中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和3年度第9回、第10回

日時

第9回:令和4年3月22日(火)
第10回令和4年3月29日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第9回
前田愼委員長、小方賴昌委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、
深山治久委員、眞野成康委員、諸井雅男委員、
石原専門委員、上野専門委員、古田専門委員、三澤専門委員、山口正雄専門委員、
山口正和専門委員

第10回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、
田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、森山光彦委員、諸井雅男委員、
山口正雄専門委員
         
<事務局>
紀平薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について

 

議事

 
レイボー錠50mg、レイボー錠100mg
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
この最類似薬はエレトリプタンで問題ないと思います。もちろんちょっと違うのですけれども、基本的には同じようなもので、ただ、血管収縮作用があるということは、トリプタンを使うときに、使用上、僕らも非常に気にする点なのですけれども、それがないという点は確かに使いやすい薬だろうと考えますし、この有用性加算についてそれを認めることは非常に妥当だと思います。
ただ、そのほかの点については、ガイドラインではもちろん推奨とは言っていませんし、ほかのトリプタンに比べて、ものすごく有用かどうかということはまだ分からない段階ですので、事務局の算定方式でいいと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
よろしくお願いします。
○委員
基本的に、□□先生と同じ意見で、事務局案が適当であると考えます。
最類似薬はエレトリプタンで妥当であると考えますし、また、有用性加算も、全く新規の機序を持っているという点では要件イが該当いたしますが、ハに関しましては、③-a、③-bとも、事務局案どおり、イと重複する部分があること、ガイドラインでは推奨度Aになっておりますが、現在のトリプタン製剤よりも推奨度が高いわけではありませんので、ここも加算には値しないと判断いたしました。
以上になります。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生方から、意見があれば、お願いいたします。
全て事務局案が適当であるということで、御意見もないようですので、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


リフヌア錠45mg
日時:令和4年3月22日(火)※企業陳述あり

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、弦間先生、山口正雄先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局の案で妥当と思います。実際に咳嗽で困っている患者さんは数が多いですし、新たに劇的に効く薬剤を欲しているということは、臨床の現場では確かにあります。ただ、今回プラセボとの差が小さいこと、副作用を考えると、臨床の現場で劇的に咳への対処がこの薬剤によって解決することにはならないと思います。今後の実際の臨床現場での治療の経験に基づいてまた評価が変わるのかもしれませんが、現時点で画期的に臨床現場を大きく変える薬剤とまでは言えないと思いますので、事務局案の評価・内容は妥当と考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
そうすると、先ほどの主要評価項目はかなり限定的であろうと。特にこれは慢性咳嗽と書いてありますので、ずっと使う薬としてはちょっと弱いかなという感じと先生はお受け止めになっているということですかね。
○委員
そうですね。
ただ、プラセボがこれだけ効く中で有意差をつけるのはかなり大変なのだろうと思います。産みの苦しみでもって何とか世に出てきて、臨床現場としては使ってみたい薬ではありますが、何せプラセボの効果との差が小さいので、位置づけに関しての評価は今後を見ないと分からないという気がします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
委員の先生方から、ほかに意見があれば、御発言をお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。事務局は、企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
最初に、リフヌア錠についての意見を5分以内で御説明をお願いいたします。続いて、委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
よろしくお願いします。
○申請者
MSDでございます。
本日は、意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。
1枚目を御覧ください。こちらがリフヌアの製品概要でございます。効能・効果は難治性の慢性咳嗽、用法・用量は成人に1日2回でございます。弊社は、原価計算方式で有用性加算(Ⅱ)及び新薬創出等加算を希望しております。本日は、時間の関係上、有用性加算と新薬創出等加算に絞って御説明いたします。
2枚目を御覧ください。こちらに、本日の論点である有用性加算と新薬創出等加算の革新性の要件を記載しております。また、中央には本剤の主張ポイントを記載しております。本剤は、既収載品とは異なり、対象疾患の病態生理に基づいた新規の薬理作用を有し、難治性の慢性咳嗽の適応を有する初めての薬剤でございます。そのため、左側の有用性加算については、要件イを満たすと考えております。また、右側の新薬創出等加算の革新性については、要件1並びに要件3を満たすと考えておりますので、その根拠について御説明いたします。
3枚目を御覧ください。本剤の作用機序でございます。中央の図では、日本呼吸器学会の咳嗽・喀痰の診療ガイドラインから引用した咳嗽の発生機序を記載しております。グレー表記した既存の中枢性鎮咳薬は、咳中枢に作用し、生体防御の咳を含む全ての咳を標的としております。一方、本剤は、末梢のP2X3受容体に作用することにより、末梢の咳感受性を改善して、病的に亢進している咳のみを標的としております。このように、本剤は既収載品とは全く異なる新規の作用機序を示しております。
次に、難治性の慢性咳嗽について御説明します。4枚目を御覧ください。図の上から順に御説明しますと、3週以降の遷延性・慢性咳嗽患者さんが来院した場合、まずは、問診・身体所見などで原因を特定いたします。原因が特定できず、かつ、喀痰がない場合には、咳喘息、アトピー喘息など、原因に対する特異的治療が行われます。それでもなお8週以上の咳が継続する場合には、専門医の診断・治療が必要となります。本剤は、このような既存治療で効果不十分な難治性の慢性咳嗽を対象としております。
次に、本剤の臨床的価値について御説明します。5枚目を御覧ください。下の図は、本剤の第Ⅲ相試験でございます。その対象患者さんは、ガイドラインに基づく治療を実施したにもかかわらず咳嗽が継続している患者さんでございます。左側には咳嗽の頻度、右側には咳嗽に関連するQOLの改善が示されておりますが、いずれもプラセボに対する優越性が検証されております。特に、中央の黄色い部分を御覧ください。日本人対象患者さんの背景を記載しております。参加した患者さんの□□□は既存の中枢性鎮咳薬の治療歴があり、それでもなお咳が継続し、さらなる治療が必要である患者さんです。その罹病期間は約□□、その症状は起きている間に□□に1回咳をするような患者さんであり、非常に長い間、有効な治療薬がなく、止まらぬ咳に苦しめられていたことが伺えます。
次に、6枚目を御覧ください。本剤の適応症である難治性の慢性咳嗽は、新たな疾患概念であり、ガイドラインでも紹介されております。
次に、既収載品との効能・効果の違いについて御紹介します。7枚目を御覧ください。効能・効果に咳嗽を含む既収載品は13成分がございます。そのうち、代表的な薬剤、デキストロメトルファンのみ記載いたしましたが、御覧のとおり、感冒や急性気管支炎などの原因疾患に伴う咳嗽に制限されております。一方、本剤は難治性の慢性咳嗽の適応を有する唯一の薬剤でございます。効能・効果に関連する注意の項でも、包括的な診断に基づく十分な治療を行っても咳嗽が継続する場合に使用を考慮することが注意喚起されております。
最後、まとめでございます。8枚目を御覧ください。これまでに御説明した本剤の臨床的価値を、有用性加算及び新薬創出等加算の革新性の要件と照らし合わせております。繰り返しになるため読み上げませんが、本剤は、既収載品とは異なり、対象疾患の病態生理に基づいた新規の薬理作用を有し、難治性慢性咳嗽の適応を有する初めての薬剤であることから、有用性加算及び新薬創出等加算の革新性の要件1・3を満たすと考えております。
御清聴ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
委員の先生方から、御意見、御質問があれば、お願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
明快にこの薬剤に関する説明をいただき、ありがとうございます。
有用かどうかというところが非常に重要なポイントと思います。確かに、P2X3に対する新規薬剤は重要と思いますが、副作用があり、さらに、プラセボがあれだけ大きい鎮咳作用を示しそれにちょっと上乗せするやや弱めな臨床効果と見えてしまいます。臨床的に高い有用性があるのかに関して、疑問あるいは問題もあるかと思っておりますが、その辺はいかがでしょうか。
○申請者
MSDの開発担当の□□と申します。答えさせていただきます。弊社といたしましては、まず、有効性に関しましては、御指摘のとおり、プラセボと比較いたしますとその差は小さいかもしれませんけれども、今回はプラセボ効果が非常に高いというところがあります。咳嗽の治験に関しましては、本剤の治験だけではなくほかの臨床試験でも非常にプラセボ効果が高いことが報告されておりますので、そのプラセボ効果に対してしっかりと統計的に有意差をつけたことは非常に有効であったということを示しているかと思います。例えば、投与前と比べますと、咳嗽頻度で比べましても60%ぐらい低下させていますし、また、咳嗽頻度だけではなく、患者様の主観的な評価、QOL評価に関しましても、プラセボと有意差がついていることから、総合的に有用であると考えております。
一方で、御指摘いただいた安全性の部分に関しましては、本剤は特徴的に作用機序に起因するところで味覚異常が出ております。こちらの味覚異常に関しましては、60%程度の方には出ますけれども、服薬を止めると回復することもありますし、服薬を継続しても大体25%の方は回復しているというところがありますので、今回、いろいろと咳嗽の捉え方は患者様方の人それぞれかと思いますけれども、その中で判断していただけるのではないか、十分臨床的に価値があるのでないかと考えております。
以上であります。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員から、いかがでしょうか。
どうぞ。
○委員
何点かお伺いしたいと思います。
分かりやすい御説明をありがとうございます。
まず、1点目が、FDAでは今回の医薬品に関しての承認がなされていないということで、最も懸念となっていることはどういった項目なのでしょうか。
○申請者
FDAに関しましては、申請後に、今年の1月に、Complete Response Letterを受領しておりまして、その中でいろいろとコメントをいただいていて、そこに対しては、今、前向きにFDAとも継続的に協議をしているところになります。今聞いているところに関しましては、□□□□□□□□□□とは聞いております。
○委員
分かりました。
あと2点がございまして、1つは、今既に承認されているほかの鎮咳薬として、中枢性のものでありますとリン酸コデイン錠といったものがありますけれども、それらの薬剤との使い分け、どのように本剤を使うかという点に関して、教えていただけますでしょうか。
○申請者
こちらに関しましては、まず、リン酸コデインなどに関しましては、ガイドラインでも中枢性に作用するものに関しましては推奨しないということが書かれておりますので、リン酸コデインを投与される方は副作用の問題などからも限定的であるのではないかと考えております。治験に参加していただいた先生など、先ほど御紹介させていただきましたけれども、通常臨床でリン酸コデインなどを先に投与されており、そこで効果不十分な方に本剤が投与されて効果が示されておりますので、最初に必要な方に関してはリン酸コデインなどが入って、そこで効果が不十分な方が本剤の対応になることも、可能性としてはあると考えております。
○委員
ありがとうございます。
3つ目なのですけれども、今回の臨床試験に関しましては、フェーズⅡ試験、フェーズⅢ試験、いずれでも直近の6か月もしくは12か月以内の喫煙者が除かれていたりして、慢性咳嗽ということで、しっかりと鑑別・除外も行われた患者さんが本剤を使われるべきと思うのですけれども、適正使用に関して、慢性咳嗽の鑑別もそうなのですけれども、どういう形で担保されるのでしょうか。
○申請者
先ほども説明させていただいたのですけれども、注意喚起が最新のガイドラインに載っておりまして、診断または治療してさらにそこでも咳嗽が継続する方が対象になっておりますので、今御指摘いただきました、例えば、喫煙などに関しましては、ガイドライン上でもそこをしっかりと判断するように記載されておりますので、そういったことで診断・治療された後にまだ咳嗽が残る方が今回の対象になると考えております。
○委員
ガイドラインでも喫煙は除外になっているということなのですね。
○申請者
はい。
○委員
承知しました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
その他の委員から、いかがでしょうか。
どうぞ。
○委員
普通、中枢性の鎮咳剤は、眠気とか、ふらつきとか、特に高齢者などに使うときはそういう副作用がすごくあるわけですけれども、末梢性に効く場合はそういう副作用はないのですか。
○申請者
臨床試験におきましては、そこの特段の懸念は認められていない、報告されていないということになります。
○委員
もし、眠気やふらつきはほとんど起こらない、プラセボと比べて差がないとしたら、多少の有用性はあるかと思うのですけれども、いかがですか。
○申請者
プラセボとの差は、眠気に関してはなかったと。
○委員
私は神経の医者なので、そういうものを飲んでいてふらついて、原因がよく分からなくて、見たらそういう薬を飲んでいるということはよくあるのですけれども、そういうふらつきのようなものはないのかということが聞きたいのですけれども。
○申請者
今回の審査におきましてもそこのプラセボとの差は認められておらず、審査の過程でPMDAからも安全性に関してそこの懸念は何も指摘はなかったということになります。
○委員
ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他はいかがでしょうか。
慢性咳嗽ということで、結構長期に使われると思うのです。今回の試験では12週までで成績をお示しされていますけれども、効果と安全性、特に安全性に関して、例えば、半年や1年使ったときにどうなるかという成績は、今のところはないのですか。それとも多少はいろいろなものが出ているのでしょうか。
○申請者
臨床試験といたしましては、最長1年間の投与を実施しております。先ほどの12週間というものは、今回の評価項目のせきの回数を数えるものです。いわゆるホルター心電図のような咳モニターをつけていただいて、そこでカウントをしますので、そうすると患者さんに少し負担がかかりますので、そういった意味で、有効性を12週間で評価しております。そのほかの評価項目の日誌とかは52週まで評価しておりまして、52週におきましてもしっかりと認められた効果が持続している、1年間の投与までは持続しているところは認められております。
安全性に関しましても、長期投与に関して遅発性の何かの有害事象が出るといった懸念は報告されていません。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
そうすると、味覚障害とかは、比較的早い時期に出て、やめる方はそこでやめていますし、続けられる方は結構長くという感じなのでしょうか。
○申請者
そうですね。発現される方のほとんどの方は、投与1週間か2週間で味覚異常が出ます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他はよろしいでしょうか。
事務局、いかがですか。特にありませんか。
○事務局
特にありません。
○薬価算定組織委員長
それでは、これで企業意見の聴取を終了いたします。
企業の方は、御退室をお願いいたします。
○申請者
ありがとうございました。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
企業からこの薬剤に関して明確な説明はいただいたのですが、臨床現場で本当に有用かに関して、制約がある、あるいは限定的という言い方をせざるを得ないのではと思います。副作用もあり、今までの薬剤を押しのける圧倒的な臨床効果とも言えず、事務局案のとおりで良いと思っております。

○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生から、いかがでしょうか。
□□先生、よろしいですか。
○委員
私も、同意見でございます。
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
よろしいでしょうか。
事務局、よろしいですか。
○事務局
事務局から特に追加することはございません。
○薬価算定組織委員長
それでは、薬価算定組織の意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


リフヌア錠45mg
日時:令和4年3月29日(火)※企業陳述あり

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員としては、弦間先生、山口正雄先生にお願いしております。
それでは、事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、御説明をお願いいたします。
なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の先生方から、御意見があれば、御発言をお願いいたします。
○委員
先週は言わなかったことを申し上げておきたいのですが、難治性の慢性咳嗽が疾患なのかどうかということは微妙ではと思っていまして、企業の意見陳述のときに、何かしらの情報があればいいと思います。せきが長く続く、いろいろな治療で効果が不十分ということは、病状ではありますが、疾患としてエンティティーが明確かどうか、難しいところもあるのかなとは感じています。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
私も、いろいろと複合的な病態が集まった状態と思ってはいます。
もう一つ、原因疾患と考えられる治療を種々行った後、それで効かない症例が適応となります。基本的には事務局案のとおりだと思いました。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員から、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
また企業の聴取の後に御意見を伺いたいと思います。
それでは、企業から意見聴取を行いたいと思います。
事務局は、企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
最初に、リフヌア錠45mgについての御意見を10分以内で御説明ください。続いて、委員側から質問させていただきますので、御返答をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○申請者
MSDでございます。よろしくお願いいたします。
早速ですが、資料の2ページ目を御覧ください。第1回薬価算定組織において、本剤は新薬創出等加算には該当しないと判断されました。弊社といたしましては、本剤は新規作用機序医薬品の革新性の基準、いわゆる別表10の要件1及び要件3に該当し、新薬創出等加算の対象になると考えますので、その点について意見を述べさせていただきます。まず、要件1は、既存治療で効果不十分な疾患に対して有効性を示したものであることが求められておりますが、本剤は、ガイドラインに基づく治療を実施したにもかかわらず咳嗽が継続する難治性の慢性咳嗽患者に対する有効性が認められており、この要件に該当すると考えます。また、要件3ですが、認められた効能を有する他の医薬品の存在しないこと、すなわち、対象疾患に対して初めての治療選択肢を提供することが要件となっておりますが、本剤は難治性の慢性咳嗽の効能・効果を有する世界で初めての薬剤であり、この要件にも該当すると考えております。
第1回の算定組織では本剤の有用性について様々な御議論がございましたので、本日は、◇◇先生に御出席いただき、咳嗽の専門家のお立場から、新たな疾患概念である難治性の慢性咳嗽並びに本剤の有用性について御発言をお願いしております。
◇◇先生は、□□□□□□□□□□でございまして、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□も務めておられます。
それでは、◇◇先生、よろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
私から、まず、慢性咳嗽診療の実態についてお話しいたします。資料の3ページを御覧ください。後でも御紹介しますけれども、日本と各国から咳嗽診療ガイドラインが出ておりまして、一定の成果を上げてきたのですけれども、現実には、想定される複数の原因疾患に対する最大限の治療でも改善が不十分で、咳が消失せず、生活への支障、あるいは、いろいろな合併症、肋骨骨折、簡単に肋骨は咳で折れたりしますし、咳失神などで苦しむ患者さんが少なくありません。私の外来のカルテでも、咳喘息が多い原因疾患ですけれども、それにプラスアルファといったように、それぞれの疾患の治療で反応があるけれども、消失には至らない、何らかのほかの原因が残っている、そこが何か分からないので、非特異的治療薬、現状では保険適用がある中枢性鎮咳薬の使用を考えざるを得ないケースが多いということであります。
4ページ目を御覧ください。□□□□□□□□□で、6年間、遷延性・慢性咳嗽、3週間以上のせき、「狭義の」とはその異常の明らかな原因が分からない患者さんですけれども、そのうち、原因不明は3例の1%で、あとの309例は何らかの原因疾患があったわけですけれども、そのうちその原因疾患の十分な治療でも咳が十分に改善しない方が60例いらっしゃいまして、これを、治療抵抗例、Refractory chronic coughといいますけれども、原因を見いだせない、Unexplained chronic coughと合わせて、全体の20%が難治例であったということであります。
5枚目を御覧ください。新たな疾患概念としての難治性の慢性咳嗽ですが、これは世界でほぼ共通した臨床像がありますけれども、女性の中高年以上の方が多い。痰を伴わない乾性の咳の場合が多い。この病態を「咳過敏状態」と呼ぶわけですけれども、通常咳を起こさないような低いレベルの刺激で咳が起こる状態になります。その下の表に、咳嗽ガイドラインです。ガイドラインだと、ここに示した日本・ヨーロッパ・北米に加えて、イギリス、ドイツ、オーストラリアとメジャーな国からはほとんどこの咳嗽のガイドラインが出ていて、それほど、世界中で、咳の診断、特に治療に困っているということですけれども、日本のガイドラインでは難治性咳嗽、あるいは、欧米のガイドラインでは、RefractoryやUnexplainedという名前がついているわけであります。米国のICD-10では、Refractory chronic coughが診断コードに追加されております。
6枚目を御覧ください。中枢性鎮咳薬は、いろいろな問題があって、生体防御反応としての咳も抑え込んでしまって誤嚥を起こす懸念があります。現実に、ガイドラインでこれは使うなと言われているぐらいによくない。私も、ほとんど使うことはありません。それに替わるものとして、アミトリプチリン、ガバペンチン、プレガバリンといった薬剤が使われているのですけれども、当然これは承認外のお薬でありまして、また、中枢性の副作用が多いという問題があります。当院では、必要な患者さんには主にリリカを適応外使用として1錠ごとに倫理委員会の承認を経て保険外診療の自費で使っている状況であります。
7枚目、リフヌア錠の有効性について、ランセットに本年に論文が出たわけですけれども、COUGH-1とCOUGH-2という2つの試験の結果を示していますが、音声で咳をモニターするというゴールデンスタンダードの方法で咳を評価すると、プラセボと比較して有意に改善したということであります。少しプラセボ効果が大きいということは咳の臨床試験の特徴でありまして、明確な原因は不明ですけれども、随意的な咳嗽反射、あるいは、大脳皮質が抑制的に働く、咳は自分で我慢することもできますので、そのような影響があるのではないかということが言われております。
次に、8枚目を御覧いただければと思いますが、こちらは主観的評価です。先ほどは音声を評価した客観的指標でしたけれども、質問票であるLCQという咳のQOLを評価する方法で評価をすると、左にありますものが、1.3点以上、臨床的に意義のある改善した患者さんが、45mgを1日2回、適応を取った量では約77%で改善が得られ、右のグラフは経時的に変化を見ておりますけれども、常にプラセボや低用量のお薬よりもグラフは上に行っている、一貫して改善が得られているということでございます。
9枚目に移りますけれども、難治性の慢性咳嗽の患者さんは、長年咳に苦しんでいて、生活の質が著しく低下しています。既存の治療薬は効果及び安全性の両面で患者満足度が低い、従来の中枢性鎮咳薬はガイドラインでは使わないようにと書いているほどのお薬で私どももほとんど使うことはないということであります。患者さんの数は多いとは言えませんけれども、極めて医療ニーズが高いと言ってよいかと思います。このような難治性の慢性咳嗽に対して、有効性が検証され、承認された唯一の薬剤であります。一般に、咳嗽の臨床試験では、プラセボ効果が大きいために、プラセボに対する優越性に加えて、投与前からの変化量の大きさ、患者の主観的なQOL評価等を総合的に評価する必要があって、これらでも有意な改善が得られたということになります。味覚に関する有害事象が高頻度で出ますけれども、重篤な事象は発現しておらず、投与中あるいは投与中止後に回復しています。リバーシブルということであります。続発したと考えられる有害事象、食欲減退などは認められておらず、また、特別な検査なしに自覚症状として患者さんが分かる副作用なので、実診療下でも管理可能であると考えられます。また、既存の治療薬で見られる眠気やふらつき等の懸念は認められなかったということで、必要度の高い、有用性の高い薬剤であると考えております。
以上でございます。
○申請者
MSDの□□でございます。
最後に、最新の情報といたしまして、米国の審査状況について説明いたします。提示させていただいた10枚目になりますけれども、FDAに提出した申請資料に対しては、審査結果を受領しております。その中で□□□□□□□□□も指摘されておりますけれども、現在、FDAと協議を進めております。弊社といたしましては、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
以上、申請者側からの意見陳述を終了いたします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の先生方から、何か御質問があれば、お願いいたします。
□□先生、よろしいですか。
○委員
基本的に最初の説明に対して新たな説明があまりないようには思えたのですけれども、水かけ論になってしまうので、前回に比べて、何かございますでしょうか。質問というか、お願いをしたいのですけれども。
○薬価算定組織委員長
企業の方、いかがでしょうか。前回と比較して何か追加で主張したいことが新たに今回はあったのでしょうか。
○申請者
お答えさせていただきます。
今回、御専門の先生をお招きして、御専門の先生から本剤の有用性について御発言をいただくことが、まず、私どもにとっては新たなことと考えております。
細かい点といたしましては、前回しっかりと回答できていなかったCRLに関する情報を今回提出させていただいたところが、前回と変わる点かと考えております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
□□□□□□□□□□□□の先生からお話をいただけて、ありがたいなと拝聴いたしました。
中枢性鎮咳薬は一般的に実態としては使われていますが、それと比べるのではなくて、プラセボと比べての有効性の証明だったということを、背景も含めて、お話しいただいたと思います。
この加算に関しては、既存治療で効果不十分な疾患への有効性とされています。難治性の慢性咳嗽が、通常の咳嗽と連続的なものなのか、独自の疾患として、どういう患者さん、どういう特徴を持っている方に対して使うという対象者の明示も大事なことだと思います。亜急性や急性の咳嗽との連続性、独自の疾患概念としての位置づけをお聞きできればと思います。

○申請者(専門家)
御質問をありがとうございます。
□□□□データもお示ししましたけれども、ほとんどの患者さんは原因疾患を持っておりまして、喘息、胃食道逆流症、副鼻腔気管支症候群といった基礎疾患を持っている方が多いわけですけれども、それらの治療に対する反応性が不十分で、ある程度は改善をしても、咳が残って、生活の質が障害されて困っていらっしゃる患者さんが対象と考えております。そこに、ベースになる、咳が出やすいような状態があるだろうということが、「咳過敏状態」という言葉を使いましたけれども、そこに何かがあって、その一つのモレキュルがP2X3ではないか、ターゲットとなるモレキュルはP2X3ではないかということは、基礎実験を含めて想定されていて、そこをターゲットとしてお薬が作られて、よい結果が得られたということでございます。
○委員
ありがとうございます。
P2X3に対する薬は呼吸器系の先生方にとっては悲願と言えるものだと思いますが、将来のガイドラインにおいてc-fiberの重要性を示すような追加情報が加わって、そういう患者像が明確になるような方向に行くのでしょうか。
○申請者(専門家)
この薬剤の有効性に関しては、どういう疾患なら効くというところまでは、まだ十分な検証が行われていないところもあるかと思います。1つには、これはATPの状態なのですけれども、気道のATPを定量することは非常に難しくて、どういう状態でATPが増えるかということとしては不十分なところがあるのですけれども、ただ、臨床試験に入った患者さんは、先ほども申し上げたような種々の原因疾患を持っている患者さんがいるし、中には原因不明の方もいて、それらに満遍なく効果が出ていることが現象としては分かっておりますので、現時点では難治性の慢性咳嗽の患者さんに有効性が期待できる薬剤と考えてよろしいかと思います。
○委員
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
どうぞ。
○委員
重要な評価項目であるQOL、LCQで測ったもので、レスポンダーとノンレスポンダーの間の差が、今、私が御説明をお聞きしたら、1.3と聞こえたのですけれども、それで合っていますか。
○申請者(専門家)
これは、英国の研究者が開発した方法でありまして、オリジナルの開発者が検証した最低で改善して有効と判断できる基準が1.3ということで、これはきちんと論文化されたものでございます。
○委員
LCQというものは、全体の満点は何点ぐらいなのですか。例えば、100点で1点が動くのと、20点で1点が動くのは大分違うように思うのですけれども。
○申請者(専門家)
19項目で7ポイント、この点数が高いほど悪いということでございます。
○委員
19項目で7だから、百何十点か。
4ポツ目ですかね。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と思ったのですけれども、その解釈でいいのでしょうか。
○申請者
MSDの□□でございます。
今の御質問は、FDAからの指摘という点でよろしいでしょうか。
○委員
はい。4ポツ目に、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と思うのですけれども。
○申請者
ありがとうございます。承知いたしました。
この点に関しましては、御指摘のとおりでございます。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□といった状況がございます。この点に関しましては、□□□□□□□□□□□□□□のですけれども、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□は実施しておりまして、そうすると、プラセボとの差は開く傾向がありますので、□□□でも同様の結果が得られるのではないかと期待しております。
○委員
ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
その他、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
先生に伺いたいのですけれども、難治性の慢性咳嗽ということで先ほどお話しいただいたのですけれども、私は内科医なのですけれども、この病名はほとんどつけたことがないというか、そもそも病名なのかというところがちょっと悩むところなのですけれども、この薬剤が通ることによって初めて病名がつくというか、恐らくこの薬剤を出すときには「難治性の慢性咳嗽」とつけないと通らないとか、そういう形になるのでしょうか。
○申請者(専門家)
そもそもお薬を使う時点で難治性慢性咳嗽という判断をして使用することになると思います。
○薬価算定組織委員長
病名として、私は消化器内科なのですけれども、昔、アコファイドという薬剤が通ったときに「機能性ディスペプシア」という病名が初めてできたような思いがあるのですけれども、そのような感じなのですかね。今でも、例えば、「難治性の慢性咳嗽」という病名をつけて薬剤を使うことはあるのでしょうか。
○申請者(専門家)
この病名の適応を持っている薬剤はないので、いわゆる保険病名として使うことはありませんけれども、実臨床ではしばしばカルテに難治性慢性咳嗽で原因としては咳喘息やGERD等が考えられると、それらが関与した難治性の慢性咳嗽ということは日常的に行っております。
○薬価算定組織委員長
分かりました。
味覚障害に関して、実臨床で、これはあまり気にならない程度なのですかね。パーセンテージは多いのですけれども、治験のレベルになってしまうと思うのですが、先生の印象としてはいかがでしょうか。
○申請者(専門家)
臨床試験に関わった立場としては、非常に強烈に障害するようなレベルではないと認識をしております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
どうぞ。
○委員
教えていただきたいのですけれども、この薬効について、例えば、プライマリーエンドポイントの咳の頻度に関するベースライン値というもので、いわゆるプラセボ効果がかなりあるということが、もちろん有意差がしっかりあることは認識した上でなのですけれども、このプラセボ効果の大きさが、特別な評価をする上で少し引っかかるのですけれども、その辺りについてはどのようお考えでしょうか。
○申請者(専門家)
御質問をありがとうございます。
咳嗽の臨床試験は様々にあるのですけれども、どのような試験でも咳嗽という症状についてはプラセボ効果が大きいことはかつてから認識されているところです。その機序はよく分かっていないわけですけれども、大脳皮質が咳に関わっていると、咳反射は延髄の咳中枢で起こすわけですけれども、その上位の大脳皮質が咳をコントロールしているという少し複雑な関与をしておりまして、例えば、咳は、自分で出すこともできるし、我慢することもできますし、あるいは、心因性咳嗽という、ストレスがかかるとストレスから逃れるために咳が出るといった現象もありまして、大脳皮質が複雑な関与をしているということで、例えば、薬が効くのではないかと思ってしまったときに、暗示にかかって咳が出にくくなるといったことが、恐らくほかの症状よりは起こりやすいのではないかと考えております。
○委員
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員からは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
事務局、よろしいですか。
○事務局
事務局からは特にありません。
○薬価算定組織委員長
それでは、これで企業の意見の聴取を終了といたします。
企業の方は、御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
それでは、先生方、御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがですか。
○委員
意見は変わらないことと、私自身は、この革新性とか、もちろん薬効そのものは分かっているわけですけれども、プラセボ効果のほうがはるかに大きいということが、こういう特別の評価をするというところには、少し厳しいのかなと私は思っています。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがですか。
○委員
私自身は、咳に対しプラセボが非常に高く出るような臨床試験で有意差をつけて世に出てくること自体、この薬はすごいな、臨床で上手に使えばすごくいい薬になるのではと思って期待しています。革新性に関しても、ある程度はあるのですが、今までの言い方とずれてしまいますが、どういう方に対してこの薬剤が適応になるかがきちんと明示されて、疾患として認識されるようになるなら、将来的にこの薬をもっと高く評価しても良いと思っております。
現時点においては事務局案のままでいいと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員から、御意見はいかがでしょうか。
特にないでしょうか。
事務局、いかがですか。特にありませんか。
○事務局
特にございません。
○薬価算定組織委員長
今までのところ、特に事務局案に対する意見はございませんので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ルマケラス錠120mg
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、下井先生、山口正和先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
ありがとうございます。
今回、非小細胞肺がん転移・再発の二次治療の標準治療の一つとして新たに細胞内シグナル伝達阻害薬が承認されているということで、肺がんの診療ガイドラインも新しいものを拝見いたしました。現在の治療体系の中で、バイオマーカーに応じた、遺伝子異常に応じた治療薬の選定が第1推奨ということでございましたので、今回の事務局案の考え方、及び、そのほかにも様々な遺伝子異常に応じた治療薬が選定されておりますけれども、1日1回の投与などの状況を踏まえまして、事務局案が基本的には妥当であると判断したところでございます。
一方で、今回書かせていただいたものが、前回、10月だったかと思うのですけれども、RET陽性の肺がんに対するレットヴィモを評価した際に、ハの③-bには該当しない、すなわち、「対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられる」という点に関しては該当しないというこの組織の判断がございまして、そこと今回はどう違うのかというところが少し疑問でございました。今回の日本肺がん学会のガイドラインが昨年11月に改定されていて、そちらではこのRET陽性の肺がんに関してもレットヴィモが標準治療であるということで、こちらもフェーズⅠ・Ⅱ試験のエビデンスを基に最も強い推奨にはなっておりましたので、独立した項目があって、かつ、限定したエビデンスの中で標準治療に位置づけられているという点からは同じなのかなと感じたところがございます。そこからすると、これとどう差別化をするのか、理由づけが十分理解できなくて、御質問させていただいた次第でございます。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
□□先生が御指摘の臨床試験、フェーズⅠ・Ⅱのところに関しまして、レットヴィモと大きな差異がないという点については、御指摘のとおりと思います。
加算の該当性につきましては、平成25年度厚労科研費のいわゆる成川班の報告書におきまして、要件項目の該当性を判断する際の留意点としまして、標準的治療法として位置づけられるとはどういうことかということで、読み上げますと、国内外の診療ガイドライン等において第1選択薬としての使用が推奨されている場合などをいうとされてございます。事務局といたしましては、本剤の対象患者に対しては、NCCNガイドラインにおける位置づけに加えまして、特に国内の肺癌診療ガイドライン2021では、国内の承認申請にも使用された臨床試験結果の論文の引用とともに、KRAS遺伝子G12C変異陽性例の二次治療以降で、ソトラシブ、本剤の単剤療法が勧められていると明記されており、また、本剤が推奨の強さ1として位置づけられているものでございました。したがいまして、標準的治療法として位置づけられていることに関しましては明確に判断できるということで、加算③-bに該当すると判断させていただいたところでございます。
事務局からは、以上でございます。
○薬価算定組織委員長
□□先生、いかがですか。
○委員
まず、日本の肺癌診療ガイドライン上の強い推奨があるから標準治療であるという御指摘、及び、NCCNガイドライン上の位置づけも含めて、標準治療と位置づけに関しては理解いたしまして、私もそこは賛同しているところでございます。
一方で、レットヴィモと今回の差異に関して、以前のガイドラインの版とか、そういった点かと思うのですが、少し追加で教えていただくことはできますでしょうか。
○事務局
今、おっしゃられたとおり、レットヴィモの収載を算定させていただいたときの学会のガイドラインを拝見したときには、その時点ではレットヴィモについてガイドラインの記載が特段なかったということになってございます。この標準的治療に位置づけられるというところをガイドラインから判断するという点につきましては、どうしてもその算定の時々のガイドラインを拝見せざるを得ないと考えます。そのときのガイドラインで特段記載がなかったレットヴィモについて、その当時、標準的治療に位置づけられると評価するのは困難でございますし、逆に、今日、この瞬間のガイドラインを拝見いたしますと、本剤のルマケラス、ソトラシブにつきまして、明らかに、第1選択、第1推奨であることが分かる記載ぶりになっておりますので、それを評価しないことも難しかろうと考えてございます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
□□先生としては、今の位置づけとしては、RETもこのKRAS G12Cも、現在では変わらないだろうという感じなのでしょうね。
○委員
ありがとうございます。
エビデンス的には、基本的にガイドラインでは単群のフェーズⅡ試験を根拠のデータとして位置づけられているところではございましたので、一緒かなということと、現時点でのガイドラインではレットヴィモも独立した項目として強い推奨が書かれておりましたので、それらを基に、前回つけなかったハの③-bが今回はつくのはどうしてだろうかという疑問はあったのですけれども、前回、薬価算定組織を実際に行った際には、ガイドラインにその時点でレットヴィモの強い推奨の薬剤としての記載がなかったと教えていただきましたので、理解いたしました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
□□先生、よろしくお願いします。
○委員
まず、基本的には、今回の事務局案が適当であると判断しております。
事務局に御質問させていただきたいのですけれども、今回、最類似薬の選定が非常に難しかったのだと思うのです。このときに、申請者側からダブラフェニブが出ておりますけれども、こちらのダブラフェニブに関して、事務局側は、本剤の算定上の類似薬として適切とは言いがたいという判断をされております。その理由として、悪性黒色腫治療薬としてゼルホラフ錠を比較薬に薬価算定されていること、あるいは、悪性黒色腫治療薬としてゼルホラフ錠の薬価に有用性加算が上乗せされていること、トラメチニブとの併用を前提に既存の悪性黒色腫治療薬の1日薬価を2剤で等価に案分するという例外的な算定を行っているということで、最初からダブラフェニブは最類似薬から除外して考えたということでよろしかったでしょうか。
○事務局
御指摘をありがとうございます。
最類似薬の選定におきましては、先生の御指摘のとおり、イ・ロ・ハ・ニの観点で検討を行った上で、さらに、最類似薬をタフィンラー(ダブラフェニブ)に持ってきますとタフィンラーに対する有用性加算が乗ることの特殊性を勘案すると、タフィンラー錠を最類似薬として持ってくることは困難ではないかと考えたところでございます。最初から除外したというわけではなく、検討していく過程でこのタフィンラー錠は最類似薬には適さないのではないかと考えたところでございます。
○委員
分かりました。ダブラフェニブを最初から除外して考えたわけではなくて、一応イ・ロ・ハ・ニを考えた上でさらにということでよろしかったのですね。ありがとうございます。
○事務局
御指摘のとおりでございます。
○委員
市場性加算が申請者からはついていなかったのですけれども、アルンブリグ錠と比較して市場性加算がついたことは、事務局案として、よかったのかなと思っております。
私からは、以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、その他の委員から意見を求めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
世界的にも注目されている薬剤ですし、非常に期待されているのですが、今回、肺がんのミューテーション率ですかね。ALKとかと大体同じパーセントであるということが書かれていますけれども、このような類似薬を選ぶときにこうやって選ぶという方法は今までにもあったのでしたか。ミューテーション率が大体同じで多分同じぐらいの患者さんのポピュレーションが対象になるだろうということなのだと思うのです。何となく多少違和感があったのですけれども、いかがでしょうか。
○事務局
まず、今回、類似薬を選ぶ中で、イの観点でいうと、いろいろなチロシンキナーゼ阻害を含む遺伝子変異/転座を対象とする薬剤があって、どれもこれも近しいところがあって、その中でどれを選ぶかというところで選んでいるので、御理解いただければと思います。
その上で、抗がん剤治療薬であるチロシンキナーゼのドライバー遺伝子変異/転座を対象とする薬剤の事例ではないのですけれども、似たような疾患が幾つかあるような領域で、市場性、患者数の規模が大体同じになってくるような病気があり、そこの適応を持っているお薬を持ってくるというご説明をさせていただいている事例はあろうかと思います。お薬の値段の話ではあるので、患者の集団や市場規模等を念頭に薬価算定をすることはあり得るかとは思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員から、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織の組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ピヴラッツ点滴静注液150mg
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
ピヴラッツ点滴静注液150mg、特に意見を伺う委員として、齋藤先生、上野先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
ロイヤリティーの考え、有用性加算の考えを含めまして、事務局案が妥当であると考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
有用性加算は、事務局の案で妥当だと思います。海外ではまだ全く認可されていない薬が世界で初めて日本で認可されたという位置づけだと思いますので、ガイドラインは希望的観測で恐らく組み込まれていくものでしょうけれども、何しろ世界で初めてなので、存在しないものですから、ガイドラインに入りようがないというところでは、ちょっと厳しい条件だったかとは思いますが、事務局案で妥当だと思います。
ロイヤリティーに関してコメントはいたしましたけれども、これはあくまでも私の知識不足のコメントだったので、気にしないでいただいて、事務局として問題ないということであれば、それで結構だと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の皆様から、何か御意見や御質問等はございますでしょうか。
どうぞ。
○事務局
□□先生からコメントをいただいておりましたロイヤリティーについて、少し補足で御説明申し上げます。
本品に即して説明いたしますと、一般管理販売費として計上されておりますロイヤリティーにつきましては、例えば、導入元が行った試験のうち申請に必要な試験データにかかる費用であれば認めるということを御紹介したところですけれども、今回のロイヤリティーにつきましては、□□先生の御指摘のとおり、企業としては、日本での販売のために計上すべきロイヤリティーという区別をしていたところでございますけれども、販売権取得等の利益の再分配に該当するような費用という説明であったことから、査定させていただいたところでございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、御意見はございますでしょうか。
特にないようですので、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


エヌジェンラ皮下注24mgペン、エヌジェンラ皮下注60mgペン
日時:令和4年3月22日(火)※企業陳述あり

○薬価算定組織委員長
エヌジェンラ皮下注24mgペン、エヌジェンラ皮下注60mgペン、特に意見を伺う委員として、眞野先生、石原先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で妥当だと思います。
よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
基本的に、事務局案でいいと思います。
ちょっと迷ったのは、成人に対して1週間に1回にすることのメリットより、子供だったら結構大きいのかなと思ったけれども、その点は小児加算に入っているのかなとか、いろいろと考えて、これは事務局案でいいと思いました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
事務局、何か御意見はございますか。その辺は考慮されているのでしょうか。
○事務局
ありがとうございます。
そこは非常に悩ましい部分でございまして、過去に③-cの部分で加算を与えている事例などを見ましても、例えば、入院しなくてよくなるとか、通院回数が減るとか、点滴静注で何時間もかけて投与していたものがすぐ終わるといった事例がこの③-cに当たる部分では多く、単に投与回数が減るだけではこの加算については足りないと考えているところでございます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
よろしいでしょうか。
委員の先生方から、ほかに御意見があれば、お願いいたします。
よろしいですかね。
それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
最初に、エヌジェンラ皮下注についての御意見を5分以内で御説明ください。続いて、委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○申請者
よろしくお願いいたします。
ファイザー、□□でございます。
本日は、◇◇先生より、専門医のお立場で御説明をいただきますが、まず、最初に、私からスライドの1枚目で概要を御説明いたします。
本剤は、長時間作用型成長ホルモン製剤で、骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、小児疾患の治療薬でございまして、この小児のGHDにおきましては、日本では初めての長時間作用型製剤となります。週1回の注射により、現在、毎日の注射で生じる治療負担の軽減が期待できると考えております。
◇◇先生、よろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
スライド2番をお願いします。スライドに沿って、説明させていただきます。本剤の使用により、骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長、GHD治療の課題解決が期待されるものであります。概要を御説明しますと、現在、GHDの治療は、連日投与と呼んでいますけれども、毎日成長ホルモンGHD製剤の皮下注をされております。しかし、GHD治療は、乳幼児期から小児期の成長が完了するまで、非常に長く、10年など、継続するために、デイリー製剤と呼んでおりますが、この連日の皮下注射が患者及び保護者に与える時間的・労力的・心理的負担は非常に大きいと考えられます。長期にわたるGHD治療においてアドヒアランスを良好に維持することは容易ではなく、治療における課題の一つとされております。したがいまして、今回、週1回製剤であります長時間作用型のGHD製剤の開発が行われまして、本剤は小児GHDに対する初めての長時間作用型のGHD製剤であります。
データ的には、まず、ここに示しますように、海外におきまして、ソムアトロゴンのGHD治療における治療負担の軽減を臨床試験で検証しております。デザインでございますが、非盲検、無作為化、クロスオーバー、多施設共同試験でありまして、ソムアトロゴン週1回投与の治療により、ジェノトロピン連日投与との負担感の比較検討を行いました。被験者及び患者が記入しましたPatient Life Interference Questionnaireにより算出した全般的生活障害総スコアを評価材料にしております。下の図にありますように、シークエンス1はジェノトロピン1日1回投与からソムアトロゴンに、シークエンス2ではソムアトロゴンからジェノトロピンに変更しております。
その結果を示しますが、赤で囲みましたように、全般的生活障害総スコアの平均値が、ジェノトロピンの24点からソムアトロゴン治療期の8点に下がっておりまして、統計学的にも有意性を持って、全般的生活障害総スコアが減少しております。
項目を比較しますと、赤で囲っておりますように、注射スケジュールの利便性や注射スケジュールの継続意向などが、左の青側ですけれども、ソムアトロゴンがより好ましいと振れておりまして、週1回製剤のほうが利便性及び継続意向においてより好ましいという結果が得られております。
また、注射忘れの検討も行っておりまして、次のスライド6ですけれども、赤枠で囲っておりますように、一回も注射を忘れなかったという比率が、ジェノトロピンでは67%に対しまして、ソムアトロゴンでは90%を超えておりますし、忘れたほうは31%対3%という差が認められております。
また、これは国内で行われました別の試験ですけれども、注射スケジュールが週1回のほうがより好ましいというデータ、赤枠で囲った緑のところを見ていただけると分かりますが、連日よりも週1回のほうが好ましいという結果が出ております。
最後、まとめでございますが、本製剤によりまして、小児患者及び保護者の負担を軽減させ、治療アドヒアランスを向上させることが臨床試験において確認されました。注射スケジュールは最も重要で、連日よりも週1回投与が好ましいという結果が日本人の臨床研究でも出ているということであります。
説明は、以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から、何か御意見や御質問はございますでしょうか。
□□先生、いかがですか。
○委員
治験のところに関して、1つ、教えてください。例えば、スライド6に注射忘れのデータがあります。ジェノトロピンは毎日投与するものでソムアトロゴンは週1回投与ということなのですけれども、このソムアトロゴンの注射を忘れたというケースについては、例えば、週1回で、月曜日に本当は投与することになっていたけれども、忘れてしまって火曜日に投与したとか、水曜日に投与したという場合の取扱いがどうなっていたかということを教えてください。
○申請者(専門家)
ありがとうございます。
それは治験でも行われておりまして、血中動態から考えて、投与忘れをしても3日以内であれば投与可能で忘れたことにならずに、例えば、月曜日に打つものでありましたら、それを忘れても火曜日や水曜日に打ったら、注射忘れをしたことにはならないという判定になります。
○委員
ありがとうございます。
ジェノトロピンのほうは、毎日打つので、その日に忘れたら忘れたというカウントをしたということですね。
○申請者(専門家)
はい。
○委員
ついでに、同じスライドで、データの右側、注射忘れの理由ですけれども、これは複数回答が可能になっているデータでしょうか。
○申請者(専門家)
こちらに関しましては、複数回答も可能となっております。
○委員
分かりました。ありがとうございます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、何か御意見はございますか。
○委員
スライド5の利便性のデータですけれども、それとは別に、国内の009試験で、かなり注射部が痛いと、22人中16人が痛いと言っていて、ジェノトロピンのほうはもっと少ないというデータがあるし、それは海外でもそうなのですけれども、その辺のことはこういうところには出てこないのですかね。
○申請者
この002試験の中では、安全性データも取っておりまして、痛みに関しても取っております。ただ、本試験におきましては、ジェノトロピン群とソムアトロゴン群でいわゆる注射部位疼痛で大きな差がなかったという結果も出ております。009試験の結果と本試験の002試験の結果で若干違いがあるということが実際でございました。
○委員
分かりました。
○薬価算定組織委員長
他はいかがでしょうか。
○委員
お聞きしたいのですけれども、いいですか。その痛いということは、溶媒の酸性が強いとか、pHの酸性が強いとか、何か明らかに痛みが出ると推測されるような原因があるのですか。
○申請者
それに関しましては、弊社の中でもいろいろと検証はしているのですけれども、特にこれといった特定の原因は、今のところ、明らかになっておりません。
○委員
分かりました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員からはいかがでしょうか。
2つ目の生活障害総スコアを主要評価項目にした試験は、日本人は入っていないということなのですか。
○申請者
そうです。
○薬価算定組織委員長
そうすると、効果に関しては日本人では明らかに同等であるということですけれども、生活の質に関しては海外のデータということなのですね。
○申請者
はい。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○薬価算定組織委員長
現場では、日本でも同じような感覚であると考えてよろしいのでしょうか。
○申請者(専門家)
はい。最後のデータが日本の患者さん向けで、非常にGHDをたくさん診ておられる田中俊章先生のデータなのですけれども、私の実感でも、週1回製剤とデイリーとどちらを選ぶかと言われたら、圧倒的に週1回製剤となると思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員からはいかがでしょうか。
どうぞ。
○委員
先ほどの主要評価項目のいわゆる答えてもらう者が被験者及び患者と書いてあるのですけれども。
私は小児科医ではないので分からないのですけれども、すごく小さい子にも打つのですよね。そうすると、この主要評価項目は、そういう子は親が書いているということになるのですか。それとも、何歳か分かりませんけれども、6歳か8歳か分からないのですけれども、ちゃんと記入できる人が対象になっていると見たほうがいいのですか。
○申請者
それは、項目にもよるのですけれども、8歳未満と8歳以上で分けて評価しております。
○申請者
今回の試験に関しましては、中央値が11歳で、ややほかの臨床試験よりも高い年齢の患者さんが入っておりました。
○委員
年齢で機械的に切っているということですよね。さっきのものでいうと、「痛い」と言ったけれども、親御さんが「あまり痛がっていなかった」とつけるということも、8歳未満だったら可能性があるということですね。だからどうということではないですけれども。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員からはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
事務局、特にありませんか。
○事務局
国内009試験ではこういうQOL的な評価項目は取っていらっしゃらないということでしたでしょうか。
○申請者
はい。取っておりません。
○事務局
ありがとうございます。分かりました。
○薬価算定組織委員長
それでは、ないようですので、これで企業意見の聴取を終了いたします。
企業の方は、御退室をお願いいたします。

(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
さっきジェノトロピンとソムアトロゴンの注射忘れのところを企業の方に質問しましたけれども、投与機会の数が圧倒的に違うので、忘れた・忘れていないという項目を単純に比較するのはどうかと思います。逆に、7倍したらあまり差がないので、注射忘れに関しては、差がないと見たほうがいいのだろうと思います。利便性はもちろん週1回のほうがいいに決まっているのですけれども、加算をつけるまでではないと思いました。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがですか。
○委員
子供だから週1回にしてあげることは非常にいいと思うのですけれども、全体的に考えると、小児加算もあることですし、有用性という形はつけなくていいと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員からはいかがでしょうか。
これは事務局にお聞きしたいのですけれども、デイリーをウィークリーに変えることで、前回のもの、ソグルーヤについては、加算なしでつけたということですけれども、その他には、今まで、例えば、骨粗鬆症のお薬とか、月1回になったとか、そういうものだと加算がつくという、毎日が週1回だとつかないけれども、月1回だったらつくみたいな、何か基準みたいなものはつくられているのでしょうか。
○事務局
付いている事例を過去の前例でお話ししますと、令和元年8月に収載されているユルトミリスなどは付いてございまして、もともとエクリズマブ製剤では2週間に1回でよかったものがこのユルトミリスで8週間に1回でよくなるということで、6週間延長されているというところで、通院回数も減る、注射回数も4分の1になることから、③-cは該当しています。一概にこの期間だけ伸びればとお示しすることは難しいのですけれども、実際の事例としてはユルトミリスがあるかと思います。
今回でいうと、子供だからという部分をどこまで評価するかというところの1点に尽きるかと思ってございます。これは、先生方の御意見次第、御判断次第だとは思いますけれども、1つ、あるとすれば、利便性が高くてこっちが選ばれるということは、売上げといいますか、こっちが選好されるという部分で評価されるところもありますので、画期的で開発したことに価値があって薬価算定上評価しなければいけないほどのものなのか、単にベターなものだからということで評価するかどうかということは、1つ、論点としてあろうかと思います。
もう一点、今、ユルトミリス点滴静注を紹介させていただきました。これは通院回数が4分の1になるということで加算を認めた事例でございます。薬価算定組織の判断としてはそれで問題はないと思うのですけれども、こちらは費用対効果評価の対象の品目になっておりまして、費用対効果評価では通院回数の減少が定量的にQOLで評価できなかったということで、費用対効果評価のポイントとして認められなくて、加算部分の一定程度の割合が後ほど薬価から引き下げられたということがございました。費用対効果評価の専門組織でそういった検討もあったということでございます。費用対のところでこのように検討されてしまうから、我々のほうで薬価を引き下げなければいけないとか、薬価を上げてはならないというわけではないのですけれども、そういうことがあったということはお耳に入れておければと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
その他の御意見はいかがでしょうか。
これまでのところ、特に異議等はございませんので、このままでいきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ビンゼレックス皮下注160mg オートインジェクター、ビンゼレックス皮下注160mg シリンジ
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、田﨑先生、齋藤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
まず、キットの部材のところは事務局案でよいと思います。
ポイントになっています画期性加算の有用性加算のところですけれども、セクキヌマブに対して主要評価項目で有意をもった改善はあるけれども日本人でなくて参考データということで、ほかのセクキヌマブ対照の評価項目では有意な改善が認められていないことを考えると、ランダム化比較試験でしっかりとデータが出ているわけではないのではないかと。ただ、例えば、ウステキヌマブ、IL-23 p40に対する抗体や、アダリムマブ、TNF-αに対する抗体等では有意に出ている、ある程度有効性は認められるだろうということで、事務局案のように、②-2bでよろしいのではないかということで、私も賛同いたします。
ほかの疾病の改善報告、先ほどの期間が短くなるとかいうことについても、また、②-1b、分子標的の対象がIL-17AかIL-17Fかということなのですけれども、ほかの薬剤もIL-17Aが完全にないわけではないし、IL-17AとIL-17Fが両方あって機能していると思いますので、妥当な判断ということで、全て事務局案を支持します。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
私は、全く門外漢ですので、IL-17Fが加わったら、また作用機序が相当違って、単独ではないにしてもそれがいろいろな臨床試験に現れるのかなと思いましたけれども、大きくIL-17Aのところは共通だと理解しました。
イとハに該当しない、今論点になっている点も含めまして、今回の事務局案が妥当だと考えております。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、その他の委員の皆様から、御意見や御質問があれば、お願いいたします。
どうぞ。
○事務局
委員長、□□先生から補正加算で②-2aと②-2bとした事務局案の根拠をお願いしますということで御指摘いただいておりますので、事務局で先ほど御説明を差し上げたのですけれども、御説明を追加させていただければと思います。
○薬価算定組織委員長
お願いします。
○事務局
PS0009試験、PS0008試験、PS0015試験でございます。PS0015試験がコセンティクス、成分名で言いますとセクキヌマブ、今回の薬価算定における比較薬として使った成分を対照としている海外の臨床試験でございます。左側の2つが、若干作用機序の違う乾癬の薬、バイオ医薬品で、ステラーラが成分名で言いますとウステキヌマブ、ヒュミラが成分名で言いますとアダリムマブを比較対照試験としたものでございます。黄色く染まっている部分が主要評価項目、灰色の部分が副次評価項目でございまして、コセンティクスの対照試験、PS0015試験のみ、主要評価項目が違うという形になってございます。
本剤の評価に対してポジティブな側から説明させていただきますと、PS0015試験の主要評価項目が黄色で染まっているPASI100というものですけれども、本剤群で61.7%に対してセクキヌマブで48.9%、これでaというちっちゃい文字がついていますけれども、有意差がついているという形になっております。ランダム化比較試験で有効性を示したと一定程度認められること自体は、事務局も認識しているところでございます。ただ、事務局案の順番のとおりに説明しますと、1つは、まず、審査報告書の中でPMDAの評価としては「他の生物製剤と同様」の位置づけと書かれてございまして、ほかの生物製剤よりも有効性において優れているという評価が明確にされているわけではございません。臨床試験の結果を見たところですと、対コセンティクスの対照試験では48.9%対61.7%で結構ぎりぎりのところで有意差がついていますが、ステラーラの対照試験、ヒュミラの対照試験を見ていただきますと、パーセントが2倍程度ずれている、かつ、主要評価項目のPASI90と副次評価項目のPASI100の両方で一定程度差ができているように見えるところ、コセンティクスの対照試験では、PASI100は有意差が一応ついていますが、PASI90は有意差がなくパーセントもほぼ同じ程度の差にとどまってございます。これを見ますと、同じIL-17をターゲットとしている本剤とコセンティクスだと、有効性は必ずしも高い差が出ているわけではなくて、それ以外のステラーラやヒュミラに比べると有効性が高いのであろうと評価してございます。ただ、薬価算定上はステラーラもヒュミラもコセンティクスも加算のレベルとしては同じ水準で比較薬とされて算定されておりますので、ここに対して加算を乗せること自体は間違っていないと思います。対コセンティクスに対するランダム化比較試験による高い有効性を立証したというよりは、ステラーラやヒュミラに対して高い有効性を示していることも踏まえて、総合的に評価して「その他、客観性及び信頼性が確保された方法による」の②-2bとさせていただきました。
ただ、もし、先生方から御覧になりまして、比較薬コセンティクスの対照試験で十分高い有効性が示せている、これは臨床上価値のあるものだという御意見がございましたら、②-2aという算定もあり得るかとは思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。
どうぞ。
○委員
要件②-2aと要件②-2bは5%違うわけですけれども、エビデンスレベルの差ということですね。ランダム化比較試験があるのみでは②-2aにはならないという理解でよろしいのかなと思いました。基本的には事務局案に賛成なのですが、例えば、②-2aになるような、これが採用されるような場合にはどういう基準になるか、逆に言えば、②-2b以外になるようなランダム化比較試験があればなるのかなというところで、お聞きしたのです。
○事務局
②-2aがランダム化比較試験において明確につくパターンについては、承認の根拠となった主たる検証的な臨床試験がその比較薬とのhead-to-headの臨床試験で勝っているというケースであれば、審査報告書上も有効性の主たる評価項目として評価されると考えます。また、日本人が組み入れられた臨床試験であることが必要になろうかと思いますし、その差の出方も、統計的にぎりぎり差がついたということではなくて、明らかに臨床的に価値のある差であることは先生方が御覧になってもうなずけるものであるといったケースにおいては、明確に②-2aが付くのだと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
日本人が入っていない海外の試験を、日本できちんと最初からやれればよかったということですね。それで同じデータが出ていれば10%でもよかったという感じなのでしょうね。
○事務局
日本人が入っているかどうかという一軸だけで評価しているわけではないのですけれども、それも一要素だと思いますし、有効性の度合いがほかの比較試験と比べて差が大きくないところも、我々としては考慮しました。
○薬価算定組織委員長
□□先生、いかがですか。
○委員
総合的にということがどっちに行くかという点で疑問だったので聞かせていただいたのですけれども、こういうところにいろいろな先生方の御意見が反映されて決まっていくというプロセスがあればいいと思います。
基本的には、私は事務局案には賛成いたします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生からは、よろしいでしょうか。特に意見がないようでしたら事務局案を採用したいと思います。よろしいですか。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ウィフガート点滴静注400㎎
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、幸原先生、眞野先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、お願いいたします。
○委員
この薬剤は、機序としては全くの新規だと思います。ただ、実際に使われる感じとしては、今までのIVIg、ガンマグロブリンの投与がこれに替わっていく例がかなり増えてくるのではないかと。つまり、作用機序は違いますけれども、結果的には似たような感じ。もちろん血漿交換の替わりにもなるのですけれども、血漿交換はかなり侵襲が高い方法なので、今使われているIVIg、ヒトから作っているものですけれども、これはそれに替わっていくのではないかと思います。そういう意味で、本当に新規機序だと、有用性加算は認めなくてはいけないと思います。もちろん、開示率も低いですし、内容は分かりませんので、原価計算方式の算定方法は当然妥当だと思います。
有用性加算のところでちょっとだけ考えたことは、外来でもしこれを使う場合にどれほど有用かということを考えたときに、普通、持続皮下注というものもあるのですけれども、そうではない普通のIVIgだと、週に5日間来てもらうのですね。数時間、5時間や4時間と半日かかって点滴をするわけですね。論点は、それを週5日間やる替わりに、これは言わば週1回1時間ぐらいで4回ぐらい、4週間で来るということを、有用であると考えるかどうかというところぐらいかと思います。逆にまとめて来たほうが楽だという人も多分いると思いますから、言うほどの特別な有用性ではないのかもしれないと考えました。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局の案で妥当だと思っています。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生から、何かございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
事務局、日本で初めてなので、海外からの移転価格なのですけれども、海外価格が全くないのですが、これは日本が初めての上市ということでよろしいですか。
○事務局
そう記憶しておりますが、確認させてください。
いずれにしても、外資系企業でございまして、ヘッドクオーターは完全に外国にあって、日本のブランチとしては本国のヘッドクオーターから買い取って日本で流通させているだけという状況かと認識してございます。
○薬価算定組織委員長
分からないのですけれども、普通に考えると、結構高い薬剤であると思うので、この領域でこのような額なのかなと単純に疑問に思ったのです。
○事務局
事務局でございます。あまり追加の情報量としてはないのですけれども、昨年末にアメリカでは承認されておりまして、ただ、まだアメリカで値段はついていない状況です。欧州に関しては、まだ承認されていないようです。
○委員
例えば、ガンマグロブリンがありますよね。あれを1クールですると薬価として百数十万円がかかるのですよ。恐らくそれから考えて値段をつけているのではないかと僕は思うのです。
○薬価算定組織委員長
それに取って替わるようなものではありそうなのですか。
○委員
そうですね。大体それに該当するのではないかと。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ラピフォートワイプ2.5%
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、田﨑先生、古田先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
1日最大単位数量がポイントになるのだと思うのですけれども、事務局案の1押し分から計算した値が妥当ではないかと私は思いました。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
最類似薬等の考え方については、ありません。
事務局案で妥当と考えておりますが、1点、確認したいのは、もちろん単位数量はこう書いてあるのですけれども、患者さん用の説明書には1本14日分が目安ですと書いてはあるのですけれども、これは実際に患者さんに投与される分量をもって計算するというルールですよねということだけ、確認させてください。
以上です。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
御指摘ありがとうございます。薬剤量の考え方について、先生の御理解のとおり、実際に患者に投与される薬剤量に対して薬価を算定することが原則と考えております。比較薬、エクロックゲルは、1包装分が何日分かによらず1g当たりの薬価の原価で算定をしております。したがって、本剤の1日薬価合せでも、実際に使う量を基準にした算定となっております。また、本剤1本20gが14日分に相当しますという記載については、新医薬品の14日処方日数制限を念頭に、想定した日数よりも短い日数で使い切ってしまうことがないように、余裕を持たせた日数を記載したものと理解しております。したがって、20g割る14日という計算にはならないと考えております。
以上になります。
○委員
御説明をありがとうございました。理解いたしました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
それでは、その他の委員の皆様から、御意見がございましたら、御発言をお願いいたします。
よろしいでしょうかね。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


アベクマ点滴静注
日時:令和4年3月22日(火)

○薬価算定組織委員長
特に意見を伺う委員として、齋藤先生、佐藤先生、谷本先生にお願いしております。
事務局は、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
キムリアが最類似薬になった理由も、委員の先生の御意見、今の事務局の御説明で大変よく分かりました。それも含めまして、事務局案が妥当であると考えます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生から、何か御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
事務局案は、キムリアと全く同じ値段ということですよね。治療法は考慮されていますけれども、その疾患やその疾患に対するガイドライン上の位置や効能・効果に関してはあまり考慮されないのですけれども、その辺が次々と出てきたときには、作用機序が大体同じだからと同じように薬価がついてくるという感じになるのですかね。
○事務局
なかなか難しい御指摘になります。極めて特殊な治療方法、CAR-T細胞治療ということで、このキムリアを算定したときの考え方としても、恐らくほかの抗がん剤治療とは全く違う位置づけの治療方法として価格設定をせざるを得なかったということだと思いますので、治療方法としては値段が別途存在しているという状況において、この価格帯と合わせることは一つの考え方だと思います。値段がずれてくるとすれば加算のつけ方になってくると思うのですけれども、作用機序といいますか、製品特性に着目して薬価算定をしている以上、新規の作用機序という観点で評価することは多分違うのであろうと思います。むしろ、対象腫瘍に対する治療の改善、これもエンドラインで使っている以上はキムリアと同じになってくるような気はしますけれども、何か特筆すべきような、これまで本当に治療方法がなかった患者群に対して特に使える何かがあるとか、そういったことがあれば、評価ができるのではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
難しいですよね。これが固形がんとかで出てきて、セカンドライン、サードラインという概念が出てきたときに、果たしてこの値段で出せるのかといったら、無理ではないかと思うのですけれども、そのうち出てくるときにどういう合わせ方をするのかということは疑問に思ったので、お聞きしました。まだ今後の課題だとは思いますけれども。
○事務局
おっしゃるとおり、今後の課題だと思います。そういった点でいうと、一つあるのは、市場規模を見ていただきますと、今回、ピーク時、149人という形になっております。これまでのキムリアとかも大体200人ぐらいだったと記憶しておりまして、大体市場規模が同じで、同じ製造スケールでやっている世界においては、同じぐらいの価格帯になることは、ある種、合理的というか、リーズナブルなようにも思います。一方で、こんな製品がその1桁高い人数で使われることは想像しがたいかもしれないのですけれども、患者数が1桁増えてくるようなことがございましたら、それはまた製造原価も大きく変わってくるでしょうし、そこはまた改めて考えなければいけないのではないかと現時点では考えます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、御意見はいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目についても事務局見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。