2022年6月17日 第11回政策評価に関する有識者会議 労働・子育てWG 議事録

日時

令和4年6月17日(金)10:00~12:00

場所

オンライン開催

出席者

玄田座長、岩佐委員、新田委員、松浦委員、皆川委員、村上委員

議事

 
○肥沼室長補佐
少し定刻より早いのですが、皆様おそろいですので、ただいまから第11回政策評価に関する有識者会議労働・子育てWGを開催いたします。政策評価の担当をしております肥沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましては、オンラインでの会議開催に御協力をいただきまして感謝申し上げます。今回はオンラインでの開催となりましたので、御不便をお掛けすることもあるかと存じますが、会議途中で不都合が生じた場合には、WEBEXのチャット機能又はお電話にて事務局まで御連絡いただきますようよろしくお願いいたします。
本日は、厚生労働省における政策評価に関する基本計画が令和4年度から第5期になってから初めての会議でございます。また、委員の皆様の改選も行いましたので、労働・子育てWGの委員の先生方を御紹介させていただきます。
初めに、前期から継続される委員につきまして50音順で御紹介させていただきます。岩佐嘉彦委員、玄田有史委員、新田秀司委員、皆川宏之委員、村上陽子委員でございます。続いて、第5期から御就任される委員につきまして御紹介させていただきます。松浦民恵委員でございます。当ワーキングの座長については、当省より玄田有史委員にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議に当たり御注意いただきたい点を申し上げます。本日の会議では、事前に委員の皆様にお送りした会議資料を使いまして議事を進めさせていただきます。会議中は、御自身が発言される場合以外はマイクをOFFにしていただき、音声はミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。御発言の御希望がある場合には、WEBEXの「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って、発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認した後、発言者を座長が指名いたしますので、座長から指名を受けましたらミュートを解除し御発言ください。発言に合わせて御自身の映像を御表示される場合には、「ビデオを開始」をクリックいただければ、皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。御発言が終わりましたら、再度マイクをミュートにするとともに、ビデオも停止していただくようお願いいたします。
会議に先立ちまして、担当参事官の山田から御挨拶を申し上げます。
 
○山田参事官
参事官の山田でございます。有識者の皆様におかれましては、日頃より厚生労働行政の推進に多大な御協力をいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。
本日は、第11回の厚生労働省における政策評価に関する有識者会議労働・子育てWGにお集まりいただき、ありがとうございます。国民の皆様の厚生労働行政への関心は高く、政策の評価を客観的に行い、実効性の高い政策に向けて改善を続けていくことの重要性が増していると考えております。厚生労働省では、本年3月の政策評価に関する有識者会議において、それまでの御議論を踏まえ、政策体系の改定と併せて有識者会議とWGの運営上の工夫、評価書の分かりやすさの向上、分野横断的な課題の評価の実施、こういった見直しを行うことについて御議論を頂きました。そして、4月から第5期に入りました。有識者委員をお務めいただくこととなりました皆様、ありがとうございます。
本日は、令和4年度の実績の評価を行うこととなる4つの政策につきまして、事前分析表の御議論をいただきます。忌憚のない御意見を賜り、当省における政策評価を推進してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○肥沼室長補佐
それでは、概要ペーパーの2ページにも書いてありますが、今回の会議で特に確認いただきたい論点を、あらかじめ事務局から幾つか御紹介差し上げます。
まず1点目、課題が過不足なく記載できているかどうか。課題に対応した目標設定ができているか。目標に見合った合理的な指標が設定されているか。測定指標は、可能な限りアウトプット、アウトカムの双方が設定されていることが望ましい。また、アウトカムも、短期的なものだけでなく中期的、長期的なものも設定していただくことが望ましい。また、「主要な指標」を選定しておりますが、その理由は妥当かどうか。また、目標値が適切な水準に設定されているか。最後に、目標値を設定することは難しいけれども、現状把握のために役立つような情報は参考指標として設定されているか等々について御確認いただければと存じます。
それでは、議事を進めたいと思います。本日の議事進行については座長の玄田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
本日は、議事次第にありますとおり、「令和4年度実施施策に係る政策評価の事前分析表(案)」を中心に委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
それでは、本日の議論の具体的な進め方について、事務局より改めて説明をお願いいたします。
 
○肥沼室長補佐
皆様、お手元に参考資料3を御用意ください。参考資料3の「政策評価実施予定時期」を御覧ください。この表は、第5期基本計画中の5年間の評価実施予定時期を示したものです。本日は、先ほどの御案内のとおり、令和4年度事前分析表(案)のうち、令和5年度に実績評価を行うものについて、事前に目標値の妥当性等々について御議論を頂きたいと思っております。
具体的には、議事次第に記載されている4つの施策目標について御議論いただきますが、本日はこちらの都合で恐縮ですが、1と2の順番を入れ替えて、2の雇用の創出及び雇用の安定、施策目標番号で言うとⅤ-2-1を最初に議論するテーマといたします。その後に1の施策番号Ⅲ-3-1を御議論いただきます。なお、テーマごとに担当課の入替えを行い御議論いただきます。テーマによって、多少は時間が異なりますが、まず、担当課より10分で説明を行い、その後、約15分程度で御議論いただく形で進めていただければと思います。
なお、会議資料の「概要(事前分析表のポイント)」の2ページ目に、先ほど私が一部ピックアップして御説明をしましたが、事前分析表の確認すべき主な事項をまとめておりますので、こちらも適宜御参考いただいた上で、委員の皆様から御意見を頂ければ幸いでございます。事務局からは以上です。
 
○玄田座長
それでは最初のテーマ、施策番号Ⅴ-2-1の「社会・経済状況の変化に対応しつつ、地域、中小企業、産業の特性に応じ、雇用の創出及び雇用の安定を図ること」について、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○職業安定局
雇用開発企画課長の中村でございます。本テーマは大変多くの担当にまたがっておりますが、私からまとめて御説明を申し上げます。資料2-2の概要の中の1ページ、施策目標Ⅴ-2-1です。こちらは、基本目標Ⅴの下に、大目標としては雇用機会の創出と雇用の安定ということで、施策目標の1番、社会・経済状況の変化に対応しつつ、地域、中小企業、産業の特性に応じ、雇用の創出及び雇用の安定を図ること、この目的に沿った施策です。
まず、現状ですが、1番目として足下の情勢です。1にあるように、コロナ前から構造的な課題として、日本の人口が減少し又は高齢化も進む中で、労働供給制約があり、人手不足が多くの分野で深刻化してきたということがございました。それから、足下の情勢を見ると、コロナ禍と言いつつ、求人に持ち直しの動きも見られており、今、日銀の短観を見ても宿泊、飲食サービスも含め、全ての分野において人手不足に寄っている状況です。
2番、地域雇用の現状は、引き続き東京などへの労働力の集中がまだ続いているところです。併せて、地域において雇用機会が少ないという指摘もあります。実際に、有効求人倍率を都道府県別に見ても、1倍を下回る水準が昨年末の段階でまだ見られ、一部の地域からは都会のほうに仕事を求めて人が動くという状況が変わっておりませんでした。
3番目、雇用維持と労働移動です。まずは、コロナ禍で雇用調整助成金などの特例措置により、事業主の雇用維持を強力に支援してきたところです。それから、人手不足感が大変強い中で、なかなかまだ人の動きというのが見られなくて、ミスマッチもありますし、あとは人手不足産業、それから成長分野といった所で、人が必要なのになかなか来てもらえないというお声が多く、政府も人の移動、人を育てて、しっかり必要な所にお送りしていくという取組を今年度も強めていくところです。
こうした背景の下に、課題を4つ挙げております。1つ目は地域の関係の課題、地方に魅力的な雇用の場をつくる、UIJターンを支援する。主な達成目標としては、地域活性化雇用創造プロジェクト事業、これは地域の自治体や経済団体が一緒になってテーマを設定し雇用づくりに取り組んでいただく事業ですが、これを利用した求職者の正社員就職件数、それから事業を利用していただいた事業所さんの正社員の雇入れ数を事業の達成目標としております。
達成目標の2番、中小事業主等を対象とした雇用管理改善です。課題としては、中小事業主、雇用管理の在り方についての課題を基に、指標としては、人材確保支援助成金(中小企業団体助成コース)、これは中小企業団体が傘下の企業に対して人材確保などのセミナー等の事業をしていただいた際の助成ですが、これが終わったときに、それぞれの参加した企業の求人の充足率がどうだったかというアウトカム、併せて、人材確保等支援助成金の外国人労働者の事業が終わった後の定着率のアウトカムを指標としております。
課題の3番目です。人手不足分野についてですが、特に介護や建設分野をはじめ、各産業分野で人材不足である状況がある。目標としては、これらの事業主を対象として、雇用管理改善等の取組を分野別に集中的に行うという目標を掲げていて、具体的には、人材確保等支援助成金の介護分野や建設関係分野の支給後の労働者の定着率。この事業は、例えば介護分野で働きやすくするために介護機器を導入していただいた場合に、離職が低下することを期待している事業、それから、建設分野において、女性や若者向けの建設のインターンシップや、あとは段階的なキャリア形成支援を行う場合の費用助成がメインのメニューです。ほかのアウトカムとして、6番以降に書いてあるとおりの指標を設定しております。
課題の4番です。これは、人手不足や成長分野に対して、どのような人の送り込みを行っていくか、また、失業をどのように予防していくかという点で、目標としては、転職・再就職支援、出向・移籍支援、それからやむを得ない場合には、休業で一時的な雇用維持を行うことといった点があります。目標のアウトカムですが、まずは労働移動支援助成金の対象となったもののうち、3か月以内の再就職者の割合を見る。この助成金ですが、事業縮小時に余剰の労働力が出た場合の再就職活動援助をする場合に、専門の会社が入った場合の助成などを行っている事業です。そのほか、11番以降にあるようなメニューがあります。
事務局からの説明は以上です。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
簡潔に御説明いただき、ありがとうございました。では早速、ただいまの説明について、御意見や御質問などお願いいたします。大部にわたる内容ですので、若干、質疑の時間が延びても差し支えないかなと思っておりますので、御自由に御意見を頂ければと思います。どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。手を挙げても、手を振ってもいいです。聞こえていますか。
 
○新田委員
経団連の新田でございます。御説明ありがとうございました。まず、今回資料として概要をそれぞれお示しいただいております。前回のときに議論をさせていただいて、このような形でということで、今回がその初回ということでございます。お陰さまで非常に効率よく資料を見ることができましたので、改めて、関係者各位の皆様の御協力に感謝を申し上げたいと思います。お手数をお掛けすることになっていると思いますが、是非、この形で、続けていただければと考えているところでございます。
さて、本題の中身のほうでは、非常に多岐にわたる内容で、関心の高い事項がいくつかありますが、私から1点だけ申し上げたいと思います。指標の10、労働移動支援助成金の所です。資料2-1に基づいて、内容を拝見いたしました。全体で対象となった者の数が173人で、それに対して実際に再就職を果たした方が152人ということで、非常に高い達成率を実現しているということで、この点は非常によいと思っております。
一方で、ここの10の部分が主要な指標と位置付けられて、丸が付いているのですが、このように、人数的にかなり少ないものを主要な指標として位置付けていいのかということについては、若干疑問があるところです。なぜこの10番を主要な指標にしているのかという理由を教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
まとめて御意見を頂いてからでもいいですか。では先に、皆様のいろいろな御意見を一旦まとめてお答えいただきますので、どうぞ続けて、いかがでしょうか。
 
○村上委員
まず新田委員からご指摘のあった点ですが、測定指標10に関して、私も同様の意見で、これがなぜ主要な指標なのかという疑問がございます。また、労働者が望む就業先へステップアップしていくということであれば、労働条件の向上や定着に関する状況も把握して、労働移動の質に関する指標も設定いただくことが必要ではないかと思います。
また、達成目標3に関して、主要な指標ではないのですが、測定指標の6と7の介護労働者の雇用管理責任者の点がございます。以前から関わりを持ってきたので関心を持っているのですが、介護労働安定センターが実施される雇用管理責任者の講習を受けた所では、雇用管理責任者の選任をする割合が高い一方で、全体として見れば、継続して5割程度にとどまっているというところを見ると、やはり、講習を実施していただく事業所あるいは受講者をどのように増やしていくのかということが重要と思います。その点、少し予算的にどうなっているのかというところ、もう少し方策について御検討いただけるのかどうかというところをお聞かせいただければと思います。
 
○玄田座長
分かりました。では、皆さんよろしければ。では、中村さん、この前の段階でいいですか。
 
○職業安定局
御指摘ありがとうございます。まず、労働移動の施策目標10番の点をお答え申し上げます。こちらに挙げているのが、この課題である労働移動というお題に対して、直接的に政府として施策を講じている一番大きなものが、この労働移動支援助成金となっていることから、こちらをお挙げしております。ただいまお二方から御指摘を頂いたように、助成金はこれなのですが、施策としては、ほかにもいろいろございまして、例えば、労働移動のセンターのほうで転職の御案内をしたり、出向のプレースメントをしたり、そういった成果もたくさん上がっているところです。ほかに、労働移動を支援する、例えばハローワークの取組なども多く講じられているところです。
今般は、この特定の支援策として上がっているものですから、こちらだけお挙げしておりますが、また少し中で相談もして、実態をよく示せるような形でお示ししてまいりたいというように存じます。
2点目の介護労働者の件です。こちらは、まず介護労働分野の雇用管理責任者自体が法定で義務になっていないので、できるだけ置いていただきたい。そのために、しっかり人材を育成して入れていっていただこうということで、成果を見ていると、この管理責任者を置いていただいている事業主さんのほうが、離職率が多少低いような成果も統計上は見えてきているところです。ここも力を入れてやっていきたいところではあり、毎年、状況の調査などもしておりますので、引き続き、この対策としてきちんと進めてまいりたいというように考えております。ありがとうございます。
 
○玄田座長
そのほかいかがでしょうか。皆川さん、何かございますか。
 
○皆川委員
資料の御説明ありがとうございました。達成目標2、3辺りの所でお伺いしたいところがあります。まず、達成目標2です。助成金に係る支給を受けた構成中小企業者の求人充足率で、目標値(参考値)を35%とされているのですが、この達成値はもっと高いように思うのですが、35%で維持されていることの理由などがありましたらお聞かせいただければと思います。
次の達成目標3についても簡単にお伺いしたいのですが、こちらは外国人労働者就労環境ですので、これはここの位置付けで適切かということなのです。外国人の指標は別の箇所、目標でも、何かあるかと思うのですが、ここに外国人就労者の指標を入れられたことについて、何かあればお聞かせいただければと思います。
最後に、少し大きな所ですが、今回の施策目標1で、全体的に地域、中小企業、産業の特性に応じ、雇用の創出及び雇用の安定を図るということが目標とされていると思いますが、これは、今回、課題から達成目標とその指標を見ますと、何か特に地域の特性に応じて雇用の創出や雇用の安定を図るというところが、何か地域にフォーカスしたものがないように見受けられたものですから、この辺りのところ、何か地域の特性に応じた目標が適切なものがないのかどうか、その辺りのところをお伺いできればと思います。長くなって申し訳ありません。以上です。
 
○玄田座長
では、お答えいただいてよろしいでしょうか。
 
○職業安定局
御指摘ありがとうございました。お答えします。まず、人材確保等支援助成金の中小企業コースの目標が、なぜこのように低いかという点ですが、事前に御説明申し上げた際にも、多くの方から御指摘いだいておりました。そもそもハローワークの平均でという点で申しますと、12、13%ぐらいの現状である中で、それよりも高い目標を置こうということで、毎年この35%で続けてまいりましたが、一方で、実績を見ますと、70%台の高いものが続いてまいりました。これはあんまりだということで、個票の2-1の中にもありますとおり、令和4年度からは目標値を70%といたしまして、過去の平均も見ながら、過去の実績よりも少し低めに達成しましたのが、今、人手不足局面でもあって、割とその引きもあって、必ずしもここに定着するかどうかということなどもあるものですから、中小企業を対象としているもので、人材確保がなかなか難しい局面に今入っていこうとしているところなので、やや低めに、しかしながら、例年よりもかなり高い水準で設定をさせていただいたところです。御指摘ありがとうございました。
外国人の件です。おっしゃいますとおり、人手の確保の点という部分ですと、例えばほかの課題3とか4とか、違う所でも同じように人手を確保していくという観点は出しているところです。一方で、まずは人材確保等支援助成金という枠組み自体が、入った方をいかに定着してもらうかに主眼を置いた助成金体系となっており、この観点からここに置いていること。それから、実際に今、日本の中小企業で人手不足で、外国人の雇用を大変熱心に進めて、いろいろな工夫を個社なり事業主団体なりで進められている所も広がっているものですから、一番ふさわしいのはここではなかろうかということで、この2に置かせていだいております。ありがとうございます。
 
○玄田座長
お願いします。
 
○職業安定局
地域雇用対策課長の竹内です。よろしくお願いします。御指摘いただきました地域雇用の観点での地域の特性に応じた目標の設定ということですが、お答えになるかどうかあれですが、私どもの1に掲げております地域活性化雇用創造プロジュクトの事業の仕組み方が、もともと産業の活性を目指すというようなコースの設定の仕方、それに基づいて応募する各都道府県が、自県の中長期的なプランとか、そういったものに掲げる内容を実現させていく1つのプロセスとして、この事業を活用いただくという形でやってきております。
私どものほうで1つの枠をはめて提案をさせているというスタイルで、令和3年度からは地域再生コースなどというものも作りまして、コロナで影響を受けた所の活性を図るようなコースを設定したりしていますが、御指摘のように、地域の特性をとらまえた対策をこちらから全て用意するのも非常に難しいです。令和4年度から、地域ごとに都道府県ごとに抱えている課題をまず明確化していただいて、それぞれの県が抱えている、例えば女性・中高年求職者をどうにかしなくてはいけないという対策とか、若年の対策とか、UIJターンといった対策とか、そういったものを求職者側で抱えている、また、企業に対する対策はどういうものがあるかと、それぞれの部局で抱えているような課題がある。これをまず今申し上げたように、県が抱える課題に対して対策を組み合わせていく。その結果として、私どものこの事業の中で、事業主向けのセミナーとか、求職者向けの人材育成セミナーとか、そういったものをセットし、またマッチングのメニューを仕立てていくというような取組にして、令和4年度からそれを都道府県のほうで自由にテーマを決めていただく、課題に応じて全て自由にテーマを決める。
 
○玄田座長
少し簡潔に御説明ください。
 
○職業安定局
というような、自由度を増したようなことをしておりますので、特性に応じた対策ができていくのではないかと考えております。
 
○皆川委員
ありがとうございました。その方向でよろしくお願いします。
 
○玄田座長
中村さん、どうぞ。
 
○職業安定局
皆川先生に頂いた御質問で1点ほど補足をさせていただきます。最初の外国人の御指摘ですが、施策のⅤ-3-1で、先生がおっしゃいますように、高齢・障害・若年や外国人材等の雇用安定促進を図ることという施策目標が、今のこの枠のものとは別途あり、先生は、そちらに置いてないのはどうしてかという御質問だったのかと存じます。私の狭い世界の中で勘違いいたしまして、恐れ入りました。
その理由ですが、施策Ⅴ-3-1のほうは、外国人労働者自身の観点から、御本人のための雇用の安定を図るという目的になっております。一方で、私どものこちらの目標は、事業主の観点で、せっかく入ってくれた外国人をいかに離職せずに定着してもらうかという点です。この人材確保等支援助成金自体が、そのようなせっかく入った人をしっかり長くいていただくための施策を講じる助成金であることから、ここに入れました。恐れ入ります。ありがとうございます。
 
○玄田座長
追加の御説明をありがとうございました。
 
○皆川委員
よく分かりました。ありがとうございます。
 
○玄田座長
松浦さん、いかがでしょうか。
 
○松浦委員
大部な資料を御準備いただきまして、本当にありがとうございました。ほかの方は分かっていらっしゃるのかもしれないので大変恐縮ですが、指標の4について質問させていただきたいと思います。介護福祉機器助成コースの支給を受けた事業主の事業所における、支給後6か月後の労働者の定着率ということで、指標を立てていただいているものですが、まず1点目として、測定指標の選定理由の2つ目のポツに、本来助成すべき定着率の低い事業所への支給が進んだことで、労働者の定着率が低く算出されやすくなることから、助成金の趣旨を踏まえ、正しく評価できるようにということで、事業者単位から労働者単位に定着率の測定を変更すると書かれています。その点がよく理解できませんでした。定着率の低い事業所に支給が進むのは喜ばしいことだと思うのですが、助成を受けてから6か月に限定するのであれば、必ずしも低く算出されないのではないかというのが、まず1点目の疑問です。
あとは、令和2年の35.1%が低い数字になっているというところに御懸念点があるのかもしれませんが、事前分析表のポイントの資料の14ページで、令和2年度がブランクになっていて、なおかつ、目標を支給6か月後の労働者の定着率ではなく、支給後6か月後の定着率が前年同期に比べ改善した事業所の割合と設定しているため、と書いてあります。令和2年度の目標設定を、違うやり方で算出された、つまり達成目標の趣旨を変更されたということでしょうか。変えたのかどうか、変えたのであればその理由を教えていただきたいのが2つ目です。
3つ目は、そもそもの疑問ですが、事業所単位と労働者単位というのは、どういう意味でしょうか。以上3つです。
 
○玄田座長
では3点、御回答をお願いします。
 
○職業安定局
職業安定局介護労働対策室の石井と申します。お尋ねの件についてです。令和2年度の目標についてですが、令和元年度までは労働者単位で目標を設定していたところを、事業所単位での設定に変更しております。平成30年度、令和元年度については、介護労働者は産業計と比べ離職率が高い傾向にあり、そういった事情もありまして、目標未達成であったと考えております。令和2年度は様々な事情を踏まえまして、これまで労働者単位で見ていたところを事業所単位で見ております。事業所単位というのは、労働者が1人でも減ったとしたらそれは悪化と判断されます。
事業所単位の測定方法としますと、先ほど申し上げましたとおり、1人でも離職者が出るとその事業所は悪化と判断されてしまいます。そういった測定方法であったため、結果として大幅に目標未達成となってしまったと考えております。
 
○玄田座長
松浦さん、いかがですか。
 
○松浦委員
まず、令和元年度までは労働者単位で、令和2年度に事業所単位に変更されたということなのですが、労働者単位での定着率とは何ですか。
 
○職業安定局
労働者単位ですと、例えば、ある事業所で100人労働者がいまして、そのうち離職者が30名出たとしたら、離職率は30%(定着率70%)といった労働者の数を基準にした算出方法です。
 
○松浦委員
それは事業所単位と何が違うのですか。
 
○職業安定局
事業所単位ですと、数を基準にすることは変わりないのですが、例えば100分の30(30名の離職者を100名の労働者で除すると)であった事業所が、100分の31(31名の離職者を100名の労働者で除すると)となりましたら、悪化した事業所は1件といったカウント方法です。
 
○玄田座長
いずれにしても、これは分かりにくいという御指摘があるのは間違いないので、この表現ぶりとか、内容の書き方とか、改めて御検討いただければと思います。
 
○職業安定局
貴重な御意見をありがとうございました。検討させていただきます。
 
○玄田座長
岩佐さん、何かありますか。
 
○岩佐委員
私から、取りあえず、まず達成目標1の指標のところで教えていただきたいのですが、雇用を促進するということで、こういうプロジェクトをしていて、そのプロジェクトを利用している人が多いということは、何となく雇用を確保するというか、広げることに良い影響を与えているのかなという感じはするのですが、ただ、これは事業をやっている、その事業を利用している人が何人いるかということが基本的には書かれていることになるので、実際問題、そこの地域での雇用の創出とか、定着とか、就職とかに、どういう影響を与えているかが、もちろん雇用の関係は経済情勢とかでいろいろ変わるから、そう簡単には言えないということは承知しつつも、考察としては、ここの員数がこう増えると、ほかのこういうデータからしたらこうなのだというような、何かそこの考察と結び付かないと、ここだけで指標とされると難しいと思いました。
これは何か先ほどの介護の関係とかも共通なのですが、私からは、達成目標1について、この指標で、端的に言うと、状況が改善しているかどうかの指標になるのか、若しくはほかの数値とかも併せて考えないと難しいのではないかとか、その辺りを教えていただければと思います。
 
○玄田座長
御回答をお願いします。
 
○職業安定局
地域雇用対策課長の竹内です。御指摘ありがとうございます。今の指標の比較の仕方は、他の指標との相対的な比較とか、なかなか難しいとは思います。御指摘のとおりだとおもいます。この指標を見ていますのは、先ほど御説明いたしました事業主向けと求職者向けのそれぞれのメニューを立てますが、それに参加した人数とか、企業数とか、事業所数とか、そういったものがアウトプットでカウントされています。その参加された事業所が年間に新たに雇用した数、これをアウトカムとしています。それから、求職者側は、この事業に参加した求職者の方が何らかの形で新たに就職が実現した、これを後追い調査してアウトカムとしています。その指標がここに並んでいるものです。
そういう意味では、そこの県が基本単位3年間を上限としてこの事業をやりますので、3年間で計画を組んでいって、雇用が少しずつ増えていくような取組をしていると、それが達成されていれば、そこの県として雇用が増加していることをアピールできるということだと思っております。
 
○玄田座長
岩佐さん、いかがでしょうか。
 
○岩佐委員
こういう形でしかなかなか指標は作れないのかとも思いつつ、他方で、それを利用したから増えたのか、そうでなくてももともと増えたのかとか、全体の中でどのようなインパクトがあったのかとか、考察というか、何らかの形では考えたいという思いはあります。もちろん、とてもそれをきっちり検討するのは難しいということは分かりつつ、考察は何らかの形でしたいという、そういう印象です。
 
○職業安定局
御指摘ありがとうございます。こちらのほうでも、その辺を踏まえて、今後また適切な指標を別にできないのかといったことも考えてまいりたいと思います。
 
○玄田座長
私も一言だけ。今の全体の御議論とも関連していると思うのですが、昔、雇用創出という、英語でジョブ・クリエーションと言うのですが、いろいろ研究していたこともあったので、それを踏まえて申し上げます。こういうジョブ・クリエーションとかのポリシーは3種類あって、マクロ・ポリシーと、セクトラル・ポリシーと、マイクロ・ポリシーという、それぞれ視点が大事です。意外と雇用を作るにはマイクロ・ポリシーというか、個々の企業なりにピンポイントで必要とされているものをやらないと、雇用は増えないと。だから、促進税制とかはかなりマイクロ・ポリシーとかで。それがすごく大事だと。あとは、こういうセクトラル、ここで言う地域とか、企業規模とか、産業、それも大事だということで言われているので、そういう意味ではメニュー、全体的にセクトラルか、一部マイクロなポリシーで、それはそれでいいと思うのだけれども、皆さんがおっしゃるように、では結局、マクロ的にどれだけインパクトがあったのかというのが、この指標だけだと分からない。セクトラルにはある程度効果があったかもしれないけれども、全体を見てどれだけの効果があったのかが、多分国民が知りたいのはそこのところで、冒頭に中村さんがハローワークのことをおっしゃったりとか、そこは、もちろん岩佐さんが言われたように難しいのだけれども、マクロ・ポリシーというと、財政制度、金融政策、労働政策、それぞれが影響あるので、そこから労働政策の効果だけ取り上げるのは難しいのはそのとおりなのですが、政策評価はそれ以上に、全体的にどれだけ効果があった可能性があるのかは、やはり示したり、考察しないと、みんなが期待しているものから少しずれている。ご免なさい。設定の仕方がずれている感じは否めないと少し思いましたので、これを着々と推進する以前の段階で、こういう特に達成目標ですか、それと合わせた指標をもう少し御検討いただくほうがよろしいかと思いました。
 
○職業安定局
ありがとうございました。私どもも常日頃感じている部分です。雇用政策で難しいのが、なぜ雇用が生まれたのか、安定できたのかというところが、この世の中のいろいろな事象の最終形としてできているものですから、必ずしも雇調金だけによって雇用が維持されたわけではないかもしれないとか、そういうことがあるわけです。
私ども政策担当者は、この雇用対策を講じるとき、いつも考えるのが、施策にお金を掛けて、死荷重がどのくらいあるのか、deadweight lossですね。お金をかけなくてももともとできていたのではないかという部分が、余り大きくならないようにするにはどうするか。そういう視点で新しい制度の仕立てを考えるときには、支給要領ですごく詳しく詰めたりとか、制度の構造自体を、そういうものができるだけ排除される形で作ったり、かなりの工夫を試みております。しかしながら、最後の最後、この施策があったから、こうなったかというのは、事業主御本人とか、就職した御本人しか分からない部分もありますし、もしかしたら、御本人でも、それはどのくらい効いているけれども、それだけが理由ではないこともあるのかもしれません。施策を考える担当者の立場で、みんながそういう思いを抱えながら、いつも工夫をして取り組んでおります。先生の御指摘をよく耳に刻んでやってまいりたいと存じます。ありがとうございます。
 
○玄田座長
餅は餅屋みたいなところがあって、今、中村さんがおっしゃったようなことを明らかにしたいと思って、大学の労働経済の先生も勉強されていたり、上石神井の方々も、ああでもない、こうでもないとおっしゃっているのだろうと思うので、その辺りは、是非またいろいろな専門家の方とも御相談いただきながら御検討いただければと思います。何か御意見はよろしいですか。
 
○岩佐委員
1点だけよろしいでしょうか。
 
○玄田座長
岩佐さん、どうぞ。
 
○岩佐委員
今、私もそういう趣旨でも申し上げたのですが、もう一方で、それほど深く考えているわけではないですが、例えば沖縄の中での雇用事情が悪いというのが、単に経済政策としてどう考えるかという問題もあるけれども、恐らく社会構造上、そこを選んだわけではないけれども、そこでお住まいで、なかなか難しいというのもあるので、もちろん全体的にお金を掛けて効果があったかという問題もあるけれども、御本人のせいでないというか、そういうことで、そういう所に追い込まれている人に手を差し延べて、お金を使ってやっていくと、そういう側面も施策の中できっとあると思うので、その辺は両論をにらみながらという面もあるかというのを、すみません、一言だけ。
 
○玄田座長
ありがとうございました。大分時間も超過しましたので、もし差し支えなければ、最初の議題は以上とさせていただきます。では、是非、この点を踏まえて、引き続き、事前分析表の御検討を、反映をお願いいたします。ありがとうございました。では、次のテーマに移りたいと思いますので、御準備をよろしくお願いします。
それでは、2つ目のテーマ、施策番号Ⅲ-3-1「被災労働者等の迅速かつ公正な保護を図るため、必要な保険給付及び特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給を行うこと」について、担当課から、10分程度で御説明をお願いします。
 
○労働基準局
労働基準局補償課長の西岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは私どもから被災労働者等の迅速かつ公正な保護を図るために必要な保険給付等につきまして、御説明を申し上げたいと思います。まず、概要資料の1ページを御覧いただければと思います。基本目標としては、働く人が安心して安全で快適に働くことができる環境を整備するということでございまして、施策目標の1として、被災労働者等の迅速かつ公正な保護を図るため、必要な保険給付及び特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給を行うこと、となってございますので、まず私から必要な保険給付に関する部分を御説明申し上げたいと思います。
これらの施策につきましては、不幸にしてけがをされた方ですとか、それから亡くなられた御遺族に対しまして、労災保険給付の迅速、適正な処理によりまして、早期救済を図っていこうというものでございます。予算的な規模につきまして、資料は事前分析表に書いておりますが、この施策に係る労災保険給付の予算規模につきましては、令和3年度で約7,700億円、それから執行率につきましては約94%ということでございます。また事務費に当たる労災保険業務に必要な経費につきましては、同じく令和3年度で約290億円、保険給付額に対しまして、3.7%となっております。
そういう状況でございますけれども、まず現状、課題、目標につきまして、ポンチ絵で御説明を申し上げたいと思います。現状でございます。左に書いてございますけれども、令和2年度の労災保険給付の新規受給者数につきましては約65万人ということで、中でも複雑困難事案の多い精神障害の事案につきましては、請求件数が令和2年度で約2,000件、決定件数が約1,900件ということで年々増加しているという状況でございます。課題といたしましては、請求件数が依然として多い状況の中で複雑困難事案も増加しているという状況でございますので、迅速、公正な決定をしっかりやっていくという必要があるところでございます。
目標につきましては下に掲げておりますが、労災保険給付における請求から決定までの所要日数の短縮を掲げております。測定指標目標といたしましては、アウトプットといたしまして、労災保険給付の請求から決定までの所要日数、それから先ほども申し上げました複雑困難事案でございます精神障害の請求から決定までの所要日数を目標として設定しております。
まず目標の前に現状・課題の詳細なところを御説明いたしたいと思いますので、4ページを御覧いただければと思います。こちらでグラフを出しておりますが、新規受給者数です。こちらについては令和元年度までに年々増加ということですが、令和2年度については、減少という状況でございます。5ページは先ほど申しました精神障害、それから脳・心臓疾患に係る労災請求等の状況ということでございまして、左は脳・心臓疾患ということで、請求につきましては増減がございますけれども、800件程度と高水準で推移をしています。右の表の精神障害のほうは、御覧のとおり年々増加ということで、元年度まで7年連続で増加しておりましたが、2年度はやや減少で、いずれにしましても増加が著しいという状況ではございます。
それから6ページです。今、正にコロナ禍ということで新型コロナウイルス感染症に係る請求と、その状況をまとめたものです。業務によって新型コロナウイルスに感染した場合は労災保険給付の対象になるということでございまして、令和2年3月に初めて請求があって以降、年々増加をしているということです。昨年度は請求件数が御覧のとおりということで、約2万3,000件ということで、令和2年度の約3倍という状況でございます。特に最近増加が著しい状況でして、令和3年度は毎月大体2,000件程度の請求だったわけですけれども、本年度に入りまして4月が8,000件、5月が7,000件ということで急増しているという状況でございます。
具体的な目標設定の状況ということで、事前分析表を御覧いただければと思います。まず中程の所ですが、各課題に対応した達成目標ということで、先ほど申し上げましたように、労災保険給付における請求から決定までの所要日数の短縮ということで、達成目標1として、測定指標のアウトプット目標、これを2つ掲げてございます。労災保険給付全体につきましては、令和4年度の目標値は前年度以下、精神障害事案につきましては令和4年度の目標値は215日に設定をしております。目標設定にしております理由につきましては、右端の所に書いてありますけれども、1点目につきましては、被災労働者等に対しまして迅速に労災保険給付を行う必要があるということで、標準処理期間は1か月ということであることも踏まえまして、前年度以下としているところでございます。
2点目の精神障害の請求から決定までの所要日数です。こちらにつきましても迅速に労災保険給付を行う必要があるということで、前年度の実績は年々少し長くなっている状況でございまして、255日ということですけれども、私どもが設定しております標準処理期間は8か月、240日であることを踏まえまして、過去の基準値で215日としているところでございます。
労災補償業務につきましては、厳しい業務体制の下で急増する行政需要の中ではありますけれども、精神障害の労災保険給付をはじめといたしまして、さまざまな業務への適切な対応が求められておりますけれども、今般の数値目標を踏まえまして、引き続き迅速・公正な処理に努めてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
 
○玄田座長
あと2分ぐらいでお願いします。
 
○労働基準局
分かりました。労働基準局建設石綿給付金認定等業務室長の先﨑と申します。私は事前分析表のほうを使いまして簡単に御説明させていただきます。事前分析表の施策の概要の2つ目のポツでございます。昨年5月17日に建設アスベストの訴訟でございますけれども、石綿によって建設労働者の方が被害を受けられたということで、国家賠償請求訴訟が提訴されておりましたが、5月に最高裁判決が出まして、国の責任が認められたということでございます。既に裁判提訴された方については、裁判上で賠償するということになっておりますけれども、未提訴の方につきましては、裁判を要することなく行政で給付金を支給するということで、議員立法でございますけれども、特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律が成立いたしまして、今年1月19日から施行しているところでございます。
その下の施策実現のための背景・課題、さらにその下の達成目標の所でございますけれども、1月から施行しておりますので給付金等の支給を円滑に行うことが課題となっているところでございます。裏面の達成目標でございますが、達成目標2について書かせていただいておりますけれども、この給付金法が議員立法として被災者に対する賠償を行うという趣旨でございますので、着実に行うということではございますが、支給件数を目標値としてはしておりませんけれども、現状を把握するための指標であるということで、参考指標として登録させていただいております。そのほか達成手段4で予算を書かせていただいておりますけれども、制度の趣旨でありますとか、認定に当たっては、認定審査会で御審議いただくことになっておりますので、そういった予算を確保して、着実な施行に努めているところでございます。以上でございます。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。どなたからでも結構です。
 
○新田委員
詳細な御説明、ありがとうございました。私から1点、確認をさせてください。達成目標の指標の1で労災保険給付の請求から決定までの所要日数がございます。かなり短い日数で達成されていることが示されております。労災保険給付には、療養補償であったり、休業補償であったり、障害や遺族などさまざまな保険給付があると思いますが、それぞれの給付において例えば日数の違いはあるのでしょうか。もし、大体同じであれば、同じということ、違うようであれば、それぞれ日数を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
 
○玄田座長
簡潔にお答えください。
 
○労働基準局
多くは先ほど御指摘ありました療養補償給付や、休業補償給付ということで、これは私ども標準処理1か月ということで定めておりますので、大多数はこちらになります。ただ、それ以外にも障害補償請求ですとか、こちらのほうは標準処理が3か月になっておりますけれども、全体として困難事案以外は基本的には目標値としては1か月でやっていこうということでございます。
 
○玄田座長
新田さん、いかがですか。よろしいですか。
 
○新田委員
私の質問の仕方が悪かったようで申し訳ありません。目標値を十何日と定めていて、実際その実績が18日と資料1-1で書かれているのですが、それで療養給付とか休業給付とか障害とか遺族とか、その中でも決定までの所要日数に大きな違いがあるのかということをお聞きしたかったのですが、その辺りはいかがでしょうか。
 
○労働基準局
実際には、それぞれ短く処理できるものと、若干長くなっているものがございますが、その平均値としてこの日数が出ているということでございます。
 
○玄田座長
ばらつきはあると。いかがでしょう。
 
○新田委員
分かりました。とにかくばらつきは多少あるものの、押し並べて18日程度で、それほど大きな違いはないと、そういう理解でよろしいでしょうか。
 
○労働基準局
そういうことでございます。
 
○玄田座長
では場合によっては、ばらつきの部分も少し説明の補足とか、御検討いただいて。
 
○労働基準局
はい。
 
○玄田座長
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 
○村上委員
ありがとうございます。達成目標の1、2ですが、測定指標としては適切と思っております。その上で、参考指標として、達成目標1については請求件数と支給決定件数などについても記載をいただいてはどうかと考えております。また達成目標2についても、参考指標として現状を把握するということであれば、こちらも請求件数、所要日数などを記載いただくことがよいのではないかと思います。
 
○玄田座長
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
参考値ということで、どのような形で対応できるか検討したいと思います。
 
○玄田座長
参考資料の御検討をよろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。
 
○岩佐委員
簡潔に。まずはこの労災給付の関係は、適正にされているかということもあるので、私としたら例えばその不服申立が出ている件数がどれぐらいでひっくり返っているのか、どれぐらいというのが、増えてきているのか、減ってきているのかとか、それからデータがすぐあるのかどうか分からないのですけれども、その後に裁判になって結局ひっくり返ったみたいなものがどれぐらいあるのかとか、何かそういうようなものも1つの指標というか、資料になるのではないかと思って、もし可能であれば御検討くださいというのが1つです。
もう1つは、石綿の分なのですが、これは難しいのかもしれないのですけれども、本筋から言うと、何かそれで被害を受けているであろう人がどれぐらいいると推察して、そのうちの何パーセントぐらいには行きわたりたいよねと見て、この程度支給できましたみたいなものが、一番筋かなとは思ったりもするのですけれども、その2点です。
 
○玄田座長
では先に訴訟とか申立の件数から。
 
○労働基準局
全ての事案について、不服申立の件数ということで、どの状況ということは、今直ちに申し上げるのは難しいのですが、一応、状況は承知しておりますので、それについては的確に把握はできるようにしていきたいと思います。それから石綿ですけれども、いろいろな死亡統計とか、そういうのがございまして、そういうものを参考にするというところもございますけれども、なかなか具体的に何パーセントぐらいというのを推計するのは現状難しい事情はございます。
 
○玄田座長
潜在的な被害者の母集団の試算みたいなことはどこでもされていないのですか。
 
○労働基準局
そうですね。おおよそ、例えば死亡統計で、中皮腫で亡くなられた方というのは、中皮腫の場合につきましてはおおよそ石綿曝露ということが可能性としては高いということでございますので、労災請求の方では、その中皮腫で亡くなられた方の状況とその請求状況等を見比べながら、潜在的な請求し得る方とかは、ある程度、予測は可能という状況でございます。
 
○玄田座長
その辺りも、参考資料も含めて、追加の記載を御検討いただくのがいいと思います。
これは正確に数字を把握することと同時に、やはりどういうように問題を捉えているかということもありますので、試算値とか、暫定値も含めて、潜在的可能性はやはり御検討するといいと思うのですが、どうですかね。
 
○労働基準局
石綿の方ですけれども、達成目標2の「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」についてですが、この法律に基づく給付につきましては、最高裁判決等で示された国の規制権限の不行使が認められた期間や対象業務に基づき給付金を支給することになっております。というのが、内容はいろいろありますが、昭和47年から平成16年という期間があったりとか、その中でどういった業務に就かれていた方という要件について、最高裁判決等で認められた範囲がございまして、それらの要件を満たす方かどうかを一件一件認定審査会で御議論いただく形になるので、概括的に大きな括りでの目標設定というのは難しいかと思うのですが、いずれにしても個別の審査で適切に給付をしていくことが大事かなと思っております。
 
○玄田座長
ありがとうございました。皆川さん、松浦さん、何か御意見ありましたら、どちらでもどうぞ。
 
○皆川委員
皆川です。1点だけ、達成目標の1です。測定指標2で、精神障害事案の目標を215日で維持されるということは、高い目標でいいと思うのですけれども、ここからもうかがえるように、今日の御説明にもあったように、請求件数も増えておりまして、その所要日数も掛かっているということで、これに対するそうした事情があるということと、それから対応する、これを改善する方向に持っていくような、どうしたらいいのかというのは、そういった分析については何かお考えはあるのでしょうか。その点だけお伺いできればと思います。
 
○玄田座長
分析をこれからどうしていくかは、いかがでしょうか。
 
○労働基準局
精神障害の業務量が増えている状況、これは件数が増えているというのと、中身の困難度が高まっているという状況がございますので、それについてはどういったところで時間がかかっているのかは、これは実はまだまだシステム化が十分にできていないところがございまして、今システム化を検討している中でそこの業務の分析を今やっております。そういう分析を踏まえて、システム化をしつつ、あとは迅速化のためには、今の精神障害認定基準がございますけれども、こういうものをより明確化、具体化していくですとか、あるいはマニュアルですとか、参考資料の配布ですとか、さまざまな業務支援をしながら迅速処理をしていくということで考えております。
 
○玄田座長
今の適切なシステム化が重要という御指摘も大事だと思いますが、その辺も、是非、評価の説明とか背景分析のときに課題として位置付けていただければと思います。ありがとうございました。それではいただいた御意見を踏まえて、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
では、次のテーマに移らせていただきます。続きまして、施策番号Ⅵ-1-3の「技能実習制度の適正な運営を推進すること」につきまして、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○人材開発統括官
よろしくお願いします。技能実習業務指導室長の渡部と申します。私から、目標Ⅵ-1-3につきまして、資料3-1、3-2について御説明させていただきます。説明につきましては、資料3-2のほうの概要を使って御説明させていただきます。1ページ目ですが、施策目標3、技能実習制度の適正な運営を推進することとしております。制度の概要ですとか、現状につきましては、3~5ページのほうの資料で、簡単に説明させていただきます。3ページを御覧ください。技能実習制度の仕組みとあります。一番上の四角に目的を書いておりますが、国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度ということでございます。どういった制度かというのは下のほうで、左上に図が書いてあります。団体監理型となっておりますが、その下に企業単独型というのもあるのですが、団体監理型というのが98%を超える、ほとんどこの形というイメージをしていただければと思います。説明に書いてありますが、非営利の監理団体(事業協同組合、商工会等)が技能実習生を受け入れて、傘下の企業等で技能実習を実施するという形です。監理団体につきましては許可制となっており、実習の実施につきましては計画の認定制を取っております。これらの事務を外国人技能実習機構が担うといった仕組みになっております。
現状ですが、4ページの1にありますけれども、令和3年末の技能実習生については27万6,123人ということです。令和元年の41万人といったところがピークになって、その後に減少しておりますが、こちらにつきましては、コロナ禍で外国人の入国が制限されているといった状況になっております。その下の2番ですが、受入れ人数につきましては、ベトナムが今一番多く、ベトナム、中国、インドネシアといった順になっております。右上の職種ですが、建設関係とか、食品製造関係、機械・金属関係といったところが多くなっております。その他も農業関係、繊維関係といったところで活用されている制度になっております。
5ページ目です。適正化ですとか、実習生の保護に向けた指導監督の状況です。適正な技能実習の実施を確保するために外国人技能実習機構が実地検査を実施しております。そうした中で、悪質な事案につきましては、主務省庁、厚生労働省と法務省のほうの共管の法律になっておりますが、そこにありますように、許可の取消しとか、認定の取消し、改善命令といった行政処分等の対象としていくということです。
1ページに戻っていただきまして、現状の所ですが、今触れたところ以外のものですと、2番の所で技能実習生への相談・援助というところがあります。その援助のところでは、外国人技能実習機構に母国語相談窓口を設けております。そこでの相談の件数が、令和2年度は1万3,353件となっております。内容としましては、管理に関すること、賃金・時間外労働等の労働条件に関することなどが多くなっております。
こうした現状を踏まえた課題ですが、技能実習制度につきましては、最近も報道等がありますけれども、依然、人権侵害とか、労働関係法令違反の存在が指摘されているということ。また、受入企業における労働関係法令の遵守の徹底等で適正な運用を確保していくということ。また、技能実習生の保護をしっかりやっていくこと。こうした課題があるというように整理しております。
こうしたことから、達成目標としましては、外国人技能実習制度の適正な運営の推進としておりまして、この測定指標としまして1~5番、参考指標として6、7、8と3つ掲げております。測定指標1つ目ですが、標準処理期間内に、2か月を置いておりますけれども、適正な技能実習を実施できる計画として基準に合うものということで認定した技能実習の計画の割合が80%としております。また、アウトプットですが、技能実習計画の認定件数につきましては25万件と掲げております。また、実地検査を行ったもののうち、安全衛生に係る指導監督を行った実習実施者のうち改善した実施者の割合を95%と置いておいております。また、死亡とか、疾病・けがを理由とする報告があったもので、業務に起因することが疑われるものについて、実習実施者に実地検査を行った割合につきましては、重要なものということで、100%を目標としております。また、5番ですが、労働災害の発生が多い職種の実習実施者に対する実地検査の件数、アウトプットとして4,500件を目標にセットしているということです。
また、参考指標としましては、実習生の在留者数とか、機構が実習実施者に対して行った実地検査の件数、また、そのうち違反が認められた件数といったものを設定しております。簡単ですが、概要説明としては以上でございます。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問などお願いいたします。では、松浦さん、いかがでしょうか。
 
○松浦委員
御説明いただきまして、ありがとうございます。2つ質問させていただきます。1つは、標準処理期間内に認定した技能実習計画の割合というのが主要な指標になっているのですけれども、人権侵害や労働基準法違反がニュースになるなど、社会的にも問題だと認識されている中で、これが主要の指標になっている理由を教えてください。
 
○玄田座長
1つずついきましょう。
 
○人材開発統括官
今の説明でも軽く触れたのですけれども、技能実習につきましては、それぞれの計画について認定制ということになっています。計画それぞれについて認定するということで、その計画が技能実習を適正に実施することができるような内容になっているかということについて、一つ一つの計画が認められる場合に認定する仕組みにしておりますので、そういう適正なものとして認定されたものをしっかり確保していくことが重要という考えで、こちらは制度をスタートしたときから主要指標ということで掲げて、取り組んできているものになります。
 
○玄田座長
松浦さん、いかがですか。
 
○松浦委員
標準処理期間内に認定するということは、もちろんその制度の趣旨としては重要だと思いますけれども、その課題が今の優先順位からして、それほど重要なことなのかという違和感を拭えなかったので御質問させていただきました。
 
○玄田座長
補足をしますと、つまり、認定したという結果だけではなくて、認定のプロセスこそが多くの関心があるところで、認定に至らなかったとか、1つの認定をするために非常に時間を要したとか、コロナ禍で、認定をどのようにして問題を摘発し、是正しているかとか、結果だけではないのではないかという御質問だと思いますけれども、その辺りはどうですか。
 
○人材開発統括官
おっしゃるとおりだと思いますけれども、実習実施者ごとの認定とかではなくて、個々の計画ごとの認定になってくるので、なかなか個別の所でどうなっているというのを、数値的に把握していくのが難しいというところです。
 
○玄田座長
それは機構とかでも難しくて。
 
○人材開発統括官
そうですね。
 
○玄田座長
改善の余地はないのですか。そこを監督するのが、むしろ行政の重要な役割なのではないですか。
 
○人材開発統括官
はい。そういったうまくない計画のようなのはしっかり是正をさせるなりして、正しく計画に認められるようなものになるかというのは、指導しながら認定をしていくという形にしているのですけれども、結果として、標準処理期間を2か月置いておりますけれども、その中で80%を超えるところのものは計画に合うものということで認定しているという形になっております。
 
○玄田座長
そうですか。認定プロセスのところはもうちょっと情報があってもいいかなと思いますけれども。松浦さん、続けてどうぞ。
 
○松浦委員
今のお話については、「標準処理期間内に」と限定することで、むしろその質の担保がなされていないのだとしたら、それはそれで問題だと思います。
もう1つの質問は指標4について、これを指標にするということに強い違和感を覚えました。指標4は、「死亡又は疾病・けがを理由とする報告のうち、業務に起因することが疑われるもの」と極めて悪質な事例だと思いますが、これに実施検査に入った割合が100%ということが、目標になり得るのかと大変戸惑いました。つまり、こういう事例に実地検査に行くのは当然で、むしろ行っていないと問題だと思いますので、これが目標なのかと戸惑ったわけです。むしろ右の備考の所に書いてある、分母の「死亡又は疾病・けがを理由とする報告」の71件を減らしたり、なくしたりすることのほうがずっと重要で、そちらのほうが目標になり得るのではないでしょうか。
 
○玄田座長
この辺りはいかがでしょうか。
 
○人材開発統括官
おっしゃるとおりだと思って、実際に目標としては、それは重要という認識の上でしっかり取り組んでいこうということですので、結果としまして、全ての年で100%を実施というようになっているところです。また、数について減らすことを目標にするというのは、それもおっしゃるとおりなのですけれども、結局、そういう事案があれば、残念ながら、しっかりそこは確認をしていかなければいけないということになりますので、そこは、そういう必要が生じたものについては、しっかり取り組んでいくということかと思っております。
 
○玄田座長
松浦さん、いかがですか。ちょっと納得しませんね。
 
○松浦委員
事案が起こってから対処する、事案を予防する、の両方の観点が必要だと思います。起こってから対処するのはむしろ当たり前で、起こることを回避するために、例えば認定の計画の質を上げるとか、その前に実地検査に入るとか、様々な取組が必要になると考えられます。1番優先順位の高いアウトカム指標は、悪質な実例を無くすことなのではないかと、これは私個人の意見として思っておりますが、ここまでにさせていただきます。
 
○玄田座長
私、松浦さんがまだ委員になられる前に、この指標の中で言ったのですけれども、殿堂入りというか、ある程度達成されているものをまだ指標として持つのはどうかという、要するに、問題が起こった事後的に実施検査は100%やっているというのは、その意味では当たり前で、100%でなかったら、それは大問題なわけだから、むしろ松浦さんが言っているのは、問題が起こりそうな所にちゃんと事前に監督したかとか、実地に入ったかということが大事であって、100%になっているから問題ないというようにもし受け止められるような指標であるならば、それはちょっと考えなければいけないということなのかと思いましたので、この指標の立て方そのもの自体でいいかどうか、改めて御検討いただくということで。
 
○人材開発統括官
若干補足させていただきますと、ここは既に問題があった所に対して入っているというよりも、認定された計画が立ち行かなくなったことについて、ちょっと怪しげな理由が出てきたという、疾病とかを理由にみたいになっている所に、本当にその計画が立ち行かなくなったのはそういう理由があったということなのでしょうけれども、実施者として、引き続きほかの認定に基づく実習をさせるのが適切かどうかということについて、しっかり確認をするという意図で、そういう怪しいという情報があった所については、しっかり確認、必ず確認していくという目標になっています。
 
○玄田座長
それは当然と言ったら当然ですよね。それをやっていなかったら大変なことだからね。だけれども、この指標について、やはりちょっと納得が難しいということは、是非、御検討ください。松浦さん、いいですか。ほかによろしいですか。では、先に村上さん、どうぞ。
 
○村上委員
まず、施策目標には「技能実習制度の適正な運営を推進すること」とあり、達成目標も同じことが記載されているのですが、それぞれの課題に対して、もう少しブレイクダウンした施策の目標が必要ではないかと思います。特に、労働関係法令違反が多いということを踏まえれば、労働関係法令遵守の徹底ということがやはり目標となるのではないかと思います。その上で、この達成を図る今回挙げられている指標ですが、実地検査について、毎年7割を超える実習実施者が監督指導、送検されているという実態を踏まえれば、実地検査の実施割合や、違反事業所に対する再度の実地検査の実施割合なども確認していくことが必要ではないかと思います。現在、参考指標となっているのは、どのような理由なのかということを教えていただければと思います。
また、測定指標3で、安全衛生だけに限られるものではないと思っていますが、実地検査のうち安全衛生だけに限定されている理由についても教えていただければと思います。
次に、課題の所に戻るのですが、課題1で、「開発途上地域等への技能の移転を通じた国際協力」を挙げられておりまして、こちらについての達成目標も挙げることができるのではないかと思います。また、測定指標でもよいと思いますが、例えば技能検定の受検割合とか、合格割合、また、帰国後の技能実習生のフォローアップ調査というものも機構でなされておりますので、そのようなことを掲げていくこともあるのではないかと思います。
最後に、指標そのものではないのですけれども、先ほど松浦委員もおっしゃっていたように、これは、いかに適正に実施していくかということが必要であり、予防的なことが重要だと思います。技能実習生というと、適正な事業主の方々もたくさんいるのですけれども、中には、安い労働力としてしか考えていない事業主さんもいるというのは事実ではないかと思っております。その事業主の認識をどのように変えていくのかというところに、注力することも必要ではないかと思っております。その点では、外国人技能実習機構の体制の強化も必要です。これから水際対策は次第に緩和され、外国人技能実習の方も増えていく中では相談ケースなども増えていくので、きちんと対応できる体制も整備していくことが重要と考えております。以上です。
 
○玄田座長
4つくらいありましたけれども、お願いします。
 
○人材開発統括官
御指摘ありがとうございます。1つ目の、参考指標のほうに、今年、新しく7番目と8番目の指標を追加したところです。実地検査全体の件数と、違反が認められた件数と割合ですが、こちらを参考指標のほうに入れましたのは、やはり指導監督系の業務につきまして特に違反を指摘するということが、なかなか、こちらから意図したようなところでコントロールしにくいような目標というか、指標かなと思っておりまして、あまり多いのはよくないということで、20%ぐらいの違反に収めようとしたときに、目標がそうだからといって、低く抑えようと、不適切なものがあったときに指摘をしないというものでもないと思うので、状況把握に必要な指標として、参考指標のほうに入れて、目標のほうには入れていないといったことになります。ただ、全体の数、アウトプット的な件数については、目標としても立てうるとは思いますので、検討させていただければと思います。
また、今現在、安全衛生のほうに係る目標だけになっているといった御指摘ですけれども、安全衛生関係で目標を立てているというのは、この機構の予算として労災勘定のほうからも予算が流れているということで、この労災向けの目標をセットしてきたというこれまでの経緯があるというところで、こうしたセットになっております。御指摘も受けたところで、全体的に見直すことも考えていきたいと思います。
3つ目ですが、そもそも制度の目標に係るところの目標につきましては、御提案いただきましたとおりかと思いますので、御指摘を踏まえて、何かできないかというところで考えたいと思います。
4つ目の機構の体制強化といったところについては、そういったところの視点も必要だという御指摘というように受け止めまして、そのとおりだと思いますので、引き続き、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
 
○玄田座長
たくさん課題を頂きましたので、是非、御検討をよろしくお願いします。新田さん、お待たせいたしました、どうぞ。
 
○新田委員
御説明いただき、ありがとうございました。既に松浦先生や村上委員から、いろいろな意見を出されているところですので、私はそれ以外で、2点申し上げます。測定指標1についてですが、実績値を見ていますと、80%をずっと超えている中で、目標は80%と据え置かれているというところについては、やはりもう少し高い目標を設定すべきではないかと思っているところです。加えて、令和3年度については87.2%と、その前の3年度分と比べて、上がっているということについて、もし何か理由を把握していれば教えていただきたいというのが1点目です。
2点目は、測定指標3、安全衛生のところで、先ほど来、意見が出ているところですが、そもそも目標値が95%になっていることについて、これは100%でいいのではないかと思います。実際、平成30年度、令和元年度は100%となっていますので、ここの目標は、100%と掲げて、なぜ100%にならないのかということについての分析をしていくべきではないかと思いますので、その点、是非御検討いただきたいと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
いかがでしょうか。
 
○人材開発統括官
1点目の認定のところですけれども、令和3年度、ちょっと高くなっているというのは、そのとおりなのですけれども、令和3年度はそのアウトプットの所、2番の所に件数が挙がっていますが、最初、現状のところでも話したのですけれども、今、コロナ禍ということで、新しい方の入国が止まっているといったところが令和3年度まではあったということで、計画の母数自体が非常に減っているということがあります。そうした中で、早く処理ができているということもあって、令和3年度については、少し高めに出ているということがあります。ですので、令和3年度が高いから、直ちにそれを基にというのは、その後、難しい面があると思っていまして、今後、また計画のほうは増えていくと考えておりますので、引き続き80%といったところをしっかり確保していくということが重要と思っております。
2点目の御指摘については、御指摘を踏まえて、できるかどうか検討させていただきたいと思います。
 
○玄田座長
皆川さん、どうぞ。
 
○皆川委員
私からは、先ほど村上委員からも御指摘のあったところで、測定指標3の実地検査に関わる所で、安全衛生に係る指導監督を行ったと限定されているというところ、御指摘が既にあったところです。御存じのように、技能実習制度に関しては、労働時間とか割増賃金、それから最賃に係る規制の違反なども労働局などでの指導が比較的に多い件数で、また重要なものですので、この実地検査に係る指標の設定のところで、そういった他の違反のところについても入れ込むようなことを、今後御検討いただければというところです。補足ですので、お答えいただかなくても私は結構です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。岩佐さん、どうぞ。
 
○岩佐委員
私もほぼ重なって、補足的ですけれども、一言、二言。1つは、やはり私の中では、守っておられる事業者の方も多いとは思いますけれども、一定数違反があって、そこに十分、全部は摘発しきれていないという背景があるのではないかというところがあるものですから、やはり適正化という意味では、しっかりと不正に対して調査なりができているのかというような視点で、先ほどから出ている実地件数がどれぐらいかということを含めた、そういうような指標なり、御説明いただけると有り難いということ。
それから、大きくは、予防と、起こったことに対しての対応ということだと思いますけれども、その予防に関してどういう施策があって、その幾つかの施策のうち、なぜこれを挙げているのかという感じで御説明いただけると有り難いのです。違う言い方をすると、これまでの委員の御指摘のように、予防策としてはもうちょっと違ういろいろなものがあるのではないかとか、私個人としては、相談とかがどれぐらい、逆に言ったら、アウトリーチみたいな相談もあり得るのではないかとか、結構、もう少し身近にいろいろ聞くことで、適用できる部分がないのかなと思ったりもしますが、いずれにせよ、そういうところが気になりました。以上です。
 
○玄田座長
重要な御意見で、皆さん、かなり重複しているので、私もあえて申し上げますけれども、この達成目標というのは、いけないやつですね、これは、いけていないやつで、勉強で言えば、勉強頑張りますと書いてあるだけで、そういうことを言うと、先生は、何を、どう頑張るのかが目標であって、頑張りますという目標は、駄目だと言われるやつですよ。少なくとも、今日、御意見が出た中では、適正な評価とか、トラブルに対する予防、トラブルに対する対応とか、機構、労働局、法務との連携とか、それを、どれをやるかという、やはり目標を立てて、課題を立てて、それに対して、目標のそれぞれを作っていかないと、これは、やってはいけないタイプの議題とか達成目標で、松浦さんがレポートを付けるとCが付くと思います。それはちょっと、そもそも課題の立て方を検討いただかないと、次回は厳しいかなと思いますので、是非御検討のほど、よろしくお願いいたします。
ほかはよろしいですか。ありがとうございました。では、ただいまの御意見などを踏まえて、是非、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。
 
○人材開発統括官
ありがとうございました。分かりました。御指摘を踏まえて、検討させていただきます。
 
○玄田座長
よろしくお願いします。続きまして、施策番号Ⅵ-3-1「技能継承・振興のための施策を推進すること」について、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○人材開発統括官
能力評価担当参事官室で主任をしています宇野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。当省から技能継承・振興のための施策の推進についての説明をさせていただきたいと思います。概要版を基に説明させていただきたいと思います。1ページを御覧ください。現状でございますけれども、技能労働者の動向として建設業や製造業など、他職種と比べまして求人数は高い状況にございます。また一方で、高年齢労働者の割合が製造業・建設業ともに高く、若年層の割合は低くなっていて、かつ、他産業と比べまして、新規学校卒業者の入職者が少ない状況となっています。
それから、2でございますけれども、ものづくり分野の人材育成には長時間を要することや、中核的な技能者の育成についても、育成するための指導者の不足、それからノウハウの不足が課題となっているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、課題を整理しますと、持続的な経済成長を続けるためには高度な技能労働者の育成が不可欠、若者のものづくり離れ・技能離れが見られる。製造業、建設業で技能労働者が不足となっており、若年層の技能への関心を高め、技能継承に向けた取組や技能労働者の育成をより一層進めていく必要がある。それから、若者のものづくり分野への誘導に関しては、ものづくり分野で興味を持った後に、さらに興味を高めて、最終的にものづくり産業に就職していただくことにつなげることが必要ということでございます。
こういったことから、技能継承に関しまして、3つの事業、若年技能者人材育成支援等事業、技能競技大会、それから技能検定等について取組を行っているところでございます。これらの事業の指標として、下に書いてある3つを指標として掲げるところでございます。
それぞれの事業について説明させていただきます。まず、若年技能者育成支援等事業についてですが、5ページを御覧ください。若者のものづくり・技能離れ等の実態を踏まえ、技能尊重気運の醸成や、産業活動の基礎となる技能者の育成を図るため、本事業を実施しているところでございます。事業の内容といたしまして、大きく2つに分けておりまして、まず1つが全国的な取組の斉一化を図るため、中央というもので、ものづくりマイスターの認定、ものづくりマイスターの活用支援、それから地域の取組に対する支援の実施というものを行うとともに、各地域ごと、47都道府県それぞれに設けまして、実際にものづくりマイスターを開拓・派遣すること等を行うこととしております。
「ものづくりマイスター」に関しましては、一定水準の技能を有する熟練技能者を「ものづくりマイスター」として認定し、中小企業や工業高校等にマイスターを派遣し、従業員に対しまして講習や実技指導を行うほか、技能競技大会や技能試験などで展示会を開催する。それ以外にもものづくり分野の技能修得マニュアル等の整備をし、ものづくりマイスターの指導に当たって活用するということとなっているところでございます。
次のページを御覧ください。若者のものづくりに対する関心を高めるために、各種競技大会をやっておりまして、まず1つ目が青年技能者を対象に競技大会というものを実施し、広く国民にものづくり分野の技能の重要性や必要性をアピールするというもので、毎年これまで実施しているところでございます。令和4年度におきましては、11月4日~7日に幕張メッセで約1,600人の方を対象に42職種を行うこととしています。42職種については下に書いてあるとおりでございます。
それから、全国大会は2年に1回の国際大会の予選会を兼ねておりまして、国際大会というものも2年に1回行っています。昨年上海で実施しているものがコロナの影響で延期となりまして、今年は開催する予定だったのですけれども、今年に関しては残念ながら、中国でのコロナの状況が思わしくないということから、施設整備等が遅れたために延期せざるを得ないということになっておりまして、現在、この2年をかけて中国・上海に出場するために頑張ってきた選手の方々が、技能を披露する場がないということで、上海以外の地域で小規模なイベントを行うようなことなどを含めて、検討しているところでございます。次のフランス・リヨン大会に関しましては、来年度の愛知県で開催する全国大会で予選を行って、選手を派遣するという流れとなっているところでございます。
続きまして、技能検定でございますけれども、最後のページ、7ページを御覧ください。労働者の有する技能の程度を検定し、これを公証する国家制度として行っているものでございます。行っている職種に関しては、製造業・建設業のものが多く、全部で130職種ございます。これらの中には等級を設けているものと等級を設けていないものがございまして、単一等級で1段階の検定をやっているものと、3級・2級・1級ということで、技能の程度によってレベル分けしているものがございます。3級は、主に高校に入学した方がその分野に入っていくために目指すレベルとして設定しておりまして、2級は入職して2年から4年ぐらいの経験を積んだ方が受けられるような感じ、1級に関しては10年程度の経験を積んだ方が受けられるような程度ということをレベル感として検定を行っているところでございます。
それから、ものづくり分野以外でも、ファイナンシャル・プランナーの分野に関しましても実施しているところでございまして、こちらに関しては、指定試験機関制度として都道府県が実施するものとは別に、団体のほうが試験を実施するものとして、20職種程度やっているところでございます。
受検者数に関しては、左下のグラフに書いてあるとおりでございまして、令和元年度は87万人と徐々に増えていったのですが、令和2年度においてはコロナの影響で大幅に受検者が減ったところでございます。簡単ではございますが、以上でよろしいでしょうか。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは御意見、御質問を頂きたいと思いますが、たまには私から言ってもいいですか。ありがとうございます。
では、先に私から2つ。先ほども別のところで言ったのですが、この達成目標というのは駄目なやつですね。先ほど言ったのは、勉強を頑張りますと言っている、目標は勉強を頑張ることですと言っていることと同じで、何をどう頑張るのかという、何に向かって頑張るのかが達成目標で、「推進します」などというのは達成目標ではないので、これはまずい。少なくとも課題を見ると、この文言を見るだけでも、若者への働き方のためにはどういう達成目標があるかとか、人材不足問題への対応としてどういう達成目標を持つかとか、あと、若者が関心を持ったとしても、関心から就業につながるためにはどういう目標があるかと置かないと、「取組を推進します」と書くのは、目標を設定していないのと同じなので、これはやはり、事前分析表を作るときには考えていただかないと、多分また同じことを言われますので、是非御検討くださいというのが1個目です。
2つ目は、この技能継承、私は最近何でもかんでもDXと言い過ぎだと思っていて、余り好きではないのですが、けれども、この技能継承の振興には、多分DXが極めて大きなポイントになるのだけれど、この表には1個も出てこないということにむしろ不自然さをとても感じる。先ほどのコロナで、上海で大会ができなかったというのはそのとおりで、頑張って努力していてお気の毒だなと思うのですが、大会は本当にできないのかというと、いろいろな大会というのは正にオンラインとかデジタルを活用することによって、そういうものを埋めていって、いろいろお互いに情報を交換したりとか共有したりとか、地域を超えて、メンター、メンティーになったりするとかということが、これから勝負なので、そこが全然この技能継承というところに言及されていないのは、ちょっと逆に不思議です。こここそ正にDXが勝負になってくるところだから、それは、是非、これからの計画として、お考えになったほうがいいのではないかなというのが2点です。何か御回答があれば。
 
○人材開発統括官
すみません。1点目は直ちに回答するのが難しい大きな課題でございまして。
 
○玄田座長
是非、御検討ください。
 
○人材開発統括官
はい、検討させていただきたいと思います。2点目のものでございますけれども、一応、取組としては、令和2年度も、コロナがある中に、全国大会を開く際、代表者をまず制限しないといけないということから、ライブ中継というものを取り組みまして、今までは来ていただいて見るということだけだったのですけれども、令和3年度以降は両方を。
 
○玄田座長
オンラインでね。
 
○人材開発統括官
オンラインも。
 
○玄田座長
それでライブ中継したり。
 
○人材開発統括官
はい、両方やるということでやって、今年もそれを取り組もうとしております。
 
○玄田座長
多分、それは1つで、もっといろいろ使えるようにしないと。
 
○人材開発統括官
それから職種によっては、一部の職種、ビューティーセラピーというような職種とかでは、実際に肌に塗っている化粧の塗り具合とか、そういうのを評価するため、難しいながらも一応オンラインで審査員がやるような取組もしています。ちょっと課題としてあるのが、製造業のところの職種の中には、大きな機器を使ってやるということと、機器によって有利・不利というものが働いてしまうため、基本的に同じ設備、同じものを使ってやるということから、オンサイトでやることをせざるを得ない制限のあるものもあれば、オンラインで、例えばWebデザインとか、正にこれぐらいの作業スペースでできてしまうようなものをそれぞれ中継し、不正をどのように防ぐかというところが、判定がちょっと難しいところがあるのですが、そういったことも世界的に取り組まれているところでございます。
 
○玄田座長
大学の授業なども似ているところがあるのですけれどもね。ただ、そこはもうやらないと、是非御検討を。オンライン、デジタルトランスフォーメーションへの対応というのは、ここは大事になってくるかと思いましたので、是非、改めて御検討いただければと。
 
○人材開発統括官
はい。
 
○玄田座長
では、ほかの皆さん、どうぞ。どなたでも結構ですが。では新田さん、今度はどうぞ。
 
○新田委員
御説明どうもありがとうございました。既に玄田先生から言われてしまったので、根本的なことは私からは申し上げませんが、やはり、この目標から見たときの達成目標で、技能継承と振興の取組の推進に落としていて、それの測定指標が、技能検定とか技能競技大会に特化しているというところについては、正直、違和感が残ります。仮にこの技能検定、あるいは技能競技大会を測定指標として使う場合についても、私は若干違和感があります。
それが何かと言えば、どちらも周知活動が非常に大事ということと、それを実際の企業の現場でどのように活用していくのかといった点が非常に大事で、その点は様々な場面で申し上げているところなのですが、そこがなかなか広がっていかないというところが、やはり問題ではないかと思います。
そういった観点で、技能五輪全国大会の来場者数とか3級の技能検定の受検者数、ここをピックアップしていることはよろしいかと思うのですが、やはり1の所で、技能検定あるいは技能競技大会を活用した企業や業界団体の割合で出されているというところが、私は違和感があります。これはやはり実数がどれぐらい増えているのかといったことを見るのが非常に大事だと思っていますので、割合だけではなくて、ここは実数についても目標設定として出せるのであれば、是非、御検討をいただきたいと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
具体的な御提案がありましたので、御回答ありますか。実数を踏まえることも重要ではないかと。では、後でまとめて御回答いただきます。先に、では村上さん、どうぞ。
 
○村上委員
ありがとうございます。現状のところで、事前分析表で見ているのですが、「ものづくり分野の人材育成には長時間を要する」というところで、その指導者の不足やノウハウの不足を掲げられています。しかし、その課題や測定指標のところに、そのことがどのように反映されているのかが少し見えづらいというところがございます。先ほど玄田先生がおっしゃっていたDX等は活用できたり、掛け合わせてできることがあるのではないかと思います。また、若者への訴求という点でも、オンラインのツール等を活用できるだろうと思っております。そのような観点での検討も必要ではないかと思いました。以上です。
 
○玄田座長
一通り御意見を頂いた上で、御回答いただくということにしたいと思います。ほかに御意見ございませんか。岩佐さん、ございますか。
 
○岩佐委員
1点だけ、ネットを見ていると、このものづくりマイスターは、何かホームページを作っておられて、情報発信をされているという感じなのですけれども、その辺りどれぐらいアクセス数があるかとか、うまく活用できているかというところについて、どのように評価されているのかというところも教えていただけたらと思いました。以上です。
 
○玄田座長
松浦さん、皆川さん、いかがでしょうか。
 
○松浦委員
達成目標の1なのですけれども、先ほどから実数でという話もあったので、その点で重複するかもしれませんけれども、指導者不足が問題になっているのであれば、単純にものづくりマイスターが何人なのかというのが、何人増やせたのかというのが目標値になってもいいのではないかと思いました。あるいは、ものづくりマイスター制度の活用数・活用企業数というものが目標になり得るかもしれません。活用がこれだけ安定的に技能大会などにつながっているのであれば、そもそも「ものづくりマイスター」の育成だとか、あるいは制度の活用だとかというのを目標値にしなかったのはなぜなのかというのが疑問でした。以上です。
 
○玄田座長
大分いろいろ質問がたまってまいりましたが、では皆川さん、もしあれば最後に。
 
○皆川委員
すみません、私も1点だけ。ほかの委員の皆様から御指摘のあったところは、そのとおりだと思います。この達成手段としての予算が、やはり技能継承・振興対策費ということで枠があると思いますので、もし今後、今日御指摘が出たような様々な取組を進めていく場合には、予算の立案から、今後こういったものが必要だといったところからも立案していただければという、私のほうからはそれだけです。すみません、ありがとうございました。
 
○玄田座長
今後、持ち帰って御検討いただく内容が多かったと思いますけれど、今の段階でお答えできるものだけでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
 
○人材開発統括官
まず、ものづくりマイスターの認定の数というのは、当然、業務指標として持っているものでございますので、目標として掲げるかどうかというのを検討させていただくとともに、技能継承に関しては、ごめんなさい、ものづくりマイスターがどの程度行っているかというのは、予算規模を令和4年度に関してはちょっと縮小せざるを得ないということもあって、予算との兼ね合いから目標がちょっと影響してしまうところが懸念されるので、そこも含めて考えさせていただきたいと思っております。
 
○玄田座長
指導者の問題とか、どうですか。
 
○人材開発統括官
指導者を育成するところ自体は、我々の能力評価室の所掌をちょっと超えてしまう部分がありますけれども、ものづくりマイスターを活用して指導をした所の事業者で、どの程度それを契機に取り組んでいただいたかということはアンケートを取れると思いますので、目標の立て方としてちょっと考えさせていただきたいと思います。
それから、ものづくりマイスターに関してのホームページなどを、中央協会のほうで作っていただいているのですけれども、そちらのPVの数などは取っていますし、技能競技大会の、先ほど言ったライブのPVに関しても取っているので、そういったことも指標として入れられるかどうか、検討していきたいと思っております。
 
○玄田座長
では、先ほどの指標1の割合と実数の値とか、また改めて検討いただきたく思います。では、よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございました。いろいろ本日の御議論を踏まえて、事前分析表への反映をお願いいたします。ありがとうございました。
以上で、本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。誠に熱心かつ有意義な御意見・御審議を頂きまして、ありがとうございます。それでは、事務局より、本日の議論の取扱いについて説明をお願いいたします。
 
○肥沼室長補佐
本日、頂きました御意見等の取扱いですが、まず事前分析表の記載に関する御指摘につきましては、担当課において必要な修正をするよう、事務局でも調整させていただきます。その後、事務局で取りまとめの上、9月頃になるかと思いますが、総務省への通知及び厚生労働省ホームページでの公表手続を進めさせていただきます。事前分析表がセットされましたら、最終版を皆様にも送付いたします。
また、本日お時間の関係で、この場で伝えきれなかった御意見等がございましたら、今日から1週間後、6月24日金曜日までに事務局まで御連絡いただければ、会議での御発言と同等と取り扱わせていただきます。以上でございます。
 
○玄田座長
何か今の段階で4つを踏まえて言っておきたいことがあれば。例えば1番目のものは、ちょっとひどすぎますよね。あれを何か1つの目標にするのはどうかと思ったし、達成目標とか、思ったこと言っちゃいました。「頑張ります」というのは駄目ですよね、松浦さん。松浦さんがどうしても言えというものだから、私は勇気を振り絞って言ったのですが。
 
 
○肥沼室長補佐
今回から事務局として概要というものを作らせていただいて、そういったものに対して、委員の皆様方の率直な御感想なども、少しまだ時間的余裕がありますので、先ほど玄田先生に御指摘いただいた施策目標名と達成目標が全くイコールになっているのは全然駄目だよというところも含めて、御感想とか今後の改善にいかせるところがあれば、お伺いできれば幸いです。
 
○玄田座長
今の段階で何かあれば。いいですか、一言ずつぐらい。では村上さん、何かありますか、全体を通じて。
 
○村上委員
ありがとうございます。今年度から参加したのですが、事前分析表の概要によって政策のストーリーがよく分かるようになり、ストーリーが明確でないものも明らかになったと思います。また、2点目の雇用の創出や雇用の安定に関る目標については、非常に守備範囲が広いので、もう少し細分化できないかと思いました。以上です。
 
○玄田座長
松浦さんも初めてでしたけれども、どうでしたか。
 
○松浦委員
厳しいことを言ってしまいましたけれども。
 
○玄田座長
言ってください。
 
○松浦委員
大変お忙しい中で、目標項目数を増やして資料を作る負荷の増大は回避したいというご事情と、目標を達成できないと厳しく批判されるのではないかという危惧が、すごく伝わってくる感じがしました。その点はこちらとしても十分に理解、配慮する必要があると思います。
 
○玄田座長
「怒らないよ」と言ってあげたほうがいいのではないですか。
 
○松浦委員
なるべく負荷を軽減しながら、実のある目標に絞って、それが担当者の責によらないところで達成できなかったとしても批判しないというところを担保することが、すごく重要ではないかなと思いました。
 
○玄田座長
分かりました。先生みたいでしたね。岩佐さん、どうぞ。
 
○岩佐委員
何か途中でも申し上げたのですが、結局、やはり多分何かこういう政策を達成するために、AとBとCとDとEをやっていて、今回指標ではAを入れているのは、なぜAを入れたかみたいな感じで説明してもらえると、もうちょっと分かりが良いと、施策ごとに対して事業だけがポンと出てきて、「この事業をやっています」と言われると、ちょっと私の頭の中で迷路に入ってというのがあるので、何かそういうところも私もまた意識しながら見てみたいなと思っています。
 
○玄田座長
やはり政策はストーリーだから、インプット・アウトプット・アウトカムだけではなくて、その間のストーリーが大事なので。あっ、何か今、私は良いことを言っていないですか。
 
○松浦委員
有り難いです。
 
○玄田座長
皆川さん、どうぞ。
 
○皆川委員
私も先生方がおっしゃったことにほとんど付け加えることはないのですが、松浦委員からもお話がありましたように、目標を達成することも大事なのですけれども、達成できなかったときとか、達成が難しそうな場合には、その分析といった点にも目を向けられればというふうには思います。例えば労災の精神障害の認定などというのは、やはり大変な難しいところですので、日数が掛かってしまうところはしょうがないのですが、身も蓋もないのですが、その人員の確保とか、そういったことによっても改善できるようなところはあると思いますので、そういった背景などの分析などもして、目標によると思うのですけれども、達成ができない場合には、その要因分析で、より良い政策という方向にいければというふうに思いました。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございます。新田さん、どうでしょうか。
 
○新田委員
ありがとうございました。やはり、今回は資料で概要が出たことで、非常に議論がしやすくなったのではないかと感じました。以前だと玄田先生も、いろいろな方にうまく振りながら発言を引き出すという、かなり御苦労をしていたのですが、今日はそういう必要がないぐらい活発に意見が出たのは、概要があったからこその効果だと思いますので、手間が増えていると思いますが、是非続けていただきたいと思います。
あとは、やはり目標をどうしても低めに設定しがちという傾向はずっと感じるところで、先ほど松浦先生もおっしゃったように、目標を掲げて、それをできなかったことに対してのペナルティとか、そういうことはないということを、ある程度明らかにしてやっていただかないと、実績に対して目標が低いというやり取りが今後も続くのかなという懸念もあったところです。感想めいたことですが、以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございます。今日は久しぶりに厚労省に来たのですが、久しぶりだなと思って、ここで目の前でやっていたけれど、やはり何となく面接のようですよね。やはり怒られるのではないかとか、厳しいことを言われるのではないかなとか、それはそういう面もあってもいいのだけれど、いろいろ頑張ってやっているわけだし、こんなに頑張ったんだから聞いてよみたいに、その上で、もっとこうしたほうがいいんじゃない、みたいになるのが、やはり最終的にみんなが望んでいるところで、何か悪いことをしているんでしょとか、努力してないでしょみたいにならないように、大分そういう工夫になってきたような気がしましたね。中労委のところでやったときは、何か糾弾するみたいだったものね。だから、大分いい雰囲気に今日はなっていたなと思いました。是非御検討を。今度は皆さん、こちらで厳しいことを言ってあげてください。たまにほめたり。
 
○肥沼室長補佐
ありがとうございました。どうしても評価という形になりますと、やはり事務局の立場としては身構えてしまうというところもあるのですが、評価というのは評価のための評価ではなくて、政策改善や政策立案につなげてこその評価のプロセスだというふうに考えていますので、ここでの議論が彼らの実務の執行の上で、次年度なり次々年度なり、事業なり施策を改善していく上でのヒントというか、自己的な振り返りになる場になればと考えておりまして、そこはなかなか伝わりにくい部分ではありますが、事務局としても議論のポイントというのを示すことで、「こういう点でチェックすればいいのだよ」ということを示して、単に評点を付ける場ではないということが、なるべく伝わってくれると嬉しいなと、今後も努力してまいりたいと思います。本日は多角的な御意見、ありがとうございました。では玄田先生、締めてください。
 
○山田参事官
先生の前に、一言だけ申し上げます。今日はありがとうございました。今日、たくさんいただいた中で、政策の評価ですので、その達成手段というのはいろいろなツールがあると。事業もあれば、そうではないものもあるということで、それぞれ工夫して、それぞれの担当がこの評価書も作り、概要もプレゼンをするという機会でありました。それぞれ持ち帰ったところも多くありますけれども、概要を作り、そしてその辺りが明らかになったということで、大変貴重な機会であったと思います。詰まるところ、先ほど技能実習などの事業のところでも出た話、やはり詰まるところは「行政が何をすべきか」というところは、それがいかにこの評価という中で議論となり、それが政策の改善に結び付いていくかという点で、本当に貴重な御意見を今日もいただきました。是非、引き続き、今年度も動いてまいりますが、御協力を賜れればと思います。では玄田座長。
 
○玄田座長
それでは皆様、お疲れ様でした。また、ありがとうございました。