照会先
労働基準局安全衛生部安全課
- 課長
- 釜石 英雄
- 主任中央産業安全専門官
- 中村 宇一
- 課長補佐
- 船井 雄一郎(内線5482)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3225
報道関係者各位
令和3年の労働災害発生状況を公表
~死亡者数、休業4日以上の死傷者数は共に増加~
厚生労働省では、このたび、令和3年の労働災害発生状況を取りまとめましたので公表します。
令和3年1月から12月までの労働災害による死亡者数(以下「死亡者数」という。)は867人(前年比65人・8.1%増、平成29年比(以下「29年比」という。)111人・11.3%減)と4年ぶりに増加となりました。休業4日以上の死傷者数(以下「死傷者数」という。)は149,918人(前年比18,762人・14.3%増、29年比29,458人・24.5%増)と平成10年以降で最多となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害による死亡者数は89人(前年比71人・394.4%増)、死傷者数は19,332人(前年比13,291人・220.0%増)と前年に比べ大きく増加しました。
労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第13次労働災害防止計画」(以下「13次防」という。)(平成30年度~令和4年度)では、29年比で「死亡者数を15%以上」、「死傷者数を5%以上」減少させることを目標にしています。
死亡者数については、平成30年から令和2年までの3年間には13次防の目標の達成が可能となるペースでの減少となっていたものが、令和3年は増加に転じ、13次防の目標を達成するためには、これまで以上の大幅な減少が必要な状況となっています。また、死傷者数については、平成29年と比較すると13次防の重点業種である陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設及び飲食店を中心に増加しており、13次防の目標の達成が困難な状況となっています。
13次防の最終年度となる令和4年度は、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止の徹底を図りつつ、建設現場等における足場等の高所からの墜落・転落災害、陸上貨物運送事業において多発している荷役作業中の災害の防止対策の徹底、小売業及び社会福祉施設で多発している転倒や腰痛による労働災害防止を図るための意識啓発を通じた自主的な安全衛生活動の普及・定着等を重点に取り組んでいきます。
- 【令和3年労働災害発生状況の概要】
-
- 1死亡者数 ※1
- 死亡者数は867人と、平成30年から令和2年までの3年間には13次防の目標の達成が可能となるペースでの減少となっていたものが一転して13次防の目標を達成できなかった。
- 13次防の重点業種では、建設業が288人(前年比30人・11.6%増、29年比35人・10.8%減)、製造業が137人(同1人・0.7%増、同23人・14.4%減)、林業が30人(同6人・16.7%減、同10人・25.0%減)となった。
- 2死傷者数 ※2
- 13次防の重点業種では、陸上貨物運送事業が16,732人(前年比917人・5.8%増、29年比2,026人・13.8%増)、小売業が16,860人(同1,519人・9.9%増、同2,979人・21.5%増)、社会福祉施設が18,421人(同5,154人・38.8%増、同9,683人・110.8%増)、飲食店が5,095人(同142人・2.9%増、同374人7.9%増)と前年比で増加した。
- 事故の型別では、新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害を除くと、特に死傷者数が最多の「転倒」(前年比2,743人・8.9%増、29年比5,362人・18.9%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」(同1,656人・8.7%増、同4,600人28.4%増)で大きく増加した。
- 年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、38,574人(前年比3,646人・10.4%増、29年比8,547人・28.5%増)となった。
- 3業種別の労働災害発生状況
- 製造業の死亡者数は、前年比で1人(0.7%)増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。
- 建設業の死亡者数は、平成29年以降減少傾向にあったが、前年比で30人(11.6%)増と大きく増加した。事故の型別では、「墜落・転落」が最も多く、「交通事故(道路)」(前年比12人・32.4%減、29年比25人・50%減)で減少した。
- 林業の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」(前年比1人・7.1%増、29年比6人・28.6%減)が前年比で増加したが、「墜落・転落」(同4人・44.4%減、同2人・66.7%増)等が前年比で減少した。
- 陸上貨物運送事業の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が4,496人と最多で、「動作の反動・無理な動作」(同250人・9.1%増、29年比781人・35.5%増)及び「転倒」(209人・8.0%増、29年比573人・25.6%増)で増加した。
- 小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除くと、いずれの業種も事故の型別では、「転倒」が全数の約3割前後を占め、多い。
- ※1死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。
- ※2事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。
なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。 - ※31年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合。
1年間の休業4日以上の死傷者数/1年間の平均労働者数 ×1,000 で算出。
- 1死亡者数 ※1