第5回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会 工作物に関するワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和4年8月30日(火) 16:15~18:15

場所

労働委員会会館講堂(7F)
(東京都港区芝公園1-5-32)

議題

  1. (1)工作物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等について
    (i)  工作物 WG に お ける とりまとめ(案) について
  2. (2)その他

議事

○副主任中央労働衛生専門官 大変お待たせいたしました。定刻を過ぎましたので、第5回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループを開催いたします。本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日の委員の出席状況ですが、まず竹内委員が御欠席です。高﨑委員については、少し遅れるという御連絡を頂いております。

 その他の委員につきましては、オンラインを含めて御出席となっています。このうち小島委員と本山委員に代理出席があります。本山委員の代理で椿本代理が、小島委員の代理で土屋代理が御出席、そして本山委員の代理の椿本代理におかれましてはオンラインでの御参加ということです。初回の参加でございますので、両代理においては簡単に一言自己紹介を兼ねました御挨拶をお願いいたします。まず土屋代理、一言お願いできますでしょうか。

○土屋様(小島委員代理) 建災防技術管理部の土屋です。どうぞよろしくお願いいたします。

○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、椿本代理です。オンラインでございます。

○椿本様(本山委員代理) 一般社団法人日本アスベスト調査診断協会の椿本です。よろしくお願いいたします。

○副主任中央労働衛生専門官 よろしくお願いいたします。それでは以下の議事進行を、梅崎座長にお願いしたいと思います。

○梅崎座長 それでは本日もまた引き続き御討論のほうをよろしくお願いいたします。それでは最初に事務局のほうから資料の確認をお願いします。

○副主任中央労働衛生専門官 配布資料の確認です。本日はオンライン会議、タブレットの使用ということですので、お手元のタブレット又はオンライン出席者につきましてはオンライン上での画面を確認いただければと思います。まず資料1は「工作物に関する石綿に係る事前調査者の要件の検討について」、参考資料1「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書(令和2413)」、参考資料2「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(令和2414)」です。参考資料3が「開催要綱」です。以上です。

○梅崎座長 皆さん、資料は間違いなくございますか。よろしいですか。それでは本日の議事を早速進めていきたいと思います。それでは最初に、(1)の工作物に関する石綿に係る事前調査者の要件の検討についてです。本日は前回第4回ワーキンググループに続いて、資料1につきまして10点の論点が記載されています。まず最初に事務局から、これらの論点について一通りの説明をお願いします。

○副主任中央労働衛生専門官 お配りしています資料1に沿って説明いたします。画面共有できますでしょうか。画面共有させていただくまでの間、お手元の資料を御覧いただきつつ進めさせていただきます。

 まず資料全体が36枚ありまして、1枚表紙をめくっていただきますと、検討会ワーキンググループにおける論点案ということで再掲です。スライドの3ですが、今回のワーキンググループの議論内容を更新したものです。8月中にヒアリングを行いまして、不定形である塗料、接着剤、モルタルの使用実態等について、前回第4回ワーキンググループの議論を踏まえ、業界団体等にヒアリング又はアンケートを実施したところです。

 本日第5回ワーキンググループでは、前回第4回ワーキンググループとヒアリング等の結果を踏まえ、各論点の深堀りを行うということと、また報告書の取りまとめの方向性を整理したいと考えています。

 マイクを切り替えて続けさせていただきます。スライドの4から各論点ごとの検討です。前回の論点は8点ありましたけれども、今回は論点が2つ追加されて10個の論点です。全体で約30分程度で御説明したいと思います。

 まず論点1のスライド5ですけれども、資料再掲です。事前調査の立て付けにつきまして、リード文の2行目の所、この論点1は調査の対象となる工作物の区分ということで、まず事前調査につきましては建築物、工作物、船舶の解体・改修の作業を行うときは、事業者は工事の規模、請負金額にかかわらず石綿等の使用の有無を調査しなければならない。事前調査しなければならないという大前提があります。このうち事前調査結果の報告対象となる工作物については、厚生労働省告示第278号により、「石綿等が使用されているおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるもの」に限られているという状況です。冒頭のリード分2行を追加したというものです。

 その次のページのスライド6です。新規に加えていまして、こちらは石綿障害予防規則すなわち石綿則における建築物と工作物の定義が、以下のようになっているということの確認です。すみません、ちょっと共有が遅れていますけれども、お手元の資料に沿って続けさせていただきます。

 前回の建築物、工作物ということで、議論が工作物に関して進められたところですけれども、配管を含む建築設備といったキーワードが出てくるような中で、ここで改めましてその定義を解釈例規を踏まえて整備したものです。具体的には2つある○のうちの1つが、「建築物」とは、全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備を含むということと、2つ目の○にあります、「工作物」とは建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたものの全てをいい、例えば、煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレーター等又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備等及びこれらの間を接続する配管等の設備等があることということで、キーワードになるものを赤字に加えて緑字にしているところです。なお書きで建築物内に設置されたエレベーターについては、かご等は工作物であるが、昇降路の壁面は建築物であるということに留意すること、ということです。

 この1つ目の○のほうにある建築物のところにつきましては、建築設備を含むということが出てくる。ここもキーワードとして押さえていただければと思います。

 スライドの7、調査の対象となる工作物の区分で、前回資料を更新したものです。右側、対象工作物の上段、中段、下段の整理というものは大きく変えていません。その中で分かりやすく整理しなおすということを、前回の議論の中でこちらからお示ししたところですので、今回の整理の中では上段につきましては定義は変らないのですけれども、建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物ということで、固有の工作物。中段が建築物と一体になっている設備である工作物とうたった上で、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物。そして下段が上記以外の工作物です。

 上段の固有の工作物につきましては、炉の設備と電気の設備とプラント系配管という形で、これまで列挙した例示を整理し直したものです。このうち中段に位置していました貯蔵設備につきましては、炉の設備の中にも貯蔵設備としてここにも出てくる。ここの炉の設備というものは、書いてありますように熱を扱う設備ということで、保温、断熱や耐火が必要になるということでして、電気設備に関しては電気を扱う設備、絶縁が必要な設備、火災もあるので耐火も必要だということです。

 3つ目のプラント系配管ですが、前回中段に入っていました配管の中でここも整理しなおすということで、プラント系の配管、すなわち高温、高圧、耐圧の配管で低温の場合も含みますけれども、炉の設備等と連結して使用される高圧配管等につきましては、この固有の工作物としてプラント系配管として位置付けしたということです。

 注釈に書いていますけれども、建築物の一部と整理されるということは、先ほどの解釈例規の中で御説明したところですが、建築設備の( )の中に書いてあるものに該当するものは工作物ではなく、建築物の一部ですということと、中段に関しては建築物と一体になっている設備として、前回の例示と同じ貯蔵設備から鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板までを建築物と一体になっている設備と整理し直したものでして、建築物建屋に付属している土木構造物と言えるという整理です。

 ここの注釈につきましても、上段の建築設備ではないですけれども、建築設備系配管、( )の内容につきましては上段の注釈と同じでして、これらの設備等の建築設備の配管というのが( )内で追加されていますが、この建築設備系配管は建築物の一部ですということを注釈でうたっています。

 上記以外の工作物につきましては、前回は例示を具体的には書いていなかったのですけれども、2年前の検討資料を前回御紹介したようなところで出した、エレベーターやエスカレーター、コンクリート擁壁などを例示させていただいていまして、大きな黄色の枠でくくった厚生労働省告示278号に掲げる特定工作物とされています。すなわち事前調査結果の報告対象になる工作物と、下段にあります上記以外の工作物ということで、報告対象以外の工作物に分かれるという整理です。

 次のスライドの89は前回お示ししました、令和2年度第2回工作物ワーキンググループで、工作物を以下のように整理してきましたというものと、関係省庁において用途や使用の確認、調査結果から石綿が使用されていないことが確認された工作物のおさらいで、再掲です。

 スライドの10から20までが、今回論点2の中にあります工作物における石綿の使用実態です。更新している内容につきましては、赤字にしています。スライドの11ですけれども、まず業界団体に使用実態についてアンケートを行った、そこは前回と同じなのですけれども、このスライドの11に関しましては建設業で取り扱う主な工作物ということで、焼却設備や煙突、配管設備、貯蔵設備、ガソリンスタンド等ということで、石綿が使用されている箇所としては、塗料から接着剤、パテ、補修材、モルタル、その他とありますけれども、塗料、接着剤、パテ、モルタルについては含有事例が多くないという前提でありますが、塗料であれば外壁仕上げ塗材に含有する例が少なからずある。そして接着剤であれば、床のPタイルに含有している例があるということ。パテ(補修材)につきましては、壁等貫通部の充填材に含有している例があるということ。モルタルに関しては含有事例は多くないということ、その他開口部等のシーリング材に使用されていた例があるということです。

 スライド11からでは工作物単位で前回もお出ししたものにつきまして、前回のワーキンググループでの御指摘を踏まえて不定形材料の使用状況を赤字で追記した。工作物のところも追加されている場合があります。例えば最初のスライド11の反応槽・加熱炉・ボイラー・圧力容器・焼却設備等のところですが、例えば不定形材料の使用状況としては、塗料に関してはここに列挙した反応槽から送電設備、配管設備までほぼ全ての設備において防錆を含む塗装は施すけれども、石綿が入っているものは不使用です、といった回答を得ています。接着剤につきましても、反応槽から配管設備まで金属製の設備を取り扱っているため、溶接とフランジの接続のみを使用しているので、接着剤の使用はないということです。

 またそれぞれ把握できる範囲でということで、解体・改修に従事する事業者数、工事件数ということでお答えいただいているところです。同じような資料がスライドの12以降、加熱炉、ボイラー、圧力容器、焼却設備といった形で、18まで続いています。

スライドの19です。工作物の使用実態として塗料のメーカー団体また接着剤のメーカー団体等にお尋ねしています。塗料に関しましては道路舗装、ただしこの用途はタイヤによる摩耗対策で、耐久性については12年程度であることですとか、港湾であれば1mmぐらいの厚さで杭に配合設計上使われているですとか、例えばクレーンなどであれば、主に腐食防止のために使われているといったことや、駅の地下であれば防水、漏水対策、ケーブルであれば絶縁性、ボイラー等耐熱を要する箇所であれば耐熱塗料といったようなことが確認できています。

 接着剤につきましては、特定工作物では断熱材を貼り合わせるために使用される可能性がある。下水管で使われることが考えられる。土木工事ではコンクリート補修用として、2000年頃までですけれども6%含有のものを使用していたということがあります。注釈で接着剤につきましては寿命が長く、構造物の耐用年数に沿って、解体等を行う際が接着剤の寿命ですということ。

 塗料のほうの注釈のところですけれども、保温材や断熱材の上には塗料は塗らないといったようなことが確認されています。

 こうしたアンケートとヒアリング結果を踏まえ、スライド2021をまた新たに整理しています。スライドの20ですが、塗料と接着剤とパテ、モルタルといったものの工作物の使用実態を整理すると、このスライド20のような表になるというものです。この表では例えば塗料に関しましては、大きなくくりであるスライドの7で整理しました、炉の設備、電気設備、プラント系配管、建築物一体設備、その他工作物と分けた場合に、それぞれ塗料等がどう使われているかということですが、塗料であればほぼ全ての設備で防錆目的の塗装、石綿は含みませんということで、炉の設備や電気設備、プラント系配管といった横串で関係するもの、また先ほど御紹介した建築物一体設備のところであれば、駅の天井板やスレート屋根や、駅地下では防水、漏れ防止対策。そしてトンネル構築の側壁であれば、つや消しの塗料などが使われている。プラットホームの上屋であれば、錆止めなどの塗装が行われているといったことが、確認されています。

 その他の工作物におきましても、先ほど御紹介いたしました道路舗装、ただしタイヤによる摩耗対策といったことなどが確認されたものです。これを一覧の表にしたものです。

 接着剤につきましては壁の中の断熱材、床材、特定工作物では断熱材を貼り合わせるために使用されている可能性があるということで、この貼り合わせる可能性という点では炉の設備だけではなくて電気設備、プラント系配管、建築物一体設備と横串で共通していまして、その他工作物ではコンクリートの補修で使われるということが確認されています。

 3つ目のパテであれば、電気設備におけるケーブルの貫通処理用のパテ、隙間埋め、建築物一体設備であれば、トンネル構築のコーキング剤として使われるといったことが確認されています。モルタルにつきましては、耐火レンガ壁を炉内構築するところで、アスベスト非含有のものが使われていたり、またボイラー耐火モルタルとして室内で使われている。また焼却炉の耐火レンガ積み作業の目地で使われるということ、そして共通しているところとしては、規模の大小によらず基礎の設置調整で使われるということが、炉の設備や電気設備、建築物一体設備、その他工作物で確認できたところです。

 その他としましては、炉床やタイルなどで炉の設備でその他のものが使われている場合がある。電気設備であれば電力設備の目地埋め、保温材、建築物一体設備であれば、プラットホームのワイヤーや鉄道駅の地下式構造部分の壁及び天井板の基礎などといったところで使われているといったケースが確認できています。

 こうしたことを踏まえ、もう1つのスライド21ですけれども、工作物の区分と石綿の用途、主な建材との関係を整理したものです。工作物の区分につきましても、繰り返しになりますが大きく炉の設備からその他の工作物まで、各区分ごとの反応槽、加熱炉から始まって遊戯施設などまでつながる区分があるわけですけれども、それぞれに石綿の用途と主な建材、塗料、モルタルなども含めた主な建材がどう使われているかということをマトリックスにしたものです。○につきましては、使用しており、石綿が入っている可能性があるということ。△につきましては、使用しているが石綿が入っているかどうか分からないというもの。空欄については使用していないというものです。ちょうど色で分けるようなグラデーションの形で整理しているところです。

 こうしたスライド2021にまとめたような使用実態を踏まえ、この後の議論に進めていきたいと思います。

 論点3から論点7までが、前回のおさらいを兼ねましたテクニカルな話です。少し駆け足で説明します。論点3は参考となる建築物、今回は工作物の調査者の議論をしていますけれども、その参考となるべき既存の建築物で、教育内容はどのようになっているのかということを、前回論点3以降として御紹介したところです。その再掲です。論点3は教育内容ということで、建築物につきましては基礎知識の12、建築図面調査、現地調査の実際と留意点、報告書の作成といった科目を設けています。

 スライド23では、前回質問の形で論点としてお出ししたものについて、ほぼ御了解いただけたということですので、断言する形で整理していまして、例えば論点3の①は項目は建築と同じとする。②の石綿基礎知識の12がありますが、建築と同じ内容で基本的に問題はない。③の報告書の作成も同様。④の図面調査につきましては、多数の工作物をまとめて教育することが可能である。具体的には先ほどの論点2の表やマトリックスの整理と同様にグルーピング化していくということ。⑤の現地調査の実際と留意点についても、同じくまとめて教育することは可能です、という整理をしたものです。

 スライドの2425が論点4で、図面調査です。スライド25に関しましては、建築物と一体の設備については建築図面と一体となっていて、それ以外の設備は建築物とは別の図面となっています。図面調査は、炉設備、電気設備、プラント系配管、建築物一体設備、その他工作物にグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、論点2の整理表のとおりです。③で図面を見る際に②以外に注意すべき点はあるかということ。建築物と一体になっている部分は④ですが、建築物の資格者の教育内容で十分であるという内容です。

 同じように論点5が「現地調査の実際と留意点」の教育内容で、再掲と更新したものです。スライドの27に関しては、同じく石綿使用箇所としては論点2の整理表のとおりですということを謳いつつ、②で実地調査を行う際に①以外に注意すべき点はあるかという話。③についても、建築物と一体になっている部分については、建築物の資格者に対する教育で十分であるということ。ここで目出しとして論点1の工作物の区分案をお示ししていますが、この内容を踏まえつつ、建築だけでなく土木をバックグラウンドとする者にも配慮する必要があるでしょうかということを書いています。

 論点6は「受講資格」で、スライド28ですけれども再掲でして、スライド29は学歴と実務経験、そして学科や課程については、建築や船舶と異なるということで、「工作物に関する学科」というものがないことから、「工学に関する学科」といった形にするという言い切りにしています。

 論点の7が「講師要件」です。スライド31は教育歴、学位等で決めるという建築の考え方を踏襲する。学科や課程につきましては、同じように「工学に関する学科」といった形にするという整理です。

 論点8です。資格を必要とする事前調査の範囲についてということで、スライド32は再掲です。スライド33がスライド7、論点1のところで調査者の工作物調査の対象となる工作物の区分で更新したスライド7をそのまま持ってきたものに、オレンジの矢印で方向性をお示ししているものです。これから議論いただく内容ですが、有資格者による調査の範囲をどのように整理できるかということでして、上段の工作物固有のものにつきましては、矢印に書きましたように新設する工作物の資格者でよいでしょうかということ。真ん中、中段の建築物と一体になっている設備に関しては、新設する工作物の資格者又は建築物の資格者でよいでしょうかという御提案です。

 そして3つ目、下段ですが、上記以外の工作物に関しましては、まずこれらの工作物については特に資格を要しないということでよいでしょうかということ。また書きで石綿を含有するおそれのある塗料、モルタル等を使用している工作物については、資格者の必要性についてどのように考えるかということをお示ししています。

注釈を付けていますが、注釈の1つ目、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体等を行う場合に、この必要性をどう考えるか。そして注釈の2番目として、資格を設けない場合でも、適切に調査を実施できるよう、様式やチェックリストを作成するということを注釈として掲げています。

 次の論点9が新規です。講習の実施体制です。どのように確保するとよいかということで、スライド34は既存の建築物の講習登録規程で、厚生労働省だけでなくて国土交通省、環境省と3省庁の共管告示になっています。登録の要件はこのスライドのとおりになっていまして、これも参考にしていただきつつ、スライド35で論点9としまして、まず①調査者の必要人数については、建築物の必要人数と見込む約1112万人に対して、工作物はその規模から約68万人程度と相当の数が見込まれるため、講習の品質管理のため、建築と同様、登録講習機関による講習を義務付けるべきではないかということです。

 その数字の積算根拠につきましては、下段の注釈に書いてありまして、令和3年に実施した建設業許可事業者等に対する自主点検の結果から、建築物の解体・改修を行う事業者、また工作物のそれを行う事業者、そして調査結果から事前調査を外部に外注せず自ら行う事業者の割合といったものなどを確認しまして、そこから導いた数字です。

 ②は工作物の講習の登録方法としては、(1)工作物の講習のみの登録と、(2)工作物と建築の講習と同時の登録のいずれでもよいとすべきではないかと付させていただきまして、なお書きで(2)の登録を行った場合でも、受講者の便宜のため、工作物のみの講習は必ず実施させるべきではないかということ。③で工作物と建築物同時に実施する場合、工作物の石綿基礎知識と報告書作成という科目が建築物にありますが、工作物のそれぞれについては同じ内容であるから、重ねて実施する必要はないとしてよいのではないかということ。④で登録基準は、建築に準ずるということでよいかということです。

 最後のページが論点10でこちらも新規で、報告書の項目です。ワーキンググループ検討会報告書の項目案をどのように整理できるかということで、下記のように組み立ててはどうかということで、1事前調査について、2その他ということで、1の中で1)事前調査の対象となる工作物について、工作物における石綿の使用実態、調査の対象となる工作物の区分、2)資格を必要とする事前調査の範囲について。3)講習の実施体制についてということで、受講資格から講習機関の講師確保など、実施体制の準備ということを、項目として組み立ててはどうかという内容です。少し時間が超過しましたけれども、説明は以上です。

○梅崎座長 それではただいま御説明いただいた資料1について、今ほど事務局のほうから御説明がありました論点について、1つずつ議論を進めていきたいというふうに思います。

 それでは、まず最初に論点1と論点2のこの2つの論点について御意見がありましたら、まずどうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。本日の話もそうですし、場合によっては前回の話の確認ということでも結構ですので、パートで行きますと、121ページなので大分長いのですが、このどれでも差し支えございませんので、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。ではお願いいたします。

○外山委員 前回の検討会のときに私のほうから不定形の建材、材料についてお話をさせていただいて、短時間の間によく調べていただいて、非常に具体的に分かりやすくまとめていただいていると思います。大体私たちのこれまでの知見と大きく変わるものはなかろうかというふうに思います。

 問題は20ページなのですけれども、どれに入っているかもしれないというのは大体分かっているのですね。問題は、例えば20ページの電気設備の塗料がありますね。ほぼ全ての設備での防錆目的での塗装は石綿非含有であるということなので、これを対象から外してもいいのかというところが問題なのですね。今、外されていないために分析の資料が非常に増えてきていて、実際の調査の実務に支障が生じているという状況ですので、そこの見解をきちんと示していくと。ここに入っているかもしれないから注意しなさいと言うのは簡単なのですね。だけれども、入っていないものは除外していいということを言っていただかないと、実際の調査の中では困ってしまうというところが1点目です。それから、あとちょっとばらばらして。ごめんなさい、今の1点だけです。また後で。

○梅崎座長 ではまず今の外山委員の御意見につきまして、事務局のほうから御回答をお願いいたします。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。こちらにつきましては、21ページのほうに○と△で区分しておりまして、先ほど御指摘があった例えば炉設備の塗料とかは△にしております。これは、そういう塗料は使用しているのだけれども、石綿が入っているかどうか分からないという扱いにしております。

 今回のヒアリングをした結果、明示的に入っているという御指摘はなかったのですけれども、塗料自体を使っているのは間違いなくて、塗料工業会とかに聞くと、ある一定の時期において、ある特定の型番について必ず入っているということなので、その両方が不幸にして重なったわけですね。ボイラーメーカーが把握していなくても入っているという可能性はあって、そういう、調査しないでいいというのは少し難しいかということで、ただ教育するときに、ほぼ入っていないとは思いますというのは一応言いますけれども、調査しなくていいという結論には多分しなくて、こちらにありますように△の形で、そういうことに留意して調査してくださいという結論ではないかと思います。

○外山委員 そういう状況だと、やはり実際の調査で非常に困るという場面があるのですね。非常にたくさん塗料が使われている、何種類も使われているというのは多くの建物だとか工作物にありますので、何点調べるとか、こういう場合はどうするとかということを具体的に示す。あるいはもう全部調べなさいでもいいと思うのですね。全部調べなさいでもいいのですけれども、一定の基準とか、その調査の具体的な方法を示していただくということが大事かというふうに思います。

○梅崎座長 これも事務局のほうでお願いします。

○化学物質対策課長 今ワーキングでどこまで、そこまではやれないと思うのですけれども、今後テキストを作っていく中で、どこまでやれるかというのは検討させていただきたいと思いますけれども、このワーキングではざっくりと△という形でやっていくということは、取りあえず決めさせていただければと思います。

○梅崎座長 外山委員、今のような回答で、まずよろしいでしょうか。

○外山委員 今後も引き続き是非そこのところを、不定形の材料に関しては具体的な調査のやり方ですとか、特にモルタルなんかは発見された場合の対応の仕方、飛散防止対策のやり方というところも含めて、まだ課題が残っていると思いますので、そこの点は是非、今後この委員会に限らず、検討を続けていただきたいというふうに思います。

○副主任中央労働衛生専門官 外山委員、ありがとうございます。このワーキンググループで検討したい、していただきたい、どこに使われているかという整理とは別に、例えば委託事業の中で、具体的には委託事業の中でなのですけれども、標準のテキストを作っていく。ここにとても知見がいるという御指摘を繰り返しいただいておりますので、私も留意して対応していきたいと思っておりまして、その中で標準のテキストを作っていくということと併せて、環境省と厚労省とでばく露防止のマニュアルを作っておりますので、そちらも工作物について見直しをしていくということを併せて実施していきたいと思います。この報告書の方向性を踏まえて対応を考えていきたいと思います。

○梅崎座長 よろしいでしょうか。そういう形で厚労省としては検討しているということでございます。

 それでは論点1、論点2、引き続き御質問がありましたらどなたででも差し支えございませんので、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。では出野委員、お願いいたします。

○出野委員 解体工事業連合会の出野でございます。スライドの521に関しての確認ですけれども、まず5ページのほうですね。前回、私がとんちんかんな質問をしたようで、今回きれいにまとめていただいてありがとうございました。要するに、全ての工作物が事前調査の対象であると。それの例外というものはないと。ただし一件100万円以上の工作物の解体等の作業についてのみ届出が必要であると。これについては限定列挙をしたと。その限定列挙の内容がこの5ページのア~カまでであるということですよね。それをきちんと整理していただいて、ありがとうございました。これを前提にして、ア~カまでが届出の対象であるが、この事前調査を資格者がやるかどうかとはまた別の議論、次の論点だと思うので省略しますけれども、こういうア~カについてどの程度、石綿が入っているかということについては、少し調査をしてみたら21ページのような内容になったと。その21ページ、5ページと21ページのこの内容を比較をしますと、5ページのア~カの内容が21ページの上の欄ですね、色が着いている部分ですけれども、これと完全には一致してないのですけれども、これは別に何か意図があるというか、理由はないのかもしれませんけれども、一致してもいいところですかね。

 ということで、このア~カについてどの程度、石綿が入っている可能性があるかというのがことを調査をすると21ページのような内容になると。この21ページの内容を精査をすると、アスベストが結構入っているグループと、余り入っていないグループと、まず入っていないだろうというグループの3つに分かれると。この分かれたものについては、それぞれ規制についてグレードを設けてもいいだろうという結論に持っていきたいと。いきたいというのはおかしいですけれども、こういう結論になりそうだと私も思うのですけれども。

 ということで、21ページの左のほうの黄色い部分ですかね。これはもう届出も当然必要ですし、調査も資格者がやるべきだと。一番右側のほう、その他の工作物については石綿はほとんど入っていないので、届出の対象にもなっていないと思うのですけれども。ついでに資格者が調査をする必要もないと、そういうような3ランクに分けようという趣旨だと理解しておりますけれども、そういう趣旨でありますならば、私としては賛成したいと思います。以上です。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。先ほど5ページの後に7ページがございまして、5ページの部分についてはこの7ページの図のこの上段、中段、下段とありますけれども、上段と中段になるということになります。先ほどの5ページは、報告が必要なものは上段と中段ですね。これが炉設備、電気設備、プラント系配管、建築物と一体となっている設備ということで、先ほどの5ページの項目は全部ここに入っております。上段と中段にですね。下段が御指摘がございましたように、報告の義務が掛かっていないその他ということになってございまして、それがこの21ページの表のところのこの濃い緑、その他建築物になっているという形でございますので、おおむね御指摘いただいた形でございます。

 21ページの「その他の工作物」の所を見ていただきますと、不定形の塗料とかを除いて、耐火とか漏出防止、防音・吸音については、もう全然使われてなくて真っ白だということでございますので、我々としては少なくとも例えば塗料を除いた橋梁本体とか、そういったものについてまで、資格者が必要ということにはならないのではないかという考えでございます。

○梅崎座長 出野委員、そのような説明でよろしいですか。

○出野委員 分かりました。

○椿本様(本山委員代理) NADAの椿本ですが、いいでしょうか。

○梅崎座長 はい、お願いいたします。

○椿本様(本山委員代理) 7ページの上段と中段とがあると思うのですが、今の建材調査者の資格で、要は建築の知識を得て実際に調査が可能かと思われるのは、プラットホーム上であったりとか、建物に属した土木構造物に関しては、今の知識で多分できるのではないかとは思われるのですが、上段と、それから中段の貯蔵施設とか単独の煙突、それから土木のトンネル等、これはかなり専門知識がいるのではないかと思われます。

 実際にその工作物自体、今も解体されているのですが、どういうふうな解体をされているかとか、どういう処理をされているかというようなところを業界からいかに吸い上げて、テキストに網羅していくかということにはなってくるとは思うのですが、今の建築のものと工作物に関する上の専門知識のいるものとは、内容がかなり違ってくるのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。論点8でまた御議論いただきたいとは思っておりますが、上段につきましては、正に炉設備とか電気設備とかプラント系配管については、建築の教育の内容でやるのは少し難しいかとは思っています。中段につきましては、もともと建築物と、ある意味一体になっておりまして、また建築の図面の中にも出てくるものでございますので、こちらについてはいわゆる建築屋さんで見られるのではないかという、建築の業界の方とかにヒアリングした結果、そういったことであったということでございます。

○梅崎座長 椿本委員、そのような回答でよろしいでしょうか。もし追加の御質問がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

○椿本様(本山委員代理) はい。

○梅崎座長 それでは、ほかに論点1、論点2につきまして質問、御意見がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。大体ほぼ御意見は出尽くしたということでよろしいでしょうか。もしそれであれば、この論点についてはここで議論を一旦閉じたいと思います。そういう形でおおむね事務局のほうから提示されている方向性で、合意が得られたと思いますので、次の論点に進ませていただきたいと思います。ではどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは次に、論点3734567と少し数は多いのですが、ここにつきまして御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。ちなみに論点323ページにありますように講習の項目、それから論点4は図面調査ですね。それから論点5が実際の教育内容、あと現地調査の実際の留意点、それから論点6が受講資格、それから論点7が講師の要件ということでございます。このような内容につきまして、特に教育講習ということが主に重点になると思いますので、この辺りのところで御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。前回の内容を振り返ってということでも差し支えございませんので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは今、論点37は御質問は特にございませんでしたので、後ほどまた聞きますので、それでは話を先に進めまして、次に論点8につきまして御意見がありましたらお願いをいたします。論点8は資格を必要とする事前調査の範囲ということでございます。これについてどうぞよろしく御意見のほど、お願い申し上げます。いかがでしょうか。お願いいたします。

○小菅委員 解体に際して、労働者が危険にさらされることが、決してあってはならないという視点から確認させていただきます。まず、資格を有しない者が調査する対象となる工作物は、基本的に通常は石綿が含まれていないと判断されるものであるという理解でいいのかというのが1つ。

 それから、調査対象が限定列挙ではなく全てのものだという中で、万が一、調査した工作物に石綿が含まれていても、それはその工作物の性格上、調査する労働者がばく露するような性格のものではないという理解でいいのかというのが2つ目。

 最後に、資格の有無に関わらず正しい調査が行われなければ誤った判断がされてしまうわけで、ここの資料でも加筆されておりますが、資格を設けない場合でも適切に調査ができる能力のある人が調査をすることを前提に、正確な調査ができるようにするということか。この3つ、確認をお願いします。

○梅崎座長 ありがとうございます。大事な質問なので、事務局からお願いいたします。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。3点の御質問を頂いたと思います。まず、1点目、石綿が入っていないのではないかについては、先ほどの21ページの図面の中で、濃い緑の部分が「その他の工作物」になりますが、これについては、耐火、断熱、強度保持に至るまでについては、基本的に使っていない、使っているということをおっしゃる人は誰もいなかったということです。ただ、当然、塗料とかモルタルとか接着剤については一部、使っていることがありますので、これ以外のものについては使っていないということは基本的には言えるのではないかと考えております。

 それから、資格がなくても大丈夫かというところですが、33ページに戻っていただいて、先ほど井上から説明がありましたように、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体については石綿が入っている可能性がありますので、一定の資格者が必要なのではないかという理解をしております。逆に、塗料を剥がさずにネジだけ外して、がっぽんと外せる場合というのは、仮に塗料に入っていたとしても、基本的にそれで労働者がばく露するということは考えられないということで、もともと事前調査の義務は掛かっていないこともありますので、ここに申し上げた、塗料の剥離等の作業がない限りにおいては、ばく露は基本的に考えられないと考えております。

 3つ目については、能力があることを大前提としてということですが、安衛法の関係、例えば、定期自主検査など、多くの場合、資格者を定めておらず、定期自主検査指針というものだけを示して、これに則ってちゃんとやってくださいというのがほとんどです。今回については、資格者であるから、資格者でないからといって誰でもいいということではなくて、ちゃんと様式やチェックリストはもちろんお示しして、そういうのがちゃんとできる人にやってもらうのが大前提ですので、資格がないからといって、能力がないということではないというのが大前提です。その上で、御指摘がありましたように、様式やチェックリストを作成していくものと考えております。以上です。

○梅崎座長 小菅委員、いかがでしょうか、今のお話に対して。

○小菅委員 はい。先ほどもありましたが、その他の工作物の中でも、今回の調査の中で、塗料など石綿が含まれている可能性があるものに関しては、しっかりと資格のある方が調査する方向で検討いただきたいと思いますので、併せてお願いいたします。

○梅崎座長 ありがとうございました。それでは、この論点8について、引き続き、ほかに御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。外山委員、お願いいたします。

○外山委員 塗料、モルタルについては私もそのような考え方でよろしいかと思います。1つ疑問というか引っ掛かっているのは、電線なのですね。リサイクルされていると思います。経産省のホームページなどを見ると、ほぼ100%リサイクルされているということなので、実際、どこの段階で石綿のチェックをしているのか、私は素人なので分からないのですが、その辺りを調査をした上で、建物にある段階で調べたほうがいいのか、それとも、もっと後の段階で実際に調べているのかという辺りはリサーチをしていただいて、確認をされたほうがいいのかと思います。以上です。

○副主任中央労働衛生専門官 今回のアンケートとヒアリングの中でも、電気設備ということで、発電設備、変電設備、配電設備、送電設備といった所で、一通り聞いているところです。個別の製品が100あるとした場合、全てを網羅するというよりも、どこに使われていた可能性があるかどうかを聞いて、スライド20に整理いたしましたので、ここに示したもの以上のものは、今のところないという状況です。スライド20の中で、電気設備として、塗料、接着剤、パテ、モルタル、その他で、今、整理しています。外山委員が、この中で入ってないものとしておっしゃっている可能性はあるかもしれませんが、例えば、ケーブルであればケーブルの絶縁性の部分に使われているというような報告は受けております。

○梅崎座長 外山委員、今の件について御意見がありましたらお願いいたします。

○外山委員 使われている可能性はあるということですね、絶縁の部分で。私の知る限りでは、絶縁の紙に石綿含有のものがあるというのを聞いてますが、そういったものが、実際に労働者のばく露を防ぐために、どこの段階で発見するのがいいのかというのが問題かなと思います。いかがでしょうか。

○副主任中央労働衛生専門官 今回の調査の中で、電線の中で何が使われていることまでの報告は受けていないのですが、電線そのものを、中を触るということがない場合、少し本質からそれるかもしれませんが、事前調査を行わなくていいような場合で、リサイクルに持っていかれるというケースもあると思うのですが、外山委員の認識としては、手前の解体・改修のところでそれをやるべきだという御認識が強いのか、01かではないかもしれませんが、後ろの川下であるリサイクルのところで対応すべきだという御認識が強くて今の御質問をされているのか、全て解体・改修のところでしか対応できないのだということであれば、ヒアリングの中で改めて追加で確認していくということも考えられると思うのですが、指摘からすると、中を見てみないと分からないというものは、通常の改修の場面ではなかなか難しくて、川下のほうのリサイクルの中での話になるのかなという気もしまして、繰り返しで恐縮ですが、どちらかだけということではないと思いますが、どちらの問題意識が強くておっしゃっていただいているかということも、私たちも参考にしたいと思います。

○外山委員 どちらがやるべきかということではなく、実態として、今、現状どうなっているのかも分からないですし、どうすべきなのかということも分からないですが、どこかで、きちんと見付けないといけないわけですね。単純に、それをどうすべきなのかを考えるべきではないかということです。どこで見付けるべきかということではないです。

○化学物質対策課長 14ページの所で、解体時の典型例として幹線ケーブルの撤去・新設するというのがあり、そういうときには、電気設備の設備室などで石綿の吹付けがあるなど、変圧器の防音材やシール材・ジョイントうんぬんと書いてあるのですが、あと、送電設備や電線に増粘剤として石綿が使用されている例があるということでして、電線についていうと、先ほど井上が申し上げたように、電線の中に、もしくは被覆材の中に練り込まれていて、それをぶちんと切ったり、わざわざ解体しない限りはばく露しない性質のものなので、電線を切るような作業があるときだけ調査をすることになろうかと思っています。

○副主任中央労働衛生専門官 いずれにしても、今回の検討会ワーキンググループで整理していきますが、まず、大まかなマトリックス、使用実態を整理して、教育を行う際の当たりを付けることが、今回の一番大きな効果・役目だと思っておりまして、前半にも出ましたが、教育をどう進めるのかを掘り下げていく中で、引き続きお知恵を頂戴しながら、また関係者にも聞いていき、掘り下げていくことをやっていければと思います。

○梅崎座長 事務局としてそのような対応をしたいというお話ですが、よろしいでしょうか。では、事務局はその辺のフォローをよろしくお願いいたします。ほかにございますでしょうか、論点について。どうですか、先ほど手が挙がった方もいらっしゃったと思ったのですが。

○出野委員 よろしいですか。

○梅崎座長 お願いします。

○出野委員 スライドの33ページからについて、質問というか確認です。しつこいですが、全ての工作物について事前調査が必要と。そのうち、100万円以上の工作物について、限定列挙したものについては届出が必要と。それについてこういう表にまとめたという認識ですね。その中で3つに分かれている。上段は新設をする今回の工作物の資格者、専門性の高いものについては新しいや講習制度が必要であると。これは賛成します。真ん中の、建築物と一体になっている、あるいは主に建材が使用されているものについては、新しい工作物の講習修了者又はこれまでの建築物の講習修了者、いずれでも可と。これも賛成したいと思います。

 ただ、どういう内容にするか、具体的については精査が必要だと思いますが、問題は、3段目、一番下の欄、「上記以外の工作物」というのは、100万円未満の工作物の解体・改修等の工事。これについては特に資格を要しないと。でも石綿作業主任者等のその他の資格は当然必要と。ということは、事前調査をする場合は、調査者の資格がないが石綿作業主任者程度の資格は持っているはずだから、そういう方が事前調査をすればいいと。資格が不要、0と、こういうことは想定してない理解でしますが、確認です。よろしくお願いします。

 ついでに、届出で、工作物の100万円未満は必要ないと、建築物も80㎡未満、これについては届け出る必要がないとかいう規定がありますが、それについて、実際に事前調査をしたかどうか、これは届出をしているのか、例えば80㎡以上とか100万円以上については、その届出あるいは報告を見ればある程度確認ができるという担保措置があるわけですが、それに漏れている場合、すなわち100万円未満の工作物、あるいは80㎡未満の建築物、これについては事前調査を本当にしたかどうかは確認する手段がなさそうな気がしているのですが、厚労省としてはどういうふうにこれを担保されているのか、あるいは性善説で事前調査をしてるはずだという前提で、いろいろな施策を進められているのか、その2点、質問させてください。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。まず1点目、資格者を設けない場合ですが、当然、法令の中に、まず書面を審査する、書面で分からない場合は目視で調査するというのが法令上義務付けられておりますので、これが実施できる能力のある者にやらせる責任が事業者にはあります。ですので、能力がある人間を事業者が選んでやらせる必要は、資格を、今回、義務付けるかどうかは別として、常にあります。

 2点目の関係ですが、こちらについては、報告の対象外になっているものについて、当然、報告義務がありませんので、自発的に報告はないということですが、一応、労働基準監督官は随時、臨検監督などを行っていますし、また、周辺住民からの情報提供などもありますので、そういったことで総合的に情報を把握次第、もし違反があるのであれば取り締まる形で対応しております。

○副主任中央労働衛生専門官 1点、補足です。前回の第4回のワーキンググループでお示しした基礎資料は、ちょっと繰り返しになるのでそのままお付けしなかったのですが、今、安井が申し上げた事前調査結果報告の対象となる工作物に関しては、請負金額が100万以上の工作物の解体・改修工事が対象になっている、ここは繰り返しの部分ですが、もう1つ、事前調査については、目視と設計図書などによる図面の組合せが原則であり、マストですので、建築図面がないから目視のみということではなく、目視と建築図面などの文書をもって事前調査を行うのが原則となっております。その点は補足させていただきます。よろしくお願いいたします。

○梅崎座長 出野委員、今の回答でよろしいでしょうか。

○出野委員 はい。分かりました。

○梅崎座長 分かりました。はい、お願いいたします。

○小菅委員 確認ですが、事前調査の資格を設けないということに関しては、必ずしも石綿作業主任者の資格もなくてもよいという理解をしていますがよろしいでしょうか。

○化学物質対策課長 お答えします。一応、建設業界の方とヒアリングさせていただいたときは、当然、いわゆる元請けの技術者には、土木なり建築なりの学科で大学を出た方が基本的にはおられて、その人がやるでしょうねということではありました。ですので、石綿の作業主任者を持っているケースと持ってないケースがあると思うのですが、いずれにせよ、定められた手順できちんと調査できる能力がある人間というのは現場には基本的にはいるはずだという、ヒアリングしたときはそういう話でした。

○梅崎座長 小菅委員、よろしいでしょうか。お願いいたします。

○小菅委員 基本的に適切な調査が実施できればよいと思っていますが、もし、石綿の関連の知識・資格がある人のほうが望ましいのであれば、そのような指導もあるのかと思います。

○梅崎座長 では、その辺は事務局のほうで、追加の説明がありますか。

○副主任中央労働衛生専門官 御意見ありがとうございます。一定の能力を有する者が事前調査を行っていくことが望ましいことは当然と言いますか、そうあるべきですので、法令の事項かどうかに関わらず、そういう者が行っていくことが望ましいということを、指導を含めて明確にしていくということだと思います。ありがとうございます。

○梅崎座長 それでは、論点8は以上で御質問はよろしいでしょうか。大体御意見も出尽したと思いますので、この論点についてはこれで閉めたいと思います。おおむね事務局から提示されている方向性で合意が得られたと思いますが、今いろいろ御意見を頂きましたので、その辺りについては十分事務局でも御検討いただいた上で、この議論の中に反映させていただければと考えています。

 次は論点9の御意見がありましたら、お願いいたします。講習の実施体制について、いかがでしょうか。

○土屋様(小島委員代理) 建災防の土屋です。35ページの②の(2)に、「工作物と建築の講習と同時の登録」と。これは登録の話だと思うのですが、今は建築物で取っている方が、今度は工作物も取ろうという方がかなりいると思うのです。そのときに、取っていて今度は工作物だけで取ろうとした場合のカリキュラムというのは、どのように考えていますか。

○副主任中央労働衛生専門官 御質問のカリキュラムの件なのですが、建築の資格を既に取っている方がいてということですか。

○土屋様(小島委員代理) 取っているという大前提で、工作物も取るということです。

○副主任中央労働衛生専門官 既に建築物の資格だけは持っていらっしゃると。それで、これから新設する工作物を取る場合についてですが、こちらに関しては③の所で工作物の中で建築物に準じて同じ科目を作る場合に、石綿の基礎知識の12と報告書の作成の科目については重複するところがあると考えられますので、同じ内容であるということで重ねて実施する必要はないのではないか。すなわち、免除というような形で設定することができるのではないかと考えています。よろしいでしょうか。

○土屋様(小島委員代理) そうすると、図面などの読み取りがあるので、これが4時間4時間の8時間が必要だということですか。

○副主任中央労働衛生専門官 具体的なカリキュラムを作っていくところで、しっかりと整理表にして見ないといけない所があるのですが、土屋代理から御指摘の科目の時間ですが、報告書の作成であれば1時間、基礎知識の12であれば今は1時間ずつで、合計3時間になっております。例えば、今回のケースで建築物を取っている、工作物を新たに取るとなった場合には、断定ではありませんが、基礎知識の12と報告書の作成の計3時間を免除するのかどうか。スライドの22ページに再掲資料として建築物の教育内容を示しております。それも参考にしていただきながら、結論としては基礎知識の121時間ずつ、そして報告書の作成の1時間の計3時間については、免除という形で省略してもいいのではないかと考えております。これは、11時間の建築物石綿含有建材調査者と同じように、工作物を11時間と設定したような場合の話ですが、これを工作物にそのまま準じて作った場合の話として、省略、いわゆる免除というものが考えられるだろうというところです。

○土屋様(小島委員代理) 数機関でこの研修をやっていますから、例えば工作物もこれから緊急になって取っていかなければ駄目なので、何とか1日で取れる講習会にしていただければいいかなと思います。最初に取る人は2日間、3日間でも構わないのですが、その時間というのを何とか、このカリキュラムにしてしまうと2日間、要するに4時間、4時間がどこに組まれるか分からないので2日間になってしまうので大変かと思います。

○化学物質対策課長 今、こちらを見ていただくと、石綿建材も図面の調査で4時間、それから現地調査で4時間で、計8時間ありますので、1日というのはかなり難しいのではないか。工作物だったらこれを短くできるかということになると、工作物のほうがむしろ種類が多いということもありますので、これを短くするというのはあまり現実的でないのかなと。まだ、この4時間、4時間にするというのは精査したわけではありませんけれども、例えば1日で終わらせると6時間になって3時間、3時間になります。そういうことにするのは先ほどのマトリックスの複雑さを考えると、ちょっと難しいかなというふうに考えています。

○土屋様(小島委員代理) そうしますと、追加で取る方も2日間の考えでしないと駄目ということでしょうか。

○化学物質対策課長 それとも、朝から晩までの8時間というコースを作るか。

○土屋様(小島委員代理) ただ、多分、皆さんは2日間で組んでいると思うので、組合せの時間で、そこがうまく8時間でぱっと収まるやり方というのはできないのです。1時間、1時間が先にありますので、それを4時間、次にできて2時間で、次の日、また2時間、1時間でテストという形になってしまうと、どうしても2日間という講習のカリキュラムになってしまう。

○化学物質対策課長 そちらのカリキュラム、あるいは団体によって考え方が違うと思いますので、御指摘のようなカリキュラムになるケースも、多分、多いと思います。あるいは頭の体操ですけど、建築を持っている方だけに限定した特例講習みたいなのを8時間、1日でやると、そういう事業者もいるかもしれません。それはやり方だと思います。

○土屋様(小島委員代理) 分かりました。

○梅崎座長 御質問、お願いいたします。

○椿本様(本山委員代理) カリキュラムの時間割って、今、建築なら建築の知識について4時間、現地調査について4時間あるわけですけども、この建築の知識での工作物、特に上の段です。変電設備とかそんなところの分に関しては、今、私たちが習っているものはあまり役に立たないかもしれないですが、全く違うものが図面にしろ、調査の方法にしろ出てくるのではないだろうかと思われるのです。

○副主任中央労働衛生専門官 工作物固有の中身という部分で、このカリキュラム、建築物を工作物に当てはめて実施する場合、十分できるかどうかというところだと思います。そこは御指摘も踏まえながらですけれども、委託事業の中で、その前に、まず立て付けとして委託事業の前に講習の科目をどうするかというのがあります。科目を作った場合には、講習の内容をどうするかというところを詳しい方たちにも集まっていただいて、この中でとどめられるような内容のものを、しっかり作っていけるかどうかというのを別途、確認と言いますか、検討、議論していくことになると考えています。ありがとうございます。

○椿本様(本山委員代理) 今の建築一般をまた取っての知識と、図面にしろ中の専門性にしろ、工作物に関しては遥かに専門性が強いと思われるので、その辺、カリキュラムというか、時間数もですけれども、内容的にはすごく変わるのではないかと思われます。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。今、図面に出ているのは、あくまで建築の教育内容を参考でお出ししているものですので、当然、石綿含有建材の建築図面調査というところは工作物図面調査に変わりますし、現地調査の実際と留意点は工作物の現地調査の実際と留意点に差し替わります。これをこのままやるという趣旨ではありません。

○椿本様(本山委員代理) 分かりました。

○梅崎座長 ほかはよろしいでしょうか。お願いいたします。

○出野委員 今の議論に関した意見ですが、それで言うと35ページです。私の意見としては、これまで建築物の調査者講習をやってきました、今後、新しい工作物の調査者講習をやると。私はこれは全く別々にやるべきだと思います。ただし、重なっている部分は科目免除と特例講習等で対応するという形がよろしいかと思います。理由は、もう既に建築物の講習修了者もいる、既に3万人以上いますね、こういう人の対応も考えないといけない。今後、工作物だけの講習修了証だけでいい、こういう片方だけでいいという方ももちろんいらっしゃるでしょうし、あるいは逆に両方取りたいという方もいらっしゃるでしょうから、私は基本的には全く別々の講習で日にちも変えてやったほうがやりやすいし、そのほうが受ける人のためにもなると思います。以上です。

○化学物質対策課長 ありがとうございます。御指摘に沿った形で35ページでは幾つかのパターンを書き分けていまして、例えば御指摘のとおり工作物だけ受けたい方、それから建築だけ受けたい方というパターンもございますし、一遍に両方取りたいという方もございます。あと、特例的に既に建築を取ったけど工作を取りたいという人もいると思いますので、大体、4種類だと思いますが、そういったものをできるだけバラエティに富む形で開催していただけるように、登録機関に働きかけていきたいと考えています。

○梅崎座長 そんな回答でよろしいでしょうか。ほかに論点9、御質問はございますか。お願いいたします。

○出野委員 全く別な話ですけど、スライドの34ページです。登録規程というのがありますが、この第五条第一項第五号で制限業種事業者というのが出てきます。毎回、私はこういう質問をしていますけれども、今回、工作物の調査者講習をやるとしたら、プラント関係の団体の方はこの講習はできないという理解で、よろしいのですね。プラントあるいは工作物は幅が広いですけれども、トンネル工事に関係する方とか貯蔵施設等に関係する団体とか業者、そういう団体の方あるいは業界の方はこういう講習はやってはいけないと、こういう理解でよろしいのでしょうか。質問です。

○副主任中央労働衛生専門官 講習登録規程の現行の建築物を参考に工作物を見直した場合、これは国土交通省と環境省とも3省共管告示ですので、その中身を議論しなければいけないという前提がございますけれども、建築物を参考にすれば同じく講習の公平性を確保するという観点から、制限業種事業者に支配されていないということが通常は要件として考えられるところです。もしそうなった場合は、プラント関係者、そのプラントのどこまでが制限業種事業者かどうかの定義も含めてですが、よく整理させていただきたいと思います。最初からこのままということではありませんけれども、参考にするならばこの建築物の講習登録規程がありますので、それにならうということが一番分かりやすく、かつ、講習の公平性と質を担保するという意味で重要だろうと思います。

○出野委員 例えば建災防等で工作物の講習をやるという場合には、講師はもちろん建災防等の内部はにいらっしゃらないと思います。建設業界にもいないと。そうするとプラントメーカー等の団体の技術者等が講師になる。そういう方を呼んでくるしかないという理解でよろしいのですね。

○副主任中央労働衛生専門官 災防団体に関しましては、このスライドの34、字が小さくて恐縮ですが、この第五条の第五号の柱書きの所です。制限業種事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこととされて、ただし書きがございます。結論から言うと、災防団体はこの中で認められるという位置付けです。具体的には、「ただし、申請者が、労働災害防止団体法第八条に規定する労働災害防止団体である場合その他の建築物石綿含有建材調査者講習事務を公正に行うことができると認められる場合においては、この限りでない」という規定がございまして、現行で建築物の講習を災防団体が行えるというのは、このただし書きを根拠に、登録の要件として認められるという整理をしているということです。

○化学物質対策課長 今の御質問は講師だと思いますので、講師は第五条の三の所にありますが、基本的に学校教育法による大学で准教授以上の職にあるとか、そういった方が原則になろうと思いますし、また、建築の場合は既に建築物の調査者であっても講師になれますので、しばらくはすぐは出ませんが、工作物の資格者が出てくれば工作物の資格者もできるようになるということです。それはどこの団体に所属しているかということではなくて、そういう資格を持っているかどうかで講師は選ばれることになります。

○出野委員 確認ですが、例えば建災防等で調査者講習等をやる、これはOKだと。講師については専門業界にお願いするという想定でよろしいですね。

○化学物質対策課長 そうですね。専門業界若しくは例えば大学の先生とか。

○出野委員 専門業界そのものが講習をやるわけにはいかないということですね。

○化学物質対策課長 いわゆるメーカー団体とかがやるのは駄目で、恐らく制限業者に当たるのではないかと思います。

○出野委員 講師についてもいろいろと意見がありますけれども、大学の先生あたりで現場の石綿野路全調査に詳しい先生なんか、そんなにいるはずがない。ただ大学の先生だからというだけでそんな人が講師になってもしようがないと私は個人的に思います。というので、この辺りはいろいろ問題があると思います。

○梅崎座長 お願いします。

○鷹屋委員 今の議論を聞いて確認したいのですが、必要とする人数が例えば建築だと11万人ぐらい、工作物が68万人と。最終的に、これはどれくらいの年限でこれくらいの人数をそろえなくてはいけないという想定なのでしょうか。最終的にどれくらいの人数が要るかだけでなく、例えば制度が始まった立ち上げの時期で何万人いないといけないとか、そういったかなり初期段階で、何人ぐらいの方を有資格者として養成しなくてはいけないということも、今、出野さんがおっしゃっていたように、つまり本当に分かる講師の方をどれだけ確保しなくてはいけないかとも密接に関わってくると思います。こういった時間的に、定量的にどれくらいの期間で、そもそも何人ぐらい必要なのかということを厚生労働省としては想定されているのか教えていただければと思います。

○副主任中央労働衛生専門官 鷹屋委員、御質問ありがとうございます。まず建築物の調査者に関しましては、令和27月に改正石綿則が公布されまして令和510月に施行され、それ以降に着工する工事から、建築物に関する調査者に関しての資格が必要だということで、およそ3年以上の期間をもって、その間に必要な調査者を確保するということで今回のスライドに掲げている1112万人ということです。工作物に関しましても最初から施行の時期を、この資格を必要とするとした場合ですけれども、最初から1年とか2年という形ではなく、必要な調査者を確保できるのかということも含め、講習の実施体制も含めて、そうした状況を見て周知期間、準備期間を設けていくことが必要になるところです。建築と一緒かどうかは別にしてですけれども、建築の場合は3年以上置いたということです。

○鷹屋委員 ありがとうございます。それで講習機関のほうも営業というか、つまり事業として成り立つためには、結局、例えば3年間ぐらいで、たくさん養成して、その後、つまり、ある程度必要な有資格者が溜まったから講習の需要がぐっと落ちるとか、そういった形になってくると実はどれくらい参入していただけるのかとか、そういったこともあるので、周知期間として例えば3年というのは多分十分だと思いますが、現実にリソースとして講習ができる講師の数、それから事業として登録講習機関が成り立つということを考えると、6万人から8万人という数の有資格者を短期間で養成するのは、もしかするとハードルが高いのかなと、これは単なる印象ですけど感じました。

○化学物質対策課長 そういった御意見を踏まえつつ、いわゆる周知期間ですね、経過措置期間をどれぐらい設定するのかというのを、今後、考えていきたいと思っています。また、68万人というのは常時68万人必要という意味で、引退していくというか業界から離れて行く人が必ずいますし、教育というのはずっと続けなければいけないので、そういう意味で経過措置期間が終わったら、突然、ばたっと誰も受けなくなるということはないのではないかと思っていますけれども、そういったことも含めて考えたいと思います。

○梅崎座長 よろしいでしょうか。この論点9につきましては、大体、御意見も出尽くしたと思いますのでこの辺りで閉めたいと思います。おおむね提示されている方向性での具合だったと思いますが、その中でいろいろな議論が出てきましたので、是非、11つの議論を丁寧に受け止めていただいた上で、事務局のほうで必要に応じて追加の議論をするなりして議論を深めていただければと思います。よろしくお願いいたします。次に、論点10についてお願いいたします。報告書の項目ということですが、これはここに書いてあるとおりの、こんな形で組み立ててはどうかという御提案ですが、いかがでしょうか。お願いいたします。

○出野委員 内容については特に意見はありません。これで結構かと思いますけれども、要望として、内容的に建築物調査者講習等、建築物には一戸建てもありますね。そういうものと今回の工作物調査者講習と、対照表なんかはオーバーかもしれませんけれども、何かそういう比較するようなものを1つ付けていただければ私どもも助かるし、それ以外の方も見やすいかなと思います。以上です。

○副主任中央労働衛生専門官 報告書の作成に当たっては、よく留意させていただきます。

○梅崎座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、この論点10については今の御指摘を踏まえた上で、こういう組立てで報告書の案を考えていただければと思います。よろしくお願いいたします。一応、これで論点1から論点10までの議論は以上で終わりましたが、もし今までの議論の中でまだ質問し忘れていたところ、あるいは言い尽くしていない方とかいらっしゃいましたら追加で御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、本日の議題については一通り御意見、御討論を頂きました。本日は非常にたくさんの意見を頂きまして、工作物における石綿使用の現状、あるいは解体・改修工事の状況、あるいは教育内容、あと特に今回は教育内容の資格者、そういう内容につきまして非常に大事な御意見を頂きました。この辺りのところは事務局の宿題とさせていただいて、本日、議論となった事項も含めて本日の委員の皆様からの御意見を踏まえ、事務局のほうで報告書案を整理して次回ワーキンググループまでに御準備をお願いしたいと思います。そんな形で事務局のほうはよろしいでしょうか。こんな形で取りまとめようと考えていますが、皆さんのほうからも御意見、大丈夫でしょうか。それでは、追加で何か事務局からございますか。

○副主任中央労働衛生専門官 特にございません。

○梅崎座長 それでは、本日の議論はこれで終わります。議事進行を事務局のほうにお返しいたします。よろしくお願いいたします。

○副主任中央労働衛生専門官 座長、ありがとうございます。本日は、長時間にわたりまして御審議いただきましてありがとうございました。また、冒頭の開始時間直前に15分遅らせる形となりまして遅延したことも改めてこの場でお詫び申し上げます。大変失礼いたしました。本日の会議録につきましては、各委員に改めて御確認いただいた上で公開することとさせていただきます。

次回の検討会ワーキンググループの日程につきましては、資料1のスライド4にありますとおり、1011()14時から16時となっていますが、委員の皆様には改めて事務局より御案内させていただきます。それでは、第5回建築物の解体・回収等における石綿ばく露防止対策等検討会 工作物に関するワーキンググループを閉会いたします。本日はありがとうございました。