令和4年3月17日 第209回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和4年3月17日(木) 10:45~12:45

場所

WEB会議
東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス

出席者

委員 ※五十音順


参考人 ※五十音順
 
  • 今村 知明 参考人
  • 近藤 和泉 参考人
  • 藤野 善久 参考人

議題

  1. 1.令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の結果について
  2. 2.その他

議事録

議事内容
○占部総括調整官 定刻になりましたので、第209回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
今般の新型コロナウイルス感染症に関する様々な対応につきまして、各自治体や関係団体の皆様には、各方面において多大な御尽力をいただいており、感謝申し上げます。
本日は、これまでと同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきます。また、傍聴席等は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
本日の委員の出席状況ですが、黒岩委員、米本委員より御欠席の連絡をいただいております。また、亀井委員については、遅れて御出席いただく旨、御連絡をいただいております。以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
次に、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の設計、結果の分析等に御尽力いただきました各調査検討組織委員長の皆様に今回参考人として御参加いただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
奈良県立医科大学公衆衛生学講座教授、今村知明参考人です。なお、今村参考人については遅れて御出席いただく旨、御連絡をいただいております。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター副院長、近藤和泉参考人です。
産業医科大学産業生態科学研究所環境疫学教室教授、藤野善久参考人です。
どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。まず、資料の確認を行います。本日は電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
まず、議事次第と委員名簿がございまして、次に、
資料1 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の結果について(案)
資料1-1 介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業(結果概要)(案)
資料1-2 LIFEを活用した取組状況の把握及び訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究事業(結果概要)(案)
資料1-3 文書負担軽減や手続の効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業(結果概要)(案)
資料1-4 福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業(結果概要)(案)
資料2 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の評価シートについて
資料3 介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について報告
資料4 介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会について報告
参考資料1-1 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査票の回収率等について
参考資料1-2 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の事前確認シートについて
参考資料1-3 令和3年度調査検討組織委員長一覧
参考資料1-4 平成27年度以降の調査の実施における基本的な考え方
参考資料2 検討を要する福祉用具の種目について
を掲載しております。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですがホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
続きまして、オンライン会議における発言方法等について確認させていただきます。オンラインで御参加の委員の皆様、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきますが、御発言をされる際には、Zoomツールバーのリアクションから手を挙げるをクリックいただき、分科会長の御指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言をいただくようお願いいたします。御発言が終わりました後は、Zoomツールバーのリアクションから手を下ろすをクリックいただき、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
では、以降の進行は、田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 承知しました。皆さん、おはようございます。
早速議事次第に沿って進めてまいります。本日は、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に関わる調査(令和3年度調査)の結果についての議論を行います。
また、そのほかとしては、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会についての2点に関する報告を事務局から受ける予定です。事務局においては、資料説明を簡潔に行うとともに、委員の皆様も御発言は論点に沿って簡潔に行ってくださるよう、毎回のことですが協力をお願いいたします。
では、まず、議題1の令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の結果について議論を行います。
事務局より説明を伺った後、介護報酬改定検証研究委員会における議論を踏まえ、松田委員長から概要についての説明をお願いします。
なお、議題に入る前に、御都合上、途中で御退席なさる長内委員より発言を頂戴します。どうぞ。
○長内委員 田中分科会長、どうもありがとうございます。公務のため途中退席しますので、冒頭で意見陳述させていただきます。
この資料1にあります介護医療院における医療施設の移行予定についてでございます。介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止となり、ほかの施設への転換を促している施設類型であると承知しております。
本日、このお示しいただいています調査における20年4月1日時点の病床の移行予定については、介護療養型医療施設の27.1%が未定と回答されております。また、都道府県や指定都市、中核市、保険者への調査では、移行に関する課題として、保険財政への影響があるとの回答が37.5%となっております。従来、全国市長会といたしましても、本件に関しましては、介護保険財政への影響が懸念されることを主張しており、特に意図しない移行が大きく発生しないよう、円滑に移行が進むような対応策が必要であると述べさせてきていただいております。
令和3年度からは、移行計画未提出減算が創設され、全体の14.4%が減算の対象となったという調査結果も出ておりますが、今後も、2024年3月末の介護療養型医療施設の廃止に向け、移行予定を早期に示していただけるよう、それと併せまして、移行を促す必要な施策、インセンティブを検討していく必要があるということを意見として述べさせていただきたいと思います。
冒頭にどうも、分科会長ありがとうございました。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
それでは、事務局より資料の説明をお願いします。
○古元老人保健課長 それでは、老人保健課長より、資料1、2に沿いまして御説明をさせていただきます。
まず、資料1を御覧ください。こちらは1枚紙になります。今回、議題となっております調査についての概要でございます。社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会では、令和3年9月27日に開催された給付費分科会において了承されました表にございます4項目について、効果検証及び調査研究を行ったという内容でございます。この調査研究でございますが、外部委託により実施に当たりまして、必要に応じて受託機関内に調査検討組織を設置し、調査票の作成及び集計分析方法などの検討を行いました。また、調査に対する本改定検証・研究委員会の評価も含めまして、調査結果として、本日、介護給付費分科会に報告するものでございます。
それでは、4つの研究事業につきまして概要を御報告申し上げます。
まず資料1-1、介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業でございます。
1ページ目を御覧ください。本調査は施設ごとのサービス提供実態等の把握、利用者、対象者の状態や入所後と退所先の比較、また、2つに介護医療院への移行予定や、移行に関する課題についての把握、そして、療養病床等に関する自治体の認識、動向の把握を目的といたしまして、介護医療院や介護療養型医療施設等に調査を行ったものでございます。調査方法は記載のとおりでございます。
2ページ目を御覧ください。図表1、介護医療院の開設主体といたしましては、医療法人が90.3%、図表2でございます、類型としてはI型が71.2%、II型が25.9%という状況でございました。
また、図表3でございます。I型では病院を併設が85.9%、II型では無償診療所が36.1%という状況で最多でございました。
続きまして、3~5ページ目でございますが、こちらは昨年に引き続きまして介護医療院の移行の準備などについての調査を行ったものでございます。3ページ目の図表5でございます。開設前の施設としては介護療養型医療施設、療養機能強化型Aが最多であったという結果でございます。
また4ページ目、移行時の状況等についてでございます。図表9、介護医療院の開設を決めた理由といたしましては、自院には介護医療院にふさわしい患者が多い、こういった回答が最多となっております。
5ページ目、介護医療院に移行してよかったことでございますが、経営面でプラスとなった、また、ケアへの意識が変わった、こういったところが多く回答がございました。また、移行前後での経営面での影響についてはそちらの結果のとおりでございます。
続きまして、6ページ目、これは看取りについての調査結果でございます。図表14、看取りの質をさらに高めるための課題といたしましては、本人の意思確認が困難が55.8%と多く、次いでスタッフ数の不足が46.8%という状況でございます。その下、不足スタッフといたしましては、日中の介護職員が62.3%と最多でございました。
続きまして、7ページ目です。地域貢献活動についてでございます。2021年上半期に実施した活動といたしましては、こちらは実施済みの黒いバーを御覧いただければと思いますが、ウェブ会議システムを利用した活動等が16.2%と最多でございます。また、計画したがコロナ禍で実施できなかった活動としては、ボランティアの受け入れが35.3%、健康教室、介護予防教室、栄養教室などが31.7%という状況でございました。
続きまして、8ページ目、介護医療院の入所者の状態でございます。図表18、要介護度といたしましては、要介護度5及び4、これを合わせて合計が84.6%という状況でございます。医療区分については図表19、医療区分1が40.6%、ADL区分についてはその下の表です。グラフでございますけれども、ADL区分3が37.5%という状況でございました。
続きまして、9ページ目、実施可能な医療処置は、介護医療院で人工呼吸器の管理が12.9%、中心静脈栄養が40.3%、疼痛管理、麻薬使用が45.3%でございました。医療療養病床では、それぞれの割合が44.9%、81.3%、そして、75.6%と、介護医療に比べると高い割合であったということでございます。
続きまして、10ページ目、介護医療院では、病院・診療所から入所し死亡対象、このグラフで言いますと、真っ黒に塗り潰されているところでございますが43.3%、医療療養病床では29.4%という状況でございました。また、このグラフで白く抜けているところ、本人の家、または居住系サービスから入所し、本人の家、または居住系サービスへ退所された方が医療療養病床では20.8%、介護療養型老健では18.9%という状況でございました。
続きまして、11ページ目でございます。退院先が病院である場合の理由でございますが、介護医療院では肺炎の治療のためが25.0%、その他の疾病の治療のためが26.7%という状況でございます。
12ページ目、介護医療院における短期入所療養介護についての状況をお示ししております。要介護度などについてはそちら結果のとおりでございまして、要介護4の方が30.5%と最多でございました。
続きまして、13ページ目でございます。2024年4月1日時点の病床の移行予定についてでございます。図表34、介護療養型医療施設ではI型が26.6%、II型介護医療院が18.5%でありまして、すなわちその2つを合わせますと45.1%、また、病院・診療所の病床が24.4%という状況でございます。
続きまして、14ページ目、介護医療院に移行する場合の課題として挙げられております。こちらはそちらに記載のとおりですが、例えば介護療養型医療施設については黒いバーのところ、移行するに当たり工事が必要である、こういったところが課題であるということが指摘されております。
続きまして、15ページでございます。ここからは自治体に対する調査の結果になります。まず、15ページは保険者における施設の有無でございますとか、あと、図表41、介護療養病床等から介護医療院への移行促進のために実施している取組などについて記載をされておりまして、例えば定期的に移行の調査を実施しているなどが多く挙げられております。
続きまして、16ページ目でございます。図表43、長期療養が必要な利用者の対応のための施設整備の基本的な方針でございます。都道府県では介護療養型医療施設からの移行以外にも整備するが63.8%である一方、保険者では当該項目は8.1%であり、介護医療院は原則増やさず、ほかの施設で対応するという割合が64.2%ということでございました。また、図表44、移行に関する課題といたしまして指定都市・中核市が、医療機関・施設の意向把握が55.4%、保険者では、介護保険財政への影響が37.5%と多く認められております。
以上、まず資料1-1について御説明を申し上げました。
続きまして、資料1-2を御覧ください。こちらはLIFEを活用した取組状況の把握及び訪問系サービス、居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究結果でございます。調査の概要については資料の2ページ目でございます。
3ページ目から御説明を申し上げます。まず、ここからはLIFE登録済み事業所へのアンケート結果でございます。LIFEの活用がケアの一連の活動において役立った点といたしまして、LIFEに利用者のデータを入力し管理することで、利用者の状態や課題を把握しやすくなった、これが最多の回答となっております。
4ページ目、LIFEデータの登録状況、時間について、こちらをお示ししたものでございまして、御覧いただければと思います。
続きまして、5ページ目でございます。図表6、インポート機能を利用しているが71.2%、これについては便利、やや便利が65.6%である一方で、不便と感じる理由といたしまして、エラーが頻発、使用手順が分かりづらい、こういった回答が多くございました。
続きまして、6ページ目は、LIFE活用に伴う議論の実施状況について調査をした結果でございます。図表11を御覧ください。LIFE活用に伴う議論について、既存の委員会で議論している方が割合が最も多かったということでございます。また、議論した内容といたしましては、利用者の状態像の変化でございますとか、利用者の状態像を踏まえたケア内容・実施方法などについて議論されている割合が多くございます。
続きまして、7ページ目、LIFE導入前後において、利用者アセスメントに変化があったという事業所が50.1%、評価基準に基づき評価をする割合が68%から82.9%に上昇しております。また、月に1回以上アセスメントを実施が13.6%から27.2%にそれぞれ増加をしているという状況でございます。
8ページ目、ほとんどのアセスメント項目におきまして、LIFE導入後に実施割合が増加をしております。中でもADL、行動・心理症状及び意欲についての実施割合の増加が大きかったという状況でございます。
9ページ目です。次に、LIFE未登録事業所へのアンケート調査になります。80.9%の事業所が施設データ分析を実施したことがないと回答しております。また、利用者家族等へのフィードバックは79%が実施したことがないと回答をされております。
10ページ目、LIFEの活用意向でございますが、活用したい、アカウント申請済み及びアカウント申請予定である。これを合わせますと、合計が67.5%でございます。活用したいと思わない理由がその右のグラフでありますけれども、データを入力する職員の負担が大きい、こういった回答が多くございました。
11ページ目、12ページ目は、LIFE活用事業所へのヒアリング調査の結果をお示ししたものでございます。また御覧いただければと思います。
続きまして、13ページ目からは、モデル事業についての資料になります。訪問介護事業所、訪問看護事業所、そして、居宅介護支援事業所におけるモデル事業を行いました。その実施フロー図をお示ししたものでございます。結果を御報告いたします。
まず、14ページでございます。訪問介護事業所の調査では、図表25、利用者へのアセスメントの課題としてアセスメントに手間がかかるが最も多く8件、フィードバック票によるケアの見直しは図表26ですけれども、3件で実施をされております。
続いて、15ページ目でございます。訪問看護事業所の調査では、利用者へのアセスメントの課題として、アセスメントに手間がかかるが最も多く7件でございました。また、フィードバック票によるケアの見直しを行った事業所はなかったという結果でございます。
16ページを御覧ください。図表31ですが、訪問介護事業所で役に立った点としては、ケアの質の向上に関する方針を事業所内で周知、利用者のアセスメント方法が統一が最も多く、それぞれ6件でございます。また、介護の質の向上に寄与するかについて、訪問介護では、思う、やや思うが7件であったのに対し、訪問看護では3件であったという状況でございます。
17ページ、居宅介護支援事業所の調査では、LIFEを使用することでケアマネジメントの展開に役立つ点として、利用者の状態や課題を把握しやすくなるが最も多く80%、実際の変化として、目標達成に向けた居宅サービス事業所職員の意識が変わったが最も多く23%でございました。
18ページです。フィードバック票について、活用できると思わないという回答は0%でございました。フィードバック票の課題としては、活用方法に関するそちらに記載の課題が多く挙げられているという状況です。
19ページ、20ページはモデル事業のヒアリング調査の結果をお示ししたものでございます。また御覧いただければと思います。
21ページは、介護関連データベースを解析した結果でございます。こちらを御覧いただきますと、まず左の図表37でございますが、サービス類型ごとのLIFE関連加算の算定状況をお示ししたものでございます。そして、図表38はLIFE関連加算の算定有無別の平均要介護度、平均利用者数をお示ししたものでございます。特に通所系のサービスにおきまして、LIFE関連加算を算定している事業所のほうが平均の利用者数が多いといった傾向がございました。
22ページ目、こちらはリハビリテーションなどに関する加算の種類別の事業所の割合についてでございます。施設サービス、特に介護老人保健施設、介護医療院において複数の加算を算定している施設の割合が高かったという状況でございます。
23ページ目以降は、調査に用いました参考資料でございますので、説明は割愛をさせていただきます。
続きまして、資料1-3、文書負担軽減や手続の効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業でございます。
1ページ目でございます。調査の目的は記載のとおりでございます。また、調査方法について、そちらは調査対象等を記載しておりますので御覧いただければと思います。
2~4ページ目につきましては、事業所の基本情報の結果でございます。
まず、2ページ目はそれぞれのサービス開設主体などについての調査結果でございます。
3ページ目は、事業所のOA環境の調査結果でございます。図表4が常勤の医療介護職員のOA環境、図表5が非常勤の方の医療介護職員のOA環境となっております。
4ページ目は、事業所の事務職員の有無についてでございます。施設サービスにおいては事務職員がいるとした割合が多くございますけれども、地域密着型通所介護や認知症対応型共同生活介護では事務職員がいないと回答された事業所の割合が高かったということでございます。
5ページ目、運営規程における従事者の員数の記載を〇人以上と記載することが可能であるということを明確化したことにつきまして、図表の9ですが、令和3年3月時点で訪問介護の65.2%が、〇人以上ではなく実数で記載をしておりました。実数で記載していた事業所のうち、令和3年4月以降に記載を変更した事業所は16.1%であり、82.1%については変更していなかったということでございます。その変更していなかった理由については、知らなかったが37.2%などとなっております。
続きまして、6ページ目でございます。重要事項の掲示について、自由に閲覧可能なファイルを備え付けておくことで可能としたことについて、介護老人福祉施設では、令和3年10月に、自由に閲覧可能な紙ファイルを備え付けているが45.6%でございまして、同年3月に比べ6.8ポイント増えているという状況でございます。
7ページ目、計画書などについて利用者や家族の同意を得る方法として可能といたしました電磁的方法の活用状況についてでございます。図表14、電子メール、事業者のタブレットなどへ署名を行う機能、その他の電子署名のいずれも2.5%以下でございました。
8ページ目を御覧ください。図表18、電磁的方法を活用したいと思う条件といたしましては、簡単に導入できるソフト・システムがあれば活用したいが42.6%、介護ソフトに電子署名等の機能があれば活用したいが36.6%などといった結果が得られております。
続きまして、9ページ目、図表19、利用者ごとの記録、介護報酬の請求に係る文書などについて、いずれの事業所でもパソコン等で作成をして、出力して紙で保存が5割以上でございました。また、パソコン、そのうち、訪問介護、居宅介護支援では、それぞれ71%という結果でございました。パソコン等で作成をし、電子のみで保存は事業所の種類によってばらつきがございました。1.1~3.2%という状況でございます。文書によって作成や保存方法が異なるは24.8~39.5%という状況でございます。
続きまして、10ページ目、文書によって作成や保存方法が異なると回答した事業所の文書ごとの回答結果でございます。図表20、居宅介護支援以外のサービスでは、電子のみで保存する文書の上位は、介護給付費明細書、サービス提供記録票、日報でございました。図表21を御覧ください。居宅介護支援では支援計画記録、モニタリングシート、給付費管理表、介護給付費明細書が上位でございました。
11ページ目、パソコン等で作成した文章を紙出力して保存しているものがある場合、その理由でございます。介護老人福祉施設で、施設・事業所内で他職員による確認や決裁のためが81%、居宅介護支援では、実地指導への対応のためが58.2%でございました。
12ページ目、電子的に作成された文書の活用について、まず、図表24でございますが、電子的に作成された文書の職員間で共有する方法ですが、介護老人福祉施設ではシステムやネットワークを通じて直接利用が49%でございました。図表25、文書を電子作成・保存しているメリットは、介護老人福祉施設で入力済みの情報を他の文書でも利用できるようになったが54.4%、特定施設入居者生活介護で文書作成の時間が短くなったが50.3%といった結果でございました。
13ページ目、図表26でございます。ペーパーレス化を進めていくために必要なことといたしましては、パソコンやソフトに対する職員の苦手意識の解消、職員への研修、さらにはペーパーレス化のためのシステムの導入、パソコンやソフト・システム等の導入のための費用補助が上位の回答でございました。
14ページ目、15ページ目につきましては、アンケートの調査結果を補足するために行ったインタビュー調査結果の概要でございます。タブレットへの電子署名を契約手続に導入している事業所も確認されました。また、介護ソフト等の導入により、紙の保存量が3~4割削減されたとの事業所も確認をされております。
続きまして、4つ目の調査研究事業、資料1-4でございます。福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業の結果を御報告いたします。
1ページ目が当研究の目的及び概要となります。そちらに調査方法等が大きく3つございます。御覧いただければと思います。
2~7ページ目にかけましては、介護保険総合データベースを用いた分析でございます。主な内容について御説明を申し上げたいと思います。
まず、主な内容として4ページ目を御覧ください。図表3は、令和3年4月見直しによる総貸与額の変化をお示ししたものでございます。総貸与額の減少は約2.6億円、総貸与額の0.9%にとどまり、平成30年10月上限設定の約4.5億円と比べて6割弱という状況でございました。
5ページ目を御覧ください。図表4は、令和3年4月貸与分のデータを用いまして、商品別に平均価格及び標準偏差を算出し、新たに貸与価格の上限を試算したものでございます。再度上限を設定した場合は、総貸与額が約0.3%減少、さらにもう一度上限を設定した場合は約0.1%減少するという試算となりまして、従来の調査同様、適正化効果は減衰することが予測されております。一方で、上限を超える貸与が1件以上ある利用者の割合は、次回が31%、次々回が33.5%となりまして、上限見直しの影響を受ける利用者の数は増えていくといった予測結果となっております。
続きまして、8~15ページは貸与事業所の実態調査を用いた分析でございまして、このうちの主なものについて御報告いたしたいと思います。
まず、8ページ目を御覧ください。図表8は上限価格の見直しに伴う貸与価格の見直しの実施状況を調査したものでございます。貸与価格の上限を超えた商品のみ貸与価格を見直したと回答した事業所が74.9%でございました。
9ページ目、図表10~12は令和2年度と令和3年度における事業所の収益について調査したものでございます。収益が減少した、もしくはないし減少する見込みと回答した事業所が最も多く49.9%でございました。その理由としては、上限見直しにより貸与価格を下げた商品が多いためが最も多く、次いで利用者数が減少しているためが42.9%でございました。一方、収益が増加した、増加する見込みと回答した事業所も2割近く存在しておりまして、その理由としては、利用者数が増加しているためが最も多く84.2%でございました。貸与価格を下げることで収益は減少するものの、福祉用具貸与サービスの利用者数が増加しているため、利用者数が増加した一部の事業所では収益を確保できたものと考えられます。
12ページを御覧ください。図表19、20は上限見直しに伴い発生した事務作業負担について調査したものでございます。初回上限設定と比較した負担感について、作業量は変わらないため負担は大きかった、変わらないと回答した事業所が最も多く、いずれの事務作業についても5割以上でございました。
続きまして、13ページ目、図表21~24、上限見直しによるサービス提供内容への影響について調査したものでございます。モニタリングやメンテナンスの訪問頻度、内容ともに変化していない、または定期訪問の期間を短縮した、もしくは変更した、より手厚くしたと回答した事業所が最も多く、全体で9割近くあったという状況でございます。
続きまして、少し飛んで16ページを御覧ください。こちらは上限見直しへの対応やサービス提供内容への影響についてヒアリング調査を行ったものでございます。上限見直しにより貸与価格が下がり続けた場合、利益が確保できない商品の取扱いを中止するなど、利用者へのサービス提供に影響を与える可能性も示唆されてございます。
以上、4つの調査結果概要について御報告をさせていただきました。
続きまして、資料2を御覧ください。令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の評価シートについてでございます。こちらは各調査の委員長及び調査検討組織委員会で調査の自己評価をしていただいた内容でございます。
資料の1ページ以降を御覧いただきますと、いずれの4つの調査ともおおむねとてもよいの評価をいただいてございます。この内容について、また別途御確認いただければと思います。
なお、最後にもう1点御報告を申し上げます。本日御議論いただきまして、今後、その後、この4つの調査につきましては、この調査報告書というものを別途作成いたしております。その案を今作成している状況でございまして、そちらについては本日の御議論を踏まえまして、また後日、分科会のホームページにアップしたいと考えておりますので、御報告申し上げます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 松田委員長、何か御発言はおありでしょうか。
○松田委員 資料2の評価票にもありましたように、いずれも高い評価を得ておりますので、おおむね目的が達成されたのではないかと思います。そういう意味で、今年度の調査結果につきましては、3月7日の介護報酬改定検証研究委員会において最終版として承認いたしましたので、最終報告としてここで御報告いたしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
では、ただいま説明を受けた事項について御意見・御質問がおありでしたら、どなたからでもどうぞ。手挙げボタンを活用してください。
河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
私からは2点、意見と要望を申し上げたいと思います。
まず1点目は、今回の調査結果を踏まえた今後の対応についてでございますけれども、今回の調査結果を踏まえて、どのような対応、改善を図っていくのかということが非常に重要だと思います。もちろん基本的には次期介護報酬改定に向けて検討していくということだと思いますけれども、次期改定を待たずとも、取組の改善とか促進を図ることができるものも多数含まれていると思います。
例えば資料1-2の12ページ、LIFEの活用可能性の検証の部分でございますけれども、LIFE及びフィードバック票を活用した取組の課題として、どのようにデータを活用すればよいか分からない、こういった回答もあるところでございます。こうした課題は活用事例の展開とか、方法の周知とか、すぐに対応できるものもあると思いますので、こういった次期改定を待たずとも、対応できる事項については、検討スケジュールも含めて、適宜検討、対応を進めていただきたいと思います。また、その際には、進捗の報告もお願いしたいと思います。
2点目は、介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究についてでございますけれども、資料1-1の13ページに介護療養型医療施設の移行予定のところで、27.1%が未定となっております。御案内のとおり、令和3年度の介護報酬改定において、5年度末の廃止期限、そこまでに円滑な移行に向けて基本報酬の引き下げですとか、移行計画未提出減算、そういった対応が図られてきたところでございますけれども、まだ3割弱が未定ということで、介護医療院等への移行が確実に進むように、国や都道府県等によるさらなる移行促進の取組が必要と考えております。
また、結果概要には記載がございませんけれども、前回の改定で新設をされた長期療養生活移行加算について、今回の調査の中でも対象となる利用者の受け入れに対する意識の変化といった質問項目がございます。加算の算定状況も含めて、そうした効果をしっかりと検証・分析していただきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
井上委員、お願いします。
○井上委員 詳細な御報告、ありがとうございました。大変よい調査だと思います。
今後の高齢化の急速な進展と今後の生産人口、担い手、支えるほうの人口の不足からしますと、この2番目のLIFEを活用するということ、3番目の文書負担の軽減を図っていくことは必須となりますので、私からはこの2点について申し上げたいと思います。
まず、LIFEの活用のほうですけれども、全体的に非常に役立ったという結果になっていると思いますし、また、その活用の希望というのも一定程度あるということで、これからさらに広げていくということが必要だと思います。
一方で、やはり使い勝手の悪さというのも幾つか指摘されていますので、この辺を丁寧に解決しながら、今回のモデル事業で得られた知見を踏まえて、幅広いサービスで活用していただきたいと思いますし、各事業所へのフィードバックのみならず、蓄積されたデータ全体のビッグデータとしての活用ということも次のステップとしては考えていただきたいなと思いました。
次に、文書負担の軽減でございます。昨年の9月の分科会でも広域で事業をしている事業者にとって、自治体ごとにいろいろ文書が違うということが負担になっているのではないかという指摘をさせていただきました。
報告書本編の148ページ目に、その辺の記載がございます。事業者数がそんなに多くないということもありますけれども、標準化を進めてほしいという意見がございましたので、ぜひこの辺りは引き続き進めていただきたいと思っております。
一方で、概要版にもいろいろありましたけれども、せっかく電子で入力したものを紙で出力して紙で保存をする。あるいは決裁を求めるというような手続の面での改善がやはり必要だと感じています。
あと、システムの導入に当たっての支援が必要だと、システム自体もそうですし、職員の教育等についても必要だというような御指摘もありますので、この辺りにつきましては、システムの移行に関しては一定の補助、支援をしていかないと広がりませんので、例えば基金を活用する等して、文書の軽減に向けた活動もさらに広めていっていただきたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 様々な御指摘をありがとうございました。
石田委員、お願いします。
○石田委員 ありがとうございます。私のほうからは、資料の1-2について1つ質問と、あと、意見を述べさせていただきます。
このLIFEを活用した取組状況の把握と訪問系サービスや居宅介護事業支援事業所の実際のヒアリングであったり、モデル事業の内容というのが非常に細かく調査をされていて、大変参考になって、科学的介護というコンセプトで進められているLIFEというのは非常に期待も高いので、今後の展開を本当に期待しております。
まず1点質問は、2ページ目にあります今回調査をかけた全体の事業所の内容ですが、LIFE登録済みの事業所と未登録のところがあります。実際に未登録の事業所がずっと多くなっています。2倍以上多くなっているのですが、この調査に際して発出したのは登録済み事業所が約5,000、しかし、未登録のところはその半分ぐらいしか調査をかけていないという点について、これは何か意図があったのかということの確認です。本来は調査を行う場合に、未登録のところに調査票を送ることでLIFEの登録の促進を図る意味も込めるということもありますので、この点について確認させていただきたいので、ここは質問です。
次なのですけれど、3ページ以降、やはりこのLIFEを導入して非常に分かりやすくなった、状態や課題が把握しやすいとか、アセスメント等の方法が統一されているというようなプラスの評価はあるのですが、特に3ページのところで、このLIFEの結果の中で、上記のいずれにも当てはまらないという回答が約3分の1に上っています。つまりここはLIFEを導入してLIFEのデータを入れているけれども、その後、どういった形で効果が現れているのか、それとも、取組のやり方がまだ明確でないのか、ちょっと戸惑っているというような状況が、ここに表れているのかなと思いました。
さらに4ページのところにあります、かかっている時間の配分を見ますと、入力に大変な時間、労力をかけていて、それをそのデータに関して活用したりとか、みんなで議論し合う、よい方法を生み出していくというところになかなかエネルギーや時間が回っていかないのが今まだ現状かなと想像はしているのですけれども、ぜひこの辺のところは、今後の課題として検討もしていかないといけないと感じました。
6ページには、このLIFEを活用したときに議論とか多職種連携が行われているかどうかという、この結果なのですけれども、もともとこのLIFEを活用した取組というのは多職種連携をさらに進めていくというのが大きな目的としてあったのですが、実際に、多職種連携というのはまだまだできていないと答えているところが77.5%ということです。やはりこの現状が見過ごせない点であると思っています。これは忙しくて時間が取れないのか、LIFEのデータそのものの活用方法が、まだスムーズに定着しておらず、みんながそれを有効に活用できていないという状況を想像するのですが、それならば、やはりもう少しそこを改善していく必要があるのではないかと思っております。
7ページ、8ページは、実際にやって、そして、アセスメント等でも効果があるという結果はあるのですが、9ページ以降の未登録事業所の状況を見ますと、入力に大きな負担がかかっている。ここが一番ネックになっているというのは明らかです。前からずっとシステム入力等の簡素化というのは課題として挙げられているのですけれども、ここはさらに改善・促進されていかないといけないなと思っております。
後半のヒアリングとか、モデル事業の調査につきましては、ケースが少ない分、中身が非常に細かなデータが取れて、実情がよく分かると思って拝見させていただきました。
特に12ページにありますヒアリングの回答の中で、LIFEのデータ入力についての課題で、選択肢だけでは実際の状況が表せないという点です。これは必ず現場で出てくる状況だと思います。ここを今後、どのようにクリアしていくかというところが、このLIFEの中でも非常に大きな課題ではないかなと思っております。
モデル事業のところでも、やはりどのように活用していくのか、データの解釈をどのようにしていくか、こうした回答が多いということで、多くの方がやはりまだまだ戸惑っていて、使いこなせていない状態にあるのが分かります。ただ、せっかく蓄積されたデータがあるので、そういった分析の方法であったり、活用の方法というのを練り上げていくためにも、何らかの形で、例えばですけれども、委員会や検討会といったものが立ち上げられて、きちんと方向性を出していく必要があるのではないかと考えております。
最後ですけれども、例えば14ページ等で、モデル事業でアセスメントに手間がかかるということを非常に多くが答えています。ほかのところでもアセスメントには非常に時間がかかっているということですけれども、このように表記されてしまうと、とてもマイナス的なイメージなのですが、利用者側からしてみますと、このアセスメントについては、じっくり時間をかけて丁寧にやっていただきたいというのが強い希望です。ここから全てのサービスが始まりますので、手間も暇もかけていただきたいけれども、効率を上げてほしいという、これが要望ですので、この辺のところも解決の方向が見出せるようなLIFEの中身というのを今後ぜひ検討していただきたいなと思っております。
長くなりましたけれども、以上です。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
御質問については、課長ですか、それとも、藤野参考人がお答えになりますか。
○藤野参考人 調査を担当しました産業医大の藤野と申します。私の理解で申し上げます。
御指摘がありました発出数の違いですが、この調査は登録事業所と未登録事業所を比較評価するというような趣旨ではございませんで、ここにこのような記載はしてありますが、LIFE登録事業所での調査、未登録事業所での調査ということですので、ここが1対2になっているということには、あまり意味はございません。調査自体がやはりLIFEを使ったらどうなったのかということが重きであったということで、ここの情報を厚くしていると理解しております。
以上になります。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
次、及川委員、お願いします。
○及川委員 まずはこの膨大な資料をおまとめになりまして、その御尽力に感謝を申し上げます。私のほうも石田委員と同じように資料1-2の内容から御意見を申し上げたいと思います。
まず、介護サービスの利用者の状態像の変化やサービスの効果などというものは、利用者の生活場面の違いもあり様々だと思われます。各サービス提供者が捉える変化や効果をより客観的に共有できる点で、また、利用者の状態像の変化等の議論がしっかり行われている点というところも挙げられておりましたけれども、LIFEはやはり有効であるなと考えます。
介護というものが、私のところでは介護過程の展開と申し上げますが、PDCAを取り回して、しっかり行われるべき専門的なものでございます。LIFEを導入することで、しっかりとしたアセスメントの方法や頻度が担保されることは、介護サービスを利用される方々にとっても有意義なことだと考えられます。ただ、小規模の事業所であっても、ソフト導入や入力時間を担保することと、LIFEの趣旨を踏まえた適切に活用できる体制を整備することは、きっと大きな課題といえるのではないでしょうか。
今後、LIFEの活用を推進しようとする場合は、この部分の課題をしっかりと解決できるように、担保していくための工夫が必要ではないかと考えます。
以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 課題を御指摘いただきました。
小泉委員、どうぞ。
○小泉委員 ありがとうございます。全国老人福祉施設協議会の小泉でございます。
意見を2点ほど申し上げさしていただきたいと思います。
まず、資料1-2でありますけれども、LIFEを活用した取組状況及び訪問系サービス、居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用の可能性の検証に関する調査研究についてであります。13ページ、17ページに書いておりますように、居宅介護支援事業所においてLIFEに入力したデータを集計の上、同様にフィードバック票を提供の上、活用するという件につきましては、イメージとしては情報量が増えるので、よい効果がもたらされると考えますが、介護支援専門員や事業所双方の業務負担とならないような配慮も必要かと思われます。
フィードバック情報についてはサービスの質の向上のため、介護支援専門員も把握しておく必要があると考えますし、ケアマネジメントのPDCAサイクルにも波及効果があると思われますので積極的な推進が望まれると思われます。
また、訪問系サービスにおきましても、現在訪問リハビリテーションのみLIFEの導入がされておりますけれども、訪問リハビリテーション等の事業所の実績、効果分析をしっかりと把握した後に導入を検討すべきと考えます。
次に、資料1-3でありますけれども、文書負担の軽減や手続の効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業であります。7ページでありますが、計画書等について、利用者や家族の同意を得る方法として、電子メール、事業者のタブレット等への署名を行う機能、その他電子署名につきましては、現在のところあまり普及していませんが、ソフト・システム開発と利用者等のスマートフォン等の普及により推進を目指していく必要があると思われます。
また、決裁や実地指導への対応、他事業所の連携の問題をクリアした上で、ペーパーレス化を推進し、データで保存することが望ましいと考えます。ここを乗り越えないとデジタル化等は全く進まないので、ここが力の入れどころかと思います。積極的に推進するべきと考えます。
以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 デジタル化推進について、的確な意見を言っていただきました。ありがとうございます。
小玉委員、お願いします。
○小玉委員 田中分科会長、ありがとうございます。
このたびの介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査につきましては、大変詳細なデータをお示しいただき、検討委員会の先生方に深く感謝申し上げたいと思います。
私からは、先ほどからもたくさんの委員の先生方がお話しいただいている資料1-2、LIFEを活用した取組状況、この活用可能性の検証に関する調査研究について、意見と要望を述べさせていただきたいと思います。
おおむねいろいろなアンケート、それから、ヒアリング、モデル事業、介護関連データベースの分析というところでデータが出ていますけれども、この中でやはりアセスメントの方法が統一された、頻度が統一された、また、課題を把握しやすくなったようなところが非常に効果的だなということがよく分かります。
また、ほとんどのアセスメントの項目においてLIFE導入の実施割合が増加したというところで、この点も取り入れていらっしゃる事業者さんの御苦労はよく分かりますし、こういった様々なアセスメントのやり方、それから、データの入力というところで御尽力されているところに敬意を表したいと思います。
12ページのヒアリング調査の結果のところで、どのようにデータを活用していけば分からないとか、あと、フィードバック票の使い方、また、個人の課題分析をどのように反映していくかというところの課題がやはり大きいのかなと思っているところでございます。
そういった中で、フィードバック票はこれからデータを集めて返していって、何をするかというところ、さらにPDCAサイクルで回して、それぞれの検討が重要だと思います。
22ページの中で、介護関連データベースの分析というところがございます。ここでリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する加算の算定状況が出ているわけなのですけれども、これは比較的、先ほども多職種で連携して事業を進めることが大事だというところが、ここに示されているのかなとは思いますけれども、リハビリ・機能訓練、口腔、栄養の3種の算定をされているところが介護老人保健福祉で3.2%、介護老人保健施設で8.2%。地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護で2.5%、医療介護院で7.2%になって、それぞれ2種であったり1種であったりというところのデータが示されておりますけれども、ここでその施設に専門の職種がおられるかどうかというところが非常に大きな問題かなと思います。
ですから、例えば通所・居住サービスでは、この2種の算定がリハビリ・機能訓練、口腔のみというところが非常に高いデータで、その下に示されてございますけれども、言ってみれば、その専門職種がおられるかどうか。また、例えば今回、口腔衛生管理体制加算が基本の報酬へ組み込まれましたけれども、そういった中で、もしいなければ、近くの歯科医院や、ケアマネジャーさんが声をかけやすい歯科医院でありますとか、歯科医師会のほうに声をかけていただくということが、こういった今後のデータを取る、また、そういったサービスを提供する、また、データに基づいた対応を考えるということにつなげることが非常に大事なことかなと思います。
そういったところは明日からでもすぐ取り組めるようなことだと思いますので、ぜひ、厚労省の方も、また、保健師さんの方も、施設の方も考えていただいて、指針を置くだけではなくて、様々な分野で進めていただければありがたいなと思っているところでございます。
私からは以上です。ありがとうございます。
○田中分科会長 多職種連携の大切さを言っていただきました。ありがとうございます。
田母神委員、お願いします。
○田母神委員 日本看護協会の田母神でございます。調査結果について御提示をいただきましてありがとうございます。
私からは(2)のLIFEの活用に関する調査と(3)の文書負担軽減の調査について意見を申し上げたいと思います。
(2)のLIFEの活用に関する調査研究についてでございますけれども、今回、訪問看護事業所でのモデル事業については9事業所での実施でありましたので、その結果の解釈については留意が必要であると考えております。看護の質に寄与すると感じるかという質問への回答で、「思う」あるいは「やや思う」の割合が低くなっております。訪問看護の質の評価に有用な項目は何かという点で、さらに掘り下げて検討を行う必要があると考えておりますけれども、訪問看護の質の評価指標につきましては、国内外での研究成果や事業所での自主的な評価を行っているところなど、既存の取組もございますので、そうした指標も参考になるのではないかとも考えております。
もう1点は、訪問看護事業所でも利用者が100人を超えるところもございますので、訪問系サービスへのLIFEの導入を検討する場合にもデータの入力、提出に関する負担軽減が課題になると考えております。調査結果からも入力の負担の大きさが指摘されていると理解しております。入力負担の軽減という点では、インポート機能につきまして、調査結果では便利だと思う、という回答とともに、一方では、エラーが頻発するという回答もありますので、ぜひ入力負担の軽減という点について、対処をいただきたいと考えております。
(3)の文書負担軽減や手続の効率化に関する調査研究についてでございます。今回、訪問看護ステーションは、この調査の対象にはなりませんでしたが、文書や手続の業務負担軽減に向けたICTの活用という点では、共通の課題であると考えております。
厚生労働省におかれましても、これまでICT導入支援事業などで支援をされているところと考えておりますが、こうした補助事業の継続とともに、さらにこうした公的支援が有効に活用される仕掛けについても併せて御検討をいただきたいと考えております。
ICT活用についての各事業所でのニーズは、記録の効率化でありますとか、請求業務の簡素化、あるいは多職種との情報共有・連携などがあると考えております。何が自施設にとってICTで解決すべき課題かということが明確になるよう、業務効率化に関する意識啓発的な事業と併せまして、ぜひICTの導入の目的を明確にした上で、事業所のニーズに合った方策を提示いただけるようなコンサルテーション事業など、さらにきめ細やかな支援策が必要だと考えておりますので、今後も老健事業をはじめ、取組をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。LIFEの入力の手間とICT導入について、御意見をありがとうございます。
鎌田委員、お願いします。
○鎌田委員 認知症の人と家族の会の鎌田です。ありがとうございます。
LIFEの活用の可能性の検証に関する調査研究事業に関して、まず御質問させていただきます。それと、意見を述べさせていただきます。
LIFEについては、介護者は大きな期待をしています。個々人に応じた認知症ケアやリハビリなどが受けられ、サービスの質の向上に資することに活用していただけるのだと受けとめています。
自由記述で活用する方法が理解できておらず、利用者の状態を入力の作業のみにしているという記載がありました。今回の調査では、職員がしっかり理解し、情報共有されていれば、このLIFEの効果というものはあるような結果ですけれども、そうでない事業所との差が大きいと受けとめています。職員に理解されずに実施され、評価され、システムによりフィードバックされ、次のリハビリプランに反映されているのではないのかと、この結果からは心配をしております。
LIFEの活用でケア活動に役立ったかという問いでは、利用者の状態や課題を把握しやすくなったが34.8%ですが、また、反対に、現時点では上記のいずれにも当てはまらないが33.1%で拮抗していると見ています。なぜそのような回答があったのか、個々の課題を解決していけば、改善されるのか不安と心配がよぎります。
今回の調査結果からのさらなる検証・分析を早く実施していただき、課題解決に向けた修正を加え、私たち介護者本人が願う個々人に応じた適切なケアやリハビリ、サービスの質の向上となっていただくことを切に希望いたします。加算でよりよいサービスが受けられると私たちは思っています。
次に、情報管理での懸念について、過去にも御意見を申し上げましたけれども、再度申し上げたいと思います。厚労省に集約されているデータは匿名になっているそうですが、事業所段階では個人情報が含まれていると思いますので、データ入力には慎重さが求められ、セキュリティー対策も必要で、入力作業さえできていればいいというものではないと思います。特に昨今、銀行や国税局でのシステム障害や医療機関へのサイバー攻撃などの報道もあり、中小事業規模の事業所ではセキュリティーの設備の負担もあるのではないかと思います。
質問の1つ目ですけれども、LIFEの活用の前にデータ入力という新たな業務負担に対して、特に在宅サービスについて対策が必要だと考えますが、厚労省で検討しているかどうかを教えていただきたいと思います。
2つ目のところですけれども、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討委員会の検討結果についての意見ですけれども、資料には、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の評価結果についての報告がありますが、厚労省では2月17日のあり方検討会も開いています。福祉用具について評価検討会と種目のあり方検討会と2つの検討会があることになり、大変紛らわしく分かりづらいことをまず御指摘させていただきます。
それから、その種目のあり方検討会では、第1回の資料に介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援についてがあります。福祉用具だけでなく居宅介護支援、つまりケアマネジメントの在り方についても検討することになっていることに大変驚いております。
また、事務局である厚労省の特に議論していただきたい点については、福祉用具貸与を利用している者に対するケアマネジメントについて、どのように考えるべきかと書いてあります。ケアマネジメントについて、なぜ介護保険部会や介護給付費分科会でなく、福祉用具の検討会にセットされているのか、その理由を御説明いただきたいと思います。
また、あり方検討会の資料2には財政制度審議会の2021年度予算の編成などに関する建議と経済財政諮問会議の新経済財政再生計画改革工程表の2021の文書が掲載されていて、福祉用具レンタルの何かの品目について、貸与ではなく販売とするということで、毎月のケアプラン作成などのケアマネジメントの費用を扶養することが考えられると書いてあります。あり方検討会の委員の皆さんがどのような御意見なのか、議事録が公開されていないので確認できませんが、在宅サービスを利用するために必要なケアマネジメントについて、費用の抑制のために、それも福祉用具のレンタルを販売に変えてケアマネジメントという大切なサービスを削減するという自立支援や介護者の負担軽減を全く考えない手法を採ることを改めていただきたいと強く要望します。
また、財政制度審議会の指摘として、利用者負担を導入し、利用者が自己負担を通じてケアプランに関心を持つ仕組みとすることによるケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資するとあります。ケアマネジメントに利用者負担が導入された場合、まず関心が高まるのでないかと思います。国民年金は減額になり、医療保険の窓口負担も増える中、利用者が考えるのは、これまでの負担額に合わせようということです。ケアマネジメントの自己負担分、ホームヘルプサービスやデイサービスを減らしかねないのです。
新型コロナウイルス感染症の流行でクラスターの発生が続き、デイサービスやショートなど、在宅介護の要の事業所の休止が続いています。発熱ではかかりつけ医の往診がしていただけなく、介護サービスも利用できなくなり、孤立化し、精神的に追い詰められた介護者もいました。そのような厳しい現状の中で、追い打ちをかけるようなケアマネジメントの利用者負担の新設には、これまでも申し上げてきましたが、反対であることを申し上げます。
以上です。
○田中分科会長 御意見をいろいろとありがとうございます。
御質問がデータセキュリティーについてと、福祉用具検討会でのケアマネのマネジメントの扱いがありましたが、お答えください。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
データ入力しやすいというような御趣旨だったと思いますが、セキュリティーも含めて御説明させていただきます。
先ほど来、井上委員と田母神委員からもICTの導入等について御意見をいただいていますので、それも含めてということでございますが、ICTを入れれば生産性が向上するというものではございませんので、おっしゃっていただいたとおり、生産性を向上するための仕組みというのが必要だと思っています。そういった観点から厚生労働省では生産性のガイドライン、これは業務の棚卸しをすることから始めて、様々な取組をするということでございますが、こういった生産性のガイドラインというものを作成させていただいています。
さらにICTの導入も含めて、事業所内でしっかりと促し役をつくり支援をしていく、事業所内でPDCAサイクルを回していただくという観点が必要でございますので、そういった手引きであるとか、今年度においては田中分科会長にも御参加いただいて、研修教材などもつくらせていただいています。
さらには効果測定ツールというものを今年度事業の中でつくらせていただいておりまして、こういったマテリアルについては、こういう御時世でありますので、例えばYouTubeで公開するであるとか、あとはもちろん普及啓発ということで、そういった大会のようなもの、シンポジウムのようなものを開催し、これもまたYouTubeで公開したいと思っておりますけれども、そういったことをさせていただくという取組がある一方で、ICTの導入支援事業については、来年度予算においても今年度と同様のさらに拡充したものもありますけれども、今、国会のほうで御審議いただいているものが継続されるということで、政府としてはお願いしているところでございます。
システム導入支援もそうですが、さらにその導入のときの研修、そういった費用についても、この導入支援事業の中では経費として見られるということになっておりますので、付言させていただきます。
セキュリティーにつきましては大変重要な課題でございます。介護事業所において取り扱う情報であっても要配慮個人情報に当たるものも多いかと思いますので、こちらについては医療情報システムの安全ガイドライン、これは個人情報保護法等に基づくガイドラインでございますけれども、これをしっかり遵守していただくということが必要だと思っています。医政局のほうでガイドラインをつくって、改定等をしておりますが、こちらについて、かなり分厚いものなので、介護事業所に分かりやすいようなものをつくらなくてはいけないのかなという問題意識は持ってございますので、また検討させていただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
高齢者支援課長、どうぞ。
○須藤高齢者支援課長 今、鎌田委員のほうから福祉用具の関係で何点か御質問をいただきましたので、担当の当方からお答えさせていただきます。
実は今日のこの後の報告事項で御報告させていただこうと思っておりますが、検討会が2つ並んでいて紛らわしいという点については、1つ目のいわゆる福祉用具・住宅改修評価検討会につきましては、こちらは介護保険の適用に対する福祉用具等の種目の追加について、事業者さんのほうから提案があって、それについての是非を問う検討会ということで評価検討をさせていただいているところでございます。もう1点目の貸与・販売種目のあり方検討会、こちらも検討会という名前をつけておるのでちょっと紛らわしい部分があるという御指摘はごもっともでございますが、こちらにつきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、財政制度審議会等での御指摘もありました。また、令和3年度報酬改定での審議報告の中にもしっかりと貸与・販売の実態を踏まえて、今後の在り方を検討すべきという御意見も頂戴しておりますので、こういったことを踏まえまして、貸与・販売種目のあり方検討会というものを設けて、1回目を先の2月17日に行わせていただいたというところでございます。ちょっと名前が紛らわしい部分がございますが、そこは丁寧に説明等、また公表等をしていきたいと思っております。
2点目の御質問でございますが、先ほどのあり方検討会について、給付費分科会であったり、介護保険部会のほうでの議論ではないのかという御指摘については、当然ですが、先ほど述べましたように、令和3年度報酬改定の際の審議報告でも御意見・御指摘をいただいておりますので、必要に応じて分科会であったり部会のほうに御報告なり、また御議論いただく場というのはあると思いますが、まずしっかりと実態を踏まえた上で、どういった論点、また、その下準備と申しますか、下整理と申しますか、ちゃんと論点を整理した上で、必要に応じて分科会であったり、部会であったりにお諮りしていくものと考えております。まず前段階の議論の整理の場ということで、今検討会で公開の議論をさせていただいておるところでございます。
もう1点、そのあり方検討会の中にケアマネに関する議論がなぜ含まれているのかということについての御指摘でございますが、こちらについては先ほど委員からもお話があったように、財政制度審議会の御意見、建議の中で、いわゆる単一の福祉用具サービスに係るケアマネの費用、ケアマネジメントの負担が給付的には非常に大きくなっているのではないかというような御指摘がありまして、福祉用具貸与・販売と併せてケアマネについても、その貸与に係るケアプランの関係、これについても御指摘をそういう場でもいただいておるところでもあり、そこも含めた議論をあり方検討会の中でさせていただきつつあるところでございます。また、そのあり方検討会は1回目を2月17日に行わせていただいて、まだ、議事録のほうが整理できておらず公開できておりませんが、その中でもケアプランにつきましては、先ほど委員も御懸念いただいているように、やはり必要なケアマネジメントというのは非常に重要であるというような御意見をいただいております。たとえ単一の福祉用具貸与に係るケアマネジメントであっても、それでももちろん重要であり、必要でもありますが、それに加えてインフォーマルなサービスも含めた内容込みのケアマネジメントをしておるという、そういう意味もあるということで、やはりサービスの利用者さんに合ったケアマネジメントというのは重要だというような御意見もいただいております。
こちらについて、このあり方検討会において、まだ議論を始めたばかりでございますし、当然検討会で全て何か決めてしまうとか、そういう状況でもございませんので、そこは今議論をしておるところでございますし、また、制度であったり、報酬に関係するような部分がございましたら、必要に応じて給付費分科会、介護保険部会のほうにも御議論をお諮りしていくと考えておるところでございます。
○田中分科会長 鎌田委員、よろしいですか。
○鎌田委員 丁寧な御回答をありがとうございました。引き続き注目をしていきたいと思います。
○田中分科会長 小林委員、お願いします。
○小林委員 ありがとうございます。3点申し述べます。
まず、資料1-1、介護医療院の関係です。スライドの図表9にある介護医療院の開設を決めた理由を見ますと、「介護医療院にふさわしい患者が多い」という回答が一番多く、これに加えて、「加算への魅力」という回答が42.8%。それから、次のスライド5の図表11、介護医療院へ移行してよかったという設問では、「経営面でプラス」という回答が38.1%ということで、こうしたことが「入所者家族や生活の場として感じてくれるようになった」という回答や、「ケアへの意識が変わった」というような、今回はどちらも20%台の回答でしたが、ケアの質の面につなげることも重要です。
2点目が資料1-2、LIFEの活用について、スライド10の図表23を見ますと、「LIFE未登録事業所が今後も活用したいと思わない」という回答が63.8%あり、3月7日に開催された第24回の介護報酬改定検証研究委員会でも様々な御指摘があったと承知しています。LIFEの導入に当たっては、職員の負担軽減と人的・物的な支援、それから、スライド11に少し書かれていますが、ケアの質の向上にいかにつなげるか、こういった観点が課題です。
最後、資料1-4の福祉用具貸与価格の適正化に関して、スライド4の貸与価格の上限設定による影響を見ますと、利用者への影響にも留意しつつ、継続した取組が必要です。
以上です。
○田中分科会長 3つの意見をありがとうございました。
東委員、どうぞ。
○東委員 ありがとうございます。全国老人保健施設協会の東でございます。
まず、介護医療院の件で1点御意見を申し上げます。
まず、介護医療におけるサービス提供実態の13ページでございます。今後の移行予定を聞いておる資料でございますけれども、図表36、介護療養型老健の移行予定、48施設でございますが、8割近くが介護療養型老健のまま残りたいという意向が示されております。私もこれを見たときに少しびっくりしたのですけれども、よく分かりませんが、理由の一つとして、5ページに医療院へ移行した後の経営状況というのが図表12で出ておりますが、それを見ますと、介護療養型老人保健施設以外のところは5割ぐらいに近いところがよい影響があったというお返事をされているのに比べると、介護療養型老人保健施設は3割ぐらいしかよい影響があったというのはなかったので、ここら辺が介護療養型老健の医療院への移行よりも、そのままとどまりたいという原因なのかなと考えております。
いずれにしましても、この介護療養型老健、私ども全老健の会員も一定程度おられますので、ぜひ介護療養型老健にとどまられましても、できる限りのサポートをしていきたいと考えております。
次にLIFEの件で御意見を少し申し上げます。LIFEを活用した取組状況の件です。まず2ページ目ですが、この調査方法、LIFE登録済み事業所とLIFE未登録事業所ということでされておりますけれども、今回、ここのいわゆる属性、老健や医療院や特養、いろいろな属性がございますけれども、この属性別のデータは全く出ておりません。今回はよろしいのですが、やはり老健、特養、医療院、それぞれ持っている役割も違いますので、属性ごとのこのLIFEの特徴、特に属性によって何が、LIFEは今後進めていかなくてはいけないわけですけれども、どういう課題が属性によって違うのか、そういうところも今後見ていく必要があると思いますので、今後、LIFEの調査を進めるに当たって、やはり属性によるデータというのも出していただくと助かると思います。
あと、4ページも同じなのですが、アセスメントにかかる時間が図表4と5に出ておりますけれども、こういうところも属性によって大分違うかなと考えておりますので、これも同じでございますが、属性による違いというもの、それから、課題というものは、今後、あぶり出していただければありがたいと思います。
それから、8ページでございますが、LIFEを活用した取組状況の把握のデータが図表18に出ております。この中で赤で囲っておりますBarthel Index、DBD13、Vitality Indexが非常に増加しているというデータでございますが、これは逆に言うと、この3つは今まで各施設であまり用いられていなかったから、今回LIFEの加算にひもづけられたためにやったのだというように私は理解をしています。そのほかのBarthel Index以外のADL、認知機能、栄養状態等々は、そんなに大きく増加しているわけではありません。これを見ましても、LIFEは走りながら考えていかなくてはいけないのですけれども、LIFEの収集するデータ、項目も現場の実態に合ったような改変というか、よりよいものに変えていく必要があるなと、この8ページのデータで感じた次第でございます。
それから、21ページにはLIFEの活用の取組状況が出ております。私ども介護老人保健施設におきましては63.7%がLIFEに取り組んでおり、高い数字が出ております。私どもの協会としてLIFEにしっかり取り組むようにと指導してまいりましたので、この数字には一定程度満足しておりますが、もっとこれを高めていかなければいけないと思うと同時に、22ページでございますが、リハビリ関連、老健は多いわけですが、この全体の63.7%で見ると、リハビリ関係の算定率が5割ぐらいなので、老健はリハビリを特徴としている施設でもございますので、この辺りはもう少し上げていくように指導してまいりたいと思います。
最後に、文書負担軽減のところで1点だけ申し上げたいと思います。7ページでございます。文書負担軽減や手続の効率化、介護現場の業務負担に関する調査でございますが、この図表14を見ていただきますと、利用者への説明、同意取得に利用することがある電磁的方法というものが、私ども老健でも使っているところがたったこの1施設なのです。電子メールでも本当にわずかの施設しか使っていません。
その理由というのが右にございますけれども、電磁的方法を活用できる機会がないとか、コストがかかる等、たくさん上がっております。国は押印の廃止、サインレスというものを掲げておりますけれども、現場ではこのように全く進んでいない状況がございます。かつ現場では、やはり紙ベースでのサインとか、押印という負担が大変多うございますので、ぜひこの押印の廃止やサインレスが現場で加速度的に進むような国の支援、対策、方法、こういうものをしっかりと考えていただきたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 調査内容から現実の政策まで幅広くありがとうございました。
田中委員、お願いします。
○田中委員 ありがとうございます。
私のほうからは、1の資料の介護医療院について発言をさせていただきたいと思います。11ページ(1)の介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業というスライドのマルの4つ目、看取りを行う予定だった人は59.5%、そのうち予定どおり看取りを行うことができなかった人は13.6%だったと記載がございました。
この予定どおり看取りを行うことができなかった13.6%の方が、なぜ予定どおり看取りを行うことができなかったのか、調査してあるようであれば教えてください。もし、この方たちが肺炎やその他の疾患で治療のために病院に転院しているのか、それとも、改善をして一旦退院しているのか、その辺りのところによっては、できなかったの意味が変わってくるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 介護医療院における看取りについての御質問、今村参考人、お答えになられますか。
○今村参考人 今村です。その部分については、追加の分析は行っておりませんので、不明ですけれども、全体としては転院したというケースや急変したというケースがあったと思っておりますので、このケースの追跡できていないですけれども、主な理由としては、
そういったものではないかと考えます。
以上です。
○田中委員 ありがとうございます。
やはり全員が亡くなるわけでも、具合が悪くなるわけでもありませんので、介護医療院でも具合のよくなる方ももちろん一定数いらっしゃるかと思います。書き方によっては、介護医療院でうまく治療ができなかったと受けとめられるミスリードになりかねませんので、この辺りの書きぶりを少し御検討いただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
濱田委員、お願いします。
○濱田委員 ありがとうございます。
まず、各評価シートの検討すべき妥当性につきまして、ほぼ全てとてもよいとなっておりまして、調査を御担当されました委員長並びに委員の皆様方の御労苦に改めて御礼申し上げたいと存じます。
まずは資料1-2のLIFEを活用した取組状況の把握及び訪問系サービス、居宅介護支援等の調査研究事業についてでございます。これは3ページに記載がございますが、利用者の状態や課題の把握、また、アセスメント方法や頻度の統一など、ケアの一連の活動の中で役立った点が示されたということで評価できるかと思っております。
その一方で、10ページや14~15ページでは、既に従来指摘されている内容でございますが、データ入力を行う職員の方の負担やアセスメントにおけるテーマに関する指摘もされております。このため、例えばでございますけれども、アセスメント内容とLIFEの入力内容で共通化できる部分は共通化することを検討するなど、二重入力の手間をできるだけ縮小させることを図るなど、引き続き入力負担軽減の方策を検討することが重要と考えております。なお、もしその場合は、要介護認定調査の基本情報のように標準化になじむ情報と、意見書や特記事項のように的確に状態像を表現するためのいわゆるテキスト情報の部分を分けて考えて、後者が落ちないような留意を図ることが必要と考えております。
1-3の文書負担軽減の調査研究事業に関してでございますが、本編にもございますが、現在予定されております電子申請届け出システムによりまして、できれば全ての自治体様の御参加がいただけるように、各種の方策の検討や実施をお願いいたしたいと存じます。
1-4の福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業でございます。本編の報告書の178ページの本事業のまとめに記載がございますが、給付費抑制効果につきまして、平成30年度がマイナス2.0%、令和3年度がマイナス0.9%、そして、次回の効果見込みがマイナス0.3、次々回がマイナス0.1%と見込まれる一方、175~176ページには、改正によります利用者や事業所に対する課題などもヒアリングされておりますので、かける労力とそれに見合う効果も考慮していただきまして、改定の間隔を広げたり、178ページのまとめに記載がありますように、設定方法の見直しなども今後御検討いただいてはどうかと考えます。
以上でございます。
○田中分科会長 様々な御指摘をありがとうございました。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。それでは、これらの4つの調査について簡単に意見を述べさせていただきたいと思います。
まず1つ目の、介護医療院の調査につきまして、13ページの図表34に、介護療養型医療施設への移行予定の調査の結果で、未定が27.1%、これはほかの委員からも御指摘がありましたけれども、いよいよ介護療養病床の廃止が2年に迫る中で、ここは課題だと認識をしています。直近の介護施設事業所調査におきましては、令和2年10月1日時点で回収率は93%ですが、令和2年10月1日における介護療養型の施設が556施設、そして、病床数が1万9338床となっています。厚生労働省が出している介護医療院の開設状況の3か月ごとの定期的な調査結果では、令和2年9月30日から直近の令和3年12月31日までに増えた施設が86施設でございます。
ということは、単なる参考資料となる単純計算の概算でございますけれども、令和2年10月1日辺りで556施設残っているところ、これまでに86が介護医療院に移行していますということは、単純に引き算すると470施設、もちろんほかの類型に移行したり、廃止したところもあると思いますけれども、ということは、まだかなり相当数、470施設程度の介護療養型施設が残っていることが推定されます。
同様に、病床数を計算しますと、1万5103床ぐらいになりますので、そこがこれから2年の間にどうソフトランディングするかが重要でございます。
先ほどの令和2年9月30日から令和3年12月31日までに86施設が増えていますけれども、その中で有床診が11施設増えています。これをどう見るかは難しいところですけれども、特に有床診療所の病室単位の介護療養病床等があると思いますので、この辺りへの支援もぜひよろしくお願いしたいと思います。
昨年度の介護報酬改定で移行計画未提出減算の導入もされましたので、都道府県のほうは自分の都道府県内における介護療養病床の把握は当然できていると思いますので、個別に丁寧に、ぜひソフトランディングできるように進めていただきたいと思っています。
続きまして、LIFEの調査につきまして、今回の調査時点におけるフィードバックは、まだまだ本来のフィードバックができていない状況でありまして、そういった状況下における調査と認識をしています。ということは、今回の調査中のフィードバックではなかなかPDCAが回しづらいものであったと思いますので、そういった視点で、この調査結果を見ていくことも必要ではないかと考えます。したがいまして、走りながら考える、要は本来のフィードバックへどんどん近づけていくという中で、次年度以降の調査をまた注視していく必要があると思っています。
そういった中で、10ページに、データを入力、職員の負担が大きいが63.8%という結果が出ています。これにつきまして、入力負担というのがいつも課題で上がってきますけれども、とりあえず今後のケアの質の向上、あるいはデータベースの構築に当たって、当然負担というものは増えると思いますから、かなり人材の厳しい現場に対してどこまでの入力を求めるか、入力項目は必ず増えますので、どこまで求めるかということも考えていかなくてはいけないかと思います。
LIFEの今後の課題としましては、やはりICT化の支援、特に小規模事業所も多く、文書からICTに変えるときの瞬間的な負担というのはかなり高いものになりますから、その辺りも踏まえて、丁寧にいろいろ支援が必要ではないかなと思っています。
もう一つ今後必要なことは、入力されているデータがちゃんと正確であるかどうか、入力データの精緻化の検証というのをやっていかないと、突然こういったLIFEというものを導入したわけなので、しかも介護分野でなかなかデータ入力に慣れていないところにこういったシステムを入れていますから、まず、入力データがちゃんと精緻化されないと、フィードバックの分析も意味が少なくなりますので、ここは今後必要だと思います。
それで、先ほど申しました本来のフィードバック、なかなか今の入力だと限界があるのですけれども、本来のフィードバックにできる限り今ある状況下で近づけていくことが大事だと思っています。その上で、PDCAの好事例を横展開するとか、そういったことが将来期待されるのではないかと考えています。
将来的には、やはりケアによってどういった介入をして、そのことによってどういう状態になっているのか、今は状態像の入力だけですので、やはり介入したものと状態像を紐づけていかないと、ケアの質の向上にはまだまだ難しいかなと思いますので、そういったことを将来期待しております。
続きまして、3番目の文書負担についてですけれども、12ページの図表25に、文章を電子作成保存しているメリットで、文書作成の時間が短くなったが特定施設が最も多くて50%になっています。我々の実感ですけれども、必ずしも電子による入力によって時間が短くなるということは、あまり現場的にはどうかなと思いますので、電子化で負担軽減ということはよく言われていますけれども、当然文書化とか電子化を考えることは必要です。必要なプロセスなので、そこを乗り越えていかなくてはいけないので、あまり時間というのは、そこは期待はせずに、現場といろいろなことを共有しながら課題として乗り越えていくことが必要だと思います。
最後に、福祉用具ですけれども、15ページでございます。福祉用具専門相談員の質の向上というのは、これまでも議論されてきましたけれども、ぜひ福祉用具専門相談員が退院・退所のカンファレンスへ参加していただきたいと思っているところです。
今回の調査では、参加状況があるので、今後はここをもう少し深掘りしていただいて、どれぐらいの参加をしていて、大体どういう関わりをしているのかということをぜひ深めていただいて、要介護者の方も一人一人かなり特性がありますので、本人の動作、あるいはその確認、あるいは在宅の環境、それに伴う住宅改修等を含めて、いろいろな課題がありますので、ぜひ病院や施設のリハビリ専門職員、OTさんとかと、対面で議論して、あるいは一緒にお家に訪問して、いろいろ支援するということが極めて重要であって、そのことによって御本人にフィットする有用な福祉用具の選択というのが初めてできるものと思っておりますので、この辺りも今後検討いただきたいと思います。
併せまして、医療機関とか介護事業所にもぜひ、福祉用具専門員の方を、こういうカンファレンスに呼んで参加していただくように推奨することも必要ではないかと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。4つの調査に基づく提案をしていただきました。
時間になってまいりましたが、よろしゅうございますか。
議題1については本日の資料を最終報告とすることでよろしゅうございますね。
(委員首肯)
○田中分科会長 ありがとうございます。では、これを最終報告といたします。
次に議題2のその他にまいります。介護保険福祉用具・住宅改修評価委員会の検討結果について、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目の在り方検討会について、この2つの報告を事務局からお願いします。
○須藤高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。私のほうから資料に沿いまして、報告事項について御説明申し上げます。
まず、資料3でございますが、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果についての御報告を申し上げます。今年度2回目の評価検討会を実施したところでございます。内容につきましては、開発企業等から提案のあった福祉用具の新規の提案4件及び令和2年度、昨年度の評価検討会におきまして、引き続きの評価検討の継続というような整理がされたものにつきまして、追加のエビデンスデータ等の御提出があり、整理があったということで、その継続案件ということで1件、合わせて計5件について評価検討を行わせていただいたところでございます。
それぞれの中身について簡単に御説明申し上げますと、まず福祉用具新規の4件につきまして、提案機器、まず、マルの1でございますが、馬乗り型電動車いすにつきましては、御議論がいろいろありまして、総合的な評価のところに書いてございますが、やはり在宅における住環境、また、要介護者が利用することによってどのような自立の促進、また、介護者の負担軽減が図られるか、そのような内容の御提案にちょっとなっていない、そのような御意見、また、御評価、それに加えまして、マルの2つ目にございますように、通常の車いすと比べまして、やはり利用時の安全に配慮が必要と考えられますので、ただ、当該対応につきましては、提案の内容におきまして準備中、また、検討中というものが多く見られたこともありまして、リスクに対する対応が不十分というような評価がございまして、結果としては否ということでございます。
また、2点目、マル2の衝撃吸収マットでございますが、こちらにつきましても、いただいた提案の中でございましたデータにつきましては、いわゆる施設における提供実績や実証実験に基づくデータでございましたが、やはり在宅における住環境等の違いもありますので、そうした観点から、要介護者が利用することによっての自立の促進等につながる提案になっていなかった。また、一般製品との差別化が非常に難しいというような御判断もありまして、結果として否という評価検討の結果でございます。
次のページでございますが、3つ目のマル3、誤嚥予防椅子につきましても、施設等での活用データが示されていたのですが、やはり提案の中で在宅の生活どのように本製品を必要とする、利用する方々、対象者の特定とか、そういうところに関するデータも含めた提案になっていない。また、一般製品との差別化がなかなか難しいという中で総合的評価がございまして、結果として否という評価検討の結果でございます。
4点目、マル4の認知機能測定訓練機器でございますが、こちらにつきましては市販されているトレーニングツール等、いわゆる一般製品との区別が明らかではなかった、また、日常生活で使用するような器具という、なかなか判断が難しいということで、それはやはり保険給付になじまないというような評価検討での意見がございまして、こちらも否ということで、新規の御提案については全て否という評価検討の結果でございます。
もう一つ、この資料の下の部分の継続案件の1件であります入浴用補助椅子につきましては、昨年度の評価検討で御指摘がありました、より対象者像に対し軽減された具体的な介助行為の内容、また、その程度の提示、こういったものがもっとデータに即して提示される必要があるということについて、今回追加でデータの提出がございまして、一定程度そこの部分に対して整理がされたという評価もあったのですが、今回追加で提出されましたデータにつきましても、ユーザーのいわゆる主観的内容を聞き取ったデータでありましたので、この点について、より客観的測定法を用いて、主観的だけな内容ではなくて、もう少し客観的、量的データをしっかりいただいた上で検討を進めていく必要があるのではないかという御意見もありましたので、こちらにつきましては、昨年度に引き続き評価検討の継続ということにさせていただいたところでございます。
いずれにいたしましても、今後引き続きこの提案を御検討されている企業さんを含め、評価検討の継続となっているような御提案につきまして丁寧に寄り添いながら、しっかりと評価検討につなげていきたいと考えておるところでございます。
もう1点、御報告事項でございます。資料の4でございます。介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会についての御報告をさせていただきます。資料の2ページのほうを先に見ていただきますと、先ほど鎌田委員の御質問に対して少し触れさせていただきましたが、令和3年度介護報酬改定審議報告におきましても、特にこの下の部分でございますが、福祉用具貸与・販売種目の在り方につきましては、利用実態を把握しながら貸与原則の在り方、また、適時適切な利用、安全性の確保、適正化の観点、こういった観点からしっかりとどのような対応ができるのかというのを考えるべしという審議報告の中で御意見・御指摘をいただいておるところでございます。
こうしたことを踏まえまして、1ページにお戻りいただければと思いますが、今回、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会という公開の議論の場を設けた次第でございます。この検討事項の内容は先ほどの審議報告で御指摘いただいたことをベースにしてございまして、この貸与・販売の現状、課題を踏まえた在り方の検討、また、適正化の方策、安全な利用の促進、サービスの質の向上等への対応、こういったことを幅広く検討する検討会としてございます。
スケジュールといたしましては、第1回は2月17日に行わせていただきまして、全般的な現状と課題に関する意見交換をまず行わせていただいたところでございます。今後、合わせまして4~5回程度の開催を検討してございます。1回目で幅広い御意見を種々賜りましたので、少し整理させていただきながら論点立てを行い、第2回以降の検討につなげていきたいという状況でございます。
私のほう、雑駁でございますが、御報告事項は以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
ただいまの報告について御意見・御質問がおありの方はどうぞ。特にございませんか。
進捗に応じて、また報告をお願いします。
本日の審議はここまでといたします。
最後に、次回の分科会の日程等について、事務局より説明をお願いします。
○占部総括調整官 次回の日程は、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところをありがとうございました。