が、私は個人的にはいたします。

○真野主査
 去年が同じような点数でAになっているのですね。なので多分、そういうこともあって、Sと言われているのかなという気がします。いずれにしても、我々で評価する立場ではないのですが、有識者会議として当然やはり気になりますよね。そもそもない指標というか、考え方が出てきたので。これはコロナという突発事態がしょうがないという話もあるし、それをどこまで評価に加えるかというのは、有識者会議の中でも議論があったということですね。多分、議事録に載ると思うので、お願いしたいと思います。

○河村構成員
 すみません、では続けて、もう1つお尋ねしたいことがあります。最後のガバナンスのところ、いろいろ本当に理事長のリーダーシップもあって風通しのいい組織にするということで、いろいろ取組をしてくださっていることは評価できると思います。ただ、それだけで対応できるのかなということもあって、PMDAは過去にもいろいろな事例が出てきてしまって、一番の背景というのは、最初の5ページのところで御説明くださったのですが、ものすごく急膨張している組織なのです。こんなケースはなかなかないですよね、国の組織でまずないだろうし、民間だって、ここまで急に大きくなるということはそんなにないのではないかと思います。
 そうすると、やはりガバナンスがものすごく大事になってくるという気がします。最初にお尋ねしたいのは、昨年度1年間を見ても、これだけ人員を、また30人ぐらい増やしていますけれども、その中で回転率的なところ、人員の回転率、要するに一回入った方はずっと続けていらっしゃるものなのか、お仕事の特性から考えると、ずっとそのままPMDAということでもなくて、結構リボルビングドアというか、民間のほうと出たり入ったり、別にそれが悪いことだとは私は決して思わなくて、よいことではないかと思うのですけれども、そういうことがどれぐらいあるかという辺りから、まず教えていただけないでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。まず回転率という、先生のお尋ねに適切に答えられているかどうかというところがあるかもしれませんけれども、今現在は法人全体で、職員1,000人程度の規模でありますが、年間の退職者の数で言いますと大体30名ぐらいになります。約3%程度となっています。ただ、その30名もアカデミアに行く方もいらっしゃれば、民間企業に行かれる方もいらっしゃいます。
 逆に我々のほうに入ってくるほうで言いますと、新規の採用者、大学院を卒業したりとか、それなりの専門性を持って入ってこられる方というのが、それ以上入ってくる形で、資料2-1の5ページにあるように、令和4年4月の段階で1,025名というところまで積み上がってきています。
 その中で、やはり我々はCOIの問題もありますので、採用するに当たっては前職でどういった仕事に就いていたか、新規採用者はそういう懸念はないと思いますけれども、中途採用する方にあっては、そういう配慮をしなければならないという実態があります。

○河村構成員
 ありがとうございます。やはり、それなりの方が、退職される方もいらっしゃれば新しく入ってこられる方もあって、この数字ということで、そのこと自体は決して悪いことではなくて、いいことではないかと思うのですけれども、逆に、やはり今少しお話くださったのですけれども、そういう民間との行き来がある組織ということで、それなりに厳しいガバナンスが必要というか、内部統制しておかないといけないと思うのです。
 ですので、いろいろ風通しをよくするという感じで御尽力くださっているのもよく分かるのですが、やはり以前の事例でもあったと思うのですけれども、やはり前職のある方は前職との関係があることもあるでしょうし、厚生労働省は厚生労働省で、独法は民間との、特にPMDAだとお薬の関係とか医療機器の関係とかで、いろいろ多額のお金が動くような世界に関わるような仕事をしてくださっていることも事実だと思いますので、やはり結構、そこは脇を締めて掛からないと、漏れてはいけない情報が漏れてはいけないわけですし、何か機構で把握できていないところで、見えないところで何か違法なやりとりがあっても絶対にいけないわけですし、そういった意味では、例えば内部通報であるとか、もうちょっと民間の組織でやられているような、リスク管理的なところを、もう一段また更に踏み込んで今後はなさってもいいのではないかと思います。これは意見です。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘をありがとうございます。法人のガバナンスという観点からしますと、リスク管理が非常に大事なポイントだというのは先生がおっしゃるとおりだと思っています。そのツールとしまして、先生御指摘の内部通報という制度も非常に大事だと思いますし、それ以外にも職員が何か気づいたら早く幹部に話を上げてもらうという、こちらもすごく大事だと思っていまして、そういう意味で、例えば理事長のリーダーシップの下、職員の声を直接拾い上げて、1,000人規模の職員から直接理事長が話を聞いて、いろいろな気付きをもたらしてくれているという、そういう実態もありますし、それ以外にも、よりカジュアルにワークライフバランスに関する意見を、目安箱的にみんなから求めたりとか、リスク管理の会議を開く際にも早く幹部に話を上げることを徹底するであるとか、そういった取組も進めているところです。
 引き続き、こういったいろいろなツールを活用して、法人としてのリスク管理に努めていきたいと思います。

○真野主査
 今の視点はですね、ガバナンスという視点で、河村先生から御指摘がありましたけれども、組織運営という話で、以前も話題が出たと思いますが、給与の問題とかだと思いますけれども、辞める人がやはり出てきてしまう。民間のほうが恐らく給料が高いのでね。その辺りの対策というのは大分前に議論したかもしれませんけれども、最近はどんな感じになっているのですか。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。給与の格差そのものをどうするかは、やはり独立行政法人としての一定の給与水準という考え方もあると思いますので、単純に一緒にというのはなかなか難しいかもしれません。
 その一方で、やはりせっかく専門性を高めてもらった職員に定着してもらうという部分も非常に大事だと思っていますので、そこは各組織単位において、いろいろ各職員の事情なり、話をよく聞くであるとか、その部分は理事長が直接、職員から話を聞くということも効いてくると思いますし、いろいろな悩みであるとかそういったことについても、ていねいに拾っていくということが大事なのかなと思います。

○真野主査
 ありがとうございました。では、石井先生、お願いします。

○石井構成員
 今回、コロナ禍ということで、PMDAの方々のお仕事の量は、半端ないものだったと私自身は感じています。たまたま副反応部会に関わっており、毎回、すごく副反応のデータをまとめられていて、私は読むのに大変長いものを挙げていただいていることで、今回、評価に入れてもいいのではないかという立場でおります。
 そこでなのですが、人員の体制の推移の所を見てみますと、全体的に増えているようでもありますが、安全性を担当する人は、審査業務に比べてはそれほど増えていないのです。それに対して、今回、コロナのワクチンなり、いろいろなことの安全性に関して、これだけの人数で全部対応してきたのか、それとも人員を、ある程度配置を変えながらやったのか。そうしないと、担当している方々は持たないような仕事量だと思いますが、その辺りをガバナンスと絡めて教えていただければと思います。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。御案内のとおりコロナ関係の対応ということもあり、ほぼ2週間おきに薬食審の安全対策部会等が開催され、そこでの報告などもあるので、職員は非常に頑張ってくれたと思っております。
 そのような中で、御指摘のとおり、業務を実施するために、これまで以上に、人の採用にも頑張ってきたところがありますが、特に新型コロナ関連の副反応の報告の受付業務など、アウトソーシングできる業務についてはアウトソーシングも活用させていただきつつ、内容の判断、この点は、やはり職員としての専門性が求められるところでもありますので、その点により注力するという取組も行いましたし、それ以外にも安全対策を経験したことのある他の部署にいる職員からも応援を派遣するとか、こういった取組を通じて対応させていただいたところです。

○石井構成員
 ありがとうございます。そうしないと持たない状況に来ていると思いますし、また、4回目のワクチンが全体的に広がっていくと、また同じことが起きると思いますので、多く維持していただければと思います。
 あと、特例承認です。17ページですが、今回、特例承認が、医薬品とか医療機器に、対外診断薬も含めて、かなりの件数が挙がってきていると思いますが、特例承認されますと、医療現場では、逆にかなりの縛りが付き、後は実際に承認後のフォロー、データを集めるところ、そこもまた、負担が掛かると。実際には、承認された後、うまく速やかにまずデータがPMDAに上がってきて、また、それが整理されているのか、全体を通して御説明いただければと思います。
 承認するところまではいいと思うのです。短い期間でも承認しなければいけませんが、限りあるデータの中で、安全性をまず評価することと、特例の場合は、海外での承認経験があるものですから、ある程度データもあると思うのですが、日本人のデータは圧倒的にないものですよね。そういった場合に、なるべく日本人のデータも速やかに整理して、会社だけの問題ではなくて、PMDAとして安全性も含めてフォローしなければいけない。そういった辺りの体制とか、現状をお伝えいただければと思います。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。先生がおっしゃるとおり、特に特例承認等の状況にありますと、審査の段階、承認の段階で得られる情報に限定的なところがありますので、リスクとベネフィットのバランスを考えるときに、やはり市販後にしっかりとデータを取った上で、更に情報を積み重ねていくことが必要だと思っております。
 そのときに、製造販売業者を通じてということになりますが、現場の先生方に非常に御負担をお掛けする場面もあるのではないかと思っております。御協力を頂きまして本当にありがとうございます。
 特に、安全性については、症例報告という形で、これは製薬企業だけではなく、医療機関からも、先ほどの説明のとおりですが、御報告を頂いていて、それらの報告に対する評価は個々に行っていることもありますし、更には薬剤疫学的な視点も取り入れながら対応を進めているところです。このように、我々は安全対策が引き続きしっかりと行えるように考えております。

○石井構成員
 よろしくお願いします。

○真野主査
 ありがとうございました。では、田宮先生、お願いします。

○田宮構成員
 御報告をありがとうございます。大分すぐに出していただいているところもあるのですが、人員の所と、ファックスでの特例承認の所で質問させてください。人員については、本当に素晴らしく人員は増えています。ただ、人材フォーラムとか、2年ぐらいとか、3年ぐらいとかで、いろいろな所と交流されている人員もいらっしゃるかと思うのですが、先ほどの退職者3%にはそういうのが入っているのか、あと、どの程度プロパーの方と、人材交流の方と、どのぐらいの割合がいるのかとかが、分かれば教えていただけますか。それが1点です。1個ずついきますか。

○真野主査
 お願いします。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 ありがとうございます。基本的に、30名というのは、PMDAのプロパー職員としての人数ですので、例えば大学やアカデミア等々、人材交流を今でも行っておりますが、その方が2年とか、3年とかで帰られる場合については、この中には含まれておりません。

○田宮構成員
 分かりました。人材交流はどのくらいいらっしゃるのですか、全体の中で。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 すみません、手元に具体的な数字を持っておりませんので、すぐにはお答えしかねます。

○田宮構成員
 いろいろクオリティーの面でも重要かと思うので、参考までに分かれば、いつでも結構ですので。ありがとうございます。

○真野主査
 大体の、2桁か、1桁なのか。3桁はないと思いますが。

○田宮構成員
 半分とか、3分の1とか。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 桁数で言うと、2桁だとは思いますが、具体的な数字は手元になくて、お答えできず、申し訳ありません。

○真野主査
 合っていれば、今のでいいのです。間違っていたら、またお願いします。

○田宮構成員
 ガバナンスの上でも重要なところかとは思います。人材交流はとてもいいと思うのですが、よろしくお願いします。
 もう1つ、ファックスで、ものすごく対応が多くて御苦労されていることはよく分かりました。その場合、ファックスである事情は、こちらではなくて現場のほうの事情なので、これも変えていかなければいけないと思いますが、なかなかすぐにはいかない状況かと思います。今、どのように処理されていらっしゃるのですか。ファックスをOCR処理とか、何かうまくやれる、正確にきちんとやる方法はあるのでしょうか。非常に大変な業務かと思って、お伺いします。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。ファックスは、基本的には紙ベースで送られてきています。手書きのものも、それなりの件数がありますので、それをきちんと読み起こして、データの中に入れていくという作業は、これは定形的な話になっていくと思いますので、そういった作業は受付の段階で進めているという状況であります。

○田宮構成員
 基本は、人の目なのですか、まだ。人が見ている感じで、OCRとか、活用はできていらっしゃいますか。余りそういう状況ではないのですかね、ファックスのクオリティーが。IT化していかないと、きっとファックスがそうは減らないと思うので、工夫していただければと思うので伺っているのです。大変だと思うので。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。今のOCRの話について、現場の担当者の話を聞きますと、やはり日本語の表記ということになりますと、正確性といった観点で、まだもう一歩足りないところもあるようですので、実態としては、やはり人の目を通じてというところが主流になっているようです。

○田宮構成員
 大変ですね。何とか工夫できればと思いますが、ありがとうございます。
 最後ですが、今の特例承認のところのリスクとかベネフィットとか、その辺で薬剤疫学的手法ということもおっしゃっていましたが、レセプトデータとか、そういうものの活用は何かしていらっしゃるのでしょうか。多分、いろいろできる余地はあるかと思うのですが。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。コロナワクチンの関係で言いますと、市販後に心筋炎の対応を行いましたが、そういった話については、NDBなどを活用するなどして対応した実績もあります。

○田宮構成員
 是非、活用させていっていただきたいと思います。以上です。ありがとうございました。

○医薬品医療機器総合機構岸本執行役員
 先ほどの人材交流について、補足させていただきます。今、PMDAでは、ナショナルセンター、大学と、包括的連携協定を11施設と結んでおります。その中では人材交流についても連携するということが盛り込まれており、令和3年度で申し上げますと、包括連携協定の提携先から30名ほどが、PMDAのほうに来ていただいているというところです。

○田宮構成員
 分かりました。ありがとうございます。

○真野主査
 ありがとうございました。ほかの構成員の方はどうですか。よろしいですか。分かりました。
 では以上で、今の質疑の時間を終わって、次に、法人理事長及び監事からのヒアリングに入っていきたいと思います。では、法人の監事及び理事長から、年度・中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。では、まず法人の監事から、次いで、法人の理事長よりお願いします。

○医薬品医療機器総合機構寺林監事
 監事の寺林と申します。それでは、資料2-4「令和3事業年度 監事監査報告書」について報告させていただきます。細かいことは文書に書いておりますので、私からは、ポイントを絞って監査結果について5項目と、意見として1つを報告させていただきます。
 監査結果について、令和3事業年度の監査結果の1.法令遵守状況及び中期目標達成状況ですが、これは理事長のリーダーシップのもと、法令等に従い適正に実施されております。また、第4期中期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施されているものと認められます。2.内部統制システムの整備とその運用状況ですが、内部統制システムに関する業務方法書の記載内容は相当であると認めます。また、内部統制システムに関する理事長の職務執行について、指摘すべき重大な事項は認められません。3.役員の職務執行に関する違法、不当な行為について、役員の職務執行に関する不正行為または法令等に違反する重大な事実は認められません。4.財務諸表及び決算報告書の適否です。①財務諸表及び決算報告書に係わる会計監査人「EY 新日本有限責任監査法人」の監査方法及び結果は相当であると認めます。②会計監査人の職務遂行が適正に行われることを確保するための体制は相当であると認めます。5.事業報告書についてですが、事業報告書は、法令等に従い、PMDAの状況を正しく示していると認めます。
 次に、Ⅲは意見ですが、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針等過去の閣議決定において定められた監査事項についての意見は4つです。1、給与水準の状況、2、随意契約の適正化を含めた入札・契約の状況、3、法人の長の報酬、4、保有資産の見直しについては、いずれも適正に運営されていると認めます。以上です。ありがとうございます。

○真野主査
 ありがとうございました。では、理事長からお願いします。

○医薬品医療機器総合機構藤原理事長
 本日は、多岐にわたって貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。有識者の方々から頂きました御意見につきましては、今後の組織運営に引続き役立ててまいりたいと思っております。長引くコロナ禍におきまして新型コロナウイルス感染症に関連する医薬品等の迅速な審査など、引続き国民の関心、注目の高まりを実感しているところでございます。
 このような中で、令和3年度も新型コロナウイルスの影響によりまして社会生活が制限されるなど、医薬品や医療機器等の承認審査、安全対策、救済給付の各業務におきまして様々な対応を迫られた1年でございました。そのような中でも役職員一同の工夫や努力によりまして着実な成果を上げることができたと考えております。
 審査業務におきましては、先ほども既に説明、質疑がありましたけれども、新型コロナウイルス感染症に関連する品目の審査、安全対策業務でも副反応疑い報告の受付など、従来の審査、安全対策業務に加えて、アドオンとなった業務も役職員一丸となって懸命に対応した令和3年度でございました。
 今後の法人運営に当たりましても、引続き審査、安全、救済の三大業務のパフォーマンスの向上と維持に努めてまいるとともに、先ほどから次期の中期目標期間の目標についての御意見等を頂いているとおりでございまして、次期中期計画、また更には5年後、10年後にステップアップしていくことも考えて、今後も精進して、ガバナンスの強化に努めてまいりたいと思います。
 ガバナンスを先ほどからいろいろと御指摘いただいていまして、去年も厳しい御指摘を頂きまして、この1年、みんなで努力してきたところですけれども、PMDAとしては自律的、自分を律するとともに、自分としては余り役所のほうばかりを見るのではなくて国民目線になるという自立の意味もありますが、こういうことを意識しながらPDCAサイクルをしっかり回して、自浄作用を働かせる健全な組織運営のスパイラルを作っていくというのがガバナンスの基本と考えております。その中で、各会議体があって、その会議体の中で意思決定のプロセスが透明化されるということが大事かなと私は思っております。その透明化の一つの施策として、コミュニケーションを重視しておりまして、私がやっている個人面談はあくまでも、最初は理事長の顔も知らない人が多かったので、知ってもらいたくてやっただけのことなので、あまりそのガバナンス強化ということを意識して始めたわけではないですけれども。3年で1,200人もやればみんなの細かい意見は聴けるようになったかなと思いますし、むしろそれより大事なのは、理事会であったり、幹部会であったり様々な委員会があるのですけれども、そこでフランクな議論がされて、みんなが同じように組織の方向性を見るというのが、この1年、特に令和3年度はかなり進捗したのではないかなと思っています。
 内部通報制度、これは非常に大事な制度でございまして、これが一番機能するのはおそらく権力を持っている上位者が独断専行してとんでもないことを隠れてやってしまうことを早めに感知するという意義だと思いますけれども、それに対しましては、先ほど組織マネジメント役のほうからも説明がありましたけれども、内部通報制度に加えて、以前は「目安箱」と言っていまして、今は「みんなの声」という名前に変わりましたが、匿名でいろいろなレポートをしてもらったり、あるいは監査室に匿名でメールがときどき来たりします。そういう所にもいろいろな情報は上がってきますし、私も個人面談をしていますけれども、監事も実際に部長に対しての個人面談とかもされておりまして、様々なチャンネルで内部通報制度と同じようなルートを様々用意する。ただ、内部通報制度については、これまでやってまいりましたけれども、そういう制度があるのですよとか、その制度をしっかり皆さん知っていますかと、使い方はこうするのですよということを頻回にみんなにインフォームすることが大事かなと思っております。そこは事務方が結構やってくれていると、昨年度も見ておりまして思いました。ますます今後も活用しながら内部通報が機能していくように、実質機能するようにするのが私の責務かなと思っております。
 それから昨年度で一番大きかったのは、やはり業務プロセスの見直しが、退職金不払いも含めて、余り見える化がされていなくて、従来の公務員的な仕事のやり方に終始していて、新しく変えたくないと、変えるのが面倒くさいという、どうしても日頃の業務が忙しいので、そういうマインドが働いてきておりましたので、これを何とかしないといけないと思いまして、なかなか自浄作用だけではうまく進まないと考えて、また非常勤職員でもいろいろ外から人を入れたり、COIのない組織から人を入れるのはいくらでも、日本の場合は人材は豊富ですから可能ですけれど、今回もCOIのない組織の所から民間人材を呼んできまして、Business Process Re-engineeringと、言葉ではかっこよく言われていますけれども、公務員型思考ではない人たちに、私どもの業務をもって見直してもらい、どういう非効率があるのかとか、どういう人件費の無駄があるのかとか、そういうのをバサッと見てもらおうというのをこの1年やってまいりました。令和3年度には1人、令和4年度にもう一人民間から来ていただきました。これは製薬企業とかそういうのは全然関係ない人たちなので、全くCOIのことは心配しておりませんけれども。
 今年度の評価とは少し外れますけれども、令和4年の4月1日からBPR・DX推進室と言って、DX(デジタルトランスフォーメーション)と、いろいろな業務のプロセスの見直しを専門にする部署を設置しました。PMDA全体から、民間の人をトップに据えてあとはPMDAの中堅若手で業務に精通した職員数名に集まってもらって、その人たちに今、全部の見直しをしてもらっています。多分、来年か再来年度に全部それが完了すれば、ガバナンスの再構築が完成するかなと思いますけれども、そこは是非、3年度の業務とは少し関係ないところもありますが、委員の先生方には御理解いただきたいなと思っております。いずれにしましても、今日のこの1時間半、まだ1時間半弱ですけれども、皆さん方の御指摘は非常に心に染み入るものがありますので、改めて心にとめて、令和4年度も更に良い仕事ができるように、仕事をしてまいりたいと思います。ありがとうございました。

○真野主査
 ありがとうございました。経営学でも心理的安全性などと言って、ミーティングの中で生き生きと発言できるような場作りが大事だなんてことも言われておりますが、藤原先生には、正にそういうことをしていただいているのかなと思いました。
 まだ少し時間もありますし、いわゆる評価関係の質問は終わったかもしれませんけれども、PMDAへの期待とか、何かあればと思います。何か言っておきたいとか聞きたい方はおられないですか。田宮先生とか新任の、新任と言っても前から、このお仕事をされたことは、私も御一緒していましたが、PMDAに何かありませんか。

○田宮構成員
 ありがとうございます。そうなのです。自己紹介で申し訳なかったのですけれども、独法化してすぐくらいでしょうか。聞こえていますか。

○真野主査
 大丈夫です。

○田宮構成員
 評価に入れさせていただいて、当時は本当に、まだ人員が少なくて、先ほどのグラフの左のほうだったので、とても人員を、聞こえていますか、大丈夫ですか。充実していただいていることがよく分かりました。ですので、ただ、今後ますます重要になってくると思われますので、システムをいろいろ工夫していただいて、非常に意義のある仕事を進めていただきたいと思います。
 具体的なことで1つ、ちょっとお聞きします。先ほど、レセプトの活用で、NDBというお話が出ましたけれども、NDBは我々が使おうと思うと非常にハードルが高くて時間も掛かるのです。PMDAさんは、その辺は迅速に、そのデータを使えるお立場とか、そういうのがあるのでしょうか。その辺、早くないといけないですから活用されるということでしたので、教えていただければと思っておりました。もしよろしければ。

○医薬品医療機器総合機構宇津理事
 田宮先生ありがとうございます。理事の宇津でございます。NDBの活用については、我々はこういう業務をやっておりますので、厚生労働省の保険局と取決めを結びまして、データを頂いております。それで解析ができるようになっていますので、おっしゃるように通常でありますと、かなり時間が掛かるところを、我々のほうは時間はそこまで掛からずに解析できるということになっております。

○田宮構成員
 是非、オンラインで、特にいろいろな承認のこととか、副作用とかも分かることが多いと思いますので、分かりました。是非進めてください。その辺の分析体制も整っていますでしょうか。分析もそれなりにマンパワーが掛かることは、私たちはよく分かっていますので。

○医薬品医療機器総合機構宇津理事
 田宮先生、本当によく御存知のとおりで、薬剤疫学の解析自体もデータだけあっても使えませんので、その解析についてどういう項目を使ってやるのかとか、その結果をどう評価するのかと、それに導くための手法ですとか、それらを考える人材が必要であります。我々も非常に苦労しておりますけれども、1つの課を作ってやっているところです。ただ、それで充分かと言われると、やはりなかなかそういう人材が全て潤沢にいるということではないので、苦労しつつも我々も努力をしていると、そういう段階でございます

○田宮構成員
 前に評価させていただいたときは薬剤疫学という言葉は、余りこれまでは出てくることもなくて、あと、Master of Public Healthとか、そのような資格についても、そういう方を採られたらいかがですかなんて、私もコメントさせていただきましたが、今はそういう人材においても、薬剤疫学とか、Master of Public Healthとか、そのデータをラングリングできる人材ということで、スペシャルに公募されたりとか、そういう人材を集めるシステムが少し出来上がっているということでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構宇津理事
 薬剤疫学ということで募集もしておりますが、先生御存知のように日本全体でもそこまで教育する機関も多くないところもありまして、非常に苦労はしておりますけれども、一応そういう形で、専門の方を採りますし、それから職員についても、例えばドクターを取得しに、疫学で、まず1名とか2名とか派遣している段階で、ここで自慢をするような段階ではないのですけれども、そういう努力もしつつあるということで御理解いただければと思います。

○田宮構成員
 はい。素晴らしいですね。是非、そういう講演とか、博士の派遣とかも、在職のままの派遣ということですかね、1、2名ということですけれども。

○医薬品医療機器総合機構宇津理事
 はい、そうです。在職したままですね。

○田宮構成員
 はい。是非そういうことを進めていただければと思います。ありがとうございます。期待しております。

○真野主査
 ほかの方はいかがですか。
 では、最後に私から1つ、若干厳しいめの質問かもしれませんが。田宮先生も言われたように、私もPMDAのお仕事を結構長くしていて、当初の頃はドラッグラグを解消するのだということで、そこに関しては非常に改善されてきていて、データも幾つか毎回示していただいていると思うのです。一方で、厳しいというか、PMDAが直接関係すべきかどうかという議論はあると思うのですけれども、未承認薬というか、要は海外の薬が日本で承認されていないとか、使えていないとか、そういう議論をちょこちょこ最近また、本当に大昔に聞いていたわけですが、またちょっと聞くようになってきたのですけれども、その辺りで、PMDAでやれること、やれないことは、もちろん承知しているのですが、何かお考えがあればと思って、ちょっと厳しい質問かもしれませんが、お聞かせください。

○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。従前、PMDAの審査期間が非常に長かった時代、審査が長いということがドラッグラグの一要因になっていて、その改善を政策目標として、PMDAの体制を見直し、現在の安定的な審査期間を保てるようになってきたと思っております。
 その一方で、やはり日本国内での開発そのものが早く進まないと、早く日本の皆様に新しい薬が届かないということになると思いますので、例えばワクチンについては今回、AMEDの中に「SCARDA」という新しい組織を作って、常日頃から、平時のときから、そのような支援体制を構築するようなことを進めておりますし、また、それ以外の分野についても、いろいろな開発の支援を、厚生労働省やAMED、それ以外にも経済産業省とか文部科学省とも連携しながら、政府全体として対応を進めております。その中で、PMDAとしてもレギュラトリーサイエンスの観点から、開発の早い段階から、我々としての考え方を伝える相談の仕組みは、今後も大事になってくるのではないかと理解しております。

○真野主査
 はい、ちょっと余分な質問をしたかもしれませんが、ありがとうございました。
 それでは、大分いい時間になってきましたので、以上で議事を終了させていただければと思います。最後に、事務局から今後の流れについて御説明いただければと思います、よろしくお願いします。

○事務局
 今後の流れにつきまして御連絡いたします。本日御議論いただきました医薬品医療機器総合機構の「令和3年度業務実績評価」につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえまして、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表をいたします。決定したそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、オンライン参加の皆様におかれましては、音声が少々聞き取りづらい状況がございまして御迷惑をお掛けいたしました。改めてお詫び申し上げます。ただ、会議体制の安定的な運営につきましては大事には至らず、皆さんの御協力に感謝申し上げます。事務局からは以上です。本日はありがとうございました。

○真野主査
 本日は若干早いですけれども、これで終了させていただきます。長時間にわたり、御議論をありがとうございました。また、円滑な議事運営に御協力いただきましてありがとうございました。では、終了いたします。

(了)