第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録

健康局予防接種担当参事官室

日時

令和4年7月6日(水) 15:00~17:00

場所

Web会議
中央合同庁舎5号館 専用第21会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)

議題

(1)今後のパンデミックに備えるべき「重点感染症」について
(2)その他

議事

 

○武内感染症医薬品等対策専門官 それでは定刻になりましたので、ただいまより第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。本日の議事は公開となります。議事の様子はYouTubeで配信させていただきますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用以外のカメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 本日は、新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案し、一部Web開催とさせていただくこととなっております。まず、Web会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、部会長から御指名されてから御発言いただきますようお願いいたします。
○坂元委員 すみません、厚生労働省の声が小さいのですが。
○武内感染症医薬品等対策専門官 すみません、失礼いたしました。続けます。御発言される場合には、まずお名前をおっしゃっていただき、部会長から御指名されてから御発言いただきますようお願いいたします。なお、Web会議ですのでタイムラグが生じますが、ご了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 開会に先立ちまして、6月28日付けで事務局側の組織改編がございました。その関係で、予防接種担当参事官として高城が着任しております。
○高城予防接種担当参事官 今御紹介いただきました健康局参事官で、予防接種担当となりました高城亮と申します。
○合田委員 相変わらず非常に音が小さいです。こちらはかなり、頑張って音声を上げているのですが。
○高城予防接種担当参事官 大変失礼いたしました。不手際、お詫び申し上げます。
○坂元委員 音声が聞こえないのですが、皆さん、音声は聞こえますか。
○釜萢委員 高城さんの声が、ちっとも聞こえません。
○高城予防接種担当参事官 聞こえますでしょうか。
○福島委員 少しましですが、ほとんど。それぐらい、マイクに口を近付けておられるぐらいには聞こえないですね。
○合田委員 こちらの出力を今最大限に上げているのですが、やっと聞こえるぐらいです。
○高城予防接種担当参事官 今はどうですか。
○釜萢委員 まだ、いつもとは大分違います。
○高城予防接種担当参事官 まだまだ、よく聞こえませんか。すみません。ただいま、ちょっと確認しております。少々お待ちください。こちらでいかがでしょうか。聞こえますでしょうか。ありがとうございます。すみません。ちょっと機器によって不具合があったようです。
改めまして、今御紹介いただきました、健康局で予防接種担当を仰せつかった参事官の高城と申します。これまで、コロナ本部で2年間ほど仕事をさせていただきました。それらの知見をいかして、皆様と頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○武内感染症医薬品等対策専門官 それでは続きまして、委員の出欠状況に関して御報告いたします。現在10名の、野口先生が後ほど出席されると伺っておりますが、本日は定足数を満たしておりますことを御報告させていただきたいと思います。
 申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りに関しては、ここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御了承のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本委員会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル、及び、委員におかれましてはタブレット端末で閲覧していただく方式で実施しております。ファイルですと、番号01の議事次第及び委員名簿というファイルから、番号07の利益相反関連書類までの計7つの書類を用意しております。資料の不足等、御不明な点がございましたら事務局員にお申し出いただければと思います。
 それでは、これからの進行は伊藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤部会長 皆様、御出席ありがとうございます。聞こえますか。よかったです。ありがとうございます。
 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について、御報告をお願いいたします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。聞こえていますでしょうか。
○福島委員 ちょっと聞こえにくいですが、何とかという感じです。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 ちょっと大きめの声で御説明いたします。それでは私からは、審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取り状況、申請資料への関与について御申告いただきました。
各委員からの申告内容については、資料07の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 本日の議事内容において個別に調査審議される品目はございませんので、議事への不参加に該当する方はおりません。以上でございます。
○伊藤部会長 それでは、早速議事に入ります。最初の議題は、「今後のパンデミックに備えるべき『重点感染症』について」です。この話題については、今年の3月にも同じ話をさせていただいたもののアップデートと認識しておりますが、まず、資料の説明をしていただいた上で、皆さんと討議させていただければと思います。
では、事務局で説明をお願いいたします。
○柴辻企画管理調整官 それでは、事務局から説明いたします。聞こえておりますでしょうか。大丈夫でしょうか。1番目の議題につきましては、資料1及び参考資料1と2を使用いたします。主に、資料1を使い御説明します。
まず、1ページです。はじめに、これまでの流れを若干御説明いたします。1ページでは、昨年6月に閣議決定をされましたワクチン開発・生産体制強化戦略から、AMEDの先進的研究開発戦略センター「SCARDA(スカーダ)」、ここでは仮称となっておりますが、それに関する部分を抜粋しております。
2.2、「戦略性を持った研究費のファンディング機能の強化」ということで、これまでのAMEDの支援の内容は、ワクチンという少々特殊な分野の開発には必ずしも適合したものではなかったという分析がされており、米国における支援の仕組み等をモデルとして、政府はAMED内に平時からの研究開発を主導する体制を新設し、健康・医療戦略推進事務局主導のもと、一体的かつ機動的な予算の配分を通じ、新規モダリティの育成、感染症ワクチンへの応用等を実施する、ということが書かれております。このSCARDAですが、ここでは仮称となっております。この後ろのページに引用資料を付けておりますとおり、本年3月に組織が設置されている状況です。
 2、3、4ページと健康・医療戦略参与会合資料からの引用ですが、SCARDAの概要、組織、この関係するワクチン・新規モダリティ研究開発事業の資料を付けております。
 4ページ下段の所ですが、実際に一部の感染症に関しては3月22日に公募を開始しております。「感染症ワクチンの開発」のうち、コロナウイルスを対象とした感染症ワクチンの開発などが公募開始されており、先週採択結果が公表されているというような動きもございます。ということで、SCARDAの流れについて御説明いたしました。
 5ページを御覧ください。ワクチン戦略に戻っていただき、2.7の「ワクチン開発・製造産業の育成・振興」の部分です。こちらでは、太字で書いてある所、中略の1つ下ですが、厚生労働省内に、今後のパンデミックに備えるべき重点感染症を決定し、ワクチン開発の経験を重ねる観点からも、それに対するワクチンや治療薬等の企業開発支援を行うような体制を構築するということが書かれており、厚生労働省で重点感染症を決めることとされております。
下の2.9には、「ワクチン開発の前提としてのモニタリング体制の拡充」ということも書かれており、国内外の新興・再興感染症の発生状況、ウイルスの感染力やゲノム情報、症状などの臨床情報を迅速に収集し分析することが重要であるとされており、厚労省において国際的に脅威となりうる感染症について、国内外における流行状況を把握し、我が国においてワクチン等の確保・研究開発が必要な感染症を特定する必要がある、とされております。
今回の議題にある重点感染症は、当初このワクチン戦略の中で書かれたものではありますが、今の2.9のモニタリング体制の拡充の項にあるような国内外における流行状況の把握、リスク評価などの対応は、ワクチンの開発だけではなく、より広い感染症危機対応の観点で検討がされるべきであるという視点から、厚労省の健康局では「感染症危機対応医薬品等の利用可能性確保に関する検討会」を設置し、重点感染症について議論が進められたということになります。その結果が、先ほど部会長が言われた3月に確認いただいた報告書の中身になるかと思います。
 続きまして6ページです。先ほどの検討会の報告書から、基本的考え方と分類の説明部分を抜き出しました。重点感染症について公衆衛生危機管理において、危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等、これを報告書の中では、Medical Countermeasuresとしていますが、これの利用可能性を確保することが必要な感染症という定義を行い、先ほど申し上げたように、ワクチンだけではなく、より広い範囲について議論をしています。そして、分類についてですが、2.の「重点感染症の分類について」を抜き出しております。未知の感染症への対応を前提にパンデミックやその他の公衆衛生危機に至る可能性のある感染症について、発生の予見可能性の視点に基づき、X、A、Bの3つのグループに分類をしたと。
 その下です。その他、公衆衛生危機管理において重要なMedical Countermeasuresの利用可能性を確保する必要がある感染症を、C、Dのグループに分類した、とされております。具体的な各分類の定義と暫定リストの内容は報告書の中から引用し、7ページ、8ページに付けております。
 7ページの定義を御覧ください。Group Cは、いわゆるAMRと呼ばれる薬剤耐性微生物に関するもの。Group Dは、希少疾患。例えば輸入感染症とか生物毒、その他、テロ関連病原体や毒素を含む希少感染症ということで、同じ感染症危機対応の枠組みの中ではありますが、パンデミックに対応が必要な感染症とは少し異なるグループであるという理解です。これは、この検討会のコンセンサスであり、7ページのGroup BとCの間で、破線で隔てられているのは、その性格の違いを反映したものと理解していただければと思います。
 これまでの流れの説明が長くなりましたが、本日の部会では、ワクチン戦略の2.7の項で厚生労働省において定めることとされた、今後のパンデミックに備えるべき重点感染症について、ワクチン戦略に沿って、今後実際に開発支援を行う対象として適切なものかどうかについて、先生方から御意見を頂きたいと考えております。
 9ページに、「基本的考え方(案)」を示しました。1つ目の○にあるとおり、実在するGroup Bの感染症に対して開発支援を行うことにより、対象となるGroup B感染症はもとより、Group A及び、場合によってはGroup X感染症による新たなパンデミック発生時にも即応できるように準備をするというのが1つ目の考え方です。
2つ目の○では、対象の範囲についてGroup Bに例示された感染症全てを対象とするのではなく、選定した感染症ごとの研究開発の成功率を高める目的で、実際の支援予算の規模に合うように、一定の絞り込みを行う必要があるのではないかということも併せて考えております。
その上で3番目の○に、その絞り込みを行う上で、幾つかの考慮すべき条件について案を提示いたしました。1)として、飛沫感染など、先進国においてもヒトーヒト感染が容易に起こりうる感染経路を有するもの。2)として、有効なワクチンが存在せず、かつ国内に臨床試験段階に進められるシーズが存在しているもの。3)として、特にアジア地域において課題となっているもの。4)として、海外において発症予防試験の実施が期待できるもの、ということで列記いたしました。特に、4番目については分かりにくいと思いますので、少し下に注釈を付けております。
今回、コロナの国産ワクチンの実用化がなかなか速やかにいかなかった要因を分析しますと、企業収益が感染症の流行の動向に左右されるため、研究開発投資の回収見通しが立てにくいとか、国内企業規模が比較的小さく、数万例規模の発症予防試験を実施する研究開発投資力をなかなか持てない。それから、今回のように有事に研究開発の支援を行う仕組みを仮に整えたとしても、特に、海外において大規模試験の経験がほとんどないということで、速やかに実施するための人材やノウハウなどを持たなかったということがあるのではないかという分析をしております。
このため、暫定リストの中に、特にGroup Bの中に、平時に海外における大規模臨床試験を実施可能な感染症に該当するものがあれば、これを含めて選定をして、国内企業が海外試験、あるいは国際共同の発症予防試験の実施経験を積むことにより、パンデミック発生時の発症予防試験の速やかな実施につなげたいということで4)は提示いたしました。
 以上の選定に関する考慮点を踏まえて、10ページに選定内容(案)として8つの感染症を提示いたしました。本日は、以上の考え方、及び選定内容の双方について御意見を頂ければと考えております。
 また、参考資料として、11ページに海外及び国際機関の示す優先疾患のリストを付けております。事務局からの資料説明は以上となります。
○伊藤部会長 ありがとうございました。基本的に、重点感染症の定義などを決めるのは、この部会の仕事ではないと認識しておりますが、その重点感染症の中で、今後、ワクチンの開発をどう進めていくのか、優先順位をどういうように考えるのかというのがこの部会の意見だと認識しております。
 もともと安全保障としてのワクチン開発は、以前からこの部会でも重要だというのは述べさせていただいていたところだと思っておりますが、今回のコロナの状況で、現実的にその危機対応について日本としてもより一層取り組んでいかなければいけないという中で、今、こういった話が出てきているのだろうと思います。特に、背景としては、感染症に関しては今まで熱帯とかだけで発生していたのが、温暖化に伴って北上してくる可能性も念頭に置きながら、開発のシーズを決めていくというように思っています。
 まず事務局の説明について、御質問があるようでしたら挙手をお願いできますか。皆さんよろしいですか。この資料を頂いた段階で、お願いをしていたのは、日本だけではなく海外の動静についてもきちんと把握をしていただきたいということで、資料11ページを付けていただきました。WHOやアメリカ、ほかのところの動静で、今のところDisease Xというか、彼らが危機管理対応として必要だと考えているものについて○を付けていただいたと思います。海外の動静も踏まえながら、我が国としての対応をどうするのかというのが1点。
 もう一点、前回、荒戸先生や信澤先生から御意見を頂いたワクチンの供給というか、製造の段階でのデュアルユースをどうするのか、なかなか難しいのではないかというように御意見を頂いていたということに関しては、多分、事務局で、一定の回答案は用意していたというように思うので、そこはまず事務局のほうから一言お願いできますか。
○柴辻企画管理調整官 前回もいろいろと前任の阪口のほうからも回答はさせていただいたかと思いますが、前の段階では、まだ準備段階ということで、なかなか明示的な回答は出せていなかったのかなというように思います。複数の先生方から、デュアルユースの施設の考え方について、理想論的にといいますか、机上で考えるほどうまくいかないのではないか、あるいはいろいろと、その作るものによって生成のものも違うということで、なかなかその緊急時にうまく対応できるかどうかというようなところの懸念が示されたというように議事録などから拝見をさせていただいております。
私どもも経産省と密に連携を取り、そこのところに関しては調整も含めてさせていただいておりますし、現在のデュアルユースの考え方というのは、ある一定の規模の生産設備、製造設備を一定の量の余力を残した形での生産みたいなものというのを前提として稼働させるという位置付けのものになるのかなというように思っております。その上で、緊急時にどのように対応するのかということに関しては、平時に作るもの、どういうものを作るかということも含めて、企業さんのほうで考えていただいて、それを提案していただくような形で、それを公募にかけて審査をさせていただくというような仕組みでもって、ある程度実効性の伴う対応をできるようにということで、私どもと言いますか、政府のほうでも進めさせていただいているというような状況だと理解をしておりますが、今後も、そういう懸念がない状況になるように、経産省とも密に連携を取って進めてまいりたいと考えております。事務局からは以上です。
○伊藤部会長 坂元先生から手が挙がっていますので、よろしくお願いいたします。
○坂元委員 9ページの最後のほうに、いわゆる臨床試験の問題というのが書かれていると思うのですが、今回、国内で開発されたワクチンや医薬品を欧米の臨床試験の規模から見ると、大分参加数が少ない。数が多ければいいというものではないのですが、仮に、ワクチンや医薬品自体はいいものができても、やはり一定の臨床試験でそれなりの効果が出ないと世の中には出せない。今回、薬機法を改正して、数が少なくても推定可能な範囲ならば承認できるみたいな形にはなったと思うのですが、つまりここの支援の所で、これがよく分からないのですが、これは日本のメーカーが何かをやったときに、例えば日本を含めたアジアでの多国籍治験を支援していくというスキームを作るという、そういう意味で、9ページの最後の文章はそういうように捉えてよろしいのでしょうか。
○柴辻企画管理調整官 御質問ありがとうございます。ここに書かれている文章に関しては、基本的には、大規模な臨床試験を実施可能なものに関して選びたいということが書かれております。ここの支援の範囲というのは、実はそのSCARDAが支援をする範囲からは外れておりますが、厚労省のほうで、コロナワクチンに関してはそういう支援を実際にさせていただいておりまして、第Ⅲ相の実証的試験について支援をしているという状況です。なので、こういうものが仮に出てきた段階では、また厚労省のほうで支援をしたいというように考えて、今、対応を進めているというところです。
○伊藤部会長 坂元先生、よろしいでしょうか。ほかに、何かありますか。
○福島委員 御説明ありがとうございました。特に11枚目のスライド、海外機関における優先疾患の指定状況というのは大変参考になりました。私自身も、10ページにお示しいただいている具体的な感染症の選定内容、ワクチン開発を支援する重点感染症がどこに該当するかというところについて異論はございません。1点教えていただきたいのが、日本ではインフルエンザもワクチン開発を支援する重点感染症の案として挙げられているのですが、海外では、インフルエンザはどこの機関も指定はされていない。それは、この11枚目のスライドの表の一番左に列挙されているものにはインフルエンザがバチッと当てはまらないのが理由なのか、それとも、そもそも海外においては多様な製剤がもう既に利用可能ですので優先疾患に指定されていないのか、どちらなのでしょうか。もし、御存じであれば教えていただきたいと思います。
○柴辻企画管理調整官 今のお話に関しましては、確かに、優先疾患のリストには、インフルエンザ感染症に関して海外では指定されていないのは事実です。その理由に関して、ちょっと私どものほうで把握はできておりませんが、今回、そのインフルエンザ感染症をここで選定させていただこうとした理由に関しては、今回、季節性及び動物由来のインフルエンザというものを具体的な感染症の選定案に含めた理由としては、日本においても、パンデミックのインフルエンザに対する対応というのが必要ということで、従来から対応をしてきたところです。その中身については、この部会でも施設の老朽化みたいな対策も今後考えていかなければならないというようなことも御指摘を頂いているというように理解をしておりますので、そういうものの対応と、今、新たなモダリティが開発されてきているというようなことも含めて、インフルエンザ感染症について、次のパンデミックに備えるべき感染症として入れるべきという判断で、こちらに入れさせていただいているという状況です。
○福島委員 御回答ありがとうございました。私もインフルエンザは入れるべきだと思いますし、グローバルにも、インフルエンザワクチンの株選定は、かなりシステマティックに動いているので、むしろ、海外機関で優先疾患に指定されていないという状況が、何でしょう、もう現状国際的に使用できるワクチンからブレイクスルーするのが難しいというように世界では認識されているのか、それとも、言わずもがなだから入れていないのか、どちらなのかなと思いまして。すみません。ささいな質問で失礼しました。
○伊藤部会長 ほかにありますか。
○荒戸委員 3点ほど、コメントと御質問をさせていただきたいと思います。まず1点目ですが、デュアルユースについての御説明に関しては、おっしゃるとおりかと思います。御説明にあったように、平時に何を作るかといったところと緊急時とのバランスがすごく難しいと思いますし、特に、新しいモダリティのものを、デュアルユースを想定して開発するとなると、平時に作るものも、新規の承認が必要になってくるので、その辺の戦略をどうするかというところは、よく考えて対応いただければと思いました。これはコメントですので、お返事がないようでしたら、それで大丈夫です。
○柴辻企画管理調整官 ありがとうございます。そのようにいろいろな注意をしながらさせていただきたいというように思っております。
○荒戸委員 次2点目ですが、9ページの基本的考え方の2)では、臨床試験段階に進められるシーズということを書いてあるのですが、今回、選定されたものはそういうレベルにまで進んでいると考えていいのでしょうか。逆に、もっと初期段階でも支援をして開発する能力を育てていくということも大事かなと思ったので、10ページに挙げた感染症に対するワクチンの開発段階を差し支えのない範囲で教えていただければと思います。
○柴辻企画管理調整官 御質問ありがとうございます。2)に関して、実は先ほどの10ページのリストの全てに当てはまるという状況ではありません。中には、まだ臨床試験の前にまで開発がいってないというように思われるものも当然入っています。ただ、そこはほかの1)、2)、4)の項目に当てはまるものとして選定したものも当然あります。
 一方で、臨床試験にたどり着いていないもの、まだ早期の段階のものに関しても、いろいろなSCARDAもありますし、前段階の研究というようなものも別の枠組みがありますので、そういうもので引き続き支援をさせていただきたいというように思っております。
○荒戸委員 分かりました。ありがとうございます。あと3点目ですが、10ページに挙げていただいた感染症について、私自身、特に異論などはないのですが、先ほどもちょっと出てきたように、今後いろいろなモダリティのワクチンの開発を検討をしていく必要があるのではないかと思うのですが、ここに出てきた感染症に対しては、組換えやmRNA、ウイルスベクターなどといったいろいろなモダリティのワクチン開発に展開していく可能性があるのでしょうか。それとも、例えば、ここには挙がっていませんが、麻しんに対しては弱毒ワクチンが使われていますが、何かそういうように、この感染症であれば、こういうモダリティのワクチンを作ったほうがいいといったことがある程度分かっていて、その辺も考慮されているのか、お伺いしたいと思います。
○柴辻企画管理調整官 難しい質問で、ありがとうございます。事務局のほうで、どの感染症について、どのモダリティで作るのが適切かというところまで、すみません。今回、深掘りはしていませんが、一定のいろいろな企業さんにもお話を聞かせていただいて、いろいろなモダリティで考えておられる。また、その1つのモダリティではなく複数の可能性であるとか、従来型のものを考えているけれども、mRNAも適用ができるかもしれないとか、いろいろなことを企業さんのほうでも考えているということは認識をしております。なので、ワクチンごとに、ある程度その適正なモダリティというのが存在するというのも事実だと思いますが、そこのところについては、企業の開発の状況を見据えて支援をしていくというような姿勢なのかなというように思っております。以上です。
○荒戸委員 分かりました。ありがとうございました。
○伊藤部会長 ほかに御質問はありますか。では、石井先生、信澤先生、坂元先生でいいですか。
○石井委員 石井です。ちょっと理解不足な面があるかもしれないのですが、この10ページにリストアップされているこれらの感染症は、既に海外でかなり開発が進んで、もう実用化されている、あるいは実用化に近いものもあります。例えばRSウイルス感染症、エンテロウイルス、デング熱といったものは、既に、かなり先行したものがあるわけですが、こういった先行メーカーがあると、かなり開発が先に行ってしまって、そうすると、できると日本にも当然導入しようというような話にもなってくるわけですが、一方で、日本がこういうのをここから開発を始めるというと、やはりタイムラグというか、今からでもかなり遅くなってしまうということが考えられるのですが、やはりこういうのは、海外メーカーとの競争というよりは、国内産業というか、国内メーカーを育成するという、そういう意味でこういった疾患を選定されているという、そういうように理解をしてよろしいのでしょうか。
○柴辻企画管理調整官 御質問ありがとうございます。部分的には先生のおっしゃるとおり、海外で先行している感染症のワクチンが存在するものもあります。その中で、国内企業を育成するという目的が、先ほどの9ページの4)についての考え方として、部分的には海外において、その発症予防試験の実施が期待できるものというようなものに関しては、国内企業の経験を積ませるという意味で、重点感染症の中に入れていきたいというような考えで、そういうものも含めて選定の案を作らせていただいたという状況です。
○石井委員 そういたしますと、もう本当に、日本でワクチンができたとしても、ある意味、ちょっともう、時すでに遅しとなってしまうような可能性はあるのかもしれないですが、そういうのについては、もう余り考慮はされていないということでよろしいのですか。
○柴辻企画管理調整官 一応、その何と言いますか、全く考慮をしていないというわけではないのですが、海外において、より良いものが出てきて戦えるというような状況を見据えて開発の支援をしていくということになるのかなというように思っております。
○石井委員 どうもありがとうございます。
○伊藤部会長 では、信澤先生どうぞ。
○信澤委員 ここで出されている、今の10ページの具体的な感染症の選定内容そのものに関しては、特に私も異論はないのですが、今、石井先生がおっしゃられたように、これから新たに開発しなければならないようなウイルスを対象としているわけではないので、今の事務局の説明から考えるに、おそらく国内の企業、あるいは研究レベルも含めて、基盤を強化する、練習も含めて基盤を強化するためという理解で合っているのかなと今、考えたところなのです。
 もう一点、以前も伺ったのですが、ちょっと論点から外れるかもしれないのですが、Group Xに関して、何となく抽象的でよく分からないということを、前回、何人かの先生もおっしゃっていたと思いますし、私もちょっと思ったのです。実際に具体的に分かっているウイルスで練習、基盤を強化した上で、ここで準備していなかったウイルスあるいは細菌でパンデミックが起きたときに、それに対応するということだと理解していますが、具体的にどのように、準備していなかった感染症に対して対応していくのかというプロセスといいますか、そこら辺は考えられているのでしょうかというのが一点と、これはもう非常にささいというか細かいことになりますが、SCARDAと情報連携をしていく機関の中に感染研と国際医療センターが含まれていますが、一応、その両者が近い将来統合されるということも言われていますので、統合後はどのようにSCARDAをうまく運営されていくのかという辺りは、もちろん考えてはいらっしゃるのだと思いますが、というか、考えていらっしゃるのですよねという確認です。以上です。
○柴辻企画管理調整官 後ろからお答えします。感染症研究所とNCGMが統合されることになりますので、そこについては、もちろん、基本的に統合後の新たな機関との連携というものを考えていくことになると理解をしております。実際の体制に関しては、逐次議論をさせていただくことを考えております。それから、最初の質問は。
○信澤委員 Group Xの具体的に分かった。
○柴辻企画管理調整官 Group Xですね。
○信澤委員 はい。
○柴辻企画管理調整官 Group X、そうですね、ちょっと難しい質問ですが、私どもも、Group Xのものが出てきたときに、全てうまく対応できるかどうかの保証ができるとは必ずしも考えておりませんが、先ほどの、ワクチンを開発するのに資する人材であるとかノウハウであるとか、そういうものを育成していかないと、少なくとも、来たる、次に何か起こったときの対応はできないのではないかと考えております。そういう意味で、国産のワクチンを作って、それを乗り越えていく方針を取る以上は、そこのところに注力をしていかなければいけないということで考えています。あまり適切な答えにはなっていないかもしれませんが、駄目かもしれないし、うまくいくかもしれないけれども、準備だけはしておくというような、Group Xについては対応になるのかなと思っております。
○信澤委員 ありがとうございます。SCARDAの中で、準備していなかったウイルスに対する対応をしていくということなのでしょうか。
○柴辻企画管理調整官 SCARDAの中でといいますか、先ほどモニタリングの体制みたいなお話がありましたので、何か来るという話になった場合には、厚生労働省がモニタリングの体制を使っていろいろな分析をしていくことになるかと思いますが、それを実際に支援していく機関がSCARDAだという位置付けになるのかなと、開発の支援をしていく機関がSCARDAだということになるのかなと思います。
○信澤委員 まだ時間があるか分かりませんが、具体的に本当のパンデミックが起きるまでにもう少し詰められるのだとは思いますが、よろしくお願いします。ありがとうございます。
○伊藤部会長 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 先ほど、石井委員、荒戸委員、それから信澤委員からも若干出たのですが、多分これは、今回のコロナの件も含めて国内生産ができるという、当然、そういう視野が入っているかなとは思うのです。ただ、懸念するところは、国内で作れて生産できるのはこの程度のレベルで、海外で既にもっと高いレベルがあるけれども、それは日本では作れないし生産もできないから、少しレベルが落ちてもいいよねという考えに集約していってしまうならば、日本の科学技術の発展ということから考えると、いわゆる国内保護、護送船団方式みたいになってしまうと、かえってまずいのかと思います。
 ちょっと言いにくい、適切な表現ではないかもしれないのですが、やはりこの背景には、世界的な、言葉の言い方をすれば、世界的に一流のものを国内でもちゃんとつくっていて、国内で生産するというコンセプトが崩れてしまうと、この程度でしか仕方ないよねという議論に行ってしまうのか、日本の将来の発展とか科学技術を考えると、やはりそこにフォーカスが当たっているのかと感じる。いやもう、世界と伍して、世界のどこにも負けない一流のものを国内でも開発して生産するのが本来の意義であるということがないと、ちょっとやはり不安を感じるというところなので、そこら辺のことをはっきりさせていく必要がある。一体、この目的は何なのかと、世界に伍して一流の日本の製品をちゃんと作っていく。そういうものでこれをやっていくというのか、そこそこだけれど国内生産ができればいいということに焦点が当たってしまっているのか。ちょっと非常に言いにくい表現なのですが、そこら辺をどうお考えなのかをお聞きしたいと思います。
○柴辻企画管理調整官 もちろん、理想としては、世界に伍していけるだけのものを作っていただきたいと考えて、日々開発の支援の取組をしているところではありますが、いきなりそこに行くには難しいところが、まだまだギャップがあることが今回分かりましたので、それを少しでも埋めていくことが必要なのだろうということで、このような、いろいろな対策を打とうとしていると理解していただけるといいかなと思っております。叱咤だと思っております。ありがとうございました。
○伊藤部会長 ありがとうございます。皆さん、御質問ありませんでしょうか、大丈夫でしょうか。今回。
○合田委員 合田ですが、よろしいですか。
○伊藤部会長 どうぞ。
○合田委員 ちょっと全体の所というのですか、これがどう関与しているか私は分からないのですが。私自身は、基盤研等の評価委員会とやっていまして、そこでいろいろ話をお聞きしますと、モックアップワクチンの件がすごく出て、あのときに、モックアップワクチンを臨床研究で40億円ぐらい突っ込まなかったのが一番問題が大きいですよねとかという話は出るのです。多分、ヒトの臨床研究に入るときに非常にお金が掛かるのです。要するに、数億円の規模ではなくて、基本的に数十億円の規模になって、その数十億円の規模のところに、今回のシステムの中で、そういうことをGOさせるシステムがあるかどうかというのは私自身分からないのですが、500億円ぐらいの規模なので、そのために作られたのかなという具合には感じているのですが、それは、そういう解釈でよろしいのですか。
 19年の段階で、19年ではないですね、平成の段階でやっておけば、少なくとも今回のコロナには間に合ったはずですよね。そこら辺は見立ての問題で、お金をどのタイミングでどう投入するかという話は多分、一番本当は大きな問題なのではないかなという具合には思うのです。日本の企業がやれという話になると、非常に、企業は採算性を考えるので、そこのところで躊躇して動かなかったわけですよね。企業がやるのか国のシステムとしてやるのかという、そこの切り分けというのが、今回のこれを読んでも、どこでそれを切り分けるのかというのがやはり分からなくて、最後は評価委員会か何かの所で考えるのかなというところが。世界に伍して戦うのだったら、そういうところに一歩踏み込むかどうかというのは大きいのではないかなという具合に思うのですが。私が今、言っているように、そこまで踏み込むということでこういうことが考えられたということでよろしいですか。
○柴辻企画管理調整官 ありがとうございます。難しい質問ですが、何と言いますか、最終段階に行って、それが実現できないということがかつてあったことによって、今、うまくいっていないという御指摘なのかなと思います。そういう過去の経験を、もちろん知った者が対応することになりますので、そのようなことが起きないように今後していくというつもりで頑張らせていただきたいと思っております。
○合田委員 例えば、国際ワクチンデザインセンターみたいなものを作りますよということは、理化研とか基盤研の方はよく言われているのですが、そういうのはどうなるのかなというのは、深くそこに加わっているわけではないので、ちょっとよく分からないのですが、そういうところにもお金を投与されるという感じなのですか。でもそれは、多分組織だからできないですよね。それは、感染症対策の全体の中でどう考えるかだろうとは思いますが。
○柴辻企画管理調整官 そうですね、今のお話が、今、決めている感染症に該当するようなものであるということであればリンクをする可能性はあるのかもしれないですが、内容がちょっと分かりませんので、今の段階でお答えができかねるかなと思っております。
○合田委員 ありがとうございます。
○伊藤部会長 皆さん、よろしいでしょうか。今までワクチン開発かワクチンの生産と、その両方にわたって、今回のコロナに関しては、日本の状況があまりよろしくなかったというところから、反省してSCARDAができ、そこでの開発の優先順位を付けるのがこの部会の仕事ということだと理解しておりますが、今後、ワクチンを開発すればいいと言われても、皆さんに対して具体的なメッセージが出ないので、どういう領域について重点的に開発してほしいかという位置付けのリストを、ここで決めたいということだと認識しています。
 背景は、やはり、今回、ワクチンの供給が自国でうまくいかなかったというのが一番大きいと思っているので、生産体制の問題とか、それから、今後のワクチンの供給が自分でできる基盤がある程度できていれば、それに合わせて国内で開発が円滑に進むだろうということを念頭に置かれていると思いますが、AMEDの下なので、必ずしも厚労省の言うことを聞く組織かどうかというのは、今までの説明の中で端々に出てきたような気はします。
そうは言っても、無駄に屋上屋を重ねることのないようにするために、ここできちんと決めておきたいということだと思っています。
 今回、決めなければいけないのが、基本的に10ページの重点感染症のリストです。11ページに海外の状況が示されていて、6月19日に、WHOの進藤奈邦子先生が臨床ワクチン学会で講演をされています。それによると、WHOでも年間170ぐらい新規の人獣共通の感染症があちこちに出てきて、それがパンデミックにならないかモニタリングしているという状況だと言われていました。WHOがそういった知見に基づいて優先的に広がっていく危険性があるもの、MERS、SARSも含めたコロナウイルスだとか、その他の共通感染症とか、空気感染、若しくは飛沫感染を起こす病気というようなリストを作られているのだろうと思っています。
 それなどを参考にしながらこのリストを作るという中で、WHOなどの作っているリストと整合性がはっきりしないのが、インフルエンザとRSウイルスについてはないのだろうと思っていて、ほかのものは被っていますので、きっとグローバルの視点から見ても正しいところだとは思います。インフルエンザに関しては、もともと日本は、新型インフルエンザ感染症対策というのは、パンデミックイコール新型インフルエンザという位置付けだったと思っていますが、RSウイルスに関してはどこの国にも入っていないので、これを入れるかどうかについては、きちんとこの部会の責任で入れますという話にしないといけないのだろうと思います。RSウイルス感染症を入れることについて、皆さん賛同されますでしょうか。細矢先生、どうぞ。
○細矢委員 海外のことを言いますと、ほとんどRSウイルスは入っていないのですが、もう既に海外で研究開発は進んでいるということだと思うのです。日本では、今、本気でやられているというのは聞いておりませんので、やはり国内での開発を考えると、ここに入れておく必要はあるかなと私は考えています。以上です。
○伊藤部会長 そのほかの方、御意見はいかがでしょうか。その他の方の御意見がないようですので、事務局で作られた原案どおりという形にさせていただいてよいでしょうか。では、今回、SCARDAにおいて、ワクチン開発を支援する重点感染症については、10ページの原案のとおり、答申と言うか、SCARDAのほうにはお返しをするということでよいでしょうか。
 では、以上のようにまとめさせていただきます。
○柴辻企画管理調整官 ありがとうございます。
○武内感染症医薬品等対策専門官 では、続いて、議題(2)の「その他」についてですが、よろしくお願いします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 事務局です。それでは、資料2を御覧ください。聞こえていますでしょうか、すみません。
○合田委員 小さいけれど聞こえます。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 では、進めさせていただきます。資料2については、ワクチン開発・生産に係る決定等、国会や政府の決定事項について御報告いたします。
2ページ、今年の4月15日の衆議院厚生労働委員会、5月12日の参議院厚生労働委員会の薬機法の改正法の審議に際しての附帯決議です。その附帯決議の中で、国内におけるワクチンの開発、生産体制の確立のため、研究開発から実用化までの各段階を総合的に支援することが決議されております。
 3ページは閣議決定事項になります。上下2段とも6月7日に閣議決定されたものです。上のほうは、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画の中の治療薬・ワクチンの開発の項目の中で、特に今後の感染症危機に備えるためワクチンの開発に取り組むこと。下段のフォローアップの中の一番下、ワクチンの開発の取組内容として、ワクチンの実証的な研究を戦略的に支援することが閣議決定されております。
 4ページ、6月17日の新型コロナウイルス感染症対策本部の決定です。5のワクチン等の開発・効率的な接種体制の確保の中で、今後の感染症危機に備えるためのワクチンの開発に取り組む。具体的な事項として、最後ですが、「ワクチン開発・生産体制強化戦略」等に沿って、ワクチン等の開発・生産を促進することが決定されております。報告ではありますが、以上です。
○伊藤部会長 今の説明に対して、報告事項ということですが、御質問とかございますでしょうか。基本的には、あちこちに感染症対策でワクチンの用語が入ってきているということで期待をされていると認識しておりますが、何か御質問とかございますでしょうか。
御意見とか御質問がないようですので、本日の議事については以上になりますが、その他、事務局から何かございますでしょうか。
○釜萢委員 伊藤先生、釜萢です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。
○釜萢委員 今日は極めて音が聞きにくくて、なかなか議論に参加できないのです。特に厚労省の、伊藤先生のお声は何とか聞き取れるのですが、厚労省の説明がほとんど聞こえないのです。とても大事な会議だと思うのですが、なかなか議論が盛り上がらなかったなという、とても残念な思いで今、いっぱいです。その中で、今の資料2で御報告いただいたのはそのとおりで、このように是非進めなければならないのだけれども、例えば、閣議決定をするというのは非常に重いことですが、では、そのことによって、実際に現実がどう変わるのかということがしっかり検証されないと駄目であって、いろいろな大きな問題点、あるいは我が国における大きな課題というのが明らかになっている中で、それがちゃんと良い方向に改善されているのかということを、しっかり、その都度チェックできるようにしていかないといけないと思います。
 当会も、その大きな役割を担っているのだろうと思うのですが、なかなか、この御報告を受けた内容が、本当にそのようなことに進んでいるのかどうかというところを、どうやったら確認できるのか。それをどのような間隔で整理していくのかについての具体的な国の方針がしっかり示されないと、気が付いたら、またすごく遅れて、前よりもっと遅れていたということになりかねないので、その辺りの対応を継続して行う必要があると強く感じます。今日の時点ではそこまでしか発言できませんが、国の更なる取組の強化を強く強くお願いをする次第であります。以上です。
○伊藤部会長 音声が悪くてすみませんでした。ご意見ありがとうございました。事務局から何か回答されますか。
○高城予防接種担当参事官 予防接種室の参事官です。最後に大事な御指摘ありがとうございます。確かに、こうした取組などいろいろなものが決まっていくわけですが、それがどのように進んでいるのかというところは、結果ですとか、お知らせ、御報告ができる段階、段階で御報告をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤部会長 釜萢先生、よろしゅうございますでしょうか。
○釜萢委員 今日の段階ではそのお答えで結構ですが、今後も、私どもとしても構成員として非常に多くの重い責任を担っているという認識ですので、それがちゃんと進捗しているのだと、良い方向に少しずつ動いているのだということを絶えず確認していかなければいけないという思いを強くしております。以上です。
○伊藤部会長 大変、重たい話をありがとうございました。今回からSCARDAが動くと思っておりますが、できればこの部会にも、SCARDAの進捗状況について御報告いただいたほうがいいのではないかと個人的には思ったりするのですが、皆さん、いかがお考えでしょうか。
○釜萢委員 大賛成です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。本来、議事録から落としますが、事務局に水を向けたのですが、SCARDAの決定事項を、やはりここにも報告してほしいと個人的には思っておりますので、次回には、SCARDAの進捗状況も含めて何らかの資料の提供は頂きたいと思っておりますが、そういったお願いを部会としてさせていただいてよろしいでしょうか。
○坂元委員 賛成です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。
○合田委員 賛成します。
○伊藤部会長 ちょっと、そういう形で情報を私どもにも頂きたいということは、厚生労働省を通じてAMEDにもお願いをするという形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○武内感染症医薬品等対策専門官 ありがとうございます。では本日、様々な御意見を頂きまして誠にありがとうございました。次回の開催につきましては、先ほど御指摘いただいたものなどの検討も含めまして、ちょっと未定のところはございますが、追って御連絡させていただきますので、引き続き日程の調整などの御協力をお願いできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤部会長 ありがとうございました。今年はインフルエンザが、どうも南半球のほうで出てきておりまして、そういったことも含めて、この部会で最終的に判断をして国民の皆さんに御報告をすることも多く出てこようかと思いますので、日程調整等大変ですが、御協力を頂ければと思っております。今日はどうもありがとうございました。