2022年8月4日第1回「障害児通所支援に関する検討会」議事録

日時

令和4年8月4日(木)17:00~19:00

場所

オンラインによる開催

出席者

【構成員】

議題

  1. (1)主な検討事項について
  2. (2)今後の検討の進め方等について
  3. (3)その他

議事

議事内容

○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第1回「障害児通所支援に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、よろしくお願いいたします。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録については後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
また、本会議は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、会議の模様をYouTubeによりライブ配信にて公開いたしますので、御承知おきください。
それでは、議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長の辺見より、開会の御挨拶を申し上げます。
○辺見社会・援護局障害保健福祉部長 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長の辺見てございます。障害児通所支援に関する検討会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
初めに、委員の皆様におかれましては、日々大変御多忙な中、委員御就任に御快諾をいただき誠にありがとうございます。また、本日は、第1回目の検討会に御参集いただきましたことを重ねて御礼申し上げます。
皆様御存じのとおり、先般の国会におきまして改正児童福祉法が成立いたしました。障害児支援については、昨年度開催いたしました障害児支援の在り方に関する検討会で整理いただきました内容を踏まえて、児童発達支援センターの一元化や児童発達支援センターが地域の障害児支援の中核的役割を担うことを明確にすることなどの改正が行われたところでございます。
今後は、令和6年4月の改正法の施行に向けまして、より具体的な方策を検討していくこととなります。
また、障害児通所支援については、改正法以外にも児童発達支援と放課後等デイサービスの役割や機能の在り方、また、地域におけるインクルージョンの推進など、さらに議論を深めるべき課題もございます。本検討会は、昨年度の検討会や障害者部会で整理いただきました内容をさらに深めていただく場となると考えております。私どもといたしましては、障害児支援施策をよりよい方向に推進させるため、本検討会を通じまして皆様の御意見、また、現場の皆様の御意見をよくお伺いしながら、来年4月に控えておりますこども家庭庁への移行、そして、令和6年4月の改正児童福祉法の施行に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
委員の皆様には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を頂戴できればと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、本日は第1回目ですので、構成員の皆様を50音順で御紹介させていただきます。お顔とお名前が一致しますように、事務局からの御紹介の後にZoomのミュート機能を外していただき、「よろしく」など一言だけ御発声いただきますようお願いいたします。
それでは、御紹介いたします。
まず、日本社会事業大学准教授、有村構成員です。
○有村構成員 よろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 帝京大学准教授、稲田構成員です。
○稲田構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 鳥取大学教授、井上構成員です。
○井上構成員 よろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長、内山構成員です。
○内山構成員 よろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会理事・政策委員長、小川構成員です。
○小川構成員 よろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 和歌山県精神保健福祉センター所長、小野構成員です。
○小野構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 一般社団法人全国児童発達支援協議会会長、加藤構成員です。
○加藤構成員 加藤です。よろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 公益財団法人日本知的障害者福祉協会副会長、北川構成員です。
○北川構成員 北川です。どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 一般社団法人全国重症心身障害日中活動支援協議会事務局長、木村構成員です。
○木村構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 白岡市健康福祉部保育課課長、小船構成員です。小船構成員は、御都合により途中からの御出席もしくは御欠席と伺っております。
続きまして、立命館大学教授、田村構成員です。
○田村構成員 よろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 一般社団法人全国介護事業者連盟理事・障害福祉事業部会部会長、中川構成員です。
○中川構成員 中川です。どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 大阪市福祉局障がい者施策部障がい支援課課長、福原構成員です。
○福原構成員 福原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会常務理事・事務局長、又村構成員です。
○又村構成員 又村でございます。よろしくお願いいたします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 香川大学准教授、松井構成員です。松井構成員は、30分ほど遅れて参加予定でございます。
社会福祉法人全国心身障害児福祉財団理事、米山構成員です。
○米山構成員 米山です。どうぞよろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 本日は、以上16名全員の構成員の皆様に御出席いただく予定でございます。
次に、事務局の職員ですけれども、配付いたしました座席表をもちまして紹介を省略させていただきます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
配付資料にありますとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料1、資料2、参考資料が1-1、1-2、2-1、2-2、3となっております。不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
また、事務局から資料について御説明させていただいた後に、構成員の皆様に御議論いただきますが、御発言される場合はZoomの「手を挙げる」機能を使用していただきますようお願いいたします。発言者はこちらから御指名させていただきますので、指名に基づきZoomのミュート機能を外して御発言いただく。御発言が終わりましたらミュートにしていただきますようお願いいたします。挙手をしているにもかかわらず発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合には、オンライン会議システムのチャット機能などで会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですので、チャット機能も併せて御使用いただけますようお願いいたします。しかしながら、原則としましては「手を挙げる」機能を使って意思表示をお願いしたいと思います。
続きまして、検討会を開催させていただくに当たり、会議の進行役である座長の選出を行いたいと思います。座長は構成員の互選により選出となっておりますので、どなたか御推薦をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
北川構成員、お願いいたします。
○北川構成員 ありがとうございます。障害児入所施設の在り方に関する検討会のときのワーキングを担当されて、かつ、障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた実務者会議の座長をされていた田村構成員を推薦いたします。いかがでしょうか。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 皆様いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
それでは、本会議における座長は田村構成員にお願いしたいと思います。
それでは、田村座長より、一言御挨拶をいただきたいと思います。
○田村座長 座長を引き受けさせていただきます田村といいます。
この会議は、関係者の方々はかなり注目されている会議だと思っています。先ほどの部長の御挨拶の中でもあったような論点以外にも、各関係方面で運営面も含めて注目されている部分もあります。いろいろな視点からの議論がされることを期待しております。1方向の視点からの議論だけではなくて、多くの多様な視点からの意見の中で方向性が収束していくような会議にできればと思っておりますので、忌憚ない意見を出していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
慣れていないので進行にばたばたするかもしれませんが、よろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございました。
続きまして、田村座長の指名により座長代理の選任を行わせていただければと思います。
それでは、田村座長、お願いいたします。
○田村座長 こういう座長ですので、しっかり代理の先生をつけていただきたいと思っていまして、有村構成員にお願いしたいと思っていますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、座長代理を有村構成員にお願いしたいと思います。
それでは、有村座長代理より一言御挨拶をいただきたいと思います。
○有村座長代理 有村でございます。昨年度開催されました障害児通所支援の在り方に関する検討会に引き続き参加させていただいております。そのときから御一緒させていただいている皆様もおられまして、大変心強く感じるところなのですけれども、私自身まだまだ学びながらというところがございます。子どもの最善の利益や通所支援の在り方の検討会の成果なども踏まえて、議論の促進の一助となれるように徹したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございました。
それでは、以降の議事進行につきましては、田村座長にお願いしたいと思います。田村座長、よろしくお願いいたします。
○田村座長 それでは、早速議事に入っていきたいと思います。
議事の(1)主な検討事項についてと(2)今後の検討の進め方等については、併せて事務局より資料の説明をまずお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○鈴木障害児支援専門官 皆様、事務局でございます。資料の説明をさせていただきたいと思いますので、まず資料1を御覧いただければと思います。「主な検討事項(案)」でございます。こちらの資料は、下の囲いの部分には、論点に関係する報告書の抜粋を載せさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、御説明させていただきたいと思います。
まず、Iですけれども、児童福祉法等の一部を改正する法律施行後の児童発達支援センターの方向性についてでございます。
まず、児童発達支援センターに求められる中核機能が発揮されるための人材配置、また、地域の事業所に対する相談・援助等の在り方についてどう考えるか。こちらはスーパーバイズ・コンサルテーションの仕組みでございます。また、児童発達支援センターを中心に地域の障害通所支援事業所全体の質の底上げを図っていくために、具体的にどのような仕組みにするかを考えていただきたいと思います。
さらに、福祉型と医療型を今般の児童福祉法改正で一元化いたしましたので、センターの一元化後の方向性について、どう考えるかでございます。
II、児童発達支援事業・放課後等デイサービスの総合支援型(仮称)と特定プログラム特化型(仮称)の方向性などについてでございます。
まず、1つ目でございますが、総合支援型と特定プログラム特化型の具体的な方向性として、どのようなことが考えられるか。
2番目、見守りだけや学習塾のような学習支援のみ、またピアノや絵画のみの指導となっているなど、必ずしも障害特性に応じた専門性の高い有効な発達支援と判断できないものについて、今後どのような対応が考えられるか。
3番目、発達支援を必要とする障害児の利用状況、幼稚園後に利用する併行通園、もしくは保護者の就労などの利用者の状態像に応じた支援を行うことについて、支援時間の長短などを考慮した上で適切に評価するためにどのようなことが考えられるか。3つの論点を示しております。
続きましてIII、子ども・子育て一般施策への移行などについてです。こちらはインクルージョンの観点でございます。
まず、年少期より障害の有無にかかわらず、子どもたちが様々な遊びなどの機会を通じまして、ともに過ごし、学び合い、成長することができる社会の実現を目指し、インクルージョンの推進を進めることが重要であるという大前提に基づいた上で、1番目、保育所等訪問支援事業につきまして、支援の実態を踏まえまして、より適切な評価の在り方、また、支援の標準的な期間などについてでございますが、支援の終了目安となる標準的な期間の在り方などについてどう考えるか。
2つ目が、事業所におきまして、一般施策への移行支援、また併行通園に関しまして、こちらも支援の実態等を踏まえまして、これらが効果的に実施されるための適切な評価の在り方や一般施策との連携もしくは移行に向けたプロセスの整理等についてどう考えるか、2つの論点を立てております。
IVでございます。障害児通所支援の調査の指標についてでございます。
支給決定につきましては、障害児の心身の状態を把握する上で、現行5領域11項目の調査を行っておりますが、食事や入浴等の身体介助の必要度及び行動上の課題のみが把握されておりまして、こちらの指標で発達支援の必要性の観点は含まれていないと承知しています。こうしたことを踏まえ、個々の障害児に特に必要とされる発達支援の内容などを把握することができる新たな調査指標の在り方について、その運用や活用の仕方を含めどう考えるかということで、こちらの新たな調査指標に関しましては、全国児童発達支援協議会さんに採択いただきました、令和3年度の研究事業の中で新しい指標案を作成いただいておりますので、こちらについてどう活用するか、運用するかを各論の中で御議論いただきたいと思っております。
最後になりますが、Vでございます。障害児通所支援の質の向上についてでございます。
まず、現行、児童発達支援及び放課後等デイサービスの各ガイドラインで定めております自己評価表と保護者評価表につきまして、改めて見直して改善点があるかどうか。また、その中で、運営基準などへの位置づけについて、どのようなものが考えられるかなど御議論いただきたいと思っています。また、第三者による外部評価の具体的な内容についてどう考えるか。
最後に、各事業所におきまして、自己評価・保護者評価の結果を皆さんの事業所で持ち寄り、お互いに意見交換会をしながら、事業所の強み・弱みを分析したり、お互いの効果的な取組を学び合うことで、閉じた関係ではなく、地域全体でよりよい支援の提供につなげていくために、具体的な仕組みについてどう考えるかという論点を立てております。
続きまして、資料2をご覧ください。今後の検討スケジュールでございます。
今回第1回目は、主な検討課題についての案、今後の検討スケジュール、また、この後フリートーキングをお願いしたいと思っております。
この後ですけれども、8月、9月で関係団体のヒアリングを行いまして、並行して9月から1月ぐらいで、各論の検討課題について御議論いただきたいと思っています。論点整理を行いまして、2月、3月に報告書を取りまとめ、令和5年3月で取りまとめして終了したいというスケジュールで考えております。
裏面ですが、ヒアリングについて御説明させていただきます。
ヒアリングを次回から少ししたいと思っておりますが、ヒアリングの内容につきましては、障害児通所支援の役割・機能などについての現状や課題や今後の方向性などについて、関係団体よりヒアリングを行ってはどうかということ。1団体につきまして10分程度で御説明いただき、その後、質疑・意見交換を想定。
ヒアリング団体ですけれども、事務局の案としまして記載がありますとおり、9団体様を挙げさせていただいております。ただ、上記のほか必要に応じまして追加でヒアリングを行うこともできますので、御意見等をいただければと思います。
資料につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田村座長 ただいま議事の(1)(2)の資料の御説明をいただきました。議事(1)(2)の御意見も含めて、今回は第1回目ですので、障害児通所支援の現状や課題、今後の方向性あるいは今回の進め方等について、構成員の皆様にお一人ずつ御意見をお伺いしていきたいと思っております。先ほどもありましたけれどもフリートークのような形になりますが、全員の御意見を伺って、ちょうど時間近くになるのではないかと思っております。
そうしましたら、名簿順でよろしいでしょうか。名簿順に、お一人ずつ御意見を伺っていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。有村構成員からになりますけれども、いいですか。
○有村座長代理 それでは、座長代理という立場にはなりますので、議論の促進に資すればということで、少し考えてきたところがございますので、自由にお話ししてみたいと思います。
私自身、通所支援の在り方の検討会等参加させていただいて、本当に勉強になったところがあります。私自身も、自分自身の息子が様々なサービスのお世話になっておりますこともありますので、そういった意味では、研究者というだけではなく保護者としての立場でもいろいろ考えながら見させていただいているところがあります。
かなり大きいなと思うのは、就学前のお子さん方、まさに自分自身の体験ともかぶるところですが、的確なサポートが得られている方と、そうではなくて、いろいろな情報に戸惑っている方もたくさんおられるなというのが実感として、すごくニーズを感じているところではあります。
そういった意味では、センターを中心とした支援の在り方の検討などが行われているわけですけれども、そこに子どもと家庭がしっかり入ってこないといけないなと思っていて、そういう意味では、これまでもソーシャルワークという枠組みや、あるいは相談支援協会さんなども受け皿になられたと思いますけれども、親御さんや家庭にしっかり情報を伝えて、エンパワーメントする仕組みがあって、また、センターも含めて当事者が一堂に集まるような仕組みみたいなものは、今回どこまで検討できるか分かりませんけれども、そういった在り方も検討していいのかなと思っています。保護者がパワーレスな状態に置かれるのではなくて、そこで御自身のお子さんや家庭の在り方、お子さんと一緒に中心になっていけるような仕組みが必要かなと思います。
あとはプログラムの在り方ですが、ここは皆様の御意見も伺いたいところではありますけれども、私自身は2つの分類、仮称とはなっておりますが、総合支援型と特定プログラム特化型の2つの枠組みだけで十分なのかどうかは、少し議論がなされたらいいのかなと思っていまして、時間やいろいろな話題がありますけれども、捉え方を少し検討してみるのも必要なのかなと思っています。
あとは、多くの事業者さんが連携するための情報共有の仕組みなども大事かなと思います。もちろん守秘義務なども絡むところではありますけれども、しっかりお子さんの状態像をセンターを中心とした枠組みの中できちんと把握していけるような仕組みも検討していかないといけないところかなと思っています。
その他幾つか意見もありますが、特に最初に申し上げました親御さん、お子さんも含めてアセスメントしたり、サービスを検討したりということができるような、例えば、子ども虐待のところで言うとファミリーグループ・カンファレンスという仕組みがありますけれども、そういった形も参考にしながら、子ども、家庭、生活があって、その延長に支援があるという姿を考えるべきなのかなと。まだまだ姿がきちんと見えているわけではありませんけれども、そういうふうに考えました。
ちょっと取り留めのない話になってしまったかもしれませんが、以上でございます。ありがとうございます。
○田村座長 有村構成員、急にお願いしてすみませんでした。
次に移る前に、先ほどの構成員の紹介のときに出席がまだでした小船構成員と松井構成員が入られましたので、簡単に顔出しと「よろしく」をお願いしたいと思います。
まず、小船構成員、お願いします。
○小船構成員 遅れまして大変失礼いたしました。埼玉県白岡市役所保育課で課長をしております小船と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございます。
次、松井構成員、お願いします。
○松井構成員 すみません、遅くなりました。香川大学の松井と申します。よろしくお願いいたします。幼児教育だったり、幼児の障害のあるお子さんのことを研究しています。よろしくお願いいたします。
○田村座長 今、資料の説明をしていただいた上で、各構成員から御意見を伺うということで始まったところでございますので、お二人の構成員も発言の御準備をしていただければと思っています。
では、名簿順にいっておりますので、次に、稲田構成員からよろしくお願いします。
○稲田構成員 帝京大学の稲田と申します。私は、発達障害や知的障害の方の支援を中心に行ってまいりまして、厚労科研で外部評価の研究や昨年度2年間は相談支援の研究に携わってきています。また、自治体のスーパーバイザーという形で全事業所のコンサルテーション等を行わせていただいた経験等がありますので、そのあたり踏まえて少し考えたことをお伝えさせていただきたいと思います。
まず、児童発達支援センターが基幹的にスーパーバイザーやコンサルテーションを行うところはすごく賛成なのですけれども、事業所の数が自治体によってかなり変わってくることと、年に1回や2回だけでは、なかなか変化につながりにくい部分もあるかと思いますけれども、私が訪問して事業所の方々からは、外部からの新しい視点や専門的な意見が聞けてよかったという意見もいただいていますので、事業所内だけでとどまらず外部の意見を取り入れる機会になるので賛成しています。頻度等、予算の関係もあるかと思いますけれども、そのあたりが調整かなと思います。
また、児童発達支援センターが保育所等訪問支援や相談支援事業所の機能を持つことも意見にあったと思うのですけれども、今割と自治体で起きているのは、自分の児童発達支援事業所、放課後等デイサービスの事業を利用される方だけ相談支援事業を使えますよという形で、ある程度独占的になっていまして、相談支援というのは、地域の中で御本人にとって必要な複数のサービスを提案・相談していくという機能があると思うのですけれども、1つ事業所だけと結びついているという実態がありますので、そのあたりをどう調整していくのかがまた課題かなと思っております。
あと、一番気になっているのは保育所等訪問支援なのですが、まず、ミニマムの時間が決まっていないということで、今現場で例えば30分だけ保育所等に訪問して観察だけして、実際に保育士さんや園長先生などのミーティングなしに、後で文書で通達するということも起きておりますので、ある程度枠組みを提示するという案があったと思うのですけれども、そのような形がいいかなと思っております。
受け入れる保育所と学校が新学期はばたばたしているので、夏休み以降や2学期以降にお願いしますと言われることもあるのですけれども、移行支援ということで保育所等訪問支援が機能するという側面も大きいかなと思いますので、そのあたり学校・保育所等と連携してタイムリーに適切な支援ができるように調整ができるといいかなと思っております。
以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
次に、井上構成員、お願いします。
○井上構成員 鳥取大学の井上と申します。私は、研究では家族支援、発達障害のある子どもさんの特に親御さんの支援として、ペアレントメンター、ペアレントトレーニングについて研究しています。あとは、特に自閉症の中でも強度行動障害という、行動障害のかなり強いタイプの子どもさんの療育とか、学校教育も含めて研究をしています。
そういう観点から、コメントさせていただきたいのですけれども、強度行動障害も昨今、虐待事件があったりして、十分に支援が受けられているかどうかという話題が保護者の中でも広がっています。行動上の問題がある場合に支援を断られるという、そもそもうちでは見られませんという方が一定数おられて、たらい回しになってしまったり、結局、園や学校になかなか出席できない、園や学校になかなか行けないというタイプのお子さんも、また放課後等デイサービスから疎外されてしまってということも、地域によって違うのですけれども、そんなこともあったりすると思います。行動上の問題がある方について、十分に対応できる事業所さんを増やしていく必要があると思いますし、お子さんの問題だけでなくて、保護者の方に支援ニーズがかなりある御家庭について、アセスメントやフォローをどうしていくかが大きな課題になっていくと思います。
児童発達支援センターが各事業所さんをスーパービジョンしたり、コンサルテーションする機能を持たせるのは非常にいいことだと思うのですけれども、その中で全国の児童発達支援センターの今レベル感がどの程度あるのかも把握された上で、例えば、ペアレントトレーニングが各事業所に広がる手前で、まずセンターでペアレントトレーニングがしっかりできる人材を育てた上で、徐々にそこに見学に行ったり、そこが指導するという状況をつくれれば、保護者支援についてこういうことをやっていますというところが、まずセンターの中にきっちり、どんなプログラムをやっていますかというのが位置づけられるかなと思ったりしています。ペアレントメンターも、今までは発達障害者支援センターを中心に回っていたのですけれども、市町で運用するという方向に今変わってきていると思います。しかしながら、市町の運用がいまいちうまくっていないという現状もあったりするので、養成は都道府県がやって、運用は例えば都道府県の支援センターが行ったりしながら、児童発達支援センターではメンターの運用をお手伝いいただくような役割分担、発達障害者支援センターと児童発達支援センターの役割分担がうまく行われるようになることを期待しています。
特定プログラム特化型と総合支援型ですが、私は専門が応用行動分析で主に自閉症のお子さんを対象にしたプログラムですけれども、親御さんが期待していらっしゃるのは、障害は多様ですけれども、障害に特化した効果的なエビデンスのあるプログラムがあります。なので、知的障害のある方、知的障害と自閉症の両方ある方、あるいはADHDのある方、LDのある方、発達障害の中でも当然プログラムは異なっているのですけれども、今専門家の間で、これは恐らくいいだろうというプログラムは大体エビデンスが決まっているので、それにのっとった領域をやっていますというところを挙げていかないと、特定プログラム特化型は、人はそろえているというだけだとうまくいかないかなと思っていたり、塾に近いようなところについても、こういう障害に対してはこういう領域を必ずやってくださいという大枠を示すことによって、ピアノをやっていますというのも、それなりの根拠があればいいのですけれども、例えば、塾でもうからないのでそういうのをやっていますだけのところは、多少ニーズがあったとしても、親御さんからすれば習わせたいのでニーズはあると思うのですが、それは普通のピアノ教室にインクルージョンしていただければいいので、その辺を区別していくような必要性はあるかと思います。
特定プログラム特化型と総合支援型の2つでいいのかに関しては、総合支援型をやりながら、ある特定時間は特定プログラム特化型に近いサービスを提供するというやり方もあるでしょうし、様々な多様性のあるやり方も考えていくべきかなと感じています。
私自身も勉強をまだしていかなければいけない部分もあるのですけれども、保育所等訪問については、何でも来いではなくて目的を明確化して、例えば、インクルージョンだったらインクルージョンという目的を、どう1回1回の保育所等訪問で達成していくのか。保育所等の目的をもうちょっと明確化していく必要があるかなと思います。そうしないと、ゴールが見えないので、ずっとやり続けてしまうことになるかなと思っています。
皆様のことでいろいろ勉強しながら私のできることをやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○田村座長 ありがとうございました。
内山先生はもう少ししてからにしたいと思いますので、次に小川構成員からお願いします。
○小川構成員 皆様お疲れさまです。小川です。私は日本相談支援専門員協会に属しておりますので、相談支援の立場から2~3意見を申し上げたいと思います。
私は、在り方に関する検討会にも参加させていただいておりましたので、議論の進め方、まとめ方についての方向感については、このまま進めていただければと考えているところでございます。
所属団体のカラーもありますので、とりわけ関心事としましては、児童発達支援センターに位置づく相談という機能をどのように捉えていくのか、具体的に役割として何を求めていくのかについては強い関心を持っております。とりわけ、発達支援の入り口としての相談機能や事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーションあるいは高い専門性に基づく発達支援・家族支援機能といったものをどのように定義づけるのかは、大変大きな意味があるだろうと考えております。
それから、先ほどたしか稲田構成員がお話しされていたようにも思いますけれども、相談支援事業の運営においての中立・公平性を担保されることの重要性や、サービス提供事業者からの独立性・客観性の確保といったものを児童発達支援センターの相談がどのように確保していくかについても大変強い関心を持っておりますし、そのことについては幾ばくかの意見を申し上げる機会に恵まれたらと思っております。
立場上もありますので、私からは相談支援に関する部分のみ、まずは意見をさせていただきます。
私からは以上でございます。
○田村座長 ありがとうございました。
次に、小野構成員からお願いします。
○小野構成員 どうも皆さん、初めまして。今回、児童精神科医という立場で議論に参加させていただこうかと思っています。
今までやってきたのこととして、30年ぐらい前、知的障害の人たちに非常にたくさん薬が投与されているとにもかかわらずあまり具体的なエビデンスがないという問題意識の中で、症状評価、治療の有効性を客観的に評価する必要性があるということで、異常行動チェックリスト(ABC-J)というものをつくらせていただきました。先ほど井上先生がおっしゃっていた強度行動障害の領域などで御活用いただけるようになってきているかと思うのですけれども、我々医療のサイドというのは、お薬を使う強力な介入も含めて、できるだけきちんとした指標に基づいて適切な評価が常に必要なのかなということには関心を持っています。
障害児の通所支援の中で、我々児童精神科医は診断する立場にあるので、支援を利用されるお子さんたちの評価の中で、特に診断が問題になってくるのかなと思っています。障害児通所支援はもともと知的障害、発達障害をベースにしてできていることかと思いますが、現在は、精神科診断がつくと全部障害児としての対象になってくるので、対象が非常に広がってきていると思います。私自身、児童福祉の領域で仕事してきたこともあるのですけれども、様々な不適応行動には基本的にほとんど何らかの診断がつけられるようになってきているので、障害児通所のサービスにも多様な子どもさんたちが入ってくることになると思うのです。なので、障害の範囲や今までの知的障害、発達障害の理解あるいは支援の方法論だけでは対応できないような問題も含まれてくるかもしれないというあたりをどうするのかも考えなければいけないと思います。実は、子どもの精神疾患の患者数はどんどん増えてきています。また、裾野も広がってきているということがあるので、障害児通所支援のニーズはどんどん高くなってくるであろう。なおかつ、求められる支援の質や内容の多様性はさらに広がってくるだろう。我々は診断する立場ですけれども、診断をつけただけでは支援と直結しない。要するに、特定の診断名でこういうプログラムですという診断と支援の内容が必ずしも一対一対応するものではないし、逆に診断が前に出すぎてしまうと、そこに集約されてしまうことによって、子どもさんが持っている多様なニーズが見えにくくなってきてしまう。その辺を注意しないといけないなということはずっと思っています。実際それらは日本の精神科臨床の中であまり評価されていませんが、10年ぐらい前にアメリカ児童青年精神医学会と一緒にやった仕事なのですけれども、CASIIというケアのレベルの評価尺度を用いて、家族の状況やサポートする環境がどれくらいあるのか、あるいは、治療やケアに対して抵抗する要因がどのくらいあるのか、そういうことも含めて、トータルでどの程度のケアが必要なのかという評価を併用していくことが、実際的な支援では重要になってくるのではないかと思っています。診断だけに基づく治療・ケアになってしまうと、個人の病理に還元されてしまいやすいところがありますが、子どもの抱えているいろいろな困難は純粋に障害だけに還元されるものではないので、それが我々診断する側としたら注意しなければいけないことだし、そこを直接支援される現場の方々たちと、どう共有できるかが非常に重要になってくると思います。
ですので、障害があることが最初の条件にはなってきますけれども、その背景にある多様なニーズをいかにうまく把握し、そこに手を差し伸べていけるのかを、障害児の支援の中でも生かしていけるような仕組みができたらいいなと思っています。
割と限られた立場からの参加にはなりますけれども、そういう視点からいろいろな形で意見を述べさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございます。
次は、加藤構成員から、よろしくお願いします。
○加藤構成員 皆さん、こんばんは。社会福祉法人からしだね「うめだ・あけぼの学園」という児童発達支援センターの学園長をしております。
今日の私の立場は、そうした団体の全国児童発達支援協議会という組織がありますが、2009年に立ち上げました。これはそれまでの知的障害児通園施設、肢体不自由児通園施設、難聴幼児通園施設、そして心身障害児通園事業という4つの団体が、当時の障害種別の一元化、施設種別の一元化に呼応して大同団結をした組織でございます。結果として、我々の団体は全国にありますのと、特に我々の特色は多様な職種の方々、お医者さんから各種セラピスト、保育士、心理、児童指導員、社会福祉士、栄養士等々、子どもの育ち・学びに関わる関係各種専門家と言われる人たちが集まった団体です。そこでは、ひたすら子どもたちの地域での暮らし・育ちに困難さを抱えている親子をしっかりと支え、寄り添っていこうということで長年活動してきているものです。
私自身も約半世紀、ひたすら子どもたちの育ち支援・寄り添いを見続けて今日に至っております。したがって、この間の様々な障害児支援の在り方あるいは障害施設の在り方等についてのいろいろな検討会等にも参加させていただきました。とにかくこの間、皆さんの賛同をいただけるかと思いますが、今から半世紀前の事態を考えていただいたらいいわけですけれども、確実に子どもの育ち支援については、行政的にも現実的にも充実してきていると私自身は経験として、自らの実感として確信しております。
ただ、残念ながら、それはいまだ途上であるということは、また一方で間違いのないことです。もっとはっきり申し上げれば、この間の様々な法律の改正、制度の改正等々は充実の一途であるにしても、それらの一つ一つは全てパーフェクトなものではない、あり得ないと私はこの間の経験で、これもまた確信しております。つまり、生み出してはいるのですけれども、その後の育ちについては、関係者が総意を結集して育てていくことが不可欠だということです。そういう意味でも、今回の児童福祉法の改正あるいはこども家庭庁の設置は、私が思うに、これは第3の進化のフェーズといいますか、つまり、最初のフェーズは1946~1947年ごろの戦争後のどさくさの中で児童福祉法に基づく措置が始まった。そこで大きな網が打たれて、混乱にさまよう子どもとその家族を支えたという一つの大きなフェーズがあったと思います。それがずっとその後、継続的に行われてきたわけですけれども、御案内のように2003年、2004年に措置制度から利用契約制度という、また大きな第2の進化のフェーズに突入したということです。ここでは、私自身も関係者として、そのことの必要性・意義を大きく主張した者の一人だと思って、そのことについては責任を感じています。残念ながら、これも様々な課題を現在に至って持ってきている、はらんできているということは皆様御案内のとおりです。
子どもに関しては、その後、幾多の検討会も行われ、児童福祉法の改正も行われ、結果として今日があるわけですけれども、しかし、さきの通常国会で部長からもお話がございましたように、直近の児童福祉法の改正、こども家庭庁の設置は、私たちの認識としては第3の進化のフェーズと受け止めています。これについては、当然のことですけれども、進化は不安や懸念やいろいろな心配事は当然あります。それは別に進化を言わなくても、冒頭申し上げましたように、様々な諸制度は常にそういう課題・問題を内包しつつ前進していると思いますので、そういう意味では別に取り立てて驚くことでもないのですけれども、しかし、その不安を乗り越えて新たな局面、新たに様々な課題を持ち、様々なニーズを持つ子どもと子育てをしている家族支援のために、新しいフェーズに我々は突入すべきだろうと確信しております。
しかし、そのためには今までの我々の愚直なといいますか、関係者がいろいろ頑張ってきた蓄積の積み上げを無駄にしてはいけない。言うならば、子どもたちにあと5年待ってくれ、あと10年待ってくれと言うわけにはいきません。彼らは今を生きているんです。そういう意味では、彼らには我々のできるベストではないかもしれないけれども、ベターを継続的に、持続的に、精力的に提供・展開すべきだろうと私は思っております。
そういう意味で、今回の検討会も、ぜひ皆さんのそれぞれのお立場での知識や経験、技術や感覚を総動員して、子どもたちのため、子育てをされている家族のために結集したい。そして希望が持てる、子どもたちにももっともっと大きな可能性・夢が持てるような時代が一日も早く来ることを心から期待しております。細かい話については、これからの議論の展開に応じていろいろ御意見申し上げていきたいと思いますが、とにかく我々のこれまでの議論の積み上げを無駄にしてはいけない。十分ではないかもしれないけれども、その時点、その時点で関係者が英知を結集して議論してきた一つ一つの積み上げである、そこに上積みする形で今回の議論がしっかりと展開されていけたらいいなと。そして、実りある、実効性のある制度・仕組みが、きちんと我が国においてでき上がっていくように期待したいと思いますし、ぜひ私も微力ながらメンバーを通して、その一人として貢献できたらと心から願っております。どうぞよろしく御指導お願いします。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
次に、北川構成員から、よろしくお願いします。
○北川構成員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の北川です。
私は、児童発達支援センターや児童発達支援事業・放課後等デイサービス、またそこから大きくなった青年たちの支援も行っています。前回の検討会に出させていただいていますので、方向性は出ていると思うのですけれども、今回はそれをどう具現化していくかという大切な検討会だと思いますので、皆さんとともにいろいろな方々の意見を聞きながら、いい方向性のために役割をしっかり担っていきたいと思っています。
特に、報告書にも書かれているのですけれども、子どもの最善の利益を社会全体でつくっていく環境づくりをとにかく柱に置く必要があると思います。特に、困り感のある子ども、障害のある子どもたちが日本の大切な子どもとしてきちんと育っていけるような、本当に大事な子どもだということをみんなで支えていくような社会になっていくための一つの通所の在り方はどうあるべきかを中心に添える必要があると思います。
今回は、一つの課題の中に児童発達支援センターがあります。今回一元化になり、地域の中核としての役割があると思います。これだけ増えた事業所の中で、いろいろな事業所がある中で、センターだけではなくて地域では本当にいろいろな子どもを受け入れているということと、特にセンターは自分の事業所だけではなくて、そこに地域で生きている本当に発達に困り感があったり、困り感のある子どもと家族をしっかりと支えていける地域をつくっていくという報告書の中に「子ども家庭福祉」という言葉も出ていましたけれども、本当に福祉施設であることを大切にしていかないといけないのかなと思います。
今回、センターは専門性ある発達支援や家族支援、本当に大切だと思います。ペアレントトレーニングプラスそれ以前にお話を聞いてカウンセリング的なケアが必要なお母さんたちもたくさんいますし、なかなか子育てが上手にいかなくて児童相談所などの連携の必要な方々も増えてきています。それから、地域の事業所を支えるということで、ここは児童発達支援センターができるのかという声も聞かれていますけれども、実際、地域の事業所を札幌市が主導して、例えば私のところだと東区とかそこの地域と一緒に連携しながら、循環して回ってオブザベーションしたり、困り感を聞いたり、一緒に研修したりということをやってきました。一気にすばらしいことはできないと思いますけれども、少しずつ少しずつ地域全体がよくなっていくための役割をやっていく必要が本当にあると思います。
それから、インクルージョンの推進、発達の相談の入り口ということで、センターは覚悟して重要な役割が求められていると思います。相談もやったり、やらなかったり、保育所等もやったり、やらなかったりではなくて、しっかりとそれを担っていく、今後本当に覚悟が必要なのかなと思います。
ただ、各市町村に児童発達支援センターを必ずとなったので、それだとまだ準備ができていないセンターや、実際に地域支援がまだできないところも出てくると思うので、具体的には人口規模なども含めて、財政的な問題もあるでしょうから、地域支援も含めてしっかりと人員も配置されたセンターをみんなで検討していく必要があるのかなと思います。
もう一つは、地域に住む困り感の高い子どもと家族を支えるというのが私たちの役割だと思うのですけれども、特に、福祉なのか文科省なのかといつも話題になって消えてしまうのですが、発達障害があって二次的なものとして不登校になる子どもたちも増えていると思いますので、その場合、子どもも家族も困り感が高くて、地域から孤立してしまったり、将来にわたっていろいろな困り感が本当に高くなってしまうので、子どもの時期に障害があって不登校になる子どもたちや二次障害になる子どもたちをしっかりと受け止めていく、放課後デイで受け止めていくという課題も、今回皆さんと一緒に話し合いできたらと思っています。
いろいろな課題があるのですけれども、今日はこのところで、そのときそのときで発言させてください。よろしくお願いします。
○田村座長 ありがとうございました。
次に、木村構成員からお願いします。
○木村構成員 全国重症心身障害日中活動支援協議会の木村でございます。
私は、重症児の日中活動支援の事業所の全国組織を代表して来ております。児童発達支援においても、重症児は少数派、マイノリティーでございますので、この検討会でも決して比例しているわけではないと思いますけれども、重症児や医療的ケアを必要とする子どもたちの代表者あるいは事業所の代表という意味においては少数派かもしれませんので、緊張しながらもきちんと話をお伝えしなければいけないと思っているところでございます。
時間が長くならないように気をつけたいと思いますが、先ほど加藤先生からも50年前と比べて大きく変わったというお話があったとおり、我々重症児の世界も三十数年前までは在宅サービスは皆無でした。重症児に対する在宅サービスは想像もできなかったので、入所するか家庭で親と暮らすかの二択しかない時代がずっとあったわけです。そういう中で、何とか重症児者に日中活動、福祉サービスができないかということで、平成元年に重症心身障害の通園事業ができたわけです。それはモデル事業でとりあえずやってみよう、駄目かもしれないけどやってみようということで始まったわけですが、普通モデル事業というのは1年か2年くらいで一般事業化されると思いますけれども、5年、6年たっても一般事業化しなくて、平成8年にやっと一般事業化されて、全国でやりたい人はぜひやっていいですよとなったわけです。そのときに国としては平成15年、7年後までに全国で300か所の重症児通園の事業所をつくるという目標を立てたのですけれども、実際に平成15年までにでき上がった事業所は半分程度でした。300か所に達したのは平成23年度末ですので、もう間もなく総合支援法が始まるという直前でした。
なぜモデル事業はすぐ終わらずに、いつまでたっても事業所が増えないのかというところに重症児のケアの手厚さや報酬の問題があったと思いますし、重症児施設など財政的に余裕のあるところは1,000万円、2,000万円の赤字でやっていて、中堅・ベテランを配置して恥ずかしくない事業をやろうということだったと思います。でも、そうではない知的障害や医療を持たない法人さんもたくさん参画してくださったのですが、毎年全国大会での悩みが、重症児通園を始めてみたけれども、こんなに大変だとは思わなかったので重症児は受け入れられない。1人目、2人目受け入れられても、3人目が受けられない、4人目が受けられないんだということが全国大会の場で毎年議論されるんです。これは違法ですかと質問するんですね。そうすると、先輩施設が、いや違法ではないのではないか。まず、これは事業所が重症児ではない利用者を選んでいるとしても、それを行政が認めてくれているのだから、措置に準じた制度だからいいのではないかとか、そんなところから励まし合いながら、慰め合いながら、でも、その一方で、うちはこんな活動をしているよなどと情報交換しながら、2人から3人、3人から4人、4人から5人と重症児を受け入れられるように何年もかけてなっていったというのが実態です。
総合支援法が始まってから近年、急激に増えています。それはなぜかというと、今回のヒアリング団体にもなっていますけれども、全国重症児者デイサービス・ネットワークの創設者である鈴木先生というもうお亡くなりになりましたが、その先生が全国を駆け回って親御さんに声をかけたんです。行き場所がないお子さん、社会との接点を断たれてしまったお母さん、そういった方々に声をかけて、自らそういう事業所をつくろうと言ってコンサルしてくださったのです。その鈴木先生が全国を駆け回ってくださったおかげで、ほんの数年間で150~200か所ぐらいの重症の子どもたちの通う場所ができました。お子さんとお母さんを合わせたら数百人から1,000人ぐらいの人たちの社会参加の場ができあがりました。我々社会福祉法人がやっても、いつまでたっても増えなかった、都道府県・市町村がやっても、いつまでたっても増えなかったんです。それは、重症児者、重い医療的ケアの人を他人が見るのがいかに大変かということなんです。どうしていいか分からない、死んでしまったらどうしようとか、すごく不安で、不安でたまらない。これは県立の子ども病院などから来たベテランの看護師であっても、一人ぼっちだったら同じ感覚になります。我々はたくさんの看護師さんたちを見てきましたけれども、例えば病院のチームの中では看ることができても、今1人で呼吸器ケアの人を看てくださいと押しつけられたら、ベテラン看護師でもその孤独感とプレッシャーで押しつぶされそうになって本当に難しいのですが、医療的ケア児のお母さんと専門職の看護師さんがタッグを組んだら、あっという間に全国に広がったんです、2~3年で。そういうことで重症児の場合は、制度改正等によって徐々に徐々に増えてきた側面もありますが、そのときそのとき幾つかの大きな要因があって、今30年前と比べて全然違う段階を迎えることができたなと思っています。この辺についても、ぜひ皆さんに御理解を深めていただけるべく発言の機会があればなと思っております。
もう一点、まさに今日座長をしている田村先生の御提案にあったわけですけれども、我々はこれから重症児の在宅支援を進めていく上で、重症児者コーディネーターなるものをまずは都道府県、最終的には児相設置市ぐらいまでは必要だと思いますけれども、そういうところに配置しながら総合的に見ていく必要があると思っています。そういった意味で、重症児者のケアセンターも必要ではないか。この辺のことをかつて提案したところ、厚生労働省でも前向きに捉えてくださって、我々の協議会としてコーディネーター養成研修のカリキュラムやテキストの作成に参画させていただきましたし、さらに現在では医療的ケア児のコーディネーターや支援センターとして発展的になってきたと思います。こことの関係がこれから重要かなと思っておりまして、私の所属する法人は受けさせていただけなかったんですけれども、札幌の在宅小児医療に大変熱心な医療法人さんがそこを受けて、そうすると、今まで呼吸器などをしてしまったら福祉サービスを利用することは絶望的だったのですが、そこを診てくれるお医者さんとつなげてくれる人が出てきたわけです。そこから福祉へのつながりという、生まれて初めて我が子を福祉につなげるという瞬間が、在宅医療をやっている先生のところが医療的ケア児等コーディネーターをやってくださったことによってスムーズにいったと思います。
我々が在宅福祉サービスを始めたときには、30年、40年で一度も福祉を使ったことがありませんという人がごろごろいたんです。特に重症児の場合には、タイミングを逃してしまったら我が子を他人になんて預けられないという親御さんがたくさんいらっしゃった。そうではなくて、生まれた瞬間から社会へ、専門職とともに、仲間とともに育てましょうといったことが、これからの時代には必要なのではないかと思っております。
すみません、ちょっと時間がかかってしまいましたが、そのような立場から発言の機会をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございました。
では、次にそろそろ内山先生、いけますでしょうか。お願いします。
○内山委員 はい、大丈夫です。ありがとうございます。
JDDnetから参加しています内山です。私の立場は、JDDnet=日本発達障害ネットワークからということです。あと私自身は児童精神科医をしています。児童精神科医にもいろいろなタイプがあると思いますけれども、私自身はかなり療育に関心があって、特に自閉症のTEACCHプログラムに関心があって、30年ぐらい前から導入や普及に努めています。
今回の児童の支援に関しては、関心があるのは療育の質、障害児通所支援の質の向上と相談支援との連携について、あと、虐待についても考えています。特に、質の評価及び向上については、先ほど稲田先生も発表されていましたが、稲田先生と一緒に2つの厚労科研をやってきました。JDDとしては、外部評価という言い方はちょっと誤解を受けやすいのですけれども、障害児支援の質をどう担保するか、それに非常に大きな関心があります。例えば、イギリスではアクレディテーションといって、イギリスの自閉症協会がサポートの内容を把握して、評価するのですけれども、評価と同時に支援の内容についてアドバイスと一緒に考えていく、結果的に質の向上を目指す、そういうシステムがあります。そういった似たシステムを日本でも導入できないかなと思っているところです。
先ほどセンターのほうで、お互いに評価し合うとか、自己評価・保護者評価について改善するというお話があったと思いますけれども、もちろんそれは大事だと思うのですが、同時に外部の人間が入っていって、一緒に療育場面を見て質の向上を考えて議論していく、そういうシステムが必要なのではないかと思っています。
あと、特に児童発達支援あるいは放課後デイに関しては、まず情報が親に行っていないということがあると思います。これも以前、厚労科研で調査したのですけれども、何を元に親が決めるかというと、相談支援専門員さんが一番多かったと思うのですが、次に保護者同士の口コミです。次が、事業所の職員の説明ということです。実際に、第三者評価とかWAMのインターネットの情報などを参考にする人は非常に少なかった。どうやって情報を親御さんに伝えて、親御さんの選択権を確保しておくかということが大事かなと思っています。
もう一点、そうやってネットを調べていくと、児童発達支援とか放課後デイの一部だと思うのですけれども、不適切なアウトカムを使っている、例えばIQが向上するとか、通常のクラスに入れますよといった、私たちから見ると支援目標を間違っているようなPRがすごく盛んにされていまして、それで親御さんが混乱することがあると思います。
特に、障害特性をあまり意識していない、自閉症であっても、知的障害であっても、どの障害であっても同じような支援をしている、個別の配慮をほとんどしていないといった事業所が結構ありました。これは、厚労科研で100か所以上の児発と放課後デイと日本全国回ってきて、実際に出向いて調査をしました。その中で、そういった問題が浮き上がってきています。
あと、宿題などをやらせる事業所があるという話がありましたけれども、それは非常に多いのですが、一つ言えば、宿題を出すほうに問題があると。学校で特別支援学級でも宿題が出て、それをぜひ放課後デイでやってもらわないとお母さんが困ってしまうと。放課後デイの職員も別にそれをやりたいわけではないけれども、ニーズがあってしようがなくやっているという状況があるので、これは文科省との連携、「トライアングル」プロジェクトとは言うものの、あまりそこはうまく機能していないところもあるのかなと思っています。
次に、相談支援についてですけれども、これも相談支援員さんにたくさんインタビューしたりアンケートをとったりしてきました。これは稲田先生が言ったので、あまり繰り返しませんが、一つは障害特性についてです。相談支援専門員さんたちも医学的評価とか診断は必要と答える方が65%いたのですけれども、実際に障害特性についてのアセスメントは30%しかしていないということがありました。この研究の中でたくさんの個別支援計画を読ませてもらいました。これは、私の目から見ると無理難題だという支援計画がたくさんありました。例えば、5歳の自閉症の子どもに、目標はみんなと仲よくして、みんなと協調性を養いたいみたいなことがあったのですが、私はこの仕事を35年くらいやっていると思うのですけれども、5歳の自閉症の子で、みんなと仲よくして協調性を養いたいなんて言った子は1人もいません。だから、当事者主体、子ども主体あるいはニューロダイバーシティと言いながら、目標はかなり画一的になっている。子ども主体のウェルビーイングを意識した目標にはなっていないのではないかということがあって、何だかんだ普通に近づけるという意識がまだまだ多いのかなというのが私の感想で、それで困らなければいいのですけれども、それによって子どもたちが非常に苦労していると思います。
虐待についても、いわゆるハードな、本当に暴力のような虐待ではなくても、例えば1人で本を読んでいるときに無理やりみんなと遊ばせるといったことも、子どもによっては苦痛になるんですね。私自身は児童精神科医ですけれども、今診ている自閉症の人の平均年齢は30歳超えています。要するに、10年、20年診たら大人になってしまうので。彼らに子どもときどんなことが楽しかった、どんなことが苦しかったと聞くと、みんなと協調して遊びなさいとか、1人でいちゃ駄目ですよといった、いわゆる普通に近づける教育や療育が苦しかったと言うことが非常に多いです。だから、この辺は児童の話ではあるけれども、大人になった障害のある人も含めて考えていく必要があると。彼らの意見を聞きたいと思います。
相談支援については、相談支援専門員さんたちにアンケートをとると、彼らが一番困る、自信がないとおっしゃっているのは、実は医療ケアと知的障害のない発達障害だったんです。医療ケアも知的障害のない発達障害も専門的知識が必要とされる部分で、その部分の研修が少ないのかなと思います。私自身も、自分で相談支援専門員さんのセミナーをリモートで受けたのですけれども、かなり長いセミナーでしたが大変でした。そこに医学的な専門的な知識から見ていくとか、障害特性から見ていくという視点が非常に少ないので、むしろそれはちょっと驚きました。そういう視点も必要ではないかと思っています。
あと、もう一点親御さんです。これも実際にケースを見ていると、親自身に発達障害がある方は決して珍しくない、軽度の知的障害の方も非常に多い。そういう方に対しても目配りをするような児童の支援が必要だと考えています。私自身はJDDから来ていますけれども、今も福島にいるのですが、横浜と東京と福島の沿岸部、今日は富岡に行ってきたのですけれども、すごい僻地で臨床しています。田舎の問題と都会の問題は結構違ったりしますし、地方はサービスが非常に少ないので、地方において田舎においてどういうサービスをできるか、それも入れ込んだ議論ができるといいなと思っています。
以上です。ありがとうございます。
○田村座長 ありがとうございました。
では、また名簿順に戻ります。小船構成員、お願いします。
○小船構成員 よろしくお願いします。私は、市町村行政枠で参加させていただいておりまして、所属する白岡市というのは埼玉県東部にあります、人口約5万2000人の小さな市です。相談支援も近隣の3市2町で行って、小さいながらも力を合わせながら、近隣と協力しながら、実際行っているような自治体です。私自身は保育課長としては2年目でございまして、その前は福祉課長として障害児者の福祉を所管してございました。
本日、途中参加で申し訳なかったのですけれども、事前に資料を拝見させていただいて、私から保育所についてお話しさせていただけたらと思います。
保育所というのは、一番小さくて0歳からお子さんをお預かりしているわけですけれども、保育所はまず保育士のほうで、このお子さんは気になる子だなという気づきがあって、そこから療育の必要性を発見して、児童発達支援や保育所等訪問支援につなげているケースが多くございます。その場合、保育所等訪問支援の事業所よりも保育所の保育士のほうが、その児童や保護者に対する情報量や関わりの期間の長さなどから、どうも事業所から支援を受けるというよりも、単に情報共有の場として保育所は認識しているようなことが実際、私の所管する保育所でも見受けられております。
もう一点は、保護者というのは保育所が先にスタートになってきた場合は特に、子どもを保育所に預けるという感覚が前提にありますので、そこから児発の事業所へつながったとしても、今度は保育所の代わりに児童発達支援事業所に預けるといった感覚をお持ちでして、ここが問題になってくると思うのですけれども、療育と預かりは分けて考える必要があると思います。先ほど井上構成員さんもおっしゃっていたとおり、保育所等訪問支援も目的を明確にということは、私も現場を見まして強く感じているところですので、こういったところも議論させていただければと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
○田村座長 ありがとうございました。
次は、私を一旦飛ばして、中川構成員、お願いします。
○中川構成員 皆様初めまして。全国介護事業者連盟障害福祉事業部会の会長をさせていただいております中川と申します。よろしくお願いいたします。
何分こういった検討会のメンバー、構成員に入れていただくのが初めてでございますので、まずもって簡単に我々が行っている活動をお話しさせていただきたいと思っております。
一般社団法人全国介護事業所連盟と名前がついておりますが、もともと2018年から介護の事業者を中心に立ち上がった団体でございます。サービス種別、法人種別を問わず横断的な団体組織をつくっていこうということで、現在全国に2,140社、1万4500事業所、これは介護・障害合わせて会員登録しております。その中で、障害福祉事業部会としてはまだ歴は浅いのですが、昨年の12月に立ち上がりました。これは共生社会の実現ということで今、介護施設をやられている方も障害福祉の包括的な支援を行いたいということで、障害福祉の分野にも多数入られておりますので、そういった意味で介護と障害、ノーマライゼーションの精神をしっかり持ち、やっていこうということで活動を始めました。
我々、横断的な団体ではありますが、今、非常に新規参入が多い民間の法人がメンバーとして多く連ねているような状況です。皆様方の中には、民間イコールあまりよくない事業所だという認識をされている方も、もしかするといらっしゃるかも分からないというのは重々把握しております。新規参入、児童のほうであれば平成24年から参入、民間に門が開いて、放課後等デイサービス、児童発達支援、様々な地域で様々な異業種からの参入が相次いでいるような中で、一部悪質な事業所、福祉の精神を持たない事業所等々あるのも我々としては十分承知している状況です。ただ、大多数の運営法人に関しましては、皆様方と思いは一緒で、子どもの将来をしっかりと担っていく、周りからサポートしていく活動を行っていくという同じ方向性を持たれている方が大半です。
我々の役割というのは、今回構成員のメンバーに入れていただいた一つというのは、恐らく大きく広がっていっている民間の団体、民間の声を聞きたいというところがあろうかと思いますので、私自身は今日は福岡からお話しさせていただいておりますが、昨日は東京、先週は北海道とか沖縄という形で全国を飛び回りながら、実際に事業者の声、親御さんの声などを聞いて、その意見を皆さんに聞いていただきたいという活動とともに、一部の悪質な団体に対して、もともと福祉の精神を持たない方々も一部いらっしゃるかと思いますが、大体数は思いがあっても、なかなか法令であったり、やり方が分からないという事業所が多いのも事実です。そこの間に立って、皆様方の声や厚生労働省、法令の部分をしっかりと事業所に伝えていくという役割を担いたいということで、今、一生懸命全国で活動させていただいているような状況です。
新参者でまだまだ未熟な部分がありますが、皆様から御指導・御鞭撻いただきながら、しっかりと事業所の声、民間の声を吸い上げることを求められている、それが我々の役割かと思っておりますので、しっかりと声を上げていきたいと思っております。
前置きが物すごく長くなってしまったのですが、議論の検討事項の中で、我々としては新参者でありますので、なかなかああだこうだということは申し上げにくい部分があるのですが、一部まとめてきましたのでお話しさせていただければと思います。
まず、児童発達支援センターについてですが、構成員の方々からもありましたが、全国の各発達支援センターの状況や、エビデンスのようなものをとっていくべきなのかなと思っております。人材が不足していて適正な支援、関係性、ペアレントトレーニング等含めてもできていないところも事実としてあろうかと思いますので、そういう意味では、実態の把握を今までも重々諸先輩方がやられている部分かと思いますが、いま一度その部分をより明確に行っていく必要があるのではないかと思っております。特に、保護者支援・機能、保護者向けの勉強会やメンタルケア、食育、生活指導などもあってもいいのではないかと思っております。
あとは、中立という立ち位置にはなりますが、民間の企業からすると児童発達支援センターイコール社会福祉法人様など、関係性とすると公平でというのはあるのですが、正直民間に関して言うと、少し離れた目線で見られがちな部分がありますので、そういった意味では関係性の部分でいくと、地域の質の底上げが地域の対立にならないような方向性で進めていただきたいと思っています。そういった優位性という恣意的なものでいくと、当然、今までの歴史を見ても、先駆者である社会福祉法人様のほうが力関係は強いという部分もありますので、そういったところに関しては、同じ方向性、同じゴールを目指しているという立ち位置ではありますので、どちらが優位でということがないように、公平に活動できるような文言を明記いただけたらと思っているところです。
次に、ここが実は我々としては一番声を求められているところかなと思っていますが、総合支援型と特定プログラム特化型の部分です。ここに関して、ピアノやサッカーとか我々の団体のメンバーの中でも、こういった療育支援をしているところもございます。ただ、我々として望むところに関して言うと、一部、発達療育支援としてかけ離れたような、ただ単にピアノをさせているだけとか、サッカーをさせているだけという事業所はあろうかと思いますが、大半の事業所は、療育をしっかりプログラムを用いてやっているところもございます。ですので、我々として望むところは、サッカーだけやっているから駄目だ、ピアノだけやっているから駄目だという大枠でばさっと切るのではなく、中身、質の部分、アセスメント、個別支援計画、カンファレンスなどをしっかり行っているところに関しては、私の認識ではしっかりと療育がなされていると思いますが、一部はそういった支援計画、アセスメントもないがしろにしているところが、皆様の今までの立場、今までの周辺関係先からするとびっくりされるかも分からないですが、実際にそういったことも行っていない事業所があるのも確かです。我々は、そういったところは淘汰されていくべきだと思いますので、しっかりと支援しているところの中身を集約した形でしっかり拡販、最終的な判断をお願いしたいと思っております。
あとは、保育所等訪問支援等に関しても、それぞれの領域がありますが、一部我々のメンバーの中でも、不登校児の方に関して登下校をセットにした支援も行っている事業所も自治体の許可の下ありますので、運営基準が現場の職員の支援に制限をするところよりももう少し幅を持たせた形での評価もお願いできればと思っている次第です。
あとは、質の向上に関しては、皆様がおっしゃられたとおりにはなりますが、第三者評価もございますが、しっかりと外部との連携を図りながらやっていくべきなのかなと思っております。専門職員を入れていくことになると、民間の事業所の悩みではあるのですが、今、労働人材不足があります。私は社会福祉法人様とのつながりもたくさん持たせていただいている立場からすると、求人・人材に関しても社会福祉法人様であれば非常に人材は集まりやすいと思うんです。今、民間の企業に関しては、なかなか専門職員の確保が厳しいのも現実でして、職員の求人だけで年間500万円から1,000万円ぐらい費やしているような事業所もあります。実際に重心の方をお預かりしていくような施設の悩みは、結局採用費でコストがすごくかかってしまって、受入れしていきたいのだけれども、実際持続を考えるとなかなか難しいという問題点もございます。これは、民間の企業ならではの悩みではないかと思いますので、当然質の向上は重要、そして専門職員を自社で配置していくところは重要なポイントになろうかと思いますが、持続・運営になるとそういったコスト、事業の存続も十分考えながら運用していかないといけないところがありますのでの、ここに関しては内部だけではなくて外部との連携を図っていくところを評価するといった柔軟な考え方もあってもいいのではないかと思っております。
本当に何度も申し上げますが、新参者ではありますけれども、民間の特に事業所の声を届ける代表だ、そのために構成員として選ばれたという認識を持って、意見をこれから出させていただきたいと思います。僣越ながら、しっかりと活動させていただきたい、意見を述べさせていただきたいと思います。恐らくどんな構成員が来るんだということで構えられた方ももしかしたらいらっしゃるのかなと私自身は思っております。一生懸命頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
長くなりましたが、以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
あともう5人ですけれども、福原構成員、お願いします。
○福原構成員 福原でございます。よろしくお願いします。
私は、自治体の立場で大阪市からということで今回参画させていただくことになりました。私個人といたしましては、実は障害児の福祉分野につきましては、3年目でまだまだ経験が浅いという立場です。障がい支援課ということでは本年4月から担当しております。過去2年間につきましては、実は指定障害福祉サービスの事業所の指定指導の担当ということで、主に指定業務や指導業務ということでおりましたので、サービスにつきましてはまだ3年目ですけれども、少し経験もしてきたという状況でございます。まだまだ勉強しながらという形にはなるのですけれども、皆さんの御意見もいただきながら積極的に参加させていただければと思っております。
今回お示しいただきました検討事項についてと、主な検討事項及びスケジュール案につきましては、御説明していただきましたとおり進めていただければと考えてございます。
お示しいただきました1番から5番、全て重要な検討課題ということで認識しておりますけれども、2番目にありますような児発、放デイのサービスの役割・機能の在り方や5番目の支援の質の向上に関しましては、常々様々な関係機関の方からの御指摘ですとか、利用者御家族さんからの御指摘・苦情等もいただいていまして、我々としても大変注目しているところでございます。
少し大阪市のことを御紹介させていただきますと、令和4年4月現在の状況ですが、福祉型児童発達支援センターが10か所、医療型児童発達支援が1か所ございます。児童発達支援の事業所につきましては665か所、放課後等デイサービスについては743か所の指定という状況になっております。平成24年度の児童福祉法改正時点と比較してみますと、児童発達支援、放課後等デイサービスともに、この10年で約10倍の増加という状況になっております。
また、支給決定の数も増加しておりまして、直近3年間で申し上げますと児童発達支援が毎年約500人、放課後等デイサービスでは毎年1,000人程度増加している状況が続いております。
一方、手帳の所持者数で申し上げますと、身体につきましてはほぼ横ばいなのですが、知的・療育の手帳や精神障害者保健福祉手帳については、毎年一定数増加が続いている状況になっております。
検討事項の1つであります児童発達支援センターに関しましては、本市10か所のセンターがございますが、いずれも専門職を配置して、高度な発達支援に積極的に取り組んでいただいているところがございまして、全てのセンターで現在、保育所等訪問支援と障害児相談支援の指定を受けていただいているところでございます。
本検討会におきましては、センターが求められます中核的機能が十分発揮されること、また、地域の障害児通所支援事業所全体の質の向上につながるための仕組みや必要な人材配置等につきまして、私、微力ではありますけれども、行政の立場から現場実態を踏まえながら、皆さんの御意見等も踏まえながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございました。
次は、又村構成員、お願いします。
○又村構成員 全国手をつなぐ育成会連合会(全育連)の又村でございます。よろしくお願いいたします。私どもは、知的障害のある人と御家族、支援者で構成される障害者団体の立場からということで発言をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
とりわけ障害のあるお子さんの通所の支援、障害児支援全般に言えることかと思いますが、支給決定を受けるのは親、利用するのは子どもという、これは法律上仕方のないことではありますが、そういう特徴がございます。したがいまして、私どもユーザー団体の立場としては、親御さんの立場から必要とされる支援の部分と、お子さんの育ちの部分から必要とされる支援が喧嘩するのではなくて、仲よく両方ともがよい形で進んでいけばよいなというのは、非常に強く感じているところでございます。
既に、社会保障審議会等でも会長の久保から申し上げておりますけれども、障害児通所支援の考え方としては、障害のあるお子さんが地域で当たり前に育ち、暮らすために重要な支援と考えておりますので、より一層の充実を期待しているものでございます。
それを踏まえまして、いただいた論点について、今日は総論的に少し課題・意識をお話しできればと思います。
まず、1点目に、ヒアリングの話で恐縮ですけれども、ダウン症協会さんのお名前がなかったかなと思いまして、特にお断りがあったのであれば別なのですが、私が一応委員で全育連、自閉症協会さんがヒアリングの構成団体に入っていましたので、バランスという意味では、特に知的発達障害分野からはダウン症協会さんのお声がけを御検討いただければというのが1点です。
次に、センター・事業の話でございます。これにつきましても私ども、ぜひセンターに中核的な機能を持っていただきたいという思いがございますけれども、先ほどほかの先生からもお話があったように、発達支援センターや最近は医ケア児支援センターも都道府県単位では整備されつつあるところ、この連携が必要になるかなということ。
それから、コンサルテーションのお話が御説明の中でございましたが、こちらは過去をひもときますと地域療育等支援事業がございました。今は一般財源化されていますので、やっているところとやっていないところがありますが、これ施設一般指導がまさにコンサルテーションに当たると。先ほど、たしか小船構成員だったと思いますけれども、保育所側から考えたときの支援といったものが、機関支援に当たるものだと思います。保育所等訪問支援は当然のことながら個別給付でございますので、親御さんが利用の内容を理解した上でお子さんの支援に同意し、支給決定を受けると。もっと言うと、子どもの場合には大体1割負担がかかりますので、上限4,600円で止まる方が多いですけれども、利用者負担を払ってでも個別の支援が必要という切り口と、園としてどういう関わりが必要かについてお手伝いしてほしいという視点、このコンサルテーションの部分については、何らかの事業を創設する必要があるのではないかと考えております。
それから、放課後等デイサービスへの支援も今後センターの大きな役割になってくると思いますが、御案内のとおりセンターの多くは旧障害児通園施設でございますから、基本的には未就学のお子さんを中心に対応してきたところ、放デイのほうが今や数が多い状況で、この地域全体の支援についてセンターがどのような力を発揮できるか、支援力の向上については新たな研修スキームなども必要ではないかと考えております。
また、センターそのものが全国各地にくまなくあるわけではございません。先ほど北川構成員も十分な数がない地域もあると、あるいは内山構成員からも地域・地方部ではそもそも存在しないというご意見もありましたので、センターか事業かに関して言えば、センターには施設要件がありますので、センターになるためには施設要件をクリアしなければなりませんけれども、機能としてセンター的な機能を果たす、簡単に言うと児発事業と児発センターの中間的な、中核的な児発事業という考え方がないと、センターが全てやりますとなったときに、センターがないことをもってその地域が遅れていくということは具合が悪いと考えますので、これも少し検討が必要かなと考えました。
総合と特定の話でございます。まず、特定の考え方については、先生方のお話はごもっともと思うのですが、ユーザーサイドとしては現に利用しているお子さんがおられることが大変重要なポイントと考えております。明日から使えなくなりますよということでは大変困るお子さんも多いということで、1つはソフトランディングの話、もう一つは、御案内のとおり障害者差別解消法が改正されて、合理的配慮の提供が民間事業者も含めて義務になるということも踏まえての、本来の枠組み、塾であれば塾、スポーツであれはスポーツ、文化・芸術であれば文化・芸術のカルチャーセンターや塾などが合理的配慮の提供が受けられるという観点からノーマライゼーションになっていくという視点は、ぜひステップを間違えずに、いきなりサービスを止めてあとは合理的配慮で頑張ってくださいでは回りませんので、合理的配慮がどういう形で提供できるかの仕組みを整えてから、ノーマライゼーションの考え方を進めていただければと考えております。
また、いわゆる親御さんへの就労も含めた支援の在り方については、少し本腰を入れた議論が必要と考えています。法改正はもうできませんので、あとは類型と利用者負担です。この部分の検討は避けて通れないかなと考えております。類型としては就労支援型というのは検討に値すると考えます。また、利用者負担については、今、年収おおむね850万円までが4,600円、それ以上になるといきなり3万7200円になるという非常にバランスの悪い設定になっておりますので、いわゆる以前の支援費のような細かい段階を分けた利用者の負担の考え方については、就労支援を前に押し出すのであれば併せて検討が必要と考えています。
もう一点、内山構成員も御指摘いただきましたが、「トライアングル・プロジェクト」が掛け声倒れに近くなっているという認識がございますので、この部分はぜひ文科省さんとも連携を取って、御家庭を巻き込んだ取組で大変高く評価しておりますので、具現化を図っていただければと考えております。
また、保育所等訪問支援につきましては、課題をおっしゃっていただいたとおりだと思いますが、育成会の立場では人材の育成が重要と考えます。保育所等訪問は外に出て行った先で支援を提供しますので、お子さんが来てグループを組んで療育を提供するのではありません。したがいまして、その支援の特性を踏まえた人材育成が必要かと考えます。
また、いわゆる幼稚園・保育園等の移行あるいは併行通園等も積極的に加算等で評価をし、これはセンターがバックアップする仕組みが適当と考えますが、ぜひ移行や併行の利用は学童保育も含めての考え方に広げていただければと考えております。
そして、調査指標についてはCDS(全国児童発達支援協議会)様のほうでかなり前広な御検討をいただいていると思いますので、これをうまく取り入れられればと思いますが、併せて支給決定に関するガイドラインのお話、特に今回は検討課題には乗っていないようですけれども、市町村がどのような形で支給決定するのかというのは、大阪市さんがいらっしゃる中で大変申し上げにくいのですけれども、大都市圏の障害児はセルフプラン率が非常に高い。これは、相談支援との連携も含めまして、ガイドラインをつくる以上は相談支援との関係性はぜひ整理していただければと思います。
また、最後に質の向上につきましては、外部評価の導入については検討が必要だろうということと、先ほど井上構成員もおっしゃっていた、行動障害が顕著なお子さんや医療的ケアが必要なお子さんの利用ができない問題については、少し特別な働きかけで解決が必要ではないかと考えております。
少し長くなりましたが、概観は以上でございます。
○田村座長 ありがとうございました。
続きまして、松井構成員、お願いします。
○松井構成員 皆さん、こんにちは、松井です。私は保育や幼児教育を専門にしておりますので、その立場からお話をさせていただければと思います。
検討事項としては、多分2番、3番、5番あたりが関係するのかなと思うのですけれども、2点だけお話ししたいと思います。
1つは、遊びをどう位置づけるのかということになります。総合支援型にしろ、特定プログラム特化型にしろ、遊びという観点が発達的な側面から見れば総合的な、ホリスティックな、全体的な発達ということにも関連すると思いますし、それ以前に、子どもの権利といった観点から遊びというものをこの中でどう位置づけるのかに関心があるところです。
2点目は、当事者を主体として考えるということで、私は保育なのですが、子どもの声を基にした評価を研究しておりまして、検討事項でいえば5番目に関わってくるのかなと思いますが、外部評価は必要だとは思っているのですけれども、そこにおいては多分、質の最低限の維持といいますか、最低限の保障においては外部評価が必要なのかなと思うのですが、質をより向上していくことを考えたときには、それぞれの独自性の中で当事者の声をいかに拾いながら実際の内容につなげていくかということが大事なのかなと思っております。
そのあたりにおいて、当事者の声を聞きながらどういった形で評価に変えていくのかというところが、私としては議論として話をしていければいいのかなとは思っています。
先生方の熱い思いとたくさんの知識に個人的には全然ついていけていないので、これからどういった形で貢献できるのかなというところで、ちょっと不安なところはありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
では、米山構成員から、お願いします。
○米山構成員 米山です。よろしくお願いします。私自身は小児科医です。小児科医になって2~3年目から重症心身障害で、いわゆる医療的ケアという言葉をつくり上げた学会に属していますし、医療的ケア児、在宅の医療的ケア児も診ている一方で、発達障害やいろいろな障害のお子さんたちを、小児科医で今移行の問題が出ていますけれども、子どもと親御さんに長年お付き合いしながら支援をしています。
今、私が所属する財団には、医療型の児童発達支援センターから福祉型に一元化されますけれども、そちらへ切り替えた児童発達支援センターが機能しています。そういったところを見ながら意見させていただきますが、私はこの2~3年の間に実は、強度発達障害のお子さんが虐待死に遭った御家庭、それから、殺人をしてしまった方、いわゆる御家庭での心中死という方も経験を実際にしています。それを考えると、今度、こども家庭庁になって、こども家庭センターができて、いわゆる保健・福祉・教育もまとめて連携をとってということがあります。私は思うに、教育もいつも連携をとらなければいけないなと思っていますけれども、そこの縦横連携もあって、まさにインクルーシブなというところで、なかなか難しいケースについて御家庭が孤立することがままあります。それは本当に障害のある子も、ない子も全て、身近な地域で子育てする御家庭も支援するという機能はとても大事だと思います。
平成26年7月に障害児支援の在り方でインクルージョンのこと、家庭・家族支援が大事ということが言われて、もう8年がたつわけですけれども、そこは確実に伸びているなと感じています。そこの障害児支援ができるのが今度センター化、よりセンター機能を持つ児童発達支援センターであってほしいと思います。
もう一つ注意しなければいけないのが、いわゆる医学モデル、リハビリテーション的な障害児のところでいうとICF(国際生活機能分類)のモデルで社会モデルが進んできています。その中では医療型が一元化されるというのはとても大きな意義があると思いますし、長年、肢体不自由のリハビリテーションに関わってきた者とすると、ともすると日本人だからか分かりませんけれども、何とか流といった特別なリハビリが必要というところで、ともすると先ほど御発言がありましたが、子どもの育ちの中で遊ぶとか育つ権利、生きる権利をないがしろにしながら、リハビリ優先みたいな形が医学モデルの中で日本はあったと思います。そこが社会モデルになって、これは保育所指針で出ていますけれども、そこの育つ、生きる力を伸ばすという元の中で、児童発達支援センターが専門的な機能を持ってほしいなと思いますので、総合型、特化型の中で子どもにとって何が必要か、子どもの権利を侵害しないということは、先ほど内山構成員からもありましたけれども、子どもの権利、子どもを中心にあるいは御家族も中心にした支援をみんなで取り組めるような機能を、この検討会で話し合いができたらいいと思っています。よろしくお願いします。
○田村座長 ありがとうございました。一応、皆様から御意見をいただいてきたところですが、もう時間がほとんどないのですが、私も少しだけお話をさせていただきたいと思います。まとめることはしませんけれども、私の関心のあるところを少しお話しして終わりに向かいたいと思います。
まずは児童発達支援センターの中核機能の件ですけれども、一方で、大人のところでは基幹センターという形で進められてきている部分があって、地域として子どもから大人へも含めて、そこの連携ないしは統合ないしは合体みたいなことをどういうイメージで考えたらいいのかは、少し検討が要るのではないかと思います。実際に市町村で設置できない場合は、圏域で基幹センターをつくりながらやっているわけですから、児童発達支援センターの機能の発揮の仕方については、ライフステージをにらみながら地域の中にどう落とし込むのかという議論も要るのではないかと思ったりもしました。
2つ目の学齢期になってからの放デイ等も含めた話ですけれども、これは何人かの構成員さんからもありましたように、文科省との連携というか、私の場合は学童保育の指導員さんと話をすることも多いわけですが、学校の先生との連携がうまくとれないというお話をよく聞きます。つまり、学校は学校、放課後は放課後、家は家みたいな形で、そういう生活に振り回される子どもたちという状態になっている構図がよく見受けられます。そういう意味では、放課後等デイサービスの中でアセスメントしていくときに、どういうチームをつくるのか、あるいはどういう体制でそこを充実させていくのかという、単に総合型、特化型だけではない、少しチームみたいなことを意識した議論も、具体的に方向性としては必要なのではないかと思いました。
最後ですけれども、私自身は幾つかの地域の障害者差別解消地域支援協議会の委員をさせてもらっているわけですが、どこの地域でも御家族の方々は、小さなときから地域の中でみんなと一緒に、友だちと一緒にという意識をかなり高くもたれています。なかなかそれができにくいところも一方であったりする。それがどうしても学校教育も含めて、大人になるまでにうまくいかないと、子どもだけでなく、家族も孤立化をして、一家心中する事件も起こりました。そういう孤立化していくことをいかに防ぎながら伴走的な支援を乳幼児期からきちんとできるのかみたいなことが重要で、しかも、そのことが単に障害児だからということではなくて、地域の中にきちんと溶け込み、子どもも家族も地域の一員となりゆく伴走型がどうできるのかみたいなことを少し意識して実践に取り組む必要があるのではないかと思っています。そんなことができるのかということもありますけれども、保育所等訪問支援事業、先ほどありましたように、療育等支援事業のような基幹をいかにサポートするかという中で、どうやって地域の社会資源が個人をしっかり見守れるか、そういう社会資源としてなり得るのかということも結構大事なところなのではないかと思います。
そういう意味では、保育所等訪問支援事業は、又村構成員からもところもありましたけれども、個人の支給決定だけではない部分の話にもう少しスポットを当てながら、地域としてその機能をどこにつけていくのかみたいなことも大事になってくるかなと思ったりします。既にその事業を実際にやっているところもあったりするわけで、たとえば特別支援教育などになると、学校を巡回して相談されていたりするわけで、それらとどうつながっていくのかということも含めて、何かしらばらばらにならないような体系的な支援体制にしていくこと。そういう議論になればいいのかなということも思ったりしました。
今後、皆様方から今いただいたような御意見を受けながら、各検討課題の議論でさらに整理してもらいながら、議論を深めていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
最後に、議事の(3)その他がありますけれども、何かその他のところでございますか。よろしいでしょうか。
では、少し時間が過ぎましたけれども、これにて本日の議事を全て終了したいと思います。
事務局より、今後のスケジュール等について御説明をお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 次回の検討会については、8月30日火曜日、17時から19時半、本日と同様オンラインでの開催を予定しております。よろしくお願いいたします。
それでは、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。