第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局 予防接種担当参事官室

日時

令和4年8月8日(月) 13:00~15:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事内容
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 それでは、定刻となりましたので、第34回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催します。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議事は公開です。また、前回の分科会と同様、議事の様子はYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しているYouTube撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 続いて、本日の出欠状況について御報告いたします。
 全国町村会の伊藤(定)委員、福島委員、森尾委員から御欠席の連絡を受けております。現在、委員17名のうち14名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 続いて、資料についでございます。
 本分科会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元のタブレット端末で閲覧する方式で実施いたします。資料番号01の議事次第及び委員名簿から番号06の利益相反関係書類までを用意しております。資料の不足等、御不明な点がございましたら事務局員にお申し出ください。
 それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 それでは、ここからの進行は脇田分科会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○脇田分科会長 会議の冒頭から、事務局の音声が小さくて聞こえにくいのですよ。
○萩森予防接種担当参事官室長補佐 すみません。
○脇田分科会長 今は大丈夫ですか。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 はい。よろしくお願いします。
○脇田分科会長 この会議はいつも事前の音声チェックはやらないのですけれども、チェックをしていただいたほうがいいと思いますが、いかがですか。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 失礼いたしました。おっしゃるとおりでございます。以後、気をつけます。
○脇田分科会長 では、よろしくお願いします。
 それでは、委員の皆様、今日もよろしくお願いいたします。
 それでは、会議を始める前に、事務局から審議参加に関する遵守事項についての御報告をお願いいたします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 審議参加の取扱いについて御報告いたします。
 本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告いただきました。各委員及び参考人からの申告内容については資料番号06の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 本日は、議事内容に関し「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようよろしくお願いいたします。
 以上です。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入ってまいります。
 まず事務局から、新型コロナワクチン接種の状況についての説明をお願いいたします。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 お手元の資料1を御覧ください。まず、1番の「新型コロナワクチン接種の現状」についてでございます。
 基本的には、時点更新でございますので、詳細な説明は割愛させていただきますが、3ページ目に、国内の発生動向をお示ししておりまして、直近は、感染者数の増加を見てみるという状況でございます。
 4ページ目には、ウイルスの系統の置き換わりの状況をお示ししております。
 また、5ページ目には、オミクロン株の直近ではBA.5の占める割合が多くなっている状況をお示ししているものでございます。
 続きまして、感染症の患者さんの状況としまして、6ページ目には、重症者数の割合をお示ししておりまして、7ページ目には、死亡者数と割合をそれぞれお示ししております。
 次に、接種の状況としまして、8ページ目、9ページ目は時点更新でございまして、適宜、御参照いただければと存じます。
 10ページ目は、前回の分科会でも類似の資料をお示ししておりますが、今回の話題を踏まえまして、5~11歳の初回接種の状況についてもお示ししているものでございます。
 11ページ目については、特段の更新はございません。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の議題ですけれども、資料2の13ページということですが、どうなっていますか。
○和泉ワクチン情報分析専門官 すみません。これは事務局の間違いで、資料1の13ページでございます。
○脇田分科会長 資料1の13ページを御覧ください。
 今日の論点で、3つございます。まず最初に、「オミクロン株対応ワクチン」、それから、4回目接種の対象者、そして、小児の接種ですね。
 それでは、順番に進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 最初のまず1番目、「オミクロン株対応ワクチン」の接種についてということですね。
 では、事務局から、資料の説明をお願いいたします。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。ありがとうございます。
 では、1つ目の話題の「オミクロン株ワクチン」の接種について、御説明させていただきます。
 14ページ目にお進みいただきまして、関連する論点3つほど挙げさせていただいています。次ページ以降で、背景等を御説明させていただきます。
 15ページ目にお進みいただきまして、こちらは前回の分科会資料の再掲でございますが、ページの下方の事務局案に記載のとおり、方向性について、前回の会議で御了承をいただきました。
 続きまして、16ページ目には、この議論を受けまして、自治体に対して通知を発出してございますので、こちらの具体的内容をお示ししております。本日は、ここの赤枠で囲った3つのことにつきまして、御議論いただければと考えております。
 まず、接種の対象者についての情報として、17ページ目にお進みいただければと存じます。「オミクロン株対応ワクチン」について、諸外国の見解を要約してお示ししております。WHO、米国のFDA、欧州のEMAのそれぞれの見解をお示ししておりますが、WHOのところに記載の1ポツ目のとおり、さらなる変異に関する不確実性を踏まえれば、重症化及び死亡への予防効果を維持しながら流行している。または、新たに発生する変異株への幅広い免疫を獲得していくことが堅実とのことでございます。
 また、前回からのアップデートといたしまして、一番下のEMAのところでございますが、「オミクロン株対応ワクチン」について、具体的な亜系統の絞り込みはしていないようでございますが、2ポツのところのとおり、BA.1対応の2価ワクチンの評価を開始したということが、7月22日に公表されておりましたので、こちら記載して、御報告いたしました。
 18ページ目にお進みいただきますと、その他、各国の状況として、接種対象者について、現時点での状況を記載させていただいております。前回の資料でもございましたので、アップデートは特段ございませんが、各国の状況を見ますと、ハイリスク者については、少なくとも対象としている場合が多いようでございますが、そのほかにも、年齢の低い対象者についても対象とし得るとされているところもあるようでございます。
 続きまして、ワクチンの種類について、少し触れさせていただければと存じます。19ページ目にお進みいただきますと、前回の分科会でもお示しをしてございますが、現在、「オミクロン株対応ワクチン」として掲載している2社が開発中ということを聞いているところです。
 また、20ページ目にお進みいただきますと、こちらも、前回の分科会資料の再掲ではございますが、現時点で公表となっている各社のデータを少しまとめて記載してございます。こちらは前回お示ししたところでございますが、現状、この表のとおりですね。基本的には、中和抗体価に関するデータしか、現在のところ利用可能でないといった状況であると認識しております。
 21ページ目にお進みいただきまして、こちらは、各国における「オミクロン株対応ワクチン」についてで、こちらも前回もお示ししたところでございますが、状況としては、大きく変化はないと認識しております。幾つかの国や地域では、秋からの接種ということが示唆されているという状況でございます。
 以上が、諸外国の状況等でございました。
 続きまして、前回の分科会の御議論を踏まえまして、「オミクロン株対応ワクチン」の構成につきまして、専門的な場で議論をしていただいた上で、本分科会に御報告するということになっておりました。これを受けまして、検討会を立ち上げさせていただきまして、専門家の先生方に御議論いただきまして、「オミクロン株対応ワクチン」についての取りまとめを頂戴しましたので、これについて、検討会の構成員である鈴木先生から御報告をいただければと存じますが、よろしいでしょうか。
○脇田分科会長 それでは、鈴木先生お願いできますでしょうか。
○鈴木委員 感染研感染症疫学センターの鈴木です。
 それでは、資料2を御覧いただきたいと思います。「新型コロナワクチンの製造株に関する検討会」として、議論を踏まえて、取りまとめを行っております。
 1ページ目の○2を御覧ください。現状ですが、今、紹介ありましたように、「オミクロン株対応ワクチン」として、従来株ワクチン(武漢株)であるBA.1対応型あるいはBA.4、BA.5対応型の2種類のワクチンが、現在、開発中であるという状況です。
 次の○3を御覧ください。従来の武漢株と現在流行しているオミクロン株との間の抗原性の差を比較すると、オミクロン株の中での亜系統間の抗原性の差は大きくないことが示唆されています。「オミクロン株対応ワクチン」について、これまでに示されたデータの範囲内では、従来株のワクチンと比べて、ワクチンに含まれる成分と異なる亜系統のオミクロン株に対しても中和抗体価の高い上昇が見られるなど、オミクロン株に対するより高い有効性が期待されています。
 次のページの○1を御覧ください。そして、現在、我が国でも主な流行株はオミクロン株となっていることから、利用可能な「オミクロン株対応ワクチン」による接種になるべく早く切り替えることが妥当であると考えられます。まずは、いち早く利用可能となる「BA.1対応型」を選択すべきだと、見解がまとまっております。また、一方で、BA.2.75といった新たな株も国内外で確認されるなど、ウイルスの変異は今後も継続して起こるものと予想されるため、さらに新たなワクチン株を用いたワクチンの利用可能性についても、継続して検討する必要があると、このように取りまとめております。御報告させていただきます。
 以上です。
○脇田分科会長 鈴木先生、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局はさらに説明をお願いいたします。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。鈴木先生、御説明ありがとうございました。引き続き、事務局から説明させていただきます。
 資料1に再びお戻りいただけますでしょうか。ページは22ページまでお進みいただければと存じます。
 こちらは接種の時期に関する論点として、図をお示ししております。タイトルにございますとおり、最終接種の時期と「オミクロン株対応ワクチン」の接種時期の関係について、図を用いて少し御説明させていただければと存じます。
 まず、図を見ていただきますと、山の左のほうに、赤とか青で濃く塗ったグラフがございまして、こちらは3回目接種の実績をVRSから取り出して図示をしたものでございます。青く塗ったものが60歳以上、赤色で塗ったものが60歳未満を示しておりまして、それぞれこの山を形成しているピークのところが2~3月ないし3~5月ぐらいにあるというところでございます。
 そこから5か月、これが接種の間隔をイメージしておりますが、5か月を経過したものを、少し右側の薄い色で塗ったところにお示しをしております。つまり、この薄い部分が次の接種である4回目接種が可能になる時期ということで、その推移を見たものでございます。
 また、図の中にお示ししておりますけれども、事務局からワクチンの製造販売業者に確認を取りましたところ、BA.1対応型ワクチンについては、薬事承認がされればということでございますが、9月中には輸入が開始される見込みということでございます。輸入から接種開始までにかかる配送等の期間を考慮しますと、およそ本年の10月半ば以降を見込んで、「オミクロン株対応ワクチン」が導入できるのではないかと考えているところでして、こちらも図の中の黒い矢印、右半分の上のほうに記載のとおりお示ししてございます。
 こうした情報も一緒に御覧いただきつつ、接種のタイミングを御説明できればと存じますが、60歳以上の方については、7月以降に多くの方が4回目接種の時期を迎えることになりますので、その次のワクチンの接種は、仮に接種間隔が5か月だとすれば、さらに5か月後の12月頃に多くの方が接種可能時期を迎えるということでございます。また、60歳未満の方についても同様に推移するということでございまして、未満の方は、現時点では基本的に4回目接種の対象とはなっていないので、赤の薄い領域は仮の話ではございますが、ここで4回目接種を行ったとすれば、次の「オミクロン株対応ワクチン」接種間隔、仮に5か月とすると、赤い点線矢印で記載しているとおり、「オミクロン株対応ワクチン」を接種可能となる時期は、年明けの1月頃以降となるかなというところでございます。こちらで接種の間隔についてイメージをできればということで、御説明をさせていただきました。
 次の23ページ目にお進みいただきますと、お示しした論点3つほど挙げさせていただきましたが、まとめとさせていただければと思います。
 論点の1つ目の接種対象者につきましては、前回の分科会において、こちらに記載しているとおり、初回接種を終了した方を対象として、「オミクロン株対応ワクチン」による追加接種を実施する準備を行うこととしまして、少なくとも重症化予防効果は期待できることから、少なくとも高齢者等は対象とするということとされたと存じます。
 ここで事務局から、今後の整理等のためにも2点ほど少し御議論をいただければと存じますが、そもそも、改めて、前提として、新しい「オミクロン株対応ワクチン」について、従来型ワクチンと比べて、どのような利点や強みがあると考えられるのか。免疫学的な観点などからということだと思うのですけれども、現時点で、よろしければ、先生方の御知見、お考えないし意見等をいただきまして、今後の検討を深めるための準備を取り組ませていただきたいと思っております。
 また、2つ目の少し御議論いただきたい点としましては、そうした考え方も踏まえて、今後、検討は必要だと思っているところでございますが、接種の対象者についてでございます。現時点で、記載させていただいたとおり、初回接種を終了した方ということで想定をしておるところですけれども、そして、WHOなどにおいても同様に言われているということは先ほど御説明したところでございます。「オミクロン株対応ワクチン」の利点や強みなども考えたときに、そのほかの対象者について、現時点で絞り込むことができるのか。あるいは、絞り込むべき根拠などがあるかについて、こちらでも現時点のお考えというところかと思いますが、御知見等を伺わせていただけないかと思っておりますので、こちらもぜひ御議論いただければと存じます。
 紙の論点の2つ目に移りまして、ワクチンの種類につきましては、事務局より諸外国の動向を御案内いたしましたが、先ほど鈴木先生から御報告くださいました検討会の取りまとめを踏まえまして、お示ししているとおり、利用可能な「オミクロン株対応ワクチン」による接種になるべく早く切り替えることが妥当であるという御指摘をいただいておりますので、まずは、いち早く利用可能となる「BA.1対応型」を選択するべきとの結果を受けまして、導入すべきワクチンを決定してまいりたいと存じます。
 また、取りまとめにもございますとおり、今後の変異株についても、引き続き検討を要する状況とおまとめしております。
 最後に、論点の3つ目の接種の開始時期でございます。先ほどの山を描いた図の際に御案内したとおり、BA.1の輸入に関しては、薬事承認がされればという前提で、9月中ということでございます。また、BA.4/5に関しましても、こちらに記載してございますとおり、現時点では未定となっておりまして、BA.1に比較すれば遅れる見込みということは聞いてございます。
 また、接種の間隔についてでございますが、先ほど図でお示ししましたけれども、現時点ではまだ確定はしていないという状況でございますけれども、仮に5か月としたときに、前の接種の間隔について留意が必要であるということを御説明させていただきました。
 以上を踏まえまして、事務局の案としましては、下のほうに記載しているとおり、接種の対象者については、これから先生方の御意見を賜れればと思っておりますが、現状としては、初回接種を完了した全ての方を対象にして実施することを想定して、引き続き準備を進めてはどうかということ。その詳細については、今後得られるデータ、諸外国の動向等、あるいはこれから御指摘・御示唆をいただければと存じますが、そうしたものを踏まえて、引き続き検討することかと存じます。
 また、ワクチンの種類については、検討会における検討を踏まえまして、まずは、「BA.1対応型」を導入することとしてはどうかということでございます。
 そして、最後の論点の接種の開始時期については、先ほど御案内のとおり、令和4年10月半ば以降をまずは見込んで、「BA.1対応型」のワクチンを導入することとしてはどうかと記載させていただきました。
 以上でございます。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
 「オミクロン株対応ワクチン」の接種に関する論点ということで、今、事務局からは、まず、前提となる新しい「オミクロン株対応ワクチン」の利点について、どういった点があるかということを前提として、先生方から意見を欲しいというところ。その上で、論点1、2、3で、接種対象者、ワクチンの種類、そして、接種の開始時期ですね。下部検討会議で、私も入りまして、メーカーからのヒアリングもやりまして、今どういった開発状況なのかということを教えていただいて、議論をしたところではあります。
 結論は先ほど鈴木先生に御説明していただきました。何を選ぶかというところが、接種開始時期にもつながってくるというところで、今、一番早く導入できるのが「BA.1対応型」のものであると。皆さんも多分御存じのとおり、開発は、BA.4/5対応型も今は進んでいると。ただ、それを選ぶとさらに遅れてしまうということが、そこがつながってくるということですね。
 検討会の中の意見として1点だけお伝えしておこうと思ったのは、米国のFDAがBA.4/5対応型を選ぶというのがあって、委員の中からは、FDAのBA.4/5を選ぶという意見については尊重するべきではないかといった意見もあったと。ただ、日本の感染状況とか、これから冬に備えることを考えると、なるべく早くできるものを利用したほうがいいのではないかといった意見もあったというところでまとまったというところです。
 私から情報提供みたいな形になりましたけれども、それでは、事務局からありました、最初に、「オミクロン株対応ワクチン」が、従来型のワクチンに比べてどういった強みがあるかというところで、先生方から御意見等あればお願いしたいと思います。
 まず、釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 ちょっと私の勘違いかもしれないのですが、前回のときは、ファイザーのワクチンはオミクロンに対応する株が1価で入っていて、モデルナは武漢株とオミクロン株対応株と2価で入っているという認識でおりましたけれども、今日の特にこの検討会の資料を拝見すると、ファイザーもモデルナも両方とも2価のワクチンで提供されるという理解でよろしいのでしょうか。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 多分、そこはちょっと説明不足だったかと思いますけれども、日本に提供されるものは、ファイザーもモデルナも2価になるといった理解でした。
 事務局から、そこの点の御説明をお願いできますか。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
 御指摘のとおり、前回資料でお示ししたところでは、単価、2価両方の資料をお示ししているところで、臨床試験においては、両者はこれらのワクチンを使って臨床試験をしているところでございますが、企業へのヒアリングを通じて、今後、導入されるワクチンについては、両社とも2価のワクチンでございます。
○釜萢委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○脇田分科会長 では、伊藤(澄)先生、お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 今日の参考資料として小児のコホート調査のデータを提供させていただいておりますが、それ以外の国内のデータも随分つくらせていただいているのですけれども、本日のデータでは、20ページの資料が大変重要な資料だと思っています。mRNAの量を増やせば抗体価が上昇するというのは明らかなのですけれども、副反応が増えてくると予想できるのが1点と。
 それから、もう一点は、1.5~2倍程度の抗体価の違いをどう考えるのかという点ですけれども、1.5~2倍程度は、半減期が2~3か月ぐらいであることを考えると、それほど著しく高い有効性を示しているわけではないという判断をしたほうがいいのではないか。というのは、この「オミクロン株対応ワクチン」を待つことによって、接種の時期を後ろに移すことのメリットがそれほどないということについては、皆さんに承知をしていただいた上で、議論をしたほうがいいのかなと思います。
 とりわけ、新しいワクチンが出てくるという話になると、接種控えが起きるのではないかを大変懸念しておりまして、そうならないように、今あるものを、待たずに打つことも大切だというメッセージは、どこかで出さなければいけないのではないかと思いました。これは意見です。
 以上です。
○脇田分科会長 伊藤(澄)先生、ありがとうございます。
 確かに接種の開始時期が、次の議論をしなければいけない4回目接種の対象者拡大とちょっとつながってくるというところがありますので、その点も念頭に置いてということだと思いました。
 坂元先生、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
 今、オミクロンが流行しているというところで、オミクロンに切り替えていくという方針は基本的には賛成ですが、先ほど伊藤(澄)先生がおっしゃいましたように、どこの年齢層をターゲットにするかによって違ってくる。重症化という観点から考えると、この「オミクロン株対応ワクチン」が今の野生株でつくられたワクチンと劇的な差があるのかというと、どうもそんな感じはあんまり見えない。
 今、厚生労働省から仮の話で、5か月という話が出たと思うのですが、アメリカでやられている治験を見ると、前回の資料にもあったのですが、一応リクルートされた最小期間が4.7か月、最大が12.9で、中央値が6.3というと、大体5か月から6か月あたりが接種間隔になるだろうということは、この治験の結果からは想像つくのですが、一つの考え方として、今、高齢者の4回目接種をやっているが、まだ5割には行ってないと思うのです。それで、医療従事者を始めてしまっているという中で、一番リスクとなるだろうという集団が4回目で、これが仮に五、六か月ずれるとなると、この分が来年の1月、2月ということになって、ひょっとすると今のオミクロンのピークが過ぎてしまっているのではないかと思います。それから、医療従事者に関しても、これから4回目接種を拡大していくことです。そうなるとさらにずれるという形で、「オミクロン株対応ワクチン」の対象者をどこに絞ってやるのかということですね。
 つまり、オミクロンのBA.1が入っているから、もしかすると感染拡大に抑制がかかるのかもしれない。つまり、その戦略がどこにあってワクチンを切り替えるのかということです。今、既に、4回目接種の拡大が動いてしまっている中で、それをきちんと議論して、オミクロンへの切り替えの戦略を立てなければいけないと考えております。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがですかね。
 当然、今、武漢株によるワクチンをやっていて、以前も、高橋先生から御紹介があったと思うのですけれども、接種をしている時間が経過してくると、変異株に対する中和抗体価も上がってくる。ただし、それは急激に下がっていくので、3回目接種をするとそれが回復して、より幅広い変異株に対する免疫が誘導される。ただ、3回目接種の後に、それもウィーニングしていくということですね。
 ただ、今回、オミクロン株はかなり抗原性が上がってきたので、さらに中和抗体価が低下傾向にあるということですから、オミクロン株によるワクチンを2価で与えることによって、より幅広い、2つのものが入るわけですから、2つの同心円状に変異株に対する免疫が対応できるようになると考えられるのではないかと考えるところですね。
 それから、今の免疫状況を見ていくと、感染状況をコントロールするためには、人口全体の免疫状況を上げていかなければいけないということになると、対象者は当然広く取っていかないと流行のコントロールにはならない。重症化予防にフォーカスするのであれば、重症化リスクのある方を対象にするという考え方ということでは整理できるかなと思います。
 そのほかはいかがでしょうか。
 鈴木先生あるいは中野先生から、「オミクロン株対応ワクチン」に対する考え方というか利点というか、そういったことで御意見ありますか。
 中野先生、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
 伊藤(澄)委員がおっしゃった20ページの表が大切でしょうという御意見には私も全く賛成で、例えばほかのウイルス、インフルエンザウイルスのワクチンを見ても、多価にしてトータルのたんぱく量を増やしたほうが、異なるタイプのウイルスに対して交差免疫性が上がるのか。あるいは、異なる単価のワクチンで追加免疫を行ったほうが異なるタイプのウイルスに免疫が上がるのかというのは、最終的にはヒトに打って発症予防効果を見ないと分からないと思うのですね。
 ただ、それは今の時点でどちらがいいかはまだ分からないわけですので、ここで議論をしていても、あまり結論は出ないと思うのですが、私がこの20ページの表を見てちょっと思ったことは、ファイザー社の56歳、オミクロン株のBA.1の対応単価ワクチン30μgと従来株とオミクロン株30μgずつと、現行ワクチンと同じたんぱく量30μgを単価で見たのと2価で見たのと、これは中和抗体価だけの評価ですけれども、この中和抗体価の比にあんまり差がないなというのをちょっと見ています。
 こんなことも検討しつつ、ただ、世界的にもワクチンの供給はきっと限られているでしょうから、国内に何が何本入ってくるかを踏まえた上で、国民の皆様にこれをこう使うのが一番いいのではないかということをお示しするのが、私たちの役割だと思っていますけれども、そんなことも注意しながら検討していかなければならないのかなと、この表を見て感じました。
 以上でございます。
○脇田分科会長 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 先ほど聞き忘れたのですが、20ページの表を見ると、ファイザー社の治験、オミクロン株単体だと18~55歳、2価ワクチンだと56歳以上なのですね。これは、もう単価で18歳からやっていて、それで、2価で56歳やれば、18歳から打てるよという意味なのか。それとも、データ的に、2価は56歳以上しか打たないのか。これ、ちょっと調べてみたのですけれども、ほかもどうも治験がないようなので、2価ワクチンは56歳以上しかないのではないかなとの感じがする。
 そうすると、日本に導入したときに、全年齢というものの根拠がどこにあるのか。では、これは56歳以上から先にやって、その後、出次第、18歳から拡大していくというか、そこらへんの対象年齢によってもワクチン戦略がちょっと違ってくると思いますので、この表の見方についてお教えいただければと思います。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
 現在、臨床試験で行われているデータについてはこのとおりでして、年齢に関しても、こういったワクチンをこういった年齢を対象に行っているというものでございます。
 ただ、2価ワクチンが導入された場合に、対象年齢がどうなるかということは、ちょっと別の話とは言い難いのですけれども、この表のとおりになるとは限らなくて、つまり、2価ワクチン、既存のワクチンからの改良型ワクチンという形で承認申請がなされますので、データのパッケージの中で対象年齢が広くされるということも十分にあり得ると認識をしております。具体的に何歳から対象になるか。これは、既存のワクチンのデータを含めてどこまで認められるかというところでして、具体的な審査の過程にかかってきますので、確かに先生おっしゃるように、何歳からというところは現時点では確定していないというところでございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 そのほかはいいですか。最初の前提のところです。
 今、限られたデータの中から、先生方からいろいろ御意見があったところですから、伊藤(澄)先生からは、ページ20のデータが重要なのではないか。確かにここのところだけが今データとしてアベイラブルというところですから、そうしますと、このオミクロン株を10月半ばまで待つということが本当にベストなのか、それとも、今使えるワクチンを使って接種を進めていったほうがいいのではないかという可能性もあるというような御意見だったと思います。
 中野先生からは、世界的に、今、供給が限られているワクチンをどう使っていくのかということが重要ではないかということでした。
 この「オミクロン株対応ワクチン」の利点とかそういったところに関しては、今後のデータがどう出てくるかということもありますので、事務局には引き続き整理をしていただくということかと思いました。
 論点のほうに参りたいと思います。
 論点の1、接種対象者のほうですね。これは前回の分科会においては、少なくとも重症化予防効果を期待して高齢者を対象にすることはあり得るということでしたけれども、今回の事務局案としては、初回接種を完了した、1回目、2回目を終わった全ての方を対象にするということを想定して準備をしていいのではないかと。先ほど、今、承認申請がどの程度の工程にあるのかは分かりませんけれども、もちろん年齢も踏まえての承認ということになるとは思いますが、こちらについては、先生方から御意見いかがでしょうか。コメントがあれば。対象者ですね。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 すみません。事務局で補足1つさせていただきます。
○脇田分科会長 どうぞ。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 先ほど、供給確保のところと争奪戦になるので、それを踏まえてという御指摘を坂元先生からいただいたと思いますけれども、こちらは資料でお示ししていますとおり、自治体向けの事務連絡では、初回接種を終了した者全てに接種することも想定してというところで御案内しておりまして、我々としても、当然、それに応じたものは確保できるようにというところで準備をしてございます。現時点の見込みではございますけれども、初回接種を終了した者全てに接種を行うとしたとしても、ワクチンの確保については十分できるというところの見込みがある状態でございます。それを踏まえて、接種対象者について御議論いただければと思います。
 ありがとうございます。
○脇田分科会長 供給に関しては、十分できるということですね。
 いかがでしょうか。御意見ございますか。
 坂元先生、鈴木先生の順番でお願いします。
○坂元委員 初回接種を終了していない人は打てないということは明確なので、多分データがないと思います。その辺のアナウンスをしっかりしないと、これは、多分、今後このワクチンが追加、追加というパターンでやると、最初のときは1回目と2回目で、一つのセットでやったのですけれども、今後、全ての接種が追加というパターンになると、初回シリーズを受けてない人は多分ずっと受けられないという話になってしまう危険性も出てくるので、そこらへんのところのアナウンスは必要ですね。これはしっかりやらないといけないなと思うのですね。今現在でも、1回目、2回目の接種は可能だと思うのですね。だから、それを済んでないと受けられませんよというアナウンスをしないと、後でちょっと問題が起きるかもしれないと思います。このオミクロンだけから始めたいというのが基本的には駄目ということなので、そこらへんのアナウンスはきちんとやらなければいけないなと思っています。
 それから、今、厚生労働省から御説明があったように、18歳単体でやって、56歳からは2価でやっているというのであれば、パッケージで恐らく18歳からは認めてもいいのかなという考え方も私はあると思うので、多分そんな方向で行くのかなと思うので、そうすると、18歳以上を対象の人という考え方。
ただ、1回目と2回目の初回シリーズのワクチンのコンセプトは、重症化しやすい人から始めた。そういう人に関わる医療従事者から始めたという、ワクチンの大前提のコンセプトがあったという形です。今回、4回目の拡大とかいろいろなものが入ってくると、5か月過ぎたら、打てる人から始めていってしまうという、そういうコンセプトで行くのかというところの、一つのワクチンの大きな戦略というものを見据えてやらなければいけないなと思います。基本的に、「オミクロン株対応ワクチン」を導入するという考え方は反対ではないのですけれども、そこらへんの考え方はしっかりしておかなければいけないなと思います。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 鈴木先生、お願いします。
○鈴木委員 これからの短期的な部分と中長期的な戦略というものを考えていかないといけないと思います。論点マル1だけではなくて、マル2、マル3にも関わることですけれども、まず、高齢者と若い世代はある程度切り分けて考えていいのかなと思います。高齢者に対しては、主に重症化・死亡の抑制の効果を期待しているわけですので、まず当面、とにかく「オミクロン株対応ワクチン」が登場するのを待つことなく、できるだけ今の4回目接種をしていない人については、さらに接種拡大を進めていくべきであると考えています。
 一方で、それより若い世代についてですが、若い世代については、もちろん重症化予防効果は大きく期待するわけですけれども、一方で、社会を回していくという意味では、例え限定的であるとしても、感染発症の予防効果というのは一定程度あるのであれば、それに期待をするのだと思います。
 そうした意味では、京都大学の西浦先生がアドバイザリーボードで毎週資料を出していますけれども、人口に占める免疫の保有者の割合、これはワクチン、プラス自然感染によって獲得した免疫の割合ですが、20代~50代を見ますと、直近で大体人口の半分ぐらいが免疫を獲得していると推定されています。これは、今の第七波の流行拡大によって獲得した自然感染による免疫によって上がっているわけですが、この波が、今、ピークかどうかはちょっと分かりませんが、これから一定程度下がってくると、自然と免疫がだんだん減弱してくることが今後予想されるわけです。
 さらに、その次のいわゆる第八波に相当する波に備えるためには、この免疫保有状況を一定程度保持しておかないと、その次の波に備えることができないということを考えると、この若い世代に対する追加のワクチン接種は、現実的には、少なくとも念頭に置いておくべきだし、一定程度積極的に接種していくということは考えておく必要があると思います。
 ちょっと話が長くなりましたが、この若い世代については、9月以降の流行状況、それから、免疫保有状況を踏まえて、あるいは「オミクロン株対応ワクチン」の供給状況を踏まえた上で、若い世代にどこまで積極的に打っていくべきなのかということは判断するのがよいかなと思っております。
 以上です。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
 先ほど、坂元先生から言われたこのワクチンの戦略ですね。そこをどう考えるかということも、今、鈴木先生から少しお話があったかと思いました。
 白井先生、お願いします。
○白井委員 私も、先ほど坂元先生と鈴木先生のおっしゃるところと似ているのですけれども、今回、オミクロン対象ということになると、一般の人は、オミクロンがこれだけ流行っているから、次のオミクロンが来たらみたいな話になると、重症化予防だけではなく、発病予防とか感染予防を期待するのではないかなと思います。
 ワクチンの効果というか目的を、今回はそういうところにまで求めると言えれば、若い人もそういう意味での感染対策の一環として選べるのではないかなと思いますし、個人の重症化または発病予防だけではなく、集団の免疫を上げるというような、感染予防としての言い方をもう少し分かりやすくできればいいのかなと、そこまでのことが示されると理解できるのではないかなと思いました。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 今、接種対象者のところで御意見をいただいてきています。主にあった意見は、ワクチン接種の戦略ですね。要するに、効果をどう考えるか。発症予防効果、感染予防効果、それから、重症化予防効果ということで、高齢者はもちろん重症化予防効果をメインに考えてということですけれども、若い人にも流行のコントロールに貢献できるような、免疫状況を上げる、感染予防効果、発症予防効果を期待してということだったかと思いますが、あとは、坂元先生から、アナウンスをしっかりすると。1回目、2回目の対象外で、そこは従来のワクチンをしっかり打っていただいてから追加の接種ということです。3回目からは対象になるということだと思いますが、ほかはいかがですか。
 大丈夫ですか。
 ここの論点は何かございますか。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。
 御指摘いただき、ありがとうございます。おまとめいただいたとおり、ワクチン接種のそもそもの目的というところの整理は非常に重要だと認識しておりまして、先ほど座長からも御指摘いただいたように、幅を広げていくという考え方、あるいは白井先生がおっしゃったように集団の免疫を上げていくという、そういったことを期待するのだと思うのですが、現状、見ていただいたとおり、抗体価の値しかデータとしてございませんので、いただいた御意見を踏まえまして、引き続き、事務局でもその目的を整理していくということは重要だと思っております。
 そして、坂元先生からも御指摘いただいたように、初回の後の追加という位置づけということで、こちらは、次のワクチン自体がそういった目的を持って承認申請されていくということでもございますので、しっかりと位置づけをお知らせしながら、あるいは、初回接種自体が非常に重要ということで、政府からもお示ししておりますので、初回接種をしっかり打っていただくというアナウンスも含めて一緒にすべきという御指摘だったかと思いますので、取り組ませていただきたいと思います。
 鈴木先生から御指摘いただいたように、年代に分けてということで、御高齢の方は4回目接種、重症化予防を目的としてということで、本日、後ほど資料でもございますが、4回目接種というところをできるだけ速やかにというのは御指摘のとおりかと思います。
 また、若い人については、感染予防効果というところが、現状のデータで、次のワクチンがどれぐらい期待できるかというのは、現状まだ正直データがないということでございまして、こういったことも期待はできるかと思っているのですけれども、情報が得られ次第、整理をして、また、お示しできるようにしたいと思っております。
 先ほどの議論で、伊藤(澄)先生からも打ち控えという話を少しいただいたかと思うのですが、若い方の3回目接種については、先ほど御指摘いただいたとおり、変異株に対しても一定の感染予防効果を期待できるということで、こちらは、ぜひ、速やかに打っていただきたいということをお示ししているところではございますので、3回目接種の対象になっている方で、まだ打ってない方にはぜひ打っていただきたいというところをしっかりと政府としてもお示ししていく必要があるのかなと認識しております。
 以上でございます。
○大坪大臣官房審議官 恐れ入ります。事務局、ちょっと補足をさせていただきます。
 今日、15ページにお示しをしております事務局の案でございます。1つ目の○に、初回接種終了した方を対象に、全ての方を対象ということを想定して準備を開始したいということで、前回もお示しはしましたが、よりちょっと強い形で御提案をさせていただいております。
 今、事務局申し上げましたように、中和抗体価しか恐らく最終的にも出てこないかもしれないと。疫学的な効果が、接種の前までにデータがそろうことがないのではないかと思われますところ、鈴木先生からも、白井先生からも、多くの先生方からいただきましたように、そこの目的をはっきりしつつ、年代別にはっきりしつつも、その限界があったとしても、限定的であったとしても、感染予防効果があるのではないか。それから、最終接種からの期間が空いていきますので、その効果、免疫がだんだん低減してくるのではないか。そういった考え方の下で、この事務局の提案にありますように、初回接種を終わった方は全てが対象ということを現時点では想定して準備を進めていくという方針でよろしいという理解でよろしいでしょうか。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 今、事務局からも、再度、質問がありましたが、この事務局提案で、初回接種を完了した全ての者を対象に実施することを想定して、準備をするという御提案ですが、ここはよろしいですか。
 御意見ありますね。沼尾先生、お願いします。
○沼尾委員 御説明ありがとうございます。
 基本的に、将来の状況がなかなか見通せない中で、限られたデータの中から最大限望ましい方向を模索しながら、ワクチン供給会社と交渉しつつ、限られたワクチンを購入されているということで、そういった中で、事務局の皆様本当に御尽力されていることは重々承知はしているのですけれども、他方で、こういった形で広報をしていきながらも、そのワクチンを接種するということに対して、一定の方々が打たないという判断をしているというような実情もあると。そのときに、全ての人が打つということを前提として、契約をして購入するというふうになったときに、世界的にもワクチン供給そのものが限られている中で、本当に全国民の数を対象とした形での購入契約をするということが望ましいのかどうかというようなあたりも含めて、私は財源の有効活用という観点からも、ぜひ、その購入量や契約に関して留意をしていただけたらなと思いながらお話を聞いておりました。
 また、今後、BA.1ではなくて、BA.4/5に対応をしたワクチンがさらに開発されていくとなると、どんどん新しいものが出てくる中で、結局、買ったものだけれども、使われなかったということが生じてしまうのは非常にもったいないなというところもございますので、ワクチンの有効活用という観点からも、非常に難しいマネジメントだということは重々承知しているのですけれども、御検討いただけないかと思いましたので、一言発言させていただきました。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 事務局から、今の沼尾先生の御指摘に関して、レスポンスはありますか。ワクチンの有効活用は世界中でするべきであってというような論点ですけれども、財源的にも留意が必要だと。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 事務局としましては、今、御議論いただいているように、現時点では、初回接種を終了した全ての方に接種するよう準備するというところで、それでも大丈夫なようにというところで確保しているところでございますけれども、先生おっしゃるように、無駄のないようにといいますか、財源の有効活用というところを含めて、今後、御議論に応じて考えていきたいと思っているところでございます。ありがとうございます。
○脇田分科会長 ちなみに、BA.4/5対応のものが出てきたときに、それは、BA.1で数を買ってしまって、追加で、また、途中から買うのか、あるいは、それを切り替えることができるのか、その点はいかがですか。それは、契約のことはあんまり言えないのかな。
 どうぞ。
○大坪大臣官房審議官 事務局でございます。
 今回、追加で秋用のワクチンとして購入をしたもののほかに、もう既に、2022年用のワクチンとして契約していて、これから、まだ納品されるワクチンもございます。そういったところにつきましては、世界的に株の供給が変わった時点で、日本に対しても、新しいワクチンに切り替えて納品をされることになっております。そういった全体像の中で、まずは今般、下部の検討会で御提言をいただきましたように、いち早くオミクロンの成分が含まれているということでBA.1を購入するということで、御提言をいただいたものと思っておりますが、その後の部分につきましても、世界の状況を見て、株の流行を見て、また、企業とよく話し合っていきたいと思っております。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 先ほど、審議官から、初回接種を終了した全ての対象者と、それは基本的に賛成するのですが、市町村として、小出しにいろいろな年齢とかいろいろな対象区別でやられるほうが、準備、手間暇が非常に大変なので、やるならこの年齢やっていきますという、計画性の問題はあると思うのです。だから、そういう基本的なコンセプトという、むしろすっきりして、市町村としてはそのほうが楽かなと思いますので、それには賛成です。
 あと、何度も言っていますけれども、剤形について分かれば。剤形によって市町村のオペレーションが全然違ってくるので、9月の中頃に輸入しますということは、多分、剤形というのは今もう確定してないということはないと思うので、従来どおりのマイナス75℃なのか、それとも問屋と接種医療機関との間だけでできるようなものなのか、そこら辺分かり次第教えていただきたい。なぜかというと、集団接種会場をどの程度今後維持して、どの程度今後延長していくかというところのコストの問題があります。これも、先ほど沼尾先生から財政の問題もあったので、そういうこともあるので、剤形は物すごく大事な要素なので、できるだけその辺の早い情報を流していただいたら、非常に感謝に耐えない次第でございます。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、剤形の情報ですね。それだけではないかもしれませんけれども、ロジスティクスの問題について、分かり次第、自治体と共有をしていただくということでお願いをしたいと思います。
 時間があれですので、進めさせていただきますが、論点マル2は、ワクチンの種類等ですね。一番早く利用可能となるのがBA.1型なので、それを選択すべきという検討会の提言ですね。
 それから、マル3も一緒に議論してしまいたいと思いますけれども、接種の開始時期ですね。これが9月に輸入開始されると、10月半ば以降を見込んで接種が開始できる見込みと。この2点について、また、先生方の御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 こちらは先ほど申し上げたとおりで、まず、BA.1対応型がいち早く利用可能となるということなので、多分、冬に対してですね。アメリカのほうではBA.4/5を開始すべきといった結論がありましたが、ただ日本の場合、どうしても入ってくるのがちょっと遅れる可能性がありますので、今時点では、BA.1を選ぶのが妥当ではないかといったことでした。
 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 10月1日から、市町村ではインフルエンザの予防接種が開始されるのですが、このBA.1対応、つまり2価のワクチンも従来の1価のワクチンと同様、同時接種が可能なのかどうかという点に関してはいかがでしょうか。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがですか。このワクチンの種類と接種の開始時期ですね。下部の検討会の結論というところで、BA.1が早く輸入できるからそれと。とは言っても、BA.4/5対応型が出れば、それも引き続き検討するということで、次の変異株が出てくればというようなこともありますと。時期についてはなるべく早くという感じです。
 川俣市長、お願いします。
○川俣委員 時期を、いろいろなことがありますけれども、これだけBA.1とかBA.2.75とかと変わる場合ですけれども、前もって自治体に伝えていただくのを先にしていただけるとありがたいのです。毎回、先に公に話されてしまってから、それはあるのですかと聞かれるほうが大変なので、できましたら、それが購入されて、いつからそれを受けるのかを、自治体に先に教えてくださると、対応がしやすい。毎回、公が先で、自治体に問い合わせが必ず来て、いつからですというのを、私たちも答えられない状況が多いので、その辺だけを、情報の共有化を私たち自治体に最初にしていただけるとありがたいと思います。お願いです。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 今、坂元先生からはインフルエンザワクチンとの同時接種のお話がありました。川俣市長からは情報の共有をなるべく早くと。公になって市民がそれを知る前に、自治体にきちんと共有してほしいと、そういったお願いでしたが、事務局からいかがですか。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
 坂元先生からいただいた同時接種についてでございますけれども、前回、インフルエンザワクチンとの同時接種について御議論いただきまして、手引きの改訂を行ったところでございます。こちらは、新型コロナワクチン全てにおける一般則ということになっておりますので、現状の手引きのままであれば、「オミクロン株対応ワクチン」についてもインフルエンザワクチンとの同時接種は可能となるという状況でございます。
 それから、自治体との情報の共有についても御意見をいただいたところでございます。我々としましては、分科会を開き、そして、自治体説明会という形で情報を共有しているところではありますけれども、さらに、きめ細かい情報提供というところで御意見いただいたと認識しておりますので、今後、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 まとめますと、全体の3つの論点ですね。接種対象者、ワクチンの種類、接種の開始時期、これはある程度3つとも関連しているような問題ということであって、まず第一に、接種の目的ですね。鈴木先生からも少し整理していただきましたが、まず第一には、高齢者あるいは重症化リスクのある方、基礎疾患のある方に対しては、重症化予防が可能になるだろうということですから、そこはまずしっかり打っていただく。4回目接種は既に打てるわけですから、10月を待たずに、免疫が落ちてきている可能性があるので、時期が来れば打っていただくということですね。
 それから、若者世代、必ずしも重症化リスクは高くない世代にとっても、免疫を上げていくことが、感染予防効果、発症予防効果で可能であろうという、中和抗体価が上がりますから。そうしますと、社会全体のまん延防止効果も期待できるということで、そういったところも目的になってくるのではないかというところで、つまりは、接種可能な人たちにはなるべく積極的に打っていただくほうがよいのではないかというところ、事務局にここは整理をしていただくということかと思いました。ですので、初回接種を完了した方を対象を前提として準備をしていただくということ。
 それから、ワクチンの種類については、BA.1がこの時期に、10月半ば以降、接種可能になるということですから、まず、BA.1を前提として導入するということ。それと関連して、10月半ば以降の接種開始ということになるという、この3つセットのところですけれども、この点について、皆さんに、そういった方向性でよろしいかということを今お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 中野先生、どうぞ。
○中野委員 中野です。
 基本的に、今、脇田先生がおっしゃられた御提案に私は異論ございません。整理をするために、ちょっとお伺いしておきたいことが、今、実は、ノババックスの接種会場を担当していると、様々な方がいらっしゃいます。一度も打っていらっしゃらない方、1回だけ打ってそのままになっている方、2回打って3回目を打っていらっしゃらない方、いろいろな方が本当に均等にいらっしゃいます。
 今回、mRNAワクチンが10月半ば以降、オミクロンを含む2価のワクチンに変更になる。なおかつ、そのワクチンは初回接種を終えた方にのみ使えるということであれば、簡単に申し上げると、10月以降、1回目、2回目の接種をまだ終えてない方は、組み換えタンパクワクチンで接種をする。mRNAワクチンは、現在の単価のワクチンから、現在のワクチンとオミクロン株を含む2価のワクチンに変更になる。そして、mRNAワクチンが使用できるのは、3回目接種以降である。そして、3回目以降の追加接種は、追加接種が可能な全ての年齢に可能である。簡単にまとめて申し上げると、このような運用になるという理解でよろしいでしょうか。
 以上でございます。
○脇田分科会長 中野先生、ありがとうございました。
 さらに、追加の御質問等はございますか。
 よろしいですか。
 それでは、事務局にレスポンスをお願いしたいと思います。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございます。
 中野先生の御指摘については、事務局の理解としてもおおむね一致していると考えています。運用の詳細については、また、整理をして、御相談させていただきたいと思いますけれども、1点、mRNAワクチン1、2回目では打たなくて、それ全てタンパク結合ワクチンになるというふうな御指摘をいただきましたけれども、現実的には、恐らく市中在庫が少しは残るというところもございますので、1、2回目はノババックスのみというような厳格な運用というところではないのかなと考えているところです。ありがとうございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 mRNAワクチンの1回目、2回目は、在庫がある限りは可能ということですね。
 そのほかはよろしいですか。
 それでは、今、論点1、2、3のところは、これでよろしいでしょうかね。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 接種の開始時期については、令和4年10月半ばを見込んでという情報があったところですけれども、いち早いワクチンの導入に向けて取組を進めていただきたいと思います。
 また、今、議論の中であった情報の整理もお願いしたいと思います。
 それでは、議題の2、4回目接種野対象者についてに行きたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。
 では、引き続きまして、4回目接種の対象者について御説明させていただきます。ページは26ページ以降を御覧いただければと存じます。
 26ページ目には、これまで4回目接種の対象者の考え方についておまとめしております。1つ目の考え方は、60歳以上の方、あるいは基礎疾患を有する方について、重症化予防を目的として実施されることとなったというものでございます。また、その他の年代など、対象とならなかった方の4回目接種については、さらに、科学的知見の収集に努める中で、検討することとしておりました。
 また、2つ目の下のほうの○ですけれども、前回の分科会で御議論いただきました、医療従事者等への4回目接種ということですけれども、足元での感染症の急激な増加を踏まえまして、4回目接種の感染予防効果は限定的とのエビデンスに変わりはないものの、重症化リスクが高い方が多数集まる医療機関や高齢者施設等の従事者を4回目接種の対象者とすることについて御議論いただきまして、御了承いただいたというところでございます。
 27ページ目以降は、科学的な知見などをお示ししておりまして、28ページ目までお進みいただけますでしょうか。直近で報告がございました米国の報告でございます。アメリカでは、50歳以上を対象として4回目接種が行われているという状況でございますが、この報告では、50歳以上の4回目接種について、ワクチン未接種の方と比較しまして、入院予防効果が80%であったということでございました。これにつきましては、これまでの4回目接種の御議論に事務局からお示ししておりましたエビデンスが、基本的には3回目接種と4回目接種の比較における有効性ということで検討してきたものが、今回については、あくまで未接種者との比較であるということに留意が必要ではないかと上のほうで記載をさせていただいております。
 続きまして、29ページ目にお進めいただけますでしょうか。こちらは医療従事者に対する4回目接種の有効性についての報告でございます。これによりますと、接種後30日での感染リスク、感染予防効果が低下したことが報告されております。この報告は、対象者が医療従事者に限られているということでございます。あと、短期間のフォローというところでございますので、こちらも一応留意が必要ではないかと考えているところでございます。
 30ページ目以降は、諸外国の4回目接種の状況でございます。こちらは、仕立てとしては、前回の分科会の資料でもお示ししたところでございますが、一部更新がございまして、表のフランスのところでございますけれども、主に重症化リスクのある方と接することの多い方、下線を記載しております方に、4回目接種を行うということで、直近7月26日に公表されておりましたので、こちら記載をさせていただいております。
 続きまして、32ページ目までお進めいただけますでしょうか。4回目接種の米国及び欧州の規制当局の動向についてまとめております。こちらも類似の資料を前回お示ししておりますが、一部アップデートをさせていただいておりまして、上側の箱の米国の動向ですけれども、7月29日と記載させていただいているところ、報道の情報ではございますが、4回目接種の拡大ではなく、「オミクロン株対応ワクチン」による秋接種に集中すべきという主張がある旨、情報がございましたので、追加で記載をさせていただいております。
 続きまして、33ページ目にお進みください。4回目接種を考える上では、先ほど御議論いただきましたとおり、「オミクロン株対応ワクチン」との接種間隔の関係についても留意が必要だと考えておりますので、こちらを記載しております。今回、特に4回目接種の仮に対象を拡大する場合は、先ほど、仮にと申しました右のほうの薄い赤い領域のことでございますので、接種した方々の次の接種というところが、年明けだったりというふうに遅れてしまうというところに、留意が必要かと考えております。
 次のページにお進みいただきまして、以上をまとめますと、1つ目と2つ目の○でございますが、これまでの考え方をお示ししております。3つ目の○でございますが、今回、事務局のほうでエビデンスの収集に努めてまいりまして、新たな報告もございますが、一方で、解釈に留意が必要なところもあるかと記載をさせていただいております。4つ目の○でございますが、先ほどお示しした山の図ですけれども、こちらを念頭に、接種間隔についても留意をしながら検討することが必要ではないかと記載しております。
 以上を踏まえまして、4回目接種については、追加的なエビデンスについては少し留意が必要であると考えておりまして、また、別途、先ほどの議題で御議論いただいた「オミクロン株対応ワクチン」のこと等も併せて検討が必要という認識の下で、4回目接種の対象者について、新たに拡充すべきかどうかについて御議論いただければと存じます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 今まとめていただいたとおりですが、新たなエビデンスとしては、先ほどの論文が2報ですね。MMWRと、2つ目のは医療従事者ですね。それから、1報目は50歳以上の症例対象研究というところです。ただ、未接種者との比較というよりも、年齢階級別のところがないというのがちょっとあれかなと私は思いました。というのは、重症化予防効果を考えて、この資料の6ページ、7ページを見ると、50代、60代で、50代の重症化リスク、死亡リスクをどう考えるかと。アメリカは、50代まで追加接種、4回目接種の対象にしていますので、そこをどう考えるかというところですけれども。
 それから、11月半ば以降に「オミクロン株対応ワクチン」が来るので、そこに集中すべきという、今、アメリカの報道ベースの情報がありました。日本でも、秋にはそのワクチンが来るという段階で。ただ、先ほど鈴木先生からは、4回目接種で、「オミクロン株対応ワクチン」を待たずに、時期が来れば、その接種をしていくべきではないかというところがありましたので、その対象の拡大についてどう考えるか、委員の皆様の御意見をいただきたいと思います。お願いします。
 坂元先生、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元です。
 その議論の前に、現在の野生株のワクチンが、一体いつまで供給されるのかという見通しですね。10月の「オミクロン株対応ワクチン」が出ても、従来のワクチンが供給され続けるのか、ある一定段階でもうやめてしまうのかという点は結構重要なのです。ただ、4回目接種を拡大するといっても、どこかで多分終わりは来るはずだと思うのですね。それを何か考えていられるのかですね。それとも、ここで拡大と決めたら、ワクチンをとりあえず入れて、どんどん打っていくのかということなのか。多分、ある程度そこら辺の見通しがあるだろうと思うのは、例えば、それは企業にしたても、「オミクロン株対応ワクチン」を生産し始めたら、従来のワクチンをいつまでも工場の生産ラインの関係で生産できないと思うのですね。どこかで切り替えが来てしまうので、一体、この4回目接種の拡大の終わりはどの辺を考えているのかというのが、私すごく重要だと。その辺に対して何かお考えがあれば、お聞きしたいと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 事務局から、今、坂元先生御指摘の点はいかがですか。
○大坪大臣官房審議官 事務局でございます。
 先ほど申し上げた点とも少し重なるのですけれど、今年契約しているワクチン、今後来るワクチンというものがまだございます。それにつきましては、現時点では、4回目接種の配送がかなり潤沢に行っていること。それから、4回目が始まる前の段階で、相当程度市中在庫があるであろうと思われたこと。それから、今、事務局が申し上げましたように、従来株でのワクチンは一定程度お手元のところにあるのではないかと考えております。その中でできることがまず1つ。それを超えて、従来株で必要ということになりますと、また、様々調整は必要になるだろうと考えております。
○脇田分科会長 ということなので、今のところ、一定程度広がったとしても、多分、そんなに問題はないのではないかといったお答えだったかと思います。
 ただ、事務局の案を見ますと、そんなにうんと広げていったらどうだというような御提案ではないと思いましたけれどもね。
 いろいろな考え方があるとは思うのですね。もちろん時期が来た方には全て打っていただけるようにするとか、あるいは、年齢を、重症化予防という観点から50代まで広げていく。あるいは、エッセンシャルワーカーに対して行っていく等々の考え方があると思いますので、そのあたりで、御意見あればと思います。
 川俣市長、白井委員、お願いします。
○川俣委員 前回も言ったとおり、エッセンシャルワーカーに広げてほしいというのは、50歳に下げるのであれば、入れてほしいと思っています。今回の感染拡大の中で、高齢者施設がかなりクラスターになっています。これは、最初から、なぜ施設の人たちを入れなかったのかなという疑問が大きくあると思います。そういうところに、早いうちからワクチンの補強があれば、随分違ったのかなという感じは、私の中では実際にしています。
 また、若い方々が打っていなかったので、感染の拡大は大きくなってしまったのかなというのもありますけれども、私自身の例を取ると、この次の4回目のワクチンを打つ私の予定が9月18日です。10月から、今度違うのが出るとなるとどうなのかなと思う方も出てくるので、その辺のことをどのように対応していくか。既に4回目を打っていらっしゃる方々が、先ほども出たように、次の5か月後になるわけですね。一番早く打つべきだった高齢者の人たちがもう既にそれではないのだということがどの程度なのか。その広報の仕方、要するに、打ってくれていいのですよと。だけど、新しいのが出たら、そっちのほうがすごい効果的ですと言われてしまうと、何で私たちだけ先に打ったのという考え方も出てしまうので、その広報の仕方も丁寧にしてくださるとありがたいなと思います。今回は、50歳まで下げるのであれば、必ず、エッセンシャルワーカーたちも全員入れるとか、医療従事者も早めに打てるということを前提にしていただくことが大切だと思うので、よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 これは、そもそもは、今、臨時接種として、対象者をどうするかということなのかなと思っているのですけれども、4回目の話と先ほどの「オミクロン株対応ワクチン」も重なっていくだろうという話もあるのですが、これは目の前に来たものをどういうふうに払っていくかみたいな、ちょっと戦術的な話かなと思うのですが、4回目、5回目、次、また、どういうふうな形になっていくか分かりませんが、来年とか再来年とか、将来的にこのワクチンに対して、どういうふうに対応していくかというような、もう少し戦略的な方向性を持った議論ができないかなとちょっと思いましたので、目の前のことをどうしますかと言われても、また、先のことを考えないとという意見なので、今すぐ、これでいいですねというような言い方はちょっとしにくいなと思いました。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 現在、60歳以上と医療従事者、介護従事者に4回目接種をやっているところですが、確かに、保育園とかの先生方にも打ってほしいという、地方議会レベルの要望が来ている市町村が結構あるかと思うのですね。そうなると、そこを仮に広げると、その次の要望を断る理由がなくなると思います。例えば、こういう職種にも広げてほしいといったときに、そこの断る理由は、多分かなり難しいだろうと思うのです。例えば保育園と広げたら、では、幼稚園はどうなのだ、小学校はどうなのだとなるので、これ一旦広げたら、多分、現実には歯止めはかなり難しいだろうなと、私は思っているのが1点であります。
 そうすると、実際に、この4回目接種がずっと続いていくと、10月の半ばにオミクロンが始まったときに、接種医療機関で両方のワクチンを扱うという現象が出てくるかもしれないということです。今の話では、4回目接種、武漢株のワクチンの終わりはとりあえず供給が潤沢にあるので定めないというところを見ると、10月からは二つのワクチンがダブってしまいます。先ほど来、私、剤形をすごく気にしているのは、剤形が違ったりすると、非常に取扱いが煩雑になるのです。そういう市町村の運営の問題も考えて、拡大というのは検討しないと、本当に歯止めが利かなくなってしまいます。正直言って、非常にコロナに不安を持っておられる方は、実際には、基礎疾患とか、医師の重症化リスクの云々の判断で結構受けられておりますので、その辺も勘案しながら、一旦広げると、多分止めることは難しいだろうということを十分念頭に置いて、拡大は議論すべきではないかと思っております。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 確かに、そういった意味もあって、米国のように、秋からの「オミクロン株対応ワクチン」の接種に集中するという考え方も1つあるということかと思いました。
 釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 前回の予防接種・ワクチン分科会での議論で、4月22日から、医療従事者、介護従事者に対象を広げるという中で、もっと他の職種にも、場合によっては職種関係なく、接種の機会を設けてもよいのではないかという、そういう御意見が、私自身も含めて割合多く出たように感じますけれども、その後の経過の中で、「オミクロン株対応ワクチン」が今後出てくるという話になって、先ほど来、何度も御指摘が出ていますけれども、資料1の20ページの一覧表をもう一度よく見ると、「オミクロン株対応ワクチン」のほうが優れているように見える反面、従来型のワクチンとそんなに決定的に違うのだろうか、あるいは、接種してからの中和抗体価の持続等を考えると、そんなに劇的に大きく期待できるほどにはなかなかならないのではないかなというのが、今日の時点での大方の評価ではないかと思います。
 その中で、実際のワクチン接種の業務を円滑に行っていく上で、特に温度管理等をどういうふうに今後やっていくのかということについては、まだ、必ずしもつまびらかでない部分もあるのですけれども、従来のものは従来のやり方で行くのだと思いますから、そうすると、そのあたりのところも考えると、現状においては、4回目接種の対象になっていて、かつ、まだ4回目接種まで至っていない方に対して、この期間はなるべく接種をお勧めすることに注力をし、そして、今後、新たなワクチンが供給されると予想される10月の半ば以降に、接種対象者をどういうふうに今後変更していくかというところをしっかり固めていくのが、私は現実的ではないかと思っておりまして、ここで、また、急に接種対象を広げたり変更したりするのは、なかなか現実的ではないなと感じております。
 川俣市長さんから、50歳以上というようなお話がありましたけれども、それはアメリカのデータが50歳以上になっているのであって、今回、我が国において、それに対象を広げるという議論は、今日は私はないと理解をしております。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 佐藤です。ありがとうございます。
 不明なことが多い中で、決めることは大変難しいと思うのですけれども、前回の会議と比べて、今回新しくなったのは、実際に、ワクチンの接種の見通しが10月半ば頃と見えたところだと思います。思いのほか早かったというのが印象でして、それは前回の会議との大きな違いだと思います。
 確実にワクチンを調達できるのかどうかというのは不安のあるところで、調達できるのであれば、50代への引き下げを急ぐ必要はないけれども、調達に確実性がないのであれば、引き下げて、接種機会を提供するのが筋だと思います。確保については、先ほど、厚生労働省から、比較的力強いお言葉がいただけたかなと思っています。
 その上で、情報提供は極めて重要で、先ほど川俣委員からも御指摘がありましたように、既に打っている人で、だったら待てばよかったのかしらとか、それから、今現在、既存のワクチンの4回目の接種を予定している方が、だったらこれをやめて、次を打ったほうがいいのかと迷うのは当然だと思います。既に接種対象になっている方たちは、基本的にはリスクの高い方で、急ぎワクチンを打つことが必要だとされた方たちだということを、改めて情報提供することが必要です。4回目を打った方たちはBA.1の「オミクロン株対応ワクチン」については、いち早く打てるわけではないかもしれないけれども、ひょっとしたらBA.4/5型は早いかもしれないということだと思います。それと併せて、厚生労働省が、どれぐらいのボリューム感で新しいワクチンを確保できるかということを、丁寧に情報提供していくことが重要だと思います。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 先ほど川俣市長から、自治体との情報共有という話がありましたけれども、今、佐藤委員からは、市民への情報提供ですね。正確な情報を伝えることが重要ではないかということでした。ありがとうございます。
 磯部委員、お願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。磯部です。
 私からは、先ほど白井委員がおっしゃったように、目の前のことを部分的に処理していくということの難しさを本当に感じておりまして、全体として、どういうポリシーを展望しながら考えていけばいいのかなということを非常に悩ましく思っていました。坂元先生がおっしゃったように、一旦広げたら歯止め利かないのではないかということで、エッセンシャルワーカーという概念を持ち込むのも、確かに問題もあると感じています。前回、少し4回目の対象者を広げるべきかみたいな議論になったときに、私は、別に広げるべきというか、お医者さんや高齢者施設の従事者に広げるというロジックだとすると、なぜそこに限定しなければいけないかということが、なかなか難しいのではないかということを気にしたのですね。
 端的に言えば、今回も、イスラエルだけではなくてフランスも、重症化リスクのある方を見ている御家族は、接種対象者に加えているわけです。エビデンスが限定的ということをあえて言いながら、しかし、重症化リスクが高い方々にサービスを提供するということで、医療機関や高齢者施設の従事者を対象にしたと。数的には多くはないかもしれないけれども、むしろ、日常的に接している時間はとても長いという、そういう重症化リスクのある方を家で見ている人は、なぜ私たちは打たせてもらえないのかと、その線引きには合理性なり説得性はあまりないのではないかということを気にしておりまして、今、ここで部分的に広げるのが、あまり現実的ではないのかもしれません。でも、お医者さんたちに広げているなら、自宅で重症化リスクの高い人を見ている人で、希望する人にも、これは認めない理由はないのではないかということは、繰り返し意見を言っておきたいと思います。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 中山委員、お願いします。
○中山委員 ありがとうございます。中山です。
 先ほど伊藤(澄)先生がおっしゃったと思うのですけれども、もし、これで、次のを待とうというふうにして、4回目を打たないで、待つ期間が長くなっていると、その間に免疫力がすごく失われてしまって、新しいワクチンもどのくらい供給量があって、どのくらい接種体制が整ってというのが、まだよく見えない段階で、この期間が長くなることは非常にまずいというふうに、専門家としてはお考えになるのでしょうか。
 私はその辺のところがよくわからないので、もし、そうだとすると、それは次のBA.1に対応するワクチンがどのくらい十分に供給されて、それで、どのくらいの接種体制ができるかということによって、随分進み方が違ってくると思うのですね。一般の市民としては、どうしていいのかがよくわからない。先ほど佐藤委員がおっしゃったように、情報提供と言っても、その置かれている状況によって、どういう判断をすればいいのか分からないので、よほどきめ細かい情報提供をしないと、市民にはついていけないと思う。今までのワクチンの体制とは大きく異なってきたという、状況の変化があるので、その辺はきめ細かく、あるいは、こういう年代層がこうしたらいいみたいなことをやってくれないと、ちょっとついていけないのかなと、素人としては思いました。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 池田先生、お願いします。
○池田委員 池田です。よろしいでしょうか。
 ちょっと確認ですが、アメリカのほうで、オミクロン株に対してのワクチンが9月半ばに供給されると。日本は10月下旬以降、つまり、一月以上遅れるということで、まず理解してよろしいかということ。
 アメリカは、50歳以上の方に接種を推奨していたところを、この新しいワクチンが早期に供給されることが分かったから、そちらに集中したほうがいいというふうに、方針が変わったということの理解で、まず、いいかということですね。
 それを踏まえた上で、日本は、アメリカに比べて、一月以上供給が遅いけれども、4回目接種は、対象者を広げる必要はないと判断していいのかどうか。
 すみません。私が御説明を十分理解してなかったかもしれないのですが、アメリカのやり方を参考にする際に、ワクチンの供給時期が、一月以上遅れるのかなと思うのですけれども、そこはいかがでしょうか。
○大坪大臣官房審議官 座長、事務局からお答えしてもよろしいでしょうか。
○脇田分科会長 お願いします。
○大坪大臣官房審議官 恐れ入ります。事務局でございます。今の池田先生の御質問に、まず一旦お答えしたいと思います。
 これは世界同時に切り替わります。日本のほうで、10月の半ばから開始と申し上げましたのは、輸入はその1か月前になります。ですので、米国と同じ段階で納品がされた後に、自治体に対して、これまでと同じように、V-SYSを使ってお配りをしていくと。その期間を今見込んでいるものでございますので、納品の時期は米国と同じ頃を考えております。
○池田委員 これは、薬事承認の関係ではなくて、納品はされるけれども、実際の接種は、そのぐらいのタイミングになるだろうと、そういうふうな理解ということですね。
○大坪大臣官房審議官 おっしゃるとおりでして、薬事の承認の後に輸入をされてまいります。その後に、皆様に、V-SYSを使いまして、供給量をお伺いしながら、これまでもお配りをしてきたと思っております。それと同じような時間軸が、接種会場にお配りするまでの間見込んでのことでございます。
○池田委員 分かりました。
 ちょっと個人的な意見を言わせてもらうと、この時期を、自治体その他のいろいろな御苦労のこともよく分かっておりますけれども、できるだけ早めに、その新たなワクチンが利用可能になれば、いろいろ我々にとっても安心な面も多いのかなとちょっと感じました。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 ありがとうございました。様々な御意見がございました。白井先生から、それから、そのほかの先生からもありました、この目の前の課題はいろいろあるのだけれども、このワクチンの接種の戦略がどうなるのか、大きな戦略をもう少し考えるべきではないかと。それは、1つは、多分、新型コロナウイルスの流行に対しての戦略が大きくあって、その中でのワクチンの位置づけをどうするのかというようなことだろうと思います。ただ、今、目の前にある課題がこういうことであるということではあるのですけれども、それで、4回目接種の対象者については、エッセンシャルワーカーであったり、そのほか、保育園とかいろいろなお話がありましたけれども、もう少し広げてもよいのではないかという御意見もありましたが、今、ここで拡大すると、歯止めが利かないということもあるので、今は、広げるべきではないといった御意見もありました。それは、10月半ばに「オミクロン株対応ワクチン」の接種を本当にきちんと開始できるのかというようなことがどうなのだというところで、そういった情報提供をしっかりしていくべきだということでしたね。
 ただ、磯部先生からは、医療従事者、介護従事者に接種の範囲を拡大した際に、高齢者の重症化を防ぐということの一環として広げたということであるので、そうであれば、高齢者の家族が接種したいということに対しては、そこを駄目とする合理性はないのではないかといった御意見がございました。
 中山先生からも、どのようにしたらいいか、きちんと市民に示していく。例えば4回目接種を、オミクロンまで待つべきなのか。ではなくて、先ほど鈴木先生からも御意見ありましたけれども、4回目の時期が来た方には接種を進めていくといったことが、重症化予防という面では重要なのではないかと思いました。
 手挙がっていますね。今岡参考人、お願いします。
○今岡参考人 自治体から配布されるクーポンについてですが、クーポンの中の2価のワクチンとかオミクロン株のワクチンとかが入ってくると、それに関しての副反応とか効果についてのパンフレットが、また増えてくるのですね。どれを選択したらいいとか、情報提供の方法とかを、丁寧に対応してほしいと思います。特に、どこで打てるのかということ。個人医院で打てるのか、集団会場に行くのかというのは、クーポン一つ一つに入れていただくといいかなと思いました。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 こちらも、情報提供をしっかりしていただきたいと。市民に分かりやすく、接種の会場であったり、あるいは、副反応の状況であったり、あるいは、選択できるのであれば、選択可能な情報といったことかと思いました。
 それでは、事務局から、今までいただいた御意見に対して、何かレスポンス等はございますか。
○渡邊予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
 まず、磯部先生からいただいた、高齢者の家族について広げないことに合理性がないのではないかという点でございますけれども、事務局の案の考え方としましては、26ページにお示ししたとおりでして、医療機関、高齢者施設の従事者については、重症化リスクが高い方が多数集まるというところで、ここに線を引かせていただいたと。この点で、家族とは少し異なるというところで、線を引かせていただいたという整理でございます。
 それから、情報提供については、いろいろな御意見をいただきましたところ、非常に重要な御意見だと思いますので、意見として聞きたいと思います。ありがとうございます。
○大坪大臣官房審議官 事務局で、また、追加をさせていただきます。恐縮です。
 33ページのところに、ワクチンの接種時期との関係について、事務局、説明させていただきました。川俣先生からも、若い人で打ってない方はもっと早く打てばいいのではないか、エッセンシャルワーカーに広げてもいいのではないかという御指摘ございました。
 ここの説明の中で1つだけ申し上げたいのは、今、60歳以上の方は、一番左、ブルーで実績を置いております。60歳未満の方、これは3回目接種の実績を置いております。ここから4回目に広げた場合のタイミングはいつ来るかということを考えますと、仮に対象者にしたとしても、60歳未満の方、ピークが参りますのが9月~10月になります。先ほど、川俣先生のほうから、9月18日に4回目接種のタイミングが入ったというお話ございましたけれども、高齢者の方がちょうど5か月後になりますのが、この7月~8月のタイミングで、それよりも若い方たちは、9月~10月頃にタイミングが来るので、早く打ちたいということになったとしても、このタイミングまではお待ちいただかないと、4回目の対象にはタイミングが来ないということが、まず1つ勘案条件にあるのかなと事務局は考えております。
 そして、60歳以上の方も5か月空いておりますけれども、このタイミングで、ジャストで打っていらっしゃる方がまだ半分程度でございまして、施設単位でお打ちいただくので、ややずれて後ろのほうに行っております。そういったことから、ジャスト5か月で打ちましょうというのが、なかなか状況から難しいこともございます。そういったところで、この表をつくらせていただいています。すみません、今さらで恐縮でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 事務局から御説明がありましたが、高齢者がたくさん集まるからと、なかなか難しい説明だとは思いますが、さらに、何か御意見ございますか。
○磯部委員 御説明ありがとうございます。
 多数集まるというところで、線引きしているということは承知しています。ただ、それではないのではないかということを言っているのですね。私のほうは意見のままにしておきますが、海外の知見も踏まえてということであれば、そういう個別の家族にも対応している国があるということを踏まえるべきだと、私は思っています。それは相当不合理だと思うので、納得感が得られるようなワクチン行政ができているかということを、常に反省したほうがいいのではないかという気がするわけです。
 別に、どうしても拡大してどんどん打ちましょうということばかりでもないのですけれども、非常にためらいながらではあるのですけれども、どうしても打ちたいのに打てない、打ちたくないなら打ちたくない、それぞれが納得して、しっかりした情報の中で、それぞれが判断、決定ができる。過不足なく情報が提供されているという、そういう施策の合理性なり、説得性といったことが、私はいろいろなところでほころびが出ているのではないかと思いますので、一度大きな見直す機会があるといいなと思います。もう、これ以上は申し上げません。
○脇田分科会長 磯部先生、ありがとうございます。
 合理性という面から見ると、これが完全に合理的なやり方なのだというところまで持っていくというのも、なかなか難しいことは確かではあると思います。そんな中で、最適解というものを見つけていくということが大事なのだろうと思いますので、そこになるべく近づけるべく我々の議論を集約するということだと思います。
 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 今までの話を統合すると、少なくとも4回目接種の対象になっている高齢者と基礎疾患のある人は、重症化という大問題があるので、そこはしっかりしたアナウンスが必要ですね。10月のオミクロンを待たないでくれというアナウンスを逆にやらないと、この5か月という数字を見ると、これから打とうという人は、ひょっとするとオミクロンのほうがいいかなというので、そこの待ちが、もしデータ的によくないというなら、逆にそういうアナウンスを出していかなければいけないということを、私これ一つだと思うのですね。拡大を決める以前に、そこをきちんと決めないと、アナウンス出さないと、ちょっとそういう人が出てくると思います。
 逆に、今、エッセンシャルワーカーとかそういう人が、5か月という数字を見て、次にオミクロンワクチンを知ったときにどう反応するかですね。あと1か月半なら待ったほうがいいのではないかというのが結構出てきて、仮に4回目の拡大を始めてもそんなに打たない人が出てくるということも、これは十分考えられると思うのですね。
 それともう一つ、先ほど来、ちょっとしつこいのですけれども、剤形というのは、市町村のワクチン戦略の運営を決める上では非常に重要なので、9月半ばくらいに輸入されるということは、どう考えても9月の初め、8月の終わりぐらいには恐らく剤形は見えてくると思うのですね。そこで議論をしても、こういう剤形なので、こういうやり方が可能だというところを見て、例えば拡大するかしないかも、今、すぐに決めてしまうのではなくて、もうちょっとそういういろいろな情報が入った段階で決めても、またそういう年齢層の方は、重症化しにくい年齢層が多いので、まだ大丈夫かなと思うのです。今日、全て拡大するしないというのを決定するのは、まだ情報不足ではないかなと、ちょっとそんな感じがします。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがですか。
 今、坂元先生からありました、少なくとも高齢者あるいは重症化リスクのある方、基礎疾患のある人、そういった方には、4回目の時期が来れば、現在のワクチンも積極的に接種をしてほしいということもアナウンスをするべきではないかといった御意見ですね。
 大体皆さんの御意見としては、今、直ちに、4回目接種の対象者を拡大する強い意見ということではなかったかと思いますけれども、1点は、磯部先生の指摘された問題点ですね。そこのところはあるということなので、そこは、この分科会の中で、委員から指摘があったということは、議事録にしっかり残すということだと思います。
 さらに、御意見ございますか。
 よろしいですか。
 もちろん4回目接種の対象になっている方ですね。高齢者、重症化リスクのある人、それから、医療従事者、介護従事者、医療に関わる方ということで、例えば救急車に乗っている人たち、今、救急車が足りなくて、消防車で搬送に向かったりということもあるようですから、そういった、患者さんに直接接しているようなところの医療従事者ですね。もちろん高齢者に接するということで、拡大をしたわけですが、そういったところの医療に関わる方々ですね、そういったところには、しっかり4回目接種を対象に、時期が来ればやっていただくと。
 先ほど、審議官から御指摘のあった33ページの図ですね。この60歳未満の赤い実績のところの一番左側の最初に60歳未満が先行しているのですけれども、これは医療従事者ですから、ここの方々にはしっかり4回目届くようにということをお願いしたいということ。それから、10月半ば以降、「オミクロン株対応ワクチン」が打てるようになったと。ただ、そこで、打ちたくても打てないというようなことが起こらないように、準備を円滑にしっかり進めていただいくことの対応をお願いするということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 では、そういうことで、今日の結論としては、4回目の対象者を拡大しないということで結論としたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、最後の3番目の議題、「小児の新型コロナワクチンの接種について」に移ります。事務局から説明をお願いいたします。
○和泉ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。
 では、最後の3番目の論点の「小児の新型コロナワクチンの接種について」御説明をさせていただければと思います。前回分科会で御指摘をいただいたことを踏まえて、現状あるいはエビデンス等を整理してお示ししております。
 まず、36ページ目でございます。こちらは再掲でございますので、説明は割愛させていただきます。現在、増えているというところでございます。
 37ページ目、38ページ目に、陽性者に占める各年代の割合を示しておりまして、37ページ目、10代ないし10代未満は3割程度を占めているということでございます。38ページ目に進んでいただきますと、人口10万単位の各年代における陽性者の数で、こちらも10代未満、10代が多い形になっているというところでございます。
 進んでいただきまして、39ページ目、40ページ目、こちらも図としては再掲でございますが、10代未満ないし10代というところは、一応割合としては低いというところが見て取れるのかなと思ってございます。40ページ目には、死亡者の割合でございますけれども、こちらもほかの年代に比べれば、割合としては少ないのかなと。一方で、患者さんの数自体が増えているところでございますので、その絶対数自体は、今後、注視をしていく必要があると思いますが、増える可能性はあるのかなと認識しているところでございます。
 進んでいただきまして、41ページ目以降に新しい科学的知見等をお示ししております。
 42ページ目に進んでいただきますと、こちらに新しいエビデンスを御案内しております。以前2月頃に、小児の接種に関しましては御議論いただいたところですが、当時はデルタ株のデータ、つまり、この表で言うところの下の黒いところの数字のみで御議論いただいていたというところですが、今般、オミクロン株流行下における有効性として、こちら赤字で示したようなデータが新たにございましたので、表として簡単におまとめしております。
 43ページ目以降には、その詳細なところをお示ししております。このうち1つだけ少し御紹介できればと思いますが、48ページ目まで進んでいただきますと、こちらはシンガポールの報告でございまして、5~11歳の小児における、初回シリーズの感染予防効果、こちらが36%くらい、入院予防効果については約80%であったということでございました。
 スライドの下のほうに、経時的なところのデータもお示ししておりまして、感染予防については、左のほうですけれども、接種後60日を超えると大体25%程度というデータ、右側には、入院予防効果を書いておりますけれども、60日程度で80.4%ということで、感染予防効果につきましては、経時的に低減をするものの中等度くらいの効果が示されたのかなと。入院予防効果については、一定の割合で保たれていたというデータかと認識しております。
 ほかの情報はおまとめしておりますので、適宜、御参照としていただければと存じます。
 少し進んでいただきまして、50ページ目に、有効性のエビデンスに関する総括を入れております。御説明したとおり、前回、すなわち2月頃でございますけれども、こちらを御議論いただいた際は、記載したとおり、デルタ株に関する有効性というところでしたが、今回、新たに得られたエビデンスには、先ほどお示しした表のように幾つかございまして、いずれもオミクロン株流行下におけるエビデンスとして、感染予防効果ないし入院予防効果などが少しずつ明らかになっているということでございました。
 続きまして、51ページ目以降でございますが、こちらは安全性に関する前回の御議論でのデータ、そして、今回新しいデータというところをお示ししております。新しいところを御説明できればと思いますので、55ページまでお進みいただきますでしょうか。こちらは米国における評価でございまして、この評価期間内に合わせ、1,600万回接種くらい実施されたということですが、明らかなリスクの上昇あるいは安全性に関する懸念はなかったという御報告がございました。
 さらにお進みいただきまして、56ページ目でございますが、我が国におけるデータといたしましては、先週、副反応部会開催いただきまして、こちら御覧いただいておりますので、改めて御紹介いたします。
 我が国におきましては,上の青い表のとおり、大体270万回接種ほどございまして、中段の記載のとおり、わずかな副反応というところが報告されているのかなと認識しております。副反応部会で御検討いただきまして、下の赤い枠のところ、現時点においては、引き続き、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないという形で、御議論いただいたと認識しております。
 続きまして、57ページ目に、こちら、安全性に関する総括を入れてございます。こちら記載のとおり、前回は、短期間における安全性の評価として、特段、問題ないというところでしたが、今回、新たに得られたエビデンスとしては、さらに接種が進みまして、米国ないし我が国における安全性の評価におきまして、大きな懸念はないというところで、現状、結論があるというところでございます。
 さらにお進めいただきまして、58ページ以降は、【3】としまして、公的関与の規定の適用というところで、考え方等を整理しております。
 59ページ目にお進みいただきますと、こちらは、今年の1月の資料の一部改編でございますが、基本的な考え方をこちらの▼の下のほうにおまとめしておりますが、新型コロナワクチンについては、マル1新型コロナウイルス感染症のまん延の状況と、マル2の予防接種の有効性及び安全性に関する情報、その他の情報を踏まえて、努力義務の規定は適用としないこととすることができるという法律となってございます。
 さらに進んでいただきまして、60ページ目は、こちらも前回の御議論でどのようになっていたか。前回というか、2月の時点でどのようになっていたかというところでございます。御案内のとおり、マル1の観点につきましては、記載のとおり、4分の1以上が10代以下ということで、比較的多く割合を占めているというところで、一方で、オミクロン株出現以前の知見しかなかったというところでございました。
 マル2に関しても、同様に、オミクロン株出現以前の知見として、ファイザーのワクチンの有効性が90.7%であったというところ。一方で、重症化予防効果に関するエビデンスはなかったというところで、下の矢印の下に記載しておりますが、この時点では、小児におけるオミクロン株の感染状況が、まだ確定的でないことや、オミクロン株についてはエビデンスが必ずしも十分でないことから、努力義務の規定は小児について適用しないことというのが、2月の時点での結論でございました。
 1ページ飛ばしていただきまして、62ページ目にお進みください。左側は、今、御案内したとおりの2月時点の整理でございましたが、今回、8月時点の整理を右のほうに記載してございます。御案内のとおり、マル1の観点につきましては、小児の患者数はオミクロン株の流行下で増加しているところで、割合としては、引き続き、3割程度を占めていると認識しております。先ほど、疫学のデータに見るとおり、重症例ないし死亡例の割合については、高齢者等に比べれば低いと考えられるのですけれども、数が増加していることに伴って重症者数は増えているのではないかという認識でございます。
 下側のマル2番のエビデンスの状況でございます。下の有効性の枠の中ですけれども、大体オミクロン株の発症予防効果として、2~4週後で60.1%、5~8週後には28.9%といった数字がございました。入院予防効果については、接種後60日までで、大体80%くらいの流行性を認めるとの報告がございました。安全性については、御案内のとおり、海外ないし我が国において、新たな懸念は認められないという状況かと思っております。
 以上まとめまして、赤い枠のとおりでして、感染状況やオミクロン株に対するエビデンスとして、発症予防効果については、中等度の流行性、また、入院予防効果については、接種後2か月で80%の有効性を有しておりまして、安全性に対する追加の情報も集積していると、こういった状況かと認識しております。
 63ページ目にお進みください。今し方御説明したような状況を踏まえまして、事務局案でございますが、2022年2月の当時は、オミクロン株流行下での感染動向が明らかでなく、また、オミクロン株においての小児におけるワクチンの発症予防効果・重症予防効果に関するエビデンスが必ずしも十分でなかったという状況でございましたが、今回、御案内しているそれ以降のオミクロン株流行下での感染動向、及び、オミクロン株についての小児におけるワクチンの有効性及び安全性に関する新たな知見を踏まえまして、努力義務の適用の取扱いについて、見直すべきかどうかというところを、どのように考えるか御議論いただければと存じます。
 また、仮に、努力義務を適用する場合については、これをどのように国民に対してお示しするべきかというところについても、ぜひ、先生方の御知見を賜れればと存じます。
 御参考までに、64ページに、これまでの取組を御案内しておりまして、ホームページであったり、リーフレット等で御案内をしていることを参考におつけしております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 御説明ありがとうございました。
 小児の新型コロナワクチンの接種について、2月にこれが導入されたときには、オミクロン株に対する有効性に関するデータが必ずしも十分ではなかったので、努力義務は適用しなかったという経緯がありますが、ここ半年ぐらいの間に、かなりエビデンスも出てきたというところで、有効性についても、エビデンスが出てきたというところで、この有効性・安全性の知見を踏まえて、努力義務の適用をどうするかという事務局からの案が出ているということですが、委員の皆さんの御考え、御意見をお願いしたいと思います。
 伊藤(澄)委員、お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 後ろに資料もつけさせていただいているのですけれども、小児に関しては、大人に比べて副反応が、それほど強くないと思っておりますし、何よりもエビデンスというか、使用実績が随分増えてきて、妊婦の際にも、当初は努力義務がついてなかったのが、使用実績が増えるにつれて、安全性も確認されたので、努力義務をつけたということとちょうど同じような状況になっているのではないかと思いますので、皆さんに安心して打っていただける、子供たちに安心して打っていただけるワクチンであることを示すことも含めて、努力義務をつけることに賛成いたします。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 中野委員、坂元委員の順番でお願いします。
○中野委員 中野でございます。
 事務局からは詳細な御説明をいただきまして、ありがとうございます。有効性と安全性の2月以降のデータを非常にまとめていただいて、いろいろなことが皆さんと共有できたと思っています。
 私も、努力義務を今回課すことには賛成で、1つは、確かに、伊藤(澄)委員もおっしゃったように、いろいろな有効性のデータ、それと、安全性のデータも集積しつつあるということ。ただ、これで十分かというと、私はまだ十分ではないと思っています。有効性に関しても、効果の持続は結構短いなという印象がありますし、呼吸器感染症であるがゆえに、ワクチンの限界はあると思います。
 安全性についても、きっとワクチンの抗原量が少ないせいもあって、10代とか20代の成人に比べて、心筋炎その他、発熱の頻度にしても低いですけれども、こちらのほうもさらに多数の例をもっと集積はしていかないといけないと思っています。それは恐らく副反応を起こしたその人にとっては、ワクチンを打ってそうなったかもしれないという思いは非常に大きなことで、それは何例以下だから安全性が担保されたという言い方は、私たちは絶対できないのであって、その方々に対する配慮はずっと継続していくべきで、もし、努力義務を課すなら、何が今後必要かというのは、申し上げたいのはそういう点でございます。
 あと、諸学会の動き、専門家集団の動きを見ますと、例えば日本小児科医会は6月22日ですかね、接種に関してちょっと積極的なスタンス、迷っている親御さんにということで、迷っている保護者の方には、接種をお勧めするようなコメントを出しておりますし、私は、小児科医会も小児科学会も会員でございますけれども、小児科学会でも、専門の委員会、その他で、先ほど申し上げましたエビデンスの集積に伴って、接種に積極的になるような、恐らく正式なコメントも学会から出るのではないかと予想しておりますけれども、そのような流れ、議論になりつつあると理解しております。
 したがいまして、今回の事務局案に私は賛同いたします。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 私も、この努力義務を外すというときの委員会も見ていると、参加した委員の方が、積極的に外そうという議論ではどうもなかったような感じがするのですね。努力義務というのに対して、何か過大な思いがちょっとあると思います。我々市町村としては、意外だったのが、努力義務が今までそんなに議論になったこともないし、努力義務はついているけれども、市町村が対象者に打ってくれと強制した覚えもありません。そういうことから、現場の人間としては、この議論はちょっと意外な感じを受けたのです、これが、すごい真剣な議論になってしまったという意外性です。決定的に安全性に問題があるとか、安全性のデータがほとんどないというなら分かるのですけれども、例えばそれは妊産婦を外したときですね。今回はそうでもなかったので、ただ、外したことの議論があまりにも真剣に見られ過ぎて、親御さんに何か不安なワクチンではないかというイメージが伝わったかもしれない、私はちょっとネガティブな印象をもたれたと思います。
 それと、データを見ても、ほかの年齢層とこの年齢層に、このワクチンで何か決定的に問題があるとは思いません。むしろ、もうちょっと上の年齢層のほうが、稀ですが心筋炎が出たりして課題がないわけではない。でも、そこも努力義務を課しているということは、年齢層間を見たときに、ここをあえて努力義務を外すというのは、あまり整合性が取れないことと、ネガティブな印象が伝わってしまうということかと思います。
 それから、努力義務というのは一つは考え方なので、御本人に努力義務があるということは、例えばその保護者を雇われている方は、その努力義務を尊重しなければいけないから、休みをあげたりとか、むしろ積極的にそういう使い方をして、御本人に努力義務があるのだから、会社は休みを与えて当然でしょうみたいな、むしろ、打ちやすい環境を整えていくという意味で、この努力義務が使われるべきで、決して御本人に強制とか、打たなければ駄目だよとか、そういうニュアンスではないということを御理解していただいて、私は、努力義務を課すことに賛成いたします。
 以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 阿真参考人、お願いします。
○阿真参考人 ありがとうございます。
 努力義務を外した時点のことで、この年代が特に心配だということではないのに、外したということで、整合性の問題とか確かにあるかなとは思うのですけれども、ただ、より小さい子たちに対してやったということで、そこに対しての不安感が世の中にあったというのは、間違いのないことで、整合性が取れないこと自体は、別に仕方がないというか、その分が、安全性の懸念はあったということだったと思います。別に、そこに科学的な知見があったとかそういうことではないと思うのです。そこの心配の種だった安全性の懸念というものが、ある程度本当に払拭されたと私も考えていて、なので、今回、努力義務を課すことには賛成です。
 どういうふうに伝えたらいいかということも、最後のまとめに出てきておりましたので、それは今までの接種を来たことで、大きな問題がなかったということとか、まさに、今日、厚生労働省の事務局さんが伝えてくださった有効性とか安全性の話とか、そこを丁寧に、今日、私たちに伝えていただいたことと同じように、丁寧に伝えていただく。あと、中野先生が触れてくださった、一人一人にとってはというところは大事に思って、そこは伝えていくことが必要かなと思います。努力義務を課すことに賛成です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 沼尾委員、お願いします。
○沼尾委員 ありがとうございます。
 すみません、私、疫学は全く素人なので、本当に素人のコメントになってしまうかもしれないのですけれども、前回、5歳から11歳に対して、接種勧奨を行うけれども、努力義務を外すとしたことで、積極的に接種をしたいと、コロナウイルスに対して不安を抱えている方、あるいは、逆に、本当に打って大丈夫なのだろうかというところについて、mRNAワクチンの接種を慎重に判断したいという方、両方に応えるという意味では、かなり絶妙な対応が取られたなと理解しています。
 本来、法制度の立てつけから言うと、先ほど坂元委員おっしゃられたとおり、これは、接種勧奨が議論されたのは分かるけれども、努力義務を外すというところで、本当に絶妙な対応だったなと感じています。そういう意味では、前回の検討会でも、エビデンスが出てきたときに、再考するということで、法制度上の立てつけとか、これまでの議論の整理を踏まえると、今回、これだけのエビデンスが出たわけだから、努力義務を入れるという整理になるのかもしれないのですけれども、他方で、依然として、国民世論の中では、慎重な対応を取りたいと思っている方々も一定程度おられると。特に、5歳から11歳という子供の場合に、これから、つまり5年後、10年後、例えばどうなっていくのだろうか、20年後どうなっていくのだろうかという、本当に未知な状況への不安の中で、ここで、努力義務ということが出てきたときに、これは義務として打たなければいけないのではないかと判断されてしまうことのインパクトも、丁寧に考えていく必要があるのではないかなと思います。
 そう考えると、努力義務については、これまでのままとして、ここで課さないという判断もあり得るのではないかと、私は個人的には思っています。ただ、これまでの制度上の立てつけとか、前回までの議論を踏まえて、どうしても今回努力義務をこの時点で課すという判断になるのだとすれば、すでに委員の皆様から御意見が出ているとおり、多角的な視点からの情報提供とともに、先ほど磯部委員もおっしゃっておられましたけれども、一人一人が主体的にどうするかということを判断できる環境を、丁寧に整えることが大変重要であると思っております。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 鈴木委員、釜萢委員、順番でお願いします。
○鈴木委員 私も、この段階で努力義務を元に戻すことに賛成です。理由は大きく2つで、1つ目は、既に複数の委員から御指摘ありましたように、1月の時点とはエビデンスがそろってきているというのが1つ目のポイントです。1月、2月の時点では、ワクチンのオミクロン株に対する効果、それから、小児における安全性に関するデータが、まだ完全にはそろっていなかったわけですけれども、この半年で、それらがそろってきたと理解をしております。
 2つ目のポイントですけれども、これは、この感染症自体に対する、新型コロナウイルスに対する社会の考え方が、この半年で大分変わってきているということがあると思います。今現在、この足元の急速な流行拡大が起こっていますけれども、それでも、積極的な接触削減策は取らないという選択を、我々の社会は取っているわけです。その結果どうなったのかというと、小学生・中学生の世代が、人口で割ると、一番感染リスクの高い集団になっているのです。この集団のワクチンの接触率が2割足らずなわけでして、結局、この子供たちに対して、このまま自然感染による免疫獲得を進めるという選択を意図せざるにかかわらず、結果的にそうしてしまっているわけです。その結果どうなっているかというと、入院例が増えている。小児科の先生方がいろいろなところで情報発信されていますけれども、定義上は、人工呼吸器やECMO装着にならないので、重症には相当しないわけですけれども、でも、実際には、発熱でぐったりしたりとか、食事が取れないとか、いわゆる風邪とは全然違う苦痛を伴う症例がたくさん発生していて、それで、小児科通いも増加していると伺っています。
 また、数日前に、米国のCDCがMMWRで報告していましたけれども、0~18歳において、新型コロナ感染後に、肺血栓血塞症とか心筋炎などのリスクが上昇するといったデータも出てきています。確かに、これらの発生頻度自体は低いということは言っておかないといけませんが、それでも、これらの発生を、ワクチンを接種することによって減らすことが期待できるわけです。このように、小児の感染リスクが、社会全体で感染リスクをある程度許容していくという流れの中で、小児の感染リスクが明らかに上昇してきて、にもかかわらず社会がそれを許容している。その結果、例え低いにせよ、重症化、それから、合併症のリスクに子供たちをさらしてしまっているわけです。これに対して、ワクチンという手段があるにもかかわらず、その接種率を低いままにとどめてしまっていると。このポイントを改善させていく必要があると思います。確かに、努力義務にすれば、接種率が上がるかと言えば、その保証はないわけですし、そこは別の話ですが、少なくとも努力義務を元に戻して、ほかの世代と同じように扱うということは、国として、その体制を取っておくべきではないかと考えます。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 前にも発言をいたしましたけれども、努力義務というのは、予防接種法の改正の前後で、義務接種の対極にこの努力義務があって、ですから、義務接種だったら必ずやらなければいけないというものではなくて、これはあくまでも努力にすぎないので、本人、保護者の判断の下にやるというのが、これだったと私は強く認識をしているのですが、今回の議論の中で、妊婦さんのときもそうですけれども、努力義務が、かなり無理やりやることの同義語になっていると認識されて、先ほどの沼尾先生の御指摘も、そういう御認識だったように思うのですけれども、これは、もともとは全然違う意味で使っていた言葉なのですね。しかし、それが一般的になってしまっているというところを考えなければならないなと思います。
 私の意見は、鈴木委員あるいは中野委員もおっしゃっておられたように、今は、この年代の接種を大いに進めていくべき局面であって、これは、この年齢は高くても重くならないからやらなくてもいいという考えは、決して採用すべきではなくて、積極的にこの年代の子供たちに接種を勧めていくべき局面だと思います。そのために、どういうふうにすればよいのかという観点で、この努力義務を考えるべきだと思っておりまして、もし仮に、沼尾先生の言われるような、認識の国民の方が多いのであれば、無理にこれをやらなくても、何とか皆さんに受けていただくことのほうが大事なので、これを戻しても、また、戻さなくても、私は、それはどちらでもいいと思っております。何しろ今大事なことは、接種が進むために、この問題をどういうふうに整理したらよいかという観点で考えるべきだと思います。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 川俣市長、お願いします。
○川俣委員 今、釜萢先生がおっしゃったように、私も、接種を進めるという意味では、努力義務という言葉が外せるといいなと思っています。1月時点で、皆さんも同じだと思いますが、たくさんの団体とかたくさんの方からお電話やメールをいただいて、努力義務を外してくれと、そういう言葉がたくさん来てしまったので、皆さんで外しましたが、同じときに考えた妊婦さんに対しては、逆に、そのときに努力義務を外していたものを、エビデンスができたので入れましょうということに変えたと思います。それで何ら問題はなかったです。でも、この努力義務という言葉が、「義務」という言葉が入っているのが、どうしても強制的にされるというイメージを、ニュアンスを進めてしまったのだと思うので、その辺の言葉のニュアンスを伝えてあげれば、大分違うのかと思います。
 今、我が市でも、幼稚園児や保育園児、ましてや学童とか小学生がかなり感染し、子供が感染すると、必ず親もおじいちゃんもおばあちゃんも皆さん感染してしまうのです。ところが、大人が感染した場合は、その人だけ隔離するので、家族間に広がらないのですよ。そういうことを考えますと、どうしても小児に打っていただくということは、警鐘だけではなく、家族も救うという大きな意味があると思うので、努力義務という言葉を、上手にきちんと丁寧に説明をしてあげて、入れることが必要かなと思っています。
 正直言って、努力義務がなくなっても、受けてもらえていたのは受けてもらえています。でも、今回の感染で、受けざるを得ないかなと思っている方たちも大分出てきているので、チャンスではあるのかなと思います。ただ、また、勘違いをされる団体もいらっしゃると思うので、この辺の説明だけは丁寧にしていただけると、ありがたいなと思っています。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 磯部委員、お願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。磯部です。
 私も、妊婦さんのときと同じように、努力義務をあえて外す理由が解消したということであるなら、法制度上は、努力義務を課すことになるのでもやむを得ないと思っていますし、釜萢先生もおっしゃったように、予防接種法上は、公権力が勧奨は行うものの、接種の努力義務をかけないという、そういう臨時の予防接種の仕組みもあるわけですね。新型インフルのように、罹患した場合の病状の程度が重篤でないというようなときには、法制度上、そういうのができることにはなっていて、でも、今回はそういう意味ではないのだということで、やや誤解を招きかねないということもあったかなということは感じていました。ただ、これは、この努力義務の話をするときに、毎回、私はコメントしているような気がしますけれども、既に多くの委員の方が御指摘になったように、努力義務は義務ではないので、しかし、現場では、それをとても強く求められていると感じる人がいるときに、さあ、どうするかということなのだろうと思います。正確な情報の周知ということが常にセットでないといけない。
 しかも、今回は小児の話ですから、努力義務を復活するとして、その対象は保護者の方といったことになるわけですね。法制度上は、必要な措置を講じるよう努めるということになり、要するに、何をするのか。措置を講じたくても講じられないということでは困るわけで、打ちたいという方は、職場の環境の理解を進めるためにも、ちょっと休みを取りやすくするとか、そういうこともあるいは協力することも必要だし、打ちたくない方は、もちろん義務ではないので打たなくてもよいわけで。それを努力義務だからと言って、周りが打たせようとするのも、また、これは法の趣旨に反するのだし、そのことをセットで必ず伝えていただくということなのだろうと思います。努力義務というのは、釜萢先生がおっしゃったように、本来の趣旨を誤解されたまま、このまま進むのは本当によくないことだと思いますので、そのあたりをくれぐれもよろしくお願いしたいと思っています。
 以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 今まで多くの委員から意見があったのとほぼ同じ意見です。努力義務の適用については、2月の分科会で、オミクロン株への効果がはっきりしないことをもって、適用を見送りましたので、オミクロン株への重症化予防に有効性があることが出てきたことをもって、努力義務を改めて設定するのは整合性があると思います。
 前の会議でも申し上げましたけれども、努力義務という言葉に百人百様のイメージが持たれていて、なかなかコンセンサスを得るのが難しいことが、一番の問題だと思います。以前、福島委員から、努力義務そのものを見直したほうがいいのではないかというような御意見もありましたけれども、この努力義務という言葉と、その意味するところ、あるいは、その言葉がもたらすものは何なのかということを、もう一度議論することは必要ではないかと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 今岡参考人、お願いします。
○今岡参考人 今岡です。
 私も、エビデンスとかデータとか、安全性がそろってきた段階だったので、努力義務にすればいいと思うのですが、先ほど言われたように、丁寧に説明することと、あと、本人も保護者も納得ができて、選択ができるという情報を流してほしいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 大体御意見大丈夫ですかね。
 ありがとうございました。
 委員の皆様からも、その後、データはかなり出てきたので、この努力義務を課すことに対しては、賛成という意見が多くありました。ただ、データに関しては、出てきたけれども、まだ、これで十分というわけではないので、当然、さらなるデータの収集には努めるべきだということであります。
 一方で、まだまだ慎重に対応するべきではないかという意見もありましたということは、テイクノートしておくということです。
 それから、努力義務を課した際の情報提供の仕方については、当然、今日あったようなデータを分かりやすくお伝えするとともに、本来の努力義務の趣旨も、しっかりお伝えしていくことが重要だということがありました。それから、努力義務という言葉が、前回の予防接種法の改正のときに、これは義務的接種との対照として、接種に努めるということで、義務ではないのだということですけれども、そこが、「義務」という言葉が少し独り歩きしていることがあるので、努力義務という言葉について、議論をすべきという御指摘もありました。予防接種法の改正は、5年ごとに本来あるべきで、そういった議論がされていたところですけれども、この新型コロナウイルスの流行で、そういった議論は、予防接種・ワクチン分科会と、その下の小委員会ですが、どこでやっているかは、今ちょっと正確に記憶してないのですけれども、そういった議論も進める中で、また、皆様の御意見から、努力義務という言葉についても、再度、議論をしていくべきではないかと思いました。
 ということですので、おおむね委員の皆様からは、努力義務を5~11歳の小児に対しても規定を適用するという御意見だったと思いますので、そのようにしたいと思いますが、その方向性でよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、諮問手続実施のための準備を行っていただくようお願いいたします。
 それでは、時間を大幅に過ぎてしまいました。どうもありがとうございました。
 事務局から、ほかに何かございますか。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございました。
 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただき、ありがとうございました。次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○脇田分科会長 それでは、本当に今日も活発な御議論ありがとうございました。これで、今日の会議を終了したいと思います。
 失礼いたします。