令和3年度第2回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の議事録

日時

令和4年3月2日(水)

場所

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)

議題

(1)介護保険における福祉用具及び住宅改修の種目にかかる検討について
(2)その他

議事

令和3年度第2回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会

○鈴木係長
 では、定刻となりましたので、ただいまから令和3年度第2回「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、また、新型コロナウイルス感染症に関する御対応の中、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
 本日は、上野構成員、井上由起子構成員、濵田構成員が遅れての御参加となりますが、全員御出席の予定となっております。
 本日は、前回に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただいております。また、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 まず、資料の確認を行います。
 本日は、オンラインで参加される構成員の方は電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。会場にいらっしゃる構成員の方はタブレット端末に格納されている資料を御覧ください。
 まず、議事次第がございます。
 次に、資料1「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会開催要綱」。
 資料2「検討会 構成員一覧」。
 資料3「検討を要する福祉用具の種目について(新規案件)」。
 資料4「検討を要する福祉用具の種目について(継続案件)」。
 資料5「排泄予測支援機器の種目追加に伴う取組について」です。
 続きまして、参考資料です。
 参考資料1-1「介護保険法の規定」。
 参考資料1-2「給付対象種目を定める告示」。
 参考資料1-3「告示に関する解釈通知」。
 参考資料2「福祉用具・住宅改修の概要」。
 参考資料3「介護保険福祉用具における種目の評価・検討方法」。
 参考資料4「介護保険福祉用具における評価・検討の視点」がございます。
 お手元に不足の資料がございましたら、恐縮ですが、資料は検討会のホームページに掲載しておりますので御確認いただくか、事務局までお申しつけください。
 次に、オンライン会議における発言方法等について確認をさせていただきます。
 御発言される場合は、オンライン会議システムの手を挙げる機能をお使いください。オンライン画面で座長に御確認いただき、指名していただきますので、指名に基づきまして御発言をいただきますようお願いいたします。
 発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思を伝えていただくことも可能ですが、原則としては手を挙げる機能にて意思表示をお願いいたします。
 また、チャット機能等で記載いただいた内容につきましてはオンラインの画面に表示されますので、あらかじめ御承知おきください。
 なお、本日の議事録は後日ホームページに掲載する予定としております。
 それでは、議事に入ります。
 これからの進行は山内座長にお願いしたいと思います。

○山内座長
 それでは、始めたいと思います。
 まずは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○長倉指導官
 それでは、資料3につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 資料3に関しましては、検討を要する福祉用具の種目【新規】になります。
 まず、1ページ目です。
 本日御検討いただきます福祉用具に関する提案は、令和2年11月1日より令和3年10月31日までに受け付けました、福祉用具に関する提案の新規4件となります。
 本日の評価・検討に当たっては、介護保険制度における福祉用具の範囲の考え方である7つの要件、及び昨年度に整理した評価・検討の視点に沿って、事前に構成員の皆様に御意見をいただきました。
 提案者より提出されました追加資料は全て構成員の皆様に御確認いただいており、また、提案の概要の記載内容につきましては、提案者にあらかじめ確認をいただいております。
 総合的評価案につきましては、構成員の皆様からいただきました評価・検討の御意見を基に、事務局のほうで案として整理させていただきました内容となります。
 また、総合的評価案の要件1から7のマル、バツ、サンカクの表記は、マルは要件に該当、三角は検証を含む資料が不十分であり、追加が必要、バツは要件に合致しない、または資料がなく評価・検討ができないなどとなりますが、構成員の意見等を反映しての判断で記載させていただいております。
 それでは、順に資料について御説明させていただきますが、時間の関係上、提案の概要と評価・検討の結果案について御説明をさせていただきます。
 まず、2ページです。
 馬乗り型電動車いすです。福祉用具貸与に「馬乗り型電動車いす」または「馬乗り型モビリティ」の追加を提案されたものです。
 利用対象者は、要支援1から要介護3、座位保持は可能だが立位歩行が難しい方、運転時の状況把握や操作方法の理解が可能な一定以上の認知能力を有する方としています。
 屋内で使用する移動用機器です。
 次の3ページお願いします。
 有効性につきましては、移乗が容易で利用者・介助者の身体的負担の軽減、外部へ移動することの楽しさ、コミュニケーションの増加、健常者と同じ目線になることによる開放感、前傾姿勢により前方の作業がしやすいの5点が示されています。
 これらに対するデータとして示されましたのは、施設利用者による市場調査の結果となっております。
 続いて、8ページを御覧ください。
 総合的評価の案となります。
 1点目、要介護者と高齢者において使用できる対象者像が想定できないことや、示されましたデータは施設における市場調査のみであり、在宅における住環境や要介護者が利用することによって、どのような自立の促進や介護者の負担軽減が図られた提案になっていない。
 2点目、当初は介護者の常時見守りが必要であり、後方移動や旋回等、従来の車椅子とは異なる動作が求められるなど、通常の車椅子と比べて利用時の安全性に配慮が必要となると考えられるが、当該対応については、準備中は検討中のものが見られ、想定されるリスクに対する対応が不十分である。
 上記の点について、在宅での使用例に基づき、自立助長や安全に利用される対策を示すことや、提案されている効果についての定量的なデータを用いた検証結果が得られる必要がある。
 以上のことから、結果案は「否」とさせていただいております。
 続きまして、9ページを御覧ください。
 衝撃吸収マットです。高齢者の転倒による骨折を減らすため、歩いているときは硬く、転んだときにだけ柔らかいマットについて提案されたものです。
 利用対象者は要介護1から4、自力で移乗や歩行が可能だが転倒リスクが高い方、移乗や歩行に介助が必要だが、認知機能が低下しており、適切に介助を求められない方、車椅子を利用する方としています。
 ベッド周辺に限らず、対象者が歩行または移動する場面で使用される用具です。
 有効性については、転倒に伴う骨折や外傷リスクの低減。これらに対して示されましたのは、病院や施設における使用状況の報告と骨折発生率の減少数値になっております。
 12ページの総合的評価の案となります。
 示されたデータは、病院や施設における提供実績や実証実験であるが、在宅における住環境との違いもあり、利用対象者増や利用効果を含め、要介護者が利用することによって自立の促進や介助介護者の負担軽減を図られる福祉用具であることを示す提案になっていない。
 2点目、要介護・要支援者でない方も使用が想定され、一般製品との差別化が困難であり、貸与種目としての保険適用の合理性は認められないものと考える。
 以上のことから、結果案は「否」とさせていただいております。
 続きまして13ページ、誤嚥予防椅子です。誤嚥をし難く、円滑な嚥下での食事を可能とする頸部前屈位の摂食姿勢の安定、保持方式機能を搭載した摂食専用椅子を「摂食」の種目として提案されたものです。
 利用対象者は、要支援1から要介護3、自力あるいは介護者の助けを借りて椅子に座れ、実際に口から食べることができる状態の方としています。
 食事や水分補給、薬の服用、口腔内の手入れのときに使用される用具です。
 有効性は誤嚥の回避、嚥下機能訓練による嚥下機能の改善・向上、円滑な嚥下によるQOL・ADLの維持・向上、介助者の負担軽減。これらに対して示されましたのは、摂食時姿勢と嚥下の関与筋群の比較検証試験、摂食時の姿勢維持調整による嚥下機能に対する効果の検証、特別養護老人ホームにおけるモニター調査です。
 18ページの総合的評価の案です。
 1点目、施設や病院における活用データは示されているものの、在宅の生活で本製品を必要とする利用対象者の設定や、在宅の要介護者等が使用する具体的な環境を想定し、要介護者が利用することによって自立の促進や介護者の負担軽減を図られる福祉用具であることを示す提案になっていない。
 2点目、一般製品との差別化については、市場においてデザイン構造上、区別することは困難である。
 3点目、誤嚥予防は様々な要因が関係することを踏まえ、姿勢保持用具として考えられるのか。また、使用時に医療専門職の指導を受けた福祉用具専門相談員が、習熟するまで利用者に指導することが望ましいこととしていることなどから、有効な活用及び利用安全の観点から、医療専門職及び医学的管理下においてなされるものかどうかの整理も必要である。
 以上のことから、結果案は「否」とさせていただいております。
 次に、19ページを御覧ください。
認知機能測定・訓練機器です。大学との共同開発によって、認知機能の測定及び訓練ができる機器で、認知機能の状態が把握でき、ペグにより脳を刺激し、楽しく自主訓練に使用できる機器の提案となっております。
 利用対象者は、要介護者、軽度認知障害としております。
 認知機能の測定及び訓練として使用される用具としております。
 有効性は、認知機能の把握、自主訓練、IADLやQOLの向上としております。これらに対し示されたデータは、認知機能評価としての妥当性、在宅高齢者に対する介入研究です。
 23ページの総合的評価案です。
 認知機能を評価する測定器及び訓練ツールとしての有効性を示しているが、自立促進や介助者負担軽減の効果は示されておらず、市販されているトレーニングツール等の一般製品との区別が明らかでない。
 医療機器には該当せずとも、医療の観点から使用するものと解され、日常生活で使用する機器ではないため、保険給付になじまない。
 以上のことから、結果案は「否」とさせていただいております。
 以上が、構成員の皆様から事前にいただきました評価意見を整理しました結果案でございます。
 以上となります。

○山内座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局説明を踏まえまして、まず新規提案の1から4について、各構成員から総合的評価結果も含めて御意見をお願いしたいと思います。
 ランダムにやると恐らく大変だから、1から4まで順番にやりたいと思います。
 まず、1の馬乗り型電動車いすについて御意見のある方、お願いします。
 どなたか御意見はないですか。事務局説明の案どおりでよろしいですか。特に最後の総合的評価のところについて。
 井上さん、どうぞ。

○井上剛伸構成員
 ありがとうございます。
 総合的評価のところについて、特にこれで問題ないのではないかなというのが考えではありますけれども、この案件でほかに気になるところで、評価の構成員の意見等では出ているかとは思いますが、屋内利用に限定するという点が、実際にこういったものを給付していくとなったときに、どういうふうにそこを限定するのかという運用上での問題点というところ、これは事業所がそういったところをレンタルしていく中で可能なものなのかどうか、その辺も含めて検討が必要になるのかなと思いました。
 以上、意見になります。

○山内座長
 今の点、岩元さん、どうですか。事業所が実際に貸与を始めたときに、事業所が困るようなことが、そういう見方も検討する必要があるというのが井上さんの意見です。そういう観点からいかがでしょうか。

○岩元構成員
 私が指名されたということでよろしいですか。

○山内座長
 貸与事業者として、例えばこれを貸与することになったら、貸与事業者は困るのではないかというのが今の井上さんの意見だと思います。それで、貸与事業者として、岩元さんは今のお話はどうだろうかということです。

○岩元構成員
 発言させていただきますと、本当におっしゃるとおりでございまして、屋内利用に限定するといっても、ずっとついておくわけにいきませんし、通れない仕組みをつくるとか、あまり現実的ではないような気がいたしますので、そういった御利用があるという想定、屋内と屋外、屋内専用と言いながら、現場ではそれを本当に制限できるのかというと、なかなかこれは難しいだろうなと私も感じているところでありました。
 ありがとうございます。

○山内座長
 ありがとうございました。
 これについてほかに御意見はないでしょうか。
 五島さん、どうぞ。

○五島構成員
 どうもありがとうございます。
 私も総合評価は厚労省様のほうで記載されたとおりで、おおむねよろしいのではないかなと思ったところなのですけれども、操作のところの記載で、後方移動だとか旋回等、従来の車椅子と異なる動作が求められるというようなところにもし加えるならば、これは馬乗り型ということで、これにどういうふうに搭乗するのかというようなところを考えないといけないのかなと思っているのですけれども、またぐというような動作は多分お年寄りではかなり難しい。当該機器はバックでベッドや車椅子に寄せて、後ろにずりながら降りていくというような動作が求められるのだと思うのですけれども、そうした動作が果たして介護保険の適用になるような高齢者できるかどうかというようなところも、市場創造型JISマークということで、馬乗り型というハードの安全性は一定担保されていると思うのですが、そうした要介護高齢者を想定したモビリティかどうかというところをしっかりと見ていかないと、いわゆる普通の車椅子のようにバックレストやアームレストなど、前腕を一部支持するような部分はありますけれども、そうした部分もないわけで、降りたり乗ったりするときのところなども、在宅で、しかも、狭いエリアの中でそういう行為がとれるのかなというようなところが、今回のデータは施設の限られた広範囲のところのデータなので、そのように思ったところでございます。

○山内座長
 ほかに御意見はありませんか。
 松本さん、どうぞ。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 本件は新しいモビリティということで提案されているのですけれども、まだ製品として利用実績がほとんどないということで、そういう意味では、指摘されているようなどこで誰がどういうふうに使うかというユースケースがクリアでないというところが一番大きな問題かなと思いますので、全体の評価としては事務局案で異論はありませんが、特に製品としてある程度使われているものであれば判断しやすいところだと思いますけれども、そこがまた難しいと感じました。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 せっかく御発言いただいたついでに松本さんに質問したいのですが、いいですか。
 これは安全性の問題で、座位保持ができない者は対象としないと書いてあるのですが、実際に貸与の場面になってくると、福祉用具専門相談員がこれを判定することになるわけです。それでは、私は少なくとも本質的安全設計になっていないだろうと。つまり、福祉用具専門相談員というレベルの人の判断に制御を任せているのでは、本質的安全設計とは言えないだろうということがこの間から決められ始めたのですが、それについて、安全の立場から本質的安全設計ではないと言っていいですか。

○松本構成員
 アームレストとか通常の車椅子でつけられているガードするようなものがなくて、使い方で気をつけないといけない部分がかなり大きいと思いますので、本質安全という観点で、使い方によって危険性がかなりあるということで、まだ不十分だと私も考えます。

○山内座長
 分かりました。どうもありがとうございました。
 ほかに、これについてございませんでしょうか。
 伊藤先生、どうぞ。

○伊藤構成員
 伊藤です。
 ちょっと話が逸れるのですけれども、先ほど行動半径というか使用範囲の制限という話がありましたよね。それが難しいのではないかと。実は補装具のほうでもそういうことがありまして、当初は誰が責任を持つのかといろいろともめたのですけれども、学校だけで使いますよとかということで、小学生に電動車椅子を出す際にもその制限は設けてはいるのです。ここだけで使いましょうねという判定はするのですけれども、実際のところはそれは親任せ、先生任せなのです。
 これはレンタルですから、当然、屋内使用、屋外で使われた場合にいろいろと劣化するおそれというのは強くなるのでしょうけれども、それも自己責任という形で考えないと、どの用具も必ずしも思ったとおりに使ってくれるわけではありませんので、わざわざそこの責任問題をどうのこうのと議論の俎上に乗せるのかどうか、私は疑問に思っているのです。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 ほかにありませんか。
 なければ、また思い出したら、後で時間があれば御発言いただいていいと思いますが、時間が足りなくなるといけないので、次の2番に行きたいと思います。
 2番の衝撃吸収マットについて御意見のある方、どうぞお願いします。
 この事務局の原案に特に御意見はありませんか。これでよければそれでいいのですが。
 大河内先生、どうぞ。

○大河内構成員
 私、老人保健施設協会と日本老年医学会と一緒に、主に高齢者施設における転倒のマネジメントをやっているのですけれども、衝撃吸収マット自体が今のところまだエビデンスがあるものがない。今、施設入所者においてヒッププロテクターが辛うじてエビデンスがあるというのが現実になっているみたいなのです。マットがあるからといって骨折が本当に防げるかという証拠はまだないように思われるのです。これは2年前ですけれども文献のレビューを一通りやった結果でございます。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見はありませんか。
 今の大河内先生の御発言で決まりのような感じがします。
 どうぞ。

○井上剛伸構成員
 ありがとうございます。
 2つ目の○のところなのですけれども、これは一般製品との差別化が難しいということで、要介護・要支援者でない人も使用されるということで差別化が難しいという書きぶりにはなっているのですが、実は製品自体も一般に使われているマットと今回のような少し特別に転倒予防を強調して仕様をつくられているようなものとの差別化が難しいという物としての差別化もすごく難しいなというところがありますので、ちょっと工夫してその辺も入れていただけるといいのかなと思いました。

○山内座長
 五島先生、どうぞ。

○五島構成員
 ありがとうございます。
 私も一般製品との明確な区別が難しいのではないかというコメントを入れさせていただいたのですけれども、先ほどの大河内先生の話にも関連することなのですが、こうした衝撃吸収用のマットというのは結構いろいろな製品が出ていて、ただ、実際に高齢者を被験者にして倒れてみてどのぐらいの被害があるかという実験はほとんどできないですよね。正直、どういうふうに腕をついて倒れるかとか、そういうことの臨床というのは現実的に無理だと思うのです。そういう中において、今、一般製品でいろいろな衝撃吸収用のマットがあって、これが優位だということが果たしてどうやって製品だけで科学的にちゃんと示されているのかというところが、もし対象になったときに区別がつかないのではないかというようなところがあってこういう形になったのです。
 ただ、今、施設などでも脱衣室とかそういうところを倒れても安心にするような床材に変更したり、そういうことというのは一般的に、それは絶対安全ではないと思うのですけれども、そうした取組はなされてきているかと思いますので、○の一番最後に書いていただいていますけれども、床材の変更の一部にこういうようなものも含められるというようなことで、住宅改修のほうかなと思ったりもしたところでございます。

○山内座長
 住宅改修の材料ならいいということですか。

○五島構成員
 いいというか、住宅改修の部材そのものも全てを評価して決めているわけではないので、そこはやはり取りつける先の問題もあるでしょうし、手すりでもそうなのですけれども、非常に現場現場で専門的な知識を有するところではあると思うのですが、一般の衝撃吸収マットとこれの差をどう見たらいいのかというところが、実験ができない中で、今後対象になったときに非常に判断しづらくなってきてしまうのではないかなと思ったところです。

○山内座長
 当然、年寄りをこの上に倒して骨が折れるかどうか見るなんて実験は許されないですよね。ですから、こういうときはやはりダミー人形を使って、衝撃力がどれぐらいあるのだということを測って、それで計算するよりほか、安全かどうかということのエビデンスのためには仕方がないだろうと。それならばできるのではないかと思いますけれども、ただ、衝撃力がどれだけあれば骨が折れるのというのは、生身の人間はともかく、いろいろな実験はあるから、それで何か数字が出るのではないかと思います。
 では、岩元さんからお願いしましょう。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 今、住宅改修の床材の変更の対象としての可能性について議論があったと思いますけれども、そうなった場合に、そもそも住宅改修における床材の変更は何のために変更するかというところだと思うのです。床材の変更を、転んでも、骨を折りにくい、骨が折れないクッション性のある安全確保のための住宅改修を行うということが、果たして住宅改修の目的としてあり得るのかどうなのかというところにかかってくるような気がいたします。もちろん床材を変更するときに、住宅改修の目的にかなった床材にするということは今でも当然行われていますけれども、その多くは例えば畳からフローリングに変えるであったり、そういったものが現場では一般的でありまして、転んだときの安全確保のための住宅改修というのが果たしてあり得るのかどうかというところは、私、疑問に感じておりました。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 大河内先生、遅れましてすみません。お願いします。

○大河内構成員
 いえ、とんでもないです。
 実験モデルはつくれるのです。例えば施設の中でそれを使っているフロアと使っていないフロアを比較して、転倒リスクがある人が実際に骨折するかどうかというモデルはつくれます。ただ、これは転倒リスクのある人自体がそもそも限られていて、そこから骨折に至る確率は本当に1%とかそれぐらいの割合になるのです。そうすると、これは研究モデルとしてコホートでやったとしても成り立たないモデル、有意差がほとんど出ないモデルになってしまうので、恐らく先ほど構成員長がおっしゃったような実験モデルとしてしか成り立たなくて、人を使ったモデルというのはほぼ不可能だというような気がいたします。

○山内座長
 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 これは実は材料であって、用具ではないという問題もあるのですけれどもね。
 では、次に行きましょう。次は、3の誤嚥予防椅子について御意見があったらお願いします。
 18ページの原案について、これで特に御異論はございませんか。
 特に御意見はなさそうですから、次に行きましょう。
 大河内先生、どうぞ。

○大河内構成員
 手を挙げるのが遅れて申し訳ございません。
 これも先ほどの転倒から骨折に至るモデルと同じで、誤嚥リスクから誤嚥に至るというところのモデルをきっちり評価しない限りは、その予防モデルというものが実は研究として成り立たないことが多いのです。例えば食形態の変更といったことであっても十分なエビデンスが出せないのが現実であって、椅子の姿勢だけでそういったものが出せるというレベルまでにはまだ、高齢者のケアに関する科学はそこのレベルの評価自体ができる状況ではないような気がするのです。
 むしろ、こういったことの問題は、その評価手法をどうやって確立するかのほうに力を入れなくてはいけなくて、それを科学的に測定するための考え方の整理ということに対して例えば厚労省が研究費を出すとかといったことをやっていかないと、この問題はいつまでたっても解決しないように思われます。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 それでは、その次の認知機能測定・訓練機器はいかがでしょうか。
 大河内先生、どうぞ。

○大河内構成員
 これは、例えば認知症短期集中リハビリテーションや認知症の介入などという手法は幾らでもありますし、あるいはゲームとかでもそういったものが既に普及している状況の中で、これを新たにやっても、既に普及しているものがある中で介護保険適用というのはいかがなものかと思われました。

○山内座長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。
 五島さん、どうぞ。

○五島構成員
 どうもありがとうございます。
 この総合評価案で私もよろしいのではないかなと思っているところなのですけれども、当該機器が測定機器と訓練ツールとなっているものですから、それを介護保険で言う利用者の自立支援であったりというところに位置づけるかというところで考えたときに、まず測定する用具というのは違うのかなと思って、訓練ツールということになると、か参考資料4の評価の観点で整理をしたときに、身体機能に関する効果のみでなく、活動とか参加、自立支援に資するようなものにこの用具がつながるのかどうかというところを見ないといけないと思うのですが、今回はそうしたデータがないので、その先の評価ができないのではないかなと。
 あと、家族利用まで落とし込めるかどうか。専門職の人が関与しながら使うものではないかなと思ったところでございます。

○山内座長
 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 どうぞ。

○久留構成員
 久留です。 
 特に評価そのものに異論はございませんが、ただいままでの議論の中で、ほかのこれまでの御提案も含めて常々考えていることについて、この場を借りて意見を述べさせていただこうと思うのですけれども、服薬支援の機器や先ほどの摂食支援としての機器、またはリハビリなどで活用する機器など、今、五島さんもおっしゃいましたように、専門職の管理の下で使用されなければ安全でない、もしくは検証ができないこういった類のものというのは、やはりこの介護保険法で在宅で福祉用具対応で想定している利用者もしくは家族が在宅で利用するという状況を超えているので、そこは相当慎重にならざるを得ないと全体を通して考えます。
 ただ、そのときに、介護保険法の考え方で前も申し上げましたが、居宅療養管理指導の服薬指導とか訪問リハビリというサービスは別途あるわけでして、そこの中で用いる用具というものをどう考えるのかということだろうと思っています。私は、基本的に福祉用具貸与ということの中でその適合性を判断するというよりは、むしろそれぞれのサービスでサービスを提供される方々がその必要性を判断し、そして、自分たちのコストで利用するということであれば、それに対する制限は、今、介護保険法の中では何もないのです。医療機器だけは使用制限がございますけれども、それ以外は基本的には使ってはいけないとはどこにも書いていないわけで、例えば作業療法士の方々がそこで何か機器を使って訓練をされるということについても規制は何らありませんので、だから、そういうものなのではないかなという気がいたしております。
 そうすると、今後こういうものが出てくるという場合に、最初の厚労省の線引きのところでそういう類のものは一旦整理をする必要があるのかなという気は常々しておりまして、これをこの俎上に乗せていただいて私どもで判断しろという話になると、先ほど来大河内先生がおっしゃっているようなことがどうしてもつきまとってくるので、今、医療機器は除くにはなっていますので、それ以外で専門職が関与しなければならないようなものについては一旦ペンディングするような仕掛けを入れたほうがいいのではないかなという気はしております。
 以上です。

○山内座長
 久留さんがおっしゃりたいのは、範囲外のものはとにかく門前払いしろということですか。

○久留構成員
 いえ、門前払いしろということではなくて、厚生労働省のほうの整理のところで一旦その枠の中に置いておいて、そこでどうしても審議したいということであれば審議にかけていただく。ただし、その代わりに、その場合には大河内先生がおっしゃっているようなエビデンスが専門職の関与の下できちんとされているものがなければ、やはり議論のしようがないのではないかという考え方です。

○山内座長
 どうぞ。

○高齢者支援課長
 今日はお忙しい中、ありがとうございます。担当課長の須藤でございます。
 今、久留構成員もおっしゃられた話は、実は正直、私も常々感じておるところはありまして、在宅でもテクノロジーやICTなどいろいろ、用具も含めてだと思いますが、しっかり使う中でケアの質を上げるなり、実際に介護の負担を軽減するという方向性が大事だと思っているのですが、全てにおいて福祉用具でどうなのかみたいな議論がいろいろなところであって、それだけ福祉用具に対する期待が大きいというのは非常にいいことでありまして、ありがたいことだと思うのですが、一方で、今、久留構成員からもあったお話も含めて、本当に福祉用具、在宅で自立を支援する用具としてどうなのかという根本のところに立ち返ったときに、それを全てそこだけで議論する場なのかというのは私も少し考えるところがあります。今の御意見も踏まえて、一旦そこを別の場に置くのか、明確にそういうことも含めて一旦除外するような整理をするのか、そこは引き続き来年度以降の検討課題とさせていただきたいと思いますが、非常に大事な御視点だと思っております。
 その上で、やはり提案いただくときにも、そもそも福祉用具とはこうだよというのを、我々はこれまでも周知等いろいろ頑張ってきたつもりではおるのですが、まだまだ御認識、御理解がいただけていない部分もあると思いますので、福祉用具とは何ぞやというところも含めて、しっかりと引き続き周知等も含めてしていかないといけないのかなと改めて思った次第でございます。
 今日いただいた御意見、別に総括する場面ではございませんが、まず、今、久留構成員からいただいたお話を含めて、大河内構成員からいただいたお話も含めて、引き続きの検討課題、検討の視点とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。

○山内座長
 ほかにこの認知機能測定についての御意見はございませんか。
 特になければ、これまで議論してきた1から4のどれでも思いついたこと、あるいは発言したいことがありましたらお願いしたいのですが、特にありませんか。
 五島さん、どうぞ。

○五島構成員  
 ありがとうございます。
 先ほど課長からも一言いただきましたけれども、私も久留さんと同じようなことを常に思うようなところがあるのですが、どうしても福祉用具だけ取り上げて現状の仕組みの中でどうかということの枠を、これだけ人手不足になってきてサービスを連携してやりましょうという中で、やはり専門職が関与して有効に機能ができるとか、服薬管理指導業務の中にうまく位置づけることによって、その用具で在宅での生活が延伸できるというような枠組みというのも考える時期に来ているのではないかなと。全てが専門相談員による必要性の判断と現場の家族だけでということではないような時代になってきているような気もしたところですので、この場で議論することではないかもしれませんけれども、そういうシステムの中に位置づけるようなものの考え方もあってもいいのではないかなと思ったところでございます。
 改めて、今回審査をしてみて難しいかなと思ったのは、やはり高齢者自身を被験者にして、在宅で安全性というか危険性にさらすような評価をすることはすごく難しいというようなことだとか、専門職の関与があって機能してくるような用具というのも出てきているのだなと感じたところでございます。

○山内座長
 ありがとうございました。
 大河内先生、どうぞ。

○大河内構成員
 ありがとうございます。
 本検討会に参加して2年目なのですけれども、やはり評価方法がまだ十分でないという現実があるということが本当に身にしみて感じているところです。
 私、ある企業と一緒にカメラを使って、利用者の動作がどういうふうに変わるのか。あと、最近はそこに介護者がどれだけ関わっているのか。介護者との距離といったことも数値化できるような仕組みが今まさにできつつあるというかほぼできているのですけれども、そういう状況になっていますので、今後、例えば評価する際に、人間の目で例えばBarthel IndexやFIMなどというアセスメントで変化するというのはすごく大変なので、カメラを設定して、まずは一定期間施設でやって、それでうまくいったら同じものを在宅でカメラを設定して測定してというようなやり方ですると、今までよりももっと定量的なデータを出しやすいような測定機器も実はあるのです。
 ですから、福祉用具だけではなくて、例えば人間による介入の程度がどれぐらい変わったかも同じように評価できる時代になりつつあるので、これからもし評価手法とかを新しく検討するのであれば、そういったカメラとか動作分析も含めたようなものによって、福祉用具がある場合、ない場合、あるいは、例えば今日の話ですと、今までの車椅子、あるいは今度の新しくできた車椅子の違いといったことが評価できるような時代になりつつあると私は考えています。ぜひ今後ともそういったことも含めて検討いただけたらと思います。

○山内座長
 ありがとうございました。
 課長、どうぞ。

○高齢者支援課長
 ありがとうございます。
 今、大河内先生からもいただいたようなお話で、評価方法について十分ではないという御指摘もいただくところでございます。
 一方で、御承知のように、昨年度、評価・検討の視点をより明確にさせていただいて、実質昨年度の後半から明確にした評価・検討の視点に基づいて行っているとは思っておりますが、今、カメラ等を使いながら数値化して、在宅のデータもよりとりやすくとか、定量的にとりやすくという視点というのは、今後ますます重要になってくると思っております。我々も、しっかりとこの御提案を踏まえ、また、意味のある検討につながるよう、評価・検討の視点は一旦明確化させて、今、運用させていただいているところでございますが、それに満足することなく、御意見いただきながら、どういうような定量的なエビデンスの取り方、また、提案者の方々を踏まえた意味のある御議論につながるような評価・検討の方法については引き続き、今、いろいろな検討調査などもしながらしっかりと考えていきたいと思っておりますので、また引き続き先生方の御意見等をいただければと思っております。

○山内座長
 ありがとうございました。
 それでは、あと、追加、補足発言はございませんか。
 特にないようでしたら、事務局が整理した総合的評価の記載内容や評価・検討の結果案について御異論があったら、お願いいたします。
 特に異論がないようですので、事務局のほうから結果の確認をお願いします。

○長倉指導官
 ありがとうございます。
 本日の構成員の御意見、御議論を踏まえまして、新規提案いただきました馬乗り型電動車いす、衝撃吸収マット、誤嚥予防椅子、認知機能測定・訓練機器については「否」とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 引き続きまして、継続の課題があったので、継続について事務局から説明をお願いします。

○長倉指導官
 それでは、資料4を御覧ください。
 令和2年度の第4回評価検討会で「評価・検討の継続」とした提案の1件で、シャワーを付帯する入浴用補助椅子で、特定福祉用具購入の簡易浴槽の定義に「入浴用いすの形状も含む」の追加提案をされたものとなります。
 昨年度の検討結果から御説明させていただきますので、後方の参考資料となります10ページを御覧ください。
 下のほうなのですが、前回の総合的評価となります。要件1の要介護者等の自立の促進、または介護者の負担軽減を図るものの有効性・安全性の内容について不十分とされました。
 コメントに関しましては、簡易浴槽として提案されているが、特定福祉用具購入として認められる入浴補助用具である入浴用椅子にシャワーアームが附属した用具である。これをどう捉えるかということと、2点目、シャワーアームが附属されたことによって介護者の負担が軽減されたとあるが、アンケート調査による該当の有無にとどまっており、具体的な軽減効果が示されていないため、示されている利用対象者に対して、実際にどのような介助行為が軽減されて、どの程度の介助者の負担軽減につながったのか、具体的な効果や事例を示す必要があるとされました。
 以上のことから、結果は「評価・検討の継続」となったところです。
 戻っていただきまして、本資料の2ページを御覧ください。
 今回、再度提案に追加されたものなのですが、利用対象者は要支援1から要介護5のうち、浴槽へのまたぎや立ち座り動作が困難な方、心疾患や呼吸器系疾患により湯舟につかる行為が身体的負担となり、入浴できない方とされております。
 利用効果は入浴動作の負担軽減と介護者の負担軽減です。
 追加されましたデータは、モニターを含む高齢者に対するアンケート調査結果です。対象は14名、要介護、疾患の内訳は資料にお示ししますとおりになっております。結果は14名のうち、入浴動作の負担軽減が9名、介護負担軽減は12名が効果ありと回答されております。また、入浴時間はそのうち10名が短縮したと回答されております。
 以上となりまして、この内容を踏まえまして、6ページの総合的評価の案です。
 前回の評価について、追加で提出されたデータは一定程度整理されており、居宅における入浴支援に資するものであると評価された。しかし、今回行われたアンケート調査はユーザーの主観的内容を聞き取ったものであり、客観的測定法として指標を用いた質問紙等を活用した量的データを分析し、結果を示す必要がある。
 また、簡易浴槽としての有効性・安全性(入浴の代替効果等)を示すためには、今回整理した対象別に、効果に関する定量的な数値の変化などを客観的に示す検証が必要であるとしました。
 以上が構成員の皆様から事前にいただきました御意見を整理させていただきました案で、引き続き「評価・検討の継続」とさせていただきました。
 以上となります。

○山内座長
 ただいまの御説明について御意見がございましたらお願いします。
 特にありませんか。補足の意見は特にないのでいいですか。
 では、渡邉さん、どうぞ。

○渡邉構成員
 渡邉でございます。よろしくお願いします。
 本件ですけれども、一番はお風呂の湯舟に入らずに同じような入浴の効果があるということで、いわゆる代替なのです。お風呂ではないシャワー浴に動作を代替しているというところですので、それができるということ自体で十分な効果だと私は考えておりまして、このアンケート調査であってもエビデンスは十分得ているのではないかと考えております。
 以上です。

○山内座長
 今のはかなり異論のほうですね。
 今、この原案についての異論が出されたのですが、これについて御意見をお願いします。
 伊藤先生、どうぞ。

○伊藤構成員
 伊藤です。
 浴槽に入るという行為は日本では当たり前でありますけれども、世界を見ればシャワーだけの国もたくさんあるわけなので、シャワーはイコール入浴であると理解するのが基本ではないかと思うのです。ですから、簡易浴槽、浴槽に入ることの代替と考える必要は必ずしもないのだとは思っています。ただ、今回はそのようにまとめられているので、申請からそうなのですよね。ですから、それはそれでしようがないのかなと思いますけれども、シャワーと考えたときに、一個のシャワーから分散しますので、水圧がどの程度落ちるのかよく分かりませんが、この用具自体はいいに決まっているのです。だから、今、渡邉さんが言われたように、果たしてそこまで客観的データを求める必要があるかというのは私も同様に思っています。臨床現場としてはあったらいいなという製品ですので、シャワーとしてはいいのではないかなというのが実感であります。
 ただ、継続ということで、さらに客観的なデータを取るのだということであれば反対はしません。私はそれはそれで結構だと思っています。特に慌てる話ではないと思っています。

○山内座長
 ほかにございませんか。
 松本さん、どうぞ。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 今の御意見も理解できるのですけれども、私はどちらかというと、誰が対象かということだけというよりは、どこで使えるかという環境条件も必要ではないかなということでコメントをいたしました。
 それで、類似の製品でカバーがついているようなものもあると思うのですが、体の周りを覆って、もう少し湯気が外へ出ないような温かい温度を確保できるようなものと比べて、このようなオープンな形のもので十分温まるようなお風呂の場合もあると思いますし、家のつくりによっては浴室自体がそんなに暖かくならなくて、これで入っても入浴の代わりにこれで十分温まるということができないような環境も日本の家屋で考えられると思います。
 そういうことで、もし今後データをもう少し示すということであれば、どういう家の温度の環境であればこれで十分使えるのかというところがデータとして出てくるといいのではないかと感じております。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 五島さん、どうぞ。

○五島構成員
 ありがとうございます
 私は、これは入浴補助用具のシャワーチェアのシャワーノズルをつけるというようなことでどうかなと最初は思っていたのですけれども、長倉指導官とお話させていただき、またほかの先生方の資料を見ていて、利用対象者が、企業の方がまたぎの動作が不自由であったり、こういう疾患で湯舟につかることができないということから、いわゆる浴槽につかることができないその代替手段としてこういう用具を認めるべきではないかという提案の内容に今なってきているということを改めてお聞きして、確かに今、実際に簡易浴槽で対象になっているものというのは恐らくほとんど出ていないのだと思うのです。一方で、今、衛生性の確保であったり、コロナのことなどがあったりすると、温浴効果をどこまで客観的に評価するかというのは、うちの娘などはお風呂に30分ぐらい入っているのです。そういう人もいれば、保清性を自ら高めて、陰部の洗浄であったり、そういうところが必要な方というのはいるわけで、必ずしも浴槽につからないということも確かにあるのだなと思って提案を見ていたところではあるのです。
 であれば、今回継続としていただきましたけれども、やはりそういう疾患により浴槽に入れない人たちの群でもう少し評価をして、その結果はどうだったのかというのは見てもいいのかなと私は感じたところでございます。そういう人たちの群のデータを、ただ、温浴効果があるかないかというところをきちんと科学的に見るのは、先ほどの大河内先生の話ではないですけれども、これまた難しいような気が私はしたところでございます。

○山内座長
 久留さん、どうぞ。

○久留構成員
 久留でございます。
 判断としてはこのままでよろしいかと思うのですが、継続でもありますし、先ほど松本先生がおっしゃった、今、シャワーチェアの形ですけれども、これが全身を覆う形、平成5年ぐらいに私どもも一回このような類のものを作ったことがあります。ドラム式の洗濯機の中に人間がスライドして入るような形で、常にシャワーが回転して温水が出るというような形で洗浄も乾燥もできるみたいな話で、結局、概念的に言うとそのようなものも入ってくる可能性が出てくるということになってしまって、そのときにも議論があったのが、お湯がもったいないではないかと。かけ流しにするとずっとお湯を出しっ放しにしなくてはいけないので、温浴効果を維持するのであればそうだという話なのですけれども、そうすると今度は何が起こってくるかというと、お湯を循環させる。いわゆるかけ流しにしないで循環させるというようなことが出てきて、そうすると、今度はそれで安全性とか感染症がどうかというような話も出てまいります。
 大河内先生もおっしゃっています評価の問題とか、それから、松本先生の言われたこともそうだと思うのですけれども、効果ということもそうなのですが、もう一つ、工事を伴わないものというのが一つの大きな要件としてあります。したがいまして、水の量だとかその制御ということで考えたときの工事を伴わないものというところが、この機器の場合、それから、私が先ほど申し上げたようなドラム型で中に入ってお湯を循環させるようなことになった場合に、大量にお湯を使うといった場合には工事が絶対に伴うと思うのです。だから、そういったことも含めてやはり検証はしなくてはいけなくて、したがって、継続になっていくことはそれでいいと思うのですけれども、そういった視点も出てくるかなと思いました。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 岩元さん、どうぞ。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 現場を預かる立場として、現場での導入をどちらかというと期待する立場から発言させていただきますけれども、環境条件というのは確かにあると思いますが、環境条件によっては使えない可能性があるということについては、この用具に限らず、ほとんどの用具でそういったことはあり得るわけでありまして、全ての環境で使えるものでなければならないということにはならないのではないかなという感じがいたしております。
 一方で、温浴効果であるとか、あるいは浴槽に入ることの代替としてこれが適当であるかどうかということについては、既に御発言がありましたけれども、必ずしも日本人は入浴を好む、浴槽につかることを好むと言いながら、そうではない選択をする人も一定数いるということを考えると、浴槽に入るか入らないか、シャワー浴で済ますか済まさないかというのは、ひとえに御本人の選択なのだろうなと私自身も実は最近考えまして、私自身、安易に入浴の代替に行かないように注意しなくてはいけないという意見を実は以前つけたのですけれども、やはりそれは違うなと今感じております。
 これ以上この用具に関して効果検証する必要が本当にあるのだろうかというところ、渡邉先生の御発言をいただいて、私も非常に強く感じるところでありまして、なお、現場においては一部保険者でこれを入浴椅子の一つの類型として給付してもいいのではないかというお声が出ているということも皆様にぜひ知っていただきたいと思って発言させていただきました。
 以上です。ありがとうございました。

○山内座長
 分かりました。ありがとうございました。
 それでは、次に石田さん、お願いします。

○石田構成員
 ありがとうございます。
 事務局でまとめていただいた結論で私はいいと思います。評価・検討の継続ということで基本的にはいいと思います。
 ただ、意見として少し述べさせていただきたいのは、入浴も含めてですけれども、多様な生活様式に着目した用具にもなり得るでしょうし、今後、価格が下がってくるという価格の変化ということもあるでしょうし、福祉用具として形をきっちり決め過ぎると、今後、同類の製品について開発が止まってしまうというおそれもあるだろうし、そういった意味では、すぐれているからといって直ちに福祉用具に取り込むという考え方よりも、市場で柔軟に活用していただくとか自費での導入、あるいは事業者さんが活用するという方法も今後あるのだろうと思います。用具として福祉用具の中だけでやるのでなく、民間の市場の中で活用されるといった市場性や開発の競争、あるいは市場の中で受け入れられて発展していくということもあるのだろうと思うわけです。
 そういった意味で、現時点で、結論はこれでいいと思うのですけれども、そういった一度入れてしまった用具について再評価するチャンスが現時点ではなかなか見いだせない中で、やはり新たに導入する際には慎重によく検討して進めるべきであるかなと思っているところでございます。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 では、次に濵田さん。

○濵田構成員
 恐れ入ります。
 私も原案では一旦マルをつけましたので、継続でよいかということでございます。御本人と介護者の方の負担のアンケートがございますが、評価が出ておりますように、客観的測定法とございましたけれども、2つ宿題が出ているかなということですが、上のほうの客観的な負担の軽減の度合いというものが一定示されれば、認めていただいてもよいのかなと考えます。この辺りはもしかすると見せ方の問題といいますか、こういうこともあろうかと思っておりますので、意見として申し上げさせていただきます。
 以上でございます。

○山内座長
 ありがとうございました。
 あと、井上さんですか。どうぞ。

○井上剛伸構成員
 ありがとうございます。
 エビデンスを取るのはやはりすごく重要なところなので、そこは進めていかないといけないなというところで、今回の結論で私も異論はないという立場でございます。
 ただ、どういうエビデンスを取るのかというところで、先ほどの骨折防止のマットのところでもあったのですけれども、物の性能を規定するという今回の温浴の効果みたいなものもそうかと思うのですが、そこをここの場で議論し出すと類似したものがいろいろ出てくるとか、なかなか難しい問題があるのかなと感じたところです。
 それよりもむしろ、先ほど濵田構成員もおっしゃっていましたけれども、介護負担や自立度というものがどういうふうに変わっていくのかというところをやはり見ていくことがまず必要になるのかなと感じたところでございます。
 今回のものも、介護負担と時間ですか。それは残念ながら主観で取られているのだと思うのですけれども、そういったところをもう少し定量的、客観的に取っていくというところは、この介護保険の福祉用具の制度としても一歩踏み出していく一つのいいexampleになっていくのかなとも思いますので、ぜひその辺は進めていただきたいなと思いました。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 賛成意見、反対意見いろいろありましたけれども、ほかにはございませんか。
 松本さん、どうぞ。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 先ほど環境条件の効果をもう少しちゃんと確認したほうがいいのではないかと申し上げたのですが、すごく厳密に環境条件を調べて、そこでの効果を明示してほしいと取られてしまったかもしれないのですが、私が申し上げたかったのは、例えば同じ家でも、夏はいいけれども、冬はこれでは寒くて実際に使えないとかということが十分あり得るのではないかと思っております。なので、製品の使い方とか説明のところに、こういうところだったら大丈夫ですよとか、こういうときだと夏はいいけれども冬は使えないかもしれないですよと注意点としてきちんと書いていただいて、どのくらいの気温だったら使えるとか寒く感じないですよというようなことをデータとして調べて確認ができればよろしいのではないかなと思っているということでございます。
 以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 あとはありませんか。
 どうぞ。

○高齢者支援課長
 担当課長の須藤でございます。
 今、構成員の先生方の御意見をお伺いして、もし継続ということで行かせていただけるのであれば、今まで一歩一歩進めてきたアンケートであり、一定程度評価できるデータでもあると認識してございます。その上で、さらにもう少し客観的定量法に基づくというところでデータを取っていく必要があるのであれば、前回お認めいただいた排泄予測支援機器のようなときと同様に、事業者さんの御相談とか、また、構成員の先生方から、どのような形で、少し具体的にこういうデータが最終的には必要だというところの御意見もいただきながら、あまり実現不能なエビデンス、過度なエビデンスとはならない一方で、かつ必要な限りでいただけるようなところをまた丁寧に提案者さんの声も聴きながら模索していきたいと思います。もし今後継続となった場合であっても、引き続き次に必要な客観的なデータの在り方なども後々構成員の皆様方にも御相談させていただきたいと現時点では事務局としては考えておるところでございます。

○山内座長
 どうやら課長がおまとめになってしまったようですが、事務局として一応この場としての結論のおまとめをお願いできますか。

○長倉指導官
 構成員の皆様、ありがとうございました。
 本件も本日の構成員の御意見、御議論も踏まえまして、前年度より継続となりなっておりました提案ですが、引き続き評価・検討の継続とさせていただきたいと思います。
 課長からありましたように、どういうデータを取っていくかということをしっかり前向きに準備をして、そのデータをいただくという方向で進められるように、さらに構成員の皆様に意見を伺いまして進めていきたいと思います。
 以上です。ありがとうございます。

○山内座長
 ほかに事務局からの報告をお願いしたいのですが。

○長倉指導官
 そうしましたら、資料の結果案については決定とし、評価・検討の5件は終了させていただきたいと思います。続きまして、資料5を御覧いただけますでしょうか。
 その他になりますが、資料5について御説明をさせていただきます。
 前回の評価検討会におきまして、「可」となりました排泄予測支援機器の種目追加について御報告させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、現在、令和4年4月施行に向けて、特定福祉用具販売の種目を規定している告示を改正するため、1月から2月にかけてパブリックコメントを実施したところです。
 なお、告示では、排泄予測支援機器について、「膀胱内の状態を感知し、尿量を推定するものであって、排尿の機会を要介護者等又はその介護を行う者に通知するもの」と規定することを検討しており、告示の改正に加えて、円滑な施行に向けて通知や事務連絡の発出を検討しております。
 また、利用者向け説明書の充実等のため、令和4年1月に提案者、そして、一般社団法人日本福祉用具供給協会、一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会、厚生労働省による事務局レベルでの意見交換を実施させていただきました。
 令和4年度以降は、地方自治体、特定福祉用具販売事業者、関係団体に対して、随時、排泄予測支援機器の販売や給付の状況を照会することも各先生方の御意見を踏まえて考えておるところでございます。
 次のページの参考になりますが、前回の検討会の総合的評価に先生方の御意見を踏まえて、介護費給付費分科会に提出させていただきました最終の総合的評価となります。御参考に添付させていただいております。
 こちらの資料については以上となります。
 また、本日は資料をつけておりませんが、追加のお願いになりますが、昨年度の第3回検討会で御提示させていただきました本検討会への提案者が提出する提案書様式についてなのですが、次年度から活用を検討しているところですので、先生方には引き続き御助言をいただきたく御連絡させていただきます。
 よろしくお願いいたします。以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 そのほか、どなたか発言はございますか。
 井上先生、どうぞ。

○井上由起子構成員
 ありがとうございます。遅れての参加で申し訳ありません。
 今の排泄予測支援機器のところについて、御説明ありがとうございました。丁寧に順番を追っていただいているなと理解しています。
 1点お願いしたいことがありまして、今回のこの提案というのは実質的には種目の追加になるのですけれども、審査の過程においてはある特定の個別の製品のデータでやっているという実態があると思うのです。なので、今回種目で追加をしたことになるので、同じような製品というのも当然認められていくということになりますので、そこでのデータがどれぐらい出てくるのかみたいなことはどこかの段階でとっていただけるとありがたいかなと思っていますので、御検討いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

○長倉指導官
 ありがとうございます。

○山内座長
 ほかにございませんか。
 岩元さん、どうぞ。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 現場の立場から少し意見を言わせていただきますと、今後、告示等の改正とか留意すべき事項、その他、今、作業が進められていることと伺いましたけれども、実際に現場での運用を考えたときに、特定の製品というわけではありませんが、現場でのメンテナンス、特に今回私どもが検討した機種においては耐用年数がどうやらありそうだということが分かってまいりました。具体的に言うと、バッテリーを使いますけれども、例えばバッテリーの交換ができない製品であったりすると、バッテリーのいわゆる寿命の期間をもって大体メーカーさんは耐用年数とされるようであります。そうなりますと、一部保険者によっては、同一種目あるいは同一機種を再購入することに対して非常に高いハードルを設けられるケースが現場では見受けられますので、耐用年数を目安に再購入するということについて柔軟な対応が図られるように、何か留意事項について御検討願えればありがたいかなと思います。
 私から以上です。

○山内座長
 ありがとうございました。
 では、五島さん、どうぞ。

○五島構成員
 ありがとうございます。
 先ほどの簡易浴槽のシャワーノズルの件なのですけれども、たしか介護保険の対象品目にするかどうかの判断の中で、新たな技術革新や開発、普及が進んだものについては評価をするという平成10年に介護保険ができるときの基本的な方針の中にもあると思うのです。
 先ほどどなたか構成員の方がお話しされていた、実際に自治体で給付しているようなところがあるというのは、そこを実際に調査するというのは難しいと思うのですけれども、あれらの商品が実際に出荷ベースでどのぐらい今世の中に出ているのか、普及が進んでいるのかどうかであるとか、入浴の代替になっているのかどうかというところも併せていただいて、普及が進んでいるものをどう評価するかというようなところも、新しい技術革新を評価するというところばかりで今見ているわけですが、鶏が先か卵が先かみたいに普及が進んだものを評価するという観点も必要かなと思ったものですから、たしか旧調査様式には出荷台数がどのぐらいというのがあったかと思うのですけれども、その辺も改めて継続のときに見られるといいかなと思ったところでございます。

○山内座長
 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 久留さん、どうぞ。

○久留構成員
 ありがとうございます。
 継続審議となったということを前提に、今後また検討の時間が取れるので、今日の議論を拝聴いたしておりまして、今の整理は継続案件のことですけれども、簡易浴槽の中で読もうかという提案になっていますよね。今日の議論を踏まえると、今までの入浴補助用具の考え方ですけれども、この入浴補助用具の考え方は入浴介助の補助用具というような整理になっているのです。これを例えば入浴そのものの補助と読むと、温浴効果をもたらすとかということも含めて、むしろこちらで読んでしまって、こっちのカテゴリーを広げてしまったほうが整理がいいということもあるかもしれない。簡易浴槽と「浴槽」という表現になっていると、どうしてもまたぎなどが出てきてしまうので、先ほど伊藤先生もおっしゃったように、我が国の入浴が重要視されるのは文化としてありますので、大事だけれども、世界的に見れば、入浴というのは必ずしも浴槽をまたぐことだけが入浴ではないという整理にするのであれば、ここは入浴の補助というような考え方の整理も可能かなという気もしますので、継続審議になったということなので、そこも含めて改めて御検討いただけると、次の審議のときにやりやすいかなというのが一つです。
 それから、それ以外でもいいという座長のあれでしたので、今日の先生方の御発言を拝聴していて思いましたのは、やはり機器が利用者の方々にどう適用しているのか、効果がもたらされているのかの検証は非常に難しいと大河内先生からも再三言われていたわけですけれども、一部、我が国で急速に進んだのがスポーツの世界です。特にオリンピック・パラリンピックなどを拝見していて、パラリアンの方々の行動を非常に細かく分析して、そして、機器との関係を非常に細かく分析して、安全性も追求しながら、そして、効果が出ている。スピードが速まったり、耐久性が強くなったり、操作性が非常によくなったりというようなことで、スポーツの世界では、センサー技術の進歩と、専門家のアドバイスと、そして、利用者の状態像の適合が非常にうまくいった結果、そうなっているということを考えますと、今日、須藤課長もいらっしゃいますので、せっかく我が国は今後少子高齢化が進み、人口減少が進む中にあって、私は福祉用具というのはいずれ日本が海外に向けて展開する一つの非常に重要なツールになるのではないかと思っていますので、国を挙げてそれを支援するという観点に立てば、文科省が持っているようなそういう部分とか、経産省が持っているような製品安全の検査の仕組み、それから、厚労省が取り組まれていますリビングラボの取組というものを国策として非常に国を挙げて情報の共有ができたり、技術の供与ができたりというようなことで、国として支援をする仕組みというのも考えていくべきではないかと思っていまして、これを開発メーカーの一社のコスト負担やいろいろな努力で全てカバーしろというのもなかなか大変ではないかという気もいたしますので、先ほど課長のお話もありました検証ということを効果測定についても考えていくということであれば、今後そういうことも視野に入れて検討いただければなと思いました。
 以上です。

○山内座長
 渡邉さん、どうぞ。

○渡邉構成員
 渡邉でございます。
 今、久留構成員から御指摘があったところで、この検討会に審査を受ける企業が申請するときに、これは貸与のこの種目ですとか、販売の種目であるとかを企業が決めて申請しています。今回、骨折防止用のマットについても住宅改修ではないかという御意見も出ました。メーカーのほうは基本的にどういう種目に当たるのかということは分からないので、それも踏まえて議論する場だと思っていますので、あまり貸与とか販売とか、こういう入浴補助だということを決めずに、それも議論して我々は判断していくのだというスタンスでいいのかどうかということを事務局に確認したいです。

○山内座長
 どうぞ。

○高齢者支援課長
 須藤です。
 今の渡邉先生からのお話もそうなのですが、私もこの後申し上げようと思っていたのですが、今回の新規提案案件を見ていく中で、先ほど述べましたが、評価・検討の視点を令和2年度に明確にしていただいて、これまでもその視点を踏まえて明確に評価・検討してきたものと思っておる一方で、やはり今回の新規提案などを見ると、今、渡邉先生からもお話がありましたように、どの種目に当たるのかとか、貸与、販売はどちらがいいのかとか、もっと言うとちゃんとこの評価・検討の視点も十分に提案者の方々に事前に伝わり切れていないのではないかなという部分もあるなと正直思っているところでございます。
 先ほどの渡邉先生の御質問にあったように、販売なのか貸与なのかとか、提案を受けて、さらにその提案をより適切な方向に導くとまで言うのはあれかもしれませんが、持っていくのかという観点で、本来ですとこの評価検討会の先生方にそこまで御負担をかけるのはかけ過ぎなのではないかと思う一方、せっかくこういう御提案をいただく中で、やはり福祉用具の重要性の中で、本当にいいものは積極的に前向きに評価していくことも必要だと思います。しかしながら、だからといって何でもかんでもオッケーだよというものでもない。その中でどこまでこの評価検討会の先生方にお願いするのか、御意見を賜るのかというのは、我々も正直非常に悩んでいる部分がございますが、まずは、今までこの評価・検討の視点というものを明確にしてきた中で、基本はその視点に沿ってしっかり合っているのかどうかというところを御判断いただくのが重要ではないかなと思います。
 ただ、その上で、やはりまだまだそういった部分も含めて御提案いただく事業者さんに伝わり切れていない部分もありますので、その中でもっとこうしたほうがいいとか、こういうことも考えられるのではないかというような今日御意見が出たような中身も含めて、できれば事前に我々も提案を考えている事業者さんとか、実際に提案をいただいた事業者さんとも、丁寧にやり取りをしたいと思いますし、また、そういったところに対する御助言であったり、御意見も引き続き評価検討会の構成員の先生方にはいただきたいと思うところであります。少し欲張りではあるのですが、できれば事務局としては、やはりこの提案というものを意味のある提案、また、その後の評価・検討につながるように、我々も丁寧に相談であったり、そういった調整に汗をかきたいと思いますし、そういった部分について専門的知識は我々事務局も足りない部分がございますので、そういったところも含めて、ぜひ先生方にも御意見、御助言をいただければと思います。これは率直な今の私の思いであります。

○長倉指導官
 事務局として少し補足させていただきたいなと思うのですけれども、課長とも進め方についてもいろいろと事前に打ち合わせしたところなのですが、昨年整理させていただきました評価・検討の視点の特に①要介護者等の自立の促進または介護者の負担の軽減を図るものに対しての有効性・安全性ですので、機器そのものが有効性があるか、安全性があるかだけではなくて、これに対しての安全性ですので、やはりどういう人を対象にどうなったかということが明確になって、それでこそ貸与や販売ということになると思いますので、そこはやはりしっかりと提案者と打ち合わせしながら、今回の資料をまとめるに当たっても進めてきたつもりですので、課長も申しましたとおり、まず提案者が提案したところを尊重しながら、でも、そこでもし十分に理解されていなかったら、そこは会話をしながらやっていくというのが本来だと思っていますので、今後もそれは変わらずやっていきたいなと思います。その中で、いや、これはやはり販売のほうがいいかなという意見は意見として聞いていくというのがこの検討会の流れかなと思っています。
 以上です。

○山内座長
 どうぞ。

○渡邉構成員
 確認ですけれども、ということは、申請者が例えばこれは入浴補助用具ですとやって、入浴補助用具の概念に当たらないから外しましょう、その理由で外すということはないということでよろしいですね。

○長倉指導官
 その理由で外すということはないという方向です。

○山内座長
 では、五島さん。

○五島構成員
 まさに最後のシャワーノズルをつけた入浴というのは、今、渡邉先生のおっしゃっていたようなことで、それによってその先の評価の観点が変わってくるものですから、私が発言させていただきたかったことは、またぎができなくて浴槽に入れない方向けの商品というところを適用の視点に置くのであれば、そういう方を対象に温浴効果があるかどうかとか補正性が保てるかということが必要だと思うのですけれども、実際に現場で対象になったときに簡易浴槽として使うかどうかということはまた別の問題で、やはりシャワーチェアの一環として使ってしまう人もいるわけです。だから、その入り口のところで企業さんの提案を受けて、そこでまずは事務局のほうで一回アドバイスをしたり、差配してあげるということをしないと、この先、浴槽としての代替手段の評価に進んでしまうものですから、そこら辺の捉え方だと思って、なかなか難しいところではあると思うのですけれども、企業さん自身が、特に新しい企業さんですと、十分に今、自分に関係ない用具だと範疇にないまま提案をしてきてしまって、間違ったところに進んでしまう可能性があるので、そこら辺まで含めて事前のアドバイスをしてあげる必要があるのかなと私も感じたところでございます。

○山内座長
 ほかにございませんか。よろしいですか。
 どうぞ。

○井上由起子構成員
 ありがとうございます。
 今、五島先生が言ってくださったことと関係してくるのですけれども、私、この入浴用補助椅子Aというものを見たときに、浴槽の代替という役割と、利用によってはシャワーチェアの高機能版という利用の仕方と両方あるなと思ったのです。前者については全く異論はないのですけれども、後者の利用になったときにどう判断したらいいのかなというのがやはり分からなかったというのがすごくありました。だから、評価がどうかということよりも、そこについて皆さんの御意見をいただかないと、私自身も評価ができないなというのが正直な感想だったということを最後に述べたいと思います。

○山内座長
 ほかにありませんか。
 井上さん、どうぞ。

○井上剛伸構成員
 関連しているかなと思って発言させていただこうと思うのですけれども、嚥下の椅子があったかと思うのですが、あれは嚥下というところを前面に出しているからこういう形の結論にならざるを得ないとは思うのですが、座位保持というカテゴリーで、車椅子の場合だとあれに座位保持装置がつくと嚥下用でも使っていたりするわけなのです。それが車椅子でカテゴリーに入らないものであるので、ああいう形で椅子として今回議題に乗ったというところも関連して、どこかで差配してあげると、いい方向で物がこの中にも取り込めていくのかなというようなことを思いましたので、発言させていただきました。

○山内座長
 ほかにいかがですか。
 大河内先生、御発言があると伺っているのですが。

○大河内構成員
 先ほどの個々の項目の最後のところで、やはりカメラ等を用いた客観的な評価手法ができつつあるので、そういったことも含めた新しい客観性ということを考えていただけたらなと思っているところを先ほど述べたところです。繰り返しになります。すみません。お願いします。

○山内座長
 ありがとうございました。
 大河内先生は常に定量的な検証をせよとおっしゃっておられる。これは座長が勝手に言うのはまずいかもしれないけれども、私もそれは非常に大事だと実は思っているのですが、実は最近、AMEDの申請の審査をしていたのです。それは、身体・知的等障害分野というものの課題なのですが、それの募集要項にはプロトコルをきちんと出しなさい、検証のためのプロトコルを出しなさい、それにはサンプルサイズの統計学的根拠も記載しなさいと。これが必須事項になっているのです。これは今年の募集からだと思います。    
 それを見て、世の中はこんなふうに移ってきたのだなと、そろそろ本気でここでも仮説検定を前提にせざるを得なくなるのかなと思いました。
 さっきの久留さんの話もそうですが、これから海外に出ていくとすると、これは必ず要ります。今、ISOの福祉用具の通則の最終投票が終わって、かかっていて、まだ事務手続が遅れているのですが、それにはクリニカルバリエーション、必要があればクリニカルテストをやりなさいと書いてあります。今、世界中で抵抗しているのは日本と韓国だけです。ほかの国は、例えば東南アジアの国なども、ISOが決まれば、それをそのまま翻訳して使ってしまいます。ですから、韓国もどこまで抵抗できるか分からないけれども、日本と韓国以外はその網にがばっとかぶせられてしまいますから、どうしてもせざるを得なくなる。特に外国はそういうふうになると思うので、ぜひ検討してほしいなと私は思っています。
 座長が勝手に好きなことを言ってすみません。
 それでは、これで終わりでよろしいですか。
 大河内先生、どうぞ。

○大河内構成員
 今の話で、恐らく厚生労働省とかAMEDも厚生労働省分野はそういう認識はしっかり持っていると思うのです。だけれども、他省庁で例えば物の開発しかしなくていいという感じで出てくるものは、そこの認識がやはり甘い気がするので、そういったことはあらかじめできる厚労省とAMEDの中で、恐らく厚労省とのディスカッションもできるはずですから、あらかじめそういう人を用いた定量的評価が必要となるのですよということをAMEDのいろいろな技術の募集要項の中に、厚労省系のAMEDではないものでも書かれるといいなと思います。そうすると、こちらも非常に楽になると思います。

○山内座長
 恐らく通則をJISに訳すときに問題になると思うのですけれども、最初はJISには入らないかもしれません。だけれども、いずれ公式でないだろうなと私は見ています。
 余計なことを言いましてすみません。時間が大分たってしまったのですが、ほかに御意見がなければ、本日の会議は終了させていただきたいと思います。
 進行を事務局のほうにお返しいたします。

○鈴木係長
 本日は、各構成員の先生方から貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。
 修正等に関しましては、座長に一任していただくという形でよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)

○鈴木係長
 本日の結果に関しましては、次回以降の介護給付費分科会に報告させていただく予定です。
 また、今後の予定でございますが、本年度の評価検討会は本日で終了とさせていただきますが、評価・検討の継続となっています本日の1件と、令和2年度から続いているほかの3件につきましては、引き続き提案者による検討が行われますので、皆様の御助言をいただきながら、必要なエビデンス等が整理され次第、評価検討会を開催する予定です。

○高齢者支援課長
 最後に一言だけと思いますが、今日、正直、この福祉用具の評価検討会だけでは持ち切れない大きな課題も含めて、中長期的にも考えないといけないような御指摘もいろいろいただいたかなと思っています。これはそれだけテクノロジーであったり、用具ということにすごく注目が集まってきている、高まっているところも、我々も重々認識しておるところでございます。ただ、最終的には、福祉用具であれば、在宅の実際に介護を要する方々のために本当にこれが資するのかどうか、自立支援につながるものなのか、また、介護をされる方にとっての負担軽減にもつながるのかと。そこの基本のところはしっかりと見ていくというのは先生方も含めて当たり前の話として、我々事務局も見失わないようにしっかりと、ただ、そのために提案者の方々の提案を紋切り型に判断することなく、提案者の方々にも寄り添いながら、また、見るべきところはしっかり見つつ、先生方にもいろいろと御知見、御助言を賜りながら、この福祉用具というのが適正に前に進むように取り組んでまいりたいと改めて思った次第でございます。
 今日はお忙しい中、様々に各構成員の先生方から御意見いただいたと認識しております。まずありがとうございました。

○鈴木係長
 それでは、本日は閉会といたします。ありがとうございました。