第13回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ 議事録

日時

令和4年8月24日(水)14:00~16:00

開催方法

オンライン開催

議題

  1. 1.高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について
  2. 2.その他

議事

議事内容
○春日専門官 それでは、定刻となりましたので、第13回「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参加いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
 最初に、構成員の変更がございましたので、御紹介いたします。
 公益社団法人国民健康保険中央会常務理事 中野透構成員が退任され、新たに池田俊明構成員が就任されております。
 また、公益社団法人日本医師会常任理事 松本吉郎構成員が退任され、新たに宮川政昭構成員が就任されております。
 最後に、公益社団法人日本薬剤師会理事 青木裕明構成員が退任され、新たに村杉紀明構成員が就任されております。
 次に、本日の構成員の出席状況について申し上げます。
 本日は、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター ロコモ予防学講座特任教授 吉村典子構成員より欠席の御連絡をいただいております。
 なお、全国市長会 大原章構成員に代わり、川上美由紀参考人に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、石崎達郎構成員より、15時10分頃から遅れて出席との御連絡をいただいております。
 次に、事務局職員につきまして御紹介させていただきます。 
○田中課長 田中でございます。よろしくお願い申し上げます。
○春日専門官 一体的実施調整官の宇野でございます。
○宇野調整官 よろしくお願いいたします。
○春日専門官 保健事業推進専門官の春日でございます。よろしくお願いいたします。
 最初に、高齢者医療課長 田中より御挨拶を申し上げます。
○田中課長 本後の後任として参りました高齢者医療課長の田中でございます。よろしくお願い申し上げます。
 皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 後ほど改めて御報告いたしますけれども、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施につきましては、今年度で3年目を迎えております。全国の約6割の市町村で実施されているところでございます。実施予定の市町村も含めますと、令和6年度には全体の9割弱の市町村で実施のめどが立っておりまして、法的な義務ではない中、一体的実施の趣旨・意義について御理解いただきまして、取組が着実に推進されていることにつきまして、皆様の御支援、御助言によるものと考えております。改めて御礼を申し上げます。
 一方で、実施時期未定という市町村もございますので、令和6年度までに全市町村でという目標に向けまして、この未定と回答しておられる市町村の状況を丁寧に拾い上げ、いかに実施につなげていくか、これが目前の課題でございます。さらに、取組が蓄積されていく中で、今後は取組の成果をお示ししていくということも必要となってまいります。
 当課といたしましては、こうした状況を踏まえまして、実施時期未定の市町村に対しましては、実施に向けて必要となる支援を、また既に実施いただいております市町村に対しては、より効果的に持続可能な取組にしていくための支援が重要であると考えておりますので、今後の取組の充実に向けまして、皆様の忌憚のない御意見を頂戴したいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○春日専門官 続きまして、資料について確認させていただきます。先生方には事前にお送りしておりますが、議事次第のほか、
 資料1「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗状況」
 資料2「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等に係る支援等」
 資料3「第3期データヘルス計画の策定について」
 参考資料「保険者インセンティブにおける評価指標等」となっております。
 なお、今回の会議は公開とさせていただき、会議終了後、録画映像をYou Tube厚生労働省動画チャンネルで公開いたします。公開期間は、会議翌日から当省ホームページに議事録が掲載されるまでの期間となります。また、本日の資料はホームページに掲載済みでございます。
 それでは、ここからの進行は津下座長にお願いしたいと思います。津下座長、よろしくお願いいたします。
○津下座長 皆様、こんにちは。座長を務めます津下と申します。高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施については、市町村の動きも出てまいりましたし、また課題も見えてきたところでございます。委員の先生方の御意見をいただきながら、よりよい方向性を探っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事でございますが、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について」でございます。構成員の御意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。資料については、3つの項目に分かれておりますので、それぞれの部分で御意見をいただきたいと思います。
 では、資料1「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗状況について」、事務局より御説明をお願いいたします。
○宇野調整官 それでは、資料1を御覧ください。資料1でございますが、令和3年度一体的実施 実施状況調査の結果と、令和4年度一体的実施 実施状況調査の項目案について、進捗状況を含めて御報告申し上げます。
 一体的実施の概要と進捗でございます。1ページから3ページの資料は、昨年度の12月時点の実施状況調査の結果をまとめたものでございます。
 令和3年度の実施計画申請済み市町村は令和4年2月現在、793市町村、全体の約5割。令和4年度から開始予定の市町村は307市町村、合計すると全体の6割を超える市町村で実施される予定となっております。令和6年度には1552市町村、全体の9割弱の市町村で実施のめどが立っている状況となっています。令和6年度までに全ての市町村で一体的な実施を展開することを目指しております。
 次に、年度ごとの開始自治体数を示したグラフでございます。新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、順調に進捗している状況です。令和3年12月時点で未定自治体数が、茶色でお示ししています189自治体でございます。
 都道府県ごとの進捗状況を示したグラフでございます。青の部分は実施済み市町村、右の赤で示している部分が未定の自治体数となってございます。
 次に、最新の状況、令和4年7月末時点に調査した結果をお示ししてございます。青、水色でお示ししている実施済み、実施予定ありの市町村がかなり増えているということが御覧いただけます。全ての市町村で実施済みという都道府県が、富山県、佐賀県の2県ございます。一方で、実施予定なしが2割を超えている都道府県が、北海道、三重県、島根県、鳥取県という状況でございます。
 5ページでございますが、市町村の人口規模別に一体的実施の実施開始予定時期をお示ししています。上が令和3年12月時点の状況、下は令和4年7月時点の状況となっています。最新の情報では133自治体が未定ということで、うち104が小規模の市町村であるという状態でございます。小規模自治体における未定市町村が多いという状況を踏まえ、対応の検討が必要と考えてございます。
 6ページ以降、例年実施しております一体的実施の実施状況調査の案をお示ししてございます。今年度も実施する予定でございまして、調査の目的といたしましては、実施状況、準備の状況を確認し、実施市町村、未実施市町村の課題の把握を行い、今後の事業の充実、必要な支援について検討するということで、令和4年度の実施状況を明らかにしてまいりたいと考えております。
 調査対象となりますのが、全ての広域連合、市町村でございますが、今年度、新たに都道府県に対しての調査を加える予定でございます。調査期間が例年同様、11月配付、12月中旬の回収、12月末時点で集計結果として速報をまとめる予定でございます。これまで同様、ストラクチャ、プロセス、アウトプットを中心に捉えつつ、制度開始3年目となりますので、一体的実施による取組の変化についても確認する予定でございます。
 令和4年度の実施状況調査の調査項目(案)をお示ししてございます。左側が広域連合票、右側が都道府県票でございます。
 広域連合票につきましては、昨年同様の項目でございます。取組体制、一体的実施の実施・委託に向けた取組状況、市町村への支援状況、KDBシステムの活用状況をお尋ねする予定でございます。新規の項目といたしましては、左側一番下に記載がございます、国で策定しているガイドラインや、研究班で策定しているガイド等の活用状況を調査するという予定でございます。
 右側にお示ししております都道府県票では、担当部署、実施体制等、市町村への支援の状況、KDBシステムの活用状況を調査する予定でございます。
 続きまして、8ページでございますが、市町村票におきましては、取組の体制、実施の有無、計画状況、広域連合・都道府県・国保連からの支援、後期高齢者質問票の活用状況、KDBの活用状況、ガイドライン等の活用状況を調査する予定でございます。
 赤枠で囲っている部分、進捗状況に応じて詳細を把握する予定でございます。具体的には、実施中の自治体に対しては、実施している事業の内容、事業の効果検証、評価の取組、実施前後の変化、実施上の課題、評価指標・評価時期等を確認する予定でございます。準備中の自治体には、実施上の課題と必要な支援を調査し、未予定の自治体に対しては、検討状況と未実施の理由、実施上の課題、必要な支援を調査する予定でございます。
 資料1「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗状況について」の御説明は以上となります。
○津下座長 ありがとうございました。
 ただいま、令和3年度の実施状況の調査、特に令和3年度12月の調査時から令和4年の7月の直近の調査にかけて、自治体の実施状況がかなり高まってきている様子がうかがえるかなと思いました。また、令和4年度12月ぐらいに行う調査の予定についても御説明いただきました。新たに都道府県を対象に調査を行うということでございますが、ただいまの御説明に対して、御質問、御意見等がございましたら、挙手や手挙げボタンにて、意思表示をお願いします。
 では、小玉構成員、お願いいたします。
○小玉構成員 座長、ありがとうございます。
 丁寧な御説明をいただきまして、感謝申し上げます。先ほども田中課長さんから、実施予定のところも含めて、かなり進捗しているというお話を伺って、大変うれしく思っているところでございます。
 私からは、1ページの右下の高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施のイメージ図を出していただいてございます。保健事業と介護予防事業の間のところで地域を担当する医療専門職、それから企画調整を行う医療専門職が新たに配置されるということが示されているわけですけれども、これは例えば都道府県とか市町村に所属される職員の方なのか、または地域の関連団体からもこういったところに参画できるのか。今後のいろいろな支援とか課題も、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチ、後からまたいろいろ御説明いただくと思いますけれども、そういったところにも関連がございますので、教えていただければありがたいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。
 お願いします。
○宇野調整官 地域を担当する医療専門職につきましては、自治体で雇用されている方ですとか、地域でフリーランスの形で活躍されている方、また歯科衛生士会や薬剤師会、栄養士会、医師会と連携・協力して委託等をされているようなケースもあると伺っております。お答えになっておりますでしょうか、小玉先生。
○小玉構成員 ありがとうございます。地域を担当する医療専門職についてはそれぞれの地域の実情に応じて、様々な職種が参画できるということで理解しました。引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 それでは、村杉構成員、お願いいたします。
○村杉構成員 薬剤師会、村杉でございます。御丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 保健事業と介護予防の一体的実施については、効率的に地域の課題を解決するという視点で執り行っていくわけでございますけれども、進捗がこのように順調に進んでいるところを拝見しまして、関係の皆様方の努力に敬意を表するところでございます。私も地元などでも保健事業とか介護予防にも関わっておりますところから、ハイリスクアプローチにつきましても、ポピュレーションアプローチにおきましても、事業の一体的実施と地域で活動している薬局薬剤師というところとの親和性も高いし、責任も非常に重いなと痛感させていただきました。
 簡単な御質問、2点ございまして、1つ目、資料の5ページに人口規模別で、小規模のところが手厚い補助なり何なりが必要になってくるのではないかとか、7ページ、8ページの下に、ガイドラインの活用状況などについて調査を行うというところがございます。私自身も拝読させていただきましたけれども、一体的実施、KDB活用支援ツールというものがあると思うのですけれども、利用価値が非常に高いと考えております。非常に分かりやすい、活用しやすいものだなと思います。後ほど触れられるかも分かりませんけれども、こちらのいわゆる解説書の利用状況とか反響について、分かる範囲で御教示いただきたいというところが1点。
 もう一つ、事務局の方に御質問なのですけれども、資料の6ページの一番下のところで、新型コロナウイルス感染症の一体的実施への影響については、今年度調査から割愛ということになってございます。コロナによって、通いの場の活動制限とかさらなる孤立などによって、地域によっては、かなり影響があると聞き及んでございます。それらの影響と実情、その対策などについて、どのような形になっているのかというのも御教示いただけたらと思います。お願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、2点御質問がありました。小規模自治体の支援とガイドライン等の利用状況。もう一点、コロナの関係、お願いいたします。
○宇野調整官 小規模自治体の支援ですけれども、一番のボトルネックとなりますのが、企画調整を担当する医療専門職の配置であると伺っております。ただ、実際、細かく伺ってみますと、国保の保健事業、糖尿病性腎症重症化予防であるとか重複・多剤適正服薬の取組、介護予防事業、地域支援事業の取組みなど、既に市町村で実施されていることもあると伺っています。今後、どういった対応が必要なのかについては、引き続き当課でも検討してまいりたいと考えております。
 解説書の利用状況ですが、解説書は、研究班で2月にホームページに公表していただき、本年3月に厚生労働省のホームページにも公表させていただいております。課長会議、支援者研修会等の折々の場面で普及に努めておりますが、全ての市町村の皆様のお手元に届いているか、ご活用いただいているかというところは、まだ把握できていないという状況でございます。ダウンロード数なども、把握できておりません。しっかりと御活用いただけるよう、秋には市町村向け研修会を予定してございますので、引き続き普及に努めてまいりたいと考えております。
 作成いただいた研究班の代表である津下先生におかれましても、御調整、本当に大変だったと思います。素晴らしい資材ですので、引き続き皆様に御活用いただけるように努めてまいりたいと考えます。
 2点目の御質問ですけれども、コロナの対応についてです。老健局の調査等で把握している状況ですが、通いの場の実施状況というのは、感染の影響をかなり受けているということで聞いています。ただ、感染対策をしっかり行っていただいた上で活動を続けていただくようにということは、老健局も当課も通知等を出しているところです。
 ただ、基礎疾患をお抱えの高齢者の皆様、どうしても閉じこもりがち、外出を制限されている状況であること、うつなどのリスクが増えているという状況も聞いております。市町村の中では、こういった時期だからこそ、一体的実施のようなアウトリーチ支援が重要なのではないかとされ、ハイリスクアプローチ,個別的支援に関しては、コロナの影響を余り受けず実施いただいているというお話も伺っています。ポピュレーションアプローチは、通いの場で多くの方を対象に会食を行う等が、難しいといったお話も伺っています。
 昨年度の実施状況調査の結果を、ハイリスクアプローチの工夫、ポピュレーションアプローチの工夫という形でまとめ、ホームページで御紹介させていただき、各自治体でお取り組みいただいている状況についてお伝えしている状況でございます。また、本日御参加いただいている保険者の皆様からも、新型コロナウイルス感染症の影響など、御意見賜れればと思います。今回の実施状況調査では回答の負担も大きいことと、ある一定程度、事例が集まり情報共有できたため、実施状況調査の対象からは外すということで考えてございます。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございました。
 私からも、解説書を読んでいただきまして、ありがとうございます。現在、反響としましては、都道府県単位、連合会単位で研修会で使いたいので、資材を送ってくれとかの要望をいただいております。具体的な使い方についての御質問をいただいたりしています。それから、このデータを活用して、さらにツールをつくる予定になっておりまして、そのほうにもいろいろと御期待いただいているところです。また御意見をいただきながらブラッシュアップしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、愛知県広域連合の鈴木様、お願いいたします。
○鈴木(孝)構成員 愛知県広域連合の鈴木でございます。
 私からは、令和4年度の一体的実施に係る実施状況調査についてです。今年度の調査からは、都道府県を調査対象に新たに加えるということで、7ページに都道府県票ということで加わっております。私が思いますのは、この一体的実施において、都道府県の果たすべき役割というのでしょうか、都道府県として具体的に何ができるのか、何をすればよいのかということが、いま一つはっきりしていないのではないかと感じているところでございます。
 この都道府県票として示された、例えば市町村への支援状況というのがあります。ここに取組状況の把握ですとか、例えば人材に関する支援。ここに書かれているようなことが都道府県に期待されている、求められていると受け止めればいいのでしょうかということがまず1点。実際は、調査によって、その辺も明らかになってくるのだろうと思いますけれども。
 もう一点、これは調査のことではありませんが、今回、都道府県の役割といったことも調査対象になるということですが、このワーキンググループのメンバーを見ますと、都道府県の関係者は入っておりません。もし、こういった調査をして、都道府県による支援についてもいろいろ結論ということになるのであれば、このワーキンググループにも都道府県の関係者を構成員に加えたほうがよいのではないかなと思いましたので、意見として申し上げておきます。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 それでは、お願いします。
○宇野調整官 御意見いただきまして、ありがとうございます。
 今回、都道府県を調査対象に加えた意図といたしましては、現状、先ほど御覧いただいたとおり、都道府県によって進捗状況に差があるということが分かっています。また、都道府県によって関与の度合いも様々であるということを当課としてはも、感じております。
 高齢者の医療の確保法133条上、都道府県は必要な助言・援助を行うことと都道府県の役割が示されております。ガイドライン第2版のでも具体的に都道府県に実施していただく事項として、様々な記載がございます。一部御紹介させていただきますと、市町村の取組状況の把握や分析を行う、好事例の横展開や積極的な助言を行う、人材の育成、専門職の育成・確保の支援、医療関係団体への協力依頼、トップセミナー等を活用した市町村幹部の理解促進を行うなどが、都道府県による支援ということで示されてございます。
 こちらの事項につきましては、国民健康保険課の保険者努力支援制度、保険者インセンティブに当たりますけれども、こちらの都道府県分においても一体的実施について評価指標として挙げられておりまして、例示としてもお示しいただいているところでございます。このように、都道府県においても一体的実施の取組が着実に進むよう、インセンティブ等で評価していただいている状況ですので、引き続き、都道府県の皆様にも御支援いただけるよう、実態を把握した上で通知を発出する等、対応を検討してまいりたいと思います。
 実際、今、鈴木構成員から御指摘いただいたとおり、当ワーキングには都道府県の方には御参画いただいていない状況ですけれども、6月20日に中央会と当課の共催で支援者研修会を行いました。都道府県の皆様にも御参画いただきまして、いろいろな部門から御参加いただいている状況でございました。高齢者長寿政策課や高齢対策課、認知症施策推進室といった高齢部門の担当の方が、都道府県で御参画いただいているという方もいらっしゃいました。
 高齢者医療課から都道府県に対して直接御連絡さしあげるのは、民生主管部局後期高齢者医療主管課宛に通知を発出することになるのですけれども、本事業の特徴として、介護予防部門、健康増進部門との連携も重要と考えております。関係各所に御連絡が行き届くように調整してまいりたいと考えております。
 引き続き、構成員の先生方からも必要な支援について、御指導いただきながら検討してまいります。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございました。
 鈴木構成員、よろしいでしょうか。私自身も、都道府県の関わり方について、都道府県間の温度差というものをかなり感じることがあります。これは一体的実施で県民の高齢者全体を把握する事業で、各部門がまたがる事業なので、特に積極的に関わっていこうという都道府県と、どちらかといえば広域マターとして認識されていたり、幾つかの部門がまたがるということで、県庁内の庁内連携というのが非常に重要なファクターになるのではないかと感じております。今回の調査でその辺りの状況も把握しながら、次に進めていくことになるのではないかと思っておりますが、よろしいでしょうか。
 そのほか、いかがでしょうか。現在、進捗状況についてということで御説明いただいて議論しておりますけれども、次の議題も関連しておりますので、もし何か戻ってということがございましたら、そのような御発言も結構でございますので、資料2に進みたいと思います。「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等に係る支援等」について事務局より御説明をお願いいたします。
○宇野調整官 資料2をお手元に御用意ください。「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進に係る支援等」でございます。4項目ありまして、一体的実施の横展開事業、必要な支援について、評価指標の検討、インセンティブ制度における一体的実施に係る項目の4点でございます。
 1ページでございますが、令和6年度までの全市町村での実施に向けて横展開事業を展開しています。
 事業概要ですが、国は国保中央会に対しては、国保連合会、広域連合、市町村等への研修の開催等を財政支援しています。国は国保連合会には、広域連合及び市町村の保健事業を支援するための研修等の事業を財政支援しております。その際には、厚生労働科学研究班に技術的事項について御助言をいただき、連携を進めています。昨年3月には、国保中央会に一体的実施・KDB活用支援ツールを開発いただき、研究班には保健事業対象者の抽出条件について検討いただき、解説書を作成いただきました。
 これらを用いまして、全国の市町村・広域連合での一体的実施に活用いただくことを推進してございます。ツール及び解説書を通じて、広域連合・市町村の保健事業において、業務の簡素化・標準化、市町村・広域連合のPDCA支援、インセンティブとの連動による取組強化を進めているところでございます。
 2ページでございますが、一体的実施・KDB活用支援ツールについての御説明となります。健診、医療、介護、後期高齢者の質問票に関するKDBデータを活用し、地域の健康課題の適切な分析、見える化、保健事業の実施、評価指標の標準化等を実施していくことが求められており、KDB活用においては、KDBシステム機能の理解やデータの活用等が課題として挙げられておりました。そこで、本ツールを用いて対象者リストを自動作成することで、業務の簡素化・標準化を図り、広域連合・市町村における一体的実施の推進を支援するものとして、令和4年3月末に中央会から各連合会、広域連合、市町村に配布してございます。
 抽出される一体的実施の支援対象者と支援の目的は、スライド下に示しています低栄養、口腔、服薬、身体的フレイル、重症化予防、健康状態不明者等の10の事業となります。
 続いて、3ページでございます。こちらも今年の3月に厚生労働省のホームページで公表済みでございますが、厚生労働科学研究班に解説書を作成していただいています。こちらの解説書では、保健事業の対象者を抽出する際の支援対象者の抽出条件の根拠、保健事業への活用方法、評価のポイントをおまとめいただいております。
 また、こちらをさらに普及推進するために、今年度は6月に都道府県、広域連合、国保連合会を対象とした支援者研修会を実施いたしました。その際の事前学習課題といたしまして、こちらでお示ししている各テーマ、10分程度の動画を研究班に作成いただきまして解説していただいています。各テーマ別の抽出条件の考え方、絞り込みの条件、ポピュレーションアプローチへの応用など、解説いただいており、広域連合・市町村に配布してございます。国保中央会の保険者専用ホームページ上で公表しているという状況でございます。
 5ページでございますが、昨年度の一体的実施の実施状況調査の結果をお示ししています。 個別支援によるハイリスクアプローチの実施項目を左側にお示ししています。実施市町村のうち、糖尿病性腎症重症化予防、健康状態不明者対策、低栄養に関する事業を実施している自治体は5割を超えております。一方で、口腔や服薬に関しての事業は取り組む自治体がまだ少ない状況にございます。
 実施上の課題、右側にお示ししていますが、目標・評価指標の設定や、事業実施後の評価・改善策の立案が、回答が多くなっているという状況でございます。
 6ページでございますが、ポピュレーションアプローチの実施項目をお示ししています。
 一番左側、フレイルに関する健康教育・健康相談が多くの自治体で実施されております。100%に近い自治体で実施いただいております。取組によって把握された高齢者の状況を踏まえ、健診や医療の受診勧奨、介護サービス等への接続もなされています。
 右側を御覧いただきますと、実施上の課題をおまとめしてございますが、ハイリスクアプローチと同じ項目、目標・評価指標の設定や、事業実施後の評価・改善策の立案が回答として多く上がっております。
 ここからは一体的実施に係る事例を幾つか御紹介させていただきます。本スライドは、一体的実施に向けた体制整備に関しての事例となります。一体的実施では、市町村内の庁内関係部局との連携が課題ということで多く御意見いただいています。庁内関係部局や庁外関係機関と連携した取組体制の構築の事例でございます。上が三重県桑名市の事例です。下が大阪府吹田市の事例です。立ち上げの際には、調整会議、実務担当者会議などを設定している事例や、吹田市の右側の図にあるとおり、健康課題の見える化と各所管課での役割分担、実施状況などを見える化している例をお示ししてございます。
 続いて、8ページですが、こちらは一体的実施で取り組むことを求めているハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチに関する事例となります。上が千葉県柏市の事例、下が神奈川県大和市の事例でございます。一体的実施では、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ、双方に取り組んでいただくことを求めておりまして、高齢者一人一人の状況に応じたきめ細かな対応を行うことが重要となってございます。こちらの事例でも、関係部門との連携の方法ですとか、医師会・薬剤師会との連携の手法なども記載してございます。
 続きまして、健康状態不明な高齢者に対する事例となっております。3月に高齢者の特性を踏まえたガイドライン第2版補足版を作成しております。その中で御紹介している千葉県松戸市、秋田県仙北市の事例でございます。健康状態不明者とは、健診、医療、介護、いずれも受けていない方で、高齢者のうち5%程度が該当するといわれています。健康状態が不明な高齢者等の健康状態を把握し、相談・指導等の実施、必要なサービスに接続していくことが高齢者保健事業の重要な取組の一つと考えてございます。 健康状態不明者対策は、特別調整交付金交付基準の見直しの際に明確化し、今までのお取り組みをなお一層強めていただいているところです。今までの事業では把握し得なかった、自らSOSを出さない市民・住民との出会いにつながっているというお声を伺っています。
 10ページは小規模町村の事例でございます。従来から関係機関と顔の見える関係を構築し、一体的実施の開始を機に、一層の連携を図っている事例でございます。上が士幌町の、薬剤師会、医師会と連携した服薬指導の取組の事例。下は長洲町の事例でして、引退後のシニア男性健康教室の事例でございます。小規模町村においての取組事例でございます。
 続いて、11ページが広域連合・県の立場での事例でございます。上が東京広域。東京都は、特別区もあれば島しょ部もあるという多様な地域特性がございます。市町村の実施を促すため、市町村の規模別の事例収集、横展開をされているという事例でございます。写真にお示ししているのは神津島村の実施の事例でして、理学療法士が中心となって一体的実施を行っている事例でございます。
 下は、宮城県庁の事例です。宮城県では、フレイル対策市町村サポート事業というのを、県が主体で行っています。一体的実施の人材確保・人材育成を目的として、県が中心となって進めていただいている事例です。医師会、薬剤師会、歯科医師会、歯科衛生士会、栄養士会、各職能団体と連携した上で地域担当医療専門職の育成を実施され、各市町村に派遣もされているという事例でございます。
 12ページは昨年度実施しました実施状況調査から、実施状況別に、どのような支援が必要かということをまとめたスライドでございます。こちらは広域連合から受けたい支援ですが、未予定の市町村は「課題分析、実施方法等に関する助言や指導」が多く挙げられています。次の「特別調整交付金の申請に関わる支援」は、実施予定と回答している市町村に多く挙げられています。実施済み市町村においては「広域連合を通じた医療関係団体との連携の調整」が多く挙げられてございます。
 続きまして、13ページ、市町村が都道府県から受けたい支援です。実施予定、実施済ともに「医療関係団体との調整」が最も多く挙げられております。未予定の市町村においては「保健事業の実施に関しての技術的助言・相談」が多く挙げられております。
 続きまして、市町村が国保連から受けたい支援です。実施済市町村においては「地域の健康課題の分析手法に関するマニュアル提供、セミナー等」が多くなっています。実施予定や未予定の市町村は「保健事業の実施に係る技術的助言・相談」が多く挙げられております。
 ここからのページは、6月に実施いたしました広域連合、国保連合会、都道府県を対象とした研修会、一体的実施の推進支援を行う皆様、515名に御参加いただいた研修会で得られた資料をまとめたものでございます。その際にグループワークで、一体的実施の実施時期未定の市町村をゼロにするためにはどうしたらいいか。また、実施済市町村の質の向上のためには、どのような課題があり、どのような支援を行うかといったことをおまとめいただきました。アクションプランシートにまとめていただき、こちらのスライドに状況をまとめた資料でございます。
 こちらのページでは、未予定の市町村、実施済市町村、共通の課題として挙げられているものをお示ししています。これまでも同じ課題が挙がっておりましたが、人員体制、小規模市町村・島しょ部は、医療専門職が特に不足、職員一人一人に対する負担が大きい、人材育成や人事異動の対応、担当者の意欲・スキル・経験の不足などが挙げられています。
 その下になりますが、庁内連携・庁外連携も、かねてより課題として挙がっておりましたが、関係部門間での連携、医療関係機関との連携についての課題が挙げられています。
 一番下の、KDBシステムに関しては、KDBの機能を十分活用できていないなどが挙げられております。
 右側には、それに対して広域連合、都道府県、国保連合会がどのような支援が可能かということをおまとめしたものでございます。
 人員体制につきましては、小規模市町村の医療専門職の不足などが挙げられていますので、職能団体や事業者等の活用検討、広域連合による後方支援、一部業務委託の検討、企画・調整担当の情報交換会などが検討され、実施されております。
 庁内外の連携につきましては、ウェブでの研修会の実施、ヒアリングや横展開、個別支援の実施、意見交換会、事例発表会など、様々なお取り組みを実施していただいています。三師会に対しても、事業の説明や協力依頼、地域包括支援センター向けの説明会など、取組を実施いただいています。
 KDBに関しては、一体的実施・KDB活用支援ツールの活用促進や、KDBに関するマニュアルの配布、研修の実施、個別支援等を検討、実施していただいています。
 16ページでございます。こちらは事業実施3年目となりますので、実施済の市町村が増え、新たに見えてきた事業の企画段階、事業の実施段階、事業評価に関しての課題を左側にまとめ、右側に支援者の対応としてまとめてございます。
 一番上、事業企画におきましては、市町村の取組状況や事業内容に差があること、事業企画のノウハウや経験の不足、実施市町村が増えて支援体制が追いつかない、効果的な支援体制・相談体制が課題に挙げられております。支援者の対応といたしましては、市町村別の研修会の実施やヒアリング、個別支援の実施。市町村間における相談体制の構築、地域単位での意見交換・事例発表による横展開などが検討・実施されております。
 事業の実施における課題といたしましては、健診受診率が低く、対象者抽出のデータが不足している、効果的な保健指導実施方法の支援についてなどの課題が示されており、支援者の対応といたしましては、健診受診率向上に向けた取組の推進や好事例の共有などが検討・実施されております。
 事業評価におきましては、経年での事業評価がしにくいこと、評価基準の設定、アウトカム評価が難しいなどの課題が示されており、支援者の対応といたしましては、KDBを活用した事業評価の目標設定支援。広域連合内での評価手法の標準化などの検討・実施が行われています。
 17ページのスライドは、国・中央会に対しての要望事項をいただいたものをまとめています。
 交付基準においては、離島・小規模市町村において専門職の確保が難しいため、職種の見直し、交付要綱の見直しについて検討してほしい。交付金申請、実績報告書などの様式の簡素化等、御意見をいただいています。
 連携につきましては、関係部門が複数にまたがるため、国の中でも、保険局・老健局・健康局で連携して情報発信してほしいという御意見をいただいております。
 効果検証につきましては、一体的実施の事業評価、効果検証、中長期的な指標の提示、エビデンスの集積等の御意見をいただいています。
 右側、研修については、動画視聴可能な研修、KDBデータ活用に関しての研修。
 事例については、小規模町村の事例紹介や実施に至るプロセスの紹介。
 KDBの機能については、機能改善や統計データ集の作成等、要望いただいております。
 右側の部分は、横展開事業を実施いただいている国保中央会ともよく相談・連携して進めてまいります。
 18ページは、厚生労働科学研究班に実施いただいている事項でございます。特に赤字で示しております高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の事業検証、事業評価方法の検証、全国で活用し得る標準的な指標の提案を行っていただく予定で、今年度、お取り組みいただいております。また、これらの検討事項は、一体的実施・KDB活用支援ツールにも反映する予定で進めていただいております。
 評価指標案を研究班にお示しいただいております。各事業につきまして、アウトプット、アウトカムといたしまして、高齢者保健事業で何を評価していけばよいか、モニタリングしていけばよいかということでお示しいただいたものでございます。複雑なものではなく、どこの市町村・広域連合でも活用可能なものとなることを意識してまとめていただいております。
 なお、欄外に記載してございますが、後期高齢者医療制度保険者インセンティブにおきましては、令和5年度分から重症化予防のマクロ的評価といたしまして、年齢調整後新規透析導入患者、及び年齢調整後1人当たり医療費をアウトカム評価として導入済みでございます。ここまでが評価指標の検討についての御説明となります。
 長くなりますので、ここで1回切らせていただいて、評価指標の検討と必要な支援について御意見、御指導いただければと思います。
○津下座長 丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございます。
 ただいまの中で、一体的な実施がどのように進められているか。また、中央会、連合会とか、様々な団体からの支援がどのような状況になっているかについてお示しいただき、また要望などについてもお示しいただきました。
 それから、評価指標案についても、研究班でたたき台をつくったものについても御提示いただいたところでございます。
 まずは、必要な支援についてということで御意見をいただきたいと思っております。市町村、実施する側の立場から、また先ほどの事例にもありましたけれども、地域で関係者が一体となっていろいろな関係団体も協力して、それぞれの地域でできることをやっていくというスタンスで動いていらっしゃると思うので、そういう立場として、また有識者として、どのような支援が有用なのかという様々な観点があろうかと思いますので、ぜひ御発言をよろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですけれども、挙手のボタンを押していただければと思います。
 西村先生、どうぞお願いいたします。
○西村構成員 栄養士会の西村でございます。
 我々のところで、東京都なのですけれども、離島がございまして、離島のほうの支援、先ほど神津島のほうも出ておりましたけれども、東京都栄養士会としましては、大島のすぐ隣にあります利島村に、実は私、昨年、二度ほど伺って、高齢者のフレイル予防であったり、糖尿病の重症化予防についてお話しをさせていただいております。また、その後も遠隔で島とつながっておりますので、そういった遠隔での取組というものも、特にへき地であったり、離島においては取組ができるのではないかということで、御報告させていただきます。
○津下座長 ありがとうございます。遠隔でのサポートは本当に有効なツールになってきつつありますので、そういう事例の横展開は非常に重要かなと思いました。
 それでは、輪之内町の伊藤様、お願いいたします。
○伊藤構成員 よろしくお願いします。
 必要な支援について、15ページになりますが、専門職が特に不足しているというところで、まず、本当に小さな小規模市町では募集をしても応募もなくて、ましてコロナの対策で人がそちらに割かれているような状況であります。小規模自治体では1人での兼務も多く、専門職というものが市町の職員だけではなかなか難しいということでございます。
 理学療法士会とか、そちらの方面でもうちのほうは手助けしていただいているのですけれども、ほかの在宅保健師の会とか医療機関とか、ほかの団体ですが、この一体化に向けての理解というか、連携していただけるような体系、働きかけというのは、どのような形でどれぐらい進んでいるのかというところを少しお聞きしたいなと思います。よろしくお願いします。
○津下座長 ありがとうございます。小規模自治体だと、地域の市町村の中だけじゃなくて、周辺といいますか、各団体が協力していくのは重要かなと思いました。
 在宅保健師会の話もありました。もちろん全ての都道府県ではないのですが、在宅保健師会の方々が、高齢者の質問票について、どのように質問をして、どのように保健指導といいますか、健康支援していくかということの研修会をやられた県もあります。ロールプレイもされて、非常に和やかに在宅保健師会の方々が務められていたということで、そういう研修が行われている都道府県等では、そういうところから市町村への派遣なども進むのかなと感じたのですけれども、国のほうで何か把握されていることとかありますでしょうか。
○宇野調整官 連携機関といたしましては、実施状況調査でも確認をしておりまして、庁外連携機関として、市町村が連携していると回答されているところを令和2年度も令和3年度も調査しております。令和3年度調査結果をご紹介しますと、1,741のうちの671が医師会と連携、歯科医師会と連携は430、薬剤師会と連携は300、病院等医療機関と連携が485という状況でございます。また、今後、連携の必要があると感じている庁外の関係機関のトップが医師会、順に、歯科医師会、薬剤師会、病院等医療機関、次いで栄養士会、看護協会という順で調査結果がございます。
 実際、先ほど御紹介したとおり、宮城県のように都道府県が人材不足の部分を補う部分で、一体的実施に関しての理解を深めていただくような研修会を実施いただいている事例が増えてきてはいるものの、まだ市町村に対して供給というか、支援が十分でないという御意見等、賜りましたので、引き続き、そういった後方支援が行われるように、当課としてできること等検討して参りたいと思います。制度開始当初は、各関係団体にも通知等を出させていただき御協力をお願いしていたところですが、改めての御依頼なども検討したいと思います。
○津下座長 ありがとうございます。
 重症化予防事業については、日本健康会議の中で医師会とか都道府県単位で進めるというフレームがあって、その中で医師会の先生方にも情報がかなり行っている状況もあったと思うのですけれども、今回の一体的な実施について、さらに医療機関の先生方、関係団体の先生方にも御理解いただく必要があるというような御意見でよろしかったでしょうか。ありがとうございます。
○伊藤構成員 もう一つだけよろしいでしょうか。担当のほうから、企画調整担当というものは専任でないといけないということを伺っているのですけれども、それは専任でということなのでしょうか。
○宇野調整官 事務局より回答させていただきます。
 企画調整担当の医療専門職の不足については、いろいろ御意見いただいておりまして、交付基準の見直し等、毎年させていただいています。専任の要件は、一昨年度に外しております。昨年は、離島、へき地においては、医師、保健師、管理栄養士以外の職種においても一時的に企画調整を担当できるという形で要件を見直ししております。引き続き、どのような対応が必要かは、御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○津下座長 ありがとうございます。国は、要望に応じてかなり弾力化というか、実施状況を高めるための方策を取っているかなと思っておりますので、それがきちんと自治体まで伝わっていくことが非常に重要かなと思いました。よろしくお願いいたします。
 それでは、鈴木隆雄先生、お願いいたします。
○鈴木(隆)構成員 ありがとうございます。
 市町村がどういったことで問題を抱えて、どういった点で支援が必要なのかというところを非常にたくさんおまとめいただいて、12ページから17ページぐらいですか。そういうものを見ると1つはっきりしてくるのは、例えばまだ実施していない未予定のようなところは、課題の分析ができないというところなのかなと思います。それから、実施したところで問題になっているのは事業評価だと思います。
 実は、この課題の設定と事業評価というのは、同じことというか、表裏一体のものだと思うのですね。課題を設定したときには、既にこれはどういう評価をすべく事業をするかというところが、その自治体でプログラミングされていないといけないというか、一体として考えておかなければいけない問題だと思いますので、言ってみれば表裏一体の同じものを見ているのだろうと思います。
 大事なのは、地域課題をどう設定するかということだろうと思います。これも、15とか16ページの辺りでも出てきますけれども、地域課題をどうやって探したらいいのだということは、多分、人手の少ない小さな自治体では問題だと思うのですが、それを助けるのが今回開発された後期高齢者の質問票だと思います。多分、いろいろな課題が出てくると思うのですが、まず最初に自治体さんにぜひエンカレッジするためにもやるべきことは、たった1つでもいいから課題を設定してほしいということだろうと思います。
 実際にポピュレーションアプローチでやっているところ、ハイリスクアプローチでやっているところ、生活習慣病あるいは糖尿病の重症化予防の相談ごとであるとか。それから、ポピュレーションアプローチではフレイル予防の普及開発というのは、ほぼ100%やっているわけですので、そういう中で、例えば我がまちでも、どの地域でそういう人が多いのかとか、地域特性をさらに細分化してみる。
 それから、我がまち全体としては、何にまず取り組むべきだろうということを、KDB活用支援ツールを用いて、まず探し出す。そして、いろいろなものが出てくると思うので、あれもこれもと思うのかもしれないけれども、一番身近な、そしてその自治体にとって一番大切で、なおかつ手をつけやすい、そして、評価しやすい、評価できる、指標を設定しやすいものを見つけ出すようなことをやってみてはどうだろうということを実際に支援していくのが、広域連合とか都道府県の役割なのかな。特に、そういうなかなか人手が割けないような小さな自治体のところでは、そういった手助けの仕方、支援の仕方が大事なのではないかな。
 だから、地域の課題をどうやって見つけるか。当然、プラス、それに表裏一体のものとして評価の仕方をどうするかということを、セットでパッケージで支援していくというやり方ができないのかなと思いました。コメントです。
 以上です。
○津下座長 鈴木先生、ありがとうございます。とてもエンカレッジされるようなコメントをいただきました。
 今回、一体的な実施では、健診、質問票のデータとか医療の受療状況とか介護の情報とか、様々なものが一元化して出せるツールが開発、リリースされている。そういうものを使って、できるだけ簡単に、負担なく、また、もし難しいのなら連合会とか広域連合さんのお力も借りながら、まずはのぞいてみて、やれそうな既存の事業はいっぱいありますし、また小規模であればこそ、今までも一体的にやっていたみたいな話もありますので、それをより事業としての形をきちんとしていく。このようなツールを使えば対象者の選定は難しくないので、一歩踏み出していただきたい、みんな応援していますというメッセージをいただいたように思います。ありがとうございました。
 それでは、村杉先生、お願いします。
○村杉構成員 村杉でございます。
 本当に丁寧な調査ですとか分析、さらには具体的な支援の実例などを共有いただきまして、ありがとうございました。必要な支援についてということで、要望というか、御提案申し上げたい点がございます。
 1点目ですけれども、先ほど伊藤構成員からの御質問で、事務局からも御回答いただきましたように、医療機関ですとか、薬局を含む様々な医療専門職の支援というのが非常に求められている状況でございまして、その数値の状況は先ほど御説明いただいたとおりかと思います。薬局におきましては、新たな認定制度で地域連携薬局というものが標榜できるようになり、あと健康サポート薬局というところで、専門的な研修等を修了した薬剤師等が地域に根差して、ある一定程度おりますので、そういったところを御活用いただけると本当にいいのかなと考えているところでございます。
 具体的な要望ですけれども、今後、こういった医療専門職というところを数値として把握し続けること、あるいはそういう状況とかを市町村にまで届けるということは、非常に効率的な事業の実施あるいは継続性ということで重要ではないかなと思いますので、引き続き数値の把握はお願いさせていただきたいなと思います。これが1点目でございます。
 もう1点目でございますけれども、要望の高い医療専門職の活用についてということですけれども、資料の12ページ、13ページ、15ページにも記載されていたと思うのですが、例えば小規模の市町村では、医療において顔の見える関係性というのが非常に構築されておられて、市町村が医療関係団体との連携・調整も非常に望んでいるという背景がございます。
 そこで、あらかじめ広域連合とか都道府県に対して、今回、薬剤師会でも取組の支援は引き続きしっかりと注力させていただきますので、薬剤師会を含む関係団体との協力要請とか、具体例の提示というものを積極的に行ってはどうかなと思います。連携の取れている事例を、今回も御紹介いただいたように積極的に共有することによって、これは薬剤師だけではなくて、全ての専門職、非常に活用できるかなと感じました。
 そのほか、例えば市町村であれば、介護保険法で規定されているような地域ケア会議、地域ケア調整会議が相当するのかなと思うのですけれども、こういったものを日常的に活用することによって、医療職の取込みとか事業内容の連携というものに深みが増していくのではないかなと感じてございます。
 それに関連してですけれども、入り口を強化するというのは非常に大事な点だと思うのですね。連携できる医療専門職を見つけていくというのは非常に大事なのですけれども、ハイリスクアプローチにしてもポピュレーションアプローチにしても、そこで見つけた、関わりを取ったときに非常に大事なのは、今度はこれを継続的にフォローアップする役割者は誰なのかというところも、併せて市町村に全て委ねるのではなくて、医療関係職がそういうところに関わっていくという視点は非常に重要だと思っています。
 私も経験があるのですけれども、国保連合会の保健師さんと地域の薬剤師が、重複・頻回受診者に対して訪問して、そこで課題とかが見つかるのですけれども、大事なのはそこからの継続的なフォローアップです。ポピュレーションアプローチにしても、通いの場などで講演・講座などをして、あるいは個別相談なども含めて、そこから継続的にフォローアップするのが大事だと思うのですね。
 そういうふうに考えていくと、継続的フォローアップの役割者ということになると、先ほど申し上げていたように、地域の薬局というところに定時的に通ってくるわけですので、かかりつけ薬剤師、薬局というものを広く活用するということを、また市町村と一緒に一体的に実施するという観点も非常に大事かなと思いました。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。コメントとして承っていただきます。
 では、田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 丁寧な御説明ありがとうございます。
 私、13ページの市町村が都道府県から今後受けたい支援というところで、医療関係団体との調整と、実施に関する技術的助言・相談ということに関しまして、神奈川県内で行っておりますことを、自分の中でもよかったかなと思うこと、それから皆さんに共有していただくと参考になるかなと思うことを二、三、御紹介させていただきたいかなと思います。
 まず、県の医師会とは、県庁の高齢福祉課がお声をかけていただいて、人材育成で共同するという形を取らせていただきまして、昨年も健康増進課と高齢福祉課と県の医師会と一緒に、人材育成に関しての研修を行っているということがございます。そういう形で、県がお声を大きくかけると物事がかなり大きく動きますので、そういう意味でも県の役割というのは大きいかなと思っております。
 神奈川県では、伴走支援という形で一体的事業を去年から支援しているのですが、3市から5市ぐらい、1年に支援している状況です。そこで、伴走支援でその市に訪問してお話をするのですが、そのときに必ずそこの地域の保健所を呼ぶのです。保健所の保健師と管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士とか、そういう専門職を必ず呼ぶのです。ディスカッションしているところに一緒に入っていただく。それで内容を把握していただくようにしているのですね。これも県庁の高齢福祉課が企画していることなのですけれども、とても効果的かなと思います。
 先ほど鈴木隆雄先生がおっしゃられた中に、地域特性をどのように把握すべきかということもあるわけですけれども、データだけだと地域特性は、分かるようで分からないところがあって、一番大きく出た数字が地域特性かと思いきや、案外そうでもなくて、地域の中でどれを優先的にするのかというときには、市町だけで考えていると不安なところもあるのです。もちろん広域連合とお話しをするというのも大事なのですけれども、県の支援という形で考えると、保健所と一緒に会議とかで共有したりするということも、私の中では神奈川県内ではとても有効であったように思います。
 あと、県が関わることで大きいことには、前の1の資料で町のレベル、小規模のところがなかなか進まないということがあると思うのですが、これは人の確保ももちろんなのですけれども、割とどの県でもそうだと思うのですが、町は町同士、比較的近くにあることが多いと思うのですね。そうなりますと、例えば小規模のところを4市なり5市なり、こことここの関係性は、こういう形で資源が活用できるとか、そういう形で支援を考えているということも県の方がおっしゃられていました。そういうことができるのは、県の役目として非常に大きいかなと思っております。
 ですので、私が経験したところでよかったなと思うところは、大きいところで医師会様とかと人材育成などで関わっていくことと、小さい町のところで県が声をかけて、共有できるような資源を活用していくように県のほうがバックアップしていくこと。それから、地域の保健所には県の医療専門職がいらっしゃいますので、そういうところとも連携していくこと。この3点が自分の中ではとても有効だったなと思いましたので、御紹介させていただきました。
○津下座長 ありがとうございます。これまでの支援の経験を踏まえた御助言をいただきました。
 時間がかなり押してきているのと、また、関係されている構成員全員の御意見をいただきたいということで、少し手短にこれからは御発言をお願いできるとありがたいです。よろしくお願いします。
 では、小玉構成員、お願いいたします。
○小玉構成員 ありがとうございます。
 いろいろなデータを、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について教えていただいて、ありがとうございました。
 私から、15ページの実施済市町村の課題と支援者の対応で、支援者の対応として、真ん中のところに好事例の共有というところがあります。それから、18ページ、19ページに評価指標の検討というのを示していただいてございます。その中で、例えば広島県の竹原市では、歯科衛生士、管理栄養士、機能回復リハの関係者が通いの場で対応するということで、ここは何年かにわたってデータを取ったという実績があるようです。
 そうすると、19ページの口腔とか低栄養とかの評価指標以外にも、例えば口腔の乾燥がよくなったとか、3年ぐらいのデータを取ってみると、フレイルに関係して握力がよくなってきたといったデータも出てきています。ですから、データのまとめ方として、ここにリハの項目はないですけれども、身体的フレイルのところでやった結果、どういったところがよくなったかというのを総合的に判断するような形での評価もしていただければありがたいなと思います。
 特に、今度の介護報酬改定でも、機能回復リハビリテーション、口腔栄養というのを一体的に施設で行うとLIFEの加算にもなるということもありますので、これを通いの場、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施という場でも、そういった考えも少し入れながら対応していただければありがたいなと思います。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
 それでは、広域連合の鈴木様、お願いします。
○鈴木(孝)構成員 それでは、手短にということですので、先ほど田中先生のほうからもお話がありましたが、保健所の活用ということについては非常に有益ではないかと思いますので、申し上げます。
 市町村が都道府県から受けたい支援として、保健事業の実施に関する技術的助言・相談というものもあります。広域連合もやっているわけですけれども、愛知県の場合でいきますと54市町村ございまして、全てについては現実的には難しいし、限界もあろうかと思います。保健所の保健師、栄養士、歯科衛生士等のスタッフがおりますので、そういった地域に身近な県の機関ということであれば、保健所をこの一体的実施においても有効に活用できるような枠組みを、好事例として横展開できればいいのではないかなと思います。
 ただ、そのときにネックになると思いますのがKDBでございます。よその都道府県は知りませんが、愛知県の場合、保健所にはKDBがございませんので、KDBを活用した支援というのがなかなかスムーズにできないというところが若干難点かなと思っております。現状と御意見を申し上げさせていただきました。
 あと、16ページで、実施済市町村の課題と支援者の対応というところがございまして、事業企画の課題として、事業企画に対する支援を希望する市町村の増加と、効果的な支援体制・相談体制ということが挙げられていますが、これは整理の仕方としては、市町村の課題というよりは、支援・相談を受けるほうの広域連合とか都道府県の課題と整理すべきではないかと思いましたので、申し上げておきます。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 続きまして、中央会の池田様、お願いいたします。
○池田構成員 中央会の池田でございます。6月29日に就任いたしまして、今回、初めて参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、先ほどからKDBのお話も出てございますけれども、このKDBの活用支援ツールの作成につきましては、津下先生をはじめ、御出席の先生方にお世話になりまして、大変ありがとうございました。
 それで、先ほど御質問がありましたけれども、今、支援ツールがどの程度活用されているかということでございますけれども、今年の3月末に国保連合会宛てに配布させていただいた後、本年5月、1か月間のツールのログイン状況というのを見ますと、広域連合で25か所、約53%でございます。それから、市区町村では385か所ということで21%のログインがあったという状況でございます。
 それから、具体的な対象者抽出の内容につきましては、先ほども御説明ありました低栄養や口腔、身体的フレイルなど10項目ありますけれども、10項目全体を合わせて、延べのアクセス数が1,097か所になってございます。特に一番アクセス数が多い内容は健康状態不明者でございまして、これが約200か所、次が低栄養で165か所ということになってございます。リリース後の5月1か月間の利用状況というのは以上でございますけれども、先ほど厚労省さんのほうからも御説明ございました、6月20日の支援者研修の後、市町村へのツールの導入が進んでおりますので、引き続き活用の支援を行っていきたいと考えております。
 それから、KDBシステムのデータ活用に関する研修でございます。従来、この研修につきましては、本会においては国保連合会職員を育成するということで開催しておりまして、令和元年度から職員の経験度別に研修を毎年開催しているところでございます。引き続き、この内容のブラッシュアップも含めまして、初任者研修、それから初任者研修以外の研修に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。KDB支援ツールの活用状況について御報告いただきまして、ありがとうございます。
 健康状態不明者は、今までにない新たな保健事業として非常に重要ということになりますので、最も多かったというのは理解できるかなと思いました。どうもありがとうございます。
 それでは、沼田構成員、お願いいたします。
○沼田構成員 ありがとうございます。
5ページ、6ページを拝見いたしますと、委託先の確保が難しいとは、サービスを提供する職種や提供者の確保が困難と理解しました。具体的なサービス内容やメニュー、好事例を普及していただくということで、広がりがあるのではないかと考えました。
 また、ハイリスクアプローチのグラフを見ますと、口腔、服薬等の個別ケアの実施数が多くありません。個別ケアのサービスは重要ですので、増やしていく必要もあるかと思いますので、実施者の確保が重要と思いました。
 看護職がこの事業に、さまざまな形で参画できるものと考えますので、今後、看護協会等にお声かけをいただきたいと思います。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 あと、高知市から御参加いただいている川上参考人、いらっしゃいますか。何か御意見等ございますでしょうか。
○川上参考人 ありがとうございます。
 今回の資料の19ページに評価指標の検討案ということで出していただいているのですけれども、具体的にこういう評価指標を出していただきますと、すごく参考になると思いますし、また横軸でほかの市町村と比べることもできると思いますので、とても参考になると思います。ありがとうございました。
○津下座長 ありがとうございます。この評価指標が簡単に出るようなツールといいますか、対象者が何人で、そのうち何人に参加してもらって、その人たちのデータがどうなったかというのは、KDBのツールを活用していただくと、標準的な評価もしやすくなるのではないかなと思っております。
 KDBをうまく活用していただいて、鈴木先生もおっしゃったけれども、事業をするときには、課題別に大体何人対象者がいて、そのうち何人関われて、その人たちがどうなって、関われなかった人はどうなって、そしてその人たちを追跡していくとか、事業の改善につなげていくということで、評価はとても大事だと思うので、このような指標が自治体で無理なく実施できるならいいのかなと思いました。ありがとうございます。
 日本医師会の宮川先生、いらっしゃいますでしょうか。
○宮川構成員 宮川です。具体的な事例をいろいろ挙げていただきまして、ありがとうございます。
 ずっとお話を伺っていたのですが、今の5ページ、6ページですけれども、ハイリスクアプローチの実施項目とかポピュレーションアプローチの実施項目。特にハイリスクもポピュレーションも同じようなことなのですが、実施上の課題というところで、予算の確保、委託先の確保、実施場所の確保、参加者への周知があげられております。こういうことをしっかりと私たちは受け止めて、どのように問題点を共有し合いながら解決していくのかということがなければ、幾ら好事例を挙げても、それからいろいろなツールを挙げても、それが展開できないという形になってしまうので、問題点はそういうところにあるのではないでしょうか。
 そして、先ほど構成員の方がおっしゃっていましたけれども、地域を担当する医療の専門職、それから企画調整を行う医療の専門職、そういう人材がこういう予算とか委託先とか場所とか、そういうものに全てリンクしているということに私たちは気がつかなければいけないので、そこを私たちは真摯に具体的にどのように取り扱っていくのかを皆さんで検討していくということがこれから必要なのではないかなと考えて、皆さんのお話を伺っておりました。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございました。
 あと、石崎先生、入っていらっしゃいますか。
○石崎構成員 石崎です。遅くなりました。
○津下座長 現在、支援についてということで話し合っておりますけれども、いかがでしょうか。
○石崎構成員 評価指標に関してですが、多くの自治体さんから評価が難しいというお声を聞く機会が多いのですけれども、それに対して、今回、厚労省の研究班として評価指標を出したということでありますが、指標を出せばすぐ評価できるかというと、必ずしもそうではないので、今度は解釈の仕方をどうするか。そういった評価の枠組みをどう捉えるかというのが、これはこの一体的実施に関わらず、国保の保健事業としても必要なのかなと思っております。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございました。
 全員の構成員の皆様から御意見いただきましたけれども、厚生労働省のほうから何かコメント等はございますでしょうか。
○宇野調整官 先生方、貴重な御意見ありがとうございます。いただいた御意見を踏まえて、引き続き検討して、未実施市町村への支援、実施済市町村への支援、具体的に先生方にどういったことを御依頼すれば良いかなど、また御相談さしあげることも多いかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。
○津下座長 あと、吉村構成員、今日、御欠席なのですけれども、もし御意見がございましたら。
○宇野調整官 吉村先生からコメントをお預かりしております。御紹介させていただきます。
 必要な支援についての御意見です。進捗状況により、課題や支援の要望が異なることがよく分かった。ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチともに共通の課題として、目標、評価指標の設定、事業実施後の評価、改善策の立案が挙げられていた。こちらについては、横展開の推進や国・研究班・有識者等からのさらなる支援が必要なのではないかという御意見をいただいております。
 続いて、評価指標案についての御意見です。研究班の取組、評価指標案については、意見なし。
 後期高齢者の質問票の検証については、よりよい質問票にしていくために継続して検証していくことが必要と考える。
 フレイル、ロコモを含むについては、令和4年、日本医学会連合の領域横断的なフレイル・ロコモ対策の推進に向けたワーキングを中心として、日本医学会連合会及び日本医学会連合加盟の57学会、非加盟の23学会団体からなる80団体から、フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言が発出された。宣言は、フレイルとロコモの概念の説明と予防改善による効果の説明。国民の健康長寿の達成に貢献するという決意表明で、国民に向けた活動目標として「80GO」運動の展開からなる。このように、フレイルとロコモが連携して、医療活動、予防活動の展開が進みつつあり、評価指標でもいずれこの動きを反映することが必要となるかもしれない
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 それでは、今回、多くの御意見いただきました。構成員の先生方、皆様から、かなりいろいろな事例とか、こういうケースがあるとか、こういう取組をしているという御意見もありましたので、そのような情報を厚生労働省にも御提供いただきまして、さらにそういう事例の把握に努めていただくということも重要かなと思いましたので、情報提供のほうも引き続きよろしくお願いいたします。
 そうしましたら、先ほどの積み残しのところ、あと資料3の御説明がまだということになっておりますので、事務局よりお願いいたします。
○宇野調整官 資料2の20ページでございます。後期高齢者医療制度の保険者インセンティブについてでございます。保険者インセンティブは、広域連合による被保険者に対しての予防・健康づくりの取組や医療費適正化の事業実施推進を、予算規模100億円で財政支援しているものでございます。
 左側の青い部分で保険者共通の指標として6指標、右側ピンクの部分で後期高齢者特有の指標として6項目を置いてございます。
 左下、事業実施に関しての加点について、右下、事業実施等のアウトカム指標を別枠で設定しているところでございます。
 21ページですが、これまでの保険者インセンティブの動向をおまとめしてございます。
 下から2行目、令和4年度分といたしましては、一昨年度に一体的実施の評価指標の重点化を行いました。
 また、一番下の行、令和5年度分といたしましては、昨年度、見直しまして、高齢者保健事業の更なる推進を図るため、健診受診率の向上に向けた取組の評価、高齢者保健事業のアウトカム評価を追加してございます。
 22ページ、それぞれの指標に関する配点状況をおまとめしてございます。
 事業実施にかかる配点が100点満点で左側にお示ししてございます。右側、事業の評価にかかる配点が20点満点、事業実施等のアウトカム指標が14点満点、合計134点満点で、交付に際しましては、得点に広域連合ごとの被保険者数を掛けて、100億円を按分するという形で交付してございます。
 23ページでございます。今年度の保険者インセンティブの見直しの方向性について案をお示しいたします。
 3点ございまして、1点目、一体的実施の推進についてでございます。令和6年度中に全市町村での実施を目指しておりますが、実施状況を踏まえまして、一体的実施に関する指標を強化する方向で調整したいと考えております。具体的には、実施市町村5割で加点という現状を、実施市町村8割とか9割で加点というように、実施状況を踏まえた変更を行うということでございます。
 2点目、データヘルスの推進についてですが、令和5年度には、第2期保健事業実施計画、データヘルス計画の評価、及び第3期データヘルス計画の策定準備を実施することから、データヘルスの推進を狙い、関連する保健事業についての具体的な記載を追記し、強化する方向で検討を行うというものでございます。
 3点目、医療費適正化を踏まえたアウトカム指標についてでございますが、こちらについては、昨年度、既に見直し済みでございます。「年齢調整後1人当たり医療費」及び「重症化予防のマクロ的評価」を導入したところであるため、今年度の見直しは行わないこととはしてどうかという3点でございます。
 なお、評価指標につきましては、秋以降、広域連合の代表からなる「インセンティブ実務者検討班」にて検討し、次回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキングに報告したいと考えております。
 こちらの進め方について御承認をいただきたいと考えてございます。
 続きまして、資料3をお手元に御用意ください。「第3期データヘルス計画の策定について」でございます。
 1ページ、国では、現在、医療費適正化計画、健康増進計画、医療計画、介護保険事業計画等の次期計画についての検討が行われています。保険者におきましては、令和6年度から第3期データヘルス計画が開始されることを見据え、令和5年度中に第2期データヘルス計画の評価、及び第3期データヘルス計画策定の準備が必要となります。
 また、それに先立ちまして、国においては、今年度9月から「データヘルス計画の在り方に関する検討会」及び「高齢者保健事業のデータヘルス計画策定の手引きに係るワーキンググループ」を開催することを予定してございます。
 2ページで具体的なスケジュールをお示ししています。
 上の青四角で示している部分が「データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会」のスケジュールで、国民健康保険課と高齢者医療課合同で開催する検討会でございます。こちらが親検討会に当たります。学識経験者、専門職能団体、保険者等からなる検討会となってございます。
 下の濃いピンクの四角で示しているのが「高齢者保健事業のデータヘルス計画策定の手引に係るワーキング」のスケジュールでございます。学識経験者、保険者等からなるワーキングで、いずれも令和5年度に保険者がデータヘルス計画を策定できるよう、手引きの改正版を今年度中に作成し、公表する予定で考えてございます。
 3ページでございますが、こちらは現行のデータヘルス計画策定の手引きの目次となります。一体的実施は令和2年度から開始されているため、現行のデータヘルス計画策定の手引きには、一体的実施の内容が記載されてございません。よって、保健事業の内容を中心に一体的実施に関する記載を追加していくことが必要となります。こちらについては、先ほどのページで御説明したワーキングでの議論の結果、手引きにまとめまして、次回の高齢者の保健事業のあり方検討ワーキングで御報告する予定でございます。
 以上が資料3「第3期データヘルス計画の策定について」の説明でございます。
○津下座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明で、保険者インセンティブ制度、そして見直しの方向性について、これでよいかということや、データヘルス計画について、どのように進めるかという御説明がありました。
 それから、先ほどのところで、高齢者保健事業の評価指標については、自治体自身が事業を改善していくための評価という視点があろうかと思いますので、自治体自身が評価するとともに、国ができるだけ客観的な指標で自治体の実施状況などを評価し、それがインセンティブにつながっていく、財政支援につながっていく仕組みを作っているということ。
 それから、この保健事業をより戦略的に行うためのデータヘルス計画ということで、いずれも評価絡みということになろうかと思いますが、御意見、御質問等がございましたら、挙手等お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 鈴木先生、お願いします。
○鈴木(隆)構成員 ありがとうございます。
 先ほど資料2で積み残しの部分があったので、その部分からコメントさせていただきたいと思います。特に、19ページの高齢者保健事業における評価指標の検討の案のところですけれども、ワーキングというか、この検討会で非常にいろいろな御議論をいただいた形で、少しずつ固まってきたものだと思います。
 ただ、今、見ていて気になったのは、先ほどどなたかの委員も御指摘されていましたけれども、こういうものはできるだけ簡素化してあるとか、標準化されているものが市町村にとっては使い勝手がよいということでした。おっしゃるとおりだと思います。その中で、糖尿病性腎症の重症化予防は、市町村で取り組まれている割合が非常に多かったですね。60%以上だったでしょうか。そういうときに、この評価指標ですが、アウトカム指標の中で、健診に行ってHbA1cが8%以上の人数・割合の変化とか、血圧が160/110の割合変化と出ているのですが、この数字というのは出所がよく分からない。
 気になったので、厚生労働省と日本医師会と、まさに糖尿病性腎臓の重症化予防検討会の報告書が出ているので、一応確認したのですが、例えばHbA1cが幾つも出ています。6.5で切っていく場合、7.0で切る場合、それから8.5で切る場合、受診勧奨は7.0%でカットオフ値を設定するとか。なので、この8%というのは一体どういう意味を持っているのかなというのが1つです。
 それから、血圧の検討会のガイドラインを見ますと、後期高齢者の望ましい血圧として150/90という数字を出していますので、そういったものとの齟齬というか、違いがあったときに市町村さんがそういうのを見て混乱しないかどうか、その辺のところをある程度足並みをそろえておく必要があるかどうかという点が少し気になりました。例えば、健診で明らかなカットオフ値にするのか、あるいは事前の指導前のHbA1cから、例えば5%以上低下した者の割合にするとか、何かそういった形にしておくというのも1つのやり方かなと思います。
 それから、欄外にも書いてある保険者インセンティブですが、資料2の23ページにも、医療費適正化を踏まえたアウトカム指標の中で、年齢調整後1人当たりの医療費というのが出てきています。これは、こういう高齢者保健事業における評価指標の中で、医療費適正化に関わるような評価、特にアウトカム評価がほとんど書かれていない。服薬指導の多剤のところにだけ医療費の変化というものが出ていますけれども、そういう状況の中で、令和5年度から一遍にこの事業の年齢調整後の1人当たり医療費の適正化がなされているかどうかというのを持ってくるのは、非常に乖離が大き過ぎるのではないかということで、少し危惧しております。
 以上2点です。意見です。
○津下座長 ありがとうございます。
 先ほどの検査値についてですけれども、HbA1c、保険者が一般的な受診勧奨、健診後の受診勧奨をされるというレベルよりは、保険者がさらに抽出して、さらに上乗せでするということで、一般的な健診のすぐ後の受診勧奨よりはレベルを高く設定しております。
 それから、高齢者の場合、薬剤服用中などの方で7%台、下げ過ぎないというコントロールをされている方も多いということで、余り介入し過ぎにならないような値ということで、糖尿病については日本老年学会と日本糖尿病学会の基準も確認しながら設定させていただいています。この数字についてはツールの抽出条件のところと整合を取っておりますので、まずはそれで対象者を把握しやすいような、そのツールの基準と合わせたというところで皆さんに見ていただいたらどうかと思っております。
 血圧についても、健診時という状況でもありますので、医療機関で健診が終わってすぐの事後指導ではなく、上乗せ指導のレベルという位置づけでの保険者の事業になっておりますので、そんな考え方で少し高め設定になっているということを御説明させていただきます。
○鈴木(隆)構成員 分かりました。たしかそのときの議論、私、休んでいたかもしれないので、今日、初めてで申し訳ありません。気になったものですから、そういった根拠といいましょうか、エビデンス、あるいはほかのいろいろなガイドラインと合わせた数字であるということであれば、もちろん異存はありません。ただ、そのことを伝えるときに、市町村さんには丁寧にお伝えすればよろしいかと思います。ありがとうございました。
○津下座長 ありがとうございます。そうですね。本当にいろいろな基準で混乱しないようにと、そのことは十分に周知していく必要があると思いました。
 また、指標についても、短期的な評価と長期的な評価ということで、上のほうは単独の事業の効果を見るような指標が上がっていて、マクロ的には、中長期的というような観点で、実は短期的な事業評価において、例えば重症化予防をやったら透析導入率が減るかとか、そこまで求めるのは難しいのではないかということで、上の段については、どちらかというと短期的な事業評価。そして、下の段については中長期的な評価という位置づけで私自身は捉えておりましたので、その辺の御説明も。
○宇野調整官 今回お示ししている評価指標につきましては、後期高齢者の保健事業、特に個別的支援に関しての案ということで、研究班から案を御提示いただいております。関係学会の先生方、関係学会のガイドライン等も御確認いただいた上で御提案いただいているものですので、今、鈴木先生から御指導いただいたように、市町村の皆様に御説明する際にしっかりと伝わるようにお示ししていきたいと考えてございます。
○津下座長 ありがとうございました。
 広域連合の鈴木様、お願いいたします。
○鈴木(孝)構成員 では、私のほうは資料2の19ページの指標の案について、お尋ねいたします。
 健康状態不明者対策のアウトカム指標として4つありまして、上3つは健診につながった方、サービスにつながった方、あるいは健康状態不明者の減少ということで、対策の直接の効果なのかなと思うのですけれども、4つ目の健康状態不明者のうち健康状態が悪い者の人数というのが、どういうふうにしてこれが指標として考えられるのか、私はぴんとこないものですから、それを教えていただきたいということ。
 それから、これもアウトカムですけれども、一番上の服薬指導の理解度・満足度ということですが、こういうものは多分アンケート調査なんかを取るのだろうなと思うのですけれども、そういうもので服薬指導のアウトカム指標として十分な評価と言えるかどうかというのは、若干疑問があるなというのが1点でございます。
 もう一つ、資料3のほうになりますが、言葉だけ確認させていただきたいのですが、データヘルス計画とか高齢者保健事業の実施計画とか、いろいろありますが、これは皆同じものだということでよろしいですね。いろいろな言葉が出て、分かりにくいのですけれども、広域連合が作成するデータヘルス計画は高齢者保健事業の実施計画だという理解でいいのかどうかということについて、お尋ねいたします。よろしくお願いします。
○津下座長 それでは、2点。
○宇野調整官 1点目の健康状態不明者対策につきましては、健康状態不明の中で健康状態の悪い方がどう変化するかということを御覧いただく指標でございます。短期的、単年度で見るというよりは、中長期的な指標なのではないかと考えてございます。
 2点目の服薬指導の理解度・満足度については、鈴木構成員の御指摘のとおり、アウトカム指標という部分とプロセスやアウトプットと捉えられる部分があるかなと思うのですが、研究班から石崎先生、御参画いただいていますので、御相談しながら整理して進めてまいりたいと考えております。
 3点目のデータヘルス計画につきましても、御指摘のとおりでございます。いろいろ申し上げて申し訳ありません。データヘルス計画=保健事業計画でございます。同じものでございます。保険者が策定する保健事業の計画をデータヘルス計画とさせていただいています。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
 ただ、データヘルス計画と例えば健康増進計画、健康日本21とか医療計画とか介護保険計画、同時期改定なのです。なので、高齢者の一体的な実施については、一体的な実施の事業だけじゃなくて、例えば健康増進計画で高齢者の健康づくりに関する指標にも関連があるかと思いますし、介護保険計画の中でも介護予防と一体的な実施というのが捉えられていくということで、その辺、他計画とも整合性を取りながら、情報交換しながら進めていくことが非常に重要かなと思いました。
 令和6年度、一斉にスタート、次期計画に入るということで、それぞれの担当課のいろいろ調整が必要になってくると思いますけれども、一体的な実施については、ちょうどうまくいろいろな部局との調整をするにもいいタイミングかなとも思います。
 それでは、御審議いただきたい最後の1点なのですけれども、資料2の23ページにデータヘルス計画の見直しについてとかインセンティブの見直しの方向性の案がございます。本ワーキングでこのような方向で進めてよろしいかということについて、御承認をいただきたいなと思っておりますが、いかがでしょうか。インセンティブの中で一体的な実施に関する指標を強化する。一体的実施を市町村が進めやすいようなインセンティブ制度を検討していくということや、データヘルス計画の中で幾つかの保健事業に関する指標について評価していくとか。あとは、マクロ的評価については、令和5年度は特に変えないという御提案がございましたけれども、特に御反対の意見等はございますでしょうか。
(反対意見なし)
○津下座長 よろしいですか。この方向で、一体的な実施を市町村が進めていけるよう、先ほど宮川先生からも、財政的な支援とか、市町村が実施しやすくする方策ということも御意見いただきましたけれども、市町村がこれに取り組めば、より財政的な支援を受けやすくするということにつながってくるのかなと思います。
 御承認いただいたということで、本日は予定していた議題については全て終了いたしました。先生方の活発な御意見、御議論、本当にありがとうございました。
 それでは、事務局にお返しいたします。
○春日専門官 ありがとうございました。
 先生方から頂戴しました御意見を踏まえまして、さらに検討を進めてまいります。
 次回の開催日程は、後日改めて調整させていただきます。
 本日は長時間にわたり、ありがとうございました。