2022年3月9日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

日時

令和4年3月9日(水)18:00~

出席者

出席委員(15名)五十音順
(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(6名)五十音順

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会のWeb会議を開催させていただきます。本日はお忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からWebでの審議とさせていただきます。まず本日のWeb会議におきます委員の出席状況ですが、赤羽委員、飯島委員、合田委員、小崎委員より御欠席との御連絡を頂いております。それから長谷川委員、川上委員、武田委員、田﨑委員はまだ御参加いただいておりませんが、後ほど御出席いただけるものと考えております。
 そういたしますと、現在のところ当部会委員数21名のうち13名の委員が御出席いただけているということになるかと思いますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続きまして部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問などに就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様から薬事分科会規程第11条に適合する旨を御申告いただいておりますので御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。それでは森部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○森部会長 はい、お願いします。それでは本日の議題に入ります。まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは本日のWeb会議に係る資料の確認をさせていただきます。本日はあらかじめお送りさせていただいた資料1~9、前回の積み残しである資料14~20を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。このほか資料21として薬事分科会における取扱い等の案を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。なお、システムの動作不良などがありましたら、会議の途中でも結構ですので事務局までお申し付けください。以上です。
○森部会長 本日は報告事項15議題、そのほかの事項1議題となっております。それでは報告事項の議題に移らせていただきます。初めに不妊治療に係る品目であります議題1~9、議題11及び議題12について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題1~9並びに11及び12について御報告いたします。これらは不妊治療に関する議題となります。不妊治療に関しては令和2年5月29日に閣議決定されました「少子化社会対策大綱」において、不妊治療の経済的負担の軽減を図るために、適応症と効果が明らかな治療には広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充するとされており、令和2年12月23日に実施された社会保障審議会医療保険部会において、不妊治療に標準的に用いられる医薬品について、令和4年度当初から保険適用することが結論付けられております。これを受けて令和2年度から公的な研究事業において、不妊治療において標準的に使用されている医薬品の実態調査や、それを踏まえた生殖補助医療の標準化を目的とした検討が行われ、令和3年6月には日本生殖医学会において「生殖医療ガイドライン」が取りまとめられました。薬事審査においては、令和3年7月30日に発出した通知にてガイドラインにおいて使用が推奨され、学会からの要望がある医薬品については、これらの公的研究事業の成果を活用した公知申請が可能であることの取扱いとしております。
 今般、日本生殖医学会からクロミッド錠50mg、ル・エストロジェル0.06%、ジュリナ錠0.5mg、ディビゲル1mg、エストラーナテープ0.36mg及び同テープ0.72mg、ジェミーナ配合錠、ルナベル配合錠LD、ルナベル配合錠ULD、ヤーズフレックス配合錠、ヒスロン錠5mg及びデュファストン錠5mgに関する薬事承認の要望書が提出され、各製剤の製造販売業者から、先ほどの公的研究事業の結果等に基づいて、不妊治療に関する効能・効果の追加に係る承認事項の一部変更の申請がなされました。
 機構における審査の結果、議題1のクロミッド錠50mgの申請に係る有効性及び安全性は医学薬学上公知に該当すると判断し、本薬は遺伝毒性を有する薬剤であることを踏まえ、「関連学会と連携の上、本剤投与下で形成された精子を用いた妊娠での児への影響に関してデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」を承認条件として付した上で、承認して差し支えないと判断いたしました。
 また機構における審査の結果、議題2~9並びに11及び12の申請に係る有効性及び安全性は、医学薬学上公知に該当すると判断し、承認して差し支えないと判断いたしました。以上となります。
○森部会長 ありがとうございました。では委員の先生方から御質問等ありましたらお願いいたします。御質問、御意見等いかがでしょうか。
○佐藤(直)委員 佐藤ですけれども、一つよろしいでしょうか。最初のクロミッド錠の乏精子症に関するということで、女性と男性とで安全性といいますか副作用について、やはり多少違いがあるのではないかと思うのですけれども、資料を拝見させていただく限りでは、ちょっと男性に関する副作用のデータとかが余りないようなのですけれども、その辺はどうなっているのか教えていただけますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。今の御質問なのですけれども、男性に対する副作用というのは全般的なという意味でよろしいでしょうか。
○佐藤(直)委員 はい。
○事務局 ありがとうございます。可能であれば機構から説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構でございます。説明させていただいてもよろしいでしょうか。
○森部会長 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。先生から御指摘を頂いた乏精子症を男性に投与したときの発現する副作用については、資料No.1の審査報告書17/26ページからお示しをしています。生殖医療に係る医薬品の国内使用実態調査で確認できた副作用としては蕁麻疹があります。またそのほかに、本申請における適応で使用した症例に関する副作用報告で、脱毛症、肝機能異常、ざ瘡等が認められております。18/26ページの「機構は、以下のように考える」から始まる段落中に書いてありますが、そのほか男性に特徴的なものとしては女性化乳房の副作用が報告されておりますので、その内容に関しては添付文書で注意喚起しているところです。御説明になっておりますでしょうか。
○佐藤(直)委員 はい、この部分は拝見したのですけれども、ちょっと何か件数とか少ない。海外とかでも使われているので、その辺の情報も特に大きな違いはないのか、ちょっと確認したかったのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答させていただきます。今回資料として提出された公表文献等では具体的な件数等までは確認できていないのですが、発現している事象に関しては国内外で特段違いがないと考えております。以上です。
○佐藤(直)委員 はい、ありがとうございました。
○森部会長 機構の方に一つお伺いします。今、お話を頂きました7.R.2の項目を反映して添付文書はどういった記載になっているか御紹介いただけないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。添付文書をお開きいただければと思います。添付文書(案)の11項の11.2「その他の副作用」の表の「その他」に男性でのみ起こっている事象として女性化乳房、ざ瘡、脱毛を注意喚起させていただいております。以上です。
○森部会長 どうもありがとうございました。以上の御質問、御回答について先生方から御意見はありますでしょうか。そのほかに先生方から御質問等ありましたらお願いします。ありませんでしょうか。それでは報告事項の議題1~9、議題11、議題12については御確認いただいたものとさせていただきます。続きまして、そのほかの報告議題に移らせていただきます。
 報告事項議題10及び議題13~15について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 まず報告事項の議題10、資料14、医薬品スピンラザ髄注12mgの製造販売承認事項一部変更承認について説明いたします。本剤はヌシネルセンナトリウムを有効成分とする注射剤であり、現在、脊髄性筋萎縮症の効能・効果で承認されております。今般、海外臨床試験成績等を基に、バイオジェン・ジャパン株式会社より「臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症」に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
 続いて報告事項の議題13、資料17、医薬品リンパック透析剤TA5の製造販売承認について説明いたします。本剤は透析型人工腎臓の灌流液であり、同じ用途で既承認のリンパック透析剤TA3の組成を基本として、K、Mg、Ca等の電解質イオン濃度やブドウ糖濃度を、他の既承認同種同効薬の組成の範囲内で変更した類似処方医療用配合剤です。今般、ニプロ株式会社から、血液透析療法を施行中の慢性腎臓病患者を対象とした臨床試験成績等に基づき、医薬品製造販売承認申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を既承認のリンパック透析剤TA3と同一の効能・効果で承認して差し支えないと判断いたしました。
 続いて報告事項の議題14、医薬品の承認条件について報告いたします。資料18の2/11ページを御覧ください。オプスミット錠は、平成27年3月26日に肺動脈性肺高血圧症の効能・効果で承認されており、その際、全例調査に係る承認条件が付されております。今般、ヤンセンファーマ株式会社から、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構における評価の結果、収集された患者背景、安全性及び有効性に関する情報から、現時点で新たな懸念は生じておらず、本来の適正使用に必要な措置は講じられていることから、承認条件が対応されたものと判断しております。
 続いて報告事項の議題15、医療用医薬品の再審査結果について報告いたします。資料19-1~19-3を御覧ください。今回、再審査の対象となった品目はソリリス点滴静注300mgの非典型溶血性尿毒症症候群に関するものと、同じくソリリス点滴静注300mgの発作性夜間ヘモグロビン尿症に係るもの、それからエビリファイ持続性水懸筋注用300mgが対象となっております。これらについて、製造販売後調査等に基づいて再審査申請が行われ、機構における審査の結果、承認事項の効能・効果、用法・用量等のいずれについても変更の必要のないカテゴリーIと判定されております。以上です。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。まず議題10について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。特によろしいでしょうか。続いて議題13について、いかがでしょうか。特にありませんか。では議題14について、いかがでしょうか。特にありませんか。最後に議題15について、いかがでしょうか。全体を通して、特によろしいでしょうか。それでは報告事項の議題10及び議題13~15については、御確認を頂いたものといたします。
 続いて、そのほかの事項、議題1に移ります。機構から説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品オンデキサ静注用200mgについて、機構より説明いたします。資料No.20の審査報告書、通し番号で全89ページ中87ページの審査報告書(2)を御覧ください。本品目の有効成分であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)は、直接作用型活性化血液凝固第X因子阻害薬による抗凝固作用を中和する薬剤であり、令和3年8月30日に開催された当部会において、「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果として承認可との御判断を頂き、薬事分科会に報告することとされました。
 その後、申請者より本申請の根拠となる臨床試験の有効性主要評価項目の一つとされていた、抗FXa活性の基データの信頼性に関する懸念事項が報告されました。本件は当該臨床試験の治験依頼者であるPortola Pharmaceuticals社が申請者により買収され、Portola社から申請者にデータ移管がなされた際に、申請者が抗FXa活性を測定していた外部検査会社に対して実施した監査により判明したものです。
 報告された信頼性に関する懸念事項について、機構による追加の信頼性調査を実施した結果、抗FXa活性の基データの一部が保存されていなかったこと等から、該当する症例を除外した上で評価を行うことが適切と判断しました。以上を踏まえ、有効性解析対象集団347例から、基データが保存されていなかったリバーロキサバン投与例1例を除外した、残り346例での有効性を再確認した結果、審査報告書の通し番号88ページ表Iに示したとおり、事前に設定された有効性の目標を達成し、除外前と同様の結論に至ることを確認しました。以上の検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの前回審議で頂いた結論には影響しないと考えられることを、当部会において報告させていただくとともに、薬事分科会に報告させていただきます。説明は以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。機構の方、一つ教えてください。これは添付文書はどのようになるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書についても資料をお示ししておりますが、臨床成績の項を除外後のデータに差し替えて情報提供をさせていただくことになります。
○森部会長 はい、そのように理解いたしました。そのほか、委員の先生方から御質問はありますか。よろしいでしょうか。では、そのほかの事項についても御確認を頂いたものといたします。そのほか事務局から報告等はありますか。
○事務局 次回の部会は4月28日(木)午後4時から開催の予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)