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第18回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会
健康局 健康課予防接種室
日時
令和4年3月4日(金) 16:00~18:00
場所
WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)
議事
- 議事内容
- ○萩森室長補佐 それでは、定刻となりましたので、第18回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会を開催いたします。
本日は御多忙のところを御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事は一部公開となっております。議事の様子は公開の部分についてはユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
続きまして、本日の出欠状況について御報告いたします。現在、氏家委員の到着が遅れているようですけれども、委員8名中7名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
続きまして、資料の確認でございます。本委員会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。資料番号01の議事次第及び委員名簿から番号12の利益相反関係書類まで御用意しております。
資料の不足等、御不明な点がございましたら、事務局員にお申し出ください。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、これからの進行は大西委員長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大西委員長 感染研の大西です。よろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から審議参加に関する遵守事項等について、報告をお願いいたします。
○萩森室長補佐 ありがとうございます。
審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告をいただきました。各委員及び参考人からの申告内容については、資料番号12の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日は、議事に関し、「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○大西委員長 ありがとうございました。
改めまして、委員の先生方には御多忙の中御参加をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。最初は「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」、いわゆる「9価HPVワクチン」についてです。前回のワクチン評価小委員会では、MSD株式会社参考人からワクチンの概要について御説明があり、多屋委員と池田委員からファクトシートについての御説明をいただいた上で、定期接種化に向けた今後の議論の論点について検討されました。今回は前回の議論から1年近く経過していることもあり、さらに前回からこれまでの間に定期接種としてのHPVワクチンに大きな動きがあったことから、まず事務局から前回までの議論やその後のHPVワクチンをめぐる経緯を説明いただきます。次に、MSD株式会社参考人より9価HPVワクチンの供給や開発の現状等について御説明をいただく予定です。その後、事務局から改めて今回の議論について提示していただき、今後の議論の方向性について、各委員から御意見をいただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○井本評価分析専門官 9価のHPVワクチンについて、お手元の資料1を用いて事務局から御説明させていただきます。
1ページ目、本日の小委員会での議論の流れをお示ししております。まず、9価ワクチンの定期接種化に係るこれまでの検討の経緯について、次に、前回の小委員会以降のHPVワクチン定期接種に関する議論の経緯を御説明いたします。この後、製薬企業であるMSD社と委員の先生方との質疑応答を経て、今回御議論いただきたい内容についての御提案となります。
2ページ目、9価ワクチンの定期接種化に係るこれまでの検討の経緯についてでございます。
3ページ目、9価のHPVワクチンは、令和2年7月に製造販売承認された後の当委員会で定期接種化の議論が始まりました。昨年の1月に国立感染研よりファクトシートを御提出いただき、昨年4月、令和3年4月の当委員会での第17回小委員会での議論で、このページの下に記載してございます3点についての議論が行われました。
4ページ目、5ページ目、こちらは前回第17回ワクチン評価に関する小委員会の議論をまとめたものでございます。
4ページ目、前回の議論においては、MSD株式会社より、ワクチンの概要、こちらは今回の資料の参考資料1-2にございます。こちらについて御説明いただいた後で、委員の先生方との間でこの資料に記載されているような質疑応答が行われました。次に、ファクトシート、こちらは参考資料1-3になりますけれども、こちらの内容について、執筆を御担当されました当委員会の多屋先生、池田先生から御説明をいただきました。
5ページ目、こちらは前回の議論で9価ワクチンの定期接種化に向けて検討すべき論点として、こちらに記載してございますけれども、8つの論点が整理され、これを今後議論していくという形で了承いただいております。論点は大きく「定期接種化の是非について検討を要する論点」、この青いところですけれども、それと「仮に定期接種のワクチンとして用いることになった場合に検討を要する論点」、緑のもの、この2つに分けられました。ここまでが9価ワクチンをめぐるこれまでの経緯の簡単な御説明でございます。
6ページ目から、前回の議論、こちらが令和3年4月でしたけれども、これまでの約1年の間に大きな動きのありましたHPVワクチンの定期接種をめぐる議論についての御説明でございます。
7ページ目、こちらは昨年10月の厚生科学審議会副反応検討部会と安全対策調査会の合同部会での資料でございます。HPVワクチンは平成25年度から定期接種化された後に、接種後のいわゆる多様な症状が報告され、同年平成25年の6月の合同部会を経て、厚労省から積極的な勧奨の差し控えの通知が発出されました。それ以降の8年余りの間、この同合同部会において、下の色つきの枠内に記載の3つの論点が議論されてきたところでございます。
8ページ目、積極的勧奨の差し控え以降のワクチンの接種状況の推移をお示ししております。平成25年の差し控え以降、しばらく接種数が低い状態が続いておりましたが、審議会で議論を経て作成されたワクチンに関する情報提供資材、リーフレット等も含めて、対象者等への情報提供が進んだことなどから、ここ数年、納入本数ベースでございますけれども、接種数の増加が見られております。
9ページ目、こちらは昨年11月のワクチン分科会の資料でございますけれども、生まれ年度別の接種率の推定値をお示ししております。積極的な勧奨の差し控え以降にこのワクチンの標準的な接種対象年齢13歳であった平成12年度生まれ以降の世代では、接種率が著しく低くなっていることがここから分かります。
10ページ目、積極的勧奨の取扱いに関する議論とその結論をお示ししております。積極的勧奨差し控え以降議論されてきた3つの各論点につきまして、昨年10月、そして11月の合同部会で議論が行われた結果、積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当という結論となりまして、これを受けて、同年令和3年の11月に、来年度というのは今年の4月からですけれども、積極的な勧奨の再開を決定いたしたところでございます。
11ページ目、積極的勧奨が差し控えられている間に、先ほど御説明させていただいたとおり、接種率が著しく低下していた世代に対して、公平な接種機会を確保するべきであるという御意見をいただきましたので、ワクチン分科会で議論が行われました。
その結果が12ページ目でございます。平成9年度から17年度生まれまでの9学年を基本として、こちらも来年度、今年の4月から3年間、いわゆるキャッチアップ接種を実施することになりました。
簡単ではございますけれども、以上が定期接種としてのHPVワクチンをめぐる最近の動きについての御説明でございました。
この後、MSD社との質疑応答がございますので、一旦大西委員長にお返しいたします。
○大西委員長 ありがとうございます。
○氏家委員 入れました。ありがとうございます。
○大西委員長 氏家先生、よろしくお願いします。
それでは、今回もお越しいただいているMSD株式会社の参考人から、9価HPVワクチンの供給や開発の現状について御説明いただければと思います。なお、ここからの企業との質疑応答部分については、開発中のデータが含まれていることから、非公開とさせていただきます。
事務局から説明をお願いいたします。
○萩森室長補佐 事務局でございます。
これからは非公開となりますので、委員の先生方とMSD社の参考人におかれましては、お手数をおかけしますが、あらかじめ御案内の非公開用のウェブ会議のリンク先にお移りいただきますようお願いいたします。また、傍聴人におかれましては、一時退室をお願いいたします。なお、MSD社からの説明とそれに対する質疑応答については、10分から15分程度を想定しております。質疑応答終了後にユーチューブ配信を再開し、傍聴人の再入室が可能となります。
(傍聴人退室)
<MSD株式会社からの9価HPVワクチンの供給や開発の現状についての説明とそれに対する質疑応答>
(傍聴人入室)
○大西委員長 それでは、今後の議論の方向性について、事務局から再度説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○井本評価分析専門官 それでは、お手元資料1の13ページ目からの今回御議論いただきたい内容というところについて御説明申し上げます。
14ページ目、前回第17回の小委員会で整理された論点、本資料の5ページでお示ししましたが、これらのうち青色で示している論点、「定期接種化の是非について検討を要する論点」については、前回お示しいただいて御説明いただいたファクトシートの内容を基に検討が可能と思われます。一方で、これらの論点のうち緑色で示してございますこの「接種対象者」や「定期接種に用いるワクチンの種類」につきましては、先ほど御説明させていただきました最近のHPVワクチンをめぐる動きも踏まえて改めて論点を整理する必要があると考えられます。そこで、事務局として、この下のオレンジの枠内の御提案で本日は御議論いただきたいと考えております。まずこの提案について御了承いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
○大西委員長 事務局から説明をいただきましたけれども、この2つの論点、こういう視点で議論していくという御提案でございましたが、事務局提案に沿って進めるということで御異論がないようでしたら事務局に続けてもらいたいと思います。よろしいでしょうか。
氏家先生、大丈夫ですか。
大体皆様の表情からはオーケーということですので、事務局、進めてください。
○井本評価分析専門官 ありがとうございます。
それでは、定期接種化の是非の検討について、ファクトシートの記載内容を論点別にまとめたもの、こちらを16ページ目からお示ししておりますので、御覧ください。なお、ここから20ページ目までのファクトシートの記載のまとめにつきましては、9価ワクチンのファクトシートを御執筆いただいた先生方にあらかじめ御確認いただいているものでございます。
16ページ目、論点の「接種の目的」、そして「疾病負荷の大きさ」に関する記載内容をお示ししております。目的として、子宮頸がんの死亡率の減少、また、子宮頸がん検診との相補的な役割、従来の2価・4価ワクチンよりもハイリスク型を含め多くのHPV遺伝子型を標的とすること。疾病負荷の大きさとしては、我が国における子宮頸がんの状況について記載がされております。
17ページ目、「国民の免疫の保有状況」につきまして、HPV遺伝子型の世界及び国内の分布、国内のワクチン接種による若年女性の抗体保有の状況についての言及をまとめております。
18ページ目、こちらはワクチンの有効性について、9価ワクチンによって期待される効果について、国内外の臨床試験の記載をお示ししております。なお、ここでは9価ワクチンの研究のみ記載しておりますけれども、ファクトシートでは2価と4価の有効性についても記載がございます。また、これらのワクチンの2価・4価の有効性・安全性につきましては、昨年10月からのHPVワクチン定期接種についての審議会の中でも最新のエビデンスについて議論されているところでございまして、子宮頸がんそのものに対する有効性などが示されているということを付言いたします。
19ページ目、「ワクチンの安全性」について、こちらは4価と比較したものも含めまして、接種部位の反応、全身症状についての記載をまとめております。接種部位については4価よりも症状発現が多いという記載があるものの、米国で承認後の有害事象報告においては想定範囲内であったということ。また、全身症状については4価ワクチンと比べて著しく頻度の高いものは認められておらず、また、CRPSなどの疾患との関連も示されなかったという結果が記載してあります。
20ページ目、こちらは「費用対効果」についてです。ファクトシートではHPV感染から子宮頸がんに至るまでの自然史モデルに基づき、ワクチン接種がない場合、4価のワクチンを接種した場合、9価ワクチンを接種した場合、この3つの戦略で費用対効果を算出。その結果、接種なしと比較しまして、9価の3回接種のほうが4価の3回接種よりも費用対効果に優れていると試算された結果が記載されております。
21ページ目、こちらは「定期接種化の是非について検討を要する論点」を再掲しております。まずは今のファクトシートの記載のまとめも踏まえまして、9価ワクチンの定期接種化の是非についてどう考えるかというところについて、御検討、御議論いただければと存じます。
その上で23ページ目、最後のスライドになりますけれども、定期接種のワクチンとして用いることになった場合、接種の対象者と使用するワクチンの種類については、キャッチアップ接種の導入など今般のHPVワクチンをめぐる動きを踏まえて、論点の再整理について御議論いただきたく存じます。
事務局からの説明としては以上です。
○大西委員長 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、各委員から御意見がございましたらお願いいたします。
氏家先生、どうぞよろしくお願いします。
○氏家委員 ありがとうございます。
最後のHPVワクチンが2価・4価・9価と3種類日本で流通している中で、定期接種にどれを用いるべきかという観点に関していえば、定期接種のプログラムでの使用を検討した、先ほどのファクトシートの中で9価の費用対効果が最も高いことが示されていますので、そういう意味では当然有効性が高い、つまり遺伝子型を広くカバーする9価を中心に使用していくことが望ましいだろうと思います。海外各国の状況を見ても、例えば、米国ではHPVの9価が使用されるようになってからは、4価はもう使えなくなっているような状況もあります。先ほどの議論でもありましたけれども、男性適応という観点で4価の使用対象が残るわけですが、定期接種の中では費用対効果の高く、予防できる遺伝子型のカバー率が高い9価、多価のワクチンを使用していくべきだと考えます。
以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
氏家先生からは、仮に定期接種のワクチンとして用いることになった場合の検討点、視点を紹介いただいた、また、お考えをいただきました。
21ページで、まず先にある定期接種化の是非についてということで、6点ほど議論のポイントはあるのかというところですけれども、これまでのファクトシート等を踏まえていかがですか。御意見をいただければと思います。
多屋先生。
○多屋委員 ありがとうございます。
9価のHPVワクチンの方が4価よりも子宮頸がんの原因となるHPVの型の多くをカバーしていますので、定期接種は9価ワクチンを使う方針で進めていっていただきたいと願っております。
以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
氏家先生、どうぞ。
○氏家委員 簡単に、21ページで、多屋先生から御指摘のあったように有効性が高く安全性に特に懸念がないということであれば、価格の問題と安定供給の問題が残るところだと思いますが、ファクトシートに基づき評価を行うと9価のほうがむしろ価格が高くても費用対効果が高いということで示されていますので、9価を広く使用することについてのハードルは、安定供給ができれば特に大きな問題はないのかと考えた次第です。
以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
非常によく書かれたファクトシートを基に我々は議論できそうで、そこには懸念点はないのかと。ファクトシートベースで考えていくというところは皆さん一致しているような感じはありますけれども、いかがでしょうか。何かあえて懸念点があるみたいなことがあるのであれば。それも結構ですかね。
ほかの委員の先生方、いかがですか。
氏家先生。
○氏家委員 何度もすみません。
懸念点というほどではないのですが、先進諸国のHPVワクチン接種プログラムを見ますと、男性での接種が一般的に行われていますので、現時点で4価が男性の接種適応を取っているというところがありますので、今、9価をどうするか、そして、9価の対象である女性を前提とした現在の検討ということで理解してございますが、懸念点とすれば、今後日本の定期接種プログラムに男性を含めて行っていくかどうかは併せて考えていくべき内容かと思いますので、発言させていただきました。
○大西委員長 さらなる前向きの御意見ということかと思います。
ほかにいかがでしょうか。
近藤先生、よろしくお願いします。
○近藤委員 近藤でございます。
懸念がないということを言いたいのですけれども、ファクトシートで費用対効果の分析をされているのですが、こちらの分析に関しては、ピアレビューや査読を受けたものではないのですけれども、比較的しっかりされた分析だと思いますので、ファクトシートに基づいた議論で、費用対効果に優れていて、9価のほうがふさわしいのではないか、より好ましいのではないかという結論でよろしいのではないかと、現段階では十分に議論の材料になるだけの値ではないかと思っておりますので、それだけのことでございます。
○大西委員長 ありがとうございます。
よろしいですか。
大藤先生、何か御意見はございますでしょうか。
○大藤委員 私も皆さんがおっしゃったのとほとんど同じ意見でございまして、カバー率も高くて費用対効果もいいということで、9価を進めていくということで異論はございません。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、この9価のHPVワクチンの定期接種化の是非についてという論点に関しましては、反対であるという意見はございませんでした。今後この小委員会では9価のHPVワクチンを定期接種のワクチンとして用いるということを念頭に残された論点について議論を進めるということで、基本的にはここでは皆様の意見は一致していると理解しております。事務局におかれましては、この結論を踏まえた上で対応をお願いしたいと思います。
そして、皆様、23ページを見ていただいて、もう一つの大きな論点ですけれども、仮に9価HPVワクチンを定期接種のワクチンとして用いることになった場合に検討を要する論点という意味合いでいきますと、事務局からは2点ほど挙がっておりますけれども、この点に関して、あるいはさらにこういうところもということがありましたら御意見をいただければと思います。
多屋先生。
○多屋委員 ありがとうございます。
9価を使うという方針がまず決められた場合は、次は接種回数ではないかと思っています。現在3回ですけれども、2回接種を視野に入れて検討を進めていただきたいと思います。その次に、キャッチアップ接種でどのワクチンを使うか。それは供給量等の観点が必要になると思います。3つ目が男性の接種をどうするか。この3つについては検討が必要ではないかと思います。
以上です。
○大西委員長 3点ということで御指摘をいただいております。
ほかの委員の先生方、いかがでしょう。
3回接種というところから2回接種という点ですね。それから、キャッチアップをどうしていくかと。3つ目が男性への接種ということ。ここにある接種対象者、2価・4価HPVワクチンと同様としてよいか、今は接種対象者が12歳から16歳ということですかね。それから、定期接種に用いるワクチンの種類と。どのワクチンを用いるべきか、選択をどうするかという観点がここには書かれているのかと思いますが、ほかにいかがでしょう。
原先生、よろしくお願いします。
○原委員 結局供給量にも関わってくるのかもしれませんが、2価・4価・9価を費用対効果で見ていくと、恐らく9価が一番高くてもいいということになると思いますので、今後どのタイミングで切り替えていくのか。また、多屋先生もおっしゃっていたように、回数によっても学年で異なると困るというのは、どのワクチンを使えるかということも同じことが起こってくると思うので、そういったことも検討するべきかと思いました。
○大西委員長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
もし追加での御意見がないようでしたら、今回の多屋先生、原先生の御指摘等を踏まえて改めて資料を整理していただいて、引き続き議論をしていきたいと思います。9価のワクチンのまだワクチン評価に関する小委員会とは少し違った視点での議論は残ってはいると思いますので、そこも踏まえつつということかとは思いますが、事務局に資料を整理していただきたいと思います。
それでは、9価のHPVワクチンに関する議論に関してはここまでにしたいと思いますが、よろしいですか。
事務局のほうも結構ですか。何か落としがあれば御指摘ください。
○井本評価分析専門官 先生方、御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
大西委員長におまとめいただいたとおり、いただいた御意見を踏まえて事務局で改めて次に向けて整理したいと考えております。ありがとうございました。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、議題(2)に進めたいと思います。続きまして「沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(DTaP)を含む混合ワクチンについて」に移りたいと思います。まず、事務局からこれまでの経緯について説明いただき、その次に、現在開発中の5種混合ワクチンについて、2社の製薬企業から臨床試験の結果について御説明いただき、それぞれ質疑応答の時間を設けたいと思います。その後、事務局から今回の論点を提示していただきまして、各委員から御意見をいただきたいと思います。
それでは、事務局からまず説明をお願いいたします。
○井本評価分析専門官 「沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(DTaP)を含む混合ワクチンについて」、今度はお手元の資料2を用いて事務局から御説明させていただきます。
1ページ目、本日の議論の流れをお示ししております。まずは本年1月の予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会における5種混合ワクチンについての報告内容についてお示しいたしまして、5種混合及び4種混合ワクチンに含まれる百日せきの予防に関してのこれまでの議論の経緯について御説明させていただきます。その後、5種混合ワクチンの製造メーカーから開発中のワクチンの臨床試験についての御報告をいただきまして、再び事務局から今回御議論いただきたい論点について御説明する予定となっております。
資料の3ページ目から7ページ目にかけては、先ほどお伝えしたように、本年1月の基本方針部会の資料、こちらは参考資料2-1にもございます。こちらからの抜粋をお示ししております。
3ページ目、まず開発優先度の高いワクチンとして挙げられているこれらのうち色が変わっているところ、こちらが5種混合ワクチン、5種というのは内容がジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、ここまでが今の4種混合に含まれておりますけれども、それにヒブが加わって5種類の疾病を予防するためのものとなり、現在、ここでお示しの微研、KMB2社で開発中でございます。
4ページ目、こちらは平成25年、9年前の生産・流通部会で示されたものでございますけれども、この5種混合の開発においては、海外では生後2か月からの投与開始が主流であるということを踏まえまして、2か月の接種開始の方向性で検討するということにもともとなっておりました。
5ページ目、現在開発中の企業からの情報に基づくスライドですけれども、現在、KMバイオロジクス、阪大微研で開発中のどちらもこの赤文字の部分、生後2か月からの接種開始を想定に開発されております。
ちなみに、この資料の19ページ目の参考にお示ししておりますけれども、現行の4種混合ワクチン、この表の上から5番目のDPT-IPVというところでございますが、現行の接種開始時期は3か月から4か月、5か月、18か月の計4回の接種となっております。
お戻りいただいて6ページ目、本年1月の基本方針部会では、5種混合の定期接種化についての課題が挙げられました。現行の4種混合と異なる接種時期の取扱いや接種のスケジュール、また、5種混合への切替えの方法などが課題として挙げられたところです。
7ページ目、5種混合ワクチンの対応方針として、基本方針部会では、この小委員会でお示しの2点について検討を行うということで御了承いただきました。この1ポツ目の部分、5種混合ワクチンはまだ薬事申請の前ですので、実際の定期接種化の議論は薬事承認後に本格化するものでございます。ただ、一方で、この2ポツ目、赤枠でハイライトしておりますけれども、5種混合の開発において、対照群として4種混合ワクチンを生後2か月から投与するというものが含まれていることから、現行の4種混合ワクチンの接種開始時期については、先行して検討できるものとされました。この4種混合ワクチンの接種開始時期の生後2か月からの前倒しという論点は、実は百日せきによる乳児の重症化を防ぐという非常に重要な議論においてもこれまで検討されてきたものでございます。そのため、今回はこれまでの百日せきに関する議論の経緯をお示しいたしまして、この後、企業からお示ししいただく5種混合のデータを踏まえまして、改めてこの点を議論いただきたいと考えております。
8ページ目から、こちらは百日せきに関するこれまでの議論の経緯をお示ししております。
9ページ目、百日せきワクチンにつきましては、2010年にファクトシート、こちらは参考資料2-4に入れております。これがまず報告されております。それ以降、議論としては、この既存の2種混合、いわゆるDTワクチン、ジフテリアと破傷風が含まれているもの、こちらは現在も11歳から13歳の間で追加接種されておりますけれども、このDTにP、つまり百日せきを入れたDTP、3種混合とする必要性などについて検討が行われてきました。そもそも百日せきの罹患を防ぐ目的は何かという議論がされまして、前回第15回、これは2年前になりますけれども、本件に関する議論において、百日せき罹患によって最も命の危険にさらされる乳児、特にハイリスクとなる6か月未満の乳児の重症化を予防するという目的で、次のページからの6つの案が示されております。
それが10ページ目でございます。こちらは前回第15回の小委員会の資料、こちらも参考資料2-2に入れておりますけれども、これの一部の抜粋でございますが、6つの対応案のまとめをお示ししております。1から6までございますけれども、上から1、2、こちらは学童期前から学童期にかけての児童への追加接種に関する対応案でございます。3と4、こちらはリスクとなる乳児に対する接種スケジュールの変更案で、今回の議論のメインであるこの3案、生後2か月からの接種開始というものがございます。5、6は成人に対する接種に関する対応案となります。
11ページ目、「第15回の議論のまとめ」という資料ですけれども、前回15回の議事録からまとめてございます。大きく3つのカテゴリーに分けておりますけれども、上から検討の方向性については、先ほどの1から6の6つの案、これを一律に検討するよりは、できるもの、準備の整ったものから順次必要性を検討するべきであるという御意見があったものです。この各論点につきましては、1から6それぞれについて前回の議事録を基に記載しておりますが、特にこの赤字の部分、3案については、データがあれば早期に検討可能、費用対効果も優れているという御意見がございました。ただし、費用対効果につきましては、先ほどのページの表が当時事務局で試算した粗いものとなっておりまして、こちらについてはより詳細な分析が必要ではないかという御意見をいただいております。
12ページ目、前回御議論いただいたものをさらに事務局で整理したものとなります。各論点について、接種の対象者、用法、こちらは薬事上で想定された用法となっているかどうかで分けております。また、データの有無について、費用対効果については、先ほどお話ししたように、粗い試算ではありますけれども、前回の議論で検討された内容について整理しております。この中で、赤枠3案については2年前の当時はデータが存在しておりませんでしたが、このたび5種混合ワクチンの開発データの中で出てくるものという形で、この小委員会で各企業から御報告いただく中に含まれております。
それでは、ここから各メーカーによる臨床試験結果の御報告をいただきたいと思いますので、一度お返しいたします。
○大西委員長 記憶を呼び覚まさせていただきましたけれども、それでは、5種混合ワクチンの開発企業から臨床試験の結果について御説明いただきます。なお、ここから以後の議論は開発中のデータの御発表とそれに基づく議論のため、非公開となります。
事務局から説明をお願いいたします。
○萩森室長補佐 事務局でございます。
それでは、これ以後の議事はユーチューブ配信を含めて非公開となりますので、傍聴人も御退席をお願いいたします。
(傍聴人退室)
<各企業から5種混合ワクチンの臨床試験の結果に関する説明とそれに対する質疑応答>