令和4年8月5日 第82回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年8月5日(金) 13:00~15:00
 

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

8月5日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第82回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
まず、WEB会議を開催するに当たりまして、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
なお、WEB会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承いただけますと幸いです。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合はインスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出席状況について御報告いたします。
現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
なお、藤井委員より御欠席される旨の御連絡をいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 それでは、本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただくこともございますので、御了承のほどよろしくお願いします。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチン及びHPVワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、モデルナジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社でございまして、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員において、ファイザー株式会社、モデルナジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社より、50万円を超える受け取りはございませんでした。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
舟越委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認していただくことにより、正しい内容を申告いただきますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1~1-10、資料2-1~2-5、多屋委員提出資料、参考資料は1~13になります。
不備等がございましたら事務局にお申出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
まず、議題の1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」について、資料1-1-1~資料1-7について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、説明させていただきます。
資料1-1-1~1-7を用いまして、今回の集計対象期間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明したいと思います。
今回の集計対象期間は、7月10日までとなっております。
まず資料1-1-1を御覧ください。2ページになります。副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
表の一番左下にいっていただきまして、まずコミナティでございます。今回の集計対象期間におけるコミナティの推定接種回数は2億1898万9953回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0133%でございました。
右にいっていただきまして、コミナティ5~11歳用は、推定接種回数が269万2810回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0041%でございまして、前回と変化はございませんでした。
小児接種における副反応疑い報告状況については、別途資料を用意しておりますので後ほど御報告いたします。
スパイスバックスにつきましては6572万2507回接種、頻度としましては0.007%、またバキスゼブリアにつきましては11万7564回接種、頻度としましては0.0136%でございました。
一番右にいっていただきましてヌバキソビッドでございますが、ヌバキソビッドについては前回の部会から御報告さしあげておりまして、接種回数については前回1万1333回でしたが、今回は4万7031回に増加しております。
副反応疑い事例につきましては、前回、非重篤症例2件を報告させていただきましたが、今回部会の集計時点では重篤1件を含め、合計7件の副反応が報告されているといった状況になります。
具体的な症状につきましては、資料1-1-2-5の2ページに記載しておりますが、アナフィラキシーの重篤症例が報告されております。
続きまして、4回接種につきまして59ページを御覧ください。59ページ、一番上の表でございます。
コミナティの推定接種回数については、前回部会における集計期間では3万3202回接種でしたが、今回の部会における集計期間では192万8009回に増加しております。
副反応疑い報告については11件報告されており、1件が重篤として報告されております。
なお、前回部会で報告させていただいたコミナティの死亡例については、資料1-2-1の企業からの報告で計上されておりますが、後ほど資料1-3-1の説明の際に御報告させていただきます。
続きまして、スパイクバックスの4回目接種については、前回部会時では7,030回接種でしたが、66万2446回まで増加しております。
副反応疑い報告については5件報告されておりまして、重篤症例の報告はございません。
その他の副反応疑い事例の報告状況につきましては、接種回数別の事例やロット別の報告件数などについて、いずれのワクチンでも顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
続きまして、死亡事例でございます。
資料1-3-1を御覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ、「1.報告状況」になります。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに13件増加しまして、令和3年2月17日~令和4年6月12日までに報告された死亡事例は合計1,616件となってございます。
なお、4回目接種後の1件の死亡事例については、前回部会時に速報として御報告させていただいたものになります。
2つ目の○に進みまして、上記に加えまして令和4年7月11日~令和4年7月22日までに報告された事例が10件ございまして、4回目接種後の死亡例は4件増加しております。
2番の「専門家の評価」の項に専門家評価の結果を表としてまとめております。
2ページ目の中段、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度につきましては、前回から大きな変化はございません。
続きまして、資料1-3-2を御覧ください。スパイクバックスの死亡事例について、御報告いたします。
1ページ目、「1.報告状況」です。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに5件ございまして、令和4年7月10日までに報告された死亡例は、合計162件となってございます。
なお、上記に加えまして令和4年7月11日~令和4年7月22日までに報告された事例が6件報告されておりまして、4回目接種後の死亡例は4件増加しております。
2番「専門家の評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
2ページ目の中段(参考2)「報告頻度」の部分でございます。
各接種回数における100万回当たりの報告頻度につきましては、前回から大きな変化はございません。
続きまして、資料1-3-2を御覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目、「1.報告状況」です。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに5件ございまして、令和4年7月10日までに報告された死亡例は合計162件となってございます。
なお、上記に加えまして、令和4年7月11日~令和4年7月22日までに報告された事例が6件報告されておりまして、4回目接種後については1例新規で報告されました。該当する症例は35ページに記載しておりまして、96歳女性の患者で現在評価中となってございます。
最初のページに戻りまして、「2.専門家の評価」の項に専門家による評価結果を表としてお示ししております。
次に、2ページ目の中段、「(参考2)報告頻度」の部分を御覧ください。各接種回数における100万回当たりの報告頻度をまとめておりますが、スパイクバックスについても前回から大きな変化はございません。
スパイクバックスの説明は以上となります。
続きまして、バキスゼブリアと小児用コミナティですが、新規の死亡事例の報告はございませんでしたので説明は省略いたします。
また、ヌバキソビッドについては、現時点で死亡事例の報告はございませんので、今回は専門家評価結果をまとめた資料は作成しておりません。
続きまして、資料1-4~資料1-6の報告基準症状であるアナフィラキシー、TTS、心筋炎・心膜炎に関する資料でございますが、ヌバキソビッドのアナフィラキシー症例が報告されましたので御説明いたします。
資料1-4-5を御覧ください。今回、新たに3件のアナフィラキシー疑いが報告されております。専門家の評価につきましては、1件がαと評価されておりまして、2件がγと評価されてございます。
続きまして、資料1-7を御覧ください。小児接種における副反応疑い事例の報告状況をまとめた資料でございます。
今回の集計対象期間は7月10日まででしたが、小児接種の副反応疑い事例の動向を迅速に把握するために、集計期間後の7月22日までに報告があったコミナティ小児用の副反応疑い事例を医療機関、企業に分けて一覧にしてお示ししております。
医療機関からの報告については、23ページのNo.111が集計対象期間後に報告があった事例となります。
製造販売業者からの報告につきましては、55ページのNo.128が集計期間後に報告があった事例となります。
以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
それでは、引き続き資料1-8と1-10について、事務局から御説明お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
まず、資料1-8「副反応疑い報告の状況について」御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。全体の資料構成でございますが、こちらは前回までと同様の構成となっておりまして、まず全体の概要、それから死亡に係る報告事例、心筋炎または心膜炎疑いの報告事例、その他、論点のまとめの順番にお示しさせていただきます。
委員の先生方におかれましては、最後の参考資料を含めまして、あらかじめ資料に御目通しいただいておりますことも踏まえまして、要点に沿って御説明してまいりたいと思います。
4ページを御覧ください。こちらは概要の資料です。今回、データロックの7月10日時点までの報告状況について、資料1-1-1及び1-2-1をまとめたものでございます。
上段の青色のファイザーと下段のオレンジ色のモデルナの表を御覧いただきますと、4回目接種について数件から10件程度の報告がございましたが、総じて3回目接種よりも低い頻度の数字になっております。
中段のファイザーの5~11歳用の小児ワクチンの表につきましては、これまで同様、12歳以上のファイザーの報告頻度よりも低い傾向が続いております。
次に5ページ目になりますけれども、アストラゼネカと武田社ワクチン(ノババックス)に係る報告状況についてお示ししております。
武田(ノババックス)で数件の報告がございました。報告頻度を御覧いただきますと、ファイザーやモデルナと見比べて、やや高い頻度のようにも見えますけれども、接種数が少ないこともありまして十分には評価できるものではない数値と思われますため、引き続き傾向を把握できるような資料作成に努めてまいりたいと思います。
続いて、死亡事例についてです。7ページを御覧ください。こちらは、資料1-3に関して死亡として報告された事例をまとめたものになります。
ファイザーでは新たに13件の報告があり1616件、モデルナでは新たに5件の報告があり162件となり、5~11歳用の小児のワクチンについては新たな報告例はございませんでした。
頻度や報告書の症状の概要に記載された死因等について、いずれも前回と大きな変化はございませんでしたが、4回目接種後の事例として、ファイザーでのみ1例報告がございました。こちらは98歳の女性で寝たきりのADLの方で、接種翌日に死亡が確認されましたが、死因等詳細は不明で、家族からの解剖の希望もない症例でございました。
今回のデータロック外での報告につきましては、なお書きで記載しておりますが、ファイザーで10件、そのうち4回目接種が4件、モデルナでは6件のうち4回目接種が1件の報告がございました。
次の8ページですが、アストラゼネカと武田(ノババックス)について掲載しておりますが、いずれも新たな報告事例はございませんでした。ノババックスについては、今回も現時点で死亡報告は0件という状況です。
続いて、心筋炎または心膜炎疑いとして報告された事例になります。10ページを御覧ください。こちらは、資料1-6からまとめたものになります。
上段のファイザーについてですが、心筋炎は、13件増えて207件となり、そのうちブライトン分類レベル1-3と評価されたものは6件増えて68件となりました。
同様に、心膜炎は9件の報告が加わり81件となり、そのうちブライトン1-3は5件増えて36件でした。
中段のファイザーの小児用では、2件の心筋炎の報告が加わりまして8件となりまして、そのうち1件がブライトン分類レベル1-3と評価されております。この1件は1回目に接種された11歳の男児で、ブライトン分類レベル1ではございましたが、基礎疾患として心不全や心筋炎の既往などを既に有している方で、心筋炎の増悪と報告された症例でございました。
心膜炎については1件報告が追加されて3件でございますが、ブライトン分類は4の症例でございます。
下段のモデルナについては心筋炎の報告が24件追加されまして131件となり、そのうちブライトン分類レベル1-3と評価されたものは10件増えて54件となっております。
心膜炎については4件追加されて29件、そのうちブライトン分類1-3は3件増えて16件と評価されております。
いずれのワクチンにおきましても4回目接種後の事例はなく、0件の状況が続いております。
なお、性・年齢別かつ接種回数ごとに評価した頻度等の詳細につきましては、参考資料として32ページ目以降に載せておりますが、前回の報告状況から大きな変化はございませんでした。御参照いただければと思います。
続いて11ページですけれども、アストラゼネカと武田(ノババックス)について掲載しておりますが、いずれも新たな報告事例はなく0件という状況が続いております。
続きまして、12ページ目からはその他の事項になります。
13ページ目でございますが、こちらは前回の審議会で頂戴した若年男性及び保護者の方へのリーフレット案に対する御意見を整理した内容を掲載しております。
こちらに掲載したこのような御意見を踏まえまして、事務局でも新たに検討して作成したリーフレットを14ページに掲載してございます。こちらは参考資料14としても掲載しておりますが、御指摘いただいた点の修正等を行いまして、以前のリーフレットから3回目接種や新たなデータ等を踏まえて改訂したものとして準備しておりますので、御確認いただければと思います。
続いて15ページ目でございますが、こちらはノババックスの諸外国における海外情報を掲載しております。副反応疑い報告件数について、大きな変わりはございません。
中段の安全性等の情報についてですが、<心筋炎と心膜炎>については、欧州リスク評価委員会では6月から評価を開始されておりまして、つい先日の8月3日に更新されたため、こちらには掲載しておりませんけれども、8月3日付で製品情報に副反応として記載することを推奨する、とされました。
また、米国では、WARNINGS AND PRECAUTIONSに心筋炎・心膜炎が記載されておりました。
オーストラリアでは、心膜炎の可能性のある症例が7例追加されましたけれども、心筋炎の報告数に変わりはございませんでした。
16ページからは「論点のまとめ」になります。
17ページでは12歳以上の死亡例について、18ページでは12歳以上の心筋炎及び心膜炎について、また19ページでは小児ワクチンについて、20ページでは4回目接種について、これまで同様の内容で掲載しております。
21ページ目におきまして、今回も、現時点において、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き接種を継続していくこととしてよいかということで御議論いただきたいと考えております。
資料1-8の説明は以上でございます。
続きまして資料1-10、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査について、前回までの内容を踏まえまして簡単に御紹介申し上げます。
資料1-10でございますけれども、集計対象期間は7月10日までの報告となっております。前回部会からノババックスワクチンのデータを公表しておりますが、徐々に例数も増えてきておりまして、15ページに表示しておりますけれども、1回目接種当日では73名、また62ページに表示しておりますが、3回目接種当日で188名の登録・回答がございました。
77ページ目から、症状別の結果をお載せしております。
97ページに飛びますけれども、こちらからワクチンごとの結果を掲載しておりまして、99ページと100ページになりますが、3回目接種における副反応の発現頻度をワクチンごとの組合せごとにまとめたスライドを掲載しておりまして、こちらはノババックスワクチンの組合せについては初めて掲載するデータとなっております。
99ページの3回目接種後、1週間後のグラフについてですけれども、3回目にノババックスを接種されたものにつきましてはオレンジ色と水色で示しておりますが、37.5度以上の発熱や倦怠感、頭痛等の症状はファイザーやモデルナに比べてノババックスでは低い傾向が見られております。このノババックスは初回がファイザーの場合、モデルナの場合、いずれも同様の傾向となっている結果でございました。
一方で、リンパ節の腫れについては1回目、2回目がモデルナで3回目に武田(ノババックス)を接種された方で高い傾向が見られているという結果でございました。
また、100ページになりますけれども、3回目接種後、2週間後のグラフでございますが、少し特徴的なデータとしましては1回目、2回目をファイザー、あるいは1回目、2回目をモデルナで、3回目にノババックスを接種された方で、いずれも下痢の報告頻度が高い傾向となっておりました。
続きまして、3回目の体調として最後のほうの142ページから掲載しております。
144ページになりますが、2回目にファイザーまたはモデルナ、3回目に武田(ノババックス)だった場合の2回目接種後と3回目接種後の体調の回答結果をお載せしております。
3回目がノババックスだった方におきまして、2回目と比較して「楽だった」と回答した人の割合についてですが、ファイザー後ノババックスを接種した方は47名の回答数ですが、約8割、モデルナ後にノババックスを接種して回答いただいた方は11名のみですけれども、約9割という御報告になっております。
資料1-10におきましては、簡単ではございますが以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
続いて、資料1-9について伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。資料1-9について説明をさせていただきます。
本日は、60歳以上の方を中心とした4回目接種と組換えたんぱくワクチンであるヌバキソビッド筋注の初回及び3回目接種の結果を報告させていただきます。
まず4回目接種のお話をさせていただきます。6ページ目を御覧いただきますと分かるかと思いますが、4回目にコミナティ筋注を接種された方の8割以上が60歳以上で、3回目接種はコミナティ筋注を接種された方がほとんどです。4回目接種としてスパイクバックス筋注を接種された方の7割は60歳以上で、9割の方は3回目接種がコミナティ筋注です。いずれにしても、ボリュームゾーンは60歳から64歳の方ですので、データを御覧いただくときにその点について御留意いただければと思います。
8ページ目に、抗体価を示しています。7月22日時点では1か月後の抗体価が返ってきておりませんでしたので、3回目接種後から5か月以上経過後のワクチン接種前の抗スパイクたんぱく質抗体価を示しております。3回目から5か月以上たった方の抗体価は、年齢、性別、接種間隔で調整してもスパイクバックス筋注のほうが少し高めに出ていました。
それで、おととい調べてみたところ、4回目接種1か月後のデータが一部返ってきておりました。詳細は別の機会に報告できればと思っておりますが、結論から申し上げますと、どちらのワクチンも4回目接種1か月後は3回目接種1か月後の抗体価とほぼ同じレベルに回復しておりました。
安全性に関わる発熱等の頻度は9ページから示しております。発熱とか倦怠感などは年齢と性別によって違いがあることが分かっておりますので、3回目のデータと直接比較することは難しいのですが、特定有害事象の各項目をロジスティック回帰分析で年齢、性別で調整しますと、3回目接種に比べて4回目接種のほうが頻度が低そうです。
医療従事者などを対象にした4回目接種が始まっておりますので、そのようなデータがあると年齢、性別の調整の精度が高くなりますから、その結果を併せて正式な報告はさせていただきたいと思っています。
19ページに今回のデータ及び初回シリーズ、1回目、2回目接種を通じたデータですが、それから3回目接種の結果との比較表をつくっておりますので御覧いただければと思います。今回の4回目接種についてはPMDA報告やSAEは発生しておりません。
21ページからが、ヌバキソビッド筋注についてです。初回接種と3回目接種のデータです。3回目接種に関しては、我が国が最も早く認めている状況であるのは濱田先生からも御指摘いただいているとおりですので、そういう意味では世界的にも珍しいデータになるだろうと思っております。
初回接種は2回接種後の抗体価の結果が2回目接種から1か月、約2か月後になりますから未着ですので、3回目追加接種の抗体価の推移だけをお示ししております。27ページです。ヌバキソビッド筋注の追加接種を希望された方というのは、アストラゼネカ社のワクチンを接種された方が多くて、今回抗体価の提示をさせていただいた方は7名いらっしゃるのですが、全てバキスゼブリア筋注をされた方でした。
ここに示したとおり、3回目接種前の抗体価との幾何平均抗体価倍率が31.9倍という形になりました。したがって、ヌバキソビッドの免疫増強効果があるということに関しては、確認できると思います。
28ページからは安全性の情報ですが、mRNAワクチンに比べて発熱や他の副反応の頻度が低いというのは、先ほど資料1-10で厚生労働省の事務局から提示されたとおりで同じ結果です。
こちらも、37ページの比較表を見ていただくのが分かりやすいと思います。37ページの左のほうの端のデータがヌバキソビッド筋注です。右の端に2009年に国立病院機構でやりましたH1N1pdmインフルエンザの流行時に実施した2万人の安全性調査があるんですけれども、その調査の結果をこのコホート調査と同様の評価指標で再集計したデータを載せました。
組換えたんぱくワクチンの副反応の頻度は、これを見ますとインフルエンザワクチンと発熱の頻度などは同程度か、少し高くなる程度という状況かと思います。局所反応についてはインフルエンザワクチンは皮下注で、ヌバキソビッド筋注は筋注ですので違い、発赤とか、かゆみとかについては、接種方法の違いが大きいというふうに思っておりますが、全体として比べていただくとほぼ同程度からやや少し強い程度の副反応だろうと思います。
20ページと38ページに、4回目接種とヌバキソビッド筋注のまとめを記載しております。今までは即効性を重視しておりましたので、接種後1週間までの日誌のみの特定有害事象の数字を記載しておりましたが、接種28日後までの日誌のデータも反映した数字、より製造販売後調査に近い形での数値の表記に変えさせていただいておりますので、その点について御留意いただければと思います。
報告については以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
続きまして、感染研の先生方が新型コロナワクチン接種後に医療機関から血管迷走神経反射の症例として報告された事例をまとめられたというふうに伺っております。
多屋委員から提出資料の御説明をいただけますでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
今日の資料の1-1-1を最初に御覧いただけるとうれしいのですけれども、その資料の最後のほうに症状別の報告数と、接種から何日目に報告があったかという感染研で作られている表があると思います。ワクチン別で、最初がファイザーなのですが、資料1-1-1の69ページになります。
現在、アナフィラキシー、TTS、心筋炎・心膜炎については詳しく解析され、毎回報告されています。数としては、アナフィラキシーが、二千数百、心筋炎・心膜炎がここに挙げられている数字で報告されているのですけれども、もうちょっと下のほうにいっていただきますと血管迷走神経反射という症状があります。失神を伴うものと伴わないものがありますが、血管迷走神経反射が900人ぐらい報告されているということが分かります。
ほかのワクチンについても同じように、モデルナのワクチンは71ページに報告されています。そこで、比較的多く報告されている血管迷走神経反射についてまとめることにいたしました。これは、私が感染研にいたときから予防接種グループでやっていたものになります。
血管迷走神経反射は従来から若い方に多いと言われていたのですが、やはり10代、20代の方に多く報告されていました。ヒトパピローマウイルスワクチン接種後にも多くの症例があって、失神したときに転倒した結果、外傷につながることがあるということで、接種後15分間は背もたれのある椅子に座って経過観察をして、体調に問題がなかったら帰りましょうということが言われていました。新型コロナワクチンでもしっかりと言われていたからだと思うのですけれども、外傷につながるような症例はほとんど報告されておりませんので、これまでの経験が生かされているのかなと思います。
2ページ目以降がラインリストで、ほかの資料の中にも既に含まれているのですけれども、今回、接種回数、症状の程度などを付け加えたリストになります。1回目の接種で起こったのか、2回目の接種によって起こったのかなどが分かるようになっています。
10代、20代の若い方に多くて、1回目の接種後に多く報告されています。10代、20代ではあまり男女差がないということが分かりました。思春期、20代の世代はまだまだ接種率が3回目は高くないということで、接種が奨められていることもあり、こういう情報を参考にしていただけたらと思ってまとめたものとなります。
もし可能でしたら、既に4回目接種が始まっていることもありますので、現在詳しくラインリストを出していただいていますが、これは感染研、PMDA、厚労省でまとめられているものになると思うのですけれども、接種回数の情報は重要と思いますので御検討いただければと思います。
私からは、以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
多屋委員からのただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問等ございますか。血管迷走神経反射は10代、20代と若い方に多いわけですけれども、よろしいでしょうか。
では、どうもありがとうございました。
それでは、事務局から御報告がありましたこれまでの副反応疑い事例や健康状況に関する調査につきまして、効率的に議論を進めるために論点に沿って議論を進めたいと思います。
本日の新型コロナワクチンの安全性評価につきましては、まず1番、死亡事例について、2番、小児接種について、3番、その他の論点についての順で議論をお願いしたいと思います。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思っております。死亡事例の論点につきましては、資料1-8の17ページに事務局から挙げていただいておりますけれども、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
4回目の事例、またはラインリストにもそれぞれの情報を挙げていただいておりますし、お目通しいただいていると思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、続きまして2番目の論点でございます小児接種について議論を行いたいと思います。小児接種の論点につきましては、同じく資料1-8の18ページ目に事務局から挙げていただいておりますけれども、何か御意見、御質問等ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、そのほかの論点でということで、資料1-8の中に提示いただいております「若年男性及び保護者の方へのリーフレットによる周知について」も含めて御議論いただきたいと思いますけれども、まずこのリーフレットについてはいかがでしょうか。前回御意見をいただきまして、事務局のほうでそれを取り入れていただいていろいろ修正いただいたかと思います。
よろしいですか。
そうしましたら、これは3回目接種に関する大事な情報ということで、リーフレットの形で発出したいということだと思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そのほか、全体を通してリーフレット以外のことについて何か御意見、御質問等ございますでしょうか。あるいは、ヌバキソビッドのデータなども少しずつ出てきているようですけれども、いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
ヌバキソビッドについて、国内のデータも伊藤先生のデータであるとか、あるいはオンライン調査のデータが出てきているわけでございまして、日本のデータというのはある意味、世界の中でも先行しているものとして非常に貴重な情報だと思っております。
もう一つ、世界で見ると韓国がかなりヌバキソビッドを打っているという情報もあるわけですが、資料1-8の15ページにEUであるとかオーストラリアのデータも出していただいていますが、韓国でヌバキソビッドの接種状況であるとか副反応について分かる点がございましたら教えていただきたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○事務局 事務局より、韓国の接種状況、副反応報告状況についてお答えいたします。
まず、集計期間について2021年の2月26日から2022年7月16日の間で集計された情報でございますが、ヌバキソビッドの接種数が60万4693回接種されておりまして、そのうち副反応としては900件報告されているといった状況になってございます。
以上です。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
すごく粗い見方になるのですが、あまり重要な副反応が出ている状況ではないというとろでしょうか。何か少しでも分かればと思ってお聞きしたいと思います。
○岡座長 事務局のほうでお分かりになりますでしょうか。お願いします。
○事務局 接種数がまだ世界的にもそこまで多くない状況であり、接種の背景等も異なりますので、単純な比較というのはなかなか難しいところではございますが、安全対策の観点では、諸外国において安全対策措置が講ぜられました場合は製造販売業者から海外の措置が報告される仕組みとなってございます。引き続き、副反応報告だけでなく、諸外国の措置も踏まえてワクチンの安全対策について努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○濱田委員 どうもありがとうございました。
○岡座長 それでは、引き続き情報の収集をお願いいたします。
そのほかいかがでしょうか。あるいは、伊藤先生からも貴重な御報告をいただいておりますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。そうしましたら、本日の内容をまとめたいと思っております。皆さんと御一緒にまとめていきたいと思います。
まず、1番「集計期間における副反応疑い報告の傾向」といたしましては、対象期間における新型コロナワクチン副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や、年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はない、とさせていただきました。
「死亡事例」につきましては、マル1死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに13件の死亡事例の報告があり、うち1件が4回目種後の死亡事例であった。
専門家による評価では、接種開始以降報告された1,616例については10件がβ、その他の事例はγと評価された。
また、7月11日から7月22日までにはさらに10件の報告があり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が4件報告されております。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに5件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された162件については1件がβ、その他の事例はγとされております。また、7月11日から7月22日までにはさらに6件の報告があり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が1件報告されております。
バキスゼブリア及びコミナティ筋注小児用については、新規の死亡事例の報告はなく、また、ヌバキソビッドについては現時点で死亡事例の報告はなかった。
死亡例の報告に関しては、現時点においては、4回目接種後の事例も含め引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる、というふうにまとめさせていただきました。
続いて、「小児接種」でございます。
マル1コミナティ筋注小児用については、7月10日までに医療機関から110件、製造販売業者から125件の副反応疑い事例の報告があった。また、7月11日から7月22日までには、さらに医療機関から1件、製造販売業者から1件の報告があった。
死亡事例については、7月22日までに新たな事例の報告はなかった。
また、報告基準に定められた症状について、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はない、とさせていただきました。
コミナティ筋注小児用接種後の報告状況について、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられる、ということでよろしいでしょうか。
また、リーフレット案につきましては、その内容を含めお認めいただいたということで、本審議会終了後に事務局より発出いただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆様、首肯されていると思いますので、それでは、以上、今回報告のあった具体的な事例なども踏まえまして、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要かあるかどうかについて御意見ございますでしょうか。
特に御異議がないということのようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
それでは、次に議題の2でございます。「HPVワクチンの安全性について」に入りたいと思います。
HPVワクチンの安全性につきましては、これまでの議論の基づき、積極的勧奨再開直後の6か月間は、通常3か月に1回の評価スケジュールを、おおむね1か月に1回として頻度を上げて評価を行うこととしております。今回はその3回目となりますけれども、事務局から、資料2-1から資料2-5、参考資料13の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
申し訳ございませんが、1点、ホームページに掲載の資料について訂正がありますので御連絡いたします。
参考資料13につきまして掲載しておりました資料に誤りがございましたので、先ほど差替えのほうをさせていただいております。委員の先生方に当たりましては、ホームページを見られている先生につきましては一度更新していただいて資料のほうを確認いただければと思います。申し訳ございません。
それでは、HPVワクチンについて、令和4年6月1日から6月30日までの2か月間における副反応が疑われる症例の報告の状況を御説明いたします。資料は、資料2-1~2-5及び参考資料13になります。
初めに、本資料における名寄せについて御説明させていただきます。
資料2-1の1ページ目、上段のカラムにありますとおり、これまでも6月から10月までの頻回審議中におきましては、迅速な審議のため症例の名寄せ作業をせずに御審議いただいているところであります。今回、外部の方より、本部会資料の名寄せ作業について分かりにくいといった問合せがございましたので、内訳の参考値とともに改めて御説明させていただきます。
ガーダシルを例に御説明させていただきます。
参考資料13の5ページ目を御覧ください。こちらは、4月13日の本部会におけるガーダシルの資料になります。
4月13日以前におきましては、製造販売業者と医療機関の両方から同じ症例について報告があった場合、重複してカウントすることがないよう、片方の報告に症例を集約する作業を行っており、これが名寄せ作業になります。
中段にあります「(参考)販売開始からの累計」の欄を御覧ください。過去の審議会において、既に委員の先生方からの御指摘を踏まえて処理方法を説明し、御了承いただいているところではございますが、名寄せ作業の具体的な処理といたしまして、製造販売業者と医療機関の両方から報告があった際には、医療機関からの報告のほうに件数を計上し、重篤度は医療機関の評価に基づいたものとしております。
6ページ目は、6月10日の本部会におけるガーダシルの資料になりますが、6月以降におきましてはこの名寄せ作業は行っておらず、製造販売業者からの報告数は重複が解消されていない数値をそのままお示ししておりますので、4月部会以前よりも見かけ上、件数が増えているといったことになります。
4ページ目には、この名寄せ作業により、製造販売業者からの報告から、医療機関からの報告へ集約された件数の内訳を、上段の1ポツ目、2ポツ目及び下段の2ポツ目、3ポツ目にお示ししており、太字下線部の数値がこれまでの部会資料でお示ししている数字になりますので御確認ください。
なお、今回は名寄せ作業の処理について御確認いただく参考のために内訳をお示ししておりますが、これまでの審議結果に影響するものでないのであれば、今後のお示しを不要とさせていただきたく思います。
名寄せについての説明は以上になります。
では、改めて資料2-1より御説明させていただきます。サーバリックスについてです。
1ページ目の中段の表を御覧ください。サーバリックスの期間内の接種可能延べ人数は3,070人となっております。報告対象期間の製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告はございませんでした。製造販売業者からの報告頻度は0.0326%となっています。
資料2-1は以上です。
資料2-2、ガーダシルについてです。
ガーダシルの期間内の接種可能延べ人数は11万294人となっており、5月の6万5455人よりも増加が見られます。報告対象期間の製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は9件でございました。それぞれ製造販売業者からの報告頻度は0.0091%、医療機関からの報告頻度は0.0018%となっております。
資料2-2は以上です。
資料2-3は、シルガード9についてです。
シルガード9の期間内の接種可能延べ人数は8,443人となっております。報告対象期間内において、医療機関からの報告は1件、報告頻度は0.0118%となっております。
資料2-3は以上です。
資料2-4は医療機関からの、資料2-5は製造販売業者からのHPVワクチンの報告症例の一覧についてになります。
なお、今回の対象期間におきまして、後遺症のある症例、ADEM症例、GBSの症例、アナフィラキシー症例、死亡症例の新規報告はございませんでした。
HPVワクチンにつきまして、現状の取扱いを変更する必要があるか、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明について、御質問、御意見はございますでしょうか。特に名寄せ作業につきまして詳細に御説明いただきましたけれども、積極的勧奨再開に当たっては本当に1か月ごとに最新のデータを御報告いただくということで、かなり大変な作業をしていただいているわけですけれども、一応、今は名寄せをしないデータを見せていただいているということになろうかと思います。
何か御意見、御質問等ございますか。
それでは、森尾委員お願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。
名寄せ作業のこともよく理解いたしました。医療機関からの報告頻度、そして重篤例をしっかりと見ていけば、そのデータでシグナルは検出ができるというふうに理解をいたしました。
質問ですけれども、名寄せ作業はどのくらいの頻度でこれから行うような予定かということがもし分かりましたら教えていただければ幸いです。
○岡座長 事務局、よろしいですか。
○事務局 事務局より、回答いたします。
今は、迅速に評価いただくということで、積極的勧奨の再開後については、6月から10月までは毎月、資料をお示しして御評価いただいているという状況です。その後、従前のとおり、例えば3か月に1回の審議ということになりましたら、そのタイミングからまた名寄せ作業をしたいと思っておりますが、重要な作業だということは事務局も認識してございますので、可能であれば前倒しでやるとか、やれるかどうかも含めて考えてみたいとは思っております。いずれにしても10月の部会が終わった後は再開するものと考えております。
○森尾委員 ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今、既に御説明いただいたのですが、私が感染研にいた頃はこの作業にも関わっておりましたので少し補足させていただきますと、医療機関からの報告というのは、基本的には全部、製造販売企業さんに情報共有がされます。それを受けて、製造販売企業さんはその症状を調査されて、重篤であると判断されたときに報告がなされていますので、表では、医療機関報告は、うち重篤例があるのに対して、製造販売企業さんのほうは、うち重篤例というのがなく、全て重篤例という扱いになっています。同じ人であるかどうかという作業には結構時間がかかりますことから、以前は3か月ごとぐらいに集計がされて帳票がつくられていたと思います。
HPVワクチンや新型コロナワクチンは迅速に結果を公表していくことが大事であるということで、そこが重視されて、その代わり、名寄せ作業をせず毎月集計されて、医療機関報告にも製造販売企業報告にも同じ方がその中に含まれています。
そのような観点で集計されていますので、見方については今、事務局、あるいは森尾先生から御説明いただいたとおりで、以前の集計とは異なりますので、注意して見ていかないといけないと思います。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。名寄せ作業に実際に携わっておられたという観点からも、貴重な御意見をいただいたかと思います。
よろしいでしょうか。
そうしましたら、名寄せのないということを了解していただいた上で今日の資料は見ていただいて、何か問題がないかということを御検討いただければと思います。
特に御意見、御質問等、ございませんか。大丈夫でしょうか。
そうしましたら、内容をまとめたいと思います。
これまで確認できた内容ですけれども、まずマル1番として、HPVワクチンについて、前回の審議対象期間より接種者数の増加が見られたが、副反応疑いの報告頻度は積極的勧奨再開以前の期間と比べ、特段高いということはない、とさせていただきました。
マル2として、後遺症の症例は新規の報告はなかった。
マル3、ADEM症例は新規の報告はなかった。
マル4、GBS症例は新規の報告はなかった。
マル5、アナフィラキシー症例は新規の報告はなかった。
マル6、死亡症例は新規の報告はなかった、ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆さん、首肯していただいているかと思います。
この内容を踏まえまして、HPVワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。
特にございませんようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によってその安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆さん、うなずいておられることが確認できましたので、その方針で続けていただければと思います。
また、今回の論点ではございませんでしたけれども、冒頭で事務局より御説明いただきましたとおり、HPVワクチンの資料の今後の名寄せ作業につきましては、これまでと同様の方針で継続をいただければと思っております。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、本日の議題は以上となります。
そのほか、全体を通じて何か御質問、御意見等ございますか。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
この新型コロナウイルスワクチンやHPVワクチンに関して、いろいろな膨大な資料を詳細に、かつ正確にこのように出していただいてくことで、私たちは十分な審議が行われているということに大変関係者には感謝しております。
そして、ヌバキソビッドに関しては世界の接種の状況とかなり異なったところで行われています。薬事の審議からすればかなりかけ離れたような接種の状況ということがあって、そういう意味では交互接種のワクチンの種類、それからワクチン接種の4回目、あるいはその後の様々な接種に関する諸問題、そういう状況をしっかりと把握して、これからも副反応の問題をはじめとして、それからそれが国民の健康にうまくつながるような仕組みを皆さんで考えていっていただければ幸いかなと思って意見をさせていただきました。
ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。全体の作業、この副反応の見方についての貴重な御意見かと思います。
そのほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。そうしましたら、本日の議事は以上となります。
そのほか、何か事務局からございますでしょうか。
○事務局 本日は、お忙しいところお集まりいただき、また御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 ありがとうございました。
本日の会議はこれで終了といたします。御議論ありがとうございました。