2022年9月12日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年9月12日(月)18:00~

出席者

出席委員(15名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(6名)五十音順

行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中を御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まずは本日のウェブ会議におきます委員の出席状況でございますが、大隈委員、小崎委員、山口委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 このほか、浦野委員、川上委員、島田美樹委員、松下委員から遅れて御参加との御連絡をいただいております。
 したがいまして、本日は、現在のところ当部会委員数21名のうち14名の委員にこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 清田です。こんばんは。
 それでは、本日の議題に入ります。
 まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日、あらかじめお送りさせていただいた資料として、資料No.1~No.3までを用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 このほか、資料No.4として「薬事分科会における取扱い等の案」を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。
 また、直前の送付となりましたが、当日配付資料として資料No.5「オミクロンBA.4/5株ワクチンの審査上の取扱いについて」を本日お送りしておりますので、そちらも御準備をお願いいたします。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 本日は、報告事項3議題となっております。
 それでは、報告事項の議題1、そして議題2に移ります。
 議題1及び議題2につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から御説明申し上げます。
 議題1は「医薬品コミナティRTU筋注の製造販売承認事項一部変更承認について」ということでございます。資料No.1を御覧ください。
 コミナティRTU筋注は「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とするワクチンでありまして、SARS-CoV-2の起源株、いわゆるオリジナル株のSたんぱくをコードするmRNAであるトジナメランを有効成分としております。1価のワクチンとして今は承認されています。
 今般、ファイザー株式会社から、トジナメランに加えて、オミクロン株BA.1系統のSたんぱくをコードするmRNAであるリルトジナメラン、これを有効成分とする2価のワクチンの追加免疫に係る製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本説明で示す報告書のページ数は、ページ下部に記載の○/27の数字を表しております。また、トジナメランを含有する従来型の1価ワクチンを「親ワクチン」、トジナメランとリルトジナメランを含有する今回申請されたオミクロン対応型の2価ワクチンを「2価ワクチン」と表現いたします。
 では、早速ですけれども、報告書の9ページ、表3を御覧ください。審査では、主に表の上段に示すC4591031試験のサブ試験Eの成績に基づき評価が行われました。サブ試験Eでは、親ワクチンを初回免疫及び追加免疫として合計3回接種済みの健康人に対して、様々な用量設定の変異株ワクチンを1回接種したときの免疫原性及び安全性が検討されています。本申請において2価ワクチンの用量は30マイクログラムであるため、その結果を中心に説明いたします。
 免疫原性について、報告書11ページ、表4に中和抗体価の結果を示しております。オミクロン株BA.1系統に対する中和抗体価の比、いわゆるGMRですけれども、これについて、親ワクチンに対する2価ワクチン30マイクログラムの優越性が示されました。また、同じページの表5に抗体応答率の結果を示しており、オミクロン株BA.1系統に対する抗体応答率についても、親ワクチンに対する2価ワクチン30マイクログラムの非劣性が示されました。
 また、複数の委員の先生方から事前に御指摘いただいておりました、オミクロン株BA.4/5系統に対する中和抗体価、これにつきましては、報告書18ページの表13、右側の列に示しております。探索的な検討ではございますが、オミクロン株BA.4/5系統に対しても一定の免疫応答が得られております。
 次に、安全性につきまして、報告書12ページ、表7に治験薬接種後7日間における反応原性事象を示しております。親ワクチンと2価ワクチンの局所反応及び全身反応の発現頻度はおおむね同様であり、いずれのワクチンでも多くの事象で接種後3日までに発現し、1日~2日で消失しております。臨床試験で確認された2価ワクチンの安全性は、これまでに確認されている親ワクチンの安全性プロファイルと同様でした。
 これらの機構における審査の結果、本2価ワクチンを承認して差し支えないと判断いたしました。
 続きまして、議題2「医薬品スパイクバックス筋注の製造販売承認事項一部変更承認について」、御説明申し上げます。資料No.2を御覧ください。
 スパイクバックス筋注は「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とするワクチンでございまして、現在はSARS-CoV-2の起源株のSたんぱくをコードするmRNAであるエラソメランを有効成分とする1価のワクチンが承認されております。
 今般、モデルナ・ジャパン株式会社から、このエラソメランに加えて、オミクロン株BA.1系統のSたんぱくをコードするmRNAであるイムエラソメランを有効成分とする2価ワクチンの追加免疫に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。今回の報告では、エラソメランを含有する従来型の1価ワクチンを「1価ワクチン」で、エラソメランとイムエラソメランを含有する今回申請されたオミクロン株対応型の2価ワクチンのことを「2価ワクチン」と表現いたします。
 報告書12ページ、表5を御覧ください。審査では、P205試験のパートG及びパートFの成績に基づき評価が行われました。P205試験パートG及びパートFでは、1価ワクチンを初回免疫として2回、追加免疫として1回、合計3回接種した18歳以上の者に対しまして、2価ワクチンを1回接種した際の免疫原性及び安全性が検討されています。
 免疫原性については、報告書15ページ、表6に示す中和抗体価の結果を御覧ください。オミクロン株BA.1系統に対する中和抗体価の比(GMR)ですが、これについて、1価ワクチンに対する2価ワクチンの優越性が示されております。また、オミクロン株BA.1系統に対する抗体応答率について、1価ワクチンに対する2価ワクチンの非劣性が示されました。
 また、先ほどと同様に、複数の委員の先生方から事前に御指摘いただいておりますように、オミクロン株BA.4/5系統に対する中和抗体価、これの結果は24ページ、表12に示しております。探索的な評価ではありますが、2価ワクチンの接種において1価ワクチン接種と比較して中和抗体価が高いという結果が得られております。
 安全性については、報告書16ページ、表7に示す治験薬接種後7日間に認められた特定有害事象を御覧ください。1価ワクチンと2価ワクチンとで各事象の発現頻度は同程度でございます。また、いずれのワクチンも多くの事象は接種当日から2日目までに発現しており、1日~2日で消失しております。臨床試験で確認された2価ワクチンの安全性プロファイルは、これまでに確認されている1価ワクチンの安全性プロファイルと同様でございます。
 以上より、機構における審査の結果、本2価ワクチンを承認して差し支えないと判断しております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御質問がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 中野先生、ワクチン部会に御所属なので、御質問がありましたら承ります。いかがでしょうか。
○中野委員 中野としては、質問というよりはちょっとお尋ねしたいのが、先ほど御紹介いただいたことではなくて添付文書の内容に関してですけれども、よろしいでしょうか。
○清田部会長 どうぞ。
○中野委員 添付文書の内容で、このワクチンを接種できる時期が前回の接種を終えてから何か月というのが、これは諸外国での臨床試験のデータを基に承認されるワクチンと理解しておりますけれども、諸外国より間隔が長いかという印象を持っております。現在、従来のワクチンで4回目の接種を推奨している、予防接種・ワクチン分科会と先ほどお名前を挙げていただきましたので、そちらでの特例臨時接種の扱いが5か月以上という間隔を空けてやっているわけでございますけれども、この添付文書に特例臨時接種の5か月というのがそのまま記載されているわけでございますが、かつて3回目の追加接種のときも最適な接種の間隔がどれぐらいかという議論になったときに、私の印象といたしましては、薬事承認が結構長い期間で設定してあると、それより短い期間で接種することがなかなか難しいのではないかと思って、このワクチンが5か月より短い期間で追加接種をすることが起こらなければそれでいいと思うのですけれども、主に追加接種用に使うワクチンと理解しておりますので、現状でいいのかどうかが少し気になりました。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 これに関しまして、事務局から何か。
○医薬品審査管理課長 先生、御指摘をどうもありがとうございます。
 今回の接種時期につきましては、審査報告書にも書いておりますとおり、モデルナは3か月のデータがあるのですけれども、ファイザーは5か月です。それから、先生がおっしゃったとおり、従来のものが5か月という形になっておりますので、現場の混乱とかといったこともあります。かつて5か月といったときには、当時は心筋炎の問題等々もございましたことから、やや保守的な形で5か月になったというのが現状という形でございまして、それを今回も5か月が適当だという形で、今、機構の方では整理していただいている状況でございます。
 ただ、先生からは短くするべきではないかという御趣旨だと認識いたしましたので、これからどうするかということになるわけでございますが、現時点の整理が5か月という形でやっておりますので、今日この場でいきなり薬事の方の取扱いを短くという結論を下すのはなかなか難しい部分はあろうかと。それは御理解いただきたいと思っております。
 その上で、御指摘のとおり、海外においては短い接種間隔で取り扱っているということもございますので、よろしければ、今後もう少し短くした場合のもろもろの有効性や安全性の情報、それを少し整理、検討させていただいて、薬事の方の扱いとしての接種間隔の短縮ですね。それを短縮する方向で検討させていただければということもできるかと思っております。
 その際、なかなかいつまでも長いままだといろいろと問題もあろうかと思いますので、一つの目安としては、情報等が一定程度集まる時期かと思いますので、今は9月半ばでございますので、10月の下旬とかそれぐらいまでには何とか整理し、検討し、また、この場で御検討いただいて、その後の結論をいただくといった形にさせていただくというのはあるかと思っております。
○清田部会長 中野先生、いかがでしょう。
○中野委員 ありがとうございました。
 おっしゃっていただいた理由もよく理解できます。心筋炎というものが短い間隔で多くの回数のワクチンを打ってもし起こりやすいようであれば、それは確かに短くすることは私もよくないと思うのですが、一時期幾つかの国では特に10代や20代には長い間隔での追加接種を勧めていた国もございましたけれども、本当に長い方がより安全かどうかというのもまだ確かに結論は出ていないと思います。よりリスクが高いのか高くないのかもリスクが出ていないと思いますから、その辺りをより慎重に取り扱った方がいいのではないかという御意見かと理解いたしました。ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問はございますでしょうか。
 どうぞ。
○宮川委員 宮川です。
 接種間隔ですけれども、スパイクバックスは3か月ということで、コミナティが実際には短くても4か月と書いてあるのですが、そのように考えて、5か月というのは分かりますけれども、予防接種上で今までずっと5か月で来たので別にこれは全く問題ないのですが、実際の臨床の試験は、スパイクバックスは3か月ということで認識していいのか。コミナティの方も5か月と4か月があるわけですけれども、4か月ということで認識していいのか。まず、それが大前提として議論の出発点としてよろしいのか質問したいと思います。それで米国では2か月で、EUでも3か月の接種間隔で運用されていますが、この承認に係る報告書の読み方としては、スパイクバックスは3か月、コミナティは4か月ということで読んでいいのでしょうか。そこだけお聞かせください。
○医薬品審査管理課長 場合によってはまた機構から補足していただければと思いますが、まずデータとしては、モデルナのスパイクバックスについては3か月のデータでございます。ただ、それについて実際に今回接種間隔をどうするのかということについての扱いとしましては、審査報告書にも記載がございますけれども、資料No.2の29ページなどにございますが、これまでの従来株での接種間隔を5か月にしているということで、医療現場の混乱を避けるという視点から5か月を設定することは一定の社会的な有用性があるということで、今回承認に当たっては、当座はモデルナのスパイクバックスも5か月と。それから、ファイザーのコミナティについても申請は4か月と申請してきております。ただ、それはアメリカなどが従来のデータで従来株について4回目については4か月といった形にしておったことから、4か月でいいのではないかと申請はしてまいりましたが、これについても先ほど同様、資料No.1の22ページにございますけれども、現状が5か月でやっているから5か月ですと。
○宮川委員 その意味は分かるのです。だから、今、言ったように機構が考えるというところから見ても、私たちは運用のところを言及する立場ではありませんが、医療現場の混乱を考えると5か月と統一するということは、医療現場の人間としては了解することはできます。実際の申請書に書かれたものは、スパイクバックスは3か月、コミナティは4か月ということでよろしいのですねというただの確認でございます。医療現場としては混乱を避ける意味で5か月にしていただいたのだと認識してよろしいのか。つまり、今後の接種間隔の議論のときに、実際にそのような議論をした、報告書をちゃんと読んで、そのように報告書のことを認識したという前段階があって、医療現場の混乱を避けると従来と同じように今のところは5か月にするという認識でよろしいのかということだけお聞きしたかったのです。
○医薬品審査管理課長 まさにそのとおりでございます。前置きの説明をはしょってしまって申し訳ございません。
○宮川委員 ありがとうございます。
○清田部会長 宗林先生、どうぞ。
○宗林委員 宗林です。
 私もそこが分からないままにずっと来たのですが、少し教えていただいたときに、スパイクバックスの方のGMRは、実際は3か月後に打ったときのGMRの上がり方であるということとともに、副反応のところの例えば16/35ページの表7なのですが、とても今回2価の方が副反応としては大きく出ていて、これは3か月後に打ったことであるからというようなお話があったのですね。ですから、少なくとも報告書自体は全てが3か月後に追加、ブースターを打ったときのデータであることを明確にしておいて、5か月にするならば、そこから推察して運用上5か月としていくというようなことで、最初の根幹になる科学的なデータのファクトのところをしっかり描かれた方が良いと思いました。3か月とあるのですが、全てのデータが3か月後のデータであるということがないので、実際には5か月で打ったときはそれとは違うということですね。その辺がよく分からなかったので、そういう理解でいいのですね。
○医薬品審査管理課長 データとしましては、3か月以上空いた後という形になっています。そのデータを取っている形になります。薬事の方で書いている期間もお読みいただければ分かりますけれども、少なくとも何か月以上空けるという形になっています。ですから、そういった意味では得られているデータがぴったり3か月でなければいけないということもなくて、3か月以上空いているデータでもって評価することは問題ないと思っております。分かりにくいかもしれないですが、そのことも報告書の中にも書いてはございますので、まずその辺りで御理解いただければと。例えばスパイクバックスですと、13/35ページの真ん中あたりに1回目の追加接種から3か月以上経過した後に2回目のという形で書いています。データはそのような感じになっていて、それで評価することに特段問題はないのだろうと思っております。
○宗林委員 分かりました。
 特に私が気になったのは、この16/35ページの表7の2価ワクチンのところの全身性の副反応が1価のときに比べて上がっていたので、誤差と言えるのか、統計上、有意差があるかどうかという話はここにはないのですが、これは3か月後のデータだからというお話もあったので、確認したかったのです。
○事務局 こちらの表7のデータですけれども、基本的に今回のスパイクバックス、モデルナさんの臨床試験は、特にパートG、パートFという形にそれぞれの群の名前がございますが、全く完全に用意ドンでスタートして実施した試験ではなくて、様々なパートが行われた中で、2価のワクチンの検討を行っていたこのパートGと1価の起源株のワクチンのパートF、これを比べている形になりますので、その数字に関しては厳密なところで言うよりも、全体的な傾向として、これまでのワクチンと大きく異なるところではないという形での評価は一つあるのかとは思います。
○清田部会長 いかがでしょう。
○宗林委員 分かりました。
 全体的には言うほどの有意差はないと解釈をするということですね。
○清田部会長 比較ができない。
○宗林委員 試験期間が違うから。
○清田部会長 同時期にやったものではない。
○宗林委員 分かりました。
○事務局 この背景をもう少し精査した上で、次の接種間隔を短くする話の中の検討においてそういったところも確認させていただいて、また追って御報告させていただくような形です。
○宮川委員 宮川ですけれども、そうすると、コミナティの方も同じように考えていいのでしょうか。スパイクバックスの方は今の16ページのところですけれども、コミナティの方は19ページの副反応のところを見ると、親ワクチンと2価のワクチンの組合せは、これは用意ドンということで同じにやったのか、少しずれているのか、表の読み方はコミナティとスパイクバックスで同じように見ていいのかどうかということを教えていただきたいのです。こういう表現が出ていくと、従来と同じですけれども、殊さらスパイクバックスの方が副反応が強いのだとか、そういうことだけが先行して出るので、アナウンスの仕方や出し方を検討していただければと思います。リスクコミュニケーションとして、数字だけ出してしまうと誤解が出てくるのではないかと懸念したのでお話しいたしました。
○清田部会長 機構からお答えできますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構ワクチン等審査部でございます。
 先ほど幾つか論点はあったかと思いますけれども、まずスパイクバックスの2価ワクチンの安全性に関する情報ですが、表7につきましては、これは並行して接種しているものなので、比較可能な情報です。N数が違うので、件数はそれぞれ違いますけれども、パーセンテージとしては1価の起源ワクチンと2価の起源・オミクロンワクチンで安全性に大きな違いはなかろうと評価をしております。
 また、26/35ページに表13という資料がございます。こちらは2価の起源株・オミクロン株のワクチンと、過去の審査で安全性を確認しました1価の起源株ワクチンを追加接種で使用した場合と、1価の起源株ワクチンを初回免疫の2回目で接種した場合の安全性情報を横並びに参考として数値を置いたものですけれども、これらの数字を見ても、2価ワクチンにおいて特段安全性に関して大きく変化しているとは私どもは考えておりません。
 もう一つ、コミナティRTU筋注の12/27ページの表7に関して、これがどういうデータかということでございますけれども、こちらも同じ試験の中で並行して、親ワクチン、オミクロン株の単価ワクチンと2価ワクチンのそれぞれを比較しているものでございますので、比較可能な情報であると考えております。
 また、同様に、安全性につきましても、2価ワクチンの30マイクログラムが親ワクチンに対して安全性上大きく異なるという点はないのではないかと評価しております。
 以上です。ありがとうございました。
○宮川委員 機構の方、ありがとうございました。
 そういう意味では、スパイクバックスの方は26/35ページの表13のところを見ると、1回目、つまり初回免疫のところと、パートBとパートGという形でのしっかりしたデータを見たので、殊さら副反応が多く出ているということではないと理解しましたので、ありがとうございました。
○清田部会長 ありがとうございました。
 宗林先生、よろしいですか。
○宗林委員 改めてコミナティよりもスパイクバックスが厳しいなと思いましたけれども、結構です。ありがとうございました。
○清田部会長 ほかの委員からの御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 接種間隔につきましては、事務局として、少し整理するお時間をいただくということだそうです。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、そこのところだけ宿題にさせていただいて、本議題につきましては、御確認いただいたものとしてよろしいでしょうか。
○清田部会長 ありがとうございます。
 それでは、御確認いただいたものとして次に進みたいと思います。報告事項の議題3に移りたいと思います。
 議題3につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、報告事項3「医療用医薬品の承認条件について(コミナティRTU筋注)」、こちらにつきまして御説明させていただきます。資料No.3を御覧ください。
 こちらの1ページに記載しております。コミナティRTU筋注は、令和4年1月21日に「SARS-CoV-2による感染症の予防」の効能・効果で承認されておりますが、承認時において長期安定性に係る情報が限られていたことから、製造販売後も引き続き情報を収集し、報告するという承認条件が付与されておりました。こちらにつきましては、長期安定性試験の結果について承認後に提出することという形になっておりましたところ、今般、機構において、企業から提出された製剤の12か月までの長期保存試験の結果を確認いたしまして、特段の問題はないと判断されております。そのため、承認条件の一部、(2)(6)につきましては対応されたものと判断して、本部会での御報告後に削除することとさせていただきます。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 この点につきまして、委員の先生方から御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようでございますので、本議題につきましては、御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますでしょうか。資料No.5についてかな。
○事務局 それでは、当日配付資料とさせていただいております資料No.5につきまして、事務局から御説明させていただきます。資料No.5「オミクロンBA.4/5株ワクチンの審査上の取扱いについて」でございます。
 まず、1ポツの背景について、本日御議論いただきましたのは、オミクロン株BA.1系統の対応をした2価ワクチンになりますが、今後、オミクロンBA.4/5株対応の2価ワクチンの薬事申請が見込まれているところでございます。特にファイザー社につきましては、近々での申請が見込まれておりまして、評価に必要なデータのうち、品質に関するものや非臨床のデータは順次提出が既になされておりますが、BA.4/5株対応の2価ワクチンの臨床試験、こちらは12歳以上の臨床試験でございますが、8月末から開始しているという状況です。
 また、2ポツに諸外国の状況をまとめております。FDAではファイザー社、モデルナ社ともに緊急使用許可が出されておりますが、この際、FDAは品質と非臨床のデータのみでEUAを出しており、臨床データは追って提出する形としております。
 EMAにおきましても、ファイザー社のワクチンは早ければ9月15日の承認が見込まれておりまして、その場合には臨床データの提出は間に合わないことから、臨床データなしでの評価となることが想定されます。
 こうした背景や諸外国の状況を踏まえまして、日本におけるオミクロンBA.4/5株対応のワクチンの審査上の取扱いの案を3ポツにまとめております。
 マル1オミクロンBA.4/5株対応の2価ワクチンの薬事申請がなされた場合、当該申請は、効能・効果、用法・用量の変更に該当する変更とはならず、製造方法の変更の一部変更承認申請となる見込みでありますから、薬事分科会規定上の区分15に該当するということになります。したがいまして、機構にて審査を行った上で、結果がまとまり次第、当部会に報告させていただくこととしたいと考えております。参考として、BA.1株対応の2価ワクチンの効能・効果、用法・用量の記載を抜粋し載せております。
 次に、審査データの取扱いについて、WHOが指定する株のうち、いわゆる亜系統での変異であれば株の抗原性が大きく異ならないことから、亜系統の変異株に対する各ワクチンの免疫原性も大きく異ならないということが想定されます。
 したがいまして、オミクロンBA.1株対応の2価ワクチンにおいて、臨床データも含めた評価がなされていることを前提に、オミクロンBA.4/5株対応の2価ワクチンにおいては、欧米同様臨床データがなくとも評価は可能と考えられます。よって、臨床データの提出を待たずに評価を進めることとし、承認後に追って臨床データの提出を求めることとしたいと考えております。
 また、今後の変異株の取扱いについてでございますが、オミクロン株の亜系統での変更の場合には、BA.4/5系統のときと同様に、製造方法の変更について機構による審査を行うこととして、薬事分科会規定上の区分15に相当するという扱いにすることを考えております。
 オミクロン株の亜系統以外の変異株の場合には、BA.1のときと同様に、効能・効果、用法・用量の変更を踏まえた部会報告を行うこと、いわゆる薬事分科会規定上の区分11に該当ということを想定しております。
 なお、必要に応じて、個別に臨床データの提出を求める等の対応を行うことも考えております。
 以上、オミクロンBA.4/5株ワクチン並びに今後の変異株ワクチンの審査上の取扱いに関する御説明になります。
○清田部会長 ありがとうございました。
 この件に関しまして、いかがでしょう。委員の先生方から御質問はございますでしょうか。
 どうぞ。
○中野委員 中野です。
 異論があるわけではないのですが、1点お教えください。今回のワクチンもトータルのmRNA量としては、ファイザーはもともとのワクチンと同一、モデルナ社は追加のワクチンと同一で、従来株が半分になってオミクロン株対応のmRNAが半分入った、簡単に申し上げるとそのような形になっていると思うのですが、ワクチンはたんぱく量やその成分の量が変わりますと、免疫原性もそうですけれども、安全性のことも出てくると思いますので、今回このような報告の形にしていただく場合は、原則としてはこういった主に成分量としてはあまり変化がない状況と理解していてよろしいのでしょうか。
○事務局 事務局です。
 さようでございます。今回は実際の有効成分含量が変わらないことからこういう取扱いとしておりますけれども、これが仮に増える場合には、恐らく新用量といった形の申請区分がまた必要になってくると思われます。
○中野委員 ありがとうございます。了解いたしました。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいですね。
 それでは、資料No.5につきまして、御確認いただいたものといたします。
 その他、事務局からの御報告はございますでしょうか。
 どうぞ。
○医薬品審査管理課長 ただいまのBA.4/5の取扱いにつきまして、御了解いただきどうもありがとうございます。
 先ほどの接種間隔の取扱いについてもこの部会で御議論いただく必要がございますので、可能であれば、事務局としましては、BA.4/5の審査結果をこの部会に御報告させていただくタイミングに合わせまして、先ほどの接種間隔の取扱いについても併せて御確認いただく、そのような段取りができればと思っておりますので、そのように御理解いただければと思います。可能な範囲でそうしたいと思います。
○清田部会長 間に合えばですね。
○医薬品審査管理課長 間に合えばですね。
○清田部会長 では、間に合ってほしいので。
○医薬品審査管理課長 頑張っております。
○清田部会長 お祈りして、追加で事務局からの御連絡はございますか。
○事務局 次回の部会につきましては、追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。
 本当にお疲れさまでした。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)