第1回感染症危機対応医薬品等の利用可能性確保に関する検討会(議事概要)

健康局結核感染症課

日時

令和4年1月7日(金)17:00~18:30

場所

オンライン

議題

(1)「 健康危機と対応医薬品等 」についてのご発表 (齋藤智也委員)
(2)重点感染症の「考え方 (案 )」及び「暫定リスト (案 )」 の 作成 について
(3)その他

 

議事概要

議事概要

■出席者
岩本構成員(AMED)、大曲構成員、氏家構成員(NCGM)、岡田構成員(PDMA)、齋藤構成員(国立感染症研究所)、柴田構成員(国立がん研究センター)、舘田構成員(東邦大学)、中野構成員(川崎医科大学)、蛭田構成員(熊本保健科学大学)、安田構成員(長崎大学)、加來参考人(防衛医科大学校)、釜萢参考人(日本医師会)

 

■「重点感染症の考え方」及び「重点感染症リスト」についての議論

●重点感染症の分類の考え方については、概ね賛同できる。実際にリスト化する時の基準をどうするのか、検討する必要がある。

●重点感染症リストについては、病原体から考える方法と、病原体にとらわれず過去の事例を参考にシナリオ分析をすることも考えられる。インフルエンザ並みに広がって、エボラ並みに致死率が高いものが出てきたらどうするか、という想定も必要ではないか。

Disease Xを「予見可能性が低い」、と整理されていることに疑問もある。インフルエンザやコロナは(予見可能性はあるが)重点感染症の対象とすべきではないか。

●『失敗の本質』という書籍がある。不明確な目標を置くことを戒めた内容となっている。目的を予見可能性があるものに絞るべきではないか。

●(重点感染症とは)パンデミックの可能性がある感染症であって、AMRは重点感染症とは別途検討すべきではないか。

●国際機関等で指定されている優先疾患(病原体)を参考にする他、日本やアジアに特有の要件を加味する必要がある。

●既存の疾患をターゲットに(平時に)感染症危機対応医薬品等(MCM)の開発を進め、それを(有事に)Disease Xに転用するという考え方で進めるべきではないか。今回のコロナでも既存の技術の転用が役に立った。

 

■その他の議論

●モダリティに関してはmRNAワクチンを別格に考えるべきだろう。今後のパンデミックでは配列が先にわかることが多くなるだろう。核酸ワクチンを日本でも作れるようにすることが必要である。例えば麻しんや帯状疱疹(水痘)のワクチン等を日本でmRNAで作る環境整備をするなど。

●一方で、mRNAだけに頼らず不活化ワクチン、組換えワクチン等の免疫原性が高いものを利用することも念頭に置く必要がある。

●治験の迅速化についても、他の疾患の臨床開発の経験を応用・転用することも考える必要がある。

●開発の方法論の観点で、がん領域での治験のプラットフォーム試験はワクチンにも応用できるため、この仕組みを普段から転用可能にしておくことも考えられる。

●国内市場だけでなく、国際的な市場も踏まえた開発・生産体制にしていく必要がある 。 国内だけでは、それだけの規模の生産体制、技術を維持できない。

Disease X という目標に向かって、他の感染症からの転用、エコシステム的なものの必要性については意見が一致している。海外で莫大な投資をしている中で、日本はどのような設計図を描いて投資していくのか。更に検討する必要がある。

Disease Xという予見不能の目標設定が必要かどうかは、議論があるところ。危機対応としてはパンデミックを引き起こす蓋然性が高い感染症に向かって準備することに注力すべきではないか?

 

以上

 

照会先

健康局結核感染症課

代表 03-5253-1111(内線8027)