第34回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録

日時

令和4年8月2日(火)10:00~12:00

場所

全国都市会館

議題

(1)令和3年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について
(2)全国健康保険協会の令和3年度業務実績に関する評価の基準について
(3)令和3年度全国健康保険協会事業計画について

議事

 

○愛須室長 皆様大変お待たせいたしました。ちょっと回線に不具合があり、お待たせして大変申し訳ございませんでした。
 15分遅れましたけれども、ただいまより第34回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催したいと思います。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めます保険課の愛須と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
 会議中、御発言の際は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用せず、カメラに向かって挙手いただくようお願いいたします。挙手後は、座長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除の上御発言いただき、終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 また、議題等に対して御賛同いただく際には、カメラに向かって「うなずいていただく」ことをもって「異議なし」と確認させていただきます。御異議のある方はカメラに向かって挙手をお願いいたします。
 全国健康保険協会におかれましては、座席表のとおり、安藤理事長以下、オンラインでの御出席となっておりますが、1点お願いがございます。御出席者多数のため、複数の方で一つの画面を共有することになりますので、質疑等の際、どなたが発言されているかが不明瞭となることが想定されます。
 つきましては、誠に御面倒ではございますが、御発言の都度、御自身のお名前をお伝えいただきますようお願いいたします。
 全国健康保険協会の役職員に異動がございましたので、御紹介いたします。
 本年6月に船員保険担当理事に就任された川野様です。
○川野理事 川野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○愛須室長 同じく、事務局の異動につきましても御報告させていただきます。本年6月に保険課長に着任した原田でございます。
○原田課長 原田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○愛須室長 次に、本日の出席状況ですが、構成員の皆様は全員御出席、全国健康保険協会の六路参与が所用により御欠席です。また、西村構成員におかれましては、会場からの御参加となっております。
 会議の開始に当たり、座長についてお諮りいたします。
 今年度につきましても、西村構成員に座長をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○愛須室長 異議なしと認めます。
 それでは、これより西村座長に進行をお願いいたします。
 恐縮ですが、カメラにつきましてはここで退室をお願いいたします。
○西村座長 では、ここからは私が進めさせていただきます。また今年度の評価もよろしくお願いいたします。
 まず、本日の議事と資料について、事務局より説明をお願いいたします。
○愛須室長 本日の議事の内容と資料について説明いたします。議事次第を御覧ください。本日の議事は、3点でございます。
 1点目が、令和3年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について、2点目が、全国健康保険協会の令和3年度業務実績に関する評価の基準についてです。この2点は、令和3年度業績評価のスケジュールや評価基準を決めていただくものです。3点目は、令和3年度全国健康保険協会事業計画について、こちらは協会より御説明をいただきます。
 次に、本日の資料ですが、資料1から7までございます。資料1は業績評価に関する検討会の開催要綱で、従前からお示ししているものです。資料2が、1番目の議事の資料、資料3-1、3-2が2番目の議事の資料、資料4から7が、3番目の議事の「令和3年度の事業計画について」の資料となります。
 説明は以上となります。
○西村座長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 初めに、令和3年度の業績評価検討会の進め方について、を議題とします。事務局より案を説明してください。お願いいたします。
○愛須室長 今後の検討会の進め方について、事務局案を御説明いたします。資料2を御覧ください。
 本年度の検討会につきましても、昨年度と同様に、3回の開催を予定しています。1回目、本日の検討会におきまして評価の基準を決めていただきます。その後、協会において事業計画の項目ごとに事業実績と自己評価をまとめていただき、その内容につきまして9月16日と22日の検討会において御説明いただき、質疑を行っていただきます。
 そして、3回目の検討会終了後、事務局で評価案を作成して、構成員の皆様に提示し、御意見等を聴取した上で、12月には評価を決定したいと考えています。
 説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ただいまの事務局からの説明について御質問、御意見等ございますでしょうか。
 特にございませんか。
 では、特になければ事務局案により進めることにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○西村座長 ありがとうございます。では、これで進めさせていただきます。
 次の議題に移ります。令和3年度業務実績に関する評価の基準について、を議題とします。まず、事務局から説明をお願いいたします。
○愛須室長 評価の基準案について説明させていただきます。資料3-1、3-2の評価の基準(案)となります。昨年度に当検討会において見直 しした評価基準を今年度も同様に評価の基準としたいと考えております。
 3-1の1ページ目の2.令和3年度業務実績に関する評価のところで、(1)の個別的な評価の3において、困難度のことを記載しております。
 使命、現状・直面する課題及び取り巻く環境の変化との関係から、困難度が高いと合理的に判断できる場合においては、項目ごとに困難度が高い旨及び当該目標において困難度が高いとした理由を付記するものとするとしております。
 続きまして、その下の判定基準についてです。まず、標準となりますのは、2ページ目の「B」となります。これは令和3年度計画を達成していると認められる場合となりまして、括弧書きにありますように、対計画値100%以上又は80%以上100%未満で、かつ目標において困難度が「高」とされている場合となります。
 「S」につきましては、令和3年度計画を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる場合となり、対計画値120%以上で、かつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合、又は計画値100%以上で、かつ目標において困難度が「高」とされており、かつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合ということになります。
 「A」については、計画を上回る成果ということで、対計画値120%以上又は100%以上で、かつ目標において困難度が「高」とされている場合となります。
 また、「C」については、計画を下回っており、改善を要する場合、「D」は、計画を下回っており、業務の廃止を含めた抜本的な改善を求める場合となっております。
 続きまして2ページの4でございますが、定量的な目標を設定している場合は、今申し上げたような基準で判断できるかと思いますが、計画値がないもの、定性的な目標となっているものについては、上記の数値的、定量的な評価は当てはめられませんので、4にあるような目標の水準との比較から評価をいただくこととなります。
 この場合、困難度を高く設定した目標について、目標の水準を大幅に上回っている場合は「S」、困難度を高く設定した目標について、目標の水準を満たしている場合が「A」、目標の水準を満たしている場合が「B」としており、その後、「C」「D」と続いて書いてあるとおりということでございます。
 続きまして、2ページ目の下から3ページ目にかけて、5の留意点について主なものを御説明いたします。
 1つ目のポツですが、今回、令和3年度の業務実績の評価に当たり、この令和3年度の事業計画策定時点では、困難度という考え方はありませんでしたので、評価の時点で、目標・計画の達成及び進捗状況の把握の結果、困難度が高いものと認められる場合は、評定を一段階引き上げることについて考慮するとしております。
 なお、令和3年度業務実績については、自己評価を含む評価の際に困難度を設定するものとしております。
 また、2つ目のポツですが、協会の定量的な計画値において、例えば120%の結果が物理的にあり得ない項目や、どんなに頑張っても数値が伸びないような状況の項目もありますので、これらについては公平性を欠く、又は不合理と考えられる数値である項目として、4の要領で評価を行うものとするとしております。
 3つ目以降は後ほど御覧いただければと思います。
 これまで申し上げました基準に基づく個別的な評価と、最後の部分の(2)にございます全体を評価する総合的な評価により評価していただくということになります。
 説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明について、御質問、御意見等ございましたら、挙手でお願いいたします。
 平川先生、お願いします。
○平川構成員 大したことではないのですけれども、2ページ目の4の「S」のところ、改行ミスですよね。「S」の同じ行に「A」が入っているのですけれども、これは改行ですね。
○愛須室長 そうです。修正するようにいたします。
○平川構成員 分かりました。以上です。
○西村座長 ありがとうございました。ほかに御質問等ございますでしょうか。
 では、特にございませんようですので、評価の基準についてはこの事務局の案のとおりとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○西村座長 ありがとうございます。ではこれで進めさせていただきます。
 では、最後の議題となりますが、令和3年度の事業計画について、協会より御説明をお願いいたします。
○安藤理事長 おはようございます。理事長の安藤でございます。
 本日は、構成員の皆様方には協会けんぽの事業運営に関しまして忌憚のない御意見を賜りたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 令和3年度の事業計画の説明に入らせていただく前に、私から令和3年度の主な取組につきまして簡潔に御紹介させていただきたいと思います。
 協会けんぽは、設立から14年目を迎えました。令和2年の3月より、感染が拡大した新型コロナウイルス感染症が現在におきましても収束に至っていない状況でございます。こうした状況下にありましても、加入者の皆様へのサービスの低下を招くことのないよう、感染防止対策の徹底を図りつつ、事業運営に取り組んでまいりました。協会けんぽは、保険者機能を発揮することにより加入者の健康増進を図ること、加入者が良質かつ効率的な医療を享受できるようにするという基本使命を負っております。
 この基本使命を実現していくため、3年ごとに中期的な事業運営方針としての保険者機能強化アクションプランを策定するとともに、毎年度、事業計画を策定し、これらに沿った形で事業運営を行っております。令和3年度は第5期アクションプランの初年度に当たる年でございました。第5期アクションプランでは、第4期に引き続き、基盤的保険者機能関係、戦略的保険者機能関係、組織運営体制関係の3つを事業運営の柱として取り組むこととし、3年後の到達目標として重要業績評価指標、いわゆるKPIを可能な限り設定し、達成状況の見える化を図っております。
各年度の事業計画におきましても、アクションプランと同じ三本の柱に基づき、具体的な重点施策を定めております。これらの事業運営方針に沿って、令和3年度の事業や取組の実施状況を概説させていただきます。
 まず、1点目の基盤的保険者機能関係について、でございます。協会では、健康保険給付の申請受付から支払いまでの期間に関して、10営業日を所定の日数の目標として設定しておりますが、達成率は99.9%と、2021年度も高い水準を維持しております。レセプト点検につきましても、レセプト内容点検行動計画のもと、レセプト点検員のスキルアップを図るほか、PDCAサイクルによる現状の把握と改善に努めること等により効果的な点検を実施いたしました。
 また、こうした事務処理プロセスについて、事務処理手順書に基づく統一的な事務処理を徹底すること等により生産性の向上に取り組んでおります。
 次に、2つ目の戦略的保険者機能関係について、でございます。令和3年度の保健事業に関しましては、健診及び特定保健指導の実施率は、コロナ禍という環境のもとではありますが、前年度及び前々年度を上回り、確実に伸びてきております。また、健康宣言事業所の宣言事業所数は、令和3年度末時点で6万8,992事業所となり、2021年度までに5万7,000社以上との目標を大きく上回りました。
 また、こうした取組に加え、外部有識者を活用して、協会が保有する健診結果やレセプト等のビッグデータを活用した分析並びに調査研究を行っております。その調査研究及び分析結果に基づきまして、保健事業をはじめとした取組を推進するとともに、医療や介護の各種審議会等の議論の場で意見発信を行う等、多角的に保険者機能の強化に努めてまいりました。
 なお、令和3年度は、新たに外部有識者の調査研究事業としまして、5件の調査研究を採択しましたことも申し添えておきます。
 協会は船員保険の保険者でもあり、船員保険についても加入者への良質なサービスの確実な提供、健全な財政運営、加入者の健康維持増進、組織運営体制の強化に取り組んでまいりました。
 最後に3つ目の組織・運営体制関係について、でございます。基盤的保険者機能と戦略的保険者機能を支える力の源泉は人でございます。令和3年度の協会の加入者数は4,028万2,000人と、2008年の協会発足当時から557万人、16%増加している一方で、協会の職員数は、本年4月の段階で、正職員2,085名、契約職員2,867名にとどまっております。協会として、OJT、それを補完する各種研修、自己啓発による人材育成やコンプライアンス、ハラスメントの防止等の徹底を通じ、組織力強化に努め、加入者増加による業務量の増加について、職員増ではなく、業務の効率化等で対応していることを御認識いただければと思います。
 また、現職員数で協会が本来果たすべき役割を十分に果たせるのかと問われた場合につきましては、その答えは、残念ながら十分ではないということにつきましても御認識いただければと思います。そのほか、協会業務の円滑化のため、システムの安定稼働に努めるとともに、制度改正への対応や業務改革の推進に向けた取組の実施に合わせてシステムの改修や構築を続けております。
 最後に、協会けんぽは設立時の理念としまして、都道府県支部単位で自主・自律の運営を行うこととされており、支部自らの創意工夫による様々な事業を実施しておりますが、都道府県単位保険料率決定の要因となる医療費の地域差や加入者の健康増進等を図るための取組である保健事業の地域差は依然として大きい状況にございます。
 こうした地域差を縮小するために、支部ごとの課題を本部、支部で明確に共有し、課題解決に向けて本部・支部間の連携を強化していけるよう、戦略的保険者機能関係等の充実強化に向けた本部・支部連携強化の方策を新たに策定いたしました。
 以上が令和3年度の主な取組でございます。第5期アクションプランの初年度として、KPIの達成に向け各種取組を推進いたしましたほか、本部・支部連携強化の方策の策定等、戦略的保険者機能のさらなる充実強化に向けた基盤固めを行った年度であったと考えております。
 今後も協会の理念をこれまで以上に追求し、医療保険制度の持続可能性の確保や加入者の皆様の健康を守るための取組を職員が一丸となって推進していく所存でございます。
 それでは、令和3年度事業計画の詳細につきましては企画部長のほうから御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○増井企画部長 企画部長の増井でございます。よろしくお願いします。
 私からは、令和3年度事業計画について御説明申し上げます。まず、資料4でございます。資料4はアクションプラン、第5期の概要でございます。
 これにつきましては、3年間の中期行動計画であるということ、令和3年度は初年度であるということでございます。
 お開きいただきまして、1ページとなっている部分でございます。第5期の事業運営の3つの柱ということで、基盤的保険者機能関係、戦略的保険者機能関係、組織・運営体制関係ということでございます。
 基盤的保険者機能関係につきましては、保険者の基本的な役割として、健全な財政運営を行うとともに、加入者の加入手続・資格管理や医療費及び現金給付の審査・支払などを迅速かつ適正に行うということでございます。
 戦略的保険者機能関係ですが、より発展的な機能を発揮するということで、加入者の健康度の向上、医療等の質や効率性の向上、医療費等の適正化を目指すということでございます。
 最後に組織・運営体制関係につきましては、人材育成による組織力の強化や標準人員に基づく人的資源の最適配分を実施するということでございます。
 その次のページでございますが、【新】となっているものが第5期のアクションプランにおいて初めて実施したことでございます。
 その次の3ページ目、参考というところでございますが、アクションプラン3年間の中期計画でもKPIを設定するということで、それを各年度に落とし込んで事業計画に反映させて、単年度のKPIを設定して、その達成度を見ていくという、PDCAを回していくということでございます。
 資料5についてはこの概要の詳細な部分ということになります。
 資料6が全国健康保険協会の事業計画及び予算でございます。
 おめくりいただきまして、1ページ目が健康保険事業関係の事業計画でございます。構成としましては、基本方針があって、主な重点施策というところで(1)の基盤的保険者機能関係、(2)で戦略的保険者機能関係、(3)で組織・運営体制関係で、その次の3ページ目になりますが、KPI一覧表を最後につけています。
 船員保険についても全く同じ構成になっております。
 5ページ目ですが、予算について、予算総則、収入支出予算がついているということでございます。
 内容について御説明申し上げます。7ページ目でございます。Ⅲの主な重点施策の基盤的保険者機能関係で、1の健全な財政運営でございます。中長期的な視点による健全な財政運営に資するため、運営委員会や支部評議会において丁寧な説明をした上で、保険料率に関する議論を行うということでございます。
 2のサービス水準の向上でございます。これにつきましては、KPIが設定されていて、10日間というサービススタンダードの達成状況を100%とする、2で現金給付等の申請に係る郵送化率を95%以上ということでございます。
 3は限度額適用認定証の利用促進でございます。
 4は現金給付の適正化の推進ということで、標準化した業務プロセスを徹底して、審査業務の正確性、迅速性を高めるということでございます。
その次の9ページ目の5が効果的なレセプト内容点検の推進でございます。KPIは、1として、支払基金と合算したレセプト点検の査定率について対前年度以上ということ、2については、協会けんぽの再審査レセプト1件当たりの査定額を対前年度以上ということでございます。
 6の柔道整復施術療養費についてですが、KPIにつきましては、申請に占める施術箇所3部位以上かつ月15日以上の施術の申請の割合を対前年度以下とするということでございます。
 10ページ目の7はあんま・はりきゅう施術療養費の審査手順の最適化の推進でございます。
 8は返納金債権発生防止のための保険証回収強化及び債権管理回収業務の推進ということで、KPIについては、資格喪失後1か月以内の保険証回収率を対前年度以上とする、2として、返納金債権の回収率を対前年度以上ということで定めております。
 その次が9、被扶養者資格の再確認の徹底ということで、KPIについては11ページ目で、被扶養者資格の確認対象事業所からの確認書の提出率を92.7%以上ということでございます。
 その次の10オンライン資格確認の円滑な実施ということで、KPIについては加入者のマイナンバー収録率を対前年度以上ということでございます。
 11業務改革の推進ですが、2つ目のポツにありますとおり、職員の意識改革の促進を図り、業務量の多寡や優先度に対応する柔軟かつ最適な事務処理体制の定着化により、柔軟かつ筋肉質な組織を構築し、生産性の向上を推進するということでございます。
 その次の12ページからが、戦略的保険者機能関係でございます。1がデータヘルス計画の着実な実施で、i)が特定健診実施率・事業所健診データ取得率等の向上でございます。
 13ページに、生活習慣病予防健診実施率、事業者健診データ取得率、被扶養者の特定健診実施率についてKPIを定めております。
 ⅱ)が特定保健指導の実施率及び質の向上ということで、これについても特定保健指導の実施率についてKPIを定めております。
 ⅲ)が重症化予防対策の推進ということで、KPIについては受診勧奨後3か月以内に医療機関を受診した者の割合を11.8%以上ということでございます。
 ⅳ)のコラボヘルスの推進ですが、KPIについては健康宣言事業所数を5万7,000事業所以上とするということでございます。
 その次が広報や健康保険委員を通じた加入者等の理解促進ということで、KPIについては全被保険者数に占める健康保険委員が委嘱されている事業所の被保険者数割合を46%以上ということでございます。
 その次の15ページの3がジェネリック医薬品の使用促進でございまして、KPIにつきましては、使用割合80%という目標に向けて年度末の目標値を支部ごとに設定するということでございます。
 その次の16ページの4インセンティブ制度につきましては、成長戦略フォローアップに示された内容を検討して、令和3年度中に一定の結論を得るということでございます。
 その次、5が支部で実施した好事例の全国展開ということですが、支部保険者機能強化予算との関係性を含めて、パイロット事業、支部調査研究事業の位置づけや仕組みを整理して、新たな枠組みを構築するということでございます。
 6が地域の医療提供体制等への働きかけや医療保険制度に係る意見発信ということで、医療計画及び医療費適正化計画に係る意見発信、医療提供体制に係る意見発信。その次の17ページになりますが、制度の持続可能性の確保に向けた意見発信、上手な医療のかかり方に向けた働きかけということでございます。
 7が調査研究の推進ということで、本部・支部による医療費分析、18ページになりますが、外部有識者を活用した調査研究の実施、3番目で調査研究の推進並びに研究成果の社会的還元に向けた各種施策の検討及び実施ということでございます。
 その次は19ページで、組織・運営体制関係ということでございます。これにつきましては、人事・組織に関する取組ということで人事制度の適正な運用、2として人事評価制度の適正な運用、3がOJTを中心とした人材育成、4が本部機能及び本部支部間の連携の強化、5が支部業績評価の実施。
 Ⅱ)が内部統制に関することで、1が内部統制の強化、2がリスク管理、3がコンプライアンスの徹底でございます。
 組織・運営関係のⅢ)がその他の取組ということでございます。1についてはコスト削減、2については協会システムの安定運営、3が制度改正等にかかる適切なシステム対応、4が中長期を見据えたシステム構想の実現ということでございます。
 23ページ、24ページが今申し上げたKPIの一覧でございます。それが27ページまであるということでございます。
 28ページからは船員保険事業関係でございます。船員保険事業関係も健康保険と同じ形でございまして、28ページの(2)のところでございますが、基盤的保険者機能関係、(3)で戦略的保険者機能関係、(4)で組織体制の強化という同じ柱で記述しているということでございます。
 船員保険特有のものについて御紹介いたしますと、31ページになります。6の制度の利用促進ということでございます。3つ目のポツのところですが、職務上の事由による休業手当金等の上乗せ給付や特別支給金等の着実な支給を図るために、厚生労働省より船員に係る労災保険の給付データの提供を受け、これらの未申請者に対する申請勧奨を実施するということでございます。
 7の福祉事業の効果的な実施ということも船員保険特有の事業として実施してございます。
 33ページからは戦略的保険者機能関係でございまして、一番下の3の加入者に対する支援というところの2つ目のポツですが、禁煙支援に関する情報提供を実施するとともに、喫煙者に対し、実効性のあるオンライン禁煙プログラムを実施するということをしております。
 34ページの4の船舶所有者等に対する支援でございます。2つ目のポツでございますが、「プロジェクト“S”」、すなわち、船員保険の健康づくり宣言、船員保険コラボヘルスということをやっておりますが、これにより船員の健康づくりに関する船舶所有者の取組を支援するということでございます。
 そのページの下の7の情報提供・広報の充実でございます。船員保険の説明パンフレットを広く配置する、あるいは、一番下にございます「船員保険通信」を送付するということをしております。
 その次に36ページからは組織・運営体制の強化でございまして、38ページからKPI一覧が載っている状況でございます。
 説明はその次の資料7になりますが、資料7につきましては、令和元年度の業績評価で指摘いただいた事項について、令和3年度の事業計画等で関連している部分を抜粋して記載しております。
 説明は以上になります。よろしくお願いします。
○西村座長 御説明ありがとうございました。では、ただいまの御説明について、構成員の先生方から御質問等ございますでしょうか。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 皆様、また今年もいろいろとお世話になります。よろしくお願いいたします。
 いろいろと勉強させていただいていますけれども、今、御説明もいただきましたけれども、かなり早回しの御説明で、資料を追いかけるだけでも大変だったのですが、全般的に、今回の協会けんぽさんの資料の書き方が、伺っていますと、言い方が非常に、これからこうする、ああするというような書き方で、具体的にここまでは頑張りますとか、そのような表現がちょっと足らないのかなというのが御説明を聞いた感想でございます。
 それと、具体的なKPIの数値一覧表、別紙でついておりますけれども、どうしてもその設定が、我々、今非常に医療体制が逼迫して予算も不足しつつあるという中で、もうちょっと数値を厳しく設定することも必要なのかなというのが、全体的に今お話を伺った中での感想でございます。
 具体的なことは幾つもあるかとは思うのですが、一まず私の感想だけ述べさせていただきました。
○西村座長 ありがとうございました。御質問というか、御意見を伺いましたけれども、協会けんぽから何かこれに対して補足の御説明などありますでしょうか。
 企画部長、お願いします。
○増井企画部長 企画部長でございます。
 9月にその辺りについてきちんと御説明させていただきたいと考えております。次回、実際にこういう評価でいきたいということを御説明させていただきますので、そのときにKPIの設定、こういう考えでやったということも含めて御説明させていただければと考えております。
○森下構成員 ありがとうございます。今回はざくっとした御説明になるかなとは伺ってはいたのですが、次回以降、4回というか、3回しか正味ないですから、できれば具体的に、ここはもうちょっと設定値を上げたいとか、ここは頑張らないと非常に厳しいなとか、幾つか課題があると存じておりますので、すみません、またその辺についていろいろと御説明をいただければと思っています。よろしくお願いいたします。
○西村座長 では、次回以降の御説明のところでよろしくお願いいたします。ほかに御質問等ございますか。
 尾関先生、お願いいたします。
○尾関構成員 御説明どうもありがとうございました。質問というよりは感想めいた話になりますけれども、今回いろいろと新しい取組が、特に戦略的な保険者機能関係で実施されているように拝見しました。これに対してどんどん取組を新しくチャレンジされるということは非常にいいことだと思っておりますので、その取組に関しては非常に私はすばらしいことだと思っております。
 また9月の評価会議のときにどのような結果で終わったかというところをいろいろお聞きしたいと思っておりまして、特に調査研究の推進などいろいろやっておられますので、コロナ禍で大変だったと思うのですけれども、どのような評価結果を得たかというところなどもまた9月でお聞きしたいと思っておりますし、加入者数が増える中で、社員の方が増えていないという状況もあり、効率性ですとか、それを高めていきたいということもありましたので、組織・運営体制関係では、本部機能とか、あるいは本部と支部間の連携強化といったことをおっしゃっていましたので、その辺がどのように回っていったのかというところもまた9月にお聞きしたいと思っております。
 感想めいたお話ですけれども、以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。尾関先生より3点ほど、9月に向けて御説明をお願いしたい点を出していただきましたので、よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 ではまず、古井先生、お願いします。
○古井構成員 どうもありがとうございます。まず、資料6の13ページのⅱ)のところで特定保健指導の実施率及び質の向上というのが挙げられています。この中身を見ると、実施率を上げながら質を向上するために、例えば効果が上がった要素を捉える効果検証を行うですとか、指導のマニュアルを作成、それから、協会の保健師さんの育成プログラムの策定と、すばらしい中身が書いてあります。
 それに対してKPIのところは、実施率だけが書かれていまして、協会けんぽさんとして、この実施を通して何を目指していくかということも今後KPIの中に検討されるとよろしいと思います。
14ページ目のコラボヘルス、事業主との連携というのは協会けんぽさんで一番難しくて一番の生命線だと思います。この中でKPIは、健康宣言事業所5万7,000事業所以上と分かりやすい数値があるのですが、そのほかに家族も含めた事業所における健康づくりですとか、あるいはメンタルヘルス予防を事業所と連携してというのがあって、こういった取り組みが評価されるようなKPIの設定を検討されるといいと思います。
 それからもう一つは、19ページ目、20ページ目の組織・運営体制関係のところになります。協会さんは47支部に分かれていて、その支部の人材とか効率的・効果的な事業運用というのは鍵なのですが、一方で、本部というのも重要なヘッドクォーターの役割を担っていると思います。
 例えば20ページ目の上の5のところで支部の業績評価というのがあるのですが、本部の組織としてのKPIというか、評価というのも大事だと思うのです。例えば昨今課題が多様化し、所管を横断するプロジェクトですとか課題解決が必要なケースというのが増えていると思います。そういう横断的な対応が協会けんぽの組織力を上げていく、また評価をしていく上では必要性があると感じました。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。今、御質問というか御意見だったのですけれども、協会けんぽから何かこの点について補足などございますか。
○中島理事 ありがとうございました。古井先生の御指摘はまさにそのとおりでございます。ただ、古井先生も御承知のことかと思うのですけれども、保健事業に関する諸々の指標というのは、厚生労働省においても、現在、これまでのいわゆる実施率といった量的拡充から、保健事業の質をどのように担保するのか、特定保健指導の効果が上がっているのかどうか、そのような形で質を見る指標も検討されているところでございます。協会けんぽとしても、そうした国の動きや趨勢を見ながらKPIを今後定めていくことになると思ってございますのが1点。
 それからもう一つは、この保健事業に関する諸々の指標というのは、基本的には、古井先生も各種委員に入っておられる国の検討会等において、健保組合、協会けんぽ、国保等の保険者が果たしていくべき目標として、設定されているものも結構あります。そういうものを踏まえて、協会けんぽとして取り組ませていただいたということでございます。すなわち、協会けんぽが独自に設定するというよりも、国全体の動きの中でKPIが設定される部分も大きいということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。このKPIの設定、非常に重要な点ですし、これから、今の御説明にありましたように、質、あるいは実施したことの効果というのをどのようにはかるかということで検討が進んでいるということでしたので、そうした検討の進み方について今後も注視していきたいと思います。
 では、続きまして平川先生、お願いいたします。
○平川構成員 ありがとうございます。
 今日は最初ということなので、余り中身には言及はしないようにしておきます。全体としては、やはりこれまでもずっと方向としてはデータの活用とかデータを生かした施策、業務運営というのが随所に書かれておりまして、方向性としてはよろしいのではないかなと考えています。
 協会自身も膨大なデータを持たれておりますし、今後はそれも踏まえて独自の分析も行っていくことでありますので、その結果に基づいた保険者としての運営をお願いするという形になるかと思います。また、そのデータに基づいて協会がどのような発信をしていくのかということも今後さらに一歩進めていく必要があるのではないかと思っているところであります。
 そういった意味で、全体としての意見、感想ということで申し上げました。個別の具体的な数値についてはまた今後この議論の中で質問等させていただければと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。今、データに関する御意見を全般的にいただきました。何か補足の説明ございましたらお願いいたします。
 ではよろしくお願いいたします。
○中島理事 ありがとうございます。まさに平川先生おっしゃるように、膨大な加入者の皆様の貴重なデータをお預かりしていますので、それを活用した施策に取り組んでいきたいと考えてございます。
 9月以降御説明申し上げますけれども、1つは、今日頭出しだけさせていただきましたが、本部・支部連携をしっかり行うという中では、支部ごとにデータをしっかり分析して、そのデータからうかがえる支部ごとの課題を明確に設定して、それに向けた取組を重点的に行う体制を構築していきたいということでございます。それが本部・支部連携の要でございます。
 2つ目が、そのためにも、本部・支部を通じて職員の資質を上げていく、データ分析、データ評価能力を高めていくということで、新たな統計分析研修を必須研修として設定し、職員のデータ分析能力を向上させていきたいということが2つ目の取組でございます。
 それから3つ目は、これらのデータは、協会職員だけでいろいろ操作しているだけではなくて、外部有識者、大学の先生、研究者の皆様方に、プライバシーを十分保護しながら広く見ていただいて、委託研究という形で協会データを用い、協会運営への新たな施策の提示、さらには我が国における医療行政に対する政策提言をしていただくという取組もしているところでございまして、9月以降、どのようなテーマが選ばれ、どのような中間的な成果が出ているのか御説明させていただきたいと思ってございます。
 データについては、以上3つの点で取組を進めているということでございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。9月以降の御説明のところで、御提示いただけるようなデータや研究の結果などございましたら、併せて御説明いただけたらと思います。
 では、ほかに御質問などございますか。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 すみません。ちょっと補足といいますか、次回以降また、もし御準備できるようでしたら資料等出していただきたいと思っているのですが、実は今、協会けんぽそのものは、220万事業所ですか、4,000万人以上の方々が加入されているということで、日本の医療制度を支える組合としては非常に大きな位置づけだと思っています。
 その結果、私よく分かりませんけれども、先ほどお話の出た審議会レベルへも、理事長はじめ皆様御参加をしていただいて、日本の医療行政についていろいろと御意見を出されているかと思いますが、我々、この評価委員会では余りそういう細かいお話を聞くことが少ないのですね。ですから、できればこういう意見を出したということをいろいろとまた御報告いただけると、我々も非常に事業者として関心事でございますので、大変助かるかなと。
 特に最近感じるのは、収入格差が非常に大きくなっておりまして、特にこれから運営が厳しくなる中で、やはり入るお金、出るお金の調整の中で保険料額表の見直しといいますか、そういうものは今後必要になってくるのかなあと。今単純に、例えば10万円給料をいただく方はおおむね例えば1万円とか、100万円いただく方は10万円の保険料徴収とか、非常に単純な計算になっておるのですが、こういうものについても、収入の多い方に対してはもっと幅を広げるとか、逆に料率を上げていくとか、もうちょっとその辺も御提言を協会けんぽからしていただけるような、そんなことも我々としては必要ではないかなあなんて個人的には思っていますので、またぜひその辺のお考えも次回以降伺えたら助かると思います。どうもすみません。よろしくお願いします。
○西村座長 ありがとうございます。この点も非常に重要な点でございまして、次回以降の御説明の中で含めていただけるところがございましたら、よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 いろいろな御意見を出していただきまして、ありがとうございました。では、ほかに御質問等ございませんようですので、本日の議論はここまでとしたいと思います。
 最後に、事務局のほうから今後のスケジュールの説明をお願いいたします。
○愛須室長 御審議いただき、ありがとうございました。
 今後のスケジュールでございますが、第35回の検討会は9月16日午前10時から、第36回は9月22日午後2時からの開催を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 それでは、本日は以上をもちまして。
 平川先生、お願いいたします。
○平川構成員 1点お願いなのですけれども、構成員の参加者名簿はあるのですけれども、事務局や協会けんぽの参加者名簿がないので、次回のときには送付をお願いいたします。
 以上です。
○西村座長 御準備をお願いできますでしょうか。
○愛須室長 承知しました。用意するようにいたします。
○西村座長 では、次回のときにはお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。
 次回の開催、少し期間が空くことになりますけれども、本日はいろいろ御意見や御質問ありましたので、次回以降の御説明のときによろしくお願いいたします。
 では、本日はお忙しい中、御審議ありがとうございました。これで終了させていただきたいと思います。