令和4年5月13日 第79回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年5月13日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第79回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中を御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員8名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社及びアストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
舟越委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1、資料2-1-1から2-10、参考資料1から15になります。
なお、資料2-8につきましては、最後の参考資料の部分が切れてしまっておりますので、オンラインで参加いただいております委員におかれましては厚労省のウェブサイトで資料の確認をお願いいたします。また、本日、会場にお越しの委員におかれましては机上配付資料として配付しておりますので御確認いただければと思います。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 ありがとうございます。資料2-8のほう、ぜひ確認をお願いいたします。
では、まず資料1について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。それでは、資料1「新規に接種が開始される新型コロナワクチンの副反応に係る取扱いについて」をご覧ください。こちらは4月のワクチン分科会におきまして予防接種法上の臨時接種に位置づけられましたノババックスの取扱いに係る資料でございます。
まず、2ページ目、3ページ目をご覧ください。こちらは以前のワクチン分科会の資料を掲載しております。
簡単ではございますけれども、ノババックスの御紹介を申し上げます。ノババックスは、2ページ目左下の図にありますように、遺伝子組換えSARS-CoV-2スパイクタンパクをポリソルベート80を核として配置されたナノ粒子を有効成分としておりまして、右下の図にありますようなアジュバントが、免疫の活性化を促進するために添加されている状況でございます。
3ページ目には本剤の作用機序を解説しているスライドを掲載しておりまして、T細胞への抗原提示を通してB細胞が新型コロナウイルスに対する抗体を産生する図をお示ししております。
4ページ目、5ページ目をご覧ください。こちらも分科会の資料でございます。ノババックスの審査報告書において記載された本剤の有効性について記したスライドを掲載しておるものでございます。
詳細な説明は割愛いたしますが、4ページ目は初回シリーズの接種についての有効性、5ページ目が3回目接種についての有効性を示したスライドとなります。
6ページ目をご覧ください。こちらは4月25日時点での諸外国におけるノババックスの接種の状況についてお示ししているスライドでございます。
18歳以上の者に対しまして、初回シリーズにおけるノババックスの接種を認める国が増加しているところでございます。例えばカナダにおきましては、mRNAワクチンの代替として、一部の者に限り、ノババックスを追加接種として用いることを可能としているといった状況でございます。
7ページ目、8ページ目をご覧ください。こちらは薬事の審査の結果、本邦で運用されることとなりました添付文書の抜粋でございます。
7ページ目が副反応に係る部分で、ノババックスの添付文書の副反応の項、第11項において、重大な副反応として挙げられているのはショック、アナフィラキシーのみとなってございます。
また、下段に注釈をつけておりますのでご覧ください。審査報告書におきましては、このアナフィラキシーに係る記載といたしまして、国内外の試験及び海外製造販売後においてこれまでにアナフィラキシーの報告はないが、アナフィラキシーはワクチン全般に発現する可能性があることを踏まえ、重要な潜在的リスクとして設定し、添付文書等において注意喚起を行う旨が記載されている状況でございます。
また、8ページ目をご覧ください。こちらは添付文書に記載された構成成分についてのスライドでございます。先ほど御紹介しました有効成分あるいはアジュバント、ポリソルベート等の記載がございます。
9ページ目をご覧ください。こちらは現状の諸外国における副反応疑い報告の状況でございます。
表の最上段部分をご覧いただきますと、現状におきましては、EUで14.9万回接種程度、オーストラリアで10.8万回接種程度と、諸外国においても接種数は限られておりますため、現時点では海外当局が公表しているこちらの副反応報告の情報についても限られたものとはなっておりますけれども、オーストラリアにおいては、一部、市販後の副反応疑い報告についての情報が出てきているところでございます。今後も、事務局といたしましては海外情報についても更新してまいりたいと考えてございます。
10ページ目、11ページ目をご覧ください。こちらは同様にワクチン分科会の資料で、審査報告書における、それぞれ初回シリーズ及び3回目接種の情報についてお示ししているものでございます。いずれにおきましても、承認の可否に影響するような重大な懸念は認められないとしてまとめられている状況でございます。
12ページ目、13ページ目をご覧ください。こちらからのページが今回、先生方に御議論いただく具体的な内容となってまいります。
12ページ目におきましては、以前よりお示ししております副反応疑い報告制度における報告について、その報告対象、報告事項及び実際に運用されております報告書の最新版を右側にお示ししているものでございます。
また、13ページ目におきましては、報告書の2枚目におきまして、現状の赤囲みの部分、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンとして、報告基準として報告を義務づけている症状についてお示ししているものでございます。
14ページ目をご覧ください。14ページ目におきましては、前ページの副反応疑い報告書に記載しております副反応疑い報告基準の対象としている症状についてお示しするとともに、中段の【留意事項】の部分におきまして、現在、通知として積極的に報告を求めている疾病等について記載しております。
15ページ目、16ページ目でございます。こちらも既出の資料で、副反応疑い報告基準の設定について、その考え方を含め、お示ししているものでございます。
要点といたしましては、16ページ目の2つ目の●。こちらは平成25年1月の予防接種部会でまとめられた考え方でございますけれども、いわゆる薬機法に基づく添付文書において「重大な副反応」として記載されている症状については、重篤でありかつワクチンと一定程度の科学的関連性が疑われるものと考えられることから、副反応の報告基準に類型化して定める必要がある、との考え方を軸にこれまでも御審議いただいてきたところでございます。
最後、17ページ目が要点のスライドとなります。
添付文書の「重大な副反応」として記載されている症状についてでございますが、ノババックスの添付文書においては「重大な副反応」に記載されている症状はアナフィラキシーのみとなってございます。
また、海外の発生状況について、ノババックスの審査報告書においては、国内外の試験においてアナフィラキシーは認められず、現時点での報告はございませんが、アナフィラキシーはワクチン全般に発現する可能性があることも踏まえ、重要な潜在的リスクとして、添付文書等によって注意喚起を行う旨が記載されております。
こうした状況を踏まえまして、論点でございますけれども、1つ目の○、ノババックスのアナフィラキシーについては、審査報告時点では報告がなく知見に乏しいものの、アナフィラキシーは、ワクチン全般に発現する可能性があることも踏まえ、添付文書上「重大な副反応」に記載されていることから、他の新型コロナワクチンと同様に副反応疑い報告基準として扱っていくこととしてよいか。
また、2つ目といたしまして、現時点においては添付文書上の記載はございませんが、TTS、心筋炎、心膜炎、その他についても、臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様、ノババックスの副反応疑い報告基準として扱っていくこととしてよいかということで御議論いただければと考えております。
資料1について、事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。ノババックスについて、事務局から御説明をいただきました。
今、説明がありましたように、ヌバキソビッド筋注が新たに臨時接種の対象となったことを踏まえまして、本日は新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準について検討を行いたいと思います。
今、御説明のありました資料1のスライド17をご覧いただけたらと思います。報告基準につきまして論点が示されていますので、これを基に議論を行わせていただきます。
下のほうに論点として、○として2つ掲げておりますが、これをまとめさせていただきますと、ヌバキソビッド筋注についても、現時点において臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様に、アナフィラキシー。これが上の○に書いてあるものでございます。そして、血小板減少を伴う血栓症(TTS)、心筋炎、心膜炎、そのほかを副反応疑い報告基準として扱っていくことでよいかということについてでございますが、こちらについて、御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
基本的に、私はこの副反応報告基準でいいと思うのですが、そもそもノババックスのワクチン、今回、治験データ等から効果安全性が確認されて承認されておるわけでございますが、今、世界的に承認されている国がまだ少ないことは事実でございます。アメリカにしろ、イギリスにしろ、承認はしていないわけなのです。
それから、とりわけ3回目の接種で交互接種をして、例えばファイザー、ファイザーで、3回目にノババックスを接種することも先日の予防接種部会で可能になったと聞いております。こうした対応は今、オーストラリアなど、本当に少ない国となっているわけなのです。ということは、副反応についての情報が、接種数が増えてくると分かっていない点も出てくる可能性があると思います。
そういったことで、この副反応部会で、今後の日本で接種が進んだ場合の情報を収集して慎重に検討していく必要があると考える次第でございます。私のコメントとして付け加えさせていただきます。
以上でございます。
○森尾座長 濱田委員、ありがとうございました。承認されている国が少ない。特に3回目接種、交互接種のデータが少ない状況なので、やはり幅広く情報を集めるとともに、国内での接種については幅広く副反応に注意していくべきであるという意見だと承りました。
ほかにいかがでしょうか。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 私も濱田委員と同様で、ワクチンの成分については、使用実績が世界的にも乏しいことから、現時点では確かに慎重に取り扱うべきと考えます。
このMatrix-Mというものもサポニン類ですし、8ページ目で記載があるように、Matrix-M自体にも免疫賦活作用もあります。アナフィラキシーについては、これまで同様に、ポリソルベート80が含有していることからも、ポリソルベート80に過敏症歴のある患者さん、被接種者を含めて十分な問診が必要と考えますので、同様な基準として取り扱っていくことが望ましいと思います。
事務局に確認なのですが、添付文書上「アナフィラキシー(頻度不明)」と書いてありますが、製造販売前と後でも現時点では報告がないことが事実であり、頻度不明というより、ほかの薬剤ですと類薬で報告があると書いてあるケースがあるのですが、このノババックス社のワクチンでは、アナフィラキシーはまだ起きていない時点のことはどこかに明記はされているのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 明記というわけではございませんが、資料の17ページの論点のところに記載させていただいたとおりでして、今、御指摘いただいたとおり、審査報告時点では報告がなかった一方で、ワクチン全般に発現する可能性がある状況を踏まえまして「重大な副反応」というふうに位置づけたという経緯になります。
○舟越委員 ありがとうございます。
頻度不明と書いてあると、起きた事実はあるのかなと捉えてしまう方もいらっしゃると思うので、今までのほかの医薬品では類薬でそういった報告があると追記、補足を書いてあるケースもあるので、実際にそれで今後、詳細な調査や使用実績が増えた時点でアナフィラキシーの報告が上がった時点で、そこの頻度不明で、その薬剤としてノババックス社として起きた事実を書かれると分かりやすいと思いましたので、こちらについてはコメントとさせていただきます。
以上です。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
添付文書という点に関しましては御指摘のとおりですが、補足としましてRMP、すなわち医薬品リスク管理計画を御紹介したいと思います。そちらの中では、特定されたリスク、あるいは潜在的なリスクというふうにリスクの度合いを分けまして記載させていただいております。
ショック、アナフィラキシーについても記載しておりまして、そこの中にはアナフィラキシー及びアナフィラキシーショックの報告はないが、ワクチン全般に発現する可能性があるというふうにリスクとした理由を明記させていただいておる状況です。
○舟越委員 ありがとうございます。よく分かりました。
○森尾座長 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
薬事承認においては、このような記載をせざるを得ないことをお許しいただきたいと思います。なしというわけにはいかないということです。それから、今までの状況から、ワクチン全般のことを考えて、この「重大な副反応」を記載し、注意喚起という形でさせていただいたということで御理解いただきたいと思います。ありがとうございます。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございました。
ほかに委員の皆様から御質問、御意見はいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今回、ノババックスが始まるときは多くの方が1回目、2回目の接種が終わっているので、3回目接種という方が多いと思います。中には1回目の方もいらっしゃると思うのですが、何回目の接種の後の副反応疑い報告かについては注意して見ていく必要があると思いました。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。何回目の接種だったかということに留意して検討していくべきだろうということでございます。
事務局から何かありますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
先ほど濱田委員からも御指摘がありましたけれども、ヌバキソビッドに関しましても、今後、各種、我々、通常出しております資料を作成いたします。交互接種のお話、あるいは接種回数のお話がございましたが、そういったものも現状を資料として示しておりますので、ヌバキソビッドについてもお示ししたいと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。
○森尾座長 貴重な御意見ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、次にお諮りしたいことは、事務局から整理した論点には記載がございませんけれども、関連する論点といたしまして、ヌバキソビッド筋注の副反応疑い事例の公表について議論させていただきたいと思います。
皆様御存じのとおり、副反応疑い事例の公表方針につきましては、これまでも本合同部会で議論してきたところでございますが、現時点においては、評価とともに情報を発信していく必要がある観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まず、本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していく方針で対応してまいりました。
今後、ヌバキソビッドの副反応疑い事例についても正式に会議資料として事務局から御報告いただくことになりますが、公表方針については、他の疑い事例と同様に、まずは、本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していく方針でよろしいかどうか。これにつきまして御意見をいただけたらと思います。委員の皆様からいかがでしょうか。
よろしいですか。
今までもやはりシグナルが立てられたりとか、あるいはいろいろな状況において、必要時には緊急開催をさせていただく、そして、そこからまた公表させていただく形であったかと思いますが、そのような方針でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆さん、うなずいていただいたと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、ヌバキソビッド筋注の副反応疑い事例につきましては、今後、決定した方針に沿った公表をお願いできればと思います。さらに、そのほかの新型コロナワクチンも含めて、引き続き、副反応疑い事例の報告状況をよく注視していただき、必要時には、本合同部会を緊急に開催し、適切な検討が行えるよう、対応をお願いできればと思います。
そして、委員の皆様からの御指摘がございましたけれども、現時点においては、添付文書上、アナフィラキシーのみが副反応となっておりますが、事務局におきましては、まだやはり情報が少ない状況でございますので、ほかの新型コロナワクチンと同様、ノババックスにおきましても、心筋炎等を含めまして、副反応の報告状況について広く見ていけるような資料を御用意いただき提示していただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。それでは、議題2「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」。
どうぞ。濱田委員、お願いします。
○濱田委員 すみません。濱田です。
申し訳ありません。先ほど、私、イギリスでは承認されていないと言いましたけれども、これは今年2月3日で承認されたというのが6ページの資料にありますので、訂正させていただきます。
失礼いたしました。
○森尾座長 事実確認、どうもありがとうございました。
それでは、議題2に入らせていただきます。よろしいでしょうか。
「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」で、まずは、資料2-1-1から資料2-7について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1-1から資料2-7を用いまして、今回の集計対象期間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明したいと思います。今回の集計対象期間は4月17日までとなっております。
まず、資料2-1-1をご覧ください。
2ページでございます。副反応疑い事例の報告状況の概要から御説明いたします。
表の一番左下に行っていただきまして、まず、コミナティからになります。
今回の集計対象期間におけるコミナティの推定接種回数が2億512万1596回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0139%でございました。右に行っていただきまして、コミナティ5~11歳用の推定接種回数が121万7645回接種、副反応疑い事例としては29件、頻度としては0.0024%でございました。小児接種における副反応疑い報告状況につきましては後ほど別途資料で御説明したいと思います。
スパイクバックスについては5949万6686回接種、頻度としては0.0081%。バキスゼブリアについては11万6907回接種、頻度としては0.0137%でございました。
飛びまして、51ページをご覧ください。3回目接種の状況について御説明いたします。
一番上の表でございます。コミナティの推定接種回数が3489万1685回接種、報告頻度としましては0.0041%となっております。頻度としては1~2回目接種時よりも低い値となっております。
次がスパイクバックスでございますが、推定接種回数が2691万3904回接種、報告頻度は0.0022%となっておりまして、こちらも1~2回目接種よりも低い値となっております。
その他、副反応疑い事例の報告状況につきまして、初回免疫の状況、あるいはロット別の報告件数などについて、何か顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料2-1と資料2-2の説明は以上とさせていただきます。
続いて、死亡事例について御説明いたします。資料2-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例でございます。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに36件増加し、うち、3回目接種後の事例は27件で、令和3年2月17日から令和4年4月17日までに報告された死亡事例は計1,549件、3回目接種後の事例としては113件となっております。
2つ目の○に進みまして、なお、上記に加えまして、令和4年4月18日から令和4年4月29日までに報告された事例が14件、3回目接種後の事例としては11件ございました。
「2.専門家の評価」に専門家評価の結果をお示ししております。
2ページ目で、中段にある「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度をお示ししておりますが、前回から大きな変化はない状況でございました。
資料2-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに20件、3回目接種後の事例としては19件ございまして、4月17日までに報告された死亡事例は計140件、3回目接種後の事例は70件となっております。
なお、上記に加えまして、4月18日から4月29日までに報告された事例が6件、3回目接種後の事例は5件あった状況でございます。
先ほどと同様に「2.専門家の評価」に専門家による評価結果、2ページ目の中段の(参考2)の部分に各種接種回における100万回当たりの報告頻度をまとめておりますが、スパイクバックスについても前回から大きな変化はない状況でございます。
続いて、バキスゼブリアになりますが、新規の事例の報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
資料2-3-4でございます。コミナティ小児用の死亡事例について御報告いたします。資料としては本日初めてお示しするものとなります。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。まず、令和4年2月21日接種開始以降から今回の集計対象期間である4月17日までに報告された事例はございませんでした。
2つ目の○に進みまして、上記に加えまして、4月18日から5月6日までに1件の事例の報告がございました。
資料の補足となりますが、通常、死亡事例に関しましては、集計対象期間までに報告があった事例につきましては専門家評価の結果を付与した上でお示しするとともに、迅速な評価の実施や情報公開の観点から、合同部会2週間前までの事例についても専門家評価の評価中という扱いにしまして資料にはお示ししておりました。本死亡事例につきましては、5月6日に報告があった事例ですので、事前に定めた資料作成方針からはずれますが、特に迅速な評価が必要と考えられますので、本日、資料としてお示させていただいたという経緯となります。
具体的な事例について御説明したいと思います。3ページ目をご覧ください。No.1、11歳女性の事例となります。接種回数としては2回目となります。「基礎疾患等」の項に報告内容をまとめております。こちらの事例につきましては報告者に聞き取りも行っておりまして、聞き取った内容を全て記載させていただいております。つきましては、現時点によって入手できると考えられる情報を全てお示しさせていただいております。
まず、予診票での留意点としまして重症心身障害児(超重症児)と報告されておりました。出生時重症新生児仮死、低酸素性虚血性脳症でありまして、出生直後より人工呼吸管理。自発呼吸はなく、常に人工呼吸管理であった。また、脳性麻痺あり。栄養は経管栄養。意思疎通はなく、表情は変化しないが、痛み刺激にわずかに顔をゆがめる程度にはあると報告されておりました。肢体不自由。超重症児で2014年6月より重症心身障害者病棟に長期入所している。家族も重篤になった際の延命措置は望んでいなかったと報告されております。
接種前後の状況につきましては、2022年4月7日に1回目接種。副反応なく経過。4月28日午後に2回目接種。2回目接種の翌日昼過ぎより頻脈・冷や汗・疲労感が出現。様子を見ておりましたが、接種2日後夕方から呼吸不全となり、徐々に脈減少・血圧低下となり、同日夜心肺停止、死亡確認された。状況より急性心筋炎による心不全が考えられると報告されておりました。
また、検査に関しましては、呼吸不全・全身チアノーゼ・血圧測定不可となりまして、点滴・採血は困難であったことや、また、休日対応でもあり、可能な検査項目は少なかったこと、心エコーもできる体制ではなかったことが報告されております。なお、2回目接種前日の採血では異常所見はなかったと報告されております。
追加の情報がないかどうかを報告医に確認させていただきましたが、このように、得られた血液サンプル量に限界があることや、もともと御家族の方も延命措置は望んでいなかったこともありまして、御遺族が解剖を希望されなかったと回答がございました。
また、死因に関しましては急性心筋炎様の心不全と報告されておりましたが、報告者のコメントとしまして、「最後は急性心不全、呼吸不全で死亡したと思われる。CRP高値、頻脈、冷や汗、発熱はなしから急性心筋炎を疑わせるが、症状や検査に乏しく、確定はできない。心筋炎は疑いとなる」という報告でございました。
さらに、表の右端に行っていただきまして、専門家の評価としましてはγ。コメントとしましては「心筋炎と診断するための情報がなく、心筋炎のブライトン分類はレベル4と考えられる。また、心不全についても診断するための客観的な情報はない。情報が限られているものの、もともと脳性麻痺および人工呼吸器管理で長期入院中の重症症例であり、ワクチン接種に関係なく呼吸不全をきたして心肺停止となった可能性も考えられる」とコメントされております。
2ページ目に戻っていただきまして、中段の「(参考2)報告頻度」の部分でございます。まだ1件でございましたが、頻度をお示ししております。今後も引き続きお示ししていきたいと考えております。
続きまして、アナフィラキシー疑い事例の報告状況になります。コミナティ、スパイクバックス、バキスゼブリアは報告状況に大きな動向の変化はございませんでしたので、本日の説明は省略させていただきます。
資料2-4-4をご覧ください。こちらも資料としましては本日初めてお示しするものとなります。コミナティ小児用のアナフィラキシー疑い事例の報告状況でございます。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者からアナフィラキシー疑いとして報告された事例が3件ありまして、接種開始以降4月17日までに報告された疑い事例につきましては3件でございました。
2ページ目に、接種回数別のブライトン分類評価の結果をお示ししております。
3ページ目以降はブライトン分類1~3の事例につきまして、各種接種回数別などの集計をするものでございますが、今回、1~3の事例はございませんでしたので、説明は省略したいと思います。
続いての資料はTTSになりますが、コミナティ、スパイクバックス、バキスゼブリアに大きな動向の変化はなく、コミナティ小児用接種後の疑い事例の報告は現時点でありませんので、説明は省略したいと思います。
心筋炎または心膜炎疑い事例の報告状況でございますが、コミナティ、スパイクバックス、バキスゼブリアの報告状況に大きな動向の変化はありませんでしたので、本日、資料の説明は省略させていただきます。
資料2-6-3で、コミナティ小児用の心筋炎または心膜炎の報告状況でございます。こちらも資料としては初めてまとめた資料となります。
「1.報告状況」の部分でございます。前回の集計対象期間以降、小児用コミナティの副反応疑い報告におきまして、製造販売業者から心筋炎疑いとして報告された事例が2件、心膜炎疑いとして報告された事例が1件ございまして、接種開始以降4月17日までに報告された心筋炎疑い事例が2件、心膜炎疑い事例は1件となっております。
2ページ目をご覧ください。2ページ目にブライトン分類評価の結果をお示ししておりまして、心膜炎の事例がブライトン分類2と評価されております。
最後に、資料2-7をご覧ください。小児接種における副反応疑い事例の報告状況をまとめた資料でございます。
今回の資料の集計対象期間は4月17日までとなると先ほど申し上げましたけれども、小児接種の疑い事例につきまして迅速に把握するために4月29日、集計対象期間後の期間に報告があった副反応疑い事例につきましても医療機関・企業別に分けて一覧でお示しさせていただきました。
また、先ほど資料2-3-4の中で御説明させていただきましたように、この資料のさらに集計期間後の5月6日に死亡事例の報告が1件あった状況でございます。
6ページ目のNo.30から10ページ目のNo.55までが集計期間後に報告があった事例となります。また、製造販売業者につきましては17ページのNo.32以降が集計対象期間後に報告があった事例となります。
最後、資料にはお示ししておりませんが、補足としまして、4月29日までのより最新の頻度としましては、医療機関からの報告頻度が0.0030%でございましたので、先ほど資料2-1の中で冒頭御説明いたしましたが、4月17日までの報告頻度である0.0024%から若干の増加となっている状況でございました。
なお、重篤事例の報告頻度については同一でございました。
資料の説明は以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続き、資料2-8と資料2-10について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。それでは、資料2-8をご覧ください。会場の先生におかれましては机上配付資料をご覧ください。委員の先生方におかれましては、恐縮でございますけれども、ウェブサイトでの公表の資料をご覧ください。
まず、2ページ目でございます。全体の資料構成といたしましては、引き続き以前と同様の構成となっておりまして、副反応疑い報告全体の概要、死亡として報告された事例、心筋炎または心膜炎疑いとして報告された事例についてお示しした上で、その他及び論点のまとめスライド、参考資料の順となってございます。
4ページ目、5ページ目をご覧ください。こちらは副反応疑い報告の概要でございまして、4月17日のデータロックまでの報告状況について資料1-1-1及び資料1-2-1よりまとめたものでございます。4ページ目の中段におきまして、小児ワクチンの状況も記載しております。
3回目接種につきましては、医療機関報告における副反応疑い報告としては、ファイザー社が1,427件、モデルナ社が586件。製造販売業者報告としては、ファイザー社が649件、モデルナ社が319件となっておりまして、それぞれ報告頻度を見ていただきますと、1~2回目接種と比較して、特段、頻度は増えていないことが見てとれるかと存じます。
また、小児ワクチンの報告につきましても、1回目接種に係る医療機関報告及び製造販売業者報告、2回目に係る医療機関報告及び製造販売業者報告とお示ししておりまして、引き続き12歳以上のワクチンの報告頻度と比較すると、いずれも低い傾向が続いております。
5ページ目におきましてはアストラゼネカ社ワクチンのデータをお示ししておりまして、今後はノババックスの報告がございました場合には、この下段にそのデータを掲載してまいりたいと考えてございます。
7ページ目をご覧ください。7ページ目におきましては新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要をお示ししております。
ファイザー社ワクチンにおいては1,549件であり、うち、3回目接種後の事例は113件。武田/モデルナ社ワクチンにおいては140件であり、うち、3回目接種後の事例は69件でございました。
3回目接種後の死亡事例の死因別集計表につきましては、毎回の審議会で御紹介しておりますけれども、資料1-3-1及び資料1-3-2の別紙2に記載しておりまして、引き続き、1~2回目で報告のありました虚血性心疾患や大動脈疾患等、既知の疾患以外の特定の疾病への集積はないと承知しております。引き続き、当該資料も御参照いただけますと幸いでございます。
10ページ目をご覧ください。10ページ目におきましては新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめております。
3回目接種後の心筋炎の状況につきましては、青囲みの2~3行目の括弧内をご覧いただけますでしょうか。ファイザー社ワクチンにおいては製造販売業者から3回目接種後として19件の心筋炎の疑い報告があり、うち、ブライトン分類1~3に該当するものは2件。下段、オレンジ囲みの2~3行目の括弧内におきましてはモデルナ社ワクチンの3回目接種として23件の報告があり、ブライトン分類1~3に該当するものが4件でございました。
また、中段部分におきましては小児のワクチン接種の製造販売業者からの心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況をまとめております。こちらをご覧いただきますと、心筋炎及び心膜炎疑いの報告としましては、ファイザー社の小児用ワクチン接種後の心筋炎疑いとして製造販売業者から2件ありまして、先ほど少々御説明がありましたけれども、うち、こちらについては心筋炎と評価されたものはございませんでした。一方で、心膜炎疑いの事例につきましては製造販売業者から1件の報告があり、同1件が心膜炎と評価され、ブライトン分類2となってございます。
12ページ目から15ページ目をご覧ください。
12ページ目、13ページ目、14ページ目におきましては、それぞれファイザー社ワクチン、小児ワクチン、モデルナ社ワクチンにおける心筋炎・心膜炎疑いに係る製造販売業者からの報告状況をまとめております。
それぞれ、上段の2行目におきまして、日本における今回の審議会時点での対象の全年齢の男女合算の報告頻度をそれぞれ接種回数別に分けてお示ししております。それぞれの被接種者の属性が異なりますので単純比較は難しい状況でございますが、3回目接種後の心筋炎につきましては引き続き2回目接種後と比較すると報告頻度は低い状況でございます。
また、13ページ目の小児ワクチンにつきましては、まだ報告数が非常に限られてございますので参考ではありますが、現時点においては、100万回接種当たり1件から2件程度と、極めてまれな報告頻度となってございます。引き続き、小児ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎の報告状況につきましても、まとめてお示ししてまいりたいと考えてございます。
16ページ目から18ページ目におきましては心筋炎・心膜炎に係る海外情報を更新しておりますので、適宜御参照ください。
20ページ目から25ページ目をご覧ください。こちらは小児及び3回目接種後の海外情報をお載せしております。
御紹介したいスライドといたしまして、24ページ目をご覧ください。こちらは4月20日の最新の米国ACIPにおける3回目接種後の副反応に係る議論をまとめております。
要点といたしましては、まず、1行目の後半でございますけれども「3回目接種後の心筋炎、心膜炎のリスク上昇が示唆された。VSDのRapid Cycle Analysis(RCA)モニタリングにおいて、12~39歳の報告事例のほとんどは接種後7日未満に発症した心筋炎、心膜心筋炎の事例であり、40歳以上の報告事例のほとんどは接種後3週間以内に発症した心膜炎の事例であった」との議論がなされています。
また、5行目をご覧ください。5行目の後半部分からでございますが「3回目接種後の心筋炎の報告頻度は12~29歳の若年男性で最も高く、その報告頻度は自然発生率を上回ったが、2回目接種後の報告頻度と比較すると低かった」、また「3回目接種後の心膜炎の報告は心筋炎より稀であり、性・年齢については、より均等に分布していた」とまとめられておりました。
下から3行目の後半部分でございますけれども、総括といたしまして「mRNA COVID-19ワクチン3回目接種後の局所及び全身反応による反応原性と健康状態への影響は、2回目接種後と比較して同等若しくは弱かった」とまとめられておりました。
こうした海外の情報も踏まえつつ、本邦の3回目接種後の報告状況についても、引き続き御報告してまいりたいと考えてございます。
27ページ目から30ページ目のまとめのスライドをご覧ください。前回同様、スライドといたしましては、死亡例について、心筋炎・心膜炎について、3回目接種についての状況をまとめておりますとともに、29ページ目におきましては小児ワクチン接種に関する論点のまとめスライドも載せております。
29ページ目、小児の青囲みの報告状況の整理についてまとめた記載部分の御説明をさせていただきたいと思います。
1つ目の○につきましては割愛させていただきますが、2つ目の○、疑い報告の症状名等についてで、こちらは製造販売業者の疾病等についてまとめておりまして、上位といたしまして、発熱、けいれん発作等の報告がございました。
また、4つ目の○といたしまして、先ほど御紹介しましたデータロック外の死亡事例についてまとめさせていただいておりまして、基礎疾患として、出生時重症新生児仮死のあった方で、生直後より人工呼吸管理をされていた事例で、症状の概要に記載された死因等は、呼吸不全、心不全、心筋炎等でございました。死亡に関する専門家による評価はγでございました。
こうした小児の接種後の報告状況も含めまして、30ページ目の総合的なまとめといたしまして、それぞれの現在の報告状況について、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないかということで御審議いただきたいと考えてございます。
また、最後、参考資料をご覧ください。こちらは現在、伊藤先生に御協力いただきまして準備を進めておりますノババックス及び4回目接種に係る調査の概要の案につきまして、32ページ目から35ページ目にかけてまとめておりますので、御参照いただければと考えてございます。
資料2-8につきましては以上でございます。
続きまして、簡単ではございますけれども、資料2-10をご覧ください。こちらは新型コロナワクチン接種後健康状況調査、いわゆるオンライン調査について簡単に御紹介申し上げます。
今回より、対象者といたしまして、これまでの初回シリーズに加えまして、少数ではございますが、3回目接種後の調査に御協力いただいた方のデータも出てまいりました。また、5歳、11歳として御協力いただいた方のデータも見えるように含めた形で今回より資料を作成しております。
対象期間といたしましては4月17日時点のものでございます。
事務局が把握しております範囲におきましては特段の懸念はない状況というふうに承知しておりますが、今回参考人で御出席いただいております感染研の神谷先生にもお目通しいただいておりまして、もしコメント等がございましたら頂戴できますと幸いでございます。
ごく簡単でございますが、資料2-10につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、伊藤澄信委員から、資料2-9につきまして説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。資料2-9について説明させていただきます。
いつもながら当日の配付になっておりまして、事前にお目通しいただくことができていないのは申し訳ないと思っておりますが、本日はファイザー社のコミナティ筋注とモデルナ社のスパイクバックス筋注を初回シリーズで接種された方にコミナティ筋注あるいはスパイクバックス筋注を追加接種された方々の安全性情報と抗体価の推移について状況報告させていただいているもののうち、スパイクバックス筋注を初回シリーズとして接種された方々のデータを報告いたします。これは今回が初めてです。
3ページ目に調査体制の概要を示しておりますが、スパイクバックス筋注は職域接種や大規模集団接種会場で初回シリーズとして接種されておりました。初回接種が昨年6月ぐらいからでしたので、コミナティ筋注の開始に比べて3か月ぐらい遅くなっています。そのため、調査の開始時点も遅くなっていたのと、調査対象者の募集について難渋しておりましたので、調査対象者の数と年齢分布、性別の分布がコミナティ筋注と異なっております。前回報告させていただきました初回シリーズとしてのコミナティ筋注に対して3回目の追加接種された群との、この2つを直接比較するのがなかなか困難な状況であることについては御留意いただければと思います。
資料の構成は、コミナティ筋注を追加接種した群を最初に、続いて17ページからスパイクバックス筋注を追加接種した群の資料で、29ページからはこの2つ群の抗体価の比較、最後にCOVID-19の既感染と抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体についての関係を記載するという構成になっています。
コミナティ筋注追加接種の群の安全性調査対象者は354人、うち、抗体価の結果は167人です。スパイクバックス筋注追加接種の安全性調査対象者は354人で、抗体価は180人のデータです。現在も調査に協力いただける方を募集しておりますので、この数が最終というわけではありません。
5ページです。5ページはコミナティ筋注を追加接種した人の抗体価を年齢階級別と性別に分けて示しました。年齢と性別分布は下の表をご覧いただいたとおりで、年齢階級ごとの性別で区分しますと1群が小さくなって信頼区間が大きくなり過ぎてしまうので、このような表記にしています。
単純集計のグラフはお示ししたとおりですが、重回帰分析でも追加接種前の抗体価は年齢が高くなるにつれて低くなるのは、以前から報告させていただいているのと同じですが、接種後は年齢差がなくなっています。まだ、男女差もないという状況になっています。3回目追加接種28日後の幾何平均抗体価がコミナティ筋注は1万9202U/mLという値でした。
6ページからは発熱や局所疼痛、倦怠感などのデータを示しておりますが、コミナティ筋注初回シリーズにコミナティ筋注を追加接種された組合せの方のデータは前回の資料をご覧いただければと思いますが、おおむね変わりがないと思います。
14ページに示しているとおりで、PMDA報告やSAEは出ておりません。
17ページからはスパイクバックス筋注を追加接種された方のデータです。こちらはご覧いただいて分かるとおり、男性の比率が86%と高いので、他の群と直接は比較しにくい状況です。
18ページの抗体価の推移をご覧いただきますと、コミナティ筋注追加接種群とほぼ同様です。生の数字の幾何平均抗体価はスパイクバックス筋注後1か月で1万7491U/mLという値でした。
19ページからは発熱の頻度ですが、コミナティ筋注に比べますと少し頻度が高いのですが、著しい違いはないと思います。コミナティ筋注初回シリーズ群との違いは、調査対象者は男性がほとんどであることが影響しますので、これも比較できないと思っております。
26ページに示しましたが、PMDA報告とSAEはありませんでした。
先ほど飛ばしましたが、16ページと28ページに示している病休者の頻度ですが、コミナティ筋注追加接種で31.80%、スパイクバックス筋注で34.73%という著しく高い値が出ていまして、つまり、これは医療従事者を対象としたコミナティ筋注初回シリーズのときの8.7%とか8.9%に比べると著しく高いのですが、スパイクバックス筋注初回シリーズの方は一般の方と自衛隊の隊員の方々が対象でしたので、医療従事者はもともと接種翌日は休みにすることを前提にして接種していますので、比較が難しいのかなと思っています。
29ページは2つの群の抗体価を比較できるように並べておりますが、ご覧いただいて分かるとおりで、ほとんど違いがありません。コミナティ筋注を初回シリーズで接種された方では、スパイクバックス筋注を追加接種された方の抗体価が2万9422で、コミナティ筋注の追加接種が1万9771と高かったという御報告をさせていただいたのですが、スパイクバックス筋注初回シリーズの方では両者の差がない。
これらの数字をどう解釈するのかは難しいと思っていて、結論を出しにくいのですが、交互接種は同種の接種に比べて抗体価の上昇について劣ることはないとは言えるのではないかと思っています。過去の生のデータも含めて眺めておりますと交互接種に安全性の懸念はないのではないかという印象です。
34ページですけれども、これは追加接種前の採血が1,363人分ございましたので、COVID-19感染の既往と抗N抗体、抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体ですが、その関係を見てみております。
採血時期は第6波の始まる前の昨年12月から今年3月までですので、頻度の絶対値については評価がしにくいのですけれども、研究班に参画いただいている感染研の高橋先生、鈴木先生から言われているとおり、感染の既往があっても必ずしも抗N抗体が陽性になるとは限らない。抗N抗体の感度は85.7%という値が出ております。
また、抗N抗体が陽性でも、感染を自覚されていた方は47分の18のわずか38%でした。抗N抗体で判断する限り、感染者の6割の方は症状がなかったと考えることができそうなことが今までの調査結果から分かってきています。
下のほうのグラフは、前回報告いたしましたコミナティ筋注初回シリーズの人の3か月後までの分析結果の一部を今回提示させていただいております。追加接種時と1か月後は抗N抗体が陰性で、3か月後に抗N抗体が陽性化した13人。ほとんどが第6波の最中に感染された方ですが、その方の3か月後の抗S抗体価を見てみますと、抗N抗体が陰性のままの人は1か月後に比べて抗体価が低下するのですが、1か月後から3か月後の間に感染すると3か月後の抗体価が高くなることが分かりました。ワクチン接種後に感染されるとブースター接種と同じような効果があることを示しているかと思います。
35ページはまとめです。
報告は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、いつもながら精緻な解析の結果の御報告ありがとうございました。事務局も本当に詳しい解析結果の御提示ありがとうございます。
これまで、副反応疑い事例やコホート調査について御報告をいただいた状況でございますが、この場の議論におきましては、効率的に議論を進めるために、死亡事例や発生動向などに変化があった副反応疑い事例に焦点を当てて、議論を行っていくこととしております。
今回は、3回目接種後のデータが増えてきておりますし、また、5歳から11歳のデータがかなりまとまって示されたものと認識しております。そのような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価におきましては3点、1.死亡事例について、2.小児接種について、3.その他の論点についてという順で議論を進めていきたいと思います。
まずは死亡事例、次に小児接種事例について、御質問、御意見をいただき、それ以外の点への御意見などは、これは伊藤澄信委員の御提示に対するものもそこに含められますけれども、最後の3.その他の論点でまとめてお願いできればと思います。
それでは、死亡事例について、御意見をいただきたいと思います。
今回は、小児接種における死亡事例の報告もございました。死亡事例の論点につきましては資料2-8でございます。これはまたホームページに行っていただいてということになると思いますが、27ページにおいて事務局から上げられております。皆様、ご覧いただけていますでしょうか。
この論点につきまして、どう考えるか、御意見、御質問をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
本日は、小児事例の御報告を詳しく頂戴した状況がございます。もしよろしければ、こちらにつきまして、少し皆様の御意見、コメント等を頂戴できればと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
これはもともと、非常に重篤な基礎疾患をお持ちの方で接種後に亡くなられたということで、検査も難しい中、主治医の先生、検査の結果等も詳細に御報告いただいてありがたいと思っております。
心筋炎の疑いという形で一応、御報告はいただいているのですけれども、専門家の方の評価にもありますように、記載からは心臓以外の臓器が原因だった可能性はやはり否定できないのではないかと思っています。ワクチンとの因果関係につきまして、時間的な関係も一つのファクターとしてありますので、時間的な点から因果関係としてどうかということになろうかと思いますが、心筋炎というよりはそれ以外の臓器の、例えば重篤な細菌感染等も含めた鑑別はなかなか臨床現場では難しいところではないかと思います。
ただ、主治医の先生としても、そのあたりは十分御理解の上で、ただ、この報告制度には報告しておいたほうがよいだろうということで御協力いただいたのかなと感じております。私ども臨床現場では重症の心身障害の方にも親御さんとよく御相談しながら、やはりCOVID-19にかかってしまうと生命的なことも含めて問題になりますので、接種を現場ではしている方も多いかなと思います。この方の場合にも心筋炎ということでなく、何かほかの要因もあった可能性は考えられるのかなと思いながらこの記録を拝見して、専門家の先生の御意見は十分理解できるかなと思いました。
ですので、現時点で十分な評価、情報が不足しているというよりも、十分に情報を集めていただいた上での総合的な判断としてγということで、特に今回のこの事例をもって小児での接種を何か考える必要があるということではないのかなと思っております。医療現場では私の病院も含めて、恐らくこういった重症の方には親御さんと本当にコミュニケーションを取った上で接種するかどうかを進めている状況で御理解いただければと思いました。
以上です。
○森尾座長 岡委員、委員のお立場として、そして、御専門のお立場からとしても御意見を頂戴した状況でございます。ありがとうございます。
詳しい報告をかなり事務局のほうは集めていただいておりまして、恐らく網羅的に情報を頂戴しているものと思っております。その中で炎症反応、CRP高値というところがあって、かなり30を超えて高くて、たしか前日の採血では0.24と伺っておりますけれども、何かすごく強い炎症が起きたのではないかということで、ほかの臓器のことを含めて考慮していいような症例ではないかということではないかと思います。
いかがでしょうか。この死亡例、小児例につきまして、コメント等はございますでしょうか。
よろしいですか。
どうもありがとうございました。
それでは、ほかの死亡事例につきましても含めまして、何か御意見、コメントがありましたら、質問等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
取りまとめ、論点の内容についてもよろしいですか。
どうもありがとうございました。それでは、死亡事例につきましての議論を終了したいと思います。
次に、小児接種についての議論を行わせていただきたいと思います。本日の資料におきましては、集計対象期間までの専門家評価の結果や集計対象期間後の副反応疑い事例や死亡事例の報告状況について御報告をいただいた状況でございます。
小児接種の論点につきましては、資料2-8の29ページにおいて事務局から上げられております。こちらについて、どうお考えになられるか、御意見、御質問をいただけたらと思います。いかがでしょうか。
何か気になる点等がございましたら遠慮なく御発言いただけたらと思いますが、よろしいですか。
どうもありがとうございました。それでは、この論点について、基本的に御承認いただいたというふうに受けさせていただけたらと思います。
最後ですが、そのほかの論点についてに移りたいと思います。死亡事例や小児接種以外の論点といたしまして、本日の資料では、3回目接種後の事例や心筋炎・心膜炎の疑い事例などについて報告をいただきました。新型コロナワクチンの安全性に関連して、死亡事例とか小児接種後の事例以外の観点から、御質問、御意見があれば承りたいと思います。伊藤澄信委員の御提示に対する御質問等もこちらで承りたいと思います。いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
何回か、多屋委員からもお話があったと思うのですけれども、副反応の症状として新型コロナ感染症(薬効不十分)というものが結構多く出てきているようにも思います。例えば資料2-2-2-1のような形で出ているもので見ると、接種してから1年ぐらいたって発症している人も書かれているのです。それも製造販売業者からの報告という形なのですが、これはどうなのか。製造販売業者からであれば、ある程度、1年もたっていれば副反応というわけではない。ある程度、そういうことが分かるのではないかと思うのですけれども、この辺、かえって副反応率を上げてしまったり、あるいはもっと重要な副反応が出ているものが隠れてしまうようなおそれも出てくると思います。かなり期間がたっている新型コロナウイルスの発症例、特に製造販売業者からの報告については、何か対応が取れないのかと思っておるのですけれども、いかがでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 基本的な制度の趣旨としまして、疑いがあるものを広く取るものですので、報告をやめてくれという言い方は難しいかもしれませんが、基本的な考え方は、疑いが否定できなければ収集する、というものです。疾患増強の議論もございましたけれども、では、COVID-19だから絶対に副反応ではないと言い切れる段階でもないと思いますので、疑いがあるものは収集するということだと思います。
一方で、明らかに疑いが否定されるようなものに関しましては、おっしゃるとおり、報告の対象外となります。報告しないでくれということではないとは思うのですが、そのあたり、もう一度、よく製造販売業者にもお伝えしようかなとは思います。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 どうぞ。事務局、お願いします。
○事務局 濱田先生、御指摘ありがとうございます。
例えば、ワクチン接種後、数日内に発症したものなのか、そうでないのかを分ける等、何らかの基準をお示しいただければ、そのような資料の示し方もできるのではないかと思います。事務局といたしましては御報告をいただいた時点で、現状では一律にお示しするところとなりますので、何らかのクライテリアといいますか、例えば心筋炎については接種後7日以内のものについて括弧内に示すという形も取らせていただいておりますけれども、そうした御教示等がございましたらコメントいただけますとありがたいと存じております。
以上でございます。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
森尾先生、よろしいですか。
○森尾座長 どうぞ。濱田委員、お願いします。
○濱田委員 もちろん、心筋炎とかアナフィラキシーとかは、現在の方式でいいと思うのですけれども、新型コロナウイルス感染症自体を副反応として報告する期間を決めるのは難しいです。これが医療機関だったらいいと思うのですが、製造販売業者から報告される場合です。おっしゃるように、1か月とか2か月以内に起きているのであればいいのかもしれませんが、1年とかたっているものをどう考えるか。これは今、疫学的なワクチン接種後のデータとして、2回目接種して1年たっていれば再感染が起こるのはかなり分かっていることではないかと思うのです。
そういったものを、医療機関だったらこれは仕方がないとしても、製造販売業者からそういうものが出てくるのはいかがかなとは思うので、その辺を何か検討できればとは思うのですけれども。そのように考えておりますが、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
企業報告の場合、追加報告を繰り返すことがあって、例えば1報で分かった段階でまず症状を報告してきていて、後でよく調べてやはり落とすこともあり得ます。
今の御指摘を踏まえまして、基本的な考え方として否定できるかどうかというのがまずありますので、本当にこれは全て疑いが否定できないようなものなのかというのはちょっと話してみようと思います。
○森尾座長 ぜひ、上手なコミュニケーションをお願いできればと思います。
よろしいでしょうか。
○濱田委員 はい。
○森尾座長 ありがとうございました。
柿崎委員から手を挙げていただいております。お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
先ほどの濱田委員の御質問に関連するのですけれども、製造販売業者の方は担当医から何か発症したということで報告されてしまうと企業報告せざるを得なくなってしまうのではないかと思うのですが、肺炎球菌ワクチンのときのように、薬効不十分というような報告は別枠に分類したりすることはできないのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 症状別に関してはお示ししておりますので、少なくてもどれくらいの件数があるかというのは分かるようにしております。また、メーカーとも話しまして、本当に否定できないものかというのはよく確認の上、やっていきたいと思います。
その上で、もしどうしても必要だということがあればそれは入れるべきものだと思いますし、まずは本当にそれが否定できないものかどうかというのは改めてよく確認してみたいと思います。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 伊藤先生の発表に関してでもよろしいですか。
○森尾座長 はい。お願いいたします。
○倉根委員 18ページ、29ページ、いずれも同じ傾向なのですけれども、先生、エラーバーの長さを見ると、30歳未満と50歳以上は30歳あるいは40歳に比べるとエラーバーが長くなるのですけれども、これはnが少ないことによる現象なのか。実際、30歳未満というと年齢が広く取っているし、30代、40代に比べて50歳以上も広く取っていることになると思うのです。この年齢でのばらつき自体が大きくなっているのか、nが少ないことによるのか、先生、ここはいかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
19ページとか20ページにも実際の症例数を書かせていただいておりますが、30歳未満が14例で、50歳以上が67例で、間が58例、123例という状況ですが、純粋にエラーバーの大きさは例数によって決まります。ばらつきではございません。今回のデータを全部、年齢と性別で分けるとかなり大きなエラーバーになるので、こんな形にさせていただいておりまして、症例数が増えればもう少し精緻な形で示せると思います。
以上です。
○倉根委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
すみません。今さらで申し訳ないのですけれども、確認させてください。資料2-8のまとめのスライドの12~14ページ辺りに3回目接種の数字が出ているのですけれども、この母集団は皆さん、3回目を受けるまでは何もなかった方という解釈でいいのですね。それによって数字の見方が変わるというか、母集団の性質が変わってきますので、その辺を念のため確認させてください。
○森尾座長 ありがとうございます。
ここまでの情報があるでしょうか。事務局、いかがでしょうか。
○事務局 いえ、結論から言うと、分かりません。ここでの1回目接種、2回目接種、3回目接種の心筋炎・心膜炎疑いは、1回目接種後に報告があった、2回目接種後に報告があった、3回目接種後に報告があったというだけで切っていますので、極端なお話として、1回目、2回目、3回目、全てに仮に心筋炎が生じた方がいたとした場合、1回目も1件として入りますし、2回目も1件として入っています。
○佐藤委員 かぶっているのですね。
○事務局 はい。あり得ます。
○佐藤委員 だから、1回目、何もなくて2回目、何もなくて3回目だけおこった、という事例の報告ではないということですね。
○事務局 はい。症例ごとにといいますか、個々人がひもづいているわけではありませんので、同じ方がそれぞれ、1回目、2回目、3回目で、1件、1件、1件と出してくることはあり得ます。
○佐藤委員 分かりました。
大きく見ないといけないということですね。了解しました。
○森尾座長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
今日、神谷先生は入られているでしょうか。
神谷先生、お入りでしたらコメント等をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○神谷参考人 感染研の神谷です。
コメントというのは健康調査に関してでしょうか。
○森尾座長 いや、言い方が曖昧ですみません。全般にわたってでも結構でございます。
○神谷参考人 3回目の接種、それから、小児に対する接種というものは、それが始まって情報が入ってきたところですので、これから先、接種数が増えることによって、また見えてくることがあると思うのですけれども、全体的に見ても小児は接種数が国内でも少ないので、海外のそういったデータもしっかりと見ていって、できるだけいろいろな角度から評価していくことが必要になってくるかと思います。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
そのほか、委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、これまで議論していただいた内容をまとめさせていただきたいと思います。お付き合いください。
これまで確認できました内容といたしましては、まず、ヌバキソビッド筋注の報告基準についてでございますけれども、マル1としまして、ヌバキソビッド筋注の報告基準につきましては、現時点において臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様、「アナフィラキシー、血小板減少を伴う血栓症、心筋炎、心膜炎、その他」を副反応疑い報告基準として位置づけることとする。
マル2としまして、ヌバキソビッド筋注の副反応疑い事例の公表方針については、評価とともに情報発信をしていく必要があるという観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まずは、本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに、会議資料として副反応事例を公表していくこととする。
そして、情報が少ない状況であるという御指摘をいただきました。そういう点でも、事務局におかれましては、そういう状況を鑑みまして、国内外の情報を収集して提供していただくことをお願いできればと思っております。また、そのほかの新型コロナワクチンを含めてよく報告状況を注視していただきまして、必要時には、本合同部会を緊急的に開催することとしたいということでございます。
集計期間における副反応疑い報告の傾向についてに入ります。
対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、症状別の報告状況、ロット別の報告状況、3回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。
マル2としまして、なお、3回目接種後の安全性については、副反応疑い事例の報告状況やコホート調査の結果を踏まえると、現時点では重大な懸念は認められないが、接種が進み、一定の副反応疑い事例が集積している状況を踏まえ、事務局においては、報告状況を一度総括することを検討していただければと思います。こちらはかなりの接種回数が増えてきましたので、この時点で少し総括をしていただくということのお願いでございます。
マル3、新型コロナワクチンの副反応が疑われる症状については、個々の事象においてはその因果関係の有無を確定できないことも多い。したがって、因果関係の評価については、引き続き、個別症例の因果関係評価の結果のみならず、α、β、γの評価結果にかかわらず集積した副反応疑い事例を用いて集団として解析する方法や、海外の規制当局のステートメントや重要な研究論文、海外の市販後副反応疑い事例などの情報を踏まえ、検討していくというふうにまとめさせていただきました。
次に、死亡事例でございます。
死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに36件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,549例については、9件がβ、そのほかの事例はγと評価されました。また、4月18日から4月29日までには、さらに21件の報告がありました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに20件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された140件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされました。また、4月18日から4月29日までには、さらに11件の報告がありました。
バキスゼブリアについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新規の事例の報告はございませんでした。
コミナティ筋注小児用については、今回の集計対象期間までに死亡事例の報告はございませんでしたが、4月18日から5月6日までに1件の報告がございました。専門家による評価ではγとされました。
死亡例の報告に関しては、現時点においては、3回目接種後の事例や小児接種後の報告状況も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる。
以上のようにまとめさせていただきました。
続いて、小児接種でございます。
コミナティ筋注小児用については、4月17日までに、医療機関から29件、製造販売業者から30件の副反応疑い事例の報告がありました。また、4月18日から4月29日までには、さらに医療機関から26件、製造販売業者から16件の報告がありました。
死亡事例については、5月6日までに1件報告があり、専門家による評価ではγとされました。
報告基準に定められた症状については、製造販売業者から、集計対象期間までにアナフィラキシー疑い事例と心筋炎及び心膜炎疑い事例の報告がありました。アナフィラキシー疑い事例については3件報告があり、ブライトン分類評価においてはいずれもレベル4とされました。心筋炎疑い事例については2件報告があり、ブライトン分類評価においてはいずれもレベル4とされました。心膜炎高い事例については1件報告があり、ブライトン分類評価においてはレベル2とされました。
現時点においてはワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないが、国内外における報告状況を注視していくとともに、引き続き、評価・分析を行ってまいります。また、最新の報告状況等を踏まえ、必要に応じ、周知・注意喚起を行っていく。
このようにまとめさせていただきました。
このような形でまとめさせていただきましたけれども、これでよろしいか、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただきました。ありがとうございました。
以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえまして、4種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。それでは、そのようにまとめさせていただきたいと思います。
そのほか、全体を通じまして、何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、本日の議事は以上で終了となります。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。
活発な御議論をどうもありがとうございました。