視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会(第6回)議事録


1.日時

令和2年10月2日(金曜日)14時00分~16時00分

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2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、WEB会議にて開催

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3.議題

1.視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る基本的な計画の策定について
2.基本的な計画に基づく施策の進め方について
3.当面の取組について

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4.議事録

【中野座長】 それでは,定時になりましたので,ただいまから,視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会第6回を開催させていただきたいと思います。
進行させていただきます,慶応義塾大学の中野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は,オンラインでの会議となっております。皆様のところに資料等も事前に届けさせていただいたかと思いますが,3つ議題がございます。1番目は,視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画の策定についてという報告,それから2番目に,基本的な計画に基づく施策の進め方についての意見交換,そして当面の取組についての意見交換という3つの議題を進めていきたいと思います。
まず,本協議会における意見聴取と議論を踏まえて,本年7月14日に策定された視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画と,策定に際して行ったパブリックコメントの結果について事務局から報告いたします。次に,基本的な計画に基づく施策の進め方について意見交換を行いたいと思います。そして3番目に,今年度,来年度を中心とした当面の取組について意見交換を行います。基本計画にも記載しているとおり,計画策定後も引き続き関係者協議会を開催し,定期的な施策の進捗状況等の把握,それから,課題の解決に向けた取組を実施することがとても重要です。委員の皆様におかれましては,引き続き御協力をお願いいたします。
まず会議に先立ち,今回の会議から委員の交代があります。また,関係省庁においても人事異動がありましたので,この場で御紹介したいと思います。
堺市健康福祉局障害福祉部障害施策推進課課長,長尾委員の後任として,同課長の小須田委員が委員になられました。
それから,厚生労働省からは,社会援護局障害保健福祉部,橋本部長の後任として赤澤部長。よろしくお願いします。
それから,野村企画課長の後任として,源河課長。
【源河障害保健福祉部企画課長】 よろしくお願いします。
【中野座長】 よろしくお願いします。
それから,文部科学省からは,総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課,三好課長の後任として石塚課長。
【石塚男女共同参画共生社会学習・安全課長】 よろしくお願いします。
【中野座長】 よろしくお願いします。
それから,地域学習推進課,水田課長の後任として横井課長。
【横井地域学習推進課長】 横井です。よろしくお願いします。
【中野座長】 皆さん,どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,関係省庁等を代表して,厚生労働省,赤澤部長より一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【赤澤障害保健福祉部長】 厚生労働省の赤澤でございます。本当にありがとうございます。本日は御多忙のところ,本協議会に御出席いただき,誠にありがとうございます。この7月に障害保健福祉部長に就任させていただきましたので,私の方から今日は御挨拶をさせていただきたいと思っております。
先ほど座長の方からも御案内がございましたように,いわゆる読書バリアフリー法,これに基づく基本的な計画というのが策定させていただいたところでございます。この計画に基づく政策を着実に進めていくため,その取組内容などについて是非とも御議論いただきたいということでございます。
視覚障害者の方々をはじめ障害のある方々の読書環境の整備を図り,障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会を実現するということが大変重要だと考えております。私ども厚生労働省といたしましても,関係省庁と連携いたしまして,基本的な計画に基づき,様々な政策をしっかりと進めていきたいと考えておりますので,引き続き皆様方の御支援,御協力をいただければと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
それでは,次に,事務局より配付資料の確認と,委員の出欠についての確認をお願いしたいと思います。
【小林障害者学習支援推進室長】 事務局でございます。本日の配付資料ですが,議事次第に続いて資料1として,視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画。資料2として,基本的な計画に基づく施策の進め方について。資料3として,当面の取組について。参考資料1として,視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会の設置要綱。参考資料2として,パブリックコメントの結果について。参考資料3として,資料3の補足説明資料。参考資料4として,委員からの提出資料を事前にメールにてお送りしております。不足などございましたら,こちらまでお知らせください。
続いて,委員の出欠についてですが,本日の会議は,市川委員のみ御欠席となります。また,小池委員は途中で御退室されるため,その後は返田様が代理として御参加されます。
また,本日は新型コロナウイルスによる感染症の感染拡大防止のため,座長,事務局及び一部の委員を除いてオンラインでの開催となっております。御協力ありがとうございます。
報道関係者や一般の方々の傍聴や取材は御遠慮いただいておりますが,本協議会の公開の原則に則って,後日,文科省のホームページで議事録を公開する予定となっております。
また,オンライン会議に必要な画面の操作は事務局で行います。意見交換の御発言の際には,事前にメールにて送付しております「ウェブ会議の会議運営にあたり,お願いしたいこと」に従って挙手をお願いいたします。また,御発言時以外はマイクのミュートに御協力ください。
以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
それでは,議事を始めたいと思います。まず議題の1番目,視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画の策定について,議題1として議論をしたいと思います。
事務局より,資料の御説明をお願いしたいと思います。
【小林障害者学習支援推進室長】 資料1を御覧ください。
視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画については,これまでの協議会においてたくさんの御意見をいただきまして,誠にありがとうございました。御意見を踏まえて計画案を策定し,今年の4月14日から5月13日の1か月間にかけてパブリックコメントを行いまして,144件と多くの御意見をいただきました。委員の皆様にも個別に御相談しながら,関係省庁等で対応を検討・協議し,文科大臣と厚労大臣による決裁を経て,本年7月に基本的な計画を策定・公表させていただきました。
その際のパブリックコメントに関しては,参考資料2として結果のまとめをお配りしております。簡単に御紹介させていただきますと,主な意見として,例えば9条関係では,様々な図書館や関係機関がアクセシブルな書籍を流通していくために連携・協働してほしいということや,公立図書館関係では,専任職員やピアサポートの配置を通じて障害者サービスを拡充してほしい。そして,点字図書館関係では,視覚障害者以外の対象範囲の拡大をするための制度改正が必要である。また,地方自治体による端末機器の普及の推進のための日常生活用具の給付事業の充実をしてほしい。
また,11条関係では,サピエに対する国の財政支援の強化や専門書の充実をしてほしい。
12条関係では,視覚障害者等がテキストデータやアクセシブルな形態の電子書籍等を簡易な方法で入手できるようなシステムが欲しい。また,視覚障害等のある児童生徒や,その指導に当たる教員が,市販の問題集や参考書等のテキストデータを入手できる仕組みが必要である。
また,17条関係では,ボランティアに頼らない仕組みを構築するために,有償による製作や養成研修の充実に向けた支援が必要である等の御意見を頂きました。
いずれも多くの意見は,基本計画案に既に含まれている観点が多くございましたので,こうしたパブコメによる現場の声,意見を踏まえながら,関係省庁等で連携して施策を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。
それでは,ただいまの御説明について,御質問等がございましたらお願いしたいと思います。質問の仕方ですけれども,事務局からメールで御案内しているとおり,御発言をされる際には,まず挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。事務局と挙手状況を確認させていただいた上で,順次御指名させていただきます。指名をされましたら,挙手のボタンをもう一度押して下げていただいて,マイクのミュートを解除して御発言ください。なお,万一挙手ボタンが動作しないとか,挙手ボタンの操作がよく分からないというような場合には,チャットによって御発言を希望される旨をお伝えいただければと思います。
それでは,御発言ありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
特に御意見ないようでございますので,これはこれまで議論した内容でございますし,パブリックコメントで出てきたことについて整理をしていただいたわけですが,今後,このパブコメの内容も含めて,次からの議題のところで更に深掘りをしていきたいと思います。
では,議題の2番目に進めさせていただきます。2番目の議題は,基本的な計画に基づく施策の進め方についてという議題でございます。意見交換をこれからさせていただきますが,事務局から最初に御説明をお願いしたいと思います。
【小林障害者学習支援推進室長】 資料の2を御覧ください。
1の本協議会の位置づけというところですが,初めにこの位置づけについて改めて共通理解を図りたいと考えております。
まず,読書バリアフリー法の第18条で,国は,基本計画に基づく施策の効果的な推進を図るために,関係者による協議の場を設け,関係者の連携協力に関して必要な措置を講ずるものとされております。この条文に基づいて,本協議会は設置されております。今後,基本計画が策定されまして,各省庁がそれに基づいて講じようとする取組の方向性については,構成員の皆様から不足している観点や修正が必要な点などについて,この場で御意見を頂きたいと考えております。そして,それらを各担当の関係省庁等が一旦持ち帰って組織で検討して,最終的に関係省庁等において施策を決定するという流れとなりますので,御理解いただけますようお願いいたします。
続いて,2の関係者協議会によるフォローアップという箇所ですけれども,こちらに書いてある開催スケジュールを想定しております。施策の進め方については,個別に関係者協議会の皆様に各自御相談しながら,関係省庁等で取組を推進してまいりますが,まず本日10月2日に第6回協議会,この場では現在の取組状況と,本年度,来年度の取組の計画について御報告をさせていただきます。
続いて,次回の協議会は,今年度末か来年度,令和3年度の当初に第7回を開催したいと考えております。この場では本日の御意見を踏まえて,令和2年度に実施した取組の成果と,そして令和3年度の取組の計画を御報告しまして,意見交換を行いたいと思います。また,令和3年度以降は年一,二回を目安に,必要に応じて回数を増やして,前年度の成果や当該年度の取組の計画を御報告して,そして施策の進捗状況の把握をいただきまして,取組について不足している観点や改善案などについて意見交換を行っていただければと考えております。
続いて,3の第一期(令和2年度~6年度)のロードマップについてです。この第一期の5年間のロードマップとしましては,今年度,来年度は,まず主に地方公共団体等を対象として周知・普及啓発を行っていくとともに,各施策についてそれぞれの関係省庁等で実態把握のための調査を行ってまいります。そして,令和4年度はこの計画の中間の年に当たりますが,調査を踏まえた上で具体的な数字での状況の把握を行ってまいります。また,令和5年度は計画の改定の前の年に当たるため,令和4年度末の状況を踏まえて計画の見直しや,更に指標を策定するに当たっての検討を行ってまいります。そして,最終年度に当たる令和6年度には,第2期計画の策定作業に入ってまいります。また,この間5年間にわたって地方公共団体,特に都道府県を中心として努力義務となっている計画の策定に関して,国としても支援を行ってまいります。
以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
この後,当面の取組ということで,具体的な各省庁の施策について御説明をいただいて議論をしていくわけですけれども,ただいまの説明では,今後のロードマップを含めて事務局より御説明をいただいたというところでございます。
ただいまの御説明について,御質問があればお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。具体的な政策については,この後の3番目の議題でお話をしますので,今の流れについて御質問等があればお願いしたいと思います。
宇野委員,お願いします。
【宇野委員】 次が今年度末か来年の頭ということなんですが,その間は関係委員と相談しながらというところなんですが,ちょっといろいろ関係者が確かにこの問題については全員が関わらない,この問題についてはこの関係者とこの関係者と,いろいろ確かに9条から17条はばらばらだと思うんですね。その中で,個別の委員と話すというよりは,もう少し組織的なグループという形で問題を議論していく場があった方がいいかなと,これは後の方でまた議論になることですかね。
【中野座長】 事務局の方から,もし御回答ができるようであればお願いしたいと思います。
【金原自立支援振興室長】 厚生労働省の金原でございます。宇野委員からお話があった,個別のグループで御議論をするべきものもあるかということですけれども,この後,当面の取組を御説明する中で,幾つか関係団体,あるいは関係者との協議をしながらということも説明いたします。まだ今の段階でどういう形でというふうには決めてはいませんが,もし委員の方から,例えばこれについてはもう少しこういう人たちを入れてという御意見があれば伺いたいと思います。
【宇野委員】 分かりました。ありがとうございます。
【中野座長】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ただいま説明がありましたように,この後,各省庁の取組について御報告いただきますけれども,その具体的な取組というのが既にスタートしているものもあるわけです。私たちの役割としては,どのような取組が行われていて,それがちゃんと成果を出しているかどうかというところを見ながら意見を出していきながら,この法律というのが実効性のあるものになるように進めていくというような役割になるかと思います。
では,この3番目の議題が今回一番重要な議題だと思いますので,3番目の議題に話を進めさせていただきます。当面の取組についてということで意見交換を行いますが,それぞれの省庁等の取組について,事務局よりまず御説明をお願いしたいと思います。
【金原自立支援振興室長】 厚生労働省の金原です。私の方から,資料3,当面の取組について御説明をさせていただきます。
御承知のとおり,基本計画の3に施策の方向性というところがございますが,これに基づきまして,当面この一,二年の取組を,例えば調査の実施や検討会の開催,協議の実施などを含めて記載をさせていただいております。基本計画に記載しているものを全て網羅ということではございませんが,なるべく本日皆様に御意見を頂いて,検討の上,御意見を反映した取組をしていきたいと考えております。皆様方からは,より具体的な意見を頂ければと考えております。
まずIとして,総論でございます。基本計画の3の施策の方向性の前に,全体として取り組むべきことを記載させていただいております。
まず(1)都道府県等への計画策定の働きかけ。これは全省庁絡むものですけれども,事務局である文科省,厚労省で音頭を取ってやっていければと思っております。御承知のとおり,地方公共団体も計画策定の努力義務がございます。これを進めることが,地域での読書バリアフリーを進める原動力となると思いますので,そういった観点から,通知,研修,全国会議等を通じた地方での計画策定の依頼ですとか,策定状況の調査,あるいはホームページでの策定事例の紹介など,計画策定に向けた働きかけを行っていきたいと思います。特に地方公共団体の中でも都道府県に対しては,より積極的に策定を促していきたいと考えております。また,策定に当たっての留意事項といったものについても,都道府県が策定を進めやすいように周知をしようと考えております。
それから,2つ目でございます。国民等への周知ということでございます。ホームページ,あるいはリーフレットを通じて,図書館における各種サービスですとか,インターネットの図書の利用等について積極的な周知を図っていこうと思います。あくまでイメージでございますが,例えばこういったリーフレットも考えられるだろうということで記載させていただいております。障害当事者の方,あるいは御家族に御覧いただくように,公立図書館,点字図書館,国立国会図書館のサービスの紹介ですとか,インターネットを通じた提供システムの紹介,あるいはアクセシブルな書籍,あるいは支援機器の種類とか,こういったところを紹介するようなことができないかということでございます。是非こういうところについても御意見を頂ければと思っております。
それから,その下の○でございます。今回,この計画も策定したということで,全国的なシンポジウムを来年2月に開催することを考えております。
続いて,次のページになります。個別課題に係る今年度・来年度の取組というところでございます。
まず1つ目として,視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等(9条関係)でございます。公立図書館や点字図書館,また国立国会図書館おけるアクセシブルな書籍の充実を図るための取組を行っていくということで,まず(1)では,国立国会図書館において学術文献の録音資料やテキストデータの製作を推進するとしています。特に令和3年度については,他機関では製作が困難な学術文献についても,視覚障害者向け録音図書に加えて,テキストデータ等の製作を進めることを考えております。
それから,(2)です。これも国立国会図書館が中心でやっております。令和2年度以降についても,日本点字図書館と協力して,クラウドを使った共同校正システムというのを実験的に実施しておりますが,引き続いてこういう枠組みを実施していくことを検討しております。
それから,(3)です。点字図書館における取組の充実でございます。点字図書館の運営費というのが国から負担金で出ておりますけれども,こういった地方公共団体に対する支援の充実,それから,視覚障害以外の障害種別の方の利用に向けての促進といったところを,関係者等の意見を踏まえながら取り組んでいこうと思っております。また,点字図書館の実態把握ということで,点字図書館の状況や,所有している書籍の状況等についても調査を実施していこうと考えております。
(4)です。大学図書館における取組。これは国立情報学研究所において,大学図書館等の関係者の意見を踏まえて,全国の大学図書館が保有するアクセシブルな書籍等の所在情報を共有するためのシステムを,令和3年度から運用開始することを目指しております。また,国立国会図書館のデータベースとの連携についても,引き続き検討していくということでございます。
それから,(5)は各図書館間の連携強化についてです。それぞれでアクセシブルな書籍を利用するための取組を行っていくということでございますが,国会図書館,点字図書館,公立図書館,また学校図書館がばらばらで行っていくのではなくて,連携して役割分担をしながら行っていきたいと考えておりますので,関係団体,各省庁との協議を引き続き継続して実施をしていこうと考えております。また,地域において点字図書館,公共図書館の連携促進の取組ということも,厚生労働省の補助金でやっておりますけれども,こういったところで好事例を出して普及を進めていきたいと思っております。また,公立図書館,学校図書館,大学図書館,点字図書館が連携した読書バリアフリーコンソーシアムというのを組織し,それぞれ物的・人的資源の共有などの取組をしていくことによって,視覚障害者の方の利用を増加していくといったようなモデル的な取組を行おうということを考えております。これは地方公共団体に対しての支援という形になります。
それから,2つ目のインターネットを利用したサービス提供体制の強化,これは10条関係でございます。
まず(1)は,サピエ図書館への支援強化についてです。今までもいろいろと御意見頂きました,財政的な面を含めた安定的な運営ですとか利用者の増加につきましては,サピエを運営している管理団体と定期的に協議をして,その充実に取り組んでまいりたいと考えております。
(2)でございますが,公立図書館の職員や大学図書館の職員,また視覚障害者情報提供施設の職員を対象として,こういったインターネットサービスの周知を図っていくということです。より多くの方にサービスを利用いただけるような周知を行うとともに,その周知のための支援をしていこうと考えております。
それから,(3)でございます。インターネットサービスの連携強化ということで,インターネットサービスの実施の現状を踏まえ,所管団体,関係団体や各省庁との協議を定期的に実施して,サービス内容,システムの改善,提供体制の検討を進めていきたいと考えております。今までの御意見の中でも一元化というお話がありましたが,すぐには無理としても,視覚障害者等の方が使いやすいようなインターネットサービスの改善というのを常に図っていきたいと考えております。
次に,3つ目の特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援,これは11条の第1項関係でございます。
内容的には,まず(1)としてサピエ図書館への支援の強化。これについては製作手順の明確化,製作手順などの仕様等の研究実施を昨年度しておりますので,これを研修等で広めていきたいと考えております。それにつきましては,点字図書館だけでなく,公立図書館との連携を図っていき,厚生労働省,文科省で連携して協議を図りながら実施をしていこうと思っております。
それから,(3)でございます。今後のアクセシブルな書籍の製作の方針を考える,あるいはこの計画自体の進捗を確認する上でも,書籍の製作状況の調査というのは必要かと思っておりますので,厚労省,文科省連携しながら,図書の情報,状況についての調査を実施していこうと考えております。
それから,4つ目は特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援,又はアクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等についてです。
まず(1)は、電子書籍市場の拡大等に関する調査ということでございます。基本計画においても,出版者等からのデータ提供については様々な課題があるということで,出版関係者との検討の場を設けて,電磁的記録の提供に関する課題,あるいは具体的な方法について検討していくと基本計画で記載させていただいております。それを受けまして,まず令和2年度については,アクセシブル電子書籍市場の拡大と,出版者からのテキストデータ提供に関する課題に関して,委託事業で調査をしていこうと考えています。
具体的には,出版者に対して,アクセシブルな電子書籍市場の拡大と出版者からのテキストデータ提供に関する課題についてのアンケート調査,あるいはヒアリング調査,また海外における読書バリアフリーに関する制度,事例等の文献調査を実施します。それから,こういった調査結果を踏まえて,有識者,出版関係者等の方にお集まりいただいて検討会を開催し,今後の方策について御意見を頂いた報告書を取りまとめるということを考えております。
それから,(2)です。図書館における,民間電子書籍サービスについての適切な基準の整備ということで,音声読み上げ機能(TTS)等に対応したアクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスについて,図書館における適切な基準の整理を行うことで導入を支援するとしています。一般の図書館での民間電子書籍サービスの普及を図っていくことを考えております。
それから,5つ目は外国からのアクセシブルな電子書籍等の入手のための環境整備です。
これにつきましては,マラケシュ条約に基づく視覚障害者等データの国際交換サービスの実施を行うとともに,そのために中心的役割を果たす機関に係る周知等を行っていくということでございます。
例えば,どういう形で一般の方々にこの制度を周知しているか,現在,文化庁のホームページ,あるいは国立国会図書館のホームページで紹介させていただいております。例えば,取り寄せる場合については,国立国会図書館にメール,電話,ファクスなどで相談をして,国立国会図書館が海外サイトで検索をして収集をする。その収集したものについては,視覚障害者用のデータ送信サービスの方に登録して利用するというような流れをつくっております。これは引き続きしっかりと行っていくような体制を維持していこうということでございます。
それから,6つ目は端末機器等及びこれに関する情報の入手支援,情報通信技術の習得支援の関係です。(1)の点字図書館における取組の充実ですが,点字図書館においてもこういった端末機器に関する情報,入手支援の情報,さらにはICTの習得支援ということを実施しております。これらを引き続き充実させていきたいと考えております。また,これらに関する支援の実施状況の把握ということで,点字図書館のこういう状況についての調査も行っていきたいと考えております。
それから,(2)として,障害者ICTサポート総合推進事業の着実な実施とありますが,点字図書館以外にも,厚生労働省の補助金でICTのサポート総合推進事業を行っております。読書バリアフリー法限定ということではございませんが,ICT機器の紹介や貸出し,さらには利用に係る相談といった事業も実施しておりますので,読書バリアフリー関係の好事例を普及させていき,さらには点字図書館との連携等々を行っていこうと考えております。これについても,実施団体の取組状況や意見等を踏まえて検討していきたいと考えております。
また,御意見の多い日常生活用具等給付事業の推進についても,点字ディスプレイですとか,デイジープレイヤー等の端末機器が適切に給付されるよう,通知,あるいは全国会議を通じて読書バリアフリー法の基本計画などを御紹介しながら,必要な方にこういった給付が推進できるようなことを考えていきたいと思っております。
それから,7つ目のアクセシブルな電子書籍等・端末機器等に係る先端的技術等の研究開発の推進でございます。
これにつきましては,視覚障害者等が利用しやすい電子書籍及びこれを利用するための端末機器に関して,ICTによる技術面から研究開発を進めていくということでございます。現在総務省においても助成事業を実施しておりますけれども,基本計画の趣旨に照らして,より効果的な開発に向けて現場の課題・ニーズを踏まえて,取組を推進していこうと考えております。
それから,8つ目の製作人材・図書館サービス人材の育成でございます。
まずは司書等の資質の向上のための研修を行うということでございます。これについては参考資料で研修一覧を作っております。また,点字図書館においても,地方公共団体における先行事例,いい取組の事例ですとか,関係者等の意見を踏まえながら,地方公共団体に対する支援の充実,財政的な支援を含めて充実を取り組んでいきたいと考えております。
また,各図書館等との連携でございますが,厚生労働省だけではなくて文科省と,あるいはその関係団体と協議ということも考えたいと思っております。現在行われている好事例等を普及して,地方公共団体の支援というのも充実させていきたいと考えております。
また,製作人材育成の調査ということで,点字図書館や点字出版施設,国立図書館における製作人材,いわゆるボランティアも含めた人数ですとか,養成研修の状況をしっかりと把握をして,次の施策に続けていきたいと考えております。
また,司書・司書教諭等の養成課程及び講習において図書館サービスの内容を学習できるようお願いをしております。
最後のいわゆる人材の育成に関しましては,先ほど申しました図書館サービスの業務に従事している方の研修の充実や,ボランティアのみに頼ることなく,技術振興に応じたアクセシブルな書籍等の製作を行う人材・体制の確保ということが基本計画で記載されております。製作人材の現状,育成の状況の調査を実施し,自治体における好事例も踏まえて,人材の確保については検討する体制を考えていきたいと思います。
参考資料3は,現状の取組,主に予算的なものを含めて資料でまとめております。
1枚目に点字図書館の概要として,今,運営費として国が負担しているということを記載させていただいております。
それから,次のページにはネットワークのサピエのポンチ絵がございますけれども,この経費の助成も国が行っているということを記載しております。
それから,次のページに,地域における読書バリアフリー体制強化事業を記載しております。これにつきましては,令和2年度から実施をしたわけでございます。予算的には大きな括りの補助金の中に入っておりますので,505億円の内数となっておりますけれども,読書バリアフリーに向けた地域における環境整備のための取組を総合的に実施していこうということで,事業内容も点字図書館と公共図書館との連携ですとか,人材養成の強化とかこういったものも入れております。今年度からということで,まだ計画ができる前に各自治体の方で考えていただいていますので,実施自治体数はまだ13自治体と少ない状況でございますが,これから基本計画も公表したということで,より分かりやすい内容にして自治体にお示しして,より多くの自治体にやっていただくように考えております。
その次のページの障害者ICTサポート総合推進事業につきましても,先ほどの地域生活支援事業費補助金の内数という形になりますが,事業内容は御覧のとおりでございます。今,都道府県・指定都市及び中核市合わせて46自治体で実施をしておりますので,こういった事業も積極的な活用を図っていきたいと考えております。
その次のページになりますが,図書館における障害者利用の促進ということで,令和2年度は1,700万円の予算で,障害者サービス支援事業を新たに行うということでございます。1つ目が,障害者サービス検討委員会設置。また2つ目は,職員・ボランティア等の支援人材,ピアサポート人材の育成。また3つ目として,先進的な障害者サービス等に関するシンポジウムというのも考えております。
また,その次のページにつきましては,通信・放送分野における情報バリアフリー促進支援事業ということで,ICTによる恩恵を享受できる情報バリアフリー環境を実現するために,新たなICT機器・サービスの研究開発を行う者に対しての助成金を記載させていただいております。
その次は,製作人材・図書館サービス人材の育成を目的とした研修一覧を記載させていただいております。それぞれの事業も引き続き充実をさせていきながら,読書バリアフリーの計画の推進を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
【中野座長】 事務局,御説明ありがとうございました。
ただいま説明していただいたように,今回の法律ができたことで,多くの施策が動き始めております。それから,従来の施策も更に加速してということで,予算もそれなりに積んでいただいて進めていただいているというお話をしていただきました。
この後,議論に入りたいと思うんですけれども,皆様から自由に御意見をいただく前に,事前に御意見を頂いている宇野委員,見形委員,それから三宅委員より,最初に資料を提出していただいていますので,資料に基づいて御説明をいただき,その後でフリーに議論をしていきたいと思います。
それでは最初,宇野委員からお願いいたします。
【宇野委員】 今のお話を伺っていて,たくさんいろいろな施策とか,予算要求も含めて御尽力いただいていることに感謝申し上げます。
私の方からは,この法律の18条に従って,法律及び基本計画をしっかり推進していくために協議していく論点について,ちょっと5点挙げさせていただきました。ただ,先ほどのお話とも既に被っているところもあったり,ベクトルがほぼ定まっていて,あとは推進していくのみということと,やっぱりベクトルがしっかり定まっていないので,その方向性を含めてきちんと議論していくべきことと多少混在しているんですが,ちょっと考えた論点をお話しさせていただきます。
まず1点目ですが,9条関係です。公立図書館において障害者サービスをいかに推進していくかという点についてです。まず,基本計画の中にもアクセシブルな図書の紹介コーナーの設置をはじめ,幾つか障害者サービスの推進が盛り込まれています。これらを具体的に進めていくためには,やはり予算の裏づけというものが重要なことになってくると思いますので,この辺,特に公立図書館,学校図書館は,やっぱり国の予算というよりは各自治体の予算。そのためには地方交付税というのも絡んでくるんでしょうけれども,この辺りの施策が本当に進むように,法律の6条も含めてしっかり予算を確保していくための議論というか推進が必要なのではないかということがあります。
それから,これは昨年度の議論にもなりましたけれども,点字図書館の利用対象者という問題です。点字図書館という名称の問題はちょっと横に置いておきまして,やっぱり各自治体は,視覚障害者情報提供施設というのは,視覚障害者への情報提供をメインの目的としているので,その他ディスレクシアとか上肢障害の人に対してのサービスは規則上できないというふうに言っているという話も去年出ていました。ですので,これからやはり点字図書館が,視覚障害者のために蓄積してきたノウハウやデータ等も,その他の特殊障害者の方に広く使っていただくという意味で,やはり法的な整備というか規則的な整備をしっかりしておくべきだろうと。それがすっとできるならいいんですけれども,できないなら何が問題で,どういう議論をしなくちゃいけないのかということを整理すべきではないかと感じました。
それから,大きな2つ目ですが,サピエや国立国会図書館のネットワーク絡みです。まずはこれも先ほどの問題と絡みますけれども,やっぱりサピエの利用者をどうするか。対象としてちゃんと広げられるかというものも,法的,規則的にもきちんと整理して,ベクトルを進めていくべきではないかということが1つあります。
それから,サピエ図書館の財政については先ほどのお話にあったとおりですけれども,厚労省の補助金という枠組みと,各学校図書館や公共図書館の年会費がどんどん増えていく。両方の方向性が考えられるわけですが,いずれにしてもあまり個人の寄附に頼らなければというような状況が早期に解決されるべく,安定的な財政については見通しを持つ必要があるのではないかということです。
それから,サピエと国会図書館の連携についても先ほど言及があったとおりなんですが,やはり扱っているデータの形式,例えばプレーンテキストは,国会図書館は扱っているけれども,サピエは扱っていない。これによる利用者の不便というか,そういうことも生じていますし,データの双方向。国会図書館の点字データや音声データはサピエには流れるんですけれども,逆の方向には流れないので,それによって各自治体が,例えば国会図書館のネットワークだけにつながっている場合は,サピエに眠っているデータにはアクセスできないとか,そういうようなことも起こり得るので,そういうこともきちんとこの際検討してはどうかと思っています。
それから,コンテンツの一元化,これについてはまたこれも大きな議論になりますけれども,せめて今,サピエの方は,サーバーの定期的なリニューアルとかいろいろなお金がかかるというお話も出ていたので,コンテンツだけでも国会図書館に持っていただいてというようなことも,長期的な安定的な運営に対しては検討していくべきではないかということです。
その他諸々ありますけれども,次の3点目にいかせていただきます。次は,出版社からの図書館へのデータ提供に関する件です。これは11条の2項に基づくわけですが,次の4番目の法の12条とも大きく絡む話になってきます。基本計画の中で挙げられている,例えばコストの問題とか,データの管理体制をどうするかとか,不正流用をどう防ぐかとか,こういうような課題をいかに解決していくかということが,まず当面の協議の議題に乗るわけですけれども,それが解決された後に,じゃあ一体具体的にどういう形でそれを進めていくのかということも,次の議論としてはやっぱりやっていかなくちゃいけないと思うんですね。
先ほどのお話では,今年度は出版社にアンケートを取ったり,ヒアリングをやったり,海外の事例を調べたりということなんですが,実際の個々の障害者からすると,早くデータが,読みたい本が借りられたり買えたりするようになる実態を望んでいるという状況なんです。ですので,4番目にも絡みますけれども,やはりこれらの課題を解決して,海外の事例も調べて,日本でどのような形で障害者に本のコンテンツを販売できるのか,または図書館に提供して,図書館がワンソース・マルチユースを展開していけるのか。この辺の道筋を,やっぱりロードマップをしっかり描いて推進していくという姿勢を示していく必要があるのではないかと思っています。
それから,最後は日常生活用具の話なんですけれども,これも先ほど言及がありましたけれども,特に視覚障害以外の肢体不自由とかディスレクシアの人に対して,今まで読書支援機器というものが補助の対象になったことは1例もなかったわけです。ですので,日常生活用具の決定権は自治体にあるとはいうものの,先ほどお話のあった,通知とかをきちんと出していただくことによって,自治体の促進というものにもつながっていくと思いますので,そういう通知等々含めて進めていただきたいということで,これは特段議論の余地はないんですけれども,お願いということです。
以上です。
【中野座長】 宇野委員,ありがとうございました。
それでは,引き続きまして,見形委員より御説明をお願いしたいと思います。見形委員,よろしくお願いいたします。
【見形委員】 皆さん,こんにちは。DPI日本会議の見形と申します。それでは,資料が皆さんのお手元にあると思うんですけれども,御覧になりながら聞いていただけたらと思います。
私からの提案というか検討事項ということで,簡単にまとめさせていただいています。まず最初に,公立図書館などの障害者サービスの充実ということで,第9条関係のものです。1,2とありまして,公立図書館などにおけるバリアフリー,これは施設的な部分だけではなくて,インクルーシブという配慮,福祉的配慮を要するというところを,障害のある人,読書障害者の一人一人に対応していけるようなものにしなければいけないと思っております。
先ほども言及されていたと思うんですけれども,厚労省の方もおっしゃっていましたが,司書さんや読書支援コーディネーターさんも確実に障害当事者研修が必要なのかなということや,それからハード面だけでなくて,ソフト面のフォローは,やはり障害のある人たちに必要だと思うので,全てIT化すればいいということではないと思います。実際人件費などの問題や,予算の確保が検討できないものかなというところ。もちろん研修,当事者の障害者がしないといけないと思っているので,そういった意味での予算確保は可能なのかというところを検討していただけないかと思っています。
2つ目として,点字図書館の利用対象を,確実に肢体不自由者・上肢障害者を対象にしてもらいたいということです。
続きまして,サピエや国立国会図書館のネットワークに関する課題です。これも1,2,3とありまして,先ほども言ったように,サピエの利用対象者を確実に肢体不自由者・上肢障害者を入れてほしいということ。どうしても視覚障害者の方向けというイメージがなかなか取れないものなので,これがやっぱり大きいかなと思っています。あとはサピエ図書館運営がとても大変ということをずっと会議でも言っているので,きちんと財源を確保していただけるようにしてほしいということです。それから,3つ目は,サピエや国会図書館のデータは点字図書と録音図書が多いんですけれども,墨字で見られることについては,画面上に文字が出るデータも,やはり増やしていっていただけないかなと思っています。
それから,次にいきます。出版社からのデータ提供。これも先ほど厚労省の方もおっしゃっていたんですが,電子書籍の義務化はできないのか,これは当事者の声で挙げています。図鑑や洋書などのデータもある中,難しい部分があると思うんですけれども,知る権利を保障するというところでも,是非取り組んでいただけないかなと思います。
2番目が,音声だけなく,先ほども申されましたが,テキスト,画面上に文字が出る媒体,マルチメディアデイジーも含めて,図書データが必要なので,これをうまく取り込めるようにしていただけないかなと。
最後になりますが,これも先ほど厚労省もおっしゃっていましたが,読書端末機器の入手支援ということで,日常生活用具として,私たち肢体不自由者が支援機器のデイジープレイヤーを普及していく方向でいくことが対象になるようにしてほしいです。これもALSの方や,全国の国立病院に入院されている筋ジス患者さんたちは寝たきりの状態の方が本当にたくさんいるんですけれども,その方たちに提供できるともっと利用がすごく広がるんじゃないかなと思っています。
それから最後は,デイジーアプリの販売価格をもう少し安価にできないのかです。3千円ぐらいダウンロードに料金がかかります。それに多少補助が出たら,もう少しみんなに広げていけるなというふうに考えます。
以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
少しマイクの調子が悪くてハウリングを起こしているという話が出ておりますけれども,もし会議室の方で,発言者以外でマイクをオンにしている場合にはオフにしていただければと思います。
それでは,引き続きまして,三宅委員よりお願いしたいと思います。三宅委員,よろしくお願いします。
【三宅委員】 日視連の三宅です。私からは,資料に基づきまして,9点申し上げさせていただきます。時間もないところですので,なるべく簡潔に申し上げます。
まず1点目ですけれども,これは全体に関わることなんですが,この協議会として今後は,先ほど文科省の方からも御説明がありましたけれども,年度に2回ぐらいの議論で行うということでしたら,是非個別のことにつきましては,例えばワーキンググループのような感じでつくっていただきまして,そこで個別の議論を進めていただいて協議会の方へ戻すというふうな形で進めたらどうかなというのが1つ提案です。
2点目が,地域での取組についての評価をした方がいいというのが提案なんですけれども,こちらは既に国の基本計画が出てから,各地域の方で策定に入っているところもある。あるいは,問合せがあるというふうなことも聞いておりますので,こういう各地域のところで読書バリアフリーの基本計画を策定したとか,そういうふうな取組があったところに関しては,是非拾い上げていただいて,ここの地域でもそれを参考として進められるように紹介をしていただく。あるいは,評価というのはちょっと大げさかもしれないんですけれども,する仕組みが必要ではないかというのが2点目です。
3点目は,各図書館,公立図書館,あるいはサピエ図書館,学校図書館,国会図書館にあるデータそのものを合わせるのではなくて,まずはどういうデータがあるかということを知るということが必要ではないかという形のものが3点目になっています。既に行われているところもあるんですけれども,各図書館のデータをそれぞれの図書館の立場で共有できていることが大切だろうなということで,是非どこの図書館にどういうデータが所蔵されているか,どういう形式のものがあるかというのが共有される仕組みづくりというのが,そんなにこれは手間はかからないと思いますので,こちらも進めた方がいいというのが3点目の提案です。
4点目です。アクセシブルな図書の優先度をつけるというようなことで,いろいろな形のデータ形式があるわけですけれども,既に工夫すれば率先して利用できるデータ形式もあれば,まだまだそれを使うにはいろいろな処理など工夫が必要なものも出てくるかと思いますので,この辺,すぐにでも整理ができそうなものに関しては進めていって,並行して,とにかく工夫が必要とかなってくるものはどういったものが必要かというものの検討をしながら進めていくというのがいいのではないかというのが4点目になります。
5点目,アクセシブルな書籍を製作した出版社に対して,何がしか表彰,認定をしてはどうかというのが提案です。例えば,この法律ができる前に,テキストデータを引換えによって渡すというような試みもされているところではありますけれども,今後このような形で読書困難の方々にそういうアクセシブルな書籍を提供していただいている出版社に関しては,何がしか表彰なり認定する必要があるのではないかということで,5点目の提案をさせていただいています。
6点目です。出版社がそういうふうにデータを出していけるところでしたらいいんですけれども,まだまだ例えばテキストデータを提供するとか,あるいは電子書籍をアクセシブルなものにするといったところでも,なかなかノウハウがないといったようなところもあるかと思います。そういったところが相談できるような窓口的なものをつくっておくのが必要ではないかと考えております。そのときには是非そういった中に当事者等も参加をさせていただいて,相談,あるいはその方法の研究とか,そういうふうな形で当たると,当事者自身もこういった形で実際に当たることができますので,そういう窓口的な組織づくりというのが必要ではないかというのが提案でございます。
7点目,電子書籍データをほかのビューアでも読めるような仕組みをつくれないかということなんですけれども,結構電子書籍に関しましては,特定のビューアならばきっちりと読むことができるんだけれども,ほかのプレイヤーにかけたときに読めなくなるというのがあるようです。ですので,できるだけそういうことがないように,あまり特定のものでしか再生できないとかいうことがないように,ほかのプレイヤーとかでも図書が利用できるような仕組みづくりを研究する必要があるのではないかというのが7点目の提案です。
8点目です。電子書籍がアクセシブルなものかどうかというのを実際に当事者参画のところでチェックすることができないかなというのが8点目になっております。やはりこれも先ほどの相談とも絡んでくる話ではあるんですけれども,ここに実際に読書困難を感じている人たちも参加した上でのチェックをすることによって,きっちりこれがアクセシブルなものであるかというのがチェックできると。先ほどの評価・認定のところにもつながっていくことになっていきますので,こういった仕組みづくりも必要ではないかというのが8点目です。
9点目,これは視覚障害者のことでちょっと挙げさせていただきましたけれども,先ほど厚労省の方からも御説明がありましたので,改めてということではないんですが,視覚障害者の中でもほとんどのところが,1・2級の方が読書の支援機器の日常生活用具給付を受けるということになっていますので,1・2級でない方も困難な方がいらっしゃるということで,やはりここは厚労省の方から各自治体の方へ通知等を発出していただけるようにということで,こちらは提案というよりはお願いということになりますけれども,以上9点の意見を述べさせていただきました。以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
それでは,ただいまの3人の委員の皆様からの御意見,御説明と,それから,事務局からの説明,併せてこれから議論をさせていただきたいと思います。
御発言をされたい場合には,最初に説明をさせていただいたとおり,画面上の挙手のボタンを押していただくか,チャットでその旨お伝えいただければと思います。それでは,どうぞ御意見のある方は挙手をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
それから,河村委員をはじめとして,チャットでいろいろ御意見や情報を寄せてくださった方もおられます。事務局の方では全て記録をしておりますので,後ほどこれはまた何らかの形で共有できたらよいかなと思います。いろいろな情報や事実確認というのをしていただいております。さて,いかがでしょう,御意見。今日,ここが一番重要なところでございますので,あまりにもたくさんあり過ぎてどこから発言すればよいのか迷っておられる方もおられるかもしれませんが,よろしくお願いいたします。
髙橋委員と三宅委員も今,手を挙げていただいていますかね。じゃあまず髙橋委員が最初ですね。では,髙橋委員から御発言をお願いします。
【髙橋委員】 日本図書館協会の髙橋と申します。資料3の当面の取組でございますけれども,先ほど三宅委員からもお話がありました都道府県等への計画策定への働きかけ,これは是非取り組んでいただきたいことでございます。都道府県の現場の話を聞きますと,福祉と教育の連携ということが,国の関係協議会のようにうまくいっているわけではないと。それぞれが障害者の福祉計画,あるいは教育委員会の方では障害者の教育施策とか,所管の事業計画とか,もともと既存のものがありまして,これらに加えてまとまった計画を福祉と教育が連携して作成するというのはかなりハードルの高いことのようでございます。
更に今回の基本的な計画,これは国の計画でありますから,これをそのまま都道府県や市区町村単位の計画に落とせるようなつくりにはなっていないので,ここに例示さているような方法で,なるべく早く計画作成の趣旨とか方法を十分に都道府県等に知ってもらうこと。あるいは,具体的な策定事例を多く示して理解いただく方が早いんじゃないかと思いますが,そういった取組を是非やっていただきたい。
それから,(2)国民等への周知でございますけれども,これもとてもいいことだと思います。ただ,ターゲットとして障害当事者やその家族と示されておりますけれども,広く国民に知ってもらうという意味では,国民を対象にリーフレットの作成をした方がまずはいいのではないか。そうしますと,図書館等でも普及に協力することができるのではないかと考えております。更に申し上げますと,リーフレットは視覚障害者等も読めるように音声デイジーとかマルチメディアデイジー,点字,拡大文字等の媒体でも製作してほしいと。また,デイジー等のデータは,サピエ図書館とか国会図書館に登録して,著作権法第37条3項で製作したものと同様に,視覚障害者等が利用しやすいように配慮していただきたいと思います。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対して,事務局の方から何かお答えされることはありますか。特にはよろしいですか。
では,まず広く多く意見をお聞きしたいと思いますので,御意見を先に聞かせていただければと思います。
先ほど三宅委員,手を挙げておられましたか。では,三宅委員,お願いいたします。
【三宅委員】 日視連の三宅です。ちょっと質問があるんですけれども,この御説明になった資料の13のところで,既に取り組まれているというふうなことが御説明であったかと思うんですけれども,具体的にどこというのは,もしかしたらこの場では紹介できないかもしれませんが,これというのは何かの形で教えていただけるというのは可能なんでしょうかというのが質問です。お願いいたします。
【中野座長】 三宅委員,すみません,13ってどこの部分の資料に関するところでしょうか。
【三宅委員】 金原室長の説明で,13のというふうにおっしゃっていたと思うんですが,私の聞き間違いだったでしょうかね。
【中野座長】 当面の取組に関するお話でしょうか。
【三宅委員】 そうです。
【中野座長】 では,事務局より。
【金原自立支援振興室長】 具体的に項目で言いますとどういった項目でございましたでしょうか。
【三宅委員】 参考資料3に触れるところでおっしゃっていたと思うんですけれども,基本計画を先行しても,策定に入られているということでおっしゃったんじゃなかったかもしれないですが,13の自治体のところでというお話をされたので,具体的にどういうところがされているのかなというのがちょっと気になって,御質問させていただきました。
【金原自立支援振興室長】 参考資料3に,厚生労働省の地域生活支援事業費補助金の中にある地域における読書バリアフリー体制強化事業を記載しておりますが,これは各自治体が,例えば点字図書館と公共図書館の連携強化を図ったり,視覚障害以外の障害者に対する利用促進に対する支援,いわゆるディスレクシアの方ですとか,上肢障害の方を新たに対象とする取組をしたり,あるいは点字音声テキストデータ化ができる人材養成の強化する事業で,今年度から実施をしております。この実施は手挙げ方式でございますので,13自治体が実施をしているという状況でございます。
ただ,具体的な話をさせていただきますと,テキストデータ等の人材養成の強化を主に各自治体がされていて,先ほども教育行政と福祉行政というお話がありましたが,正直言って点字図書館と公共図書館等の連携強化はなかなか進んでいないというのが実態でございます。この13自治体ですけれども,来年度も同じく事業が継続していきますので,今回この基本計画もしっかりできましたので,より事業内容を分かりやすく自治体にお示しをして,もっと多くの自治体で実施をしていただけるよう考えたいと思っております。ということでよろしかったでしょうか。
【中野座長】 三宅委員,よろしいでしょうか。
【三宅委員】 ありがとうございます。後でも結構ですので,もし成果が上がってからでもいいですから,13の自治体でどういうところがされたのかなというのが気になるところなので,何らかの形で教えていただければ有り難いと思っております。ありがとうございました。
【金原自立支援振興室長】 我々も先ほどの取組の中で書いてありますけれども,コロナ禍で、もし本当にすばらしい連携の事業がありましたら,優良事例ということで横展開等もしていきたいと考えております。またそうしたことが分かりましたら,御紹介をさせていただきたいと思います。
【中野座長】 それでは,ほかに御意見等ありますでしょうか。宇野委員,お願いいたします。
【宇野委員】 1点お願い,要望的なことと,2点質問させてください。
まず1点目ですが,先ほどの厚労省のお話の中で,国会図書館のテキスト化についての言及があったと思うんですが,国会図書館がテキスト化を進めていただいて,もう1966年ぐらいまで来ていると伺っているんですけれども,これは大変有り難いことだと思っています。引き続きデジタル化を推進していただくとともに,是非プレーンテキスト等,読者に障害のある人たちのプラスになるようなテキスト化を推進していただきたいのと,あと更にお願いは,デジタルコレクションにそういう形で蓄積されるデータは,そのままでも使えると言えば使えなくはないのかもしれませんが,やっぱり障害者の利便性を考えると,視覚障害者等用データ送信サービスの方にシステム上,ちゃんとそちらにも流れるようにしていただくと,私たちの使い勝手がぐんと上がりますので,せっかくアクセシブルな形でテキスト化していただいたものが本当に届くような形でシステムをつくっていただきたいなというのが1つ願いです。
それから,質問についてですが,障害のある大学生のために,国立情報学研究所の調査というか,全国にどういうものがあるのかという調査と,国会図書館との連携というのは言及があったと思います。これについて,国立情報学研究所と国立国会図書館は,今後どういうような活動をすみ分けしていって,最終的に障害学生の使い勝手がいい形になればいいんですけれども,ちょっと懸念されるのは,2つの車輪が動いてややこしくなるのではないかなとふと心配になったんですが,この辺のすみ分け等,最終的な目標についてはどのようにお考えかというのが1点です。
それともう一つの質問は,やっぱり11条の2項もしくはは12条に絡む話で,今後,検討会を設けて検討していくというお話がありました。これは先ほど今年度末か来年度頭に向けて検討会を開かれて,この協議会のワーキンググループのような位置づけで検討会を関係者で進めて,そしてその結果をこの協議会にフィードバックしていただいて,ピンポンというかやり取りをしていくというようなイメージでよろしいでしょうか。お願いします。
【中野座長】 ありがとうございました。2つ御質問いただきました。質問については,事務局より分かる範囲で回答していただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。
【金原自立支援振興室長】 宇野構成員からの質問に関しまして,国会図書館からお話しいただいてもよろしいでしょうか。
【大場総務部企画課長】 国立国会図書館の大場と申します。本日はいろいろ貴重な御意見を頂きありがとうございます。
まず,テキスト化に関連して御意見を頂きまして,御要望を頂きましてありがとうございます。こちらにつきましては,今のところ,まだ国会図書館のデジタル化というのは画像を中心にしたものでして,紙の本を画像でデジタル化するというところにとどまっております。こちらにつきましては,現在システム開発などを進めておりまして,まず部分的に検索用のテキストデータをOCRをかけて作成しようということで取組を始めようとしているところでございます。更にこれを拡大できないかということで,来年度の予算要求を進めているところでございますけれども,これにつきましてはその結果に応じてということになるかと思います。検索用のテキストデータをたくさん作れるようになりましたら,こちらにつきましては出来上がったテキストデータを,先ほど宇野先生からもお話がありましたとおり,障害者向けの送信サービスの方に載せて,まず検証していくというようなことができないかということを,現在検討しているところでございます。またOCRにかけたままということになりますので,品質につきましてはいろいろ課題があるかというふうには考えておりますけれども,まず一つ一つ検証しながら進めていきたいということで考えております。
もう一つ,国会図書館の関連では,国立情報学研究所と大学図書館のお話がありましたけれども,こちらにつきましては,基本的には国会図書館のほうで様々な機関が持っています障害者向けの書籍というんでしょうか,テキストというんでしょうか,こちらをどこに何があるかというのをまとめて検索できるようなサービスを既に行っておりますので,そちらの方に大学の方からも参加いただきたいというふうに考えているところです。まずは先ほども三宅様でしたか,お話があったかと思うんですけれども,どこに何があるのかという情報を共有することが重要かと思いますので,そこから着手していきたいと考えております。
ほかの件に関しましては,NIIに関しましては,文科省の方からもし補足などありましたらお願いいたします。国会図書館からは以上です。
【中野座長】 では,情報学研究所に関しまして,文科省から御発言をお願いしたいと思います。
【土井研究振興局参事官(情報担当)付参事官補佐】 国立情報学研究所と大学図書館を担当させていただいております,文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付の土井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
御質問いただいた件に関しまして,国立情報学研究所と大学図書館の関係で,現在の取組状況ですけれども,大学図書館に今ある視覚障害者等向けの資料の素材がどこにどうあるのかというのを,一元的に見えるようなメタデータシステムとして構築しようということで,国立国会図書館の方にも参画いただいたうえで,検討を進めております。最終的には,国立国会図書館と並列するのではなくて,何らかの形で一体的に利用いただけるような形を見据えて,引き続き検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
【中野座長】 どうもありがとうございました。座長の立場で申し訳ないんですが,障害学生支援の仕組みとの連携というのが,多分すごく重要になるかと思います。私もですが,今回,近藤委員もAHEAD JAPANというところの理事を担当していますので,是非連携をさせていただいて,例えばそれぞれの大学の障害学生が,自分の大学の図書館に行けば,全国のどこに必要な情報があるかということを知ることができて,提供がされるというような仕組みができると非常にいいのではないかなと思いますので,その辺り是非連携してということでよろしくお願いしたいと思います。
宇野委員,よろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。
【中野座長】 もう1点については事務局の方から,もしくは,経産省からよろしくお願いします。
【冨田コンテンツ産業課課長補佐】 先ほど宇野先生からお話いただいた調査事業に関する検討会なんですけれども,名称的にはワーキンググループという形の名前ではないんですけれども,それに近い形で,我々としてもアクセシブルな電子書籍を拡大していくことと,一方でテキストデータ提供というところについての方向性を,ある程度検討会の中で議論できればと考えています。構成としても,まだ座組については今,こちらでも検討はしているんですけれども,少なくとも今ここの構成員にいらっしゃる出版関係の団体には少なくとも入っていただいて,ある程度の報告書を今年度一旦取りまとめますので,それを次回の協議会で御報告をさせていただいて,またこの協議会の構成員の皆様から,その出た方向性についての御意見を頂くということになるかと思います。以上です。
【中野座長】 宇野先生,今のお答えでよろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい,分かりました。
【中野座長】 引き続きまして,植村委員からお願いします。
【植村座長代理】 植村です。今回の当面の取組についての4.が11条2項と12条に関係しています。これに関しましては,障害者の皆さんにとって一番関心のあることかなと思います。すぐにでも読みたいという声があることは,先ほど宇野委員の方も御指摘されています。それに対して,今々実現できることは何なんだろうということはまた別にあるのかなとは思います。
最初にちょっと質問からになるかもしれません。宇野委員の方で,論点について書かれたときに,私,ちょっと聞き落としたのかもしれませんが,11条2項の中で流出の防止や管理する仕組み等の課題解決の具体的な施策に窓口機関とあります。多分個別対応は大変ですから,何か窓口の一本化でしょうか。そうすると,12条の方にも出版社から見たデータの管理機関というのがありまして,これは1つととっておいてよろしいでしょうか。これについてどういうアイデアがあるか,もう少し説明いただければよく分かるんですが。お願いします。
【宇野委員】 これこそまさに出版社の方々ときちんと膝詰めで議論していくことなんだろうなと思うんですね。11条の2項は,図書館が点字や拡大や音声を製作するに当たり,だんだんボランティアさんの数も減ってきているので,是非ワンソース・マルチユースのためにテキストを提供いただけないかというのが趣旨だと思うんです。12条は,障害者個人に対してアクセシブルな電子書籍を直接販売していくと。いずれにしても,出版社から借りるか買うかはさておき,障害当事者にアクセシブルなものが回っていくという話だと思うんです。ここには出版社がダイレクトに障害者に販売するというのは,恐らくいろんなデータフォーマットの関係等もあって厳しいのではないかと思うんですね。そういう意味では,中間的にリソースセンターといいましょうか,そういう管理機関的なものが介在した方がうまく回るのではないかというふうに私は思っています。
その中で,11条2項の話と12条の話が,この真ん中に立つ機関が同じものであった方がいいのか,それともまた別ルートなのかは,これはまさにこの協議というか,出版社の方との歩み寄りの中で検討していくべきことだと思っていますので,特段私が現時点でこうすべきだというような意見を持ち合わせているわけではありません。
【植村座長代理】 ありがとうございました。私もこのバリアフリー法が決まったときに出版社にアンケートやヒアリングを取っております。今年コロナになりまして,幾つかの出版社さんが,大学等で学んでいる学生に対してテキストデータを提供することに積極的に手を挙げていらっしゃいます。これはまだまだ少数事例だからいいんですが,もしこれが全国の大学からこのことの問合せが出版社にいったら大変なことになってしまうわけです。一方,各学校機関が,この本はどの出版社かを調べて個別対応とすると,これはまた大変なことになります。何かハブがあるとよいというのは,理論上は本当にそのとおりだと思うんですね。まさに効率化・標準化を図ったときのハブを1つにしようというのはあるかもしれません。そのことによって,もしかすると出版社から,ある程度安心してデータが出せるかと。もちろんこれは理論的な話ですから,それをどう運営するか,運営経費はどうするのかというような話がありますので,そのことの議論の解決は,当然別に考えなければいけないかなとは思っています。
ただ,一応今のところは個別対応している出版社さんが,個別の中で自分たちの経費でやっているというボランタリーなものをこのまま拡大することはあってはならないと思っていますし,これは現実的じゃないと思います。基本的には皆様方,読む権利,買う権利というものを実現するためというのは,一方においてはこのままぶつけ合うと,権利者の権利を奪うことになりますので,その双方の,よく宇野先生がおっしゃるウィン・ウィンの関係で何か間に立てるものがあればいいかなとは思います。ただ,私の知る限り,大学の教科書とか学ぶ教科書を出している出版社は,大体平均して社員は数十名で,50名超える出版社はないですね。多分先生方も御存じの名のある出版社も,多分30名前後の出版社で,これで個別対応をしろというのは,現実的にとても困難だなと思います。この現実を御理解いただいた上で,何とかテキストが必要な方に届くような仕組みづくりというのは,少し早く考えていかなきゃいけないかなと思っています。そのことの仕組みづくりも,出版界とかの著作権者の皆様から積極的なアイデアが出て,何か今回の4.の11条2項,12条に関わる具体的な案というのが議論できたらいいなと思っています。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。ただいま阿部委員,見形委員,近藤委員から手が挙がっておりますので,順番にいきたいと思います。まず,阿部委員から御発言をお願いいたします。
【阿部委員】 身体障害者団体連合会の阿部でございます。
質問といいますか要望もあるんですけれども,今回,読書バリアフリー体制強化事業とか,または日常生活用具としての機器ということもお話いただきました。また,障害者ICTサポート事業なども,地域生活支援事業というのは505億ということでしたけれども,限られた金額の中で行おうとしたならば,やっぱり国の補助もあるけれども,地域ということで言うと,よく裁量的経費と言われますけれども,なかなかそれを上げることはハードルが高い地域もあるのかなと。温度差というか格差も生じるようにも思いますけれども,地域生活支援事業について,だんだん上がってきているのかもしれませんけれども,その辺が不安なのではないかなということで,十分に各市町村で取り組めるものなのかなということの確認と,それから,例えば読書バリアフリー体制強化事業での計画という言葉が,今,委員の皆さんから出てきましたし,説明にもありましたけれども,この計画では読書バリアフリー関係の単独の計画ということでのお話なのか,それとも地域生活支援事業で行いますので,今まさに障害福祉計画の策定時期でもありますので,その辺での議論ということなのか,その辺ちょっと教えていただきたくて,確認ですけれども,事務局担当の方からでもお願いしたいと思いました。以上です。
【中野座長】 ありがとうございます。厚生労働省からお願いします。
【金原自立支援振興室長】 御質問ありがとうございます。まず,様々な事業を地域生活支援事業の中で実施しておりますけれども,各地域での温度差や,またその地域が取り組むために十分な予算措置ができるのかということが問題かと思います。まず地域の温度差はなるべくないような形で,我々がどういうふうにPRしていくか,あるいはお願いしていくか考えたり,また2番目の質問にありました,各自治体の計画をしっかり立てたりすることで,温度差がなくなっていくと考えます。また,各自治体が事業実施できるように,我々としても予算をしっかり立てていきたいと思います。
それともう一つ,計画の中で,計画の実施で単独で計画を立てなきゃいけないのかというお話でございます。まだ明確に文科省の方としっかり整理をしたということではございませんが,例えば障害者の芸術の推進に関する法律がありまして,ここに関しましても計画は自治体の努力義務になっております。これは単独で計画を立てていただいても構わないし,あるいは障害福祉計画の中で整理をしていただいても結構であるし,また文化・芸術の計画の中で考えていただいても構わないという形で,自由な柔軟な形にしているというのが実情でございますので,本計画に関しましても,何が何でも単独の計画を都道府県が立てなければいけないとは考えておりません。ただ,しっかり中身のあるものを立てていただけるような形で,我々の方としたら支援をしていくということかと思っております。以上でございます。
【中野座長】 阿部委員,よろしいでしょうか。
【阿部委員】 はい,ありがとうございました。新しい事業はみんな地域生活支援事業の補助金というふうになっていて,新しい事業がつけばつくほどうれしいんだけれども,その辺が心配だということと,計画に関する御説明ありがとうございました。どうもありがとうございました。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。続きまして,見形委員,お願いいたします。
【見形委員】 見形です。よろしくお願いします。
質問というか確認もあるんですけれども,厚労省の方がおっしゃっていたと思うんですが,司書さんたちの資質向上ということもたしかおっしゃっていたと思うんですが,例えば研修の具体的な案はもうお持ちになっていらっしゃるのかということと,そこには高次脳機能障害とか発達障害とか,もちろん肢体不自由の方や視覚障害の方も参画した上での研修をきちんと行うということになるのかをお聞きしたいということ。次に例えば政府のものなのでAC広告とかネットのツイッターとかテレビやインターネットを使って広報・周知していけないかと思います。その方が,高齢者の方はネットを利用しにくい方もおられるかもしれないですけれど,私たち障害者はネットの方がアクセスしやすいです。この点は検討していらっしゃるかどうか二点お聞きしたいです。
【中野座長】 ありがとうございます。では,御質問でしたので,御回答をお願いします。
【金原自立支援振興室長】 まず,広報・啓発といいますか,広告という話の中で,ネット等を使った周知というお話を今頂きました。まさしくそういう意見を頂きながら,今後,言葉が悪いですが,今までどおりの取組や,あるいは見形構成員が仰ったようなネットを使った広告も今後検討していくということをさせていただきたいと思っております。
それから,もう一つの方は,図書館司書に関する研修ということですね。すみませんが。
【中野座長】 少々お待ちください。
【荒木地域学習推進課図書館・学校図書館振興室室長補佐】 文部科学省の地域学習推進課でございます。
今年度我々の委託事業として行う研修事業ですけれども,資料3の参考資料の方で,令和2年度日本図書館協会さんに委託して,障害者サービス初級講座,あとピアサポートができる司書等育成研修会の2つの事業を委託する予定でございます。ピアサポートの育成については、基本的には今年度の対象は視覚障害者の方となっておりますけれども,来年度以降については,それ以外の障害の方についても受けられるような研修も検討したいと考えております。
簡単ですが,以上になります。
【中野座長】 見形委員,よろしいでしょうか。
【見形委員】 はい,ありがとうございます。
【中野座長】 ありがとうございました。
それでは,続きまして,近藤委員お願いいたします。
【近藤委員】 近藤です。では,私の方から発言させていただきます。
2点あるんですけれども,まず1点目が,先ほど座長の方からも少しお話のあった,大学図書館における情報保障についてのお話です。こちらはちょっと重ねて申し上げることになってしまうんですが,国立国会図書館の皆さんと国立情報学研究所の皆さんの連携についてお話が挙げられたと思います。この連携については是非、大学の支援室が必ず関われる形にしていただきたいので,やはり先ほど座長から例示していただいた,一般社団法人全国高等教育障害学生支援協議会,こちらは略して通称AHEAD JAPANと呼ばれますが,こちらのAHEAD JAPANの方との連携を必ずお考えいただきたいと思います。障害のある学生の支援に関しては,大学の中での障害学生支援を専門に行う部署を必ず置くということに,今,多くの大学でなってきております。AHEAD JAPANにも,100を超える大学が参加をして,大学の障害学生支援の中でどういった情報保障の取組をやっていけばいいのかということが非常に重要なトピックになっています。
特に視覚障害等のある学生に対しての書籍の電子化です。これは大学の中では教科書は一般の書籍がほとんどですので,そうすると初等中等教育の検定教科書と違い、電子データは当然手に入らないわけですから,それなりのお金をかけて,障害学生支援部署が、大学図書館と連携をしながら電子データを製作して,学生に提供しているのが現状です。現在ですと,著作権法の37条の3項で,データの複製を行ってテキストデータを学生たちに届けるわけなんですけれども,支援室が直接そこに関わることが,どうもやはり不明瞭だという状況というのは残っております。支援室というのは,これまでの様々な政府等の議論の中で,図書館に類する施設に障害学生支援室は入るのかどうかというのがちょっとはっきりしないような状況というのが続いておりますので,やはり分かっているところは大学図書館と連携しながらやるという形にしています。この辺りのことも,出来上がったデータがどう国会図書館に所蔵されていって,更にその他の障害のある学生に対しても提供できるようになっていくかという形を効果的に作るためには,支援の現場が関わらない形というのは是非避けていただきたい。このAHEAD JAPAN等との連携を是非お考えいただけたら有り難いと思います。これが1点目です。
2点目は,初等中等教育に関しての検定教科書以外の副教材としては,一般の書籍が使われるわけですし,問題集等も使われるわけですし,あと試験問題等もあるわけです。しかし,様々なそういった書籍や資料をアドホックにどう電子化するかという体制が,非常に今,欠けている状況です。これは前回の会議のときにも,委員会のときにも私,申し上げさせていただいたんですが,大学の状況では,やはり支援室を置いて,支援室がアクセシブルなデータを製作することに関わるというのが,もはや1つの常識のような形になってきているところがあります。これはやはり国立大学法人がありますので,差別解消法の対応として,法的な義務として、情報保障のためにテキストデータを製作する等をやらなければならないという意識が随分広がってきていると思います。教科書の情報保障をやるということは,つまりテキスト化の作業をするということなんですけれども,初等中等教育においては,検定教科書以外の他の必要な教材等に関して,誰がどのようにテキスト化するのかは,ほとんど誰も分かっていないような状態なのではないかと思います。
一部のボランティアが関わって,検定教科書以外も製作をしていることはありますが,ボランティアも教科書を製作するだけでいっぱいいっぱいのような状況というのが続いております。この副教材のところを,例えば学校図書館が、一般の印刷された書籍というのを,児童生徒のニーズ,もしくは教員のニーズに合わせてアドホックにテキストデータを製作するのかどうか。もしくは,リソースが足りなければ公立図書館と連携してそれを製作するのか。そのときの連携をどうつくるか。やはりアドホックなニーズに合わせてデータ製作に対応することも,環境整備の1つであると私は考えますので,初中教育に関しても,是非何かの促進策ができると大変有り難いなと思っているところです。
恐らく先ほどの,これまでたくさん取組を挙げていただいて,公立図書館等の司書の育成みたいなことも出てきていると思うんですけれども。ただ今現在,先ほどの学校の情報保障のニーズに対して,公立図書館や学校図書館が協力してそこにどう関わるかは,単純に司書の資質の問題だけではなくて,これはソーシャルワークの問題なんですね。ニーズと関係者による資源の間をどうつないで,子どもたちの権利保障をしていくのかという問題だと思いますので,このようなシステムづくりに関しての観点も是非置いていただけると大変有り難いなと思います。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。とても重要な視点を頂いて感謝いたします。
ほかにいかがでしょうか。髙橋委員と返田代理が今手を挙げていただいているということですので,まず髙橋委員からお願いします。
【髙橋委員】 髙橋です。先ほど見形委員の御質問のところで,私ども日本図書館協会の取組を御紹介いただきましたが,それについてちょっとお話をしたいと思います。今年度,文部科学省からの委託事業として,読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修を開催することにいたしました。これは全ての図書館で行ってほしい障害者サービスの実際という名称で,現在受講者を募集しています。11月と2月に開催しますが,講座の内容といたしましては,障害者サービスの理念から,実際のサービス方法,障害者への配慮,機器の操作支援という,障害者サービス全般の初歩から学ぶ講座となっております。
人材育成のお話もありましたけれども,この講座の特色といたしましては,参加対象を主に都道府県立図書館等の職員として,こうした研修会を地元の市区町村立図書館職員を対象に開催できるようにするためのノウハウを含めて習得してもらうということを目的としております。研修の中では,やはり視覚障害者に限らず,図書館利用に障害のある人への理解と配慮ですとか,グループワークで障害のある利用者についての話合い等も入れておりますし,最終的には、研修内容をDVDにして各都道府県立図書館に配布をしますが,そこには字幕を入れて,音声が聞き取りにくいとか理解しにくいとか,聴覚障害の方でも御覧いただけるようにというような形で実施する予定でございますので,これによって全国の図書館の障害者サービスの取組の推進につながるのではないかと考えております。以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
引き続きまして,小池委員の代理で入っていただいています返田委員,お願いいたします。音声のみでの御発言ということで,よろしくお願いいたします。
【返田(小池委員代理)】 先ほどから話の出ています,大学図書館等における取組に対して,公共図書館の立場から少し意見を述べさせていただきたいと思います。
実は大学生は,大学だけでは資料が今のところ十分にうまく入手できないという状況がございます。そのため,公共図書館にも依頼が来ることがございます。今回のことに関して,是非公共図書館でも情報共有できる仕組みを御検討いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございます。
では,続きまして,鈴木委員お願いいたします。
【鈴木委員】 電流協の鈴木でございます。三宅委員から出された御意見の中で,ちょっと電子書籍で御意見させていただければと思います。
7番のところで,電子書籍データをほかのビューアでも読める仕組みというようなお話があったかと思います。ただ,この辺のところ,既存の電子書籍……。
【中野座長】 鈴木委員,ちょっと聞き取りにくいところがありますので,少しゆっくりめに,大きめにしゃべっていただけますでしょうか。
【鈴木委員】 はい,すみません。
三宅委員の御指摘の7番の,電子書籍データをほかのビューアでも読める仕組みづくりのところですが,電子書籍とも関係がございますので,ちょっと御意見させていただければと思っています。
この辺のところは研究開発ということで,当然仕組みですので,技術だけのお話ではないと思いますが,電子書籍のビジネスモデルと深く関係しているところでございますので,その辺りの技術的な問題だけではなくてビジネスモデルとか,その辺の関係も含めて検討をいただくような方向性にしていただければと有り難いかなと思います。以上でございます。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
ほかは今,挙がっていましたっけ。大丈夫ですね。では,宇野委員,お願いいたします。
【宇野委員】 先ほど近藤先生が2点目に言われたことに関連して補足させていただきます。
先生がおっしゃるとおり,まさに中等教育段階において,教科書以外の参考書,問題集って本当に大切なんです。これは経産省の方で検討の場ということにはなってしまうんですけれども,ちょっとその他の一般的な小説のニーズというのと,子どもたちの進路を支える,教育を支える教科書以外の参考書や問題集というのは切実度が違う。基本計画にも児童生徒,学生,それから教育や図書館関係者にとって,アクセシブルな電子データの重要性に留意するという文言まできちんと起こしていただいているんです。ですので,この留意するというのを実際どう具現化していくか,これは経産省と文科省にも絡むと思うんですけれども,やっぱり非常に切実で喫緊の課題だということをぜひ共有していただいて,次回の協議会が年度末ということなんですが,それまでにやはり具体的に,全部を一気に進めるというのは無理だと思いますので,本当にやりやすいところとかやるべきところ,マストなところから優先順位をつけて,それを達成していくというようなプロセスで,是非検討の場とか施策の推進をお願いしたいというふうに,年度末を待たずに,一歩ずつ課題の解決をお願いしたいと思います。
【中野座長】 では,関連してお願いいたします。
【村瀬情報流通振興課情報活動支援室長】 ただいまの御発言につきまして,関連して申し上げたいと思います。総務省の村瀬と申します。私の知っている範囲で御紹介したいと思います。
実は先生方おっしゃった,副教材等のデータ化,デジタル化ってすごく大事だと思っています。実は文科省に国立教育政策研究所というのがこの建物の中にございますが,例えば理科といった場合におきましては,理科ネットワークといったものがございます。これは、副教材として広く利用されているものです。ホームページを後ほど御覧いただきますと,例えば音声のデータとか,あるいは音声だと,例えば生物だとかでセミの鳴き声であったりとか,動物の鳴き声であったりだとか,あるいは化学の世界であれば化合物の構造体であったり,理科の実験であれば,そういった動画といったようなものがございます。それは既存のリソースの中でも,既にそういったテキスト化,データ化したようなものもございますので,今,宇野委員から,まずやりやすいところからというような御示唆もございましたので,そういったものも各省連携しながらやっていくことも大事かなと思っておりますので,文科省とも協力しながら情報提供していきたいと思っております。
【中野座長】 とても心強いお話,ありがとうございます。
それでは,そろそろ時間もちょうどいい時間となっております。それから,御発言も今,多くの方にしていただいたところですので,そろそろ議論は終わりとさせていただきたいんですけれども,先ほど宇野委員からお話があったように,これからどういうふうにこれを取りまとめていくかというところがすごく重要な話になるかなと思います。これまで説明していただいたように,各省庁で様々な取組というのを今回実施していただいているんですが,これを具体的にユーザーが見える形で,それぞれのユーザーにとってどういう読書環境というのが整備されてきたのか,それから,それが実現しつつあるのかということを1つずつ考えていかないといけないのではないかと思います。具体的にユーザーが見えるというような状況で,先ほどの例えば初等中等教育の中でどうなのかとか,大学生にとってどうなのかというような形で整理をしながら,進むべき方向性というのを議論していくことができるといいなと思いました。
ということで,時間になりましたので,意見交換としましては,本日は以上とさせていただきます。これで今回の議題である3つは全て議論をさせていただきましたので,事務局に議事を返させていただいて,今後の伝達事項等について説明をしていただきたいと思います。では,事務局にマイクを返させていただきます。
【小林障害者学習支援推進室長】 たくさんの多くの御意見頂ききましてありがとうございます。次回の関係者協議会につきましては,先ほど申し上げたとおり,今年度末から来年度初めを予定しておりまして,後日改めて日程調整をさせていただきますが,様々な御指摘を踏まえて整理をし,課題解決に向けていち早く取り組み,また関係する先生方には事務局,あるいは関係省庁等から御相談をさせていただきますので,引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは,関係省庁等を代表しまして,文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官の寺門より御挨拶を申し上げます。
【寺門社会教育振興統括官】 寺門でございます。本日は大変お忙しい中,御参画ありがとうございました。改めまして,本年4月の計画策定に当たりましては,途中コロナという厳しい状況の中で精力的に御議論賜りまして進められましたことに対しまして,改めて御礼申し上げます。
本日も大変に重要な御議論を賜りました。今,内閣では縦割りを打破し,スピード感,デジタルと,まさにこの3つをやるということなんですが,この計画に載っている施策というのは,まさにそのど真ん中をいくものだと思っておりますので,計画に魂が込められますように,共同事務局を務める厚労省さん,また関係省庁さんと連携しながら,委員の先生方の御意見を賜りながらしっかりと進めてまいりますので,今後とも御指導・御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
【小林障害者学習支援推進室長】 それでは,最後に本日の総括としまして,中野座長より御挨拶をいただければと思います。中野座長,よろしくお願いします。
【中野座長】 本日はお忙しい中,それから遠隔でいろいろ議論がしにくい中で,たくさんの御意見を頂いてありがとうございます。
この法律は,関係者の努力によって成立したもので,先ほど室長からお言葉がありましたが,どう魂を込めていくかというのが非常に重要だと思います。その際に,先ほどもそれぞれの委員の皆様から御指摘がありましたように,具体的な場面,それから具体的な人というのを想定しながら,これだけたくさんの施策を立てていただいているわけですが,それが十分に機能するかどうかということを改めて考えていく必要があるかなと思います。一つ一つはとても重要な施策を立てていただいているわけですが,それが機能していくというのはすごく重要なことだと思いますので,そのために是非私を含めて委員全員でこの問題というのは取り組んでいきたいと思いますし,啓発活動も,国の方で進めていただく啓発活動があるわけですが,委員の皆さんはそれぞれの領域を代表する方々ですので,それぞれの領域や当事者に情報を普及していただいて,この法律というのを実行力のあるものにしていくために力を合わせていただければと思います。
次回に向けて,是非今日の具体的な施策というのを読み込んでいただいた上で,それぞれの施策について更に深い御意見を次のときには賜りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。本日は,どうもありがとうございました。
【小林障害者学習支援推進室長】 ありがとうございました。これで会議を終了いたします。引き続きよろしくお願いいたします。

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