2022年3月23日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年3月23日(水)18:00~

出席者

出席委員(19名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(2名)五十音順

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 このたびの医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まず、本日のウェブ会議におけます委員の出席状況でございますが、小崎委員、登美委員より御欠席との御連絡をいただいております。島田委員、松下委員が遅れて御参加されるかと思います。
 したがいまして、現時点で、当部会委員数21名のうち17名の委員がこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 こんばんは。清田です。それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から資料の確認を行ってください。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として資料No.1-1から資料No.3を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○清田部会長 本日は、その他事項3議題となっております。
 それでは、その他事項の議題1に移ります。議題1につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題1、資料No.1-1及び1-2について、医薬品コミナティ筋注の12歳から17歳における追加接種について、事務局より御説明いたします。
 まず、資料No.1-1「コミナティ筋注の12-17歳に対する追加接種の状況等について」のファイルをお開きください。
 1ページの「1.経緯」を御覧ください。コミナティは、2021年2月に本邦で承認され、現時点で12歳以上が初回免疫の接種対象とされております。また、2021年11月には追加免疫の用法・用量が承認され、その際、接種対象が18歳以上とされました。
 一方、イスラエルなど海外の一部の国又は地域で、12歳以上で追加接種が行われており、米国では2022年1月に、欧州では2022年2月に12歳以上へと接種対象年齢が拡大されています。
 本邦での12歳から17歳における追加接種について、海外の安全性報告や文献報告に基づき検討いたしました。
 後段の「2.諸外国における有効性・安全性に係る研究結果等」の「2.1 イスラエル保健省における製造販売後安全性データ(2021年12月15日時点)」を御覧ください。
 先ほど申し上げたとおり、イスラエルでは先行して12歳以上での追加接種が始まっておりまして、イスラエル保健省によって収集された接種後の症状が自発報告として収集され、イスラエル保健省が指定した心筋炎等の有害事象は全例報告することとされております。12歳から15歳の者における追加接種後の有害事象の報告件数は表1のとおりであり、2021年12月15日時点で6,346人がコミナティの3回目接種を受けたと報告されているところ、有害事象の報告は当該時点ではなされておりません。
 また、性別・年齢区分別の1回目接種から3回目接種までの接種後心筋炎の報告は、表2のとおりです。12歳から15歳において、3回目接種後の報告はなされておりませんが、1回目、2回目接種後にそれ以上の年代より特別多く発生しているという状況にはなっておりません。
 次に、「2.2 米国における市販後安全性に関する報告」を御覧ください。
 米国では、予防接種後の安全性監視システムであるv-safe及びVAERSに接種後の安全性が報告されており、本報告では2021年12月9日から2022年2月20日までに報告されたデータに基づき、コミナティの追加接種を受けた12歳から17歳の者における安全性が取りまとめられています。
 v-safeは、新型コロナワクチンの被接種者が接種後の健康状態をスマートフォンで登録するシステムであり、v-safeを通して調査期間中に12歳から17歳の3,418件の報告がありました。結果は表3のとおりであり、局所反応の報告は2回目接種後よりも追加接種後でわずかに高く、全身反応の報告は2回目接種後と追加接種後で同程度であったと報告されています。また、ほとんどの事象は軽度又は中等度で、接種翌日に報告されています。
 VAERSには、12歳から17歳の追加接種を受けた者において914件の有害事象の報告がなされました。報告事象は表4のとおりであり、死亡例は報告されていません。心筋炎は64件、うち重篤は47件報告がありました。このうち、32件が心筋炎と確定され、全て男性でした。27件は入院となっており、2022年2月20日時点で全員が退院し、転帰は回復18件、軽快が9件でした。12歳から17歳の男性の追加接種後の心筋炎の報告率は、100万接種当たりで11.4件と推定され、2回目接種後の報告率より低かったと報告されています。
 著者らは、本研究において得られた情報において、12歳から17歳の者に対するコミナティの追加接種における安全性は、この年齢層に対する初回免疫で確認されている安全性の知見とおおむね同様であることや、12歳から17歳の年齢層における心筋炎の報告率は2回目接種後より追加接種後で低かったこと等を述べています。
 次に、「2.3 米国における市販後有効性に関する報告」を御覧ください。
 米国において、5歳から17歳の者に対するコミナティの初回免疫又は追加接種(3回目接種)の有効性について検討することを目的としたテストネガティブデザインの症例対照研究が実施されております。本研究の対象者は、2021年4月9日から2022年1月29日までに、米国の10の州においてCOVID-19様症状を呈し、救急部門若しくは緊急医療部門の受診又は入院が対象とされています。ワクチン有効率は多変量ロジスティック回帰モデルによって得られたオッズ比から算出されています。変異株の優勢期は研究実施機関が所在する州のサーベイランスデータから判断されています。
 12歳以上の結果をまとめたものが表5です。デルタ株又はオミクロン株優勢期において、救急部門若しくは緊急医療部門の受診に至ったSARS-CoV-2検査陽性のCOVID-19に対するワクチン有効率は、12歳から15歳及び16歳から17歳において、2回目接種後14日から149日までの値より、2回目接種後150日以降には顕著に低下していました。
 また、12歳から15歳では3回目接種後のワクチン有効率は算出されておりませんが、16歳から17歳において3回目接種後7日以降には予防効果の上昇が見られました。
 変異株の優勢期別(デルタ株優勢期、オミクロン株優勢期別)の解析結果においては、特にオミクロン株優勢期において2回目接種後のワクチン有効率が低かったものの、3回目接種により上昇しています。入院に至ったSARS-CoV-2検査陽性のCOVID-19に対するワクチン有効率は、2回目接種後14日から149日と比べて、2回目接種後150日以降には値としてはやや低下しておりました。
 次に、資料No.1-2「コミナティ筋注の12-17歳における追加接種の対応について」を御覧ください。
 資料No.1-1で御説明したとおり、現在、追加接種の対象者は18歳以上とされておりますが、初回免疫の対象者は12歳以上とされており、既に12歳から17歳で6か月を経過する者が出始めております。また、成人と同様に、12歳から17歳においても初回免疫後の経時的な予防効果の低下や追加接種による予防効果の回復が報告されています。
 現状を踏まえた対応案ですが、現在得られている海外における有効性に係る報告を踏まえると、現在オミクロン株の流行などの話もある中で、12歳から17歳でも追加接種を行う意義があり、また、接種状況や安全性に係る報告を踏まえると、特段の懸念は生じていないと考えられることから、コミナティ筋注の添付文書の「7.2 追加免疫」の接種対象者を「18歳以上の者」から「12歳以上の者」に変更することを考えております。
 以上、御報告となりますが、御確認をお願いいたします。御意見等ございましたらいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等がございましたらお願いいたします。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 中野先生、先生のお立場から何か御意見がございましたらどうぞ。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
 確認事項でございますけれども、オミクロン株その他、変異ウイルスに対してはまだ世の中で新しいウイルスが出てきつつある。そのデータがそろってきつつあるところなので、有効性に関しては、最終的な効果に関してはもっと先になるだろうと私は理解しております。
 あとは、安全性に関しましては、成人で若年者に特有の、特に男性の2回目接種で頻度が高いわけでございますが、心筋炎という重篤な副反応として挙げられる一つの注意すべきことがあるわけですけれども、現状では2回目に比べて3回目の方が頻度が高いということはないですし、年齢的にも12歳から17歳と18歳以上を比べて、12歳から17歳で頻度が特に追加接種で高いというわけでもないので、諸外国の現状での対応も踏まえて、この年齢の接種を可能とする。ただ、有効性に関しても安全性に関しても引き続き様々なデータを収集していく。このような理解でよろしいでしょうか。
○事務局 事務局からお答えいたします。先生の御指摘のとおりかと思います。安全性については逐次情報を収集して、別の審議会でモニタリング等をしておりますが、有効性についても世界的にも情報収集がなされておりまして、若年層については接種を開始したタイミングなどからこういった研究結果が今出ているという状況ですが、18歳以上も含めたらもう少しいろいろな変異株に対する予防効果も含めて出ておりまして、そちらの方が充足しておりますが、こういった12歳から17歳のデータについても追って様々出てくるのではないかと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。今回は薬事承認の審議だと思いますので、12歳から17歳でも恐らく新型コロナが重症化する、例えば基礎疾患をお持ちの方とか、そういう方々に追加接種を行うことによって、それを防ぎ得るケースもあるのではないかということで、接種の機会の確保という観点からも年齢幅を拡大すると私自身は今理解しております。それでよろしいでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりです。皆さん十分に御承知おきのところですけれども、現在、新型コロナワクチンについては、予防接種法上の臨時接種として行われていますので、この年齢幅に追加接種を拡大するかといったことについては、そちらの審議会でまた別途御議論いただくものとなります。
○中野委員 ありがとうございます。よく理解できました。
○清田部会長 中野先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ないようでございますので、本議題につきましては御確認いただいたものといたします。
 続きまして、その他事項議題2に移ります。議題2につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、医薬品ベクルリー点滴静注用100mgについて御説明させていただきます。
 資料No.2-1を御覧いただけますでしょうか。「レムデシビルの添付文書改訂(軽症者向け)について」ということで御説明させていただきます。
 まず、背景ですが、レムデシビルにつきましては、令和2年5月7日にSARS-CoV-2による感染症を効能・効果として特例承認がなされております。この際の投与対象者は、効能・効果関連注意において、酸素吸入を要する者など、主に中等症II以上に相当する患者とされておりました。
 その後、令和3年1月7日にはその時点までに得られていた臨床成績等を踏まえまして、投与対象者を肺炎を有する患者(中等症Iに相当する)に拡大する添付文書改訂が行われております。
 今般、ギリアド社が実施していた外来患者向けの臨床試験の成績を踏まえまして、重症化リスク因子を有する軽症者を投与対象者として追加する添付文書改訂が令和4年3月18日に既に行われておりますので、その内容を御報告させていただくものです。
 2ポツ目に改訂の内容について概要を記載しておりますが、(1)内容についてということで、効能・効果関連注意において、「酸素投与を要しない患者であって、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要であると考えられる患者」を投与対象として追加する改訂を行っております。この記載ぶりは、既に御審議いただいたモルヌピラビルやパキロビッドなど、他の抗ウイルス薬と同様の記載となっております。
 その上で、用法・用量関連注意において、こういった患者さんについては3日間投与であることを記載する予定です。もともとこのベクルリーの中等症I以上の方は5日間投与を基本として最大10日までとなっておりましたが、軽症者向けについては臨床試験の成績も踏まえて3日間投与とされております。
 そのほか、この剤の添付文書の記載整備を資料No.2-2の新旧対照表のとおり別途改訂もしております。
 臨床成績についてですが、(2)に記載しておりますが、重症化リスク因子を有する非入院の患者562例を対象として実施した海外第III相試験におきまして、主要評価項目とされた28日目までの入院又は死亡の発現割合はこちらの表のとおりで、統計学的な有意差が認められました。
 表の中に記載していますが、レムデシビル群としては279例、プラセボ群は283例ですが、入院又は死亡の割合として、レムデシビル群では2例(0.7%)、プラセボ群では15例(5.3%)であり、これらのイベントの発現の低下率としては87%であったという結果でございます。なお、このうち、死亡はございませんでしたので、イベントとしては全て入院となっております。
 臨床試験の成績の詳細につきましても、資料No.2-3の添付文書の臨床成績の項のとおりですので、別途御確認いただければと思います。
 なお、最後の(参考)に記載しておりますが、本剤の軽症者向けの投与については、令和4年1月27日付けの新型コロナウイルス感染症の診療の手引(第6.2版)において既に追記されており、医療現場におきましてはこういった記載に基づいて一部使用されていると承知しております。
 以上でございます。御議論のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御質問がございましたらお願いいたします。
 大曲先生、先生のお立場から何か御意見がございましたらお願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
 背景といいますか、幾つかあって、やはりこの適用拡大は非常に大事ではないかと思っています。いろいろとあった中で、特に第6波の対応の中で、重症化をいかに予防するのかというところが非常に重要な課題となりました。現状ですと抗体製剤を使う、あるいはこの場でも御議論のあった内服薬を使うというところがあるわけなのですけれども、要は、抗体製剤は流行する株とのかみ合わせの問題があります。今回もソトロビマブしか現実には使いにくいという状況がありまして、供給に関してもいろいろと厳しい状況もありました。内服薬に関しても同様で、供給の問題もありますし、現実には飲めないような方もいらっしゃいます。内服ができないとかです。
 実際に重症化予防に使えるオプションが極めて少ないとか限られた状況があるという中でどうするのかというのは、実は臨床現場とか学会等ですごく議論になりました。その中で、昨年の12月だったと記憶しておりますが、たしかNew England Journalにハイリスク者に対する3日間の投与でのRCTがあって、それで重大なアウトカムや死亡、入院のリスクが下げられるということが出てきたというところでした。それも現場の対応としてやっていくにはこの知見を取り入れてやるしかないということで、今回の手引に記載が載ったと理解をしています。今回、結果的には適用拡大ということになりましたので、保険適用も得られて、我々としては投与できるようになったという状況がありました。参考になるかどうか分かりませんが、背景であります。
○清田部会長 ありがとうございます。宮川先生、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。投与時期について、大曲先生にお聞きしたいのですが、これは感染後速やかにという意味合いでよろしいのでしょうか。何日間というわけではなくて、速やかにという形でよろしいでしょうか。
○大曲委員 宮川先生、僕はその方がいいと思っております。うまく説明できるかどうか分からないのですが、恐らく発症からそれほど時間がたっていなくて、臨床的な状態も呼吸不全等が起きていなければ、要は重症化の予防という形で治療を行う、このお薬を投与するということになると思います。ただ、仮に3日を過ぎた場合あるいは5日過ぎた場合はどうなるかと言いますと、現実にはそこから進行して呼吸不全が出ているような方もいらっしゃいますので、結果的にはレムデシビルを使うということになるのだと思います。
 ですので、厳密に書き分けをしてもいいのかもしれないのですが、ある程度発症からの日数が3日を超えたりしても、現実的にレムデシビルが使われるということを考えると、細かく書き分ける必要はないのではなかろうかと思いました。うまく伝えられているかどうか分かりません。すみません。
○宮川委員 ありがとうございます。
○清田部会長 ほかの先生方からよろしいでしょうか。島田先生、どうぞ。
○島田委員 島田です。レムデシビルは発症後速やかにというお話を今いただいていると思うのですけれども、一方で、要は、抗体製剤のときもそうだったのですけれども、モルヌピラビルやパキロビッドなどは発症後5日目までという形で一応の制限があったかと思うのです。だから、それとこの薬剤との整合性はどう考えたらいいのかなというのははっきりしておいたほうがいいかなと思ったのです。
○清田部会長 では、事務局から。
○事務局 事務局でございます。御議論いただいているのは、添付文書の用法・用量関連注意の7.2で、本剤については「SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始し」という表現にしてございまして、特に何日目以降のデータがないとか、そういった記載がないという状況になっております。
 島田委員からの御指摘は、他の抗ウイルス薬においては何日目以降についてはという記載があったということとの対比と理解しておりますが、本剤については、他の抗ウイルス薬と異なりまして、中等症II以上の患者さん、入院されている患者さんも投与対象になっているということも踏まえまして、添付文書上の記載としては丸めたといいますか、総括的にこういった記載にはしておりますが、臨床成績の項などを御覧いただきますと、臨床試験においての組入れ基準として何日目以降、本剤については7日目以内だったかと思いますが、何日以内に症状が発症した方が組み入れられていたかという情報がございますので、そういったことも御覧いただいて、医療現場において判断いただくのがよいかなと思っております。
 機構からもし補足があればお願いできればと思います。
○清田部会長 機構、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 御説明ありがとうございます。先ほど御説明いただいたとおりに我々としても考えていました。
○清田部会長 島田先生、いかがですか。
○島田委員 おっしゃりたいことは分かるのですけれども、このベクルリー、レムデシビルは重症化のみに使うというところで、とにかくCOVID-19に対しての初めてのお薬ということで、特に重症化した後に使うというような制限が最初はあったのです。だけれども、それはある程度は確かに効くけれども、効き方が非常に弱かったということで、WHOなども推奨しないなんていうことを言っていたりするのです。
 それで、やはり抗ウイルス剤ですから、要するに、ウイルスが増殖するときに効くというわけで、本当を言うとほかの薬と似ているわけです。だから、これは本当はもともと早期に使うべき薬だったと私は思っていて、ほかの薬剤は全て何か文言が入っているというところなのだけれども、レムデシビルだけは最初に認められた経過がレートステージというか、要は、非常に重症のときに使うというのがあるからいつでもいいのだみたいな形で、比較的今回は「速やかに」を入れたからいいのだという話があるのですけれども、開発の経緯があるから、そういうのはある程度分かるのだけれども、要は、作用機序からいってもこの薬などは早期に使うのが一番いいのではないかなと私も思うし、今回のこの改訂案もそれに沿った方向なので、非常にいいとは思うのですけれども、ほかの薬との整合性が取れなくなってしまったかなと思っているだけです。
○清田部会長 ありがとうございました。そういう御意見は承っておくということでよろしいですか。
○事務局 御承知のとおり、速やかに投与という記載をさせていただいておりますので、各薬剤の添付文書の整合性については今後も留意しながら審査を進めていくように機構とも共有したいと思います。
○清田部会長 ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本議題については御確認いただいたものといたします。
 続きまして、その他事項3に移ります。議題3につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から御説明いたします。こちらにつきましては、先日3月3日に御審議いただきました生物学的製剤基準の改正についての補足的説明となります。
 当日、沈降B型肝炎ワクチンについて、異常毒性否定試験という項目の記載が2か所にございましたけれども、1か所のみの記載となっておりまして、こちらについて、特定の生物学的製剤基準の各条から異常毒性否定試験を削除するという趣旨でしたので、一つ記載が漏れておりましたので、告示の改正については、この沈降B型肝炎ワクチンについては2か所から削除するという形で進めさせていただければと思っております。資料に不備があり、大変申し訳ありませんでした。説明は以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。先生方からの御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本議題につきましては御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会については追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 では、その連絡をお待ちしております。
 それから、今日をもちまして濱委員が御退任になります。濱先生、どうぞ何か御挨拶をお願いできればと思います。
○濱委員 病院薬剤師として、3年ちょっとの間、貴重な経験をさせていただいてどうもありがとうございました。私は病院薬剤師をやってきましたが、薬害エイズの患者さんでもあります花井十伍先生が講演でよく話される、薬は不完全な商品であるという言葉がとても印象深く忘れられない言葉として頭の中に残っています。不完全な薬を少しでも安全に使うことが病院薬剤師の役割と考えて、これまでいろいろな仕事をしてきました。そういうことから、本部会の委員の話をいただいたときは、大変な役目と思いつつお受けしました。添付文書の記載や製剤の物性について病院薬剤師の立場から資料に目を通したつもりです。
 がん研を退任いたしましたので、当部会につきましても退任させていただきたいと思います。大変勉強させていただきました。ありがとうございました。
○清田部会長 本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。お疲れさまでした。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)