第3回ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会(議事録)

健康局健康課予防接種室

日時

令和4年2月25日(金)10:00~12:00

場所

オンライン

議題

  1. (1)第2回検討会における主なご意見
  2. (2)ワクチン流通状況ダッシュボード(仮称)イメージについて
  3. (3)報告書(案)について

議事

議事内容
(1)厚生労働省 挨拶
○事務局 定刻になりましたので、ただいまから第3回ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会を開催させていただきます。本会議の事務局を務めますアクセンチュア株式会社と申します、よろしくお願いします。
○会議に先立ち、本検討会を主催いたします厚生労働省健康局予防接種室よりご挨拶をお願い致します。
○事務局 本日はお忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本来であれば、当室の室長からご挨拶申し上げるところですが、公務により欠席させていただきますので、かわりにご挨拶させていただきます。
本日はこれまでの議論をふまえて、報告書についてご議論いただくこととしております。事務局としましては報告書の内容を取りまとめたあと、その内容に沿って予算要求など必要な対応をしていく所存でございます。委員の皆様におかれましては、報告書のとりまとめに向けて引き続きのご協力をお願いいたします。簡単ではございますが挨拶は以上とさせて頂きますので、このあとご議論のほど何卒よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。なお、本検討会については、議事内容等については、原則、公開予定とするとともに、厚生労働省YouTubeチャンネルにおいてライブ配信をいたします。配信は、当日の会議中のみとなります。URLについては、厚生労働省の当検討会ページに掲載がございます。本検討会の構成員等につきまして、本日の出欠および、代理出席者の方についてご紹介をさせて頂きます、参考資料1の委員・参考人名簿を参照下さい。本日は、福島委員がご都合つかず、ご欠席となっております。また、木村参考人については、岩瀬様に代理出席いただいております。岩瀬様、一言いただけますでしょうか。
○岩瀬代理 エンサイス株式会社副社長の岩瀬でございます。本日、木村の代理で出席させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。なお、釜萢委員は、本日他の厚生労働省の会議と時間が重なっていらっしゃるとのことで、10時25分を目途にご退席となる予定です。
○釜萢委員 ご迷惑をおかけして申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。以降の議事につきましては、座長の大場委員に進行をお願い致します。
 
(2)第2回検討会における主なご意見
○大場委員 それでは次の議題に移ります。前回会議の振り返りとして、「資料2:第2回検討会における主なご意見」をご参照ください。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 「資料2:前回の検討会における主なご意見」についてご説明させていただきます。前回いただいたご議論の中から、項目ごとに主なご意見をまとめております。まず前回ですけれども、1頁目、ワクチンに関する情報というところで、ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)についてのご紹介をいたしました。「V-SYSは、新型コロナワクチンの接種用にカスタマイズされた形で作られており、市町村が実施する通常の定期接種にも対応させるには、システムの作り直しが必要となるくらい、大きな変更が必要になる」という説明がございました。これに対して、「ワクチンの確保や流通の面では、定期接種ワクチンの場合、ワクチンの製造販売企業、医薬品卸売販売業者及び医療機関の間で民間独自のシステムや方法により受発注等の売買が行われている一方、新型コロナウイルスワクチンについてはV-SYSで一元的に流通の管理を行っており、運用が全く異なっている」ことをご確認いただきました。
次に、自治体における接種実績把握方法についても、ご紹介をいたしました。「接種した月の分として取りまとめて実施主体の市町村に提出された予診票は、翌月に整理されてその月末までにパンチ入力されると資料に書かれているが、接種月の翌月末までに入力しきれなかった例も過去にはあった。それに対して、医薬品卸売販売業者から医療機関にワクチンを納入していただく段階の記録が、直近の状況に近い情報になると思う。納入されてから実際に接種するまでには少しズレがあるが、医療機関側が先の分まで発注しなくても医薬品卸売販売業者から順次配送されるため、医療機関への納入実績を把握することはとても大事な指標になる」というご意見を頂きました。
これらを踏まえまして、民間データの活用についてご議論頂きました。「医薬品卸売販売業者間で相談できないことを踏まえると、医薬品卸売販売業者からデータを集約するよりも、民間企業が販売するデータを活用する方が、コストが少なくてスピードが早い」、「これまで厚生労働省では、全国のデータを数ヶ月遅れで月次で示した上で、将来の見込みを提示することが精一杯だった。民間企業が販売するデータを活用することによって全国ではなく都道府県ごとの細かい範囲でデータを得られ、さらに頻度の観点では月次ではなく週次ごとにデータが得られるようになるため、それを安定的に低コストで運用できるならば、これまでと違った情報発信ができる可能性がある」。
前回の議論では民間データを活用していくという方向性でご確認いただいたところでございます。
2頁目でございます。実際のモニタリングを実施するにあたっての議論のポイントについて前回ご検討頂きました。
まずモニタリング指標については、「納入実績の対前年度同期比を指標として示すことは大変わかりやすい」というご意見を頂戴しております。
モニタリングの粒度については、「県単位の情報があれば、ある程度のことはわかるのではないか」ということ、また「市町村によっては個別の医療機関を特定できてしまう場合があるので、市町村単位でモニタリングするのであれば、一定の市町村をまとめる等の基準作りが必要になるのではないか」ということ、また、「厚生労働省や都道府県が供給に関する検討を行う場合には、市町村別の情報が入手できる状況があって良いのではないか」というご意見を頂戴しております。
情報の開示範囲については、「都道府県単位の情報が国民に伝わることによって、国民にポジティブな影響を与えることができるのではないか」ということ、「ワクチンの流通が円滑に進むためには、データを広く一般に開示することは必要と考えられる」こと、また、「透明性の確保という点で公表していくことは重要であり、都道府県レベルであれば公表することに差し支えはないのではないか」、ということで、「誰もがアクセスできるようお知らせいただきたい」というご意見を頂戴しました。また、「公表するメリットの1つは、買い占めなどの極端な事象に対する抑止力ではないか」というコメントをいただいております。
その他、頂いたご意見でございます。3頁目でございます。「情報を一般に開示する場合、例えば、当該シーズンの供給量の見通しや欠品状況などのデータの解釈における参考情報も、合わせて開示する必要があるのではないか」「返品の情報について、少なくとも国はしっかり把握すべきではないか」また、「医薬品卸売販売業者から医療機関への販売データをまとめたものを取得・開示することについて、公正取引上の規定に抵触しないか確認して進めるべきではないか」というご意見を頂戴しております。以上が「資料2:第2回検討会における主なご意見」の内容でございました。事務局から資料説明は以上となります。
○大場委員 ありがとうございました。前回のご意見に関して構成員の皆様方よりご質問、ご意見などございますでしょうか。また、事務局から補足説明等あればお願いいたします。
○事務局 厚生労働省から補足説明させていただきます。前回のご議論の中で、「医薬品卸売販売業者から医療機関への販売データをまとめたものを取得・開示することについて、公正取引上の規定に抵触しないか確認してほしい」というご意見があったと承知しております。これについては厚生労働省の方で確認いたしましたので、その結果を共有させていただきます。公正取引委員会からは、事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針が示されておりまして、その中で、この取り扱いも規定されております。具体的に申し上げますと、競争制限的な効果を持たない限り原則として独占禁止法に抵触することはないということでございました。ワクチン産業の活動を全般的に周知するために過去の販売実績を任意に徴収して公表すること自体は全く問題になりませんが、競争制限的な効果を持っていれば、この限りではないということでございます。今回はモニタリングデータを客観的に示すものでございますので、競争制限的な効果を持たないと承知しております。以上です。
○事務局 ありがとうございました。それでは他の委員の先生方、ご意見などございますでしょうか。
○今川 委員 第2回検討会は所要があって欠席してしまって申し訳ありませんでした。私から2点あります。
1点目はまさに厚生労働省からご説明がありました、公正取引委員会についての見解についてです。今のご説明を聞いて、おそらく大丈夫であると思っておりますけれども、お願いとしましては公正取引委員会と厚生労働省の間で確認した内容については、しっかり報告書の中に書き込んでいただいて、問題がないことを明らかにしておいてほしい。この業界にいて、サプライショーテージいわゆる安定供給に問題があるときに限ってですね、こういう流通情報のモニタリングをするということについては、特別に許されていたと我々経験上の理解がありますので、今回ご提案しているのが通常の状態でもモニタリングをするということになりますと、我々はどうしても過去理解していたものと相違がありますので、そういった点だけはしっかりと報告書にも記載いただきたいと思っております。
2点目について、主な意見資料の2頁目、情報開示の範囲でございます。これを広く情報を提供するということに関して、特に反対というわけではないのですが、注意すべき点があるのではないかと思っております。セキュリティやクレディビリティといった信頼性という観点でございます。電子データとしてホームページ上で皆が閲覧し利用できるようになってしまいますと、故意・意図的に関わらず、もしかしたら計算ミスをしたExcelファイルをインターネットに流してしまって、それが大きく市場を混乱させることも、あるかもしれませんし、あるいは本当に意図的にそういうことをする方がいるかもしれないなというところは心配しております。とはいえ一方では、現場ではやはりデータを加工するとワクチンの発注、流通を把握するうえで予測しやすくなるメリットがあろうと思いますので、そういう電子データのダウンロードはパスワードをかけて限られた人や必要な方だけができるようにして、本当に広く万人にデータを買われることがないようにとか、なにか工夫が必要ではないかと思った次第です。以上です。
○大場委員 ありがとうございました。その他ご質問・ご意見等はございますでしょうか。よろしいですかね。それでは、次の議題に進めたいと思います。
 
(3)ワクチン流通状況ダッシュボード(仮称)イメージについて
○大場委員 前回検討会ではワクチンモニタリングにおける民間データを活用するにあたり、国民向けに分かりやすく示す必要があるとのご意見がありました。「資料3:ワクチン流通状況ダッシュボード(仮称)イメージについて」について、事務局よりご説明お願いいたします。
○事務局 事務局から資料3についてご説明させていただきます。 「資料3:ワクチン流通状況ダッシュボード(仮称)イメージについて」をご覧ください。こちら1ページ目ですが、第2回検討会議論にて、行政関係者(国・都道府県・市町村)のみでワクチンの流通情報を活用するのではなく、広く国民に向けても情報開示するため、「ワクチン流通状況ダッシュボード(仮称)」があると良いのではとご意見頂いていたところです。今回は、厚生労働省ホームページ等に開設することを想定して、どういった内容を設定していくかというところをご検討いただきたいと思います。開設方法は厚生労働省ホームページ等に開設し、掲載情報はワクチン流通に関する指標を掲載し、モニタリングに活用することをイメージしております。本日の検討内容として、1番目が情報の粒度、2番目が情報の更新頻度、3番目がモニタリングに使用する指標についてご検討いただければと考えております。情報の粒度と情報の頻度については、第2回検討会でご検討いただきましたので、こちらの内容をふまえた整理内容をご確認いただきたいと考えております。モニタリングに使用する指標については、想定されるモニタリング指標とその事例をもとに、モニタリングにあたっての課題、その他考慮すべき事項等についてご意見頂ければと考えております。
2頁目、情報粒度についてですが、こちらについては第2回検討会での議論を踏まえ、都道府県単位とすることを想定しております。都道府県単位とする主な理由としましては、医療機関別の集計は、個人情報保護の観点から問題が生ずるおそれがあること、小規模自治体の場合は市町村別集計でも医療機関が特定されるおそれがあること、都道府県別の集計であれば広域となるため医療機関が特定されずに地域別の状況が把握可能であることから都道府県単位としております。
次に情報更新頻度でございます。情報更新頻度については週次とすることを想定しております。週次とする主な理由は、ワクチン流通の状況をタイムリーに把握し、不足・偏在を判断した上で、早期に対応を取ることが望ましいが、月次単位では最大1か月前の状況の反映となるため、対応が遅れるおそれがあること、日次単位の場合、よりきめ細かな対応を行うことができる可能性があるものの、データ更新頻度が高くなることでモニタリングデータの解釈が困難になることや、情報を受け取る行政機関の負荷が高くなることが懸念されることから、週次単位であれば、過去データとの比較や、迅速性の担保がある程度可能であり、活用しやすいと想定しております。
4頁目に、本日、主にご検討いただきたいと考えておりますモニタリング指標の案について掲載しております。モニタリング指標については3つ掲載しておりまして、各指標の課題ですとかその他考慮すべき事項なども含めて、モニタリングの指標としてこういったものをモニタリングの指標としていけるかどうかご確認いただければと考えております。下の表に沿ってモニタリング指標案についてご説明をさせていただきます。モニタリングに使うデータとしては、前回会議で検討いたしましたように、民間の事業者から活用いただくことを想定しておりますので、ワクチン流通データのみで算出できる指標とその他のデータと組み合わせて算出できる指標という2パターンをご提示しております。まずワクチン流通データのみで算出する指標としまして、基本的には対前年度比を使用してはどうかとご提示しております。これらは前回検討会で資料としてお示しした内容になりますが、期間別に同じ期間同士を比べることや、対前年度比を累積で比較するということでございます。もう1つは、他のデータと組み合わせるというパターンでして、対象人口と比較してワクチンの流通状況を必要な人口に対してカバーしているかを確認できるような指標というところで、対象人口比を設定しております。
○大場委員 ここで釜萢委員はご退席となります。ご質問や意見などございましたらお願いいたします。
○釜萢委員 大変申し訳ございません。コロナ対策の分科会があるものですから申し訳ありません。今までご説明いただいた内容は承知いたしました。モニタリングの指標としてはだいたい今出ているような指標だと思うんですけれども、医療機関で今後のワクチンの供給がどうなのかというところに非常に関心があるし、不足してきた場合に、供給状況がどうかというところは何らかの予測ができると大変ありがたい。一方でそれはなかなか難しいと思うんですね。これまでの経験で、季節性インフルエンザのワクチン等が検定に通ったかどうかもとても大事な指標になると思うので、これは厚生労働省がおわかりになると思うが、検定があがってきて市場に流通するワクチンの確定数が出てきたときに、それらがわかるとある程度の予測になるのかなと思います。メーカー側の皆様からの今後の予想について何か指標がおありであればありがたいのですが、私自身では思いつかないので、検定の状況などは1つの参考の指標になるのかなと感じました。これは厚生労働省の方でご検討いただいて、指標としては使いにくいということが出てくるかもしれませんが、今気づいたのはこのようなところです。以上意見を申し述べます。ありがとうございました。
○大場委員 ありがとうございました。それでは今の先生のご意見に関して厚生労働省から補足やコメントはございますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。頂いたご意見、特に検定の部分については今後事務局としても検討していきたいと思っております。報告書の記載にあたって、ぜひご相談させていただければと考えております。以上でございます。
(釜萢委員ご退席)
○大場委員 ありがとうございました。それでは引き続き事務局の説明に戻っても良いでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。引き続き資料説明をさせていただきます。モニタリング指標についてご説明させていただきました。対前年比で比較していくもの、また対象人口と比較をしてワクチンの供給状況をみていくといったところで3つパターンをお示ししております。これらについて、具体的にデータを使ってみていくと、どういったものになるかというところを資料の後半でお示ししております。
また、前回議題になっていたもので、返品データの取り扱いがございますので、こちらについて5頁の方でご説明させていただきます。こちらについては、インフルエンザワクチンについては返品の商習慣が存在するが、当モニタリングでは各地域にワクチンが十分流通しているかの確認を主眼とするため、指標として返品は含めない流通量を用いることとしてはどうかとして記載しております。理由としましては、医療機関に納品されたワクチンは、納品時点で各医療機関が使用することが想定されており、返品されたワクチンは、各医療機関で生じた余剰分であり、返品後、他医療機関に再度納品されることはないことから、返品ワクチンを差し引いたデータを用いると、実際に利用可能なワクチンの総量を過小評価してしまうことになるので、今回はモニタリングの指標としては、返品は含めない流通量を用いまして、返品データは参考と位置づけたうえで都道府県別の公表をする形でどうかと、まとめさせていただいております。以上がモニタリング指標に関する観点でございまして、以降が日本脳炎ワクチンとインフルエンザワクチンで、IQVIA社様とエンサイス社様に提供いただきましたデータをもとに、実際の指標を入れていくと、このようなイメージになるという資料をご用意しております。
まず、日本脳炎ワクチンでございます。資料7ページ目ですけれども、前回、第2回検討会でも似た形式でお示ししております、指標①期間別前年度比という資料になります。各四半期の前年度と当年度を比べて、どれくらいの流通量であったかお示しする資料になっております。今回ピックアップしたエリアは第2回検討会で挙げさせていただいたエリアとは異なりますが、年度としては同じ2016年から2018年の同じ年度で作成しております。2017年を見ていただくと、例えば7月から9月ですと流通量が前年度の同時期に比べて、7割ほどとなっていることが確認できるような資料となっております。
続いて8頁目でございます。こちらは指標②期間別前年度比の累積として、対前年度のワクチンに対する今年度の流通量について、累積で追っていった形でまとめたものになります。ですので、前年度に対して、区切りを四半期ごとにしておりますが、四半期ごとの対比ではなくて、その期間までにどれくらい前年度に比べてワクチンの流通が積みあがってきたかというような形でお示しする資料になっております。例えば2017年度を見て頂きますと、全国で前年度のおよそ52.9%のワクチンが9月までに流通しており、12月には75.4%が流通しておりますが、地域別に比べてみますと、地域によっては9月までは50%台ですが、例えばX県ですと12月の供給状況が70.7%と、やや下回る状況となっております。こちらの年度のトータルは先ほどの前年度比の指標と同じになっております。
9頁目でございます。対象人口に対して当年度のワクチン流通量がどれくらいであったか、をお示しする資料となっております。今回につきましては、対象人口については日本脳炎の対象者人口としておりますが、全国各地域の人口を1歳ごとで把握できるデータとしまして、国勢調査人口を使用させて頂きましたので、2016年度から2018年度まで同じ人口を使って計算しております。年度によって概ね100%を超えて流通しているところですけれども、年度や地域によっては対象人口の9割程度など、100%を下回る流通量になっている地域もあるというところで、各年度の状況を把握できるような形となっております。
こういったデータを週次でお示ししたときにどうなのかというイメージが10頁以降になっておりまして、先ほどご提示した期間とはデータの都合上年次が異なりまして、直近のデータになっておりますけれども、週次で直近のデータをお示ししたものになっております。
10頁でございますが、こちらの期間別前年度比(累積)のデータをお示ししたものになっておりまして、今年度につきましては、ワクチンの製造が一時中止になったこともございまして、全国で12月の末時点までの結果を見てみますと、前年のトータル量を100とした場合に、今年度は全国で38.0%程度というような流通量になっております。
11頁でございますが、同じ期間を対象人口比でお示ししたものになります。グレーの折れ線グラフが前年度の動きになります。下側は国勢調査のデータを使っておりますので、対象人口は前年度と同じデータを使っておりますけれども、全国の状況になりまして、上のグラフでは、2020年度については、年度末の時点で対象人口に対して117%程度のワクチンが流通していたところが、今年度につきましては、第40週の時点で44.5%という状況になっております。
12頁につきましては、これらを地域別にお示しした形になっております。いずれの地域も同じような傾向がみられるような形になっております。
次にインフルエンザワクチンについて、同じような形でデータを取りまとめておりますので、こちらもご紹介をいたします。インフルエンザワクチンについてですが、14頁は第2回検討会でご提示したものと同じ資料となりますが、インフルエンザの各年度のシーズンを9月から3月と設定しまして、シーズンごとにワクチンの流通量が対前年度でどれくらいであったかをお示ししております。インフルエンザに関しましては、流通の期間が年度内の一部の期間に限られておりますので、期間どうしの比較というよりは累積の比較という形で出させていただいた形となります。第2回検討会で一度ご提示しておりますので、詳細は割愛させていただきます。
これを週次でお示ししたのが15頁のグラフになります。2017年度の状況を期間別前年度比(累積)、前年度の全体の流通量に対して、当年度週次のタイミングでどれくらい積みあがってきているかをお示しするグラフとなっております。こちら全国と先ほどの表でサンプルをお出しした3つの県でお示ししております。こちらを見ますと、地域によって、前年度と同じくらいの量が流通してくるタイミングが、多少差があるということが確認できまして、例えばF県ですと、11月の半ばごろにほぼ前年度の量が流通してきており、その他の全国とD県・F県ですとだいたい12月の半ばごろに前年度と同じような量になっているというような動きがみられる形になっております。
続きまして16頁でございます。こちらについては、期間別の対象人口ということで、対象者の人口に対してワクチンがどれくらいの量が流通しているかを人口対比でお示ししたものになります。こちらはインフルエンザのワクチンにつきましては、65歳以上の高齢者が定期接種の対象ということで、各年度の65歳以上高齢者人口について、一番上に掲載しております。こちらについては、住民基本台帳上の統計データで各年度別の人口を出しております。またインフルエンザの場合ですと、ワクチンの流通量につきましては、任意接種用と定期接種用で区別がございませんので、ワクチンは任意接種を含めた総量に対して、定期予防接種の65歳以上高齢者人口の対象者で算出した値になりますので、高齢者の定期接種の対象者に対してみると、多めに見えているところではございますけれども、そういった計算式となっていることをご確認いただければと思います。各年度、地域によって多少差はございますけれども、対象人口に対して、140%台から160%前後の供給量があるようなところが見えるような形となっております。地域によっては年度によって、やや低めの値で推移していることがわかる形となっております。
17頁は16頁の表を週次でグラフ化したものになります。こちらについても、定期接種の対象人口をカバーするようなワクチンの流通量がどれくらいのタイミングで納入されてきているかというところが把握できる形となっておりまして、11月の中旬から下旬頃に、65歳以上の対象者をカバーする量が流通していたところがわかる形になっております。今回ご用意した資料としては以上となります。こちらの具体的な資料も踏まえまして、前半ご説明いたしましたモニタリングの指標について、指標の内容ですとか、考慮すべき事項などご意見頂ければと考えております。
○大場委員 ありがとうございます。資料3について、構成員の皆様方よりご質問、ご意見などございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(特に質問等の発言なし)
○大場委員 構成員の皆様には、ダッシュボードで想定する内容として、情報粒度は都道府県別であること、情報更新は週次を想定すること、主な指標として、ワクチン流通の対前年度比や、対象人口比を用いることについてご確認いただきましたので、これらの内容について報告書に盛り込むこととしたいと思います。
 
 
(4)報告書(案)について
○大場委員 次に、報告書のとりまとめについて検討したいと思います。「資料4:ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会 報告書(案)」について事務局よりご説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。「資料4:報告書案」についてご説明させていただきます。こちらですけれども、前回までのご議論と本日の資料に掲載の内容の一部を盛り込みまして報告書案の一部となっております。もう1つお手元に「資料4-2:報告書概要版(案)」をご提示しております。こちらについては、報告書の内容をコンパクトにまとめたものになりまして、検討会の概要ですとか報告書の概要をまとめております。
資料4-1ですけれども、こちらについては前回までに検討いただいた内容を、主に第1章から第3章におまとめしております。また本日先ほどの資料でご確認いただいたモニタリングの実施方法、データの粒度、更新頻度、指標などにつきましては、第4章としてまとめております。こちらについては、先ほどご確認いただいた内容を盛り込んで最終化する予定でございます。また第3章までの部分につきましては、会議前に皆様にお目通しいただいております。こちらの内容ですが、追加で記載すべき事項やご確認・ご意見がありましたらいただきたいと考えております。また、先ほど厚生労働省の方から、ご説明を頂きました、公正取引委員会関係の部分に関しましても、25頁のまとめのところに情報活動の取扱いとして現時点でまとめた内容を記載しておりますので、まとめの部分に関しましてもご意見をいただければと考えております。資料全体のご説明は以上となります。
○大場委員 ありがとうございました。「資料4:報告書案」について、構成員の皆様方よりご質問、ご意見などございますでしょうか。
○今川委員 冒頭にコメントさせていただいたところで、公正取引委員会との協議に関する事項は報告書の中に組み入れた方が良いと考えております。以上です。
○大場委員 ありがとうございました。その他、追加のご質問・ご意見はございますでしょうか。
○今川委員 第2回検討会には当協会から丹澤理事が参加しております。報告書の内容に正確性を期するのであれば、代理出席者の名前も入れて頂けると助かります。以上です。
○大場委員 ありがとうございます。その他追加のご質問・ご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。今川委員からご意見いただきました、公正取引委員会に関することをきちんと報告書に記載することをはじめ、本日議論いただいた内容を踏まえ、報告書を最終化したいと思います。本日までの会議で概ね内容は整理できたと思いますので、本日の議論内容および、皆様のご意見の報告書への反映については、座長一任とさせて頂いてよろしいでしょうか。
(賛同を確認)
○大場委員 ありがとうございます。ご賛同いただけたこと確認いたしました。構成員の皆様方より貴重な意見を頂戴いたしました。皆様のご意見をとりまとめ、報告書を最終化したいと思います。先ほど、報告書内容については座長一任でとりまとめさせて頂くことでご賛同いただきましたので、次回会議は開催せず、報告書最終案の確認をメール等で確認いただくことでいかがでしょうか。
(賛同を確認)
○大場委員 ありがとうございます。それでは、報告書については、私と事務局でとりまとめさせていただきます。このほか厚生労働省で追加・補足などございますでしょうか。
○事務局 特にございません。皆様におかれましては取りまとめに向けてご協力いただきまして誠にありがとうございます。また引き続きご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
○大場委員 ありがとうございます。こちらで事務局の方にお返ししたいと思います。ありがとうございました。
○事務局 大場委員ありがとうございます。委員の皆様も年末から非常にお忙しい時期にもかかわらず、3回の委員会にご出席賜り誠にありがとうございます。先ほど座長の大場委員からお話がありましたとおり、報告書については座長一任で了承が得られましたので、本日の議事を含む報告書案がまとまり次第、皆様にメール等でご確認いただいたうえで最終報告書とさせていただきます。報告書の公表は3月中旬から下旬頃を想定しております。
本日は貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。こちらで第3回検討会を終了させていただきます。
ありがとうございました。

照会先

健康局健康課予防接種室

代表 03-5253-1111(内線2923)