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第6回身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会議事録
日時
令和4年2月28日
場所
TKP市ヶ谷カンファレンスセンター
議題
第6回身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会
議題
- (1)訓練基準の見直しに係るワーキンググループにおける検討結果
- 検討状況報告
- 介助犬・聴導犬訓練基準の見直し(案)
- 介助犬・聴導犬認定要領の見直し(案)
- (2)身体障害者補助犬の普及啓発等
- (3)その他
議事
- 議事内容
- 〇大城補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第6回身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会」を開催いたします。皆様にはご多忙のところ本検討会にご出席いただきありがとうございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としましてWebでの開催となり、江藤座長と事務局は会場からの参加となります。続いて構成員の出席状況をご報告します。本日は慶應義塾大学の中野構成員からご欠席の連絡をいただいており、12名のご出席となります。また、本検討会のオブザーバーとして、警察庁交通局交通企画課より岸田様にご出席いただいております。次に、事務局を紹介いたします。企画課長補佐の平田です。自立支援振興室長の奥出です。福祉用具専門官の周藤です。社会参加活動支援係長の田中です。私は自立支援振興室長補佐の大城です。以上、よろしくお願い致します。続きまして、本検討会の取り扱いについてご説明いたします。本検討会の議事については公開とさせていただき、議事録については後日、厚生労働省のホームページに掲載することとしておりますので、ご承知おき願います。それでは、本日の議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。構成員の皆様には事前に資料をお送りさせていただいておりますが、資料は議事次第、資料1~5、参考資料は1~3になります。Web開催ですので、ミュート機能を設定していただき、ご発言される際は手を上げるというアイコンを画面に表示していただく、もしくは実際に挙手してお知らせ願います。それでは本題に入らせていただき、江藤座長に議事を進めていただきたいと思います。江藤座長、よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 それでは、議事次第に沿って進めさせていただきます。「議題1 訓練基準の見直しに係るワーキンググループにおける検討結果について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。
〇周藤専門官 資料のご説明をいたします。「資料1 身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会訓練基準の見直しに係る取りまとめ」をご覧ください。この資料は訓練基準のワーキンググループの議論を踏まえまして、訓練基準の修正を取りまとめた資料となります。訓練基準の見直しに係るワーキンググループはこれまで3回実施しまして、おもに「使用者ニーズの把握」、「利用者ごとの長期計画の策定」、「補助犬のリタイア時期、訓練日数、フォローアップ方法」等の議論を行ってきました。まず一つ目の〇(丸)、「使用者のニーズ把握について」ですが、その人がめざす生活を実現するために介助犬、聴導犬の使用を希望している場合あっても、その他の方法も含めた多様な支援の選択が可能となることが必要であることを踏まえ、使用について相談があった際には使用者のニーズを適切に把握することが重要であることを明確化し訓練基準を修正しております。その下の段落、「また」以降になりますが、専門職の関与によりその人が目指す生活の実現に資すると考えられるが、必ずしも訓練事業者には専門的知識を有する者が網羅的に配置されていないことや、訓練終了後の認定申請手続きに円滑に繋げていくことによって、早期の社会参加に資すると考えられることから、認定申請予定の指定法人も訓練事業者からの求めがあった場合には、必要に応じて関わっていくことが望ましい、としまして訓練基準の修正をしております。指定法人と訓練事業者との連携については、認定要領の見直しに関して第五回のあり方検討会でご報告をさせていただきましたが、認定要領の方には指定法人と訓練事業者の連携についての記載がなかったため、今回の訓練基準の見直しにあわせて追加で修正をしております。以上が使用者のニーズ把握に関することの修正になります。
続きまして二つ目の〇(丸)に移ります。「介助犬および聴導犬のリタイア時期に関すること」になりますが、リタイア時期は、犬や使用者の健康状態などに応じて判断されることになるため、一律の基準を設定することは困難と考えられますが、犬の老化に伴う使用者の安全面への影響や、介助犬および聴導犬のリタイア時期を見据えて使用者の将来設計を立てやすくするという視点から、一定の目安を設定して犬の身体機能を評価し、リタイア時期を判断していくこととし、目安とする年齢については10歳として訓練基準の修正をしております。次の段落「また」以降、「長期的な訓練計画について」になりますが、使用者は現在使用している介助犬、聴導犬が引退した後も新たな介助犬、聴導犬の貸与を受けて生活を継続していくことになるため、訓練事業者はリタイア時期を見据えた長期的な視点で使用者の生活を支援していくことが必要であると考えられることから、こうした視点を明確化することとし、訓練基準を修正しております。
三つ目の〇(丸)に移ります。「介助犬および聴導犬の2頭目以降の訓練日数について」になります。2頭目以降の場合、補助犬使用者の経験が蓄積されているため、初めて使用する場合に比べ介助犬、聴導犬に対する理解が深いと考えられることから、使用者の負担も勘案しつつ、2頭目以降の合同訓練日数を訓練事業者の判断で短くしても差し支えないこととし、訓練基準の修正をしております。
最後、四つ目の〇(丸)と五つ目の〇(丸)になりますが、これは今回の訓練基準の修正に関する内容ではなく、訓練基準のワーキンググループにおいて議論がございました内容を記載しております。二点ございまして、一つ目が「訓練基準に定める合同訓練日数について」。介助犬、聴導犬の質の確保や使用者の負担等に鑑みて、適切な日数に設定されているか検証が必要ではないか、との意見がございました。もう一つは、「訓練士の養成について」になります。現在はそれぞれの訓練事業者で訓練士として必要な知識および技術の向上等に取り組まれていますが、盲導犬における訓練士養成課程を参考に訓練事業者同士で介助犬、聴導犬の訓練士を養成する基準を作成することについてのご提案がございました。「資料1 訓練基準の見直しに係るワーキンググループ取りまとめ」は以上になります。
続きまして資料4-1に移ります。この資料は「介助犬訓練基準の新旧対照表」の資料となります。まず「使用者のニーズについて」と「長期的な訓練計画に関すること」を追加した箇所をご説明いたします。「第1 訓練内容等について」のところになりますが、現在は「介助犬の訓練は基礎訓練、介助動作訓練および合同訓練の3段階において行うことを基本とし、それぞれの訓練記録を作成保管すること、また使用者への引き渡し後も継続的な訓練および指導を行うこと」と記載されておりますが、修正案においては、「訓練記録を作成、保管すること」以降に、「また使用者の生活を長期的な視点で支援していく観点から、使用者への引き渡し後も育成した介助犬がリタイアした後の対応を見据えて継続的な訓練および指導を行うこととし、さらにまた介助犬の使用について相談があった際に使用者のニーズを適切に把握することが重要となることに鑑み、適切な相談対応を行うとともに、訓練計画の作成等に当たり、必要に応じ身体障害者補助犬第15条により厚生労働大臣が指定した法人(以下、「指定法人」という。)に助言を求めること」と修正をしております。
続いて、2頭目以降の訓練日数の短縮になります。「3合同訓練」のところ、現在、合同訓練は実働日数としておおむね40日間以上を行うこととされておりますが、「ただし」以降を追加しております。「ただし、介助犬の使用経験を有する者が使用する犬については、習熟状況や使用者の負担等を勘案して、介助犬育成団体の判断で実働日数を短縮することも差し支えない」と修正しております。
続きまして「リタイア時期の修正について」になります。「4継続的な訓練・指導」のところに追加をしております。現在はリタイア時期についての記載がございませんので、(3)を新たに追加し、「概ね10歳上の介助犬については、介助犬として活動を継続することが可能と見込まれる期間について適切に確認を行い、その結果に応じて必要な育成を検討すること」と追加しております。
次に「使用者のニーズを適切に把握するための訓練体制について」の修正です。現在、介助犬育成団体は、使用者が介助犬を求める様々な介助ニーズに対応するため、相当な経験を有する訓練者を配置するとともに、専門家等の協力体制を確保しておくこと、なお、訓練者等は使用者のプライバシー保護に十分留意することとされておりますが、この文面の最後に「必要に応じて認定申請予定の指定法人に対して助言を求めること」を追加しております。
修正の最後になります。「使用者のニーズの把握について」に関することで「2専門職の協力体制」のところに追加をしております。現在、介助犬育成団体は、医師、獣医師、作業療法士、理学療法士、社会福祉士等の専門的知識を有する者の協力体制を確保しておくこと。少なくとも次のような評価等は、介助犬育成団体のみによって行われるのではなく、その内容に応じ、専門的知識を有する者とともに行われること、とされておりますが、こちらも文の最後に「特に使用者のニーズの把握は介助犬の使用以外の方法も含めた最適な支援内容を検討していく上で重要であることから、適切な相談体制を確保すること」と追加しております。介助犬に関する修正は以上となります。
続きまして資料4-2に移ります。こちらは「聴導犬の新旧対照表」の資料となります。介助犬を聴導犬に変更している以外は、資料4-1介助犬の新旧対照表と同じ内容となりますので、説明は省略させていただきます。
続きまして資料5-1に移ります。こちらは介助犬及び聴導犬の認定要領の見直しの新旧対照表の資料となります。先ほど資料1の取りまとめにおいてご説明いたしましたが、訓練基準の見直しにおいては訓練事業者と指定法人の連携について記載、修正をしておりましたが、認定要領の方には指定法人と訓練事業者についての記載がないことによる修正となります。「第3認定の手続き」のところに、現在記載がないため、4として「指定法人は訓練事業者から介助犬使用希望者への対応に関して相談のあったときは、認定申請がされてない場合でも必要な協力を行うよう努めること」を追加しております。
資料5-2に移ります。資料5-2は聴導犬の認定要領の新旧対照表(案)ですが、こちらも介助犬を聴導犬に変更している以外は同じ内容ですので、説明は省略させていただきます。
参考資料1-1 、1-2は介助犬及び聴導犬訓練基準の改正後全文となります。参考資料2-1、2-2は介助犬及び聴導犬の認定要領の改正後全文となります。「議題1訓練基準の見直しに係るワーキンググループの検討結果」のご説明は以上になります。
〇江藤座長 訓練基準に関しては、身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会において、主に使用者ニーズの把握、利用者ごとの長期計画の策定、補助犬のリタイア時期、訓練日数、フォローアップの方法、訓練者の要件、訓練事業者間の連携といった点に多くの意見が寄せられていたところであります。これらについて引き続き私が座長となって、ワーキンググループを3回実施し、資料1の取りまとめに至りました。取りまとめを踏まえた介助犬と聴導犬の訓練基準の見直し案は資料4の通りであります。また、第五回のあり方検討会で報告しました認定要領の見直しについては、資料5の通り、一文追記しております。その他として、訓練基準に定める合同訓練日数について、介助犬、聴導犬の質の確保や使用者の負担等に鑑みて、適切な日数に設定されているか検証が必要ではないかというご意見がありました。また、盲導犬における訓練士養成課程を参考にして、訓練事業者同士で意見交換をしながら介助犬、聴導犬の訓練士を養成するための基準を作成することについて構成員からご提案があったところであります。訓練基準に関しては以上の通りでございますが、構成員の皆さんにおいて確認事項等があればよろしくお願いいたします。有山構成員委員、どうぞ。
〇有山構成員 全日本ろうあ連盟の有山です。質問というよりも確認です。資料4-1にあるリタイア時期の犬の年齢10歳以上について確認したいことは、実際に聴導犬を使用されている方々の声を聞きますと、10年以上という文言がありますが、小型犬、中型犬、大型犬という3種類がいる中で介助犬は大型犬、聴導犬の場合は小型犬や中型犬を使っている方が多いと思います。小型犬の場合は長寿なので、10年以上という文はあってもいいのですが、「10年まで」と誤解をしてしまう面がありますので、そのあたりを丁寧に周知する必要があると思います。大中小関係なくていいのかどうかその辺のことを確認したいです。
〇江藤座長 およそ10年ということを書いておりますけども、ご指摘のあった通り大型犬、中型犬、小型犬によっても寿命には差がございますし、およそ10年以上ということで記述したつもりです。水越構成員どうぞ。
○水越構成員 今のご発言で小型犬、中型犬、大型犬についてありましたが、基本的に獣医療では大型犬は40キロ以上のことを指します。日本ではラブラドールレトリバーは大型犬と捉えられがちですが、ラブラドールレトリバーは中型犬になります。また小型犬、中型犬では寿命もそれほど変わりませんし、検討会のときにも申し上げましたが認知機能の低下という点では、小型犬、中型犬、大型犬もほぼ変わりません。サイズで異なるというのはほぼほぼないと考えていただきたいです。
〇江藤座長 水越構成員からご説明のあった通り、認知機能の問題もありますし、大きく寿命に差があるわけではないということであります。橋井構成員どうぞ。
○橋井構成員 日本視覚障害者団体連合の橋井でございます。まず、訓練事業者につきまして各団体、横のつながりができるということが書いてありましたので、これは大変素晴らしいことだと思います。盲導犬とは違い、介助犬、聴導犬では横の繋がりがないようなことを聞いておりましたのでいいと思います。使用者に対するフォローアップについて、年に1回あるいは最初の場合は2~3回とありましたが、回数を書くよりも相談のあった都度といった書き方であった方がよろしいのかなと思います。また、使用者の方たちの横の繋がりについてこういったところで、書き込むことはできないでしょうか。以上です。
〇江藤座長 相談の都度ということ、それから使用者について細かく書き込むということのご質問ですが、必要に応じてまた検討できるかと思います。その他にいかがでしょうか。
それでは次の議題に移りたいと思います。「議題2 身体障害者補助犬の普及啓発等について」、事務局から説明をお願いいたします。
〇周藤専門官 「議題2 身体障害者補助犬の普及啓発等について」の資料をご説明いたします。「資料2身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会の開催経過等」の資料をご覧ください。この資料は、あり方検討会やワーキンググループの開催状況、構成員、認定要領及び訓練基準の取りまとめについて4枚のスライドでまとめております。
まずスライド1ページ、身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会の開催経過のスライドをご覧ください。このスライドは平成31年4月26日の第一回検討会から、今年度開催しましたワーキンググループ、本日の第六回検討会も含めた開催の経過をまとめております。表になっておりまして、回数、開催時期、意見交換の内容等を項目に分け、上から第一回、一番下は本日の第六回を記載しております。
続きましてスライドの2ページに移ります。こちらは検討会及びワーキンググループの構成員についての資料となります。こちらも表となっておりまして、氏名、所属、分類、検討会、認定ワーキンググループ、訓練ワーキンググループと項目を立てて整理しております。分類については、訓練事業者や指定法人、専門職等の区別を記載しておりまして、訓練事業者であれば介助犬か聴導犬、訓練している補助犬の種類を記載しております。検討会、認定ワーキング、訓練ワーキングの別につきましてはご参加いただいた検討会またはワーキングの欄に〇(丸)を記しております。構成員は50音順で記載しております。これまで26名の構成員の皆様にそれぞれの検討会、ワーキンググループにご出席いただきました。
スライドの3ページに移ります。こちらは認定要領の見直しに係るワーキンググループとりまとめの概要のスライドになります。昨年の10月の第五回あり方検討会でご報告をさせていただきましたが、議論しました内容は指定法人に対する申請様式の統一化、認定審査におけるリモート方式の活用、審査員の役割等の明確化、使用者の自立と社会参加に資する審査の実施についてです。また、指定法人間の意見交換の実施についても記載しておりますが、これについては今年度の障害者総合福祉推進事業を活用し、申請様式の統一などについて指定法人間で意見交換を実施しています。
最後のスライド4ページに移ります。これは訓練基準の見直しに係るワーキンググループのとりまとめ概要を記載した資料となります。本日、議題1でご説明しました内容を記載しております。使用者のニーズを把握することの重要性を明確化、介助犬・聴導犬のリタイア時期の目安を設定、訓練日数の弾力化、訓練事業者間の意見交換の実施について、を記載しております。資料2のご説明は以上になります。
続きまして資料3に移ります。資料3は、身体障害者補助犬の普及啓発等の資料になります。前回の第五回あり方検討会にてご報告いたしました内容と重複するところもございますが、厚生労働省の普及啓発の取り組みや、補助犬の調査研究について進捗もございますので、改めてご説明させていただきます。
まずスライド1ページ、身体障害者補助犬の普及啓発のスライドになります。こちらは今年度取り組んできた普及啓発を掲載しておりまして、新聞突き出し広告、ヤフーニュース、政府広報ラジオ、啓発動画をYouTubeに掲載の4つをご紹介いたします。まず新聞の突き出し広告になりますが、このスライドに新聞広告を掲載しています。この広告には補助犬が座った姿勢で舌を出しているイラストと、文章として「お願い拒否しないで」「あたたかく見守ってください補助犬とその同伴者のこと」「補助犬は特別な訓練を受けて身体の不自由な人を支えています」「正当な理由なく補助犬の同伴を拒むことは法令違反です。(飲食店、病院、電車、バス、小売店、宿泊施設など)」と記載をしております。掲載紙は読売、朝日、毎日、産経、日経、東京新聞など計78紙で、期間は令和3年11月16日~11月21日のうち1日に掲載されました。続きましてYahooニュースへの掲載になります。こちらは広告バナーとして、「もっと知って補助犬!身体の不自由な人を支えています。あたたかく見守ってください」という文章と座った姿勢の盲導犬・介助犬・聴導犬がイラストとして並んでおります。こちらをYahooの広告の方に掲載しました。掲載期間はこちらも昨年になりますが11月29日~12月5日の間で、この広告をクリックしますと、厚生労働省の補助犬に関するホームページに展開するようになっております。この間は普段よりアクセス数が増えておりました。続きましてスライドの左下になりますが、政府広報ラジオになります。「青木源太・足立梨花Sunday Collection」という番組のCMにおいて、以下の広告を流していただきました。「目や耳、手足に障害のある方をサポートする補助犬をご存知ですか、補助犬は特別な訓練を受けています。また、手入れも行き届いて清潔です。このため、様々な場所で同伴が可能です。電車、バスではシートなどを汚さないように足元で静かに待機できます。飲食店、商業施設ではおとなしくテーブルや椅子の側で待機できます。補助犬は障害のある方が自立と社会参加をするための大切なパートナーです。政府では、障害のある方が日々の暮らしをより良く過ごせるような社会の実現を目指しています。ご理解の程よろしくお願いします。」とCMで流しました。こちらも昨年になりますが11月21日にTOKYO FMをキー局として38局ネットで放送されました。最後、こちらは第五回のあり方検討会でもご報告いたしましたが、厚生労働省YouTubeチャンネルに、「補助犬もっと知って、介助犬・聴導犬・盲導犬」とそれぞれの動画を掲載していることを資料に載せております。例年、令和元年度までは各地イベントを開催していましたが、今年度、昨年度と新型コロナウイルス感染症があったことにより、以上のような普及啓発に取り組んできたところでございます。
続きましてスライドの2ページ、身体障害者補助犬の受け入れ促進に移ります。こちらも第五回あり方検討会でご報告させていただきましたが、ガイドブック、医療機関編、公共交通機関編、宿泊施設編、飲食店編、複合商業施設編、賃貸住宅・分譲マンション編、保健所編の7編になりますが、関係行政機関、国交省や農水省、都道府県等に依頼しまして各種業界への周知を実施しましたので、改めてご紹介させていただきました。この資料のスライドには、例として医療機関編と公共交通機関編のガイドブックとガイドブックの概要のパンフレットの表紙のイラストを掲載しております。また補助犬使用者および訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き、多言語パンフレットの表紙のイラストを掲載しております。
続いてスライドの3ページに移ります。こちらは身体障害者補助犬育成促進事業のスライドとなります。身体障害者補助犬育成推進事業の予算は、地域生活支援事業の内数ですが、令和3年度の予算額は513億円、令和4年度は案となりますが518億円となっております。このスライドは身体障害者補助犬育成促進事業の目的、事業内容が記載されております。補助犬に対する理解促進を図ることにより、補助犬ユーザーの社会参加が促進されることを目的に、補助犬の育成、育成計画の作成、理解促進、普及啓発を事業内容として補助しております。
最後のスライドの4ページに移ります。厚生労働科学研究身体障害者補助犬使用希望者の訓練の効果測定のための研究のスライドになります。こちらも第五回あり方検討会において、研究代表者の清野先生からご報告いただきましたが、研究計画等については私の方から改めてご説明させていただきます。令和3年度の研究は1年たったところでございまして、Ⅰの使用希望者の適切な評価について、今年度は補助犬の使用を希望する身体障害者について、そのニーズを適切に評価するために取りまとめ、リハ系の指定法人の現状の評価・実態調査を行い、補助犬使用希望者の評価基準を検討するというところで進めております。次年度は既に補助犬を使用している身体障害者について実態調査を行いまして、適性や効果、ニーズを整理していきます。この成果を踏まえて補助犬使用希望者のニーズや適性を適正に評価するための基準を取りまとめるというところで計画をしております。続いて、Ⅱフォローアップの適切なあり方につきましては、今年度は障害者と補助犬の訓練のあり方について関連する検討会を踏まえ、事業者のフォローアップ方法について適切なあり方を検討するという計画で進めておりまして、次年度は先ほどご紹介しましたガイドブック7編や、基準についての知見の普及のあり方を検討しまして、訓練事業者、指定法人、都道府県を対象とした普及のための説明会の実施を予定しております。Ⅲは、他制度との比較検討になりますが、今年度は他制度との比較検討を行って、補助犬や事業者のサービスの質を確保する方策について検証します。令和4年度は、都道府県の事業者への対応の制度を検証し、補助犬や事業者のサービスの質を確保するあり方についてまとめるという計画をしております。今年度はコロナもありましてなかなか思うように進まなかったこともあったと研究代表者の方から聞いてはおりますが、一方で概ね計画通りには進んでいるというところも聞いております。次年度に向けて更に整理、まとめに向けて調査研究をお願いしたいと考えております。資料の説明は以上になります。
〇江藤座長 身体障害者補助犬の訓練および認定等に関する検討会は本日を含め、6回開催してまいりました。今年度は認定要領及び訓練基準の見直しに係るワーキンググループも各3回ずつ開催してきたところであります。先ほど事務局からも説明がありましたが、身体障害者補助犬に関する検討会は本日をもって一つの区切りとしたいと考えております。ただいまご説明いただいた資料2、3について確認事項等あれば、どうぞお願いいたします。橋井構成員どうぞ
〇橋井構成員 丁寧な説明をありがとうございます。私は視覚障害ですので、一つ一つ読み上げていただいたということで本当に良かったと思います。その中で次年度の令和4年度に補助犬使用者に対するアンケートが行われるとお聞きしました。それについて質問をさせていただきます。時期についてはいつ頃を予定しているのか、またアンケートをどこが対応するのか、アンケートの内容は多すぎても少なくてもいけないと思います。アンケートの内容はとても大切なものだと思いますが、どこがそういったものを作成されるのかを教えていただければと思います。以上です。
〇江藤座長 来年度の研究に関しまして、事務局の方からご返事お願いします。
〇周藤専門官 アンケートの内容や実施時期は、今時点ではまだ明確に定まっておりませんのでこれから検討していくことになろうかと思います。アンケートの実施者は、この研究班の主担当や研究協力者の方々がそれぞれの班に分かれておりますので、その中において実施させていただく予定となっております。以上です。
〇橋井構成員 どこかでアンケートの内容などを教えていただければと思っております。
〇江藤座長 そちらにつきましては、はっきりしてきた段階で事務局からご説明できると思います。三浦構成員どうぞ。
〇三浦構成員 本当に様々な要望を汲み取っていただいて、非常にたくさんの点で改善が図られた素晴らしいワーキンググループでの成果がうまく取り入れられていると思います。その上で日本身体障害者補助犬学会としての提案です。この制度の中で、医師、作業療法士、理学療法士、社会福祉士など様々な訓練あるいは認定に関わる専門職の存在については以前から明記されていますが、その中で専門職や訓練士において認証や認定に関しては、各育成団体さんでの独自の認定制度のようなものを持っておられたものを、何らかの共通性を持って幅広く認定できるようなサポート制度として、例えば厚労省の方で行っていただくということも不可能ではないのかもしれません。しかし、補助犬における事柄に関しては各団体での努力という形でなされてきたことが非常に多いかと思います。その中で補助犬学会として、学術的な視点を持って医師や理学療法士など、それぞれ学会認定という形で認証資格や専門性に関して証明していく、サポートしていく制度がありますので、同様に今後訓練事業に関わる方々や様々な職種の方々に対して認証という形で学会が貢献できる機会を得ることができれば、より補助犬行政に関わるところでのプラスになるのではないかということを、学会としてご提案させていただきたいと思います。以上です。
〇江藤座長 これまで議論の中で、訓練に関わる人たちの資格とまではいかなくても様々な技術面も含めて、認定の必要性が論じられてきたところで学会からのご提案はとてもありがたいことかと思います。菊地構成員どうぞ。
〇菊地菊池構成員 補助犬ユーザー受け入れのガイドブック7編を作成されたというご説明がありました。7ヶ所の施設ジャンルに向けたガイドブックということだとは思いますが、このガイドブックのいわゆる周知の方法というのはどういう形でなされたのか確認させていただきたいと思います。
〇周藤専門官 ガイドブック7編につきましては関係行政、国土交通省、経済産業省、厚労省も所管の部署がございますので、そういったところに依頼をして、所管している団体等の方に周知をさせていただきました。厚生労働省のホームページにも資料は掲載しております。以上です。
〇菊地菊池構成員 ホームページに掲載しているのは電子データかと思いますが、冊子も作成して配布していらっしゃるのでしょうか。
○周籐専門官 現在は電子データのみですが、今年度の厚労科研では更に周知の方法を検討することになっておりますので、その中において冊子等の作成も話に上がってくるかとは考えております。
〇菊地菊池構成員 せっかく作成したガイドブックでございますので、多くの方に知っていただくことが大切だと思います。ぜひ多くの方に周知していただければと思います。
〇江藤座長 吉田構成員、どうぞ。
〇吉田構成員 一般社団法人日本作業療法士協会の吉田と申します。私は訓練基準に関わるワーキングの方にも参加させていただきました。その際に使用者の皆さん、育成団体の皆さんからのご意見で、これから意見交換をしていくことになっている、合同訓練の日数、それから訓練士の養成についてです。この2点が継続して話し合いが必要であると意見が出ておりましたが、今後この提案されている内容は、どのように話し合われていくのかということ、また、話し合われた内容について法律等にどのように反映されていくのかということについて、ご検討いただいていることがございましたらお聞かせいただけますか。
〇江藤座長 訓練基準等でも盛んに議論されたところについて、今後のスケジュール等について事務局の方で何かお答えできることがあればお願いします。
〇周藤専門官 訓練基準で検討された内容については、現在、推進事業で認定要領の指定法人間の意見交換をしておりますが、そのような形が適切ではないかと思っております。令和4年度の推進事業は、まだ公募の段階で決まっているわけではないので、あくまでそこで実施するということまでは明確に言えないところであります。もう一つ、話し合われた内容をどのように法律に反映していくかというところについては、どのような話がされるのか、適切にまとまるのかというところが不透明でもありますので、まだそこまでは考えておりません。しかし、少なからず、訓練基準のワーキンググループでご意見があったことについては整理できるようにしていければと思っております。以上です。
〇吉田構成員 補助犬使用者の皆さんやこれから補助犬を持とうと希望されている皆さんにとっては、どのように訓練が進められていくのか、そしてその結果自分の生活がどんなふうに変化していくのかというのは非常に重要な課題だと思います。ぜひ使用者の皆さんからのご意見を反映したような話し合いの場が持たれることを希望しております。以上です。
〇江藤座長 有山構成員、どうぞ。
〇有山構成員 二つ意見がございます。一つ目は、身体障害者補助犬の啓発についてです。盲導犬の場合は結構普及されていますが、介助犬と聴導犬はまだまだ普及しておらず、数も非常に少ない状況だと思いますので、これから啓発することが大切だと思います。その方法として、ラジオではなくテレビ放送のCMで流すということはできないでしょうか。これには通訳のワイプをつけて、見て皆さんがわかるような方法で啓発ができないでしょうか。もう一つ、心配していますのは、地域格差についてです。特に東北のあたりは、あまりユーザーがいないという状況ですので、これからは全国どこでも格差がないように平等に調整していく必要があると思います。特に、訓練施設の場所が問題だと思いました。今後もっと訓練施設が増えて、格差なくできるようにお願いしたいと思います。以上です。
〇江藤座長 その他にいかがでしょうか。
〇有山構成員 意見を申し上げましたが、そのようなことができるということでよろしいでしょうか。
〇周藤専門官 普及啓発に関してテレビ等の活用についても、貴重なご意見として賜って、我々も実現可能かどうか検討していきたいと思います。もう一点、確かにおっしゃるように地域格差はあります。全国どこでも介助犬、聴導犬が当たり前のように活躍するような社会になれば、普及啓発もどんどん進んでいくのではないかと考えております。引き続き、全国各地に広がるように努めていきたいと思います。
〇江藤座長 吉田構成員、どうぞ。
〇吉田構成員 今後私達がしていかなければいけないことについて確認させていただきたいです。認定のワーキングにおいて、審査委員の役割等の明確化というようなことが挙げられていたかと思います。資料2のところに書かれております。その中に作業療法士の役割の明確化というのも含まれているかと思います。育成団体の皆さんからも、専門職にもっと審査におけるそれぞれの役割について理解を深めてもらいたいというようなご意見もございました。今後私達がどのようにそれに対して応えていけるのか、そこを検討する上で、今どのように明確化についての内容が進んでいるのかをお聞かせいただけたらと思います。
〇江藤座長 それでは事務局の方から答えられる範囲でお願いします。
〇周藤専門官 資料にも記載させていただきましたが、現在指定法人間の意見交換会を進めているところでございます。吉田構成員がおっしゃったことも内容の一つに含まれております。話し合いの内容については、コンサル会社が報告書としてまとめることになりますので、そこで確認いただけると考えております。
〇江藤座長 水越構成員、どうぞ。
〇水越構成員 今回、検討会、訓練基準のワーキング、認定要領のワーキングに参加させていただきました。ご報告していただいた通り空欄だった部分が埋まり、非常に有意義な検討会だったと思っております。ただし、割と抽象的な文言で、具体的にはまだ埋まっていないところもたくさんあります。先ほどの吉田構成員の意見と重なるところでもありますが、認定の場面で我々獣医師も専門職の一つとして入っていますが、今回の検討会では獣医師の役割を具体的に話し合うことはありませんでしたので、今後基準というものを充実させるためにも具体的な検討を引き続きやっていただければと思っております。
〇江藤座長 各専門職それぞれの役割、どういうことをしていくかということも含めて今後の課題と考えております。橋井構成員、どうぞ。
〇橋井構成員 補助犬の普及啓発に関してお話をさせていただきます。私たち視覚障害者にとって盲導犬は日常生活社会生活を送る中で、パートナーとして大切なものであります。ただ、多いときは1050 頭を超えていた盲導犬が、現在900頭を割っている状況です。これはこの数年続いているコロナ禍が原因なのか、それとも訓練事業者に何か原因があるのか、そういったものがなかなか表に出ていないので、そのようなことが事務局でおわかりになれば教えていただきたいと思っております。
〇江藤座長 最近の訓練の動向についてということかと思います。事務局で何か把握していることはございますか。
〇周藤専門官 訓練の動向について詳しくは把握しておりませんので、答え難いところがございますが、橋井構成員もご存知の通り、盲導犬の頭数が少なくなっている原因は、使用する方の高齢化等にも一因があるのではと思います。一方で介助犬、聴導犬のワーキンググループ等でも話し合われたかと思いますが、ユーザー(希望者)が知る機会が少ない、どこで知るのかというところの話もあったかと思います。そういったところを我々としても引き続き、普及啓発というところで取り組んでまいりたいと思います。
〇江藤座長 長岡構成員、どうぞ。
○長岡構成員 東京視覚障害者生活支援センターの長岡です。今回、特に当事者の方のニーズを総合的に取り扱うという考え方が前面に出てきていますが、そうなったときに障害福祉サービスの、例えば自立支援給付、介護給付、訓練等給付、場合によっては言い方がよくないかもしれませんが補装具、そういったものとの関連性は、今後どういう検討がされていくのか教えていただくと助かります。
〇江藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○周籐専門官 補助犬は今お話にあったような障害福祉サービスの一つで、補装具というところで考えていくにはまだ検討すべき内容が多いのではないかと考えております。現時点で障害福祉サービスの基本で補装具もそうですし、様々な課題があると思います。ワーキンググループでも補装具のお話はあったかと思いますけれども、そういったご意見も踏まえつつ、我々としても引き続き補助犬が広まるように検討していきたいと思います。
〇江藤座長 資料2、3について確認事項がございましたら、よろしくお願いします。それでは特にご発言がないようですので、様々ご提案、ご意見いただいておりますけれども、最後に構成員の皆様から一言ずついただければと思います。今、話題になっている身体障害者補助犬の普及啓発への提案等、フリートーキングで構いませんので、50音順に指名してまいります。最初に有山構成員いかがでしょうか。
〇有山構成員 やはり私達聞こえないものとして、聴導犬の数は少ない現状です。問題は育成の場がとても少ないことが影響しているのか、またコロナの影響もあるのでなかなか進んでいかないのだと思います。これからコロナが落ち着いてからは、もっと増やしていくということと、先ほど申し上げたように普及啓発をもっと行えば、良い方向に進んでいくのではないかと思います。普及啓発は大切なので、私も啓発をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 それでは引き続き菊地構成員、よろしくお願いします。
〇菊地構成員 有山構成員の方からもお話がございましたけれども、補助犬使用者や補助犬のことについて多くの方が理解をするということがすごく大切なのだと思います。普及啓発というのは言葉ではよく使われますが、実際それを本当に周知していくということは大変な作業だと思います。関係者の方々も、1人1人がそういうこと認識した上で普及啓発をやっていくのも大切ではないかと思います。先ほどガイドブックの話を聞かせていただきましたが、7業種に対して様々な形で、これから周知をやっていただけると思っておりますし、せっかく作ったものが多くの方の目に触れるということが大切だと思います。特に関係省庁や行政機関を通じて業界団体の方に周知をしていくような形になるかと思いますけども、そこから先の現場で仕事に当たっている方々の理解がなければ周知にならないと思いますので、そういう部分を意識しながら、普及啓発の方もご尽力いただき、また協力してまいりたいと思います。
〇江藤座長 それでは佐藤構成員よろしくおねがいします。
○佐藤構成員 日本理学療法士協会の佐藤です。3年間、ありがとうございました。私も実際に認定審査員をしている立場もありますが、使用者さんの中には社会的な役割の獲得ができた人や、生活の中で生きがいを見出した方たちもいらっしゃいます。そういう意味では、介助犬、聴導犬の利用が利用者にとっても有効だと感じる場面もあります。ただ、まだ介助犬に何をしてもらうのかという情報提供などが未熟な部分もあるので、そこは改善の余地があると思っています。理学療法士としては、補助犬に関わっている理学療法士が極めて少ないというのが現状だと思います。こういう場にディスカッションに出てくれる理学療法士がもっと増えるように、私達協会としても努力する必要があると思っていますし、そうした中で先ほど吉田構成員の方からもありましたが、審査委員会での役割の明確化等が出てくるのかなと思っていますので、他の専門職とも含めて専門性を高めるというところでの努力は今後もしていかなくちゃいけないと改めて反省するところでもありました。
〇江藤座長 それでは続きまして、立石構成員、お願いします。
〇立石構成員 一般社団法人日本言語聴覚士協会の立石でございます。長いことお世話になりました。ありがとうございました。言語聴覚士が聴導犬にどのくらい関わっているかということになりますと、まだ大変少ないということで、お話が出ておりますように、今後も様々な形での啓発活動、言語聴覚士の中にももっとこのことを知らせていくということが必要だというのを改めて感じる機会になりました。それからもう一つは、やはり当事者の方がいらっしゃるわけで、その方にとって最適な生活をしていく上で一番良い方法が何なのかということですね。多職種がせっかく関わるわけですから、それぞれが連携をしながら、その方にとって最適であること、これはワーキンググループの中でもお話が何度も出ておりましたけれども、補助犬ありきではなく、その方にとってベストの方法が補助犬であるから、補助犬になっていくわけで、そういうあたりについても、もう少し突っ込んだ議論ができるようになると良いのではないかと思いました。大変勉強させていただいた機会でもありました。せっかくのこういう縁を得ましたので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〇江藤座長 それでは長岡構成員よろしくお願いします。
○長岡構成員 私は自立支援の給付をしている施設の職員ですので、特に盲導犬について言えば、移動という問題に関して白い杖だけではなくて様々な移動手段がある中で、盲導犬の位置づけ、程度を常に考えなければいけないと思っています。そうすると先ほど話したような障害福祉サービスの中での位置づけというのをもう少し明確にしていただくと、当事者の方が使いやすいのではないかというような感じもしています。実際、先ほど橋井構成員からもお話があったように、一時1050頭実働していたものが、いつの間にか900頭台になって、それが2年か3年続いたらあっという間に800頭台に減ってしまっています。ここ数年非常に少なくなってきているということは、盲導犬をもらいに行くのが大変だということも当然あるでしょうし、社会的な環境もまだ盲導犬を含めた補助犬が熟していないということもあるのだと思いますから、両面でもう少し私達も考えていかなければならないと考えさせられた検討会でした。ありがとうございました。
〇江藤座長 それでは、奈木構成員どうぞ。
〇奈木構成員 横浜市の奈木です。私は今回初めて検討会に参加させていただいた中で、感想めいた話になってしまって恐縮です。普及啓発に関しては、我々基礎自治体の方でも取り組んでいるところでございまして、ただそれをどう展開していくのかというところには頭を悩ませており、おそらく厚生労働省さんと同じような悩みを抱えているではないかということを感じております。予算も限られている中で、効率的、効果的に最大限の効果を発揮していくために、どのような普及啓発が必要なのかというところに関しては、単発に終わるものではなく、国、都道府県、市町村もしくは関係する団体等が連携して重層的な普及啓発をしていくということが、今後必要になってくるのだと感じています。それをどのようにやっていくのかというところに関しては、諸々の調整が必要になってくる部分ではあると思いますが、必ず一緒になってくる部分だと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
〇江藤座長 それでは橋井構成員、お願いします。
〇橋井構成員 長岡構成員からもお話がありました、盲導犬の頭数が今下がってきたというのは、盲導犬を使用する経費、私も家内が盲導犬4頭目の貸与を受けている中で周りの方のお話を聞いてみますと、それなりにお金が必要となります。それは、メンテナンスと言ってはいけないかもしれませんが、定期的に健康チェックもありますし、清潔にするということでシャンプーに月1~2回ほど行く、移動するときに洋服を着せたりしますのでそういったところでもお金が必要になります。一部自治体によっては、補助をしていただくところもありますが、そういうところでもやはりかなりの金銭的な負担がかかるということで躊躇する人もいますし、犬のために家を清潔にしておくとか、犬にかける時間というのは必要となりますので、すべてそうした金銭的な負担を少しでも福祉サービスで支援していただく制度ができればもっと増えるのではないのかと思っております。以上です。
〇江藤座長 三浦構成員、お願いします。
〇三浦構成員 一つだけ追加の意見ですが、先ほど資料3のところで今回聴導犬と介助犬につきましては、盲導犬の連合会等の良いところを取り入れていくという形でのご提言だったかと思いますので、ぜひワーキンググループに盲導犬施設連合会様などにもご参画いただくといいのではないかと思いました。また特に介助犬をはじめとして、我々リハビリテーション医、作業療法士、理学療法士、その他様々な専門職が、より多く参画できる機会、啓発をいただければありがたいと思います。最後にコメントですが、新型コロナウイルス感染症によって我々医療職も大変厳しい状況のなかでございますが、今回このようなリモートだからこそ得られたこともたくさんあるかと思います。厚労省からの啓発におきましても、実は若い世代は非常にたくさんネットからの情報を集めていらっしゃいます。むしろ最近は若い子ですとテレビなどは持っておらず、もちろん新聞は買わない、読まないというようなところもございます。もちろん幅広い世代へのPRが大切で、コロナ禍の難しい中で厚労省の方々始め、皆様が啓発をしようとしてくださったことで情報発信の選択肢が広がって、より若い世代が関わる機会となってきているのではないかなと思いましたので、ぜひこれからも様々なチャンネルを使ってご発信いただけたらありがたいと思います。今回構成員としてグループに参画させていただきまして、本当に多くの学びを得させていただきましたことを皆様に深く感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
〇江藤座長 それでは続きまして水越構成員よろしくお願いします。
○水越構成員 日本獣医生命科学大学の水越です。今回検討会参加させていただきまして、社会福祉、医療、獣医療、当事者の方等、本当に多くの異なった業種の構成員が集まる検討会というのは今までなかなかないと思います。それだけ補助犬が特殊な位置づけであるということを、より感じました。ですので、今後もよく知らないところも多いと感じましたので、このように多くの様々な方々と議論ができるというのは非常に素晴らしいことで、補助犬の発展、普及啓発にとても必要なことではないかと思います。その普及啓発というところで考えますと、今回は動物福祉の専門家は入っていなかったわけですが、補助犬がかわいそうと考える人たちというのもまだまだたくさんおります。ですので、普及啓発をやっていくときにはそのような動物福祉的な考え方ということも必要です。また、犬を扱っているような人や、ペットの飼い主さんにとっては盲導犬、介助犬、聴導犬もペットと同様といった考え方で「働かせるのはかわいそう」というような意見もたくさんあります。そういった中で補助犬というのは社会福祉等の一部分であるということを知っていただくこともとても大事なのではないかと思います。また今回の検討会の内容とは少し異なりますが、私は獣医学の中でも臨床動物行動学といって行動学を専門にしています。いわゆるトレーニングの部分も専門の中に入っています。これも普及に含まれると思いますが、補助犬を育成する際にとても大事なのは順化、つまり様々なものに慣れることです。現在の身体障害者補助犬法では、アクセスの保証は認定された補助犬のみになっています。可能であれば、訓練犬に対してもアクセスの保証というものを今後検討していただきたいです。これは個人的な思いですが、優秀な補助犬を育成するために、順化という点で訓練犬についても検討がされるといいのではないかなと思います。今回参加させていただきまして本当にありがとうございます。私も非常に多くの学びを得ることができました。
〇江藤座長 それでは続きまして、森戸構成員、よろしくお願いいたします。
○森戸構成員 公益社団法人日本社会福祉士会の森戸です。検討会と認定、訓練のワーキングに参加させていただきましてありがとうございました。補助犬法が始まってから、他の指定法人と交流することもなく来てしまっていたところ、今回このような形で様々な指定法人の方、訓練事業所の方、構成員の皆様方と話ができたことで、我々が理解を深めていくということでも普及啓発として意味があったのではないかと思います。実際に社会福祉士についても、補助犬に携わっている人はほんの一部ですし、理解は本当にまだまだ少ないというところがあると思います。その際に、犬を理解するということもありますが、犬を使っていくユーザーの方、どんな方がどんなふうに犬と出会っていくのか、犬を使ってどんなふうに社会で充実した生活に結びついていくのか、そういった変化を皆さんにも伝えていくことができるといいのではないかと思いますし、学校等で子供たちにも知る機会を増やしていけるといいと思います。本当にこの検討会に参加させていただきましてありがとうございました。
〇江藤座長 それでは最後に吉田構成員、よろしくお願いします。
○吉田構成員 一般社団法人日本作業療法士協会の吉田でございます。皆様口々に感謝の言葉を述べられていましたが、私もこのような補助犬に関わる多職種、多施設の皆様が集まる会を開催していただけたことに感謝申し上げたいと思います。またそこに専門職の一員として参加させていただいて非常に有意義だったと感じております。江藤座長からは、最後に普及啓発についてのお話をというようなことがございましたので、まず2点伝えさせていただきたいと思います。一つは、専門職は中間ユーザーですので、中間ユーザーとして補助犬を希望する皆さん、使用されている皆さんのリハビリテーションの選択肢の一つとして、補助犬がどんなふうに有効なのかということを、周知広報していく役目があると思います。それができるように、これから専門職の中で研修等を重ねていけたらいいのだと思います。その一つの方法としては、養成校に働きかけて学生の間に皆さんに知っていただく、そこからさらに深い知識については専門的に学びたい方にどんどん研修会に参加していただくというようなシステムを作っていくことが必要ではないかと感じました。二つ目は、専門職として自分たちの専門性についてはもちろん、補助犬についての専門性について勉強重ねていき、多職種での研修会で補助犬のことについて理解していくことが重要だと改めてこの検討会を通じて感じました。ですから、私達いわゆるコメディカルと言われている職種としては、理学療法士協会、言語聴覚士協会、社会福祉士の団体というのがあるかと思いますけれども、ドクターも含めて他団体と協力をしながら研修会をしていくことも一つだろうと思います。その一つ方向性としては、学会を活用していくというのが取り組みやすいやり方ではないかというようなことも感じております。今後はそのような企画を検討していき、お声がけさせていただいた際にはぜひこの検討会にご参加いただいている皆さんにも参加していただきたいと思っております。今はコメディカルのことのみでしたが、もちろん補助犬に関わっている職種、すべての皆さんにご協力いただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 長いこと関わっていただいて本当にありがとうございます。そもそも法律に関しては平成14年にこうした検討会がもたれ、その時は国リハ元総長の初山先生が座長を務められました。その時研究事業に関わられた方も今回の構成員として参加をされているかと思いますが、20年という期間で見直しが必要な時期にあったということが明らかになったと思います。ただ、今回は新型コロナのパンデミック等でなかなか一堂に会して集まれる機会がなく、調査研究に関して実際に出向いて調査するにも、様々な制約があったという中で非常に活発なご意見をいただけたことは本当にありがたかったと思います。私も国リハに関係していたわけですが、補助犬に関する研修会を年に1回やっていたかと思います。今でもやっているかと思いますが、それも本当に限られた人数でしかできないので、今後は各自治体でもいろいろ開催できるようになってくると、一つ普及啓発に役立ってくるのではないかと思います。それからやはり様々ご意見がありましたが、テレビ等のメディアを使った普及啓発、スポットで流すだけではなかなか見られないので、もう少し工夫をしていく必要があるかなということと、たまたま何かドラマで取り上げられるようなことがあると、様々な人が関心を持つ機会になるのではないかと感じました。今少し、座長が余計なことを喋りすぎだと思いますけれども、本当に貴重なご意見をありがとうございました。ここからの進行は事務局にお返ししたいと思います。
〇大城補佐 江藤座長ありがとうございました。また、構成員の皆様方におかれましてはご多忙の中ご出席並びにご意見をいただきましてありがとうございました。本検討会は今回で最後となりますので、奥出室長より一言挨拶を申し上げます。
〇奥出室長 本日はご多忙のところご参加いただきまして誠にありがとうございました。この検討会は平成31年4月に第一回を開催しており、新型コロナウイルス感染症の影響で当初の予定からは期間が長くなってしまったかもしれませんが、所期の目的、目標については概ね達成することができたと思っております。あらためて感謝申し上げたいと思います。今回の検討会においては、別途ワーキンググループというものを設置し、指定法人の方や訓練事業者の方、補助犬ユーザーその他様々な方に参加いただき開催いたしました。今回、ワーキンググループを開催したことにより、指定法人間や訓練事業者間の意見交換の場になったということもあります。そうした意味でも大変意義があったのではないかと思います。これを機に、事業者間の意見交換の場というのは自発的な取り組みにも期待するとともに、厚労省としてもサポートしていきたいと考えておりますし、色々な機会に皆様のご協力もお願いしたいと思っています。本年は補助犬法の成立、施行から20年という節目の年になります。厚労省としても、更に普及啓発を進めるよう取り組んでいきたいと思いますので、皆様におかれましても今後とも普及啓発に向けて様々なご協力をいただくようお願いを申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
〇大城補佐 ありがとうございました。音声が一部乱れましたことをお詫び申し上げます。認定要領と訓練基準に係る今回の改正につきましては今年度を目途に、関係機関へ周知をさせていただく予定であることを申し添えて、検討会を終了させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。
照会先
障害保健福祉部
企画課自立支援振興室