第3回介護保険制度における福祉用具貸与・販売のあり方検討会 議事録

日時

令和4年4月21日(木)

場所

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)

議題

1.福祉用具貸与・販売種目のあり方について
2.その他

議事

第3回介護保険制度における福祉用具貸与・販売のあり方検討会
○高齢者支援課長
 おはようございます。それでは、ほぼ定刻となりましたので、ただいまから第3回「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」を開催させていただきたいと存じます。
 構成員の皆様方、本日も御多忙の中、また、新型コロナウイルス感染症に関する御対応等、非常にお忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、引き続き、これまでどおり、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただいております。また、併せまして、動画配信システムのライブ配信等も行わせていただいておりまして、一般公開の形でしておるところでございます。
 まず、本日の構成員の交代についてお伝えさせていただきたいと思います。健康保険組合連合会理事 幸野構成員に代わりまして、同じく同連 合会理事の田河構成員に御就任いただくことになりました。田河様、よろしくお願いいたします。

○田河構成員
 健保連の理事の田河でございます。幸野に代わりまして、今回から参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○高齢者支援課長
 ありがとうございます。
 また、本日、日本介護支援専門員協会の濵田構成員の代理といたしまして、副会長の七種様に御出席いただいております。御了承いただきます。
 なお、事務局のほうでございますが、土生老健局長のほか、堀内審議官、橋本総務課長、笹子認知症施策・地域介護推進課長、登内同課長補佐、及び高齢者支援課長の私、須藤、並びに同課 長倉福祉用具・住宅改修指導官が出席させていただいております。
 なお、土生局長におかれましては、11時頃をめどに別の公務との関係で中座させていただきますこと、事前に御了承のほどお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、お手元の資料の確認と、オンライン会議の運営方法の確認について行わせていただきます。

○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官 
 では、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
 まず、議事次第がございます。
 次に、資料1-1「開催要綱」
 資料1-2「構成員名簿」
 資料2「論点の整理➀(追加分を含む)」
 続いて、参考資料1-1「各種調査研究事業等による数値等」
 参考資料1-2「各種調査研究事業等による数値等(追加分)」
 参考資料2「介護保険制度における福祉用具等について」
 参考資料3「介護保険制度における居宅介護支援等について」
 続いて、岩元構成員提出資料、小野木構成員提出資料、濵田構成員提出資料がございます。
 資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードしていただくなどの対応をお願いいたします。
 次に、オンライン会議における発言方法等について、確認させていただきます。
 オンラインで御参加の構成員の皆様、画面下のアイコンのマイクについては基本的にミュートにしていただきますが、御発言される際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックしていただき、検討会座長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除していただき、御発言いただくようお願いいたします。御発言が終わりました後は、「手を降ろす」をクリックしていただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 発言希望の御意思が座長に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては、「手を挙げる」機能にて意思表示をお願いいたします。チャット機能等で記載いただいている内容については、オンラインの画面に表示されますので、御承知おきください。

○高齢者支援課長
 それでは、以降の進行を野口座長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○野口座長
 皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。
 本日も議題1として、前回に引き続き、「主な検討事項」の「➀福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方の検討」についての議論となります。
 それでは、事務局様より資料の御説明をよろしくお願いいたします。

○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 資料説明に入らせていただきます。本日御覧いただきますのは、資料2の「論点の整理について➀(追加分を含む)」と、参考資料1-2となります。
 まず、資料2について御説明させていただきます。
 1ページを御覧ください。本日も3つの論点の➀福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方の検討につきまして、第2回の検討会に引き続き、御議論いただきますよう、資料の御説明をさせていただきます。
 2ページを御覧ください。前回と同様、着目すべき5つの論点をお示ししております。
 3ページ以降になります。5つの論点ごとに、現況、第1回検討会での御意見、関連するデータ、特に御議論いただきたい点の記載内容がございます。その後ろに第2回検討会での御意見と関連するデータ(追加分)の記載をさせていただいております。
 そして、恐縮ですが、資料の後ろのほうに飛ばさせていただきまして、31ページを御覧ください。第1回、第2回検討会の30ページまでの御意見につきまして、論点ごとに事務的に整理させていただき、再掲させていただいております。今回の関連するデータ(追加分)につきましては、後ほどまとめて御説明させていただきます。御意見につきましては、駆け足となりますが、一部を抜粋した形で読み上げさせていただきます。
 まず、31ページでございますが、1の現行制度における福祉用具貸与と特定福祉用具販売の考え方の再整理の必要性につきましては、積極的な検討を求める意見としまして、販売と貸与のあり方を検討するに当たり、現在の貸与原則の考え方を整理することや、制度の持続可能性を高めるため、多くの方の意見を得た上で、貸与と販売の関係の見直し、メンテナンスの必要性の低い品目あるいは要介護度に関係なく給付対象となっている廉価な種目の移行に向けた検討を進めることが必要。制度設計当時の状況と現在の状況を相対的に比較して検討してはどうかなどといった御意見がございました。
 次、32ページを御覧ください。慎重な検討を求める意見としまして、貸与の場合、業者が再利用するため、廃棄は少ないが、購入では、利用者が使われなくなった場合の廃棄コスト、利用者や行政の負担、資源の有効活用にも逆行するのではないか。また、2年以内に7割から8割の人が使わなくなる手すりや歩行器などについては、特定福祉用具販売には適さないのではないか。
 販売への移行を検討する場合、安全性を確保する方策や販売の上限額も併せて慎重に検討すべき。どの程度の価格を廉価とするのか、小売希望価格も踏まえて議論すべき。
 希望小売価格が一定額以下のものについては、保険給付の対象としないとした場合、価格の下限を決めることは理論上可能であっても、価格が公定基準に張りつき、安くて良い製品の開発や流通を妨げることも懸念されるなどといった御意見がございました。
 33ページを御覧ください。
 2の利用者の状態を踏まえた対応につきましては、関係者の連携の必要性に関する御意見として、福祉用具の選定基準について、判断基準内容の細分化や用具別の取扱注意事項の明記、選定基準の再構築など、必要な改正を実施すべき。
 また、福祉用具を選定する際には、福祉用具専門相談員と介護支援専門員、さらにリハビリテーション専門職とも連携を図りながら、実際に在宅で使えるものを選定している現状があるといった御意見がございました。
 さらに、特定の利用者の状態に関する御意見としまして、急に病状が悪化するおそれがあり、また退院・退所直後で生活状況が安定しない者、後期高齢者・経度認知症の方など、状態は多様になってきており、医療職からの判断、評価、情報共有なども含め、慎重に検討すべきではないか。
 看取り期においても、介護度が経度で退院され、在宅の期間を過ごされている方も多いので、このような場合は、単に状態が軽度だからといって、モニタリングのない販売でよいという対応は困難ではないかなどといった御意見がございました。
 34ページでございます。将来の予測に関する御意見もございました。使用の開始時点で使用期間を予測することは難しいと思われる。
 2年以上利用しているケースについて、利用者像が見えていないので、状態を見極める調査が必要ではないか。安易に販売を導入するのではなく、長期利用者の状態になる予測が可能になるのかなど、十分に議論すべきである。
 本人の状態の安定性、障害の固定、進行性の疾患等、医学的な予後予測の判断が不可欠であり、連携が求められるなどといった御意見がございました。
 35ページでございます。その他の意見としまして、福祉用具の使用はあくまで手段・プロセスであり、目的ではないので、本人の状態像を踏まえて何が適切なのかを検討すべき。
 財政審の資料は36か月使用した例を掲載しているが、平均的な利用期間はおおむね1年程度であること。一方、2年以上使用している人も一定数いることも踏まえ、状態の維持等、福祉用具が果たしている役割を再検証できればよいなどといった御意見がございました。
 次、36ページを御覧ください。3の福祉用具の使用に関するモニタリング・メンテナンス等について、特に特定福祉用具販売におけるモニタリング・メンテナンス等について積極的な検討を求める意見としまして、特定福祉用具販売におけるメンテナンスについても、指定基準で規定し、何らかのフォローをすることは必要である。特定福祉用具販売において努力義務とすることは考えられるのではないか。
 現在、検討の課題に上がっている用具については、貸与と購入の選択を可能とすべきであり、購入後のフォローについても、貸与と同等に扱うことが望ましい。
 また、いきなり福祉用具を購入することは、利用者本人にとってハードルが高く、特に本人にフィットして、本人がきちんと使えるかどうか、有効性・安全性を検証する期間が必要等の御意見がございました。
 一方、特定福祉用具販販売におけるモニタリング・メンテナンス等について慎重な御意見もございました。個人が所有する商品に対して、特定福祉用具販売事業等が訪問し、確認することはハードルが高い。福祉用具販売後のアフターフォローは重要であるが、経年劣化による不具合等により、転倒や重度化のリスクがより高くなると考えられるとの御意見がございました。
 次、37ページを御覧ください。その他の意見としまして、福祉用具専門相談員の支援は必要なものであり、身体状況の変化に対する定期的な確認が必要である。
 福祉用具専門相談員等による適合確認やモニタリング等が適正に実施されず、適切でない用具が給付されると、状態の悪化を招くことになるといった御意見がございました。
 次、38ページでございます。4の介護支援専門員による支援についてでございます。
 介護支援専門員による支援を前提として、販売制度への移行に積極的な検討を求める意見としまして、現行制度の貸与または購入によって、その後のあり方に相違があり、見直す必要があるのではないか。
 現在検討の課題に上がっている用具については、貸与と購入の選択を可能とするべきであり、購入後のフォローについて、貸与と同等に扱うことが望ましい。
 仮に選択性を想定した場合、特定福祉用具販売のみのケースの介護予防支援については、地域包括支援センターの役割や体制の強化で対応することも考える必要があるのではないかということです。
 慎重な検討を求める意見としまして、販売の場合、介護支援専門員が用具の交換を勧めても、利用者は使い続ける可能性がある。
 また、福祉用具のケアマネジメントの中では、特に退院時の支援が重要であるところ、退院が決定してから実際の退院までの期間が短くなっており、購入の場合では、福祉用具は間に合わなくなることがないよう、十分留意すべき。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、人的サービスの利用控えなどの状況がある中、福祉用具貸与を位置づけたケアプランを踏まえ、居宅介護支援専門員の支援が行われているという実態を認識し、制度の変更がある場合でも、利用者や家族に不利益が及ばないようにするべきといった御意見がございました。
 次、39ページです。適切なケアマネジメントの下で貸与サービスの定期的なモニタリングによる適合確認、その結果として、福祉用具の単品プランである、あるいは福祉用具が長期に利用されるということである。最初のアセスメントの段階で長期利用になることをあらかじめ想定することが適切かどうか疑問。
 ケアプランを有効に活用しながら、福祉用具のプランも立てているわけなので、情報を上手に機能させていくことを考えていくべきである。
 現行制度では、福祉用具の負担のみで介護支援専門員の支援も受けられており、これがなくなった場合、本人や家族の経済的・身体的・精神的負担の増加につながるため、目に見えるコストのみで議論すべきでない。
 さらに、福祉用具貸与における介護支援専門員の支援の必要性を求める意見としまして、ケアプランは介護保険サービス以外のインフォーマルサービス等も含まれており、実際のモニタリング以外の場面でも細かな連絡調整も行っているので、福祉用具貸与のみだからといって、ケア マネジメントに係る業務負担が一概に少ないとは言えないのではないか。
 毎月のモニタリングを通じて、常に利用者の状態を最新の情報にアップデートしていることで、有事の際にも迅速に対応できるものであるといった御意見がございました。
 そして、40ページをお願いします。その他の意見としまして、福祉用具貸与のみの場合のアセスメントやケアプランの作成、モニタリングや給付管理等、ケアマネの業務がどのようになっているのか、他の利用者との差が大きくあることはないのか、チェック機能はないのか、このような点も議論していく必要がある。
 特定福祉用具販売のみの場合は、福祉用具貸与の場合と違いがあることについて相対比較を行うのであれば、両者の利用者について調査研究をさらに行うなど、慎重な検討をする必要がある。
 福祉用具貸与のみの場合は、介護報酬を引き下げるとした場合、必要性が不明な他のサービスを加える可能性も考慮する必要がある。
 さらに、実務者研修や更新研修等でも、福祉用具貸与、リハビリテーション等の研修を行い、多職種連携のポイントを学んでいる現状があります。ケアプラン点検もあるが、福祉用具だけのケアプランでも、ケアプラン点検の実態を把握して、どういったことができるか、ケアマネ自身も問題意識を持って取り組んでいくことが必要といった御意見がございました。
 続きまして、41ページ、5の経済的負担について、積極的な検討を求める意見でございます。購入した場合の定期的なモニタリングやメンテナンス等も重要だが、利用者の意向や負担の状況等を踏まえて、貸与と販売の選択制も検討の余地があるのではないか。
 販売への移行や購入の選択肢も議論するべき時期に来ているが、検討に際しては、貸与と販売では給付費の支払い事務が異なり、販売のほうが市町村における事務負担がより重い点も考慮するべきである。
 貸与や購入かということを選択すること、もしくは一定期間を経た後に貸与から販売へ変更することは、自立に向けた自己決定としてあり得るのではないか。
 自己負担額と給付額の合計額が販売額を超えるほど長く使った場合、モニタリングとメンテナンスは一定の実費を取ることとし、貸与分の自己負担と給付をなくすことも考えられないか。
 選択制とする場合の制度改正の移行について、保険者も含め、被保険者の幅広いアンケート調査を行ってみる必要もあるのではないかといった御意見がございました。
 42ページになります。先ほど少し慎重な意見も入っておりましたが、さらに慎重な検討を求める意見としまして、福祉用具が状態に合っていな い方に給付されてしまうと、状態の悪化を招くことになるので、必ずしも販売のほうが経済的負担が少ないというものではない。
 買い換えやメンテナンスも必要になるので、一律に購入のほうが安いという議論は慎重に行うべき。
 購入のほうが一度に払わなければならないお金が多いので、例えば年金生活者の使用控えみたいなものも考えられるのではないかといった御意見がございました。
 その他の意見としまして、貸与から販売への移行の検討に際して、介護保険制度の基本的な理念は変わらないことを踏まえることや、財政面のみならず、家庭や社会全体に及ぼす影響に関する検証などをすべきではないかなどの御意見がございました。
 前回までにいただきました御意見の整理については、以上となります。
 次に、時間の都合上、5つの論点ごとに、今回、「関連するデータ(追加分)」について簡単に御説明させていただきます。なお、資料2の「関連するデータ(追加分)」に記載されているページ数は、本日の参考資料1-2の「各種調査研究事業等による数値等(追加分)」のものとなります。参考資料1-2を御覧ください。
 1点目の現行制度における福祉用具貸与と特定福祉用具販売の考え方の再整理の必要性について、関連する追加データになります。1ページを御覧ください。1ページ、2ページには、福祉用具4種目の借換えの状況をお示ししております。新規に貸し出された用具の29か月を見たものとなります。1か月以上の間隔を空けて再び同一の商品が貸与もしくは他の商品や種目の変更なく終了する場合は、4か月から5か月程度で約半数となっておりますが、同一種目の他商品や他種目へ変更する場合は、おおむね7か月から12か月の間で半数を超えるパターンとなっております。
 次、3ページを御覧ください。令和元年度の特定福祉用具販売の給付状況を示しております。これは、市町村にアンケート調査を行った結果となっております。費用額(給付額と自己負担の合計額)が3万円以下の者が最も多く、要介護度が高くなるにつれて費用額が高くなる傾向があり、要介護5では10万円を超えている方が5%以上となっております。
 4ページを御覧ください。種目別の給付状況についてです。入浴補助用具・自動排泄処理装置の交換部品は、1件当たり約2万円。腰掛便座・簡易浴槽・移動用リフトのつり具の部分は、1件当たり約4万円程度となっております。
 次に、2点目の利用者の状態を踏まえた対応に関する追加データになります。5ページ、6ページを御覧ください。
 貸与期間が長期の利用者の状況について、開始時と現在の変化に関するデータになります。前回も要介護度のデータをお出ししましたが、今回は認知症高齢者の日常生活自立度や障害高齢者の日常生活自立度の変化についてのデータでございます。福祉用具1種のみの利用者は、他の区分と比較すると、開始時も比較的自立の割合が高く、維持の割合が高くなっているという結果になっております。
 7ページを御覧ください。利用者のADLのうち、移乗についてのデータでございます。同じく福祉用具1種のみの利用者は、他の区分と比較すると介助されていない割合が高くなっており、変化の傾向も維持がやや高くなっております。
 8ページを御覧ください。利用者のADLの中で、理解力について示したデータになります。こちらも福祉用具1種のみの方は、他の区分と比較すると説明が理解できる割合が高くなっており、変化の傾向も維持がやや高くなっておるところでございます。
 9ページを御覧ください。こちらは、退院・退所時カンファレンスに参加することによる効果についての資料になります。令和3年度介護報酬改定におきまして、退院・退所時のカンファレンスについて、福祉用具の貸与が見込まれる場合には、必要に応じ、福祉用具専門相談員や居宅サービスを提供する作業療法士等が参画することを明確化したところでございます。
 10ページが、その効果としまして、福祉用具専門相談員、介護支援専門員、いずれもより利用者に適合する福祉用具の提案ができる、提案が得られたが9割以上と、最も多くなっております。
 次に、3点目の福祉用具の使用に関するモニタリング・メンテナンス等について関連する追加データです。
 11ページを御覧ください。同一製品への交換状況に関するデータを示しております。11、12ページは、種目ごとに示しておりますが、12か月までの累積交換割合について、手すりやスロープと比較しますと、歩行器や歩行補助づえについては交換の割合が高くなっております。手すりやスロープは20~30%台、歩行器や歩行補助づえは50%前後となっております。手すりや歩行器については、要介護度が高いと、12か月までに累積交換割合が高くなる傾向がありますが、スロープや歩行補助づえは、要介護度が低いほうが交換割合が高くなっていることが分かります。
 次、13ページを御覧ください。福祉用具専門相談員の資格状況についてです。福祉用具貸与事業所において、福祉用具専門相談員として勤務しているのは、社会福祉士・介護福祉士の資格を有している者が1人以上配置されていると回答した事業所は30%でした。そのほか、医療職 に関しては比較的低いパーセンテージになっております。
 次に、4点目の介護支援専門員による支援について、関連データです。14ページを御覧ください。介護保険サービス以外のサービスの利用状況についてです。医療機関・薬局による服薬指導など、様々な介護保険以外のサービスを受けていますが、受給している介護保険サービスが福祉用具と居宅介護支援の場合、「特になし」の割合が高くなっているところです。
 15ページを御覧ください。特定福祉用具販売の利用者のうち、ほかの介護保険サービスを利用していない方の割合についてお示ししております。給付時点で他の介護保険サービスを利用していない者について、要介護度者の場合、10%以下に対して、要支援者については約20%となっております。
 続きまして、5点目の経済的負担についての追加データでございます。
 16ページから19ページになりますが、まず16ページを見ていただきまして、一定期間貸与を実施後、販売に切り替えた場合のシミュレーションの結果となっております。製品に関する観点から、販売前に貸与期間を6か月、12か月、18か月を設けた上で、同一商品を新品で販売するという設定によるシミュレーションをしております。
 結果としましては、18ページを見ていただけますでしょうか。販売が想定される利用者のうち、貸与のみよりも負担が軽減する者の割合について示しておりますが、手すりやスロープは10~25%、歩行器は40~50%、歩行補助づえは50~70%という結果となりました。こちらは、抜粋して資料を提示させていただいております。
 続きまして、20ページから21ページでございますが、福祉用具の貸与と販売における差異の背景等について、前回御質問がございましたので、介護保険前の老人保健福祉法による老人日常生活用具給付等事業について、福祉用具のレンタル、給付及び販売サービスがございましたので、そちらのガイドライン等もお示ししております。詳細は25ページ、26ページにもお示ししておるところでございます。
 続いて、22ページから24ページは、居宅介護支援における取扱いについて、条文をお示ししております。
 最後になります。先日開催されました4月13日の財政制度等審議会の資料もつけさせていただいております。
 以上です。

○野口座長
 長倉指導官、どうもありがとうございました。
 続きまして、本日も構成員3名の方から参考資料を御提出いただいております。ですので、この3名の構成員の方々から、まず御説明をお願いしたいと思います。
 最初は、資料を御提出いただいた岩元構成員、御説明をよろしくお願いいたします。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 では、事前に提出させていただいた資料の順に御説明させていただきます。
 まず、資料の1ページ目は、歩行関連用具の選定について。利用者の状態を踏まえた対応、どのような対応をしているかという一例として御説明申し上げます。
 左下の図表1を御覧いただきたいと思います。これは、代表的な歩行関連用具に関してイラストでお示ししてあります。左側、縦軸にその方のバランス。バランスというのは、体幹機能であったり、麻痺の有無によるものですけれども、主に転倒のリスクの有無とお考えいただければよろしいかと思います。そして、横軸、左が腕の力の強い方、右に行くほど弱い方といったマトリックスになってございます。
 この図表1で、一番左下、体幹バランスもよくて腕の力も強い方には、主にシルバーカー、あるいは一本づえといった歩行関連用具が適合となります。この部分については、そもそも介護保険では給付の対象外であります。少し体幹のバランスが悪くなる、あるいは腕の力が少しずつ弱くなっていくという状態においては、歩行補助つえが主に使っていただく用具になります。これは、同一種目内でありますけれども、多脚づえ、ロフストランドクラッチ、松葉づえというほうに、腕の力の強弱によって使い分けが行われるというものであります。
 そして、さらにバランスが悪くなり、また腕の力も落ちてくるという状況においては、この図表の右上、丸で囲ってありますけれども、歩行器という種目で給付が行われるものでありまして、歩行器あるいは歩行車などが主なものになります。
 この丸で囲った歩行器に関して、どのような視点で選ばれる、どのような調整・選定のポイントがあるかということをまとめたのが右側の図表2であります。御利用の環境によって、そして身体の状況によって。あるいは、ここには書いてありませんけれども、御利用の目的によって、適合する商品・歩行器を選定いたします。
 そして、一番右側に注意点とあります。これは、現場としてはモニタリングの都度、利用開始後も継続してチェックするところでありますけれども、このような状態の方には適合しない、あるいはちゃんと使えるかどうかということについての確認を行う。そのようなポイントをまとめたものが、この注意点ということであります。福祉用具貸与の継続性については、モニタリングを通じて身体状況の変化を捉えて確認しているということを示すものであります。
 次に、2ページ目でございます。手すりの選定について➀。手すりについては、その方の身体状況もそうですけれども、加えて、利用される場所あるいは生活動線等によって様々な適合する製品が違いますので、場合によっては種類を組み合わせたり、あるいは複数を連結するなどの設置が現場では行われております。写真と大体の住宅の見取り図を示してございますけれども、生活の場面あるいは移動の範囲によって、様々な手すりを御利用いただいているという実態を御理解いただければと思います。それぞれの生活場面の様子ですけれども、これらはいずれも住宅改修では対応が難しい、あるいはそもそも住宅改修では設置が不可能な手すりを多く御利用いただいているということを御理解いただきたいと思います。
 また、身体状況の変化、よくなる場合、悪くなる場合、ありますけれども、場合によっては必要なくなるものもあります。必要なくなった場合には全て邪魔になりますので、貸与の場合ですと、これらを全て引き上げるという対応が取られております。
 続きまして、3ページ目、最後の資料を御覧ください。手すりの選定について➁。これは、同一の利用場所でも、その方の状態の変化によって本数が変化するというものの一例をお示ししてあります。
 一番左の方は、ベッドからの起き上がり、立ち上がり、さらに歩行までの支援が必要という方の場合ですと、この例ですと据え置き型の手すりを2本、そしてそれらを結ぶ連結バーを1本、3点御利用いただくケースであります。このように歩行の支援までを行うことで、さらにその先にある支持物、例えば壁につけてある手すりでありますとか、何かつかまるところ。あるいは、そこに置いてある歩行支援用具までの空間を安定して歩行できるようにという狙いで、このような設置を行います。
 この方の下肢筋力が徐々に回復してきた場合、真ん中の写真、コの字型の手すり1本というケースが考えられます。この場合は、ベッドから起き上がる。そして、立ち上がる。立位から歩き出しまでの安定を図るための手すりの設置例であります。
 さらに下肢筋力が回復される、バランスがある程度安定されるという状況になりますと、ベッドからの起き上がり、そして立ち上がり動作の補助を目的に、一番右側のような手すりの設置例がございます。
 同一場所で同じベッド周り、ベッドからの離床ということを目的にいたしましても、状態の変化によって、用具がこのように変化して御利用いただいているという一例をお示しする資料であります。
 お時間いただきまして、ありがとうございました。私からは以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、小野木構成員、御説明をよろしくお願いいたします。

○小野木構成員
 それでは、私のほうから説明させていただきます。
 私のほうからは、1点だけ、レンタルと割賦販売の違いという部分について、少し説明させていただきたいと思います。こちらのほうに書いてありますように、どちらも費用の負担方法として月々の支払いという部分では、レンタルでも割賦販売でも一緒ですけれども、まず所有権がどこにあるかという部分では、レンタルでは事業者側のほうにあります。一方で、割賦販売の場合には御利用者さんのほうにあるということで、結果として中途解約する場合に、レンタルの場合はいつでも可能ですけれども、割賦販売の場合には原則不可能である。
 また、利用しなくなった場合の取扱いについても、レンタルの場合ならいつでも返却が可能ですけれども、割賦販売の場合には廃棄する必要がありますし、一部の方は、前もお話ししましたように、中古で売却されるという形になります。
 また、御利用者さんの状態像が変化した場合の別商品への交換という部分についても、レンタルの場合はいつでも可能ですけれども、割賦販売の場合には不可能。御利用者さんのほうは、自分のものだということになりますと、よりそれを使うことに固執されるという可能性が高いです。結果として、御利用者さんに合わない状態でも、それを使い続けることによって転倒のリスクが増えるということもございます。
 また、メンテナンスの負担についても、レンタルの場合には事業者側のほうでやるということですけれども、基本的に割賦販売の場合には利用者さんのほうでやっていただくということでございますので、レンタルと割賦販売の場合には大きな違いがあるということについて説明させていただきました。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、濵田構成員の資料につきまして、七種構成員代理より御説明をよろしくお願いいたします。

○七種構成員代理
 ありがとうございます。
 調査報告書については、皆様のほうに配付されていると思いますので、既にお目通しいただいているかと思います。時間も限られますので、調査の方法や数値については割愛させていただき、当協会の調査に基づいた提出資料の9ページにまとめました意見について説明させていただきます。
 今回、当協会が福祉用具貸与サービスのみの利用者の支援について調査を行った結果ですけれども、福祉用具貸与サービスのみの利用者のうち、7割弱の方が介護保険サービス以外の医療系サービスとか地域住民による支援などを組み合わせながら支援を受けていらっしゃるということが出ています。つまり、介護保険上のサービスで見た場合は単独に見えますけれども、実態としては複数のサービスが提供されていることが多いという結果が出ています。
 また、介護保険の利用について、利用者さんの中には、サービス利用で人の手を借りたくないという方が一定程度いらっしゃいます。家に他人を入れたくないとか人の世話になりたくないなどという理由からです。しかし、訪問介護系などのマンパワーサービスに比べて、福祉用具というのは抵抗感が和らぎますから、人の手を煩わせずに、用具だけならいいよという形で同意される方もいらっしゃるというのも、事実として押さえておくべきだと思います。
 しかも、サービスの利用に至るまでは、利用者の意向と心身機能・環境の情報収集といったことをやりながら、それを分析し、そしてその分析の結果から支援の効果予測を行います。そこには、かかりつけ医や他の専門職からの意見集約と協議が入ってきて、かつ、介護保険サービスのみならず、いろいろなサービスの調整とか仲介を行っていくわけです。そして、使ったことに関しても、その利用実態を把握していく。こういうプロセスを経ながら、様々な支援が組み合わされて利用者さんに提案されていくわけです。それを受けて、最終的には利用者さんが自己決定によって提供されるサービスが決定していきます。
 このプロセスこそがケアマネジメントプロセスということで、ケアマネジメントによって多角的な評価とか分析、協議が繰り返されながら支援が行われ、その結果として福祉用具貸与サービスのみの利用になっていると解釈すべきと我々は考えています。単に福祉用具貸与サービスの支援が行われているからという結果論に絞った議論というのは、非常に危険だということを1番目で書いています。
 また、福祉用具というのは、組み合わせて活用することで効果を上げているという実態もあります。また、うまく機能していない福祉用具の変更は、先ほどの構成員のお二方からの意見の中にもありましたけれども、貸与だからこそ円滑に変更できるという特性があります。福祉用具の組合せや変更についても、さきに述べた利用者の状態や環境に合わせて、他の専門職と検討を重ねながら調整するというプロセスが、ケアマネジメントの中で行われているわけです。ですので、福祉用具の議論においては、そこをしっかり見極めて、利用者の自立支援を考える上で、そのプロセスというのを軽視すべきではないという意味で、ここの3番目と4番目は書かせていただいています。
 それから、2番目のところです。ここは、本検討会の資料でも提示されていますけれども、こちらの調査も同じ結果が出ています。福祉用具貸与サービスの単独利用の中で最も多い品目というのは、移動式手すりです。一部の資料で歩行補助づえを福祉用具貸与サービスの単独利用のモデルのように扱っていますけれども、調査の結果からいけば、歩行補助づえというのは、その回答に関しては極めて少ないです。貸与サービスのモデルとして、歩行補助づえを例示するのは適当でないと思います。
 こういったことを踏まえて調査を行ったのですけれども、最終的に我々がこの意見の取りまとめの中でお伝えしたいのは、サービスが1つだから作業が単純で、サービスが複数入っているから複雑になるというのは、あくまでも机上の話で、現実としては、結果として利用者はサービスを1つしか選択しなかったといった事実をしっかり押さえながら、そこに至るまでの介護支援専門員やほかの専門職の皆さんたちがやっている内容の話をしていかないと、論点がずれていってしまう。そういったところをしっかり伝えるべきではないかということで、この調査報告書をまとめさせていただきました。
 以上でございます。ありがとうございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 以上、事務局様及び3名の構成員様による資料の説明がございました。
 議論に入る前に、すごく簡単な御質問とかございますでしょうか。大丈夫でしょうか。
 岩元構成員、よろしくお願いいたします。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 本日お示しいただきました参考資料1-2の3ページ、4ページのところで、ちょっと事務局に確認させていただきたいことがあります。この資料によって特定福祉販売の給付状況をお示しいただいているわけですけれども、ここで費用額と、給付人数の数と割合をお示しいただいておりますけれども、この費用額について、購入種目数が複数である場合、あるいは同一種目で複数購入する場合、これはどのように計上されているのか。合算であるのかどうなのか。
 あるいは、多分これは令和元年度の調査ですけれども、令和元年度、1年間累積で1人の御利用者がどの程度使ったのかといったところを、どこをどう見ればいいのか。状況によって、複数同時に申請する場合と、時間をかけて複数申請する場合がありますけれども、どこに集計されているのか、そこをちょっと教えていただければと思います。
 よろしくお願いします。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 事務局様、よろしくお願いいたします。

○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 事務局でございます。
 説明は簡単にしましたけれども、これは全国の保険者のほうにアンケートを取って、712の保険者のほうから御回答いただいた結果になっております。まず、それが3ページです。1年間、10万円の中での部分ですので、1人が合算した分として考えていただいたらと思います。よろしいでしょうか。

○野口座長
 岩元構成員、いかがでしょうか。

○岩元構成員
 ありがとうございました。

○野口座長
 どうもありがとうございます。
 ほかには簡単な質問ありませんでしょうか。
 それでは、前回の続きとしまして、資料2に基づいて、特に議論いただきたい点、前回の御意見、追加のデータから、さらに踏み込んだ議論に向けて御意見を伺いたいと思います。本日も、発言の際は、着目すべき論点として示されております5つの点のどの点についての御意見かを先に明示していただき、御意見をお願いいたします。複数に関連する場合は、複数の点を指摘していただきたいと思います。また、できるだけ多くの構成員の方に御発言いただくように、御協力をお願いいたします。御発言はできるだけ簡潔にお願いいたします。
 なお、前回と同様の論点についてでありますので、構成員からの御意見が出尽くした状態になったところで本日の会合を終えたいと思いますので、どなたからでもどうぞ。
 五島構成員、よろしくお願いいたします。

○五島構成員
 五島です。御説明ありがとうございました。
 そうしましたら、私は論点1と最後の論点5について、発言させていただきたいと思います。
 まず、論点1のレンタルと購入の考え方、時代に即した考え方にすべきではないかという御意見ですけれども、制度が発足したときの介護保険の基本的な貸与の考え方の中で、たしか6点目に、ある程度の経済的負担があり、給付することにより利用促進が図られるということで、そういうことを評価しようということになったと思うのですけれども、参考資料2の5ページとか6ページ辺りを見ると、希望小売価格で1万円未満のものもあるわけです。例えば、つえで8800円、スロープでも1万円未満のような、これは敷居をクリアするもの。安価な、希望小売価格ベースでこのぐらいの価格のものを考えたときに、費用だけでいけば、これはむしろレンタルより購入のほうがよいのではないかと思ったところでございます。
 一方で、手すりとかスロープにも、ここにありますように、10万円以上するようなスロープもあったりしますので、中身をよく見ながら考えないといけないと思いますけれども、さすがに1万円を切るようなものをレンタルで長期間というところについては、ちょっと整理する必要があるのではないかなと思ったところでございます。
 例えば、排泄の用に供するものは購入用具というふうに整理がなされているのですけれども、先ほどのスライドにもありますように、トイレを囲む手すりとか、ポータブルトイレを囲むようなものについても、今、レンタルがなされているところではありますので、その辺を整理するのであれば、そういう簡易に使うようなものも併せて整理するのかどうか。時代に合わせた議論をするということであれば、そういうところも整理することが必要ではないかと思ったところでございます。
 続いて、論点5の経済的負担感のところですけれども、近年、介護保険の利用が定着してきて、基本的な取組でつけ加えるとすれば、この間もちょっと申し上げましたように、レンタル事業者をはじめ、レンタルという仕組みが安全利用にかなり寄与しているというところをどう評価するかということかなと思うところです。特に、単品ケアプランで要介護状態を維持しているというところ、これは大きく評価すべきところかなと思っていまして、実際にケアマネジャーとより連携して、長期利用になるのか、いや、短期でここは少し利用を見て、状態を見てというところを、どうやって介護保険の仕組みの中にうまく落とし込んでいくかということだと思うのですね。
 特に御議論いただきたい内容の中で、販売購入制にしてはどうかとか、あるいはこの種目については販売にしてはどうかという、ちょっと極論するような意見が出ているところではあるのですけれども、前回、近藤先生のほうも話されていましたけれども、短期利用の場合のケースと長期利用の場合のケース。それに専門相談員であったり、ケアマネがどういうふうに関与しているのかという実態をもう少し把握した上で整理したほうがいいのではないかなと思います。
 一歩踏み込んだ考えでもう一つ案を出すとすれば、比較的借換えが落ち着くまで、想定としては1か月というのが6割ぐらいという回答もありましたし、さっき長倉指導官の話でいくと、6か月ぐらいで借換えがまた起こるということもありましたので、例えば最初はレンタルにして、きちんと状態を把握しながら、一定の期間になったときに購入に切り替えていただくという案もあるのではないかなと思ったところでございます。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、東畠構成員、よろしくお願いいたします。

○東畠構成員
 ありがとうございます。
 冒頭、1と5に関連するところとして、今、五島構成員が言われたところです。重なりますが、まず、基本的に手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえの4種目をいきなり販売に移すということは、やや乱暴なお話であり、もう一点、単品のプランであるからいいとか悪いというのは、これも先ほど来のケアマネジャーの調査、介護支援専門員の調査によるように、そこが支援の入り口になる、見守りになるという見えない部分のサポートが入っているということを考えると、4種目をいきなり販売に移すということは私は難しいと考えております。
 しかしながら、資料2、論点の整理についての6ページにありますスロープは、スロープとして見れば、この金額ですけれども、参考資料2の6ページを見れば、固定用スロープの希望小売価格6600円とあるのです。固定用スロープとは何かというと、例えば室内の段差の解消をするための三角板のようなもの。これは、例えば状態像の変化によって、借換えがどの程度起きるかということを考えたときに、まず1つは、その金額が1万円以下であるということ。状態像の変化による借換えということの想定が、ほかのものに比べて低いと、恐らくこれは現場の方もそう考えられると思います。
 であるならば、それは販売になったとしても、さほどの負担にはならないのではないか。つまり、利用者にとっての負担ということも当然ながら前提としてあります。というのが1点です。
 次に、メンテナンスとモニタリングという部分につきまして、お話しをさせていただきたいと思います。利用者の使用に関するモニタリングとメンテナンス。これは、前回も私、特定福祉用具販売に指定基準を設けるということを発言させていただきました。それについて補足させていただきたいのですが、利用者の安全性の問題です。今回、排泄予測支援機器が、厚労省から福祉用具の給付品目の対象になり、それに対しまして、3月31日のQ&A留意事項において、介助者も高齢等で利用に当たり継続した支援が必要と考えられる場合は、販売後も必要に応じて訪問の上、利用状況等の確認や利用方法の指導等に努めることと入っているものである以上、既にこれらが特定福祉用具販売に入っております。
 なので、現状、特定福祉用具販売の指定基準において、メンテナンス、評価、支援に努めるということを入れることに、さほど困難があるというふうには私自身は思いません。むしろ、利用者の安全な利用という点では、例えば現行の入浴用のシャワーチェアというのも、数年使えば劣化し、さらにねじの緩みによる破損があり、転倒が起きているという事故は、2016年の国民生活センターの注意喚起からも出ております。そうしたことを考えると、特定福祉用具販売には福祉用具専門相談員が配置されているわけですから、貸与同等とは言いませんけれども、何らかのメンテナンス、指定強化というのが必要なのではないかと、前回の発言に補足してつけ加えさせていただきました。
 なお、最後になりますが、大阪府の大東市におきましては、モデル事業として、一定期間の利用があった手すりの貸与につきましては、1年後に地域支援事業により譲渡する。その場合も、精神遅滞や認知症進行性遅滞がないという条件をつけた上で、利用者にお渡ししますというモデル事業を始められるという。これは、今回の資料にも入っておりませんので、次回の資料に、御存じない構成員もおられるかもしれませんので、つけていただき、こうした取組というのは今後考えるという、今の検討の材料の中の一つの参考にしてもいい事柄なのではないのかなと思いましたので、つけ加えさせていただきました。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田中構成員、よろしくお願いいたします。

○田中構成員
 よろしくお願いいたします。
 ケアマネジメントに関わる論点で、特に御議論いただきたい点の4番目、福祉用具販売のみの方のケアマネジメントについて、どう考えるかということについてですが、先ほど七種構成員代理のほうからもありましたが、現行制度でも、ケアマネジメントプロセスの結果、アセスメント、課題分析の結果、本人・家族の意向を踏まえた上で、福祉用具販売であったり、住宅改修工事のみの支援になる場合もございます。この場合でも、実際には継続して支援を行っているケースが多々ございます。
 また、具体的に認知症等のBPSDにより、デイサービス等の利用の拒否があり、結果、給付管理に至らないケースもありますが、現状、給付が発生しておらず居宅介護支援費が発生していない場合でも、何かあれば迅速に対応できるように、ケアマネジャーが寄り添って支援しているケースもございます。給付がないことから、むげにすることも我々はできませんので、給付は発生していないけれども、実際、継続的に支援を行っていて、私自身も何年もそのような感じでサポートさせていただいている方もいらっしゃいます。
 さらに、医療機関等からも、介護の相談はケアマネジャーにするようにということで、御家族等にアドバイスされることがありますので、給付発生の有無にかかわらず、必要に応じて医療連携を行っていることもございます。
 また、ここがいつもややこしいなと思っているのですが、給付が発生していない、さらに居宅介護支援費は発生していないけれども、実際には初回、アセスメントなどを行う際に事前に契約というものを取り交わしています。契約であったり、重要事項説明書の内容を説明して、担当させていただいているのだけれども、一向に給付が発生していない。それが、例えば福祉用具販売であったり、住宅改修工事のみの場合。こういったケースで御支援はしているのだけれども、万が一トラブルになった場合は、この契約書に基づいてトラブル対応を行ったりもしているのですけれども、居宅介護支援事業所の責任だけは生じている。これはいつも非常にややこしいなと思っているところでございます。
 さらに、令和3年度4月の制度改正によりまして、看取り期における評価というものが行われました。実際、看取り期において給付は発生していないけれども、ケアマネジメントが関わった際には居宅介護支援費を請求してもいいとなっているのですけれども、看取り期に限定されてしまっているのですね。今回の福祉用具販売であったり、住宅改修工事のみの方に関しても、この看取り期における評価を拡充して対応することはできないのかなと思っている次第です。
 以上になります。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 田中構成員、確認ですけれども、今、論点4についてということでよろしいでしょうか。

○田中構成員
 そうです。

○野口座長
 どうもありがとうございます。
 次は、岩元構成員、よろしくお願いいたします。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 私からは、論点2と論点5について御意見を申し上げます。
 まず、論点2、利用者の状態を踏まえた対応の中で、御議論いただきたい点、11ページに示していただいております。あるいは、第2回検討会の意見、13ページの1つ目の○、2つ目の○辺りに関連する意見であります。
 退院・退所時の支援において、もちろん我々もそこに参画させていただいて支援を行うわけですけれども、病院・施設、入院・入所中の状態像と、御自宅に戻った後、戻ってから場合によってはすぐに状態が変わるということがあります。どうしても病院あるいは施設にいらっしゃる状態での状態像を基に住環境整備を進めるわけですけれども、退院によってお気持ちが随分変わったり、あるいは日々のリハビリの効果を発揮したりということで、自宅に戻った直後から状態が改善傾向を示す。調えたものがすぐに不要になるといったことを現場では多く経験いたしております。こういったことを考えますと、販売あるいは住宅改修といった、言い換えればやり直しの利かない給付を行ってしまう、一発勝負で給付を行ってしまうというところに偏ってしまうことは、サービスの適正化という観点から、逆にリスクになるのではないかということを懸念いたします。要介護者の状態変化に柔軟に対応できる。これは、言い換えれば、ちょっと状態に合わなかったら、やり直しが簡単にできるといった貸与の仕組みを基本に住環境整備を進めるということは、御利用者にも御家族にも、その他、退院・退所に関係する全ての関係者にとってメリットが大きいのだということを意見として申し上げたいと思います。
 続いて、5番目の論点、経済的負担のところであります。特に御議論いただきたい点の28ページ、経済的な負担の観点から、貸与・購入の選択制をといったところであります。ここは、先ほど参考資料1-2に関連して質問もさせていただきましたけれども、購入を選択することを可能にして、販売に移行したという場合に、これまでの現行の販売品と組み合わせて、年度内に購入する場合、支給限度額の10万円ではおさまらないということが十分に想定されます。
 さらに、現場での運用の実態ということで申し上げますと、同一種目で追加の購入が発生する場合、現行の販売の運用では、原則、同一種目の追加購入をなかなか認めていただけない、高いハードルを設けていらっしゃるという保険者が多くあるという実態がございます。そういったことを考えますと、状態像が変わって、同一種目で次の商品、追加の商品を購入したいということになった場合に、それがスムーズに行われないということが想定され、これは利用者の不利益につながるのではないかということを懸念いたします。
 さらに、御利用者にとっては、利用しなくなった福祉用具については、撤去する、あるいは処分するといった費用が発生することになります。貸与の場合と比べると、この部分についても利用者の負担が大きくなる可能性があるということについても、十分念頭に置く必要があるのではないかということを御意見として申し上げます。
 私から以上です。ありがとうございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、七種構成員代理、よろしくお願いいたします。

○七種構成員代理
 ありがとうございます。
 先ほどの岩元構成員の意見に関しては、介護支援専門員も全く同じことを考えているということをまず述べさせていただきます。
 論点につきましては、2番目の利用者の状態を踏まえた対応と、4番目の介護支援専門員による支援について意見を述べさせていただきます。
 まず、2番目の利用者の状態を踏まえた対応についてですけれども、しっかり押さえておかないといけないのは、介護保険は利用者の自己決定が原則というところです。ただ、その自己決定をするためには、利用者がメリット、デメリット、リスクをきちんと理解しなければ判断するのは困難です。介護支援専門員は、そういったメリットやデメリットを利用者に理解していただくために、そこに関与している様々な専門職の方たちと協議して評価・分析を行い、利用者が最適な判断ができるように情報提供したり、支援方法を提案するということをやっています。そのような過程があって、利用者の自己決定が円滑に進んでいくということが分かっていただければなと思います。
 前にも述べたとおり、課題分析、つまりアセスメントや意向確認の上で形成されたケアプランであり、自立支援や自己決定を踏まえて福祉用具が位置づけられているという事実があります。ですから、介護支援専門員が個人の判断で福祉用具を選択するということはまずあり得ません。私も居宅介護支援専門員として活動してきていますけれども、福祉用具の選定は、安全性の問題とか種類の豊富さから、ほかの専門職とよく相談して利用者と提案してきました。場合によっては、自宅に福祉専門職と何人かで複数回訪問して、自宅の状態をしっかり押さえながら、そこに合ったカスタマイズを行ってきたわけです。その結果として、サービス前にケアプランの原案の中にそういったものを位置づけて、利用者やサービス担当者に交付しています。
 それは、交付するのは、そこにしっかりした適正な効果とか、それに応じた意見をいただくために交付しているわけです。そういった作業を積みながら福祉用具は選定されていっているという実態は、御理解いただければと思います。利用者の状態や期間での差異は、ケアマネジメントが実施された結果として出てきたもので、何よりケアマネジメントが適正に稼働できる環境こそ重要だと思います。
 それから、4番目の介護支援専門員による支援ですけれども、制度上は、資料にあるとおり、特定福祉用具販売のみになった場合、介護支援専門員には介護報酬が入りません。しかし、介護支援専門員は、関わった利用者に対して、報酬の有無にかかわらず支援を継続して対応せざるを得ないのが実態です。先ほど田中構成員がおっしゃったのも1つの例ですけれども、私も福祉用具販売のみの利用者を定期訪問していたこともあります。
 理由は、利用者が高齢者世帯で福祉用具の利用方法が十分理解できないと感じたときには、そこに手厚くアプローチして、うまく使えるようにサポートしなければいけなかったり、本人から他のサービスの利用への意向が示されない。福祉用具だけでは解決できないのですけれども、まず生活課題が潜在化していると判断して、その生活課題を見つけるための一つの糸口として、福祉用具の貸与・購入から、無報酬でも訪問しながらアプローチをかけていく。それとか、購入した福祉用具がうまくマッチングできているかをきちんと評価もしていかないといけないのです。そういったことが様々ある。
 場合によっては、返品とか交換について、業者さんとか保険者と協議しなければならないし、保険者への苦情相談の支援をやったこともあります。こういったことを実は介護支援専門員は裏でずっとやってきているわけです。福祉用具のみの利用者は、その他の支援を家族が担う場合も多いです。福祉用具購入だけで、あとは家族の方が全部支援している。これは、まさに今、問題になっているケアラーの支援の問題なのです。介護支援専門員としては、そこはもう看過できない問題として対応しています。こういった問題は、私の個人的意見だけではなくて、協会内の専門部会でも提起されています。多くの介護支援専門員からそういった声も寄せられています。
 現在は、利用者に対して無報酬で介護支援専門員が対応していますけれども、そこに対する責任の所在というのは不明瞭なのです。ですから、ここについても相応の評価とか責任の所在の在り方についての議論は必要ではないかと、協会のほうは考えています。
 ほかの項目にもあるのですけれども、まずここが重要だと思いますので、意見させていただきました。ありがとうございました。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 次、花岡構成員、よろしくお願いいたします。

○花岡構成員
 日本福祉用具・生活支援用具協会の花岡です。
 今日は、まず、1番で論点1、2、3について、2番で論点2について、最後に論点4についてお話しをさせていただきたいと思います。
 まず、1点目は、1の現行制度における福祉用具貸与と特定福祉用具販売の考え方の再整理の必要性と、3の福祉用具の使用に関するモニタリング・メンテナンス等にまたがる意見を述べさせていただきます。
 福祉用具の利用については、身体状況の変化による機種の見直しと、適時適切な用具の保守点検等、安全性の確保の観点から、貸与を原則とするべきと考えております。福祉用具の製造事業者として最も気になる点は、利用者の安全性の確保です。前回も申し上げましたが、今回、廉価とされているつえ、歩行器、手すりの移動関連用具は、機種の不具合や経年変化による不具合や、取付けが不十分な状況が転倒事故につながり、利用者が重度化してしまうリスクが十分に想定されます。移動関連の福祉用具は、販売後のアフターフォローが重要であり、特に製品の状態、注意を傾ける家族がいない、独居の利用者のリスクが高くなるので、モニタリングは重要であると考えております。
 福祉用具を販売した場合、当協会の福祉用具大手製造事業者のお客様相談室の問合せ状況を見ますと、購入したエンドユーザーさんからの問合せの内容は、修理・故障判断、部品の問合せが過半数を占めております。福祉用具の一般販売では、販売後、販売店と利用者の関係が途切れ、修理・故障判断の依頼が直接製造事業者に入るケースが多々あります。当協会の会員である製造事業者は、利用者から直接、修理・故障判断が入った場合でも、それの対応を行い、場合によっては修理対応を行っております。しかし、つえ、歩行器、手すりは、新規参入企業も多く、かつ福祉用具をパイロット的な一部門として取り組んでいる企業があり、修理・故障判断を的確に行い、修理対応が適切に行われるかどうかが懸念されるところがあります。
 また、販売店が修理を受けた場合でも、販売店は修理のための部品在庫は持っていませんので、製造事業者に修理依頼することになります。しかし、修理期間中は利用者へ代替品の貸出しは行われず、用具を使用できなくなり、外出を控えるなど、不便を訴える利用者も多々おります。このような状況の特定福祉用具販売に、つえ、歩行器、手すりを適用すると、利用者の安全性と利便性まで著しく損なわれるリスクがあります。福祉用具は貸与を原則として、福祉用具専門相談員によるモニタリングにより、用具の不適合・不具合を事前に察知し、状況に応じて製品の交換やメンテナンスを行う。このPDCAが利用者の安全性確保の原理・原則と考えます。
 仮に販売店への移行の検討を行うのであるならば、安全性を確保するための方策として、モニタリング・メンテナンス対応、代替品の貸与、使用期間・耐用年数の設定及び販売上限額もセットで慎重に検討することが必要です。
 2点目に、利用者の状態を踏まえた対応についてです。さらなる福祉用具貸与・販売の適正化のために、福祉用具の選定基準の3点の見直しを提案いたします。1.判断基準内容の事例を細分化する。2.用具別の取扱いの注意事項を明記する。3.多くの関係者が選定基準を活用できる研修の実施。多くの関係者が判断基準を基に、福祉用具の適正導入と注意事項を共通認識し、導入検討と導入後の適正利用につなげるべきです。そのためのプラットフォームを開設すべきではないでしょうか。
 最後に、福祉用具貸与のみのケアプランについてです。日本介護支援専門員協会の提出資料を見ると、給付管理上では福祉用具貸与サービスの単独利用ですが、実態としてはモニタリングや給付管理外サービス等の調整・仲介など、ケアマネジメントが行われることは理解できます。仮に財務省が示す報酬算定が目的の福祉用具貸与のみのプランが存在するなら、それを防止するため、福祉用具貸与のみのプランについて判断基準を具体的に示し、ケアマネジャーに指導すべきではないでしょうか。
 以上でございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田河構成員、よろしくお願いいたします。

○田河構成員
 ありがとうございます。
 健保連の田河でございます。
 私のほうからは、1番、3番、そして少し5番に関係した発言をさせていただきたいと思います。
 まず、考え方の再整理のところでございますが、貸与、販売の再整理につきましては、利用者の状態に合ったものを使用していくという意味では、借り換えのしやすい貸与が望ましい場合も多いと考えますが、利用期間も様々で、長期間利用されているケースも一定数、資料でも示されております。介護保険財政も厳しい中で、先ほども廉価な商品の購入への移行というお話がございました。物によって、同じスロープでもいろいろあるというお話もございました。利用者の考えを尊重することも踏まえ、選択制にすることも検討すべきではないかと考えております。
 具体的には、商品の価格設定にも影響してくるかもしれませんが、例えば6か月とか1年とか、一定期間過ぎたもの、もしくは貸与の費用総額が販売価格を超えたような時点で、その商品を本人の希望により購入に切り替えるということを考えてもいいのではないか。そして、モニタリング・メンテナンスについては、基準を設けるといった方策も検討していただきたいと考えております。
 そして、3番のところと関係しますが、先ほども発言があったかと思いますが、福祉用具のモニタリングやメンテナンスについては、貸与や購入によって基準の相違があることは見直すべきではないかと考えております。前回、幸野からの質問に対する資料を用意していただき、ありがとうございました。しかし状況も変わってきております。資料2の15ページにもちょっと記載がございますが、令和4年4月より特定福祉用具販売の種目として追加される種目について、販売後も支援が必要と見込まれる等の場合は、販売後の定期的な訪問や相談対応を求めているとされており、安全な利用等の視点からは、そういった対応が取られていくべきと思っております。貸与だけでなく、販売においても、モニタリング・メンテナンスの基準を設けるべきであると考えております。
 また、5番の経済的な負担のところとも関係しますが、今回、追加資料のところで、一定期間貸与実施後、販売に切り替えた場合のシミュレーションが示されております。その資料18ページの左側の表を見ると、貸与のほうが負担が軽くなる方もいらっしゃることも事実でございます。そうした点を踏まえて考えていくべきである。
 なお、このシミュレーションは、一定期間の貸与期間後に同一の商品を新品で購入するという設定でシミュレーションされておりますが、通常は今、貸与を受けているものを購入というパターンが多いのではないかというふうにも感じております。
 そして、これはちょっと質問でございますが、前回もいろいろ福祉用具の状況の御意見等もございましたが、レンタルの場合、利用が終わった場合は業者さんのほうで対応する。その後、廃棄という形になると思います。再利用商品と新品の場合で、レンタル価格に一般的には当然差がないと思っておりますが、レンタル価格に差を設けているような場合というのがもしあれば、ちょっと教えていただきたいと思っております。
 また、歩行器やつえ、スロープ、手すりなどの再利用、廃棄のサイクルというのが、一体どういう状況になっているのか。また、どういう状況になって廃棄になるのかにつきまして、厚労省のほうで資料、データがあれば、お示しいただけるとありがたく存じます。
 以上でございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 今、御質問があった点については、事務局様、いかがでしょうか。

○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 1点目のレンタル価格に関しましては、現在のところ、事業所内ですけれども、1商品、1価格だとこちらは承知しておるところですけれども、今回、アンケート調査を実施しました際、在庫は抱えているけれども、既に販売が中止になっているものに関しては、その価格を下げたりしているような現状もあるようですが、正確には把握してございません。
 2点目に関しましては、また資料を整えたいと思います。

○田河構成員
 ありがとうございました。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、よろしくお願いいたします。

○江澤構成員
 ありがとうございます。
 私のほうは、論点の1つ目と2つ目について申し上げたいと思います。
 まず最初に、福祉用具について、貸与か販売かの議論が中心となっている感がございますが、本検討会は制度改善のために議論しているものと認識しています。したがって、現行の仕組みの課題や問題点をより明確化して、具体的に分かりやすく議論していくことも必要ではないかなと思っています。そして、この検討会の議論の結果論として貸与か販売かということがおのずと定まってくると思いますので、最初に貸与か販売かという議論は少しどうなのかと思っています。使用される利用者にとって、どうであるかというのが最も重要な視点だと思います。
 論点を見ましても、1と5については、貸与・販売に大きく影響する論点だと思いますが、2、3、4については、貸与であっても販売であって共通の論点だろうと思います。
 また、公的な介護保険方式は共助の仕組みであって、大きなリスクは保険で、小さなリスクは自己で賄うという考え方が根底にあるものと思っています。したがって、今回の福祉用具の貸与というものについて、介護保険制度の全体の中のリスクをどう考えるのかという視点も重要ではないかなと思っております。
 続きまして、2番目の論点について申し上げます。ADL、IADL、社会参加に資する有効性と安全性を踏まえた、福祉用具における最適性の担保が不可欠であると思っています。長期間使い続けていることと最適性は、必ずしも一致するものではないと考えます。最適性の評価については、主治医、もしくはリハビリ専門職等が専門的な視点に基づいて評価を行うということがふさわしいと考えています。したがいまして、退院・退所時カンファレンスに福祉用具専門員の参加を、例えば義務づけしていくことも最適性を高めるものと考えます。
 本人のトランスファーを支援するためのリハビリテーションと福祉用具は、切っても切れないものであって、表裏一体の関係にあります。さらに、1年に1回程度、定期的な最適性の評価が必要だと思います。これは、貸与においても、販売においても同じだろうと思います。当然ながら、要支援・要介護の変更時や退院時等の状態に変化が見られるときは、随時必要でございます。したがいまして、そういった形で最適性というのは極めて重要な視点であって、それを担保するためにどういう仕組みがいいのかというのは、また議論する必要があると思います。
 以上でございます。

○野口座長
 江澤構成員、どうもありがとうございました。
 次に、安藤構成員、よろしくお願いいたします。

○安藤構成員
 私は論点5について1点、論点4について1点コメントがあります。
 まず論点5です。今回、自己負担に関して,参考資料1-2で、16ページから19ページにかけてシミュレーションを出していただいています。正直、これをどう見たらいいのかよく分かりません。自己負担はどうなるという大事な問題を議論するときに、いろいろデータがない中、苦労されたというのは分かるのですが、これに基づいて議論を深めるというのは正直厳しい、というのが率直な感想です。
 ですので、利用の仕方が貸与から購入に変わるときに利用者の自己負担はどうなるのかという議論をする準備は、正直、まだほとんどできていない状態ではないかというのが、少なくともこのシミュレーションを見た感想です。実際、本日この場でこのシミュレーションの議論がこれまで出てこないというのが、これをどう見たらいいのか分からないということを反映しているのではないかと感じました。
 次に論点4です。これは貸与か購入かという議論に合致する論点なのか分からないですが、居宅介護支援費をどうするかという議論で、例えば財政審の新しい資料を見ても、報酬引下げという話が出てきています。
 前回指摘したように、報酬の段差をつけると、事務的な負担もありますし、ケアマネに、ニーズとは関係ないところで、他のサービスもつけて報酬算定を変えようというインセンティブを与える可能性があります。あるいは、そもそも福祉用具単独の人の場合に報酬が低くなるのであれば、うちはそういうのはやめようというケアマネがでてきて、ケアマネにアクセスしやすい人としづらい人が出てくる、という事態が生じる可能性もあります。例えば、居宅介護サービスについて、人が家に来るのは嫌だけれども貸与だけ使いたい人がいたとしても、この人は貸与だけなのか、ならば報酬が下がるからやめておこう、ということが生じる可能性もあります。それをどう考えるかは、この検討会の範疇かは分かりませんが、必要だと思いました。
 また財政審の資料にあるように、福祉用具貸与のみのケアプランは6.1%です。この6.1%について報酬単価を下げるといっても、大して下げられないでしょうから、そうすると財政抑制効果としても大したことにならない可能性もあります。にもかかわらず、事務負担がやたらと増えたり、ケアマネや事業所に変なインセンティブを与えたりするのはどうでしょうか。ちょっとした抑制・削減のために、いろいろなところに余波が生じることにならないか、と懸念します。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、岡田構成員、よろしくお願いいたします。

○岡田構成員
 私のほうから2点。
 まず、1点目は、2番目の利用者の状態像を踏まえた対応の論点について、少しお話しをさせていただきたいと思います。これは、まず地域包括ケアシステムを前提として考えていかなければならないのですが、高齢者の方々が安心して地域生活をしてもらうためには、様々な工夫が必要です。しかし、現在、御案内のとおり、一人暮らしの高齢者の方が非常に多くなってきているということ。そして、介護支援専門員の方の調査協力を得て、私が調査させていただくと、一人暮らしの中の数%の方、かなりの方にキーパーソンがいらっしゃらないという状態があるということ。そうすると、認知症が出てくるとか、いろいろな不安がある中で、大きな制度変更をして、地域生活というものに大きく不安を持たれた場合に、いろいろな意識が変わってくる可能性があって、在宅ではなくて施設に移りたいというふうな、かなりの意識変更が起こってくる可能性があるのではないかと考える。これがまず2番目の論点です。
 それから、4番目ですが、これは介護支援専門員による支援ですが、これは2番目の論点と関連するのですが、一人暮らしの方が増えている、あるいはキーパーソンの方がいらっしゃらないということで、何らかの支援が必要な方が多くいらっしゃるということで、そういった意味で、介護支援専門員が意思決定支援をしていく非常に重要な役割を今後担っていかなければならないということで、こういった地域包括ケアシステムが成り立つためには、様々なところで介護支援専門員が、ある意味ではサービス利用者の代弁者となって支援していかなければならない場面も来るだろうということで、この辺りの支援が非常に重要になるのではないかと思います。
 以上でございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 東畠構成員、すみません、一度御発言がありましたので、後回しにしてもよろしいでしょうか。

○東畠構成員
 分かりました。

○野口座長
 渡邉構成員、よろしくお願いいたします。

○渡邉構成員
 よろしくお願いいたします。
 資料2の論点の整理についての1ページ目の1にありますように、貸与と販売の在り方について、居宅での自立した生活の支援と、介護保険の制度の持続可能性の両方を考慮して検討するという前提がありますので、座長、申し訳ないですけれども、これに沿って御意見を申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、参考資料1-1の4ページ、下段の図にありますように、福祉用具は要介護度の変化では、半数以上の対象者が維持できており、また、第1回目に紹介しました平成29年度の日本福祉用具供給協会による老人保健健康推進事業では、福祉用具サービス利用者と全介護サービス受給者の1年後の要介護度の変化を比較すると、福祉用具利用者のほうが要介護度が軽度化している割合が高いことが確認されています。今回、議論の対象となっている手すり、スロープ、歩行器、歩行補助具の利用者が多い要支援、要介護1にある軽度の方々についても、同様の結果です。
 この軽度化の給付への影響を試算していただきたいぐらいです。これまで述べたように、状態像の変化に応じて提供できる貸与の仕組みというのは、自立した生活支援に資することが示されていると思っています。
 次に、介護保険の持続可能性の視点ですが、これはかかる費用に見合った効率的な給付がなされているかという視点だと思っております。貸与サービス受給者の一部の方が長く貸与していることから、貸与よりも販売のほうが給付する費用が安く抑えられるというものだと思います。よって、貸与から販売に移行すべきかどうかが論点になっているように思います。福祉用具貸与サービスに係る費用の多くは、福祉用具を貸す物のサービスと、福祉用具専門相談員等による適合評価、福祉用具サービス計画の立案・作成、メンテナンス等のソフト、いわゆる人のサービスからなる、大きく2つに分けられております。
 貸与サービスによる長期の利用が効率的でないというのは、物のサービスに着目したものと言えます。これまで意見させていただいたとおり、私は、一般の生活用品でない福祉用具というものは、人のサービスが必要であって、介護保険上の福祉用具の給付は、全て販売よりも貸与が望ましいと考えています。しかしながら、給付の効率化の視点から、貸与サービスにおいて、この物のサービスの効率化を図る視点は重要で、検討すべきだと思います。
 具体的には、人のサービスと物のサービスに分けて、給付の在り方を検討する視点で、人のサービスについて介護報酬を区分する、あるいは貸与価格を提示するといったものです。また、福祉用具貸与価格は、貸与期間中に価格の変更はされないようですが、ある一定期間を過ぎたら貸与価格を変えることは現行の制度下でもできるため、この考え方を整理した上で奨励するのも一法かと思います。
 ちなみに、シルバーサービス振興会さんが平成27年度、老人保健推進事業等で行った、介護保険における福祉用具・住宅改修の価格等の実態に関する調査では、福祉用具貸与事業所による福祉用具サービスに要するコストを、仕入れコスト、管理・運営コスト、サービスコストの3つに分けて分析しております。福祉用具ごとに異なるものの、仕入れコスト、つまりは物の費用の割合は3割強になっていたと記憶しております。
 最後になりますが、福祉用具貸与サービスの効果はあるものの、より効果を上げるため、つまりは利用者のできることをより増やす、より自立を支援するために、人のサービスの質の向上が必要だと思います。具体的には、どのような身体機能の方に、どのような福祉用具を用いると生活機能が向上するかといった適合技術と使用訓練の技術を、いかに給付プロセスに組み込むかという課題だと思います。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、久留構成員、よろしくお願いいたします。

○久留構成員
 今回の検討に入るということで、平成10年の検討段階の資料を遡ってみましたが、福祉用具について貸与原則、またその貸与原則に至った背景などを改めて振り返りましても、介護保険の福祉用具の貸与原則というのはしっかりした概念であるなと、改めて思った次第でございます。
 それを踏まえまして、論点1、2、5といった辺りですけれども、まず、基本的に介護保険の被保険者に対して、福祉用具はすべからく必要になるものであります。在宅だから、施設だからということではありません。ただし、今回の論点では直接的ではありませんが、介護保険において福祉用具貸与・販売については、居宅系サービスに位置づけられています。したがいまして、施設については、逆にこのような多様な福祉用具の中から自由に選択し、自己決定をして福祉用具を選ぶという状況になっていないのも事実です。
 在宅のほうは、むしろ先ほど岩元構成員の提出資料を拝見して説明をお聞きしておりましたところ、これを見るにつけ、逆の意味で、施設は居住環境が整備されていて、バリアフリーがあって、最初から構成されているにもかかわらず、在宅は居宅において、自ら居住環境整備をしていかなければいけない。自立していくためには、手すりもつけなければならない、スロープも用意しなければならないという状況にあるという、施設と在宅のアンバランスがある中にあって、現行のサービスとしてどのように考えるかという命題を与えられているわけでございます。
 本来的には、私は、介護保険の中の福祉用具については、施設であれ、在宅であれ、その福祉用具の重要性において、利用者の適時適切な福祉用具の活用というものが制度として用意されるべきと考えておりますので、今回の制度見直しを前提とした議論をきちんとしていく過程においては、先ほど江澤先生もおっしゃいましたように、本当の意味で福祉用具の供給というのがどうあるべきで、どのようにアプローチして用具が選定されるべきか、またアフターフォローされるべきかみたいなところがきちんと議論されるべきだと思っています。
 そういう前提において、福祉用具についても、居宅サービスであるがゆえに、基本的にはチームアプローチ、それからケアマネジメントの前提の中で選定されているという状況がございます。江澤先生がおっしゃいましたが、医師の関与やPTやOT、それから看護、福祉用具専門相談員や介護職も含めて、チームの中で議論して、そしてそれを定期的にPDCAサイクルの中で選定し、そして適合確認を行い、モニタリングを行い、さらに見直しを検討しているというプロセスの中で福祉用具が供給されているということは、まず踏まえなければいけないことだろうと思います。現行制度でできているわけです。それが、もし問題があるとすれば、それは適正化の話だろうと思います。まず、きちんと適正に行われているのかどうかというものを検証すべきだと思います。
 それから、負担の話ですけれども、負担につきましては、先ほど申し上げたように、経済的な負担を、実は在宅の方々は、居住環境整備について自己負担をしなければいけないという点においては、施設入居の方よりもより自己負担が多くなっているという見方もできるわけですね。だから、そういう観点においても入れた形で検討されなければいけないだろうと思っています。
 最後に、先ほどどなたかから、一定期間を過ぎたら購入という御意見があったかと思いますけれども、私は機械的に期間を決めるのは少し違和感がございます。基本的には、利用者の状態に即して、適時適切な用具というものを判断するということでありますので、状態の見極めというのは非常に重要ですし、福祉用具は基本的には道具であるがゆえに、利用者の方がなじんでいく期間がどうしても必要になります。機械的に何か月で切り替えるというものではないということが、まず前提に議論されるべきではないかと思います。
 これは、近藤座長代理も前々からおっしゃっていますように、障害者のように障害が固定している状態とは違うということでございますので、利用者の状態の変化にきちんと寄り添いながら、適時適切な機器が提供されるのが一番望ましい形でございますので、そのような観点で議論すべきかと思います。
 以上でございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 石田構成員、よろしくお願いいたします。

○石田構成員
 ありがとうございます。
 私からは2点、1番目と3番目について、簡単に意見を述べたいと思います。
 まず、1番目です。制度との関係ですけれども、特定福祉用具販売と福祉用具の貸与については、被保険者と保険者への幅広いアンケートなどを行った上で、福祉用具貸与の原則を維持しつつ、利用者の意向を踏まえて選択制を認めると、この時期は踏み込んでもよいのではないかと考えています。
 続いて、それに付随しますけれども、3番になりますが、特定福祉用具販売におけるモニタリングは、きめ細かいオプションサービスとして確立させて、むしろこれの利用促進を進めるといった適正化という位置づけもあってもいいのではないかと考えているところであります。制度の持続可能性、それから、これまでの介護保険の成果、それから、将来に向けての利用者への対応ということを考えると、この時期に見直しを図ってもよいと私は思っています。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 お待たせいたしました。東畠構成員、よろしくお願いいたします。なお、時間がちょっと迫ってまいりましたので、皆さん、できるだけ手短にお願いいたします。

○東畠構成員
 ありがとうございます。手短に行きます。
 利用者の状態を踏まえた対応の中で、福祉用具選定の判断基準について述べさせてください。福祉用具選定の判断基準、いわゆるガイドラインの見直しというところの中で、今、適時適切な利用でチームアプローチということを福祉用具利用においてなされていますが、そのチームアプローチの手がかりになるために、かつてできていた選定の判断基準は物別と要介護度別の仕分けになっていますが、例えばそこに疾病・疾患と、もう一つ、身体機能の評価。これは、特に歩行補助具とか転倒予防というか、リスクを考える上で必要と思います。そうした転倒リスクアセスメントとか評価スケール、評価表というものを組み合わせてつくり直すというか、作成し直すということも必要なのではないかなと考えた次第です。
 2点目です。広い意味で、先ほど久留構成員、言われましたけれども、本来、福祉用具というのは施設においても使われるものですが、現状において、介護保険施設では施設が具備するものとしてレンタルは終了になってしまいます。あとは、個人の方が自己負担で利用するか、購入するかという形、あるいは施設が施設側の責任でということになるのですけれども、その矛盾を考えると、今回の4種目の中で、例えば歩行補助つえは、販売であれば、施設に入ったときにこれまでのをそのまま使い続けることができるという、何か変な矛盾かもしれませんが、を指摘したいと思います。変な矛盾というのは、今後、そうしたことも踏まえて検討する、もう少し幅広い議論というのもあってもいいのかなと思った次第です。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田中構成員、よろしくお願いいたします。

○田中構成員
 よろしくお願いいたします。では、手短に。
 引き続き、論点4の福祉用具販売のみのケアマネジメントについてなのですけれども、現状の福祉用具販売のみであったり、住宅改修工事のみ、またはそのほか給付が発生していないケースについて、先ほども御説明しましたが、御支援させていただいている実態がありますので、この実態をまず把握する必要があるのではないか。もう既に研究調査などをされているかもしれないのですけれども、もしされていないようであれば、まず実態把握が必要かなと思っております。
 具体的には、御夫婦のプランなども非常に多く見られまして、配偶者の方が要介護状態で高齢者世帯の場合は、その配偶者が入院された場合も、何かあれば御相談を随時受けているような実態もあったりしますので、まずは実態把握をお願いできればと思っております。
 以上です。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、五島構成員、よろしくお願いいたします。

○五島構成員
 すみません、二周り目です。ありがとうございます。
 以前、江澤委員からありましたように、私も全く同感なのですけれども、福祉用具自体を利用することが目的ではなくて、福祉用具が在宅の中でどのように生活に機能しているのか。その上で、その物にかかっているコストと、最近では安全性の利用ということで、専門相談員をはじめ、それぞれが非常に役割を果たしているのだと思うのです。この先、販売にするのか、貸与を維持するのか、継続して議論していく上で、もう少し踏み込んだ短期利用のケースと長期利用にするケースについての実態把握をしていくべきではないかなというところ、論点2のところにつけ加えていただけるとありがたいかなと思います。
 今日、岩元構成員からの資料にありましたように、例えば手すりでいっても、場面によって複数利用したり、先ほど久留構成員からも話がありましたように、お年寄りの場合には段階的に物を入れていくというところがあると思います。それに対して、レンタル事業者がどのようなメンテナンスであったり、モニタリング。特にメンテナンスだと思うのですけれども、その期間においてやっているのかどうか。
 また、ケアマネジャーの方からも話がありましたけれども、ケアマネジャーがどのようにそこに関与しているのかというところを、利用者の状態に応じて、生活機能の中で、むしろ重度化しないように、他のサービスを利用しないように福祉用具が機能しているというところを、もう少し議論できるような材料が必要じゃないかなと思ったところでございます。
 それと、論点3のモニタリングとメンテナンスのところについては、確かにレンタルについては、これこれ、しかじか、こういうことをすると書かれているわけですけれども、具体的なやり方とか期間をどれぐらい取ってやるのかという問題もありますし、私が一番懸念するのは、そこに書いてあることで形骸化してしまうのでは、中身が重要だと思います。例えば、購入に行って、その購入の中でもメンテナンスをしていくことになると、レンタル事業者からすると、これはすごくコスト増の話だと思うのです。現行の費用でできるかどうかという、非常に大きな問題だと思うのです。
 今回出していただいた、例えば腰掛け便座ですと、1支給当たり3万8000円とか入浴補助用具で2万1000円。厚労省様のほうで調査していただいた資料を見て、私は正直、これは驚いたのですけれども、これぐらいの支給額が平均なのだと思ったのです。一般的な私の感覚として、上限額に張りつくような金額の商品が多い中において、このぐらいの利用率にとどまっているというところは、かなり健全な販売行為がなされているのではないかと正直思ったところです。こういうところも含めて、安易に販売にしてしまうことによって、メンテナンスとか、そういうコストも入ってくるということも考えないといけないと思いますので、きちんと、かつ形骸化しないような仕組みをどこまで持っていけるかということを考えないといけないのではないかと思っているところでございます。
 そう考えると、最後の論点4ですけれども、以前から私が申し上げているのは、ケアマネジャーの支援、ケアマネジャーと専門相談員との連携というのは必須かなと思います。改めて思ったところなのですけれども、ケアマネジャーが生活機能全般を見ているのであれば、そこに福祉用具がきちんと機能しているかどうか。そこを専門相談員に情報をきちんと伝えながら、専門相談員の視点からしてみると、多様な福祉用具があるという知識があって、かつ、その用具がきちんと安全に利用できているかどうか、機能しているかどうかという視点もまた大きいと思うのです。
 そういう意味で、うまく連携することによって、より重度化を防ぐということであるとか、本人の本当の自立支援につながるのではないかと思ったところもありますので、最後にケアマネとのところもきちんと整理する必要があるのではないかと思ったところでございます。
 以上です。

○野口座長
 ありがとうございました。
 それでは、七種構成員代理、よろしくお願いいたします。

○七種構成員代理
 ありがとうございます。
 論点1の貸与と販売の考え方というところですけれども、福祉用具についてなのですけれども、貸与の場合だと円滑に変更できるという大きなメリットがあります。これは、今まで構成員の皆様方が言われたとおりだと思います。購入の場合は、どうしても利用者の状態とか生活形態に合わなくなったから交換といっても、なかなか難しくて、トラブルになることすら現場では起きています。
 また、住環境の整備というのは、今すぐ対応するというのが原則なのです。1週間後にしますとかいって、その1週間以内に転倒してしまうと何の意味もなくなってしまう。そういったところを考えると、福祉用具は適切に住環境をカスタマイズできる有力なサービスであって、貸与のメリットというのはしっかり押さえながら議論すべきかなと思います。
 また、福祉用具の品目は、メーカーの方々の企業努力のおかげで、すごいバリエーションが広がっています。そこから選択できることが可能になっているというのが、本当にいいことだと思います。心身状態や環境は利用者によって全く異なります。また、変化もしていきますから、選択肢が多いということは、利用者の自立支援にとって非常に有益なことですから、そういったことで品目が増えているということは、逆にポジティブに捉えていっていいのかなと私は思います。
 それから、最後の5の経済的負担のところに関しては、福祉用具というのは、マンパワーを要するほかのサービスと異なって、365日24時間、必要なときに常に対応できるという独特の利点を持つサービスだと思います。しかも、利用者のニーズを非常に調整しやすいサービスですね。しかし、臨機応変な対応ができないというところがありますので、そのために介護支援専門員がケアマネジメントを実施しています。そこに様々な専門職の方々としての意見が入ってきて、評価が入り、そこで適切な使用実態、運用のチェック、生活への影響の把握が行われているということを踏まえると、重度化防止ということに関していえば、非常に効果的に進んでいると思います。
 最終的には、経済的負担というところでも、介護給付費の抑制という部分では効果的に働いていると思いますので、専門職が多職種で関わるサービスとしては本当に評価すべきものと我々は考えています。
 以上でございます。

○野口座長 どうもありがとうございました。
 終了時間の5分ぐらい前になりましたが、ほかにいかがでしょうか。
 久留構成員、よろしくお願いいたします。

○久留構成員
 ありがとうございます。お時間がない中、すみません。
 先ほど岡田構成員が地域包括ケアシステムのお話をされましたが、地域包括ケアシステムの概念の中に一番最初にあるのが住まい方という概念であります。居住環境をきちんと調えて、自立をできる限り支援していって、そのことによってマンパワーが抑制されるということについては、これは制度の持続可能性の観点から見ても、福祉用具や居住環境を調えることによって、ヘルパーさんたちというマンパワーを抑制できているという効果もあるということも踏まえるべきではないかなと思っておりまして、それによってできる限り御本人がその住まいに住まい続け、そして自立を何とか自ら努力していくということのモチベーションも非常に重要なことだと思っておりますので、最後に補足させていただきました。
 以上でございます。

○野口座長
 どうもありがとうございました。
ほぼお時間になりましたので、この辺りで本日は閉めたいと思います。まだあるかもしれませんけれども、活発な御議論をどうもありがとうございました。
 今後の予定については、事務局様、何かございますでしょうか。

○高齢者支援課長
 まず、本日、各構成員の先生方から、前回に引き続きまして貴重な御意見、また多く賜りまして、誠にありがとうございます。
 今後の予定でございますが、事務局より、また後日、追って御連絡させていただければと考えております。本日はありがとうございました。

○野口座長
 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。
 構成員の先生方、御多忙の中、どうもありがとうございました。失礼いたします。