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第3回訓練基準の見直しに係るワーキンググループ議事録
日時
令和4年1月31日
場所
TKP新橋カンファレンスセンター
議題
第3回 訓練基準の見直しに係るワーキンググループ
議題 (1)訓練基準の見直しの方向性について
(2)その他
議事
- 議事録
- 〇大城補佐 おはようございます。定刻を過ぎましたのでただいまから「身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会第3回訓練基準の見直しに係るワーキンググループ」を開催いたします。皆様にはご多忙のところ本ワーキンググループにご出席いただきありがとうございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としまして、WEBでの開催となり江藤座長と事務局は会場からの参加となります。続いて構成員の出席状況ですが、本日は水上構成員から欠席とのご報告をいただいております。また佐藤構成員は途中から参加いただく予定となっております。日本聴導犬パートナーの会の松本構成員におかれましてはUDトークを使用してご参加いただいております。また傍聴者向けに手話通訳者を配置しております。構成員の皆様におかれましては、ご発言の際は明瞭にゆっくりご発言くださるようご協力をお願いいたします。あわせてマスクを着用している場合には、発言時のみで差し支えありませんので、マスクを外していただければ幸いです。次に、事務局を紹介いたします。自立支援振興室長の奥出です。企画課長補佐の平田です。福祉用具専門官の周藤です。社会参加活動支援係長の田中です。私は自立支援振興室長補佐の大城です。以上よろしくお願いいたします。続きまして、本ワーキンググループの取り扱いについて説明いたします。本ワーキンググループの議事については公開とさせていただき、また議事録については後日、厚生労働省のホームページに掲載することとしておりますのでご承知おき願います。それでは本日の議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。構成員の皆様には事前に資料をお送りさせていただいておりますが、資料は議事次第、資料1~4と参考資料1、2になります。今日もウェブ開催としておりますので、ミュート機能を設定していただき、ご発言される際は、手を上げるというアイコンを画面に表示していただく、もしくは実際に挙手してお知らせ願います。それでは本題に入らせていただき、江藤座長に議事を進めていただきたいと思います。江藤座長、よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 それでは議事次第に沿って進めさせていただきます。「議題1訓練基準の見直しの方向性について」。事務局より資料の説明をお願いいたします。
〇周藤専門官 資料のご説明をさせていただきます。まず「資料1訓練基準の見直しの方向性について」をご覧ください。スライド1ページ「訓練基準に関する主な意見Ⅰ〈使用者のニーズの把握について〉」のスライドになります。これ以降のスライドにおいては、下線部のところ、前回第2回ワーキンググループにおいていただいたご意見を紹介させていただきます。
まず一つ目ですが、「訓練前の段階で専門職が関わる仕組みは必要。ニーズを適切に把握するためには、専門的な視点が必要になるので、指定法人が関わることも方法の一つ。訓練事業者と指定法人が適切に連携していくことが重要。」「使用者のニーズを適切に把握することについて明確化することは重要。」とのご意見がございました。
1枚おめくりいただきましてスライド2ページ、「訓練基準に関する主な意見Ⅱ〈利用者ごとの長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)〉」のスライドになります。
下線部のところになります。「一律にリタイア時期を設定する必要はないが、犬の老化が事故に繋がる恐れがあるため、海外での研究結果等を踏まえ、10歳程度で身体機能を評価し、交代時期を判断していくことが適当。」「使用者の人生設計を考える観点から、実態を踏まえたリタイア時期の目安はあった方が良い。」とのご意見がございました。
続きまして1枚おめくりいただきましてスライド3ページ、「訓練基準に関する主な意見Ⅲ〈訓練日数について〉」のところになります。同じく下線部になりますが、「代替えの場合には、訓練日数の短縮は可能と考えるが、日数そのものよりも、どのような訓練時間にどの程度時間をかけるかがポイントになる。」との意見がございました。
続いてスライド4ページになります。このスライドについては〈その他〉のご意見というところで掲載させていただいておりますので、説明は省略させていただきます。
スライドの5ページ、こちらは「訓練基準ワーキンググループの取りまとめ(案)」となります。身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会での議論を踏まえ、検討会のもとにワーキンググループを設置し、これまで介助犬、聴導犬の訓練基準の見直しについて検討を行ってきたところです。訓練基準の見直しに係るワーキンググループのとりまとめ(案)については資料2となりますので、資料2をご覧ください。
「資料2訓練基準の見直しに係るワーキンググループとりまとめ(案)」となります。一つ目の〇(まる)です。使用者のニーズの把握についてですが、その人が目指す生活を実現するために介助犬、聴導犬の使用を希望している場合であっても、その他の方法も含めた多様な支援の選択が可能となることが必要であることを踏まえまして、使用について相談があった際には使用者のニーズを適切に把握することが重要であることを明確化、その下の段落、「また」以降となりますが、専門職の関与によりその人が目指す生活の実現に資すると考えられますが、必ずしも訓練事業者には専門的知識を有する者が網羅的に配置されていないことや、訓練終了後の認定申請手続きに円滑に繋げていくことによって早期の社会参加に資すると考えられることから、認定申請予定の指定法人も訓練事業者からの求めがあった場合には必要に応じて関わっていくことが望ましい、以上のことについて、「使用者のニーズ把握に関すること」を訓練基準のところで反映して修正したいと考えております。その横に認定要領の修正とございますが、これについては訓練基準の見直し(案)を検討する過程において、訓練事業者は指定法人と関わること等を訓練基準に盛り込む予定となっておりますが、一方で認定要領においては指定法人が訓練事業者と関わることについて記載がございませんので、今回のワーキンググループにおいて認定要領の修正も(案)としてご報告をさせていただきます。具体的な内容はこの後、資料3以降の新旧対照表でご説明します。また、認定要領の修正におきましては、既にワーキンググループは終了しておりまして、構成員の皆様も本日全員参加されているわけではございませんので、この後改めて構成員の皆様にはご報告する予定としております。
続いて二つ目の〇(まる)になります。介助犬、聴導犬のリタイア時期に関することになります。リタイア時期は、犬や使用者の健康状態等に応じて判断されることになるため、一律の基準を設定することは困難と考えられますが、犬の老化に伴う使用者の安全面への影響や、介助犬、聴導犬のリタイア時期を見据えて使用者の将来設計を立てやすくするという視点から、一定の目安を設定して犬の身体機能を評価し、リタイア時期を判断していくことといたしまして、目安とする年齢については海外での研究結果等を踏まえ10歳とし、訓練基準の修正を考えております。次の段落、同じく「また」以降となりますが、長期的な訓練計画については、使用者は現在使用している介助犬、聴導犬が引退した後も新たな介助犬、聴導犬の貸与を受けて生活を継続していくことになるため、訓練基準はリタイア時期を見据えた長期的な視点で使用者の生活を支援していく必要があると考えられることから、こうした視点を訓練基準の方で明確化することとしております。
続きまして三つ目の〇(まる)です。2頭目以降の訓練日数に関わるところになります。2頭目以降の場合は、補助犬使用者の経験により、初めて使用する場合に比べて介助犬、聴導犬に対する理解が深いと考えられることから、使用者の負担も勘案しつつ、2頭目以降の合同訓練日数を訓練事業者の判断で短縮することも可能というところで修正をしたいと考えております。
最後四つ目の〇(まる)になりますが、これは訓練基準の修正に関連する内容ではございません。ワーキンググループの議論においてご提案された内容を記載しております。盲導犬における訓練士養成課程を参考に、訓練事業者同士で介助犬聴導犬の訓練士を養成する基準を作成することについてのご提案がワーキンググループでございました。
続きまして資料3-1に移りたいと思います。「資料3-1介助犬の訓練基準の新旧対照表」をご覧ください。赤字が今回修正した箇所になります。左側の「新」をご覧ください。「第1 訓練内容について」は、介助犬の訓練は基礎訓練、介助動作訓練及び合同訓練の3段階を行うことを基本とし、それぞれの訓練記録を作成、保管すること。以降追記したところになりますが、「また、使用者の生活を長期的な視点で支援していく観点から、使用者への引渡し後も、育成した介助犬がリタイアした後の対応を見据えて継続的な訓練および指導を行うこと。また、介助犬の使用について相談があった際に、使用者のニーズを適切に把握することが重要となることに鑑み、適切な相談対応を行うとともに、訓練計画の作成等に当たり、必要に応じ、身体障害者補助犬法第15条により厚生労働大臣が指定した法人(以下「指定法人」という。)に助言を求めること。」としております。使用者のニーズ把握や長期的な訓練のところをこちらに反映しております。続いて、その下「3 合同訓練」のところになりますが、こちらは2頭目以降の訓練日数の短縮について修正しております。赤字のところになりますが、「ただし、介助犬の使用経験を有する者が使用する犬については、習熟状況や使用者の負担等を勘案して介助犬育成団体の判断で実働日数を短縮することも差し支えない。」としております。
続きまして、「4 継続的な訓練・指導」になります。リタイア時期に関するところを修正しております。「概ね10歳上の介助犬については、介助犬として活動を継続することが可能と見込まれる期間について適切に確認を行い、その結果に応じて必要な育成を検討すること。」としております。続きまして「第2 訓練体制」のところになります。こちらも使用者のニーズを適切に把握するために、「なお」以降のところが今回追記したところになります。「なお、必要に応じて認定申請予定の指定法人に対して助言を求めること。」としております。
最後になります。「2 専門職の協力体制」のところになります。こちらも使用者のニーズの把握についてに関係するところになりますが、赤字の下線部、「特に」以降のところ、「特に、使用者のニーズの把握は、介助犬の使用以外の方法も含めた最適な支援内容を検討していく上で重要であることから、適切な相談体制を確保すること。」と修正をしております。
続いて資料3-2、こちらは聴導犬の新旧対照表となります。介助犬を聴導犬と変更している以外は同じ内容となりますので、説明は省略させていただきます。
続きまして資料4-1をご覧ください。こちらは先ほどお伝えしましたが「認定要領の見直し」になります。訓練基準において指定法人と訓練事業者の関わりのところを記載しておりますので、同じように認定要領も指定法人と訓練事業者との関わりについて記載をしております。「第3 認定の手続き」のところになりますが、「4指定法人は、訓練事業者から介助犬使用希望者への対応に関して相談があったときは認定申請がされていない場合でも必要な協力を行うよう努めること。」としております。
資料4-2は同じく介助犬を聴導犬に変更していること以外は同じ内容ですので説明は省略させていただきます。
参考資料1-1、1-2、こちらは介助犬および聴導犬の訓練基準改正後の全文となります。修正の箇所は赤字でお示ししております。参考資料2-1、 2-2、こちらについては介助犬および聴導犬の認定要領の改正後全文となります。赤字のところはワーキンググループで検討した修正箇所です。今回の追加で修正したところは青字でお示ししております。資料の説明は以上となります。
〇江藤座長 訓練基準の見直しに係るワーキンググループは今回が最後となります。今回のご意見を踏まえ、「第6回身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会」に取りまとめ結果を報告する予定です。資料を見ましたところ使用者のニーズの把握や、補助犬のリタイア時期など、これまでの議論を踏まえた形で取りまとめられているので、このような方向で差し支えないだろうと感じておりますが、2頭目以降の合同訓練日数を短縮することについては新旧対照表を見ると、短縮可能な日数には制限がないといった解釈もできそうに読めますので、例えば少なくとも所定の日数の半分は訓練を実施するといったような最低限の訓練日数を設定することはどうか、といったようなところは議論の余地があるかもしれません。それでは、ご発言がございましたら順番に指名してまいりますので、挙手または手をあげるアイコンでお知らせください。有馬構成員どうぞ。
〇有馬構成員 確認ですが、リタイア時期が10歳となっていても10歳以上に関しては専門家の方等の意見を取り入れれば、10歳で引退ということではなく、10歳が検討段階ということと解釈してよろしいでしょうか。
〇江藤座長 そのように解釈していいかと思いますが、事務局いかがですか。
〇周藤専門官 そのような解釈で構いません。
〇有馬構成員 以前も申し上げましたが、聴導犬は小型犬が多いので大型犬と違って活動時期が長いというのがありますので、ありがとうございます。
〇江藤座長 木村構成員、どうぞ。
〇木村構成員 先ほど座長からお話があったように、2頭目以降の訓練期間の話です。この改定には最低限の日数が設けられていないのですが、設けた方がいいと思っています。具体的な科学的な資料というものはありませんが、今までに私が2回受けた2頭目以降の合同訓練の経験では、だいたい30日ぐらいは2回目以降の人でも必要ではないかと思っているので、そのあたりを皆さんで相談して決めていただければと思います。その決めた内容を、取りまとめ案の3番目の項目と訓練基準の改定の部分にも追加していただければと思います。
〇江藤座長 合同訓練の日数について、30日くらいは必要ではないかというご意見をいただきましたけれども、この日数についていかがでしょうか。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 朴構成員も以前おっしゃっていましたが、盲導犬が28日ということで、介助犬が40日というのはどこから出たのか、ユーザーさんたちの負担を考えると、例えば最低基準が何日であとは個々の能力というのがあるということを考えたらいかがでしょうか。
〇江藤座長 最初の検討会がなされたのは平成14年ぐらいだったかと思います。大雑把に40日ぐらいと、そういうような決まった形で決まった可能性がありますが、現段階でこれから改正するにあたっては、日数に関してどの程度まで必要かというところ、盲導犬を参考にしたご意見もございますけれども、その他にいかがでしょうか。水越構成員どうぞ。
〇水越みゆき構成員 聴導犬の場合、合同訓練の日数が足りないというところで、全部で10日というのは、聴覚障害者に対して指導するにはあまりにも短いとお話をさせていただきました。それも含めて長くしなければいけないと思っているので、そこは延ばしてもらいたいです。あとは30分だけ合同訓練やって、それを1日と換算してしまう団体もあるということをしっかり認識しているでしょうか。もし30分を10日間やって、全部で時間としては5時間ぐらいにしかならないと思いますが、その5時間だけやって合同訓練が終了します、という形になるのはどうなのかなというところで、例えば1日は何時間と換算する形にしていくのも一つだと思います。きちんとやっているところはやっています。どちらかというと、訓練基準自体がきちんとやっていないところに、どうやってやらせるかというところもあるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
〇江藤座長 砂田構成員どうぞ。
〇砂田構成員 私も聴導犬が少し短過ぎるのではないかと思います。介助犬に関してもなぜ介助犬だけ長いのか、ということもあって、盲導犬と一律で最低限というところで、1頭目は合わせてもいいのではないかと思います。先ほど水越みゆき構成員がおっしゃっていた、規定を作って守らない方をどのように少なくするかということですが、これに関してはどんなに決めても守らない方は守らないのではないかと思います。守ってないところというのは、それが犬やユーザーさんに表れていますので、それをいかに指定法人が試験のときに見抜けるかということになってしまうのではないでしょうか。なので、訓練基準というのをきちんと決めても、守らないで試験を受けたときに指定法人がそこを見抜ける技量を持っているかという部分にかかってくるのではと感じます。
〇江藤座長 有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 水越構成員と砂田構成員がおっしゃったように、本当に聴導犬に関してはなぜ(短いのか)というのが初めからすごく疑問です。なぜ10日と40日という差があったのか、聴導犬育成団体のわからないところでもあります。もちろん皆さん自主的に伸ばされて、日本聴導犬協会も盲導犬と同じ28日間行っています。その中で自宅指導が最低で1日で良いというような感じになっていますが、それも全然足りなくて、自宅訓練は3日か4日、最低でも5日は取らないと無理です。ですので、その辺のことを先にどうしてなのかお話を聞かせていただきたいと思います。もう一つ、逆に言うと盲導犬がなぜ28日間なのかということを、朴構成員に聞きたいと思いますが、いかがですか。
〇朴構成員 私の見解をお話させていただきます。働いている方は仕事を休んで、それから子供がいる方もいます。以前は日曜日が休み、今は土日が休みというところが多いですが、そういう方が4週間確保するのは大変なことで、それが一つの基準にはなっていると思います。在宅が増えてきているので、応用する形でそれを短くしようという意見もあります。ただ今のところは4週間がギリギリだというのが、盲導犬の団体さんが考えているところだと思います。私は、盲導犬以外にも介助犬、聴導犬をどうしても比べてしまいますが、現在介助犬が40日というのは長いですよね。聴導犬が10日というのは短いですよね。このアンバランスはやはり盲導犬に準ずるべきだと思います。しかし、現在この法律で行っているわけなので、それを変えるというのはそれなりの根拠が必要になると思います。今回そこまで持っていけるのかというのは疑問に思います。多い、少ないという客観的な意見を落とし込める、法律を変えるところまで持っていけるのかどうかは自信がありません。希望としては、盲導犬のように両方28日、4週間がいいかなと思っています。代替えに関しては、盲導犬の場合は半分の2週間で良いとなっていますので、それも体感的には実感する日数です。介助犬について先ほど代替えでも30日という意見がありましたが、30日必要かは疑問に思います。また、都道府県の委託事業の関係があります。委託事業に申請して、都道府県の決定通知を受け取ってから合同訓練の日数を確保となると、とても大変です。こうした委託事業の絡みもあるので、私は現行のまま行くとしたら、最低でも代替えは半分もしくは日にちは指定しなくても、この文章のままでもいいのではと個人的には思います。また、先ほど1日30分の合同訓練を10日間やって卒業させている団体の話がありましたが、そういった団体が本当にあるのかというのは、私も寝耳に水で驚いています。それならばその団体に、それは事実ですか、と聞いてみたいです。あまり問題があるところにターゲットを絞るのではなく、建設的な方の意見を考えてムードを自分たちに持っていく方が良いと思います。
〇江藤座長 盲導犬の場合は4週間。お仕事の関係もあり、28日ぐらいということです。木村構成員どうぞ。
〇木村構成員 訓練士の方々から盲導犬の訓練日数に合わせた方がいいという話がありましたが、介助犬の場合は盲導犬や聴導犬と違って、使用者のほとんどの方が内部疾患をお持ちです。ですから、合同訓練で1日みっちりやるとダウンしてしまう人もたくさんいます。1日の時間をある程度区切って体調の様子を見ながら、訓練を続けることになるので根を詰めてできないことも多いと思います。ですので、盲導犬や聴導犬と同じ基準で考える必要は全くないと思っています。介助犬に適した訓練をしていただけるのが一番だと思っています。あと、犬との信頼関係を作ることにおいても、短期的に集中するよりも日数を分けて訓練を積んで必要な日数に達した方が、犬との信頼関係を築きやすいのではないかと思っていますので、介助犬は介助犬として、聴導犬や盲導犬とは違う日数で十分に構わないと思います。
〇江藤座長 松本構成員、どうぞ。
〇松本構成員 そもそも、必要な訓練日数の考え方として、ユーザー候補になっている人が忙しいからとか、家庭環境が大変だから日数が取れないというのは少しおかしいと思います。そうではなくて、聴導犬や介助犬をつくるにあたってどれだけ日数が必要か、ということがまず先にあるべきであって、仕事を休めない、お子さんがいるという理由で日数を取れないという考え方で決めていくのは、おかしいのではないかということが一点目です。また、木村構成員もおっしゃっていたように、盲導犬との比較という点で、盲導犬の場合は歩行のサポートということで、ほとんどの訓練事業者さんでは訓練センターに希望者さんが泊まり込みで来て、何日間か訓練をするというパターンが多いのではないかと思います。しかし、介助犬や聴導犬の場合は住環境がとても大きく影響するので、合同訓練も一緒に歩行をするというところは、訓練センターなどでやることはあるかもしれませんが、通常はユーザーの住環境で合同訓練を行うことが多いと思います。そう考えると、1週間泊まり込みでやる形ではなく、訓練士が通う形で行うことが多いと思うので、そういう点でも盲導犬のように28日間というのはそれほど参考にならないのではないかと思いました。また、聴導犬の合同訓練について、先ほど水越みゆき構成員からもお話がありましたように、10日間のままで変更がないですよね。2頭目以降についての追加が介助犬と同様にされただけで、訓練日数としての10日間に変更がありません。訓練の専門家が揃ったこのワーキンググループで以前と同じ10日間のままでいいという形で残ってしまうと、あり方検討会には訓練の専門家が揃っているわけではないので、この文面で終わってしまうと思います。だからここで10日では足りないというのであれば、足りないことがわかる数字や基準を明確にして、あり方検討会に持っていかなければいけないのではないかと思います。10日間では短いという件に関しては、聴導犬の場合は介助犬と違って指示で動くということがありません。犬に自分から動いてもらわなければならないので、うまくいったときの褒め方や、うまくいかなかったときのフォローの仕方をユーザー自身が学ぶということはとても大変な部分もあります。犬が一つの芸をやるということではありません。そもそも10日と最初に決めたときは、音を教えるという芸を仕込むという意味では、10日ぐらいで十分だろうという感じだったのかもしれませんが、実際に20年経って、それではきちんとした聴導犬の役割を果たせないということがわかってきているのであれば、数字として変更するべきだと思います。先ほど朴構成員から、今まで法律としてあって、やってきているのだから根拠がないと変えるのは難しいというお話がありましたが、おかしいと思うからこそ今回のようなワーキンググループが開かれて、必要なところを変えていこうということだと思います。変更にはハードルがあるから変えないのではなくて、変えるべき必要があるから検討会がされてるということを鑑みれば、必要に応じて変えるべきだと思います。
〇江藤座長 北澤構成員、どうぞ。
〇北澤構成員 先ほど木村構成員から、介助犬ユーザーの場合は身体的な違いや内部疾患があるかどうかで、合同訓練できる時間や1日に費やせる時間が人それぞれだとおっしゃっていましたが、その通り本当にユーザーや疾患によって、1日に訓練ができる時間や連日できるかというのも異なってきます。介助犬は40日間が長いと言えるかというと、時間によって異なると思います。特に初めて介助犬を持つ方については40日というのはこれまで通り必要になると思います。また、砂田構成員がおっしゃっていた、結局は最後の認定審査の際に、例えば1日30分だけ合同訓練をしただけで認定審査に合格しているということもあるわけですから、認定審査で質の担保ができるような認定要領にしていけば、日数と時間についても質を担保できるということになると感じました。
〇江藤座長 介助犬と聴導犬ではそれぞれの役割も技術も違うので、合同訓練日数も違うということは最初に議論の中で定められているかと思います。それぞれのご発言については議事録で記録されますが、2頭目以降の合同訓練について日数を短縮することも議論されてきたわけで、具体的に最低限何か決める必要があるか、ということをここでご議論いただけたらと思っております。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 前回、説明不足だったのですが、日本聴導犬協会は英国の聴導犬協会に1996年の創設以前からご指導いただいております。25年前、英国聴導犬協会では1週間の滞在訓練。翌週から3-4日自宅指導。それが不十分と判断されたらもう翌週に追加で自宅指導。計2週間ほどの予定で合同訓練を設定されていました。日本聴導犬協会で合同訓練を設定する際に、英国聴導犬協会から派遣されたシニア・トレーナーとの協議で、その倍の28日としました。英国ではペット犬も電車に乗っていますし、パブやレストランでもペット犬の同伴を伝統的に受入れているところも多いです。家屋も、土足で出入りもすることから、ペット犬が屋内で一緒に暮らす習慣もあります。反面、日本の犬の受け入れ環境を考えると、最低でその2倍の時間が必要と考えたのです。
もう一つありますのが、直接面談でのご指導では足りない部分を、日本聴導犬協会の場合はインターネットやYouTubeで、協会の関係者、支援者のみが見られるサイトというのを立ち上げておりまして、訓練指導や問題行動の直し方、下痢をしたとき等の対処法を見られるようにしています。
〇江藤座長 松本構成員、どうぞ。
〇松本構成員 先ほど砂田構成員と北澤構成員から、きちんと訓練をしているか、していないかは認定の段階できちんと振り分けをされるような、認定のあり方と指定法人が自覚を持っていれば良いとありました。いい加減なところはそこでふるい分けされて、補助犬として世に出ないような形にするべきということが、これまでのワーキンググループのときにも出ていたと思います。訓練をきちんとやっているか、やってないかはそこで見ればいいという考え方、それは本当にその通りだと思います。でも、実際残念な補助犬が、そのまま認定されてしまうということが起きてしまっている現状を考えたときに、きちんとやっているところは最低日数以上のことを十分やっていると思います。きちんと基準以上の犬を作っていると思います。だからそういうところは、認定をする指定法人がさらっと認定をしてしまっても問題はないと思います。でも、きちんとしていない訓練事業者も現実にいることを考えると、訓練基準としても最低これだけやらないといけないというハードルもきちんと作っておかないと、ゆるいハードルで乗り越えて、さらに認定も緩いところで、ということが現実に起きています。そうすると結局、実際に世の中を歩いている私たちユーザーが、質の悪い補助犬と同等の扱いを受けて拒否されたり、社会参加が認められないということに繋がってしまうと思います。きちんとやっていらっしゃる方から考えたら、必要ないものなのかもしれませんが、きちんとしていない訓練事業者や認定指定法人もあるということを前提に、最低限の基準は作るべきではないか、作っていただきたいと私は思っています。
〇江藤座長 朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 ワーキングが始まる前に、厚労省の調査で「日数についてどう思いますか」という質問に対して「介助犬は長いと思います、聴導犬は短いと思います、盲導犬のように4週間にして欲しい」というのが、補助犬協会で出した意見です。その意見を持って、過去2回ワーキングに参加させていただいて、正直私の印象としては、皆さんと一堂に会してお話をしたことがないので、情報が不確かであったり、もしくはちょっとした思い込みであったりとか、今の法律を大きく変えるだけのエビデンスを感じられませんでした。ですから補助犬協会としてどう思いますか、と言われたら意見で出した通りです。でもそれをするには、先ほど有馬構成員からもあったように、盲導犬はどうなっているのかということから考えて、こういった事情で、目的で変えるというようなところまで、育成団体が行っていないと思います。それは個々の育成団体が未熟という意味ではなく、団体の連携もないということを感じます。私自身、基準というのはとにかく細かく作ればいいと思っていなくて、基準というのは最低限のもので、必要があればそれ以上やればいいし、皆さんの団体の判断を尊重するべきだと思っています。少し誤解があるかもしれませんけれども、汎用性のある内容も必要かなと思います。確かに仕事で訓練できませんと言ってしないのは問題ですけれども、「40日間は仕事のことを考えると無理です」というような意見にも耳を傾ける必要があると思います。少し話が逸れますが、自分たちで勉強会をするとか少なくとも育成団体の情報交換をする必要を感じます。例えば、盲導犬だと全国に訓練事業者が11団体あって、一時は1,000頭以上の盲導犬が実働していました。その盲導犬ユーザーが社会参加するに伴い、様々なところで、「問題だ」とする目撃情報が寄せられます。そこで、全国の盲導犬協会でその内容のシェアをして、それは本当かとか、どういう状況かというのを、周りの方からの意見だけではなく、情報を共有したりして自分の事として解決していっています。やはり、そういったことがまだ全然ない中で自分たちはこう思う、ああ思うっていうのも、無理があるかなと思います。このことについて、有馬構成員にも補足していただければと思っております。
〇江藤座長 これまでの取りまとめで、(2頭目以降の)合同訓練の日数は半分、具体的な日数がなく、というようなことで、短縮するというようなことをご議論いただいています。様々なご議論があったことは議事録にも反映させてまとめていきたいと思います。砂田構成員どうぞ。
〇砂田構成員 私は盲導犬のことはわかりませんが、アメリカでの介助犬の合同訓練は、基礎疾患がある方も含めて、朝から晩までみっちりの2週間で卒業っていう形になっています。おそらく盲導犬もそうなのではないかと思っています。日本の盲導犬訓練事業者の28日という合同訓練期間は、日本だと2週間休みを取れない等という日本ならではの事情も考えて、少し長めに期間をとっているのではないかと感じています。なので、介助犬の40日というのは、例えば今日は具合が悪くて3時間しかできなかった、という日もたくさんあるかと思いますが、それを含めても40日間確保するというのは、ユーザーさんにとっても、訓練事業者にとってもなかなか大変なので、最低日数というのは、盲導犬と一律にしていただいて、そこから足りない場合やユーザーさんが希望された場合に増やしていくような形でも良いのではないかと思います。聴導犬についても同じ考えです。
〇江藤座長 有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 先ほど朴構成員がおっしゃっていた、育成団体で情報を共有したいというのと、もう一つどの業界でも同じだと思いますが、そこに携わる人たちが自浄作用、自分たちで様々なことを整理していく、改善していくということをやっていかなければいけないと思います。勉強会がリモートでありますので、砂田構成員、水越みゆき構成員、北澤構成員にもぜひ入っていただいて、訓練基準などについて話したいと思っています。また、砂田構成員がおっしゃったように、イギリス、アメリカは本当にびっちりと訓練をやっています。ただ日本の場合は、それを理解して会社が許してくれるというわけではないので、日本聴導犬協会でも介助犬を育成していますが、土日祝日やお正月休みを使って来ていただいて訓練をしています。先ほども申し上げましたが、そのときにお教えする例えば命令語、問題行動、簡単な健康管理などはリモートでいいのではないかと思います。それと同時にアフターケアについても、当会では岩崎先生(国リハの前の理学部長)に来ていただいて、リモートで介助犬ユーザーさんのアフターケアをやらせていただいています。そういったことで、40日間というのはずいぶん省けるのではないかと思います。実地訓練することは、日数的にきちんとやらなければなりませんが、知識として蓄えることはどんどん省いて、何かの形で共有情報としていつでも見られるようにした方が、ユーザーさんにとっては良いと思います。松本構成員がよくユーザーさんの資質についておっしゃっていますが、私は補助犬は福祉サービスだと思っています。サービスという業種だとすると、顧客である希望者さんへの譲歩というか、様々なことを私達育成団体が工夫していかなければ、頭数は増えないと思っています。今申し上げたように、リモートで変えられること、YouTube等に変えられることはどんどん変えて日数を減らしていくことを考えていく必要があると思っています。
〇江藤座長 木村構成員どうぞ。
〇木村構成員 有馬構成員からお話があったように、座学的な訓練は十分リモートで対応できると思います。ただ外出訓練に関しては、介助犬使用者にとって外出すること自体がかなり大変なことです。聴導犬使用者の方や盲導犬使用者の方は電車に乗ったりタクシーに乗ったりというのは、普通にされていることだと思いますが、車いす使用者だとタクシー乗るのも大変ですし、電車乗るのも大変です。外出することにかなり時間がかかってしまいます。ですから、1回あたりにできる訓練というのも少なくなりますので、介助犬の合同訓練については他の補助犬よりも長くなっても僕は仕方がないと思っています。1頭目の40日間は今のままにしていただいて、2頭目以降の訓練期間は、使用者の習熟度において短縮することを進めていただきたいと思います。日数については、皆さん様々な意見があると思いますが、僕は30日くらいがいいと思っています。そういったことも報告書に含めていただければと思います。
〇江藤座長 訓練日数について様々なご意見いただいていますが、基本的にこのワーキンググループに関しましては本日が最後なので取りまとめ案を中心にご議論いただきたいと思っております。2頭目以降の訓練日数を減らすことができるということに関して、具体的に今の半分くらいとか、介助犬に関しては40日以上を30日くらいとか、ご意見をいただいたところです。そういったご意見を報告することになるかと思います。取りまとめ案に関してもう少しご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。松本構成員どうぞ。
〇松本構成員 先ほど法律を変えるほどのエビデンスがないというコメントをいただきましたが、実際に聴導犬ユーザーとして活動している私の方に様々な情報が入ってきています。それも1頭2頭の話ではなくて、「このような犬も聴導犬として世の中に出ているんですか?」という話も実際にあります。普通のペット以下の犬も聴導犬として街に出ているという情報も入ってきています。確かに認定法人がきちんと弾くべきだというところもありますが、先ほども申し上げましたように訓練事業者と認定法人がきちんと機能していない事業者、認定法人もあるという状態です。残念ながらそういう現状を考えたときに、訓練で最低これだけはすべきだという内容と日数は定めておくべきだと思います。それは中身もしっかりとやっているところからすると、日数だけ長すぎると感じられるかもしれませんが、中身が伴わないでやっているところもあることを考えると、介助犬の40日も決して長すぎるものではなく、また聴導犬の10日というのは本当に短すぎるものだと思います。ここで少なくとも聴導犬の訓練は10日では短いということが、ワーキンググループに参加している訓練事業者が合意するのであれば、2週間にするのか3週間するのかということも踏まえて話して、あり方検討会の方に持っていかないと、本当にこのまま最低10日やればいいと、1日1時間で10日間やればいいと解釈できるような基準のまま続いてしまうと思います。それでは何のためにこのワーキングループをやるのか意味がなくなってしまうと思います。ここで聴導犬の訓練日数が少ないと思うのであれば、増やした日数を具体的にあり方検討会の方に答申できるようにすべきだと思います。補助犬の数が増えるだけではなくて、きちんとした質の確保ができるような訓練や認定していただきたいとユーザーの1人として考えております。
〇江藤座長 北澤構成員、どうぞ。
〇北澤構成員 先ほど、聴導犬ユーザーの松本構成員にいろんな情報が入ってくるということでしたが、周りに迷惑をかけているような聴導犬がいて、そういう聴導犬を認定している認定事業者があるのであれば、例えば補助犬法には「指定法人に対して厚労省が改善のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる」という表記がされています。そういう情報が入ったときに、厚労省から認定事業者の方に報告を求めたり、現状を確認したことは実際にこれまでにありますか。もしくはできるのでしょうか。それができるのであれば、合同訓練の日数の問題や、聴導犬、介助犬のレベルに達してない犬が認定されているという状況も改善していけるのではないかと思いますが、そういったことでフォローをすることはできないのでしょうか。
〇江藤座長 過去の事例についてはいかがですか。事務局で把握していることはありますか。
〇周藤専門官 指定法人に対して報告を求めたり等、過去の事例は現時点で把握できておりません。
〇江藤座長 ご意見をいただいたように、不適切な訓練を行っている事業者に関する問題があった場合は、厚労省の方から指導するという形になっているかと思います。具体的な事例については私も存じ上げておりません。北澤構成員、どうぞ。
〇北澤構成員 報告あった場合は、厚労省から指導とか報告を求めるということはできるということで良いでしょうか。
〇江藤座長 できるということになっています。松本構成員、どうぞ。
〇松本構成員 問題があったときには訓練事業者や認定指定法人に連絡、通報をするのが最初に考えることだと思いますが、実際はそうすることによって、ユーザーが犬を取り上げられてしまうから、自分でも相談ができない、目撃した場合に通報したいとなった際も、ユーザーさんの犬が取り上げられてしまうから通報ができないというケースも聞いています。周藤専門官から報告が上がっていないという話がありましたが、これまでも上がっているはずです。引継ぎがされていないのかもしれませんが、実際にはあがっているはずです。それに対してどのように厚労省が動いたのかは把握していませんが、報告は上がっているはずだと思います。私も相談を受けた際に、訓練事業者への相談をすすめたら犬が取り上げられてしまうと言って、相談ができないまま、犬と一緒に出かけられなくなってしまうパターンも聞いています。それが現実に起きていることなので、お伝えしたいです。先ほど朴構成員から、盲導犬訓練事業者11団体が横に繋がって問題事例などがあった時に、自浄的に解決する方向で動いているという話がありましたが、実際に11の訓練事業者全てがそこに参加しているわけではなく、参加してない訓練事業所もあります。このようなワーキンググループや会議などに参加してこられない訓練事業者も、介助犬、聴導犬の中にはあると思います。そういうところは、横の繋がりどころか自浄作用も全くない状態にあります。しっかりやっている皆さんには負担かもしれませんが、最低の日数というのはきちんと決めていただきたいということを繰り返しお伝えしています。
〇江藤座長 ただいまのご意見も含めて議事録に記録されておりますので、後で参照はできると思います。有馬構成員どうぞ。
〇有馬構成員 日本聴導犬協会の認定試験でも、認定委員が全員一致で不合格と判断されたペアが、数ヶ月後に他の育成団体で合格にされていた例がありました。当協会の認定委員のみなさまから「どういうことなのか」と疑問視されたので、当時、厚労省にお伺いを立てましたが、それも全然伝わっていないということですね。また、他団体の埼玉県のユーザーさんからご相談を受けたこともあります。手話通訳士をお願いして、埼玉県内で面談をさせていただきました。その団体に対して何かあるわけではなく、本当にユーザーさんたちが迷惑を被ると聴導犬自体が普及できなくなります。他の団体のユーザーさんであっても、私ども育成団体間の問題です。ご相談に乗った際に「厚労省に直に言った方がいいですよ」とお伝えしたところ、松本構成員がおっしゃったように「犬を取り上げられるから言えない」ということでした。その面談でのお話は、すべて個人情報なので、相談をお受けしてもご本人が了解されなければ、当協会から厚労省に報告することもできません。その方を含め、他団体のお2名のユーザーさんからの相談をいただいた際には、その方のことは伏せて厚生省の担当官の方にはお伝えしましたが、何も改善されませんでした。厚労省の方にご報告をしても、育成団体間のゴシップのような感じとなり、それで終わってしまう現実があります。その点は残念です。だからこそ、まだ初歩ではありますが育成団体同士で情報交換をするべきだと考えます。ユーザーさんも自分の立場でお話されるでしょうし、育成団体も自己の立場で話してしまいます。その辺の真偽をきちんと見極めていきたいです。そうしないと聴導犬の数が増えていかないと考えます。お話は戻りますが、聴導犬合同訓練日数の10日は不足です。イギリスには、日本のような認定試験制度はありませんが、約850頭が実働していて、これまでに約2200頭以上が活躍しているイギリスでも約2週間。必要なら何度も自宅指導に伺っていました。そういったことを参考にしていただきたいです。
〇江藤座長 砂田構成員どうぞ。
〇砂田構成員 北澤構成員の続きから一言苦言です。私の知っているユーザーさんも、厚労省の方に届け出は出しています。県にも被害の届け出は出しています。それにもかかわらず、今回厚労省の方がそういった事例がないという発言をされたのが、かなりショックです。大元である厚労省がしっかり法に定められた権限を使っていただいて、きちんと訓練をしていない実働犬を出しているところは注意や取り締まりをしてもらいたいと思います。
また、訓練日数のことですが、皆さんがおっしゃっている日数でいくと2頭目は1頭目の半分ということなので、聴導犬の場合は5日でいいということになってしまいます。5日はやはり短いので、例えば2頭目は最低何日という基準を定めて、その2倍の日数が最低でも聴導犬は必要という出し方をしてはどうでしょうか。
〇江藤座長 事務局の方から補足です。
〇周藤専門官 事例について補足です。現時点、この場で私が思いつかないので把握していないとお答えしましたが、個別のご相談は今年度に入ってもいくつかいただいております。そういった一つ一つの具体的な内容については我々も承知しております。
〇江藤座長 聴導犬の訓練日数に関してですが、そもそも10日は短いという発言がございました。そういった点はここで議論されたということを報告していきたいと思います。朴構成員どうぞ。
〇朴構成員 この会議に参加して、基準についての話し合いと、個の問題についての話し合いがごっちゃになっているのではという違和感があります。例えば、問題があるという目撃の連絡はどこにでも来ていると思います。松本構成員もユーザーとして聞いています、有馬構成員、砂田構成員、補助犬協会も聞いています。聴導犬だけではありません。介助犬が夏の暑い日にこんなふうに歩いていたと写真を撮って、これは虐待じゃないですかとか、オフィスでハウスをさせていない等。ある団体さんの犬ですと連絡がきます。聴導犬も、埼玉や兵庫でこんな犬がいると連絡がきます。でも、それは育成団体がわかるのであれば、ぜひそこに連絡してください、こんな状況になっていますというのを教えて差し上げてくださいと、私は思います。どういう状況でそれが起こっているのかは、周りの人にはわからないです。だから、まずは育成団体に連絡をする必要があります。それから育成団体同士がそれを他人ごとではなく、自分事として情報交換できるような連携ができる体制を作っていく。自浄的な効果のシステムとして自分たちの尽力でやらなければいけないと思います。それができない場合は、都道府県に苦情の処理の窓口があるので、そこにご連絡をすればいいのではないでしょうか。介助犬、聴導犬だけではなく、盲導犬もいます。一般の方からの問い合わせとか訴えみたいなものが、実は皆さんが思っているよりも、盲導犬の目撃情報として、例えば夏の暑いときに虐待じゃないかとか、叱っていたとか、あります。それを厚労省が一つ一つ確認するというのは違うと思っていて、それは私達育成事業者の問題ではないかと思っています。
〇江藤座長 松本構成員、どうぞ。
〇松本構成員 個々の問題行動の事例と、今回の話し合いは別の問題ではないかという話がありましたが、実際に訓練や認定を経て、世の中に出た犬が問題行動を起こすということは、やはり犬の作り方や基準というのが曖昧だから、適当でも認定されて世の中に出てしまうということがあると思います。そういう個々の事例が起きているということが、今回のワーキンググループによって変えていくことの根拠になっているのではないでしょうか。朴構成員の協会は訓練だけではなくて、指定法人として認定も行っていらっしゃると思いますが、本当にユーザーから困りごとや周りからの声は入っていないのでしょうか。一般の認定指定法人であれば、おかしいのではないかということがあったら、認定した団体に相談するという流れが多いと思います。そのために表示にも、ここが認定しましたというお墨付きが書いてあるので、何かおかしいと思ったときの問い合わせは厚労省に直接行く前に、訓練した団体や認定した団体に、「認定した犬がこんなことをしていたけどおかしいんじゃないですか」という問い合わせや、ユーザーさん自身から「こんなことが起きて困っているんです」っていう相談があると思います。そういうものは朴構成員の協会には入っていらっしゃらないのでしょうか。
〇朴構成員 盲導犬の事業者は、昔からやっており、普段からの連携があるので、例えばあそこの団体さんというのがわかれば電話をして、「所長、こんな話聞きましたけど」というように連絡をすることもあります。補助犬協会の事例で話すと、今まで入ってきたのは全て他団体さんの情報です。介助犬、盲導犬の協会さん、他団体の情報がなぜか補助犬協会に入りますので、通報者には「直接(該当の団体に)言って、教えてあげてください」というふうに戻します。「そこの育成団体が対応しないようであれば、都道府県の窓口に伝えるところがあるので、ホームページを見て問い合わせをしてください」とお願いします。介助犬、聴導犬に関しては数が少ないので、距離が近いのでしょうか。補助犬協会に入ってくるのは、残念ながら他団体さんの情報ばかりでした。厚労省にはいちいちお伝えしていません。それぞれの育成団体の問題なので、伝える必要がないと思っています。
〇松本構成員 朴構成員が先ほどから、盲導犬のように横の繋がり、団体同士が繋がって自浄をして、より良くしていくというのを、聴導犬や介助犬でもやるような形になれば、朴構成員のところに入ってくる他団体の問題ある犬たちのことに関しても、育成団体同士で良くしていけるという意味での横の繋がりが大事だということでしょうか。朴構成員の立場から他団体のことに口出しをするのは難しいと思います。でも情報が入ってくるから、皆さんで横に繋がってお互い高めていくことが大事だということですよね。
〇朴構成員 情報はとても大事です。特定の団体の情報を耳にしたら、その団体さんに届けるということは大事だと思います。なぜならば、聴導犬も介助犬も盲導犬も育成団体が育成してユーザーに貸与しているからです。ですから、育成団体はそのことを把握して、課題があればフォローアップや指導をして、それでもだめならば貸与を続けるかどうかという大切な判断しければいけません。(苦情や問題行動を)言ったら取り上げられるかもしれないという思い込み、情報が伝わって取り上げられるかなんて、本当ですかって言いたいです。1回貸与した犬を取り上げるというのは、取り上げるという言い方自体も高飛車すぎておこがましいと思いますが、それを取り消すというのはその方へヒアリングをして、どういった状況なのかとか、周りの方の理解があるのか等、犬を貸与している育成団体がユーザーと向き合わないといけません。別件ですが、全国の盲導犬の大きなユーザーの会があります。これまでコロナの時以外は、毎年定期大会に行って意見交換をしました。そのときに他育成団体を卒業したユーザーから相談されます。例えば「実は歩き排泄があるのでどうしたらいいですか、」というのを聞いてこられます。私がいつも言うのは、「それはもともとの体質で腸が弱く軟便気味なのか、一時のことなのかは周りの育成団体には理解ができないから、自分の団体さんに聞いてください、担当者は誰ですか、電話をしておきましょうか」ということです。課題を解決しようとして、そのことを重く受け止めるのはいいのですが、それを解決するのは育成団体であり、時にはそのユーザーさんの周りの環境の誤解を解いて差し上げる助けもしなければなりません。補助犬協会にも他団体さんの犬についての話は来ますが、それはお互い様だと思います。でも私は電話を受けたときに、その人にとってはそうだけれども、本当はどうかわからない、もし本当だったら育成団体に解決してほしいと思っています。ですから、そういった情報交換、何も仲良しグループになりたいということではなく、育成事業者が連携する必要があるとおもいます。それを第三者的な立場の人が、この人を守るために育成団体を悪者にしてもそれ仕方ない、問題解決しないと私は思っています。
〇江藤座長 個々の事例については様々なクレームがあるとご発言されたことは、そのまま記録として残されております。本ワーキンググループは訓練基準の見直しに係るということで、今回が最後ですが、取りまとめ案についてご議論いただいているところであります。取りまとめ案については、特にご意見はないでしょうか。木村構成員、どうぞ。
〇木村構成員 リタイア時期についての取りまとめ案のところで、年齢について「海外での研究結果等を踏まえ」としか書かれていません。犬の平均寿命は延びているのに、10歳になったのは、水越美奈構成員からお話のあった認知機能の低下を考慮したためなので、もう少し詳しく認知機能の事についても加えて説明していただければと思います。
〇江藤座長 リタイア時期について、これまでのご議論の中で10歳ぐらいが適当であるということでした。個々の事例に関しては、それぞれということですが、これも議論の中で話されたことで10年ぐらいでということだったと思います。いかがでしょうか。水越美奈構成員、どうぞ。
〇水越美奈構成員 私も気になっていましたが、海外の事例だけでなく日本の調査でも、大体11歳以降から認知機能だけではなく、例えば視力等の身体的な機能もあわせて問題が出ているというような調査がございます。この文面からすると海外だけの情報によるものと誤解を生じる可能性があります。「等」という言葉で日本も含まれているということかもしれませんが、これはもっと世界的に知られている事実ですので、それを書き加えていただければと思います。
〇江藤座長 有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 先ほどの検討課題の中に、国リハの研修の内容が検討課題となっていましたが、ぜひ今回の基準などを鑑みて、「あり方検討会」の委員の人選も再度、考えていただきたいです。もう少し現場に精通している人を入れてもいいのではないかと考えます。現場と遊離してしまうと、今回のように補助犬法施行で20年経っていても、この段階で、やっと聴導犬の合同訓練期間が10日間でいいのかと提案されることになってしまいます。当事者であるユーザーさん、育成団体など現場の意見をもっと反映できるようにしていただきたいと思います。検討会というもの自体を見直していただきたいと考えました。
〇江藤座長 砂田構成員、どうぞ。
〇砂田構成員 見直し案の「専門職の協力体制」というところですが、「介助犬育成団体は、医師、獣医師、作業療法士、理学療法士、社会福祉士等」という箇所の下、赤文字で「特に使用者のニーズの把握は、介助犬の使用以外の方法も含めた適切な相談体制を確保すること」と付け足されていますが、これは従来あったものと重複している内容なので必要でしょうか。従来のもので十分関わる方の職種まで書いているので、さらに赤文字で書く必要があるのか疑問に思います。
〇江藤座長 従来行われているということで、入れなくてもいいのではないかということですけれども、この点につきましてはいかがでしょうか。吉田構成員、どうぞ。
〇吉田構成員 砂田構成員からお話がありました赤文字の部分については、確かに重複している内容としても考えられるところではあるかと思いますが、このワーキングの中で特に最初のニーズの把握というのが、その後の障害をお持ちの方が補助犬と共に生活する上で、あるいは補助犬ではない選択をして生活をする上で非常に大切であるというようなご意見がたくさん出ていたかと思います。それを踏まえての追加の文言かと思うこともありますので、これは入れておいても良いのではないでしょうか。
〇江藤座長 立石構成員、どうぞ。
〇立石構成員 吉田構成員の意見に賛同いたします。このワーキングの中でもそのあたりのところ、先に補助犬ありきではなく、その方の将来生活ということの中でどんな選択肢の中で選ぶのかというところがかなり議論されたと思いますので、ここは入れておいていただいてよろしいのではないでしょうか。
〇江藤座長 他に取りまとめ案の内容につきましていかがでしょうか。朴構成員どうぞ。
〇朴構成員 第1回目にご提案させていただきましたが、介助犬、聴導犬の育成団体には統一の訓練士の養成基準がありません。それをぜひ検討してはどうかということですが、今回育成団体が集まっている貴重な機会なので、そういった検討会があったら参加してみたいところが何団体ぐらいあるのか、この場でお尋ねするのは失礼でしょうか。ご判断を座長にお任せします。
〇江藤座長 ここで具体的に各団体の数字を集約できているわけではありませんが…。
〇朴構成員 ご無理があるようでしたら結構です。
〇江藤座長 ただこれはとても大切なことです。議事録にもきちんと残っていますので、また検討される機会があるかと思います。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 朴構成員と「勉強会を立ち上げましょう」とお話しました。各育成団体には後日、メールさせていただきます。朴構成員と当会で作成した様々な書類をシェアして、ご提案していきたいと考えております。育成団体がたくさん存在する方が、ユーザーさんにとっての選択肢が多くなるでしょうし、各種のアフターケア等のことを考えると、日本聴導犬協会を含めて育成団体の底上げを行っていくことが必要だと考えております。
〇江藤座長 松本構成員、どうぞ
〇松本構成員 今日のまとめが、あり方検討会に持っていかれるということなので、すこし焦っています。繰り返しになりますが、資料2の取りまとめでも、日数に関しては2頭目以降のことしか触れられていませんし、資料1の方向性についてでは、日数について長すぎる短すぎるということは書かれており、期間の設定は問題がないという意見もあれば、聴導犬も同じ期間設定が必要と考える意見があるということは載っているのですが、結局新旧対照表の案として出ているところには、「聴導犬10日間」「介助犬40日間」のままという状態になっていますので、このままあり方検討会に行くと短いという意見もあったが、結局はそのままになってしまうのではないかということを、先ほども申しました。今回のワーキンググループで本当に聴導犬は10日、介助犬は40日のままでいいのか、というところを話し合わなければならないと思いますので、実際に訓練をされている方たちに変えるべきなのか、変えなくてもよいのか、具体的に何日にすればよいのかというところを、残りの30分間で決めて、あり方検討会に取りまとめとして持っていかなければならないのではないでしょうか。
〇江藤座長 度々同じご意見ですが、これは記録として残されているので、検討会の方でまた取り上げられることはあるかと思います。その他にいかがでしょうか。朴構成員どうぞ。
〇松本構成員 すみません、訓練士養成はこのワーキンググループでする話ではないと思います。必要であるなら、後ほど訓練事業者さん同士で連絡を取り合ってお話していただければいいことで、あり方検討会の方に持っていく内容を詰めなければいけない残り20分間だと思うので、そちらの方を話していただけませんか。聴導犬の訓練日数が10日間で本当によろしいですか。そこを話し合っていただきたいと思います。
〇朴構成員 今回の取りまとめ案にも文章化してあるところなので、すぐに終わります。ここだけお願いします。認定法人の話し合いについては、社会システムさんが事務局をしてくださっています。独立した団体が話し合うときには、書類の整理などもあるので事務局はとても大事です。ですから専門的な見地、知識を持たれている社会システムさんが介在してくれるようであれば、ぜひ厚生労働省の方にもご検討いただきたいです。
〇江藤座長 有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 松本構成員が危惧していらっしゃるように、ここにいる聴導犬の育成団体は全て10日間では短すぎるということを何度か申し上げておりますし、それを改善していただきたいというのは、既にどの方からも出ています。その発言については厚労省の方で記録がされているはずです。介助犬の40日に関しては、福祉サービスという業種だとすると、ユーザーとしての適性がある方なら、介助犬が持てるようなシステムを構築していかなければいけないと考えます。既往症がおありになる場合もありますが、ない方もいらっしゃるので、各々の方とご相談して、専門家と共に判断し、日数を決めていきたいです。ですから、最低ラインが40日でいいのかということを考えていただきたいと思います。聴導犬よりも介助犬が減っているというのが現実ですので、そこを改善しなければ、土日やお正月休みを使ったとしても、滞在訓練をしていただくのはとても大変です。そこは福祉の観点だと思いますので、もう1回考えていただきたいと思っております。
〇江藤座長 砂田構成員、どうぞ。
〇砂田構成員 私の意見としては聴導犬の合同訓練の日数に関しては、有馬構成員がおっしゃっているイギリスの聴導犬協会を参考にして、例えば3週間ぐらいを基準に考えたらいいのではないかと思います。介助犬に関して、40日は長すぎるのではないかと思うので、例えばアメリカでは2週間ですが、2頭目を2週間の最低14日以上ということにして、1頭目は14日の2倍で、28日~30日くらいという計算の仕方ではどうでしょうか。
〇江藤座長 水越みゆき構成員、どうぞ。
〇水越みゆき構成員 アメリカやイギリス等それぞれのやり方があると思うので、それはとても参考になることだと思いますが、私達の協会が今までずっと聴導犬を出してきて、今までの合同訓練の時間や日数の実際の記録を確認して、だいたいの平均的なところで出してきたのが、1頭目のときには250時間、2頭目のときには200時間前後の合同訓練を実施してきています。時間的なところで換算したのは、続けてトレーニングできる方もいらっしゃいますし、仕事の都合で1日2時間とか3時間しかトレーニングの時間が取れないという方もいらっしゃるので、実際に日数的なところはあまりあてにならないと思ったので、例えば1日5時間~7時間で実施するということから考えていくと、5時間だった場合は250時間となると50日になると思います。ただそれだと日数的に考えなければいけないのであれば、最低でも30日とする。2頭目に関しては内容的には3分の2ぐらいの時間に換算してもいいのではないかと思いました。当会ではそのままずっと続けていくと思いますが、最低限で考えていくのであればということでご意見を言わせていただきました。
〇江藤座長 訓練日数について、現在定められている最低基準でもまだ少ないのではないかというご意見かと思います。他に取りまとめ案についていかがでしょうか。吉田構成員、どうぞ。
〇吉田構成員 水越構成員、貴重なデータを提供いただきましてありがとうございます。非常に参考になりました。おそらく、どの育成団体さんも同じようにデータをお持ちではないかと思いますので、もし可能であればそれぞれどのぐらいの平均時間あるいは平均日数で訓練をされているのかというようなところをこの場でご提示いただけましたら、参考になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか、座長。
〇江藤座長 今、参加されている団体さんでしょうか。およそのことでも訓練の時間について、もしご発言される方がおられましたら、どうぞ。有馬構成員どうぞ。
〇有馬構成員 当会では自宅訓練は合同訓練の後に実施しています。なぜかと申しますと、私共の日本聴導犬協会の地元三田村、伊那市ではスーパー、電車、バスなど、補助犬の訓練に協力的で希望者さんとの合同訓練はもちろんですが、候補犬の訓練自体にも使わせていただいています。しかし、自宅訓練をするとなると、その近辺のバス会社、スーパーなどに許可を得なければならず、事前の調整が大変です。そのため、パブリックアクセスに関して、滞在訓練で相当経験を積まれた後で自宅訓練を実施しています。全体では28日間、体調に合わせてお休みはとっていただきますが、一応9時~17時です。初めのうちは1時間~2時間でお休みを入れ、訓練を継続します。段々にボリュームを増やしていきます。ユーザーさんが普通に生活をしていて、会社に行くときには、9時~17時が当たり前になりますので、合同訓練の時間もお休みを組み入れながら、9時~17時で行っています。それでも短いくらいだと思っています。滞在訓練が終わって問題がない方に関しては、自宅指導ということで1週間自宅近辺に行かせていただきます。自宅指導では、ご自宅近くのバスや電車に許可を得て訓練をさせていただいています。聴導犬は音だけではなく、介助犬、盲導犬と同じように電車にもバスにも乗りますので、パブリックアクセスの訓練がとても大事です。
〇江藤座長 訓練時間につきましては、この場で決めるというわけにはいきませんけれども、こういったご意見があったということで、取りまとめ案の中にも事務局から追加して記載していくようにしてもらいたいと思っております。
〇奥出室長 訓練日数について、2頭目以降の場合は事業者の判断で短縮するということについて、皆さん異存はないと思います。ただ、もともとある聴導犬10日、介助犬40日の訓練日数について、各事業者がどういう状況なのかというのも、一度意見交換しなければいけないと思います。この場で決めることは難しいと思いますので、取りまとめ案の方にそういった意見があったということと、認定要領の方もそうだったのですが、具体的にはどのぐらいの日数が妥当かというのを、朴構成員と有馬構成員から提案いただいている勉強会などで、事業者間の情報共有やどういった形にできるのかというのを話し合っていただいて、それをもとに日数について検証する必要があるということ、まずは、訓練事業者の実態を把握した上で検討していくというような形の取りまとめにさせていただくというのはいかがでしょうか。問題がなければ、そういう形でさせていただければと思います。
〇江藤座長 事務局から提案がありましたが、この場で具体的な訓練日数等について決めることは難しい課題であるかと思いますので、今後検討していくということを取りまとめ案に追加して、具体的に検討していくということです。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 聴導犬の育成団体はみなさま、危惧されていると思います。この会議だけでなく、以前から何回も「聴導犬の合同訓練日数が10日は短すぎる」と、申し上げたにもかかわらず、今回までも10日と現状維持になっていました。みなさまから、何回も「これはおかしい」と申し上げております。その辺は明らかに改善していただき、善処していただくということを、お願いしたいです。
〇江藤座長 木村構成員、どうぞ。
〇木村構成員 合同訓練の期間については、使用者にとって大きな影響がある問題ですので、訓練事業者の方が集まって打ち合わせをするというお話がありましが、その中に使用者もきちんと含めて話し合っていただくようにお願いしたいと思います。
〇江藤座長 朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 木村構成員のお話は、先ほど有馬構成員から親会議の方にも育成団体、認定団体入れてくださいというのと同じだと思います。本当に大事だと思います。それはそれでさせていただくとして、育成団体には自分たちで統一基準や訓練士の養成基準をつくる等、どうやってボトムアップしていくのかという意見交換の場も必要です。今回私がお願いしているのは、育成団体同士がまず膝を交えるということで、このワーキングは3回開催いただいて、とてもありがたいのですが、やはり時間が足りません。聴導犬の訓練日数を上げる、介助犬の日数が少しネックになっていませんか、という意見に対して、具体的にどのくらいなのかというのをまだまだ話し合わなければいけないので、そこに関しては育成団体だけでまずは経験を持ち寄って話をしたいと思います。
〇江藤座長 こういったご意見を事務局の方で取りまとめていくことになります。そろそろ時間ですが、最後に言い忘れたこと等、ご発言ございましたらどなたかどうぞ。吉田構成員、どうぞ。
〇吉田構成員 確認ですけれども、先ほど育成事業者の皆さんで集まって日数がだいたいどれぐらいなのかを検討する会を開催したらどうかということが厚生労働省側から提示がございました。それについては、そこで決められた日数が決定になるということではなく、例えば使用者の団体の皆さんからもご意見を提示するチャンスがあるというふうに考えてよろしいですか。
〇奥出室長 最終的に訓練基準に見直した日数を反映するとすれば、検討会などの場に出さなければいけないと思っています。まずは訓練事業者の方々のご意見を聞いて、これが妥当だろうというところを決めなければと思います。その後の過程では、もちろん使用者の方からもお話を聞かなければならないと思いますし、ここに関わっている専門職の方々にもご意見をいただくことが必要だと思っております。訓練事業者の自主的な取り組みもありますので、そこと調整しながらやっていきたいと思います。
〇吉田構成員 はい、承知いたしました。
〇江藤座長 時間が大分迫っておりますが、いかがでしょうか。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 勉強会について、少し誤解があるかと思います。朴構成員と打ち合わせをした際に勉強会という名前で、育成団体の方たちが困っていることや、朴構成員は盲導犬、私はADIのフォーマットがありますので、それを共有する等の情報の共有を想定しています。今回、検討された内容はもちろんみなさまと共有させていただきますが、勉強会で訓練日数を決めるということではないです。それよりももっと基本的な知識の共有なので、誤解がないようにお願いしたいと思います。
〇江藤座長 本日も様々なご意見をいただきましたけれども、どのように取りまとめ案に反映させていくかにつきましては、私と事務局とで相談の上、改めて皆様にお送りした後に検討会に報告することといたします。砂田構成員、どうぞ。
〇砂田構成員 今回、認定や訓練の基準を見直すというのは、介助犬や聴導犬の数が増えないという理由もあるかと思います。20年で60頭しかいないというのは、やはり危機的な状況だと思います。それに対していちばん意見を持っていらっしゃり、一番実感されているのは、ユーザーさんたちではないかと思いますので、今回は松本構成員と木村構成員がユーザー代表として参加してくれましたけれども、ぜひ厚労省の方には全国にいらっしゃるユーザーさんたちにきちんとヒアリングをして、訓練や認定の方法に対してもっとストレスなく、介助犬や聴導犬と生活できる方法を考えてほしいです。ユーザーさんたちにしっかりヒアリングをして、意見を言う場を授けてもらいたいと思います。
〇江藤座長 介助犬、聴導犬を含めて、補助犬のユーザーをもっと増やしていくということにつきまして事務局を含め、厚労省の課題として、今回のワーキングの取りまとめ案の中でもお話していきたいと思います。先ほどから議論がありましたが、認定要領の見直しとも関係しますので、この点につきましてもワーキングの構成員の皆様にご確認いただいた後に検討会に報告したいと思います。それではここで進行を事務局にお返ししたいと思います。事務局よろしくお願いします。
〇大城補佐 江藤座長、ありがとうございました。また構成員の皆様にはご多忙の中ご出席並びにご意見をいただきましてありがとうございました。訓練基準の見直しに係るワーキンググループは今回が最後となります。奥出室長から一言ご挨拶申し上げます。
〇奥出室長 構成員の皆様におかれましては3回にわたりまして、ご議論いただき誠にありがとうございました。江藤座長におかれましては、円滑な進行ありがとうございました。このワーキンググループについて、訓練基準の見直しというテーマで3回開催しましたが、本日議論もあったように課題としては様々挙げておりますけれども、結論は今後皆さんのご意見を聞きながら決めていきたいと思います。またその時に訓練基準を更に見直すという場合には、もちろんこういった場の開催もあり得ると思っております。まずは、構成員の方からもお話ありましたように一堂に会すような訓練事業者間でお話ができるような場が設定できたということで、今後の連携に繋げていければというのが率直な思いでございます。今年は補助犬法成立、施行から20年ということで記念の節目でございますが、引き続き社会の理解、受け入れ促進という意味で進めてまいりたいと厚生労働省として思っておりますので、引き続き皆様のご協力をお願いします。三回にわたりましてありがとうございました。
〇大城補佐 奥出室長、ありがとうございました。本日ご議論いただいた内容を踏まえまして、第6回身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会にむけて、事務局で資料を取りまとめたいと思います。本日はありがとうございました。
照会先
障害保健福祉部企画課自立支援振興室