2022年3月4日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録
日時
令和4年3月4日(金)14:00~
出席者
- 出席委員(11名)五十音順
-
- 合川勇三
- 青山久美
- ○池田和隆
- 遠藤容子
- 北中純一
- ◎関野祐子
- 田中理恵
- 出水庸介
- 舩田正彦
- 松本俊彦
- 丸井一弘
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人1名
- 行政機関出席者
-
- 鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
- 佐藤大作(監視指導・麻薬対策課長)
- 荻原和宏(監視指導・麻薬対策課監視指導室長)
- 小牟田竜一(監視指導・麻薬対策課薬物取締調整官) 他
議事
○佐藤課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催させていただきます。委員の先生方には、大変御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。はじめに、事務局から報告をさせていただきます。事務局に人事異動がございまして、実際には昨年3月審議会の対面開催以降ということになりますけれども御報告いたします。昨年9月14日付けで監視指導・麻薬対策課長を拝命いたしました佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。昨年3月以降の人事異動で着任しております薬物取締調整官の小牟田でございます。監視指導室長の荻原でございます。危険ドラッグ監視専門官の福田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日はWeb開催でございますが、関野部会長、田中委員、舩田委員には、会場にお越しいただいております。現在のところ、当部会の委員11名のうち10名に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを初めに御報告いたします。青山委員は遅れて御参加との御連絡を頂いております。また、本日は参考人といたしまして、□□□□□□の□□先生をお招きしております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、部会を開催する前に、本部会の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。審議会総会における議論の結果、会議を公開することにより、委員の自由の発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されたことから、本部会につきましては非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで発言者等に対して外部からの圧力や干渉、危害が及ぶおそれが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとさせていただいておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
それでは、以後の議事進行は関野部会長にお願いします。よろしくお願いいたします。
○関野部会長 それでは、今、局長がいらっしゃいましたので御紹介をお願いいたします。
○鎌田局長 医薬・生活衛生局長の鎌田でございます。どうも遅参して失礼いたしました。
日頃より薬事行政、取り分け、こうした規制薬物の関係についてはお世話になっております。今、いろいろ規制薬物については様々な問題がありまして、我々、政府が取り組む課題はありますが、日々こういったことについて取り組むことがその基礎になりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○関野部会長 よろしくお願いいたします。それでは、本日の部会の資料の確認及び注意点につきまして、事務局よりお願いいたします。
○事務局 本日の資料の確認をさせていただきます。会場にお越しいただいている委員はタブレット、また、Webで御参加いただいている委員は紙資料の御確認をお願いいたします。資料がタブレットの委員につきましては、部会資料のフォルダに入っておりまして、資料は、資料1、資料2-1~資料2-4までと資料3、紙資料も同様となっております。フォルダを戻っていただきまして、参考の文献としまして、1~29までを配布しておりまして、続いて、参考資料のフォルダとしまして、1~3の資料を入れております。資料については以上となりますので、資料やタブレットの操作等について御不明な点がありましたら、事務局までお申し付けください。また、今回はWeb開催のため、審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と、発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から順に発言者を指名していただきます。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。本日の議題は指定薬物の指定についてです。それでは審議に入りたいと思います。審議物質について事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 では、部会資料のフォルダを御覧ください。資料1につきましては、今回6物質あり、各物質の名称、通称名、構造式を記載しております。また、資料2につきましては個別に説明させていただきますが、御審議いただく物質のほか、構造が類似する指定薬物や麻薬等について一覧表にまとめております。資料3は、国内外の基礎研究や動物実験の結果等について、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものになっております。それでは、カンナビノイド系物質である物質1について説明いたします。
資料2-1を御覧ください。こちらがエクセル表で物質をまとめたものですが、カンナビノイド系である物質1、通称名5F-EDMB-PICA及びこれに構造が類似する指定薬物について、カンナビノイド受容体に対する影響、中枢神経系への作用等をまとめております。こちらは5F-EDMB-PICAは、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しておりまして、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2-1については以上となります。
続いて、資料3の1ページを御覧ください。資料3の1ページの5F-EDMB-PICAの構造式を載せておりますが、こちらは指定薬物である5F-EDMB-PINACAと構造が類似する化合物です。
続いて、2ページの(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察を御覧ください。マウスに5F-EDMB-PICAを15mg添加したマーシュマローリーフ0.25gを燃焼させ、マウスを薬物にばく露させて、燃焼後15分、30分、60分後の行動及び中枢・自律神経症状について観察した症状を記載しております。
次に、3ページ~4ページの表1~3に、5F-EDMB-PICAに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また、5ページに、観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで、こちらの5ページの写真と併せて実際の動画を共有させていただきますので御覧ください。
1つ目は、ばく露開始約11分後のマウスですが、ボックス内に煙が充満後、仕切り網に昇り降り、激しい飛び跳ね、けいれん、眼裂の縮小が見られ、伏臥位あるいは仕切り網にもたれ掛かり静止状態になることが確認されております。次が、燃焼終了後約30分経過したマウスですが、伏臥位姿勢にて静止、指間離開、後肢外反、眼裂の拡大が確認されております。
3つ目ですが、ばく露終了後約30分経過後のカタレプシー試験陽性が確認されたマウスの様子となっております。カタレプシー試験につきましては、燃焼終了後15分で5匹全て陽性、30分では2匹が陽性、3匹が陰性で、60分経過したところで5匹が全て陰性となっています。動画は以上となります。
資料3に戻っていただきまして、6ページを御覧ください。6ページの(2)カタレプシー試験の結果については、先ほど申し上げたとおりでございます。
続いて、(3)ヒトカンナビノイド受容体機能評価について御覧ください。こちらにヒトカンナビノイド受容体(CB1及びCB2受容体)に対するアゴニスト活性EC50を算出した結果を載せております。CB1受容体について、S体は1.75×10-9mol/L、R体は1.67×10-7mol/Lで、CB2受容体につきましては、S体が2.47×10-7mol/Lで、R体は求めることができませんでした。これらの結果から、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性があることが報告されております。
以上の結果から、5F-EDMB-PICAは、中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
続いて、資料3の(4)海外での流通状況について報告させていただきます。2020年にドイツやロシア、アメリカなど12か国において、2021年にイギリスやアメリカにおいて流通が確認されております。
最後に、(5)海外での規制状況について、スウェーデンやアメリカのバージニア州で規制されていることを確認しております。物質1については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出事例はございませんでした。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御意見を頂きたいと思いますが、御意見のある先生方はございますか。もし意見がありましたら、挙手のボタンを押してください。
では、御意見がないということでよろしいですか。
それでは御意見がないようですので、審議を取りまとめます。ただいま御審議いただきました1物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、了承いただきましたので、引き続き事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、オピオイド系である物質2について御説明いたします。資料2-2のファイルを御覧ください。こちらはオピオイド系である物質2、通称名Etonitazepyne並びにこれらに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、オピオイド受容体に対する影響、マイクロダイアリシスのデータ等をまとめております。Etonitazepyneは、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、オピオイド受容体への影響も過去に指定した指定薬物と同程度有することを確認しております。資料2-2の説明は以上となります。
資料3の7ページを御覧ください。Etonitazepyneの構造式を載せております。構造としては、下に記載の麻薬であるMetonitazeneに構造が類似する化合物です。
8ページを御覧ください。(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察については、マウスにEtonitazepyneを0.2、1、10mg/kgを腹腔内に投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。
また、9ページから10ページの表1~3に、Etonitazepyneに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また、11ページ及び12ページに、観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで、こちらの写真と併せて実際の動画を御覧ください。こちらの動画ですが、0.2mg/kg投与群の投与後約3分経過したマウスで、挙尾や後肢踵を上げた忙しい旋回歩行、後肢指間離開、眼裂の拡大などが確認されております。次の動画は、投与後120分経過したマウスで、忙しい旋回歩行、眼裂の拡大が確認されております。次は、1mg投与群の投与後、約3分経過したマウスになりますが、伏臥位状態での寄り掛かりや激しい飛び跳ね、挙尾、眼裂の拡大、後肢踵を上げた忙しい旋回歩行が確認されています。こちらが投与後約120分経過したマウスですが、忙しい旋回歩行や後肢指間離開、眼裂の拡大などが確認されています。こちらからが10mg投与群の投与後、約3分経過したマウスですが、挙尾及び後肢指間離開が見られており、忙しい旋回行動後、正常歩行できない状態などが確認されています。こちらは最後になりますが、投与後120分経過したマウスで、挙尾反応や後肢指間離開及び伏臥位状態にて静止状態などが確認されています。動画は以上でございます。
資料3の13ページの(2)自発運動における運動量の測定を御覧ください。マウスにEtonitazepyneを1mg/kg経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定しております。各群マウス4匹を使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、総運動量と大きい運動量、総移動距離は、投与後40分~180分では対照群と比べて増加傾向を示し、110分~180分では有意に増加しております。立ち上がり回数は、投与後10分~110分では対照群と比べて減少傾向を示し、10分~50分と、70分では有意に減少しております。
14ページのマイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。Etonitazepyneを約3.2mg/kgで腹腔内投与群を5匹、コントロール群を6匹用いて、モノアミン増加率の有意差をウェルチのt検定で求めたところ、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンのいずれも有意に増加することが確認されました。
続いて、15ページの(4)ヒトオピオイド受容体に対する受容体評価試験を御覧ください。Etonitazepyneのヒトオピオイド受容体に対するアゴニスト活性を明らかにするため、EC50を算出しております。μ受容体のEC50は1.55×10-10mol/Lで、κ受容体のEC50は求めることができませんでした。
以上の結果から、Etonitazepyneは中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高いと考えております。
また、15ページの(5)死亡事例については、アメリカで死亡事例8例の血液を分析したところ、Etonitazepyneが検出されており、うち1例はEtonitazepyne単独検出されたとの報告がありました。また、(6)海外での流通状況については、2021年にカナダ、アメリカ、ベルギーにおいて流通が確認されています。最後に(7)海外での規制状況については、ハンガリーで規制されていることを確認しています。物質2については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出例はございませんでした。以上です。
○関野部会長 それでは委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。
○□□委員 よろしいですか。
○関野部会長 はい、お願いします。委員のお名前が見えませんので、お名前をお願いします。
○□□委員 □□□□の□□です。ちょっとマイナーなコメントですが、資料3の7ページ目の真ん中ぐらいに構造類似物質というところで、ここにカタカナで化学名が書いてありますが、こちらの化学名が間違っているようです。正しくは、資料2-2のテーブルの上から3つ目の化学名、物質名「1-(ジエチルアミノ)」という化学名が正しいので、後ほど修正いただければと思います。以上です。
○事務局 大変失礼いたしました。修正させていただきます。
○関野部会長 修正をよろしくお願いいたします。ほかに御意見はございませんでしょうか。
○□□委員 □□です。今の7ページの所ですが、Metonitazeneになっています。
○事務局 はい。
○関野部会長 7ページの上。
○□□委員 それが麻薬になっているのですが、Metonitazeneであれば、これは指定薬物だと思います。それで、isotonitazeneであれば麻薬であるので、Etonitazepyneになると思うので、ここはもう一度、どの物質を挙げるのかを確認されたほうがいいと思います。
○事務局 大変失礼いたしました。確認して修正させていただきます。ありがとうございます。
○関野部会長 ありがとうございます。□□先生、よろしくお願いいたします。
○□□委員 □□□□の□□でございます。私も幾つか簡単なことをお伺いしたかったのですが、1点目は、今のポイントと全く同じでございまして、2点目は、Etonitazepyneという名前ですが、Etonitazeneというのがあったような気がするのですが、昔に審議されていて、それは規制されているのかどうか、そのような記憶が、間違っていたら申し訳ないのですけれども、構造からいって、何とかゼピンという名前が付くもので、Opioid、Analgesicから出てきたのは、これが最初ですか。それとも、ほかにも出ているのでしょうか。
○関野部会長 資料はどこに戻って確認しますか、資料2に戻りますか。過去の事例を見るとすると、資料2-2に戻ってよろしいですか。これはこの構造で、今回が初めてかどうかということですね。
○事務局 これは既に麻薬で指定されておりまして、こちらのEtonitazepyneという所でしょうか。構造としましては、こういったものは今回が初めてでございます。
○□□委員 なるほど。といいますのは、Etonitazeneとか、Metonitazeneとか、Isotonitazene、何とかニタゼンというのが、たくさん次々と、国際的にも規制を毎年しようとしているのですけれども、zepyneというのが初めて出てきたので、この活性が、Etonitazepyneと何とかゼピンと、どちらが基本的に強いのか弱いのか、例えば結合活性など、何かそういうのがはっきり分かっているのであれば、それ以外の何とかゼンというのも、恐らくzepyneが出てくるのだろうと思われますから、そういうのは先に網を掛けるということができないかどうかということを知りたかったのですが、以上でございます。
○関野部会長 御意見ありがとうございます。事務局から、何か御意見はございますか。
○事務局 御意見ありがとうございます。今、御指摘いただいた点につきましては、今回、Etonitazeneについては麻薬になっておりますので、そういったデータと比較した上で、今後、御指摘の点の検討が可能かどうかというのは、引き続き確認をした上で、必要に応じて指定薬物と同様に指定していきたいと考えております。
○関野部会長 よろしいでしょうか。活性については、こちらで比較しても、特に大きな違いというのは見当たらないということで、受容体の結合活性ではと思いますけれども、あと、□□先生、何か御意見は特にありませんか。
○□□参考人 はい。
○関野部会長 ありがとうございます。そのほかに委員の先生方から御意見を頂きたいのですが、どなたかございますか。大丈夫ですね。
ありがとうございました。これ以上御意見がないということでしたら審議をまとめさせていただきます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ということで、皆さん大丈夫だと思います。それでは、引き続き事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、カチノン系である物質3について説明をいたします。資料2-3を御覧ください。タブレットは、一旦、部会資料のフォルダに戻って、2-3カチノン系の所を御覧ください。カチノン系である物質3、通称名α-D2PV、並びに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、モノアミントランスポーターへの影響等のデータをまとめております。α-D2PVは、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、モノアミントランスポーターへの影響も過去に指定した指定薬物と同程度有することを確認しております。資料2-3の説明は以上です。
次に、資料3の16ページを御覧ください。よろしいでしょうか。16ページに、構造式を載せております。α-D2PVは、指定薬物であるα-PCYPに構造が類似する化合物です。
続いて、17ページの(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察を御覧ください。マウスにα-D2PVを2mg、20mg、100mg/kgで経口投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。
また、次のページ18ページ、19ページの表1~3に、行動及び中枢・自律神経症状観察における平均評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また観察された特徴的な症状を示した写真を20ページに載せております。ここで、これらの写真と併せて実際の動画も御覧ください。
まず1つ目、こちらが100mg/kg投与群の投与後、約30分経過したマウスですが、忙しい行動が確認されております。次の動画は投与後、約120分経過したマウスですが、こちらも忙しい行動などが確認されております。動画は以上です。
資料3に戻っていただきまして、21ページの(2)自発運動における運動量の測定結果を御覧ください。マウスにα-D2PVを20mg/kg経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、下の図のとおり、いずれも投与後40分~90分では対照群と比べて減少傾向を示し、50分、80分~90分では有意に減少しております。
続いて、22ページの(3)マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。α-D2PV約24mg/kg経口投与群を4匹、コントロール群を6匹用いて、マウス線条体内神経シナプス間隙のモノアミンの増加率の有意差を、ウェルチのt検定で求めたところ、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンいずれに対しても有意な増加作用が確認されております。
続いて、23、24ページの(4)モノアミントランスポーターに対する機能影響評価を御覧ください。α-D2PVのモノアミントランスポーターに対する阻害作用の評価のため、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニントランスポーターに対するIC50を算出しました。結果は23ページの表及び24ページの図のとおり、ノルアドレナリントランスポーターについては、α-D2PVのIC50が、2.8×10-6Mで、コカイン塩酸塩のIC50の0.58倍であり、ドパミントランスポーターについてはIC50が8.9×10-7Mで、コカイン塩酸塩のIC50の0.42倍です。セロトニントランスポーターについては、資料にIC50が「2.7×10-6M」と記載がありますが、こちらは大変申し訳ございませんが誤記で、正しくは「2.7×10-5M」です。それで、コカイン塩酸塩のIC50の3.8倍という結果が出ております。
次に、25ページの(5)ヒトセロトニン受容体に対するアゴニスト活性EC50を算出した結果について御覧ください。α-D2PVのヒトセロトニン5-HT2A受容体と、あと5-HT2C受容体に対するアゴニスト活性は、いずれもEC50を求めることができませんでした。続いて、(6)グルタミン酸NDMA受容体に対する受容体機能評価試験について御覧ください。α-D2PVのグルタミン酸NDMA受容体に対するアンタゴニスト活性は、いずれもIC50を求めることができませんでした。
以上の結果から、α-D2PVは中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
26ページの(7)海外での流通状況について御覧ください。2020年にはオランダ、スロバキア、スウェーデンにおいて、2021年にオーストリア、カナダ、スロベニア、アメリカにおいて流通が確認されております。最後に、(8)海外での規制状況については、ハンガリーで規制されていることを確認しております。物質3については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□で2021年6月に1件の検出事例がございます。形状としては、白色の結晶として検出されております。以上です。
○関野部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思いますが、ございませんか。
ちょっと私から委員の先生方に教えていただきたいことがございます。動画を見ますと、忙しい行動が発現しているのですが、立ち上がりとか総運動量の所では、逆に低下と出ているので、作用機序が複雑な薬物であると思います。受容体の直接の結合活性などはなかなかIC50が決定できなかったりとかということと、トランスポーターへの影響を受けることと、複雑な物質であると個人的な印象をもちました。もしもこれに関して御意見をお持ちの先生がおられましたら少し教えていただきたいと思いました。中枢神経系への作用に関する蓋然性に関して全く問題はございません。
○□□委員 □□□□の□□ですけれども、よろしいでしょうか。□□先生がお詳しいとは思うのですけれども。挙尾反応等も出ていますので、オピオイド系への作用等も考えられると思いますので、複雑な分子標的が有り得るのではないかなとは思います。
○関野部会長 ありがとうございました。構造からは、このカテゴリーに属させておいてよろしいでしょうか。
○□□委員 はい。
○関野部会長 ほかに、御意見はございませんか。
それでは、御意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは決議いたしましたので、よろしくお願いします。
続きまして、フェンサイクリジン系、よろしいでしょうか。
○事務局 続きまして、フェンサイクリジン系である物質4について説明いたします。タブレットの部会資料の左上を押して戻っていただいて、資料2-4、フェンサイクリジン系のファイルを御覧ください。資料2-4はフェンサイクリジン系である物質4、通称名Methoxpropamine並びに、これらに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、モノアミントランスポーターの阻害作用等をまとめております。
Methoxpropamineは、モノアミントランスポーターに対する阻害作用、マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの増加を有しており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2-4については以上です。
続いて、資料3の27ページを御覧ください。構造式を示しております。Methoxpropamineですが、下に示しています麻薬として既に規制されておりますMethoxetamineと構造が類似する化合物です。
続いて、28ページを御覧ください。(1)行動及び中枢自律神経症状の観察について、マウスにMethoxpropamineを2mg、20mg、100mg/kgを経口投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。また、29~30ページの表1~3に、これらの症状観察における平均評価値を載せておりまして、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。
31ページに観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで31ページの写真と併せて動画を御覧ください。1つ目の動画ですが、20mg/kg投与群の投与後約12分経過したマウスですが、掻痒感様症状が著しく忙しない動きが確認されております。続いて、2つ目は、100mg/kg投与群の投与後、約9分経過したマウスですが、よろめきながら旋回歩行が確認されております。3つ目は100mg/kg投与群の投与後約1分経過したマウスですが、激しく飛び跳ね、痙攣しながら転倒が続くことが確認されております。動画については以上です。
資料3に戻っていただきまして、続いて32ページ、(2)自発運動における運動量の測定を御覧ください。マウスにMethoxpropamineを20mg/kgを経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定しております。各群マウス4匹を使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、総運動量及び総移動距離は、投与後130分では対照群と比べて有意に増加し、大きい運動量は投与後40分では、対照群と比べて有意に増加したものの、それ以外は測定期間中を通して対照群と比べて有意な差を示しませんでした。立ち上がり回数も、有意な差を示しませんでした。
続いて、33ページ、マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。Methoxpropamine 24mg/kg経口投与群を6匹、コントロール群を6匹用いて、マウス線条体内神経シナプス間隙のモノアミンの増加率の有意差をウェルチのt検定で求めたところ、セロトミン、ドパミン、ノルアドレナリンのいずれに対しても有意に増加することが確認されております。
続いて、34、35ページの(4)モノアミントランスポーターに対する機能評価試験を御覧ください。Methoxpropamineのモノアミントランスポーターに対する阻害作用の評価のため、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニントランスポーターに対するIC50を算出しております。結果は、34ページの表及び35ページの図のとおり、ノルアドレナリントランスポーターについては、MethoxpropamineのIC50が、2.5×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の3.3倍であり、ドパミントランスポーターについては、IC50が4.1×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の16倍、セロトニントランスポーターについては、IC50が6.4×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の9.6倍となっております。
続いて、36ページの(5)グルタミン酸NDMA受容体機能評価試験を御覧ください。Methoxpropamineのグルタミン酸NDMA受容体に対するアンタゴニスト活性は、Phencyclidine siteでIC50が1.04×10-6Mで、それ以外についてはIC50を求めることができませんでした。
続いて、37ページの(6)NDMA受容体阻害とNDMA受容体を介したシナプス伝達の抑制について御覧ください。MethoxpropamineのNDMA受容体に対する影響を明らかにするため、マウス背側蝸牛神経核のcartwheel cellをNDMA受容体発現ニューロンのモデルとして使用し、NDMA受容体を介したNDMA誘発内向き電流に対する阻害作用を評価しております。結果は、下の表及び図のとおりで、Methoxpropamineと、麻薬として指定されているMXEと、陽性対照物質としてのMK-801は用量依存的にNDMA受容体を介したNDMA誘発内向き電流を抑制しております。また、IC50は数値が大きい順に、Methoxpropamine>MXE>MK-801であり、Methoxpropamineは強力なNDMA受容体阻害薬であることが示唆されております。
以上の結果から、Methoxpropamineは、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
続いて、38ページの(7)海外での流通状況について御覧ください。2019年にアメリカにおいて、2020年にはベルギーやデンマークなど17か国において、2021年にはオーストリア、イタリア、スイス、アメリカにおいて流通が確認されております。
最後に、(8)海外での規制状況については、スウェーデン及びフィンランドで規制されていることを確認しております。物質4は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出事例が8件あります。2020年6月に3件、2020年9月に1件、2020年11月に2件、2020年12月に1件、2021年2月に1件、いずれも白色の粉末状として検出されております。以上です。
○関野部会長 それでは委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。非常に検出事例が多かったということで、また今回、電気生理学実験の詳細な実験結果が提示されております。
□□先生、挙手されていますね。お願いします。
○□□委員 □□です。この物質に関しては、お調べいただいたモノアミントランスポーターへの作用があまり強くないと思います。10-5Mです。この2-4の資料に、ほかの類似の麻薬、指定薬物になっているもののリストがありますけれども、その中にはオピオイド受容体も調べられていて、ミューオピオイド受容体にアフィニティの高い物質等もあるので、本来はこの辺りも調べておいていただけたほうがよかったかとは思います。実際、挙尾反応等も出ています。先ほどの関野部会長からの御指摘もあったように、前の物質でも中枢作用が明らかということで、モノアミントランスポーターへの作用もあることがはっきりしていますので、これで問題ないとは思うのですけれども、主要な作用点としては、モノアミントランスポーターではあるわけではない可能性もあるということかと思います。
○関野部会長 ありがとうございます。先ほどと同じように、カテゴリーも段々複雑になってくるのかなというところで、今、構造の類似のところでカテゴライズしていることになりますけれども、もしかすると一番のメイン、主要な作用点、分子標的が、もしはっきりした場合には、少しカテゴリーを考えなくてはいけないということがあるかもしれないと思います。現時点においては、一応、構造の類似での分類ということでよろしいでしょうか。事務局、もし何かありましたら。
○事務局 御意見ありがとうございます。今後の参考にさせていただきたいと考えております。
○関野部会長 ほかに御意見はございますか。すみません、画面上の挙手を見落としていたりするといけないので確認しております。大丈夫でしょうか。
○事務局 大丈夫です。
○関野部会長 はい。御意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
はい、異議がありませんでしたので、引き続き、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、続きまして資料3の39ページ、資料3-5を御覧ください。こちら、今回は2物質まとめて御審議いただければと考えています。こちらの2物質ですが、通称名はヘキサヒドロカンナビノール、略称HHCと呼ばれるものです。続きまして、テトラヒドロカンナビフォロール、略称名Δ9-THCPと呼ばれるもので、40ページの上段のΔ9テトラヒドロカンナビノール、Δ8テトラヒドロカンナビノールに構造が類似している化合物です。具体的に、HHCのほうにつきましては左上の環の中の二重結合が外れているものがHHCとなっており、Δ9-THC、Δ8-THCの右側にひげが伸びているかと思いますが、こちらの側鎖の数が長くなっているのがΔ9-THCPとなっているものです。
まず、5,6の物質を御審議いただくに当たりまして、先に流通状況等につきまして参考資料を用いて御説明させていただければと思います。タブレットで御覧の方におきましては部会資料の左側をクリックしていただき、さらに指定薬物部会の方をクリックしていただきまして、その中のマル2の文献の資料に基づきまして御説明させていただきます。
○関野部会長 文献ですね。参考資料のほうに移りますので、ご確認よろしくお願いいたします。
○事務局 マル2の文献でございます。よろしいでしょうか。文献24を御覧ください。こちらが我が国のフリマサイトでHHCを検索した結果となっています。こちらを御覧いただければ分かりますとおり、多くのHHCと称する、いわゆるリキッド製品が流通しているという状況です。最後までこの資料が続いていくという形になっています。文献24は以上です。
続きまして、文献25を御覧ください。SNSの抜粋を記載しているものです。最初の2ページほどが、HHCを購入した方がHHCを□□□□□□□□□□□□の感想等が述べられているものです。具体的には、□□□□□□□□□□ということが述べられていたり、□□□□□□ということが述べられているところです。同じく、この資料の3ページ目以降は、実際にこの製品を使った後の感想が述べられている所で、3ページの中ほどですが、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□」という記述があるほか、5ページの最初の□□□□ですが、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」という記述がされています。以降、このような形で□□□□は続いていくという形になっています。文献25は以上です。
続きまして、文献26を御覧ください。もう1つの審議物質であるTHCPに関しまして□□□□□□と称するもの、及び26ページで□□□□□□と称するものが売られていることを確認しているところです。文献のほうは以上です。
部会資料のほうに戻っていただき、45ページ以降を御覧ください。大丈夫でしょうか。45ページの(3)ですが、流通状況については、今申し上げたことが記載されています。
続きまして、46ページのマル3を御覧ください。こちらはCBD等製品に関して、大麻取締法に基づく大麻に該当するおそれがあることから、関東信越厚生局麻薬取締部におきまして、大麻の非該当性の判断や相談を受付けています。今回の2物質に関する同部への相談・確認状況についてまとめたものが表4となっています。こちらを御覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、特にHHCに関しては、昨年の春から夏にかけて1件も相談がなかったという状況でしたが、秋から冬にかけて急激にHHCへの関心が高まっているという状況です。THCPにつきましても件数は少ないですが、秋以降、相談・問合せが増えている状況です。このような経緯を踏まえまして、今回、こちらの2物質について御審議いただくというものです。
続きまして、資料を戻っていただいて40ページを御覧ください。これから行動観察試験等の毒性試験について御説明させていただきますが、その中では物質名を略称で記載しています。その際の各種物質の構造式を40ページの下のほうに記載しています。
それでは、行動観察試験等につきまして、41ページ以降で説明させていただきます。41ページの上段ですが、大麻草における含有についての報告を取りまとめています。こちらは2本で、1本目はHHCに関するものです。インディカ種の大麻草から樹脂を調製し、調製後、1か月~4年間保管した樹脂に含まれるカンナビノイドの含有量を測定しています。この結果、HHCが0.11%~0.36%含まれることが判明しています。また別の論文でTHCPに関して検討を行っているものですが、大麻草に含まれる(-)-trans-Δ9-THCPの花穂に含まれる量を測定しています。こちらはTHC13種から、0.0023%から0.0136%の範囲で含まれていることが確認されています。ただ、CBD種1種類に関しては検出されていないという記載となっています。これらのことから大麻草に含まれるものではありますが、含まれていても含有量は極めて低いというものです。
続きまして、中枢神経系への作用等ということで、まず行動観察を確認させていただいています。41ページの下のほうを御覧ください。HHCに関しては、マウスに、(-)-Δ9-THC、(6aR、9RS)-HHCを腹腔内投与し、(-)-Δ9-THC、(6aR、9RS)-HHCともに、自発的運動量の低下、体温の低下及び姿勢保持の増加が確認されています。また、(-)-Δ9-THCのみ痛覚感受性の低下が認められたという報告になっています。併せて、用量-反応曲線を求め、ED50値を求めたところ、表1に記載のとおりとなっています。なお、本論文において、低下若しくは増加量の言及はされていませんでした。
42ページを御覧ください。雌雄のアカゲザルを用いて、(-)-Δ9-THC、(-)-Δ8-THC、(6aR,9R,10aR)-HHC、(6aR,9S,10aR)-HHCをそれぞれ静脈内投与し、投与後の行動学的変化及び身体的な変化を評価したものが表2の結果となっています。表を見ていただくと分かるかと思いますが、HHCに関して、R体につきましては、(-)-Δ8-THCとほぼ同程度、S体に関しては、(-)-Δ8-THCと比べて約10分の1程度の活性を有していることが確認されています。
43ページを御覧ください。こちらはTHCPに関する行動学的な観察結果についてお示ししています。同じく、マウスにΔ9-THCPを腹腔内投与し、自発的運動量、体温低下量、カタレプシー及びホットプレートテストによる鎮痛作用について評価が行われています。結果については、図のb~fに示していますとおり、自発的運動量は5mg、10mg投与群において有意な低下が認められ、体温低下量については10mgで有意な低下、カタレプシーについては10mgにおいて移動するまでに要する時間の有意な増加、鎮痛作用は疼痛関連行動を起こすまでの時間が10mgにおいて有意に増加したという結果が得られています。
44ページを御覧ください。受容体親和性評価になっています。HHCに関しては、1)オピオイドμ受容体に対する親和性を明らかにするため、Δ9-THC及び(9R)-HHCの阻害率を測定していて、阻害曲線からKi値を算出しています。その結果、Δ9-THCのKi値は7±1μM、(9R)-HHCについては10±1μMと算出されていて、Δ9-THCに比べて、HHCは0.70倍の親和性があることが報告されています。
2)ですが、□□□□を明らかにするため、□□□□による予測を行っています。こちらは、HHCの□□□□に対する□□を□□□□に基づいて予測したところ、□□と算出されています。この数値は予測の際に用いられているΔ9-THCの□□□□□□と比較して、□□□□であると見積もられています。
45ページは、THCPについての受容体評価です。ヒトカンナビノイド受容体(CB1及びCB2)に対する親和性を明らかにするため、(-)-trans-Δ9-THC及び(-)-trans-Δ9-THCPの阻害率を測定し、阻害曲線からKi値を算出しています。その結果、(-)-trans-Δ9-THCPのCB1受容体に対するKi値は1.2nM、CB2受容体に対するKi値は6.2nMとなっています。(-)-trans-Δ9-THCと比べて、CB1受容体で33倍、CB2受容体で5.8倍親和性が高いことが確認されています。表3及び図につきましては、受容体の数値の結果と阻害曲線をお示ししているものです。(3)については、冒頭で御説明いたしましたので割愛させていただきます。
46ページの(4)海外の規制状況を御覧ください。英国では、薬物乱用法のクラスBにおいて規定されていて、規制対象となっている可能性があります。米国では、規制物質法という法律がございます。この中で特にこれらの物質について個別に規定されている状況ではありませんが、“Tetrahydrocannabinols”がスケジュールⅠにおいて規定されていること。また、同じく米国の法律である類似薬物法により、規制物質法のスケジュールⅠにおいて規制されている物質の類似物質については、人が消費する範囲において、スケジュールⅠの規制物質として取り扱われるとされていることを鑑みると、これらの物質(hemp由来を除く。)が規制対象となっているという可能性は確認されています。
以上のことから、HHC及びΔ9-THCPに関して、中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えられています。
物質5,6に関する説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 当化合物につきまして、Δ9-THCPのほうは検出事例がございませんでしたが、HHCにつきましては1件検出されました。2022年1月に褐色のオイル状として検出されています。以上です。
○関野部会長 それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。□□先生、どうぞ。
○□□委員 HHCは、結構、患者さんたちの中でも使っている人がおります。多分、大麻の使用罪がつくられるかもしれないというふうなことが、ユーザーたちの中で話題になってから、逮捕を恐れて大麻をやめた人たちの中でHHCを使ってみたという話もちらほら出ています。現時点では、臨床現場では健康被害があるとか精神医学的に何か問題が生じるということはないのですけれども、ただ、ユーザーたちの中では、尿検査をすると、尿検査でときどきTHCが陽性に出てきて、これは本当に大丈夫なのかという話もあったりします。何を言いたいかというと、多分、これが規制されたときにはきちんとその根拠を説明し、今度、規制対象になりましたということを広く広報しないと、多分、大丈夫だと思って使っていて、でも捕まってしまいましたという人が相当出てくるような気もします。したがって、その辺の広報とか周知の仕方について工夫をしたほうがいいような気がいたします。
○関野部会長 事務局、よろしくお願いいたします。
○事務局 □□先生、御指摘、御意見をありがとうございます。今回、先ほど御覧いただきましたとおり、ECサイト等でよく販売されているということを確認していますし、多分、先生がおっしゃった方々もECサイト等を活用していると考えていますので、ECサイト等を対象にして周知活動を追加でさせていただく予定としています。いずれにしましても、使っている方に正しく情報が伝わるように、こちらとしても必要な情報は提供していきたいと考えています。以上です。
○関野部会長 それでは、ほかの委員の方、御意見がございましたらよろしくお願いいたします。よろしいですか。
それでは、御意見がないようですので審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議して、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、事務局から今後の手続について御説明をお願いいたします。
○事務局 今後のスケジュール等について説明いたします。本部会の結果につきましては、次回開催の薬事分科会にて報告させていただく予定です。また、本日の結果を受けまして、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定となっています。また、本日、御審議いただいた物質に関する、いわゆる正規用途については、今のところ確認はされておりません。いずれにつきましても、可能な限り適正使用に支障を来さないように対応いたします。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。最後の2物質に関してですが、今までの手続ですと翌日には指定しましたということが出ますけれども、この物質5,6に関しては、今までとは違う形のスピード感になっているのでしょうか。
○事務局 御質問、ありがとうございます。基本的にスピード感という観点からは同じという形になりますが、ただ、先ほど御説明しましたようにECサイトで販売されていますので、そういったところに対して、この物質が規制されるということを伝えて、使用者、購入者のほうにも伝わるような形のところを強化していきたいと考えています。
○関野部会長 ありがとうございます。以上で、本日の議題は全て終了いたしました。令和3年度の部会は本日で終了となります。事務局から来年度の予定につきまして御連絡をお願いいたします。
○事務局 来年度の部会日程につきましては例年と同程度の時期を想定していますが、正式に決まり次第、また連絡をさせていただきます。以上です。
○関野部会長 それでは、以上をもちまして、令和3年度第5回指定薬物部会を閉会いたします。委員の先生方、ありがとうございました。
本日はWeb開催でございますが、関野部会長、田中委員、舩田委員には、会場にお越しいただいております。現在のところ、当部会の委員11名のうち10名に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを初めに御報告いたします。青山委員は遅れて御参加との御連絡を頂いております。また、本日は参考人といたしまして、□□□□□□の□□先生をお招きしております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、部会を開催する前に、本部会の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。審議会総会における議論の結果、会議を公開することにより、委員の自由の発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されたことから、本部会につきましては非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで発言者等に対して外部からの圧力や干渉、危害が及ぶおそれが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとさせていただいておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
それでは、以後の議事進行は関野部会長にお願いします。よろしくお願いいたします。
○関野部会長 それでは、今、局長がいらっしゃいましたので御紹介をお願いいたします。
○鎌田局長 医薬・生活衛生局長の鎌田でございます。どうも遅参して失礼いたしました。
日頃より薬事行政、取り分け、こうした規制薬物の関係についてはお世話になっております。今、いろいろ規制薬物については様々な問題がありまして、我々、政府が取り組む課題はありますが、日々こういったことについて取り組むことがその基礎になりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○関野部会長 よろしくお願いいたします。それでは、本日の部会の資料の確認及び注意点につきまして、事務局よりお願いいたします。
○事務局 本日の資料の確認をさせていただきます。会場にお越しいただいている委員はタブレット、また、Webで御参加いただいている委員は紙資料の御確認をお願いいたします。資料がタブレットの委員につきましては、部会資料のフォルダに入っておりまして、資料は、資料1、資料2-1~資料2-4までと資料3、紙資料も同様となっております。フォルダを戻っていただきまして、参考の文献としまして、1~29までを配布しておりまして、続いて、参考資料のフォルダとしまして、1~3の資料を入れております。資料については以上となりますので、資料やタブレットの操作等について御不明な点がありましたら、事務局までお申し付けください。また、今回はWeb開催のため、審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と、発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から順に発言者を指名していただきます。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。本日の議題は指定薬物の指定についてです。それでは審議に入りたいと思います。審議物質について事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 では、部会資料のフォルダを御覧ください。資料1につきましては、今回6物質あり、各物質の名称、通称名、構造式を記載しております。また、資料2につきましては個別に説明させていただきますが、御審議いただく物質のほか、構造が類似する指定薬物や麻薬等について一覧表にまとめております。資料3は、国内外の基礎研究や動物実験の結果等について、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものになっております。それでは、カンナビノイド系物質である物質1について説明いたします。
資料2-1を御覧ください。こちらがエクセル表で物質をまとめたものですが、カンナビノイド系である物質1、通称名5F-EDMB-PICA及びこれに構造が類似する指定薬物について、カンナビノイド受容体に対する影響、中枢神経系への作用等をまとめております。こちらは5F-EDMB-PICAは、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しておりまして、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2-1については以上となります。
続いて、資料3の1ページを御覧ください。資料3の1ページの5F-EDMB-PICAの構造式を載せておりますが、こちらは指定薬物である5F-EDMB-PINACAと構造が類似する化合物です。
続いて、2ページの(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察を御覧ください。マウスに5F-EDMB-PICAを15mg添加したマーシュマローリーフ0.25gを燃焼させ、マウスを薬物にばく露させて、燃焼後15分、30分、60分後の行動及び中枢・自律神経症状について観察した症状を記載しております。
次に、3ページ~4ページの表1~3に、5F-EDMB-PICAに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また、5ページに、観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで、こちらの5ページの写真と併せて実際の動画を共有させていただきますので御覧ください。
1つ目は、ばく露開始約11分後のマウスですが、ボックス内に煙が充満後、仕切り網に昇り降り、激しい飛び跳ね、けいれん、眼裂の縮小が見られ、伏臥位あるいは仕切り網にもたれ掛かり静止状態になることが確認されております。次が、燃焼終了後約30分経過したマウスですが、伏臥位姿勢にて静止、指間離開、後肢外反、眼裂の拡大が確認されております。
3つ目ですが、ばく露終了後約30分経過後のカタレプシー試験陽性が確認されたマウスの様子となっております。カタレプシー試験につきましては、燃焼終了後15分で5匹全て陽性、30分では2匹が陽性、3匹が陰性で、60分経過したところで5匹が全て陰性となっています。動画は以上となります。
資料3に戻っていただきまして、6ページを御覧ください。6ページの(2)カタレプシー試験の結果については、先ほど申し上げたとおりでございます。
続いて、(3)ヒトカンナビノイド受容体機能評価について御覧ください。こちらにヒトカンナビノイド受容体(CB1及びCB2受容体)に対するアゴニスト活性EC50を算出した結果を載せております。CB1受容体について、S体は1.75×10-9mol/L、R体は1.67×10-7mol/Lで、CB2受容体につきましては、S体が2.47×10-7mol/Lで、R体は求めることができませんでした。これらの結果から、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性があることが報告されております。
以上の結果から、5F-EDMB-PICAは、中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
続いて、資料3の(4)海外での流通状況について報告させていただきます。2020年にドイツやロシア、アメリカなど12か国において、2021年にイギリスやアメリカにおいて流通が確認されております。
最後に、(5)海外での規制状況について、スウェーデンやアメリカのバージニア州で規制されていることを確認しております。物質1については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出事例はございませんでした。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御意見を頂きたいと思いますが、御意見のある先生方はございますか。もし意見がありましたら、挙手のボタンを押してください。
では、御意見がないということでよろしいですか。
それでは御意見がないようですので、審議を取りまとめます。ただいま御審議いただきました1物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、了承いただきましたので、引き続き事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、オピオイド系である物質2について御説明いたします。資料2-2のファイルを御覧ください。こちらはオピオイド系である物質2、通称名Etonitazepyne並びにこれらに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、オピオイド受容体に対する影響、マイクロダイアリシスのデータ等をまとめております。Etonitazepyneは、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、オピオイド受容体への影響も過去に指定した指定薬物と同程度有することを確認しております。資料2-2の説明は以上となります。
資料3の7ページを御覧ください。Etonitazepyneの構造式を載せております。構造としては、下に記載の麻薬であるMetonitazeneに構造が類似する化合物です。
8ページを御覧ください。(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察については、マウスにEtonitazepyneを0.2、1、10mg/kgを腹腔内に投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。
また、9ページから10ページの表1~3に、Etonitazepyneに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また、11ページ及び12ページに、観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで、こちらの写真と併せて実際の動画を御覧ください。こちらの動画ですが、0.2mg/kg投与群の投与後約3分経過したマウスで、挙尾や後肢踵を上げた忙しい旋回歩行、後肢指間離開、眼裂の拡大などが確認されております。次の動画は、投与後120分経過したマウスで、忙しい旋回歩行、眼裂の拡大が確認されております。次は、1mg投与群の投与後、約3分経過したマウスになりますが、伏臥位状態での寄り掛かりや激しい飛び跳ね、挙尾、眼裂の拡大、後肢踵を上げた忙しい旋回歩行が確認されています。こちらが投与後約120分経過したマウスですが、忙しい旋回歩行や後肢指間離開、眼裂の拡大などが確認されています。こちらからが10mg投与群の投与後、約3分経過したマウスですが、挙尾及び後肢指間離開が見られており、忙しい旋回行動後、正常歩行できない状態などが確認されています。こちらは最後になりますが、投与後120分経過したマウスで、挙尾反応や後肢指間離開及び伏臥位状態にて静止状態などが確認されています。動画は以上でございます。
資料3の13ページの(2)自発運動における運動量の測定を御覧ください。マウスにEtonitazepyneを1mg/kg経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定しております。各群マウス4匹を使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、総運動量と大きい運動量、総移動距離は、投与後40分~180分では対照群と比べて増加傾向を示し、110分~180分では有意に増加しております。立ち上がり回数は、投与後10分~110分では対照群と比べて減少傾向を示し、10分~50分と、70分では有意に減少しております。
14ページのマイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。Etonitazepyneを約3.2mg/kgで腹腔内投与群を5匹、コントロール群を6匹用いて、モノアミン増加率の有意差をウェルチのt検定で求めたところ、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンのいずれも有意に増加することが確認されました。
続いて、15ページの(4)ヒトオピオイド受容体に対する受容体評価試験を御覧ください。Etonitazepyneのヒトオピオイド受容体に対するアゴニスト活性を明らかにするため、EC50を算出しております。μ受容体のEC50は1.55×10-10mol/Lで、κ受容体のEC50は求めることができませんでした。
以上の結果から、Etonitazepyneは中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高いと考えております。
また、15ページの(5)死亡事例については、アメリカで死亡事例8例の血液を分析したところ、Etonitazepyneが検出されており、うち1例はEtonitazepyne単独検出されたとの報告がありました。また、(6)海外での流通状況については、2021年にカナダ、アメリカ、ベルギーにおいて流通が確認されています。最後に(7)海外での規制状況については、ハンガリーで規制されていることを確認しています。物質2については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出例はございませんでした。以上です。
○関野部会長 それでは委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。
○□□委員 よろしいですか。
○関野部会長 はい、お願いします。委員のお名前が見えませんので、お名前をお願いします。
○□□委員 □□□□の□□です。ちょっとマイナーなコメントですが、資料3の7ページ目の真ん中ぐらいに構造類似物質というところで、ここにカタカナで化学名が書いてありますが、こちらの化学名が間違っているようです。正しくは、資料2-2のテーブルの上から3つ目の化学名、物質名「1-(ジエチルアミノ)」という化学名が正しいので、後ほど修正いただければと思います。以上です。
○事務局 大変失礼いたしました。修正させていただきます。
○関野部会長 修正をよろしくお願いいたします。ほかに御意見はございませんでしょうか。
○□□委員 □□です。今の7ページの所ですが、Metonitazeneになっています。
○事務局 はい。
○関野部会長 7ページの上。
○□□委員 それが麻薬になっているのですが、Metonitazeneであれば、これは指定薬物だと思います。それで、isotonitazeneであれば麻薬であるので、Etonitazepyneになると思うので、ここはもう一度、どの物質を挙げるのかを確認されたほうがいいと思います。
○事務局 大変失礼いたしました。確認して修正させていただきます。ありがとうございます。
○関野部会長 ありがとうございます。□□先生、よろしくお願いいたします。
○□□委員 □□□□の□□でございます。私も幾つか簡単なことをお伺いしたかったのですが、1点目は、今のポイントと全く同じでございまして、2点目は、Etonitazepyneという名前ですが、Etonitazeneというのがあったような気がするのですが、昔に審議されていて、それは規制されているのかどうか、そのような記憶が、間違っていたら申し訳ないのですけれども、構造からいって、何とかゼピンという名前が付くもので、Opioid、Analgesicから出てきたのは、これが最初ですか。それとも、ほかにも出ているのでしょうか。
○関野部会長 資料はどこに戻って確認しますか、資料2に戻りますか。過去の事例を見るとすると、資料2-2に戻ってよろしいですか。これはこの構造で、今回が初めてかどうかということですね。
○事務局 これは既に麻薬で指定されておりまして、こちらのEtonitazepyneという所でしょうか。構造としましては、こういったものは今回が初めてでございます。
○□□委員 なるほど。といいますのは、Etonitazeneとか、Metonitazeneとか、Isotonitazene、何とかニタゼンというのが、たくさん次々と、国際的にも規制を毎年しようとしているのですけれども、zepyneというのが初めて出てきたので、この活性が、Etonitazepyneと何とかゼピンと、どちらが基本的に強いのか弱いのか、例えば結合活性など、何かそういうのがはっきり分かっているのであれば、それ以外の何とかゼンというのも、恐らくzepyneが出てくるのだろうと思われますから、そういうのは先に網を掛けるということができないかどうかということを知りたかったのですが、以上でございます。
○関野部会長 御意見ありがとうございます。事務局から、何か御意見はございますか。
○事務局 御意見ありがとうございます。今、御指摘いただいた点につきましては、今回、Etonitazeneについては麻薬になっておりますので、そういったデータと比較した上で、今後、御指摘の点の検討が可能かどうかというのは、引き続き確認をした上で、必要に応じて指定薬物と同様に指定していきたいと考えております。
○関野部会長 よろしいでしょうか。活性については、こちらで比較しても、特に大きな違いというのは見当たらないということで、受容体の結合活性ではと思いますけれども、あと、□□先生、何か御意見は特にありませんか。
○□□参考人 はい。
○関野部会長 ありがとうございます。そのほかに委員の先生方から御意見を頂きたいのですが、どなたかございますか。大丈夫ですね。
ありがとうございました。これ以上御意見がないということでしたら審議をまとめさせていただきます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ということで、皆さん大丈夫だと思います。それでは、引き続き事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、カチノン系である物質3について説明をいたします。資料2-3を御覧ください。タブレットは、一旦、部会資料のフォルダに戻って、2-3カチノン系の所を御覧ください。カチノン系である物質3、通称名α-D2PV、並びに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、モノアミントランスポーターへの影響等のデータをまとめております。α-D2PVは、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、モノアミントランスポーターへの影響も過去に指定した指定薬物と同程度有することを確認しております。資料2-3の説明は以上です。
次に、資料3の16ページを御覧ください。よろしいでしょうか。16ページに、構造式を載せております。α-D2PVは、指定薬物であるα-PCYPに構造が類似する化合物です。
続いて、17ページの(1)行動及び中枢・自律神経症状の観察を御覧ください。マウスにα-D2PVを2mg、20mg、100mg/kgで経口投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。
また、次のページ18ページ、19ページの表1~3に、行動及び中枢・自律神経症状観察における平均評価値を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。また観察された特徴的な症状を示した写真を20ページに載せております。ここで、これらの写真と併せて実際の動画も御覧ください。
まず1つ目、こちらが100mg/kg投与群の投与後、約30分経過したマウスですが、忙しい行動が確認されております。次の動画は投与後、約120分経過したマウスですが、こちらも忙しい行動などが確認されております。動画は以上です。
資料3に戻っていただきまして、21ページの(2)自発運動における運動量の測定結果を御覧ください。マウスにα-D2PVを20mg/kg経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、下の図のとおり、いずれも投与後40分~90分では対照群と比べて減少傾向を示し、50分、80分~90分では有意に減少しております。
続いて、22ページの(3)マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。α-D2PV約24mg/kg経口投与群を4匹、コントロール群を6匹用いて、マウス線条体内神経シナプス間隙のモノアミンの増加率の有意差を、ウェルチのt検定で求めたところ、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンいずれに対しても有意な増加作用が確認されております。
続いて、23、24ページの(4)モノアミントランスポーターに対する機能影響評価を御覧ください。α-D2PVのモノアミントランスポーターに対する阻害作用の評価のため、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニントランスポーターに対するIC50を算出しました。結果は23ページの表及び24ページの図のとおり、ノルアドレナリントランスポーターについては、α-D2PVのIC50が、2.8×10-6Mで、コカイン塩酸塩のIC50の0.58倍であり、ドパミントランスポーターについてはIC50が8.9×10-7Mで、コカイン塩酸塩のIC50の0.42倍です。セロトニントランスポーターについては、資料にIC50が「2.7×10-6M」と記載がありますが、こちらは大変申し訳ございませんが誤記で、正しくは「2.7×10-5M」です。それで、コカイン塩酸塩のIC50の3.8倍という結果が出ております。
次に、25ページの(5)ヒトセロトニン受容体に対するアゴニスト活性EC50を算出した結果について御覧ください。α-D2PVのヒトセロトニン5-HT2A受容体と、あと5-HT2C受容体に対するアゴニスト活性は、いずれもEC50を求めることができませんでした。続いて、(6)グルタミン酸NDMA受容体に対する受容体機能評価試験について御覧ください。α-D2PVのグルタミン酸NDMA受容体に対するアンタゴニスト活性は、いずれもIC50を求めることができませんでした。
以上の結果から、α-D2PVは中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
26ページの(7)海外での流通状況について御覧ください。2020年にはオランダ、スロバキア、スウェーデンにおいて、2021年にオーストリア、カナダ、スロベニア、アメリカにおいて流通が確認されております。最後に、(8)海外での規制状況については、ハンガリーで規制されていることを確認しております。物質3については以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□で2021年6月に1件の検出事例がございます。形状としては、白色の結晶として検出されております。以上です。
○関野部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思いますが、ございませんか。
ちょっと私から委員の先生方に教えていただきたいことがございます。動画を見ますと、忙しい行動が発現しているのですが、立ち上がりとか総運動量の所では、逆に低下と出ているので、作用機序が複雑な薬物であると思います。受容体の直接の結合活性などはなかなかIC50が決定できなかったりとかということと、トランスポーターへの影響を受けることと、複雑な物質であると個人的な印象をもちました。もしもこれに関して御意見をお持ちの先生がおられましたら少し教えていただきたいと思いました。中枢神経系への作用に関する蓋然性に関して全く問題はございません。
○□□委員 □□□□の□□ですけれども、よろしいでしょうか。□□先生がお詳しいとは思うのですけれども。挙尾反応等も出ていますので、オピオイド系への作用等も考えられると思いますので、複雑な分子標的が有り得るのではないかなとは思います。
○関野部会長 ありがとうございました。構造からは、このカテゴリーに属させておいてよろしいでしょうか。
○□□委員 はい。
○関野部会長 ほかに、御意見はございませんか。
それでは、御意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは決議いたしましたので、よろしくお願いします。
続きまして、フェンサイクリジン系、よろしいでしょうか。
○事務局 続きまして、フェンサイクリジン系である物質4について説明いたします。タブレットの部会資料の左上を押して戻っていただいて、資料2-4、フェンサイクリジン系のファイルを御覧ください。資料2-4はフェンサイクリジン系である物質4、通称名Methoxpropamine並びに、これらに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、モノアミントランスポーターの阻害作用等をまとめております。
Methoxpropamineは、モノアミントランスポーターに対する阻害作用、マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの増加を有しており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2-4については以上です。
続いて、資料3の27ページを御覧ください。構造式を示しております。Methoxpropamineですが、下に示しています麻薬として既に規制されておりますMethoxetamineと構造が類似する化合物です。
続いて、28ページを御覧ください。(1)行動及び中枢自律神経症状の観察について、マウスにMethoxpropamineを2mg、20mg、100mg/kgを経口投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察し、用量ごとに観察された症状を記載しております。また、29~30ページの表1~3に、これらの症状観察における平均評価値を載せておりまして、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値です。
31ページに観察された特徴的な症状を示した写真を載せております。ここで31ページの写真と併せて動画を御覧ください。1つ目の動画ですが、20mg/kg投与群の投与後約12分経過したマウスですが、掻痒感様症状が著しく忙しない動きが確認されております。続いて、2つ目は、100mg/kg投与群の投与後、約9分経過したマウスですが、よろめきながら旋回歩行が確認されております。3つ目は100mg/kg投与群の投与後約1分経過したマウスですが、激しく飛び跳ね、痙攣しながら転倒が続くことが確認されております。動画については以上です。
資料3に戻っていただきまして、続いて32ページ、(2)自発運動における運動量の測定を御覧ください。マウスにMethoxpropamineを20mg/kgを経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定しております。各群マウス4匹を使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について測定したところ、総運動量及び総移動距離は、投与後130分では対照群と比べて有意に増加し、大きい運動量は投与後40分では、対照群と比べて有意に増加したものの、それ以外は測定期間中を通して対照群と比べて有意な差を示しませんでした。立ち上がり回数も、有意な差を示しませんでした。
続いて、33ページ、マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化を御覧ください。Methoxpropamine 24mg/kg経口投与群を6匹、コントロール群を6匹用いて、マウス線条体内神経シナプス間隙のモノアミンの増加率の有意差をウェルチのt検定で求めたところ、セロトミン、ドパミン、ノルアドレナリンのいずれに対しても有意に増加することが確認されております。
続いて、34、35ページの(4)モノアミントランスポーターに対する機能評価試験を御覧ください。Methoxpropamineのモノアミントランスポーターに対する阻害作用の評価のため、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニントランスポーターに対するIC50を算出しております。結果は、34ページの表及び35ページの図のとおり、ノルアドレナリントランスポーターについては、MethoxpropamineのIC50が、2.5×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の3.3倍であり、ドパミントランスポーターについては、IC50が4.1×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の16倍、セロトニントランスポーターについては、IC50が6.4×10-5Mでコカイン塩酸塩のIC50の9.6倍となっております。
続いて、36ページの(5)グルタミン酸NDMA受容体機能評価試験を御覧ください。Methoxpropamineのグルタミン酸NDMA受容体に対するアンタゴニスト活性は、Phencyclidine siteでIC50が1.04×10-6Mで、それ以外についてはIC50を求めることができませんでした。
続いて、37ページの(6)NDMA受容体阻害とNDMA受容体を介したシナプス伝達の抑制について御覧ください。MethoxpropamineのNDMA受容体に対する影響を明らかにするため、マウス背側蝸牛神経核のcartwheel cellをNDMA受容体発現ニューロンのモデルとして使用し、NDMA受容体を介したNDMA誘発内向き電流に対する阻害作用を評価しております。結果は、下の表及び図のとおりで、Methoxpropamineと、麻薬として指定されているMXEと、陽性対照物質としてのMK-801は用量依存的にNDMA受容体を介したNDMA誘発内向き電流を抑制しております。また、IC50は数値が大きい順に、Methoxpropamine>MXE>MK-801であり、Methoxpropamineは強力なNDMA受容体阻害薬であることが示唆されております。
以上の結果から、Methoxpropamineは、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
続いて、38ページの(7)海外での流通状況について御覧ください。2019年にアメリカにおいて、2020年にはベルギーやデンマークなど17か国において、2021年にはオーストリア、イタリア、スイス、アメリカにおいて流通が確認されております。
最後に、(8)海外での規制状況については、スウェーデン及びフィンランドで規制されていることを確認しております。物質4は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出事例が8件あります。2020年6月に3件、2020年9月に1件、2020年11月に2件、2020年12月に1件、2021年2月に1件、いずれも白色の粉末状として検出されております。以上です。
○関野部会長 それでは委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。非常に検出事例が多かったということで、また今回、電気生理学実験の詳細な実験結果が提示されております。
□□先生、挙手されていますね。お願いします。
○□□委員 □□です。この物質に関しては、お調べいただいたモノアミントランスポーターへの作用があまり強くないと思います。10-5Mです。この2-4の資料に、ほかの類似の麻薬、指定薬物になっているもののリストがありますけれども、その中にはオピオイド受容体も調べられていて、ミューオピオイド受容体にアフィニティの高い物質等もあるので、本来はこの辺りも調べておいていただけたほうがよかったかとは思います。実際、挙尾反応等も出ています。先ほどの関野部会長からの御指摘もあったように、前の物質でも中枢作用が明らかということで、モノアミントランスポーターへの作用もあることがはっきりしていますので、これで問題ないとは思うのですけれども、主要な作用点としては、モノアミントランスポーターではあるわけではない可能性もあるということかと思います。
○関野部会長 ありがとうございます。先ほどと同じように、カテゴリーも段々複雑になってくるのかなというところで、今、構造の類似のところでカテゴライズしていることになりますけれども、もしかすると一番のメイン、主要な作用点、分子標的が、もしはっきりした場合には、少しカテゴリーを考えなくてはいけないということがあるかもしれないと思います。現時点においては、一応、構造の類似での分類ということでよろしいでしょうか。事務局、もし何かありましたら。
○事務局 御意見ありがとうございます。今後の参考にさせていただきたいと考えております。
○関野部会長 ほかに御意見はございますか。すみません、画面上の挙手を見落としていたりするといけないので確認しております。大丈夫でしょうか。
○事務局 大丈夫です。
○関野部会長 はい。御意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。
はい、異議がありませんでしたので、引き続き、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、続きまして資料3の39ページ、資料3-5を御覧ください。こちら、今回は2物質まとめて御審議いただければと考えています。こちらの2物質ですが、通称名はヘキサヒドロカンナビノール、略称HHCと呼ばれるものです。続きまして、テトラヒドロカンナビフォロール、略称名Δ9-THCPと呼ばれるもので、40ページの上段のΔ9テトラヒドロカンナビノール、Δ8テトラヒドロカンナビノールに構造が類似している化合物です。具体的に、HHCのほうにつきましては左上の環の中の二重結合が外れているものがHHCとなっており、Δ9-THC、Δ8-THCの右側にひげが伸びているかと思いますが、こちらの側鎖の数が長くなっているのがΔ9-THCPとなっているものです。
まず、5,6の物質を御審議いただくに当たりまして、先に流通状況等につきまして参考資料を用いて御説明させていただければと思います。タブレットで御覧の方におきましては部会資料の左側をクリックしていただき、さらに指定薬物部会の方をクリックしていただきまして、その中のマル2の文献の資料に基づきまして御説明させていただきます。
○関野部会長 文献ですね。参考資料のほうに移りますので、ご確認よろしくお願いいたします。
○事務局 マル2の文献でございます。よろしいでしょうか。文献24を御覧ください。こちらが我が国のフリマサイトでHHCを検索した結果となっています。こちらを御覧いただければ分かりますとおり、多くのHHCと称する、いわゆるリキッド製品が流通しているという状況です。最後までこの資料が続いていくという形になっています。文献24は以上です。
続きまして、文献25を御覧ください。SNSの抜粋を記載しているものです。最初の2ページほどが、HHCを購入した方がHHCを□□□□□□□□□□□□の感想等が述べられているものです。具体的には、□□□□□□□□□□ということが述べられていたり、□□□□□□ということが述べられているところです。同じく、この資料の3ページ目以降は、実際にこの製品を使った後の感想が述べられている所で、3ページの中ほどですが、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□」という記述があるほか、5ページの最初の□□□□ですが、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」という記述がされています。以降、このような形で□□□□は続いていくという形になっています。文献25は以上です。
続きまして、文献26を御覧ください。もう1つの審議物質であるTHCPに関しまして□□□□□□と称するもの、及び26ページで□□□□□□と称するものが売られていることを確認しているところです。文献のほうは以上です。
部会資料のほうに戻っていただき、45ページ以降を御覧ください。大丈夫でしょうか。45ページの(3)ですが、流通状況については、今申し上げたことが記載されています。
続きまして、46ページのマル3を御覧ください。こちらはCBD等製品に関して、大麻取締法に基づく大麻に該当するおそれがあることから、関東信越厚生局麻薬取締部におきまして、大麻の非該当性の判断や相談を受付けています。今回の2物質に関する同部への相談・確認状況についてまとめたものが表4となっています。こちらを御覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、特にHHCに関しては、昨年の春から夏にかけて1件も相談がなかったという状況でしたが、秋から冬にかけて急激にHHCへの関心が高まっているという状況です。THCPにつきましても件数は少ないですが、秋以降、相談・問合せが増えている状況です。このような経緯を踏まえまして、今回、こちらの2物質について御審議いただくというものです。
続きまして、資料を戻っていただいて40ページを御覧ください。これから行動観察試験等の毒性試験について御説明させていただきますが、その中では物質名を略称で記載しています。その際の各種物質の構造式を40ページの下のほうに記載しています。
それでは、行動観察試験等につきまして、41ページ以降で説明させていただきます。41ページの上段ですが、大麻草における含有についての報告を取りまとめています。こちらは2本で、1本目はHHCに関するものです。インディカ種の大麻草から樹脂を調製し、調製後、1か月~4年間保管した樹脂に含まれるカンナビノイドの含有量を測定しています。この結果、HHCが0.11%~0.36%含まれることが判明しています。また別の論文でTHCPに関して検討を行っているものですが、大麻草に含まれる(-)-trans-Δ9-THCPの花穂に含まれる量を測定しています。こちらはTHC13種から、0.0023%から0.0136%の範囲で含まれていることが確認されています。ただ、CBD種1種類に関しては検出されていないという記載となっています。これらのことから大麻草に含まれるものではありますが、含まれていても含有量は極めて低いというものです。
続きまして、中枢神経系への作用等ということで、まず行動観察を確認させていただいています。41ページの下のほうを御覧ください。HHCに関しては、マウスに、(-)-Δ9-THC、(6aR、9RS)-HHCを腹腔内投与し、(-)-Δ9-THC、(6aR、9RS)-HHCともに、自発的運動量の低下、体温の低下及び姿勢保持の増加が確認されています。また、(-)-Δ9-THCのみ痛覚感受性の低下が認められたという報告になっています。併せて、用量-反応曲線を求め、ED50値を求めたところ、表1に記載のとおりとなっています。なお、本論文において、低下若しくは増加量の言及はされていませんでした。
42ページを御覧ください。雌雄のアカゲザルを用いて、(-)-Δ9-THC、(-)-Δ8-THC、(6aR,9R,10aR)-HHC、(6aR,9S,10aR)-HHCをそれぞれ静脈内投与し、投与後の行動学的変化及び身体的な変化を評価したものが表2の結果となっています。表を見ていただくと分かるかと思いますが、HHCに関して、R体につきましては、(-)-Δ8-THCとほぼ同程度、S体に関しては、(-)-Δ8-THCと比べて約10分の1程度の活性を有していることが確認されています。
43ページを御覧ください。こちらはTHCPに関する行動学的な観察結果についてお示ししています。同じく、マウスにΔ9-THCPを腹腔内投与し、自発的運動量、体温低下量、カタレプシー及びホットプレートテストによる鎮痛作用について評価が行われています。結果については、図のb~fに示していますとおり、自発的運動量は5mg、10mg投与群において有意な低下が認められ、体温低下量については10mgで有意な低下、カタレプシーについては10mgにおいて移動するまでに要する時間の有意な増加、鎮痛作用は疼痛関連行動を起こすまでの時間が10mgにおいて有意に増加したという結果が得られています。
44ページを御覧ください。受容体親和性評価になっています。HHCに関しては、1)オピオイドμ受容体に対する親和性を明らかにするため、Δ9-THC及び(9R)-HHCの阻害率を測定していて、阻害曲線からKi値を算出しています。その結果、Δ9-THCのKi値は7±1μM、(9R)-HHCについては10±1μMと算出されていて、Δ9-THCに比べて、HHCは0.70倍の親和性があることが報告されています。
2)ですが、□□□□を明らかにするため、□□□□による予測を行っています。こちらは、HHCの□□□□に対する□□を□□□□に基づいて予測したところ、□□と算出されています。この数値は予測の際に用いられているΔ9-THCの□□□□□□と比較して、□□□□であると見積もられています。
45ページは、THCPについての受容体評価です。ヒトカンナビノイド受容体(CB1及びCB2)に対する親和性を明らかにするため、(-)-trans-Δ9-THC及び(-)-trans-Δ9-THCPの阻害率を測定し、阻害曲線からKi値を算出しています。その結果、(-)-trans-Δ9-THCPのCB1受容体に対するKi値は1.2nM、CB2受容体に対するKi値は6.2nMとなっています。(-)-trans-Δ9-THCと比べて、CB1受容体で33倍、CB2受容体で5.8倍親和性が高いことが確認されています。表3及び図につきましては、受容体の数値の結果と阻害曲線をお示ししているものです。(3)については、冒頭で御説明いたしましたので割愛させていただきます。
46ページの(4)海外の規制状況を御覧ください。英国では、薬物乱用法のクラスBにおいて規定されていて、規制対象となっている可能性があります。米国では、規制物質法という法律がございます。この中で特にこれらの物質について個別に規定されている状況ではありませんが、“Tetrahydrocannabinols”がスケジュールⅠにおいて規定されていること。また、同じく米国の法律である類似薬物法により、規制物質法のスケジュールⅠにおいて規制されている物質の類似物質については、人が消費する範囲において、スケジュールⅠの規制物質として取り扱われるとされていることを鑑みると、これらの物質(hemp由来を除く。)が規制対象となっているという可能性は確認されています。
以上のことから、HHC及びΔ9-THCPに関して、中枢神経系に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えられています。
物質5,6に関する説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に流通実態について、□□委員、お願いいたします。
○□□委員 当化合物につきまして、Δ9-THCPのほうは検出事例がございませんでしたが、HHCにつきましては1件検出されました。2022年1月に褐色のオイル状として検出されています。以上です。
○関野部会長 それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。□□先生、どうぞ。
○□□委員 HHCは、結構、患者さんたちの中でも使っている人がおります。多分、大麻の使用罪がつくられるかもしれないというふうなことが、ユーザーたちの中で話題になってから、逮捕を恐れて大麻をやめた人たちの中でHHCを使ってみたという話もちらほら出ています。現時点では、臨床現場では健康被害があるとか精神医学的に何か問題が生じるということはないのですけれども、ただ、ユーザーたちの中では、尿検査をすると、尿検査でときどきTHCが陽性に出てきて、これは本当に大丈夫なのかという話もあったりします。何を言いたいかというと、多分、これが規制されたときにはきちんとその根拠を説明し、今度、規制対象になりましたということを広く広報しないと、多分、大丈夫だと思って使っていて、でも捕まってしまいましたという人が相当出てくるような気もします。したがって、その辺の広報とか周知の仕方について工夫をしたほうがいいような気がいたします。
○関野部会長 事務局、よろしくお願いいたします。
○事務局 □□先生、御指摘、御意見をありがとうございます。今回、先ほど御覧いただきましたとおり、ECサイト等でよく販売されているということを確認していますし、多分、先生がおっしゃった方々もECサイト等を活用していると考えていますので、ECサイト等を対象にして周知活動を追加でさせていただく予定としています。いずれにしましても、使っている方に正しく情報が伝わるように、こちらとしても必要な情報は提供していきたいと考えています。以上です。
○関野部会長 それでは、ほかの委員の方、御意見がございましたらよろしくお願いいたします。よろしいですか。
それでは、御意見がないようですので審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議して、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、事務局から今後の手続について御説明をお願いいたします。
○事務局 今後のスケジュール等について説明いたします。本部会の結果につきましては、次回開催の薬事分科会にて報告させていただく予定です。また、本日の結果を受けまして、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定となっています。また、本日、御審議いただいた物質に関する、いわゆる正規用途については、今のところ確認はされておりません。いずれにつきましても、可能な限り適正使用に支障を来さないように対応いたします。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。最後の2物質に関してですが、今までの手続ですと翌日には指定しましたということが出ますけれども、この物質5,6に関しては、今までとは違う形のスピード感になっているのでしょうか。
○事務局 御質問、ありがとうございます。基本的にスピード感という観点からは同じという形になりますが、ただ、先ほど御説明しましたようにECサイトで販売されていますので、そういったところに対して、この物質が規制されるということを伝えて、使用者、購入者のほうにも伝わるような形のところを強化していきたいと考えています。
○関野部会長 ありがとうございます。以上で、本日の議題は全て終了いたしました。令和3年度の部会は本日で終了となります。事務局から来年度の予定につきまして御連絡をお願いいたします。
○事務局 来年度の部会日程につきましては例年と同程度の時期を想定していますが、正式に決まり次第、また連絡をさせていただきます。以上です。
○関野部会長 それでは、以上をもちまして、令和3年度第5回指定薬物部会を閉会いたします。委員の先生方、ありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。
照会先
医薬・生活衛生局
監視指導・麻薬対策課 課長補佐 竹内(2779)