第3回効率的・効果的な実施方法等に関するワーキング・グループ議事録(2022年5月24日)

日時

令和4年5月24日(火)14:00~16:00

場所

Web会議
厚生労働省 17階 共用第9会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館

議題

  1. 1.特定保健指導の見直しの方向性(案)について
  2. 2.特定保健指導の評価体系について
  3. 3.その他

議事

議事内容
(事務局) それでは定刻となりましたので、ただいまより「第3回 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 効率的・効果的な実施方法等に関するワーキング・グループ」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、ご参加いただきまして、ありがとうございます。
出席状況ですが、本日は構成員全員にご出席いただいております。また、本日は、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授の中山参考人と研究員の齋藤参考人にご出席いただいております。なお、中山参考人は開始から15分程度で退席される予定です。
本日もオンラインによる開催としておりますので、初めに発言の仕方などを説明させていただきます。会議中、ご発言の際は、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、主査の指名を受けてから、マイクのミュートを解除してご発言をお願いいたします。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
また、議題に対してご賛同いただく際には、カメラに向かって「頷いていただく」ことで、「異議なし」の旨を確認させていただきます。
次に、資料の確認をお願いいたします。議事次第、座席表、資料1、2、3、4、参考資料1になります。過不足等あればマイクもしくはコメントでお申し出ください。大丈夫でしょうか。
会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行を主査にお願いいたします。
(津下主査) 皆さん、こんにちは。本日も活発なご議論をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。議事次第をごらんください。本日の議事は、1つ目が特定保健指導の見直しの方向性(案)について、2つ目が特定保健指導の評価体系について、3つ目がその他となっております。
(津下主査) 中山参考人にご参加いただいております。お時間の関係もありますので、初めに、資料1、特定保健指導の内容に関する客観的評価指標、quality indicatorの作成の試みの説明を中山参考人よりお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
(中山参考人) 今日はありがとうございます。京都大学の中山健夫です。
津下先生は全体の検討会のほうでも大変お世話になって、今日は参考人として機会をいただきまして、どうもありがとうございます。これは、今、画面共有のほうはできておりますでしょうか。
では、今日お話し、ご紹介するのは、特定保健指導の内容に関する客観的評価指標、quality indicator(QI)の策定の試みということです。これは昨年度から厚労科研のほうで私たちが今「特定健康審査及び特定保健指導における問診項目の妥当性検証と新たな問診項目の開発研究」ということを担当させていただいております。特に標準的な質問項目の改定、見直し、提案ということが主な課題なのですけれども、それに加えて、今、特定保健指導のよりよい形を目指すということも課題をいただきまして、それについて現状のご紹介をさせていただきたいと思います。
背景ですけれども、現在の特定保健指導の実施状況の把握、これは先生方も180ポイントといったポイントのみで保健指導の質(内容)を測る指標がないと。一方、医療でこれを何とかより効果的な指導を実現する、そして、いろいろ反省すべき点があれば今後の改善に向けていけるようなデータを収集できないかといようなことで、厚労省のほうともいろいろご相談してきました。去年の後半のほうからお話をいただきました。
その中で、実は議論をスタートしたのですけれども、ご存じのように、医療の質の評価についてはやはり海外ではもう20年くらいの歴史がありますけれども、医療の質の評価でquality indicatorが用いられて、徐々に広がっております。がん診療連携拠点病院や、国立病院機構、それから単独の病院だと聖路加国際病院など、非常に積極的にQIを用いて、いわゆるPDCAサイクルを回していると。このquality indicatorは、特に医療の質を評価する上では、ストラクチャー、プロセス、アウトカムといった3つの視点が大事にされています。その中でも特にプロセスのところを中心に設定されることが、医療のところでは一般的です。だから、この考え方を特定保健指導に何とか導入できないかということで、検討してまいりました。
目的としては、QIの考え方を活用した保健指導の質を客観的に評価する指標の開発を試みるということになります。
QIについては、既にご存じの方も多いかと思いますけれども、一般的には診療過程を対象とした明示的な指標で、質指標、quality indicator、clinical indicator、一般的には最近はQIが定着しているかと思います。標準的な医療を行っている割合。分母と分子を設定するわけですね。分母は対象とする患者や臨床状況、分子はそのような患者に行われるべき診療内容。例えばガイドラインだったら、強い推奨がされているような事項が適切に行われているかどうか。この準拠割合によるのですね。分母の患者数のうち、分子を満たす患者数。例えば、これは国立がん研究センターのQIのサイトからですけれども、大腸癌診療であれば、治療前の血清CEA値測定が標準であれば、QIの準拠割合は、治療を受けた大腸癌患者が分母、治療前に血清CEA値が測定された患者が分子と、こんなような形で設定しているわけですね。
このQIの目的は何かというと、大きく2つあるわけです。同じような状況で医療を行っている施設の横の比較をする、いわゆる、ベンチマークによる分析をする。がん診療連携拠点病院などは、こういったようなことが、一部、研究的にですけれども、使われています。ほかと比べると。もう1つは、同一施設の中での改善点を明確化する。これまでの自分と比べるという形ですね。聖路加国際病院のように、グループ病院でないところは、単独で独自のquality indicatorを開発されています。自分たちの改善点を見出して、これからにつなげていくと、こんな取り組みも可能ということになります。
こういったようなことを、今回、特定保健指導でできないだろうかということで検討してまいりました。一般的には、この医療の世界でのquality indicatorの開発では、エビデンスに基づく合意形成が一般的です。既存のエビデンス、一般的にはランダム化比較試験や、システマティックレビュー、それから、それをまとめた診療ガイドラインなんかの先行の文献をレビューする、エビデンスをレビューする。そして、エビデンスだけではできないので、一般的にはエキスパートパネル、できれば関係者を広く集めた学際的なパネルで議論する。議論をして、投票する。投票して、また、それが割れるようだったら、もう一回議論して、投票する。そうやって集約をしてくる、コンセンサスメソッドの中で修正デルファイ法というものが使われることが一般的です。今回は、時間も限られていましたので、このような形でこのQI案を策定してまいりました。
まず、①項目の抽出。これは既存の健康局、保険局が作成したマニュアル、指導のガイドライン、いろいろな資料があります。保健指導の内容に関する項目を抽出。
②が項目の整理。
③がQIの項目として、それを整理し直しました。ストラクチャー、プロセス、アウトカムに分けて、QIとして適切かどうかということを担当者で検討いたしました。
それと、④は項目をセレクトしています。特にプロセスとアウトカム。今回ストラクチャーは外すと。ストラクチャーは、例えば、個室が提供されているかとか、どれくらい担当人員が雇用されているかといったようなものがストラクチャーになりますので、今回はそれをしておりません。
特定保健指導が始まった段階から終わる段階までということで対象にしていますプロセスとアウトカム。これについて、評価は指導終了時と書いてありますけれども、その後でも出ますが、初回のときと、それから最後の数量値ということになります。
最後は経験者からの意見の聴取ということで、4名の実際の特定保健指導の経験者に、この項目を見ていただいて、その評価をいただきました。本来であれば学際的なパネルでもっと大規模なデルファイ法を行うのですけれども、今回は時間も限られていたということで、このような形で進めております。
ちょっと小さくて申しわけありませんけれども、このような20の項目、今ここまでたどりついております。アセスメントに関しては6項目、例えば初回面接での腹囲の確認、体重の確認、初回面接での栄養、食生活での変容ステージの確認ですね。それから、目標設定のところでは、最終的な結果目標の設定。それから、例えば8番、栄養・食生活の行動目標の設定。これは、当然、栄養・食生活に問題があるという人たちが分子になりますね。だから、そこは一旦それぞれの項目に該当する人が実際の評価のときの分母ということになります。ここは問題ですね。禁煙や飲酒、そこに問題が。目標実施の支援。セルフモニタリングの促しや継続支援と。それから脱落者対策を実施していくかと。それから、生活習慣の改善について、15から18は、行動レベルでのアウトカム評価ということになります。6カ月後の最終判断のとき、最後のときにどうなっているかということを評価するということになる行動レベルの評価。それから、健康状態の評価で、腹囲と体重を一番最後に行うということにいたしました。
この評価の時点については、右のほうをごらんいただけるとおわかりのように、初回でやるところと、それからさっきの初回の栄養、身体、禁煙、飲酒については、該当者のみということに当然なります。それから、全過程を終了したときに収集するデータは、ここに○が書いてある項目ということになります。
これは、エビデンス先行文献、先行の資料に基づいて議論して、この基準に絞ってみました。それにご意見をいただいた結果がこれです。2つ内容は評価していただいています。内容的妥当性、これが保健指導の評価として適切かどうかというところと、その記録を残す実行可能性、要するに現場での負担感みたいなものですね。それを聞いております。その結果、内容的妥当性については、概ね5点満点で4点以上と良好でした。一方で、実行可能性については、例えば生活習慣別の行動変容ステージのアセスメント、3番から6番や、セルフモニタリング、脱落者対策については、ちょっと運用が難しいかもしれないと、このような評価をいただいております。
この結果の要約は、プロセス14項目、アウトカム6項目の計20項目。アセスメント、目標設定、目標の実施の支援、継続支援をカバー。内容的妥当性は、概ね確認いたしました。実行可能性の一部の項目で課題があるので、実施内容、評価法、基準の例示を示すマニュアルが必要と考えます。
このQIの使途については、対象者に、大きく3つあります。対象者に行われた特定保健指導の一連の過程の見える化・評価をする。これが第1の目的です。それから、個々の対象者の評価結果を総合して、保険者として事業評価するときにも、当然有用、役に立てられると思います。3点目が、保険者が特定保健指導を外注などをされる際、仕様書に示す要件としても参考にしていただけるのではないかなと思います。
課題としては、今回、デルファイ法などは用いておりません。あくまでも4人の方のご意見をいただいたということになります。それから、現場での、まだパイロット的な試行をしておりません。このような形のものになります。
研究班の成果ですので、あくまでもこれは研究班としての提案だというふうに私自身は考えております。先生方のこの検討会でのご議論の、本当にたたき台として多少でもお役に立てばというふうに思っております。
以上です。どうもありがとうございました。
(津下主査) 中山先生、どうもありがとうございました。お時間のない中、プレゼンしていただきまして、ありがとうございます。今のご説明の中で、特に今、先生にご確認しておきたいことなどがございましたら、お1人、2人、いかがでしょうか。ご質問等ありますでしょうか。プロセスを評価する1つの試みであるということでございました。実行可能性のところで、やや低いものがあるというご指摘もありましたけれども、いかがでしょうか。今後、議題の2のところで、これも参考にしながらディスカッションを進めていければというふうに考えておりますが、よろしいでしょうか。非常に明解なご説明をいただいたと思っております。ぜひ参考にさせていただきたいと思います。先生、お忙しい中、どうもありがとうございました。
(中山参考人) 研究班のほうから齋藤研究協力者が同席いただきますので、また何かありましたら、齋藤のほうが対応させていただきます。
(津下主査) 齋藤先生は最後までこちらに参加していただけるということでよろしいですか。
(齋藤参考人) 大丈夫です。はい。
(津下主査) では、もし何かありましたらお伺いしたいと思います。今後、この研究はさらに進展していく予定になっていると認識すればよろしいですか。
(中山参考人) その点なのですけれども、最終的に、やっぱり先生方のワーキングのほうが検討会に出されるものをするので、あまり別の形で動くのはよくないかなとも思っております。そこら辺は先生方の形を優先して、何かお手伝いできることがあれば、やらせていただくという形で考えております。
(津下主査) はい。ありがとうございました。それでは、お忙しい中、どうもありがとうございます。
 それでは、お時間の都合で中山参考人は退席されますが、このあとの議論に生かしていきたいと思っております。
(津下主査) それでは、資料2、特定保健指導の見直しの方向性(案)について、事務局より、ご説明をお願いいたします。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。
資料2をご用意ください。こちらは特定保健指導の見直しの方向性(案)についてということで、前回のワーキングでも出させていただいたものについて、先生方からいただいた意見及び検討会でいただいた意見を反映した形で、赤字で修正を加えているものでございます。赤字のところをご説明させていただきます。
3ページ目をお願いします。こちらは初回面接の分割実施の促進という議論の中で、3ポツ目のところ、特定健診当日には特定保健指導の時間確保が困難な利用者がいることなどの課題を指摘されておりまして、ただ、一方で早期の介入というのが重要というご意見もいただいておりましたので、特定健診日から一定期間以内であれば初回面接の分割実施ができるように条件を緩和してはどうか。
 4ページ目をお願いいたします。4ページの一番下のところですけれども、ICT活用に関する検討で、効果的なアプリの機能の文脈で、ICTを活用した遠隔面接については、どうしても対面のものよりも情報量が少なくなるという指摘はある一方で、その中で映し方とか、影像の映し方の促し方みたいなところで情報量を増やせるみたいな、好事例みたいなものがあるという指摘、ご意見をいただいていましたので、「標準的な健診・保健指導プログラム」で具体的に示していくこととして、追記させていただいております。
5ページ目をお願いします。下から2番目ですけれども、先ほどの繰り返しですけれども、プロセスの評価というところにおいて、特定保健指導の早期介入が重要なため、特定保健指導のプロセスとして、早期の実施を評価してはどうか。また、見える化において特定保健指導の実施の効果が翌年にも継続しているかどうかを指標としてはどうかということを書かせていただいています。
最後、7ページ目をお願いします。こちらは見直しの方向性の案というわけではございませんので、今回は、後ほど資料4で出てきますけれども、ポイント制のところを中心にご議論いただくことになると思っておりますけれども、次回以降のワーキングでも、こういったことを検討していければということの目出しとして3点記載しております。
まず1つ目は、特定健診・特定保健指導の実施率のあり方についてどう考えるか。こちらは、見直しにおいて毎回やることですけれども、さらには今回のポイントとして具体的には特定保健指導対象者が糖尿病等の生活習慣病に係る服薬を開始した場合などで実施率の考え方、いろいろ先生方から指摘いただいているので、次回、ここの資料は出させていただければと思っております。
2点目、一定の保健指導の実務経験のある看護師が保健指導を行える暫定期間について、どう考えるか。こちらも毎期の見直しにおいて、この要件の経過措置を延長しておりますので、それに関してどう考えるかというのが2点目。
3点目、こちらも見直しごとに設定するものですけれども、第4期計画期間における保険者種別の目標値についてどう考えるか。
この各3点については、本日の議論というわけではなくて、次回以降の検討事項として挙げさせていただいております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。前回の資料のブラッシュアップ、また今後議論すべき課題について、お示しいただきました。
続きまして、資料3ですが、ICTを活用した保健指導の適切な実施方法の検証ということで、私からご紹介します。AMED研究での暫定的な結果でございますけれども、ご報告をさせていただきたいと思っております。これは、壮年期就労者を対象とした生活習慣病予防のための動機付け支援に関する研究になります。
スライド、次、お願いいたします。特定保健指導においてリピーター、いわゆる保健指導を繰り返す人では効果が出にくいということで、もう1つプラスアルファの働きかけが必要ではないか、と考えました。動機付け支援では、継続的なサポートがないために、初回面接の影響が結果に反映するということになります。前年度特定保健指導を受けたが、今年度動機付け支援の対象になった方を対象に、ランダムに、アプリの導入支援をするグループと、導入支援をしない通常の保健指導をするグループに割り付けるランダム化比較試験を行いました。アプリとしては、食生活や運動、そして測定系、またピアサポートなど、さまざまな種類のアプリ6種類を準備いたしまして、本人と保健指導者が相談して選択をする方式をとっています。
この保健指導のプロセスについては、アプリについて保健指導者が十分に熟知することとか、対象者に周知し、スマートフォンを持ってきていただくとか、そういうような事前の準備が必要です。また、下にあります②、③、④、⑤、⑥、丸のところは、特定保健指導の通常の流れの中ですが、行動目標や、どういうアプリがこの人に合うかなということを検討しながらアプリの活用支援をしていくということになります。右にありますように、アプリを生活の中にどう取り入れられるか、ICTリテラシーとか生活スタイル、行動目標に合わせたアプリの紹介などを行うことの効果を検証する研究を行いました。この研究で、途中で有害事象等は発生しておりません。
次のスライドをお願いします。左側のアプリ導入支援群については、対象者の71.2%が3カ月後の評価時にアプリを利用していました。それに対して対照群は38.8%ということで、アプリ導入を支援した初回面接で、その人に合ったアプリを保健指導者が導入することで利用率が高まるということがわかりました。
次のページをお願いします。もともと対照群、導入群も、アプリを利用していた方もありますので、3カ月後のアプリの利用率増加という観点で見ていきますと、導入支援群で40.9%、対照群で4.5%ということで、やはりこのアプリ導入支援群で利用増加が有意に高いということがわかりました。
次、お願いします。3カ月後の体重の変化量や率でございます。対照群では残念ながら平均値としては0.1%程度であり、有意な体重減少が見られませんでした。アプリ導入支援群では平均で0.9kg減少しました。残念ながら有意差までは出ておりませんけれども、体重減少についてはアプリ導入群のほうが大きい傾向が見られました。
次、お願いします。そして、これについては、そのアプリ導入支援群において、アプリを毎日週7日間利用していた人、また7日未満、またアプリ利用なしで分類したものです。よく利用していた方のほうが、体重減少量、減少率とも、大きい傾向が見られました。
次、お願いします。そして、生活習慣改善、行動変容、食生活や、運動習慣の改善について、これは自己評価したものでございます。アプリ利用週7日間の方々では食生活の改善が認められました。この結果は、利用頻度が上がるほど高まる傾向はあります。現段階の結論としては、初回面接でアプリを導入支援することで利用率が高まる、これは間違いないことだろうと。そして、その結果、体重や生活習慣の改善に寄与するのではないかということが推定されました。
今、議事の1、特定保健指導の見直しの方向性ということで、厚生労働省の資料2、そしてICTに関して資料3のご報告をいたしました。これについてのご意見を皆様方に伺いたいと思います。ご意見等ありましたら挙手をお願いいたします。
安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) ありがとうございます。全国健康保険協会の安田でございます。改めて確認をさせていただきたいことがございます。
今回の特定健診・特定保健指導の見直しに当たっては、メタボリックシンドロームと呼ばれる、内蔵脂肪の蓄積が高血圧や、高血糖、脂質異常を引き起こす共通因子であることに着目し、その該当者及び予備群を減らしていくためのハイリスクアプローチにあるということが基本線であるということで承知しております。そのような観点から、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の状況が改善しているかどうか、そして、改善しているとすれば、その改善に特定健診・特定保健指導がどのように貢献しているかについて、それぞれ共通認識を持つ必要があると考えております。
本年の4月25日に開催された第2回の第4期特定健診・特定保健指導の検討会、いわゆる本会のほうにおいて、当協会から、2008年度からスタートした特定健診・特定保健指導が所期の効果を生み出しているかどうかについて、厚生労働省として統一的な見解を示していただきたいと発言いたしました。「健康日本21」においては、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の人数については、2008年から2019年にかけて増加しており、総合評価は悪化しているとなっていますけれども、厚生労働省保険局が取りまとめた実施状況では、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群に関する2008年度と比較した減少率として3つの値が存在しており、特定保健指導の対象者は減少率で見ると13.5%減少しているとなっております。これについて、前回、水谷課長からは、何に着目していくかについては、第3期の実施計画に応じて特定保健指導の対象者の減少率に着目していくことがこれまでの指標として示していただいたというようなご発言がありましたが、特定保健指導の対象者が減少しているところで、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群が増加していることの関係性については、必ずしもご発言をいただけなかったと承知しておりますので、この両者の指標の関係性をどう理解すればよいかということでございます。
その前提でお話をさせていただくと、第4期特定健康診査・特定保健指導の見直しの議論を進めていく前提として、これまでの保険者が取り組んできた特定健診・特定保健指導
については効果があったという認識でよいのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
(津下主査) ありがとうございました。そもそも、という話でございますが、事務局よりご回答いかがでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。ありがとうございます。
検討会での議論と同じ質問をいただいていると思うのですけれども、ちょっと回答は繰り返しになるかもしれませんけれども、我々は、この特定健診・保健指導の効果指標として、いろいろな数字、現額で出ているもの、それ以外のもの、いろいろ調べております。例えば「健康日本21」においては、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の人数というのは、平成20年の策定時は1,400万人、一方、令和元年においては1,516万人であったと。第3期特定健診等実施計画期間では、2008年度のデータと比較した特定保健指導の対象者の減少率を指標としておりまして、この点に関しては、2019年度は13.5%の減少を見ていると。また、本ワーキングで資料を出させていただきましたけれども、2018年に積極的支援を実施した者の体重及び腹囲に関しては、2019年の特定健診受診時にも減少していたと。効果が出ているもの、出ていないものというのがあって、我々、この政策は、ワーキングだけでなく、さまざまなところからご指摘いただいております。
説明としましては、これらの効果は、ある面から見ると効果があるようにも見える。ある面から見ると、出ていないようにも見える。ここに関しては、短期間でのアウトカムをはかるというのはなかなか難しいこととか、我々が持っているデータが、これまでNDBが追跡できないとかいう技術的な問題等がありまして、効果検証に関しては、これという答えみたいなものをお求めいただいているのであるとすれば、今申し上げたような数字で、さまざま見ているというところになります。
これらの数字から特定保健指導は、これまでメタボリックシンドロームに対して一定の効果はあったと考えておりますけれども、それぞれ年齢構成の影響や、特定健診受診者と、そうでない者の集団の違いや、効果を判定するまでの期間の長さなど、さまざま制約がございますので、これらの数字から、特定保健指導が、効果があった、ないと、二元的に申し上げるのは少し難しいのかなと考えております。
以上でございます。
(津下主査) ありがとうございました。
ちょっと補足を私からさせていただいてもいいですか。メタボリックシンドロームと特定保健指導該当者の評価の2つの違いは、メタボリックシンドロームは服薬者も含むことが大きな違いです。服薬している場合には、検査値がよくてもメタボのリスクと判定されます。特定保健指導は服薬をしていない人が対象になるので、服薬をしている人は、そもそも特定保健指導該当から外れるということになります。まず、そういう指標自体の違いがあるということ。もう1つは、特定保健指導に参加した人の効果という見方と、保険者から見て特定保健指導該当者全体との違いがあります。保険者等の全体の場合には、改善して該当から外れる人と新たに該当して入ってくる人がいるということになりますので、その出入りの関係で数字の違いというのが出てくると認識しております。
ですから、目的に合わせて各数字をきちんと見ていくということが必要なのかなと考えておりますが、この点はいかがでしょうか。引き続きこのような評価指標が、どういうふうになっているのかということをきちんと整理をしながら見ていく。特定保健指導が直接かかわれる対象の数字と、服薬しているために特定保健指導はかかわれない対象者を含む数字がある。後者が増えてくる場合には特定保健指導をいくらやってもそこはカバーできないこともなります。その事業と評価指標の関係など、もう少しわかりやすく提示していくというのが望ましいかなと私自身は思っているのですけれども、いかがでしょうか。
(安田構成員) 実は、前回からずっと資料をいただいておりますので、経年的に見ると、対象が減ったとか、そういうのはわかる部分はある。何度も申し上げて申しわけないのですけれども、メタボが最終的に解消するということが目的であるというふうに考えると、例えば言い方としては、今、津下先生からお話があったとおり、この特定保健指導が、少なくともメタボをこれ以上増やさないと、そういうところの効果はあったというふうな認識でもよろしいでしょうか。
(津下主査) 初期の目標は非常に高くて減らすというところだったと思うのですけれども、そこまではいけていないというのが現状かなと思っています。増えてはいないということは、諸外国の比較とかではよいことと思いますし、高齢になればどうしても服薬者が増えてくるので、そういう中でも、まあ、何とか踏みとどまっているという見方もできないわけではないのですけれども。あまり甘すぎる評価ではいけないと思いますので、安田構成員のおっしゃるとおり、厳しい目で見ていく必要性があると感じております。これは大きなテーマですので、また、おいおい整理をしながらディスカッションできればと思っております。
それでは、田口構成員からご発言をお願いいたします。
(田口構成員) ちょっとまた違ったことですが、大丈夫ですか。
(津下主査) はい。
(田口構成員) ありがとうございます。
津下先生のICTのご発表について、ご質問させていただきたいと思います。貴重なご報告をありがとうございました。利用の公正性については私は異論がないところなのですけれども、今後、アプリの効果的な活用方法を考える上で確認しておきたい点があります。、アプリで効果があったというお話だったかと思うのですけれども、どのようなアプリだったか、どのようなアプリの側面が効果的だったのかというところをもう少し具体的にお聞かせいただければありがたいと思います。お願いいたします。
(津下主査) ありがとうございます。
各アプリは、6種類のアプリを使っております。6種類の中で、保健指導者と本人が、行動目標や、本人の意欲、難しいものにも対応したい、頑張るぞという人と、何となく使おうかな、このぐらいならやってみようかなという、この難易度の違いとかを用意しました。食生活についてはきっちりと栄養評価をしたり、かかわるタイプとか、ただ測定するだけのものとか、さまざまなものを選択しておりました。
その中でどれが効果があったかとか、そのアプリ自体の機能を分けて分析するというほどのnはなく、研究デザインから見てもアプリを比較するものではありませんので、確定的なことは言えませんけれども、やはりセルフモニタリングをしていることは、有効ではなかったかというふうに感じております。と申しますのも、週7回使うということで、日常使っていることが、有効性が高い。たまに1回使うだけとか頻度が少ないと、それはどうしても習慣化ということにつながらないので、比較的頻度を高く見ることができて、そしてモニターに記録が残っていくというようなタイプがよかったのではないかというふうには感じているところです。ただ、保健指導者の慣れとか、導入しやすさとかも関係していますし、アプリも日進月歩の状況でありますので、そういう特性を十分に理解してササッと初回ができるようになると、よりその人に合ったものが紹介できるのかなというふうには思います。基本的には、セルフモニタリング、そして、その人の欲しい情報、食生活とか運動について後押しするようなメッセージとか、そういうものがよかったのではないかなというのが、対象者さんのアンケートから浮かび上がってきます。
それから、行動目標の面で見ると、例えば運動をすることを目標にした人が決める段になって食生活のアプリを選んだ場合もあり、普段と違うアプリを選んだ事例もありました。今までにない切り口のアプリを選ぶ方もみえました。今回はリピーターというか、前回保健指導をやって今回もまた保健指導ということだったのですけれども、新たな取り組みをするというモチベーションアップにはつながったのではないかなというふうに受け取っています。本研究では保健指導の指導者の記録、そして対象者のアンケートなど、詳細に取っておりますので、分析をして、さらに詳しい情報を公開していきたいと考えています。
(田口構成員) ありがとうございました。よくわかりました。
(津下主査) ありがとうございます。
それでは、小松原構成員、お願いいたします。
(小松原構成員) 
協会けんぽの安田さんの発言は、保険者として腹落ちしていない部分があります。言い方は違うかもしれないですが、この特定健診・保健指導の仕組みが始まって、医療費適正化計画の中で約2兆円、医療費が減ると制度が導入され、義務化されたわけです。また途中から、実施率の低い保険者に対してペナルティを科していますが、ペナルティを科しておきながら、その効果が全く示せていない現状で、本当に続けていけますかということを、安田さんはおっしゃりたいのではないかと思っています。
協会けんぽの場合は支部別の保険料で差がついていますが、我々、健保組合では、保険者間で加算減算を実施しているわけです。第4期に向けて保健指導の改革をするのはもちろんですが、効果があるから引き続き頑張っていきましょうと言っていただかないと、私たち健保組合も納得できません。も加入者に対して投資している分、効果があるかないか説明ができないと、保険料に跳ねるわけで、厚労省に、あったかなかったかわからないと言われてしまうと、我々保険者は頑張ってやっていきましょうと言っていくことが困難になってしまいます。そこの言い方を少し考えていただきたいと思います。
(津下主査) ありがとうございます。保険者さんのモチベーションも重要ですし、そして保健指導者のモチベーション、それから参加される方も、効果があると期待して参加するのか、言われて何か義務的に実施率を上げるために行けよと言われて嫌々参加したのかということでは、全く効果が違うというふうな実感があります。全ての方にモチベーションを与えるようなデータ出しというのがすごく重要かと思いますし、そのあたり、もう3期が終了して4期ですから、きちんとメッセージを発信していかなければいけないというご指摘、ありがとうございます。
古井先生、何かコメントをいただければと思います。
(古井構成員) ありがとうございます。
どうしてもマスメディアにはマルかバツかというふうに求められてしまうのですが、例えば京都大学の先生が論文化されたとおりに、特定健診、特定保健指導が実施されても、全体でメタボはちょっと増えていますと。ただ、特定保健指導をきちんと受けた方とか、継続的に受診をされている方は生活習慣や検査値がコントロールされ、医療費の構造は入院医療費よりも外来医療費の割合が高くなっている。これは全国の自治体のデータでも構造的に示されています。
こういうような少し細かい説明になってしまうのですが、安田構成員とか小松原構成員がお話しされたのは、国民のコンセンサスというか、保険者だけでなく参加する方たちが、実際に参加してよかったとか、成果があったといった経験を得られるようにやること。今段階では残念ながら集団全体の効果を上げるほど実施率が高くないということをしっかりとお伝えをして、例えば特定健診とあわせて当日に初回面談をやってしまうなどの方策をとっていけばいい。ただ、そのためには健診機関側のインフラ整備とか、何らかのインセンティブが要るのではないか、今回、そこにポイントをつけようという話は賛同しているのですけれども、そういうことを構造的に捉えて説明をしたほうがいいと思います。
すみません。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。貴重なコメントをいただきました。
今の件に関して、いかがでしょうか。第4期に向けて、保険者または国民に向けて、後押しするようなメッセージを出していくこと、説明をしていくことが大切で、データをわかりやすく出していくこと。また、限界があるならば、どういう限界があるかということや課題についても明らかにし、それを第4期に少しでも達成できていくようにすることが必要かなと改めて感じた次第でございますが。いかがでしょう。
保険者支援という立場で、三好構成員、いかがでしょうか。
(三好構成員) 国保中央会の三好でございます。ありがとうございます。
おっしゃるとおり、今までは健診をやったらやりっぱなしではないですけれども、個々人の生活習慣そのものに着目して行動変容を促すことで効果を見ていこうという、制度としての仕組みができたこと自体は、地域保険で頑張っている市町村の立場においても、保健活動を展開するのに大きな動機になっていると思います。
ですので、ぜひ効果について、古井先生からご提案いただいたように、医療保険者の立場を加味した形で、入院が減って外来が増えるとはどういうことか、医療と連携し日頃より健康管理をすることで重症化を抑えることにつながるのではないかと思います。広い意味で検証されていくのがありがたいと思っております。
この制度が進み、見直しながらよい方向に向かっていっていると思っていますので、今回の議論も、具体的なところまで課題を明確にして、さらに進められるといいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
(津下主査) ありがとうございました。
厚生労働省さんから、何かコメント等、ございますでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) ありがとうございます。
小松原構成員からいただいて、古井先生と、三好構成員と、ご意見ありがとうございます。基本的に、全体感に対して、まず事業に関する効果があったのかどうかという質問をいただいて、古井先生から、全体として見ると、エビデンスとしてヘルスプロモーションの効果に関して限定的だとするものもあれば、ただ、一方で、フォーカスにおいては確実に現場レベルで意味のあるものあるということを三好先生からもいただいていてという認識をしておりました。
そもそものマル、バツというのは、古井先生からもいただいたように、我々としても、マルかバツかということにはならないというのは、我々、効果検証に関しては、さまざまな意義があると思っておりまして、個人のQOLを向上させ、将来の健康にかかわる不安を解消とするとか、健康寿命の延伸や、地域社会での高齢者の活躍の促進など、さまざまな意義がこの事業はあるものだと思っております。
先ほどの繰り返しになりますけれども、この政策効果の検証というのは、これまでも我々はさまざま行っていて、大規模実証等を通じて、健康増進や医療費適正化双方の観点から効果検証を行っているというところでございます。他方、その効果検証におきましても、繰り返しになりますけれども、長期間の政策効果を反映させるというのは、分析上、ほかの社会構造の変化とか、さまざま影響がありますので、これを今、マルとバツを答えてくれないと立っていられないという答えに関して、マルかバツかと我々から答えるのは難しいと思っています。
一方、保健事業の現場において、むしろこれは保険者の先生方にも教えていただきたいところですけれども、政策評価全体という意味ではなくて、現場レベルで実際にやられていて、そこに効果がないと感じられているのか、それとも個別で見ると当然改善はできているというところもあるのか。それは古井先生がおっしゃったようなフォーカスの問題で、我々としては、効果検証をこれからも続けながら、まずは第4期のこの見直しに向けて、本ワーキングでは、効果的・効率的な実施方法を見直すということで、アウトカムの評価の導入とか、この枠組みの中でできることは前を向いてやっていきましょうというご提案をさせていただいているつもりですので、検証に関しては、ご指摘を踏まえながら、今後もやっていくと。NDBでもID5というのが令和4年から入って追跡がより可能になると思っておりますし、さまざま前向きな、今回、資料4でご提案させていただいていますけれども、見える化を通じてPDCAのような仕組みをつくっていくと。さまざま制度を改善させるというご提案を今回の見直しでもさせていただければと思っているので、引き続きご指導いただければと思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
大きな問題、課題というふうに認識しつつ、今回の方向性(案)について、前向きに検討していきたいと思います。また、加算、減算の話はここでする場ではないというふうに思っております。保健事業の中で、該当者数や参加率がきちんと算出して評価できる保健事業というのはほかにはないというか。重症化予防のほうが自由度はあるのですが、どういう対象者に何をしているかというのがなかなか見えなくて、逆に評価がものすごく大変です。ポピュレーションアプローチも定義が曖昧で、評価も難しいという中で、特定保健指導は標準的なプログラムのもと、参加者数がカウントできるし結果が追えるという、現在、日本の中で唯一の仕組みになっています。これをできるだけ改善する方向でのご意見を賜りたいと思っております。これがこのワーキングとしてのミッションとして進めていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。
お待たせしました。では、河原構成員、お願いいたします。
(河原構成員) ありがとうございます。河原です。
先ほど古井先生がおっしゃったことが、まさに私も申し上げたかったことで、保健指導をやっている人たちは、一定の成果が出ています。ただ、全体としては、やっていない方々もいらっしゃいます。2019年度の実施率は23.2%ですから、実に対象の4人に3人が受けていないという状況があると思います。メタボ全体の成果ということに関して言えば、実施率をどう上げるかというのが非常に重要な課題であろうと思っています。
例えば対象になった方のモチベーションを上げてもらうということに関して言うと、特定保健指導というネーミングが、少しネガティブな捉え方がされている現状がありますから、名前を変えるということではないのですけれども、何かネーミングをつけるなどで、イメージを変えていくとか。あとは受けやすさですね。利便性を上げるということで、ICTとか分割実施のやり方がありますが、もっと現場に寄った形で、受ける方々の身になって。これはマーケティングの手法みたいなものがあればいいと思うのですが、例えば営業の方とか、店頭販売の方とか、3交替制の方とか、さまざまな方が対象になっていますから、そういった方が受けられるような実施方法は何があるかとか。また、実施率を上げるというのは、保険者の方々だけの努力では、限界があるかと思っています。事業主の方々とどう連携を図るのか、そういった視点で、いかに23.2%を45%に上げていくかという議論を、ぜひこの場でもしていただけるとありがたいと思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
資料2、今回見直しの方向性ということで、早期介入の話とか評価の話とかが出てきたと思いますし、ICTという新しい道具立てで、より新しい保健指導として実施していくというのも1つあるかもしれないですし。モデル実施の試みというものから私たちは多く学んだということもありますので。この資料2の方向性、今回、赤で記入されたことについて、特にご異論等がありますでしょうか。
安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) すみません。1つ確認をさせていただきたいのですけれども。
3ページの赤字書いてある3つ目のポツの「特定健診当日には」というところでございますけれども、一応、2点確認をしたいことがございます。
1点目は、これは分割実施が前提でお話をされていますけれども、分割実施ではなくても、当然、当日実施、そのままできる場合も当然対象になるかどうかということが、1つ確認をさせていただきたいこと。
もう1つは、これはもともと当日にできないという理由が、健診データが全部整わないということがあったと思うのです。この健診データが全部整わないということで分割実施をやりますと。ある一定の期間内であれば、初回面接の分割実施を認めますという前提には、ある一定の期間の中でも、さらにまだデータが整わないという前提があると思うのですけれども、さきほどのことと関連するのですけれども、どのぐらいの期間でデータというのは整うのか。ここはやっぱり分割実施というのを前提としてやらなければならないのかということだけ、ちょっと確認をさせてください。
(津下主査) 事務局、いかがでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) ありがとうございます。
私たちの資料のつくり方がちょっとわかりにくくて申しわけないのですけれども、ここは、分割実施の促進についてというカテゴリーですので分割実施の課題を書いているところでございまして。恐らく安田先生からいただいたご指摘というのは資料4も頭に置きつつということだと思うのですけれども、そちらのほうでは初回の早期介入に関して評価をしておりますけれども、当然、分割実施だけではなくて初回面接自体を早期に終わらせていただくことも含めた評価としてご提案させていただいているので、今いただいたご懸念は、すみません、資料の書き方の問題かなと思いますので、ちょっとこちらは修正なのか、ちょっと座長とも、追って書き方の修正が必要あるかどうか、考えさせていただければと思います。
2点目に関しては、データが整うかというのは、ちょっとすみません、質問のご趣旨としては、健診結果が健診実施者等からどれくらいで返ってくるのかという質問だと解釈したのですけれども、それに関しては、申しわけありませんが、手元に。さまざま、当日出るものもあれば、1カ月、2カ月、3カ月かかる場合もあって、長いものであると半年ぐらいたってからということもあるというのは承知しておりますけれども、詳細なデータは、今、手元に持ち合わせておりません。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
この当日実施というものの、そもそもは、保険者が健診機関にその結果ですぐに保険者による階層化を待たずに特定保健指導を始めていいですということが、この前提にあると。健診データを、健診機関が、その当日ではないにしろ、健診結果というのは大体1週間程度で出るわけですので、1週間程度で健診機関がそのまま、その結果が出たその結果を利用して保健指導するということであれば、そんなに1カ月もかからないだろうというふうに思われます。その健診データを保険者に渡して、そこで階層化をおこなって、名簿をつくって、参加勧奨して、参加するとなると、一定の期間、3カ月程度かかかってしまうということではないかと思います。この期間短縮というのは、保険者から対象者となった方は全部特定保健指導をしてくださいという包括的な契約がなされているかどうかに依存しているというふうに認識しています。だから、当日ではなくても1週間とか1カ月以内というのは健診直後に保険者の階層化を待たずに保健指導を行うことと思われるのですが。中西構成員、健診の現場ですけれども、そんな感じですよね。保険者さんから名簿が来て、この人を特定保健指導してください、対象者ですと言うと、やっぱり一定期間かかりますよね。
河原構成員、いかがでしょうか。
(河原構成員) ありがとうございます。
私どもは保健指導機関と健診の代行機関もやっておりますが、一般的に健診を実施して健診結果データが健診機関から保険者に返ってくる時期が早いところで1カ月以内、遅いところで3カ月ぐらいかかる現状という認識をしています。さらにそこから階層化をして、対象者に案内をして、面接までいくということになると、やっぱり2、3カ月かかってしまい、合計で3カ月か4カ月ぐらいかかっている。これは健診と指導機関を分けた場合の状況でございます。
分割実施の場合は、健診機関が実施しますので、その場でできますが健診を受けた日に実施できないと、再度健診機関等で面接をやる必要があり、実施率を下げてしまうと思っています。先日もお話ししましたが、分割実施というのはすごく効果がある手法なのですが、先般のデータだと、全体の5%ぐらいしかまだ実施がされていない、というデータがありました。これは、健診日に対象になる方が少ない傾向があり、そこに専門職をスタンバイしていると非常に負荷がかかってしまうため、実施が難しいいうことであります。そこで、その場でICT等でつなぐ、あるいは、忙しくて帰ってしまう人がいるので、その場では面談の予約をして、後日ICT等で実施する等の形があると広がるのではないかと思います。
もっと言えば、今、津下先生がおっしゃったように、例えば保健指導が難しい健診機関もありますから、健診機関と保健指導機関と保険者が3者契約をして、健診機関から保健指導機関等にデータがそのまま行く形を了解していただければ、保険者を介さなくても実施ができ、実施期間は短縮ができると思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。事情をよく説明いただきました。
田中構成員はいかがでしょうか。これに関連してでしょうか。
(田中構成員) はい。これに関連する事ともう1点お願いします。
市町村ですと、被用者保険と違い直営など体制が様々で早期の介入が難しい面があります。早期の保健指導というのは非常に重要であり、受診当日の初回面接1回目を行う市町村が増えましたが、なかなか人員的に難しく、健診機関にそこを担っていただけると早期の介入ができるのではないかと思います。先ほどおっしゃっておりましたが、早期に介入できる体制を全体的に整備することがまず大事だと感じます。
あと1点ですが、プロセスの見える化についてです。保健指導の内容に対して、対象者がどのように変化したかということの評価は非常に難しいですが重要であり、このことを研究していただき効果的な保健指導ができると良いと感じています。行動変容について対象者に対して質問をする場合、今の指導内容に加えて質問項目が増えると、指導の時間が短い中で、対象者に負担になるのではないかと仰っている市町村の方もおります。今後研究されると思いますが、そういった点も含めて、ぜひ研究していただきたいなと思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。これは、後半は中山先生の研究班のご説明に対するコメントということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
齋藤参考人、何かご発言ありますでしょうか。
(齋藤参考人) 今のところは、我々が担当させていただいて、今回調べたところであったかなと思いました。まさに現場の負担というのが、結構重点を置いて議論になったところでした。やはり時間のない中で、皆様、どうやって質を評価していくのかというのがあるのですけれども、一方で、やっぱり不正に請求されているような事例もあるというのがディスカッションの中であったりしまして、やはり最低限の、わかる範囲で取っているデータはしっかり取っていただくというのがいいのではないかという意見もあって、提出させていただいた(案)に落とし込んだところでございます。
実は、ほとんどの項目が、もう既に厚労省の中で、報告の中の枠組みに入っているものでできるところであります。実際は必須ではなくて任意ということになっている項目を、今回改めて活用できるのではないかということで、こうして評価していったような経緯がございます。ですので、そのような現場のことも大変コンフリクトするところであるのですけれども、しっかり使っていけるようなもので、啓発をしていくというか、意識づけをしていくことが徐々に大切なのではないかということで、我々も認識しております。
(津下主査) ありがとうございます。
田中構成員、よろしいでしょうか。
(田中構成員) はい。
(津下主査) それでは、安田構成員のご発言をいただきたいと思います。
(安田構成員) すみません。私が先ほど申し上げたのは、健診機関に当日データが入らないということで、後日、健診機関にデータがバックされてくる時期のことなのです。例えば血液検査とかは、数値が検査機関から健診機関のほうに届くタイミングがあると思うのですけれども、そのタイミングがどのぐらいの期間であるのかと。それが、先ほど申し上げた、仮に1カ月も2カ月もということであれば、分割実施をしていくということなのですけれども。例えばこれが1週間以内に健診機関からデータが来るということであれば、わざわざ分割実施までする必要があるのかなというところが気になりました。健診機関が改めて血液検査とかそういう検査結果を手に入れるのはどのぐらいかかっているのですかということだけを、お伺いしたかったなという、趣旨です。
(津下主査) すみません。私がちょっと大げさに捉えてしまったかもしれませんけれども。この特定健診の項目というのは非常にポピュラーな項目なので、外注に出されても1週間程度かなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。1カ月はかからないというふうに認識しております。特殊な検査ではないということになりますので、そういうことも折り込みながら分割実施なのか。後日だったら、またわざわざになるので確かに分割ではなくてもいいかなというご指摘だったと思いますので。ありがとうございました。
それでは、少し時間もたちましたので、次に移りたいと思います。
(津下主査) 資料4についてですけれども、特定保健指導の評価体系について、ご説明をお願いいたします。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。
資料4、特定保健指導の評価体系についてをお願いいたします。
今日もいろいろご議論いただきましたけれども、検討会のほうでも、特定保健指導の本来の目的とはというようなご意見をいただいておりまして、一度、評価体系を考えるに当たって基本的な考え方を我々のほうで、まず2ページ目で整理した上で、アウトカム評価、プロセス評価について考え方を示して、具体的な案を設定させていただいております。
まず2ページ目ですけれども、特定保健指導の評価の考え方としまして、まず目的は、これはプログラムに書いてあることですけれども、生活習慣病予防に対する保健指導の第一の目的は、生活習慣病に移行しないことであると。そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して、体の変化に気付き、自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するための行動目標を設定・実践でき、そのことにより対象者が自分の健康に関するセルフケアができるようになることを目的としていると。
それを踏まえまして、評価体系については、特定保健指導の目的の達成のためには、保健指導対象者の状態がどのように改善したかが個別の保健指導、個々の保健指導において主要なアウトカムとして、特定保健指導の評価内容はこのアウトカムに基づいて設定されることがまず望ましいと。他方、これまでの議論でもいろいろいただきましたけれども、特定保健指導の対象者の中でも、個別にはアウトカムによる評価がなじまないという場合もあり、これまで同様の介入量による評価も引き続き必要と考えられると。ただし、プロセスによる評価においても、より保健指導の目的が達成されるような評価に見直す必要があると考えられると。
これを踏まえまして、3ページ目ですけれども、まずアウトカム評価について、具体的な評価体系としまして、アウトカム評価の主要な目的として、モデル事業において2cm・2kgの減少を達成したことを保健指導終了としてきたと。これを踏まえまして、2cm・2kgを達成した場合は180ポイントとなることとしてはどうかと。
2cm・2kgを達成できなかった場合の中間的なアウトカムとして1cm・1kgが考えられる。ただし、1cm・1kgについては測定誤差や一時的な食事量の減少で達成されるという懸念が指摘されていますので、この達成のみでの評価水準については留意が必要ではないか。
特定保健指導において調査することとしている「食」、「運動」、「喫煙」、「休養」、「その他の生活」における行動変容について評価することはまず考えられるのではないかと。ただし、行動変容を客観的に把握することが困難な場合があるため、厚労科研でも議論いただいているようなセルフモニタリング等に基づいて、実績評価時に評価をして、また評価水準についても1cm・1kgと同様に留意が必要ではないかと。
最後、「禁煙すると体重が増加する」とか、例えば甲状腺疾患のように「体重減少が難しい」といったような事例が考えられると。行動変容を評価することでアウトカム評価としつつ、プロセス評価と併せて保健指導の達成とできるようにしてはどうかというふうにまとめております。
4ページ目、プロセス評価についてでございます。
繰り返しですけれども、保健指導の目的が達成されるようなプロセスを評価するべきであると。健診実施日から早期に保健指導を実施することで、実施率の向上や対象者の負担軽減、保健指導効果の向上が期待できるため、早期の保健指導実施を評価してはどうか。
これまでの評価体系において、時間の配分に応じたポイントが設定されており、時間を消費するため内容の伴わない指導となる場合があるという指摘がありました。このため、面接の量ではなく質の評価となるよう、時間に比例するのではなく、必要な内容を満たす面接を1回として評価することとしてはどうか。
また、実績評価時に120ポイント分の保健指導が実施されるなど支援量の大半を実績評価時に消費されている場合があるとの指摘もいただいておりました。このため、実績評価前に介入がなされるような評価体系としてはどうか。
また、支援AとBの違いが曖昧で運用上わかりにくいとの指摘もいただいておりまして、評価手法を支援AとBの区別なく一本化してはどうか。
以上を踏まえまして、5ページ目に評価体系の案をまとめさせていただいております。まず、全体としてはアウトカム評価がメインとなるとしつつ、②のプロセス評価として、従来のように、プロセスによる介入の評価もするという形で構成しております。
アウトカム評価の中身ですけれども、まず実績評価時に一度評価をすると。主要な達成の目標として2cm・2kgを達成した場合は、180ポイントを獲得すると。中間達成目標については、ポイントのいろいろ項目を用意しておりまして、1cm・1kgが30ポイント、行動変容に関しては、それぞれの項目について20ポイント。これらについては、先ほど申し上げたような評価の限界というか制限がございますので、合計で上限は90ポイントという形にしております。
プロセス評価については、左側、健診後早期の保健指導を評価する。これは分割実施の前半を実施した場合も含むことですけれども、健診当日に初回面接を実施した場合は、20ポイント、健診日の1週間以内の初回面接を10ポイント。右ですけれども、初回面接以降は、これまでの継続支援と同様にしまして、個別とグループで60ポイント、電話で30ポイント、電子メールやチャット等のやりとりに関して20ポイントと設定しております。
6ページ目ですけれども、行動変容の変化のイメージとして書いております。下記の内容は例示であり、今後、科研等で検討いただいて、その成果を踏まえて具体化して何らかの形で示していくことになると思います。
全部ご紹介しませんけれども、食習慣の改善として、エネルギーや栄養成分の表示を確認して1日の摂取量を計算するようになったとか、運動習慣の改善として、歩数計等で運動習慣を記録しているとか、喫煙習慣の改善として、2か月以上禁煙した。休養の改善として、毎日8時間以上睡眠時間を確保するように、早く就寝するようになった。その他の生活習慣として、休肝日をつくるとか、毎日血圧を測って記録するみたいなことを書いております。これら、この6ページ目は、これはまだイメージとしてご提示させていただいておりますけれども、行動変容に関しては一定の相場観を標準的な健診・保健指導プログラム等で示していただいて、最後、現場でご判断いただいて、行動変容があったかないかということのポイントに反映させていくということで考えております。
7ページ目ですけれども、新たな評価体系での達成プロセスでの例として、3つ挙げさせていただいております。
1つ目は、実績評価時に、アウトカム指標や行動目標の両方を達成するケースです。初回面接を1週間以内に実施して10ポイント、継続的支援で電子メールの支援を2往復して40ポイント、実績評価で個別面接を実施していただきつつ、1kg・1cmや、行動変容が2つ見られて、合計180ポイントとなるケース。
ケース2としまして、2kg・2cmを目指したが達成できず、追加支援を実施した場合です。まず電子メールでの往復のやりとりをして、個別面接を実施して、その後電話支援を継続的支援として追加的に実施しつつ、実績評価時に個別面接と、また禁煙を達成したというケース。
あと、ケース3に関しては、アウトカムが完全に未達成だが、初回分割実施と現行の介入方法で180ポイントを達成する。
いろいろバリエーションを踏まえた保健指導をやっていただけるのかなと思っております。
以上が、ポイント制に関して、評価の考え方及び具体案を示させていただきました。
8ページ目からは、見える化に関しての対応方針として記載しております。見える化ですけれども、こちらの見える化の目的としては、特定保健指導情報の見える化を通じて、保険者が効果的な取り組みを把握して、保健指導に関する情報分析を通じて保険者が保健指導の取り組み内容を改善すると。そのPDCAを回すことで将来的に質の高い保健指導を対象者に還元していくということが、大きな目的として書かせていただいておりまして、必要な対応(案)として、現在は動機付け支援に係る情報は任意であるなど、必須項目としての情報が少なく、見える化に必要な情報が法定報告において登録されていないという現状がございます。このため、今回の見直しにおいて新たに導入されるアウトカム評価に係る情報のほか、プロセス評価におけるポイントの内訳ですとか、動機付け支援に係る情報、その他必要な情報については収集する必要があるのではないか。他方、これまでも指摘いただいていますけれども、保健指導の具体的内容等の指導に関する詳細な情報を収集する場合は、保健指導実施者の入力負担等もございますので、そこはバランスをとりつつ検討していくこととしてはどうかとしております。
9ページ目が、具体的に必須項目として法定報告において収集する情報として記載しております。「見える化」に資するよう、動機付け支援と積極的支援において、以下の情報は新たに法定報告として加えることとしてはどうかということです。下に表がありますけれども、保健指導の実施年月日や、健診当日の初回面接、もしくは1週間以内の初回面接を実施したかということ。あとは、各個別の面接した場合の時間、何分やったかみたいなことも報告をしていただこうと思っています。初回面接実施時の目標立ては、体重・腹囲や食習慣、運動習慣等に関して、目標設定したかということと、あとは実施職種、アウトカムの達成状況、これらをご報告いただければと考えております。
10ページ目以降は、関連する参考資料になりますので、説明は省略いたします。
以上です。
(津下主査) ご説明ありがとうございました。
保健指導の評価体系ということで、現在の180ポイントにかわる新たな実績評価体系についても、お示しいただきました。ただいまのご説明と、中山参考人から話題提供いただきました資料1をもとに、議論を進めていきたいと考えております。今回のご提案の中で、今までは180ポイントだけだったけれども、アウトカムを重視するということについて、まず2cm・2kgの減少が180ポイントとしてよいということ、2cm・2kgを達成できなかった場合の中間的なアウトカムとしての1cm・1kgの減少、ここを評価するか。
それから、プロセスですね。保健指導の内容、プロセス評価も、やはり対象によっては、必要かと思いますが。よく聞く話として、メンタルとかさまざまな疾病のために、2cm・2kgの減量という目標立てが難しいような対象者さんもいるので、保健指導で支えていくというか、太らないように情報提供して支えていくというような指導をしていますみたいな話もあります。2cm・2kgだけでは、現状、保健指導でしていることが評価されなくなってしまうというのも危険かなということも感じておりますが、そのようなプロセス評価の導入について、また、支援A、Bの区別をやめたらどうか、などさまざまなご提案が入っていたと思いますけれども、皆様からご意見を伺いたいと思います。ご意見のある方、挙手でご意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。
では、小松原構成員から、お願いいたします。
(小松原構成員) 事務局の説明、よくわかりました。
我々は、2cm・2kgの180ポイントの条件達成は賛成です。
厚労省の説明の中で、特定保健指導の目的で述べられた、対象者が自分の健康に関するセルフケア、要は自己管理ができるようになることを目的としていると書かれている割には、そのアウトカム評価のポイントが低いのではないかと思います。本当に自己管理できて、改善がされているのであるならば、面談1回よりもポイントが高くてもいいのではないかと思います。
特に喫煙習慣、煙草を何十年も吸われていた方がやめることは、大変な行動変容です。これはメタボのみならず、肺癌や、ほかの疾病についても、かなり効果があるわけです。本当に煙草をやめていただけるのであるならば、そこで支援終了でもいいのではないかと思うぐらいの行動変容、決断だと思っています。この一律20ポイントという行動変容のアウトカム評価は、少し再考していただきたいと思います。
もう1点は、中間達成目標の90ポイントが理解しがたく、行動変容をして、90ポイントが上限で、それ以上の行動変容は評価しないと読めてしまいます。そうすると、残りの90ポイントは、単なる電話とか電子メールの消化ポイントみたいになってしまい、もし行動変容がいくつか実践できているならば、この90ポイント上限とらわれず、認めてほしいと思います。
(津下主査) ありがとうございます。
皆様のご意見をいただきたいと思います。
鈴木構成員、お願いいたします。
(鈴木構成員) ありがとうございます。一番初期のときに私は検討会のワーキングに入って、津下先生と一緒にやってきたのですが、ポイントを決めるときには、アウトソーシングが初めて実施されることから、保健指導がしっかりと実行できたかを確認するためのポイントとして180ポイントが決まりました。
津下先生と私たちが研究したところ、250ポイント以上で高い効果を示すことがわかりました。
今回のこの180ポイントの実績評価は、誰に対して何のためにするのかが、私は見えなくなりました。いい指導をしているかの評価なのか、それとも減量することへの成果の確認のためのポイントなのかです。
 
以上です。ありがとうございました。
(津下主査) ありがとうございました。当初に立ち返って、ご説明いただきました。ありがとうございました。
安田構成員、いかがでしょうか。
(安田構成員) ありがとうございます。協会けんぽの安田でございます。3点、意見を申し上げたいと思います。
まず、今回の議論というのは、何をすれば180ポイントとするかという個々の現場におけるミクロの論点を認定を中心に議論が進められているというふうに考えております。このこと自体は、保健指導の目的がメタボリックシンドロームの解消につながる行動変容を促すことであるから必要な業務であるとは考えておりますけれども、協会けんぽとしては、実施主体である保険者や保健指導実施機関の成果に関するマクロ的な評価指標も必要であると考えております。
実施責任を負っている保険者といたしましては、自前で行っている特定保健指導が成果を出しているか。また、マンパワーに限りがある中で外部委託を行った場合に、外部委託先の保健指導実施機関でしっかりと成果を出せているかについては敏感にならざるを得ません。こうしたマクロとしての保険者や保健指導実施機関の成果に関する評価指標が必要であると考えております。そのような評価指標は、どういう場で、どのように検討が進められるのかということを、1つ確認させていただきたいと思います。
2点目、特定保健指導の評価体系に示されているアウトカム評価でございます。定量的な評価である2kg・2cmというのは、客観的な評価は可能でございます。一方で、行動変容の変化を評価する案が示されていますけれども、誰がどのような客観的な基準で評価をするのかを明らかにしなければ、公平性の観点からも問題があるというふうに考えております。
また、保健指導は、対象者と指導者が面談した上で、対象者の個々の事情に即した目標設定を行うことが重要であるというふうに考えており、行動変容を促すべき生活習慣には、濃淡が生じてしかるべきだというふうに考えておりますが、このようなポイント配分にすることで、対象者の個々の状況にかかわらず総花的に改善を促すことにつながるのではないかということが、1つ、懸念材料というふうに考えております。
3点目でございますけれども、実施方法についてプロセス評価のところについてでございますけれども、個別支援とグループ支援がなぜ同じ60ポイントの評価になっているのか。1対1で対象者に寄り添おうとする個人支援とグループ支援が同等の評価であるとするならば非効率である個別支援を敬遠する保険者を誘発することになりかねないのではないかということが指摘するところでございますので。
3点、意見を申し上げました。以上でございます。
(津下主査) ありがとうございました。
それでは、次に河原構成員、ご意見をお願いします。
(河原構成員) ありがとうございます。私からも3点ございます。
1点目は、今の安田構成員のおっしゃったことと同じなのですが、アウトカム評価の行動変容のところですね。これは食事と喫煙等がありますが、誰が、どのようにやるかという客観的な指標がないと、ポイントになりますから、これがクリアされることで終了する要素になるので、曖昧であると、制度自体の評価を問われたときに、少しゆがんでしまいそうな気がします。アウトカムの指標は大切だし、取るべきだと思うのですが、そこのところの客観性は、きちんとつくったほうがいいと思いました。
2点目、プロセス評価の健診後の早期の保健指導は、当日が20ポイント、1週間以内が10ポイントとありますが、これは現実的には、分割実施機関、健診機関が実施するものが多いと感じています。先ほどもお話ししまたけれども、分割実施というのは全体の5%ぐらいですから、それ以外の95%のもっと長い期間かかって実施しているところをいかに早くしていくかの対応が必要と思いました。早期の保健指導というカウントはよいかと思うのですが、ポイントの焦点となるところを分割実施だけとではない形で検討いただければと思います。
3点目は、保健指導事業者側からの話なのですが、このように評価体系が変わると保健指導システムを大きく直さなければいけません。恐らく保健指導事業者だけでなく、保険者の方々もそうですし、そのデータを取られるベンダーの方々もそうですし、かなり大規模な改修が及ぶと思います。その負荷はかなりありまして。保健指導業界は、小規模の事業者もあり、あまり大きな改修費用がかかると経済的に苦しい実態がありまして、その辺は実際に、これを変えることによって、システムの改修にどのぐらい影響があるかという点も、ご配慮いただけるとありがたいかと思いました。
以上になります。
(津下主査) ありがとうございます。
では、田口構成員、お願いします。
(堤医療費適正化対策推進室長) 津下先生、ちょっとよろしいでしょうか。
(津下主査) すみません。では、お願いいたします。
(堤医療費適正化対策推進室長) すみません。ご意見いろいろありがとうございます。
また、挙手いただいている先生、これからまたご議論いただければと思うのですけれども。
ちょっと今いろいろな意見をいただいています。うちの会議室の残りの時間もかなり限られておりまして。今回の目的として先生方での議論を深めていただきたいと思っておりますので、ちょっと簡単にまとめさせていただきたいのですけれども。
まず、小松原構成員から、あと安田先生と河原先生にご意見いただいた行動変容に関して、小松原先生は、もっと行動変容等、特に禁煙に関しては、点数を、上限値90ポイントもですし、20ポイントについて、もっと高くてよいのではないかと。一方で、安田先生、河原先生からは、これらの客観性をどう担保するのだと。どちらかというと逆方向の意見をいただいておりまして、こちら、今、こういう意見をいただいていると私たちは認識していて、
一定の考え方をご説明させていただきますと、まずアウトカム評価については、安田先生、河原先生からいただいているように、客観性に関しても、かなり疑念があると。では、エビデンスがあるものをやっていこうとなると、恐らく世界的に見ても、この行動変容が確実に減量につながりますというエビデンスを探すとなると、なかなか難しいというところがあって、ただ、我々、制度としては前に進んでいかないといけないと。特定保健指導をより意味あるものにしていきたいという思いから、一定のアウトカムを評価する観点で、まずはこの一歩を踏み出していこうということで、行動変容を、少し低いというご指摘もありますけれども、設定をさせていただいているというのが我々の考え方でございます。
あと、鈴木先生から、プロセス量を評価しているのか、何に対してやっているのかわからないと。これは私の説明の問題が悪かったのだろうと大いに反省しているところですけれども、資料4の2ページ目でお示ししているように、特定保健指導の目的というのは、一番上のパラグラフに書いてあることでして、個々の、この180ポイントに関しての考え方は、これは特定保健指導対象者というミクロに対してのアプローチですので、どうしても細かいというところはあるのですけれども、この方がどのように改善したかが、個別の保健指導における指標のアウトカムであると。この180ポイントというのは、基本的にはアウトカムを達成していただくためのものだと認識しているので、プロセス評価とどっちつかずだという意見をいただいたと思うのですけれども、アウトカムをまずは目指していただくというのが、我々といいますか、これまでの議論でも安田先生からも今日いただいたようなこともありますし、これまでの議論として、我々はアウトカムを目指していくというのが今回の見直しの大きな方向性なのかなと思っております。
あと、2cm・2kgに関して言いますと、個人の目標に合わない、それもおっしゃるとおりだと、ご指摘のとおりだと思っております。我々、2cm・2kgに関して言いますと、特定保健指導というのはメタボリックシンドローム、生活習慣病に着目した制度であって、これらの、この制度の中で主要なアウトカムとして体重等にアウトカムを設定することは、そこに関しては、齟齬がないと思っております。今回、モデル事業の結果として、我々は個別に皆さんが判断していいですよという制度設計をするわけにもいきませんので、これまでもモデル事業等で実施してきた2kg・2cmを180ポイントとしてご提案させていただいておるところですけれども、もちろん初回面接のときに、この方は4kgを目指すという設定をしていただいた上で、2cm・2kgを達成した後も独自の保健指導のフォローアップをしていただくことに関しては、これまでも妨げておりませんし、今後も妨げるものではありませんので、個別の目的に合った保健指導をやっていくというのは、もう先生のおっしゃるとおりなのかなと思っておりますが、制度の中では、一定の2cm・2kgという目安は設定させていただいているというところでございます。
すみません。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。確かに個人に対する指標の評価について今議論しているということで、確かに行動変容が重要なのですけれども、その評価の客観性のことを考えたポイント配分をどうするかというようなことも、重要になってくるのかなというふうに思っております。
では、引き続き、田口構成員、中西構成員、田中構成員、齋藤参考人の順番で、ご発言をお願いいたします。
(田口構成員)
先ほどの生活習慣のアウトカム評価については客観的に改善をどう見込むかというあたりが、私も気になっておりました。具体例を細やかに示していくというところかと思っております。
全般的な話をしますと、今回、セルフケアや自己管理ができるようになるようになるといった特定健診保健指導の目的に顧みて評価するといった生活習慣が評価指標になるのは、私は改定の方向性としてよかったと思っております。
もう1点、プロセス評価のところで議論に挙がっていましたが、1週間以内の初回面接というところの根拠というか、どういう人を対象に評価するのかをもう少し明確にしていただければなと思いました。
また、見える化に関してですが、冒頭で実施内容を挙げて下さっていたものが見える化につながっていけばよいと考えておりました。というのは、今回の改定では、どういう保健指導によって効果があったかの検証が難しかったことから、中山先生が作成くださったものは、次回以降の改定で保健指導の効果検証を基に議論するために大事な指標であると思っております。しかし、食生活や運動の指導ですと大枠過ぎるという印象も持っております。保険者の入力の負担を考えると、項目が多くなるのは難しいと先ほど齋藤先生のコメントにあったのですが、もう少し具体化できるとよいと思いました。
(津下主査) すみません。ちょっと時間を短めにご発言いただけますか。あと5名みえますので。50分をめどで発言の時間が終わってしまうので、よろしくお願いいたします。
(田口構成員) 失礼いたしました。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。すみません。
では、中西構成員、お願いします。
(中西構成員) よろしくお願いいたします。
やはり現場を数多くさせていただいている立場としましては、最初の2kg・2cmというのは、ここを飲み込むのに一保健師としては非常に複雑な部分がありましたが、事業の評価としましては、一定、こういう考え方もおおいにありだろうというふうに今は納得をしております。というのは、やはりこの評価をどういうふうに使うのかというのは保健指導者に任せられているところであり、やはりその方に応じた、3kgの減量が必要なのか、4kgの減量の必要なのかといったところを保健指導しながら、2kg・2cm減ったので180ポイントがついてきたねという保健指導をしていけばいいだろうというふうに思っております。
と同時に、先ほどの喫煙のところですが、やはりこの生活習慣の改善にポイントをつける場合は、喫煙に180ポイントを本当につけてもいいのではないかなというふうに、私も同感です。ですが、食習慣につきましては、例えば朝食を欠食している方が朝食を摂るようになり、非常にカロリーオーバーになって体重が増えてしまうということも十分に考えられる現象ではありますので、ここの中間達成目標のところのポイントのつけ方というのは、私は禁煙だけのほうがいいのかなというふうに思っております。
それからあと、健診当日の初回面接、そして分割のところのポイントづけというのは、健診当日に実施するということも非常にスキルが要るということになりますので、ここをポイントづけしていただけるのは大変ありがたいというふうに思っています。
あと、支援AとBの違いのところですが、ここをクリアーにしていただけると、現場の運用としては、非常に運用しやすいかなというふうに思いました。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
 では、田中構成員、お願いします。
(田中構成員) 特定保健指導の目的から、生活習慣病予防ということで、個人が自ら健康管理ができることを目指していますので、3カ月以上180ポイントの保健指導により終了ではなく、食事や運動など生活習慣を改善し継続していくことが一番大事であります。なかなか成果が上がらないというのは、自己管理を続けていくことが出来ない人が多いと考えられますので、やはり保健指導の質が重要であると思います。それらを評価するには、食生活の改善、運動習慣の改善の過程の評価が必要であると感じます。私は、やはり保健指導を受けた方が、行動変容してずっと続けていけるような保健指導ができることが重要と思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
齋藤参考人、お願いします。
(齋藤参考人) 1件のコメントでした。安田構成員の中のご意見の1点目の質問で、ミクロとマクロというお話があったかと思うのですけれども、我々が作成した指標にちょっと誤解があったらあれなのですけれども、ミクロの指標ではなくて、あくまでマクロで評価するような内容になっております。なので、皆様が今回、ご提示した案でミクロと評価していただいて、それが集計されていったところで、保険者単位もしくは実施、健診代行機関ですかね、委託機関の評価につながるというような指標で、我々のものの中身はなっておりますので、その点、ご参考いただければと思いました。
(津下主査) ありがとうございます。
古井構成員、お願いします。
(古井構成員) ありがとうございます。
今回のアウトカムを重視する方向性は、私も賛同しています。ただ、アウトカムだけではなかなか難しいということでプロセス評価が残るのですけれども、先ほどの資料の9ページ目の法定報告の中身を見ていただくと、これだけのことを集めても、なかなか保健指導の内容というのは本当に個々さまざまなので、そこはまた別途、研究か何かで一保険者ずつ深掘りをすればいいと思いますので、ここで集められる、ほぼ最大ぐらいのイメージかなというふうに思っています。
あともう1点は、先ほどからご意見がありますように、現場の負担が高まると思っていまして、今の津下先生からもご報告があった、例えばアプリとかICTを使って、目標とか行動変容のところがなるべく簡単にチェックできて、客観性が保てるような、そんな仕組みを導入する必要があるのかなと思いました。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
三好構成員、お願いいたします。
(三好構成員) ありがとうございます。
国保の立場から、何点か言わせていただきます。
3ページ目にあります一番下のアウトカム評価のところですが、いろいろ事情がある方に対して行動変容もみる提案をしていただいていることと、それだけでは達成が難しいので、プロセス評価とあわせて目標達成を見ていただけるのは、非常にいい提案だと今回思っています。「禁煙すると」とか、「疾病で体重減少が難しい」のと同じように、高齢者の特性も考慮が必要な点として制度に組み込んでいけるとありがたいと思っております。
それから、9ページのところでは、これは例だと思いますが、中間達成目標という「中間」は、これまでも評価の項目などの中に「中間」というのがあって、それと混同しないように。時期の中間ではなくて、レベルか達成度合いの中間なのか。そこの意味合いが、「中間」という単語ではないほうがいいような気がします。
それからあと、いろいろご説明を受けたときに、20ポイントの項目間の重みづけが、既存ではエビデンスがないので、今後こういうものを設計して、きちんと捉えて検証していきたいというお話でしたので、それであれば、このワーキングの議論などがベースになってスタートするのかなと思い前向きに発言させていただきました。
最後に、9ページにある法定報告の項目ですが、レクの段階では指導内容の項目が並んでいたと思います。本人が立てた目標にするのか、それとも何を指導したかの指導内容で取っていくのかで、だいぶ違いが出るような気がします。既存の項目で見ると、目標を見て、その目標が達成したかどうかを最後のアウトカムで評価するというのが自然のストーリーかなと思うのですけれども、実際に指導した内容が取れないのはちょっと…、それも必要な項目であるなと思っています。古井先生のご意見を伺って、改めてそう思いました。
医療保険者としては、受診勧奨も保健指導のうちの重要な指導だと思っていまして、できるだけメタボリック対策として重症化予防も踏まえて、受診勧奨したかどうかという項目が取れたほうがいいと思います。これは1つの意見です。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
たくさんご意見をいただくことができました。アウトカム評価も入れていくということについては、概ねご賛同いただけているように思いました。
また、行動変容は、客観性をどう担保するのか、このあたりが課題で、客観性があるならば高く評価してもいいけれども、その指標の問題というのがありました。ただ、裏には、こういう目標を登録してもらうことができる、それが適正に登録されるのであれば、保健指導の質を見ることができますが、登録状況というのが適正になされる工夫というのは必要かなと思います。私自身もICTの研究をやってみて、セルフモニタリングのデータがきちんと残っていれば安心なのですけれども、一時的な改善ということで本人の自己評価でいいのかどうか。ちょっと躊躇しながら、でも、一歩進んでいくためには、この指標も必要ではないか、というふうに思いました。なので、セルフモニタリングとか、何かそういう客観性を持ったデータであれば、ポイントを取っていいかなというふうに思いました。
それから、喫煙が、本当に完全に禁煙できれば180ポイント以上の評価というふうに思いますが、禁煙だと6カ月で一応維持期となっていて、まだ不安定な状況でもあるので、本当に禁煙達成をどうポイント化していくのかが課題と思います。ほかよりも重くしてもいいのではないかと、これは同感でもありますが、また吸い始めないような支援というのも非常に重要かなと思いますし。こういうデータが入ってきて、次の年の健診データとかが突合されると、本当にこれが有効であったかどうかの検証ができると。データが同じ基準で残っていくことの有用性というのはありますので、その辺もちょっと視野に入れた制度設計をしていただくのがいいのかなというふうに思いました。
今大変たくさんのご意見をいただいて、まだまだ言い足りないことがいっぱいあるかもしれないのですけれども、厚生労働省さん、いかがでしょうか、構成員の皆様に、今日言い足りないことについては、メール等で期限を区切ってご意見をいただいて、それを厚生労働省のほうで整理していただいて、またご提示いただくような方向性でいかがかなというふうに思ったりするのですけれども、全体を聞いていただいて、いかがでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) 津下先生、ありがとうございます。
確かにいろいろご意見いただいて、本当に客観性の問題を言われるとおっしゃるとおりだと思いますし、アウトカムは重要ではあるからポイントを高くしろと、アウトカムが重要であるというのもおっしゃるとおりです。さまざま意見をいただいて、私たちレベルでこれをどう落とし込んでいこうかなというのは、ちょっと頭を抱え始めているところなのですけれども、確かに今日いろいろご意見いただいて、なるほどなということが多くございましたので、次のワーキングに向けて、今回の議論を一定反映させた形で、今日の資料2のような形にまた落とし込んでいかないといけないと思っておりますので。どういうやり方がいいかな。先生方がもし言い足りない件がございましたら、我々事務局のほうに、ちょっと期限を決めてお寄せいただきつつ、どう落とすかというのは、津下主査と我々のほうで1回つくらせていただくという流れでまとめさせていただくという方向でいかがでしょうか。
(津下主査) その方向でよろしいですか。本日は、そもそも特定保健指導は何を目指したかのかとか、また今まで培ってきたものは何かとか、それから今後進むべき方向性とか、について議論しました。評価指標については妥当性、客観性、あと実現可能性で、実務上の本当に過剰な負担にならないかとか、いろいろな観点でご意見をいただきました。まず新たな方向へ行く一歩を踏み出せればというぐらいのご提案かもしれないのですけれども、一歩、次の段階へ進むような提案をワーキングからさせていただくようなイメージで、厚生労働省さんと検討したいと思いますけれども、ご了承いただけますでしょうか。
〔了承の確認あり〕
(津下主査) ありがとうございます。
ご了承いただいたということですので、事務局、今後、本当に大変だと思いますけれども、整理をしていただいて、今回の段階で、まずは第一歩をどこからやれるか。それで、積み残した課題としては、どういうことをさらに検証していかなければいけないかの整理をいただけるとありがたいかなというふうに思っております。
特に事務局さんより、さらに追加事項はございますでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) 大丈夫です。ありがとうございます。
(津下主査) ありがとうございます。それでは、そういう方向で進めさせていただきたいと思います。
本日も、本当に活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。前に進めるように、これからもぜひよろしくお願いいたします。
本日の議事は、以上で終了いたしました。
事務局より、次回以降の日程や連絡事項等をお願いしたいと思います。
(事務局) 次回の日程は、事務局で調整の上、改めてご連絡をさせていただきます。よろしくお願いします。
(津下主査) ありがとうございました。途中でせかしたりして大変申しわけございませんでした。
本日は、これにて閉会とさせていただきます。
お忙しい中をご参集いただき、活発なご議論をいたたきまして、ありがとうございました。
〔了〕