第36回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録

日時

令和4年9月22日(木)14:00~16:30

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター

議題

全国健康保険協会の令和3年度事業実績報告及び自己評価に対するヒアリング
(質疑及び業績評価についての議論) 
(1)船員保険
(2)組織・運営体制

議事

 

○愛須室長 定刻には若干早いのですけれども、皆様おそろいになりましたので、ただいまより、第36回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 事務局を務めます保険課の愛須です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は、Zoomの「手を挙げる」という機能は使用せず、カメラに向かって挙手いただくようお願いいたします。
 挙手後は、座長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除の上御発言いただき、終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 また、議題等に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことをもって「異議なし」の旨と確認させていただきます。御異議のある場合は、カメラに向かって挙手をお願いいたします。
 次に、本日の出席状況ですが、本日は、構成員の皆様は全員御出席でございます。
 全国健康保険協会におかれましては、岡村理事が御欠席です。また、安藤理事長以下、座席表のとおり御出席いただいております。
 事務局につきましては、原田保険課長が所用により遅れての出席予定となっております。
 では、これより西村座長に進行をお願いいたします。
 恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。
○西村座長 それでは、これより私が進めてまいります。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 では、本日の議事の内容と資料について、事務局より説明をお願いします。
○愛須室長 本日の議事でございますが、まず、前回会議の議題である「戦略的保険者機能関係」につきまして、各構成員の皆様から事前にいただきました御質問に対する協会けんぽの回答をいただいた後、令和3年度事業実績のうち、船員保険と組織・運営体制についての御審議をお願いいたします。
 次に、本日の資料ですが、座席表、議事次第、出席者名簿の次に、資料1として、船員保険に係る業績評価シート、資料2として、組織・運営体制関係に係る業績評価シート。参考資料1として、全国健康保険協会の令和3年度業務実績に関する評価の基準、参考資料2として、健康保険事業に係る令和3年度事業報告書、参考資料3として、船員保険事業に係る令和3年度事業報告書。
 また、追加資料として、「戦略的保険者機能関係に係る御質問一覧」を配付させていただいております。
 資料については以上です。不足等があれば事務局へお知らせください。
○西村座長 ありがとうございました。
 早速ではございますが、業績評価の議論に入りたいと思います。
 初めに、前回検討会のテーマ「戦略的保険者機能関係」について、回答をお願いしたいと思いますので、全国健康保険協会から事前質問に対する御回答のほうをよろしくお願いいたします。
○安田部長 保健部長の安田でございます。
 私から、データヘルス関係のところで、保健部が所管するものについてお答えをさせていただきたいと思います。
 1ページ目の西村座長の質問につきましては、後ほど企画部長からお答え差し上げたいと思います。
 古井構成員から、御質問と御意見をいただきました。「データヘルス計画の中間評価・見直しなどを含めて、本部から支部へ丁寧に支援を行っていることが分かる。このように、全体に広く支援が行き渡った状況がつくられていることから、今後は、支部の格差の是正といった視点で目標・評価指標を設定することも考えられるのではないか。また、成果の高い支部からノウハウを抽出し、他支部への適用も併せて重要である。」というものです。ありがとうございます。
 これにつきまして、お答えでございますけれども、各支部のデータヘルス計画につきましては、協会内のポータルサイトにおいて全支部で共有しております。また、3年度からではございますが、各支部の四半期ごとの実績と併せて、各支部の好事例を展開するなどの取組を開始しているところでございます。
 次に、特定健診の実施率と事業者健診データの取得率の向上についてでございます。西村座長から、「事業者健診データの取得率はなお低い状況であるが、事業者・被保険者・受診者から見た場合、取得の目的はどのように説明されているのでしょうか」という御質問をいただきました。
 事業者健診データにつきましては、事業主の同意に基づきデータの提供をいただいているところでございます。データの取得に当たっては、健診結果から特定保健指導が必要な方に生活習慣の改善について保健師等の専門職による寄り添った支援が御利用いただけることや、事業所の健康度を見える化した事業所カルテを提供できることについて御説明させていただき、御理解いただいているところでございます。
 次に、森下構成員から、「特定健診実施率については前年度の目標値設定に多少上乗せした数値を設定していますが、目標設定率をさらに上乗せした数値に改めるべきだと考えます。他の項目についても、おおむねそのほとんどの目標値が前年度対比を少しでも上回ればというような前提になっている気がいたします。前年度数値を上回ればよしというような発想を転換し、ここまでは本年度に達成するという考え方に変更することはできないのでしょうか。年金機構の適用拡大などによる加入者数の増加により目標達成が難しかったというのはこじつけ的に感じますが、次年度は頑張りましょうという協会けんぽの意思表示を込めて、自己評価基準どおり「C」とするような意気込みを見せてほしいのですが、いかがでしょうか。」といただいております。
 これにつきましては、特定健診の実施率はそもそも国のほうで、令和5年度で70%という目標が掲げられております。協会におきましても、令和5年度までに65%という目標を掲げております。その目標を達成するために、6か年計画である第3期特定健康診査等実施計画において、平成30年度から令和5年度までの単年度ごとに目標値を設定して、実施率の向上に向けて受診勧奨や受診しやすい環境整備等の取組を協会として実施しているところでございます。
 令和3年度におきましては、年金機構の適用拡大等の影響もあり、健診実施率の分母となる対象者数が第3期計画当初の見込み数から11.9%、人数ベースで220万人と大幅に増加しているような厳しい状況でございました。
 このような状況の中で、実施率向上に向けた取組を着実に進めたことにより、3年度実績において第3期の計画当初の実施者数見込みを上回るなど一定の成果を上げたものと考えております。
 加入者の皆様の健康増進に向けて一人でも多くの方に受診していただけるよう、健診機関、集団健診の拡大など、健診実施率の向上に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次でございます。特定保健指導の実施率及び質の向上のところで、西村座長から、「特定保健指導の実施率の向上について、利用勧奨においてもICTツールを活用しているのでしょうか」という御質問をいただいております。
 これにつきましては、特定保健指導の利用勧奨自体は事業主宛てに対象者リストと対象者個々人宛ての御案内をお送りしているところでございます。事業主の方から対象者の方へ御案内を渡していただいております。御案内をお送りしただけでは利用に結びつかない場合については、さらに事業主宛てに電話等を差し上げて、特定保健指導の必要性を説明し、御理解をいただいた上で、特定保健指導の利用促進を図っているところでございます。
 次に、古井構成員からは、「特定保健指導は実施率と質の向上を掲げているので、今後はKPIに質の向上を図る指標も設定されるとよい」という御意見をいただいております。
 これにつきましては、御存知だと思いますけれども、令和6年度から、第4期特定健康診査等実施計画において、特定保健指導については実績評価にアウトカム指標が導入されることから、質の向上に関する取組を検討することが必要だと考えております。より一層の質の向上に向けて取り組んでまいります。
 なお、KPIにつきましては、国の動向を注視しつつ、今後検討することになると考えております。
 次に、重症化予防のところで二つ御質問をいただいております。「重症化予防対策は、本人及び保険者の両者にとって重要な課題である。受診勧奨後の受診が低いことについてどのような理由がありますか。また、受診の低い要因を把握し検討しているのでしょうか」という御質問をいただきました。
 これにつきましては、まさに我々協会けんぽとしても、御指摘のとおり、重症化予防対策は、要受診と判定された方を確実に受診に結びつけることで重症化を防ぐための重要な取組であると認識しているところでございます。
 具体的には、第一次勧奨として対象者の御自宅宛てに本部から通知を送付しております。さらに、支部からも受診勧奨を実施するなど、複数回にわたり受診勧奨を実施しているところでございます。
 受診されない方の理由として、忙しい、あるいは自覚症状がないので受診の必要性を感じないという理由を聞いておりますけれども、これにつきましては、私どもといたしましては、メッセージやその伝え方について、より工夫を凝らして受診率の向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、「重症化予備軍の方々への保健指導には人員面や予算などの種々の困難な事由があると思います。特定保健指導に関し、事業主との情報共有を行うことはプライバシーの問題等により難しいのでしょうか。事業主にとって人材は貴重な資源でもありますので、せっかくの健診により得た情報を生かし、貴重な人材資源を守るために情報共有を行う仕組みや制度の改善が実施できれば、協会の負担も減少し、それは将来の医療費の軽減にもつながると思いますが、協会けんぽとして何らかのアクションは起こしませんか」という御質問を森下構成員からいただいております。
 まさに御指摘のとおりだと思います。重症化予防の観点から、2点、お答えしたいと思います。まず、従業員には、健診結果で要受診の判定がある方がいらっしゃいます。この方につきましては、事業主のほうから改めて受診を勧めていただきたいと考えております。
 また、特定保健指導の利用勧奨につきましては、先ほど少し申し上げましたが、対象者個々人への案内と同時に、対象者リストを事業主宛てにお送りしており、事業主の皆様とは情報共有ができていると考えております。特定保健指導の実施に当たっては、場所の確保、あるいは時間の確保など、事業主の皆様の理解がないと進めることができない事業でございます。この点にぜひとも御理解いただき、特定保健指導を利用するよう対象者の方に強く勧めていただくなど、御協力のほどお願いしたいと思います。
 保健部からの回答は以上でございます。
○松下部長 業務部長の松下でございます。
 私から、一覧2ページ➁の広報活動や健康保険委員を通じた加入者等の理解促進に関しまして、西村座長からの「健康保険委員の役割、具体的な活動内容はどのようなものでしょうか」という御質問に対して御回答させていただきます。
 健康保険委員の皆様には、健康保険組合等と比べて、保険者と加入者及び事業主との距離感が大きい協会におきまして、健康保険事業への理解を高めるための啓発活動や被保険者からの相談対応、助言、その他の活動等を通じて、加入者及び事業主と協会の距離を縮める橋渡し的役割を担っていただいております。
 なお、協会設立以来、基盤的保険者機能の業務に関する事業主や従業員の皆様への周知等を中心に御協力等をお願いしているところでございます。
 また、近年、基盤的保険者機能を磐石化し、戦略的保険者機能の強化を図るという協会の中期計画もございまして、健康宣言をはじめとする事業所での健康づくり等に関しまして、事業主や従業員の皆様への啓発等も含めましてその推進に御尽力いただいているところでございます。
 私からは以上でございます。
○増井部長 企画部長の増井でございます。
 続けて、企画部関係について御説明申し上げます。まず、今日追加で配られたものの一番初めの西村座長からの質問でございます。
 「外部・第三者評価としての業績評価検討会の評価結果や評価プロセスの対話等は事業計画・指標の策定・事業の運営改善などでどのように活用されているか」ということでございます。
 回答でございます。業績評価検討会の評価結果や評価プロセスの中でいただいた御意見につきましては、評価いただいた年度の翌々年度の事業計画を策定する際に反映させております。改善すべき事項につきましても改善するという形で活用させていただいております。また、3年ごとにアクションプランを策定いたしますが、その際にも指標をどのようにするか、あるいは事業運営の改善に向けた材料として使わせていただいております。
 その次のページの、広報活動や健康保険委員を通じた加入者等の理解促進の2つ目の森下構成員からの御質問でございます。
 「社会全般の中で「協会けんぽ」が果たしている役割などについての広報が不足している。あるいは協会の役職員が頑張っていることを発信できる仕組みを考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。若年者に向けた社会保険制度のあり方などについても、小中学校の時代から考える社会への転換を目指し工夫することが大切ではないか」という御意見でございます。
 回答でございます。広報の重要性については御指摘のとおりと認識しております。協会では、令和3年度、協会の概要などを説明する2種類のパンフレットを作成いたしました。これにつきましては事業所の健康保険委員等に配付しております。また、令和4年度には、協会の概要、保健事業、健康保険の給付金などを紹介する動画を作成するなど、加入者の皆様にとって分かりやすい広報に取り組んでいるところでございます。さらに、ホームページやメールマガジン、ウェブ、新聞、テレビ、ラジオなど様々な媒体で幅広い世代に対してアピールをしているところでございまして、厚生労働省が実施している社会保障教育なども意識しつつ、工夫を今後ともしてまいりたいと考えております。
 その次が、その下のジェネリックの関係につきまして西村座長からの御質問でございます。「評価指標のあり方について、高い水準に達している項目につきましては、実施している取組が評価されるような指標の見直しが必要と考えられます」という御質問でございます。
 これにつきましては、令和6年度からの次期アクションプランに向けてそれぞれ指標についてどのようにしていくかということを、御意見も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
 その下にございます尾関構成員からの御質問でございます。「関西地区や四国地区では、ジェネリックについてKPI未達成の支部が多く見られる。この要因について把握されている内容とそれに対する評価、それに対する対策を確認したい」ということでございます。
 回答でございますが、関西地区及び四国地区においてジェネリック医薬品の使用割合が低いという理由でございます。0~6歳を除く若年者の使用割合、特に15~39歳の使用割合が全国と比べて低いということが一つの要因として挙げられます。
 対策としては、下位7支部を重点支部として指定して、これらの年齢に着目した広報、あるいは影響度の大きい医療機関へのアプローチに努めているところでございます。
 その下にございますインセンティブ制度についてでございます。平川構成員からは御意見と御質問をいただいております。御意見ということですが、「インセンティブ制度については健康保険法第160条の考え方とは違う保険料率の設定の仕方であるので、問題がある」という御意見と、御質問でございますが、「インセンティブ制度のメリハリ強化については、これまでのインセンティブ制度の導入についてどのような評価をしたのか、その結果としてなぜメリハリをつけることとなったのか、教えていただきたい」ということでございます。
 これにつきましては、政府全体の方針として、「成長戦略フォローアップ」におきまして医療保険の各保険者は予防・健康づくりのインセンティブ強化を行うことが求められたという経緯でございます。
 協会においても、成果指標拡大と配分基準のメリハリ強化について令和3年度中に結論を得ることが求められたところでございます。このため、協会けんぽとして検討し、制度見直しを行ったところでございます。
 その評価でございますが、インセンティブ制度については、本検討会でも評価指標となっている健診受診率、あるいは保健指導の実施率についても評価指標として5つの評価指標の中に含まれているところでございます。これらの指標に基づいて各支部で健診や保健指導の取組を推進したということで一定の効果があって、全体の底上げにつながっているものと認識しております。
 古井構成員からは御意見をいただいております。古井構成員の御意見は、「大変困難な業務を達成していて、S評価に値する。保険料に支部格差をつける施策を適用する上で大事なことは、格差を縮小するための知見や武器を支部に提供することがセットになること。そういう意味でも、知見の抽出が進むとよい」というような御意見でございます。
 これにつきましては、保険料率の支部間の格差を縮小することに向けてデータ分析を行って、課題を抽出して、知見の抽出を行って、それを支部にまたフィードバックしていくということを進めていきたいと考えております。
 その次の、地域の医療提供体制等への働きかけや医療保険制度に係る意見発信についてでございます。
 尾関構成員から、「意見発信を27支部では行っている。それ以外の支部で実施できなかった措置の代替手段としてどのような措置がとられたか、その内容及び効果を確認したい」という御質問でございます。
 こちらにつきましては、KPI自体は医療データ等を活用した意見発信を行った支部のみをカウントしています。このため、KPI達成の27支部以外に、調整会議等の場で、データを使用しないものの医療体制に対する発言を行った支部については11支部ございました。合計38支部で医療提供体制に関する発言を行ったところでございます。
 これ以外の支部については、コロナの影響でそもそも調整会議が開催されず、議題がコロナの病床確保に関するものであることも多く、医療提供体制の構築に向けた意見発信を行うことが困難だったという状況でございます。
 このように地域医療構想の議論が滞っている都道府県も多い状況の中で、データに基づかないまでも地域医療構想の着実な推進を訴える支部も多くございまして、支部においてできる限りの努力を行ったと評価しております。
 その次の平川構成員からは御意見ということで、「引き続き、調査・研究機能を強化し、データに基づく発言と調整会議への積極的な参加をお願いします。そして、将来展望として支部から医療提供側への組織的な働きかけの仕組みも展望できたらと思います」といただいております。
 最後の古井構成員からも、御意見ということで、「戦略的保険者機能に関する取組は着実に進んでいる様子がうかがえるということと、協会の資源が限られる中で、今後は協会けんぽの課題解決にとって優先度が高い取組を進化させる方向性も考えられる」という御意見をいただいております。
 平川構成員、古井構成員からいただいた御意見につきましては、事業計画やアクションプランの策定の際に、御意見を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 ありがとうございます。以上になります。
○西村座長 御丁寧な説明、ありがとうございました。
 では、ただいまの御回答について、追加的に御質問、御意見などございましたらお願いいたします。
 先生方、追加の御質問、御意見などよろしいでしょうか。メールで質問を出させていただきましたので、私たちのほうとしてもかなり複数の質問をさせていただいてはいます。追加でありましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、ここで前回の質問に対しての御回答は終了させていただきます。
 では次のテーマに進みたいと思います。続きましては、船員保険について御説明をお願いします。内田次長でしょうか、よろしくお願いいたします。
○内田次長 船員保険部次長、内田でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは、船員保険につきまして、資料1に沿って御説明させていただきます。
 初めに2ページを御覧いただけますでしょうか。こちら、基盤的保険者機能関係でございまして、➀正確かつ迅速な業務の実施についてでございます。まず、ページ上の事業計画の枠内にございますとおり、サービススタンダードとしましては、職務外の給付申請、振込までの日数を10営業日以内、保険証の交付までの日数につきましては3営業日以内とする目標を設定して業務を行ってございます。
 実施に当たりましては、下の自己評価の枠にございますが、何点か困難がある中で目標を達成してまいりました。特に2点申し上げますと、1点目としましては、2つ目の○にございますとおり、新型コロナウイルス感染症の影響もございます。傷病手当金等の支給件数でございますが、令和2年度比で、3年度は104.6%と増加している状況でございました。当然、職員数にも限りがある中で、事務処理体制、方法の見直し、業務 改善等、常時行ってきたところでございます。
 2点目でございます。3つ目の○にございますが、新型コロナウイルス感染症の影響による業務体制が縮減された状況でございました。
 3ページお開きいただけますでしょうか。自己評価の理由の5つ目の○でございます。こういった困難度のある中で100%の目標を達成してまいりました。こういったことから、自己評価はAとしてございます。
 続いて5ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは適正な保険給付の確保でございます。まず、事業計画の枠内にございますとおり、柔道整復施術療養費の適正給付の確保ということで、柔整の療養費の申請のうち施術箇所が3部位以上、かつ月10日以上の施術の申請割合を2.1%以下とすることを目標として業務に取り組んできたところでございます。
 自己評価の枠内にございますが、3つ目の○のとおり、3年度につきましては、申請割合の実績は1.81%でございました。KPIの2.1%以下とした目標値を達成したところでございます。したがいまして、自己評価はBとしてございます。
 続いて7ページでございます。効果的なレセプト点検の推進でございます。事業計画の枠の中にございますとおり、内容点検に係るKPIの目標値でございますが、被保険者一人当たりのレセプト内容点検効果額を140円以上とするという目標を立ててございます。
 実施の結果でございますが、下の枠内、自己評価の理由の1つ目の○のところにございますとおり、144.7円ということで、KPIの目標値を達成してございます。自己評価はBとしてございます。
 続きまして10ページでございます。こちらは返納金債権の発生防止の取組の強化についてでございます。こちらも事業計画の枠内に記載してございますが、1つ目と2つ目の○に記載のとおり、債権の発生防止策としましては、保険証の回収、それと被扶養者の資格確認、こちらを実施しているところでございます。
 KPIにつきましては、その下の➀、➁、➂のとおり、3点でございます。資格喪失後1か月以内の保険証の回収率、医療給付費総額に占める返納金割合、それと被扶養者資格の確認書の提出率、3つの目標値を設定しているところでございます。
 結果でございますが、3つの目標値につきましてはいずれについても達成することができなかったところでございます。
 ただ、実施に当たりましては、3点目の被扶養者資格の確認書の提出率のところでございますが、困難度を設定してございます。自己評価の枠内に記載しておりますが、船員でございますので、必ず乗船しまして、一定期間陸上を離れてしまうということで、会社から本人になかなか連絡がとりにくい中、船舶所有者に御協力をいただいて再確認を行っているところでございます。
 さらに被扶養者に該当する場合でございますが、収入に係る証明書など確認書類の提出、これを必須とさせていただいているところでございます。会社と本人が連絡しづらい中、回収が困難なケースも非常に多くて、事業としては困難がある中の実施でございました。目標自体は未達成ということでございました。自己評価はCとしてございます。
 続きまして13ページでございます。債権回収業務の推進についてでございます。債権の回収業務につきましては、下の枠内の自己評価の理由の一番上の○に記載してございますが、現年度80.3%、過年度9.0%と、ともに未達成という結果でございました。ただ、実施に当たっては困難な点が2点ございました。
 困難度の理由、こちらの箇所に記載してございます。1点目、船員保険の債権回収率でございますが、分母となる債権総額、大きくないと記載しているところでございます。14ページの表を見ていただくと分かると思いますが、債権総額、すなわち調定額が1億円に満たないということでございます。
 2021年度の現年度を見ていただくと7,500万でございます。そういったことで、1件でも100万円を超えるような債権額、こちらの多寡によって債権回収率が大きく左右される状況にございます。年度によって回収率に大きなぶれがあるというのはこの表で見て取れるかと思います。
 それと2点目としましては、13ページの困難度の理由に記載してございますが、被扶養者資格の再確認の項目でも申し上げましたが、船員の特性ということで、船員につきましては、資格喪失後も船員であることが多いのですが、乗船して一定期間陸を離れてしまうということもございまして、債権の催告の郵便を送付しても、どうしても不在が多いということで速やかな納付につながりにくい状況がございます。こういった困難度のある中でございます。
 KPIでございますが、14ページの一番上の○のとおり、回収率は、特に現年度で対計画値80%以上ということでございますので、自己評価はBとしてございます。
 続きまして15ページでございます。こちらは制度の利用促進についてでございます。事業計画の枠内の下段の部分、KPIにございますとおり、1つ目のKPIが高額療養費の勧奨に占める申請割合、2つ目のKPIは限度額適用認定書の使用割合、3つ目のKPIは職務上の上乗せ年金等の申請割合という目標値を設定してございます。
 達成率でございますが、16ページでございます。自己評価の理由の枠内の一番上のKPIの実績のところに記載してございますが、1つ目の高額療養費の勧奨に占める申請割合、それと3つ目の職務上の上乗せ年金の申請割合、こちらにつきましては達成してございます。逆に、2つ目の限度額適用認定書の利用割合につきましては、81.4%とKPIを達成できなかったところでございます。
 ただ、こちらの部分につきまして、未達成ではございますが、対計画値95.8%まで達成したこと、それと、ii)の下の○を付した文章にございますが、通常、限度額適用認定書を使用しない、世帯合算を除いた場合の限度額の使用割合が93.8%と9割を超えているということ。これに加えまして、ほかの2つのKPIは達成したということで、全体の評価といたしまして、自己評価をBといたしました。
 続きまして19ページでございます。福祉事業の効果的な実施についてでございます。事業計画の枠内にございますとおり、福祉事業としましては、無線医療助言事業、洋上救急医療援護事業、それと保養事業について事業実施してまいりました。
 下の枠内の自己評価の理由に記載のとおり、それぞれ円滑かつ着実な実施を行ってまいりました。特に2つ目の○でございます。保養事業では、インターネットで利用手続を完了可能としたこと、この点を周知広報したということもございまして、利用数は増加傾向で推移したところでございます。こちら、自己評価をBとしてございます。
 続いて21ページでございます。サービス向上のための取組についてでございます。事業計画の枠内のとおり、1つ目の○にございますが、加入者の意見、苦情等を業務に反映するため、お客様満足度調査を実施してございます。
 自己評価の枠内の一番下の○の下線部のとおり、満足度でございますが、5点満点中4.47ということで、3年度はKPIを達成してございます。こちら、自己評価Bとしてございます。
 23ページでございます。健全な財政運営の確保についてでございます。3年度につきましては、自己評価の枠内、1つ目の○にございますとおり、新型コロナウイルスの影響を勘案した試算を作成しまして、料率設定の議論をしたところでございます。
 また、2つ目の○のとおり、決算状況等について、「船員保険通信」を通じまして、全被保険者、船舶所有者に情報提供を行いまして発信したところでございます。
 さらに3つ目の○でございますが、令和4年度以降は、被保険者保険料負担軽減措置、こちらの控除率を引き下げることによりまして被保険者の保険料負担が増加になるということで、被保険者と船舶所有者に混乱が生じることのないように、全ての船舶所有者、被保険者にチラシを送付したところでございます。
 こういったことから、事業の目標水準を達成したと考えております。自己評価はBとしてございます。
 続いて28ページを御覧いただけますでしょうか。ここからは戦略的保険者機能でございます。初めに、➀の特定健康診査等の推進についてでございます。事業計画の枠内、下の部分のKPIにございますとおり、生活習慣病予防健診、それと船員手帳の証明書の取得、被扶養者の特定健診と3つの実施率について目標設定してございます。
 達成状況でございますが、29ページの中段部分でございます。自己評価の理由にございますが、3つの目標とも未達成でございました。ただ、実施に当たっては困難な点が2点ございます。
 29ページ、困難度の理由に記載してございます。1点目でございます。船員が多く居住している地域、漁港付近などですね。比較的人口の少ない地域が含まれているところでございます。もちろん、健診機関は人が集まる市街地、あるいは人が多く住む住宅地などに多いものでございまして、健診機関が自宅近くにないといったケースが多い状況でございます。また、そもそも医療機関の数自体が少ない地域ということで、指定機関を拡大することが困難な状況にあるという事情がございます。
 それと2点目、2つ目のKPIでございますが、データ取得の対象となる船員保険手帳の健康証明書でございます。これがないと船員さんは乗船自体できなくなりますので、船員につきましては必ず有効期限内の1年の間に健診を受けることになります。そういった状況ではございますが、コロナ禍での特例措置ということで、手帳の有効期限が経過したものでも有効とするという措置が今日まで延長されているところでございます。
 こういった状況でございますので、1年以内に手帳健診を受診しなくても証明自体有効で、イコール乗船可能といった状況が生じております。手帳健診を受診していない方も一定数、あるいは相当数いる状況と想定されるところでございます。こういった困難度がある中での実施でございました。
 加えまして、30ページ、1つ目の○に記載してございますが、3つのKPIのうち船員手帳の健康証明データ取得率以外の生活習慣病予防健診受診率と被扶養者の特定健診の受診率、この2つの実施率は、対計画値80%以上でございました。さらに、健診受診者についても新型コロナウイルス感染症流行前の2019年度を上回ったという状況でございます。
 こういった状況も踏まえまして、事業の目標水準を満たしているのではないかということで、自己評価はBとしてございます。
 32ページでございます。こちらは保健指導の関係でございます。こちらも自己評価の枠内、困難度の理由を記載してございます。乗船期間中、一定期間、陸上を離れてしまうということで、保健指導を受ける機会については、調整しづらいという点がございます。それと、船舶所有者の船員に対する健康管理が法令等で今義務づけられていないといった点がございます。そういった船員特有の特徴2点記載しているところでございます。
 こうした困難度がある中の実施でございまして、自己評価の理由に記載しておりますが、被保険者の実施率は13.0%でございまして、KPIの達成はできなかったところでございます。一方で、被扶養者の実施率は22.5%で、こちらはKPIを達成しているところでございます。
 ただ、実施者数で見ますと、目標達成した被扶養者と比べまして、未達成でございます被保険者のほうが対象者数のボリュームは圧倒的に大きいということで、全体の実施率ということで考えますと、被保険者の実施率のほうに引っ張られざるを得ないということで、自己評価はCとしてございます。
 続いて35ページでございます。加入者に対する支援についてでございます。事業計画の枠内に記載してございます1つ目の○のとおり、健診結果に基づくオーダーメイドの情報提供を加入者に行ってございます。これを通じまして、医療機関への受診勧奨ですとか保健指導の勧奨を行っているところでございます。
 また、2つ目の○でございますが、禁煙対策ということで、オンラインによる禁煙プログラムを実施してございます。
 それと、3つ目の○でございますが、ヘルスツーリズムについても記載してございます。
 ただ、このヘルスツーリズムにつきましては、自己評価の枠内にございますとおり、困難度としてコロナ禍の緊急事態宣言下で実施が困難という状況で、困難度を設定してございます。
 実施状況でございますが、自己評価の理由の1つ目の○のとおり、オンライン禁煙プログラム参加者における修了者数は142人ということで、目標の100人を達成しました。
 2つ目のオーダーメイドの情報提供を通じた受診勧奨は、コロナ禍の影響がある中で15.8%の方が医療機関を受診されたということで、一定の効果を上げたと考えてございます。
 ただ、36ページの1つ目の○、ヘルスツーリズムにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえまして実施を見送ったところでございます。ヘルスツーリズムの実施は見送りましたが、オーダーメイドの情報提供や禁煙でのKPI達成など、事業としては一定の成果を上げたと考えまして、自己評価Bとしました。
 続いて38ページでございます。船舶所有者に対する支援についてでございます。こちらも、38ページ下の枠内に困難度の理由を記載してございます。陸上の事業主のように、船舶所有者には、現制度では従業員である船員の健康管理についていろいろな対応、義務などは課せられていないということで、陸上に比べまして、船舶所有者による船員の健康管理意識が薄い傾向がございます。アンケートでもそのような結果が出ているところでございます。こうした困難の中で取組を行ってまいりました。
 自己評価の理由の1つ目の○に記載してございますが、船員保険のコラボヘルスの取組、「プロジェクト“S”」と呼んでございますが、参加船舶所有者数は、取組初年度の2年度は3社にとどまっておりましたが、3年度は85社と数字を上げまして、KPIの60社を到達したところでございます。
 2つ目の○でございますが、733の船舶所有者に健康度カルテを送付し、自社船員の健康づくりへの動機づけを図ったところでございます。
 また、39ページ、1つ目の○と2つ目の○に記載してございます出前健康講座、養成学校での講座をコロナ禍の影響もあった中、実施してまいりました。これについては高い満足度を得たということでございました。
 これら事業の達成度合い、特にKPIを設定している「プロジェクト“S”」は、対計画値141.7%ということもございまして、自己評価はAとしました。
 続いて43ページ、ジェネリック医薬品の使用促進でございます。下の枠内の困難度の理由にございますとおり、ジェネリック医薬品の安全性に関する重大事案、立て続けに発生しまして、一部のジェネリック医薬品の供給不足が常態化している状況にございます。こういった中で、ジェネリック医薬品の使用促進することは、困難を伴ってきたところだと考えてございます。
 43ページの最下段、こういった困難が発生した中で、ジェネリック医薬品使用割合でございますが、目標の83%に限りなく近い82.9%、達成率99.9%。困難度高い中で、ほぼ目標を達成したと考えまして、自己評価Aとしてございます。
 46ページ、情報提供・広報の実施についてでございます。こちらは主に広報に関する取組でございます。事業計画の枠のKPIの2つの○のとおり、メールマガジンの配信数とホームページのアクセス数、これをKPIとしてございますが、自己評価の枠の上の○の部分にございますとおり、達成には至りませんでした。
 ただ、広報への取組、これは着実に行ってまいりました。具体的には、パンフレット設置、納入告知書同封チラシ、全被保険者船舶所有者宛てに送付する「船員保険通信」、業界誌、関係団体機関誌等、広報について実施してきたほか、オンラインによる事務説明会も実施するなど、着実な実施をしてまいりました。こういったことから、自己評価をBとしてございます。
 最後、49ページでございます。データ収集活用の研究についてでございます。49ページ、自己評価の理由の一つ目の○のとおり、適用情報、医療費データを紐づけたデータベースの構築を進めてまいりました。3つ目の○のとおり、このデータベースをもとに協会けんぽ加入者の医療費と比較することで、船員保険の医療費の特徴を分析したなど、調査・研究を実施してございます。
 自己評価はBとしてございます。
 船員保険の業績評価シートについて説明は以上でございます。
○西村座長 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの船員保険の御説明、資料の内容について、御質問、御意見などございましたらお願いいたします。
 平川先生、お願いします。
○平川構成員 御説明ありがとうございます。
 最初に、3ページで、「現金給付に関する適切な審査の実施」ですが、1万3,434件のうち医療機関に40件、審査医師に38件の照会となっています。この40件、38件照会を行ったというのは、何か問題があったように考えたため、照会を行ったという結果だと思うのですけれども、少しその事情の説明をお願いしたいと思います。
 それから、4ページの「現金給付等の支給件数の推移」ですけれども、傷病手当がどうも傾向的に増えつつあるのかなという気もしますが、この支給件数は、協会けんぽのほうと比較して割合的に多いのか少ないのかというのを教えていただきたいと思います。
 それから、14ページ、「債権回収業務の推進」です。確かに全体の数が少ないがために、8名の債務者の問題というのがクローズアップされてしまっているというのはよく分かりました。納付催告を行って、裁判所への支払督促となっているのですけれども、件数少ないので、例えば、訪問による回収などは行っていないのかというのを少しお聞きしたいと思います。
 それから、29ページです。「特定健康診査等の推進」で、確かに船員が居住している地域は、人口の少ない地域があり、指定機関が少ないというのもよく分かりますけれども、もう少し何らかの形で工夫できないのかなと思いました。「居住している地域」となっていますけれども、実際にできるかどうか、よく分からないのですが、居住していない地域、例えば大都市に船が寄港するときに受けるといったことはできるのかどうなのか、お聞きしたいと思います。
 あと、38ページです。「船舶所有者等に対する支援」です。船舶所有者による船員の健康管理等が法制化されていないということでありますけれども、法制化されていない理由というのを教えていただきたいと思います。場合によっては何らかの形で法制化するための支援が必要なのかどうなのかという点についても、考え方をお伺いしたいと思います。
 それから、最後に49ページです。「調査・研究の推進」で、協会けんぽの加入者との比較で様々なことが分かったということでありまして、これは大変いいことではないかなと思います。自己評価Bとなっていますけれども、Aぐらいの話ではないかなと思いました。資料には「船員特有の事情による疾病」と書いてありますけれども、どのような疾病の医療費が高いかというのを少し教えていただきたいと思います。
 以上です。
○西村座長 平川先生、ありがとうございます。今、全般的にわたって御質問があり、6点ございました。御担当の方からそれぞれ御説明をお願いしたいと思います。
○平川構成員 説明は簡単で構いませんので、よろしくお願いします。
○内田次長 船員保険部次長、内田でございます。お答えを申し上げます。
 まず1点目でございますが、医師照会と審査医師の照会でございました。こちらにつきまして、どのようなケースなのかといいますと、1つは、下船後の療養補償という船員保険特有の給付がございまして、これにつきましては乗船中の疾病でないと給付にならないのでございますが、これが乗船前からの療養の傷病であるかどうかという、疑義がある場合がございます。こういったケースの医師照会が全体の7割程度ございました。それと、傷病手当金について、過去受給していた疾病との関連性、継続性、これについて専門的にお聞きしたいということで医師照会したケースが全体の大体1割ぐらいございました。そういったケースが多くございます。
 船員保険部の審査医師に意見を求めるケースとしましては、先ほど申し上げました傷病手当金を過去に受給していた疾病との関連性を医学的にお聞きするために意見を求めたというものがほとんどでございます。
 続いて、4ページの傷病手当金が増加傾向にあるという点についてです。増加状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響があって増加していますが、増加具合につきましては、船員保険の被保険者数がそれほど伸びていないこともございますが、それに比べて協会けんぽのほうが、増加状況ですとか、支給のボリュームというか割合は多いのではないかと考えてございます。
 訪問による債権回収については、船員保険の場合、実は被保険者が全国の被保険者を対象としているということで、訪問については実施していないところでございます。効率的に業務を行うということもございます。
 健診機関に関して、人口が少ないところに対するフォローでございます。こちらにつきましては、巡回健診ということで、健診のバスを派遣するような取組を行ってございます。どうしても医療機関が少ないところがありますので、そういったところには巡回健診、健診バスを派遣するといったことでフォローさせていただいてございます。
 それと、船員の働き方についてでございますが、法的に行っていないというところにつきましてですけれども、陸の場合のような労働安全衛生法による健康増進に関する事業主の管理について、船員は労働安全衛生法が適用除外になってございます。今までそういった義務はかかっていなかったということで、船員の健康確保ということで課題となっておりましたが、令和5年の4月施行で、ほぼ陸の労働安全衛生法による措置と同じような内容で、船員につきましても船員法令で措置がされたところでございます。これによって、海と陸と同じような状況になるところでございます。
 調査・研究でございます。特に船員の特徴のある病気でございますが、気管支炎及び肺の悪性新生物に関する医療費、それと脊椎障害に係る医療費、こういった病気が陸上勤務者に比べて医療費が高い傾向にあることが分かったというところでございます。これは船員の喫煙率が相当高いこともございます。それと、船員は荷物などを扱うという体を使った労働が非常に多いといった特徴と関連しているのではないかと考えてございます。
 以上でございます。
○西村座長 御丁寧にありがとうございました。平川先生、よろしいでしょうか。
○平川構成員 ありがとうございました。大変よく分かりました。ただ、債権回収のところで、訪問は難しいということでしたけれども、協会けんぽで実施しているかどうか、失念したのですけれども、件数も少ないですから、例えば協会けんぽにお願いすることはできないのかなと思いました。
 感想です。以上です。
○西村座長 分かりました。では御意見として承っておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、ほかの先生方、御質問。
 森下先生、お願いいたします。
○森下構成員 どうも御説明ありがとうございました。いろいろとお伺いして、船員保険のほうの御努力、分かりました。ちょっと私のほうから質問なのですが、10ページの船員保険の基盤的な保険者機能のところでございますけれども、自己評価Cのところに、困難度の理由として、乗船中一定期間は陸上を離れてしまうということがあって、連絡が取りにくいというような文言があるのですが、今の時代に、事業主、船舶会社から御本人に連絡する方法というのは幾らでもあるかと思いますが、いろんなツールを使って、こういう事象をなくすという努力はされているのかというのが1つ質問でございます。
 それと、広報についてでございますけれども、以前からも思っていたのですが、船員保険の場合、非常に広報が進んでいるなと思っていまして、そういう意味では、評価できるかなと思っています。
 ただ、広報の仕方の中で、例えば20ページにありますように、これは特定健康診査の推進でございますけれども、先ほどお話が出た義務化されている船員手帳の健康証明書のデータ、これが非常に取得率低いということで、これは厚生労働省がそのような許可を出しているというお話ですが、これはいつ改善されていくのか、また、今どのような方向で考えていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいなと思いました。
 全般的には、船員のほうは非常によくやっていらっしゃると思いますが、最後に1つだけ、将来の構成人員の推移の推測とか、協会けんぽ全体が抱えている制度自体、将来値上げしなくても済むものなのかどうか。そういう見通しは特に書かれていないのですが、その辺についても、もし報告事項とか予測している状況がありましたらお教え願いたいなと思っています。ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。では、将来のことも含めて3点出されております。よろしくお願いいたします。
○内田次長 船員保険部次長、内田でございます。
 まず1つ目、債権の関係でございます。今のところ、郵送に頼っているところでございます。なかなか、船に乗ると、通信手段ということでは海上での電波の関係もあり、そういった状況も伝わりづらいということもあります。それと、事業所との関係ですけれども、基本的には喪失後受診ということで、喪失をしたということは、その次の会社に入って債権が発生しているということです。債権が発生したときの会社とは違っているところでございますので、事業主にお願いするというところは、個人情報との関係で難しいと考えております。
 それと、健康証明書データの関係でございます。これは所管が、厚労省ではなく、国土交通省でございます。我々も、随時国土交通省に状況は確認しているところで、解除はまだしていない状況ですけれども、船員の健康に関することですから、実質的に障害が生じないような形で対応していただいているという話は聞いてございます。ただ、これについては引き続き我々からも国土交通省にお願いをしていきたいと考えております。
 財政の関係で、こちら、実は資料の25ページに今後の見通しがございます。船員につきましても、協会けんぽと同様、高齢化が進んでまいります。そういったことで、全体的には今後拠出金が増えていくということですので、構造的には協会けんぽと変わらないところでございます。
 ただ、今後の推移につきまして、25ページの折れ線グラフでございますが、こちらは、単年度収支差を表したものでございます。4パターンございますが、これを見ていただくと、単年度収支差はいずれも、5年間の間には赤字にはならない、当面黒字が続く状況ではあります。
 ただ、この折れ線グラフのとおり、単年度収支差は年々、右下下がりになっている状況で、財政状況については今後も予断を許さない状況だということは我々認識しております。今後とも注視していきたいと考えております。
○森下構成員 御説明ありがとうございました。
○西村座長 それでは、ほかにございますでしょうか。
 では尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 すみません。ちょっと1点質問させていただきます。
 KPIの設定方法なのですけれども、戦略的保険者機能関係の特定健康診査等の推進ですとか、この辺、過去のKPIの推移を見てみますと、例えば生活習慣病予防健診受診率については、過去数年は40、42、44、今年は46と、何か機械的に上がっているような感じになっていまして、実績のほうは大体42~43を推移しているような状況なのですね。こういうのが何か所か見受けられまして、その結果、例えば船員手帳健康証明書データの取得率、これはKPIが31なのですけれども、実績は21.5とかなり開きが出ておりますし、特定保健指導の実施率の中の被保険者の特定保健指導実施率、これがKPI25に対しまして実績が13と出たり、そういう、KPIと実績がかなり離れてきていまして、果たしてKPIとして妥当なのかどうかというところがちょっと疑問なのですけれども、KPIを設定される背景といいますか、どういった根拠で設定されているかというのをお聞きしたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○西村座長 KPIの設定について、よろしくお願いします。
○内田次長 内田でございます。
 こちらにつきましては、政府から令和5年度までに特定健診の受診率65%以上、特定保健指導実施率30%以上という目標値が課せられているところでございまして、これについて、平成30年度から令和5年度までの6年間の計画を立てて実行しているところでございます。そういったことで、毎年何%といった目標を立てているところでございます。
○尾関構成員 そのように決められているということは何かあるのかなと思ってはいたのですけれども、実際そういうのがあって、なかなか実態としては実績が追いついていないという状況ですので、これ、何と言ったらいいかちょっと分かりませんけれども、頑張っていただくしかないというふうに申し上げてもいいのでしょうか。
○西村座長 そうですね。目標の指標と実態が乖離している場合、ほかの指標、中間的指標などを追加して立てることも可能なのですか。
○内田次長 33ページにございます、1つ目の○のなお書き以下のところですけれども、逆に、被扶養者の保健指導の実施率については目標を上回ったということがございました。そういったものについては上方修正をしているところでございます。
 ただ、下回ったものについては、頑張るしかないということで進めているところでございます。
○西村座長 そういう政府の目標設定という背景があるということが分かりまして、今後、集中して頑張っていただくということになるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、ほかにございますでしょうか。
 古井先生、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。私から3点コメントいたします。
 最初は特定健診のところなのですけれども、ちょっとここ、私、聞き漏らしているかもしれないのですが、比較的人口の少ない地域で、健診機関などが余りないという特徴があるのかなあと思っていまして、船員保険さんは、例えば協会けんぽさんの指定の健診機関を共有されているのかというのが一つの質問と、それから、31ページ目に巡回健診の実施状況があるのですが、これが2017年度から大体横ばいというか、受診者数についても大体同じような傾向だと思うのですが、これはどのような背景があるのかという質問です。
 それから2つ目は、35ページ目になります。加入者個々への支援ということで、35ページ目の自己評価Bのところの自己評価の理由の2番目の○のところですが、「健診結果に基づくオーダーメイドの情報提供リーフレットを配布し」というところがありまして、これによって、3か月以内に、15.8の方が医療機関を受診されというのがありました。たしか協会けんぽさんでも、健診結果の後、受診勧奨というのを全国でやられていて、十数%の受診につながっているということだったと思うのですが、これに対して、船員保険では健診結果とか受診勧奨よりも少し手厚いリーフレットをあえてつくられて送っていると思いますので、この辺、費用対効果的に、これをたくさんの人に配るのがいいのか、あるいは本当に値の悪い人だけを対象とすべきか、またこういったオーダーメイドの情報提供よりも、受診勧奨通知自体を送ったほうがいいのではないかという、確認です。
それから3つ目はコメントになりますけれども、まず、38ページ目の「プロジェクト“S”」のところは、コラボヘルスという意味で、多分、船員保険さん、いろんな特徴が、健康状況だけではなくて構造的にある中で、この85社が参画されてこういった事業をやられているというのは、協会けんぽや健保にとってのコラボヘルスを進める知見にもなりますので、これはすごくいい事例ではないかなと思ったのと、それから41ページ目のところで、船員養成学校、養成校での講義の中にこういった健康保健事業に関する講義をやられたということで、教育プログラムの中にこういった保健事業の中身のようなものを入れていくというのは非常にいい取組だと思いまして、ぜひこういうことが続いていくといいなと思った次第です。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。では、今、3点出されましたけれども、特に最初の2点について、御説明等よろしくお願いいたします。
○内田次長 ありがとうございます。内田でございます。
 まず、協会けんぽの健診機関との関係でございます。我々ももちろん、協会けんぽの健診機関に対して、船員保険の健診機関になっていただきたいということで進めてはいるところでございます。ただ、先ほど来申し上げているところでございますが、船員の手帳健診と同時に実施できる健診機関ということでお願いしてございます。手帳健診にしかない健診項目というのが何点かありまして、協会けんぽの健診機関でそれに対応していただけるところが数は多くないということで、増やすことは難航しているところでございます。
 それと、巡回健診でございます。もちろん、こちらは増やす方向で検討しているところでございます。実際、令和2年度に、どの地域に必要か調査をしたところでございまして、以前より何か所か増えているところでございますが、バスの数が限られているところもありまして、増え方はこの程度になっているという状況でございます。
 オーダーメイドのところにつきましては、健康な方も含めた全員に対してオーダーメイドで送っているということではなくて、保健指導が必要だったり受診が必要だったり注意が必要だったりという方に絞って、ここは実施しているところでございます。
○西村座長 費用対効果ではかなり効果的という認識になりますか。
○内田次長 そこのところは、絞ってやらせていただいてございますので、ある程度の効果はあるのではないかと考えております。
○西村座長 ありがとうございます。ほかに、古井先生、追加でございますか。
○古井構成員 ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。ほかに、今の御説明のところ、船員保険について、御質問、御意見などございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、次のテーマに進みたいと思います。続きまして、「組織・運営体制」について、御説明をお願いいたします。稼農部長からよろしくお願いいたします。
○稼農部長 総務部長の稼農でございます。
 私のほうから、組織・運営体制関係について御説明いたします。資料の主に前半部分を私から説明しまして、後半のシステム関連の部分につきましてはシステム部長から、また、途中の1項目、本部機能、本部支部間の連携の強化については企画部長から後ほど説明させていただきます。
 それでは、お開きください。まず、➀人事制度の適正な運用と標準人員に基づく人員配置でございます。事業計画上は、最初の○は、様々な機会を捉えて、グループ長補佐のマネジメント能力の向上を図る。もう一つが、標準人員に基づく適切な人員配置を行い、見直しについても検討するというのが事業計画でございます。
 自己評価はBとしております。理由でございますが、まず、グループ長補佐をはじめとした管理職のマネジメント能力の向上のために外部講師による研修を実施し、また、人事担当者が支部を訪問して、管理職と個別面談をしております。マネジメントに関する疑問、不安を聞き取って助言等を行っております。
 飛びまして3つ目の○ですが、支部の活動を支える本部の機能強化を図るために、4月に、本部調査分析グループと研究室を一緒にしまして、調査分析研究グループとして統合して強化を図ったということ。また、10月の定期異動に合わせまして、内部統制整備準備室、財政支部グループ、IT戦略推進室の体制強化を図りました。
 こうしたことを通じてそれぞれ取組を行ったことから、自己評価をBとしております。
 次の3ページでございます。人事評価制度の適正な運用でございます。これにつきましては、事業計画は、職員の人事評価制度に関する理解を深め、適切な処遇等に反映させるということでございます。
 自己評価はBとしております。
 最初の○ですが、特に新たに人事評価の評価者の役割を担うことになる新任のグループ長補佐をはじめとした管理職にきっちりと人事評価の目的等々をしっかりと研修して、意識づけを行うという取組を行っております。
 また、2つ目の○でございますが、取組内容の成果につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で事業範囲を縮小せざるを得なかった時期もございましたものですから、それらの影響はきっちりと加味した上で、適切に人事評価に反映させるといった取組を行いました。
 以上のようなことで自己評価はBとさせていただいております。
 次の5ページをお開きください。OJTを中心とした人材育成でございます。協会けんぽにおきましては、OJTを中心としつつ効果的に研修を組み合わせるということで組織基盤の底上げを図る取組をしております。この自己評価欄のところですが、特に新しいところを御説明いたします。
 3つ目の○でございます。やはり戦略的保険者機能をさらに発揮するためには分析能力が非常に重要になってまいりますものですから、これまで必修研修ではなかったものを、主任の段階、あるいはスタッフの段階になったときの研修受講者に対して基本的な分析を行う上で必要となるデータのスキル、パソコンスキルを習得するという研修を新たに実施することを決定いたしまして、4年度から実施しております。
 また、次の○でございますが、保健部門でございます。戦略的保険者機能強化の中核となります保健事業をより一層強化するために、新たに保健師キャリア育成課程を創設して、企画立案・調整を行うための必要な資質と意欲を有する保健師の育成に着手したということでございます。
 また、その下の○でございますが、ハラスメントはあってはなりませんので、そんな場合に相談を受ける相談員がおりますので、そこに対して研修を実施するとともに、ハラスメントの起こらない組織とするためには、職員のみならず、幹部職員の意識も非常に重要でございますので、本部役員、幹部向けのハラスメント防止研修も実施いたしました。
 全体を通しまして、自己評価Bとしております。
 続きまして、12ページをお開きください。➄支部業績評価の実施でございます。支部の業績評価の項目、方法を必要に応じて見直すということを毎年度やってございます。
 自己評価の欄でございますけれども、これにつきましては、毎回、支部業績評価検討委員会というのを本部の中で開きまして、支部の取組をより適切に評価できるように、評価項目、方法の見直しを行っております。
 なお、令和3年度は、前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大による業務縮小等を行った関係で、緊急事態宣言が出ている地域と出ていない地域で業務縮小の実施に差がありますものですから、公平な評価が困難な項目も出ておりました。これにつきましては、可能な項目のみの評価とするといったような取組を行っております。全体として評価はBとさせていただいております。
 13ページをお開きください。内部統制の強化でございます。内部統制の基本方針を定めておりまして、これに沿って整備を着実に進めるというのが計画でございます。
 新たな取組としましては、自己評価の理由の最初の○でございます。本部や支部で発生した事務処理の誤りや職員の事故等の危機管理案件につきまして、これまではそれぞれ担当部署に報告しておりましたが、本部の内部統制整備準備室に支部からの報告の一元化を図りました。
 これを行うとともに、この報告案件について、理事長を含めた幹部に迅速に共有して対応を協議するために、これまで随時開催としていた本部内のリスク管理委員会を毎月開催することといたしました。
 2つ目の○につきましては、リスクは事前に予防できるにこしたことはないことでございますので、こういった予防措置について記載したマニュアル、リスクをまとめたリスクマップの作成を進めて、支部でも埼玉支部でリスクの洗い出し等の取組を試行的に実施したということでございます。自己評価はBとしております。
 15ページをお開きください。リスク管理でございます。これにつきましては自己評価のところで御説明いたします。最初の○ですが、大規模地震災害への対応です。これは初動対応マニュアルとかBCPの計画をつくっておりますので、万全に対応を取れるように、まず職員の研修を実施いたしました。
 BCPに定める優先業務、例えば給付金の支払い等の業務について臨時代行本部を定めておりまして、大阪支部となっております。職員の習熟度向上、個別対応マニュアルの有用性確認を目的に、大阪支部において模擬訓練を実施した取組、こういったことを行っております。
 2番目の情報セキュリティでは、毎年度やっておりますが、令和3年度も引き続き、情報セキュリティ、自己点検、研修、標的型メール攻撃訓練を実施して、高い水準を維持していることが確認できております。
 また、16ページの一番上でございますが、昨今、情報セキュリティは非常に大事で、外からの攻撃をどう防御するかというところがございますが、ここに下線がありますとおり、様々な技術的な対応等をやっておりまして、協会への不審メール、不正アクセスについては常時検知・ブロックしておりまして、現行システムサービスイン以来、情報セキュリティインシデントは発生しておりません。
 3番目、個人情報保護の徹底でございます。これにつきましては、繰り返しの研修というのが非常に大事でございますので、それをやっておるところでございます。
 新たなところといたしましては、2つ目の○です。個人情報保護法が改正されまして、いわゆるセンシティブ情報の漏えいが発生した場合には、個人情報保護委員会への報告、それと御本人様への通知が義務化されたということがございましたので、これに対応するために規程を改正しまして、改めてその重要性につきまして周知徹底を図ったということでございまして、全体としてB評価とさせていただいております。
 続きまして、19ページをお開きください。コンプライアンスの徹底でございます。法令遵守、非常に大事なことでございます。自己評価の欄を御覧ください。これにつきましても、繰り返し、繰り返しのコンプライアンスの研修ということで、全職員にコンプライアンス、ハラスメント防止に関する研修を受講させております。
 3つ目の○ですが、2か月に1回、コンプライアンス通信を発行するとともに、ポスター等各種ツールで啓発活動を実施しております。また、先ほども申しましたとおり、相談員を対象にした相談員研修の実施、あるいは、本部役職員、幹部職員を対象としたハラスメント防止研修を実施いたしました。
 また、その次の○ですが、全職員を対象としたコンプライアンスに関する自己点検及び職場環境(職場風土)アンケートを実施して、この結果を各支部にフィードバックしたということで、全体評価をBとしております。
 続きまして、21ページでございます。費用対効果を踏まえたコスト削減でございます。これにつきましてはKPIを定めております。事業計画の一番下の欄、一般競争入札に占める一者応札割合について、20%以下とするということでございます。
 自己評価の欄の最初の○でございます。計画値が20%以下ですが、12.6%となりまして、対計画値で137%となり、達成いたしました。
 これにつきましては、毎年やっているのですが、業者への声かけの徹底、公告から納期の十分な期間の確保等々、支部で効果的な取組の横展開を繰り返し実施しまして、その効果が現れてきているのではないかと思っております。計画達成したところで自己評価はAとさせていただいております。
 私からは以上です。引き続き、システム部お願いします。
○榎原部長 システム部長の榎原でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、私からは資料2のⅢの➁以降につきまして御説明をさせていただきます。ページで言いますと23ページ、➁協会システムの安定運用からとなります。どこの組織におきましても、システムの安定的な稼働はシステム部門の最優先事項となっております。安定稼働のために日々運行監視やメンテナンスなど確実に継続実施をしております。それに加えまして、令和3年度におきましては、ウィンドウズなどOSの大規模バージョンアップやインターネットブラウザ、IEからEdgeへの切替えなどの対応が必要となり、現行システムの安定稼働に影響を与えることのないよう、慎重に実施いたしました。
 また、後から出てきますけれども、現在開発中の次期業務システムの開発工程においても、現行システムに影響が出ないよう最新の注意を払い進めてまいりました。これらの作業を確実に行いつつ、加入者及び事業主に影響を及ぼすようなシステム障害を発生することなく、協会システムの安定的な運用を達成したことから、B評価としました。
 続きまして25ページ、➂制度改正などへの適切なシステム対応です。令和3年度における大規模なシステム改修は、26ページの改修スケジュール表にある4件でございます。上の3件が制度改正絡みで、一番下が、先ほど出てきましたインターネットブラウザサポート切れによる対応でございます。
 制度改正等に係るシステム改修に求められる最大のミッションは、期日厳守でございます。そのためには、システム部門としては、少しでも早く作業を開始したいのですが、制度改正の要件確定が遅れることがたびたびあり、必要な開発期間の確保が困難となることが珍しいことではありません。そのような状況下におきまして、現行システムの稼働や開発中の新システムの進行に影響を与えることなく、全ての案件がスケジュールどおり改修を終え、障害も発生させることなくリリースさせることができたことから、B評価とさせていただきました。
 27ページからは中長期を見据えたシステム構想の実現ということで、主に来年1月4日サービスイン予定の次期業務システムの開発についてのお話をさせていただきます。
 次期業務システムは、令和元年から開発がスタートいたしまして、令和2年度については全体計画書をスケジュールに落とした実行計画書の作成や上流工程であります要件定義書の作成と調達の準備までを行ってまいりました。当該年度であります令和3年度につきましては、事業者の調達から基本詳細設計、システム構築、一部、単体テスト工程までを実施いたしました。
 30ページの○の1つ目でございますけれども、事業者の調達につきましては、競争性の確保、透明性の向上、サービスイン後の安定稼働と運用保守業務のコスト削減などを考慮した調達計画を策定いたしまして、予定した30調達全てにおきましてスケジュールどおり完了することができました。
 また、その後のシステム開発においては、開発領域ごとに毎週定期的に打合せや設計書レビューを実施いたしまして、設計開発構築テストなどに遅延や課題がないか、常に進捗状況を確認し、スケジュール管理を実施した結果、現在も順調に開発が進んでおります。
 同じく30ページの○の3つ目でございますが、これらの開発計画と並行しながら、年末年始に全国一斉に新旧システムの切替えを行うための移行作業の計画策定や検証、年金機構や支払基金など協会システムとつながっている外部機関との調整、また、協会職員が新システム稼働後からスムーズに操作が行えるよう、マニュアル作成や研修計画の策定なども実施いたしました。
 最後に困難度の理由についてですが、少しお戻りいただきまして27ページと28ページでございます。各種の契約満了の関係から、来年1月のサービスインは厳守しなければなりません。それは大前提といたしまして、保険者機能強化への対応、業務改革からのシステム改修の要望への対応、現行システムの問題点の解消、オンライン資格確認など外部環境からの要請、最新の情報セキュリティやIT化への取組などなど数多くの重要施策を盛り込み、全てのユーザー部や外部機関などと調整・連携を行いながらつくり上げていく、極めて困難度の高いミッションに挑戦しているものと考えております。
 本当の意味での成否の判断というのは来年1月のサービスイン成果を見てからだと思いますけれども、令和3年度における工程につきましては順調に終了することができたことから、A評価とさせていただきたいと思っております。
 なお、次期間接システムにつきましても、協会システムとしては初めての試みでありますクラウド上で予定どおりサービスインし、現在順調に稼働しております。
 以下、32ページは参考資料でございます。次期業務システム開発の概要として、簡単でございますが、どのようなシステムをつくろうとしているのかを書いております。
 32ページの➀の基盤的保険者機能の強化のところは、適用徴収、現金給付、レセ、債権などの業務系システムについての開発内容でございます。開発の最大の目玉は、審査業務の自動化による業務効率化でございます。
 その下、➁の戦略的保険者機能強化のところは、保健事業や情報分析関係のシステム開発で協会の保有するビッグデータを利活用するための職員が利用しやすい分析ツールの導入や検査機能を向上させたデータベースを構築しております。
 また、一番下、組織・運営体制の強化では、IT化によるコミュニケーション力の向上、災害対策環境の増強や決裁の電子化などを進めております。
 最後、33、34ページが、これまでもおつけしておりますけれども、御参考にしていただければと思いまして、今までの協会システムの流れをまとめたものでございます。現在は34ページの真ん中の時間軸にありまして、hの方向に向かって進んでいるところでございます。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。では、続いて増井部長、よろしくお願いします。
○増井部長 企画部長の増井でございます。
 私からは、9ページの本部機能及び本部・支部間の連携の強化というところを御説明申し上げます。
 こちらにつきましては、自己評価Bとしております。自己評価の理由でございます。1つ目の○のところですが、協会につきましては、設立時の理念として、都道府県単位で自主自律の運営を行うとされております。その結果、支部それぞれ創意工夫によって様々な事業を実施してきたということで、医療費の地域差や保健事業の地域差は依然として大きい状況にあるということでございます。これらの地域差を縮小するために、本部・支部のさらなる連携強化を実施することとしたということでございます。
 2つ目の○の下線部でございますが、本部・支部のさらなる連携強化ということで、支部ごとの課題を本部・支部で明確に共有し、課題の解決を図るために、これまでの本部・支部間の情報共有のあり方や予算体系を整理して、強化の方策を取りまとめたところでございます。
 その方策については3つということで、1つは、エビデンスに基づく支部ごとの課題把握と本部・支部間の情報共有、2つ目が保健事業の充実強化、3つ目が広報の充実強化の3点でございます。
 4つ目の○のところですが、これらの方策を実行に移すための前提条件として、本部機能の強化が不可欠であるということで、協会全体の人員が増加しない中、業務の効率化により本部の体制強化を行って、次期業務システムの実現に向けた取組、内部統制の強化、外部有識者を活用した委託研究等のデータ分析の推進、全支部共通の広報資材を作成する。あるいは研修の充実等による人材育成強化等、様々な足腰を強くするための取組を行っております。
 これらについて、準備が整ったものから順次実施したということで自己評価Bとしております。
 以上になります。
○西村座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた資料の内容について、御質問、御意見などございましたら、先生方お願いいたします。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 御説明ありがとうございました。今伺いまして、非常に努力されておられるなというのを実感したところでございます。数年前からシステムの改修とかでいろいろと大変な作業が引き続いていると思います。これが今うまくいっているというお話でしたが、私のほうからちょっと2点ほどお伺いしたいことがございます。
 まず第一は、冒頭のお話のように、今現在、人事・組織に関する取組、それから人事評価制度の適正な運用ということで、ページで言いますと3ページ以降でございますけれども、この文章だけを拝見しますとかなり厳しい評価で、人材の配置、また移動等についてもかなり、実際お仕事をされている方にとっては御負担になるような部分もあるかと思っています。
 この中で1つお伺いしたいのは、例えば入社された方、それから、いろいろと仕事がきつくなって退社された方、こういうものが特に報告はされていないのですが、これは外に出していいものかどうか分かりませんけれども、もし出せるのならそういうものもかなりあるのかなという質問が1つです。
 それとシステム関連でございますが、人件費も含めて予算的なことがここには余り明確になっていなくて、本になった資料のほうには載っているかもしれませんが、システムに関する費用というものが膨大になっているかと思うのですが、協会けんぽが運営していく上で、保険に関わるもの以外の運営費の中で、今システム関連の費用がどのぐらいの比率を占めるぐらい予算を使われているのか、それと、人事的な部分でどのぐらいまた予算を使われているのか、もし教えていただけるようだったらば教えてほしいなと思っております。
 最後にもう一点ですが、年金機構との情報共有、これもシステムに関わることだと思いますけれども、スムーズに運用されているのでしょうか。という質問です。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。では、3点ございますけれども、それぞれ御担当の方、よろしくお願いいたします。
○稼農部長 総務部長の稼農でございます。
 1点目の御質問でございます。入社、退社の人数について、具体的な数字で言いますと、令和3年度の採用者は合計84人でございました。逆に令和3年度中の退職者は89人であったということで、内訳としましては、自己都合退職が62人で、定年退職が27人ということでございます。毎年ばらつきはあるのですが、平均して見てみますと、年間、1年に70人ぐらいの方が退職して、新規採用される方が大体70人ぐらいというのが毎年の平均値となってございます。
 以上です。
○西村座長 続いて、システムに関することをお願いします。
○榎原部長 システム経費でございます。令和4年度につきましては約640億を計上しております。通常の年度ですと大体200億台の後半から300億台でございますので、今年度につきましては、この次期システム刷新にかけるお金、イニシャルコストの支払いがございますので、その分が多くなっているという分析でございます。
 来年度以降につきましては、ほぼ次期システムの開発以前のシステム経費に戻るという想定をしております。
 それから、日本年金機構のところでございますけれども、現在、年金インタフェースと呼んでいますけれども、日本年金機構と直接専用線をつないで、得喪の情報を年金機構とやり取りをしております。協会としてはこの線が生命線と言っておりまして、かなりの人員がこの線の管理のために24時間対応をしております。
 次期の業務システムにおきましても、12月の年末から1月の年初にかけて、旧のシステムから新のシステムにこの年金の接続のところの切替えを行いますので、1月から障害が起きることのないよう十分に注意して作業をやっていきたいと思っています。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。先ほどの退職数と採用数が70人程度の点ですが、全体の職員数は分かりますか。
○稼農部長 総務部長の稼農でございます。事業報告書の2ページに書いてありますが、令和3年度における全体の職員数は2,085人となってございます。
○西村座長 ありがとうございます。森下先生、よろしいでしょうか。
○森下構成員 ええ。先ほど1点だけ回答が漏れているなと思ったのですが、今、システムの改修費用、そういうものは教えていただきましたけれども、私、人件費とかでかかる費用もどのぐらい比率としてあるのかとちょっと伺ったと思いますが。
○西村座長 人件費比率など、データ、御回答いただけますでしょうか。
○榎原部長 人件費と言いますと、システム関連の人件費ということですかね。
○森下構成員 そうではなくて、協会けんぽを運営していく上で、全体の運営費の中に人件費の比率はどのぐらいあるのかということをちょっとお伺いしたかっただけです。
○西村座長 もしデータがありましたら、後でお願いしてよろしいですか。少し時間がきつくなっておりますので。
○森下構成員 結構でございます。すみません。ありがとうございます。
○西村座長 分かったところでお願いします。ほかにございますでしょうか。
 尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 御説明ありがとうございます。本部・支部間の連携の強化ですとか人事評価の整備、内部統制の強化、あるいはシステムの構築といろいろ課題が多い中で、お話をお聞きしまして、順調に推移しているなという印象を受けました。
 そのうち1点確認したいのですけれども、19ページのコンプライアンス関係の質問なのですが、コンプライアンスの遵守というのは非常に大事なテーマと私は認識しておりまして、自己評価の欄に記載がありますように、いろんな施策を実施されておりまして、これはすばらしいなあという思いを持っています。
 職場のアンケートも実施されていまして、これについてどういう評価が出たかというところも非常に気になるところですので、もし可能であれば、来年度以降の評価に関しまして、この職場環境のアンケートについて、エッセンスだけでもお示しいただければありがたいなあと思いました。
 それから、たしか昨年の検討会の中で内部通報制度もあるというお話だったと記憶しているのですけれども、この1年間で、内部通報制度を含めまして何かコンプライアンス上懸念すべき重要なテーマが発生したかどうかということをお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○西村座長 今、2点ございました。御説明お願いします。
○稼農部長 ありがとうございます。コンプライアンスについて、まず御説明させていただきます。
 内部通報制度の仕組みを持っております。昨年も説明させていただきましたけれども、法令に違反する行為を行っている事実を知ったとき、疑いのある事実を知ったときは法令違反通報制度がございます。また、ハラスメントに関する相談については、ハラスメント相談員を本部・支部に配置して対応を行っております。
 加えまして、職員が、職員同士よりも外部のほうが相談しやすいということもございますものですから、外部窓口を弁護士事務所に委託して設置するために規程改正の準備を3年度に進めまして、令和4年7月1日から外部弁護士事務所に委託して、外部相談窓口を設置いたしております。来年度の事業報告で出てくると思います。
 制度の利用状況と対応でございます。令和3年度は、法令違反、ハラスメント相談が計8件ございました。このうちハラスメントと認定したものが2件ほどございました。通報及び相談につきましては、当然、プライバシーに配慮した上で、適切に調査を行っております。調査の結果、不正行為が明らかになった場合には、速やかに是正措置、再発防止措置を講じているというのが現状でございます。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。尾関先生、よろしいでしょうか。
○尾関構成員 はい、結構です。ありがとうございました。あと、アンケートのエッセンスを載せられるかどうかというところを。
○稼農部長 アンケートの結果につきましては、来年度どのような形で掲載できるかということにつきまして検討させていただきます。
○尾関構成員 すみません。なかなか開示できない部分もあると思いますし、集約するのは難しいということもあるかと思いますけれども、職員の方の生の声を集約したものが見えるということは我々にとっても有意義なことですので、ぜひ前向きに御検討お願いしたいと思っております。
○稼農部長 はい。少し具体例を紹介しますと、例えば職場風土のアンケートで言いますと、明るく挨拶が交わされているかとか、職場内での雰囲気はどうだとか、そういった基本的なことも含めてアンケートしておりますので、全体の概要みたいなことをつくれれば、これに掲載できるかと思います。
○西村座長 では、来年度よろしくお願いいたします。ほかにございますか。
 平川先生、お願いいたします。
○平川構成員 ありがとうございます。21ページの入札の関係です。評価の内容で、一般競争入札の件数が減っているという形になっていますけれども、中身をよく見ると、企画競争が増えているのですね。私は、企画競争が増えるのはいいことではないかと思っております。一般競争入札は少し減ったり増えたりという感じになっていますけれども、企画競争が増えていることに対しての評価が記載されていないので、その辺どうなっているのかというのが1点目です。
 あともう一点は、27ページの「中長期を見据えたシステム構想の実現」ですけれども、困難度の理由がいま一つよく分からなかったというのが率直な感想でございます。着実に計画に基づいて進めるということ自体、確かにいろんなことを実施することになるため、困難度が高いという評価ができる一方で、着実に実施すること自体が困難度高いということになるのかどうなのかというのがよく分からなかったので、説明をお願いしたいと思います。
 以上です。
○西村座長 では、今の2点についてお願いします。22ページ、27ページの辺りで。
○稼農部長 総務部長の稼農です。
 22ページのところでございますが、今、委員からのご指摘のとおり、企画競争が増えていて、その分、全体としては一般競争入札が横ばいかちょっと下がってきているというような状況でございます。22ページの最初の○に書いてございますけれども、調達に当たっては、私どもの基準といたしまして、契約の透明性を高めるとともに、調達コストの削減を図るために、100万円を超える調達は一般競争入札を原則としております。随意契約は、契約の性質から、競争が困難な場合等に限定するということを徹底しております。
 その上で、100万円を超えない金額の場合であっても、できるだけ見積もり公告を行ったり、中身をしっかりと確認した上で、比較して事業を決めるということで言いますと、この企画競争、コンペ方式でやるということが非常に有効であると思っておるところでございます。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございます。それから、27ページについての困難度の理由。
○榎原部長 システム部長の榎原です。
 着実にやっていることが、困難度になるのかということですが、通常業務とは違う難しいテーマを行っておりまして、なかなか着実に行うことも難しいのではないかと思っています。前回の平成27年の刷新のときもなかなかうまくいかなかったということもございまして、その反省を踏まえまして今回は進めております。やはりサービスインが遅れたりしますと、現行、各種の契約等々がありますので、かなり余計な費用もかかってきます。また、今回の刷新につきましては、アクションプランでいう保険者機能強化のために、基盤的保険者機能として事務作業の効率化も求められており、戦略的保険者機能の強化のために分析機能の強化や保健事業の管理の強化等々、通常の改修以上のかなり高度な改修の要望も来ております。また、業務改革からの幾つかの要望も来ております。また、今までの現行のシステム上の数々の問題点もございまして、そこら辺も今回一緒に全部解消していかないといけない。また、国や外部のほうからのオンライン資格確認への対応とか個人情報関係、中間サーバ関係へのシステム対応、それから、新しい情報セキュリティも一緒に取り組んで、IT化へも取り組んでいくという、重要施策を一気に盛り込みながら通常と違う仕事をしているということを困難度として書かせていただきました。よろしいでしょうか。
○西村座長 ありがとうございました。では、古井先生、お手が挙がっていたと思います。お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。私から1点、この組織・運営体制関係についてなのですが、これまでの基盤的な保険者機能や戦略的な保険者機能の業績評価シートに比べると、どうしてもこの事業計画、KPIがちょっと難しいのは分かるのですが、少し具体的な内容が少ないかなあと受け止めています。検討を行うとか、検討を進めるとか、人事を推進するとかになっていまして、これは業績評価のプロセスですので、なるべく、どういう課題背景があって、どんな事業を目指して、最終的な目標は何かというのを計画段階から書いていただくのがよろしいと思います。
 実際の中身は説明いただいたとおりで、委員の先生方からもありましたが、例えば9ページ目の本部機能と本部・支部間の連携の強化など見ますと、実際にやられているのは、自己評価の理由のところに挙げられているように、例えば支部間の地域格差の是正という視点の中で具体的な連携を明確にするような、非常にいいアイデアで、実務的な取組をやられているのですが、もちろん、事業というのは本当にアジャイル的な要素もたくさんあることは重々承知していますが、この評価をやっていくプロセスの中で、なるべく最初に事業計画としての具体的な想定というのが書かれていたほうが評価もやりやすいですし、最初に想定されていたことの中で、どこが難しかったか、あるいはどこがより進んだかというのが明確になるのではないかなと感じました。
 以上、意見でございます。
○西村座長 ありがとうございました。今、御意見でしたけれども、何か補足がございましたら。
○稼農部長 総務部長の稼農でございます。
 御指摘ありがとうございます。どうしても組織・運営体制については、御指摘のとおり、はっきりと具体的なところまで中身になかなか踏み込んでいないというところはあると思います。これから、次期アクションプランに基づいて、また次年度の事業計画をつくっていく際等に、できるだけ具体的になるように努力していきたいと思います。ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見などございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 では、ほかに御質問等ないようですので、本日の議論は終了したいと思います。
 最後に、予算のご質問について追加でお願いします。
○稼農部長 総務部長の稼農でございます。
 森下構成員からの御質問でございました。お手元に事業報告書、3年度がございましたら、192ページを御覧いただければと思います。3年度の決算報告書の概要でございます。ざくっとになりますが、収入と支出になってございまして、支出の計が下から2段目になっていまして、11兆8,200億円ということでございます。このうち人件費でございますが、一般管理費のうちの人件費が154億円ということでございます。割ってみますと、0.13%程度ということでございます。
○西村座長 一般的に考えて割合はかなり小さいのかと。今のような数字でございました。
○森下構成員 分かりました。ありがとうございました。
○西村座長 追加の御説明ありがとうございました。
 では、これで本日の議論を終了いたしたいと思います。
 今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。
○愛須室長 愛須でございます。
 御審議いただき、ありがとうございました。今後のスケジュールでございますけれども、前回と今回の質疑や議論を踏まえまして、事務局において、10月中旬頃までに評価案を作成いたします。その事務局案を皆様に提示いたしまして、御意見等を御提出いただきます。御提出いただきました御意見等を十分踏まえまして、最終的な評価案を取りまとめてまいりますので、引き続きどうぞ御協力お願い申し上げます。
 以上でございます。
○西村座長 では、構成員の先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、今年度の検討会は終了となります。
 最後に、構成員の先生方から一言ずつお願いしたいと思います。少し時間が押しましたので、名簿順で御挨拶いただくところでございますけれども、御予定の都合から、まず古井先生から一言お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございました。毎年こういった業績評価のプロセスを踏んでいるわけですけれども、戦略的な保険者機能もそうですし、それから、ベースになる基盤の基本的な保険者機能も含めて、毎年明らかにブラッシュアップしていて、その取組がストックになっていると感じられます。そうはいいながらも、協会けんぽさん、非常に規模が大きくて、また地域格差が実際にあります。地域格差があるということは、逆に、改善の余地があると考えられますので、先ほどの最後の資料にありましたけれども、例えば本部と支部の連携も含めて、そういった全国の知見をなるべく明文化して、それを計画の中にも入れていくということが求められるのではないかなと思います。どうもありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。では、その後、名簿順にさせていただきたいと思います。尾関先生、よろしくお願いいたします。
○尾関構成員 令和3年度の業績評価の御説明、どうもありがとうございました。3年度も、2年度に続きましてコロナ禍ということで、対面業務がなかなか難しい状況が引き続きあったわけですけれども、その中で皆さんいろいろと工夫されて、協会の使命を全うされたと思っております。協会けんぽの職員が減少しているという中で、すなわち、業務の効率化、あるいは支部間の平準化といいますか、そういうことが求められてきますので、御説明にもありましたとおり、本部と支部間の情報共有を今まで以上に強化していただいて、業務の平準化、あるいは効率化に向かって進んでいただきたいと思っております。
 これからも、加入者の方々の健康の維持と医療保険事業のインフラ整備の一端を担っていただく上で引き続き御尽力いただければと思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○西村座長 尾関先生、ありがとうございました。では、平川先生、お願いいたします。
○平川構成員 ありがとうございました。今回少し気になったのが、船員保険の医療資源の少ない地域に対する課題がクローズアップされてきているということです。これは私の持論ですけれども、被保険者の立場からすると、同じ保険料を支払っているのに、都市部と地方の医療格差というのをどうしていけばいいのかなと思っておりまして、それをどう解決していくのかというのは保険者の一つの機能の役割だと思います。今日明日できるような話ではありませんけれども、そのためには、データに基づいた医療資源の配分のあり方や、医療の提供体制をどうしていくのかということについての知見を十分に蓄積していきつつ、将来的には、少し申し上げましたけれども、医療提供側への働きかけを進めていくということも展望しつつ、長期的に運営していくことも重要だと思っているところであります。
 本当に御苦労されていることを大変理解いたしましたので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
○西村座長 ありがとうございました。では、森下先生、お願いいたします。
○森下構成員 ありがとうございました。この何回かにわたっていろいろとお話を聞かせていただきまして、協会けんぽ様は一生懸命やられているというのはよく理解しております。また、この何年か皆様と御一緒させていただきまして非常にその辺は痛感しているところでございますが、事業主の立場としては、先ほどもちょっと述べましたが、今特に中小零細の事業者にとっては、働き方、非常に貴重な人的な資源を守るというのは、この制度があるからこそ守れるのではないかと思っているところです。
 この制度の中で、2025年問題等がありまして、非常に運営が厳しくなるという予測もされていますが、そういう中で、何とか保険料率の維持、また先ほどからお話に出ている平準化、これも含めて協会けんぽさんにはぜひとも頑張っていただきたいなと思っているところでございます。いろいろと貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
 今日は若干時間が過ぎましたけれども、毎回時間が不足するほど御質問を出していただき、そして丁寧に御回答いただきまして、充実した議論ができたと思います。御協力ありがとうございました。
 今回、私、御質問させていただいた中にPDCAサイクルの活用について聞かせていただきました。評価シートや報告書において、業績評価検討会の結果や対話内容などが明示的には余り記載されておりませんでした。できましたら、御説明の中など、翌々年度のアクションプランのところなどで活用している点について御説明をしていただいておりましたので、評価シートや報告書にそうしたことも書き込んでいただけると、PDCAサイクルの活用もしっかりと見えてきて、よりいい評価が見える化されるのではないかなと思います。
 本年度も、活発な議論と、それから御説明の御準備などありがとうございました。これで今年度の業績評価検討会を終了したいと思います。皆様お疲れさまでございました。ありがとうございました。