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2022年6月28日 令和4年第1回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和4年6月28日(火)13:15~14:25
場所
厚生労働省省議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
出席者
- 公益代表委員
- 藤村委員長、鹿住委員、小西委員、中窪委員
- 労働者代表委員
- 伊藤委員、小原委員、永井委員、仁平委員
- 使用者代表委員
- 池田委員、大下委員、佐久間委員、新田委員
- 事務局
- 鈴木労働基準局長、青山大臣官房審議官、佐藤賃金課長、
友住主任中央賃金指導官、高松調査官、杉山副主任中央賃金指導官、長山賃金課長補佐、尾崎賃金課長補佐
議題
令和4年度地域別最低賃金額改定の目安について
議事
○藤村委員長
ただいまから「第1回目安に関する小委員会」を開催いたします。まず、小委員会の公開についてですが、従前から、審議自体を公開することは、運営規程第6条第1項に定めております「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当するということで、この規定を小委員会についても準用することといたしまして、非公開としております。
一方で、審議会の公開については、目安制度の在り方に関する全員協議会においては現在、議論を頂いているところであり、その取りまとめを踏まえて、今後の取扱いを決定するということにしたいと思います。ですから、本年の小委員会の会議については、非公開ということで実施していきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○藤村委員長
それでは、目安に関する少委員会は、非公開とします。恐れ入りますが、傍聴の方は御退席をお願いしたいと思います。
(傍聴者退席)
○藤村委員長
それでは、再開いたします。まずは、お手元の①資料№1「主要統計資料」、②資料№4「足下の経済状況等に関する補足資料」、③参考資料№1「最低賃金に関する調査研究」という順で事務局から説明をお願いします。その後に、資料ごとに質疑の時間を設けたいと思います。なお、次回以降提出を求める資料等については、参考資料№1の質疑の後にまとめて承りたいと思います。それではお願いいたします。
○尾崎賃金課長補佐
それでは事務局から説明します。説明の間に自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いていますので、そちらを回覧させていただきます。まず、資料№1「主要統計資料」を御覧ください。1枚おめくりいただくと目次がありますけれども、資料№1は3部構成になっております。まず、ロ-マ数字Ⅰが全国統計資料編、ロ-マ数字Ⅱが都道府県統計資料編、ロ-マ数字Ⅲが業務統計資料編となっています。資料が大部ですので、ポイントを絞って御説明いたします。
まず、全国統計資料編の1ページ目を御覧ください。主要指標の推移とあります。ほかの表も同じですけれども、基本的に過去10年間の年次の推移と直近の四半期あるいは月次の推移が示されています。表の中段に「令和3年」とありますけれども、こちらの数値を見つつ、適宜直近の数値を見ていくという形で御説明します。
まず一番左のGDPです。GDPの欄の真ん中辺りですけれども、令和3年の経済成長率は前年比で名目は+0.7%、実質で+1.7%となっています。さらに、鉱工業生産指数については令和3年が前年比+5.6%、製造工業稼働率指数については令和3年が前年比+8.0%となっています。更に、倒産件数ですが、令和3年度は前年比-22.4%となっており、減少しています。実数の6,030件は、出典の東京商工リサ-チによりますと、コロナ禍の各種支援策もあり、1964年に次ぐ57年ぶりの低水準ということです。更に右の完全失業者数は令和3年が195万人で、前年から3万人の増加となっています。完全失業率は令和3年が2.8%と、前年同水準となっています。表の下のほうの直近で見ますと、改善傾向で推移しており、4月は2.5%となっています。
続いて2ページを御覧ください。一番左の求人倍率について、令和3年の新規求人倍率は2.02倍と前年より上昇している一方、有効求人倍率は1.13倍と、前年と比べて低下しています。ただ、下のほうですが直近で見ますと、4月の有効求人倍率は1.23倍で、改善傾向で推移しています。その右の消費者物価指数は、小さく括弧書きで書いてありますが、資料全体を通じて「持家の帰属家賃を除く総合」を使っています。令和3年は前年比-0.3%となっています。足下の数値につきましては後ほど詳しく御説明します。
その右の国内企業物価指数ですが、令和3年は前年比+4.5%となっており、令和4年の直近では上昇傾向にあります。更に、その右は賃金(現金給与総額)の指数です。調査産業計については、令和3年は前年比名目で+1.0%、実質で+1.2%と、ともに3年ぶりのプラスとなっています。また、右側の製造業でも名目、実質ともにプラスとなっています。
続いて3ページですけれども、有効求人倍率の推移です。都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均してランクごとに表にしたものです。令和3年は前年の令和2年と比べてAランクで低下、Cランクでは同水準、B、Dランクでは上昇となっています。今年に入ってからは、全ランクで上昇傾向にあります。
続いて4ページは、年齢別の常用求人倍率の推移です。こちらは全員協議会でもありましたけれども、注2のとおり、令和2年から集計を取りやめましたので、令和元年までの数値となっています。
続いて5ページ目は、賃金の推移です。まず、現金給与総額ですけれども、一番上の行の真ん中辺り、令和3年の前年比は、30人以上の事業所で+1.0%、5~29人は0.0%で横ばいとなっています。また、下欄に定期給与額とあります。定期給与額は、現金給与総額から賞与などの特別に支給される給与を除いたものになります。前年比で見て、令和3年は30人以上の事業所で1.2%、5~29人の事業所では-0.1%となっています。また、定期給与額の値の下に、括弧内に数値が書かれていますけれども、これは定期給与額から残業代などを除いた所定内給与額の前年比の増減率です。令和3年は、30人以上の事業所が+0.8%、5~29人は0.0%と横ばいとなっています。
続いて6ページですけれども、パ-トタイム労働者の比率の推移です。ここ数年の傾向を見ますと、30人以上の所では25%台、5~29人では39%台と、おおむね横ばいとなっています。
続いて7ページは、初任給額と上昇額・率の推移です。先日の全員協議会での議論を踏まえて、今年から、初任給の上限額や率に加えて実額も、主要統計資料に入れることになりました。注1にありますとおり、上昇額や率は初任給額とは別に計算されたものであることに御留意いただければと思います。表の一番下に記載されている令和4年度の括弧内の上昇率は、前年度に比べて+0.8~1.9%となっています。
続いて8ページです。賃金・労働時間指数の推移は、事業所規模30人以上となっています。表の中段に令和3年とありますが、令和3年の所定内給与額は前年比で+0.8%、所定内労働時間も+0.8%となっていまして、結果的に時間当たり給与としては前年と同水準となっています。資料の一番下の令和4年1~3月期に関しては、時間当たりの所定内給与は前年同期比で1.7%の増加となっています。
続いて9ページですけれども、賃金・労働時間指数の推移の続きで、こちらは事業者規模が5~29人のものになります。令和3年は、所定内給与が前年と同水準で、所定内労働時間が-0.2%で、結果として時間当たりの所定内給与は+0.2%となっています。直近では表の一番下ですが、令和4年1~3月期も、時間当たり給与は前年同期比に比べて+0.6%となっています。
続いて10ページです。一般労働者、つまりフルタイムの労働者の賃金・労働時間の推移です。令和3年の時間当たり所定内給与の前年比は、10人以上の企業で-0.1%、うち10~99人企業では+1.3%、より小規模の5~9人の企業では-1.5%となっています。
続いて11ページ、月間労働時間の動きです。表の左が所定内労働時間です。令和3年は、事業所規模30人以上が前年比+0.8%、5~29人で-0.2%となっています。表の右の所定外労働時間を見ますと、調査産業計では、令和3年は30人以上で+7.4%、5~29人で+1.7%となっています。
続いて12ページ、春季賃上げの妥結状況になります。こちらは連合・経団連の集計結果を記載しています。まず、左上の表を御覧ください。連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計、表で言いますと左下の部分ですけれども、今年の第6回集計では2.2%となっています。注2に書いてありますとおり、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものとなります。その下に連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額が記載されています。時給では単純平均で22.15円、加重平均では23.75円の賃上げとなっています。次に、右側の経団連の今年度第1回の集計ですけれども、右上は大手企業で2.27%、右下の中小企業で1.97%となっています。
続いて13ページは、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示したものです。先ほどの連合・経団連の集計と異なり、令和3年の数値ですけれども、改定率は加重平均で1.6%となっています。右側の表は賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですけれども、「企業業績」が最も高い割合となっています。
続いて14ページですけれども、夏季賞与・一時金の妥結状況です。こちらは連合・経団連の集計結果になります。まず、上側の連合の集計では、夏季、年間とあり、最新の第6回集計での回答月数は、夏季では2.39か月、年間では4.88か月と、昨年より上回っております。また、経団連の令和4年第1回集計では、増減率は13.81%増加となっています。
続いて15ページは、消費者物価指数の対前年上昇率の推移です。表の右端の直近の数値を御覧ください。全国では、令和4年4月は+3.0%、5月は+2.9%となっています。ランク別で見ても、直近5月は+2.7~2.9%となっています。
続いて16ページですが、地域別最低賃金額と未満率、影響率の推移です。この表自体は「最低賃金に関する基礎調査」に基づく数値で、注4のとおり、規模が原則30人未満の事業所を調査の対象としています。令和3年度の未満率は1.7%、影響率は16.2%となっています。
続いて17ページは、同じく未満率、影響率を「賃金構造基本統計調査」の特別集計によって算出したものになります。こちらは注3のとおり、事業所規模5人以上が対象となっています。令和2年から集計方法が変更されましたので、下段の表は新しい集計方法で遡って集計したものです。一番右側の令和3年の未満率は1.9%、影響率は5.9%となっています。
続いて18ページは、地域別最低賃金と、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金水準との関係です。一番下の令和3年という部分を御覧ください。真ん中辺りの「時間額比①/④」すなわち平均賃金に占める最低賃金の割合を示していますが、令和3年で見ますと、規模10人以上の企業では49.9%と昨年より上昇しています。右端の一番下に、規模10~99人の数値がありますけれども、こちらは56.2%で、これも昨年より上昇しています。
続いて19ページは、同様のデ-タを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものになります。これも一番下の「令和3年」という部分を御覧いただければと思いますが、全体的に所定内給与額に対する最低賃金の比率は、令和2年には低下していますが、令和3年は上昇しています。
続いて20ページ、これは同様の割合について、毎月勤労統計調査でパ-トを含む常用労働者全体で見たものです。一番右側の時間額比の列を御覧ください。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は、令和2年には43.1%に低下していますけれども、令和3年は44.5%に上昇しています。
続いて21ページは、日銀短観による企業の業況判断です。規模計で見ますと、令和2年には-20~49ポイント近くまで低下していますけれども、令和4年3月には製造業で+2、非製造業で-2まで改善しています。先行きはやや低下しています。
続いて22ページは、日銀短観による経常利益です。規模計で見ますと、令和3年度の計画は製造業・非製造業ともに前年比で20~30%台のプラスとなっています。令和4年度の計画は、製造業で-2.8、非製造業で+1.0と、おおむね横ばいを見込んでいます。規模別に見ても、令和4年度計画は製造業、非製造業とも全ての規模で横ばいとなっています。右側は日銀短観による売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合です。令和3年度の計画では、いずれの規模、産業においても上昇を見込んでいますが、令和4年度の計画では、おおむね横ばい、ないしはやや低下の見込みとなっています。続く23、24ページは、21、22ページの数字を1974年以降時系列で示したものになりますので、後ほど御覧いただければと思います。
続いて25ページは、法人企業統計による企業収益です。表の下半分の売上高経常利益率を御覧いただきますと、規模計では令和3年に入ってからは5~7%の水準が続いています。
続いて26ページは、中小企業景況調査による業況判断です。合計を見ますと、令和2年の4~6月期は-66.7と大きく低下していますけれども、足下の令和4年1~3月は-34.6まで改善しています。ただ、コロナ前よりは低い水準という形になっています。
27ページですが、こちらは26ページの数字を平成26年以降、時系列でグラフにしたものです。
28ページは、法人企業統計による従業員一人当たりの付加価値額の推移です。直近で出るのは令和2年度までですが、令和2年度は産業・規模別全てでマイナスとなっています。29ページは、28ページの数字を時系列でグラフにしたものになります。
次に、「Ⅱ 都道府県統計資料編」について御説明します。まず、30ページは各種関連指標のデ-タです。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものになります。一番左の項目の「1人当たりの県民所得」は、内閣府の「県民経済計算」による平成30年度の数値です。東京は100で一番高く、一番低いのが一番下の沖縄で44.2となっています。中央の「標準生計費」は、各都道府県の人事委員会が作成している数値です。一番右の欄に「高卒の新規学卒者の所定内給与額」があります。男女別に見てみますと、一番高いのは男性では神奈川、女性では東京となっています。
続いて31ページは、有効求人倍率の推移です。令和3年は、Aランクの都府県全てで低下したのに対し、Dランクの県の多くでは上昇しています。表の下のほうですが、都道府県で一番高いのは福井の1.74倍、一番低いのは沖縄の0.7倍となっています。
32ページは、失業率の推移です。右から2番目の令和3年の列を御覧いただきますと、表の下のほうですが、最も失業率が高いのは沖縄の3.7%、最も低いのが福井、佐賀の1.6%となっています。
続いて33ページは、定期給与の推移です。令和3年の数値は6月末頃に公表予定ということで、令和2年の結果になりますけれども、最も高いのが東京で36万円程度、一番低いのが青森で23万円程度となっています。
続いて34ページ、パ-トタイム労働者の1求人票当たりの募集平均額です。先日の全員協議会での議論を踏まえ、今年から、次のページの下限額とともに、主要統計資料に入れることになりました。令和3年平均の結果を見ますと、石川と福島以外の全ての都道府県で令和2年平均よりも上昇しています。
続いて35ページは、同じく1求人票当たりの募集賃金下限額です。令和3年の平均の結果を見ますと、こちらも石川と福島を除いて全ての都道府県で令和2年より令和3年のほうが上昇しています。
続いて36ページですが、平均の月間総労働時間と所定外労働時間の推移です。こちらも先ほどと同様に、令和2年の結果ですが、左側の総労働時間が一番長いのは、島根の150.0時間、一番短いのは京都の129.9時間となっています。所定外労働時間の最長は愛知の13.5時間、最短は奈良の7.4時間となっています。
続いて37ページですが、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和3年は、多くの都道府県でマイナスとなっていますけれども、足下では全ての都道府県でプラスとなっています。直近の令和4年5月は、最も高いのが秋田で4.1%、最も低いのが愛媛と徳島で2.0%となっています。
続いて38ページは、消費者物価の地域差指数の推移です。令和3年の結果では、全国を100として最も高いのが東京の105.3、最も低いのは群馬の96.5となっています。
続いて39ページ以降は、労働者数の推移です。まず、39ページは常用労働者数の推移です。注1のとおり、事業所規模5人以上が対象となっています。これも先ほどと同様、令和2年の結果になりますが、29の都府県で常用労働者が減少しています。
続いて40ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。表の一番右下ですが、令和3年は、全国計では0.7%の増加となっていますけれども、Dランクでは10の県で減少となっています。ただし、注1にもありますとおり、被保険者数を見る際には、本社一括適用の事業所もあるということに留意が必要かと思います。
41ページは、就業者数の推移です。これは雇用者だけでなく、自営業者なども含めた就業者全体の推移になります。表の一番右の令和3年を見ていただきますと、前年に続き、Aランクでは増加した都県が半数を超えていますけれども、B、C、Dランクでは就業者数が減少した道府県が多くなっています。右下ですけれども、全国計では前年比0.0%と横ばいになっています。
次に、「Ⅲ 業務統計資料編」に入ります。42ページは、昨年度の改定審議の状況です。表の右から2番目に各都道府県の採決状況を記載しています。備考2を御覧ください。令和3年度は、全会一致が3件、使用者側(全部)反対が38件、労働者側(全部)反対が2件となっています。
続いて43ページは、目安と改定額との関係の推移です。一番右端の令和3年度は、目安を上回る改定額となったのはDランクを中心に7県でした。内訳を見てみますと、「+4円」が1県、「+2円」が2件、「+1円」が4県となっています。
44ページは、効力発生年月日の推移です。令和3年度については、31の都道府県で10月1日発効、最も遅い県(沖縄県)で10月8日発効となっています。
続いて45ページは、加重平均額と引上げ率の推移です。令和3年度は全国で見ますと3.10%の引上げ率となっています。ランク別に見ますと、Dランクが最も引上げ率が高くなっています。
続いて46ページは、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。こちらも先日の全員協議会での議論を踏まえ、平成14年度からの推移を主要統計資料に入れることになっています。令和3年度は最高額が1,041円で東京、最低額は820円の高知・沖縄の2県となっており、最高額に占める最低額の割合は78.8%で、格差は7年連続で縮小しています。
続いて47ページ、地域別最低賃金の引上げ率の推移です。引上げ率で見て、一番高かったのは島根県の4.04%。最も低かったのは東京の2.76%となっています。
続いて48ページは、全国の労働基準監督署において、最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。下の注書きにありますとおり、例年1~3月期に実施しています。その下の※ですが、令和3年は緊急事態宣言などが発出されたことに伴いまして、緊急性のあるものを除いて、監督の実施を延期したため件数が少なくなっています。表の一番下の令和4年を御覧いただきますと、令和4年は、およそ1万5,000事業場に監督を実施し、事業場の違反率は10.7%、最低賃金未満の労働者の比率は2.7%となっています。
監督指導の対象となる事業場については、監督署におきまして影響率の高い業種、あるいは過去の違反率が高い業種などを踏まえて、監督指導が効果的・効率的に行われるように選定されていますので、今申し上げた数値は統計的な数値とは異なるものということを御理解いただければと思います。
続いて49ページですが、監督指導結果の業種別の状況です。業種によって監督実施事業場数が大きく異なりますので、参考に御覧いただければと思います。大変長くなってしまいましたが、資料№1の説明は以上です。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。では、資料№1について、御意見、御質問をお願いします。ございませんか。
では、ないようでしたら、次に、資料№4の説明をお願いしたいと思います。
○尾崎賃金課長補佐
事務局です。それでは、資料№4「足下の経済状況等に関する補足資料」を御覧ください。まず、1ページですが、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の推移です。2022年に入り、感染者数は増加いたしましたが、3月以降は減少傾向が続いております。まん延防止等重点措置も3月21日に解除されております。
続いて2ページは、内閣府の「月例経済報告」です。2022年の基調判断の推移を表にしておりますが、一番左の「現状」については、5月に感染症に関する記載がなくなっております。また、表の左から2番目の「基調判断(先行き)」に関しては、「月例」のところに、5月までは最後の1文として、「また、感染症による影響を注視する必要がある」というのがずっと書かれておりましたが、「6月の月例」には記載がなくなっております。
3ページは、感染症に関連した仕事や生活への影響です。上のグラフの赤い部分を御覧ください。感染症の影響があったとする労働者の割合は低下傾向にあります。下のグラフの「影響の内容」を見ますと、真ん中辺りの「収入の減少」が最も多く、次いで「勤務日数や労働時間の減少」が多くなっております。
4ページは、連合の春季賃上げの妥結状況です。時系列で並べていますが、第6回時点の回答集計結果の推移を見ますと、今年の賃上げ率は2.09%、中小では1.97%となっております。
5ページは、経団連の春季賃上げ妥結状況です。今年の第1回の集計時点で、大手では2.27%、中小では1.97%となっております。昨年までの最終集計結果もグラフ化しておりますので、併せて御覧ください。6ページからは、地域別の状況です。
7ページを御覧ください。都道府県別の累積の感染者数です。人口10万人当たりで見ますと、沖縄県は例外ですが、Aランクの地域で感染者数が多くなっております。
8ページは、ランク別の完全失業率の推移です。グラフの青線がAランクですが、2020年4~6月頃から、特にAランクで完全失業率が上昇しております。ただ、足下では一時期に比べて改善していることが見て取れるかと思います。
9ページは、ランク別の有効求人倍率の推移です。どのランクでも、2020年の前半に大きく低下しており、その後は改善傾向が続いております。グラフの青線のAランクは、他のランクに比べて回復がやや遅れておりますが、足下の今年4月には1.05と1を超えております。
10ページは、ランク別の新規求人数の水準の推移です。このグラフは2020年1月を100%とした場合の推移ですが、どのランクでも2020年4月に大きく落ち込んだ後は回復傾向にあります。直近の今年4月を見ますと、Aランクも含めて全てのランクで2020年1月の水準を上回っております。
11ページからは産業別の状況です。12ページを御覧ください。主な産業の売上高経常利益率の推移です。「全産業」や「製造業」と比べて、青色の「宿泊業、飲食サービス業」、黄色の「生活関連サービス業、娯楽業」、緑の「運輸業、郵便業」の3業種は、2020年4~6月に大幅に低下しております。その後は、四半期ごとに変動はありますが、おおむね改善傾向にあります。ただ、宿泊業、飲食サービス業に関しては、直近で-4.5になっております。次の13ページは、産業別の売上高経常利益率の推移の詳細ですので、後ほど御覧ください。
14ページは、日銀短観による主な産業の業況判断DIの推移です。全体としては、2020年前半に大きく低下しており、現在は改善傾向にはありますが、まだ一部の産業ではマイナスになっております。
15ページからは、消費者物価の動向です。まず、16ページは、消費者物価指数の指標の種類です。4つあり、1つ目が「総合」、続いて、変動が大きい品目を除いた「生鮮食品を除く総合」と、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、最後に、当審議会の主要統計資料でも使用している「持家の帰属家賃を除く総合」の4つです。
17ページが、4種類の消費者物価指数の推移(対前年同月比)のグラフです。直近の5月の対前年同月比を見ますと、「総合」は2.5%、「生鮮食品を除く総合」は2.1%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.8%、最後に、「持家の帰属家賃を除く総合」は、直近で2.9%となっております。括弧内に、4月の数字を付記しておりますので、こちらも御参照ください。
18ページは、消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」の主な項目別の寄与度の推移です。足下では、食料品やエネルギーの寄与度が大きくなっております。また、グラフの右下ですが、2021年4月頃から、青色の携帯通信料の引下げ効果が見られており、今年4月から、その効果が剝落しているということも、4月に高い伸び率となった要因と考えられます。
19ページは、「基礎的・選択的支出項目別指数の推移」です。直近5月の数値を見ますと、必需品的な項目の「基礎的支出項目」が直近で+4.7%である一方、「選択的支出項目」に関しては+0.1%にとどまっております。
20ページは、「購入頻度階級別指数の推移」です。直近5月の数値を見ますと、購入頻度が「1か月に1回程度以上」の品目では+5.0%、「1か月に1回程度未満」の品目に関しては+2.2%となっております。
21ページからは、経済対策や中小企業への支援策の資料です。22ページは、昨年11月の経済対策の全体像です。感染症の影響によって厳しい状況にある方々への支援や賃上げの推進に向けた支援などが盛り込まれております。
23ページは、昨年11月の経済対策の執行状況です。家計支援、雇用支援、事業者支援のいずれも、コロナ禍のピーク時と比べて大幅に減少しています。
24ページは、現下の物価高騰等に対応して、今年4月に決定いたしました総合緊急対策の全体像です。
25ページは、ここ数年お付けしておりますが、中小企業の生産性向上等に係る支援策の予算額です。26ページは、主な生産性向上に係る支援策の令和3年度の実績になります。
最後ですが、27ページは、下請取引の適正化に向けた経済産業省の取組です。昨年末の「転嫁円滑化パッケージ」に加え、価格交渉の促進などの「取引適正化に向けた5つの取組」を実施しているところです。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
ありがとうございました。資料№4について、御意見、御質問をお受けいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
では、続きまして、参考資料№1の説明をお願いいたします。
○尾崎賃金課長補佐
参考資料№1「最低賃金に関する調査研究」を御覧ください。これは昨年、今年と、厚生労働省からの委託等で行った3つの調査研究の概要を御紹介するものです。1ページです。1つ目が、昨年度に三菱総合研究所に委託した事業の中で作成した「最低賃金に関する報告書」です。
2ページ目を御覧ください。こちらは報告書の作成の背景です。左下のグラフを御覧ください。2007年頃から、最低賃金の引上げ率は、賃金改定状況調査による賃金上昇率を上回っており、右側のグラフにあるとおり、影響率も2007年頃から高まってきております。また、諸外国でも最低賃金の影響を検証するような報告書を作成しており、こうした国内外の動向も踏まえて、今回、最低賃金の影響を分析・検証する報告書を作成することになったということです。
3ページ目を御覧ください。まずは、最低賃金引上げの賃金への影響です。右側のグラフを御覧ください。横軸が、最低賃金と時間当たり所定内給与額の差額です。「0」の所を御覧ください。2010年、10年前と比べて、最低賃金に張り付く労働者の割合が増えてきております。
4ページ目を御覧ください。最低賃金の引上げがどういった労働者に影響するかを見るために、最賃近傍の労働者を属性別に分析したものです。左下のグラフを御覧ください。産業別では「宿泊業, 飲食サービス業」の割合が大きくなっております。性別で見ると女性、年齢別では若年層や高齢層などで、最賃に近い労働者が多くなっております。
5ページ目を御覧ください。こちらは同じく最賃近傍の労働者について、世帯単位で見たものです。属性別の内訳は、左下のグラフのとおりです。右下のグラフは、貧困線未満の世帯に属する雇用者に占める最賃近傍雇用者の割合です。こちらは増加傾向にあります。これは最賃の引上げが、貧困世帯、貧困線未満世帯の所得や生活水準の改善に果たす役割が増してきているということかと思います。
6ページ目を御覧ください。雇用への影響です。上の四角囲みの一番上を御覧ください。雇用への影響は、今回の報告書の中で、完全失業率や産業別の雇用者数等の推移を見る限りでは、明確な影響を読み取ることができなかったとしております。ただし、実証研究では、雇用への影響の有無について定まった結論は得られていないところです。また、労働時間との関係ということで、右下のグラフでは、最賃近傍の労働者が就業調整を行っているかどうかについても分析しており、最賃近傍の2割ぐらいの労働者が就業調整を行っているということです。
7ページ目は、生産性や企業の対応についてです。下のグラフの左側は売上高経常利益率、右側は開廃業率と最低賃金との関係を見ております。いずれも最低賃金引上げとの関係は明らかにはなっておりません。企業の対応については後ほど御説明いたしますが、企業調査等の結果も見ていく必要があるかと思います。
8ページ目を御覧ください。最低賃金の地域差の関係です。左下のグラフは、最低賃金を賃金や消費等で実質化してみた数値です。実額以上に最低賃金の地域差は、実質化すると縮小傾向にあると分析しております。また、右下のグラフは、都道府県別の賃金分布の特性値です。例えば、下位5%目とか、25%目ということですが、こちらの地域差を見てみると、こういった平均賃金などの地域差のほうが、最低賃金の地域差よりも大きくなっております。これは最低賃金があることによって、低賃金層の地域差が一定の範囲に抑えられている可能性を示唆しているところです。
9ページは、最低賃金と地域間移動の関係です。右下のグラフのとおり、最賃近傍の労働者は、それ以外の労働者と比べて、仕事に就くために都道府県を跨いで移動する者は少ないと分析しております。
10ページを御覧ください。上の四角囲みの2ポツ目ですが、本書と同様の報告書を毎年作成することは現実的ではないとしつつ、今後とも定期的に最低賃金の影響について体系的な分析・検証を行い、その成果を関係者と共有していくことがますます望まれるという形で記載しております。なお、下の四角囲みに、本事業で御助言・御指導いただいた先生方のお名前を掲載させていただいております。
続いて、11ページからは調査研究の2つ目のもので、JILPTが実施した最低賃金の引上げによる企業の対応等に関する調査です。12ページが調査の概要です。表の上から3段目を御覧ください。調査の対象は、従業員規模300人未満の中小企業です。その2つ下ですが、調査時期は昨年の11月に調査したもので、有効回答数は6,590社、有効回答率は33.0%です。
13ページを御覧ください。地域別最低賃金額の認知の有無です。立地している都道府県の地域別最低賃金額を知っているかどうかというものですが、知っている中小企業の割合は84.2%で、内訳としては、企業規模が大きいほど、あるいはDランクほど、知っている割合は高いという傾向があります。
14ページを御覧ください。賃金決定に当たっての考慮要素です。上のグラフが、正社員の賃金決定の考慮要素です。「経験年数」を挙げる企業が最も多くなっております。一方で、下のグラフは、パート・アルバイトの賃金決定の考慮要素です。こちらは、「地域別最低賃金」を挙げる企業が最も多くなっております。
15ページを御覧ください。最低賃金の引上げに対する取組の有無と内容です。2016年以降、3%程度引き上がってきたのですが、2016年以降の最低賃金の引上げに対する取組を行ったことのある中小企業の割合としては、上のグラフの「取り組んだことがあった」というのが47.9%です。下のグラフは内容ですが、賃金引上げ以外で最も多いのは、「人件費以外の諸経費等のコストの削減」で、次いで「人員配置や作業方法の改善による業務の効率化」になっています。
16ページを御覧ください。最低賃金引上げに対する取組による労働生産性の変化に関する企業の認識です。グラフにあるとおり、「変わらない」と回答する企業が最も多く、半数程度となっております。
17ページは、最低賃金引上げに対応するために期待する政策的支援です。この選択肢の中で最も多いのは、「賃金を引き上げた場合の税制優遇の拡大」で、次いで「企業の生産性を向上するための設備投資その他の取組に対する助成金の拡充」となっております。
18ページ目からは、3つ目の調査研究です。「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が実施した最低賃金引上げに関する労働者の意識や対応等に関する調査です。
19ページが調査の概要です。表の上から3段目を御覧ください。調査対象は、最賃近傍労働者です。ここでは、時間当たり賃金が勤務地の地域別最賃の1.1倍未満の非正規雇用労働者で1年以上勤務している方に限定しております。調査方法は、Webでのモニター調査で、本年の5月に実施したものです。有効回答数は2,895人です。
20ページを御覧ください。過去1年以内の時間当たり賃金の上昇の有無と、上昇額です。最賃近傍労働者のうち、過去1年以内に時間当たり賃金が上昇したのは42.4%、上昇額は「20~29円」が最も多くなっております。
21ページは、過去1年間で時間当たり賃金が上昇した時期及び理由です。時期としては、「2021年10月」が最も多く、次に「2022年4月」となっております。その理由としては、「最低賃金が上がったから」が最も多くなっております。
22ページを御覧ください。賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた方に限定して、その影響を聞いたものです。左上のグラフ(図1)ですが、仕事のモチベーションへの影響としては、「変わっていない」が70%程度で、「やや上がった」と「上がった」を合計すると、25%程度です。左下のグラフ(図3)ですが、暮らし向きの変化を尋ねてみると、「変わっていない」が70%程度と最も多くなっています。右下のグラフ(図4)ですが、1か月当たりの賃金が増えた労働者に、増えた賃金の使途を尋ねたところ、「ほぼ全てを消費に回している」又は「多くを消費に回している」が、併せて60%程度となっております。
23ページを御覧ください。最賃近傍労働者に最低賃金についての認知を聞いたものです。最低賃金額自体を知っているというのは、53.1%です。また、昨年引き上げられたことは、66.2%の方が「知っている」と回答しております。知った方法としては、どちらも「テレビで知った」というのが最も多くなっております。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
最低賃金が上がったことを知らない人も大分いるのですね。これが実態でしょうか。この参考資料1について、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、次回以降、提出を求める資料がありましたら、御発言をお願いいたします。佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員
御説明ありがとうございました。厚生労働省様に事務局となっていただいているわけですが、皆様方におかれましては、今回の中賃、目安審議の開催に当たり、多大な御労苦と、今回の資料の御提示、ありがとうございました。深く感謝申し上げます。
追加の資料としては、資料№4の25、26ページ辺りになりますが、「中小企業の生産性向上等に係る支援策における主な補助金・助成金の実績」というものがあります。25ページには、その支援策の一覧が提示されております。特に26ページには、令和3年度の実績が掲載されております。ざっと計算しますと、24万1,960件くらいあります。我が国全体の中小企業数は357万と言われておりますが、単純に割れば、6.8%ぐらいに過ぎないわけです。つまり、まだまだ施策としては行き渡っていないのではないかということが示されていると思います。全てとは言わないまでも、希望する事業者に対して、施策が行き渡らない状況の中で、応募する機会があるから環境整備したとするには不十分であると思います。
そこで、26ページに書かれている各事業に応募している企業数ですが、実際には重複して受けている方もいらっしゃると思いますが、延べ数で差し支えありませんので、次回の審議の際に応募者数を教えていただければと思います。
また、追加の資料ではないのですが、先ほど大変お忙しい中、御臨席を賜った後藤大臣から御挨拶を賜りましたが、その中で「最低賃金の引上げにおいては企業が賃上げしやすい環境整備が必要であり、また、審議会の皆様におかれましては、できる限り早期の全国加重平均1,000円の実現に向けて、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論いただきますようお願いいたします」との御発言がなされたわけです。
この政府の方針の下、あくまで公・労・使の三者構成のこの審議会の場で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮して、指標、データに基づいて決定していく、納得感のあるフェアなプロセスでの審議をお願いしたいと思っています。
なお、毎回申し上げているのですけれども、私も今回で5回目の最低賃金の審議の機会に入っております。毎年、朝方まで審議が続いていて、特にこの2年間は4回の目安審議で終わらずに、5回、6回の目安の小委員会、そして、公労、公使の十数回にわたる審議が続いております。回を重ねるごとに審議が長時間となっておりますので、今年こそは、何とか22時には審議を終えて、深夜の審議とならないよう、円滑に進めていきたいと、私どもも願うところでございますので、何卒お願い申し上げます。資料の追加と併せて発言させていただきました。ありがとうございました。
○藤村委員長
今、佐久間委員から御提案のあった資料というのは、資料№4の26ページで、この件数は支給された件数ですので、申請数を知りたいということでしょうか。
○佐久間委員
そうです。おっしゃるとおりです。
○藤村委員長
分かりました。労働側はよろしいですか。
○仁平委員
ありがとうございます。まず労働側としても、全協での合意なども踏まえて資料を御用意いただいた厚生労働省事務局のご努力に感謝いたします。佐久間委員からもございましたが、円滑な運営というのは、私どもも大事なことであると思っている次第です。
追加資料の話ですが、正に、佐久間委員と重なる部分です。26ページの中小企業の生産性向上支援に関する主な助成金等実績に関する資料については、支給件数だけではなかなか評価しづらいという思いを持っております。助成金がきちんと中小零細事業者にも周知され、使われているのかという観点が大事であると思います。したがって、助成金ごとの認知度や予算の執行状況が分かる資料があれば、お示しいただきたいと思います。先ほど佐久間委員が指摘された申請件数も1つの取り方だと思っています。
その上で、もう1つ同じところでお願いなのですが、とりわけ最低賃金引上げに関する直接的な助成金である業務改善助成金について、都道府県ごとの実績も併せてお示しいただけないかなというのが追加資料に関するお願いです。
もう1つですが、企業倒産や廃業の理由にかかわる資料があれば、御準備いただけないかと思っております。主要統計資料には、倒産件数を示していただいていますが、昨今の状況を見ますと、昨年までとはまた違った状況にあるのではないかという思いをしております。その中で、例えば人材の確保や定着とか、後継者問題も含めて、経営上の課題というのも変化してきているのではないかという思いでおります。数字だけを見れば、政府の支援策や経営努力で、倒産件数自体は比較的低位で落ち着いて推移しているわけですが、今後の審議に当たって、倒産や廃業の理由について、より詳細に分かるような資料があれば是非お示しいただきたいと思っている次第です。
○藤村委員長
分かりました。佐久間委員から御提案のあった資料については、労働側もオーケーだということですね。
労働側からは、業務改善助成金の都道府県ごとの実績はどうかと、それから、企業倒産の詳細についての資料があればお願いしたいと。この2点について、使用者側はいかがでしょうか。御異論がなければ事務局にお願いしたいと思います。
(異議なし)
○藤村委員長
御異論はないようですので、全部で3点ですね。労使双方からの追加の資料としては、資料№4の26ページの申請件数、2つ目に業務改善助成金の都道府県ごとの実績、3つ目に企業倒産の詳細について分かる範囲で資料を提出いただきたいということでしたが、そのほかに何か追加でございますか。よろしいですか。
では、事務局が今後の日程案について資料を用意しておりますので、その説明をお願いいたします。
○佐藤賃金課長
資料№5を御覧ください。今後の予定です。例年どおり、第2回、第3回、第4回のところまで一応、予定として書かせていただいております。第2回は7月12日(火)、第3回は7月19日(火)、第4回は7月25日(月)ということです。場所は未定ということで、資料上は書かせていただいております。資料№5については以上です。
○藤村委員長
この予定について、それぞれ御意見はございますか。よろしいですか。では、この予定に従って、第2回、第3回、第4回までいきたいと思います。
最後に、私から幾つかお願いをしたいと思います。次回の第2回目の目安に関する小委員会の日程については、ただいま御説明がありましたように、7月12日(火)に予定されております。第2回の小委員会の場では、労使双方の委員の皆様におかれましては、今年度の目安についての基本的な考え方を御表明いただきたいと思っております。また、事務局におかれましては、例年提出をお願いしている賃金改定状況調査、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、ランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料、最新の経済指標の動向に関する資料を準備するようにお願いいたします。
先ほど、後藤厚生労働大臣の御発言の中に、3回、「できるだけ早期に加重平均1,000円」ということが出てまいりました。これを私どもがどのように捉えるかは、今後の目安審議の中での議論になるかと思いますが、消費者物価が上がっていく中で、それ相応の引上げというのが求められているのだろうと思っております。7月12日(火)の目安の小委員会において、労使双方から基本的な考え方を表明いただき、その後の議論に入っていきたいと思います。
それでは、本日の小委員会は、これをもちまして終了とさせていただきます。皆様、どうもお疲れ様でございました。
ただいまから「第1回目安に関する小委員会」を開催いたします。まず、小委員会の公開についてですが、従前から、審議自体を公開することは、運営規程第6条第1項に定めております「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当するということで、この規定を小委員会についても準用することといたしまして、非公開としております。
一方で、審議会の公開については、目安制度の在り方に関する全員協議会においては現在、議論を頂いているところであり、その取りまとめを踏まえて、今後の取扱いを決定するということにしたいと思います。ですから、本年の小委員会の会議については、非公開ということで実施していきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○藤村委員長
それでは、目安に関する少委員会は、非公開とします。恐れ入りますが、傍聴の方は御退席をお願いしたいと思います。
(傍聴者退席)
○藤村委員長
それでは、再開いたします。まずは、お手元の①資料№1「主要統計資料」、②資料№4「足下の経済状況等に関する補足資料」、③参考資料№1「最低賃金に関する調査研究」という順で事務局から説明をお願いします。その後に、資料ごとに質疑の時間を設けたいと思います。なお、次回以降提出を求める資料等については、参考資料№1の質疑の後にまとめて承りたいと思います。それではお願いいたします。
○尾崎賃金課長補佐
それでは事務局から説明します。説明の間に自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いていますので、そちらを回覧させていただきます。まず、資料№1「主要統計資料」を御覧ください。1枚おめくりいただくと目次がありますけれども、資料№1は3部構成になっております。まず、ロ-マ数字Ⅰが全国統計資料編、ロ-マ数字Ⅱが都道府県統計資料編、ロ-マ数字Ⅲが業務統計資料編となっています。資料が大部ですので、ポイントを絞って御説明いたします。
まず、全国統計資料編の1ページ目を御覧ください。主要指標の推移とあります。ほかの表も同じですけれども、基本的に過去10年間の年次の推移と直近の四半期あるいは月次の推移が示されています。表の中段に「令和3年」とありますけれども、こちらの数値を見つつ、適宜直近の数値を見ていくという形で御説明します。
まず一番左のGDPです。GDPの欄の真ん中辺りですけれども、令和3年の経済成長率は前年比で名目は+0.7%、実質で+1.7%となっています。さらに、鉱工業生産指数については令和3年が前年比+5.6%、製造工業稼働率指数については令和3年が前年比+8.0%となっています。更に、倒産件数ですが、令和3年度は前年比-22.4%となっており、減少しています。実数の6,030件は、出典の東京商工リサ-チによりますと、コロナ禍の各種支援策もあり、1964年に次ぐ57年ぶりの低水準ということです。更に右の完全失業者数は令和3年が195万人で、前年から3万人の増加となっています。完全失業率は令和3年が2.8%と、前年同水準となっています。表の下のほうの直近で見ますと、改善傾向で推移しており、4月は2.5%となっています。
続いて2ページを御覧ください。一番左の求人倍率について、令和3年の新規求人倍率は2.02倍と前年より上昇している一方、有効求人倍率は1.13倍と、前年と比べて低下しています。ただ、下のほうですが直近で見ますと、4月の有効求人倍率は1.23倍で、改善傾向で推移しています。その右の消費者物価指数は、小さく括弧書きで書いてありますが、資料全体を通じて「持家の帰属家賃を除く総合」を使っています。令和3年は前年比-0.3%となっています。足下の数値につきましては後ほど詳しく御説明します。
その右の国内企業物価指数ですが、令和3年は前年比+4.5%となっており、令和4年の直近では上昇傾向にあります。更に、その右は賃金(現金給与総額)の指数です。調査産業計については、令和3年は前年比名目で+1.0%、実質で+1.2%と、ともに3年ぶりのプラスとなっています。また、右側の製造業でも名目、実質ともにプラスとなっています。
続いて3ページですけれども、有効求人倍率の推移です。都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均してランクごとに表にしたものです。令和3年は前年の令和2年と比べてAランクで低下、Cランクでは同水準、B、Dランクでは上昇となっています。今年に入ってからは、全ランクで上昇傾向にあります。
続いて4ページは、年齢別の常用求人倍率の推移です。こちらは全員協議会でもありましたけれども、注2のとおり、令和2年から集計を取りやめましたので、令和元年までの数値となっています。
続いて5ページ目は、賃金の推移です。まず、現金給与総額ですけれども、一番上の行の真ん中辺り、令和3年の前年比は、30人以上の事業所で+1.0%、5~29人は0.0%で横ばいとなっています。また、下欄に定期給与額とあります。定期給与額は、現金給与総額から賞与などの特別に支給される給与を除いたものになります。前年比で見て、令和3年は30人以上の事業所で1.2%、5~29人の事業所では-0.1%となっています。また、定期給与額の値の下に、括弧内に数値が書かれていますけれども、これは定期給与額から残業代などを除いた所定内給与額の前年比の増減率です。令和3年は、30人以上の事業所が+0.8%、5~29人は0.0%と横ばいとなっています。
続いて6ページですけれども、パ-トタイム労働者の比率の推移です。ここ数年の傾向を見ますと、30人以上の所では25%台、5~29人では39%台と、おおむね横ばいとなっています。
続いて7ページは、初任給額と上昇額・率の推移です。先日の全員協議会での議論を踏まえて、今年から、初任給の上限額や率に加えて実額も、主要統計資料に入れることになりました。注1にありますとおり、上昇額や率は初任給額とは別に計算されたものであることに御留意いただければと思います。表の一番下に記載されている令和4年度の括弧内の上昇率は、前年度に比べて+0.8~1.9%となっています。
続いて8ページです。賃金・労働時間指数の推移は、事業所規模30人以上となっています。表の中段に令和3年とありますが、令和3年の所定内給与額は前年比で+0.8%、所定内労働時間も+0.8%となっていまして、結果的に時間当たり給与としては前年と同水準となっています。資料の一番下の令和4年1~3月期に関しては、時間当たりの所定内給与は前年同期比で1.7%の増加となっています。
続いて9ページですけれども、賃金・労働時間指数の推移の続きで、こちらは事業者規模が5~29人のものになります。令和3年は、所定内給与が前年と同水準で、所定内労働時間が-0.2%で、結果として時間当たりの所定内給与は+0.2%となっています。直近では表の一番下ですが、令和4年1~3月期も、時間当たり給与は前年同期比に比べて+0.6%となっています。
続いて10ページです。一般労働者、つまりフルタイムの労働者の賃金・労働時間の推移です。令和3年の時間当たり所定内給与の前年比は、10人以上の企業で-0.1%、うち10~99人企業では+1.3%、より小規模の5~9人の企業では-1.5%となっています。
続いて11ページ、月間労働時間の動きです。表の左が所定内労働時間です。令和3年は、事業所規模30人以上が前年比+0.8%、5~29人で-0.2%となっています。表の右の所定外労働時間を見ますと、調査産業計では、令和3年は30人以上で+7.4%、5~29人で+1.7%となっています。
続いて12ページ、春季賃上げの妥結状況になります。こちらは連合・経団連の集計結果を記載しています。まず、左上の表を御覧ください。連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計、表で言いますと左下の部分ですけれども、今年の第6回集計では2.2%となっています。注2に書いてありますとおり、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものとなります。その下に連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額が記載されています。時給では単純平均で22.15円、加重平均では23.75円の賃上げとなっています。次に、右側の経団連の今年度第1回の集計ですけれども、右上は大手企業で2.27%、右下の中小企業で1.97%となっています。
続いて13ページは、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示したものです。先ほどの連合・経団連の集計と異なり、令和3年の数値ですけれども、改定率は加重平均で1.6%となっています。右側の表は賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですけれども、「企業業績」が最も高い割合となっています。
続いて14ページですけれども、夏季賞与・一時金の妥結状況です。こちらは連合・経団連の集計結果になります。まず、上側の連合の集計では、夏季、年間とあり、最新の第6回集計での回答月数は、夏季では2.39か月、年間では4.88か月と、昨年より上回っております。また、経団連の令和4年第1回集計では、増減率は13.81%増加となっています。
続いて15ページは、消費者物価指数の対前年上昇率の推移です。表の右端の直近の数値を御覧ください。全国では、令和4年4月は+3.0%、5月は+2.9%となっています。ランク別で見ても、直近5月は+2.7~2.9%となっています。
続いて16ページですが、地域別最低賃金額と未満率、影響率の推移です。この表自体は「最低賃金に関する基礎調査」に基づく数値で、注4のとおり、規模が原則30人未満の事業所を調査の対象としています。令和3年度の未満率は1.7%、影響率は16.2%となっています。
続いて17ページは、同じく未満率、影響率を「賃金構造基本統計調査」の特別集計によって算出したものになります。こちらは注3のとおり、事業所規模5人以上が対象となっています。令和2年から集計方法が変更されましたので、下段の表は新しい集計方法で遡って集計したものです。一番右側の令和3年の未満率は1.9%、影響率は5.9%となっています。
続いて18ページは、地域別最低賃金と、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金水準との関係です。一番下の令和3年という部分を御覧ください。真ん中辺りの「時間額比①/④」すなわち平均賃金に占める最低賃金の割合を示していますが、令和3年で見ますと、規模10人以上の企業では49.9%と昨年より上昇しています。右端の一番下に、規模10~99人の数値がありますけれども、こちらは56.2%で、これも昨年より上昇しています。
続いて19ページは、同様のデ-タを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものになります。これも一番下の「令和3年」という部分を御覧いただければと思いますが、全体的に所定内給与額に対する最低賃金の比率は、令和2年には低下していますが、令和3年は上昇しています。
続いて20ページ、これは同様の割合について、毎月勤労統計調査でパ-トを含む常用労働者全体で見たものです。一番右側の時間額比の列を御覧ください。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は、令和2年には43.1%に低下していますけれども、令和3年は44.5%に上昇しています。
続いて21ページは、日銀短観による企業の業況判断です。規模計で見ますと、令和2年には-20~49ポイント近くまで低下していますけれども、令和4年3月には製造業で+2、非製造業で-2まで改善しています。先行きはやや低下しています。
続いて22ページは、日銀短観による経常利益です。規模計で見ますと、令和3年度の計画は製造業・非製造業ともに前年比で20~30%台のプラスとなっています。令和4年度の計画は、製造業で-2.8、非製造業で+1.0と、おおむね横ばいを見込んでいます。規模別に見ても、令和4年度計画は製造業、非製造業とも全ての規模で横ばいとなっています。右側は日銀短観による売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合です。令和3年度の計画では、いずれの規模、産業においても上昇を見込んでいますが、令和4年度の計画では、おおむね横ばい、ないしはやや低下の見込みとなっています。続く23、24ページは、21、22ページの数字を1974年以降時系列で示したものになりますので、後ほど御覧いただければと思います。
続いて25ページは、法人企業統計による企業収益です。表の下半分の売上高経常利益率を御覧いただきますと、規模計では令和3年に入ってからは5~7%の水準が続いています。
続いて26ページは、中小企業景況調査による業況判断です。合計を見ますと、令和2年の4~6月期は-66.7と大きく低下していますけれども、足下の令和4年1~3月は-34.6まで改善しています。ただ、コロナ前よりは低い水準という形になっています。
27ページですが、こちらは26ページの数字を平成26年以降、時系列でグラフにしたものです。
28ページは、法人企業統計による従業員一人当たりの付加価値額の推移です。直近で出るのは令和2年度までですが、令和2年度は産業・規模別全てでマイナスとなっています。29ページは、28ページの数字を時系列でグラフにしたものになります。
次に、「Ⅱ 都道府県統計資料編」について御説明します。まず、30ページは各種関連指標のデ-タです。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものになります。一番左の項目の「1人当たりの県民所得」は、内閣府の「県民経済計算」による平成30年度の数値です。東京は100で一番高く、一番低いのが一番下の沖縄で44.2となっています。中央の「標準生計費」は、各都道府県の人事委員会が作成している数値です。一番右の欄に「高卒の新規学卒者の所定内給与額」があります。男女別に見てみますと、一番高いのは男性では神奈川、女性では東京となっています。
続いて31ページは、有効求人倍率の推移です。令和3年は、Aランクの都府県全てで低下したのに対し、Dランクの県の多くでは上昇しています。表の下のほうですが、都道府県で一番高いのは福井の1.74倍、一番低いのは沖縄の0.7倍となっています。
32ページは、失業率の推移です。右から2番目の令和3年の列を御覧いただきますと、表の下のほうですが、最も失業率が高いのは沖縄の3.7%、最も低いのが福井、佐賀の1.6%となっています。
続いて33ページは、定期給与の推移です。令和3年の数値は6月末頃に公表予定ということで、令和2年の結果になりますけれども、最も高いのが東京で36万円程度、一番低いのが青森で23万円程度となっています。
続いて34ページ、パ-トタイム労働者の1求人票当たりの募集平均額です。先日の全員協議会での議論を踏まえ、今年から、次のページの下限額とともに、主要統計資料に入れることになりました。令和3年平均の結果を見ますと、石川と福島以外の全ての都道府県で令和2年平均よりも上昇しています。
続いて35ページは、同じく1求人票当たりの募集賃金下限額です。令和3年の平均の結果を見ますと、こちらも石川と福島を除いて全ての都道府県で令和2年より令和3年のほうが上昇しています。
続いて36ページですが、平均の月間総労働時間と所定外労働時間の推移です。こちらも先ほどと同様に、令和2年の結果ですが、左側の総労働時間が一番長いのは、島根の150.0時間、一番短いのは京都の129.9時間となっています。所定外労働時間の最長は愛知の13.5時間、最短は奈良の7.4時間となっています。
続いて37ページですが、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和3年は、多くの都道府県でマイナスとなっていますけれども、足下では全ての都道府県でプラスとなっています。直近の令和4年5月は、最も高いのが秋田で4.1%、最も低いのが愛媛と徳島で2.0%となっています。
続いて38ページは、消費者物価の地域差指数の推移です。令和3年の結果では、全国を100として最も高いのが東京の105.3、最も低いのは群馬の96.5となっています。
続いて39ページ以降は、労働者数の推移です。まず、39ページは常用労働者数の推移です。注1のとおり、事業所規模5人以上が対象となっています。これも先ほどと同様、令和2年の結果になりますが、29の都府県で常用労働者が減少しています。
続いて40ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。表の一番右下ですが、令和3年は、全国計では0.7%の増加となっていますけれども、Dランクでは10の県で減少となっています。ただし、注1にもありますとおり、被保険者数を見る際には、本社一括適用の事業所もあるということに留意が必要かと思います。
41ページは、就業者数の推移です。これは雇用者だけでなく、自営業者なども含めた就業者全体の推移になります。表の一番右の令和3年を見ていただきますと、前年に続き、Aランクでは増加した都県が半数を超えていますけれども、B、C、Dランクでは就業者数が減少した道府県が多くなっています。右下ですけれども、全国計では前年比0.0%と横ばいになっています。
次に、「Ⅲ 業務統計資料編」に入ります。42ページは、昨年度の改定審議の状況です。表の右から2番目に各都道府県の採決状況を記載しています。備考2を御覧ください。令和3年度は、全会一致が3件、使用者側(全部)反対が38件、労働者側(全部)反対が2件となっています。
続いて43ページは、目安と改定額との関係の推移です。一番右端の令和3年度は、目安を上回る改定額となったのはDランクを中心に7県でした。内訳を見てみますと、「+4円」が1県、「+2円」が2件、「+1円」が4県となっています。
44ページは、効力発生年月日の推移です。令和3年度については、31の都道府県で10月1日発効、最も遅い県(沖縄県)で10月8日発効となっています。
続いて45ページは、加重平均額と引上げ率の推移です。令和3年度は全国で見ますと3.10%の引上げ率となっています。ランク別に見ますと、Dランクが最も引上げ率が高くなっています。
続いて46ページは、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。こちらも先日の全員協議会での議論を踏まえ、平成14年度からの推移を主要統計資料に入れることになっています。令和3年度は最高額が1,041円で東京、最低額は820円の高知・沖縄の2県となっており、最高額に占める最低額の割合は78.8%で、格差は7年連続で縮小しています。
続いて47ページ、地域別最低賃金の引上げ率の推移です。引上げ率で見て、一番高かったのは島根県の4.04%。最も低かったのは東京の2.76%となっています。
続いて48ページは、全国の労働基準監督署において、最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。下の注書きにありますとおり、例年1~3月期に実施しています。その下の※ですが、令和3年は緊急事態宣言などが発出されたことに伴いまして、緊急性のあるものを除いて、監督の実施を延期したため件数が少なくなっています。表の一番下の令和4年を御覧いただきますと、令和4年は、およそ1万5,000事業場に監督を実施し、事業場の違反率は10.7%、最低賃金未満の労働者の比率は2.7%となっています。
監督指導の対象となる事業場については、監督署におきまして影響率の高い業種、あるいは過去の違反率が高い業種などを踏まえて、監督指導が効果的・効率的に行われるように選定されていますので、今申し上げた数値は統計的な数値とは異なるものということを御理解いただければと思います。
続いて49ページですが、監督指導結果の業種別の状況です。業種によって監督実施事業場数が大きく異なりますので、参考に御覧いただければと思います。大変長くなってしまいましたが、資料№1の説明は以上です。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。では、資料№1について、御意見、御質問をお願いします。ございませんか。
では、ないようでしたら、次に、資料№4の説明をお願いしたいと思います。
○尾崎賃金課長補佐
事務局です。それでは、資料№4「足下の経済状況等に関する補足資料」を御覧ください。まず、1ページですが、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の推移です。2022年に入り、感染者数は増加いたしましたが、3月以降は減少傾向が続いております。まん延防止等重点措置も3月21日に解除されております。
続いて2ページは、内閣府の「月例経済報告」です。2022年の基調判断の推移を表にしておりますが、一番左の「現状」については、5月に感染症に関する記載がなくなっております。また、表の左から2番目の「基調判断(先行き)」に関しては、「月例」のところに、5月までは最後の1文として、「また、感染症による影響を注視する必要がある」というのがずっと書かれておりましたが、「6月の月例」には記載がなくなっております。
3ページは、感染症に関連した仕事や生活への影響です。上のグラフの赤い部分を御覧ください。感染症の影響があったとする労働者の割合は低下傾向にあります。下のグラフの「影響の内容」を見ますと、真ん中辺りの「収入の減少」が最も多く、次いで「勤務日数や労働時間の減少」が多くなっております。
4ページは、連合の春季賃上げの妥結状況です。時系列で並べていますが、第6回時点の回答集計結果の推移を見ますと、今年の賃上げ率は2.09%、中小では1.97%となっております。
5ページは、経団連の春季賃上げ妥結状況です。今年の第1回の集計時点で、大手では2.27%、中小では1.97%となっております。昨年までの最終集計結果もグラフ化しておりますので、併せて御覧ください。6ページからは、地域別の状況です。
7ページを御覧ください。都道府県別の累積の感染者数です。人口10万人当たりで見ますと、沖縄県は例外ですが、Aランクの地域で感染者数が多くなっております。
8ページは、ランク別の完全失業率の推移です。グラフの青線がAランクですが、2020年4~6月頃から、特にAランクで完全失業率が上昇しております。ただ、足下では一時期に比べて改善していることが見て取れるかと思います。
9ページは、ランク別の有効求人倍率の推移です。どのランクでも、2020年の前半に大きく低下しており、その後は改善傾向が続いております。グラフの青線のAランクは、他のランクに比べて回復がやや遅れておりますが、足下の今年4月には1.05と1を超えております。
10ページは、ランク別の新規求人数の水準の推移です。このグラフは2020年1月を100%とした場合の推移ですが、どのランクでも2020年4月に大きく落ち込んだ後は回復傾向にあります。直近の今年4月を見ますと、Aランクも含めて全てのランクで2020年1月の水準を上回っております。
11ページからは産業別の状況です。12ページを御覧ください。主な産業の売上高経常利益率の推移です。「全産業」や「製造業」と比べて、青色の「宿泊業、飲食サービス業」、黄色の「生活関連サービス業、娯楽業」、緑の「運輸業、郵便業」の3業種は、2020年4~6月に大幅に低下しております。その後は、四半期ごとに変動はありますが、おおむね改善傾向にあります。ただ、宿泊業、飲食サービス業に関しては、直近で-4.5になっております。次の13ページは、産業別の売上高経常利益率の推移の詳細ですので、後ほど御覧ください。
14ページは、日銀短観による主な産業の業況判断DIの推移です。全体としては、2020年前半に大きく低下しており、現在は改善傾向にはありますが、まだ一部の産業ではマイナスになっております。
15ページからは、消費者物価の動向です。まず、16ページは、消費者物価指数の指標の種類です。4つあり、1つ目が「総合」、続いて、変動が大きい品目を除いた「生鮮食品を除く総合」と、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、最後に、当審議会の主要統計資料でも使用している「持家の帰属家賃を除く総合」の4つです。
17ページが、4種類の消費者物価指数の推移(対前年同月比)のグラフです。直近の5月の対前年同月比を見ますと、「総合」は2.5%、「生鮮食品を除く総合」は2.1%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.8%、最後に、「持家の帰属家賃を除く総合」は、直近で2.9%となっております。括弧内に、4月の数字を付記しておりますので、こちらも御参照ください。
18ページは、消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」の主な項目別の寄与度の推移です。足下では、食料品やエネルギーの寄与度が大きくなっております。また、グラフの右下ですが、2021年4月頃から、青色の携帯通信料の引下げ効果が見られており、今年4月から、その効果が剝落しているということも、4月に高い伸び率となった要因と考えられます。
19ページは、「基礎的・選択的支出項目別指数の推移」です。直近5月の数値を見ますと、必需品的な項目の「基礎的支出項目」が直近で+4.7%である一方、「選択的支出項目」に関しては+0.1%にとどまっております。
20ページは、「購入頻度階級別指数の推移」です。直近5月の数値を見ますと、購入頻度が「1か月に1回程度以上」の品目では+5.0%、「1か月に1回程度未満」の品目に関しては+2.2%となっております。
21ページからは、経済対策や中小企業への支援策の資料です。22ページは、昨年11月の経済対策の全体像です。感染症の影響によって厳しい状況にある方々への支援や賃上げの推進に向けた支援などが盛り込まれております。
23ページは、昨年11月の経済対策の執行状況です。家計支援、雇用支援、事業者支援のいずれも、コロナ禍のピーク時と比べて大幅に減少しています。
24ページは、現下の物価高騰等に対応して、今年4月に決定いたしました総合緊急対策の全体像です。
25ページは、ここ数年お付けしておりますが、中小企業の生産性向上等に係る支援策の予算額です。26ページは、主な生産性向上に係る支援策の令和3年度の実績になります。
最後ですが、27ページは、下請取引の適正化に向けた経済産業省の取組です。昨年末の「転嫁円滑化パッケージ」に加え、価格交渉の促進などの「取引適正化に向けた5つの取組」を実施しているところです。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
ありがとうございました。資料№4について、御意見、御質問をお受けいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
では、続きまして、参考資料№1の説明をお願いいたします。
○尾崎賃金課長補佐
参考資料№1「最低賃金に関する調査研究」を御覧ください。これは昨年、今年と、厚生労働省からの委託等で行った3つの調査研究の概要を御紹介するものです。1ページです。1つ目が、昨年度に三菱総合研究所に委託した事業の中で作成した「最低賃金に関する報告書」です。
2ページ目を御覧ください。こちらは報告書の作成の背景です。左下のグラフを御覧ください。2007年頃から、最低賃金の引上げ率は、賃金改定状況調査による賃金上昇率を上回っており、右側のグラフにあるとおり、影響率も2007年頃から高まってきております。また、諸外国でも最低賃金の影響を検証するような報告書を作成しており、こうした国内外の動向も踏まえて、今回、最低賃金の影響を分析・検証する報告書を作成することになったということです。
3ページ目を御覧ください。まずは、最低賃金引上げの賃金への影響です。右側のグラフを御覧ください。横軸が、最低賃金と時間当たり所定内給与額の差額です。「0」の所を御覧ください。2010年、10年前と比べて、最低賃金に張り付く労働者の割合が増えてきております。
4ページ目を御覧ください。最低賃金の引上げがどういった労働者に影響するかを見るために、最賃近傍の労働者を属性別に分析したものです。左下のグラフを御覧ください。産業別では「宿泊業, 飲食サービス業」の割合が大きくなっております。性別で見ると女性、年齢別では若年層や高齢層などで、最賃に近い労働者が多くなっております。
5ページ目を御覧ください。こちらは同じく最賃近傍の労働者について、世帯単位で見たものです。属性別の内訳は、左下のグラフのとおりです。右下のグラフは、貧困線未満の世帯に属する雇用者に占める最賃近傍雇用者の割合です。こちらは増加傾向にあります。これは最賃の引上げが、貧困世帯、貧困線未満世帯の所得や生活水準の改善に果たす役割が増してきているということかと思います。
6ページ目を御覧ください。雇用への影響です。上の四角囲みの一番上を御覧ください。雇用への影響は、今回の報告書の中で、完全失業率や産業別の雇用者数等の推移を見る限りでは、明確な影響を読み取ることができなかったとしております。ただし、実証研究では、雇用への影響の有無について定まった結論は得られていないところです。また、労働時間との関係ということで、右下のグラフでは、最賃近傍の労働者が就業調整を行っているかどうかについても分析しており、最賃近傍の2割ぐらいの労働者が就業調整を行っているということです。
7ページ目は、生産性や企業の対応についてです。下のグラフの左側は売上高経常利益率、右側は開廃業率と最低賃金との関係を見ております。いずれも最低賃金引上げとの関係は明らかにはなっておりません。企業の対応については後ほど御説明いたしますが、企業調査等の結果も見ていく必要があるかと思います。
8ページ目を御覧ください。最低賃金の地域差の関係です。左下のグラフは、最低賃金を賃金や消費等で実質化してみた数値です。実額以上に最低賃金の地域差は、実質化すると縮小傾向にあると分析しております。また、右下のグラフは、都道府県別の賃金分布の特性値です。例えば、下位5%目とか、25%目ということですが、こちらの地域差を見てみると、こういった平均賃金などの地域差のほうが、最低賃金の地域差よりも大きくなっております。これは最低賃金があることによって、低賃金層の地域差が一定の範囲に抑えられている可能性を示唆しているところです。
9ページは、最低賃金と地域間移動の関係です。右下のグラフのとおり、最賃近傍の労働者は、それ以外の労働者と比べて、仕事に就くために都道府県を跨いで移動する者は少ないと分析しております。
10ページを御覧ください。上の四角囲みの2ポツ目ですが、本書と同様の報告書を毎年作成することは現実的ではないとしつつ、今後とも定期的に最低賃金の影響について体系的な分析・検証を行い、その成果を関係者と共有していくことがますます望まれるという形で記載しております。なお、下の四角囲みに、本事業で御助言・御指導いただいた先生方のお名前を掲載させていただいております。
続いて、11ページからは調査研究の2つ目のもので、JILPTが実施した最低賃金の引上げによる企業の対応等に関する調査です。12ページが調査の概要です。表の上から3段目を御覧ください。調査の対象は、従業員規模300人未満の中小企業です。その2つ下ですが、調査時期は昨年の11月に調査したもので、有効回答数は6,590社、有効回答率は33.0%です。
13ページを御覧ください。地域別最低賃金額の認知の有無です。立地している都道府県の地域別最低賃金額を知っているかどうかというものですが、知っている中小企業の割合は84.2%で、内訳としては、企業規模が大きいほど、あるいはDランクほど、知っている割合は高いという傾向があります。
14ページを御覧ください。賃金決定に当たっての考慮要素です。上のグラフが、正社員の賃金決定の考慮要素です。「経験年数」を挙げる企業が最も多くなっております。一方で、下のグラフは、パート・アルバイトの賃金決定の考慮要素です。こちらは、「地域別最低賃金」を挙げる企業が最も多くなっております。
15ページを御覧ください。最低賃金の引上げに対する取組の有無と内容です。2016年以降、3%程度引き上がってきたのですが、2016年以降の最低賃金の引上げに対する取組を行ったことのある中小企業の割合としては、上のグラフの「取り組んだことがあった」というのが47.9%です。下のグラフは内容ですが、賃金引上げ以外で最も多いのは、「人件費以外の諸経費等のコストの削減」で、次いで「人員配置や作業方法の改善による業務の効率化」になっています。
16ページを御覧ください。最低賃金引上げに対する取組による労働生産性の変化に関する企業の認識です。グラフにあるとおり、「変わらない」と回答する企業が最も多く、半数程度となっております。
17ページは、最低賃金引上げに対応するために期待する政策的支援です。この選択肢の中で最も多いのは、「賃金を引き上げた場合の税制優遇の拡大」で、次いで「企業の生産性を向上するための設備投資その他の取組に対する助成金の拡充」となっております。
18ページ目からは、3つ目の調査研究です。「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が実施した最低賃金引上げに関する労働者の意識や対応等に関する調査です。
19ページが調査の概要です。表の上から3段目を御覧ください。調査対象は、最賃近傍労働者です。ここでは、時間当たり賃金が勤務地の地域別最賃の1.1倍未満の非正規雇用労働者で1年以上勤務している方に限定しております。調査方法は、Webでのモニター調査で、本年の5月に実施したものです。有効回答数は2,895人です。
20ページを御覧ください。過去1年以内の時間当たり賃金の上昇の有無と、上昇額です。最賃近傍労働者のうち、過去1年以内に時間当たり賃金が上昇したのは42.4%、上昇額は「20~29円」が最も多くなっております。
21ページは、過去1年間で時間当たり賃金が上昇した時期及び理由です。時期としては、「2021年10月」が最も多く、次に「2022年4月」となっております。その理由としては、「最低賃金が上がったから」が最も多くなっております。
22ページを御覧ください。賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた方に限定して、その影響を聞いたものです。左上のグラフ(図1)ですが、仕事のモチベーションへの影響としては、「変わっていない」が70%程度で、「やや上がった」と「上がった」を合計すると、25%程度です。左下のグラフ(図3)ですが、暮らし向きの変化を尋ねてみると、「変わっていない」が70%程度と最も多くなっています。右下のグラフ(図4)ですが、1か月当たりの賃金が増えた労働者に、増えた賃金の使途を尋ねたところ、「ほぼ全てを消費に回している」又は「多くを消費に回している」が、併せて60%程度となっております。
23ページを御覧ください。最賃近傍労働者に最低賃金についての認知を聞いたものです。最低賃金額自体を知っているというのは、53.1%です。また、昨年引き上げられたことは、66.2%の方が「知っている」と回答しております。知った方法としては、どちらも「テレビで知った」というのが最も多くなっております。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
最低賃金が上がったことを知らない人も大分いるのですね。これが実態でしょうか。この参考資料1について、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、次回以降、提出を求める資料がありましたら、御発言をお願いいたします。佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員
御説明ありがとうございました。厚生労働省様に事務局となっていただいているわけですが、皆様方におかれましては、今回の中賃、目安審議の開催に当たり、多大な御労苦と、今回の資料の御提示、ありがとうございました。深く感謝申し上げます。
追加の資料としては、資料№4の25、26ページ辺りになりますが、「中小企業の生産性向上等に係る支援策における主な補助金・助成金の実績」というものがあります。25ページには、その支援策の一覧が提示されております。特に26ページには、令和3年度の実績が掲載されております。ざっと計算しますと、24万1,960件くらいあります。我が国全体の中小企業数は357万と言われておりますが、単純に割れば、6.8%ぐらいに過ぎないわけです。つまり、まだまだ施策としては行き渡っていないのではないかということが示されていると思います。全てとは言わないまでも、希望する事業者に対して、施策が行き渡らない状況の中で、応募する機会があるから環境整備したとするには不十分であると思います。
そこで、26ページに書かれている各事業に応募している企業数ですが、実際には重複して受けている方もいらっしゃると思いますが、延べ数で差し支えありませんので、次回の審議の際に応募者数を教えていただければと思います。
また、追加の資料ではないのですが、先ほど大変お忙しい中、御臨席を賜った後藤大臣から御挨拶を賜りましたが、その中で「最低賃金の引上げにおいては企業が賃上げしやすい環境整備が必要であり、また、審議会の皆様におかれましては、できる限り早期の全国加重平均1,000円の実現に向けて、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論いただきますようお願いいたします」との御発言がなされたわけです。
この政府の方針の下、あくまで公・労・使の三者構成のこの審議会の場で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮して、指標、データに基づいて決定していく、納得感のあるフェアなプロセスでの審議をお願いしたいと思っています。
なお、毎回申し上げているのですけれども、私も今回で5回目の最低賃金の審議の機会に入っております。毎年、朝方まで審議が続いていて、特にこの2年間は4回の目安審議で終わらずに、5回、6回の目安の小委員会、そして、公労、公使の十数回にわたる審議が続いております。回を重ねるごとに審議が長時間となっておりますので、今年こそは、何とか22時には審議を終えて、深夜の審議とならないよう、円滑に進めていきたいと、私どもも願うところでございますので、何卒お願い申し上げます。資料の追加と併せて発言させていただきました。ありがとうございました。
○藤村委員長
今、佐久間委員から御提案のあった資料というのは、資料№4の26ページで、この件数は支給された件数ですので、申請数を知りたいということでしょうか。
○佐久間委員
そうです。おっしゃるとおりです。
○藤村委員長
分かりました。労働側はよろしいですか。
○仁平委員
ありがとうございます。まず労働側としても、全協での合意なども踏まえて資料を御用意いただいた厚生労働省事務局のご努力に感謝いたします。佐久間委員からもございましたが、円滑な運営というのは、私どもも大事なことであると思っている次第です。
追加資料の話ですが、正に、佐久間委員と重なる部分です。26ページの中小企業の生産性向上支援に関する主な助成金等実績に関する資料については、支給件数だけではなかなか評価しづらいという思いを持っております。助成金がきちんと中小零細事業者にも周知され、使われているのかという観点が大事であると思います。したがって、助成金ごとの認知度や予算の執行状況が分かる資料があれば、お示しいただきたいと思います。先ほど佐久間委員が指摘された申請件数も1つの取り方だと思っています。
その上で、もう1つ同じところでお願いなのですが、とりわけ最低賃金引上げに関する直接的な助成金である業務改善助成金について、都道府県ごとの実績も併せてお示しいただけないかなというのが追加資料に関するお願いです。
もう1つですが、企業倒産や廃業の理由にかかわる資料があれば、御準備いただけないかと思っております。主要統計資料には、倒産件数を示していただいていますが、昨今の状況を見ますと、昨年までとはまた違った状況にあるのではないかという思いをしております。その中で、例えば人材の確保や定着とか、後継者問題も含めて、経営上の課題というのも変化してきているのではないかという思いでおります。数字だけを見れば、政府の支援策や経営努力で、倒産件数自体は比較的低位で落ち着いて推移しているわけですが、今後の審議に当たって、倒産や廃業の理由について、より詳細に分かるような資料があれば是非お示しいただきたいと思っている次第です。
○藤村委員長
分かりました。佐久間委員から御提案のあった資料については、労働側もオーケーだということですね。
労働側からは、業務改善助成金の都道府県ごとの実績はどうかと、それから、企業倒産の詳細についての資料があればお願いしたいと。この2点について、使用者側はいかがでしょうか。御異論がなければ事務局にお願いしたいと思います。
(異議なし)
○藤村委員長
御異論はないようですので、全部で3点ですね。労使双方からの追加の資料としては、資料№4の26ページの申請件数、2つ目に業務改善助成金の都道府県ごとの実績、3つ目に企業倒産の詳細について分かる範囲で資料を提出いただきたいということでしたが、そのほかに何か追加でございますか。よろしいですか。
では、事務局が今後の日程案について資料を用意しておりますので、その説明をお願いいたします。
○佐藤賃金課長
資料№5を御覧ください。今後の予定です。例年どおり、第2回、第3回、第4回のところまで一応、予定として書かせていただいております。第2回は7月12日(火)、第3回は7月19日(火)、第4回は7月25日(月)ということです。場所は未定ということで、資料上は書かせていただいております。資料№5については以上です。
○藤村委員長
この予定について、それぞれ御意見はございますか。よろしいですか。では、この予定に従って、第2回、第3回、第4回までいきたいと思います。
最後に、私から幾つかお願いをしたいと思います。次回の第2回目の目安に関する小委員会の日程については、ただいま御説明がありましたように、7月12日(火)に予定されております。第2回の小委員会の場では、労使双方の委員の皆様におかれましては、今年度の目安についての基本的な考え方を御表明いただきたいと思っております。また、事務局におかれましては、例年提出をお願いしている賃金改定状況調査、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、ランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料、最新の経済指標の動向に関する資料を準備するようにお願いいたします。
先ほど、後藤厚生労働大臣の御発言の中に、3回、「できるだけ早期に加重平均1,000円」ということが出てまいりました。これを私どもがどのように捉えるかは、今後の目安審議の中での議論になるかと思いますが、消費者物価が上がっていく中で、それ相応の引上げというのが求められているのだろうと思っております。7月12日(火)の目安の小委員会において、労使双方から基本的な考え方を表明いただき、その後の議論に入っていきたいと思います。
それでは、本日の小委員会は、これをもちまして終了とさせていただきます。皆様、どうもお疲れ様でございました。