2022年4月28日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

日時

令和4年4月28日(木)15:30~

出席者

出席委員(17名)五十音順
(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(4名)五十音順

行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○事務局 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会のWeb会議を開催いたします。本日、公務にて医薬品審査管理課長が遅れておりますので、進行担当を進めさせていただければと思います。
 本日はお忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からWebでの審議とさせていただきます。
 本日のWeb会議における委員の出席についてですが、小崎委員、佐藤雄一郎委員、代田委員、松野委員から、御欠席との御連絡を頂いております。このほか、長谷川委員、宮川委員から、遅れての御参加の御連絡を頂いており、また、赤羽委員はまだ御参加いただいていない状況ですが、現在のところ、当部会委員数21名のうち14名の委員がWeb会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続きまして、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。医薬品医療機器総合機構審査センター長の鈴木洋史でございます。よろしくお願いいたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合する旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。それでは森部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○森部会長 本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストの説明をお願いいたします。
○事務局 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料1~資料7を用いますので、お手元に御用意ください。このほか、資料8の審議品目の「薬事分科会における取扱い等の案」、資料9の「専門委員リスト」、資料10の「競合品目・競合企業リスト」を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会の途中でも結構ですのでお申付けください。
 続きまして、本日のWeb会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告いたします。資料10の1ページを御覧ください。まず、「ロゼックスゲル」です。本品目は酒さを予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 2ページを御覧ください。「CNT-01」です。本品目は中性脂肪蓄積心筋血管症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。
 4ページを御覧ください。「メコバラミン」です。本品目は筋萎縮性側索硬化症の病態及び機能障害の進行抑制を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 5ページを御覧ください。「イフェクサーSRカプセル」です。本品目は、うつ病、うつ状態を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○森部会長 今の事務局からの御説明について、特段の御質問、御意見はございますでしょうか。よろしければ、皆さんに御確認いただいたものとさせていただきます。
 それでは、本Web会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の了解を得たものとさせていただきます。
 それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況、及び第5条に基づく取扱いについては、次のとおりでございます。
 議題1のロゼックスについては、退室委員、議決に参加しない委員は、ともにございません。
 議題2のCNT-01については、退室委員はなし、議決に参加しない委員は佐藤直樹委員です。
 議題3のメコバラミンについては、退室委員は石川委員、議決に参加しない委員は大森委員、長谷川委員でございます。
 議題4のイフェクサーについては、退室委員はなし、議決に参加しない委員は飯島委員、大森委員、長谷川委員でございます。以上です。
○森部会長 今の説明については、特段の御質問、御意見等はございませんでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたこととさせていただきます。
 本日は審議事項を4議題、報告事項を2議題、そのほかの事項は1議題となっております。
 審議事項の議題に移ります。審議事項の議題1について、機構から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品ロゼックスゲル0.75%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。酒さは顔面を中心に発症し、皮疹や紅斑等の症状を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患です。本剤はメトロニダゾールを有効成分とする外用のゲル剤であり、本邦では「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」を効能・効果として、2014年に承認されています。海外では、2021年7月現在、本剤は酒さに係る効能・効果にて60以上の国又は地域で承認されています。
 本邦における本剤の酒さに対する開発については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における議論を経て、厚生労働省から開発要請が行われており、今般、酒さ患者を対象とした国内臨床試験の成績等に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.9に示します専門委員を指名しています。以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。
 有効性について、審査報告書の通し番号8ページの表9を御覧ください。国内第III相試験の主要評価項目である「炎症性皮疹数の変化率スコア及び紅斑重症度の変化スコアがともに3以上の被験者の割合」について、プラセボ群は36.9%、本剤群は72.3%であり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示されました。以上より、本剤の酒さに対する有効性は示されたと判断しました。
 安全性について、審査報告書の通し番号10~12ページに記載しています。国内第III相試験において、有害事象の発現割合は、本剤群でプラセボ群と比較してやや高いものの、副作用の発現割合に大きな違いはなく、重篤な事象や重症度が高度な事象は認められませんでした。また、国内外の製造販売後の安全性情報から、現時点で新たに対応が必要となるような安全性上の問題は認められないことを確認しました。以上より、本剤の安全性は許容可能と判断しました。以上の審査の結果、酒さに対する有効性は示され、安全性は許容可能と考えられたことから、機構は本申請を承認して差し支えないと判断し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。
 本申請は、新効能・新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の再審査期間は4年間とすることが適切と判断しました。薬事分科会では報告を予定しています。
 武田委員より事前に御質問を3点頂いておりますので、併せて御説明いたします。1点目は、「長期間使用による耐性嫌気性菌の出現の可能性はあるか」というものです。
 酒さの原因については不明ですが、メトロニダゾールの酒さに対する薬理作用については審査報告書の通し番号の4ページの3.R.1に記載しており、皮膚局所での抗炎症作用や免疫抑制作用によるものと考えられています。メトロニダゾールは、皮膚常在菌であるブドウ球菌やアクネ菌等には感受性が低いとされています。また、既に本剤が長年使用されている海外においても、本剤の使用による耐性菌の出現は問題になっていないものと理解をしています。申請者は、本剤の長期投与による皮膚常在菌に及ぼす影響は軽度であり、耐性菌が出現するリスクは低いと説明しており、機構も妥当と考えております。
 2点目、3点目については、併せて回答いたします。御質問の内容は、「酒さに対しては使用期間が12週ですが、中止した場合の再発、再増悪の可能性はあるか」、「酒さに対して、患者が希望した場合には12週を超えた処方は可能か」というものです。
 投与期間については、添付文書(案)の「7.用法・用量に関連する注意」にて注意喚起をしています。本剤の投与を中止した場合に酒さが再発、再燃する可能性はあると考えています。再発、再燃後に本剤を再び投与した際の情報については、製造販売後調査で収集する予定です。また、添付文書(案)に「12週を超えて使用する場合には、その必要性を慎重に判断し、漫然と使用しないこと」と記載しているように、患者が投与の継続を希望し、医師がその必要性があると判断した場合には、12週を超えた処方も可能であると考えています。なお、海外においては本剤の治療期間は通常3~4か月で、治療期間の延長は推奨せず、明確な治療効果が認められた場合、医師の判断で症状に応じ、更に3~4か月の治療延長を考慮するとされています。継続治療又は再投与したにもかかわらず再燃を繰り返す患者には、本剤による継続治療は推奨されないと考えています。御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森部会長 委員の先生方から御質問等がございましたらお願いします。まず武田先生、今の三つの御回答でいかがでしょうか。
○武田委員 了解いたしました。
○森部会長 1番の御質問については、耐性嫌気性菌の出現リスクは低いということや、アクネ菌などの常在菌には影響は少ないということで理解をさせていただきました。
○武田委員 分かりました。
○森部会長 御質問はございますでしょうか。
○堀委員 患者向けの資材についてお尋ねいたします。私が調べた範囲においては、製薬メーカーから2種類の患者向けの資材が出ております。一つは、この薬の適正使用ガイド、もう一つががん性皮膚潰瘍の患者向けの資材です。
 機構にお尋ねしたいのですけれども、酒さに限定した資材をお作りになる御予定はございますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 酒さに対しても、専用の患者向けの資材を作成予定でございます。
○堀委員 今、武田先生からの御質問を私もさせていただこうと思っていたのですが、特に酒さの場合は、男女かかわらずの病気ですが、特に女性に関しては、やはり赤ら顔ということで、使用期間を12週間というものにこだわらずに、延長して続けて塗られる方が増えると、私は予想しております。
 また、特に妊娠3か月以内の女性に関しましては禁忌ということで、やはり女性の場合に妊娠しているかどうかということは、妊娠1か月などの状況ですと分からないということもございますので、是非資材に関しては、先ほど武田先生からの御質問の御回答にもあったように、もし一旦中止した場合においても、必ず主治医との相談の上とか、使用期間や使い方に関しては、その資材において周知できるようなものを作っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御指摘の内容も盛り込んだ資材となるように、企業とも調整を進めたいと思います。
○堀委員 こちらこそ、ありがとうございました。私からは以上です。
○森部会長 私から一つお尋ねいたします。今回、酒さが対象ということで、顔面に使用するという状況ですので、一部「刺激性がある」という記載もありますから、目の周りの使用に関しても注意事項が要ると思います。万が一、目に入った場合の対応や、目の周囲の使用について、治験では何らかのガイダンスはあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 治験では、「治験薬が目、鼻の穴の中、傷口といった粘膜部位には触れないように注意して塗ってください」と注意喚起をしていました。
○森部会長 分かりました。是非、その内容も含めて、酒さ用の資材を適正に作成いただくということでお願いしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現在の資材案にも、粘膜には触れないように塗る旨の注意喚起を記載しています。ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はございませんので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。
 続きまして、議題2に移ります。議題2について、事務局より概要説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、資料No.2、CNT-01を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書のファイルをお開きください。報告書の1ページの中程を御覧ください。
 申請者はトーアエイヨー株式会社です。予定される効能・効果は、中性脂肪蓄積心筋血管症(以下、TGCVとする)です。
 まず、1ページの対象患者数についてです。TGCVは細胞内中性脂肪の代謝異常により、心筋細胞、冠動脈血管平滑筋細胞等に中性脂肪が蓄積し、心不全やびまん性冠動脈硬化等を呈する疾患であり、細胞内中性脂肪の分解酵素の遺伝子欠損に基づく原発性TGCVと、遺伝的な原因は明らかではない特発性TGCVに分類されています。TGCVは厚生労働省の難治性疾患政策研究事業のTGCV研究班により公表された診断基準に基づき、2008年以降、2020年12月までの本邦における累積診断数は特発性TGCVが326例、原発性TGCVが10例と報告されており、要件を満たしております。
 次に、2ページの医療上の必要性についてです。本邦におけるTGCVの累積診断例336例のうち、既に58例が死亡に至っており、予後は不良な疾患です。TGCVの治療では、心不全、狭心症、不整脈に対する対症的な従来の内科的又は外科的治療が実施されておりますが、現時点でTGCVを適応症とする既承認薬は、国内外でともに存在しておりません。CNT-01は炭素数10の飽和脂肪酸であるカプリン酸のトリグリセリド体であり、作用機序は明確ではないものの、心筋細胞等で長鎖脂肪酸に代わり、β酸化によるATP産生源を供給すること等を介して、脂肪酸代謝能の亢進、TG蓄積の抑制作用を発揮することが推定され、心機能の改善等が期待される薬剤です。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に、2ページの下段に、開発の可能性について記載しております。本邦において、特発性TGCV患者を対象とした第IIa相試験が実施されており、心筋における中性脂肪分解障害を反映する指標である123I-BMIPPの洗い出し率の変化量について、本剤群でプラセボ群と比較して有効である傾向が示されています。また、特発性のTGCV患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした国内第IIb/III相試験を実施中であり、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品指定の3要件を満たしていると考えております。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森部会長 先生方から御意見、御質問等はいかがでしょうか。
○武田委員 一つお聞きしたいのですが、この非常にまれな疾患は原発性と特発性という分類になっています。その中で、今回の第II相試験というのは、原発性ではなくて特発性のほうを対象にして行って、洗い出し率の変化量が改善の傾向があるということで、今後進めていくという話なのですけれども、洗い出し率が心筋機能の改善にそのまま結び付くのかどうかが分からないのと、それから、動物実験では特発性ではなくて、遺伝子組換えの動物を使って確かめたということなのですが、疾患を同一に考えていいかどうかがよく分からないのですが、その辺を教えていただけませんか。
○事務局 機構から御説明いただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、1点目の御質問の探索的試験で123I-BMIPPの洗い出し率の改善傾向が見えるけれども、心機能への影響はどうかという点については、現在、心血管イベント等を指標にした第IIb/III相試験を実施中ですので、今後、心血管イベント等への効果が検討されていくという状況になります。
 また、もう1点の御質問については、TGCVにおいてはその病因によって特発性と原発性に分類がなされております。臨床試験においては特発性のTGCVを対象に現在開発が進行しておりますが、原発性のTGCVについても、非臨床試験における薬理作用の改善傾向等から、今後開発を検討するという旨が説明されており、特発性及び原発性を問わず、TGCV全体に対して希少疾病用医薬品としての指定について、御審議を頂きたいという状況でございます。
○武田委員 分かりました。
 もう一つ確認したいのですが、特発性と原発性の患者は、どちらのほうが頻度は高いのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 事前評価報告書の1ページにお示ししておりますが、現在、累積診断数が特発性で326例、原発性で10例ということですので、原発性のほうが非常に少ないという状況です。
○武田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○森部会長 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただきます。なお、佐藤直樹委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。
 本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はございませんようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。
 続きまして、議題3に移ります。石川委員におかれましては、薬事分科会審議参加規程第5条に基づきまして、議題3の審議の間、会議から御退室いただきまして、御待機いただくこととなっております。お願いいたします。
──石川委員退室 ──
○森部会長 議題3について、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、資料No.3、メコバラミンを希少疾病用医薬品として指定することの可否について説明いたします。資料3の機構の事前評価報告書をお開きください。
 報告書の1ページに記載しておりますが、名称はメコバラミンです。予定される効能・効果は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態及び機能障害の進行抑制です。申請者はエーザイ株式会社となっております。
 まず、対象者数については1.に記載しております。筋萎縮性側索硬化症、ALSは指定難病ですので、対象者数についての要件を満たしておりますが、令和2年度における特定医療費受給者証所持者数は1万人程度だったとされております。
 続いて、2.の医療上の必要性についてです。ALSは上位及び下位運動ニューロンの障害により筋力が低下することで、四肢・体幹の運動障害、嚥下障害等の症状を呈する神経変性疾患であるとされております。発症から10年以上生存する緩徐な経過をたどる症例もいるものの、発症から死亡又は侵襲的換気が必要となるまでの期間が20~48か月程度とも報告されております。
 次のページです。現在、本邦においてALSの治療薬として、リルゾール及びエダラボンが承認されております。リルゾールについては記載のとおり、ALSの病態進行を抑制する薬剤として使用が推奨されておりますが、しかしながら運動機能や筋力に対する改善、又は進行抑制効果は認められていないとされております。また、そこから3行ほど下のエダラボンについてですが、こちらは機能障害の進行を抑制する効果が示されているものの、生存期間に対する効果を確認する試験は実施されていないという状況であり、既存の治療薬で示されている効果は限定的であると判断されております。メコバラミンについては、ホモシステイン誘発細胞死の抑制等による神経保護作用を介して、ALSに対する効果を示すことが期待されております。
 本剤の臨床試験については、3ページの上から6行目から御覧ください。国内第III相試験を実施中です。これはALS発症から12か月以内の日本人のALS患者を対象とした試験です。この試験の結果において、本剤群でプラゼボ群と比較して、統計学的に有意な機能障害の進行抑制が認められたとされております。以上の結果より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。また、3.の開発の可能性についてですが、先ほど申し上げたとおり、統計学的に有意な差が認められているといったことから、開発の可能性はあると考えております。以上、希少疾病用医薬品の指定基準を満たすと考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森部会長 委員の先生方から、御質問等があればお願いいたします。
 現在、この目的に使用されている方法としては、1日1回、メコバラミン50mgを週2回筋肉内注射というのが用法ですか。
○事務局 そうです。臨床試験において、国内第II/III相試験においては25mg、50mgという用量で実施されていたということです。国内第III相試験では、本剤50mgとされていたということです。こういった用法も含めて、実際には承認申請がなされた際には、審査において用法・用量についても併せて審査されることにはなりますが、臨床試験については、そういった用量で実施されていたということでございます。
○森部会長 分かりました。御意見、御質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、議決に入らせていただきます。なお、大森委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。
 ロビーに御待機中の石川委員をお呼びいただければと思います。
──石川委員入室 ──
○森部会長 続きまして、議題4に移ります。事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 議題4、資料No.4、イフェクサーSRカプセルの再審査期間延長の可否について御説明いたします。資料4の「品目の概要」を御覧ください。イフェクサーSRカプセルについては、現在、うつ病・うつ状態の効能・効果について、成人を対象に承認を受けておりますが、今般、本剤に関して、小児の治験を開始することについて報告がなされ、それと併せて再審査期間を延長する希望が出されたものです。これまで、小児の開発を行う医薬品については、再審査期間を延長することとされておりましたので、本剤については小児の治験届が既に提出されているということから、2年間の再審査期間の延長をしてはどうかと考えております。延長の可否について、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森部会長 今の御説明について、委員の方から御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただきます。なお、飯島委員、大森委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題について、延長を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、延長を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。
 続きまして、報告事項に移ります。報告事項の議題1、議題2について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項の議題1、資料5、医薬品ツートラム錠の製造販売承認事項の一部変更承認について御説明いたします。本剤は、トラマドール塩酸塩を有効成分とし、1日2回投与する経口徐放性製剤であり、現在、非オピオイド鎮痛剤で治療困難な慢性疼痛に対して承認されております。今般、国内臨床試験成績を基に、日本臓器製薬株式会社より、非オピオイド鎮痛剤で治療困難な疼痛を伴う各種がんに係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
 続きまして、報告事項2、医療用医薬品の再審査結果について御報告いたします。資料6-1~資料6-6までを御覧ください。今回、再審査の対象となった品目です。順に、レグテクト錠、エルカルチン、ライゾデグ配合注、リクラスト点滴静注液、ロトリガ粒状カプセル、ディナゲスト錠です。これらの品目について、製造販売後調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、承認拒否事由のいずれにも該当しない、効能・効果、用法・用量等のいずれについても変更のないカテゴリー1と判定されております。以上でございます。
○森部会長 委員の先生方から、説明について御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、報告事項の議題1、議題2については御確認いただいたものとさせていただきます。
 続きまして、そのほかの事項に移ります。説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.7を御覧ください。最適使用推進ガイドラインの対象となる医薬品の選定について、御報告いたします。2ページに最適使用推進ガイドラインの取扱いについて記載しておりますので、適宜御確認ください。医薬品はウゴービ皮下注、一般名はセマグルチドです。申請者はノボノルディスクファーマ株式会社です。セマグルチドは既に糖尿病治療薬として発売されているオゼンピックと同じ成分ですが、今回御報告させていただく対象効能・効果は肥満症となっております。本剤は、薬理作用が既存の医薬品と比較して大きく異なること、肥満症への適応拡大に伴い、使用患者拡大の可能性があることが考えられることから、最適使用推進ガイドラインの対象とすることが適切であると考えております。以上です。
○森部会長 今の説明について、御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、そのほかの事項については御確認いただいたものとさせていただきます。
 そのほか、事務局から御報告はございますか。
○事務局 次回の部会は令和4年6月2日(木)の午後4時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の部会の議題は全て終了いたしました。大変御多用の中、御参加いただきまして、心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)