第120回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和4年6月2日(木)15:30~17:30

場所

オンラインによる開催(中央労働委員会会館 第612会議室)

議事

○山川分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから、第120回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催します。委員の皆様方、お忙しいところ御参集いただきまして、大変ありがとうございます。本日は、小原委員、門﨑委員、山内委員が御欠席とのことです。
本日の分科会もZoomによるオンライン開催になります。開催に当たりまして、事務局から説明をお願いいたします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林です。本日もZoomを使ったオンライン会議となっております。開催に当たりまして、簡単ではありますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明します。本日、分科会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックいただき、分科会長の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
○山川分科会長 それでは、議事に入っていきます。カメラの頭撮りはここまでとなっていますので、よろしくお願いいたします。本日の議題は、1が「意見書(案)について」、2が「その他」となっています。本日は、議題2の関係で、社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長の津曲課長にオンラインで御出席いただくことになっています。
では、まず議題1、意見書(案)について、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。それでは議題1について、関係資料としては資料1-1と資料1-2が提示されていますが、御説明としては前回第119回の意見書からの変更点について主に説明を申し上げたいと思いますので、資料1-2を御覧いたただければと思います。
資料1-2、2ページ目以降、意見書として「第1 はじめに」という項立てをしましたので、項ずれが行われていますが、まず「第1 はじめに」の所で、前回、特にA型の議論の所で、福祉サイドでの議論の経過を共有するようにという御指摘がありましたので、改めて雇用・福祉の連携強化についての議論、これまでにも当分科会において適宜共有してきていますので、そのことについて追記をしています。
それから、もともと第1だったものが第2になっていますが、まず前提の所で、雇用の質、障害者が能力を発揮して活躍することよりも、その数の確保を優先するという中で、今後、障害者が能力を発揮して雇用の安定につながるという意味で言うと、障害者本人も含めて、事業主、関係機関が協力してということでの御指摘で、3者を書いています。
3ページの上から3つ目の○です。キャリア形成支援に当たっての事業主の取組を書いていますが、中途障害者も含めるということを明記しています。
次の4ページ、これはアセスメントの機能ということでの字句修正をしています。
5ページですが、この部分は雇用・福祉連携の中での人材の育成確保について、基礎的研修の記述部分で、5ページの上から3つ目の○の21行目、基礎的研修については、その2つ上の○の所に書いてありますように、4者を受講必須とする者として位置付けていますが、これら受講を必須とする者だけではなく、A型及びB型、いわゆる移行支援事業所、それから今回立ち上げることの検討が進んでいます就労アセスメント手法を活用した新たな障害福祉サービス、こちらに携わる担当者についても受講機会の確保と、それから受講を必須とする者については基礎的研修の運用状況等を踏まえ、その拡大の可能性について検討することが望ましいという御意見を頂きましたので、追記をしています。
7ページ、上から2つ目の○です。今回、10時間から20時間の障害者について、精神、それから重度の身体、知的について、算定のほうに加えていくという特例を措置しますが、本件については20時間以上が職業的自立という観点を変更していませんので、雇用義務の対象としないということでした。併せて、法定雇用率の算定式には含めないということを明記してほしいという御意見を頂きましたので、上から2つ目の○の所に追記をしています。
それから、今回の取扱いはあくまでも特例的な措置ですので、今、申し上げたような職業的自立を促進するという観点、これに立ちますと、まずは20時間以上の雇用を実現するということ、これらについての趣旨を関係者間でしっかりと周知をして、その方向で努力をするということを改めて書き加えています。
それから、その次の○の所です。10時間から20時間という働き方の方、御希望に応じて労働時間を延長していく措置ということでの努力義務を課すというところに加えまして、不適切な事例を把握した場合はハローワークが雇用管理指導するということを書いていましたが、この点については、まずそういった事例を網羅的に把握しているのかといったような御質問や、仮に実効ある形で運用がなされていないのであれば、何らかの形の対応の基準を設定して、現場に指示すべきではないかといった御意見を頂いていました。その後、主な労働局、特に精神障害者雇用トータルサポーターなどの対応ぶりについて、事例収集をさせていただきました。この結果、御本人が就職をされる際に、ハローワークが御本人に対して、在籍中も何かあればハローワークに相談にいらっしゃるようにというような誘導もしていますし、また精神障害者雇用トータルサポーターの場合、集中的に就職後3か月、定着支援などを行っています。このような機会を通じて、御本人からの申出や事業主さんからの御相談ということで、労働時間の延長に向けて対応が必要なケースということを把握する、そういったことが実態として報告がありました。このように把握した場合に、まず御本人の言い分だけではなく、事業所の訪問を通じて職場環境や就業状況等を確認しまして、労働時間の延長が可能な場合には、そこに向けて助言、支援などをしていくわけですが、企業によっては、現時点においては仕事がないので時間を延ばせないといったようなケースもあるようです。そのような場合には、関係機関とも連携しまして、他部署からの職務の切出し、あるいは職務の再構成などを通じて、こういった労働時間の延長に際しての必要な支援をするということです。併せて、雇用管理指導などを行っているということが把握できていますので、この辺りの具体的な対応ぶりを改めてここに書くことをもって、対応したいと思っています。
なお、短時間の求人に御本人が応募するということを希望した場合であっても、例えば仕事に慣れたら時間を延長していきたいという意向がある場合には、仕事に慣れた以降、時間延長ができるかどうかを事業主の皆様にも確認をしまして、それが可能であれば、必要な配慮についてお願いをしつつ、それが難しいという意向であれば、応募せずに他の求人に差し向けていくということで、マッチング後にずれが生じないような形での対応も行われているということでした。
また事業主の皆様は、比較的労働時間を延ばしていくという方向で努力をされるということが多いようですが、御本人が非常に頑張っていて、安定的に働いていて、それが可能であるように見受けられても、直接的に延ばしていこうとなると、御本人はそれがプレッシャーになって体調を崩すといったこともある。非常にそういった意味ではケースバイケースで、個々に対応しているというような事例も把握しているところです。いずれにしても、不適切ということでの雇用指導というような記載ぶりではなくて、今、申し上げたような現場での動きを書かせていただいたということです。
8ページ、一番最後の所です。この部分については手帳を所持していない方への対応を書いています。結論としては、就労困難性の判断の在り方に関わる調査・研究等を進めまして、その結果等を参考に、引き続き取扱いを検討ということを結論付けています。
これに加えまして、一番最後の「なお書き」ですが、精神障害者保健福祉手帳が有効期限2年間ということになっていますが、この際に手帳更新ができなかった場合であっても就業上の困難性が継続しているケースというものがあり、この場合に、一定期間、雇用率制度の中で対象とすることについて検討課題とすることが望ましい、こういったことで御意見がありましたので追記をしています。
それから9ページです。A型利用者に対しての取扱いに係る議論の中ですが、A型については、加齢によって企業での就業が困難になった方、その方たちの受け皿として社会的貢献度が大きいということも考慮すべきであるという御意見がありましたので、追記をしています。
22行目からの○です。A型の利用者については、今回、実態把握が進んでいるということで、これらの整理も踏まえた上で、雇用率制度・納付金制度からの除外の可能性を視野に入れ、一方で様々な影響も考慮しつつ、引き続き検討していくことが適当であると結論付けていますが、この点について、A型の実態把握と福祉の部局の方で進んでいる状況について、当分科会においても定期的に共有されることが望ましいという意見、併せて、改めて見直しに向けて検討していくべきという意見がありましたので、追記をしています。
10ページです。この部分の記載は精神障害者の短時間特例についての検討の状況を書いていますが、この中でも短時間を30時間以上に労働時間を延ばしていく際の取扱いを記載している8行目以降の部分、先ほど御紹介しました10時間、20時間の短時間の方たちの労働時間の延長に際しての対応と同様ですので、記載ぶりを合わせた上で修正をしています。
11ページ、長期継続雇用の部分の記載です。前回の議論においては、年齢とか勤続年数で一律に何か基準を設けて雇用率制度で評価をしてほしいということではなくて、個々の企業がそういった長期継続雇用に当たって、事業主がそれぞれ取り組んでいる取組を客観的に評価して、雇用率制度上で評価をするといったような方策について引き続き検討してほしいというような御意見がありましたので、追記をしています。
それから11ページの第5の1の所です。調整金等による対応の部分については、減額等ということで、一旦、分科会として結論付けていますが、この減額等の対応に当たりましては人数の基準、それから減額率等について様々な御意見を頂きましたので、そのことを記載しています。
12ページです。今回の措置で調整金が減額される企業というのは、実際にその調整金について様々な活用がなされていますし、かつ、積極的に取り組んできた企業ほど調整金が減額されるといったような状況があるという御意見もありましたので、改めてここに記載をして、これについては財政削減の効果について積極的に支援に充てていくという方向性ですので、一体どういった支援をやっていったらいいかというところを含めまして、今後、ヒアリング等によって把握した状況等を踏まえて丁寧に制度設計していくということで、ヒアリング等により把握した上でということを記載しています。
次の○ですが、今回の減額等の措置に当たりましては、まずは事業主の皆様にそういった措置になるということをしっかりと認識していただくことが大事なので、積極的に周知を行うとともにということ、その上での十分な準備期間を設けることが適当としています。
次の○は、少し中長期的、将来的な課題としてですが、頂いた御意見として、財源が枯渇する場合、緊急的な公的資金の投入や、将来的には調整金等を廃止して、企業を支援する助成等に注力するといったことが適当という御意見を頂きましたので、追記をしています。
12ページの中段、2の雇用納付金の適用範囲の拡大の部分について、2つ目の○の最後の所です。今回、100人以下の事業主に対する納付金の適用範囲の拡大は見送るということにさせていただきましたが、この際に、これらの事業主における障害者雇用が進展した上で実施することが適当という結論付けにおいて、例えば100人以下の企業における法定雇用率達成企業割合の改善状況等を踏まえるなど、こういったことを見ながら、一定の環境が整った場合に検討すべきという意見がありましたので、記載をしています。
続きまして、13ページ以降です。上から1つ目の○において、100人以下の事業所の取組を進めてというお話を今しましたが、その上で、それらについてまずはハローワークがチーム支援等を積極的に実施すると記載してありますが、2つ目の○で、コンサルティングを行う事業者等からの支援の部分、前提となっているハローワークがまずきめ細かく支援するということを改めて書きまして、その上でコンサルティングを行う事業者等からの支援ということの記載にしています。また、この際にはジョブコーチの活用について御意見があったわけですが、ジョブコーチ、実際には地域の社会福祉法人やNPOに配置されていることが多いので、その辺りを改めて明確にする上で社会福祉法人やNPOの活用という形で追記をすることと、併せて、このコンサルティングの相談支援の質を確保するということが必要という御意見がありましたので、追記をしています。
それから、3の具体的な事業主の取組に対する支援については、最後の○の所ですが、既存の助成金について拡充を図るという部分について、障害者の定着を図るという観点ということを追記しています。
第6、その他の諸課題について、14ページです。まず1点目が在宅就業障害者支援制度において議論がなされた中で、在宅就業障害者の雇用への移行のところを更に前向きに、積極的に移行させることが重要であるという御意見を踏まえまして、修正しています。
次の○の部分です。テレワークの推進に係る部分で、事業主は合理的配慮の提供はもとよりということで、障害者がテレワークを行う際のコミュニケーションの促進に留意するといったこと、あるいは障害者がテレワークをしやすいように適切な雇用管理を行うことが望ましいといった意見を頂きましたので、追記をしています。
次の2のLLPの全国展開については、今回、一事例の評価をもって全国展開ということについては、慎重に検討すべきという意見があったということですので追記をしています。
それから次の○ですが、こういった利用促進に当たりましては、引き続き要件緩和について検討すること、また算定特例を受けている事業者に対しての官公需による発注が優先的に行われることについて御意見がありましたので、追記をしました。
特定事業主間での障害者雇用の取組に差が生じないようにということで、特定事業主に対してきめ細かく支援していく必要があるということについて、追記をしています。
15ページです。3として、除外率の引下げによる障害者雇用の促進という部分について、この件については、今回、10ポイントの引下げということで分科会としては適当としています。
その10ポイントの引下げに当たりまして、16ページ、一番上の○です。除外率設定業種がそれぞれ余裕を持って対応できるようにということで、まずは周知を積極的に行って、引下げが行われるということを十分に認識していただいた上で、十分な準備期間を設けることが適当という御意見でしたので、修正しています。加えまして、こういった十分な準備期間と、その除外率設定業種の中における個々の状況を踏まえた上での支援が必要という意見がありました。ここまでが今般の対応ということになります。
次の○です。さらにということで、今般の引下げ後の対応について、除外率が既に廃止された制度であることを踏まえ、次々期以降についても雇用率の設定のタイミングにおいて、除外率についても段階的に見直していくことが適当としています。この除外率について見直す場面において、この点ということで、まず10ポイント以上引き下げることを含めて検討することも必要という意見や、制度廃止から長期にわたり廃止に向けたロードマップが示されていないことに懸念があり、企業側の取組に課題があるのであれば、そこをしっかりと支援をして、早期廃止実現に向けて取り組むべきという意見があった一方で、見直しに当たっては、除外率が既に廃止された制度であることを重く受け止め、廃止に向けた引下げを前提とするものの、企業を取り巻く環境や除外率設定業種の状況等を踏まえて検討することが必要といったような形で、両論併記としています。
4、その他の部分です。まず1点目の重度障害者等に対する支援については、改めて重度訪問介護サービス利用者等に対する支援であることを明記しました。その上で、それ以外の障害特性、症状によっても支援を充実させていくことが望ましいという意見があったので記載をしています。
第7、「おわりに」として、今回、措置する個々の施策についての合理的配慮の提供等について、改めて事業主は認識をしっかりと持っていただくべきというような御意見がありましたので、今般、新たに措置することが適当とされた10時間以上20時間未満の障害者に対する雇用率制度における特例、あるいは除外率の引下げや、長期継続雇用の推進などを進めていくに当たりまして、雇用の質の向上という観点では合理的配慮の提供が重要ということで、事業主は合理的配慮の提供について、その意義を改めて認識し対応することが適当としています。
その次の2つの○については、意見ということでの御紹介になりますが、まず1点目は、引き続き検討とされているもの、例えば精神障害者特例措置の延長ということですが、重度障害者の検討ということに併せての対応というような結論になっています。この辺りも含めまして、調査・研究等、検討に当たって必要となる前提が整った上で、可能な限り早期に検討し結論を得ることが必要という意見があったということと、併せて、今後、様々な制度を検討していく上で、過度に複雑な制度や、労働者・事業主・行政それぞれの手続の負担が過大な制度を避けることが望ましいという御意見がありましたので、追記をしています。
主な修正点については以上です。よろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 ありがとうございました。それでは質疑応答に入っていきたいと思います。今回の案は、前回、各委員から頂いた御意見等につきまして事務局でおおむね反映させた案になっているかと思います。そこで進め方としましては、それぞれ部分ごとに分けることはいたしませんけれども、御意見を頂く場合に、まず意見書(案)全体に対する総論としての御意見を頂き、それに加えて、その他個別、特定の部分につきまして御意見、御質問があれば、併せて御発言を頂くということで、全体を通した御意見を頂ければと思っています。では、御意見、御質問がありましたら「手を挙げる」ボタンをクリックしていただきまして、こちらで指名させていただいた後に、聴覚・視覚障害者の皆様への情報保障という観点から、お名前をおっしゃっていただいて御発言をお願いいたします。
では竹下委員、どうぞ。竹下委員、音声が入っていませんが、こちらの問題でしょうか。竹下委員、こちらの声は聞こえていますでしょうか。こちらから別途連絡させていただきます。その間ということでよろしいでしょうか。山口委員、お願いします。
○山口委員 こんにちは。愛知県中小企業団体中央会の山口です。説明、ありがとうございました。前回の分科会で申し上げました意見について大部分を今回の意見書(案)に反映いただき、ありがとうございます。特に10時間から20時間の短時間労働者のカウント及び法定雇用率への除外については、記載を追加いただきまして感謝申し上げます。今回の修正いただいた意見書(案)に私は賛成です。この意見書(案)で今後の検討課題として残されている項目につきましては、例えばA型事業所の在り方など、引き続き本分科会において現場の実態を踏まえて議論を行い、障害者の一般就労への移行支援や、家庭により就業困難な人たちの受け皿として適切な取組を進める事業所が不都合を被ることのないよう、お願いしたいと思います。
また、100人以下の中小企業への適用拡大につきましては、適用となれば単に助成金を用意すれば済むということではなく、企業は職場環境の整備や受入準備をはじめ、障害者だけではなく障害者以外の労働者への影響も考慮し対応する必要があります。人材や資金、ノウハウの限られた中小企業が様々な対応を余儀なくされることを考えますと、中小企業の実情を踏まえず急激な適用拡大を行うのではなくて、今回の意見書(案)の記載のように、「一定の雇用環境が整った場合に」として、進捗状況を見ながら検討していくことが適当であり、方針としても受け入れやすいと考えます。私の意見は以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。清田委員、お願いします。
○清田委員 日本商工会議所の清田でございます。御説明ありがとうございます。また、前回の議論を踏まえた御修正、ありがとうございます。全体につきましては、おおむね賛成と考えています。1点、お願いとして発言させていただきます。除外率の引下げによる障害者雇用の促進についての項目です。前回も申し上げましたが、除外率の引下げというのが、厳しい経営環境にある企業にとっては非常に厳しい措置になってしまうところがございます。引下げに当たっては十分な時間を設けることが適当であるとしていただいていますが、良質な雇用というものにつなげていただくよう、是非、具体的な支援を講じていただきたいと思います。16ページの○の2つ目に、「雇用の実態を踏まえ、障害者雇用の困難性が高い職種や、中小企業に配慮した支援が必要という意見があった」と記載いただいています。この点について、ヒアリングなどを通じて対象業種の実態をしっかりと丁寧に調査した上で、実効性のある支援を行っていただくことをお願いしたいと思います。また、次々期以降の見直しに当たっては、こうした実態の調査の結果や支援の効果も検証するとともに、対象業種の企業を取り巻く環境も十分に踏まえて検討いただくようお願いいたします。私から以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。大谷委員、お願いします。
○大谷委員 お世話になります。育成会の大谷です。よろしくお願いいたします。原案につきましては賛成をさせていただきます。3点ほど気になる部分について育成会として少しお話をさせていただければと思います。私、この会に昨年、3年の4月から入らせていただいていますが、状況をいろいろ聞かせていただきながら、やはり障害者にとって厳しい状況だなと身に沁みる部分があります。その上でこの案どおりで進んでくれるのは有り難いなというふうな気持ちがあります。
まず1点ですが、4ページのハローワークについてです。これについてアセスメントの強化等々いろいろと負担が増える中で、その人材確保がどのようになっていくのか、懸念があるのではないかという状況があります。障害者雇用の中で担当されている方の人数がどの程度あるのかとか、スキルはどの程度あるかと考えたとき、新しい事業が入ってくる場合に対応できるかどうか、その部分もちょっと気になる部分としてお伝えしておきます。
続きまして、10ページで長期継続雇用についてのことです。今、一般的に働いておられる方も60歳から65歳、また65歳を過ぎて70歳まで定年延長という形が取られています。ただ、障害のある方については長期雇用が難しいというのもどうなのか。この部分も少し方向性を考えていただいて、障害があっても働ける環境、年齢がきても働きうる環境を作っていただければいいのかなと思います。
3点目です。15ページ、16ページの除外率の問題ですけれども、下げていくという問題について、100人以下についてどうするかという問題については、職種として考えていただいたときに、確かに厳しい問題が部分的にあるというのは理解します。ただ、その中においても、危険な作業以外の職種、仕事もある。100人いたら100人全員がその仕事をしているわけではありませんので、そういう部分においての雇用を促進するという方向性もあるのではないかと感じます。あくまでもこれは私の意見としてお伝えしておきます。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。冨高委員、お願いします。
○冨高委員 労働側・連合の冨高です。意見書に関して、これまで本分科会で非常に多岐にわたる論点に関して議論を行ってきましたが、本意見書(案)には、おおむね議論してきた内容が反映されていると考えております。その上で、除外率に関して、意見を申し上げたいと思います。除外率については、附則にのっとり、これまで経過措置を設けて段階的に除外率の引下げを進めてきましたが、当分の間として記載されてきた経過措置が既に20年弱経過する中で、未だ除外率の完全な廃止には至っておらず、まだ相当程度の時間を要する状況です。
しかしながら、ノーマライゼーションの実現、除外率が廃止された経緯や趣旨といったものを踏まえるとともに、除外率が適用される業種で働きたいと考える障害者の方の就労を実現することも考えれば、除外率制度の廃止に向けた取組を積極的に前進させることが重要です。また、除外率制度の廃止が決まっている以上、その廃止に向けて課題となるものがあれば、その課題を解消するために施策や支援策を検討し、具体的な行動を示すことが本分科会の責務であり、そういった姿勢を表記するべきであって、取組を弱めるような表記というのは避けるべきだと考えます。
そのことを踏まえ、今後、適用業種、企業への助成金やノウハウの共有等の支援策、障害者の免許・資格取得の課題、適用業種における業務と合理的配慮の課題整理などを行いながら、廃止に向けたタイムテーブルを設け、除外率を着実に引き下げていくことが重要だと考えておりますので、改めて意見として申し上げておきたいと思います。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。影山委員、どうぞ。
○影山委員 横浜市大の影山でございます。今回の御提案いただいた文書につきましては、御苦労されてまとめられたものだと思いますので、これでよろしいと思います。ただ、今、除外率についての御意見が出ていますが、私も1点だけ除外率について意見を申し上げたいと思っています。日本では統合教育が手薄であることもあって、障害者の方は就労しにくいとか、コミュニケーションができない、問題を起こす可能性のある人という認識が、結構多く見られるような気がいたします。そういう中で、除外率をもうやめてしまうということになると、企業としては不安を覚えていくのではないかという気がいたします。
ただ、一方で、除外率が適用されるような領域で業務を行っている企業を拝見しますと、結構、障害者の方を多く雇用して、定着もいいといった企業も散見されます。こういった点を見ると、除外率というのは必ずしも適切ではないのではないかという部会の御意見というのは、私はあり得るのだと思っていて、それでよろしいかと思っています。決まったものであればきちんと進めていくべきだと思いますが、ただ一方で、障害者の方というのは個別性、多様性が高いので、障害者を雇用するノウハウというのは容易に形成しにくいと思います。除外率適用の領域でも、個別にノウハウを形成して、すごくいい取組をされている企業もいらっしゃるのですが、どの企業でも簡単にできるというわけではないように思います。そういたしますと、企業の不安も払拭されませんし、ひいては良い雇用も生み出しにくくなるのではないかと危惧いたします。除外率をやめてしまい、あとは企業がそれぞれ頑張ってねということになると不親切な気がいたします。
この点に関して5年ほど前に調査を行いました。定着もすごく良くて、障害者の方に対する企業の評価が非常に高い企業を調査したところ、企業が抱える雇用の課題ごとに連携先を変えていっているのです。必ず地域連携を図っています。そうすると課題の解決効果も高まりますし、その結果、障害者の方も働きやすい職場になっていくので、定着もいいということが明らかになりました。例えば何かあると、なかぽつセンターがすっ飛んで来てくれるのですよということを、よく耳にしました。
したがって、障害者の方を雇用するのも企業ですし、障害者が働きやすい環境を整備するのも企業ですので、企業の方に対して、雇用しやすい、就労が続けられるような環境を作りやすい助言や支援を容易に受けられるような制度を充実していっていただけると、よろしいのではないかと思います。特にコンサルといったことになってくると高額のコンサル料がかかる、例えばISOのようにかなりの負担になってしまうと、中小企業の方にとっては非現実的になってしまいますので、そういう点でも利用しやすいような制度を充実させていただいて、次回、この除外率を検討する際には、もう廃止ということでどんどん進めていっていただくべきだと思いますし、ワンクッション置くのであれば、10ポイントということも百歩譲ってあり得ると思いますが、ただ、それだけ議論するのではなく、企業支援でどういうものを行っていくのか、それをどのようなスケジュール感でやっていくのかということも一緒に御提示いただけるとよろしいのではないかと思います。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。竹下委員、大丈夫でしょうか。まだ聞こえていません。申し訳ありません。事務局で御対応をお願いします。倉知委員、よろしくお願いいたします。倉知委員、ミュートになっていますので解除をお願いします。
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。今回の報告書ですが、本当に事務局の方が大変苦労していただいて、全体として合意をもって作り上げた内容かなと思っています。それについては評価をして了承したいと思っています。2点だけ少し意見を述べさせていただきます。まず1点ですが、障害者雇用の質の向上について、量の確保にならないように、質をしっかり向上するということを明記した意義というのは大きいかと思います。昨今、障害者雇用ビジネスなど、想定していなかったようなことが起こっています。そこで有限責任事業組合の算定特例の全国展開についてですが、そのようにならないような雇用の質をしっかり確保した形での全国展開になるように、是非、進めていただきたいと思っています。
2点目です。除外率の廃止に向けてですが、先ほど冨高委員や影山委員がおっしゃったことと同じような内容になります。廃止というのは、一律に障害のある方のことを考えて除外率を設定しているわけですが、廃止するというのは大きな意義があることだと思っています。ですから、着実に進めていくことが大切かなと思います。それに当たって、当然、困難なことも起こってくると思いますので、一律に考えるのではなく、個別にしっかり支援を充実させて進めていくということを検討したいと思っています。以上、2点です。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。竹下委員、いかがでしょうか。
○竹下委員 日視連の竹下です。ありがとうございます。結論としては、この報告書に全面的に賛成です。それだけに、全面的な賛成という立場に立つと、少し矛盾している部分、あるいは気になる点があるので、3点だけ発言させていただきます。
まず、第4の1の(2)の7つ目の○で、「なお、精神障害者保健福祉手帳は」という書き出し以下の文章です。この中で、有期認定の精神障害者の方で手帳がなくなった方の一定期間の雇用率算定に結び付くことについての意見が述べられた文が記載されていますが、これは全体から見ると矛盾したことになるので少し記載方法を考えたほうがいいのではないかと思います。というのは、手帳を持っていない人は雇用率に算定しないという結論が今回の報告書になっているわけですから、その限りにおいては、矛盾してしまうというのは、できたら避けたいというのが1点です。そして当然、この発言された委員の方の御指摘のとおり、手帳がなくなったからといって直ちにその方の就労の困難性がなくなるわけでもないですし、企業による合理的配慮も当然なされていると思います。そのこと自身は雇用促進法36条の3の規定に基づく、当然、事業主における合理的配慮の場面として実施を継続していただきたいわけですが、そういう場合については、その企業に対しては、助成金等によって援助するということの配慮が必要なのではないかと思いました。これが1点目です。
2点目は、同じく第4の3の3つ目の○、「これらを踏まえ」という文章です。ここでも最後に出てきているのが、「雇用率制度上評価する方策について引き続き検討する」となっています。この文章そのままでいけば、今後、議論を継続することに何ら異論はないわけですが、雇用率で算定すること自身に少し無理があったり、逆に権利条約から見てふさわしくないという思いがそこにあるかと思います。そうであれば、この報告書でも現にうたわれているように、そうした長期継続雇用されている障害者については、他の方策によって支援を行う、助成金等で支援を行うということで対応することになったかと思うので、この部分の記載の文言は少し気になると思いました。
最後に、第6の3の5つ目の○で一番最後の「他方」以下の部分です。ここに書かれていることについて非常に気になりました。というのは、先ほどの影山委員と全く同感の意見ですが、当然、今後、除外率制度廃止に向けて積極的に進める上で、これまで除外率制度の対象になっていた企業における様々な状況に十分配慮して進めることが必要で、それを抜きにするとスムーズにいかないということは当然だと思います。それだけに、そうした過程において検討すべき内容というのは、ここに「検討することが必要」とある検討の内容というのは、除外率制度の廃止に向けた検討にブレーキを掛けるという話ではなく、除外率制度を廃止するためにいかなる支援が必要かについて検討するということに、この部分がなるのではないか。そういうニュアンスの内容が望ましいのではないかと思いました。私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。お手数お掛けしました。では、長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。意見書の取りまとめ、どうもありがとうございました。前回発言したことについても、非常にいろいろな形で反映してくださって、感謝申し上げます。ありがとうございます。
私からは、幾つか意見や質問等があります。順番は前後していますけれども、先ほど竹下委員がおっしゃった部分にもかかわる所から発言させていただきます。8ページの手帳を所持していない者の取扱い、あるいは手帳の更新ができなかった精神障害者の取扱い、更には10ページの長期継続雇用などの取扱いの所に関わるところだと思っていますが、この点については前回発言すべきところだったと思うのですが、発言しなかったので新しく意見を言わせていただくところです。
これまで、分科会の中でいろいろな論点が出てくる度に、そもそも雇用率制度の前提となっている障害者手帳というものが、本当に就労の困難性を適正に反映させているのか疑問があるということについては、何度か発言してきました。ですので、可能であれば、どこに入れ込むかはお任せしますけれども、現在の障害者手帳制度によらないような就労困難性の判定基準といったようなものも、今後検討していくべきではないか。そういったものを前提に、雇用義務の対象者を決めていく必要があるのではないかといったことを書いていただきたいと思いました。そういうことを検討していくのであれば、現在の意見書に書かれている内容も、必ずしも竹下委員がおっしゃったような矛盾の在り方はなくなるのではないかなと思っています。
2点目です。これも、皆さんが意見をおっしゃっていた16ページの除外率のところです。使用者側の委員の方々が、この点は非常に影響を受ける企業が大きいので、「十分な時間を設けながら廃止をしていくべきだ」というように何度もおっしゃっていて、お気持ちは非常に分かるものの、十分な時間というのは一体どれぐらいなのだということを聞きたいと思いました。実際に除外率の廃止が決まったのは2002年で、今から20年前なわけです。20年たっている中で、これはもう十分な時間と言えるのではないかというように思ったりもするのです。ただ、もちろん20年の中で、いろいろな社会状況とか、様々なことが変わってきている中で、おっしゃりたいことも分かるのですけれども、そろそろ「十分な時間」と言って引き延ばすのではなくて、まだこれぐらいは要るというように、時間を示すべきなのではないかなと思うのです。少なくとも、皆さんが十分な時間とおっしゃっている時間というのは、どれぐらいを想定していらっしゃるのかを知りたいと思います。これは使用者側の委員の方に是非お答えいただきたい点です。
あとは簡単なところです。戻っていただいて3ページの所で、雇用の質の向上に向けて障害者本人も取り組んでいくことが必要だということで、それはそのとおりだなと思いつつ、見え消し版で書いてある3ページの2行目に、その取り組む人が、障害者本人、事業主、関係機関という順番になっているのですが、この順番にした理由が何かあるのかなと思っています。どの順番が正しいかというのは私も分からないのですが、関係機関が一番最初に来るのはおかしいなとは思うのですが、この順番にされた理由などを教えていただければと思います。
もう1つは、5ページの基礎的研修の受講を必須とすべき者について、対象を広げていくことを検討してくださいということで、それについて書いていただいたことは、大変ありがとうございます。私は前回、例えばということで、A型やB型で、新しくできるサービスの担当者の方というようにお話をしましたので、「新たなサービスとして検討されている支援の担当者等」という形で、「等」と入れていただけると有り難いなと思います。よろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございました。今、御意見、あるいは御質問、問題提起もいただきましたが、全体としてはよろしいということでしょうか。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。山川先生が、全体の話として意見を言ってくださいとおっしゃったのか、個別の論点も含めてというように問われたのかが。
○山川分科会長 こちらの投げ掛けが明確でなかったかもしれませんが、2つに分けて、まず全体として、それから特に個別に何かあればということでお願いしています。それで、前者のほうはいかがでしょうか。もちろん、個別の点はお伺いしましたが。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。前者の点は、この意見書でいいと思います。
○山川分科会長 個々の点は、それぞれ御意見を頂いていますので、この後、もう一度全体で御議論いただくということにしたいと思います。では、下屋敷委員、お願いします。
○下屋敷委員 みんなねっとの下屋敷です。今、話が出たのですが、除外率について産業施策で規定しているのですが、それも客観的に20年前にやったというのは、どういう経過でやったのかは分からないのですが、今お話が出たとおり、法律で廃止というのを書いていても、ロードマップも描けないというのはどういうことなのだろうかという、正直言って。逆に言うと、そういうものなしにやって、データ蓄積の中で、ではどういう施策をやるのかという観点に立っていくというのもありなのではないかと思うのです。業種、産業を指定するのが、ちょっと甘いなという感じです。そういうことですから、ロードマップというのをきちんと描くべきですし、共生社会ですし、社会全体としてそういう方向に、精神についても国公教科書にも、この4月から40年ぶりに載り始めたので、いろいろな意味で今は変革の時期なので、いつ頃までにはやるというのは厚生労働省として出すべきではないかという感じがしました。
それから、その下にある助成金のところで、重度の通勤に対する支援があります。精神の場合は、交通運賃、公共交通機関の割引というのがあって、バスなどでも1/4まではやっていないと思うのですが、地下鉄などでも、大手私鉄の中でもやっていない所は結構あるわけです。企業にとっては、もちろんJRは運賃の割引はしていません。ネットを通して強く要望しています。そこを、いわゆる社会環境として、交通機関の通勤に対する、社会全体として割引をしていくというか、支援をしていくという社会環境の整備という観点、そういう意見もあったということを、できれば書いてほしいのです。そうでないと、全国は地域によってばらばらなのです。身体と知的は、何十年も前から整備されているわけです。精神だけ、手帳の写真を貼ることの条件が……になったりして、ただ、今は写真を手帳に貼って本人確認をできる時代になりましたので、何らかの形で、通勤等におけるところで、交通機関の割引措置を社会としても喚起を呼び掛けるという意見があったという辺りは、私は、みんなねっと代表としては、強く希望したいなというところです。
○山川分科会長 ありがとうございました。では新田委員、お願いします。
○新田委員 使用者側、経団連の新田です。まずは、今回の取りまとめに向けて御尽力、御調整されました、厚生労働省の事務局の方々に感謝申し上げたいと思います。前回いろいろ意見を申し上げましたが、その内容について、おおむね反映されているものと理解をしているところです。その上で、意見として2点、そして1点確認をさせていただければと思います。
意見の1点目は、11ページからの調整金、報奨金の対応についての部分です。特に、資料1-2の12ページ、修正履歴ありの資料の12行目以降です。前回の発言を踏まえて、「ヒアリング等による事業主の状況、ニーズなどを把握して、支援策の強化に積極的に充てていくこと」や、「十分な準備期間を設けることが適当」とを追記していただき、非常に感謝をしております。ただ、前回も申し上げましたように、上限の設定の意義は十分に理解しておりますが、ここに書かれている減額等の措置においては、障害者雇用に懸命に取り組んでおられ、多くの障害者を雇用されている企業ほど、不利益を被る内容になっていると承知しております。したがいまして、極めて慎重に検討すべきではないかということで、調整金における支給額については、現在「50%」とありますが、それよりも高く設定することを再度御検討いただけないかと考えております。
2点目は15ページの除外率に関する部分の記述です。これまでも繰り返し申し上げておりますように、除外制度はすでに廃止とされていることは重く受け止めております。引下げ自体を否定しているわけではございませんし、ブレーキを掛けているつもりも毛頭ございません。除外率の廃止に向けて、引下げを着実に進めていく必要性については、十分に認識をしているところでございます。こうした前提に立った上で、今後、雇用率がどういう水準で設定されるのか、その時々の除外率設定業種の状況や経済・雇用情勢などを踏まえて、検討、判断する必要があるのではないかということを申し上げております。そういった検討の結果として、例えば除外率の引下げと雇用率設定とのタイミングに配慮するといったケースや、場合によっては除外率を据え置くといったこともあり得るかもしれませんが、実際に障害者を雇用する企業としては、そのときの状況を踏まえた、現実的な対応の余地を是非残していただきたいという趣旨で申し上げていることを御理解いただければと思います。時間軸については、どれぐらいの期間という具体的なものはないのですが、ただ、状況をもう少し見なければいけないのではないかと思っています。それは何かと言えば、以前、申し上げたとおり、例えば法定雇用率の達成企業の割合ですとか、前々回の資料だったと思いますが、除外率の設定業種において、除外率が適用されなかった場合の状況等、そういったことを総合的に判断していく必要があるのではないかと考えております。
最後に1点、確認です。今回の意見書とは直接は関係ないかもしれませんが、現在、各種助成金の申請手続に関して、企業の方々から、紙ベースであるため煩雑で負担が大きいという声が多く寄せられています。助成金申請の手続は、オンライン化に向けて現在はどのような取組状況になっているのか、お伺いできればと思います。○山川分科会長 ありがとうございました。2点、それから助成金の申請手続に関する御質問も頂きました。それらは内容に関わる点も、特に前の2者についてはあろうかと思いますが、それ以外は、冒頭で、議論が反映されているということをおっしゃいましたので、そのような評価ということで、2点プラス1で御指摘された以外は、そのような全体的評価ということでよろしいでしょうか。
○下屋敷委員 みんなねっとの下屋敷です。その理解で結構です。
○山川分科会長 ほかに御意見はいかがでしょうか。なければ、これまで非常に有益な御意見をありがとうございました。全体としては、この中身でおおむね了解という御意見が多かったと思いますけれども、御質問も含めて、かなり御意見を頂きました。その意見の中では、比較的、今回追記された個別意見の追記に関する議論を深めたいというような内容のものが多かったのではないかと感じております。
例えば新たに追記された意見ということでは、資料1-2の8ページの精神障害者保健福祉手帳の件、11ページの調整金の件、その上のほうの長期継続雇用の雇用率制度上の評価をする方策というような記載の件、それから様々な立場から御意見を頂きましたのが、除外率に関する記載です。ほかにも、いろいろと御意見があったかと思います。また御質問も頂きましたので、事務局から、まず御質問の部分についての回答をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局の障害者雇用対策課長の小野寺でございます。まず、長谷川委員から、資料の3ページの部分で、「障害者本人、事業主、関係機関が協力して」という記載の順序について、何か根拠にしているものがあるのかという御質問がございましたので、この点からお答え申し上げます。
このような順序にいたしましたのは、促進法上の基本的理念の第3条以降の部分でございますが、まず第4条で、「障害者である労働者は」ということで、障害者自身のことを記載しております。労働者について、自らが有為な職業人として自立するように努めなければならないと、まず障害者が努力するということを規定しておりまして、続く第5条において、事業主の責務が記載されています。御本人の努力を受けた上で、企業側の責務を謳っております。併せまして、第6条では「国及び地方公共団体の責務」というように規定しておりますけれども、これら関係機関が御本人、事業主、それぞれの取組を総合的に支援する形で努力していくというような規定ぶりになっておりますので、これを踏まえまして、今の案のような順序にしております。
2点目に、新田委員から助成金のオンライン申請について、どういった検討状況、準備状況になっているかという御質問がございました。まず助成金で申し上げますと、二事業の助成金については、令和4年度末以降ぐらいをめどに、オンラインの申請に向けての準備が進んでいると聞いておりますが、納付金制度の助成金については、現在、外部の企業コンサルティングなども活用しながら、令和5年度以降のシステム開発に向けての仕様書作成に向けて準備をしているということでございます。今現在においては、稼働のスケジュール自体が具体化されておりませんのでお答えは難しいのですけれども、いずれにしましても、事業主の御負担の軽減ということ、あるいは審査業務の効率化、合理化といったことを目指しまして、準備を進めている途上にございます。以上です。
○山川分科会長 質問については、特にここで何かございませんでしょうか。何かございましたら、この後でも適宜御発言いただけるかと思います。
それでは、既にいろいろと御意見を頂いておりますけれども、皆様方からの御意見をお聞きいただいた上で、改めて御意見、ないし御要望等がありましたら、御発言をお願いいたします。塩野委員、どうぞ。
○塩野委員 使用者側の塩野です。8ページに追記を頂いた精神障害者保健福祉手帳の件について、意見を述べたいと思います。
前回の発言を踏まえ、8ページの一番下の○で、手帳更新ができなかった場合の雇用率制度上の取扱いについては引き続き検討課題、というように追記をしていただいており、感謝申し上げます。その上で、この問題は1つ上の○にある、精神障害者等の就労困難性の判断の在り方と併せて検討することが適切であると考えられることから、追記部分につきまして、できましたら、「雇用率制度上、引き続き対象とすることについても検討課題とすることが望ましい」というように修正をお願いしたいと思います。
○山川分科会長 ありがとうございます。更に具体的な提案もございましたので、この点についてのほかの委員の皆様の御意見はございますでしょうか。それ以外についてでも結構でございます。先ほど御発言されなかった方も、改めて最初からの御意見ということでも結構であります。いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
今、塩野委員から御提案のありました、「検討課題とすることが望ましいという意見があった」と。塩野委員の御提案は、「意見があった」ということにとどまらず、「望ましい」というようにしていただきたいという御意見ということでよろしいですね。
○塩野委員 結構です。
○山川分科会長 非常に具体的な御提案でありますので、いかがでしょうか。この点については、先ほど竹下委員から御意見があったところでした。倉知委員、どうぞ。
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。十分に理解しています。ただ、今の段階で「望ましい」と言い切れるかどうかというのは、私もはっきり言えないので、今の記述でよろしいのではないかと私は思っています。
○山川分科会長 ほかにはいかがでしょうか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 竹下です。今の手帳の有期認定が切れた場合の取扱いなのですが、塩野委員の御指摘のとおり、手帳がなくなったからと言って、直ちに当該障害者の就労困難性が改善するということでないというのは、御指摘のとおりだと私も思っています。
そうであればこそ、そういう方に対する支援というのは、第36条の3で、合理的配慮としてきちんと対応していくことが事業主にとっても法的な位置付けでしょうし、更にはそれだけではなくて、そうした合理的配慮を継続するためにも、助成金制度等を充実させることによって、手帳の変動によって一人の障害者の就労に大きな影響を与えないという形を作り出すことが望ましいのではないかと思っています。そういう意味では、有効期限が切れた後も一定期間、雇用率に算定することが望ましいという意味では、言葉自体はきついですが、それは相応しくないと私は逆に思っております。
○山川分科会長 ありがとうございました。では長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。私自身は、この点は検討課題とすることが望ましいと思っているところですが、ただ、意見書の全体のまとめ方として、「意見があった」というように書かれている所と、「適当である」というように言い切っている部分があって、おおむね確かに皆が適当だと思っていたという所は言い切られていたりもするのですが、事務局として意見書を作られるときに、「意見があった」というように書かれる所と言い切っている所との、意見書を作る際のお考えと言うのでしょうか、教えていただければ、どちらを選ぶかという方針のようなものがあれば、その方針に従って書いていただくのがいいのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○山川分科会長 このような方法論的なことを事務局に一般的にお伺いすることができるかどうか分かりませんが、今回について、どういうお考えかということはよろしいですか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局の障害者雇用対策課長の小野寺でございます。こちらの記載ぶりにつきましては、意見書の中において、分科会の総意として取りまとめている部分につきましては、「適当である」というように言い切らせていただいております。ただ、そこまでの議論の収束が認められずに、様々な御意見があった場合であって、かつ、備忘的に継続的な検討課題として認識しておくべき部分につきましては、「意見があった」というような形で記載をしております。そういった整理になってございます。
○山川分科会長 長谷川委員、何かありますか。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。そうであれば、「そういう意見があった」というようなまとめ方に、ここはなるのかしらというように思いました。
○山川分科会長 今、事務局からのお話で、私が理解するところでも、特に意見として書かれているということは、それなりの重みがあるということを、この分科会として認識はすべきであるということにはなろうかと思います。ただ、「適当である」とする場合にはコンセンサスが必要であるというようなことかと思います。
ただ、これまで御発言いただいたことの中には、この問題について、やや異なる角度からの見方もあったように思います。雇用率制度の中だけでは、ある意味では沿わないような発想ないし観点が入るべきではないかというような御意見もあったところかと、私としては理解しております。
そこで、こういった様々な意見を踏まえて、更に表現ぶりについて、事務局のほうで検討していただきたいと思います。このとおりになるか、それとも改めて頂いた意見を反映できるかどうかということも含めて、検討していただきたいと思います。まだ回数はありますから、次回にまた見ていただくことになりますので、そういうことでよろしいでしょうか。新田委員、お願いします。
○新田委員 使用者側、経団連の新田でございます。今の議論の部分については、「対象とすることについて検討課題とする」という話でしたので、方向性として、雇用率制度の対象とするかどうかも含めて検討課題とすると私は認識しておりました。皆様、検討課題とすること自体はそれほど異論はないかと思って当初この文章を見ておりました。しかし、皆様から、「望ましい」という言い方について様々な意見があるということであれば、今回については、「意見があった」という形の取りまとめをする方向になると理解したところでございます。
ただ、先ほど塩野委員もおっしゃったとおり、そういった方向で使用者側、経団連としては考えているということも申し上げておいた上で、基本的には原案のとおりで、取りまとめの方向で御検討いただくことになると考えています。私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。今の御発言も含めて、更に検討していただきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。除外率等については様々な御意見が出されたところですが、もうそれぞれのお立場から御意見は述べられたということでよろしいでしょうか。ほかの点は特にございますか。
それでは、非常に有益な御意見、御要望を頂きまして、ありがとうございました。本日の議論の結果を踏まえて、改めて事務局に意見書(案)の整理をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
では、議題2について、事務局から説明をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長小野寺です。議題2「その他」としまして、参考資料3を共有させていただきたいと思います。「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理(案))」です。この分科会でも適宜お伝えしてきておりますけれども、雇用と福祉の連携強化に関しましては、障害福祉施策における就労支援について、社会保障審議会障害者部会で現在議論が行われているところです。本日は、先週5月27日の障害者部会で提示をされています案について、総論部分と、各論のうち就労支援に係る部分を御紹介申し上げたいと思います。
障害者部会におきましては、総論としましては、障害者が希望する地域生活を実現するための支援や、精神障害者の地域生活に向けた包括的な支援、また持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現など、幅広い内容について議論が進められていると聞いております。その中でも当分科会ともつながりが深い連携先の、雇用側から連携先として記載している部分の裏返しになりますけれども、幾つか関連する部分がありますので御紹介したいと思います。
参考資料の7のシートになります。3.として、障害者の就労支援の記載があります。まず、1点目は、就労アセスメントについて記載されております。今回、総合支援法で新たなサービス事業として検討が進められている就労支援アセスメントにつきましては、就労を希望する障害者が本人の強みや課題、また職場においての合理的配慮に関する事項等を整理する機会として活用され、最終的に障害者御本人が一般就労や就労系福祉サービス事業所などを自ら選択することを支援するものとして「就労選択支援(仮称)」を創設すべきであるという形で取りまとめる方向になっております。この就労アセスメント、新たなサービスについては、単に対象者の方の就労能力や適性を評価するというだけではなくて、御本人と協同して、ニーズや強み、また職業上の課題等を明らかにして、就労するに当たっての必要な支援や配慮を整理することを目的としているとのことです。
次の8のシートにありますように、このサービスの対象者ですが、就労系福祉サービスを利用する意向のある障害者全般ということで、対象としては広く置いていまして、9のシートの最後のほうにあります、実施主体等として、なかぽつセンターなども例示をされています。
11ページに飛びますけれども、これらの新たなサービスを利用した時点から、御本人の希望等が変わってくるということも踏まえ、その後、例えば企業の就職にチャレンジしたいということになった場合には、ハローワーク等にお見えになることも考えられますし、こういう場合にはこのアセスメントの活用をハローワークの方でもさせていただく、これについては当分科会でも御報告しております。それから企業等において最終的に就労される場合には、やはりこのアセスメントの結果なども活用して、必要な合理的配慮の提供を検討する際に極めて有効な情報になるということです。
12ページ以降の一般就労中の就労系福祉サービスの一時的利用についての論点ですが、この件につきましても、当分科会でも一度御報告、共有させていただいた部分ですが、企業等で働き始める、あるいは休職からの復帰を目指すということで、一時的に企業の就業と就労系福祉サービスを併用して利用できることを法令上可能にする方向で見直しが検討されております。
13のシートを御覧ください。具体的に書いてありますように、一般就労中の一時的利用については、企業等での働き始めに、週10時間~20時間未満、こうした形から段階的に勤務時間を増やしていく場合について、利用期間は原則3~6か月以内、延長が必要な場合には合計1年までとした上で、個々の状況に応じて設定できる方向で検討がなされています。また2つ目の○で、休職から復職を目指す場合には、原則、上限を2年の形で置いて検討が進められているところと聞いております。3つ目の○以降で書いている、このような形で企業の就業と福祉サービスの併用になりますので、企業側と就労系福祉サービス事業所において、例えば一時的な利用の期間中の支援内容などを含め、様々連携して情報共有することの方向性で検討が進められると聞いております。また一番最後にある、一時的な利用の不適切な活用を防ぐ観点から、例えば御本人にとって過重な負担とならないことを前提とした形で企業等での勤務とサービス利用の時間の組み合わせの考え方など、具体的な仕組みを今後検討していくことになっていると聞いております。
14ページは人材育成の部分での基礎的研修について、受講を必須とする4者に対しての確実な受講が図られるような取組、それから基礎的研修修了者に対して、更なる専門性の向上のため、上位研修のジョブコーチ養成研修など、専門的な研修等の受講の促進について検討すべきといった検討がなされております。
15ページの地域の就労支援に関するネットワークの強化の部分については、当分科会と同様に、なかぽつセンターについて、基幹型の機能も担う地域の拠点としての体制の整備を進めていく必要があるというように取りまとめられる方向です。
最後の16のシートは、A型の役割の整理について、A型については、実態の把握をさらに進めながら、一般就労への移行も含めた、利用者のニーズに沿った支援の提供や十分な生産活動の実施が図られるように、具体的な方策を講じていくことを検討すべきとされております。
最後に、重度障害者等に対する職場や通勤等における支援としては、当該特別事業の周知や、必要な運用改善を行うことにより、さらに支援を推進していく必要があると取りまとめられております。以上です。
○山川分科会長 社会保障審議会の障害者部会での議論の状況の御報告ということです。何か御質問、御意見等はありますでしょうか。特に御意見はよろしいですか。障害者部会ではこのような議論の整理がなされているということです。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 竹下です。私は社保審の障害者部会にも属している立場ですけれども、明日また障害者部会が予定されているわけですが、少し谷間的になるのでここでお聞きしたほうがいいかと思い発言させていただきます。アセスメントですが、正に障害者部会の中でもアセスメントの議論が当然あります。そのときには福祉施設での就労継続A型、B型や移行支援事業所などによるアセスメントが出てくるわけですが、それと、今、小野寺課長が言われたように、例えばハローワークでのアセスメントがそこにあるわけです。そういう福祉サイドのアセスメントと、雇用政策におけるアセスメントがどういう関係になるというか、重複してやることになるのか、私はどっちにも出ていて、どういう整理のされ方をしていくのだろうと若干気になったので、1つ質問させていただきたいというのが1点です。
もう1点は、今度は人材養成の関係で、ジョブコーチの議論がされていることで、ここは特に両方の部会での議論に問題はないのですけれども、例えばジョブコーチに匹敵するというか、重要な役割として職業カウンセラーという位置付けがあるかと思うのです。その職業カウンセラーの専門性、あるいは障害種別ごとで対応できるカウンセラーの育成というときに、それは社保審障害者部会での制度づくりの話になるのか、そうではなくて、それはこういう分科会での人材養成の問題になるのかを、私が分かっていないのかもしれませんけれども、教えていただければと思います。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。では、事務局からお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。まず、1点目のアセスメントの部分で、ハローワークと、それから今回新たに福祉の方で措置されます新たなサービスとしてのアセスメントの関係性について御質問があったかと思います。まず、雇用・福祉連携強化検討会の御報告の中身の中でも、最終的にこのアセスメントの在り方というのは、地域で働こうという障害者に対して、福祉サービスにおける就労なのか、企業での雇用なのかというところ、ここが区分されることなく地域で一元的に行われていくということについて、最終的な将来像、目標として、掲げられた結論となっております。
ただ、今現在は福祉サービスのほうでのアセスメントと、いわゆる職業リハビリテーションの流れの中でのメインとしてのハローワークでのアセスメントと、2本立てになっていますので、まずはこれらの中においてそれぞれ実効ある形でやっていこうということになっており、その中で、例えば福祉サービスを利用したいと思った方は、福祉の方で今般新たに立ち上がってくるアセスメントをお使いになるということであり、ここは福祉サービスを利用するに当たってのアセスメントですので、やはりそういった観点での評価がなされると思っております。ただし、その上で最終的に選択の場面において、企業でやはりチャレンジしたいということであって、その結果についてハローワークの方で共有させていただいて、ハローワークが職業相談をしていく上では、恐らく更に就業面での適性・スキルといったことをきちんとアセスメントした上で、福祉で行われたアセスメントに上乗せする形での評価がなされて、職業紹介という形にもっていくのだと思っております。
逆もまたしかりでございまして、雇用側としてのハローワークでのアセスメント、一定の評価を行った上で、もう1段階福祉サービスを御利用いただくことが必要ではないかという判断に立てば、こちら側でのそうした職業上の評価ということを結果として御参考にしていただきながら、福祉の方でやっていただく。これは今、現状においては、一旦窓口というか2つのルートがあるということがありますので、やや重複感のような形もあろうかと思いますが、評価する観点が若干違っていると考えております。
2点目の職業カウンセラーについての育成の部分について、どちらで検討するのかという御質問だったかと思います。この点につきましては、職業カウンセラーは地域障害者職業センターに置くものとなってございます。いわゆる高障求機構の人材育成の観点から検討が行われるものと思っておりますので、もし何らかの検討が必要ということであれば、障害者雇用分科会で検討させていただけないかと思っております。以上です。
○山川分科会長 竹下委員、何かございますか。
○竹下委員 ありがとうございました。2点目は非常によく分かったけれども、1点目は何となく分かったような気もするけれど、また少し勉強してみます。どうもありがとうございました。
○山川分科会長 津曲障害福祉課長、こちらの所管のお立場から何かありますか。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長の津曲です。今、小野寺課長から御説明いただいたことに関して若干補足いたします。竹下委員から御質問がありました、両方のアセスメントについてどのように活用していくのか、連携していくのかということに関しては、確かに重複する可能性がある面と、職業リハビリテーションの一環として実施する独自の部分とがあると思っています。これらを連携して、両方のアセスメント利用者が出ることによって、余計に時間が掛かるとか、重複して同じようなことをするということは、やはり利用者の方から見ますと迂遠なところがありますので、そういうことがないようにしていきたいと思いますし、引き続き雇用と福祉で連携をいたしまして、利用者第一で、利用者のためになるような就労選択支援ができるように運用のほうも考えてまいりたいと思っております。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。では長谷川委員、どうぞ。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。1点お伺いしたいのが、今回、障害者部会でも就労に関わる支援だけではなくて様々な観点について御検討なさっていると思うのですが、下屋敷委員から御指摘があったと思うのですけれども、人材育成していくことが必要だとか、支援者が必要ということはとても大事なところだと思っているのですが、一方で、人材確保のための何か取組みたいなことはされていらっしゃるのでしょうか。これはもちろん福祉のほうでも必要ですし、私たちはあまり雇用のところでは話し合ってこなかったような気もするのですけれども、福祉のほうで何か、人材育成ではなくて、人材確保の視点からの取組などをなさっていたら教えていただきたいと思います。
○山川分科会長 こちらは津曲課長宛ての御質問ということでよろしいでしょうか。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長の津曲です。人材確保に関しましては、障害者部会においても非常に重要な課題の1つとなっており、議論が行われております。特に福祉の分野におきましては、他の保育や介護の分野も同様ですけれども、人材不足が著しいと。そのために処遇を改善することが非常に重要であると言われております。政府においても、補正予算において、この2月から9月にかけて、平均で9,000円近くの処遇改善を行っていて、この4年10月からはそれらを報酬の中に織り込んで、さらに継続して処遇改善が行えるように、事業者の取組が継続できるように支援をすることとなっております。その上で、さらに処遇改善をどうしていくかを議論することとなっております。また、それだけではなく、職場環境を整えていくということ、それは任用であるとか、どのような昇進コースを取っていくのかということ。そして利用者からのハラスメントなどもありますけれども、そういうようなものにどのように対応していくのがよいかも、資料として出されていて、様々な議論が行われています。そのような状況です。
○山川分科会長 長谷川委員、何かありますか。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。ありがとうございます。大変勉強になりました。
○山川分科会長 ほかに何か御質問、御意見等ありますでしょうか。
ほど私がちょっと言い掛けた点を簡単に申し上げます。今回の障害者部会の資料の中に、就労支援で合理的配慮という言葉が幾つか出てきて、実はこれは第1の議題とも関係あるかと思うのですが、障害者雇用促進法の改正で合理的配慮という観点が加わったということが、ほかの側面にもいろいろ影響があるのだろうという感じがしております。例えば、先ほど御発言がありましたように、合理的配慮を考える場合に、随時ジョブコーチに相談していろいろアドバイスをもらっていると。これは支援体制と合理的配慮の実現がある意味でリンクしている、恐らく福祉のほうでもそういう関係が出てくるのかなと思いまして、そういう意味では、今回の意見書(案)は合理的配慮ということについて総論的に追記がなされていまして、それはこの障害者雇用促進法では、あるいは福祉も含めて合理的配慮と他の側面がいろいろリンクしていて、それを前提にいろいろ考える必要があると思ったところです。個々の論点についてどうだということではございません。全体的な印象ということです。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。ございませんでしたら、本日の障害者雇用分科会はこれで終了とさせていただきます。事務局から連絡事項がありましたらお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 事務局、障害者雇用対策課課長補佐の小林です。次回の日程につきましては、6月中旬の開催を予定しております。詳細は追って事務局より御連絡をさせていただきます。以上です。
○山川分科会長 今回も非常に活発かつ有益な御議論を頂きまして、大変ありがとうございました。お忙しい中、大変ありがとうございました。終了いたします。