2022年6月7日 第11回政策評価に関する有識者会議 医療・衛生WG 議事録

日時

令和4年6月7日(火)10:00~12:00

場所

オンライン開催

出席者

印南座長、井深委員、大西委員、佐藤委員、田宮委員、宮﨑委員

議事

 
 
○肥沼室長補佐
それでは大西先生がこれから再度入っていただく準備をしておりますので、もう間もなくですが、定刻を過ぎておりますので、ただいまから第11回政策評価に関する有識者会議医療・衛生WGを開催いたします。皆様、音量聞こえておりますでしょうか。大丈夫でしょうか。問題等ありましたらチャット機能等でお知らせください。政策評価の担当をしております肥沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、オンラインでの会議開催に御協力をいただきまして感謝申し上げます。今回はオンラインでの開催となりましたので、御不便をおかけすることもあるかと存じますが、会議の途中で不都合が生じた場合には、WEBEXのチャット機能またはお電話にて事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
本日は厚生労働省における政策評価に関する基本計画が、令和4年度になりまして、第5期の基本計画が始まってからの初めての会議でございます。また、委員の皆様もこれに合わせて改選をさせていただきましたので、医療・衛生ワーキングの委員の先生方をまず御紹介させていただきたいと思います。
始めに第4期からの継続の先生について五十音順に御紹介させていただきます。井深陽子先生、印南一路先生、大西達夫先生、宮﨑美砂子先生でございます。続きまして第5期から新たに御就任される先生方について御紹介させていただきます。こちらも五十音順で失礼します。佐藤好美先生、田宮菜奈子先生でございます。もし御挨拶等の御希望がありましたらお願いします。特段なければこのまま進めさせていただきたいと思います。
当ワーキングの座長につきましては、当省より印南一路先生にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日の会議に当たり、御注意いただきたい点を幾つか申し上げます。まず1点目、本日の会議では事前に委員の皆様にお送りした会議資料を使って議事を進めさせていただきます。会議中は御自身の発言される場合以外はマイクをオフにして音声をミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。御発言の希望がある場合には、WEBEXの「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認したのちに、発言者を座長が指名いたしますので、座長から指名を受けましたらミュートを解除し御発言ください。御発言に合わせて御自身の映像を表示される場合には、ビデオの開始をクリックいただければ皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。御発言が終わりましたらお手数ですが再度マイクをミュートにするとともに、ビデオも停止いただくようお願いいたします。それでは会議に先立ちまして参事官の山田から御挨拶を申し上げます。よろしくお願いします。
 
○山田参事官
参事官の山田でございます。有識者の皆様におかれましては、日頃より厚生労働行政の推進に多大な御協力をいただいておりますことに厚く御礼を申し上げます。本日は、第11回の厚生労働省における政策評価に関する有識者会議医療・衛生WGにお集まりいただき、ありがとうございます。
国民の皆様の厚生労働省の政策への関心は高く、客観的に政策の評価を行い、実効性の高い政策に向けて改善を続けていく、このことの重要性が増していると考えております。厚生労働省では、本年3月の政策評価に関する有識者会議におきまして、それまでの御議論を踏まえまして、政策体系の改定とあわせまして、有識者会議とWGの運営上の工夫、評価書の分かりやすさの向上、分野横断的な課題の評価の実施などといった見直しを行うことについて御議論いただきました。そして4月から第5期に入りました。有識者委員をお務めいただくこととなりました皆様、ありがとうございます。
本日は本年度、令和4年度の実績、この評価を行うこととなる5つの政策につきまして、事前分析表の御議論をいただきます。忌憚のない御意見を賜り、当省における政策評価を推進していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 
○肥沼室長補佐
ありがとうございます。それでは議事に入ります前に、私から今回のワーキングで特に委員の皆様に確認いただきたい主な事項というものを御説明させていただきます。概要資料の2ページ目にも記載がありますが、ここでざっと御確認させていただきたいと思います。まず今回から概要資料というものを作成することになりましたが、施策目標の実現に向けて、今どのような現状であり、どのような課題があるかを過不足なく記載できているかという点、また課題に対応した達成目標を設定できているかという点、また、測定指標、参考指標につきましては、達成目標の進捗度合を測定するものとして合理的なものが設定されているか、端的に申し上げれば、達成目標なり課題なりと測定指標の関係性が明確かどうかという点です。また測定指標は可能な限りアウトプットとアウトカムを双方設定していただくことが望ましいという点。また、主要な指標というものを選定しておりますが、その理由が妥当かどうかという点。目標値につきましては、過年度の実績、また最終目標年度の目標値を踏まえ、適切な水準が令和4年度目標値として設定されているかという点。また、目標値を設定することが難しい場合には、実績値を経年的に把握することで評価の参考となる情報等がありましたら、参考指標として適切に盛り込まれているか。こういう点につきまして主に御議論いただければ幸いです。
それでは早速議事を進めたいと思いますので、本日の議事進行につきましては、座長の印南先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○印南座長
本日は議事次第にありますように、令和4年度実施政策に係る政策評価の事前分析表(案)を中心に、委員の皆様に御議論を頂きます。それでは本日の議論の具体的進め方について、事務局より説明をお願いします。
 
○肥沼室長補佐
参考資料3の政策評価実施予定時期を御覧ください。この表は第5期、令和4年度から第5期の基本計画期間中の5年間の評価実施予定時期というものを示したものです。本日は令和4年度事前分析表(案)のうち、来年度、令和5年度の夏に実績評価を行うものについて、御意見を頂きたいと考えております。
具体的には議事次第に記載されております①~⑤について御審議を頂くのですが、本日は現場の説明者の都合によりまして、4番目と5番目、具体的には原爆の援護の関係と5番目の医薬品の順番を入れ替えまして、①、②、③、⑤、④の順番で御議論を頂くことになります。当日の変更となりまして大変恐縮でございます。
テーマによって多少お時間が異なりますが、まずは担当課より5分程度で説明を行い、その後約15分程度で御議論をいただく形で進めていただければと思います。なお、会議資料の概要(事前分析表のポイント)の中に、先ほど私が御説明いたしました事前分析表の確認すべき主な事項というものを2ページ目にまとめておりますので、こちらも適宜に御参照いただいた上で、委員の皆様から御意見をいただければ幸いです。事務局からは以上です。
 
○印南座長
それでは1つ目のテーマ施策番号Ⅰ-2-1 「今後の医療需要に見合った医療従事者を質・量両面にわたり確保するとともに、医師等の偏在対策を推進すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
 
○医政局
医政局医事課長です。それでは、資料1-2、概要の1ページを御覧ください。この資料に基づいて説明したいと思います。医療従事者の確保、つまり、「医師等の偏在対策を推進すること」という施策目標についてです。中段の課題を見ていたただきますと大きく4つに分けて整理をしております。
1つ目が医師確保また偏在対策です。現状(背景)としては、医学部の定員自体は2008年以降、過去最大まで増員している中で、今なお地域偏在、診療科偏在といった課題があると考えております。こうした課題に様々な施策を通じて対応していくことを考えており、その上での達成目標を1ページの左下に設定しております。大きく3つ、1.診療科別の医師数の増減割合、2.医師偏在指標、3.必要医師数を達成した都道府県数と、ちょっと分かりにくいところがあるかと思いますので、資料1-1の3ページを併せて御覧ください。事前分析表のA3資料です。診療科偏在につきましては、平成26年を起点として、増加を推進しないといけない小児科、産婦人科、外科等が2016年度次と比較してどうなっていくのかを指標としております。
次に地域偏在に関するものとして、医師編在指標ですが、A3資料3ページの②です。都道府県に取組をお願いするときに医師多数地域なのか、中位なのか、少数区域なのかということを、我々のほうで計算式を用いてお示しております。それで、医師少数区域であるとなった所がそれを脱していく、数を増していくという政策目標としております。③が二次医療圏単位、都道府県で医療を基本的に考えている単位で、都道府県単位で必要維持数を達成するということで、地域編在については都道府県間の偏在もあれば県内での編在もありますので、それに対応する形で指標を設定しております。
資料1-2の概要の表に戻ってください。課題2、看護職員等の確保です。医療を提供する上で医師だけでなく看護師等、医療関係職種の確保は重要な課題だと考えております。様々な国家資格を持たれている方の数は、年を経るごとに増加していますが、就業して実際に地域で活躍いただいている数を増やしていくということが、重要だと考えております。概要の1ページ、4、5を御覧ください。就業看護師数、就業歯科衛生士数、歯科の分野では歯科衛生士が重要だと思いますので、この2点を指標としております。
続いて課題3です。数の確保に加えて、やはり医療を提供する上での質の確保が重要になってくると考えております。達成目標3ですが、医療の質というのは本当に計ることはなかなか難しいところですが、それを確保していく上で重要なのは、医師、歯科医師につきましては臨床研修が必修化されており、そこで充実した研修を受けていただくというのが、質を確保していく上で非常に重要だと考えております。
したがって6、7の所で、研修医、研修歯科医の満足度調査をアウトカムとして指標設定させていただいております。また看護師につきましては、新人看護師への研修は非常に重要だと考えておりますので、それを実施している病院の割合というのを達成目標の3の所で掲載しております。
最後に、課題4で医療を提供していく上で、救急医療は非常に重要な分野だと考えております。さらに、今後推進していく分野としてドクターヘリがあると考えており、ドクターヘリ従事者に対する研修の満足度調査をアウトカムとさせていただいて、参考指標として記載の10、11、12で導入数、受入れ数、研修の受講者数等を書かせていただいている状況です。私どもからの説明は以上です。
 
○印南座長
どうもありがとうございました。ただいまの説明について、御意見や御質問等があればお願いいたします。
 
○宮﨑委員
千葉大学の宮﨑です。御説明ありがとうございました。現状と課題と、達成目標との関連という点から、医療従事者の最大構成割合を示す看護職員のことについて伺いたいのですが、現状の3番から派生する課題2という所なのですが、マンパワーを増やすというのはもちろん重要な施策だと思いますが、やはり今、看護職員で一番課題となっているのは領域偏在だと私は認識しています。つまり、日本の看護職のマンパワー配分は、諸外国に比べて病院、医療機関にその割合の重点がこれまで割かれてきたのですよね、現状でも看護職員の7割がいわゆる病院という施設に偏っています。これから入院期間が短縮されて、地域医療や地域包括ケアの時代と言っているのにもかかわらず、訪問看護や介護施設といった在宅や地域に就業する看護職員の割合が、依然として非常に低い傾向にあるのですよね、領域偏在といえますが。そのことについて余り取り上げてくださっていないように思うのです。マンパワーというところに課題を焦点化されている理由というのを伺いたいというのが1点目です。
2点目、同じ看護職員のことなのですが、現状4から課題3という所で達成目標4につながる所なのですが、専門分野における質の高い看護職員の育成というように課題3で掲げてくださっているのですが、達成目標が新人職員の研修を実施している割合というアウトプットになっていますよね。これから医療が高度化していきますから、やはり専門性の高い看護職員といったときに、認定看護師や専門看護師、そういう資格を有する人の割合というか、数を増やしていくというのが順当な課題及び達成目標かなと私は思ったのですが。なぜ新人職員の研修というところにアウトプットを置いていらっしゃるのか、そこの2点目を教えてください。
 
○印南座長
お願いします。
 
○医政局
看護課長です。御質問ありがとうございました。1点目の御質問ですが、領域別偏在という点についてお答えいたします。確かに、御指摘いただいた領域別偏在ということについては、私たちも重要だというように考えております。これについては、都道府県ナースセンターにおいて、各都道府県の課題、例えば介護領域や訪問看護ステーション、あとは障害領域に看護師が必要だという課題があれば、それを都道府県内あるいは二次医療圏内の関係者で話し合って、それを解決していくというような施策も重要だと考えておりまして、それを現在、幾つかの都道府県で実施していただいております。そういったことを、今後47都道府県で実施をして、それについて解決をしていきたいというように考えております。
2点目、専門性の高い看護師の育成が課題に挙げられているのに、なぜ新人の研修が指標になっているかということですが、こちらについては、全ての看護職員が最初に受ける研修で、法に位置づけられている研修という観点で、このような指標を置いております。確かに、今後、認定看護師だけではなく、特定行為研修も広がってきておりますので、こういった研修についても指標にして取り上げていくことも検討していきたいと思います。ありがとうございます。
 
○印南座長
よろしいですか、宮﨑先生。
 
○宮﨑委員
引き続き御検討いただきたいと思います。特に、2番目の専門性の高い看護師においては、今回のコロナにおいても、やはり感染症の専門性の高い看護職といった所はかなり課題となって浮上したと思うのです。誰も彼もが、そういうコロナの重症化患者に関わる看護ができるわけではなく、やはり研修を受けた看護師が必要とされたわけです。ですから、そういった専門性の高い看護職の育成というのは、やはり、これから重要な課題であると私は思いますので、そういうところを指標とすべき点があるのではないかと感じます。引き続き御検討をいただけたらと思います。
 
○医政局
ありがとうございます。検討してまいりたいと思います。
 
○印南座長
私から1番目の課題について。領域偏在については対策を取っているという御説明があったのですが、それをこの政策評価の課題として、今後取り上げるということですか。それとも、対策はしているから、この分析表とかというところには、まだ取り上げないということでしょうか。ちょっと明確にしてほしいのですが。
 
○医政局
そこも含めて、検討したいと思います。
 
○印南座長
お願いします。それでは、佐藤先生、お願いします。
 
○佐藤委員
産経新聞の佐藤です。今、看護師の所が出ましたので、2つ申し上げたいと思うのですが、先に看護師に関して申し上げたいと思います。その前に、まずロジックツリーの作成をありがとうございました。ちょっと感動いたしました。政策評価は、ああそうか、こういうことのためにやるんだなというのがよく分かりました。ありがとうございます。
看護師の所なのですが、私も宮﨑先生と同じ問題意識を持ちました。A3資料の就業看護師数が主要な指標になっているのですが、令和4年度の目標値は前年度以上になっていて、これは前年度よりも1人でも多ければいいのか、ゴールが設定されていない状態でいいのかということを思いました。ちょっと目標値が雑駁すぎるのではないかということです。調べてみたのですが、不足数、2025年時点で見込まれる看護師の数が182万人という資料がありましたが、それと現数と比較すると14万人の不足が見込まれますので、量的目標をどのくらいに設定して、どこまで迫れるのかということが必要だと思いました。
また、宮﨑先生が御指摘になったのと同じ点で、領域別偏在と地域別の偏在について何らかの指標が必要なのではないかと思いました。それが看護師についてです。
もう1つは1つ目の医師の所で、最初に質問なのですが、外科の項目に、整形と脳外は含まれるのかどうかについて教えていただけますでしょうか。
 
○印南座長
お願いします。
 
○医政局
医事課です。回答させていただきます。外科については、いわゆる一般の外科ですので、脳外や整形外科等は含まれておりません。
 
○佐藤委員
ありがとうございます。診療科の設定が小児科、産婦人科、外科で適切なのだろうかということを疑問に思いました。調べてみましたところ、2019年の医師需給分科会の参考資料で、たたき台ですが医師数の見通しが出ていて、それによると、小児科と産婦人科は2036年時点では現数との逆転が生じる診療科です。これまでの実績値を見ても小児科が1倍を超してますし、産婦人科もかなり1倍に張り付いているところを考えると、圧倒的に不足しそうなのは救急と脳外ではないかと思ったのですが。診療科の設定が産婦人科、小児科、外科になっている理由を教えてください。
 
○医政局
医事課長です。お答えします。これは設定が本当に難しいと思っております。1つは、小児科や産科等を中心に挙げさせていただいているのは、指標とできるかという観点も加味して設定させていただいている面があります。小児科や産科等であれば、対象となる疾患等がある程度対象が明確な部分もございますが、いわゆる脳外の先生であったり、整形の先生等、ほかの領域とかぶってくるところもあり、その領域と対象となる疾患が必ずしも一致しないことなども、やり方の難しさも含めて、指標の測定可能性と目標としての重要性、それらを両方加味した上でこの設定をさせていただいているところです。御指摘のとおり、ほかにも重要な分野があろうと思いますが、なかなか計りにくいところもありますので、こうした対応をさせていただいているところでございます。以上です。
 
○印南座長
よろしいですか。
 
○佐藤委員
1点、たたき台を見て感じたのは、実数で比較してもちょっと分からないと思いまして、要は、現存数が少ない領域で不足数が大きいと、やはり不足感が露呈しますし、現存数が多い領域での足りない分というのは、比較的吸収できると思うのですが、現数が少ない中での不足はかなり大きく効いてくると思うので、そういうことを考えて割合を出してみると、やはり救急の不足が厳しいのと、先ほどもおっしゃられたように、外科の中に脳外と整形が入っていないとすれば、やはり外科の指標もどうなのかなと思いましたので、診療科について、御検討いただけないかと思いました。
もう1つは、令和4年度の目標値の結果を見ることになっていますが、次回の判定をするまでに目標値が出るのでしょうか。というのは、A3資料の横長の②の一番右側の段の一番下の所の参考として、令和元年より確定値を算出していく。最初は4年に1度と書いてあるので、令和4年度の結果が次のときまでに出るのかなという点を、ちょっと疑問に思いました。
 
○医政局
よろしいでしょうか、医事課長です。対象の診療科の設定についての御指摘は分かるのですが、実際にできるかどうかということもありますので、ちょっと慎重に御意見として承らさせていただければと思っております。また、今、正に第8次の医療計画を国でやっており都道府県の役割は重要でありますので、第8次の医療計画による検討を今行っておりますので、その検討結果も踏まえて引き続き考えていきたいと思っております。
また、指標の設定がR4年度に出るのかということについては、医師の届出の調査というのを2年に1回実施しておりまして、今年度が実施の年になっております。その結果が年度中に集計までができるのかはありますが、今年度の調査を踏まえて指標の評価をしていきたいというように考えております。
すみません。御質問の趣旨は7月になってる所。確定値が出るのは7月ですが、暫定的なものが例年であれば出せておりますので、それより早い段階で評価ができればさせていただければと思っております。以上です。
 
○佐藤委員
判定できるときに、数値が出ていないと検討する指標としては適切ではないと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
○印南座長
それでは、井深先生からお願いします。
 
○井深委員
慶応義塾の井深と申します。私からも3点お伺いしたいこととコメントがございます。1点目は、今の佐藤先生がおっしゃられたことと、非常にかぶるのですが、目標値の設定の仕方ということになります。これは今回、今お話をしている施策目標1-2-1だけに関するものではなくて、より一般的に全ての政策評価に関するものなのですが、そこにおいて目標値をどのように設定するかということです。それを前回調査以上ということで目標値を設定するということを、これまでの有識者会議で見てきたわけですが、もちろんそのような目標値の立て方がふさわしいケースというのも当然あると思います。同時に、やはり将来的にこの時期までに何を達成するのかということが、ある程度明確になっているようなケースもあるように思いまして、そうすると、ある特定の年度までの目標をそこでどれくらいの割合を目指すかということから逆算して、どれだけをロードマップの中に達成していかないといけないかというような観点から、目標値を設定していくということのほうがふさわしいようなケースもあるというように考えます。
そういう観点から、今回、例えば達成目標1に関する医師数の増減割合のような指標に関して、前回調査以上という形での目標設定が望ましいのかということについて、また、長期的に、どこまでこういう値を変えるということにある程度、目標というかそういうことが設定されているのかということについて、ちょっとお伺いしたいというのが1点目となります。
2点目に関しては、今回御準備いただいた概要を拝見していて、非常に分かりやすいなと思って質問させていただきたいと思います。3番目の看護職員等の確保という所に関連してなのですが、現状に関しては、看護職員の不足、領域別偏在といった背景が書かれておりまして、そこから課題に移行していくように挙がっております。次に達成目標が書かれているのですが、そこで新しく歯科衛生士の量的確保ということが挙がっておりまして、もちろん歯科衛生士の量的確保が目標となっているという点に関しては、私から異論を申しているということでは全然ないのですが、達成目標が歯科衛生士の量的確保にあるのであれば、遡って歯科衛生士の確保に関する現状であるとか、それに関する課題についても少し教えていただければ、こちらの達成目標の設定について、より理解が深まるのではないかというように思いました。
最後、4番目の医療従事者の質の確保に関して、課題3と4というように2つに分かれていて、この課題4のほうに私の質問のポイントがあります。課題4でドクターヘリの安全運航の件が挙がっているかと思います。ドクターヘリが重要であるという点についても、もちろん理解は十分にしているつもりではあるのですが、医療従事者の質の確保という観点から、ドクターヘリがここで特にアウトカムとして挙がっている点について、どういう背景でこうなっているのかについて、もう少し御説明いただけると有り難いかなと思います。多職種・多機関連携という点が、医療従事者の質の確保という所と関係しているということであれば、ほかに、ドクターヘリ以外の観点から多職種・多機関の連携ということが必要ということについても、同じように達成目標として掲げるというようなことも考慮されるということも一案かなと考えたのですが。その辺りも含めて少し質問させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○医政局
医事課長です。1点目、長期目標の中でも段階を踏めないかという御指摘は、我々も、資料1-1、3ページで御覧いただいた3つ目の指標などは、令和18年の2036年に向けてということを目標にしながら取り組ませていただいて、できるものについては対応させていただければと思いますが、なかなか難しい指標もあるので、その点は御理解いただければと。引き続き考えていければと思っております。
2点目、歯科衛生士について。
 
○医政局
医政局歯科保健課でございます。歯科衛生士についての課題ということで御指摘を頂きましたが、離職者、未就業者が多いといったことが課題と認識しておりまして、歯科衛生士の復職支援に関する事業を行っているというところです。
 
○医政局
医政局地域医療計画課でございます。多職種・多機関で連携して関わるというようなところで、ドクターヘリ以外の指標というようなことを頂きましたが、この多職種・多機関が連携してというのは、なかなか指標として計るのは難しいところがありますが、ドクターヘリの従事者研修に関しては、医師、看護師又は運航会社などが一緒に研修を受けるといったような観点があり、この多職種・多機関が連携して関わるというようなところ、その測面を見ることが一番可能だというようなところで、ドクターヘリの安全運航といったものを課題として挙げさせていただいております。
 
○印南座長
井深先生、よろしいでしょうか。
 
○井深委員
御説明ありがとうございました。2点目に関しては、もし、そのような背景や課題があるということでしたら、看護職員等の中に歯科衛生士の課題も入っていると思いますので、そのような形で、その点についても事前分析表に反映していただけると、この目標について、より分かりやすくなるのではないかと思いました。御検討をよろしくお願いいたします。
 
○印南座長
それでは、田宮先生、お願いします。
 
○田宮委員
今、大分御議論が出てきて、私のお話したかったことも入っていたので、よろしくお願いしたいと思います。私のほうは2つありまして、医師の偏在対策、診療科と地域と、これは看護の場合も両方あると思うのですが、お話が出たら、ちょっと時々音声が途切れたのもあって、総合診療科の医師というのが、やはり先ほどの各医師とほかの職種の連携、ドクターヘリの話が出ましたが、非常に重要となっていると思うのです。そこについて、余りフォーカスが当たっていないような、いろいろな総合診療医師の養成の推進の事業などもいろいろあるようなので、その辺ももう少しフォーカスしていただけたらいいのではないかと思います。ドクターヘリも大事ですが、やはり高齢化や慢性疾患の増大に伴い、総合診療科というのは非常にニーズが大きい、資質の担保も重要だと思っています。
もう1つは、研修医の満足度調査とかの研修についてです。満足度調査は、それはそれで意義はあるとは思うのですが、これは改めて研修医に対していろいろなアンケートを実施するということかと思うのですが、どの程度ニーズに合っているか、トータルな満足度も大事ですが、本人のキャリアプランに合致していたかとか、やりたい手技がちゃんとできたかというようなことも踏まえての調査であれば、その辺のプロセスも知りたいところかなと思います。アンケートだけではなく、今申し上げた研修のプロセス評価、どんなことをちゃんとやっているかみたいな、その辺ももう少しフォーカスしたほうがいいかなと思っていて、プロセス評価について、3番目に関連しますが、横長のA3の4ページ目にある(4)です。医師が不足する地域における若手医師等のキャリア形成支援がすごく重要だと思うのです。結構研修のときは行ったとしても、その後キャリアとして、この医師不足地域にどうしても定着しないという問題もあって。非常にそこはフォーカスして、どうしてそうなるのか、どうしたらよいのか、そこをいろいろ考えて、ここで若手医師のキャリア形成の工夫などをいろいろされているようですので、ここの評価をきちんとプロセス評価も含めて、すぐにはアウトカムにはつながらないかもしれませんが、若手の医師などを見ていてすごく重要だと思うのです。自分の自己実現がどうしても医師不足の所ではできない、手技が学べないとか、そこら辺を根本的に解決していかないと、なかなか医師の偏在は防げないと思うのです。総合診療のこと、プロセスの評価の所をよろしくお願いします。
 
○医政局
医事課長です。まずは総合診療についてです。御指摘のように、非常に重要だと考えております。その中で一番重要になるのは、今回、臨床研修を挙げていますが、制度創設の趣旨が、やはり最初の段階で、全て医師は全人的に診ていこうということを柱に創設されておりますので、そこは1つ取り組ませていただいているところではあります。それに加えて、総合診療専門医の移行、養成等々も重要だと思っておりまして、いろいろな段階に分けて取組をさせていただいておりますので、達成する事業の所に、ちょっとそうした事業が落ちてる部分もありますので、そこはちょっと入替えをさせていただければと思っております。
2点目は臨床研修の質の確保の所で、基本はアンケートでやらせていただいています。実際、その医師が、どういう臨床研究、研修期間中に身に付けないといけないものは何かということについて、別途指針等は示させていただいておりまして、それに基づいて各研修医療機関で取組を進めていただいている状況で、そうした取組の中でアンケートを実施させていただいているというものになっております。
最後に、キャリア形成に関する評価は実際に非常に重要だと思っており、これは都道府県ともども、我々力を入れてやらせていただいてます。ちょっと指標としてどう設定できるかは非常に難しいなと思いますが、御指摘を踏まえて、取組をしっかりと進めさせていただければと思っております。以上です。
 
○田宮委員
ありがとうございます。プロセス指標でもいいと思うので、まずは何をやっているかというところでもいいと思います。よろしくお願いします。
 
○印南座長
よろしいでしょうか。
 
○田宮委員
はい。
 
○印南座長
私も、ちょっと全体的な感想で。今回、ロジックツリーが出されて、非常によく分かりやすくなったというように思います。でも同時に、目標と取り上げられている項目の現状、背景、それから課題、達成目標との間に、論理的なロジックのねじれか、欠落みたいなものが非常によく目立ってしまっていて。特に指標の部分は難しいというのはよく分かるのですよね。でも、これは外、表に出ていく資料ですよね。そうすると、そういうことは皆さん知らないので、紙だけ見て、結構、何か指標がこれしかないのとかと言われそうな感じもして。本来は、こういう指標で計りたいのだけど、それが困難なので、代理指標でこれを使いますという言い方をしておいたほうがいいと思いますね。代理の指標ですと。それが1つ。
それから、項目の取り上げ方が、何といいますか、やはり意見が分かれるのかもしれませんが、必ずしも、今、すごくフォーカスを浴びているようなのとは、ちょっとずれたりしているなと。例えば総合診療医が出ましたが、かかりつけ医の制度化がもう火が付きますよね、そうすると、一番近いのは総合診療医かもしれないですよね。そういうことを考えると、もうちょっと前面に出してもいいのかなというようには思いますね。私からはそんなところでしょうか。
ちょっと時間も押してますが。続いて、施策番号Ⅰ-3-2、「医療安全確保対策の推進を図ること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
 
○医政局
皆様、おはようございます。医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室の室長をやっております梅木と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料の事前分析表と概要ですが、概要のほうで御説明させていただきます。
施策目標Ⅰ-3-2 「医療安全確保対策の推進を図ること」となります。我々は医療安全の施策をやっておりますが、医療安全の確保については、医療政策上大変重要な課題であることを認識しておりまして、医療安全を向上させていくためには、様々な関係者がいる中で、各々の立場から総合的に取り組んでいく必要があると考えております。
厚生労働省では、医療安全推進総合対策を2002年に策定しておりまして、これらに基づきまして医療法の改正等を通じて医療機関における医療安全管理体制の整備、医療安全支援センターの設置、各種制度等を推進しているという状況です。当室は約20年の歴史があるのですが、2000年前後に大学病院等で大きな医療事故が起きたということもありまして、2001年に医療安全推進室が設置されました。その当時に医療安全対策のパラダイムシフトと言いますか、考え方が少し変わっているということがありまして、その考え方を踏まえて対応をしてきております。
それは、米国の研究機関が「To Err is Human(人は誰でも間違える)」という報告書を発表しております。この報告書では、人は誰でも間違えるものであり、それを前提に、仮に間違えても障害に至らないようにするには、どのようにすればよいかという観点から、重要なことは、個人を攻撃して起こってしまった誤りをとやかく言うのではなく、安全を確保できる方向にシステムを設定し直し、将来のエラーを減らすように専心することであるという形で提言が出されておりました。
こういった報告書の趣旨も踏まえまして、現在の医療安全の対策は医療従事者個人の努力に依拠するのではなく、個々の要素を高めつつ、いかに医療システム全体を安全性の高いものにしていくかという観点で取組を進めております。こういった取組が、患者の安全を最優先にするような安全文化を醸成し、患者と医療従事者が互いに信頼関係を築くことで、互いの理解が一層深まって、良質で適切な医療を提供できる環境が整うことを目指している施策になっています。
そういった前提で、概要に移ります。現状を3つ、現状(背景)という形で書き分けております。1つ目が医療事故等の状況、2つ目が原因究明と再発防止、3つ目が医療安全の推進のための取組という形になります。医療事故等の状況というのは、実は2の原因分析等で書いております政策による実績を載せているのですが、2021年の医療事故調査制度における医療事故発生報告件数は317件であったということ。それから医療事故情報収集等事業で政策を進めておりますが、これについての事故等事案の報告件数は5,243件であるといった現状があります。
そういった中で、我々としては原因分析と再発防止ということで、まずは医療法に基づいて病院等の医療安全管理体制を義務付けており、体制整備をしております。こちらの医療安全管理体制については、病院内で起こった事故などを自分たちで原因分析をして、それをまた対策に反映させるといった形の対策を求めているというものになります。
2つ目の医療事故情報収集等事業というのは、義務的に報告をお願いする機関と任意で参加いただく機関があるのですが、ある一定の基準に該当する、例えば、医療上の誤りがあった、医療上予期しなかった事案があって、報告対象になれば、そちらを指定している事業者に報告をしていただくと。そういった情報を収集して全国的な収集をした上で、再発防止策を提言して、それを全国の病院に情報を提供することで、また現場でその対策を講じていただくといった制度をやっております。
3つ目は医療事故調査制度と言いまして、これは医療法上に医療事故の定義を置き、医療に起因し、それから、病院の管理者が医療安全の責任を持っているのですが、管理者が予期しなかった死亡事例があった場合には、報告をすることが全医療機関に求められております。医療事故が発生した場合には院内の調査をした上で報告をいただき、報告を受けることについて指定をしている事業者で事例を収集した上で、再発防止策の提言を出しております。
4つ目は、産科医療補償制度で、分娩に関連して重度の脳性麻痺が生じた場合には、早期に救済をするとともに、早期の紛争の解決、それから原因分析を行うという事業が、これは民間保険を活用しておりますので、正確には、法律には根拠がありませんが、そういった制度を実施しているという状況になります。
3つ目の、医療安全の推進という取組は、診療報酬での評価をすることで医療安全を進めていくという取組であるとか、医療安全支援センターを各都道府県や保健所設置市、それから特別区には設置の努力を義務付けておりまして、設置を図ってきているということで、こういった取組を行っております。
 
○印南座長
すみません、あと1分でお願いします。
 
○医政局
すみません。課題としては医療事故というものを防ぎまして、安全に医療が提供される体制を確保するとともに、医療事故が発生した場合の原因の究明と再発防止を、引き続き課題として認識をしておりまして、これに対して取り組んで行く必要があるということです。達成目標は2つに一応分けましたが、収集・分析による発生予防・再発防止、それから体制の整備を達成目標に掲げております。
その発生予防・再発防止につきましての測定指標は、先ほど申しましたような情報を収集してそれを分析して提供しているのが、医療事故情報収集等事業という所なのですが、こちらのほうにデータを集めた上で公開しております。そういったものを、しっかりと病院が見ていただいているかどうか、あるいはその医療安全情報にアクセスして病院が取り組んでいただいているか、WEBアクセス数で評価できるだろうということで、こちらを置いております。産科医療補償制度の再発防止に関する分析件数というのは。
 
○印南座長
すみません、時間がどんどん押しているので、一応事前に資料は頂いて見ておりますので、ここでちょっと御説明を切って、委員の先生方からの質問やコメントを受け付けたいと思います。
 
○医政局
はい。
 
○印南座長
ただいまのテーマにつきまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いします。
○佐藤委員
ちょっと時間もないことなので、急ぎで。すみません、そもそもの話で恐縮ですが、目標値の設定の理由が分からないです。例えばA3の資料に載っているのですが、達成目標①の29万5,000件以上が、なぜ29万5,000なのか。その前年並み以上ということなのかなと思いつつ読んでいるのですが、その次の②の所も前年が2,792件だから2,800件以上になっているのかなという、理由がないまま目標値を設定することに余り意味がないと思っていて、やはりゴールの設定が必要なので、なかなかこの分野は目標値の設定で何を達成するかは難しい分野だとは理解するのですが、そうはいってもどこを目指してそれがどの程度、達成されたかを計るのが政策評価だと思います。達成目標②についてもやはり同じで、目標値が設定されているけれど、何を根拠にこの目標値を設定されたのか、どこに向かって行くつもりなのかが分からないので、それを設定していただかないと政策評価にはならないのではないかという感想を抱きました。ありがとうございました。すみません。
 
○医政局
御指摘の点につきましては、測定指標は達成目標①、②共にアウトプットの記載になっており、御指摘のとおり、どこをゴールに置くのかは極めてこれは難しい施策になっております。なので、我々としては医療安全というのは不断の努力によってPDCAサイクルを回すことで医療安全を一歩ずつ推進していくことが必要ですので、そういったプロセスが回っていることをこの指標として入れ込んでいることになります。
 
○印南座長
よろしいですか。
 
○佐藤委員
いや、ですからそれだと政策評価にはならないので、本当に難しい分野だとはよく理解しているのですが、やはりその以前の何らか指標になり得るものを工夫して、考えることが必要なのではないかなと思いました。すみません、感想めいた意見になりました。失礼しました。
 
○肥沼室長補佐
すみません。事務局から補足しますが、おそらく最低限、多分今佐藤先生がおっしゃったのは今、目標値として設定されているものの数値の、多分設定根拠だけでも知りたいということだと思うので、多分それで考えられている担当部局で何か算定根拠みたいなのがあるはずだと思うのですよね。それを、目標値の設定根拠の欄に追記するのは最低限できるのかなというものであります。
ゴールが難しいのは我々も理解しているので、そこは中長期的な検討になるかもしれないですが、少なくとも何でこの目標水準なのかというところを、明らかにしてあげたほうが御指摘に答えられるのかなと、事務局として聞いていて感じました。以上でございます。
 
○印南座長
佐藤先生、よろしいですか。
 
○佐藤委員
ありがとうございます。難しいことを申し上げているのはよく承知していて、一緒に考えていければと思います。ありがとうございます。
 
○印南座長
要は測定指標の所に、もう少し記述がほしいことだと思うのですよね。
 
○医政局
はい、承知いたしました。
 
○印南座長
宮﨑先生どうぞ。
 
○宮﨑委員
宮﨑です。聞こえますでしょうか。今の御指摘とも関連するかと思いますが、課題という所が、ちょっと大枠的かなという気がしています。つまり、近年の課題は何なのかなというところですよね。そこで1つ思ったのが、やはりこの医療安全確保対策の中で、この医療法に基づき全国に設置されている、この医療安全支援センターの機能や役割はものすごく重要ではないかと思っているのですが。ただ、その現状といいますか、どれぐらい機能していて、どれぐらいそれがまた地域の医療安全に還元されているのか。そこら辺のこの医療安全支援センターの機能状況ということですね。例えば、そういった辺りの近年の課題があるとすると、その辺りが具体的な課題になるのかなと思ったのですが、担当課としてはどう考えていらっしゃるのか教えてください。
 
○医政局
御指摘ありがとうございます。医療安全支援センターにつきましては、もともと各都道府県に患者相談窓口などとして設置されていたものを法的に、より正しく、より医療従事者との懸け橋になる形で機能していただくことを目標に、これまで各都道府県や設置市などに呼び掛けをしてきている状況です。実際には、苦情などの対応が結構多くて、こういったセンターに寄せられている相談は年間10万件を超えているということで、そこで意見や御相談を受けていただいていることになります。
我々としては、医療と医療関係者と患者さんの信頼関係をサポートする立場で、このセンターを設置していただきたいと考えており、その一歩としては相談を受けておるのですが、そこのもう少し丁寧なサポート、医療機関とのつなぎというところについては我々としても、もう少し機能を発揮していただく必要があるだろうと思っております。そこについては、我々の課題だと認識しております。
 
○宮﨑委員
ありがとうございます。状況は分かりました。そうすると、そういう現在の機能状況の中で達成目標とすべき現状の課題から目標とすべき事項が、何かもう少し具体的に取り上げられないのかなと思ったのですね。今の課題と、達成目標が少し大枠的かなと感じましたので、現状から、現状で対策すべき点がどういうことなのか、そこら辺がもう少し具体的になるといいのかなということで質問した次第です。
 
○医政局
課題の選定の仕方は、これは大枠過ぎるのは御指摘のとおりでもありますが、我々の最大の目標は重要なこちらでもあるので、書きぶり等については検討させていただきます。
 
○宮﨑委員
お願いいたします。
 
○印南座長
それでは、田宮先生お願いします。
 
○田宮委員
今の議論も、本当そのとおりでそれに関連してですが、確かに内容的なところで言うと例えば医療の今の測定指標の大きい紙の1枚目ですと、医療安全はやはりWEBのアクセス件数となっており、これも指標としてはいいと思います。その右の測定指標の選定理由を見ますと、医療機関自らが分析・検証した情報を収集、分析したと書いてありますが、この辺のこの分析というのが、どの程度行われているのかは教えていただきたいと思っています。
というのは、同様に並んでおります産科補償は、分析件数が指標になっているのですね。ここも産科補償のときの分析と、この医療の事故の場合の分析は、どうも定義が違いそうですし、その辺の御説明は。データは、ただ集めてそれで分析されているということですが、そこが効果的にフィードバックされているかどうかがとても重要だと思うので、その辺のことが指標に反映できるといいなと思うのでお伺いしました。そのロジカルな指標性も、その辺の内容のところから考えられるかなと思います。具体的に分析はどういうふうにどこがやっていて、現場が分析すると書いてありますが、それはまとめて分析すると書いてあるのが医療事故で、産科補償は分析自体の件数が数値になっているので、その辺の2点をお願いします。
 
○医政局
御指摘いただきまして、ありがとうございます。1点目の医療事故情報収集等事業につきましてはおっしゃったとおりで、まず病院で発生します。その発生した事案をまず把握し、例えばこういう改善ができるのではないかという分析結果も含めてWEBで病院が登録をしていただくことになります。日本医療機能評価機構で情報を集めるのですが、集めた結果、大きなトレンド、例えば薬剤の関係の医療の関係の事故が多いということであれば、それをまとめて医療安全情報という形でもう一回今度は現場にフィードバックをするといった制度になっております。
当然フィードバックするのですが、FAX、あるいはPDFでそういった情報を提供するのですが、当然WEBでのアクセスも可能でして、これらは非常に長年積み重なった実績があります。医療の事故を起こされた場合には、院内医療安全管理者や、医療安全の部門の方々が人為で起きたことをどのように改善すればいいかを、過去の安全情報などを参考にしながら分析したり対策を立てたりすることがあるので、WEBでのアクセスが増えていくこともあります。
 
○田宮委員
分かりました。すみません。まとめた評価というか、各医療機関が出してきた対策をまとめて、また分かりやすくしていらっしゃるということですね。
 
○医政局
そうですね。はい。要は他の医療機関の情報が全国に共有される形になります。
 
○田宮委員
共有できる。
 
○医政局
産科医療補償制度に関しましては、これは日本医療機能評価機構において、ある特定の出産事故の情報が集まってきます。それが先ほど申しましたとおり、分娩に関連した重度の脳性麻痺の方々の情報が集まりますので、その中で医療の観点で再発防止策として何ができるのかを、日本医療機能評価機構の中で分析をして、それを提言としてまとめる、改善策を提示することになっております。
 
○田宮委員
うーん。その分析。
 
○印南座長
よろしいですか。すみません。時間が、相当押していますので、手短に御説明をお願いしたいなと。すみません。指標や、取り上げ方の説明だと思うのですね。1つ1つの制度について詳しく説明されても時間が足りませんので、すみません、よろしくお願いします。田宮先生よろしいですか。
 
○田宮委員
はい、分かりました。そういう専門的な知見での分析がどのくらい行われているのかを、産科補償では見ているのですね。
 
○医政局
はい。
 
○印南座長
よろしいでしょうか。それでは、次のテーマであります施策番号Ⅰ-6-1、「難病等の予防・治療等を充実させること」について、担当から説明をお願いします。
 
○健康局
引き続き、「難病等の予防・治療等を充実させること」として、資料3-2をお開きください。こちらの施策の目標といたしましては、難病等の予防・治療等を充実させることです。施策目標としては、3本ぶら下がっている形になっております。一番左ですが、1.難病・小児慢性特定疾病対策等ということで、こちらについては、難病の部分の対策、慢性腎臓病の対策、循環器病対策の推進ということで整理をさせていただいております。
課題が、それぞれ難病患者に関して、①経済的に負担があるということなので、医療費助成による経済的負担の軽減、②難病患者等に対する医療提供体制の整備、③慢性腎臓病に関する早期診断・治療、重症化予防の徹底、④循環器病対策推進基本計画に基づく循環器対策の総合的な推進です。
達成目標として測定指標に掲げておりますが、左下の箱です。難病の関係ですが、難病法に基づく医療受給者証の交付件数です。4ですが、児童福祉法に基づく医療受給者証交付件数です。6、腎臓病の関係ですが、腎疾患特別対策事業費申請自治体数。7、循環器病に関しては、循環器対策推進基本計画を策定した都道府県数とさせていただいたところです。
2本目の柱、真ん中ですが、ハンセン病の対策です。こちらに関しては、ハンセン病療養所の入所者の方々等について、減少しているということで、ハンセン病問題は、そもそも知らない世代が非常に増加をしているというところが、現状になっております。
課題としては、ハンセン病療養所入所者等の方々に対する偏見・差別の解消と名誉回復、ハンセン病元患者家族に対する補償です。
一番下が測定指標ですが、9で書かせていただいておりますが、ハンセン病資料館の入館者数は、アウトカムとして設定しております。
また、中学生向けパンフレットの作成をさせていただき、全国の中学校等に配布をさせていただいておりますので、そちらもアウトプットという形で設定をさせていただいたところです。
3番目は、アレルギー疾患対策について説明します。
 
○健康局
3番目のアレルギー疾患対策ですが、我が国全人口の約2人に1人は何らかのアレルギー疾患を有していることもあり、アレルギー疾患対策の基本法に基づいた対策の推進を実施しているところです。
その中の課題としては、①居住地域にかかわらず、適切な治療を受けられるようにすることであったり、②情報を入手するための体制、③研究の推進が掲げられております。
達成目標の3番目で、拠点病院を設置した都道府県数や研修を充実した都道府県数等を掲げさせていただいております。簡単ではありますが、事務局からの説明は以上です。
 
○印南座長
それでは、ただいまの御説明について、質問、意見等がある場合には、お願いします。大西先生、お願いします。
 
○大西委員
御説明ありがとうございました。私からは、課題の2番目のハンセン病対策のことについて、質問等が、後、若干のコメントになるかもしれませんが、申し上げたいと思います。これは測定指標ですが、9や10で、ハンセン病資料館の入館者数とか、中学生向けパンフレットの印刷の実積等を設定されていて、これは前の議論のときからこういう手法で評価測定をされていることは、従前の経緯にもあったような理解はしているつもりですが、これは、例えば実際に資料館に入館された方とか、あるいはパンフレットを読んだ中学生とかに対して、それこそ満足度調査ではないですが、例えばハンセン病の歴史とか実態についての理解度調査みたいなことは、現場レベルでは実施されているのでしょうか。
 
○健康局
健康局からお答えします。今、御指摘いただいたハンセン病に関しては、全数という形ではやっていない状況でして、定期的にピンポイントでやったりというのは、現場からは聞いておりますが、定量的にまだ把握できている状況ではありませんので、その辺りを今後の課題だと認識をしております。
 
○大西委員
よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。ここからはコメントになります。言い方は語弊があるのかもしれませんが、ハンセン病は、昔の特定の疾患というイメージがあるのかもしれません。ただ、これは最近のコロナの問題を巡る、特に流行の立ち上がりの時期に起こった医療者に対する偏見・差別の問題にも見られますとおり、感染症の教育とか、あるいは感染症に対する国民のリテラシーを向上させることは、これは古くて新しい重要な政策課題かと思いますので、こういったハンセン病の教育という特定の分野かもしれませんが、特定の感染症に関する理解度の向上とか、リテラシーの向上みたいなものを通じて、国民の今後も起こり得る新興感染症とかに対する理解度というか、最適なバランス感覚みたいなものを向上させるという視点を、現場レベルでも持っていただけると、よろしいのかと考えました。以上です。
 
○健康局
御質問ありがとうございます。頂いた御質問を踏まえて、今後、引き続き検討させていただきたいと思います。
 
○印南座長
田宮先生、お願いします。
 
○田宮委員
1点、ハンセン病のことと難病のことを申し上げたいのですが、ハンセン病は、今お話がありましたように、非常に歴史としても学ばなければいけないことがたくさんあって、過去の疾病として、とても片付けられることでもないです。特に、私は、医療従事者に対する、医療従事者の卵といいますか、そういう教育の、中学生とか、そういうことも大事ですが、少しスペシフィックに医療の、それから研究とか、そういう実際の科学的知見と政策との、コロナのことも、今そうですが、科学的にここまで分かっていて、それをどう政策に持っていくかと、その橋渡しのところが非常に重要だという教訓だと思うのです。
国際会議でも、ハンセン病は感染しないと分かっていても、なかなかそれが科学者、私たちの責任だと、いつもこれは思っているのですが、そこを伝えられず、それが政策に反映できなかったという事実。これは深いことですが、そういう意味では、医療従事者の教育もフォーカスに入れていただいたらいいのではないかと。私たちの大学では、このような取組をやっていますが、思いました。
2点目の病院のことですが、また、相談件数だけというのが、WEBで相談件数が増えていくのは重要ですが、いろいろアンケートによって足りなかった部分もあるので、その辺をもっと専門的な知識がアクセスできるようにするとか、もっと丁寧な対応をするとか、アンケートに基づくものというので。あと、そういう意味では、今、この時代、オンラインの相談とか、難病の方ですとやるほうも大変ですし、アクセスをよくするということも重要かと思うのですが、オンラインの相談件数とか、そういうものは把握できるのでしょうか、やっているのでしょうか。お願いします。
 
○健康局
健康局です。2点目の御質問ですが、現状、オンラインの質問件数等は、把握はできておりません。基本的に、恐らくは電話とかの相談が現場としては多いのが実情ですので、オンラインとして相談を受けていることは、現状、余りないのではないかとは思っています。いずれにしろ、今後、こういったDXが進んでいる状況ですので、オンラインの状況も含めて把握できるかどうか、検討させていただきたいと思います。
 
○印南座長
よろしいでしょうか。それでは、佐藤先生、お願いします。
 
○佐藤委員
出なかったところを。まず達成目標1の難病と小児なのですが、主要指標として、医療受給者証の交付件数が出ているのですが、対象の方には交付するものだと思いますので、その交付件数自体を目標値として設定し、しかも主目標にすることが適切なのかどうかという感じがしました。要は、前年度以上を目指すとすれば、潜在患者がいると認識していることなのか、そうだとすれば、そのことのほうが問題なので、潜在患者をどのように把握していくかとか、どのようにアプローチしていくかということのほうが、重要なのではないかと思いました。
また、6ですが、これは対象となる自治体が都道府県、政令市、中核市だとすると、41という設定は少な過ぎるのではないかと思いましたが、どうしてこのように少ないのだろうというのは、疑問に感じました。
それから、達成目標3のアレルギー疾患ですが、こちらも主要指標に拠点病院を設値した都道府県になっているのですが、令和3年度に47都道府県の実績があり、令和4年度に47都道府県の実績を挙げることに、どのような意義があるのか分かりませんでした。少なくとも47は出るのであれば、主目標ではないのかなと。ほかのものを主目標にしたほうがいいのではないかと思いました。
15ですが、これは前年度までの人数から、格段に上がっているのは、恐らくオンライン化を導入して、受講者が掘り起こされたことだと思うのです。潜在的に学びたいと思っていた人がいたのに、このアプローチができていなかったことを示すものだと思いますので、この点について、どういう取組をされていくかということがあると、達成が更に、いい効果があるのではないかと思いました。以上です。ありがとうございました。
 
○健康局
1点目の難病の分、お答えをさせていただきます。指定難病については、順次追加をさせていただいているところでして、難病の追加をさせていただく過程において、受給者数がしっかりと増えていくというか、サービスを使っていただけるように、拠点病院を中心に医療提供体制を整備して、難病の医療行政につなげていくことを目的として掲げさせていただいているところです。
一方で潜在患者数というのは、正直申し上げて、なかなか把握するのが、医学的にと言いますか、社会的に難しい部分もありますが、今おっしゃっていただいた指標を含め、より適切なものがあるかどうかについては、引き続き難病制度の充実等を検討していく過程において、検討させていただきたいと思っております。
引き続きまして、6をお答えさせていただきます。
 
○健康局
6番の腎疾患に関する申請自治体数について、41が少な過ぎるのではないかという御質問ですが、この辺りは、法律等の根拠も明確でない中で対策を進めている事業です。その中で各自治体に2分の1の負担をお願いしながらやっている状況でして、もともと一桁であった所から、順に増やしてこのような数字になってきているというところで、正直、この状況でもかなり頑張って何とか伸ばしてきている状況です。
また、13番目の拠点病院を設置した都道府県数は、47に到達して、引き続き47では意味がないのではないかということですが、こちらについても、実はこの47については、現段階で予算、その他を含めて、実は名前を掲げる以外のメリットがない状況で推進をしていただいている。つまり、かなりボランティアに近い形でやっていただいているので、こういった目標を掲げて引き続きやってもらうことは、重要だと考えております。
また、15番目について、アウトプットが大幅に増えた。御指摘のようにオンライン化したことのメリットだと思っております。飛躍的に上がっていくという状況の中で、目標をどう設定していくのか、少しこの点は検討をしながら進めたいと考えておりますが、手法等を見直しながら、しっかりと進めていきたいと考えております。以上です。
 
○佐藤委員
ありがとうございました。
 
○印南座長
宮﨑先生、お願いします。
 
○宮﨑委員
時間がないので、コメントということで聞いていただければと思うのですが、難病対策における地域の拠点というと、保健所だと思うのです。保健所の中に難病対策地域協議会を設定して、地域の医療機関や生活支援サービスを実施している市町村など、関係者をつないでいく役割が保健所にありますよね。そういう地域を拠点として、保健所の機能について、私は何らかの現状と課題と、もし指標に挙がるべき内容があるのかあと思ったので、その点も御検討いただけたらと思います。
 
○印南座長
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。それでは、よろしいということで、更に次のテーマに移りたいと思います。施策番号Ⅰ-7-2 「医薬品等の品質確保の徹底を図るとともに、医薬品等の安全対策等を推進すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
 
○医薬局
医薬生活衛生局の総務課長の田中と申します。今日は、よろしくお願いします。私のほうからは施策目標Ⅰ-7-2、医薬品等の品質確保の徹底を図るとともに、医薬品等の安全対策を推進することについて、御説明させていただきます。まず施策としては3つ、一般用医薬品の販売制度の定着、医薬品等による健康被害への対応、医薬品等の品質確保対策の3つを上げています。
それぞれ簡単に御説明申し上げますと、まず1.ですが、平成26年に薬機法を改正して、一般用医薬品の販売をネット販売で可能としたことに伴いまして、その店舗とインターネット販売で、それぞれに適切に販売されているか。薬剤師等の管理の下で販売されているかを調査してまいりました。例年、調査をしているのですが、課題としましては、店舗での販売に関しては、「第一類医薬品の情報提供を行ったうち、文書による情報提供の有無」とか、「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入したときの対応」の実施率が低かったということがありまして、これを改善していかないといけないのが1つ。またインターネット販売も同様の課題があります。
達成目標としては、まず基本的には情報提供の実施率で、90%を目標に掲げておりまして、大体、達成をされておりますので、今ほど申しました課題を含めて、また目標を達成していきたいということが1点目です。
2点目が医薬品等による健康被害への対応です。これにつきましては、それぞれ裁判の和解ですとか、PMDAの副作用被害救済制度に基づいて、支援事業を行っております。これにつきましては、測定指標ではなくて参考指標になりますが、給付というのは、適正かつ迅速に救済を実施していく必要があるということで、支給件数等をそれぞれ幾つか項目がありますが、適切に対応していきたいということで、参考指標に掲げさせていただいたということです。
3つ目の医薬品等の品質確保対策です。医薬品等の品質確保のため、立入検査、不良品の回収指導等を実施するとともに、必要な監視指導を強化するということです。
課題としては、2つありまして、都道府県を含めた調査当局の査察能力の向上と、後発品自体の信頼の確保を図るということで、1つはGMP調査を都道府県が行っているわけですが、研修を実施し24回を目標にしておりますが、コロナの関係で若干、回数が減っていますが、目標どおりに実施をしていきたいということです。
後発医薬品の品質確認に必要な溶出試験を幾つか、例年ですと900程度の後発品を抽出して溶出試験を衛生研究所でやっていますが、これもコロナで各都道府県が多忙ということもあって、500程度ということになっておりますが、引き続き実施をしていきたいと考えています。併せて後発医薬品の使用割合については、8割を目指して取り組んでまいります。ここにつきましては、最近、小林化工とか後発品メーカーの不祥事がありましたので、こうしたことを含めてチェックをしていかなければいけないということで、一昨年から取り組んでいるところです。私からは以上です。
 
○印南座長
ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等があればお願いします。佐藤先生、お願いします。
 
○佐藤委員
まず達成目標1のいわゆる覆面調査と言われる調査だと思いますが、目標値に上がっている項目自体は、90%以上の達成率がある、もう片方は80%以上などの達成率がある、比較的、高いものが上がっているのですが、この調査には非常に達成率の低い項目があります。それがあるために例えば、医療用から一般用に医薬品を転換することを検討した場合にも、数値の低さがネックになって転換できないようなことが実際に起きています。低い数値をいかに上げていくかという指標が欲しいという気がいたしました。
それから達成目標の3ですが、概要版のロジックツリーのほうですと、達成目標3の所に都道府県のGMP調査に係る薬事監視体制の向上とあって、それがどうなっていくかというと、都道府県・PMDAでのGMP査察研修の実施回数になるのですが、目標に上がっているのは「質」ですが、指標が「量」の指標になっていることで良いのかということです。達成目標4の後発品についても、立て続けに行政処分があったところでもありましたので、例えば達成目標4の9の溶出試験等の検査の実試件数も900で例年度並みになっているのですが、例年と同じという目標値の設定で良いのかどうか、やや疑問に感じました。以上です。
 
○医薬局
お答えします。まず一般用医薬品のところです。おっしゃるとおり、情報提供に関しては、90%ということで、例年、大体達成しているのですが、内訳をよく見ると、少し御説明を申しました課題の中で、「濫用のおそれのある医薬品を複数購入したときの対応は適切であった」という指標が、低かったりする場合がありました。実は一昨年、45.8%だったのが72.8%ということで改善はしたのですが、業者等を直接呼んで指導をした結果ではないかと思っているのですが、引き続きまだ指標としては絶対数で72%と低いので、全体のかさ上げという意味では、ここの90%だけでいいのかということは御指摘のとおりかと思いますので、指標については今ほどの御指摘を踏まえて考えさせていただきたいと思います。
2つ目で、まず溶出試験、900が500で少ないということで、これは都道府県の衛生検査所でやっていただいておりまして、御案内のとおり、都道府県の職員は保健所業務などコロナ対応で忙殺している中での試験でして、少ないという御指摘はおっしゃるとおりだと思いますが、少しコロナの状況も収まってまいりましたので、今年は900、それでも先生は少ないとおっしゃっておりますが、まずは900を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
研修の件です。質の向上が回数でということがイコールになるのかということですが、意味するところは、都道府県職員のGMP査察に関する資質の向上ということでして、では24回が適切かということはあるのですが、PMDAで3回、都道府県7ブロックで7×3の21回と一応、そういう実施可能な範囲で今、申し上げましたように職員全体の体制、PMDAも査察本体もしなければならない中での研修ですので、そういうことを勘案して設定している数値ということです。
 
○佐藤委員
ありがとうございます。数を上げろと言ったつもりはなくて、要はこれだけ行政処分があった中で、例年と同じ目標設定ということで、世の中の理解が得られるのだろうかということを感じました。できたらその指数をどうしていくかということを考える必要があるのではないかと思いますが、短時間にどうというものでもないと思いますので、すみません、意見にとどめさせていただきます。ありがとうございました。
 
○医薬局
先生がおっしゃることは、全くごもっともというか本質的な指摘です。実は都道府県の監察能力はまちまちでして、必ずしもすべての都道府県の査察体制が十分でなかったということがあります。一方で都市部は、比較的定員も多くしっかりとした監査をしていますので、広域での研修、要は都市部においてどのようにGMP査察に取り組んでいるのかといったことも含めて、実施することを考えております。
 
○佐藤委員
ありがとうございました。
 
○印南座長
私から、無通告審査の話が出ていますよね、年に2回ぐらいやるという。それを目標値には入れないのですか、ちゃんとやるというか、年に2回、皆さんやるのでしょうけど。
 
○医薬局
無通告査察は、ちょうど1年前の7月にジェネリックで不祥事もあったことを踏まえて、同時期に製造所のない沖縄を除いた、46都道府県で実施しました。不祥事の対策として、急遽、無通告査察を行いましたが、年に何回というよりは、やはり無通告ですので、やる、やらないの判断はその時々の状況、またさらに現在は、後発品メーカーも製造体制の見直しやチェックをしているさなかですから、今この状況下で無通告査察をやるのがいいのかどうかというのは、やはりその時々の判断がありますので、目標ということではなくて、その都度検討していくということが適当であると考えております。
 
○印南座長
あるいは後は、内部告発みたいな制度を作るかですね。法令違反だったので、ここは厳しくやるべきだと思いますけども。ほかに御意見、御質問等はいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは最後のテーマになりますが、施策番号Ⅰ-6-3、「原子爆弾被爆者等を援護すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
 
○健康局
原子爆弾被爆者援護対策室長の山本と申します。よろしくお願いいたします。早速ですが、施策番号1-6-3、「原子爆弾被爆者等を援護すること」について、御説明させていただきます。概要資料の1ページを御覧ください。現状と課題につきまして記載をしております。現状の所に書いてありますが、原子爆弾の被爆者に対しまして、原子爆弾の放射能による健康被害という、他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることに鑑みて、被爆者援護法に基づいて、健康診断の実施、医療費や各種手当の支給などを行っております。
2ページ、原爆関係の援護施策の概要です。令和4年度の予算額は1,226億円で、被爆地域の所ですが、広島市や、長崎市の被爆地域にいた方などに対しまして、被爆者健康手帳を交付しております。被爆者健康手帳を所持している方を法令上は被爆者としております。
中段の一番左です。被爆者全員に対して健康診断を実施しております。健康診断は一般健康診断として年2回、さらに希望者に対して年2回の受診が可能で、このうちがん検診を受診することが可能となっております。いずれも自己負担はありません。その隣の医療ですが、被爆者が医療を受けた場合、基本的には自己負担がなく無料で受けられます。現物給付という形になっております。それから、下段の箱の真ん中の所ですが、一定の要件を満たした場合に、諸手当を受給することができまして、ここでは代表的な例として、健康管理手当を掲載しております。一定の疾病にかかった方に対しまして、月額で令和4年4月現在で34,900円の手当を支給しております。このほかに保健手当等の手当があります。ここに掲載しております医療や諸手当につきましては、法律に基づいて支給されるものであり、要件を満たせば支給されるということで、裁量の余地がないところです。したがって、従来より、健康診断の受診率を指標として定めております。健康診断をできるだけ多くの被爆者の方に受診していただくことによって、被爆者の健康保持・増進、病気の早期発見、早期治療につなげていきたいと考えております。
3ページです。こちらは左上の被爆者の人数ですが、約12万8,000人になっております。被爆者の平均年齢は83.94歳になっております。そして、右上の所が各種手当の受給者数です。先ほど述べました、健康管理手当の受給人数が一番多くて、10万7,000人になっております。それから、下段は都道府県、広島市、長崎市別の被爆者人数を掲載しております。
次に4ページ、5ページです。こちらは、原爆被爆者対策予算の年度別の推移で、昭和32年度からずっと掲載しております。被爆者数、予算額ともに減少傾向となっております。5ページの一番下、ここに令和4年度の予算額を掲載しており、約1,226億円となっております。その隣に、前年度からの増減を記載しておりますが、103.6ということで、令和3年度に比べて増額となっております。これは令和3年7月のいわゆる「黒い雨訴訟」の判決を受けて、被爆者として認定する方の数が増える見込みであることが影響しております。私からの説明は以上です。
 
○印南座長
ありがとうございました。ただいまの御説明に関して、御質問、御意見等があればお願いします。
 
○田宮委員
御説明、ありがとうございます。かなり被爆者の方が高齢になっておられるという現状の中、施策としてその方にどういう支援をするかという中で、健康診断とかが、なかなかあまり功を奏さないのではないかという感じもいたしまして、ちょっと視点を変えますと、そういう貴重な唯一の被爆国日本の実体験を持っていらっしゃる方がお元気で、また元気でない方もおられると思いますが、いらっしゃる間にその方がお伝えになりたいこととかそういう記憶をとどめるような、何か配慮というかそのことも、その方に対する援護としては内的な援護として必要かと思うのです。そういう工夫がどうなのかなということと、それからA3の資料に、広島の平和記念公園とかそのことに対しては土地の貸借とか運営費が支出されていますけれども、この辺やはり被爆の経験を後世に伝え、世界に伝えていくことも非常に重要なので、その辺の施策の課題としてもう少し上げていただいても、高齢化した本人への診療とかそういうことも大事ですけれども、もう一つマクロな視点でそちらのほうはいかがかなと思って御質問させていただきました。
 
○健康局
御質問ありがとうございます。御指摘のとおり、被爆を経験された方の記憶、経験、こういうものを次の世代につなげていくことが、これから非常に重要になってくるというのは御指摘のとおりだと思っております。我々としましてはこうした点に対して、被爆体験者の記憶を伝える伝承者といった方を養成しまして、小学校や国外に派遣し、被爆体験の講話をする事業を行っております。直接、被爆をされた被爆者の方や、被爆者の方から講義等を受けて養成をされた方、こうした方々を国内、国外に派遣する事業を行っております。
それから講話といった話だけではなく、やはり被爆した建物など、そういうものをきちんと残していくことも重要と考えておりますので、広島や長崎で被爆した建物、被爆した樹木などに対する保存事業も行っております。
それから国立の平和祈念館も設けておりまして、これは追悼のための施設ですが、ここで国外に向けた平和の発信事業などもやっております。国や広島市、長崎市が主催するものがありますけれども、海外で原爆展などを開催するといった取組を行っております。御指摘を頂きましたような被爆の実相を次世代に残していく、それから広く発信していくことは重要であると考えておりますので、今後とも取組を続けていきたいと思っております。
 
○印南座長
田宮先生、よろしいでしょうか。ほかの先生方、御意見等がありましたらお願いします。
 
○佐藤委員
ちょっと難しい話だと思いつつ聞いていたのですけれども、達成目標1の主要な指標が例年パーセンテージが下がっていて、長期入院などのため、受診者数が減少傾向にある中で、直近の減少トレンドを考慮して、減少トレンドより上回る受診率を達成するよう目標を設定したとあります。減っていく指標を目標値に掲げることがそもそも適切なのかという、言葉がよくないと思うのですけれども、なかなかそれは難しいことだと思っており、やはり指標としてもう少し何か別の指標を新たに設定していく必要があるのではないかと思いました。
この指標自体はおそらく極めて重要な指標だと思うので、いきなり何かほかのものに変えることができるとも思いませんし、それはする必要があるとも思いませんが、何らか現状に即したその設定をしていくことが必要と思いました。またこの指標を上げるのであれば、減少トレンドを考慮してそれより上回る受診率と書かれていますので、減少トレンドだとどのくらいになるのか、そしてそれとどのぐらいの差異があるのかを可能であれば示していくこともあり得るのかなと思いました。ありがとうございます。
 
○健康局
御指摘のとおり、現状、平均年齢約84歳と高齢化しておりまして、近年、この2、3年はコロナの影響もありまして、健診の受診率ががくっと下がってしまったところです。我々としましてはその受診率が減少傾向にあるのは確かなのですが、在宅で健診が受けられるような体制はできないかなど、施策面で受診率が低下しないような方法とは何かを考えているところではあります。ただ、減少トレンドを考慮した受診率のところで、現在は直近3年の平均増減率を乗じて目標とすべき受診率を定めて、そことの差を見ているところですが、具体的にどういう目標値とすることが適切かどうか、今は即答はできませんけれども、引き続きよりよい出し方というか、計算方法があるかどうかを考えていきたいと思っております。
 
○印南座長
よろしいでしょうか。
 
○佐藤委員
ありがとうございます。私も申し上げていて、ぎりぎりと数値を示すことが適切な分野かどうかもちょっとよく分からないので、そこは原局に御判断をお任せしたいと思います。ありがとうございました。
 
○印南座長
ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、健康局の方々どうもありがとうございました。
若干時間が数分余りましたので委員の先生方、5つのテーマ全体を通じてとか、あるいは直接の担当課には伝えられませんけれども、委員の間でちょっと共有しておきたいようなこととか何かありましたらこれを機会におっしゃってください。
 
○佐藤委員
発言させてください。数値目標を出さなければいけないと多分感じていらっしゃって、皆さん数値目標を出していらっしゃるのだと思うのですが、この数値目標は何のために出しているのかというものが結構多くあって、何をゴールにこの数値を設定したのかというものが幾つかあったので、担当課が目標を認識することが、政策目標の意味だと思うので、この場に数値を出すことが重要なのではなくて、どこに向かってこの政策をやっているのかを認識するために、数値を出していただいているので、そこが伝わっているといいと思いました。すみません、ありがとうございます。
 
○印南座長
ほかにいかがでしょうか。今回、ロジックツリーを出していただいて非常に考えやすかったと思いますが、同時に冒頭で言ったとおり、目標と状況分析と課題と指標との間のいろいろな齟齬が結構明確になったとは思っております。前期でこういうことはあまりしてなかったというか、そこまでいってなかったと思います。
 
○肥沼室長補佐
事務局です。これまでは今皆様のお手元にあるA3の大きな紙の資料でのみ基本、議論をしていただいておりましたので、何となく測定指標ではこれでいいのかなという思いは皆さんお持ちであった部分もあったと思うのですけれども、何がいけないのかがちょっと分かりにくいような状況でしたので、今回こういう概要を作ってみて印南座長からも御指摘があったとおり、課題と目標が対応してない、課題と指標が対応してない、またそもそもの多くの先生から御指摘を頂いた、現状に即した課題が立っているのかというところを、おそらくそこがきっと分析はしていると思うのですけれども、この資料にまだ反映ができていないというところが、ちょっと始めたばかりですので、今回多くの指摘を頂いたことでその指摘を踏まえながら、原局に対して事務局からもサポートしていきたいと考えております。
まずは自分たちでも論理的な矛盾のあることにこの場を通じて気付いたと、そこによって政策改善をする上での認識を持つことがまずは大事だということが佐藤先生からもお話ありましたとおり、目標設定をしてそこで評価することが意味あることではないかと思いますので、きちんと政策改善に活かせるような行為につなげていきたいと考えております。ちょっと拙いですが事務局としては以上です。
 
○印南座長
ほかに何かございますでしょうか。
 
○大西委員
事前に事務局と少しディスカッションをしたときに出た話ではあるのですけれども、今回こういうロジックツリーとかを作っていただいたおかげで、個人的に視点としてよりクリアにもつことができるようになったと思うのが、政策の受け手の人に対して満足度調査みたいな形で、その政策の主観的な満足度を測定する指標を設定するのが適切な部類の人たちと、ちょっとそういうやり方では不十分な部類の人たちの区別が明確になったかと感じております。
例えば研修医の満足度を調査しただけで、果してその施策の有効性みたいなのを客観的に測定できるのかなという疑問を持つ一方で、例えばハンセン病などに関してはもう少し施策の受け手の理解度とか、リテラシーの向上みたいなものにフォーカスしたアウトカムの測定指標の設定の仕方があってもいいのではないかと感じました。ですから施策の受け手によって客観面・主観面で、あるいはアウトプット、アウトカムどちらの測定指標に重きを置くということが、こういうロジックツリーを作っていただいたことで、より明確になるのではないかとそういう印象を持ちました。
 
○印南座長
ほかはよろしいですか。それでは一応、予定していました議事は全て終了しました。大変活発な議論をどうもありがとうございました。
この後は事務局より、本日の議論の取扱いについて説明をお願いします。
 
○肥沼室長補佐
本日頂いた御意見の取扱いですが、まずは事前分析表の記載に関する御指摘につきましては、担当課と事務局において必要な修正を検討させていただきたいと思います。
その後、当室事務局で取りまとめ、9月頃になるかと思いますが、総務省への通知、また厚生労働省ホームページでの公表という手続を進めさせていただきます。資料が最終的に取りまとまりましたら、委員の皆様方にも最終版の共有をさせていただきます。
また、今日議論がいろいろ出まして、御発言仕切れなかった方もいらっしゃるかもしれません、そういう場合には、6月10日金曜日までに事務局へメール等で御連絡を頂ければ、会議での御発言と同等という形にさせていただきます。
また限られた時間ですので、今後は原局の説明が5分厳守で守られますように、そのために事前に資料をお送りしておりますので、そうした会議運営の面も改善していければと思います。ちょっと拙い部分があり申し訳ございませんでした。事務局からの説明は以上です。
 
○印南座長
私の議事進行もちょっと拙かったと反省しております。これをもちまして、本日の会議は終了させていただきます。どうもお疲れさまでした。