令和4年4月13日 第78回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年4月13日(水) 18:00~21:00
 

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより「第78回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び「令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員8名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、柿崎委員より、途中退席となる旨の御連絡をいただいております。
また、山縣委員が少々遅れているようです。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして、留意事項を申し上げます。
開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から、審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について、御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に、申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、麻疹、風疹、おたふく風邪、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザ、新型コロナウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、舟越委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円の受取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻疹、風疹、おたふく風邪の各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について、各委員に申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
柿崎委員は、塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取りがございました。
また、伊藤澄信委員は、インフルエンザワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議に参加いただけません。
各委員におかれましては、講演料等の受取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1~1-11、資料2-1~2-30、資料3、山縣委員提出資料、参考資料1~16になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
議題1、新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について、まずは資料1-11について事務局から御説明をお願いします。
○組織運営マネジメント役 PMDAの組織運営マネジメント役でございます。
新型コロナワクチンの副反応症例評価に関する外部専門家の利益相反事案につきまして、私から御説明させていただきたいと思います。
資料1-11をご覧いただければと思います。
まず、「1.概要」といたしまして、先生方も御存じのとおり、私どもPMDAの副反応の症例評価に当たりましては、外部の専門家の先生方の御意見もいただきながら進めているところでございます。この関係におきまして、本年2月でございますが、専門家の1人の方から、PMDAの外部専門家としての再任手続に際しまして、薬事関係企業、これは第2種医療機器製造販売業の許可を擁する企業でございますが、こちらの健康管理アドバイザーに嘱託(非常勤)として従事しているというお申し出がございました。PMDAの内規におきましては、薬事関係企業の役員、職員または定期的に報酬を得ている顧問等に就いている場合、専門委員として委嘱しないといった規定がございまして、今回、この事案につきましては、この内規に抵触することが判明した次第でございます。この専門家がこれまで評価した新型コロナワクチンの副反応疑い報告といたしましては、令和2年10月から今年1月末までの間の469例でございました。なお、この専門家は新型コロナワクチンの製造販売業者3社との間で利益相反がないことにつきましては、評価開始前に確認をしているところでございます。
「2.原因等」になりますけれども、この専門家におかれましては、PMDAの内規に基づいて、薬事関係企業の報酬を得ている顧問等への就任如何について申告する必要があることは御理解いただいているところでございましたが、この企業が薬事関係企業に該当するといった認識がなく、評価依頼に先立って行われたPMDAからの照会に対しまして、該当するものがないという旨の御回答をいただいていたところでございました。今般、専門委員の再任の手続に際して、ルールを分かりやすく解説したリーフレットを御案内したところ、当該専門家が気がついて、今回の申出に至ったという事案でございます。
これに基づき、「3.対応」に記載がございますけれども、この専門家におかれましては、今年3月付で専門委員の委嘱を取りやめさせていただいたところでございます。また、念のためではございますが、当該専門家が関与した469例全ての副反応疑い報告につきまして、他の専門家により再度評価をいただきまして、評価結果が変わらないことを確認いたしました。なお、前回、本年3月18日に開催されました当合同部会の報告におきましては、当該専門家が関与した評価結果は含まれていないことを確認させていただいております。2ページ目に参りまして、今回の事案を受けまして、私どもといたしましては、副反応症例評価に関わる全ての専門家に関しまして、再度、利益相反についての確認をさせていただき、全ての専門家から該当はないといった御回答を受領しているところでございます。
今後、「4.再発防止策」といたしましては、この利益相反の状況確認につきましては、委嘱する専門家の自己申告に基づく必要がございますが、私どもとしましては、引き続き、リーフレット等を用いて分かりやすい御説明をさせていただくとともに、委員の委嘱時あるいは再任時を含め、機会を捉えてルールの周知に努めてまいりたいと考えております。
御心配をおかけしましたことをおわび申し上げたいと思います。
私からの説明は、以上でございます。
○岡座長 次に、資料1-1-1~1-1-7について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1-1~1-7を用いまして、今回の集計対象機関において、副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に、御説明したいと思います。今回の集計対象期間は、3月20日までとなっております。
資料1-1-1をご覧ください。
2ページでございます。まず、資料構成の変更から御説明いたします。表の左から2番目の項目でございます。今回の集計対象期間からコミナティ筋注5~11歳用の接種が開始されておりますので、新たにコミナティ筋注5~11歳用の項目を作成しております。それでは、副反応疑い事例の報告状況を御説明いたします。表の一番左に行っていただきまして、まず、コミナティでございます。今回の集計対象期間におけるコミナティの推定接種回数が1億9594万4823回接種、副反応疑いの報告頻度としましては0.0144%でございました。次に、コミナティ5~11歳用でございますが、推定接種回数が21万5368回、副反応疑い事例としましては6件、頻度としましては0.0028%でございました。この小児接種における副反応疑いの報告状況につきましては、資料1-7としまして、別途、詳細な資料を御用意しておりますので、後ほど御報告したいと思います。スパイクバックスにつきましては、5161万8647回接種、頻度としましては0.0088%、バキスゼブリアにつきましては、11万6640回接種、頻度としては0.0137%でございました。なお、桁数の表記でございますが、今回から小数点以下4桁表記としております。以前、本合同部会の委員の方から0.00%となる項目が多くて違いが見えないという御指摘がございましたので、表の構成を変更しましたタイミングに合わせて、今回から桁数も見直しております。
続いて、47ページをご覧ください。3回目接種の状況について御説明いたします。一番上の表でございます。コミナティの推定接種回数が約2600万回、報告頻度としては0.0046%となっております。前回の推定接種回数が約1300万回でしたので、1か月の間で接種回数が1000万回超の増加となっております。報告頻度に大きな動向の変化はございません。次に、スパイクバックスですが、推定接種回数が約1900万回、頻度としましては0.0018%となっております。スパイクバックスの前回の推定接種回数が約600万でしたので、こちらも約1000万回超の増加となっておりますが、報告頻度に大きな動向の変化はございませんでした。
その他副反応疑い事例の報告状況につきまして、初回免疫後の事例やロット別の報告件数など、3ワクチンとも顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
なお、今回の集計期間からコミナティ5~11歳用の副反応疑い事例の集計を開始しておりますので、それに対応しまして、資料1-1-2-4、1-2-2-4、1-2-3-4としまして、ラインリストと症例概要の資料も追加させていただいております。また、今回は死亡事例や報告基準に該当する症状はございませんでしたが、報告がございましたら、コミナティ5~11歳用につきましても資料1-3~1-6の資料を作成することとしております。
続きまして、死亡事例について御説明いたします。資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について、御報告いたします。
1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに85件増加しまして、うち3回目接種後の事例が58件ございまして、令和3年2月17日から令和4年3月20日までに報告されました事例は計1,514件、3回目の事例としましては86件となっております。2つ目の丸の部分でございますが、3月21日から4月1日までに報告された事例が追加で21件、3回目接種後の事例が15件あるという状況でございます。3回目接種後の各死亡事例の概要につきましては、本資料の3ページ目以降でお示ししておりますが、委員には事前に資料を配付しておりますので、本日の説明では省略させていただきます。「2.専門家の評価」の項目に専門家評価結果を表としてまとめさせていただいております。
2ページ目の中段の部分でございます。参考2、報告頻度の部分でございます。先ほど1-1-1の説明の中でも触れましたとおり、3回目接種が進んでおりますので、死亡事例の報告数も増えておりますが、現時点において報告頻度に大きな変化はございません。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例でございます。
1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降死亡として報告された事例が新たに38件、3回目接種後の事例は35件ございまして、5月22日から3月20日までに報告された死亡事例は計120件、3回目接種後の事例としては51件となっております。なお、上記に加えまして、令和4年3月21日から令和4年4月1日までに報告された事例が11件、3回目接種後の事例としても11件あったという状況でございます。「2.専門家評価」の項に専門家による評価結果をお示ししております。
また、2ページ目も、参考2、報告頻度としまして、接種回数別の報告頻度をお示ししております。スパイクバックスについても、3回目接種は進んでおりますので、死亡事例の報告数は増えておりますが、現時点におきまして報告頻度に大きな変化はない状況でございます。なお、3回目接種後の死亡事例の頻度が比較的高くなっておりますが、前回も御説明させていただきましたとおり、スパイクバックスの3回目接種につきましては、被接種者に占める高齢者の割合が約55%となっておりまして、初回免疫の際の約6%と比べますと被接種者の背景が異なっていることが要因と考えられます。
続きまして、バキスゼブリアになりますが、新規の死亡事例の報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
資料は、アナフィラキシー、TTS、心筋炎・心膜炎と続きますが、今回の集計対象期間において大きな動向の変化はございませんでしたので、本日の資料の説明自体は省略させていただきます。
続きまして、資料1-7をご覧ください。小児接種の状況をまとめた資料でございます。
今回の集計対象期間は3月20日まででございましたが、小児接種の副反応疑い事例の動向を迅速に把握するために、集計期間後の4月1日までに報告があったコミナティ小児用の副反応疑い事例を医療機関・企業に分けまして一覧にしてお示しさせていただいております。1、2ページ目が、医療機関からの報告内容、3ページ目が企業からの報告内容となっております。まず、全体の報告数でございますが、医療機関から13件、製造販売業者から8件、報告されてございます。製造販売業者の8件でございますが、5件につきましては医療機関からも報告されていた症例ですので、症例数という観点で考えますと、医療機関・企業を合わせて計16症例が報告されている状況でございます。医療機関と製造販売業者の重複症例につきましては、一番右端の「備考」に分かるようにその旨を記載させていただいております。頻度につきましては、4月1日までに53万4708回接種でございましたので、医療機関の頻度としては0.0024%、製造販売業者では0.0015%でございます。先ほど資料1-1-1の中で3月20日までの報告頻度を御報告しましたが、4月1日までで見ましても、大きな変化はない状況でございます。
2ページ目でございます。報告されたものの中で重篤度が重いとされたものにつきましては、No.8とNo.11でございます。うちNo.11でございます。報告基準との関連になりますが、心筋炎・心膜炎の疑い事例の報告が1件ございました。こちらも委員の皆様には個票を事前に配付しておりますので本日は概略のみの説明とさせていただきますが、接種翌日から、発熱、嘔吐、全身倦怠感などが出現しまして、その後、発熱などの症状が続いたことから、接種4日後に、受診の上、入院、治療を受けまして、3月23日時点では症状が軽快したと報告されております。
また、3ページ目以降が企業からの報告となりまして、うち、No.3、No.4、No.5が企業のみから報告があった症例でございます。いずれも新型コロナ陽性ということが事例として報告されております。新型コロナの感染がワクチンの副反応疑い事例かどうかということは議論があるかと思いますが、副反応疑い報告制度は広く接種後の疑い事例を収集する制度ですので、報告がございましたらこのような形で公表させていただいております。
資料の説明は、以上となります。
○岡座長 引き続き、資料1-8と1-10について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
まず、資料1-8をご覧ください。
2ページ目でございますけれども、全体の資料構成といたしましては、引き続き以前と同様の構成となっておりまして、副反応疑い報告全体の概要、死亡として報告された事例、心筋炎または心膜炎疑いとして報告された事例についてお示しした上で、その他、論点のまとめスライド、参考資料となってございます。
続きまして、4ページ目、5ページ目をご覧ください。副反応疑い報告の概要で、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめたものでございます。5ページ目におきましては、小児、5~11歳用のワクチンの状況を記載しております。4ページ目におきまして、3回目接種の状況でございますけれども、先ほども御説明がありましたけれども、医療機関報告における副反応疑い報告としては、ファイザー社ワクチン1,190件、モデルナ社ワクチン339件、製造販売業者報告としては、ファイザー社が449件、モデルナが192件となっておりまして、それぞれ報告頻度を見ていただきますと1・2回目接種と比較して特段頻度は増えていないことが見てとれるかと存じます。また、5ページ目におきましては、今回より小児ワクチンの報告が正規のデータロックの期日内に入ってまいりましたので、資料としてまとめております。医療機関報告としましては、6件、頻度としては0.0028%、製造販売業者報告としては、2件、0.0009%であり、12歳以上のワクチン1回目接種後の報告頻度と比較すると低い傾向でございました。
続きまして、7ページ目をご覧ください。新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要をお示ししております。ファイザー社ワクチンにおいては、1,514件であり、うち3回目接種後の事例が86件でございました。武田/モデルナ社ワクチンにおいては、120件であり、うち3回接種後の事例は51件でございました。また、3回目接種後死亡事例の死因別集計表につきましては、資料1-3-1及び1-3-2の別紙2に記載されておりまして、現時点においては特定の疾患への集積はないと承知しておりますけれども、引き続き当該資料も御参照いただけますと幸いでございます。
続きまして、9ページ目をご覧ください。新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめております。心筋炎の報告状況については、青囲みの2~3行目の括弧内をご覧いただきますと、ファイザー社ワクチンにおいては、製造販売業者から3回目接種後として14件の疑い報告があり、うちブライトン分類1~3に該当するものは1件。また、中段、オレンジ囲みの2~3行目の括弧内におきましては、モデルナ社ワクチンの3回目接種後の心筋炎疑いの報告として12件の報告があり、うちブライトン分類1~3に該当するものは同様に1件でございました。
続きまして、10ページ目から11ページ目におきましては、それぞれ、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンにおける心筋炎・心膜炎疑いに係る製造販売業者からの報告状況をまとめております。それぞれ、上段の2行目におきまして、日本における、今回審議会時点、3月20日時点までの全年齢男女合算の報告頻度を、1回目接種後、2回目接種後、3回目接種後に分けてお示ししております。それぞれの被接種者の属性が異なりますので単純比較はできませんが、3回目接種後の心筋炎につきましては、引き続き、2回目接種後と比較すると、報告頻度は低い状況でございます。
続きまして、13ページ目から16ページ目をご覧ください。心筋炎・心膜炎に係る海外情報を更新しております。13ページ目、15ページ目、16ページ目につきましては、数値の最新化等を行っておりますので、適宜御参照ください。14ページ目をご覧ください。米国CDCからのSARS-CoV-2感染後とmRNAワクチン接種後の心疾患発症の比較について報告されたスライドでございます。要旨といたしましては、CDCからの報告によると、若年男性を含む全ての年齢層の男女において、SARS-Cov-2の感染後のほうがmRNA COVID-19ワクチン接種後よりも心合併症のリスクが有意に高いとの報告でございました。研究方法等についても、少々御説明申し上げます。まず、研究方法ですけれども、米国の臨床研究ネットワークであるPCORnetに参加している40の医療システムの電子健康記録、2021年1月1日から2022年1月31日までを使用しての報告でございます。調査の対象者といたしましては、期間中にSARS-Cov-2の検査、SARS-Cov-2の診断コード、COVID-19ワクチン接種が記録された者でありまして、今回の研究の対象人数は、5歳以上の約1500万人、うち感染者数は約80万人、接種群は、初回接種で250万人、2回目接種で約240万人等とされております。本研究における調査対象疾患でございますけれども、心筋炎、心膜炎、MISの3疾患であり、これらの心疾患の発生率について、ICD-10の修正コードを用いて、7日または21日のリスク期間、MISについては42日間が定義されております。心筋炎において特に注視されております若年男性のリスク比についてご覧いただけるよう右側に表をお示ししてございますが、研究結果及び考察といたしましては、若年男性を含む全ての年齢の男女において、SARS-Cov-2の感染後のほうがmRNA COVID-19ワクチン接種後よりも心合併症のリスクが有意に高かった、また、mRNAワクチン接種群においては、2回目接種後の12~17歳の男性において報告頻度が最も高かったが、同年代・同性におけるSARS-Cov-2の感染後の心疾患の発症リスクはワクチン2回目接種後の1.8~5.6倍であった、今回の結果は5歳以上の全ての対象者に対し引き続きワクチンの接種をすることを支持しているとされてございます。なお、本研究の比較では、SARS-Cov-2の感染率あるいはSARS-Cov-2の感染リスクは考慮されていない比較となってございます。対象者の属性情報や本スライドに表としてお示しできなかった女性の心合併症のリスク比についてもご覧いただけるよう、参考資料14として原著もお載せしておりますので、御参照いただけますと幸いでございます。
続きまして、18ページ目から21ページ目をご覧ください。小児及び3回目接種後の海外情報をお載せしておりますけれども、大きな変更はございませんので、適宜御参照いただけますと幸いでございます。
続きまして、22ページ目から24ページ目をご覧ください。前回の審議会におきましてお示しし、その対応方針について御了承いただきました、遷延する症状を訴えられる方に対応する診療体制の構築についての通知でございます。23ページ目におきまして、3月24日付で発出したものを掲載するとともに、関連しまして、4月4日付で、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状も含め副反応を疑う症状に対応する専門的な医療機関の名称等を公表することについて、関係機関との調整を依頼する通知を発出しましたことを御報告いたします。
26ページ目から29ページ目が、まとめのスライドでございます。前回同様、死亡例について、心筋炎について、3回目接種について、状況をまとめておりますとともに、28ページ目におきましては小児ワクチン接種に関する論点のまとめスライドも準備させていただきました。28ページ目について、御説明申し上げます。小児ワクチン接種後の副反応に関する考え方でございますけれども、副反応報告制度において小児ワクチン接種後の副反応疑い報告として報告されたものは、接種開始から、医療機関で6件、製造販売業者で2件でございまして、12歳以上のワクチン1回目接種後の報告頻度と比較すると低い傾向であった。症状の概要に記載された症状名は、血管迷走神経反射等であった。なお、上記に加えて、4月1日までにおいては、医療機関から7件、製造販売業者から6件の報告があった。医療機関からは、1件の心筋炎・心膜炎疑いの事例が報告されたが、軽快が確認されている。以上をまとめまして、小児ワクチン接種後の事例についても、国内外における報告状況を注視していくともに、引き続き、評価・分析を行っていく。また、最新の報告状況等を踏まえ、必要に応じ、周知・注意喚起も行っていく。これらのワクチンの報告状況についても、現時点においては、引き続き、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念を認められないと考えてよいかということで、まとめスライドを準備させていただきました。今回、それぞれの報告状況について、ワクチンの接種体制は引き続き継続としてよいかということで、御意見を頂戴できればと考えてございます。
資料1-8については、以上でございます。
続きまして、資料1-10、新型コロナワクチン接種後健康状況調査、いわゆるオンライン調査について、ごく簡単に御説明申し上げます。
今回も、対象者といたしましては、初回シリーズについて調査に御協力いただいた方となっております。対象期間につきましては、3月27日時点のものでございます。
対象者数につきましては、8ページ目の下段に記載しておりますけれども、接種当日にエントリーのありました3,952人のうち、有効回答者数の3,303人が対象となっております。
また、資料末尾のほう、78ページ目以降におきましては、今回も接種後に医療機関を受診した場合の状況等について質問した結果もお示ししてございますけれども、こちらの状況も含め、その報告状況については、事務局の把握しております範囲においては、前回と比較して特段の変化はない状況と承知しております。
ごく簡単ではございますけれども、資料1-10につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
続いて、今度は資料1-9について、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
資料1-9について、説明をさせていただきます。
ファイザー社、コミナティ筋注を初回接種されました医療従事者を対象として、昨年12月からコミナティ筋注から交互接種でスパイクバックス筋注を3回目にして接種された方の抗体価、とりわけ接種3か月後の抗体価を中心に報告いたします。特定有害事象を中心とした日誌の有害事象の情報はリバイスしておりますが、ほとんど変動はありませんので、説明は省略させていただきます。実施施設は、コミナティ筋注の初回接種、3回目の追加接種として、NHOの7病院、JCHOの7病院で実施中、対象者が2,931人、スパイクバックス筋注は、NHOの病院が7病院、JCHOの病院が7病院で実施中、対象者は890人のデータです。
5ページは、コミナティ筋注追加接種後の抗Sタンパク抗体、スパイクタンパク抗体の結果です。3月18日に説明させていただいておりますが、500人の採血者の中の抗ヌクレオカプシド抗体、以下「抗N抗体」とさせていただきますが、陰性の487人のデータをまとめております。前回の説明と同様ですが、年齢の高いほうが抗体価は低くなっていますけれど、接種1か月後は年齢階級別で差がなくなっています。
6ページが、今回新しく作ったスライドです。追加接種時に抗N抗体陰性で、3か月後の採血結果が出ている440人の95%信頼区間をエラーバーで示しています。左のグラフは全体の変化で、右のグラフは年齢階層別の平均の95%信頼区間を示しています。1か月後から2か月たつと、抗体価はほぼ半分になっています。
具体的な数値は、34ページに示しております。2か月間で半分という結果ですので、ワクチンの元になった武漢株の抗体価の半減期は2か月になります。しかしながら、3回目接種前から1か月後の値が52.1倍でしたから、3か月後でも27.5倍と、追加接種前に比べると著しく高値であることが分かろうかと思います。
7ページ目から17ページ目までの安全性情報の説明は省略させていただきます。前回、説明させていただいておりますが、16ページ、日誌の自由記載欄の表の中に、接種後28日までに発現した胸痛の頻度も記載するという形で処理させていただいております。
18ページから、交互接種としてのスパイクバックス筋注を接種した890人のデータです。コミナティ筋注の初回シリーズの後にスパイクバックス筋注を接種した方になります。
19ページは、3回目接種前に抗N抗体が陰性であった485人の接種前と接種1か月の抗体価についてまとめたスライドです。ご覧いただいて分かるとおりで、スパイクバックス筋注のほうが抗体価は高いのですが、5ページのコミナティ筋注のデータと、全くの相似形になっていることが分かります。
20ページは、6ページと同じ形のグラフにしていますが、4月1日までに抗N抗体陰性のデータが3回ともそろっている方は92例でしたので、それをグラフにしています。19ページの対象者のサブセットになります。コミナティ筋注の6ページと比べますと、症例数の関係でエラーバーの範囲が広くなっています。
21ページから30ページは、接種から1か月後までの安全性の情報なのですが、説明は省略させていただきます。29ページの胸痛の頻度の記載は、先ほどと同様です。
31ページ、32ページに、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注の追加接種の接種前、接種1か月後、及び、接種3か月後の比較をグラフで示しています。31ページは接種1か月後までのデータで、ほぼそろっていますが、コミナティ筋注の51倍に対してスパイクバックス筋注が65倍で、年齢・性別・接種間隔を重回帰分析で調整しても抗体価がスパイクバックスのほうが高いことが分かっています。
32ページは、3回目接種3か月後のコミナティ筋注の440例とスパイクバックス筋注の92例の比較グラフです。スパイクバックス筋注の例数が少ないので、エラーバーが大きくなっています。
33ページから38ページはお示ししたデータの数値、39ページにまとめを記載しております。この調査では毎回抗N抗体を測定していますので、3回目接種前に抗N抗体が陰性でしたけれども3か月後には抗N抗体が陽性になっている方がいることも分かっておりまして、次回ぐらいにはそのブレークスルー感染の状況について御報告ができるのではないかと思っています。
研究班に参加いただいている感染研の高橋先生と鈴木先生とディスカッションした際に、感染の既往があっても抗N抗体が陰性の方がいらっしゃるという情報をいただきましたので、接種前に抗S抗体と抗N抗体を測定した1,363人の結果を調べてみました。追加接種前に感染されたと申告いただいた21人のうち3人は抗N抗体がカットオフの1.0未満でした。前回、御報告させていただいておりますけれども、抗N抗体が陽性の方は47人で3.4%でした。うち、COVID-19に感染したと自己申告があった方が18人でしたから、不顕性感染が2倍程度はありそうだという状況になっております。小児の調査も開始しておりますが、そちらのn数は少ないので、まとまった時点でまた御報告をさせていただければと思います。初回シリーズとしてコミナティ筋注を接種された方の安全性情報はほぼ今回で固定しておりますので、次回からは初回シリーズとしてスパイクバックス筋注を接種された方のデータなどが提示できればいいなと思っています。
報告は、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
ただいま、これまでの副反応疑い事例やコホート調査などについて御報告をいただきました。この場の議論におきましては、効率的に議論を進めるため、死亡事例や発生動向などに変化があった副反応疑い事例に焦点を絞って議論を行っていくこととしております。そのような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価につきましては、まず、1番、死亡事例について、2番、小児接種について、3番、そのほかの論点についてという順番で議論を進めていきたいと思っております。まずは死亡事例、次に小児接種事例について、御質問・御意見をいただき、それ以外の点の御意見などは最後のそのほかの論点でまとめていただくという形でお願いいたします。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思いますけれども、議論に先立ちまして、山縣委員から提出資料の御報告をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○山縣委員 山縣です。
「山縣委員提出資料」というものがございますので、それをご覧ください。今回、浴室内の死亡として報告された事例に対してどう考えるのかということについてであります。
まず、1ページ目を見ていただきますと、これの考え方であります。一定数、今回の3回目接種後も含めて浴室内での死亡の報告がある、本当にこれはどれぐらいの頻度なのかということを検討しなければいけない。まずは、その考え方としては、浴室内で死亡されたという報告については溺水もしくは溺死が主なのですが、浴室内の死亡としては心疾患や病死が疑われるケースとして死因が不明な場合も含まれていて、その浴室内死亡例を全ては捕捉できていない。そのために、この2022年3月20日までに報告された副反応疑い報告書における浴室内で死亡したと推定される全ての事例について集計を行いました。この場合、対照群として非ワクチン群について比較するわけですが、これまでも人口動態統計を用いて比較してまいりましたが、人口動態統計での分類では、浴槽内での溺死及び溺水となっており、浴室内でほかの要因で亡くなったものに関しては把握が困難であって、つまり、ここだけを見たのでは浴室内死亡が過小評価されていることになります。このことにつきましては、入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究班でも同じことが指摘され、この研究班で東京都と山形県と佐賀県において実際の調査をされました。その結果としては、年間1万9000人の方が浴室で亡くなっている、つまり、人口動態統計で出ています数字よりも多い数が推定されることが、分かったということであります。
次のページをご覧ください。その実際の数字であります。人口動態統計で見たときに、2019年の死亡は総数で5,666、年齢別で見ますとほとんどが65歳以上であることが分かります。その下に2011~2014年の死亡数を出しておりますが、これがその人口動態統計で出てきているものでありまして、その一番下に、研究班が2017年の論文で推計した入浴中死亡数として、1万8755人、先ほど約1万9000人とお話しした推定値があります。
つまり、実際の人口動態統計でこの溺死及び溺水を見るとかなり過小評価された数字が出ていることを前提にして、次のページから、それぞれのワクチン接種後の浴室内の死亡に関して、まずはファイザーのワクチンでありますが、報告数総数が37、65歳以上が33、40~64歳が2名、10~39歳が2名で、それぞれ接種日から死亡日までの集計も横に載せてあります。これで推計接種延べ数を示したものがその次の欄であります。さらには、一般人口に関しての死亡数が最後の欄にありまして、それを人口100万人当たりで示したものがその下の表になります。つまり、ワクチン接種後の死亡報告頻度としては、100万接種当たり、総数では、観察期間7日の間に0.021、4日で0.034、2日で0.054となっています。一般人口における死亡報告例を人口動態統計で見ますと、0.123となります。これは、先ほどお話ししたように、浴室の死亡としては過小評価であると思われるのですが、それでもワクチン接種後の死亡例のほうがはるかに少ないことが分かります。実際、研究班が推定しているものですと、0.4以上の値となっており、これと比較しても、ワクチン接種後の浴室内の死亡報告例は通常起きている事態と比べても多くないことになります。これは冬季ですので、全体の1年間を通じたものよりもワクチン接種後の報告は多くなるはずでして、それも考慮した値となっております。今回は、括弧内に95%信頼区間を出しています。本来、全数で見たときには、信頼区間ではなくて、それが本当の値ですので、人口動態統計などでは算出しませんが、まだこれから予防接種がどんどん進んでいきますので、母数が増えていって、まずはここまでのサンプルという考え方をすると、これぐらいの接種数での頻度であると95%信頼区間(発言者注釈:母集団から抽出した標本の平均値から95%信頼区間を求めるということを100回やったときに、95回はその区間の中に母平均(真の平均値)が含まれる)はこれぐらいの幅になるんだというものを今回はお示ししたものであります。
同様に、次が浴室内の死亡についてのモデルナです。同様に、総数、65歳以上、40~64歳、10~39歳ですが、こちらは65歳以上しかございませんでした。同様に、観察期間の7日、4日、2日、いずれに関しましても、一般人口動態統計で見た場合、研究班が推計したものに比べて、少ない値となっております。
その次のページが、今お話ししたファイザーとモデルナを比較して1枚の表にしたもので、取り立てて新しいものではございません。
その上で、最後にまとめになります。これを検討した結果として、3回目の接種後を含めて浴室内で死亡したとして報告された事例が一定数はあるので、今回、この検討を行いました。ワクチン接種後の死亡として報告された数の多寡については、検討するための対照群を非ワクチン接種群について人口動態統計で捕捉できる、疾病コードW65に当たるものですが、浴槽内での溺死及び溺水の頻度に加えて、入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究班の報告を基にして、それとも比較したものです。繰り返しになりますが、人口動態統計で出ているものは浴槽内での溺死・溺水のみでありますので、研究班が出していたそのほかのものも含めた浴室内の死亡はその3~4倍という値になっているということです。まとめますと、それで比較した結果、ワクチン接種後に浴室内で死亡したとして報告された事例は一定数があるものの、非ワクチン群の浴室内での死亡の頻度と比較すると、ワクチン別・年齢別、いずれも比較検討においてワクチン接種群が非ワクチン接種群を上回ることはありませんでした。また、3回目接種後の高齢者においても、浴室内で死亡したとして報告された事例の頻度について検討を行いましたが、ワクチン接種群が非ワクチン接種群を上回ることはありませんでした。なお、先ほどもお話ししましたが、今回参照した研究班の報告を含めて、一般に、冬季、冬の時期は、高齢者の浴室内での死亡が多く報告されていますので、ワクチン接種の有無によらず、高齢者については、冬場、冬季の特に体調の優れない場合には、入浴を控えるように勧めることが必要だろうということであります。ちなみに、研究班では、これまで浴室での死亡は心臓病や脳卒中が多いのではないかということが推定されていたのですが、結果としては、その例は少なくて、ほとんどが血圧変動による一時的な意識消失による溺水が多いということも報告されております。
私からは、以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、これまでの資料を踏まえまして、議論に移りたいと思います。
最初の死亡事例の論点につきましては、資料1-8の26ページにおいて事務局からまとめていただいておりますけれども、先生方から何か御意見・御質問等はございますでしょうか。あるいは、ただいまの山縣委員からの御説明等につきましても、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
2番目の小児接種に移りたいと思います。事務局には、集計対象期間中の小児接種の副反応疑い事例を整理するとともに、速報として集計期間後の4月1日までの報告状況をまとめていただいておりますけれども、今回の報告内容を踏まえて、現時点において小児接種の接種体制に影響を与えるような重大な懸念を認められないと考えるかについて、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。いかがでしょうか。小児は、資料1-8、28ページにまとめを書いていただいておりますけれども、よろしいでしょうか。事前に、ラインリスト、個票も見せていただいておりますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
そうしましたら、次の3番目、その他の論点について、御議論いただければと思います。死亡事例や小児接種以外の論点として、本日の資料では、3回目接種後の事例、心筋炎・心膜炎疑い事例などについても御報告をいただいております。これらにつきまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、死亡事例や小児接種後の事例以外の観点から、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
森尾委員、お願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。
3回目接種について、資料1-8の29ページに事務局でまとめていただいております。副反応疑い報告全般について1回目・2回目接種時よりも少ない傾向があったとまとめていただいていますが、これは重篤な副反応報告についても同様という解釈、属性とかを考えてもそういう傾向と考えてよろしいかどうかというところをお伺いできればと思っております。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 基本的な考え方につきましては、今御指摘いただきました重篤についても同じかとは思います。ただ、先ほど資料1-1-1の中で私から少し触れさせていただきましたが、今、すごく3回目の接種数が増えている状況で、一方、副反応疑い報告は打って症状が出て報告するという、タイムラグがありますので、今後、増えてくることも想定されます。今の値としてはあまり高くないという認識でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。今回、心筋炎に関しては、海外の最近の報告なども御紹介いただいたところになります。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 どこに該当するか難しかったので、遅くなってしまいました。申し訳ございません。
企業報告、5~11歳用のファイザー製ワクチンの報告について、今回、COVID-19陽性の方が3人報告されました。広く情報を集めるという観点ということでしたが、新型コロナワクチンによる発症予防効果は当然のことながら100%ではありませんし、ワクチン接種後にCOVID-19に罹患することは普通にあり得ることだと思います。新型コロナウイルスに感染した場合は、感染症法に基づく感染症発生動向調査に予防接種歴とともに報告されるべきものであり、副反応疑い報告に届け出られてしまいますと、毎回丁寧に頻度を出していただいているのですが、分子にずっと残ってしまうことがあるので、少しその点について御検討いただいたほうがいいのではないかと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
事務局から、お願いいたします。
○事務局 御指摘をありがとうございます。
私の説明の中でも少し触れさせていただきましたが、副反応疑い報告制度は、今、多屋委員から御説明いただいたとおり、広く接種後の副反応が疑われるものを収集する制度という意図でございますので、その趣旨からしまして特定の事象の報告を妨げることはなかなか難しいということがまずは一つでございます。
一方で、ワクチンの接種とCOVID-19の重症化なども議論があるところでございまして、そういったことも踏まえると、なかなか今の時点で集計から外すことは難しいかとは考えております。
○岡座長 そういう難しさがあるという御報告だと思いますけれども、確かに副反応として感染があるということには違和感があることは間違いないので、それを見ながらこちらを見ていくということになりますでしょうか。よろしいでしょうか。
そのほかは、いかがでしょうか。大事な御指摘いただいたかと思います。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
今の多屋先生の御質問と関連したところなのですけれども、確かに、今、御回答にあったように、疾患増強を見ていく上では必要なのかもしれないのですが、今後、もう少し疾患増強を見ていく指標を考えていく必要があると思います。単にCOVID-19に感染した人の数だけではなくて、何かそれを見る手だてを考えていく必要があると思っております。多屋先生の今の御質問との関連ということで、すぐにそれをつくる必要はないのですけれども、今後のこととして御検討いただければと思っております。
○岡座長 ありがとうございます。
お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
明確な基準を定めることは今の時点ではなかなか難しいかと思っておりますが、前々回だったかと思うのですが、濱田委員から同様の御指摘をいただいておりまして、そのときに、私から、事務局としまして、海外の規制当局のレポートや論文については日々収集させていただいて確認させていただいておりますが、現時点では何か懸念があるわけではないという発言をさせていただいておりました。御指摘いただきましたので、疾患増強につきまして製造販売業者のデータなども改めて参照させていただいております。そこにおきましても、現状において何かしら安全性のシグナルが出ているわけではない状況でしたので、現時点におきまして何か懸念があるわけではありませんが、引き続き状況については注視させていただきたいと思っております。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。
そのほかはいかがでしょうか。
そうしましたら、これまでの内容をまとめさせていただきたいと思います。御一緒に確認いただければと思います。
まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向ですけれども、対象期間における新型コロナワクチン副反応疑い報告について、副反応疑い事例全体の報告状況、年齢・性別の報告状況、症状別の報告状況、ロット別の報告状況、3回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果、以上について、動向の大きな変化はないとさせていただきました。なお、3回目接種後の安全性につきましては、副反応疑い事例の報告状況やコホート調査の結果を踏まえますと、現時点では重大な懸念は認められないが、接種が進んでいる状況を踏まえつつ、引き続き、国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられるとまとめさせていただきました。新型コロナワクチンの副反応が疑われる症状については、個々の事象においては因果関係の有無を確定できないことも多い。したがって、因果関係の評価については、引き続き、個別症例の因果関係評価の結果のみならず、αβγの評価結果にかかわらず、集積した副反応疑い事例を用いて集団として解析する方法、海外の規制当局のステートメントや重要な研究論文、海外の市販後副反応疑い事例などの情報を踏まえ、検討していくとさせていただきました。
次に、死亡事例の報告状況を整理すると、まず、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに85件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,514例については、9件がβ、その他の事例はγと評価された。また、3月21日から4月1日までには、さらに21件の報告があった。次に、スパイクバックスについて、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに38件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された120件については、1件がβ、その他の事例はγとされた。また、3月21日から4月1日までには、さらに11件の報告があった。バキスゼブリアについて、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新規の事例の報告はなかった。死亡例の報告に関しては、現時点においては、3回目接種後の事例、交互接種の事例、ロット別の報告状況も含め、引き続き、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。また、浴室内の事例につきましても、今回、山縣委員から報告をいただいたところになります。そのことも含めて、このようにまとめさせていただきました。
小児接種について、コミナティ筋注小児用については、3月20日までに、医療機関から6件、製造販売業者から2件の副反応疑い事例の報告があった。また、3月21日から4月1日までには、さらに、医療機関から7件、製造販売業者から6件の報告があった。現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないが、国内外における報告状況を注視していくとともに、引き続き、評価・分析を行っていく。また、最新の報告状況を踏まえ、必要に応じ、周知・注意喚起を行っていくとまとめさせていただきました。
よろしいでしょうか。
最後に、いただいた御意見としては、予防接種後の感染、特に疾患の感染等について、御質問をいただきましたけれども、それについては海外の情報も含め注視していくことになったかと思います。
以上のようにまとめさせていただきましたけれども、以上のようなまとめでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆さん、うなずいていただけたかと思いますけれども、以上、今回報告のあった具体的な事例を含めまして、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。
そうしましたら、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆さん、うなずいていただいていると思いますので、そのようにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
次に、議題2でございます。コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について、入りたいと思います。
まず、事務局から資料2-1~2-30の説明をお願いいたします。
○事務局 新型コロナワクチン以外の評価対象ワクチンの副反応疑い事例の報告状況について、御説明させていただきます。今回の評価対象期間は、2021年10月1日から12月末までの3か月間でございます。
資料の枚数が多く、また、委員には事前に資料を配付しておりますので、本合同部会における説明では、動向に変化があった点やアナフィラキシーなど専門家評価対象となっている症状の報告状況を中心に御説明させていただきます。
まず、前提としまして、今回の集計対象期間におきまして、各ワクチンの副反応疑いの報告頻度はこれまでに比べて特段高いということはございませんでした。また、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度につきましては、いずれのワクチンにつきましても急ぎの検討が必要とされる10万接種あたり0.5を下回っておる状況でございます。
続いて、因果関係評価の結果を御説明したいと思います。資料としましては、まず、資料2-26をご覧ください。ワクチン接種後の後遺症報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきまして、ワクチン接種後に後遺症が生じたとする報告が、報告対象期間前の再評価の事例で2件、報告対象期間内に5件ございました。因果関係評価の結果につきましては、No.2、BCGワクチン接種後に骨結核などが報告された症例と、No.7、インフルエンザワクチン接種後のギラン・バレーの症例で因果関係が否定できないとされております。
続いて、資料2-27でございます。ワクチン接種後のADEM疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきまして、ワクチン接種後にADEM疑いが生じたとする報告が、報告対象期間前の再評価の事例で2件、報告対象期間内に3件ございました。因果関係評価の結果につきましては、いずれも評価できないとされております。
続いて、資料2-28でございます。ワクチン接種後のGBS疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、ワクチン接種後にGBS疑いが生じたとする報告が、報告対象期間前の再評価の事例で2件、報告対象期間内に4件ございました。いずれもインフルエンザワクチン接種後の事例でございまして、因果関係評価の結果につきましては、No.1、13歳の女性の症例と、No.5、71歳女性の事例で因果関係が否定できないとされております。
次、資料2-29でございます。ワクチン接種後のアナフィラキシー疑いの報告一覧でございます。
今回の報告対象期間におきまして、アナフィラキシー疑いが生じたとする報告が、報告対象期間前の再評価の事例で6件、報告対象期間内に10件ございました。因果関係評価の結果につきましては、5症例におきまして、ブライトン分類がレベル3、かつ、因果関係が否定できないとなっております。
続いて、資料2-30でございます。ワクチン接種後の死亡事例の報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきまして、ワクチン接種後の死亡事例の報告はNo.1~10の10件がございました。また、報告期間後の報告につきまして、№11、インフルエンザワクチンの単独接種の1例の報告がございました。また、№12でございますが、こちらは前シーズンのインフルエンザワクチンの事例でございます。因果関係評価の結果につきましては、現在評価中のNo.3とNo.4を除きまして、いずれも情報不足等によりワクチンとの因果関係は評価できないとされております。
最後、関連しまして、参考資料15をご覧ください。HPVワクチンに関連して、補足させていただきたいと思います。
HPVワクチンにつきましては、4月1日から積極的勧奨の差し控えが終了しております。これに伴いまして、今後、接種数が伸びていくことが想定されます。製造販売業者からワクチン接種後の対応につきまして再周知が行われておりますので、本日、参考資料という形で御紹介させていただきました。また、事務局におきましても、PMDAメディナビにおきまして、同内容の周知やHPVワクチンのリーフレットの御紹介をさせていただいております。
説明は、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
関連しまして、事務局から資料3の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から、HPVワクチンについての報告事項といたしまして、接種状況についての最近の状況を踏まえたアップデートと今年度からの安全性評価について、申し上げます。お手元の資料3「HPVワクチンについて(報告)」と書いているものをご覧いただければと存じます。
2ページ目、「HPVワクチン接種状況の推移」のマル1と書いてあるスライドでございます。HPVワクチンの定期接種被接種者数と実施率の推移を、平成25年度から令和2年度まででお示ししてございます。令和2年度の実施率につきましては、先日アップデートされました地域保健・健康増進事業報告における最新の接種者数を基に算出しております。なお、この実施率の算出方法でございますけれども、記載のとおりでございますが、接種者数をHPVワクチンの標準的な接種対象年齢でございます13歳の女子人口で割って算出したものでございまして、令和2年度については52万7000人が分母となっております。昨年の審議会では令和元年度のデータまでをお出ししておりますが、このたび、令和2年度を更新してお示ししております。こちらに記載のとおりですけれども、令和2年度実施率が、令和元年度から比べても、上昇していることが分かります。
続いて、3ページ目、「HPVワクチンの接種状況の推移」のマル2と書いてあるスライドでございます。まず、上段に、推定でございますけれども、定期接種から令和3年12月までの施設納入数をベースとした接種数の推移を示しております。こちらのデータも、昨年の審議会でお出ししたもののリバイスとなります。上段の表で記載されております接種者数は、先ほども御説明したように、実際に接種した数ではなく、施設納入数となっております。先ほどお示しした地域保健・健康増進事業報告で実際の接種者数及び実施率が報告されるまでにはどうしても時間がかかってしまいますので、この上段の表、施設納入数ベースだと、数か月ぐらいの時差で報告が上がってくるというものでございまして、接種者数の傾向を把握することができます。この棒グラフは、四半期ごとでまとめて示しております。この経過を見ますと、令和3年12月までのデータでございますけれども、納入数は増加しておりまして、これ以降の実際の接種者数も上昇していることが推測されます。続いて、下段でございます。定期接種化から令和3年12月までの副反応疑い報告の推移となります。この表でございますけれども、現在、おおむね3か月ごとにこの合同部会におきまして、定期接種ワクチンの副反応疑い報告数を、先ほども御説明いただきました通り、定例で報告しております。こちらをご覧いただくと、この副反応疑い報告数を実数で示しているもの、下は割合で示してございますけれども、実数としては、もちろん先ほどの納入数の推移のとおり、令和2年、令和3年と増加しておりますので、副反応疑い報告の実数で見ますと多少増えているように見えますけれども、割合で見てみますと引き続き0.5%未満、こちらを正確に申し上げますと、0.00~0.03%をキープしている状況でございます。
続いて、4ページ目でございます。HPVワクチンの安全性の評価について、お示ししてございます。令和4年4月以降、今月からですけれども、HPVワクチンの接種者数の増加が見込まれます。それにより、今まで以上に頻度を上げて副反応疑い報告の状況を把握していく予定となっております。こちらにお示ししている、安全性の継続的な評価、また、協力医療機関の診療実態調査の2本立てでの把握をこれから行っていく予定でございます。安全性の継続的な評価に関しましては、この4月から、個別勧奨再開、及び、キャッチアップ接種が開始されますので、この後、少なくとも約半年間にわたりまして、通常より評価期間を短縮して、おおむね1か月に1回程度の頻度で評価を行っていきます。また、協力医療機関の診療実態調査は、接種後に生じる症状に対する診療実態についてできるだけタイムリーに把握していくために、川崎市の岡部先生による研究班におきまして、全国のHPV接種後の症状に関する協力医療機関に対して診療実態調査を行い、診療実態を迅速に把握しつつ、患者の臨床像を丁寧に解析してまいります。
事務局からの説明としては、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
以上の事務局からの御説明について、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
質問ではなくて、コメントとして一言。
2-29にアナフィラキシーの一覧が出ておりますが、この15番という事例はトラベルクリニックでの事例なのですが、最近、トラベルクリニックが増えております。本例はエイムゲン、ラビピュール、おたふく、水痘を同時に打ってアナフィラキシーを起こした事例なのですね。トラベルクリニックの場合、複数のワクチンを打つ、このときは国産だったのでしょうけれども、輸入ワクチンを使うこともあるということで、アナフィラキシーが起きるリスクが高くなります。トラベルクリニックをやられているドクターはそれを意識して、準備をしておく必要があります。これは病院の中で起きた事例なのですぐに対応できましたけれども、診療所レベルですとなかなか対応ができない。その意味で、こういった事例を知っておく、診療所でもアナフィラキシーの対策を取る必要があることがよく分かる事例だったと思います。
コメントとして、言わせていただきたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。貴重なコメントをいただいたと思います。
よろしいですか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
MRワクチンの報告についてです。企業報告で3人の脊髄炎の報告があるのですけれども、各社がお1人ずつ報告されています。調査がされれば恐らくお1人になるのではないかと思うのですけれども、集計表では脊髄炎3人ということになってしまいますので、もし分かりましたらどのワクチンかお1人ということにしていただいたほうがいいのではないかと思いました。
もう一つは、コメントなのですけれども、ロタウイルスワクチンが定期接種になって、その後の健康状況や副反応を丁寧に解析・集計していただきまして、ありがとうございます。腸重積症になられたお子さんの特に手術や死亡という症例が増えていないということが表にまとめられていまして、大変重要な結果ではないかと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
大事な御指摘で、この脊髄炎の3例については、今は分からないですよね。
○事務局 御指摘のとおり、今は分かりませんので、また調査が進みましたら見せ方も検討したいと思います。
○岡座長 また御確認いただければと思います。
ロタウイルスに関しては、定期接種になってから特にそういう問題になる事例が増えていないということの御指摘だったと思います。ありがとうございます。
そのほかは、何かございますでしょうか。
宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
HPVワクチンのことなのですけれども、以前、たしか多屋委員がおっしゃったことだと思うのですが、この実施率が2ページ目にあります。キャッチアップが入ってくると分母の数はどのように設定していくのかということで、どの辺からどのような表現をしていくのかということで、お尋ねしたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
その辺りは、何か今後の考え方はございますでしょうか。
事務局、よろしくお願いします。
○事務局 事務局から、お答えいたします。
まさに御指摘のとおりでございまして、先ほど申したように、分母が標準的な接種対象年齢である13歳という形になっておりますので、今後、そのキャッチアップも含めて、恐らく100%を超える形が予想されるところでございます。こちらに関してどうするかは、これは令和2年度のデータでございまして、恐らく来年に令和3年度のデータが出てくるというところでございますので、反映されるのは大体2年ぐらいかかってしまうというところですので、その点も踏まえて検討させていただきたいと考えております。ありがとうございます。
○宮川委員 よろしくお願いいたします。
○岡座長 確かに、キャッチアップの方の年齢特性が変わってきますので、副反応の数字の見方も変わってくるかと思います。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 コメントです。
毎回、BCGのところで突っ込ませていただいているのですけれども、副反応報告の中で重篤で基礎疾患が慢性肉芽腫症で打っていらっしゃる方があるので、これは何回か出てきた症例かもしれないのですけれども、またBCG接種の後に分かったのかもしれませんけれども、慢性肉芽腫症、ここら辺の基礎疾患がある方は禁忌であることはもう一回強調させていただきたいと思ったことが1点。
後遺症のところでも、BCG接種の後でかなり長期間にわたって骨髄炎が治らない方がいらっしゃいます。そういう方は、副反応といえばそうなのですが、恐らく基礎疾患のある方だと思います。こういう方は恐らく精査することがその後のいろいろな意味での生活の点で重要であるということで、コメントさせていただけたらと思います。遺伝的な素因があって、メンデル遺伝型マイコバクテリア易感染症がある可能性があるということで精査をすべき方ではないかと思います。
以上、コメントです。
○岡座長 ありがとうございます。
そういった疾患の診断も進んできておりますので、ぜひ検討いただければということでのコメントをいただきました。
そのほかはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
そうしましたら、今までの内容をまとめたいと思います。御一緒いただければと思います。
まず、1番として、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて、特段高いということはない。
2番目として、インフルエンザワクチンについては、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
3として、後遺症の報告は、対象期間内に5例報告され、うち、BCGワクチンの単独接種の1例、インフルエンザワクチンの単独接種の1例で、ワクチンとの因果関係が否定できないとされた。また、対象期間前では2例が報告されたが、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。なお、コメントとして、ただいま、基礎疾患がある場合のBCGによって出てくる症状は単純に副反応と判断できないという大事な御指摘をいただいたところです。
4は、ADEMの可能性があるとされた症例は5件報告されたが、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされました。
5として、GBSの可能性のある症例は対象期間前の再評価の事例を含めインフルエンザワクチンで6例報告され、うち2件はワクチン接種との因果関係を否定できないとされました。
6として、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーとして評価された症例は、対象期間内に、Hibワクチンなどの同時接種の1例、日本脳炎ワクチンなどの同時接種の1例、DTワクチンの単独接種の1例があった、また、対象期間前の症例では、Hibワクチンなどの同時接種の1例、A型肝炎ワクチンなどの同時接種の1例でブライトン分類3以上とされたとまとめさせていただきました。なお、委員からは、トラベルクリニックで起こったアナフィラキシー症例については注意が必要という大事な御指摘もいただきました。
7として、死亡症例は、対象期間内に2021/2022シーズンのインフルエンザワクチン単独接種の6例、前シーズンのインフルエンザワクチンの1例、Hibワクチンなどの同時接種の1例、同じくHibワクチンなどの同時接種の1例の報告がありました。また、対象期間後にインフルエンザワクチン単独接種の1例の報告がありました。専門家の評価では、いずれも情報不足等によりワクチンとの因果関係は評価できないとされました。また、経口ロタワクチンなどの同時接種の1例、日本脳炎ワクチン単独接種の1例が報告されておりますが、これらについては、現在は調査中ですので、次回に検討を行うこととしたいと思います。
8として、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
以上のようにまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんにうなずいていただけたと確認しました。
この内容を踏まえ、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御意見がないようですので、御審議をいただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によってその安全性に重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆様にうなずいていただけたということで、そのような結論にしたいと思います。
そのほか、何か全体を通じて御質問・御意見等はございませんでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 今シーズン、インフルエンザワクチンの副反応疑い報告が非常に少なかったと感じておりまして、今回の資料での出荷数を分母にしている計算ですと5300万回と昨シーズンの5600万とあまり変わらないのですけれども、実際に接種を受けずに返品となっているワクチンが多いのではないかと感じているのですが、今後、そのような数字が分かってくることはありますでしょうか。頻度が極端に今までと比べて低いので、思ったところです。
以上です。
○岡座長 何か、事務局からはありますでしょうか。
○事務局 事務局においても同じような認識を持っておりますが、どこまで分かるかどうかは現時点では分からない部分があります。また分かりましたら、次回以降、報告したいと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
本日の議事は、以上となります。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡を差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。
活発な御議論をありがとうございました。