第20回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和4年3月4日(金)17:00~19:00

議題

(1)がん診療連携拠点病院の指定等について
(2)その他

議事

 
○岩佐がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第20回「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
事務局を務めさせていただきます厚生労働省健康局がん・疾病対策課の岩佐でございます。
本検討会につきましては、YouTubeにて配信しておりますので、御承知おきいただければと思います。
なお、本日の出欠状況でございますが、中村構成員から御欠席と伺っております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。資料は、ホームページにも掲載してございますが、資料1、2、参考資料1~4がございますので御確認いただければと思います。
また、構成員の方々におかれましては、現在の指定状況や要件充足状況等についてまとめた資料を事前に御送信しておりますので、審議の際に御参考にしていただければと思います。
それでは、議事の進行を藤座長からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○藤座長 皆さん、こんにちは。九州がんセンターの藤でございます。この検討会の座長を仰せつかっております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回のこの検討会は、昨年9月に拠点病院から出された現状報告を受けた充足の確認、本日、年度末ということになりますが、そのときの最終状況の確認と併せて、それをベースに審議していくことになります。このことは後で御説明があるかと思います。
今回は、来年度の指定の在り方に関してですので、平成30年に改定されました現行の整備指針に基づいた指定要件の検討ということになります。これが最後の年になります。すなわち、次期の整備指針は現在改定作業が進められておりまして、今年の夏ごろには完成する予定でございます。来年のこの会は、新しい指定要件についての審議ということになりますので御承知おきください。繰り返しますが、本日は今までやってきた指定要件に基づいて議論をしていくことになりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
では、事務局より資料1について御説明をお願いします。
○事務局(成田補佐) 事務局でございます。それでは、お手元の資料1「がん診療連携拠点病院の指定等について」に沿って説明させていただきます。
2ページは、現在のがん診療連携拠点病院等の各類型についての記載でございます。
3ページは、令和3年10月1日時点で、それぞれの類型ごとに何か所の医療機関があるのかを載せております。
4ページは、類型の見直しについてです。地域がん診療連携拠点病院について、高度型、一般型、特例型の間で類型が見直されることがございまして、特例型は経過措置的な類型となっております。
5ページは、拠点病院等の選定の方針についてですけれども、全ての類型で共通の方針をお示ししております。新規推薦の場合は、申請時点で必須項目を全て満たしている必要があり、新規推薦でない場合には、ここに記載のマル1、マル2、マル3の場合には指定を認める方針としております。要件に未充足がある場合の方針については、後のスライドでお示しします。
6ページは、高度型の場合の方針です。まず、一般型の必須項目を全て満たしている必要があり、高度型の要件を満たす場合には高度型として指定、そうでない場合には一般型として指定する方針としております。
7ページは、今年度の指定の推薦等の手続についてです。昨年度は、新型コロナウイルス感染症の流行等に伴う影響を考慮しまして、現況報告書等の一律の提出は不要としておりました。ただ、今年度については例年どおり、都道府県を通じて全ての拠点病院等に現況報告書等を提出いただいております。
8ページは、要件未充足がある場合の対応についてです。現況報告書において充足状況を確認して、充足状況に疑義がある場合、文書等で充足状況の確認を行っております。要件未充足がマル1施設改修、マル2放射線機器の入れ替えのいずれにも該当しないものであることを確認した場合には、指定の検討会にて対応を検討し、勧告、指定類型の見直し、指定取り消しのいずれかを行う方針としております。
9ページは、具体的な方針としてですけれども、こちらに記載の方針としてはどうかとしております。要件充足を確認する基準日としては、令和3年9月1日としております。ただし、昨年の指定の検討会と同様に、検討会時点に要件を充足したことを確認できた病院については、要件を充足したものとみなして選定する。
検討会時点に要件を充足していない病院で、未充足内容が施設改修によるもの、放射線機器の入れ替えによるものである場合には、昨年の選定方針と同様に1年指定とする。
未充足内容がマル1、マル2に該当しない場合には、地域拠点病院の場合には指定類型を見直す。ただし、地域がん診療連携拠点病院の特例型の場合については、更新時において一般型の指定要件を充足していない場合には指定の更新は行わない。都道府県拠点病院及び地域がん診療病院の場合は勧告を行う。
上記の選定方針によって、指定類型を見直された病院及び勧告を受けた病院については、令和4年の夏ごろをめどに検討会において再度審議を行うといった方針としてはどうかとしております。
10ページは、前のスライドの内容を図に表したものでございます。
11ページから個別の医療機関の審議となります。
12ページですが、まず一般型の指定更新についてです。令和4年3月31日まで地域がん診療連携拠点病院(一般型)に指定されている7つの医療機関について、本検討会の時点で一般型としての要件を充足していることを確認しております。当該医療機関について、一般型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
13ページです。特例型から一般型への類型変更についてです。特例型に指定されている医療機関のうち、お示しする4つの医療機関について本検討会の時点で未充足要件の再充足を確認しております。当該医療機関を一般型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
14ページ、地域がん診療病院から一般型への類型変更についてです。地域がん診療病院に指定されている京都府立医科大学附属北部医療センターについて、一般型への指定類型変更推薦がございました。当該医療機関のある医療圏には、ほかに地域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院は指定されておりません。また、推薦の時点で一般型としての要件を充足していることを確認しております。当該医療機関を一般型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
15ページは、一般型の新規指定推薦についてです。神奈川県の新百合ヶ丘総合病院について、一般型としての新規指定推薦がございました。既に同一のがんの医療圏に拠点病院等が指定されておりますが、整備指針では、当該都道府県におけるがん診療の質の向上及びがん診療の連携協力体制の整備がより一層図られることが明確である場合には、同一医療圏に複数の拠点病院等を指定することができるものとしております。当該医療機関に対する神奈川県の推薦意見としては、お示しするとおりでございます。当該医療機関の指定について、どう考えるかとしております。
16ページも、一般型の新規指定推薦についてです。神奈川県の川崎市立川崎病院について、一般型としての新規の指定推薦がございました。こちらも既に同一のがんの医療圏に拠点病院等が指定されております。当該医療機関に対する神奈川県の推薦意見は、お示しするとおりです。当該医療機関の指定について、どう考えるかとしております。
17ページは、高度型の指定についてです。お示しする4つの医療機関について、高度型としての新規指定推薦がございました。各医療機関について、推薦の時点で一般型としての要件を充足していることを確認しております。高度型の要件については、表にお示しするとおりです。当該医療機関を高度型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
18ページは、地域がん診療病院の新規指定推薦についてです。鹿児島県の霧島市立医師会医療センターについて、地域がん診療病院としての新規指定推薦がございました。当該医療圏には、がん診療連携拠点病院は指定されておりませんで、地域がん診療病院が1か所指定されております。今回、新規指定推薦のあった医療機関については、令和3年9月1日時点で相談支援センターへの研修を修了した専従の相談員の配置の要件が未充足であると報告を受けておりますので、今回の検討会においては当該医療機関の指定を見送ってはどうかとしております。
19ページからは要件未充足の対応方針についてです。木沢記念病院及び上都賀総合病院について、緩和ケア研修会の開催が未充足であると報告されております。
都城医療センターについて、医療安全管理者の医療安全対策に係る研修の受講が未充足であると報告されております。
対応について、当該医療機関を特例型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
20ページは、飯田市立病院について、専従かつ常勤の薬物療法医の配置が未充足であると報告されております。
公立八女総合病院について、放射線治療の品質管理が未充足であると報告されております。
熊本労災病院について、緩和ケアチームへの精神症状の緩和に携わる常勤の医師の配置が未充足であると報告されております。
対応について、当該医療機関を特例型として令和5年3月31日まで指定してはどうかとしております。
21ページです。続いて、地域がん診療病院として指定されている芳賀赤十字病院について、緩和ケア研修会の開催が未充足であると報告されております。
対応について、指定要件が未充足である状態が継続するようであれば、次回の検討会において指定の取り消しを含めて検討を行うことを前提に、今回については、まずは指定要件の充足に向けて適切に対応するよう勧告を行うこととしてはどうかとしております。
22ページ以降のスライドについては、整備指針の中から指定要件について抜粋したものとなっておりますので、省略させていただきます。
以上です。
○藤座長 ありがとうございました。
まず、今の資料1の前半、スライドでいきますと10ページまでになりますが、選定の方針について御説明をいただきました。基本は今までと同じということでございます。したがいまして、先ほど少し申し上げましたけれども、この検討会におきましても今までの判断基準をベースに判断していくことになろうかと思います。
個別の検討にいく前に、この選定方針等々について意見や御質問はございませんか。よろしゅうございますか。今後、うなずいていただければありがたく思います。
(首肯する委員あり)
○藤座長 選定の方針は今の説明があったとおりということですので、個別の検討にいきたいと思います。
では、スライドの12~14でございます。地域がん診療連携拠点病院は地域拠点、地域がん診療病院を地域診療とお話しさせていただきます。
まず、スライド12でございますけれども、この7つの病院・施設は、指定の期間が1年だったということでございます。というのは、充足していれば通常は最後の令和5年3月31日まで指定を認めることになるのですが、この7つの病院は昨年の検討のときに、要件は全部満たしているのだけれども、要件を満たした時期の問題で指定の期間を1年にするということでございました。結果として、今年の場合はあと1年で終わりますので、1年伸ばしてもフルタームにいっても同じ令和5年3月31日までの要件の充足という形になります。この7つの病院について、御質問なり御意見・御異議等々あったらお願いしたいと思います。
では、この一般型の7つの施設に関して、令和5年3月31日まで指定の更新ということでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。では、次にいきます。
スライドの13、今度は特例型が一般型になると。昨年の段階で何か未充足があって特例型になったのだけれども、この1年で充足しているということでございます。4つの病院がございますが、少なくとも本日には全て充足が確認されているということでございますので、特例型だったものは一般型へ指定類型を変更する、一般型に復活するという形になると思いますが、これについて御意見ございますか。
では、この4つはお認めいただいてよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。
次に、14ページにまいります。地域がん診療病院が一般型への指定類型変更についてということです。京都府立医科大学附属北部医療センターですけれども、この医療圏にはほかに地域がん連携拠点病院もなくて、地域がん診療病院もありません。現在、唯一の地域がん診療病院であるこの施設が、地域拠点の要件を満たしているということになります。したがいまして、ここはがん診療病院ではなくて、一般型の地域がん診療連携拠点病院になるということですが、御質問ございますか。
では、これも進めさせていただきます。ありがとうございます。
まだ進んでよろしゅうございますか。途中で言い忘れたということがあれば、いつでもおっしゃっていただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。
では、次にまいります。15ページも16ページも同じ一般型の新規の指定の推薦です。いずれも神奈川県です。この神奈川県の2つの病院、15ページには新百合ヶ丘総合病院が書いてありますが、川崎北部の医療圏で、ここにはほかに1つ拠点病院があります。そこに理由が書いてあるのは、同一医療圏の中に1か所のみ拠点病院を指定するということが整備指針に書いてありますが、当該都道府県におけるがん診療の質の向上及びがん診療連携協力体制の整備がより一層図られることが明確である場合には、同一医療圏に複数の拠点病院を指定することになっております。現実的には複数の拠点病院がある医療圏はたくさんあるのですが、そのときには、なぜ複数あるのかの理由をしっかり都道府県から出してもらって連携することで、より一層の充実が図られることが認められたところということで今まで来ているかと思います。
そこに書いてあります新百合ヶ丘総合病院につきましては、読んでいただいていると思いますので詳細は省きますが、このような形で、今ある1つの拠点病院に加えて新百合ヶ丘総合病院も拠点病院にすることで、より一層の充実・整備が図られることを神奈川県が申し立てているところでございます。
この新百合ヶ丘総合病院を新たな地域がん診療連携拠点病院(一般型)にすることに対して、御意見・御質問はございますか。
村本構成員、お願いします。
○村本構成員 次の16ページのスライドと併せて御意見申し上げてもよろしいでしょうか。
○藤座長 では、次のスライドを説明して、その後に御質問いただけますか。すみません。
では、16ページは、さっきは川崎北部でしたけれども、これは川崎南部で、ここにはほかに2つの拠点病院がありますが、そこに書いてある理由で2つに加えて、この川崎市立川崎病院を地域がん診療連携拠点病院(一般型)にすることで、こういうメリットがある、連携することの有用性を説明されております。
ということで、新百合ヶ丘総合病院と川崎市立川崎病院が、一般型の地域拠点として神奈川県から推薦をされているということでございます。
村本構成員、お願いいたします。
○村本構成員 ありがとうございます。結論的には、いずれも妥当と考えます。拠点病院制度は発足時、がん医療の均てん化を第一義としており、同一医療圏内の複数指定に慎重な時期もありましたが、その当時も患者側委員からは、指定要件を満たしているのであれば、複数指定を積極的に認めるべきとの意見があったと認識しています。その指定要件も変わっており、現在の指定要件を満たしているのであれば、同一医療圏での複数指定があっても基本的には問題ないものと考えます。
ただ、少々気になるのは、この拠点病院制度は「連携」の文字が書いており、整備指針でも「がん診療の連携協力体制の整備がより一層図られることが明確である場合には」という文言が書いてはいるものの、今回の医療機関に限らず全般的に連携の意味合いが薄いように感じることです。現在行われている指定要件の見直しのワーキンググループの中での連携の意味合いや重要性について、ぜひ議論いただきたいと思います。
以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
この拠点病院の制度は、地域がん拠点といいますが、その場合には「連携」という言葉が明確に入っているということで、複数あることで本当に連携がうまくいって困る患者さんが少なくなっていくかということが一番問われるということだと思います。そういう御意見でよろしゅうございますか。
○村本構成員 おっしゃるとおりです。
○藤座長 そのあたりの認識がどうなっているかも、今後また考えていかないといけないのかなと思います。
先ほど申し上げ忘れましたけれども、今、指定要件を改定しておりますが、そのワーキンググループの座長も私は仰せつかっております。今、村本構成員がおっしゃったことも、私の頭に入れてワーキンググループの中で議論するか、しないか、する方向でしょうけれども、そういうことも考えながらやっていきたいと思っております。
そういうことでよろしいですか。御指摘ありがとうございます。
○村本構成員 ありがとうございます。
○藤座長 そのほかございませんか。
では、この神奈川県の2つの病院を新規に地域がん診療連携拠点病院(一般型)とすることについて、御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。
続きまして、17ページにいきます。これは高度型の指定についてです。高度型というのは皆さん御存じかと思いますが、まず要件マル1で、地域がん拠点の望ましいの要件を複数満たしていること。
要件マル2は、同一医療圏の地域がん診療連携拠点病院の実績が、がん登録、手術、薬物療法、放射線療法、緩和ということで順位をつけられています。全てが1番である必要はないのですが、総合的にここが優れていると各都道府県が判断するかどうかということです。
要件マル3は高度な放射線治療ということで、IMRT、粒子線、密封小線源、核医学が何件行われているかということ。
要件マル4が緩和ケアセンター。都道府県診療連携拠点病院には緩和ケアセンターの設置がデューティーですけれども、緩和ケアセンターに準じる体制があることということで、そこに書いてあります多くの職種の方を入れている緩和ケアの体制ができているかが条件になります。
要件マル5が相談支援センター。看護師、社会福祉士、精神保健福祉士ほかなどをどのくらい配置して評価できているかどうか。
要件マル6は、医療安全管理の第三者の評価を受けているかどうか。外部委員を含めた医療安全の監査委員会などがあるかどうかなどの要件がございます。
今年は、4つの医療圏から4つの病院が高度型として都道府県から申請されております。要件マル2は、いろいろな実績はその医療圏で全部1番です。要件マル3は、後でまた議論する必要があると思います。要件マル4は、緩和ケアセンターに準じた体制として、いずれの病院もいろいろな職種のメンバーが緩和ケアセンターに配置されているということが、これで言えるのかと思います。要件マル5、相談支援センターも同様です。かなりの数の相談支援センターのスタッフがここに配置されている。要件マル6は、全ての病院が少なくとも病院機能評価は受けておられる。1つはISO15189、これは検査部等だと思いますが、そういうものを受けているところもあります。
話を戻しますと、要件マル3、IMRT、粒子線、密封小線源、核医学が実は、一番上が0/0/0/2、2番目が2/0/0/9、3番目はかなりありますが、4番目が0/0/0/1ということです。この点について昨年度、その前はあったかどうか忘れましたが、高度な放射線治療とは何なのだという議論がございました。このことについて唐澤構成員、もう一度御説明いただければありがたいのですが。
○唐澤構成員 ありがとうございます。
どの医療機関も当該医療圏で放射線治療の実績が一番とおっしゃっておりますが、IMRTが0/0という医療機関が2つございます。核医学治療というのはちょっと違うカテゴリーに入っておりますので、これは藤座長が今、座長をしておられる見直しのところで、ぜひ見直しを御検討いただかないといけないかなと思います。
粒子線というのは非常に特殊ですので、大変高度ではあるのですが、ここに入れなくてもいいかもしれないなと思います。日本にある数も限られていますので、それを要件の中に入れ込む必要は、もしかしたらないかもしれません。総合的な施設で粒子線をやっているところは大体がんセンターぐらいしかないので、スタンドアローンの施設をあえてここに入れる必要はないかもしれません。
小線源治療も実は結構重要なのですが、0/0が並ぶ、これで認めるというのはいかがなものかなと思いますので、ぜひ見直しをお願いいたします。
○藤座長 ありがとうございます。
今の点について御意見ございませんか。何をもって高度とするかということです。今、唐澤構成員がおっしゃいましたように、粒子線というのは本当にスタンドアローンとして、粒子線センターとして全国に数えるぐらいしかなくて、拠点病院の中にこれがある必要があるのかということかと思います。
IMRTも0のところがあって、お聞きするところによると、IMRTを加算するには放射線治療医が2人要るとか、そういう縛りがあって数に数えられないという問題点もあるのかとは思いますが、何をもって高度の放射線治療とするかというのは、今回のこの結果で分かるように、しっかり見直した上で今後、高度型を決めていかないといけないという御意見かと思います。
唐澤先生、そういう認識でよろしいですか。
○唐澤構成員 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
○藤座長 唐澤構成員が今おっしゃってくださいましたように、次期の指定要件の整備指針の改正のときに、ここを考えるということにならざるを得ないのかと思っております。現実に、0/0/0/1みたいなところでも過去において高度型に認められております。したがいまして、このタームでの基準を踏襲していく、首尾一貫性を持たせるためには、今回これだから高度型にはなれないという判断は難しいのかと思っております。
高度型というのが何なのだという御議論があるのも承知しておりますので、そのことも含めて今後考えていくわけですが、この4つの施設について今のお話をベースとして、高度型の指定をすることについて御意見ございますか。
最初に横川構成員、お願いします。
○横川構成員 1つ、私の解釈が違うのかもしれないのですが、緩和ケアセンターの構成メンバーのことで確認をさせていただきたいと思っています。
加古川中央市民病院さんで、身体症状の医師が1名、精神症状の医師が1名という形になっているのですけれども、参考資料2の20ページのマル9のアにも「緩和ケアセンターの機能を統括する医師を緩和ケアセンター長として1人配置すること」とあるので、私の解釈ですと、緩和ケアチームの身体科の医師1名と、精神を担当する先生が1名、それに加えてそこを総括する医師が1名、例えば副院長クラスの人というような人がもう1名要るという認識なのですけれども、そこが改善されて2名になっているという解釈、事前の打ち合わせのときに1名だったので、私も御相談させていただいたので、2名になっているので大丈夫だと思います。資料を少し見落としました。すみません、ありがとうございます。
○藤座長 加古川中央市民病院の要件マル4の一番左側ですね。ここが2になったということですね。
事務局、これはクリアできたということでよろしいですか。
○事務局(成田補佐) 横川構成員に事前に御指摘いただきましたので、事務局で兵庫県に改めて確認しまして、正しくは身体症状の医師が2名であると報告を受けております。これをもって要件を充足していると判断しております。
○横川構成員 ありがとうございます。一応、管理を担当するという意味合いも含まれていたと思うので、その辺もクリアしているという解釈でよろしいでしょうか。
○事務局(成田補佐) そちらについても確認しまして、要件は充足していると判断しております。
○横川構成員 ありがとうございました。ならば結構です。
○藤座長 ありがとうございます。
次に、羽鳥構成員、お願いします。
○羽鳥構成員 次期の検討も含めてということで要件マル3でお話があったので、要件マル4で、私は、今がん緩和ケア委員会にも出ているのですけれども、その中では放射線治療による緩和ケアと麻酔などによる緩和ケアもあったと思うので、ここでは今は身体症状、精神症状しかありませんけれども、ここにも放射線医師あるいは麻酔科医師という項目が必要ではないかということで、これは次期の検討で結構ですので御検討いただければと思います。
以上です。
○藤座長 貴重な御意見ありがとうございます。次期に、この要件を加えていこうということですね。実際の緩和ケアということでは非常に重要なことだと思います。
村本構成員、いかがでしょうか。
○村本構成員 2つの病院について意見を申し上げます。
まず、石巻赤十字病院については、私も昨年7月の検討会でも質問を申し述べましたが、結論としては今回、高度型に指定することでよいと思います。昨年7月の検討会では、私は地域がん診療連携拠点病院の立てつけが高度型、一般型、特例型の3階層になっていることからすると、特例型からまずは一般型に1段階ずついくべきではと申し上げました。ただ、昨年の石巻赤十字病院の未充足要件は、専従・常勤の病理診断医の配置であり、同じ昨年の検討会で、国としての病理診断医の活用の重要性が羽鳥構成員や岩佐推進官からも示されていることからすると、今回これが確保されたのであれば、高度型に戻ることで私は構わないと思います。
次に、長岡赤十字病院ですが、当該医療圏で診療実績が最も優れているという要件は満たしてはいるものの、同一医療圏のもう一つの病院と比べると、院内がん登録数や手術件数の差はごくわずかです。高度型の病院が頻繁に変わることになると、患者視点から見て混乱もあり、よろしくないように思います。指定要件自体が見直され、新しい制度になるとは思いますが、基本的な考え方としてこの辺りをどう見るか伺っておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○藤座長 ありがとうございます。
1番目は、特例型が高度型に2段階アップと言っていいのかどうか分かりませんけれども、ちょっと考えたらそんな気がするということかと思います。ただ、指定要件を読みますと、そういう規定がないし、特例型が一般型になった上で、その医療圏で一番になれば高度型でも可とするということかと思います。これは後で事務局にも説明をお願いできればと思います。
それから、長岡赤十字病院は実績は全部1番ですが、いつ全部2番になってもおかしくないようなことがあり得るということですね。そういうことがあっちで起こり、こっちで起こりすると、本当に高度型という名前で患者さんたちが迷ってしまうことがあるということです。ですから、そういうことを踏まえて今後どういう指定要件の在り方を考えていけばいいかということで、これもまた一つの御提言というか、次の要件を決めるときに頭に入れておくべきことなのかと思って聞いておりました。
今のでよろしゅうございますか。
○村本構成員 ありがとうございます。
○藤座長 石巻赤十字病院について、事務局から何か御説明はございますか。
○事務局(成田補佐) 藤座長からも御発言があったように、現行の整備指針では高度型、一般型、特例型の類型がございますが、高度型から特例型に類型変更となった場合に、戻る場合の規定については定めていないところでございます。今回、石巻赤十字病院は要件未充足となっていた項目も含めて一般型の要件を満たしておりますし、かつ、高度型の要件を満たしていると考えられると思いますので、少なくとも現行の整備指針上は高度型と認めても問題ないものと事務局としても考えております。
○藤座長 今のでいいですか。
○村本構成員 結構です。ありがとうございます。
○藤座長 ありがとうございます。ほかに御意見ありませんか。
では、この4つの病院を高度型に新規指定することを御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。
では、次にまいります。18ページをお願いいたします。これは地域がん診療病院の新規指定の推薦があったというものです。推薦があったときの9月1日時点で、相談支援センターの研修を修了した専従の相談員の配置が未充足であったということです。そもそも新規の場合は、充足していることが前提で推薦してくるべきことなのだと思いますが、充足してない以上この施設をがん診療病院とはできないということになるかと思います。
そこに文面で書いてあることはそのこととは違って、もし、ここが要件を満たしている場合は、先ほどの地域がん診療連携拠点病院と同じ話で、医療圏に1か所だけれども整備がより一層図られることが明確であると都道府県が説明することができて納得できるものであれば、その限りではないということなのかと思います。実際に、この医療圏には地域がん診療病院が既にあるということで、プラス1として申請があったということです。
これについて御質問ございませんか。要件は満たしていないので、今言った同一医療圏に複数ということと関わらない話にはなるのですが。よろしいですか。これは残念ながら認めるわけにはいかないということでまいりたいと思います。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。
次にまいります。19ページと20ページです。内容は一緒です。地域がん診療連携拠点病院で要件未充足になったところが出てきたということで、3月4日本日まで充足が確認できていないということになるのだと思います。
これについて御質問ございますか。それぞれの病院で未充足要件というのはいろいろあります。緩和ケア研修の開催であったり、医療安全管理者の医療安全対策に係る研修の受講、専従かつ常勤の薬物療法医の配置、放射線治療の品質管理、緩和ケアチームへの精神症状の緩和に携わる常勤医師の配置ということで、それぞれの病院でいろいろ頑張ってはおられるのでしょうけれども、残念ながらここが充足できなかったということになります。こういう場合は特例型にして、その期間の間に再充足をお願いするという形になるのかと思います。
個別のことでも御質問・御意見がありましたら、お願いいたします。
村本構成員、お願いします。
○村本構成員 緩和ケア研修会の受講なのですが、コロナはまだ続いているかとは思いますが、全国的な影響はほかの病院では何とか開催できているという認識でよろしいのでしょうか。
○藤座長 これは実際にコロナでできていなかったということが多々ありますが、全部ではないですがWebでやればということで、ほとんどの施設が本日までには何とか開催しているということがあります。今後、Webでの緩和ケアの要件等々も決めていく必要があるのかと思いますが、各施設頑張ってやっておられるのが実情だと思います。ここの病院は、残念ながらそれが間に合わなかったということになるのかと思います。
事務局、そういう判断でよろしいですか。
○事務局(成田補佐) 藤座長から御発言いただいたとおりでございます。
○藤座長 ありがとうございます。ほかに御意見ありませんか。
皆さんも御覧になっている451病院の詳細なリストを見てみますと、来年度早々に要件を再充足できる病院がこの中にたくさんあります。しかし、要件として今は特例型にならざるを得ないということになりますが、特例型の場合等々は年度の途中でも、次期の検討会が夏ごろにあるかと思いますが、そのときに再充足していれば一般型に指定類型を見直す、元に戻ることもあり得るかと思いますので、ぜひ要件をしっかり満たすことを急いでいただければと思います。
事務局、今の認識でよろしいですか。
○事務局(成田補佐) はい。御発言のとおりでございます。
○藤座長 ありがとうございます。御意見・御質問はありませんか。
では、次にまいります。21ページです。要件が未充足の対応で、今度は地域がん診療病院です。これは1つ、栃木県の施設です。ここも緩和ケア研修会の開催が未充足ということで、先ほどの地域がん診療連携拠点病院と同じです。地域がん診療病院には特例型がありませんので、改善をしていただくために勧告することになります。これは昨年もあったかと思います。
このことについて御意見ありますか。ありがとうございます。
では、これでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 すみません、19ページと20ページを一緒にしたつもりでしたが、19ページの3つの病院を特例型にすることで御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 では、次に20ページ、同様にこの3つの病院を特例型にする。令和5年3月31日まで指定するのはどうかということで御承認いただけますでしょうか
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。失礼いたしました。
では、次に21ページに戻ります。これは地域がん診療病院で、ここも緩和ケア研修会の開催が現在のところ未充足であるということですので、できるだけ早くやっていただく形になるのかと思います。これについては勧告ということで御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。これで一通り終わりました。
では、くどいですが、資料1全体を検討会として御承認いただいたということでよろしいでしょうか。
羽鳥構成員どうぞ。
○羽鳥構成員 もちろん承認は承認でいいのですけれども、こういう研修会の未充足や、もしかしたら病院が気づいていなかったということもあるのかもしれないので、イエローレターというか、そろそろ切れそうですよというメッセージは、何か厚労省からあるいは県から出ているのでしょうか。一般論として教えてください。
○藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局(成田補佐) そういった切れそうですよという御連絡は現状させていただいてはいないのですけれども、年度末の検討会に向けては現況報告書を基に未充足の要件について、その時点で充足していない医療機関については都道府県を通じて適宜情報を更新しているところでございまして、また年度の途中、夏ごろに開催する検討会に向けては、検討会が近づいた時点で、例えば、今回特例型に類型変更する病院や勧告を行った医療機関を中心に連絡は行って、その時点での状況を把握しているところでございます。
○羽鳥構成員 分かりました。あまり類型がころころ変わってしまうと、患者さんも分かりにくくなると思うので、ぜひよろしくお願いします。
以上です。
○藤座長 ありがとうございます。基準日としては9月1日に充足しているか充足していないかというのは、多分県が分かると思います。今のパターンでいくと、本日までに9月には未充足だったけれども、この検討会までに何とかしないと勧告なり特例型になるぞというのは理解できると思いますので、都道府県がそれをよく認識して、各拠点病院にイエローレターといいますか、注意勧告をすることは必要になるのではないかと思います。ありがとうございます。
では、一応これで一通りのチェックは終わりましたので、全体をまとめて選定の方針に従って、資料2について事務局から説明をいただければと思います。
○事務局(成田補佐) では、資料2の御説明をさせていただきます。「新規指定・指定更新・指定類型変更の医療機関一覧(案)」としております。
まず、都道府県がん診療連携拠点病院については、新規指定及び指定類型変更の推薦はございませんでした。
続きまして、地域がん診療連携拠点病院(高度型)についてです。
宮城県の石巻赤十字病院、特例型からの指定類型変更として指定年限1年としております。
新潟県の長岡赤十字病院、一般型からの指定類型変更として指定年限は1年としております。
静岡県の磐田市立総合病院について、一般型からの指定類型変更で指定年限は1年としております。
兵庫県の加古川中央市民病院ついて、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
続きまして、地域がん診療連携拠点病院(一般型)ですけれども、こちらも順番に読み上げます。
北海道の旭川医科大学病院、指定更新で指定年限1年としております。
北海道の帯広厚生病院について、指定更新で指定年限1年としております。
山形県の山形市立病院済生館について、指定更新で指定年限1年としております。
山形県の山形県立新庄病院について、  指定更新で指定年限1年としております。
栃木県の那須赤十字病院について、特例型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
群馬県の藤岡総合病院について、特例型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
東京都の東海大学医学部付属八王子病院について、特例型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
神奈川県の新百合ヶ丘総合病院について、新規推薦で指定年限1年としております。
神奈川県の川崎市立川崎病院について、新規推薦で指定年限1年としております。
神奈川県の相模原協同病院について、指定更新で指定年限1年としております。
京都府の京都府立医科大学附属北部医療センターについて、地域がん診療病院からの指定類型変更で指定年限1年としております。
和歌山県の紀南病院について、指定更新で指定年限1年としております。
和歌山県の南和歌山医療センターについて、特例型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
広島県の呉医療センターについて、指定更新で指定年限1年としております。
次に、地域がん診療連携拠点病院(特例型)の医療機関です。
栃木県の上都賀総合病院について、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
長野県の飯田市立病院について、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
岐阜県の木沢記念病院ついて、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
福岡県の公立八女総合病院について、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
熊本県の熊本労災病院について、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
宮崎県の都城医療センターについて、一般型からの指定類型変更で指定年限1年としております。
次に、地域がん診療病院についてですが、鹿児島県の霧島市立医師会医療センターについて新規の推薦がございましたが、推薦時に未充足要件ありとのことで指定不可としております。
次に、勧告の医療機関です。栃木県の芳賀赤十字病院について、こちらは令和5年3月31日まで指定中の医療機関でございますが、勧告としております。
以上となります。
○藤座長 ありがとうございます。一つ一つ御説明をいただきました。
再度ですが、全体を見渡して新規指定・指定更新・指定類型変更の医療機関の一覧案について、御承認いただけますでしょうか。その前に、御質問があればお願いいたします。振り返って見て問題がある点、疑義がある点ありませんでしょうか。
では、検討会として合意を得たいと思います。以上の審議の結果を御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。全構成員から合意をいただいております。
では、以上で、議題1「がん診療連携拠点病院の指定等について」に係る検討は終了となります。
では、事務局から、確認を含めて最終的な検討結果の御説明をお願いいたします。
○事務局(成田補佐) では、検討結果についてです。繰り返しになりますけれども、資料2に沿って順に読み上げさせていただきます。
まず、地域がん診療連携拠点病院(高度型)に類型変更として新たに指定される医療機関が、宮城県の石巻赤十字病院、新潟県の長岡赤十字病院、静岡県の磐田市立総合病院、兵庫県の加古川中央市民病院。
次に、地域がん診療連携拠点病院に指定更新もしくは指定類型変更もしくは新規推薦で指定される医療機関が、北海道の旭川医科大学病院、北海道の帯広厚生病院、山形県の山形市立病院済生館、山形県の山形県立新庄病院、栃木県の那須赤十字病院、群馬県の公立藤岡総合病院、東京都の東海大学医学部付属八王子病院、神奈川県の新百合ヶ丘総合病院、神奈川県の川崎市立川崎病院、神奈川県の相模原協同病院、京都府の京都府立医科大学附属北部医療センター、和歌山県の紀南病院、和歌山県の南和歌山医療センター、広島県の呉医療センター。
次に、地域がん診療連携拠点病院の特例型に類型変更として指定される医療機関です。栃木県の上都賀総合病院、長野県の飯田市立病院、岐阜県の木沢記念病院、福岡県の公立八女総合病院、熊本県の熊本労災病院、宮崎県の都城医療センター。
地域がん診療病院については、鹿児島県の霧島市立医師会医療センターについて新規の推薦がございましたが、指定は不可としております。
次に、勧告の医療機関についてですけれども、栃木県の芳賀赤十字病院について勧告を行うこととしております。
次に、今後のスケジュールについてですけれども、本日御検討いただきました病院については、本検討会の結果に基づいて所要の手続を経た上で、各都道府県に対し指定の通知を行う予定としております。
○藤座長 ありがとうございました。
では、本日はもう一点、村本構成員より御意見がございますので、参考資料4を御覧ください。
では、村本構成員、お願いいたします。
○村本構成員 ありがとうございます。今回、都道府県がん診療連携拠点病院である石川県金沢大学附属病院に対する措置を要望する意見書を提出し、参考資料4としていただきました。
要望事項は、金沢大学附属病院と同一敷地内にある医療法人社団金沢先進医学センターが行っている自由診療の免疫療法について、これが治験を含めた臨床研究、先進医療の枠組みで行われていないのであれば、金沢大学附属病院から要請を行った上、1年以内に中止させることです。
背景として、まず、がん診療連携拠点病院等の整備指針に照らしてですが、本整備指針においては、地域がん診療連携拠点病院の指定要件で、各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療と、がん患者の状態に応じた適切な治療を提供することや、保険適用外の免疫療法を提供する場合には、原則として治験を含めた臨床研究、先進医療の枠組みで行うことが定められており、都道府県がん診療連携拠点病院も地域拠点病院の指定要件を満たすことが大前提となっています。これらは患者や家族が診療提供内容を正しく判断する上でも極めて重要な事項と考えます。
次に、金沢大学附属病院と医療法人社団金沢先進医学センターの関係性に関し、金沢先進医学センターは金沢大学附属病院と別法人とはいえ、同一敷地内に所在しています。当センターは自由診療の免疫療法を行っておりますが、ホームページ内では副作用が少ない、他治療との相乗効果が期待できるなどのメリットは記載されているものの、拠点病院の指定要件に定められた臨床研究、先進医療の枠組みである旨は記載されていません。
また、同センターの免疫細胞療法医師として、金沢大学附属病院の勤務医が複数名掲載されています。
これらの点から、患者・家族は、都道府県拠点病院である金沢大学附属病院への信頼をもとに、同じ敷地内にある同センターの自由診療の免疫療法を選択してしまう懸念があると考えます。
さらに、これまで過去の拠点病院等の指定検討会においては、当時、免疫療法の自由診療を行っていた病院の新規指定が結果的に認められなかった例があるほか、関連検討会として昨年10月のがん診療提供体制のあり方に関する検討会では、金沢先進医学センターを具体的に取り上げ、整備指針を遵守していない可能性のある医療機関が調査やペナルティーを受けることなく拠点病院の看板を掲げていることを問題視する指摘が、また、昨年11月の第7回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループの検討会でも、拠点病院からの情報提供を患者・家族が盲目的に信じてしまいがちである、場合によっては最善の選択を妨げられる可能性さえあるとする指摘が、それぞれ患者側構成員よりなされています。
こうした経緯を踏まえ、本指定検討会の構成員として、私は本件の問題提起を今回行わなければならないとの思いに至りました。
以上から、患者視点で見た場合、金沢大学附属病院は都道府県拠点病院としての指定要件の充足に大きな疑義があると考えます。
一方で、私は今回の指摘事項を除けば、金沢大学附属病院は患者の期待に応える医療を十分に提供しているはずだとも信じており、今回の指摘事項をもとに指定をすぐに取り消すことは、患者・家族の必要以上の不安や混乱を招きかねず、これを決して求めるものではありません。最初に申し上げたとおり、今回は是正措置に関する勧告を行うことを要望するものです。
なお、今回、勧告を行うか否かの結論にかかわらず、今後、指定要件を見直すことは大変重要と考えます。現在行われている指定要件ワーキンググループの議論の中で、がん対策基本法の基本理念に定める「がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切ながんに係る医療を受けることができるようにすること」に基づき、保険適応外の免疫療法を提供する場合に関する拠点病院の指定要件は、他の医療機関の紹介や同一敷地内の別機関の実施等についても当該医療機関の診療体制に含めるようにすることという観点を、ぜひ盛り込んでいただきますことを併せて要望いたします。
私からは以上です。よろしくお願いいたします。
○藤座長 ありがとうございました。村本構成員から御意見をいただきました。
今、構成員がおっしゃいました去年10月のがん診療提供体制のあり方に関する検討会は、私も構成員ですので、そのお話を聞いておりました。それから、昨年11月の指定要件に関する第1回目のワーキンググループは、私が座長をしておりますが、そのときにも意見が出ておりました。今の村本構成員を含めて3回、これはそれぞれ別の3人の患者側構成員の方から御意見をいただいております。
この御意見について、何か御意見・御質問ございませんか。
羽鳥構成員、お願いします。
○羽鳥構成員 これは、かなり大きな問題だろうなと思います。この金沢先進医学センターというのは、いわゆる先進医療A、先進医療Bの臨床研究の枠組みをきちんと通過しているものなのでしょうかという質問が1点。
それから、同一敷地内でやっているということは、少なくとも患者さんから見れば金沢大学が認めている機関ということですので、もし、この先進医学センターで免疫療法をやっているとすると、金沢大学が推薦しているようにみえますので影響は大きいものだと思います。金沢大学が認めていると誤解されても仕方がないことだと思うので、その辺はきっちり示すべきだと思います。石川県は人口の割には2つの大学があって、金沢大学ががこの件で県のがん拠点病院をはずされても金沢医科大という大学病院で拠点病院になれる病院があるかと思うので、十分しっかり議論していくべきではないかと思います。
最初の先進医療A、先進医療Bの話はいかがでしょうか。これは事務局に質問したいと思います。
以上です。
○藤座長 いかがでしょうか。これは先進医療としてやられている。
○岩佐がん対策推進官 今やっている免疫療法に関しては、先進医療等としてやっているものではないと認識しております。
一方で、その他の治療等々の中で先進医療としてやっているものがあるかについては、確認しないと分からないところではありますが、現時点ではそういうお答えになります。
○羽鳥構成員 分かりました。私は神奈川の出身なのですけれども、神奈川にも県立がんセンターで泌尿器科の先生方が免疫療法をやって、その拠点が不適切であるということで結果的に重大な罰が与えられたこともあるので、これはきちんと精査すべきだと思います。
それから、もう一つ、前のページの書き方を見ると、金沢大学のがんに関わる先生方がアルバイトの感覚で行って、名前が連ねられているのかなとも思うので、もう少し事務局できちんと精査して報告書を上げていただくほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
事務局から後で御説明をいただきますけれども、ほかに御質問等ございませんか。
では、今の村本構成員からの御意見につきまして、事務局から説明いただけますか。
○岩佐がん対策推進官 ありがとうございます。まず、こういった御指摘をいただいているということで、我々としても認識しているところでございます。現行の指定要件上は、同一の医療機関でということで定めているところでございますが、同一の医療機関をどういう形で見るのかという点について、実は必ずしもこういった事例まで踏まえて検討が行われていたわけではないところがございます。今回の会においての判断につきましては、基本的には拠点病院の整備指針に基づいて御判断をいただくことになるのかなと思っておりますので、現行の指針の中において法人の形態として異なるものについて、即座に何らかの措置を行うというのは難しいのではないかというのが事務局として考えているところです。
ただ、おっしゃられた御意見、問題意識については、私たちとしても非常に重要だと思っております。1つは、石川県を通じまして実態、病院側としてどのように考えているのかについて調査すること。それから、今後、指針の見直しに向けた議論の中でも、こういった案件に対してどう考えていくのかも一つの議題として挙げていきたいと思っております。
また、当然、同一敷地内にあるものの取扱い、同一の医療機関としてみなし得るのかについては、他部局等々でもいろいろな形で対応している部局があるという認識でおりますので、そういった知見・考え方も参考にしながら事務局としての整理を進めていきたいと考えているものでございます。
以上でございます。
○藤座長 ありがとうございます。今の御説明に御質問・御意見ございますか。
羽鳥構成員、お願いします。
○羽鳥構成員 石川県の行政から見れば、金沢大学出身の方が多分取り締まり側に回るのだと思うのですけれども、同じ大学の方が言うのはちょっと無理だと思うので、ほかの県の方が調査するとか、あるいは厚労省が直接調査するとか別の枠組みを考えないと、なかなか答えが出てこないのではないかという気がします。
以上です。
○藤座長 よろしいですか。
○岩佐がん対策推進官 ありがとうございます。そのあたりは、まず、事実関係をお伺いするのが重要かと思っております。その上で必要に応じて、場合によっては調査等々の権限の問題も出てきうるのかなと思っているところですので、そのあたりも整理した上で、ただ、この問題についてしっかり私たちとしても、どう考えるべきなのか、どう整理するべきなのか、患者さんとして誤解・誤認を生じ得る可能性は非常に重く受け止めた上で対応をさせていただければと思っております。
○藤座長 ほかはありませんか。
田中構成員、お願いします。
○田中構成員 非常に難しい問題だと思いました。同一敷地内ということが、患者さんから見て同じ病院だとみなされてしまうおそれがあるというのは、そのとおりだと思いますが、仮に同一敷地内でなくても「金沢大学附属病院と密接な提携を結び」とうたっていることだけでも、患者さんから見れば大学病院が認めているものだと認識されるおそれはあると思いますし、先ほど羽鳥構成員からもお話のあった、大学のドクターがセンターでも勤務されていて、名前や所属もホームページで表示されているようなので、どういうことをしたら拠点病院と同じとみなされるのかというあたりを、次の指定要件を検討されるときに、検討していただければよろしいのではないかと思います。拠点病院がどの程度関与しているのかが恐らく問題になるのではないかと思います。大学病院側が、いやいや、このセンターは大学病院とは全く関係がないんですと言い切れるのであれば、このセンターがある意味何をやっていても拠点病院とは本当に関連がないということになるのだと思いますが、ここで密接な提携ですとか、大学の先生が所属を明かして働いていらっしゃるというあたりも誤解を生むといいますか、拠点病院が認めているものだという認識を与える可能性があるのではないかと思ったので発言させていただきました。
以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
唐澤構成員、手を挙げておられましたか。
○唐澤構成員 ありがとうございます。今までの御意見をよく承って、村本構成員もおっしゃいましたように、これで3回こういう懸念が患者構成員から示されているわけですので、今回事務局がおっしゃったように勧告が難しいということは分かりましたが、重大な懸念があるということを金沢大学附属病院に対して一報する必要がある。通告なり、疑義照会は無理としても、大変重要な懸念が示されていますということは言わなくてはいけないのではないかと思います。事実関係についてちゃんと教えてくださいということを言うだけでも、先方もこれは問題なのだなと認識してくださると思うので、何もアクションしないと先方も問題だと気づかずにこのままいってしまう、また時がたってしまうということがありますので、金沢大学附属病院に対する何らかのアクション、お手紙を出すということができればと思います。
以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
今の件いかがでしょうか。
○岩佐がん対策推進官 この会の意見としてそういった意見を伝えることについては、私たちとしても十分考え得るところかと思います。そういった観点を踏まえて、会としての意見を藤座長におまとめいただければと思っております。
○藤座長 ありがとうございます。
今までの御説明、要件の解釈の仕方等々も含めて、勧告というのは実際は難しいところがあるだろうと。ただ、今言われましたように、何らかのアクションを起こす必要はあるのだろうということだったと思います。かつ、当然何らかのアクションというのは、先方に対する何らかのアクションプラス今後の指定要件の改定において、このことも問題意識として持って検討するべきであるということと理解いたしました。
御提案・御提言いただいた村本構成員も、そういうことでよろしゅうございますか。勧告は実際難しいということでございますが。
○村本構成員 ありがとうございます。基本的に今おっしゃったことで承知いたしました。私は、現行の整備指針に照らしても大きな疑義があると考えましたけれども、確かに整備指針のこの部分について明らかに抵触しているとはまでは言えないのかもしれません。その点では、勧告は難しいということについて理解しました。
一方で、石川県に対する調査と、今回のような事例が既に起こっていることを踏まえた上で、今行われている整備指定要件の見直しの中では、今回のようなことを想定して同じようなことが起きないように、ぜひ見直しをしていただきたいと思います。ありがとうございます。
○藤座長 ありがとうございました。
それでは、全体を通して御意見ございますか。随分早く終わってしまいそうなのですが、よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○藤座長 ありがとうございます。特にないようですので、これにて本日の検討会は終了したいと思います。
本日は、誠にありがとうございました。
 

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