第1回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(議事録)

日時

令和4年4月20日(水)15:00~17:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省仮設第3会議室)

議事

○小森地域就労支援室室長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会第1回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。
本日の作業部会につきましては、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催いたします。開催に当たりまして、簡単にオンライン会議について操作方法のポイントを御説明させていただきたいと思います。作業部会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただいておりますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があった後にマイクをオンにしていただきまして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。また、会議進行中トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡をお願いいたします。通信遮断等が生じた場合につきましては、一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。
また、本日の会議ですが、労働政策審議会障害者雇用分科会及び社会保障審議会障害者部会の委員の皆様、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の構成員の皆様、ジョブコーチ養成機関の皆様に対して、本作業部会の開催の御案内をしておりまして、御希望の方に傍聴いただいておりますので御了承いただければと思います。
続きまして、本日の資料ですが、議事次第の4に資料の一覧を記載させていただいております。資料1~3と参考資料の1、2を御用意しております。
本日は第1回の開催となりますので、本作業部会について御説明をさせていただきたいと思います。本作業部会は「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」の下で開催されるものとなっております。同じく検討会の下で開催されました「障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ」の構成員のうち、検討会の駒村座長が指名する方に、議論の中心的な役割を担っていただく主査として御参画いただきまして、そのほか実務経験に長けた方に参集者として御出席いただいております。
それでは、参集者の皆様と事務局を御紹介させていただきます。資料1の2ページ目を御覧いただければと思います。まず、ワーキンググループ構成員のうち座長が指名する者としまして、大妻女子大学人間関係学部教授の小川浩様に本部会の主査を務めていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、参集者を順に御紹介をさせていただきます。まず、トーマツチャレンジド株式会社管理部長の青野路子様。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター研究部門主任研究員の井口修一様。同じく、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部研修課長の石井伸明様。社会福祉法人ほっと福祉記念会県中地域障害者就業・生活支援センターのセンター長、そして主任職場定着支援担当者でもいらっしゃいます木村美和様。一般社団法人Bridge代表理事の國﨑順子様。株式会社アクロイド代表取締役社長の田村孝章様。キッコーマンクリーンサービス株式会社の松尾悦子様。NPO法人ジョブコーチ・ネットワーク副理事長の若尾勝己様。以上の皆様に御参集いただいております。
続きまして、事務局を紹介いたします。まず、障害者雇用対策課課長の小野寺です。私は障害者雇用対策課地域就労支援室室長補佐の小森でございます。よろしくお願いします。また、オブザーバーとして、障害福祉課の日髙課長補佐に参画いただいております。
それでは、これから議事に入りたいと思います。以後の進行につきましては、小川主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小川主査 かしこまりました。御紹介にあずかりました大妻女子大学の小川でございます。検討会の駒村座長から本作業部会の主査に御指名いただきました。どうぞよろしくお願いいたします。本日は第1回ですので、まず本作業部会の進め方、職場適応援助者の現状等について皆様で共有をした後、論点を中心にお気付きの点など御意見を伺っていきたいと思います。それでは、議題1について事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課課長の小野寺です。まず、議題1について、資料1に基づき御説明を申し上げます。資料1「職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」の開催についてということです。
設置趣旨です。冒頭、これまでの経緯につきまして、事務局からも簡単に触れさせていただきましたが、前回の障害者雇用促進法改正の際の衆議院、参議院それぞれからの附帯決議を踏まえまして、障害者の雇用・福祉の課題に対して、省内で一体となって検討する場を設置するということで、令和2年9月に省内でのプロジェクトチームを立ち上げまして、議論を行ってまいりました。その取りまとめ結果を踏まえまして、令和2年11月に障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会が立ち上っております。参考資料1に開催要綱をお付けしておりますので、必要であれば別途御覧いただければと思います。
この検討会にて議論を重ねまして、令和3年6月に検討の取りまとめを行っております。この報告書の中におきまして、特に専門人材の育成・確保については、まず雇用・福祉の横断的なスキル、知識を付与する基礎的研修の確立ということが結論付けられておりまして、併せまして障害者の就労支援に係る専門人材の高度化に向けました階層研修の再構築及び専門人材の社会的ステータスの向上と、それによる人材確保を図っていくというようなことが結論付けられております。こうした中で、基礎的研修につきましては検討会の報告を踏まえた上で、令和3年9月から12月にかけて議論を進めまして、一定の取りまとめをしております。
もう1つのテーマとして提示されておりました専門人材の階層研修の再構築及び育成・確保に向けての議論の中では、特に職場適応援助者についての更なる専門性の向上に向けての研修の見直しや一定の資格化ということをもって、社会的ステータスの向上及び人材の確保ということでの方向性が示されたところです。
このようにお示しいただいた方向性を踏まえ、今回当作業部会を設置いたしまして、職場適応援助者が期待されている役割を今後一層果たしていくために、改めてその支援の在り方、あるいは人材育成・確保の方策につきまして、検討していただくというのが目的です。
2番といたしまして、主な論点です。これについては、後ほどの議題3において詳細に御説明を申し上げたいと思いますが、全体としては大きく4本の柱立てで論点を構成しております。1つ目は職場適応援助者の役割、職域支援の在り方ということです。それから、2つ目は職場適応援助者養成研修の体系の再整理です。これは、先ほど申し上げましたように、基礎的研修のカリキュラムが整いましたので、そこを受講された方、修了者について職場適応援助者養成研修を受けていただくというような流れが確立されますので、基礎的研修の内容を踏まえた上で職場適応援助者養成研修につきまして、社会情勢や環境の変化なども加味した上でのカリキュラム再構築ということが必要になってくるかなと思いますので、その辺りを御検討いただきたいと思っております。
3つ目は、特に訪問型ジョブコーチの活性化に向けた対応ということと、4つ目として少し中長期的な視点になりますが、職場適応援助者に係る資格化の検討ということで、資格化を目差す場合の課題などの整理、あるいはその後の実現に向けてのロードマップのようなものを想定しながら御議論いただきたいと考えております。
参集者につきましては、別紙にそれぞれ御紹介しております。今後の検討のスケジュールですが、今般設置させていただきましたので、まずは令和4年度内に必要な議論を行いまして、令和4年度末までには一定の取りまとめをしたいと考えております。論点についても多岐にわたっておりますので、今年度中に全て結論を得るということが難しいということであれば、来年度以降につきましても継続的に議論を深めてまいりたいと考えております。議題1、資料1につきましては以上です。よろしくお願いいたします。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、今の件について質疑応答に入っていきたいと思います。まず、設置の趣旨、論点等について御説明いただきましたので、これについて御質問や御意見がありましたら挙手をしていただくか、あるいはオンラインの方はZoomの「手を挙げる」というボタンがあると思いますが、それを押していただければと思います。恐縮ですが、私が指名した後に御発言いただけるようにお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題2のほうに入っていきたいと思います。事務局のほうから、議題2について御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 地域就労支援室長補佐の小森です。私からは、資料2を使ってジョブコーチの現状について御説明いたします。それでは、3ページを御覧ください。まず、ジョブコーチがどういった支援を行うかという資料です。障害者の職場適応や職場定着を促すために、障害者御本人に対する職務遂行や職場内のコミュニケーションに関する支援を行ったり、また障害者を雇用する事業主様や同僚に対する職場環境の改善に向けた助言などの支援を行うことになっております。
先に、6ページを御覧ください。ジョブコーチの種類を3つ記載しております。まず、配置型ジョブコーチですが、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構の各都道府県にあります地域障害者職業センターに配置されているジョブコーチでございます。また、真ん中の訪問型ジョブコーチですが、社会福祉法人等に所属し、支援先の企業に訪問して支援する訪問型ジョブコーチとなっております。右の企業在籍型ジョブコーチですが、これは障害者を雇用している企業が自ら雇用して配置し、障害者の支援を行うものになっており、現在はこちらの3類型のジョブコーチにより支援を行っております。このうち、訪問型ジョブコーチと企業在籍型ジョブコーチにつきましては、その活動や導入について、納付金助成金により助成をしております。
戻っていただき、4ページを御覧ください。4ページの下半分の水色の枠の中です。このジョブコーチの助成金の対象となる対象事業主ですが、高齢・障害・求職者支援機構の地域障害者職業センターが支援計画を策定若しくは承認する計画に基づいた支援が対象となっており、これに基づいてジョブコーチの支援を行う事業主に対して支給されます。類型で申しますと、訪問型ジョブコーチであれば、訪問型ジョブコーチを派遣する社会福祉法人等に対して支給されますし、企業在籍型ジョブコーチであれば、ジョブコーチを雇用している事業主に対して支給される形になっております。
支給額ですが、訪問型は日額計算となっており、1日最大で1万6,000円です。企業在籍型は月額計算となっており、これは企業規模や支援対象障害者により助成額が異なっておりまして、最大12万円となっております。また、この支援実施のために新たにジョブコーチを養成した場合は、いずれも研修費用の2分の1を助成しております。
また、このジョブコーチの助成金を利用した支援の流れについて、5ページに図を御用意しております。こちらは、訪問型で雇用前から支援に入る流れをモデルとしたものです。これはあくまでもモデルでして、ジョブコーチは必ずしも雇用前からではなく、雇用されてから課題があった場合にも支援に入ることがありますので、これはあくまで雇用前から入るモデルだと考えていただければと思います。
それでは、こちらの図を左から見てまいります。まず支援計画を策定するために、ジョブコーチが職場環境や実際に障害者の方が担当される職務の内容把握であったり、関係者との調整等、支援計画策定のために事前に行うアセスメントを大体4日程度行います。それから、支援計画が策定されましたら支援開始となりますが、雇入れと同時に支援に入る場合もありますけれども、この図では雇入れ前に、ある程度の期間、雇用前支援という形で、雇用前から一定程度支援を行う形をモデルとしております。これは雇用前支援と書いてありますが、実際は集中支援期ということで、支援計画に基づいて支援対象者の課題の改善に向けた支援を具体的に行う期となっております。これは雇用前から入る場合もありますし、雇入れ後から入る場合もあります。
この集中支援期がある程度済みましたら、移行支援期という形で、支援の主体をジョブコーチから事業主の支援体制に徐々に移行していく期となっております。概念上は、集中支援期と移行支援期を分けておりますが、実際は段階的に移行していくことになりますので、この境目も実際にはないものかと考えております。この移行支援期ですが、徐々にジョブコーチの支援を事業主に移していき、これが終了の段階になってきますと、その後はフォローアップという形で更に支援を行うかどうかを判断いたします。全てフォローアップが行われるわけではなく、フォローアップが必要と判断された場合、その後1年程度フォローアップが行われる形となっております。
今、訪問型について御紹介いたしましたが、企業在籍型につきましては、下に文章だけで書いております。こちらはあくまでも在職中の障害者に対する支援となっており、雇用前等の支援は対象にはなっておらず、この集中支援期の中の上限6か月として支援を行うというようなイメージとなっております。
6ページは先ほど御説明いたしましたので、7ページのジョブコーチの活動状況について御説明いたします。訪問型と企業在籍型につきましては、あくまで助成金を活用しての実績となっておりますので、その点について御留意をお願いいたします。こちらは青色が配置型ジョブコーチ、赤色が訪問型ジョブコーチ、黄色が企業在籍型ジョブコーチとなっております。ジョブコーチの活動者数につきましては、実際にジョブコーチとして当該年度に活動しようとしていた人たちとなっております。支援対象障害者数ですが、助成金を活用してジョブコーチの支援と対象のなった方々の人数となっております。
このグラフですが、平成26年度と平成27年度の間に波線で区別をしております。これは、平成26年度までは高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の納付金・助成金で助成を行っていたのですが、平成27年度から雇用保険の2事業を財源とした2事業助成金に移行したものになっており、その際に制度や一部統計の見直し等も図っておりまして、平成26年度と平成27年度で連続性が失われておりますので、その意味でこの波線を書いております。こちらの支援対象者数を見ていただきますと、平成27年度以降、制度が変わった以降も、特に訪問型ジョブコーチにつきましては、平成28年度の1,505件をピークに徐々に減少傾向があり、令和2年度はコロナの影響もありましたが、851件ということで減少傾向が続いていることが分かるかと思います。
続きまして、8ページです。こちらは配置型ジョブコーチの実績になっております。配置型ジョブコーチは、支援対象障害者の障害種別に統計を取っておりますので、こちらを御紹介いたします。8ページの平成23年度の支援状況を見ますと、青色の知的障害者の支援の割合が非常に多くなっております。直近の令和2年度の状況を見ますと、知的障害者も一定程度割合がありますが、それよりも精神、発達障害者の支援対象者の割合が非常に高くなってきている形でして、支援対象者が変わってきていることが分かるかと思います。
続きまして、9ページです。訪問型ジョブコーチと企業在籍型ジョブコーチの令和2年度の活動状況の実績を都道府県別に表示しております。一番下の注1を御覧ください。活動予定人数は、当該年度に活動を予定していたジョブコーチの人数でして、当該年度に初めて支援計画を策定する場合は事前に受給資格認定申請という手続を取っていただきますので、その手続で把握した人数となっております。
助成金の支給件数ですが、令和2年度ですので、雇用保険2事業の助成金であったときの支給決定件数となっております。活動予定人数が0人であるにもかかわらず支給件数がある県、例えば岐阜県ですと訪問型の活動予定人数は0人ですが、助成支給件数は4件上がっています。こちらについては、前年度から継続して支給されているものが上がっておりますので、この点だけ御留意いただければと思います。この都道府県別の状況を見ていきますと、やはり地域によってかなり活動状況の差があるのがお分かりになるかと思います。全く活動のない都道府県もありますし、一定程度活動が行われている県もあり、非常に地域差、地域偏在があることはお分かりいただけるかと思います。
続きまして、10ページです。こちらは、令和2年8月にジョブコーチ養成研修を修了された方を対象としてアンケートを実施したものとなっており、その一部を御紹介いたします。まず左の1番、助成金を活用したジョブコーチとしての活用経験とありますが、訪問型ジョブコーチについて御説明いたします。現在活動中と、以前は活動していたが現在は活動していないという方の割合が22.4%しかいないということで、4分の1程度しか活動はしていないということになっております。その活動している4分の1のうち、ほかの業務との兼務状況を調べたものが2番でございます。ジョブコーチを専任として活動している方は、僅か3.6%しかいない状況になっております。
そこで、助成金を活用したジョブコーチ支援を行っていない理由をお聞きしたところ、11ページの右の5番ですが、複数回答でお答えを頂いております。やはり一番多いのが、ジョブコーチ以外の仕事が忙しくて、ジョブコーチとしての支援ができないということ、また、支援対象者が地域にいないといった理由が特に多かったということでございます。
次の12ページは、企業在籍型ジョブコーチの状況です。こちらも1番で、活動経験について聞いています。現在活動中と、以前は活動していたが現在は活動していない方の割合は22.7%で、訪問型の割合とほぼ変わらない状況となっております。他の業務との兼務状況ですが、専任が訪問型と比べて少し多く、専任が10.2%いらっしゃる形になっております。
また、助成金を活用したジョブコーチ支援を行っていない理由として、13ページの右の5番です。もともと助成金を活用したジョブコーチ支援の活動を考えていなかったという回答、また、ジョブコーチ以外の業務が忙しく、ジョブコーチの支援ができなかったという御回答を頂いております。ここまでが、ジョブコーチの制度の概要についての御説明となります。
続いてジョブコーチとして活動いただくための事前の養成研修について御説明いたします。15ページです。ジョブコーチ養成研修につきましては2つの養成手段があり、1つが高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の研修により実施しているものです。また、民間の大臣指定機関により研修を実施しており、こちらの2つの類型となっています。
JEEDの研修につきましては、訪問型若しくは企業型の職場適応援助者助成金を活用して活動したい方を主に対象として研修を実施しており、研修は無料となっております。一方、大臣指定機関の研修につきましては、助成金を活用して活動したいと思っていらっしゃる方以外に、ジョブコーチ支援の知識や技術を習得して、障害者の就労支援を行っていきたい方も対象としており、民間機関ですので、研修費用を一部頂いている形になっております。
次の16ページは、民間の機関が大臣指定機関として養成研修を行う場合の要件となっております。当然、継続的に責任を持って運営していただく体制が必要となっておりますので、法人格を有することが前提条件となっております。また、自らジョブコーチの支援を行っている、法人として事業としてジョブコーチ支援を行っていることが要件となっており、それが実績及び運営能力に係る要件となっております。
こちらは4つほどありまして、1番目ですが、次のまるいちからまるさんに掲げる全ての要件を満たすことということで、まるいち訪問型若しくは企業在籍型の事業を継続して行っており、過去において支援計画による支援件数が10件以上あること。まるに企業在籍型の援助を行っている法人の場合につきましては、自ら障害者を10人以上雇用していること、障害者の実雇用率が法定雇用率以上であること、一定期間の間に雇い入れた障害者の雇入れ後6か月経過時点の定着率が80%以上であることが要件となっております。また、まるさん自ら研修を行っていることが要件としてあります。こういった幾つかの要件を満たしていただく必要があります。それから、養成研修に当たっては、職場実習等を行っていただくことがありますので、実習先の企業の確保ができる見込みがあることが要件となっております。また、労働関係法令違反を起こしていないことも要件です。これらは研修の実施主体に係る要件です。
次の17ページは、研修の実施方法に係る要件を記載しております。研修時間は42時間以上で、後ほど出てきますモデルカリキュラムに定めた研修時間は38時間以上、残りの4時間は地域の課題に応じた科目を設定することができることになっております。研修日程は、1年以内に終了することが必要になっております。また、研修実施方法ですが、講義、演習、事例研究、実習とありまして、様々な手段を使って研修を実施いただくことが必要になります。
講師と研修カリキュラムにつきましては、それぞれ要件を定めております。講師の要件は、次の18ページを御覧ください。各科目ごとに、講師の要件ということで、一定の要件を課して講師の質を担保している形になります。カリキュラムは後ほど御紹介しますので、こちらは割愛いたします。
続きまして、19ページです。養成研修機関は、民間の社会福祉法人といった機関だけではなく、大学等の高等教育機関も養成研修の実施機関となることができます。こちらですが、大学等において社会福祉等を勉強していらっしゃる学生さん方を対象に、在学中にジョブコーチの知識、スキルを習得してもらい、卒業後の活動にいかしてもらうことを目的としております。
こちらの要件ですが、通常の民間機関と異なっており、在学中の学生さんを対象としております。在学中に行っていただきますので、総研修時間は74時間以上、また、実習期間4時間以上ということで、在学中ということもありますので、かなり長期間のカリキュラムとなっております。受講料については、高等教育機関、大学の授業料に含んでいただくことが必要になっておりまして、通常の民間指定機関とは異なる条件を課しています。
20ページに、これらの民間の指定機関、JEEDの養成研修期間の概要を一覧にしております。真ん中に訪問型ジョブコーチの養成研修の各機関の概要を書いております。開催回数や人数は各機関の状況によって異なっております。開催地域も、各養成機関の所在する地域だけでなく、近隣の都道府県若しくは離れた都道府県で行っていただいている機関もあります。企業在籍型も同様の傾向です。
21ページを御覧ください。民間の養成機関とJEEDについての研修実施状況と研修機関の所在地を日本地図にして共有したものです。こちらを見ていただくと、やはり都市部に集中する傾向があり、東北、北陸、四国地域には研修機関が現在のところ全くない状況が分かるかと思います。
22ページを御覧ください。ジョブコーチの養成研修の実績ということで、年間どれぐらいの方に研修を実施しているかという資料です。上が訪問型ジョブコーチの養成件数となっており、JEEDと大臣指定研修機関の推移を示しております。令和2年度につきましては、コロナの影響もあってかなり中止等がありましたので、養成者数が減少している状況です。企業在籍型ジョブコーチは年々増加してきておりましたが、これも令和2年度につきましてはコロナの影響もありましたので、かなり養成者数が減少している状況です。
23ページは、養成研修が終わった後のジョブコーチのフォローアップ、追加の研修等についてです。一番下の階段状になった図ですが、まず一番左、まるいちジョブコーチの養成研修が終わった後、希望者につきましては、まるにのサポート研修がJEEDで受けられる形になっております。また、その後一定期間実務経験を積んだ後、まるさんのジョブコーチ支援スキル向上研修が実施されます。そして、スキル向上研修を終えた方を対象として、更にサポート研修を実施している形になり、ジョブコーチ養成研修を終えられた方の質や支援の能力の向上を図っています。
24ページは、大臣指定の職場適応援助者の養成研修のカリキュラムとなっております。左が科目、その次が形態です。講義又は演習、事例研究、実習ということで、幾つかの形態に応じて研修を行っております。
25ページは、研修修了者のサポート研修とスキル向上研修のカリキュラムとなっております。こちらは、事例研究や意見交換が中心となっており、それぞれ配置型、企業在籍型と分けて実施しております。
26ページは基礎的研修です。雇用、福祉の共通した知識若しくはスキルを育成するための基礎的研修のカリキュラムとなっております。こちらは、別の作業部会で設定したものになりますので、御参考として掲載しております。ここまでが、ジョブコーチ養成研修に係る御説明です。
次からが、職場適応援助者をめぐるこれまでの議論ということで、これまでも過去の検討会、研究会等でジョブコーチに関して議論を頂いており、そちらの内容をまとめたものでございます。
28ページ、こちらは一般就労を支える人材の育成の在り方に関する研究会報告書でして、平成21年3月に出されたものになります。障害者の一般就労を支える人材について、支援に必要な知識、スキルの明確化、専門性の向上を図るために、研修体系やモデルカリキュラムを検討したものになっており、その際に、訪問型、企業在籍型ジョブコーチの役割等について整理をさせていただいたものになります。
上段と下段に分けており、下線部の所になりますけれども、まず訪問型ジョブコーチの役割ということで、障害者が働く企業に出向いて新しい仕事の作業工程を短時間で理解し、障害者の能力等に照らして与えられた仕事を遂行できるよう教えるとともに、職場に適応しやすいように職場環境を整えることが職務の基本となるということです。
企業在籍型ジョブコーチの下線部ですが、自らの事業所内において、障害者のための職場適応援助を行うことから、支援対象者の障害特性や作業遂行能力等の雇用管理に必要な情報を関係機関から的確に収集し、また本人の状況等を的確に捉え、与えられた仕事の工程を分かりやすく教えることが職務の基本となるとなっております。こちらでは、作業の工程を教えるなどといった書き方をさせていただいており、知的障害者の支援を想定したような書き方になっているかと思いますが、当時はまだ知的障害者の支援の割合が大きかったということがうかがえるかと思います。
続いて、29ページです。一般就労を支える人材の育成の在り方に関する研究会報告書の中において、人材育成に向けた今後の課題ということで議論されているものになります。こちらの人材育成による共通基盤の形成ということで、一般就労を支える幅広い人材が共通の知識、スキルを修得することで、地域の就労支援のネットワークを支える共通基盤の形成に資するのではないかということで、こういった共通基盤の形成のためのネットワーク構築等について議論されております。また、大学教育における取組ということで、こういった高等教育機関での人材育成も必要ではないかということで議論されておりました。
それから、処遇等の在り方ということで、下線部ですが、専門性の高い高度なスキルを持った人材の育成のためには、処遇等の改善と併せて、将来的に専門職としての資格認証等の仕組みも必要であるということの意見を頂いており、当時から資格に関する議論が行われていたということになります。
続いて、30ページです。地域の就労支援の在り方に関する研究会報告書、平成26年3月に出されたものです。精神障害者の雇用が進む中において、精神障害者への対応能力の向上や定着支援の充実を図るために、地域の就労支援機関の役割についての整理、特にジョブコーチと障害者就業・生活支援センターとの関係について議論されたものになっております。
一番上、ジョブコーチの支援能力の向上の3ポツ目になりますが、訪問型ジョブコーチの活動状況を見ると、地域的な偏在があるということ、経験年数の短い者が多くなっているということで、こういった課題がある中、地域のジョブコーチの支援能力の底上げを図るためには、経験豊富なジョブコーチを継続的に配置することが必要ではないかと議論されておりました。そのためには、経験豊富なジョブコーチをどこに配置するかということになるのですが、障害保健福祉圏域ごとに存在し、地域の就労支援についてコーディネート機能を果たしている障害者就業・生活支援センターに経験豊富なジョブコーチを配置することが最も有効ではないかというような提言を頂きました。
その結果、一部の就業・生活支援センターに主任職場定着支援担当者を配置して、地域の基幹的役割を果たせるようにいたしました。現在、この主任職場定着支援担当者は55機関に配置している状況です。センターは全体として338センターあるのですけれども、まだ55センターですので、一部の地域にしか配置できていないという状況です。
また、一番下ですが、障害者就業・生活支援センターの定着支援の効果ということで、センターに主任職場定着支援担当者を配置することが、そのセンター自体の定着支援能力の向上につながり、ひいてはその地域の底上げにもつながるという形になっております。
続いて、31ページです。養成研修の在り方に関する研究会報告書、令和3年3月に出されたものです。平成21年のときに定められたモデルカリキュラムから中身が変更されておりませんでしたので、10年以上たっている段階で、ジョブコーチを取り巻く障害者雇用の状況が大きく変化していたということもあり、再度その状況を踏まえてカリキュラムの見直しを図ろうとしたものになっております。
31ページの一番上のポツの下線部ですが、依然としてジョブコーチに求められている作業支援に関するスキルは必須であり、基本的役割、求められるスキルは大きく変わっていないとしながらも、その中で精神・発達障害者の支援の増加に伴って、職場におけるコミュニケーションや人間関係等の課題に対して、本人や職場からの聞き取り、分析や助言、環境調整を行う支援が増えてきていて、情報を収集して分析するスキルがより求められているようになっているという御指摘を頂いております。
続いて、32ページです。今後の中長期的課題ということで、ジョブコーチに関する提言を幾つか頂いております。ここでも、上から3つ目のポツですけれども、ジョブコーチの活動に関しては地域差が見られるということを御指摘いただいており、特に助成金を活用した実績が減少傾向にあるということで、こういったところの課題の提言を頂いております。
このほか、高等教育機関におけるジョブコーチの育成ということで、高等教育機関、大学等においてジョブコーチ育成を行う場合、担当教員の確保や新規科目の立ち上げには非常にコストが掛かるということになり、そのコストに見合うだけの学生確保に向けて、養成研修やジョブコーチ自体の魅力を高めていく必要があるのではないかという提言を頂いております。
また、就労支援を担う人材の支援力の底上げということで、雇用・労働、福祉分野のそれぞれに共通する専門人材を育成するためには、分野横断的な人材育成をしていく必要があると同時に、もう少しそれぞれの専門性をいかした垂直的な人材育成ができないかといったことも御指摘いただいております。それから、ジョブコーチのスキルアップに向けた研修も必要であるということも御指摘いただいております。
続いて、33ページです。こちらは連携検討会におけるワーキンググループにおいて、特にジョブコーチについて頂いた意見を抜粋させていただいております。スキル向上に向けた階層研修の体系及び内容等ということで、基礎的研修の内容を踏まえて職場適応援助者養成研修については、専門性を更に高めていくことに特化した研修としてはどうかということで、研修内容の再整理が必要であるという御提言を頂いております。
また、各専門人材の育成についてということで、中小企業に対する助成金の活用や職務の選定等、特に中小企業の支援を行ってはどうかということ、ジョブコーチを資格化することでブランディングをすることも検討すべきであるという御指摘を頂いております。
下から2番目のポツですけれども、上級ジョブコーチを育成する場合、現行の養成研修とスキル向上研修といった現在の研修体系を見直す必要があるということで、特に上級ジョブコーチについては、他のジョブコーチにスーパーバイズできるスキルが求められていると、そういった上級ジョブコーチの研修受講に当たっては、ジョブコーチの経験が豊富であること、特に実務経験といったことを受講の要件と課すことが必要ではないかということで提言を頂いております。さらにその上で、社会的地位の向上を目的としてジョブコーチを国家資格化してはどうかという提言を頂いております。
34ページに人材確保に関する御意見を頂いております。こちらの下線部、上から4番目ですけれども、専門性を明確化して、就労支援に携わる専門人材の社会的・経済的地位の向上をさせることで、人材の確保がしやすくなるものと考えられるということで、そのためには、ジョブコーチを認定資格若しくは国家資格等の資格として位置付けることで可能になるのではないかという提言を頂いております。
最後に、35ページです。こちらも連携検討会の報告書で御指摘いただいている意見となっております。ジョブコーチの資格化に当たっては、まず訪問型の活用が低調であることについて、それがニーズの問題なのか、制度の仕組みの問題なのか、他の制度との兼ね合いなのかを分析するなど、制度の問題も併せて検討し、しっかりとその活動を保障していくべきとの御指摘を頂いております。これまでの職場適応援助者をめぐる検討会意見等の議論を御紹介させていただきました。
続いて、職場適応援助者の関係規定等ということで、ジョブコーチが法律上どのように定められているのかを御紹介したいと思います。37ページです。障害者の雇用の促進等に関する法律において、その中でジョブコーチの制度はこういったものだということで、きっちりと書かれたものはありませんで、これはJEEDの障害者職業総合センターの業務を紹介する規定の中で、職場適応援助者の定義規定が設けられているだけとなっております。職場適応援助者については、障害者が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいうということで、定義規定があるということになっております。その他としては、職場適応援助者の研修を行う場所とジョブコーチの活動を支援するための助成金制度に関する規定が設けられているだけとなっております。
38ページは、ジョブコーチの助成金支給要領から抜粋した支援対象となる援助となっております。こちらは割愛させていただきます。
40ページ以降は障害者の雇用状況等、取り巻く環境となっておりますけれども、こちらの数値等については、議論の参考資料としていただければと思いますので、ここでの御紹介は割愛させていただきます。長くなりましたが、私からの説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございました。ジョブコーチについての制度全般、ジョブコーチとして活動している方たちの状況、これまでの議論の流れについて、これからこの会で議論していく上で土台になる情報を整理していただきました。
少し時間がありますので、皆さんから、今御説明いただいたことについての御意見や御質問、あるいは少し補足になるような現場の状況などをお聞かせていだければと思うのですが、いかがでしょうか。先ほどと同じように、挙手を頂くか、あるいはボタンを押していただくかして御発言いただければと思います。いかがでしょうか。若尾さん、お願いします。
○若尾構成員 ジョブコーチ・ネットワークの若尾です。よろしくお願いいたします。今、御説明いただきましたことに更に上塗りするコメントになるかもしれないのですが、私どもの法人では養成研修を実施しており、訪問型と企業在籍型と、2つの種類のジョブコーチを養成しているわけですが、ここ5年ぐらいになるのですが、特に訪問型のジョブコーチの資格を取られる方が、実際に訪問型、助成金を活用して業務を行いますという方が、本当にいらっしゃらない、少なくなっているのが現状です。
先日も研修をやったのですが、そのときに約20数名の受講者がいらっしゃいまして、訪問型として活動される方はこの中にいらっしゃいますかという質問を直接させていただいたのですが、1名しか手が挙がらなかったという状況です。研修を実施している側としても、訪問型の助成金を活用されて活動する方たちが本当に目減りしているというのは、非常に現場で感じているところです。
一方で、企業在籍型の研修を受講希望される方が非常に多いのです。選考のときにも、企業在籍型希望の皆さんには一部受けてもらえないような状況が起きていたりしますので、受けられる方たちの中にも、JEEDさんで実際には企画されている研修に漏れてしまって、実は民間の私たちのほうに流れてきているという方も非常に数が多いと伺っています。
ただ、残念なのは、企業在籍型のほうも、助成金を活用したジョブコーチの活動というよりは、社員教育の一環であるとか、チームの質的な担保をこの研修で図ろうという、そういう意味を持って来られているのが非常に多いというのは、研修実施機関としては感じているところなので、この問題についても、是非この作業部会の中で意見交換させていただければ有り難いと思いました。以上です。ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございました。研修実施機関の立場で、訪問型で助成金を活用される方が非常に減っている一方で、企業在籍型の研修ニーズは非常に高まっているというお話でした。そのほか、いかがでしょうか。青野さん、お願いします。
○青野構成員 トーマツチャレンジド株式会社の青野と申します。よろしくお願いいたします。個人の見解ですが、今の若尾さんのお話ですとか、厚労省の皆さんの資料を拝見してまず最初に感じたことが、養成研修を受けた皆さんは会社の中で企業在籍型ジョブコーチと名乗っていると思うのですが、正式のジョブコーチとしては、助成金を申請しての活動をしないと認められないということを、ジョブコーチの研修を受けている当事者の皆さんが御存じかどうかが知りたいと思いました。
22ページを拝見すると、これだけの受講者がいるのだというのは改めて認識していて、それが私は職場で感じていることが、同じような数字になっているということなのです。何を申し上げたいかというと、当事者の皆さんも、助成金を申請しての活動が重要であるということを知らないのではないかという点が1つと、産業分野になりますと、ジョブコーチの養成研修を受けた皆さんの上司がジョブコーチであるとも限らないということがあって、産業分野ですと、専門的資質の向上については、上司が専門家でない場合もありますので、上司の皆さんや会社運営の皆さんに、こういった助成金の制度を申請して受給して、レビューを受けて初めて専門家になっていくのだということを知っていただかないと、専門的資質の向上につながらないのではないかと思いながら、すごく課題感が分かりますし、現場の認識とずれがあるのではないかと思って聞いていました。共有させていただきます。
○小川主査 ありがとうございました。企業在籍型養成研修の修了者はとても多いのですが、実際に助成金を活用しないと、職場適応援助者、企業在籍型としてなかなかこういった所にカウントされていかない。そこについて、実際に研修を受講された方たちはよく分かっていないのかもしれないし、併せて助成金を活用することのメリットとかデメリットとか、その辺もまだ十分周知されていないのかもしれないということだったかと思います。
○青野構成員 分かりやすく整理していただいてありがとうございます。
○小川主査 青野さんのトーマツチャレンド様では、助成金はいかがでしょうか。
○青野構成員 私たちは今期目標を持っておりまして、助成金を申請して活動していこうと、別の目標を立てていて始めたものですから、この助成金の存在を理解しているのですが、それまでの長い期間、助成金を申請するという行動には至っていなかったという実態があります。
○小川主査 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。松尾様、お願いします。
○松尾構成員 キッコーマンクリーンサービスの松尾です。企業在籍型の助成金のことについての話が出たので、私からとも思いまして手を挙げさせていただきました。
私は前職も同じジョブコーチをやったのですが、弊社は助成金については、やるからには頂きたいという、もちろんきちんとやらせていただくのですが、制度があれば活用したいという考えでかなりやっています。
ただ、思うところが2つあって、1つは、ジョブコーチ研修の講師もやらせていただいているのですが、その関係でつながりができた方などに、すごく後になって、助成金ができたのですか、どうやったら助成金が使えるのですかと、今ごろというタイミングで聞かれることが何度があったのです。ということは、……研修で多分その辺はお話されているのかもしれないのですが、全然残らないまま地域研修に来ている、若しくは研修を終えているところが1つあるかと思います。
あと、助成金を使いたい側ですが、今回のワーキンググループからも出てきているとおり、ジョブコーチのステータスといいますか、上げていくという発想からすると、1人1回しか使えなくなってしまった助成金が非常に不便だねという話が社内でもあります。例えば、私はトータルで10何件申請実績があるのですが、もうできないのです。
企業からすると、例えば私の賃金を上げようと考えたときに、支援していて同じ活動をしていても助成金につながらないと、やはりそこが難しいよねとなってくるので、何かそこが、せっかくジョブコーチのキャリアと助成金という話が出るのであれば、そこも是非言いたいと思っていたので、発言させていただきました。以上です。
○小川主査 企業在籍型について、助成金の周知が十分ではないかもしれないというお話でした。それから、社会経済的なポジションアップのためには、助成金の額だったり、使い方という問題もあるというお話でした。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。木村さん、お願いします。
○木村構成員 こんにちは。福島県郡山市の県中地域障害者就業・生活支援センターの木村と申します。よろしくお願いいたします。
私からは、訪問型の立場というところで少しお話させていただけるといいかと思ってはいましたが、地域柄、大企業の特例子会社とかがたくさんあるような地域ではありませんので、企業在籍型のジョブコーチさんが県内にいたとしても、なかなか関わる機会がなかったり、助成金を活用してというところで、まだまだ盛んに動ききれていないために、企業の在籍型ジョブコーチから依頼があって、訪問型が、稼働している現状も実際あります。
その中で、障害福祉サービスの移行支援事業者の中にジョブコーチを配置することで、加算が取れたりという現状もあり、先ほどから話題に挙がっているナカポツセンターが、中核的な経験豊富なジョブコーチを要する場所というものが、なかなか確保に難しい現状があるということと、当センターの場合は、法人の理解もありまして、優先的に移行にジョブコーチを置くのではなくて、ナカポツセンターにジョブコーチを配置することで、育成を進めてきて、主任職場定着支援担当者という形で委託を受けている状況があります。
その中で、人材育成をどうしていかなくてはいけないのかというのは常に課題ではあるのですが、社会福祉法人やNPO法人さんの仕組みとして、どうしても経験を重ねていくと、経営側が経験豊富な人材を管理者として置かざるを得ない現状があって、異動が伴ってしまうことで育成が進まないという現状もかなりあります。そういったところからも、資格化ということでは、私としては、しっかり形作ることによって、人材の確保と訪問型の地域に根差した支援というところを進めていけるといいのかとは思っております。是非進められるようにしたいと思いますので、よろししくお願いします。
○小川主査 ありがとうございます。地方の状況について教えていただきましたが、ほかの方にも伺いたいのですが、木村さん、福島で訪問型ジョブコーチというのは減っているかどうかということと、ニーズ自体が減っているような報告もありましたが、ニーズも実際に減っているのかどうか、そこの説明を頂けますか。
○木村構成員 地域としては、やはり減っているというところが実情ではあります。運営自体が難しいというところから、1人減り、2人減りという状況なのが現状としてありますが、福島県としてはなんとか頑張って、この人数を確保している状況かというところと、職業センターさんとの細やかな連絡調整だったりを丁寧にさせていただいているところで、経験を積んでいるジョブコーチの方々は足りているかと言われると、実際足りてはいないと思うのですが、なんとかやっているという状況があります。
あと、ニーズのことなのですが、ニーズがないというのに私はすごく驚いてしまいました。多分、ジョブコーチを活用する対象者像というものが整理されていないことで、この人は仕事ができるからいいだろうとか、コミュニケーションは何となくできるよねとかというところで、その必要性がしっかりアセスメントが取りきれてないところでの見切り発進が実際生じているのではないかとすごく感じます。
ですので、当センター利用者さんに関しては、アセスメントをしっかり取った上で、支援が常に必要な方なのか、初期段階でガシッとしていかなくてはいけない人なのか、細く長く支援をしていかなくてはいけない人なのかということを分類しながら、制度をしっかり活用、必要な人に必要なものを提供できような状況を作らないといけないかということで、支援は日々させていただいているという状況です。
ただ、私たちの地域ではできてはいますが、福島県全部ができているかというと、そうではなく、ナカポツセンターの人材確保すらも難しいセンターさんも、原発事故などの影響もあって、実際はまだまだあるのです。そういった意味でも、就労支援をしていくという人材確保も含めて、少し交通整理が必要なものかとは思っております。
○小川主査 ありがとうございました。ほかの方いかがでしょうか。國﨑様、お願いします。
○國﨑構成員 福岡県でジョブコーチ支援を主たる事業として、5年目になったところなのですが、國﨑順子と申します。よろしくお願いいたします。前職で企業在籍も1回だけ支援をしたことがあるのですが、助成金活用に関しては、私も当時の実績を思い返したのですが、企業の中にいるときには助成金のニーズが自身としてもなかったので、確かに知らなかったということと、ニーズというところは企業在籍のときは感じました。
今、訪問型をやらせていただいている中では、とても大事なニーズがあるものと思って法人を立ち上げたのですが、現実的には地域に余り要請がなく、初年度はこんなにないんだなというのを現実的に感じたというところがあります。
なぜかと思ったときに、企業さんが知らないからという声がよくあるのですが、ただ、よくよくナカポツセンターさんとか、就労移行さん、それからB型、A型にもいろいろな発信をしてきたのですが、もしかすると、いい意味では、制度設計が移行さんから定着支援事業という流れもできてきた中で、手立てとして必要とは感じていらっしゃらない、若しくは定着支援事業をやっているとジョブコーチ支援との連携が制度上難しいのではないか、できないのではないかという、支援側のほうも知識が、活用のためのというところでは少し薄いのかと感じています。
今、5年目になって、ナカポツセンターさんから困難的なところのアプローチも頂けるようになって、ナカポツセンターさんには、集中的に頻度を上げて関われるという意味では、ジョブコーチ制度を使うのは非常にいいとアプローチしておりまして、その中では少しずつ連携がスタートしてきたところです。なので、知るというところでは、いろいろな制度があるのですが、それぞれのメリットとか活用方法が、まだまだ周知徹底されていないのではないかと感じています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ジョブコーチのニーズの部分について、もう少し深掘りした御説明を頂きました。メリットや使い方について、もう少しみんなが知っていく必要があるということだったと思います。そのほかいかがでしょうか。田村さん、お願いします。
○田村構成員 私は利用側なので、今も國﨑様からお話があったとおり、知らないというところが一番大きくて、法定雇用率もあるので雇用しなさいということは、しょっちゅう言われることなのですが、ではどうするのというところが、大きな企業の成功事例での説明しかなくて、我々みたいな中小はどうするのというと、いろいろな状況があって、素直に増やしていけるかというと、なかなか難しいところもあるのです。
法定を満たすという意味だけではなくて、いろいろな意味も含めて雇用していきたいという意思はあるのですが、どうやってやっていったらいいのか分からないというときに、我々はたまたま知ることができたということがあって、最初は制度が全然よく分からなくて、これは何だろうと思いながら利用したのが正直なところだったのです。そして、だんだんとお話を聞くうちに、こういうことがあるのだというのが理解できて、ならばうまく連携しながらやっていこうということで、利用の実績は数少ないのですが、知り得たからこそ定着はしているメンバーがいるというところがあったので、そういう周知を含めて、どういう体制になっているのだろうかと。我々のような中小ですと、全く知らないままずっと終わってしまうという傾向があるので、そういうことで一石投じられたかと思っているところです。状況だけなのですが、以上です。
○小川主査 本当にジョブコーチを必要とするのは中小企業が多いと思うのですが、特に中小企業の場合には、知るということが難しいのではないかという御意見だったと思います。ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。2人の方ということで、まず石井様からお願いします。
○石井構成員 高齢・障害・求職者雇用支援機構、JEEDの石井と申します。よろしくお願いいたします。助成金の活用に関して、JEEDにおける取組を御紹介させていただきたいと思っています。
JEEDはジョブコーチの養成研修を実施するとともに、各地域障害者職業センターにおいて支援計画の承認を行っております。ただ、承認を行うだけではなくて、計画に関しての助言等も行っております。お話を聞きますと、助成金の制度の活用に際して、手続もあるのですが、申請の1つの要件である支援計画の作成において不安を感じられたりとか、そこでのハードルを感じられる受講者の方もいらっしゃいます。ですので、その研修の中で、JEEDにおいては、まず研修の受講要件が具体的な助成金の活用を予定されている方になりますので、そういったような想定されていらっしゃる対象者の方であったりとか、支援先の企業がありますので、そこの状況を研修を通じて把握して、その研修終了後、なるべく速やかにその計画を作成していただけるように助言などを行う中で、具体的な助成金の活用につなげさせていただいておりますので、その御紹介をさせていただきました。
○小川主査 ありがとうございました。JEEDさんの場合には、助成金活用が前提で受講されている方が大半ということだと思うのですが、実際に助成金を活用される方の把握もされているようですが、大体どれぐらいの割合かお分かりですか。
○石井構成員 今、具体的な正確なデータは持ち合わせていないのですが、先ほど申しましたように、具体的に利用者の方、支援先の事業所を想定している方がほとんどになりますので、なるべく支援計画を具体的に作成いただけるように、研修を通じて働き掛けをしております。
○小川主査 ありがとうございます。青野さんの手が挙がっていたと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。助成金の申請の認知度とか、ジョブコーチの資格の認知度が上がっていった先に、これは少し離れた議論になると思うのですが、ジョブコーチの方の役割という点で少し感じるところがあります。
ジョブコーチの養成研修が知的障害の方を対象に整理されてきたことと関係すると思うのですが、今、精神の障害の方とか、対象が広がってきているというところで、企業が障害のある方に門戸を開く業務の幅は広がりつつあると思っているのです。例えば、当グループの場合ですと、IT人材の活用をもうちょっと積極的にやっていこうということを考えて、積極的に採用を進めています。そうしたときに、ジョブコーチの皆さんが業務が高度になってきたときに、これまでは自分たちで業務内容を把握して、対象者に教えていくというやり方を取っていたことが成り立つのかという不安や懸念が湧いてきているのかと思っているのです。
確かに、ジョブコーチの皆さんが全ての業務を把握して、全ての業務を教えていけるかというと、それはやはり難しいところもあると思うのです。ただ、ジョブコーチを付けることができないので仕事を教えられませんとなってしまうと、従事できる業務の幅が狭まってしまうという問題がありますので、認知度を上げたり、ジョブコーチの利用の活性化を進めていく先には、ジョブコーチの皆さんの役割も整備してあげないと、ジョブコーチなのだから何でも業務を知ってて教えてくれるのだよねというような活用のされ方をしてしまうと、ジョブコーチの皆さんも苦しい点があるかと感じています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。対象者の変化に沿ったジョブコーチの役割の変化について、より明確にして、情報を発信していくことが必要というお話でした。
ほかにも御意見はあるかと思いますが、次の議題に進めた後にも皆さんから御意見を頂く時間があると思いますので、議事を進めさせていただきたいと思います。
それでは、議題3について事務局から御説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。資料3に基づき、議題3についての御説明を申し上げます。まず、今回これ以降作業部会として御議論いただきたい論点につきまして、資料3にまとめております。今日、事務局としてこういった形で論点の案としてお示ししますが、これに基づいて、皆様それぞれのお立場から今後の議論を進めるに当たり、論点に過不足がないかということだったり、あるいはこういった論点を議論する上では、更に追加的にこんな実態やこんな調査が必要だといったような御要望も含めて御意見を頂戴できればと思っております。また、本日この論点の案が論点として確定いたしましたら、次回以降、論点についての議論検討の優先順位なども付けて、あらかじめ少し今後のスケジュールのイメージを持っていただけるような形も御提示してまいりたいと思っております。
では、資料3です。まず、冒頭で開催についてのペーパーにも書いておりました4つの柱立てを少しかみ砕いて論点として整理しております。今、多々御意見がありましたが、様々な状況や当初のジョブコーチの役割ということから、取り巻く状況の変化等を踏まえて改めて検討すべき部分かなと思います。ジョブコーチの役割、職域、支援の在り方の所です。ここで狭義と申し上げておりますのは、助成金を活用したジョブコーチの活動という意味ですが、狭義のジョブコーチの基本的役割・求められるスキルということです。先ほど来あるように、知的障害という対象から徐々に精神・発達というところでの対象像が変わってきていることも踏まえて、様々な御議論を頂きたい点です。それから、その上で専門性、求められる職域とは何かということも改めて御指摘いただきたいところです。
それと、助成金、若干活用が進んでいないという御指摘も多々ありましたが、支援計画を立てて助成金を活用してということでの実践的な支援経験を積んでいくことにより、ジョブコーチ自体のスキルや職域というものが、恐らく広がっていく、特定の雇い入れに限定されず汎用化していくのではないかという想定に立っておりますが、どういった方向での広がりを期待するかということです。併せて、こういった形でスキルを積んだり、実践を積むことによって、徐々に職域等が広がっていくことにより、広義のジョブコーチ支援ということに裾野が広がっていくのではないかというところで、範囲をどのように考えていくかということです。言ってみれば、現状においては、特定の企業における特定障害者に係る雇用を前提とした職場適応や定着支援ということが射程に入ってきているかと思いますが、そのような広義の支援ということを捉えたときに、一般的な雇用前支援なども含めて広がりが持てるのではないかという辺りをどのように考えるかということです。
2つ目が、ジョブコーチ養成研修体系の再整理です。冒頭でも申し上げましたように、基礎的研修の内容が固ってまいりました。これを踏まえて、ジョブコーチ養成研修の位置付けをどのように考えるかということです。これまでのジョブコーチ養成研修自体の受講層は、全くの初心者から、ある程度実践を積んでおられる方まで、かなり幅広くいらっしゃったかなと考えます。この先、基礎的研修が確立した後におきましては、ジョブコーチ養成研修の受講前に基礎的研修を受講してくることになりますので、その辺りを踏まえた上で、そこに上位研修として重なってくるジョブコーチ養成研修、専門性を更に高めた上での内容とする等も踏まえて、これまでの検討会でも御指摘があったところですが、どういった目的で、どういった内容としていくのか、そのような研修の中身を考えるに当たって、カリキュラムにどのような内容を盛り込むべきかということです。議題2の中でも御紹介したように、令和3年3月にジョブコーチ研修の在り方に関する研究会報告書で、精神障害者等の雇用の広がりを踏まえた上の、ある程度のカスタマイズ、カリキュラムについての見直しも図っておりますが、カリキュラムの中身につきましての検討を更に深めていただきたいと思っております。
それから、現行の支援スキル向上研修に変わり、一層の階層的な育成を目指し、養成研修の上位研修として位置付けられる上級研修の中身につきましてどうするかということ、あるいは、この上級研修を受けていただく際に、受講要件としてどのようなことを考えたらよいかということです。
現行では、先ほど御紹介したとおり、研修終了後にサポート研修をそれぞれ用意しておりますが、こちらのサポート研修について、その後どういう形で位置付けていくかというようなこと。
また、資料2の中でも御紹介しておりましたが、日本地図で全体地域においての養成研修の実施機関を見たときに空白地帯がかなりある中において、今後ジョブコーチ養成の実施機関数について、やはり伸ばしていく方向性が1つあるのではないかと考えます。その活性化に向けての指定要件について見直しの余地はないのかということ。
都道府県それぞれの地域内において、地域の偏在を解消するために、各地域の育成計画の作成などについてどう考えるかということ、この辺りは、高・障・求機構が中心になってということかと思っております。
受講修了生についての連携や交流の場ということで、地域のネットワーク作りなども必要ではないかと考えております。この辺りをどのように構築していくべきかということです。
裏面に移ります。3つ目の柱立て、訪問型ジョブコーチの活性化に向けた対応についてです。田村様の御指摘にもあったように、実は地域で本来必要としているような中小企業を中心に、このジョブコーチの制度自体が浸透していないことが課題としてあるかと思います。ジョブコーチ支援自体の社会的認知度の向上、これは我々行政の中で労働局、ハローワークにおいてもいえることかなと思いますが、ジョブコーチ制度の認知度を改めて向上していく方策について、あるいは支援業務の具体的なイメージ、魅力を発信していく手法について御議論いただければと思っております。
それと、訪問型ジョブコーチにつきまして、活動を支える助成金の在り方についてです。企業在籍型についても先ほど御指摘があったように、現状においては対象を1回ということで限定した要件の見直しを行っておりますので、企業在籍型も含めて、活動を支える助成金の在り方につきまして議論していただくべきかなと思っております。
3つ目のマルにつきましては再掲です。先ほど来申し上げたような実績等を積むことによって、一定の広がりを見せていくジョブコーチの活動というものが想定されますが、その辺りも含めて、活性化の方向の中でどのように考えていくかです。
それから、特に我々行政としても、雇用指導をしていく中で中小企業、加えて全く障害者を雇用していないようなゼロ企業に対して雇用のお願いをしていくわけですが、先ほども御指摘があったように、どうしたらいいのかということについてダイレクトに答えられていない部分があります。その辺りにおいて、ジョブコーチの活動というものをセットで考えてはどうかと思っておりますので、こういった点につきまして是非御意見を頂きたいと思います。
また、経験豊富なジョブコーチをナカポツセンターに配置していくというような検討も、これまでにも繰り返し行われております。ナカポツセンターとの関係についてどのように考えるかということです。
最後の4点目は、少し中長期的な視点です。社会的認知度を高め、そして人材の確保ということで考えていった際に、ジョブコーチに係る資格化の検討につきまして、検討会でも指摘を受けております。例えば国家資格化を目指すといった形で、今後一定の資格化を現実のものとしていく上で、どのような課題が考えられるか。その課題整理をした上で、その課題をクリアして、今後その実現に向けてどういった労働マップを描いていくのかといったところについて御議論いただければと思っております。事務局として御提案したい論点につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、今の論点についての御説明に関して、皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。まず、若尾さん、お願いします。
○若尾構成員 ジョブコーチ・ネットワークの若尾です。御説明の中に、必要があれば実態調査というお話があったかと思うのですが、この点に関して質問させていただければと思います。この実態調査というのは、こちら側で例えばテーマ、こういうことが必要ではないかというような意見に至ったときに、新たに何かお願いして実態調査ができるという枠で考えたほうがいいのか、それとも既存の助成金を活用した制度の状況の中でとか、行政の実態といったようなことから調査をするという形になりますでしょうか。一旦、年度末ぐらいに取りまとめをするという話でしたので、実態調査そのものについて、こちら側が提案して何か制限があるのかをお伺いしたいなと思いました。よろしくお願いします。
○小川主査 それでは、事務局からお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局の小野寺でございます。今の実態調査については、具体的にどういったことかということを踏まえた上で調整かなと思いますが、できるだけスケジュールの中に落とし込むような形で、可能な範囲で御要望には沿いたいと思います。どういった目的でこういった把握が必要という御提案があれば、事務局としてそれを受け止めて検討してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○若尾構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは、もう一人手が挙がっておりましたが、お名前が確認できませんでしたので、もう一度お願いできますか。
○木村構成員 すみません。木村です。
○小川主査 木村さん、お願いします。
○木村構成員 活性化に向けたということになるのですが、福島県で特別支援学校の進路指導の先生たちが集まる会議の中で、職業センターさんやナカポツセンターの主任、就業支援ワーカーの方々が集まっての会議があったときに、ジョブコーチ支援の活用をしていきながら定着率を上げていきましょうというようなお話を数年前にしたのですが、特別支援学校さんだったり新卒者の支援という形になると、どうしてもスタートが4月1日に重なってしまい、対応がしきれないほど全部が全部、ジョブコーチさんお願いしますみたいな状況になってしまったことがあります。ですので、やはり教育機関にも少しジョブコーチの役割を明示していきながら、どういう生徒さんが利用できるといいのかということも少し議論できるといいかなと思いました。
あと、最近よく感じるのが、企業さんがなかなか雇入れしぶりがある状況の中で、支援学校さんで、ジョブコーチ支援という支援を付けるから大丈夫ですよみたいな感じでお話される所もあって、本来、出退勤の部分に課題があったりする生徒さんの支援をジョブコーチ支援するべきものなのかなという疑問が生じてしまったりということで、現場では大混乱が実際起きているのと、支援が使えますよとなるとやはり飛びつくのですが、使える人というか、どういう人が使うと有効なのかということは、先ほどお話したとおり、少し明確にしていけるようにしたほうがいいのかなと感じておりました。以上です。
○小川主査 いろいろな所で関係機関が出てきますが、その中に特別支援教育を是非入れていきたいと思います。それでは、井口さんお願いします。
○井口構成員 障害者職業総合センターの井口です。どうぞよろしくお願いいたします。今、御説明いただいた論点案で2つ、思い付きのようなコメントで恐縮ですが、コメントさせていただければと思います。
まず、大きな3番の訪問型ジョブコーチの活性化に向けた対応についてですが、小川先生とは多分20年近く前に、ジョブコーチの制度ができる頃からいろいろ議論をさせていただいて、20年後にこういう課題がでるとは全く想像していなかったというか、訪問型ジョブコーチがメインになるのではないかと考えておりましたので、この活性化に向けた対応について、これからしっかり考えていきたいと思います。特に中小企業での活用ですが、まだまだ具体的な意見はこれからになりますが、例えば職務とのマッチングや職務創出についても、何か考えられる部分があるのではないかと思いますし、それからナカポツセンターとの関係についても、私としても、もう一度議論をしていきたいなと思っています。
それから、大きな1番のジョブコーチの役割、職域、支援の在り方についてです。私とすれば、役割を広げる方向で議論できればいいなと思っています。ちょうど私はアセスメントの研究のチームの一員として取り組んでおりますが、やはりアセスメントは個人と環境との相互作用を前提にして、アセスメントを進めていく必要性が非常に高まっていると思いますので、そういう意味ではジョブコーチが個人と職場環境両方をよく見て、その相互関係の中からしっかりアセスメントをしていただける可能性が十分あるのではないかと考えています。思い付きのようなコメントですみません。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。本当に、20年前に訪問型ジョブコーチがもっと発展するイメージを持っていたかと思います。一緒に考えていきたいと思います。
今の御発言に、すみません、司会の私が被せて申し訳ないのですが、3の訪問型ジョブコーチの活性化に向けた対応の所で、障害者就業・生活支援センターとの関係が出てきて、ほかで当然これは議論されると思いますが、地域障害者職業センターの割合は非常に重要だと思います。やはり、この助成金が雇用保険会計に移ったところで、かなり訪問型ジョブコーチが地域障害職業センターとの関わりが薄くなって、元気がなくなったかなという気もしておりますので、地域障害職業センターの役割を入れていただきたいことが1つです。
それから、やはりハローワークです。そして、訪問型は就労移行支援事業所に多く付いていますので、障害福祉課の例えば加算といった問題も欠かせないのではないかなと思いますので、論点に付け加えていただければと考えました。井口さん、ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。青野さん、お願します。
○青野構成員 青野です。この議論の中に、福祉というかジョブコーチと企業側との懸け橋という意味で、カリキュラムの検討の所になるのかもしれませんが、企業で、企業理解というのでしょうか、企業とはということや、企業が求めるようなスキルといったような企業理解につながる内容も検討に含めていただけるといいのかなと感じました。以上です。
○小川主査 カリキュラムの所などで、とにかく企業支援の内容、それから企業理解の内容を特に重視していくということを入れていきたいと思います。ほかは、いかがですか。よろしいでしょうか。ここにかなりたくさんの論点が含まれておりますが、研究会の1回目若しくは2回目ぐらいに、この論点を第何回目ぐらいで取り扱っていくというようなスケジュール感が示されることがありますが、これだけたくさんの論点を今後どう整理をしてやっていくかということについては、事務局で何かお考えはありますでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局障害者雇用対策課長の小野寺でございます。冒頭も、開催についてのところで申し述べましたように、今日頂いた意見で、また論点について整理すべき部分は整理しまして、少し優先順位を付けて、いつぐらいにこの議論を検討するといったことでの全体の今後のスケジュールを次回以降お示ししたいと思っております。以上でございます。
○小川主査 必要に応じて、そのときに若干の付け加えや修正は可能ではないかなと思いますので、そのように御理解ください。論点については、これで区切ってよろしいですか。まだ、もう少し時間がありますが、どうでしょうか。よろしいですか。それでは、論点についても一通り御意見を頂いたこととさせていただきます。
次は、その他でよろしいですか。事務局から何かありますかか。
○小森地域就労支援室室長補佐 その他の議題としては、特にございません。
○小川主査 ありがとうございます。1回目は、まず非常に広範囲なジョブコーチの制度について、あるいは現状についての御説明を頂き、これまで何回も何回もこのことについては議論を積み重ねて、その議論をもとに実現した部分もあれば、ずっと課題になっている部分もあるかなという辺りも今日確認できたかと思います。それを踏まえて、皆さんから更に現場の実情や、今後の課題で特にこの辺を議論していきたいというポイントもお示しいただきました。ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして本日の議論は終了となりますので、第1回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会は終了とさせていただきます。最後に、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 地域就労支援室の小森でございます。次回の日程は未定となっておりまして、改めて事務局から日程調整の御連絡を差し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、以上で終了といたします。どうもありがとうございました。