第170回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和4年3月31日(木) 11:00~12:00
 

場所

 オンラインによる開催
 厚生労働省 職業安定局第1会議室
 

議事

議事内容
○守島部会長 皆様方、お忙しい中、年度末にお集まりいただき、どうもありがとうございます。
ただいまより、第170回雇用保険部会を開催いたしたいと思います。
本日の出席状況なのですけれども、公益の水島委員、中窪委員が御欠席と伺っております。
議事に入りたいと思います。頭撮りはこれまでということで、よろしくお願いします。
最初の議題は「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案要綱について(諮問)」でございます。
事務局から、まず資料を御説明いただいて、その後で委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いいたします。
○山口調査官 それでは、資料の御説明をさしあげます。
まず、政令案の御説明に先立ちまして、雇用保険法改正法案の審議の経過について御報告をさしあげたいと思います。
最後の資料でございますが、参考資料2を御覧いただければと思います。
1枚おめくりいただきまして、審議経過という資料が入ってございます。こちらは本年3月3日に衆議院本会議で質疑が始まりまして、審議入りをいたしました。
衆議院では厚生労働委員会で3回の質疑が開催されたところでございます。また、参考人質疑におきましては、経団連の平田委員、連合の冨髙委員、公益委員の酒井委員におかれまして、意見陳述をいただいたということになっております。3月16日に衆議院厚生労働委員会で採決をされて、その翌日に本会議を通過したところでございます。
参議院には3月18日に本会議ということで審議入りをいたしまして、計2回質疑がございまして、3月29日に採決、翌日に参議院本会議を通過したという経過になってございます。
衆議院、参議院でそれぞれ附帯決議が付されておりますので、その中身について御紹介をしたいと思っております。
次のページは「雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」と表題がございます。こちらはクレジットはございませんが、3月16日に衆議院で付された附帯決議となっております。
中身について、「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである」として、計10項目記載されてございます。
1点目でございます。雇用保険の各種給付の水準をできる限り維持するということを前提に、必要となる財源の確保に努めることとされています。
2点目でございます。労働政策審議会の委員に対して、雇用情勢及び雇用保険の財政状況を逐次報告するとともに、委員から求めがあった際には審議会を開催し、安定的な雇用勘定の運営に向けて、これまで以上に臨機応変な検討を行うこととされています。
3点目でございます。雇用勘定については、必要な積立金の水準を達成するまでの間は、単年度においても黒字となる収支構造を目指し、一般会計からの繰入れ等により必要な積立金水準の確保を図るとともに、積立金が必要な水準に達した後もその水準の維持を図ることを中期的な雇用保険財政の運営方針とすることとされております。
4点目でございます。令和四年度の失業等給付においては、雇用勘定の安定の観点から、機動的に一般会計を雇用勘定に繰り入れられる仕組みの活用も含め、対応に万全を期すこととされております。
5点目でございます。社会保障関係費に現在位置づけられている失業等給付の国庫負担について、負担割合を将来的に従来の本則の水準(二十五パーセント)とする措置も含め、国の財政・財源の構造から検討することとされております。
6点目でございます。失業等給付の国庫負担割合の判定基準とされる「基本手当受給者実人員七十万人以上」について、コロナ感染拡大後の雇用構造も踏まえ、実態に応じて適宜見直しの検討をすることとされております。
7点目でございます。雇用保険部会報告に示された新たな国庫繰入制度の運用の考え方を尊重し、雇用保険法第七十二条における重要事項として労働政策審議会の意見を聴くとともに、省令等への規定について検討することとされております。
雇用保険法第七十二条といいますのが、雇用保険法の各種重要事項について、あらかじめ審議会の意見を聞くべきといった事項を列挙した条文がございます。ここの重要事項に新たな国庫繰入制度の運用ということが含まれるということを省令等で規定することを求められておりまして、これに関連して、後ほど施行通達の案について御説明をさせていただきたいと考えております。
8点目でございます。令和六年度までに、育児休業給付等の国庫負担割合の引下げの暫定措置の見直しだけでなく、育児休業給付の財源確保の在り方を含め、雇用労働者に限らず、フリーランスとして就業する者など育児・子育てを広く社会で支援する体制の構築を検討することとされております。
9点目でございます。地域における雇用機会の喪失について、これまで以上に取り組むこととされております。
10点目でございます。雇調金に関して、特に業況が厳しい企業、地域において、今後も最大十分の十の特例措置を含め、あらゆる必要な制度設計や手続の検討を行うこととされております。
次に参議院の附帯決議でございます。3月29日に参議院厚生労働委員会で付されたものでございます。基本的には衆議院の附帯決議をベースとしながら、何点か追加された事項がございますので、その点を中心に御説明いたします。
1点目でございます。こちらは丸々追加ということになっております。国民の雇用の安定と安心を確保することは国の重大な責務であることを再確認し、その実現に万全を期すこと。特に、今般のコロナが雇用に与えた影響や、これまで実施されてきた各種の雇用施策の効果等を十分に検証し、その教訓も踏まえ、今後の雇用安定化施策に活かすこととされております。
2点目から5点目までは衆議院と同じ内容になっております。
6点目でございます。ベースの文章は衆議院と同じでございますが、一部追加された文章がございまして、1行目の下のほうでございます。「従来の国庫負担の位置付けについての基本的な考えを堅持した上で」という表現が追加されてございます。
7点目と8点目は衆議院と同じでございます。
9点目につきましては、新しい項目となっております。超高齢化と人口減少に直面する我が国において、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大等の機能を担う雇用安定事業については、政府の雇用施策の中でもその位置づけや重要度がこれまで以上に高まっていることや、同事業が今般のコロナで果たした役割等に鑑み、同事業について、国庫負担の在り方を含めた真摯な議論を早期に開始することとされてございます。
10点目でございます。こちらは文章の追加がございます。3行目の「あわせて」以降ですけれども、男性の出生時育児休業及び育児休業の取得促進に向けて、先般の改正法の施行状況を踏まえた上で、さらなる施策の充実を検討することとされております。
11点目は丸々追加をされた事項でございます。失業等給付の積立金からの借入額に係る雇用安定資金からの返済必要額については、労使が拠出した失業等給付に係る保険料を保全する観点から、返済の在り方について、一般会計からの繰入れとの関係も含めて検討すること。その際に、二事業の実施状況、使用者側の負荷の状況等を勘案すること。加えて、育児休業給付資金についても、失業等給付の積立金から借入れを行った場合には、同様の検討を行うこととされております。
12点目は衆議院と同じでございます。
13点目は一部文章が追加されてございます。2行目の真ん中辺りからですけれども「特例として」という部分であります。休業支援金関係の記述が追加されております。特例として創設された休業支援金制度の効果、適用対象範囲の妥当性及び申請手続の在り方等について検討を行い、休業を余儀なくされた方の支援に関する実効性のある仕組みの検討を行うこととされております。
14点目から18点目は丸々追加されていますが、こちらは職業安定法の改正に関わるものでございますので割愛させていただきます。
19点目と20点目は能力開発促進法の改正に関係して、参議院に新たに追加された項目になっております。
19点目でございます。職業能力開発施策に係る財源も含めた労働者の職業能力開発機能の在り方について、幅広く労働政策審議会で議論を行うとともに、二事業の能力開発事業、すなわち雇用保険制度の枠内での対応には限界もあることから、一般会計等の活用の検討を含め、関係省庁の連携を強化して政府全体で推進していくこととされております。
以上を踏まえまして、政令案の中身について御説明をしたいと思います。資料1-2を御覧いただければと思います。
こちらはおめくりいただきまして、概要の次に「失業等給付の国庫負担率の全体像」という資料を入れてございます。まず、こちらを使いまして、全体像の御説明をさしあげます。
こちらが失業等給付の国庫負担の新たな仕組みになっております。この中身のうち、雇用情勢、雇用保険財政状況が悪いときの判断基準について、政令に規定したいと考えております。
具体的には、雇用情勢が悪い場合といたしまして、基本手当の受給者実人員の平均が70万人以上であるという点、また、雇用保険財政状況が悪化していることの判断基準といたしまして、弾力倍率が1未満であるという点、この2点について政令に規定したいと考えております。
新たな国庫繰入規定というものが、定率負担部分とは別枠で常設化されることになりますが、国庫繰入規定の発動要件といたしまして、下の枠の中に3点ございます。このいずれかを満たしている場合に発動可能となることとしておりまして、この3点について政令に規定したいと考えております。
政令案の概要の資料にお戻りいただければと思います。「2.政令案の概要」の(ア)という点がございます。こちらは国庫負担率が4分の1となる場合の判断基準についての記載でございます。当該会計年度の前々会計年度において、次の①②いずれにも該当することとしておりまして、①が弾力倍率が1未満であること、②が受給者実人員の平均が70万人以上であることとしております。
その下の※の部分でございますが、雇用保険法第67条の2に基づく繰入、新しい国庫繰入制度に基づく繰入でございますが、これを実施した場合には、①の弾力計算をするに当たってその金額を加えるということで、新たな国庫負担の弾力計算の式についても政令で規定したいと思っております。
次に(イ)でございます。こちらは新しい国庫繰入規定の発動要件に関わるものでございます。
次の①~③のいずれかに該当することとしております。
①でございます。雇用保険料率が原則水準以上であることとしております。
②でございます。これに準ずるものとして、翌年度の雇用保険料率、失業等給付の保険料率が原則水準であることといった趣旨の中身になっております。
③でございます。①及び②には該当しないけれども、つまり、保険料率が原則を下回っている状況であっても、雇用情勢が急激に悪化して、雇用保険の財政状況が急激に悪化していると認められるケースについても発動可能にしたいと考えております。
こちらの施行期日ですが、令和4年4月1日施行の予定にしております。
資料1-1を御覧いただければと思います。政令案の要綱という形で資料をまとめてございます。
「第一 雇用保険法施行令の一部改正」でございます。
一とございますのが、国庫負担率を4分の1とする基準について定めた部分でございます。
1で、弾力倍率が1未満であるということを示しております。
2で、受給者実人員の平均が70万人以上であることと記載してございます。
二でございます。こちらは国庫負担の弾力計算について、繰入額、新しい国庫繰入規定に基づく繰入を行ったときは、それも加味して弾力倍率を計算することを規定しております。
三でございます。こちらは新しい国庫繰入規定の発動要件について定めたものでございまして、3つのケースのいずれかに該当することと記載してございます。
四につきましては、令和四年度において雇用調整助成金の一部に国庫負担をするということを定めた法律の規定で、その対象となる金額を政令で規定することになっておりますけれども、それを令和二年度、三年度と同じように、中小企業の日額上限を超える部分について国庫負担をするということを定めたものであります。
第二と第三は国家公務員共済組合と地方公務員等共済組合の育児休業手当、介護休業手当の国庫負担率についても、雇用保険と同様の整理となることから、その旨記載しているものでございます。
「第四 行政手続法施行令の一部改正」でございます。これは意見公募手続、いわゆるパブリックコメントの適用対象外となる事項を定めたものでございますが、雇用保険法第二十条の二の命令を加えることとしております。
こちらは具体的には、離職した後に起業した場合の受給期間の延長に関する省令委任事項となっておりまして、こちらにつきましては労働政策審議会の意見をお聞きするということでありますので、パブコメの適用対象外とするものでございます。
「第六 施行期日」を御覧いただきまして、この政令は、基本的に令和四年四月一日から施行することとしておりますが、起業した場合の受給期間の特例に関する部分は七月一日施行となっておりますので、その旨規定しているものでございます。
関連して、資料3を御説明させていただきます。今回の改正法案の施行に伴う施行通知の案ということでお示ししているものでございます。全体は大部になってしまうので、一部抜粋をしてございます。第6と始まっておりますけれども、第1から第5までは法律、政令、省令、告示等々におきまして、今回、改正で決まったことを書き下している部分でございます。
「第6 改正内容の施行に当たっての重要事項」ということで、今回の国会での議論を踏まえて項立てをしたということになっております。
大きく4点規定してございます。
(1)でございます。雇用保険法第67条の2の規定による国庫の機動的繰入の実施に関する事項は、同法第72条第1項に規定する「この法律の施行に関する重要事項」に含まれるものであることとしております。
先ほども附帯決議の御説明のときに少し触れましたけれども、この雇用保険法第72条第1項というのが、審議会の必要付議事項を列挙した条文になっております。
その他「この法律の施行に関する重要事項」という大きなくくりの文言がございまして、そこに今回の国庫繰入規定の実施に関する事項が含まれるということを文書で明確化している部分でございます。
(2)でございます。国庫繰入規定の運用に関する部分でございますけれども、雇用保険部会の報告書に記載されている以下の考え方を尊重して対応することとしております。雇用保険部会報告から抜粋しております。具体的に国庫繰入規定の発動が考えられる場面として4つのケースを整理いただいた部分と、それに加えて、これに該当し、または該当するおそれがある場合には、雇用保険部会に報告して、必要な議論を行っていただいた上で、その意見を踏まえて、厚生労働省が必要な対応をとるべきであるという部分を抜粋してございます。
(3)は保険料率に関する点でございます。失業等給付に係る雇用保険料率は現行の1,000分の2から、10月から1,000分の6に引き上がるということになりますが、この点に関しまして、原則の保険料率が1,000分の8であるところ、今回、労使の負担感も踏まえた激変緩和措置として、審議会での議論を経て決定されたものであること、また、雇用保険制度のセーフティーネット機能を維持するための必要最小限の負担をお願いするものであることについて、その意義を管内の関係団体に丁寧に周知・説明を行い、十分な理解が得られるよう努めることとしております。
(4)でございます。今回、保険料率が前期と後期で異なるということでありますので、保険料の納付手続を行う事業主が円滑に対応できるように、納付方法等について丁寧な周知及び相談対応を行うこととしております。
なお、事業主の事務負担を軽減するために、計算支援ツールを作成し、ホームページ上に掲載する予定にしてございますので、周知及び相談対応に当たっては、適宜これらを活用することとしたいと考えております。
御説明は以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお伺いしたいと思います。
冨髙委員、よろしくお願いします。
○冨髙委員 御説明をありがとうございました。
2点ほどあります。1点は意見で、1点は確認です。
まず、失業等給付の国庫負担割合の判断基準につきましては、先ほども御紹介いただいたように、部会報告にある「70万人以上かつ弾力倍率1未満」の場合に国庫負担割合を4分の1とする点が政令案要綱に反映されていることを確認いたしました。
国会審議を経て、衆参の厚生労働委員会で付された附帯決議は先ほど御紹介いただきましたけれども、失業等給付の国庫負担割合を将来的に従来の本則である4分の1とする措置も含めて検討することとした上で、70万人以上の要件についても、新型コロナウイルス感染拡大後の雇用構造を踏まえて、実態に応じて適宜見直しを検討することも含まれております。
この附帯決議につきましては、労政審における検討を求めるものであり、時機を見て検討していく必要があるということを意見として申し上げておきます。
1点確認です。資料3で御説明いただきましたとおり、新たな国庫繰入制度の実効性の担保の観点から整理がなされていた制度運用の考え方につきましては、附帯決議では省令等への規定を検討することにされております。今回は施行通知という形で整理をされていますが、施行通知にした理由についてお伺いします。
○守島部会長 それでは、お願いします。
○長良雇用保険課長 雇用保険課でございます。
先ほど附帯決議で省令等の規定について検討という部分は、参考資料2の衆議院で御覧いただくと七に該当する部分でございます。
雇用保険部会報告に示された新たな国庫繰入制度の運用の考え方というのは、今し方の通達の案で書かれている「今般の」以下の、いわゆる4つの繰入に関する状況を踏まえて、厚生労働省がどのように対処すべきかというものをまとめた部分でございます。
この部分に関しまして、国会の審議でもございましたけれども、国庫の繰入制度自体は政令で要件を定めることとしておりますけれども、繰入をどのような形で運用するかというのは、まさに運用という部分となってまいります。
個別具体の状況下において、かなり詳細な御報告がまとめられているということがございまして、このような趣旨を適切に反映するためには、施行通知の形で雇用保険部会の記載部分を、ある意味文言をそのまま引用することを通じまして趣旨を明確にしたいということで、施行通知の形でお示しするのが適切ではないかと私どものほうで考えた次第でございます。
以上です。
○冨髙委員 趣旨は理解いたしました。
制度運用の部分は、新たな国庫繰入制度の実効性担保の点で肝になる部分ですので、1月の法律案要綱の諮問の際に付された公労使意見も踏まえ、制度がしっかり機能するよう対応していただきたいということを意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。
政令案、省令案につきましては、部会報告にのっとった内容であることから、異論はございません。
政令案の内容に関連いたしまして、雇調金の特例措置が6月末まで延長される一方で、来年度の雇調金の予算は0.5兆円と限られておりまして、年度途中で予算が足りなくなるおそれが考えられるかと思いますので、一般会計からの繰入れをあらかじめ具体的に想定しておく必要があるかと思います。
資料3の施行通知には、新たな国庫繰入制度の実効性が可能な限り担保されるよう、部会報告にも記載されました4つのケースが示されておりますが、いずれかのケースに該当する状況、もしくは、該当しそうな状況になった際には、部会の意見を踏まえまして、必要な対応を躊躇なく実行していただきますようお願いいたします。
また、失業等給付に係る雇用保険料率が年度途中で引き上がることから、保険料の納付手続を行う事業主が円滑に対応できるよう、料率自体、また、納付方法等につきましても、労使団体を含め幅広い周知と中小企業に対する丁寧な相談対応をお願いいたします。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。
先ほど御説明いただいたとおり、内容については特に異論はないと思います。
まず、昨日、国会のほうで法案が成立と報告がありましたが、関係各位の御努力に感謝申し上げたいと思います。
雇用保険自体は、切れ目のない支援ということで、一日も空白があってはならないものかと思っておりますので、その点は関係各位の方に感謝申し上げたいと思っております。
先ほど事務局の方から最初に附帯決議の話をされたかと思いますけれども、この辺については課題を突きつけられているのかというところであります。これまで雇用保険部会で議論してきて、課題となっている部分が、こういった附帯決議の表れなのかと思っておるところでございます。今後、雇用保険部会ではその辺のところを議論できたらというところを考えているところでございます。
4月1日からということで、保険料率の関係、前半の保険料は変わりはございませんけれども、年度途中の変更ということもありますので、過去に平成14年ごろにあったということは伺っているのですけれども、先ほどの御説明にあったとおり、その辺の周知、使用者団体、労働団体等々で協力してやっていかなければいけないのかと思っておりますので、その辺も踏まえてということで、意見として申し上げたいと思います。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
改正法を施行するために妥当な政令改正案だと認識していますので、特に異論はございません。
その上で1つ意見です。今後必要なタイミングで適切に国庫繰入を行うことが何よりも重要だと思っております。しかるべきタイミングで速やかに審議会に報告をするなど、適切な運用に努めていくことが重要だと思っております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに今の御説明について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。
大丈夫ですかね。
ほかに御質問、御意見がないようですので、当部会といたしましては「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案要綱について(諮問)」に関しまして、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告いたしたいと思います。
それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、報告文案を画面に表示いたしますので、御確認をお願いいたしたいと思います。
ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会への報告といたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、この報告文案で、後ほど開催される職業安定分科会に報告いたしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題に移りたいと思います。次の議題は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」でございます。
まず、事務局から資料について御説明をいただいて、その後、委員の皆様に御議論をいただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いいたします。
○山口調査官 省令案の概要について御説明をさしあげます。資料2-2を御覧いただければと思います。
最初に概要の資料がついておりまして、その次に改正事項のポンチ絵の資料がついておりますので、まず、そちらを御覧いただければと思います。
省令案は離職後起業された方に関する受給期間の延長の特例に関するものでございます。
改正内容でございますが、離職した後に起業されたケースについて、一定期間を経た後に廃業するというリスクを抱えておりますことから、受給期間を最大3年間延長することによって起業を支援するという観点も併せて実施をするものでございます。
省令案の概要にお戻りいただきまして、この改正事項に関連して定めるべき事項について御説明をいたしたいと思います。
まず、<申請手続き>でございます。受給期間の特例を希望される方については申請の手続を実施していいただく必要がございますが、その具体的な内容について、以下のとおり定めたいと考えてございます。
①でございます。申請者が受給期間延長等申請書をハローワークに提出する際に、自分で起こされた事業の実態を証明する資料を添付していただきたいということでございます。
新しく起こされた事業が法人形態である場合は登記事項証明書、そうでない場合は開業届ですとか、例えば、飲食店等を実施する場合は事業許可証といったものを取られているかと思いますので、そういったものを添付していただくことを想定してございます。
②でございます。申請手続は、事業開始日の翌日から2か月以内に実施するということでお願いしたいと思っております。ただし、天災その他やむを得ない理由がある場合は除きたいと考えております。
③でございます。受給期間特例の手続後、その事業を廃止または休止した場合におきましては、その旨を速やかにハローワークに届け出ていただきたいということでございます。
2点目は<対象者>です。この特例の対象となる方についてでございます。法律上は離職された後に事業を起こされた方を典型的な例として想定してございます。これに準ずる方として2点、いずれかに該当する形についても対象者に含めたいと考えております。
①でございます。離職後ではなく、離職日よりも前に事業を開始して、雇用労働者としてのお仕事と、自分で起こされた事業についてのお仕事の両方をやられていて、その後、雇用労働者として雇われていた会社を離職されたというパターンについても、対象者に含めたいと考えております。
②でございます。その他事業を開始した者に準ずるものとしてハローワークが認めたものとしておりまして、具体的には、離職した後に開業の準備に専念していたのだけれども、実際には開業に至らなかったというケースを想定してございます。
次に<対象事業>でございます。受給期間の延長という特例にかからしめる対象事業にふさわしいかどうかという観点についてでございます。新しく起こされた事業の実施期間が30日未満であるという場合につきましては、法律上、この特例対象から除外されているものでございます。
そのほか、省令でこの対象事業から除外するものについて定めたいと思っております。
①でございます。基本手当の受給期間は、離職をしてから原則1年間となっております。この受給期間を終了する間際になって事業を開始されて、受給期間終了日までの間が30日に満たないというケースについてまで、この受給期間の特例の対象にかからしめる必要はないと考えておりますので、対象事業から除きたいと思っております。
②でございます。起業するに当たって再就職手当を受けたというケースにつきましては、これも特例の対象から除外したいと考えております。
こちらは、例えば離職をされた方が基本手当を受けておられて、一定期間受給日数を残して再就職をされたというケースについて、再就職手当を受けられますと、受けていた基本手当の受給権の残余について一定の給付を受給していることや、同様の状況であっても受給期間の延長の対象とならない雇用労働者とのバランスを確保するという観点から除外したいと思っております。
③でございます。その事業により当該事業を実施する受給資格者が自立することができないとハローワークが認めたものとしております。これは非常に軽微な事業を実施しているケースを想定してございまして、そういった場合は基本手当を受けていただくことが適当と考えてございます。
その他法改正に伴いまして条ずれ等々がございますので、関係省令においても整備を行うことにしておりまして、この省令全体の施行期日は4月1日でございますけれども、起業した場合の受給期間の特例に係る部分は7月1日施行ということで想定してございます。
資料2-1を御覧いただければと思います。こちらが省令案要綱になっております。
まず、省令案の要綱の「第一 雇用保険法施行規則の一部改正」としております。
一で、対象事業から除外する3点について規定してございます。
二でございます。受給期間の特例の対象者を2類型追加するという部分を記載してございます。
三でございます。申請手続を規定してございます。
1点目でございます。受給期間の特例の申出をする際には、申請書に登記事項証明書等々、受給資格証を添えてハローワークに提出するということを求めております。
その次では、受給資格者が受給資格証を添えないことができるケースがございますので、その点について規定してございます。
3点目でございます。申請期限を書いておりまして、事業開始後2か月以内に申請をお願いしたいとしております。
4点目でございます。ハローワークの長が受給期間延長の対象に該当すると認めた場合には、受給期間延長等通知書を交付しなければいけないとしております。
5点目でございます。この通知書の交付を受けた方が次のいずれかに該当する場合は、ハローワークに届け出るということを求めております。
(1)がその者が提出した受給期間延長等申請書の記載内容に重大な変更があった場合としております。例えば、事業の実施期間が想定よりも短くなったり、延ばしたりするようなケースを想定しておりまして、交付を受けた受給期間延長等通知書を一緒に提出いただきたいと思っております。
(2)が事業廃止または休止をした場合でありまして、その場合は通知書と受給資格証を提出いただきたいと考えております。
施行期日でございます。全体としては令和四年四月一日からでございますけれども、先ほど申しましたように、起業に係る部分につきましては七月一日施行を想定してございます。
御説明は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等がありましたらお伺いいたしたいと思います。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
今ほど調査官から御説明いただきました事業を開始した基本手当受給資格者等に係る受給期間の特例について、以前の雇用保険部会において労働側より、真に支援を必要とし、雇用労働者に戻る者に適切に支援がなされるよう確認しながら運用することが重要である旨を申し上げ、雇用保険課長からも答弁をいただいておりました。
本日の資料2-2の後段には本議題の内容の法律案要綱が掲載されており、本日は資料2-1で省令事項が諮問されておりますが、対象者は「離職日後に事業を開始した者」のほか、これに準ずる者として「離職日以前に事業を開始し、離職日後に当該事業に専念する者」などとされております。
改めてのお願いになりますが、申請者が対象となることの確認が適切になされるよう、チェック体制を整備していただきたいことを意見として申し上げておきます。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
離職をして、事業を開始すると同時に申請をしておかなければならないものと理解しました。そうすると、廃業してから申請ということではもう遅いということになってしまいます。そこで、特例の対象となるような人に対して、周知をきちんとしておくことが重要と思いますので、意見として申し上げておきます。
以上でございます。
○長良雇用保険課長 今、平田委員から特例対象の申請のお話がございましたけれども、委員のお見込みのとおりでございます。基本的にはあらかじめ申請をしていただくという手続を想定しておりまして、対象者になり得る方に関しましては、離職に係る手続などの場面でしっかりと目に触れられるような周知を考えていきたいと思っているところでございます。
佐藤委員から、先日の雇用保険部会でも御議論のあった制度の運用でございます。そちらに関しましては、もともとが当然、雇用保険の失業等給付の受給権ということになりますので、雇用労働者を目指す方に関して失業認定をしっかりやっていくというところは変わるものではございませんので、失業認定に当たっての取扱いは当然、通常の方と同様、これに係らしめる一定の方に関してもしっかりとやっていきたいと思っているところでございます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問等はありますでしょうか。
大丈夫ですかね。
ほかに御意見、御質問はないようですので、当部会といたしましては、雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告いたしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、報告文案を画面に表示いたしますので、御確認いただければと思います。
ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会へ報告いたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、ほかに何か御意見、御質問等はございますか。大丈夫ですね。
ないようでしたら、予定されている議題はこれで以上ですので、本日の部会はこれで終了いたしたいと思います。皆様方、お忙しい中お集まりいただいて、どうもありがとうございました。