2022年2月7日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

日時

令和4年2月7日(月)13:30~

出席者

出席委員(16名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理 

欠席委員(2名)五十音順

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  関野秀人(医療機器審査管理課長)
  •  高畑正浩(医療機器審査管理課再生医療等製品審査管理室長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
  •  伯野春彦(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他

議事

○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の関野でございます。定刻を過ぎまして申し訳ございませんでした。ただいまから本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を始めたいと思います。先生方におかれましては、御多忙の中御出席いただきまして、また、週のはじめ月曜日のお忙しい中、御対応いただきましてありがとうございます。
 本日の部会は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、基本Webでの開催とさせていただいております。一方、宮川先生におかれましては、事務局の会場の方にお越しいただいております。まず、出欠状況ですけれども、現時点であらかじめ欠席との連絡を頂いておりますのが、筒井先生、中岡先生のお二人でございます。小牧先生からは、遅れての到着との連絡を頂いております。佐藤陽治先生は、ただいま入られました。そうしますと、本部会の委員は18名で構成しておりますが、そのうち15名の先生に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを報告させていただきます。
 続いて、議事に先立ちまして、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。薬事分科会規程第11条において、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の先生方より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので報告いたします。委員の先生方におかれましては、部会開催の都度、書面を御提出いただいておりまして御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。続いて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2以降の議題については希少疾病用再生医療等製品としての指定等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。あらかじめ郵送にてお送りした資料のうち、資料1、資料2、資料3を用いますので御用意ください。このほか、当日資料として、競合品目・競合企業リストを画面上で共有させていただきます。
 次に、Web会議を開催するにあたり、注意事項を御説明いたします。審議中はマイクミュート、通信環境等支障がない限りカメラオンでお願いいたします。御発言の際は、画面右下の顔のマークのアイコンをクリックして、手のマークを押して挙手していただき、部会長から指名された後に、マイクミュートを解除し、お名前をおっしゃっていただいた後に御発言いただきますようお願いします。また、接続トラブルが発生した場合は、チャット欄を御利用いただくか、事前にお送りしました事務局連絡先まで御一報いただければと思います。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上になりますが、ここまでのこちらからの音声等につきまして、何か先生方の方で支障のある方はいらっしゃいますか、声は届いていますでしょうか。大丈夫そうですので、以降の進行につきまして、合田部会長、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 国立衛研の合田です。これから議事を進行させていただきます。まず、今までの事務局の御説明のところで、特に気になるところはございますか、よろしいですか。それでは、これから議題に入ります。まず、公開案件です。議題1「次世代再生医療等製品評価指標について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 議題1、資料番号1、次世代再生医療等製品評価指標について、事務局より御報告いたします。資料1を御覧ください。厚生労働省では、医療ニーズが高く、最先端の技術を使った医療機器の開発促進を目的として、平成17年より次世代医療機器評価指標検討会を設置し、毎年2~4テーマほどを選定してワーキンググループを立ち上げ、早期に開発が見込まれる医療機器や再生医療等製品に着目して、それらを承認審査する場合に評価すべき点を検討し、これまでに資料3ページの39評価指標を公表してまいりました。
 開発者と規制当局側が同じ指標を共有することで治験相談等での議論が容易となることに加え、開発者の申請資料作成効率化に資することができ、承認前例のない品目であっても規制当局側におけるスムーズな審査をもたらすものと期待されます。
 今回、御報告する評価指標は、ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞加工製品、ヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞加工製品、及びヒト(自己)末梢血CD34陽性細胞加工製品を用いた非代償性肝硬変の治療に関する評価指標(案)です。
 令和2年度にワーキンググループにおいて評価指標案を検討策定後、昨年11月から12月にかけてパブリックコメントを募集したものが、お手元の4ページ以降の資料となります。
 本評価指標の策定に至った背景ですが、進行した肝硬変に対しては肝移植が治療として知られているものの、ドナーから提供を受けられる機会が限定されていることから、新たな治療法の開発が期待されているところですが、現在、ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞、ヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞、及びヒト(自己)末梢血CD34陽性細胞を用いた肝硬変治療の実用化に向けた開発が進んでおり、新たな評価指標が必要と考えられました。ヒト由来の体性幹細胞を加工した製品の品質及び安全性を確保するための基本的な技術要件は、平成24年9月7日付け薬食発0907第2号厚生労働省医薬食品局長通知「ヒト(自己)体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」及び平成24年9月7日付け薬食発0907第3号厚生労働省医薬食品局長通知「ヒト(同種)体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」に定められています。本評価指標では、これらの基本的な技術要件に加えて、品質、有効性及び安全性の評価にあたって留意すべき事項を策定しました。三つの細胞それぞれに異なる特徴があることから、独立した三つの評価指標として作成しております。
 資料4ページの「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞加工製品の評価指標」を御覧ください。「1.はじめに」「2.本評価指標の対象」「3.本評価指標の位置づけ」では、本評価指標の概要と位置づけについて説明しています。「4.用語の定義」では、本評価指標の対象疾患である肝硬変や原料となる細胞に関連する用語の定義づけを行い、明確化しています。ここまでの内容は、三つの評価指標でほとんど共通しております。
 6ページ以降の「5.評価にあたって留意すべき事項」では、製品の製造工程、品質管理、安定性試験、非臨床試験、臨床試験などにおける留意事項を示しており、必要に応じて三つの製品それぞれの特徴を踏まえた記載となっております。
 (1)原料等では、原料、材料、原材料の管理項目を設定する際の留意事項を示しています。マル1ドナーの選択基準、適格性については、自己製品の場合はドナーがレシピエントとなるためドナースクリーニングを必須とはしていませんが、クロスコンタミネーション防止や製造者の安全対策の観点から、B型肝炎などの検査の実施を考慮する旨を記載しています。
 7ページの(2)製造工程において特に注意が必要な事項では、採取した間葉系幹細胞を含む骨髄組織液の製造所への受入検査、細菌、真菌及びウイルス等の不活化・除去、製造工程中の取り違え及びクロスコンタミネーション防止対策における留意点を示しています。
 (3)製品の品質管理では、品質管理上確認すべき項目と、その方法について示しています。
 9ページの(4)製品の安定性試験では、特に凍結保管や解凍を行う場合の安定性における留意事項や、出発原料及び最終製品を運搬する際に安定性を担保するための留意事項を示しています。
 (5)非臨床試験では、非臨床安全性試験を検討する際の留意事項を示しています。
 10ページの(6)臨床試験では、臨床試験における対象患者や有効性、安全性評価の考え方について示しています。本製品の臨床試験における対象患者の考え方として、11、12ページのマル2対象疾患において、基本的な治療介入が行われたにもかかわらず、一定期間、肝硬変の機能評価であるChild-Pughスコアが7点以上の状態が持続する患者を対象とする旨を記載しています。12ページのマル3臨床有効性評価では、有効性評価における留意点を示しており、13ページのイ.臨床有効性評価のとおり、評価のポイントとなる項目を提示しています。14ページのウ.安全性評価では、製品適用時から観察終了時期まで確認すべき安全性の事項や投与方法に応じた注意点を示しています。
 次に、16ページを御覧ください。「ヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞加工製品の評価指標」です。先ほども申し上げたとおり、1.~4.までは他の評価指標とほとんど共通ですので、18ページ以降を御覧ください。先ほどの骨髄由来間葉系幹細胞は自己製品でしたが、こちらは同種製品のため、若干異なる箇所があります。例えば、「5.評価にあたって留意すべき事項」の(1)原料等のマル1ドナーの選択基準、適格性については、ドナースクリーニングを必須としており、特にB型肝炎ウイルスについては既感染についても確認することが望ましい旨を記載しています。また、マル2でドナーに関する記録を求めています。19ページの(2)製造工程において特に注意が必要な事項では、ロット構成とロット内容について規定することや、細胞のバンク化についての記載を含めています。少し飛びますが、27ページの(6)臨床試験のウ.安全性の評価では、同種細胞のため、潜在的なウイルス感染やGVHDなどの発症のリスクについて観察することを記載しています。
 続いて、29ページを御覧ください。「ヒト(自己)末梢血CD34陽性細胞加工製品の評価指標」です。31ページ以降の「5.評価にあたって留意すべき事項」を御覧ください。こちらも項目の構成は、骨髄由来間葉系幹細胞と同様ですが、ヒト(自己)末梢血CD34陽性細胞の特性を踏まえた記載としては、例えば31、32ページの(2)製造工程において特に注意が必要な事項で、末梢血CD34陽性細胞の分離に用いる磁気細胞分離システムの専用品の使用期限の確認や、外観の確認を行うことを記載しています。また、32、33ページの(3)製品の品質管理では、間葉系幹細胞製品ではマイコプラズマ否定試験、製造工程由来不純物試験を記載していますが、CD34陽性細胞の場合は非培養のため、これら試験の記載はありません。36ページの一番下の(6)臨床試験のマル2対象疾患の項の中で、対象患者の組入れにあたり、a)幹細胞採取や、b)CD34陽性細胞投与に伴う血管再生に関する有害事象のハイリスク患者の除外を考慮する旨を記載しています。
 御説明は以上になります。なお、本評価指標案は、通知として、近日中に公表の予定です。
○合田部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見等はございますか。荒戸先生、お願いします。
○荒戸委員 確認させていただきたいことがあります。今までの再生医療の評価指標の場合、細胞のソースというか、今回のように骨髄由来とか、脂肪組織由来というところを強調して作成していなかったように思います。特に間葉系幹細胞では由来を規定していなかったと思うのですが、今回由来を規定した書き方にされた理由を教えていただきたいと思います。と申しますのは、今の御説明にもありましたとおり、自己と同種では注意点がかなり違っていると思うのですけれども、今回書いてある内容で骨髄由来と脂肪組織由来で違っているところがなかなか見付けられませんでした。その一方で、規格試験で、例えば21ページの同種細胞の方の性能試験や特性試験に、核型が入っているのに、骨髄の方には入っていなかったり、細胞形態の確認をするときの顕微鏡の事例が違っていたりして、この点、細かいのですけれども、どういう考え方で書き分けているのか教えていただきたく思いました。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。事務局、対応できますか。
○事務局 この評価指標を策定するワーキンググループの中で、その製品ごとに評価にあたって留意すべき事項が異なるので、それぞれを一括した包括的なものとしてしまうと、どこを見て評価すべきかというところが確認しづらく、製品ごとに評価すべきポイントを別々に示すほうが有用ではないかという意見がありまして、別々に策定することになったという経緯があります。
○合田部会長 多分、経緯は最初から説明されているのだけれども、全体として、それぞれの作られた人が同じメンバーで作っているわけではないのですよね。それで、その中でメンバーの人たちが、それぞれ重要だと思ったものをこれに入れたというような感じで、少し書き方が違うということの理解でよろしいですか。荒戸先生の御指摘は、かなり細かいところだと思いましたけれども。
○事務局 今、合田部会長がおっしゃったとおりです。
○合田部会長 多分、中身として書き分けることについては、それの方が実際にはいろいろこれからたくさん出ていく中で、いいのかなと思って私は聞いていたのですけれども、そこから先は文字面の問題とか、そのような形なので、そろえられればそれに越したことはないかもしれないのですが、そこまで気にしなくてもいいのかなというぐらいには思いましたけれども。私は実際に作成に参加していないので、この中で作成に参加された先生はいらっしゃいますか。佐藤先生は。
○佐藤(陽)委員 国衛研の佐藤です。実は、私は評価指標の事務局を担当しておりまして、執筆の経緯とかも存じ上げているのですけれども、先ほど厚労省の事務局から御説明がありましたように、原案を作った先生方というのは、要するに、その道の専門の方々なのですね。ですので、その道の専門の方々が、その領域で一般的に使われているような手法について記載していただいているというところで、ある程度の凸凹が出てしまうのはしようがないのかなと感じております。以上です。
○合田部会長 荒戸先生、よろしいですか。
○荒戸委員 経緯とか、出来上がったものの細かい違いはおいておいて、私の素朴な疑問は、骨髄由来と脂肪細胞由来での違いが、両者を見ていて余りないような気がするので、単に間葉系幹細胞では駄目なのか、そのほうが汎用性がいいのではないかなと思ったわけです。もちろん自己と同種は、バンクの管理とか、安全性とかが違ってくるので、そこは書き分ける必要があるのですけれども、由来を絞っている点がちょっと気になりました。この指標自体が悪いというわけではないのですけれども、立て付けがよく分からないなと思った次第です。あわせて、ちょっと記載が違うところがあるので、そこは記載整備ですので、直していただいたほうがいいのかなと思いました。以上です。
○合田部会長 佐藤先生、何かありますか。
○佐藤(陽)委員 この指標作成事業の趣旨は、実用化が間近に控えていて承認申請も出てきそうだというような新しいタイプの品目について、その審査の現場で活用していただくために、具体的に開発の動向を見据えながら、そうした品目のどういったところに着目して審査をしていったら良いのかを示すガイダンスを作ろうというものです。
 要するに、どのようなものの治験が具体的に進行しているかとか、審査が進行しているかなどを見据えた上で作成しているものですので、どうしても、ある特定の、例えば原料のソースなどに偏ってしまうことがあり得てしまうのです。その辺は御理解いただきたいと存じます。確かに、一般的なことを書くということも大事なのですが、そういったことにつきましては、このガイドラインを基に、あるいは審査経験をもとに、規制側と申請者の間で議論していただくという形に将来的にはなるのではないかと存じます。以上です。
○合田部会長 細かい文字の訂正うんぬんという部分はどうしますか、荒戸先生に具体的に御指摘いただければ、多分そこは触れるのではないかとは思いますが。
○荒戸委員 記載の方は先ほど申し上げたとおり、20、21ページの試験項目というか、試験、品質管理に関する内容が骨髄と脂肪細胞では少しだけ違うので、合わせておいたほうが分かりやすいのかなと思った次第です。間違っていないとは思うのですが。
○合田部会長 これは事務局、対応は可能ですか。
○事務局 後ほど、齟齬がある部分がありましたら、そこを確認しまして、またフィードバックさせていただければと思います。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに何かございますか。荒戸先生、よろしいですか。
○荒戸委員 そういう経緯で決められたという以上、間違った内容ではないので、これで結構です。
○合田部会長 はい。楠岡先生、よろしくお願いします。
○楠岡部会長代理 楠岡です。私も同じような点が気になって、特に私としては、臨床試験と治験のところが気になって、三つを見比べたのですが、有効性の評価に関しては三つとも共通で、これは当然のことだと思います。安全性に関しては、やはり製品ごとに少しずつ違うところがあって、そこは書き分けられているので、一応、もとになるものが3通りあって、それぞれに関して臨床試験のところはきちんとうまく書き分けられているのではないかと感じております。以上です。
○合田部会長 楠岡先生、ありがとうございます。ほかによろしいですか。それでは、これで議題1を終了したいと思います。
 では、以後の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様は御退席くださいますようお願い申し上げます。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を開始いたします。事務局の方の準備が整いましたら、その旨をお伝えください。
○医療機器審査管理課長 準備が整いましたので、非公開案件をよろしくお願いいたします。
○合田部会長 では、再開いたします。事務局、よろしくお願いします。
○事務局 はい。冒頭、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。画面上の「競合品目・競合企業リスト等一覧」を御覧ください。1ページの「培養ヒト角膜内皮細胞」ですが、「水疱性角膜症」を予定される効能、効果又は性能としており、競合品目として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上、御報告いたします。
○合田部会長 ただいまの事務局の説明について、特段の御意見等はありますでしょうか。よろしいですか。
 はい、よろしいようですね。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、委員の皆様の御了承を得たものといたします。
 それでは、委員からの申し出状況についてお願いいたします。
○事務局 各委員からの申し出状況については、次のとおりです。委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議題1~議題3のいずれの議題についても、薬事分科会審議参加規程第12条「審議不参加の基準」に基づく、審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。また、薬事分科会審議参加規程第13条に基づく、議決に参加できない委員もいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○合田部会長 ただいまの事務局の説明について、御意見等はありますでしょうか。よろしいですね。
 それでは、これより議題に入ります。非公開案件の審議事項、議題2「培養ヒト角膜内皮細胞(CHCEC)を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」の審議に入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、資料番号2、培養ヒト角膜内皮細胞(CHCEC)を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について、事務局より御説明します。資料2に、機構の事前評価報告書がありますので、こちらを御覧ください。タブレットを御覧の方は、マイプライベートファイルの資料マル2の事前評価報告書を御覧ください。
 本品の名称は、「培養ヒト角膜内皮細胞(CHCEC)」、予定される効能・効果又は性能は「水疱性角膜症」、申請者は「合同会社コーニアジェン・ジャパン」です。
 水疱性角膜症は、様々な角膜内皮疾患や手術的外傷(眼手術)等によって角膜内皮障害が進行した結果、角膜内皮細胞密度が測定不能になるまで減少し、角膜透明性の維持が困難となることで、角膜の浮腫、混濁及び視力低下等に至る疾患です。
 本品は、ドナーから得られる角膜内皮細胞を培養した培養ヒト角膜内皮細胞(以下「CHCEC」という)の懸濁液であるヒト細胞加工製品です。眼の前房内に注入された後に角膜内皮細胞の欠損部位に接着及び伸展することで、角膜内皮細胞機能及び角膜透明性を回復させることが期待されます。
 希少疾病用再生医療等製品の指定要件への該当性について、順に説明いたします。
 1.対象者数についてです。水疱性角膜症の既存治療法は角膜移植であることから、角膜移植を実施した患者数及び角膜移植の待機患者数のうち、水疱性角膜症が占める割合を用いて患者数を推定すると、年間1,100~2,913人です。
 2ページ、角膜移植が実施された水疱性角膜症の原因の67.8%が白内障手術又はレーザー虹彩切開術の術後障害であるとの全国調査の結果を踏まえ、白内障手術又はレーザー虹彩切開術の手術後に水疱性角膜症を発症する患者数から算出すると、年間7,642人となります。
 以上より、本邦における対象患者数は、希少疾病用再生医療等製品の指定基準である5万人未満であり、条件を満たしています。
 次に、2.医療上の必要性について、御説明いたします。水疱性角膜症の既存治療はドナー角膜を用いた角膜移植のみです。しかしながら、ドナー角膜が不足していること、角膜移植は侵襲性が高いこと、手術後の鈍的外傷による角膜破裂や感染による失明リスクがあること、角膜移植後の長期的な角膜内皮細胞の維持が困難であること、などの問題点があり、水疱性角膜症に対する新たな治療の開発が望まれています。
 本品は、単一ドナーから得られた角膜内皮細胞を培養、増殖させることで製造され、多くの患者に提供が可能であること、低侵襲であるため患者負担を軽減でき、角膜破裂や術後感染リスク低減に繋がること、移植後の長期的な角膜内皮細胞の維持が期待できることから、本品の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に、3.開発の可能性について、御説明いたします。CHCECについて、現時点までに水疱性角膜症患者を対象として、一つの臨床試験と二つの医師主導治験が実施されております。本品の有効性及び安全性を検討することを目的とした非対照多施設共同医師主導治験では、主要評価項目として設定された本品の注入後24週目の角膜内皮細胞密度1,000/mm2以上の達成率は100%(12例中12例)でした。安全性については、本品の移植との因果関係が否定できない有害事象は5例において9件発現しましたが、いずれも軽度であり、拒絶反応、アレルギー反応、感染症及び腫瘍等の細胞移植に際し予期される有害事象は認められませんでした。
 以上の検討の結果より、水疱性角膜症に対する本品の開発の可能性はあると考えております。
 したがって、本品目は希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると判断しております。本品の希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について、御審議のほどお願いいたします。
○合田部会長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問、御意見等はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議決に入りたいと思います。培養ヒト角膜内皮細胞(CHCEC)については、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのように議決させていただきます。本件は分科会にて報告を行うこととします。これで議題2を終了いたします。
 続きまして、非公開案件、報告事項です。議題3「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認及び同第13条に基づく遺伝子組換え生物等の第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について」に入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、資料番号3について事務局から御報告いたします。
 カルタヘナ法では、ウイルスを含む遺伝子組換え生物を、治験等を目的として、特段の拡散防止措置を採らない開放系で使用する場合には、カルタヘナ法に基づいて承認された第一種使用規程を遵守する必要があります。また、医薬品や遺伝子治療用製品を製造するために遺伝子組換え生物等を用いる場合には、カルタヘナ法に基づく一定の拡散防止措置を採った閉鎖系で使用する必要があります。
 まずは、第一種使用規程の承認を行った品目について御報告いたします。1ページの一覧を御覧ください。前回の部会での報告以降で、令和3年11月から令和3年12月までに、第一種使用規程の承認を行った品目はこちらの2品目となります。機構での評価、学識経験者からの意見を踏まえ、本申請における第一種使用規程に従って本遺伝子組換え生物等の使用等を行う限り、生物多様性に影響が生じるおそれはないと判断したものです。
 続きまして、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について、御報告いたします。2ページの一覧を御覧ください。令和3年11月から令和3年12月までに、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目は、こちらの延べ9品目となります。これらについても、機構での評価、学識経験者からの意見を踏まえ、いずれの遺伝子組換え生物等についても、採られる拡散防止措置は適切であると判断したものです。第二種使用等をする者と品目名等の組合せが重複しているものがありますが、これらの重複は、複数の「第二種使用等をする場所」についての確認申請があり、各場所について拡散防止措置の確認を行ったため生じたものです。以上、報告いたします。
○合田部会長 ありがとうございました。本件について、委員の先生方から御質問、御意見等はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、これで議題3を終了いたします。本日の議題は以上です。事務局から連絡事項等はありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 関野です。本日も御議論いただきまして、ありがとうございました。事務局からは次回の日程に関する連絡のみですが、既に新年度の御予定をそれぞれ伺っておりまして、スケジュールの確保もいただいているところですが、部会の開催に関しての御案内は改めてさせていただきますので、引き続きの御対応をよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、これをもちまして、本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会いたします。本日はありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 高畑(内線4226)