2022年3月3日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年3月3日(木)18:00~

出席者

出席委員(18名)五十音順
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(3名)
行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 定刻を過ぎていますが、ただいまから薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会のWeb会議を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度、医薬品部会につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。まず、本日のWeb会議における委員の出席状況ですが、亀田委員、小崎委員、松下委員より御欠席との御連絡を頂いております。したがいまして、現在のところ当部会委員数21名のうち18名の委員がこのWeb会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様から薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。
 委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づきまして、議題1につきましては会議を公開で行い、議題2以降の議題については医療用医薬品の承認申請等に関する議題でありますので、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。
 それでは、これから議事に入りたいと思います。審議事項の議題1は資料No.1を用いますので、お手元に御用意をお願いいたします。なお、システムの動作不良がございましたら会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けいただければと思います。
 それでは清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 皆様今晩は。清田です。ただいまの事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、審議事項議題1に入ります。議題1につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。審議事項1について御説明申し上げます。議題1は、生物学的製剤基準一部の改正についてです。資料No.1を御覧ください。この度の生物学的製剤基準の一部変更ですが、生ワクチン類と組換えタンパク質を有効成分とするワクチン、これらに規定されている異常毒性否定試験を削除するものになります。
 異常毒性否定試験は、生物学的製剤基準の一般試験法に定められている試験でして、モルモットの腹腔内に投与して、体重減少やその他の異常がないことを確認する試験となっております。歴史的にワクチンや血液製剤等の、いわゆる生物学的製剤に対して実施されてきた試験ですが、近年は、いわゆる生物学的製剤の製造管理であったり品質管理方法の向上に伴いまして、こういった試験によらずとも、製品の品質を確保することが可能になってきている状況にあります。
 加えまして、動物愛護の観点もありまして、世界的にもこういった試験を廃止という流れになっております。このような背景も踏まえまして、血液製剤につきましては、先般、昨年9月の部会審議を経まして、全ての血液製剤から異常毒性否定試験を削除しているところですが、この度、ワクチンにつきましても、まずは生ワクチンに類するものと、あと組換えタンパクワクチンを有効成分とするワクチンについて検討結果がまとまりましたので、それを踏まえて、これらのワクチンの各条から異常毒性否定試験を削除して差し支えないというように、こちらとしては判断しております。
 本議題につきましては、渡辺委員より、事前にコメントを頂きました。御紹介させていただきます。「詳細かつ緻密な検討がなされており、生ワクチン等に対して生物学的製剤基準から、異常毒性否定試験の削除は妥当であると判断いたしました。このような検討により、更に合理的な製剤基準が策定されていることも十分に理解いたしました。」というコメントを頂いております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等ございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
○大隈委員 よろしいですか。
○清田部会長 どうぞ。
○大隈委員 関西医大の大隈です。少し確認させていただきたいのですが、資料の2ページの上から6行目に、「国家検定及び自家試験が順次省略されてきた。」という記載がありますが、その後に、「一方、生ワクチンでは、自家試験のみが実施されてきた。」というような記載があって、ちょっと齟齬(そご)があるような気がするのですが、上の表現は、生ワクチン以外の自家試験が順次省略されてきたという意味でしょうか。
○事務局 おっしゃるとおりです。まず、生ワクチン類に関しましては、生物学的製剤基準に異常毒性否定試験が定められているのですが、検定としてはこれまで実施していなかったと。なので、ワクチンメーカーが自ら生物基に従って、ロット毎に異常毒性否定試験をやっていたという状況になります。
 一方、生ワクチン以外のワクチンですが、これらについては各条において、それぞれ異常毒性否定試験が定められておりますので、メーカーが、まず異常毒性否定試験をやると。その上で検定に出検されてきた際に、感染研においても異常毒性否定試験をやるということをしておりました。ただ、その中で一部のワクチンについては、50ロットとここにありますが、そういったところで特に問題がないというように確認されたものにつきましては、順次省略ができるということを規定しておりまして、それによって検定でも異常毒性否定試験を行わないし、メーカーの試験においても行わないと。そういう省略ができるということになっていたというのが実情です。ちょっと分かりにくいのですが、そういった状況になります。
○大隈委員 分かりました。あと、13ページなのですが、2番目の段落の上から5行目の所に、「生物基からの削除が認められたところである。」とあるのですが、確かに血液製剤等はそうかもしれないのですが、今、審議されている生ワクチンとかの記載もあるのですが、これはこういう記載で大丈夫ですか。
○事務局 こちらにつきましては、いわゆる感染研の中で検討した資料になっておりまして、感染研の方では昨年末に、まず、生ワクチン等の削除が認められたと。次にB型肝炎ワクチン、組換え沈降B型肝炎ワクチンが2月18日付けで、感染研の方で、これはもう削除してもいいのではないかという結論が得られたと。それに続いて、同じ日に文章としては出ておりますが、時間の経過が、感染研の中でそういった順番に結論に至ったというところがこちらに書いてあるということです。
○大隈委員 じゃあ、これらは感染研の中で認められたということですね。
○事務局 そういうことです、はい。
○大隈委員 これは、この文章というか、この表現はこの資料としては大丈夫ですか。これでよろしいのですか、大丈夫ですか。
○事務局 はい。国立感染症研究所としての資料ですので、大丈夫です。
○大隈委員 分かりました。すみません、あと一つだけなのですが、その後のページで実際の改正の対照表が前と後でありますが、例えば26ページ辺りですが、この辺に今回の審議内容と異なる製剤等が、血液製剤とかも含まれているのですが、これは今回のと合わせて一緒に改正するという意味でしょうか。
○事務局 こちらにつきましては、項番号等の記載の整備を行っているというところでして、内容的には全く変更はありません。
○大隈委員 記載整備ですね。
○事務局 はい。
○大隈委員 分かりました。ありがとうございました。
○事務局 すみません、説明足らずで申し訳ございませんでした。
○清田部会長 ありがとうございました。ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは議決に入ります。本議題について改正を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、改正を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、以後の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様は御退席くださいますようお願いいたします。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議等を開始いたします。
 それでは、準備が整いましたので、医薬品第二部会を再開いたします。事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告をお願いいたします。
○事務局 本日の非公開案件にかかる資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.2~資料No.18-3と製剤写真を用いますのでお手元に御用意いただけますでしょうか。このほか資料No.19として、「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を、資料No.20として「専門委員リスト」、資料No.21として「競合品目・競合企業リスト」を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。
 なお、本日の議題のうち、審議事項議題4及びその他事項議題1のテゼスパイアにつきましては、部会開催の案内後に企業から新たな情報が入りました。このため、今後、詳細を確認したいと思いますので、大変申し訳ございませんが、本日の議題からは取り下げさせていただければと思います。
 続きまして、本日のWeb会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。資料No.21を御確認ください。まず、1ページの「ミチーガ皮下注用」ですが、本品目は「アトピー皮膚炎に伴うそう痒」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 2ページを御覧ください。「タクザイロ皮下注」です。本品目は「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 3ページを御覧ください。「ユニタルク」です。本品目は「外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 4ページを御覧ください。「セムブリックス錠」です。本品目は「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 5ページを御覧ください。「Maribavir」です。本品目は「臓器移植後におけるサイトメガロウイルス感染」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 6ページを御覧ください。「セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物」です。本品目は「カルバペネム系抗菌薬に耐性が考えられる菌株に限る各種感染症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 7ページを御覧ください。「depemokimab」です。本品目は「好酸球増多症候群」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 8ページを御覧ください。「ダブラフェニブメシル酸塩」です。本品目は「BRAF V600遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。
 9ページを御覧ください。「トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物」です。本品目は「BRAF V600遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの御説明に、特段の御意見はございますでしょうか。はい、それでは本Web会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆さまの御了解を頂いたものといたします。
 それでは、委員からの申出状況について御報告をお願いします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況及び第5条に基づく取扱いについては、次のとおりです。議題2「ミチーガ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:川上委員、中野委員、南委員、です。
 議題3「タクザイロ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:川上委員、南委員、宮川委員です。
 議題5「ユニタルク」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになしです。
 議題6「セムブリックス」:退室委員:南委員、山口委員。議決に参加しない委員:川上委員です。
 議題7「Maribavir」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:川上委員、島田委員、中野委員、南委員、宮川委員です。
 議題8「セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物」:退室委員、清田委員、議決に参加しない委員:川上委員、横幕委員です。
 議題9「depemokimab」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになしです。
 議題10「ダブラフェニブメシル酸塩」:退室委員:山本委員、議決に参加しない委員:なしです。
 議題11「トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物」:退室委員:山本委員、議決に参加しない委員:なしです。以上です。
○清田部会長 今の事務局からの御説明に、特段の御意見はございますでしょうか。よろしければ、皆さまに御確認を頂いたものといたします。なお、議題8につきましては、私が退室となっておりますので、本来であれば部会長代理である川上委員に進行をお願いするところですが、川上委員は本日19時頃に退室予定となっておりますので、薬事分科会委員である田島先生にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 よろしければ、皆さまに御確認いただいたものといたします。田島先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○田島委員 よろしくお願いします。
○清田部会長 本日の非公開案件は、審議事項9議題、報告事項6議題、その他事項1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移ります。議題2につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、ミチーガ皮下注用 60mgシリンジの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。審査報告書をお手元に御用意ください。以後の審査報告書のページ数は、各ページの下段に58分の幾つで記載しております数字を使用いたします。
 本剤の有効成分であるネモリズマブ(遺伝子組換え)は、インターロイキン-31受容体Aに対するヒト化IgG2モノクローナル抗体であり、今般、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒に係る効能・効果で製造販売承認申請がなされております。
 本申請の専門委員として、資料No.20に記載されています9名の委員を指名いたしました。
主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明いたします。なお、審査報告書50ページの「10.その他」に有効性の評価方法の詳細を示しておりますので、適宜御参照ください。
 有効性につきまして、ステロイド外用剤又は外用カルシニューリン阻害剤に加えて、抗ヒスタミン剤等を使用しても中等度以上のそう痒を有するアトピー性皮膚炎患者を対象とした国内第III相試験であるM525101-01試験成績より説明いたします。審査報告書29ページ、表28を御覧ください。本試験において、主要評価項目として設定された投与16週時におけるそう痒VASのベースラインからの変化率は表28のとおりであり、“プラセボ群との差”の行に示しますとおり、本剤群とプラセボ群との対比較において統計学的に有意な差が認められ、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されております。また、審査報告書33ページ表32に、そう痒VAS以外のそう痒に係る評価項目の結果を、また、その次の34ページ表34にQOLに係る評価項目の結果を示しておりますが、いずれも、本剤群でプラセボ群を上回る傾向が認められております。以上より、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒に対する本剤の有効性は示されていると判断いたしました。
 安全性につきまして、審査報告書36ページ表36に本剤の臨床試験における安全性の概要を、表37及び表38には、本剤の臨床試験において認められた主な有害事象及び副作用を示しております。また、本剤の薬理作用等から懸念される感染症等の発現も含めた検討の結果、安全性上の重大な懸念は示されておらず、アトピー性皮膚炎の治療に精通した医師の下で使用する等の適切な安全対策を実施することにより、本剤の安全性は許容可能と考えております。
 以上の結果より、効能・効果は「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)」、用法・用量は「通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。」と設定することが適切と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから再審査期間は8年、生物由来製品に該当し、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。
 また、事前に、渡辺委員より、「近年増加傾向にあるアトピー性皮膚炎患者、特に学童期以下の若年者は、一般臨床の現場でも難治性症例に遭遇することも多く、治療薬の導入には意義があると思われる。今回の申請では、13歳以上の患者が対象とされているが、乳幼児から12歳以下の小児への適応拡大も検討されるべきだと思われる。」との御意見を頂いております。
 本剤の小児開発につきまして、現在6歳以上の小児患者に対する開発が行われております。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○を申し添えさせていただきます。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○清田部会長 渡辺先生、今の御説明、いかがでしょうか。
○渡辺委員 十分理解できました。
○清田部会長 はい、ありがとうございます。ほかの先生方からの御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
○宮川委員 宮川です。今、渡辺先生の御指摘があったところは非常に重要なことだと思っています。対象年齢が13歳以上ということで、小児科でもこういうものを治療という形で提供することは十分考えられますが、添付文書の5.1にあるように、どういった状態の患者さんであれば使うのかも含めて、広く使われるようになるとすれば、もう少し分かりやすいというか、例えば、適正使用推進ガイドラインなども含めて、具体的な丁寧な記載による情報提供があってもよいのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。そういう意味で、渡辺委員の言ったように、今後もっと低年齢者に適用するという場合を見越して、そのような丁寧な書き込みなどの対応が必要ではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。本品目につきましては、最適使用推進ガイドラインの作成対象品目となっており、その作成を行っております。また、医師向け資材と患者向け資材も作成予定となっておりますので、それらの資材の中で、医師及び患者に対して、適正使用に関するより詳細な情報を提供していければと思っております。
○宮川委員 ありがとうございます。そういう意味ではかゆみの指数はいろいろなものがありますけれども、若年者であれば本人の訴えというものと、臨床的な適用というものが少し離れてしまう恐れがありますので、是非、そのような書き込みをお願いしたいと思います。
○清田部会長 ほかに御質問はございますでしょうか。
○島田委員 よろしいでしょうか、島田です。この薬剤はいろいろ難しいところがありまして、適用がアトピー性皮膚炎のそう痒だけなのですね。だから、こういうちょっと持って回った言い方というか、表現が難しい言い方になってしまっているということです。アトピー性皮膚炎そのものに対しては、基礎的には外用の治療が必要であって、そう痒に対してだけ効果があるというようなことで、臨床試験でも、そう痒はいいのですが、皮疹に関してどうなのかというと、それほどものすごい効果があるわけではないので、だから、その辺のところがちょっと難しい薬ではあると思うのです。ただ、アトピー性皮膚炎の最も重要な症状は何かというと、そう痒ということですので、問題はないのかもしれませんけれども、この皮疹も治してしまうようなもう一つのデュピルマブというIL-4Raに対する抗体、これは両方治してしまうので、こっちの方が実は生物学的製剤としては非常に優れているのですけれども、このIL-31というのは新たに見つかった、そう痒を惹起するサイトカインですので、これに対する抗体を投与したところ、そう痒に対して非常に効いたということで、ある意味画期的なことは画期的なので、これを薬として承認するのは私も問題ないと思うのですけれども、そのような弱点を抱えているので、なかなかいろいろ難しいところはあるかと考えています。
○清田部会長 ありがとうございます。分かりやすい御説明でした。かゆみは取れるけれど治らないというか、そのような意味ですね。ほかに御意見はございますか、よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは議決に入りたいと思います。川上委員、中野委員、南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 事務局から、引き続き御説明をお願いいたします。
○事務局 御説明頂きました最適使用推進ガイドラインについて作成しておりますので、資料18-1を御覧ください。本品目はアトピー性皮膚炎を対象とする抗体医薬品ですので、従来の医薬品と同様に最適使用推進ガイドラインを作成しております。従来同様の構成として、まず、臨床成績などを記載しておりますが、その点を飛ばしていただいて、ガイドラインの中で対象施設の要件を10/14ページに記載していますので御確認いただければと思います。この中で、医師の要件を規定していますが、こちらは今回一部の小児の患者対象ということですので、小児に関する医師の要件も加えた形で、従来の小児に関する適用をもっている薬剤と同様の要件となっております。
 それから12/14ページには、投与対象となる患者さんの要件を記載しておりますが、こちらも先ほど御指摘いただいたように、かゆみに関するスコアを確認することになっていまして、マル2のポツに記載しておりますが、そう痒VASが50以上、又はそう痒NRSが5以上、かゆみスコアが3以上といった要件を設けております。ガイドラインについての説明は以上です。
○清田部会長 委員の先生方から御質問等がございましたらどうぞ。よろしいでしょうか。それでは本議題につきましては御承認いただいたものといたします。
 続きまして、議題3に移ります。機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、タクザイロ皮下注 300mgシリンジの製造販売承認の可否等について、資料に添付されている審査報告書に沿って機構より御説明します。審査報告書をお手元に御用意ください。以後の審査報告書のページ数は、各ページの下段に53分の幾つで記載している数字を使用します。
 本剤の有効成分であるラナデルマブ(遺伝子組換え)は、血漿カリクレインに対するヒトIgG1モノクローナル抗体であり、今般、遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制に対する効能・効果で製造販売承認申請がなされました。
 本申請の専門委員として、資料No.20に記載されています9名の委員を指名しています。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明します。なお、審査報告書48ページ「10.その他」に有効性の評価方法の詳細を示していますので、適宜、御参照ください。
 有効性につきまして、審査報告書の26ページ表25を御覧ください。この表は、12歳以上のHAE患者を対象とした海外第III相試験の成績を示しています。本試験の主要評価項目である、治療期における治験責任医師が確認したHAE発作発現頻度について、一番下の行にお示ししているとおり、本剤とプラセボとの対比較において統計学的に有意な差が認められ、プラセボに対する本剤の優越性が検証されています。
 次に審査報告書の30ページ表30を御覧ください。この表は、12歳以上のHAE患者を対象とした国内試験の成績を示しています。本試験は、国内のHAE患者数が限られていること等が考慮され、主要評価項目を、無治療の場合達成困難と考えられる指標である、投与開始後26週間無発作状態を達成できた被験者の割合と設定の上、非盲検非対照試験として実施されております。当該無発作状態の達成割合は41.7%であり、海外第III相試験の本剤群と同程度の達成割合が示されています。
 主要評価項目以外の主な有効性評価項目の成績は、審査報告書34ページ表33を御覧ください。急性発作治療を要したHAE発作発現頻度など、いずれの評価指標においても、海外試験ではプラセボを上回る傾向が、国内試験ではベースライン時と比較して改善する傾向が認められています。
 以上より、本剤のHAEの急性発作の発症抑制に対する有効性は示されたと判断いたしました。
 安全性につきまして、国内外の臨床試験において認められた安全性の概要を審査報告書38ページ表38に、また、主な有害事象を次の39ページ表39にお示ししています。主な有害事象としては過敏症などが認められていますが、安全性上の重大な懸念は認められておらず、HAE患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断しています。
 以上より、12歳以上のHAE患者の急性発作の発症抑制に対する本剤の有効性及び安全性が確認できたことから、効能・効果は「HAEの急性発作の発症抑制」と設定することが適切と判断しました。
 用法・用量については、海外試験において4週間隔投与でもプラセボを上回る有効性が認められ、欧米では症状が安定しているHAE患者に対して2週間隔投与に加え4週間隔投与の選択肢が設けられていることも踏まえて、国内試験で26週間無発作状態を維持できた患者のうち4例に4週間隔投与への切り替えが行われています。結果は、審査報告書46ページ表45のとおりであり、効果減弱傾向は認められていないことが確認されたこと等から、基本の用法・用量は300mgの2週間隔投与とした上で、継続的に発作が観察されず症状が安定している場合には、300mgの4週間隔投与も選択できると設定することが適切と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本薬は、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年、生物由来製品に該当し、原体及び製剤は毒薬、劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会では報告を予定しております。
 また、事前に渡辺委員より「遺伝性血管性浮腫の急性発作に対する発症抑制薬として本剤は意義深いと思われるが、自己注射は保管方法に関して教えてほしい。」との御質問を頂いています。本剤は医師の処方に基づき、HAEと診断された患者に対して、HAE発作の発症抑制を目的に定期的に投与する薬剤であり、自己投与も予定されています。自己投与用の資材などにおいて、本剤の保管方法、凍結を避けて冷蔵庫で本剤を保管すること等の注意喚起がなされています。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。渡辺先生、いかがでしょう。
○渡辺委員 質問のお答えありがとうございます。私が伺いたいのは、その遺伝的素因がまだ分かっていなくて、診断が付いていない人に対して対応するような局面ということもあるのかなと思って、つまり、診断が付いていて医師が管理している状況下でしたら今の御説明で分かるのですが、そうでないような状況ということはあり得るのか、それとも、そういう場合に何か対応策があるのか、ちょっと教えてください。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。基本的にはHAEと診断された患者が本剤の投与対象になると考えています。
○清田部会長 渡辺先生、いかがですか。
○渡辺委員 極めて明快な御回答をありがとうございます。
○清田部会長 では、そのように御理解いただいたということでよろしいですか。ありがとうございます。ほかに御質問はありますか。
○宮川委員 今の渡辺委員に対する明快なお答えがあったわけですが、添付文書の8.2.1、8.2.2の所なのですが、自己投与を適用する場合も含めてなのですが、この新薬の安全な使用の確保の観点から設定されている14日処方制限も踏まえて、発売後1年間は、自己投与というのは、本当は問題があるのではないでしょうか。ここに書き込みをすることが本当に適切なのかどうか、実際にその発売開始1年間は自己投与というものを考えるべきなのではないのではないかと考えます。安定している患者さんには4週一度通院して、投与を受けることは理解しています。ここの書き込みがあることが、1年後であればいいのですが、発売直後にこういう書き込みが存在することは、本来、適切なのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。お手元の添付文書案には、今後、自己投与が認められた場合に記載することが求められる注意喚起が記載されております。自己投与が認められていない間は、当該注意喚起を含まない添付文書が使用されることになります。
○宮川委員 では、その明快な答えとして8.2.1、8.2.2は、添付文書ではないと考えていいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。発売直後の自己投与が解禁されていない状態の場合には、この8.2.1、8.2.2の記載はない状態で市販されることとなります。
○宮川委員 明快な答えをありがとうございました。
○清田部会長 ほかに御質問はありませんか。
○宮川委員 もう一つ、よろしいですか。ちょっと教えていただきたいのは、審査報告書の48/53の所で、8.2のGCP実地調査結果に対する機構の判断ということで、教えていただきたいと思いますが、こういう治験実施のいろいろな問題があったことに対して、治験依頼者は申請者と異なるのかどうか。今後、臨床研究法でスポンサー概念も導入される予定もあるわけですから、企業治験や医師主導治験においても、申請者の責任、それから治験依頼者の責任、治験責任医師の責任、この三つ、この役割分担について改めて周知をしていただきたいと思います。この中で今後の記載ですが、ここにあることはよく分かるのですが、今後そういうことに対して、整理していかないといけないので、是非ともそのところは機構からも丁寧にいろいろなところで記載をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘どうもありがとうございます。今回の国内試験では、治験依頼者は申請者である武田薬品工業株式会社でございます。
○宮川委員 ありがとうございます。それから全般的なことなのですが、先ほど渡辺委員からもありましたように、遺伝性疾患ということで、長期にわたり使用することが想定されるので、使用数も少ないので十分な市販後調査も必要だと思いますので、その辺のところのきちっとした対応もよろしくお願い申し上げます。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。企業には十分に市販後調査を行うように、申し伝えさせていただきます。
○宮川委員 ありがとうございます。
○清田部会長 ほかに御質問はありませんか。よろしいでしょうか。ないようです。
 それでは、議決に入ります。川上委員、南委員、宮川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 続きまして、議題5に移ります。議題5について、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明させていただきます。審査報告書をお手元に御用意ください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に記載しております20分の幾つの数字を使用いたします。
 滅菌調整タルクを有効成分とする本剤は、胸膜癒着剤として、本邦では2013年9月に悪性胸水の再貯留抑制に係る効能・効果で承認されております。今般、「外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸」に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 続発性気胸は、肺の基礎疾患が原因で、肺を覆う臓側胸膜に瘻孔が生じ肺内の空気が胸腔に漏れ、肺が萎縮する疾患になります。外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸に対しては、気管支充填術が実施されておりますが、気管支の瘻孔部位の同定が困難で気管支充填術の実施が困難な患者が一定数存在しております。また、胸膜癒着術も実施されているものの、続発性難治性気胸に対する胸膜癒着剤として効能・効果を有している医薬品はありません。なお、2021年5月に開催されました当部会で御審議いただき、本剤は本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されております。
 本申請の専門委員として、資料No.20に記載されております4名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明させていただきます。有効性につきまして、審査報告書5ページ、中ほどを御覧ください。国内試験は、本剤の臨床的位置付け等を踏まえ、適切な対照群を設定した比較試験の実施は困難とされ、非盲検非対照試験として実施されております。本試験の主要評価項目である「胸膜癒着術後又は再癒着術後30日までに胸腔ドレーンを抜去できた患者の割合」は82.1%であり、実際の医療現場における他の治療法の成績等に基づき事前に設定された閾値である36%に対して統計的に有意な差が認められました。
 また、気胸治療に係る欧米ガイドラインにおいて、タルクを用いた胸膜癒着術は、治療選択肢の一つとされており、報告書9~11ページに記載したとおり、複数の公表文献にて有効であったとの報告がなされております。
 以上より、機構は外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸に対し本剤は有効性が期待できると判断いたしました。
 安全性については審査報告書12ページ表7に、国内試験と既承認の悪性胸水患者を対象とした臨床試験及び製造販売後調査における安全性の概要をお示ししております。続発性難治性気胸患者において、既承認の効能・効果における安全性プロファイルと比較して、明らかに異なる傾向は認められていないことから、既承認効能・効果と同様の安全対策を講じることが適切と考えております。
 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会にて御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当と判断しております。薬事分科会では報告を予定しています。以上、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問がありましたら承ります。いかがでしょうか。
○南委員 南ですけれども、ちょっと伺わせていただいてよろしいでしょうか。このタルクですけれども、随分前から化粧品等に使われていて、その際の発がんが少し問題になった時期があったかと思います。発がんに関して現在でも基礎研究等が行われているようですが、悪性胸水の場合は残念ながら患者さんの生命予後がそれほど長くありませんから問題にならないと思うのですが、今回はCOPDなどがバックグラウンドにあるとはいえ、長く生存される方が対象になるかと思います。市販後の調査も急性期の調査が中心ですが、長期的ながんの情報を拾う必要性についてどのように考えたらよいのでしょうか。必要があるなら長期的な情報を収集する方策を取る必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えさせていただきます。本申請は効能追加の一部変更承認申請のため、発がん性に関連する非臨床試験等の試験成績は特に提出されておりません。今回の投与方法としては単回で追加投与が1回のみということで、長期に投与される効能・効果ではございません。
○南委員 ありがとうございます。トキシコロジーの観点からタルクの発がん性の問題は、私もフォローアップをしていなくて申し訳ないのですが、解決されたと考えているのであればいいと思います。解決されていなくて、まだアラートが出ている状況であれば、長期的な発がんの情報を収集する体制を取る必要があると思いますが、どう対応すべきかを考えていただいたほうがいいかと思います。タルクの発がん性に関しては、まだ問題となっているという理解でいいのでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 毒性評価に関しましては、基本的には今回の審査で大きな問題にはなっておりませんが、御指摘いただきました点については、改めて確認し、清田先生及び南先生方に御報告するような形を取らせていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○南委員 すみません、突然伺わせていただいて。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 後ほどお知らせいただくという形を取らせていただきます。ほかに御質問はありますでしょうか。
○宗林委員 先生、私にも後で教えてください。タルカムパウダーについて発がん性が以前問題になっていたような気がするのですが。アスベストの混入の問題かと思っていました。それ以外に、もし確固たる評価が行われたのであれば教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。本部会の委員の先生方に御連絡するような形でまとめさせていただければと思います。
○宗林委員 よろしくお願いします。
○清田部会長 ほかに御質問はありますか。では、そこの宿題は置いておいて、そのほかの点で本議題について議決を取りたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題6に移ります。南委員におかれましては、薬事分科会審議参加規程第5条に基づきまして、議題6の審議の間、会議から御退出して御待機いただくことにいたします。また、山口委員におかれましても、利益相反の申出に基づきまして、議題6の審議の間、会議から御退出して御待機いただくことといたします。南委員、山口委員は御退出をお願いいたします。
── 南委員、山口委員 退室 ──
○清田部会長 それでは、議題6について機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、医薬品セムブリックス錠20mg他の製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。以後の審査報告書のページ数は、各ページの77分の幾つで記載している数字を使用いたします。
 本剤の有効成分であるアシミニブ塩酸塩は、BCR-ABL融合遺伝子により産生され、慢性骨髄性白血病、以下、CMLと略します、CML細胞の増殖等に関与している融合タンパク(BCR-ABL)のABLに結合し、ABLのリン酸化を阻害すること等により、BCR-ABL融合遺伝子を有するCML細胞の増殖を抑制すると考えられております。
 今般、本剤は、「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を効能・効果として承認申請されました。なお、本剤は令和3年7月の当部会における審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。令和3年11月時点において、本剤は、CMLに係る効能・効果で、米国のみで承認されております。
 本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料20にありますとおり8名の委員です。
 以下、臨床試験成績を中心に、審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、国際共同第III相試験であるA2301試験が提出されました。
 有効性については、審査報告書38ページ表27を御覧ください。二つ以上のチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の慢性期のCML患者を対象としたA2301試験において、主要評価項目とされた24週時点の分子遺伝学的大奏効(MMR)率について、対照群であるボスチニブ水和物群に対する本剤群の優越性が検証されたこと等から、本剤の有効性は示されたと判断しました。
 安全性については、審査報告書43ページの中ほどの「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象として、骨髄抑制、感染症、QT間隔延長、膵炎、血管閉塞性事象及び光線過敏症が認められております。これらの有害事象については、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識と経験を持つ医師によって有害事象の観察や管理、本剤の休薬・減量・投与中止等の適切な対応により忍容可能と判断しました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には、本剤を使用した全例を対象とした使用成績調査の実施が必要と判断し、承認条件としております。
 以上のような審査の結果、機構は「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は、希少疾病用医薬品であることから再審査期間は10年とすることが適当であり、生物由来性製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。委員の先生方からの御質問、御意見はございますでしょうか。
○宮川委員 宮川でございます。機構に教えていただきたいことがあります。今お話になったように44/77の所で、安全性の内外差が見られているということで、適切な表現をしていただいて本当にありがとうございます。
 チロシンキナーゼ阻害剤はゲフィチニブのように人種差がある副作用が、市販後に判明した例もあるので、市販後にはきちんとした注意喚起が必要だと思いますけれども、この場合、添付文書のいろいろな数値というものは、日本人症例というだけではなくて海外もあるので、そのところの表現というのはどのようにするのが正しいのかということで、教えていただきたいというか、この表現そのものでいいのかどうか。
 そこに内外差があるということの表現は、添付文書上にも必要な気がするのですが、その辺の表現はどのようにされるのがよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。まず、添付文書上でのピボタル試験の成績の副作用情報は、今回、国際共同治験という形で実施されましたので、特に日本人集団や外国人集団という形ではなくて、全体集団の副作用の発現率を記載しております。
 また、日本人と外国人の民族差というところに関しては、今回ピボタル試験で組み入れられた日本人の患者様がかなり少ないということもあって、明確に差異があるかどうかというのは結論付けられないという判断を我々としてはしておりまして、今、差があると言い切るのは難しいと考えております。
 ですので、今後製造販売後調査で全例調査を課しておりますので、そこで情報を収集して、今回臨床試験で得られたような副作用が同様の傾向があるのか否かということも確認していきたいと思っております。
○宮川委員 分かりました。しかしながら、添付文書の数値が一人歩きしてしまうことが懸念されます。そういうところではある程度の表現があったほうが良いのではないでしょうか。機構が差がないと言い切っているような表現が気になります。新しい知見があった場合には医療現場には適切な情報提供の必要があると書いてあるので、そこのところの表現は適切ではないと思ったので、再度お聞きします。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 先生、ありがとうございます。我々の判断としては、審査報告書において民族差があると結論付けてはおりませんでして、現段階では民族差があるかどうかまで結論付けることができないという判断が今回の審査となっております。
 ただ、日本人個有の有害事象が出ているということではないということは確認しておりますので、基本的には、この国際共同試験で実施されたデータに基づいて評価をしたというところでございます。
 先生御指摘のように、日本人の安全性情報は、先ほど添付文書では全体集団の結果のみ書いていると申し上げましたけれども、今回、医療従事者向けの資材も作成しますので、その中で日本人集団における安全性情報も別途提供する予定でおります。以上でございます。
○宮川委員 ありがとうございます。そのようにしていただければ現場が混乱しないのだということで理解しますので、是非、よろしくお願い申し上げます。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ないようです。それでは議決に入りたいと思います。川上委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。それではロビーで御待機されている南委員、山口委員をお呼びください。
── 南委員、山口委員 入室 ──
○清田部会長 それでは、議題7に移る前に、先ほどのタルクについての発がんの件について回答できるようですので、機構の方からお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど御質問いただきましたタルクの発がん性の件ですけれども、当時発がんの疑いがあるということで報告がありました。ただ、それについてはアスベスト、石綿の混入というところで決着がついており、現在、医療用や化粧品に使用されておりますタルクにつきましては、石綿の混入に関して厳密に管理されて、発がん性のないものが使われているということになっておりますことを御報告させていただきます。
○南委員 ありがとうございました。了解です。
○清田部会長 宗林先生も大丈夫ですか。
○宗林委員 大丈夫です。
○清田部会長 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございました。
○清田部会長 それでは議題7に移ります。議題7について、事務局から概要の御説明をお願いします。
○事務局 議題7、資料No.7、Maribavirを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、御説明させていただきます。資料No.7の機構による事前評価報告書を御覧いただけますでしょうか。品目はMaribavir。予定される効能・効果は、「臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイルス感染症の治療」で、申請者は「武田薬品工業株式会社」となっております。
 1ページの下の1ポツ目、「対象者数について」ですが、Maribavirは、造血幹細胞移植又は固形臓器移植後のサイトメガロウイルス感染症患者を投与対象として進められ、開発が進められております。4行目にありますが、造血幹細胞移植(HSCT)の件数は、2019年で5,860件となっており、その2行下で、SOT、固形臓器移植の例数は2,679例となっておりますので、患者数としては最大でも年間8,500例程度と推定され、5万人以下の要件を満たすと考えております。
 次ページの2ポツ目、「医療上の必要性について」ですが、サイトメガロウイルス(CMV)感染症を発生した場合、発熱、肺炎などを発症し、移植臓器を失うことにもつながるとされております。現在、本邦では、CMV感染症治療薬として、ガンシクロビル、バルガンシクロビル及びホスカルネットが承認されておりますが、これら薬剤では重篤な副作用が、例えば骨髄抑制等や腎障害及び電解質異常等が発生するというようにされており、新たな治療選択肢の開発が求められているところです。こういったことから、医療上の必要性は高いと考えております。
 3ポツ目の「開発の可能性について」ですが、本品目については、海外において第III相試験が実施され、CMVの血症消失を達成した被験者の割合が、本薬群で55.7%、既存薬群で23.9%といった結果が認められております。
 次ページですが、2段落目、当該臨床成績において、米国においては2021年11月に承認されているといったこと。また、次の段落で、国内第III相試験が実施中であることから、開発の可能性が高いと考えております。
 以上より、希少疾病用医薬品としての指定基準を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御質問等がございましたらいただきたいと思います。よろしいでしょうか。ないようでございます。それでは議決に入ります。川上委員、島田委員、中野委員、南委員、宮川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。
 本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 続きまして、議題8に移ります。議題8につきましては、私は退出することになっておりますので、ここでしばし失礼いたします。
── 清田部会長 退室 ──
○事務局 それでは、清田部会長に退出いただきましたので、田島先生、以後の進行をお願いいたします。
○田島委員 田島です。議題8につきまして、事務局から概要を御説明ください。
○事務局 事務局です。議題8、資料No.8、セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、御説明いたします。資料No.8の事前評価報告書を御覧ください。名称はセフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物。予定される効能・効果は、ここに記載の菌種について。「ただし、カルバペネム系抗菌薬に耐性が考えられる菌株に限る。」といった内容で、適応症は「各種感染症」となっております。申請者は「塩野義製薬株式会社」です。
 まず、「対象者数について」です。感染症発生動向調査における本邦のカルバペネム耐性菌に関する感染症患者の年間報告例数ですが、次ページに二つポツを書いていますが、薬剤耐性アシネトバクター感染症、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌、また、次のポツの薬剤耐性緑膿菌感染症について、それぞれ記載のとおりの症例の報告がありまして、これらを合わせましても、年間2,700例程度と推定されており、5万人以下の要件を満たすと考えております。
 その下の2ポツ、「医療上の必要性について」ですが、これらの多剤耐性グラム陰性菌感染症は重症であるということが知られており、治療選択肢が限られているというようにされております。
 また、次の段落ですが、これらの感染症について、効能又は効果を要する抗菌薬としては、チゲサイクリン、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、また、レレバクタム水和物、イミペネム、シラスタチンというものが製造販売承認されておりますが、これらの薬剤については、一部の菌種に対して抗菌活性を示さないといったことも知られており、新たな治療選択肢の開発が望まれている状況です。こういった状況を踏まえまして、医療上の必要性は高いと考えております。
 次ページ、3ポツの「開発の可能性について」です。カルバペネム耐性のグラム陰性菌による院内感染等について、既存薬を用いた最善の治療を対照とした国際共同第III相試験が実施されております。有効性について、主要評価項目が臨床効果の有効率又は菌消失数を確認しているものがありますが、一定の有効性が認められているという状況です。
 以上を踏まえまして、本薬の開発の可能性は高いと考えております。これらから希少疾病用医薬品の指定基準を満たすと考えております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○田島委員 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等がありましたらお願いいたします。特段御質問、御意見はございませんでしょうか。ありがとうございます。
 それでは議決に入ります。なお、川上委員、横幕委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、ロビーで御待機されている清田部会長をお呼びください。
── 清田部会長 入室 ──
○清田部会長 清田、戻りました。田島先生、ありがとうございました。
○田島委員 ありがとうございました。
○清田部会長 続きまして、議題9に移ります。議題9につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題9、資料No.9、depemokimabを希少疾病用医薬品として指定することの可否について御説明いたします。資料No.9の事前評価報告書を御覧ください。品目の名称はdepemokimab。予定される効能・効果が「好酸球増多症候群」。申請者は「グラクソ・スミスクライン株式会社」です。
 「対象者数」ですが、好酸球増多症候群は、骨髄において好酸球が持続的に過剰産生される疾患でありまして、種々の臓器障害を呈する疾患とされております。平成29年の患者調査においては、患者数は約1,000人と推定されており、5万人未満であると考えております。
 次ページの「医療上の必要性について」ですが、2段落目に記載しておりますが、既存の治療法といたしまして、FIP1L1-PDGFRα遺伝子変異陽性の患者につきましてはイマチニブメシル酸塩が承認されておりますが、FIP1L1-PDGFRα遺伝子変異陽性以外の患者につきましては、現時点で承認されている医薬品はないという状況等を踏まえまして、医療上の必要性は高いと考えております。
 「開発の可能性について」ですが、3ポツにおきまして、国際共同第III相試験を現在計画中ということですので、本剤の開発の可能性はあると考えております。以上、希少疾病用医薬品の指定基準を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問を頂きたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ないようでございますので、議決に入りたいと思います。
 本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 続きまして、議題10と議題11に移ります。山本委員におかれましては、薬事分科会審議参加規程第5条に基づきまして、議題10及び議題11の審議の間、会議から御退出いただいて、御待機いただくことといたします。山本委員は、御退出をお願いいたします。
○山本委員 了解しました。
── 山本委員 退室 ──
○清田部会長 それでは議題10及び議題11につきましては関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。議題10及び議題11につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題10、資料No.10、ダブラフェニブメシル酸塩及び議題11、資料No.11、トラメチニブジメチルスルホキシド付加物を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、両品目は併用して投与されることから、併せて御説明いたします。
 資料No.10の「希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書」のファイルを用いて御説明させていただきます。報告書1ページの中段を御覧ください。申請者は「ノバルティスファーマ株式会社」。予定される効能・効果は、「BRAF V600遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(悪性黒色腫、非小細胞肺癌及び結腸・直腸癌を除く)」です。まず、1ページの「対象者数」につきまして、本邦における併用療法の開発対象患者数は約3万2,300人を下回る程度と推測されることから、指定基準を満たしているものと考えております。
 次に、「医療上の必要性について」です。悪性黒色腫等を除き、BRAF V600遺伝子変異の有無によって治療体系に差異はなく、がん種ごとの治療体系に基づき化学療法等が行われております。また、対象とされる疾患は予後不良であり、BRAF V600遺伝子変異を有する進行・再発の固形癌患者に対して、BRAF及びMEKを阻害する両剤の併用投与について,高い有効性が期待されることから、本両剤の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に「開発の可能性について」です。BRAF V600遺伝子変異を有する進行・再発の固形癌患者を対象に、ダブラフェニブとトラメチニブの併用投与時の有効性及び安全性を検討する国際共同第II相試験が実施され、甲状腺未分化癌で55.6%等の奏効率が認められたことから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。
 したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ないようでございますので、ありがとうございました。
 それでは議決に入ります。議題10につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 次に、議題11の議決に入ります。議題11につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、ロビーで御待機されています山本委員をお呼びください。
○事務局 まだいらしていません。
○清田部会長 まだいらしていないようです。定足数は足りていますか。
○医薬品審査管理課長 足りています。
○清田部会長 はい。まだ山本委員はお戻りではないようですが、既に定足数は満たしていますので、引き続きまして、先に報告議題に移ります。そのうち山本委員が御参加されると思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、報告事項議題1~6及びその他事項議題1につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項の議題1につきまして御説明させていただきます。医薬品オプジーボ点滴静注の承認事項一部変更について御報告いたします。本剤は、Programmed cell death-1に対する免疫グロブリンG4サブクラスのヒト型モノクローナル抗体であるニボルマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤でありまして、現在、悪性黒色腫、非小細胞肺癌等に係る効能・効果で承認されております。
 今般、小野薬品工業株式会社から、「尿路上皮癌における術後補助療法」の効能・効果及び用法・用量を追加する承認事項一部変更の申請がなされました。
 機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。
 併せまして、最適使用推進ガイドラインの改正をしておりますので、その他事項の資料No.18-3を御覧いただけますでしょうか。資料No.18-3において、オプジーボの尿路上皮癌に関するガイドラインの案をお示ししております。
 5ページ以降に臨床試験の成績を記載しており、10/15ページにおきまして、施設に関する要件として記載しておりますが、他の尿路上皮癌に係るガイドラインと同様の施設に関する要件を記載しております。また、12/15ページにおいては、審査の内容を踏まえた本剤の投与対象となる患者に関する内容を記載しております。14ページに投与に際して留意する事項を記載しておりますが、
これまでに作成しているガイドラインと同様の内容となっております。最適使用推進ガイドラインについては、以上でございます。
 続きまして、報告事項議題2と議題3について、併せて御説明させていただきます。資料No.13と資料No.14を御覧ください。まず、資料No.13につきましては、医薬品パージェタの一部変更について、資料No.14については、医薬品ハーセプチンの一部変更についてです。
 パージェタは、HER2に対するモノクローナル抗体であるペルツズマブを有効成分とする抗悪性腫瘍剤であり、ハーセプチンは、HER2に対するモノクローナル抗体であるトラスツズマブを有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。
 現在、パージェタは「HER2陽性の乳癌」を効能・効果として承認されており、ハーセプチンは複数のがん種に係る効能・効果で承認されております。
 今般、中外製薬株式会社からパージェタ及びハーセプチンについて、「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果、用法・用量を追加する申請がなされました。
 機構における審査の結果、以上の2品目を承認して差し支えないと判断いたしました。
 続きまして、議題4、資料No.15を御確認いただけますでしょうか。フィブリノゲンHT静注用の一部変更承認について御報告いたします。本剤は、ヒト血漿由来のフィブリノゲンを有効成分とする血漿分画製剤であり、「先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向」の効能・効果で承認されております。
 本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、令和3年9月6日に開催された本部会において、事前評価の結果を報告しております。今般、日本血液製剤機構から、「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」に係る効能・効果、用法・用量を追加する申請がなされました。
 機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。
 なお、本剤については公知申請への該当性に係る報告書において、学会等において適正使用の方策を取るよう示されているところですが、日本産科婦人科学会は適正使用の方策について2021年9月に学会ホームページに示した上で、製剤を使用した症例の登録などが行われております。また、現在、「産科危機的出血への対応指針」の改訂作業が行われており、2022年版にはフィブリノゲン製剤の適正使用に関して記載される予定と聞いております。また、製造販売業者においても、学会と連携しつつ、安定供給の観点を含めた使用症例の確認等が行われております。心臓血管外科領域については、学会による適正使用のための一定の調査を行ってから適応拡大とする予定ですが、こちらも心臓血管外科学会において進められているものと承知しております。
 続きまして、報告事項議題5、医療用医薬品の承認条件について御報告いたします。資料No.16-1~16-3までを御確認いただければと思います。まず、資料No.16-1ですが、2ページに品目を記載しておりますけれども、オルドレブ点滴静注用、一般名はコルスチメタンスルホン酸ナトリウムです。本品目については、承認条件として、2ポツの全例調査に係る承認条件が付されておりますが、今般、申請者から承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出されており、機構における評価の結果、承認条件は対応されたものと判断しております。
 資料No.16-2ですが、2ページに概要を記載しておりますけれども、ニンラーロカプセル、一般名イキサゾミブクエン酸エステルですが、同様に、承認時におきまして、全例調査に係る承認条件が付されており、この度、申請者から承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出されており、機構における評価の結果、承認条件は対応されたものと判断しております。
 資料No.16-3ですが、2ページに概要を記載しており、ピフェルトロ錠、一般名ドラビリンですが、こちらはHIVに係る医薬品でして、承認時には4ポツにある日本人を対象とした薬物動態の試験の実施に関する承認条件が付されております。今般、日本人に対する薬物動態試験の結果が提出され、機構における評価の結果、承認条件は対応されたものと判断しております。
 続きまして、議題6、医療用医薬品の再審査結果について御報告いたします。資料No.17を御覧いただければと思います。今回、対象品目となっているのは、タイガシル点滴静注用ですが、製造販売業者から製造販売後調査等の結果が提出されており、機構における評価の結果、承認事項のいずれも変更しないカテゴリー1として評価されております。御説明については、以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問がございましたら承ります。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、報告事項議題1~6及びその他事項議題1につきましては御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告がありますでしょうか。
○事務局 次回の部会につきましては、追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。本当にお疲れさまでございました。ありがとうございます。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)