第2回感染症危機対応医薬品等の利用可能性確保に関する検討会(議事概要)

健康局結核感染症課

日時

令和4年1月27日(木)18:30~20:00

場所

オンライン

議題

(1)ヒアリング
 1.「感染症危機に対応できるワクチンの確保」についてのご発表(中野貴司構成員)
 2.「パンデミックへの備えとしてのワクチン基盤技術」についてのご発表(福島晃久参考人)
 3.「 ワクチンから考える重点感染症 」についてのご発表( 石井健参考人)
 4.「重点感染症の指定に関連する事項」についてのご発表(氏家無限構成員)
(2)重点感染症の イメージと考え方 について
(3)その他
 

議事概要

議事概要
 
■出席者
岩本構成員(AMED)、大曲構成員、氏家構成員(NCGM)、岡田構成員(PDMA)、釜萢構成員(日本医師会)、齋藤構成員(国立感染症研究所)、柴田構成員(国立がん研究センター)、舘田構成員(東邦大学)、中野構成員(川崎医科大学)、蛭田構成員(熊本保健科学大学)、加來参考人(防衛医科大学校)、石井参考人(東京大学)、福島参考人(日本製薬工業協会)
 

■ワクチンの基盤技術について
今回のコロナの経験でmRNAワクチンが出てきたことは非常に大きな意味がある。
mRNAだけで全部できる訳ではないが、複数の病原体に迅速に適用可能であるため、mRNAワクチンを作る基盤は不可欠である。
(日本でmRNAワクチン開発が遅れたことについて)技術基盤が確立されているかどうかや、感染症は企業が積極的に研究開発を行う分野ではないために平時からの政府の支援のかどうかも要因なのではないか。また、平時の準備としての有効な技術の把握や人材育成も重要ではないか。

■重点感染症のイメージと考え方について
判断基準として、「重症度、致死率」には疑問がある。当初、ウイルス性出血熱を中心に考えていたが、新型コロナはそれらと比較すると致死率は高くなかった。分類基準として、伝播性、予見性、社会的影響は非常に重要である。
Disease Xという名称について、何かわからないものが次に来ると言うと、国民に不安を与えるのではないか。グループAとBはどのように分けるのか。
今まで、患者数が少ない感染症(MERS等)では、現実的に日本で研究開発は進まなかった。グループBは、(グループA で必要となる医薬品等開発の)プラットフォームを作る役割とする考え方は重要である。
治験薬の製造は海外の外部委託であり、原材料が手に入らなかった。逆算して、何が必要なのか、アベイラビリティーを考える必要がある。
医薬品、診断薬、ワクチンについては、現在の開発状況や入手可能性等のデータがないと、優先順位の議論が難しい。
重点感染症は、ワクチンの有無、致死率といった論点で議論するか、CEPI、WHO、UK、US とアライアンスを組んで、そこで何を担当するかという議論を切り分けてすると良い。
ある程度のランダム性、奇想天外なことが起こりうるという視点で、重要なものに対応可能にしておくことは必要。現実的な対応は難しいが、考え方を残しておくべき。

■個別の疾患(病原体)に関する議論
エンテロウイルス(D68)についてもここ数年問題になっており、グループA と考えられる。
EV71、D68は、事務局案ではグループBではないか。A とB どちらに入るのか立場によって評価が異なる。アカデミアの研究としてmRNAワクチンではできないのか。
グループC、Dのグループ分けは納得する。
(グループCの)AMRは重要であるが、パンデミックポテンシャルがある病原菌と一緒に論じるべきなのか。
パンデミックは数年程度の時間軸、AMRは何十年単位の問題であり、時間軸を含めて考える必要がある。
重点感染症の要件として、WHOでは生物兵器への応用可能性も含まれており、その観点からも検討する必要があるのではないか。
医薬品等の利用可能性の確保という議論なので、バイオテロまでは広げにくい。ワクチンだけでなく、治療、診断薬を含めた議論が必要ではないか。
SFTSのような地域的ニーズがあるものについてはどうするのか。また、日本でやるということをCEPI等に宣言して開発するのがよいのではないか。その方がグローバルな観点から貢献できる。

■その他のご意見
重点感染症として指定された後にどのような形で社会に還元されるのか、将来の予想図を踏まえて指定をしていくことが重要ではないか。
 
以上
 
 

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