第150回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和4年1月27日(木)9:59~11:53

場所

ベルサール神田

議題

  1. 1.オンライン資格確認等システムについて
  2. 2.電子処方箋について
  3. 3.令和4年度予算案(保険局関係)の主な事項について
  4. 4.新経済・財政再生計画 改革工程表2021について

議事

議事内容

○榊原課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第150回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき、ありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる「異議なし」の旨を確認させていただきます。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、内堀委員、羽田委員、本多委員より御欠席の連絡をいただいております。
また、前葉委員より、遅れて御出席との連絡をいただいております。
本日、記者の方には別室にて会議の模様を傍聴いただいております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(冒頭カメラ撮り終了)
○榊原課長 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず初めに、欠席委員の代わりに出席される方についてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理といたしまして蓬田参考人、本多委員の代理として井上参考人の出席につきまして、御承認いただければと存じますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」を確認)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入ります。
本日は「オンライン資格確認等システムについて」。
「電子処方箋について」。
「令和4年度予算案(保険局関係)の主な事項について」。
「新経済・財政再生計画 改革工程表2021について」を議題といたします。
では、初めに「オンライン資格確認等システムについて」を議題といたします。
それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○水谷課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。資料1「オンライン資格確認等システムについて」に沿って御説明申し上げます。
2ページ目から、まずは、オンライン資格確認の導入状況・利用状況でございますが、3ページを御覧いただきます。
顔認証付きカードリーダーの申込施設数は、医療機関等、約23万施設のうち13万施設で56.7%。
準備完了施設数が、このうち3.6万施設で15.7%、運用開始施設数が約2.5万施設で10.9%となってございます。
これは1月23日時点の数字でございまして、本格運用を開始した昨年10月20日時点との比較で、この真ん中辺りの点線の上のところを御覧いただきますと、準備完了施設数がプラス6.8%ポイント、運用開始施設数がプラス5.8%ポイント、それぞれ増えてきているという状況が見て取れますが、まだまだ導入の加速化が必要な状況と認識をしてございます。
4ページにお進みいただきますと、今申し上げた数値をグラフの上にプロットしたものでございます。
グラフの中に①と書いてございますが、カードリーダー申込施設数と準備完了施設数との差、この56.7%と15.7%の差のところを埋めていく、すなわち、申込施設が改修を行って準備完了となっていただくということ。
それから②と書いてございますが、この15.7%と10.9%の差、すなわち準備完了施設が速やかに運用を開始していただくこと。
それから③と書いてございますが、顔認証付きカードリーダーの申込みを増やして、これを100%にしていくこと、こうしたことに取り組んでいく必要があると考えてございます。
右のほうのグラフは、これを病院、医科診療所、歯科診療所、薬局のセグメント別にお示しをしたものでございます。
病院や薬局ではカードリーダーを約8割程度の施設にお申込みいただいており、病院では運用開始施設数が22.9%になっているといった状況が見て取れます。
5ページでございますが、オンライン資格確認の利用状況でございます。昨年10月20日の本格運用開始から12月末までの期間の利用状況を整理したものでございます。
マイナンバーカードによる資格確認、これは約26万件となっておりますが、保険証による資格確認が約3200万件。それから一括照会、医療機関等が、予約患者等の保険資格が有効かどうか、事前にシステムを使って一括照会する、この一括照会によるものが約900万件ございますので、合計で4200万件、オンライン資格確認等システムを活用した資格確認が行われているという状況でございます。
一番下のところに、総レセプト請求枚数、月平均約1億7000万枚と書いてございます。
例えば表で御覧いただいて、11月の合計利用件数が1648万件、12月の総利用件数が1974万件でございますので、こうした総レセプト請求枚数の約1割強、単純に計算すれば1割強が、このオンライン資格確認等システムを利用して資格確認が行われている、そうした状況でございます。
6ページにお進みいただきますと、オンライン資格確認等システムを用いまして、実際にマイナンバーカードを医療機関・薬局にお持ちをいただいて、そこで同意をいただいて、特定健診等情報あるいは薬剤情報を閲覧した件数ということでございます。
特定健診等情報が約1万件、それから薬剤情報が約2.4万件となってございます。
下の段のほうでは、マイナポータルにおきまして、国民お一人お一人が自らの特定健診等情報、薬剤情報を閲覧した件数ということで、それぞれ2.2万件、4.8万件となってございます。
その後7ページ以降で、オンライン資格確認の導入状況に関する調査結果ということで8ページにお進みいただきたいと思います。
オンライン資格確認につきましては、これまで導入に向けた課題ということで、パソコン、ルーターなどハードウエア不足への対応ですとか、システム事業者の改修対応能力の向上、こうしたことを申し上げて、それに対して対策を講じているということを申し上げてまいりました。
今般、各施設の進捗状況を個別に把握した上で、課題をより具体的に把握していくという観点から、支払基金の医療機関等向けポータルサイトに登録をいただいている施設に対して、状況調査を行ったものでございます。
真ん中の辺りに質問項目というところで、①から⑥と書いてございますが、それぞれ個々の医療機関・薬局が①から⑥のどの状況にあるのか、具体的には、①というのは、ポータルサイトへのアカウントの登録を行っている。
②というのが、カードリーダーの申込まで完了している。
③というのが、システム事業者への発注が完了している。
④というのが、システム事業者による導入作業が開始されている。
⑤というのが、導入作業が完了している。
そして⑥が、実際に運用開始している。
こうした6つの段階に分けまして、それぞれの施設がどうした段階にあるのか、そして今なぜその段階にあるのか、裏を返せば、次のステップに進むに当たっての課題となっていることがどういうことであるのか、そうしたことについて調査をしたものでございます。
回答数というところにございますとおり、約7万の施設から御回答をいただいてございます。
その結果をまとめたのが9ページでございます。
真ん中辺りのグラフのところで、この①から⑥、どの状態にあるかということを割合でお示しをしたものでございます。
②というところ、顔認証つきカードリーダーの申込みが完了している。逆に言うと、システム事業者にはまだ発注していないという状態にあるところが20.0%。
それから③、カードリーダーの申込みが完了し、システム事業者への発注が完了している。ただ、まだシステム事業者による導入作業が開始されていないというのが35.6%となっておりまして、ここら辺りの課題にどう対応していくかということがクローズアップされるわけでございます。
10ページにお進みいただきまして、こうした、それぞれの段階にある施設に対しまして、どうしたことが課題になっているかということを調査したものでございます。
特に今申し上げました②と③のところについて、上位に当たるものを赤線で囲んでございます。
この中、私どもとして大きく2つの種類のことがあると考えてございます。②の第4位、第5位のところを御覧いただきますと、システム事業者に連絡を行い、返答を待っている。あるいは第5位のところ、システム事業者からの見積書を受領後、導入費用が負担となるため検討を見合わせている。あるいは③の第1位、第2位、システム事業者による導入作業日程の調整中、あるいは見積り等についてシステム事業者と交渉・協議をしているといった、こうしたシステム事業者関連の課題というのが1つございます。
それから、もう一つが、②の第1位、第2位、第3位、利用する患者が少ないと思われるため、導入作業を見合わせている。通常業務が忙しく、システム事業者に相談できていない。周囲の医療機関や薬局でまだ導入されておらず、その評価を聞いてから導入したい。あるいは、③の第3位にも、同様のものが出ております。
こうした、周囲の状況を見ながら対応したい。そうしたことも、今の状況にとどまっている理由としてあることが分かりました。
そうしたことを踏まえまして、導入加速化に向けた集中的な取組というのを進めていきたいと考えてございます。
12ページにお進みいただけますでしょうか。
「オンライン資格確認の導入加速化に向けた集中的な取組について」ということで、上の青囲みのところで、基本的な考え方3つを書いてございます。
1つ目の○は、今、私が申し上げてまいりました導入状況でございます。
2つ目の○でございますが、まずは、このカードリーダーを申込済の6割弱の施設において、速やかな導入が重要であるということで、これについて、多岐にわたる課題について関係者が一体となって対応していく環境づくりを行うということ。そうした中で、導入加速化に向けて関係者が連携して取組を進めていく、こうしたことが重要であると考えてございます。
それから3つ目の○でございますが、医療機関等の状況、今申し上げた①から⑥まで、どうした状況にあるのか、そうした状況と種別ごとの特性、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局、そうした特性に応じた支援を行いながら、もちろん、カードリーダーのお申込みをいただいていない4割強の医療機関等についても、働きかけを実施しながら対応していくということ。
その際には、PDCAサイクルで進捗状況を定期的に確認しながら進めていく。そうしたことを基本的な考え方としてはどうかと考えてございます。
大きく3つの柱で集中的な取組を整理してございます。
1つ目でございますが、現在、医療関係団体において、オンライン資格確認推進協議会の設置に向けて準備が進められております。
具体的には、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会において、安心・安全でより質の高い医療を提供していくデータヘルスの基盤として、オンライン資格確認を推進していくということで、こうした推進協議会の設置に向けて準備が進められているということでございます。
令和5年3月末までに、おおむね全ての医療機関・薬局での導入を目指す、こうした目標が掲げられている中で、推進協議会において、まずは、このカードリーダー申込済の全ての施設において速やかに導入がなされるよう、システム事業者への発注が終了している状態を目指すとともに、申込みをまだいただいていない施設においても、令和5年3月末に向けて導入が進めよう、ここにオブザーバーとして厚生労働省、あるいはオンライン資格確認の実施機関である支払基金・国保中央会、それからシステム事業者の団体である保健医療福祉情報システム工業会、こうした関係者がオブザーバーとして参加し、そうしたところに必要な要請等も行いながら、また、これらの主体と連携して取組を進めていく、こうしたことが、今、準備が進められているということでございます。
13ページにお進みいただきまして、2つ目、診療報酬による評価でございます。
これは、来年度の診療報酬改定に向けて、今、中医協で詰めの議論が行われてございます。そうした中で、オンライン資格確認システムの活用によりまして、外来において、患者の薬剤情報または特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施することに係る評価を新設するということについて検討がなされております。
その際、※印のところでございますが、初診の場合であって、オンライン資格確認による診療情報等の取得が困難な場合等には、令和6年3月31日までの間に限り、所定点数に加算する。こうしたことも検討がなされているわけでございます。
そして3つ目「医療機関・薬局への支援・働きかけの実施」ということでございます。
それぞれの準備状況に応じた導入支援・働きかけ、それから地域単位での働きかけ、こうしたことを進めていく必要があると考えてございます。
具体的な取組を4つの四角で書いてございますが、1つ目、実施機関である支払基金・国保中央会に設置したコールセンター、これは体制を増強いたしまして、当該医療機関・薬局の状況に応じた対応について支援し、また、働きかけを行ってまいります。
それから、私どもの足元、公的医療機関等については関係省庁を通じて働きかけをし、個別に状況を把握し、フォローアップをしてまいります。
それから、システム事業者につきましても、これまでもシステム事業者の方にお集まりいただいて、働きかけを行い、また、対応能力の向上の状況等について、適宜、御報告をいただいているところでございますが、この大手システム事業者を中心としたシステム事業者導入促進協議会、こうした形を整えたものを設置いたしまして、さらに推進していきたいと考えてございます。
それから4つ目でございますが、都道府県レベル・郡市レベルで、医療関係団体を対象とした、こうしたオンライン資格確認の導入促進に向けた説明会、こうしたことを行うことを依頼しまして、御要望いただければ厚生労働省から直接説明をさせていただいて、導入促進に努めてまいりたいと考えてございます。
14ページでございますが、その際、医療機関の種別に応じた取組ということで、先ほど申し上げました導入状況の調査等で明らかになった、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局それぞれの特性に応じた課題への対応が必要と考えてございます。
例えば病院では、見積りの段階で導入に向けた動きが止まっているところが一定数ございます。見積りに関する相談窓口を関係団体と協力して設けるとともに、メリットを周知していく、そうしたアプローチで取り組んでまいります。
医科診療所につきましては、施設数が多うございます。地域レベルでの面的な働きかけを行ってまいります。
歯科診療所につきましては、実際、今、中小のシステム事業者が、こうした歯科診療所のシステムを扱っている例も多いと承知をしてございます。必ずしもそのシステム事業者自ら対応できない場合には、ネットワーク事業者による改修請負、こうしたことも可能ですので、こうしたことも含めて推進してまいります。
薬局につきましては、この後議題となります電子処方箋、こうしたものの導入を見据えた対応を行っているところも多いので、こうした動向も含めた広報を行ってまいりたいと考えております。
それから申込みをいただいていない残り4割強の施設への働きかけ、これにつきましては、リーフレット等の内容をより具体化する、地域単位での働きかけ、システム事業者を通じて働きかけ、あらゆる手段を通じて、こうした働きかけを強めてまいりたいと考えてございます。
それから最後、PDCAによるフォローアップということでございますが、令和5年3月末までにおおむね全ての医療機関・薬局での導入を目指す、こうした目標を掲げてございますが、この目標の達成に向けた具体的な工程、こうしたものを議論しながら、具体的には、オンライン資格確認等検討会議、医療保険者あるいは医療関係者、被保険者等の代表の方に御参加をいただいております。そうしたところで、進捗状況を月次で把握し、定期的に取組の見直しを行っていきながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
15ページ以降は、今、申し上げた取組の内容について、もう少しブレークダウンしたことを書いてございます。
16ページは、個別の医療機関・薬局への支援・働きかけの内容でございます。
それから、17ページでございますが、先ほど申し上げました、医療機関等の導入状況調査、その課題を踏まえた対応ということでございまして、私、説明の際に、大きく2つの課題、システム事業者関連の課題と、それから、周りの状況を注視している、そうした2つの課題があると申し上げました。
前者につきましては、システム事業者に体制の増強を依頼しているのだということ、そうしたことをお伝えした上で、改めてシステム事業者と調整することを勧奨したり、あるいは見積りについての相談窓口を関係団体等に設置をしているということ。あるいは、具体的な導入のメリットや導入施設の声なども伝えながら費用に見合うことを説明するですとか、まずは見積りを依頼してくださいだとか、各医療機関・薬局等の状況に応じた働きかけをしてまいりたいと思ってございます。
それから、状況を注視しているといった状況につきましては、マイナンバーカードの普及率が4割を超えているということと、それからマイナポイント第2弾などもございます。今後も健康保険証としての利用をされる方が増える見込みであるということ。
そうした中で、保険証による資格確認も含めて十分なメリットがあるということですとか、あるいは、こうしたメリットに加えまして、導入された施設の声なども説明し、また、周囲の導入状況なども説明しながら、取組を進めてまいりたいと考えてございます。
18ページから20ページにかけましては、この導入状況等調査それぞれの主な項目についての対応を詳細に記載したものでございます。説明は省略させていただきます。
それから、21ページでございます。
システム事業者のほうの導入促進協議会。これにつきましては、真ん中辺りのところでございますが、各事業者等への経営層へ引き続き働きかけを行っていく、また、この働きかけですとか、体制強化の状況、これはシステム事業者の皆さんから個別にフォローアップを実施し、月次で情報交換を行ってまいりたいと考えてございます。
22ページは、地域での説明の実施についての詳細でございます。
それから23ページ、各施設類型の特徴に応じた対応ということで、先ほど御説明申し上げたことの補足の資料になります。
1つ目の○のところを御覧いただいて、2行目のところですが、②の段階、カードリーダーを申込済であるという段階の集団におきまして、各セグメントごとの状況を見ますと、特に病院におきましては、見積りの提示を待っている、あるいは、費用負担があるため検討を見合わせている。こうしたものが、他のセグメントと比べて上位にきている。
あるいは歯科診療所におきましては、相談先のシステム事業者を検討しているといったものが、他のセグメントと比べて上位に入っている。こうした状況が、導入状況調査からも明らかになっているところでございます。
下のほうに電子カルテの普及率あるいはレセプトのオンライン請求の普及率につきまして、私どもの調査で出てきている数字なども掲載してございます。医療関係団体の推進協議会の設置に向けて準備が進められております。医療関係団体の現場の声などもお聞きしながら、こうした課題について対応してまいりたいと考えてございます。
24ページから、その次の25ページでございますが「運用開始施設等の利用状況等のフォローアップについて」ということで、私、今、こうしたいろいろな導入状況についての数字を申し上げてまいりましたが、一方で、実際に運用開始となっていても、マイナンバーカードによる資格確認が増加をしていない、あるいは限度額適用認定証の提出を求める医療機関もあるといった声も聞かれるところでございます。言わば、この数字だけでは把握し切れない部分というのもございますので、私どもとして試行的に、この運用開始施設のうち100施設程度、これを定点観測施設として利用状況等をフォローアップしてまいりたいと考えてございます。
それから最後「マイナンバーカードの保険証利用の促進」ということで、27ページ、こうしたオンライン資格確認等システムを有効に使っていただくために、やはり、国民の皆様に、マイナンバーカードを保険証として利用する登録をしていただくことが重要になります。マイナポイント第2弾なども活用しながら、この27ページに書いてあるような、いろいろな促進策を講じてまいりたいと考えてございます。
28ページは、マイナポイント第2弾の全体像を整理した資料でございます。これまで内容については、この場でも御説明申し上げてきてございますが、上の段の表②、健康保険証利用申込というところのポイントの申込み時期でございます。本年6月頃からということで、先週でしたか、総理のほうからもそうした御発言があり、私どもからも、そうしたことを通知させていただいてございます。
6月頃から実施をされますが、利用の申込みを行った方あるいは既に登録された方、これは対象となりますので、積極的にお申込みいただきたいということで、私どもとして積極的に広報してまいりたいと考えております。
それから、29ページでございます。
マイナンバーカードの健康保険証利用の申込み状況ということで、これは申込数でございますが、どういう経路で申込みがなされたかということ。それから、下の段のほうでは、保険者別でどれだけ利用登録がなされているかといった状況について整理した資料をお示しさせていただいてございます。
30ページ以降は、今申し上げたことについての参考資料を、適宜、添付させていただいてございます。
ちょっとお時間を長く頂戴いたしましたが、オンライン資格確認等システムの導入状況、それから、導入加速化に向けた集中的な取組について御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 御説明のほう、ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
現状や課題等を把握するための詳細な調査を行っていただき、感謝申し上げます。その上で、1点意見を申し述べたいと思います。
医療に関する個人データは、医療機関ごとに管理されておりまして、医療機関同士の情報やデータの共有は、依然として不十分なのが現状であると思います。
したがいまして、万が一、急病等で救急搬送されても、搬送先の医療機関等で治療歴や薬剤履歴が把握できず、迅速かつ適切な治療ができないということが起こり得ます。
資料1の27ページに記載されている、患者メリットを訴求した周知による促進を引き続き積極的に行っていただくとともに、昨年の部会でも申し上げましたが、マイナンバーカードを活用しないということによるデメリットを強調する広報というのも大事ではないかなと思います。医療機関同士の情報・データ共有は、もうできているのではないかと考えておられる方も結構いらっしゃるのではないかと感じておりますので、ぜひよろしくお願いします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
詳しい説明ありがとうございました。また、貴重な調査をしていただいて、大変よかったなと思っています。デジタル化に向かっていく大事な一歩になっていると思っています。
現在は半導体の問題もあって、なかなかカードリーダーの生産等にトラブルがあるというのは一部聞いています。そういった事情はあるものも、広報や啓発をしていただき、また働きかけをしていただいて、メリットも多くありますので、ぜひこの普及促進をお願いしたいと思っています。
今、藤井委員もおっしゃっていましたけれども、デメリットのことはちゃんと改正したほうがいいわけですし、メリットはどんどん伸ばして、そんな発想でどんどん当たっていくべきだろうと思っています。
また、データを拝見して分かってきたことですけれども、4200万件のオンライン資格確認が実績としてあるということ。約1割超とおっしゃいました。これは、何とほかのページに出ていますけれども、運用開始施設数が約1割で、ほぼニアイコールだなという印象を持ちました。
また、マイナポータルのユーザー利用も、なかなか皆さん積極的に活用されているのかなという印象を持ちました。こういったことが日常的にもっともっと拡大していけばいいですから、ぜひお願いしたいと思います。我々保険者のほうも、普及促進は今後とも努力をしていきたいと思っています。
後期高齢者医療広域連合関係でも、それぞれ改めて、このことを啓発して、マイナンバーカードの取得、保険証所利用ということを促進、働きかけをしていきたいと思っています。
ぜひ政府の方でも方針に示されましたけれども、関係医療機関による推進協議会を立ち上げてくださるということなので、ぜひ大きく期待を寄せています。直接の医療に当たっていただく医療機関、また、医療関係団体が、そういった形で望まれれば、より多くの方々の理解も進みますでしょうし、このことを所期の目的をもっともっとスムーズに達成できると思いますので、引き続きよろしくお願いします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
本件については、前回の部会において菅原委員のほうから、データベースの基盤を関係者全員で作らなければという認識を共有することが重要だ、との御指摘をいただきましたが、私も全く同意見でございます。
その点も踏まえて、本日の資料においては、推進協議会の設置ですとか、これまでよりも相当踏み込んだ具体的な取組が示されておりますので、ここは評価をしたいなと思います。
厚労省としても、ぜひとも書かれていることに基づいて、強力に推進をお願いしたいと思います。
また、資料の14ページの一番下のところに、PDCAによるフォローアップがございますけれども、令和5年3月末、約1年先までに、おおむね全ての医療機関・薬局で導入をするという目標を達成できるように、やはり、途中のマイルストーンも明示しながら工程管理をやっていくということが極めて重要だと考えております。
そういう点で、まずオンライン資格確認等検討会議において進捗状況の月次把握を含め、チェックのほうをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
丁寧な御説明、貴重な調査、ありがとうございました。
1つ確認をしたいのですけれども、このオンライン資格確認等システムに関しまして、その保守・運用の費用は、保険者が一部負担していると認識をしておりますけれども、その負担の状況につきまして、もし分かれば教えていただきたいと思います。
○田辺部会長 では、お願いいたします。
○江口課長 保険課長です。
オンライン資格確認等システムの運用経費についてのお尋ねでございますが、まず、このオンライン資格確認等システムについてですが、これについては、マイナンバー制度における他の分野との情報連携のために構築されています、医療保険者中間サーバーの基盤を活用するということになっております。つまり、オンライン資格確認等システムと、この中間サーバーを連携させているということでございます。
被保険者の資格情報が、変更することは随時あるわけですけれども、そういった場合には、保険者のほうで事業主等からの届出を踏まえて、随時、中間サーバーにその情報を登録していただくということになっておりまして、その情報が連携をしているオンライン資格確認等システムにも反映されると、こういった仕組みになっております。
この中間サーバーの運用経費についてもオンライン資格確認等システムと同様に、保険者に御負担をいただいているということでありますけれども、このような仕組みを前提に、今、お尋ねがあった運用経費の額について申し上げますと、来年度、令和4年度の予算案になりますが、この中間サーバーの運用経費については21.1億円、そして、オンライン資格確認等システムの運用経費については、19.6億円といった状況でございます。
以上でございます。
○井上参考人 ありがとうございました。
今の御説明にありましたとおり、このシステムの運用経費につきましては、保険者も負担をしておりますので、こうした負担の上に成り立っていることから鑑みますと、やはりこのシステムが、早期に広く導入され、真の意味で有効に活用されるということが、非常に重要だと思いますし、この後の議題である電子処方箋の基盤にもなりますので、我々といたしましても、このシステムの導入が着実に広がっていくように期待をしておりますので、ぜひ、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
オンライン資格確認システム等導入に関しましては、各セグメントごとの問題点を洗い出し、丁寧な対応で進めていただけるということで理解いたしました。よろしくお願いいたします。
その上で、資料1の23ページですが、歯科診療所の電子カルテ普及率に関して要望がございますので、コメントさせていただきます。
資料にある電子カルテ普及率は、平成29年の医療施設調査におきまして、診療録電子化(電子カルテ)の設問項目に対して、電子化していると回答した歯科医療機関の割合を基にしたものと考えますが、歯科の臨床現場の個人的な感覚からいたしますと、資料にある電子カルテの普及率とは差異があると、そういった印象を持っております。
今後、こうした調査におきまして、電子カルテの普及状況を把握する場合には、質問の趣旨が回答者により正確に伝わるよう、調査の手引に丁寧な説明を記載するなど、より的確に実態が把握できるよう、お願い申し上げます。
また、歯科におきましても、患者さんの全身疾患の把握、薬剤情報の確認をした上で、質が高い安心・安全な歯科医療提供は重要でございまして、今後、電子カルテ等のユースケースも増えてくると思いますが、ユースケースの普及に当たりまして、何が必要なのかも含めて、明確にして進めていっていただきたく思います。
以上、要望でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
オンライン資格確認の導入促進に向けた対策案を丁寧に御説明いただきまして、誠にありがとうございます。
今回の資料でお示しいただいた関係者と連携した取組の推進や、医療機関等への個別の働きかけの強化、運用開始施設のフォローアップといった様々な観点からの対策を実効的・複合的に進め、令和5年3月末までに、おおむね全ての医療機関・薬局で導入という目標達成に向け、集中的に取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。
ただし、13ページの対策案中の診療報酬に係る部分につきましては、昨日の中医協でも意見を申し上げさせていただきましたが、マイナンバーカードを持って行かなかった患者、また、マイナンバーカードを持って行ったけれども、カードリーダーで個人情報の活用に同意しなかった患者についても、加算が適用されるようになっております。
オンライン資格確認の導入加速への効果に疑問が残るため、今後も引き続き中医協のほうでよく議論をさせていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員 丁寧な御説明ありがとうございます。
この間、着実に取組が進められているものと受け止めております。しかし、マイナンバーカードを取得して、保険証とひもづけても利用できる医療機関が少なければ、オンライン資格確認等システムの普及は進まないという悪循環になりかねません。
そういった意味から、今回、オンライン資格確認の導入加速化に向けた取組を行うことについては、理解をしています。
その際、今ほど安藤委員もおっしゃっておりましたけれども、診療報酬による評価については、患者が充実した医療を受けられるといったメリットを享受できる仕組みとすることが重要と考えます。
また、この部会での所掌事務を超えることでありますが、マイナンバーカードの普及促進に向けた取組も重要だと思います。今回、資料でマイナポイント第2弾が紹介されておりますが、第1弾による普及促進効果が限定的だった状況を振り返りますと、目先のポイント取得を強調するだけでなく、なぜ普及促進したいのかということについて、さらなる周知啓発が必要だと思います。
マイナンバーカード取得のメリットを国民の皆さんに感じていただけるような、政府としてのPRの工夫も必要だと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井深委員、よろしくお願いいたします。
○井深委員 ありがとうございます。
これまでもオンライン資格確認システムの普及について多く議論されてきたところですけれども、現状を踏まえて導入状況の加速化が必要という議題が出ていますので、改めて発言をさせていただきたいと思います。
オンライン資格確認システムという、このシステム導入というのは、先ほど具体的なお話もあったように、多額の費用を投入して整備された大規模な情報インフラであって、潜在的にはすごく大きな価値を持つものです。
情報インフラというのは、やはりどれくらいの人に活用されるかによって、その価値がどれくらい発揮されるかということが変わってきます。使われなければ、宝の持ち腐れとなってしまう可能性もあるわけです。
一人一人の健康の管理をより長期的な視点に立って、患者とかかりつけ医が共同して行っていくという、そういうデータヘルスの情報共有の手段となるわけですし、また、コロナ禍で顕在化した医療に関わる統一的な情報基盤の必要性、これが再認識されたわけですけれども、その基盤としての将来性も大いに期待されるところです。
この潜在的な力を発揮させるためには、やはり多くの人がこのシステムを利用するということが何よりも必要だという点は、関係者が共有している考えだと認識しております。
特に情報系のインフラというのは、道路のようなインフラと違って、利用者の数がどれくらいかということによって利便性が変わってくるため、その基盤を整備することに加えて、より多くの利用者がいるということで、その効果が高まるという側面があると思います。より多くの医療機関に利用されることで利便性が高まり、オンライン資格確認書を利用するという人は増えることにつながります。
逆に、現状として、今回の調査、大変貴重な資料だと思いますが、その結果が示すように、医療機関側は患者さんの使用が進んでいないので、運用を見合わせているというような回答があるという現状にもなってしまっていると思います。こういうちょっと負のスパイラルのようなことが起きることが多い運用初期の段階というのは、やはり利用者の増加が最も進みにくい、そういう段階ですので、医療機関の運用開始施設数が一定水準に達するまでは、やはり積極的にてこ入れが重要です。今回御紹介のあった取組、どれもとても重要だと思いますので、それらの推進をお願いしたいと思います。
また、一方で患者側の利用ということは、マイナポイントの効果等もあって、その後は増えているということでして、その点は非常に好ましいことだと思います。
今後登録を最終的な利用につなげるためには、やはりそのベネフィット、メリットが周知されるということが非常に重要です。マイナンバーカードの利用によって、どのような利便性や健康管理上のメリットがあるのかということを説明、これを分かりやすく行うと同時に、情報セキュリティ面の不安の解消に努めるということも大事かと思います。
また、今まで使ったことがないもので、今のところ使わなくても特段の不便を感じていないという、そういうような状況だとすれば、なかなか新しいものをあえて使うということに踏み切れない人も多いのではないかと思います。
そういう場合には、例えば、かかりつけ医や、かかりつけ薬局から健康管理上のメリットを説明してもらうなど、そのような働きかけによって、その患者さんにとってのメリットを実感しやすくなるということも考えられるのかもしれないと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、森委員、よろしくお願いいたします。
○森委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。
1点質問と意見なのですけれども、13ページを御覧いただければと思います。
システム事業者導入促進協議会の設置のところで、質問なのですけれども、下から5行目のところに、大手システム事業者を中心としたという記載があるのですけれども、これは、厚労省にお伺いしたいのですけれども、ここは、中心としたということなので、中小事業者も入るのかということです。というのは、大手の事業者は、何かあったときに一気に人材を投入して、短時間で対応できるということが多いと思うのですけれども、それに比べて中小は苦労しており、対応が難しいという話をよく耳にします。そのようなことから、ぜひこの中に中小の事業者も入れていただいて検討をしていただければと思います。
14ページの医療機関等の種別に応じた取組のところで、歯科診療所に、中小システム事業者が多いことを踏まえてと記載がありますけれども、薬局のシステムも、中小のシステム事業者や、地域だけで展開している事業者等多くあります。そういうところの意見を聞いていただいて、進めていただければ、より加速化するのではないかと思います。
私のほうからは、以上です。
○田辺部会長 では、回答のほうをお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
大手システム事業者を中心としたと書いてございますが、もちろん中小のシステム事業者の対応ということも、まさに私ども課題として掲げているとおり、対応が必要な部分と認識をしてございます。
協議会に物理的に中小の事業者、個社に御参加いただくのはちょっと難しい側面もございますので、大手システム事業者を中心に、中小のシステム事業者の団体などにも御参画いただきながら対応していくということで、これまでもそうしていますし、今後もそのように対応してまいりたいと考えてございますので、引き続き、そうしたものも含めて課題をきちんと拾い上げて対応できるように対応してまいります。
○森委員 ありがとうございます。
中小は中小としての非常に難しい課題もあると思いますので、ぜひ中小からも話を聞いて進めていただければと思います。
ありがとうございました。
○田辺部会長 では、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。
私のほうからも意見と、一点質問をさせていただきたいと思います。
まず、3つの重点的な取組ということで、私どもの所属している医療3団体の推進協議会を立ち上げること、これは非常に有効だと思いますし、私自身も都道府県医師会を預かる者の一人として、この中でしっかり都道府県医師会としても取り組んでいきたいと思っております。
それから、診療報酬によるインセンティブということで、これについては、中医協で議論中ですけれども、安藤委員からもおっしゃったように、何かペナルティーみたいなのではないかという印象を持ちではないかと思いますけれども、一方で、これを持ってきていただくことによって患者様にもメリットがあるのだということで、それをみんなで共有して、みんなが持ってこられるようにしようという促進策の1つとして、期限つきの診療報酬ということであれば、十分理解できるのではないかという思いをしております。これは、中医協でまた議論していければと思っております。
今、森委員がおっしゃったように、システム事業者協議会を立ち上げていただくこと、これは非常にありがたいと思うのですが、私ども県医師会のレベルでもよく聞き取り調査をすると、やはりベンダーの中に中小のベンダーから、導入費を数百万を要求されても、値段交渉ができない状況にあります。レセプトコンピューターは、それは、もう(簡単に)変えるわけにいかないので、そこについたベンダーさんに、もう、これですということ言ってしまう一方、ぐっと安くやっているところもあるということを聞くと、そこで二の足を踏んでしまうことが、特に中小は非常に多いのです。だから、ここも見えてこないですし、では、なぜ、そもそもそれだけ高いのかということ、もちろん、いろいろな手続上を含めて、このシステム事業者協議会で、今、森委員もおっしゃったように、本当に、中小の小規模のベンダーさんも含めて、その課題を挙げていただいて、場合によっては、それを何か共有して、同じシステムを使うことによって、ぐっと安価にできるということがあれば、それを取り入れていただきたいと思いますし、その辺の見積額が、これが本当に正しいのかどうかということが、全く見えていない。そこから二の足を踏んでいる方が多い印象を持っていますので、その辺について、ぜひ御協議いただきたいと思います。その辺の、なぜ高額になっているかという、見積りの差というのはどこで出ているのか、もし承知をされていれば少しお聞かせいただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 今の池端委員の御発言に関連してなのですけれども、例えば、パソコンを導入して電子自治体化あるいはデジタル化をするときなどは、複数の自治体で共同発注をしてコストダウンを図ったりするのですね。発注するロットを増やしてコスト交渉するなどの努力が考えられます。
そういったことを、ぜひ県単位なのか、あるいは、政府全体なのか分かりませんけれども、ぜひ積極的に働きかけていただいて、より適正価格で、より少しでもコストを抑えて、普及が早くできるように、厚生労働省のほうからも御指導とかをしていただくことも大切だと思います。
このインフラは、ほかの委員もおっしゃったように、情報インフラの基本の基本になっていくと思いますので、ぜひ働きかけをしていただいて、池端委員をはじめ、医療機関の皆さんの悩みを解消していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、松原委員、よろしくお願いいたします。
○松原委員 もっと進めなければならないのに、なかなか停滞しているということは、私たちも心苦しく思っています。とにかくデジタル化を推進しなければ、これから先の医療というのは成り立たないと思っているところであります。
そういったことで、日本歯科医師会さん、日本薬剤師会さんと、私ども日本医師会とで、今度、オンライン資格確認推進協議会を作って、そして、どうやったらこれが推進できるのかということについて十分に協議をしていき、実行部隊としても働いてまいりたいと思っているところでございます。
なかなか、先ほどのお話がありましたように、電子カルテとの接続を考えると、大変な金額が要求されるような件もございます。そういったことも含めまして、さらにいろいろ精査し、調整してまいりたいと思いますが、一番よく医療機関から言われるのは、「導入はいいけれども、そのランニングコストが出ない」と、そういった問題について指摘をよく受けるわけであります。
今、中医協で十分議論していただいていると思いますけれども、診療報酬でそういったことに対して評価をいただければ、さらに進むと思いますが、先ほどの一時的な分だけであれば、本当にこれで十分にできるのかなという疑問が出てくる医療機関もあると思います。そのところも踏まえて、ぜひ長期にランニングコストを出せるようにしていただきたいと思います。
これは何度も申し上げて誠に申し訳ございませんが、オミクロンが出てしまいまして、現場は、治療薬剤がなく、検査のPCRも制限されています。検査の試薬の問題もあると思いますけれども、一遍に多量にPCRができないということだと思います。しかも、実際には、前は1日で出ていたPCRの結果が4、5日かかっております。そうすると4、5日だと、オミクロンの場合には、多くの方々は、3、4日で熱が下がってしまうことも多いと思いますので、検査を希望されない方もあるということであります。抗原検査キットもありません。つまり、手も足も出ない状態で頑張っているところであります。唯一の切り札であるワクチン接種を、前年度、6月、7月と大変積極的に行いましたけれども、それを今、再び第3回目のワクチンとして精いっぱいやっております。
そういった事情もありますが、しかし、将来を見据えて、こういった対策、デジタルに対しての対策をしなければならないと思っております。何とぞ御理解賜り、中医協でも十分議論していただいて、せめて費用の面だけでは、足踏みにはならないようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、ほかに御意見がなければ、本議題については、これまでとさせていただきます。
次に「電子処方箋について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○田中課長 医薬局総務課長の田中と申します。
私のほうから、資料2「電子処方箋について」御説明させていただきます。
ページをおめくりいただきまして、2ページです。
「電子処方箋とは」ということで概要ですが、電子処方箋は、今ほどの議題のオンライン資格確認システム、これを拡張しまして、現在紙で行われている処方箋の運用を、電子で実施する仕組みということです。
オンライン資格確認システムで閲覧できる情報を拡充しまして、患者さんが、直近の処方ですとか、調剤された内容の閲覧あるいは当該データを活用した重複投薬等チェックの結果の確認が可能になるというものです。
令和5年1月運用開始ということで、今からちょうど1年後の運用開始を予定しています。
仕組みについては、病院・診療所、薬局、患者さん、それぞれ、電子的にデータのやり取りを行うものですが、ポイントの一つとしましては「電子処方箋管理サービス」ということで、支払基金や国保中央会に設置された、オンライン資格確認等システム、これを活用して情報のやり取りをするという点です。
3ページです。
電子処方箋の導入意義ということで整理をさせていただいたものでして、一番上にまとめて書いていますが、医療機関や薬局・患者間での処方/調剤薬剤の情報共有や、関係者間でのコミュニケーションが促進されることで、質の高い医療サービスの提供、重複投薬等の抑制、業務効率化を実現できるということです。
それぞれ患者、病院・診療所、薬局ごとに、メリットを整理していますが、特に患者さんのメリットということで4ページにまとめておりまして、被保険者(患者)さんから見た電子処方箋の導入意義ということです。
患者さんにとってのメリットですが、一つは、複数の医療機関・薬局間での情報の共有が進むことで、実効性のある重複投薬防止や、より適切な薬学的管理が可能になるため、患者さんのさらなる健康増進に貢献するということです。
2点目は、患者さん自らが薬剤情報をトータルで一元的に確認することができるということで、服薬情報の履歴を管理できるとともに、必要に応じて医療機関や薬局から各種のサービスを受けることが可能となるということです。
3点目は、処方箋原本を電子的に受け取ることが可能となりますので、オンライン診療服薬指導のさらなる利用促進に貢献すると考えております。
右側にまとめていますが、医療機関や薬局にとって質の高い診察・処方や調剤・服薬指導ができるといったメリットも当然あるわけですが、患者さん、被保険者さんにとっても、健康増進による生産性向上ですとか、オンライン診療、服薬指導の利用促進による医療アクセスのさらなる向上、さらには、医療費削減によって、医療保険の持続性を高めることによるということで、さまざまなメリットがあると考えております。
5ページですが、電子処方箋導入に当たりまして、法律を改正しなければいけないということでして、改正が必要な法律をまとめた資料でございます。
まず、医師法、歯科医師法における処方箋関連規定との調整ということでございますが、御承知のとおり、医師法、歯科医師法において、医師及び歯科医師が患者に対して治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者等に対して処方箋を交付するという規定がございます。
今般検討しております電子処方箋の仕組みは、電子処方箋を支払基金を介して薬局に伝達するという仕組みですので、医師法で医師等が電子処方箋を支払基金に提供すれば、患者に交付したものとみなすという規定を整備します。
2点目ですが、電子処方箋管理業務に係る支払基金等の業務規定の整備ということで、支払基金が業務を行う場合には、法律で業務を規定しておりますが、電子処方箋管理業務につきましても、法律で支払基金の業務として新たに位置づけるとともに、当該管理業務に係る医療保険者等の費用負担ですとか、厚生労働省の監督規定を整備するということです
3点目は、個人情報保護法の規定との関係の整理で、一番下、最後ですが、医療機関と薬局の協力規定を「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」に新たに規定します。
これにつきましては、医療機関及び薬局その他の関係者は、この電子処方箋管理業務、これが円滑に実施されるよう、電子処方箋の提供や、電子処方箋による調剤を実施する体制の整備に努めるとともに、相互に連携を図りながら協力するという規定です。
これらの法律改正については、現在、薬機法を改正し、緊急承認制度というものを導入する法律を準備しているところですが、それと一括で、3月上旬の閣議決定を目指して準備を進めているところです。
次に、6ページ、7ページで、予算の関係について御紹介させていただきます。
まず、6ページは医療情報化支援基金の積み増しについてということで、383億円計上しています。
これにつきましては、下の事業内容に書いていますが、医療機関や薬局のシステム改修を財政的に支援するということでして、当然、医療機関や薬局に一定のご負担をしていただくわけですが、これについて、国が費用を補助するものです。
7ページですが、 電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備ということで、9億6000万計上しています。
これにつきましては、一番下に書いていますが、実施時における検証も含め、安全かつ正確な運用に向けた環境整備のための経費として9億6000万計上しているものです。
最後に8ページですが、電子処方箋の仕組みの運用費用の試算と負担者についてということで、全ての機能が稼動する令和5年度以降における運用保守費用、これを試算しましたところ9.1億円ということで、これは保険者の皆様に御負担をいただきたいと考えております。
※印で運用1年目1.6から5.6億円とございます。これについては、今ほど御説明申し上げた制度の準備のための基盤整備の一環として補助を行うということで、これによりまして1年目については、費用負担が抑制されているということでございます。
次に、運用費用の負担の考え方ということですが、電子処方箋に期待される効果、先ほども少し御説明申し上げましたが、まず、調剤を受け取る際に紙の持参が不要等の利便性が向上するということ、
2つ目、処方内容を電子化することによる医療機関や薬局間の迅速な情報伝達が可能となること、
3つ目、電子化された処方情報をリアルタイムで共有する等により、飲み合わせの確認、服薬指導、重複投薬や併用禁忌の薬剤投与の防止、ポリファーマシー防止等に活用でき、被保険者の方にとって、より適切な薬学的管理が可能となること、と考えています。
したがいまして、運営費用の費用負担の考え方ですが、被保険者の利便性が高まるともに、効果的に重複投薬ですとか、ポリファーマシーを防止できるということで、被保険者の適切な受診・服薬、効果的な健康増進等に資する機能を有するものと考えておりまして、このような機能・効果を前提とすると、電子処方箋システム、先ほど申しました単に処方調剤事務の効率化ということにとどまりませんでして、医療保険制度の運営基盤の1つとして、被保険者全体が利益を受けることができる仕組みと考えておりますので、全ての被保険者の方が公平に費用を負担する仕組みとしてはどうかと考えております。
※にございます加入者1人当たりの負担額、月額は約0.61円ということですが、先ほども御説明申し上げましたとおり、国として基盤整備の一環として運用1年目は補助するということですので、初年度は、0.11円から0.37円ということになっております。
最後に3ですが、この重複投薬抑止による医療費削減効果、これについては定期的な検証をすることが必要だと考えておりまして、不断に実効性を高めていくためのPDCAサイクル、これを構築、実施していくということが、1つ大切なポイントではないかと考えております。
説明については、以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
質問を3点、意見を1点申し述べたいと思います。
質問の1点目は、オンライン資格確認等システムで閲覧可能な薬剤情報の拡大についてであります。
このシステムを通じて、医師や薬剤師による適切な処方、服薬指導をより確実に行うため、処方箋に掲載される医薬品に加えまして、OTC医薬品、特に医療用医薬品との相互作用が懸念されるような薬剤についての服薬歴も登録、閲覧できるようにすることが重要かと考えますが、この点について、厚生労働省のお考えをお聞かせいただければと思います。
質問の2点目でありますが、各種システム間の連携について、治療の記録と薬の処方をセットで参照できるよう、電子カルテと電子処方箋を組み合わせて普及することが必要だと思います。
また、資料2の2ページに記載されている電子処方箋と電子版お薬手帳アプリとの連携についてですが、現状、数多くのお薬手帳アプリが存在しておりまして、そうした状況の中で、医療機関と国民が使いやすい形にするために、システム間の連携、連動をどのようにしていこうかと考えているのか、教えていただければと思います。
質問の3点目でございます。
資料2の8ページの運営費用の負担についてです。ここでは、被保険者が負担する仕組みを提案されておりますが、電子処方箋の導入により、医療機関は紙の処方箋の印刷や押印が、また、薬局は処方情報の手入力がそれぞれ不要となるなど、効率化の恩恵を受けていただけるのではないかと思います。
メリットを享受する側が相応の費用負担をする必要があると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
最後に、重複投薬防止について意見を申し上げます。
患者が複数の医療機関を受診することが重複投薬の原因の1つと考えられますが、電子処方箋の導入と並行して、かかりつけ医の活用により重複投薬防止が図られるような取組をぜひ進めていただくよう、お願いできればと思います。
以上です。
○田辺部会長 3点ほど御質問がございましたので、回答のほうをよろしくお願いいたします。
○田中課長 幾つか御質問いただきましたので、お答えさせていただきたいと思います。
まず1点目、OTC薬、これとの重複投薬とかも確認できるような仕組みが必要ではないかという御質問でございました。
まず、今回は処方薬について、電子処方箋という仕組みを構築しますので、処方薬同士の重複投与の防止に限られるわけですが、御指摘のとおり、OTC含め、お薬手帳とも関連するのですけれども、将来的には電子版お薬手帳との連携ということも、今後の1つの課題と考えています。
2点目は、お薬手帳も、いろいろなアプリがあるが連携できるようにすべきではないかという御指摘をいただきましたが、これも、現在、連携できるような仕組みを検討しているところです。若干のお時間をいただくと思いますが、今後の課題として我々も認識をし、検討を進めているところです。
3点目は、薬局・医療機関の利便性が向上するので、費用負担すべきではないかという御指摘だと思いますが、先ほども御説明申し上げましたとおり、被保険者の方にメリットがあるということで、今般、被保険者の皆さん、保険者の皆さんに御負担をお願いするものですが、一方で、先ほど整備費のところで薬局や医療機関に対して医療情報化支援基金で整備費を補助すると申し上げましたが、当然、これは医療機関や薬局の方に、一定程度の自己負担を頂きますので、さまざまな形で薬局や医療機関にも御負担をいただくものと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○藤井委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 それでは、次に佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございました。
電子処方箋の仕組みを作るということは、まさに、今、御説明がありましたけれども、薬剤の重複投与、多剤投与等のリスクを考えた場合、国民、患者にとっては大変大きなメリットがあるということで、ぜひ進めるべきだと思っております。
また、現在計画されているところの医療情報の活用、こういったものとの連動によって、より一層の効果が発揮できるのではないかと期待しております。
この電子処方箋にしろ、医療情報の活用にしろ、ともにオンライン資格確認のインフラ基盤を使うということが前提になっておりますので、まさにインフラ基盤としてのオンライン資格確認の導入を早期に行うべきと、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、その基盤の上に行う電子処方箋とは、ある意味、この施策の本番のスタートと言ってもいいのではないかと考えております。
そういった中で、電子処方箋の導入に当たって3点要望を申し上げたいと思います。
1点目は、先ほど申し上げましたけれども、電子処方箋の基盤となるオンライン資格確認システムの普及について、しつこいようでございますけれども、やはり工程管理をしっかり行って、医療機関等における導入をさらに加速していただきたいと。患者、国民に対する広報周知も徹底をお願いしたいと思います。
2点目は、やはり電子処方箋を導入後、導入効果をより大きく、かつ、より早く出すということは言うまでもなく重要だと思いますので、そのためには、やはりどれぐらいの効果が上がっているのかということをきちんと把握して、もし、問題点とか阻害要因があるのであれば、それを解決して、この制度のさらなる促進、推進につなげると。いわゆるPDCAの仕組みを回していくことが極めて重要だと思います。
そういう意味でも、今回の資料の最終8ページの一番下の③でございますけれども、ここに記載されている、いわゆる効果把握と検証の仕組み、これは極めて重要だと思いますので、これを行うためのシステムづくり、これもきちんとお願いしたいと思います。
3点目は、先ほどもお話がありましたように、費用負担でございますが、開発コストを国でもっていただくのは、これは当然だと思いますけれども、やはり運営コストについては、効果に見合った負担でなければいけないと考えております。
そのため、これも何度も申し上げておりますけれども、やはり一定程度、この制度が定着して、一定の効果が上がるまでの期間、これについては、いわば体制整備期間と位置づけて、国のほうでの負担もお願いできるようなことを、ぜひ強く要望したいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、次に安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
オンライン資格確認や電子処方箋につきましては、新たな情報が追加されるたびに、費用負担の在り方を議論するのではなく、まず、厚労省に総合的な今後の全体像をお示しいただき、利活用場面、ユースケース等を整理し、その役割や受益等を踏まえ、費用負担の在り方を議論すべきであるということを、これまで繰り返し申し上げてまいりました。
その点につきまして、特に御回答がないまま電子処方箋にかかる費用負担の在り方について説明があったことは、大変遺憾に思っております。
データヘルス改革に関する工程表等によりますと、今後もオンライン資格確認等システムについて、新たな情報を追加するような方向性で検討が進められるものであると認識しております。
オンライン資格確認等システムの活用を進めるという方向性につきましては、大賛成でございますが、追加される情報によって受益者は異なるものであると認識しております。その費用については、保険者のみでなく、受益者の間で応分に負担するべきであると考えております。
その意味におきましては、今回の資料の5ページの上から2つ目の○に、「医療保険者等の費用負担」と「等」を書かれていることに感謝申し上げます。
今回の電子処方箋は、このような情報追加の最初の事例であり、この機会に費用負担の在り方についての基本的な考え方を確認させていただく必要があると考えておりますので、この点についての御回答をお願いいたします。
また、先ほども申し上げましたように、電子処方箋の費用は、保険者等が負担するものであると法案でも規定されるとのことでした。この点、資料でも御説明がありましたように、電子処方箋は医療機関・薬局にもメリットがあり、受益者間で応分の費用を負担することも考えられるところではございますが、なぜ、受益者のうち保険者だけが費用を負担するという整理になるのか、その考え方を改めて確認をさせていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 では、御回答のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○間審議官 審議官の間でございます。
今、安藤委員のほうから、オンライン資格確認の基盤を活用した情報を拡充していくことの費用負担の考え方について、御質問と、おしかりを頂戴しましたので、データヘルス改革全体を担当しております私のほうからお答えを申し上げたいと思います。
まず、データヘルス改革は、御指摘のように昨年6月に策定をいたしましたデータヘルス改革工程表で示された全体に沿って検討を進めていくということとしております。
このデータヘルス改革工程表におきましては、特定健診情報、薬剤情報など、患者がマイナポータルで閲覧できる情報を医療機関などでも閲覧できるようにすることとしており、これは、よりよい医療を受けられるようにするためのものと考えております。
そして、その情報の範囲につきましては御指摘のように、今後追加する方向で検討することとしており、その費用負担につきましては、お話がありましたように、誰のために、どのような形で行うのかといった、閲覧できる情報の性質あるいは利活用の目的、仕方を踏まえて検討していく必要があると考えております。
その上で、本日、議題となっております電子処方箋につきましては、受益者という話もございましたけれども、例えば医療機関・薬局にとっては、重複投薬の抑制や業務効率化といった質の高い医療サービスの提供が可能になるという面もございます。
そして、患者あるいは被保険者の方々にとっては、患者自身のさらなる健康増進、生産性向上に寄与する、あるいはオンライン診療、服薬指導の利用促進による医療アクセスの一層の向上、あるいは重複投薬が抑制される結果、医療費適正化による医療保険の持続可能性向上といった、先ほど担当課長からも御説明申し上げたような大きなメリットがあると考えています。
したがいまして、その費用につきましては国を含め、各主体が分担して負担することが適切であると考えておりまして、具体的には、国は医療DXの情報基盤であるオンライン資格確認システム、電子処方箋システムのインフラ整備を行いまして、そのシステム運用費用については、医療を受ける被保険者お一人お一人に広く負担いただきたいと考えているところでございます。
また、医療機関・薬局には、院内のシステムの改修を行っていただき、国が医療情報化支援基金で後押しをするといったことなど、各主体がそれぞれ協力し合いながら電子処方箋の導入を進めていきたいと考えているところでございますので、御理解と御協力をお願いする次第でございます。
私のほうからは、以上でございます。
○安藤委員 御回答いただきましてありがとうございました。
いただいた御回答を基本的な考え方として念頭に置きつつ、電子処方箋については、運用開始後一定期間は国費において運用し、システムの安全かつ正確な運用を確保することとされておりますので、その検証状況を踏まえ、電子処方箋のメリットが患者に理解されるようになるまでは、さらなる国費での対応についても御検討いただきたいと考えております。
また、今後、新たな情報が追加される場合には、いただいた御回答を基本的な考え方としつつ、個別に利活用場面、ユースケースを整理し、その役割や受益等を踏まえ、費用負担の在り方を丁寧に議論していきたいと思っております。
よろしくお願いします。ありがとうございました。
○田辺部会長 では、次に井上参考人に、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
電子処方箋の導入は、説明がございましたとおり、患者の健康増進をはじめといたしまして、様々なメリットをもたらす大変有用な取組でございまして、今後の日本の医療制度にとって不可欠なインフラだと考えております。
もともとデータヘルス改革の工程表では、今年夏の運用開始ということが予定をされておりまして、それが来年の1月ということに後ろ倒しになっている状況でございますので、今度こそ、遅れずに運用開始できるように、取組を進めていただきたいと思いますし、また、必要な法改正につきましても、今国会で早期に成立することを期待いたしております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 電子処方箋ができることによって、個人が医療情報や薬剤情報を知ることができて、自分の健康管理ができるという点では大変メリットがあるのですが、これは、スマホとかパソコンで見ることになりますね。そうすると、そういう機器を持っていない人に対してはどうするのか、そういう人には、やはり紙でやるのかということ。
それから、もう一つ、今日の東京新聞の投書を見てびっくりしたのですが、高齢者からの投書で、ガラケーからスマホに変えて、簡単スマホがいいだろうと思ってそれを購入したら、マイナンバーカードに対応していないということが後になって分かったということが書いてありました。
これは、厚労省の問題ではなくて、デジタル庁の問題だと思うのですけれども、電話会社に、高齢者については、マイナンバーカードに対応しているかどうかということもちゃんと伝えるようにしないと、折角購入しても全く役に立たないということになると思うのです。
それから、もう一つ気になるのは、いろいろ情報が電子化されるのはいいのですが、自分で管理できないような人の場合どうなるのかということです。例えば、認知症の場合とか、いろいろな障害のある方、知的な障害のある方の場合、それは、誰がそういう薬剤情報について管理するのか、あるいは責任を持つのかということです。
例えば、成年後見人にその資格があるのかとか、その辺のことまで考えていらっしゃるのかどうかということが気になります。
それから、もう一つ、先ほどもお薬手帳の話が出てきましたが、これは、いずれはなくなるのでしょうけれども、どういう工程で消していくのか。今、お薬手帳がある場合は、幾らか安くなるとか、そういう配慮がありますね、その辺どういうふうになるのか、どういうようなタイムスケジュールで、電子化していくのと、お薬手帳をだんだん消滅させていくのかとか、この辺のスケジュールなどはどうなるのかとか、あるいはその電子化に乗れない人はどうなるのかとか、その辺が気になりますので、ぜひお答えいただきたいと思います。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○田中課長 それでは、私のほうから電子処方箋に関する御質問、紙で提供されることは引き続きできるのかということと、お薬手帳との関係についてお答えさせていただきます。
まず、電子処方箋制度ですけれども、基本的に患者さんの御要望に応じて、紙か電子かを選択できますので、引き続き、高齢者の方などで、スマホをお持ちでないという方につきましては、紙での処方箋の交付は可能でございます。
2点目、お薬手帳の話の御質問がございました。先ほども藤井委員から御指摘ございましたけれども、お薬手帳は、調剤歴だけではなくてOTC医薬品の履歴ですとか、患者の健康情報を管理できるというものです。
処方調剤情報は、現在、マイナポータルを通じて電子のお薬手帳に情報連携する仕組みというものを検討していますので、今後は、患者さんは電子版お薬手帳で、様々な情報を管理できるようになるということも検討しているところでございます。
御指摘のとおり、電子処方箋と電子版お薬手帳は、いろいろな活用方法があると思いますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○袖井委員 大体いつ頃という、そのタイムスケジュールはあるのですか。
○田中課長 電子処方箋自体が来年1月ということで、OTCの電子版お薬手帳も、いろいろなバージョンがあって、それをまず一元的に管理する仕組みというものを検討しているところでございますので、恐縮ですが、現時点で、いつということを明示できないことを御理解いただければと思います。
○袖井委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
藤井委員の御質問に端を発して、佐野委員、安藤委員から御指摘いただいたように、これは、被保険者が、ランニングコストについて負担をしていくということについての考え方というか、どういうふうに我々は理解をし、そして、納得をしていけるのかという観点で、佐野委員、安藤委員がおっしゃったように、一定期間は、これは保険の世界ではなくて、国費においてしっかり負担をしていただきたいという立場で、その理由を主張させていただきたいと思います。
1つは、被保険者自身の理解というか、納得感というか、これは当然、医療機関・薬局もメリットはあるのですが、被保険者、つまり患者が、まさにこの電子処方箋があって非常にメリットがある、我々にとっても便利だ、あるいはありがたいというようなことが、しっかりと認識できるような、そういう状況になることが前提であり、そういう実感があればこそ、被保険者はしっかり負担をしていくことができるのではないかなという感じがいたしております。
それには、少しPRとか、事柄の意味の説明だとか、あるいは実証だとかが必要ではないかなと感じております。
もう一つ非常に懸念することなのですが、往々にして、こういうソフトインフラを作るときに、イニシャルは国費がばんと負担をして、場合によっては実証実験までのところから作るところまで国費が負担をして、ランニングコストは、どうぞ国民でというときに、よくあるのが、走り出してからプログラミングの修正だとか、不具合の調整だとかの費用が膨らんでくることがあるのですね。それを、もう運営段階に入っているので、全て運営を負担している受益者の負担になるということがあり得るのですね。
今回も、一旦示していただいている0.61円ということなのですが、これが本当に0.61円でいくのか、むしろ、今後、効率化によって下がっていく方向で負担が減っていくのであれば格別、今、申し上げたような懸念によって、将来、一定膨らんだりすることがないのかということが大変懸念をされるところでございます。
そういう意味で、この落ち着きを見るまで、何とか国費においてスタートアップのところを御負担いただきながら、落ち着いたところで我々も納得をした上で負担をしていくということが求められる、望ましいと思いますので、そのような形で運用していただくことを希望して、発言とさせていただきます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員
私も電子処方箋については、その普及促進によって重複投薬の抑制や業務効率化が期待されると思っておりますので、普及促進していくことは必要だと思っておりますが、2点申し上げたいと思います。
1点目は、皆様方から御意見ありました運営費用の負担の考え方についてでございます。この点、前葉委員が、私の申し上げたいことをほぼおっしゃっていただいたところでございますけれども、昨年の1月にも、この部会で意見を申し上げております。メリットとして、処方や調剤における効率化が可能になる、重複投与等の防止も可能になるなど、医療機関や薬局、患者、そして保険者にとってそれぞれメリットがあると書いているにもかかわらず、なぜ被保険者のみが費用負担をするという最終結論になるのか全く納得がいかないと思いますということを、昨年、連合の委員が述べているところでございまして、その点、繰り返しておきたいと思います。
その上で、利便性が向上するといったことですとか、医療費削減効果もあるといったことですけれども、それがどの程度なのかよく分かっていません。
また、今ほども御指摘のあった将来的な運営コストについても、何らシミュレーションなども示されていない中で、被保険者のみが費用を負担するということを、私は被保険者の皆さんに対して説明はできませんので、この点、安藤委員など、皆様おっしゃっていましたけれども、一定効果が出るまでは、国費の負担でお願いしたいと思っております。受益者として応分の負担をしていくことは必要かと思っておりますが、現状では被保険者の負担とすることについては、納得できていないというところでございます。
また、2点目に、先ほど袖井委員からも発言がありましたけれども、安全性の問題について、異なる個人番号が登録されていた事案が発生したと、12月の医療保険部会で報告いただきました。電子処方箋の活用によって、別人の投薬情報に基づく診療や別人に対する処方が行われかねないという懸念もございます。部会で報告いただいた異なる個人番号が登録されていた件について、しっかり要因を分析いただきまして再発防止策についても、御検討いただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、森委員、よろしくお願いいたします。
○森委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。
オンライン資格確認の基盤を活用とした電子処方箋を伝達する仕組みを適切に活用して、より安全で有効な薬物治療の実施に取り組んでいきたいと考えております。
ただ、処方情報、それから調剤情報は非常に機微な情報であること、また、2ページ目のポンチ絵を見ていただければと思いますけれども、電子処方箋管理サービスの中に偽造処方箋が入ることや、電子処方箋の内容が書き換えられたりすることがないように、まずはセキュリティを含めて、安全・安心な仕組みづくりが不可欠であり、その上で、効果が十分に発揮できるような仕組み、体制整備が必要だと考えております。
現在、処方箋にQRコードを付与してくる医療機関が増加しております。薬局ではQRコードを読み込んで処方情報を取り込んでいますけれども、うまく取り込めないことがあります。電子処方箋になったときにそのようなことがないように、十分に検証をしてからスタートしていただきたいと思います。
また、先ほど袖井委員のほうからお話がありましたけれども、国民、患者にとっても、これまでと大きく仕組みが変わります。患者は長年、医療機関で診察を受けて、薬物治療の必要があるときには、医師から治療の説明を受けて、処方箋を交付され、自身でも処方内容を確認し、処方箋をもって患者が選んだ薬局に来局しています。
今日の資料の5ページ目、法改正検討事項の○の1つ目で、医師が電子処方箋を支払基金等に提供すれば、患者等に交付したものとみなすという規定を整備する予定となっていますが、電子処方箋となっても、患者が処方内容を確認できる仕組み、フリーアクセスを担保する仕組みが必要だと思います。
お薬手帳の件なのですけれども、お薬手帳は紙、電子どちらがいいということではないと思います。それぞれによさがあって、お薬手帳はあくまでも患者さんのものなので、患者さんの希望で対応していきたいと考えております。
もう一点、2ページ目のポンチ絵に戻っていただきまして、電子処方箋の運用が開始されると、薬局では電子処方箋管理サービスから電子処方箋を取得すること。調剤した後には、調剤内容を登録するために、電子薬歴の導入が求められます。患者が困らないように電子処方箋に対応できるよう整備を進めますが、時間的、財政的な両面からなかなか容易ではありません。
6ページ目に医療情報化支援基金として、国の予算で進められていますけれども、電子認証を含めた薬局のインフラの整備に対する支援をお願いしたいと思っております。
私のほうからは、以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
私からは、資料の2ページでございます。
電子処方箋に関しましては、オンライン資格確認システムの拡張を行い、処方箋の運用を電子で実施する仕組みと理解しております。
その上で、このポンチ絵なのですけれどもHPKIの記載がございます。独自のHPKIに頼らない、多くの歯科が利用しております現在のレセコンシステム等で対応できる方法があるのかどうかというところを含めてお尋ねしたいと思います。
歯科が乗り遅れないよう、先ほども申しましたように、これらユースケースが増えるに当たりまして、何が必要なのかを明確にして進めていっていただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 技術的な質問が1つございましたけれども。
○田中課長 すみません、質問が若干聞きづらかったので、答えがすれ違っていたら御指摘をいただいたのですが、HPKI以外の電子認証の仕組みも使えるようにということでの御質問だと思いますが、HPKIも使えるようにしたいと思っていますし、HPKI以外の電子認証も含め活用できるように検討を進めていますので、そうした検討の結論を得て引き続き検討していきたいと思っています。
いずれにしろ、先ほども安全性の話など、さまざまな技術的な御指摘がありましたが、今ほどご指摘のあった認証の仕方も含めて、現在、細部については関係者で検討中ですので、御理解いただければと思います。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○林委員 よろしくお願いいたします。
それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
電子処方箋の推進についても大変期待をしています。そのためには、リアルタイムに近い情報のリンクが非常に大事ですし、また、最新の知見によるチェック、いわゆる重複投薬等を避けるとか、そういった意味でもとても大事です。それはまた多重の予防にもなりましょうし、頻回受診等についても、予防効果が出てくるだろうと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
私は、4、5年前に韓国の電子政府事情の調査視察に行きまして、実は幾つかの国々の電子ガバナンスを調査したことがあります。
その際に知った韓国における取組ついてお話します。韓国は当時から全世界の電子政府の取組みについて国連が評価するデジタルガバナンスのトップランナーのグループの1つです。最近では韓国、デンマーク、エストニア等が頑張っています。
当時見た状況の中で非常に感心したのが、この電子処方箋です。専門の国の機関があって、そこの方からお話も聞き、実際に体験をさせていただきましたが、どうなっているかというと、併用禁忌薬剤・注意薬剤が出るとワーニングが出て、明確に分かるようになっています。それを全国オンラインでやっています。事ほどさように非常に電子処方箋が全国オンラインでリンクされると、安全面でも非常に効果があるということが分かりました。
もう一つは、そのときに薬を出した情報、すなわち診療報酬を払った情報も全部記録されておりますので、非常にユーザーとして利便性向上にも役立つのです。このことで便利だなと思ったのは、このデータがもとになり確定申告の時期になると、税務当局からユーザーである、いわゆる国民の皆さんにメールが送信されて、そこに医療費のこともちゃんと入っていて、受信内容で間違いがなければ、確認欄の小さな四角の箱をタブレット上かパソコン上かスマホ上で、タッチやクリックすれば、それで確定申告が終わりなのです。数分で終わると思います。そういったように非常に利便性を高めることも効果があります。こういった意味でも、この電子処方箋が正しくスムーズに運用できることは、とても重要だと思うのです。
そういった意味で考えてみますと、今、医療機関ごとに様々な事務処理も含めた情報インフラによる対応がされていると思うのですが、そのときに出てくるのは、ひょっとしたら、これは推測ですが、システムが違うためにデータの汎用ができないとか、コンバートして共用ができないとかという事情があるのかもしれません。ぜひ、ここら辺は、全国の民間の会社になりますけれども、データのベンダーさんたちが協力をして、こういったことが共有できるようになるようなガイドラインを政府で作るとか、一緒にやるように働きかけるとか、そういったこともとても大切ではないかと思います。
実は、自治体も一般行政の電子自治体イノベーション推進においても、同じような悩みを抱えていて、住民票に関してもフォーマットを全国統一すればできるのですけれども、まだまだできていないところで、今、総務省が改善されようとしています。
こういった地道なこともしていただきながら、全体のデータをよりスムーズに、お互い共有して、そして、この薬剤並びに健康管理につなげるようなデータベースになっていきますでしょうから、ぜひそういったことをお願いしたいなと思います。
そして、国で統一した方式によって、よりリーズナブルなコストで、このことが推進できるようにしていくのがとても有用性があるし、価値があると思います。そういった意味でも、ぜひお願いしたいなと改めて思うところです。
この費用負担の問題も、いつもついてくる課題です。今回も説明がございました。試算でありましょうけれども、1人1か月0.61円、年間で計算すると7.32円になります。平均寿命およそ80年の人生で計算すると585.6円になります。ビールを2、3本買うかどうかですね。これで一生、約平均年齢80年分をカバーできますから、私自身としては、確かに国の負担どうこうという議論や意見もあるのでしょうけれども、一月0.61円程度、1年間7.32円程度だったら、国民みんながこういったものを使う意味で、コスト負担もありだと思うのです。そうしないと、これを国で負担いただくと、1年間に約8億円の費用がかかります。8億円があるのだったら、もっとほかの医療の充実とか、医療や福祉、ましては、今のオミクロンをはじめとした新たな感染症への対策とか、いろいろなところで費用負担が発生してきますし、国が負担してくださいと言っても、国としては、結局のところ最後は国民負担に戻ってきますので、そうだとしたら、何とかこの辺の御理解をいただくことも、一方では考えていただく必要があるのではないかなと感じたところです。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、ほかに御意見等なければ、本議題については、これまでとさせていただきます。
次に「令和4年度予算案(保険局関係)の主な事項について」及び「新経済・財政再生計画 改革工程表2021について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○榊原課長 総務課長でございます。資料の3と4それぞれについて一括して御説明したいと思います。
まず、資料3でございます。令和4年度の政府の予算案がまとまりました。保険局関係について御説明申し上げたいと思います。
まず、資料の1ページ目でございます。
安定的で持続可能な医療保険制度の運営ということで、医療費の国庫負担、11兆8076億円を計上しているところでございます。
その下の部分、診療報酬改定でございます。前回大臣合意の段階で御報告申し上げましたが、診療報酬はプラスの0.43%。各科配分がプラスの0.23%、※の2ですが、看護の処遇改善のためにプラスの0.20%、※3でございますが、リフィル処方箋の導入などによる効率化が▲の0.10%、※4ですが不妊治療の保険適用のための措置がプラスの0.20%。それから※の5でございますが、小児感染防止に係る加算措置の期限到来が▲の0.10%。
薬価でございますが、▲の1.35%、うち実勢価格に伴う改定が▲の1.44%、不妊治療の保険適用のための対応がプラスの0.09%、材料価格が▲の0.02%となってございます。
次のページに進んでいただきまして、国民健康保険への財政支援ということで、3145億円計上してございます。低所得者数に応じた保険者への支援、あるいは保険者努力支援制度の支援ということでございます。
また、令和4年度からは、国保において子供に係る保険料の均等割額の減額措置がございますので、そのために必要な経費も計上してございます。
その次、被用者保険への財政支援825億円ということでございます。拠出金負担の重い被用者保険の負担の軽減ですとか、あと今回は短時間労働者の適用拡大がございますので、それにかかる財政支援に必要な経費も計上してございます。
その次でございます。ICT関係で、まず、①でございます。医療保険における番号制度の利活用推進ということで、オンライン資格確認等のシステム導入の周知広報経費など2.8億円。
それからデータヘルス分析関連サービスの構築に向けた整備ということでございます。こちらに1.0億円。
また、先ほど来お話がございましたオンライン資格確認、カードリーダーの導入ですとか、電子処方箋の導入に向けた医療機関、あるいは薬局におけるシステム整備の支援のために735億円を計上しているところでございます。
その次のスライドでございます。
健康寿命の延伸に向けた予防・重症化予防・健康づくり等ということで、まず①、再掲でございますが、保険者のインセンティブ強化ということで、国保の保険者努力支援制度、1412億円を計上してございます。
またデータヘルス関係でございますが、アのところでございます。レセプト・健診情報等の分析に基づいた保健事業等の推進ということでございます。国保においては、ヘルスサポート事業ですとか、被用者保険においても、実績に連動した補助制度などなど、7.9億円を計上してございます。
また、イのところでございますが、保険者協議会における保険事業の効果的な実施への支援ということで、8000万円を計上しているところでございます。
その次のスライドでございます。先進事業等の好事例の横展開ということで、まず、アのところですが、糖尿病性腎症患者の重症化予防の取組への支援ですとか、その次、イですが、健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健の推進等で19億円。
また、その次の4のところです。保険者の予防・健康インセンティブの取組への支援ということで6900万円。特に日本健康会議における取組の支援でございます。
また、健康増進効果等に関する実証実験、様々ございます。こちら他局分も含め、マッチして9.2億円でございます。特定健診、特定保健指導の効果等々、いろいろなものを重症化予防についての実証実験などをやっております。
その次、⑥でございます。いわゆる社会的処方とも呼ばれたりしておりますが、保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの実施ということで1.1億円がございます。
そして、次のスライドでございます。公的部門における分配機能の強化ということで、看護、介護、保育など現場で働く方々の収入の引上げということで、他分野も含めまして395億円ということでございます。うち保険局分、これは診療報酬改定相当の国費相当でございますが100億円ということでございます。
その次、不妊治療の保険適用ということで、プラスの0.20%でございますが、国費として145億を計上しているということでございます。
その次でございます。1つ目は、再掲になりますので飛ばさせていただきまして、最後に、東日本大震災、熊本地震をはじめとした災害からの復旧の中で、特に東京電力の原発事故による帰宅困難区域等の方々の一部負担金あるいは保険料の免除等に要する費用といたしまして38億円を計上しているところでございます。
資料3についての説明は、以上でございます。
引き続きまして、資料4について御説明申し上げます。
政府のほうで、改革工程表を2021というものがまとまってございます。今後どのように社会保障も含めた改革を進めていくかということでございます。
これのうち、今年の社会保障の特に新しくなった部分に絞って御説明申し上げたいと思います。
資料の2ページでございます。
医政局分も含めて御説明申し上げます。まず1つ目の〇でございますが、地域医療構想の実現ということで、2021年の医療法等改正を踏まえまして、第8次医療計画における記載事項、新興感染症対応などを追加しますが、それに向けまして、基本方針あるいは医療計画作成指針の見直しを実施していくことになります。
各都道府県において、第8次医療計画の策定事業が2023年度までかけて進められることになるため、その作業と併せまして22年度、23年度において、地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定、検証、見直し、検討状況の定期的な公表を求めるとされております。
また、2つ目の○でございます。2022年度診療報酬改定における対応ということで、さらなる包括払いの在り方、あるいは一定期間内に処方箋を反復利用できる方策、医師の働き方、かかりつけ医機能に係る対応など、必要な見直しを検討するとされております。
3つ目でございます。かかりつけ医機能の明確化ということで、かかりつけ医機能の明確化、そして患者、医療者双方にとって、このかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策について、22年度、23年度において検討するとされてございます。
また、後発医薬品の使用促進ということで、こちらの使用割合目標につきまして、後発薬品の品質及び安定供給の信頼性確保を図りつつ、23年度末までに全ての都道府県で80%以上とするというKPIを新設するということとされてございます。
それ以下のところは、前年までのロールオーバーと申しますか、更新となっているものがほとんどでございます。主要なところへ御紹介させていただきましたので、あとは御参照いただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
資料3のほうの5ページでございますが、2点発言させていただきます。
まず1点目は、看護職員の処遇改善についてでありますが、これまでも3度ほど発言させていただきましたが、10月以降大臣折衝を経て、診療報酬での対応となったと認識をいたしております。
今後、各市から様々な課題等が上がってくると思いますので、また機を見て、自治体との議論をお願いできればと思っております。
この処遇改善が、実際に確実に賃金に反映されるようということについて、これも発言をさせていただいてきました。介護とか保育の現場で実例を御紹介しながら、これはなかなか容易ではないということを申し上げていきましたが、実際にそれを担保するような適切な担保策を講じると明記をしていただきましてありがとうございます。
実際に、なかなか難しいと思うのですが、すっきりした分かりやすい、扱いやすい制度としていただくよう、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、そのページの下のところで不妊治療の保険適用について、具体的な中身、中医協を中心に議論が進められているという認識しておりますが、これは先行して、各自治体で不妊治療の独自助成というのを少子化対策としてやってきたということは、以前にもお話しました。
今後のことなのですが、保険適用になりますと、市町村が独自に行ってきた助成あるいはそれに対する都道府県からの支援策、これが見直しとなると思います。
それで保険適用以外の部分をどうしていくのかということも含めて、県のほうも当初予算をどうするのかということを、今、ぎりぎりのタイミングで議論をしておられると聞いておりまして、県の制度を受けて市をどうするかというのは、なかなか決めかねているところでございます。4月適用ですので、国において今後の保険適用の中身、どこからどこまでがどういうふうに適用されるのか、一部報道もされていますが、自治体に対してできる限り早く、これは情報提供していただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
議題3、議題4両方について若干コメントをさせていただきたいと思います。
まず、議題3の予算のほうですけれども、やはりここ2年間、コロナ影響による医療費の減等もあって、保険給付、高齢者への拠出金ともに負担の増加が一時的には抑制されておりますけれども、来年度、令和5年度以降は、再び急激な上昇が見込まれます。
そういった中で、健保組合の財政も大変悪化するのではないかと予想しております。
そういう面で、次年度になりますが、令和5年度以降においては、補助金のさらなる拡充や新たな仕組みの導入が必須だと考えておりますので、ぜひとも検討をお願いしたいと思います。
それから、短時間労働者の適用拡大に係る財政支援につきましては、やはり財政影響を受ける健保組合の実態をしっかりと把握していただいて、さらなる財政支援が必要な場合には、ぜひとも即座に対応をお願いしたいと思います。
それから、不妊治療の保険適用は、これまで公費負担されていたものが、今回保険対象に加わるということでもって、対象となる加入者についても、健保組合の業種・業態ごとに相当格差があるのではないかと考えております。
そういった中で、特定の健保組合に対する大きな影響が出る可能性があるのではないかと考えておりますので、この点、実態把握を行っていただいて、必要な対応を、ぜひとも検討をお願いしたいと思います。
それから、改革工程表のほうでございますけれども、全体的なコメントをさせていただきます。
全世代型の社会保障実現に向けて給付と負担のバランス、また、現役世代の負担上昇の抑制を図るために、提示されております論点、検討項目については、しっかりと検討して、社会保障の将来的な見通しも含めて、さらなる改革を着実に進めていただきたいと思います。
そういった中で、骨太2021で示されておりますけれども、保険料賦課限度額の引上げの検討は必要ですが、現役世代の一人当たりの拠出金の伸びと、後期高齢者の一人当たり保険料の伸び、これを比較した場合、現役世代の負担の増加が著しいということもございますので、この点も踏まえて、世代間の公平性を確保する観点から、後期高齢者の負担率、これについても併せて見直しをすべきであると思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
資料4の新経済・財政再生計画改革工程表2021につきまして、全般的な意見を申し上げます。
当然のことながら、足元ではコロナへの対応というものが最優先課題であることは、論を俟ちません。
一方で、これはコロナ前から抱えている問題でございますけれども、中長期的な高齢化の急速な進行と人口減少の中で、社会保障制度を、どうやって持続可能なものにしていくかということにつきましても、忘れずに、着実に対応していかなければならないと考えております。
その際、やはり2024年度が1つのターゲットになると思います。2024年度というのは、医療費適正化計画をはじめとする医療分野の中期計画の開始時期でございますし、また、医療・介護報酬の同時改定ということもございます。
この機を逃さずに、日本の全世代型の社会保障制度につきまして、しっかりとした改革のロードマップを確立していくということが、非常に重要だと思います。
また、この検討に当たっては、この部会と、ほかにも官邸などに、全世代型社会保障の会議、デジタル関係の臨調、規制改革の推進会議といった会議体もございます。ぜひ、そういうほかの省庁、会議体とも連携をしながら、国全体として制度の中長期的な持続可能性の確保に向けた検討を計画的に進めていただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。
2点、重なる質問になるかと思いますけれども、5ページのところで、まず、公的部門の分配、機能の強化というところで、前回のこの部会でも、看護補助者も入るかどうかということを質問させていただきました。ここの書きぶりを見ると、10月以降3%程度月額平均1万2000円相当を引き上げるための処遇改善となっていますが、これは、看護職を対象にという書きぶりだと思いますけれども、注2で見ると、そこにこういう看護補助者も入れてもいいとなると、考え方となると、月額平均1万2000円看護補助職員対象にということになると、この範囲を広げれば、当然薄くなってしまう可能性が高いのではないかと思います。そこも含めて、今後、10月以降中医協で決めるということの理解でいいのかどうか1点質問。
もう一つ、これは、私の理解不足かもしれませんけれども、不妊治療の保険適用145億というお金のことなのですけれども、これは、診療報酬で0.2%といっている額の中に含めるものか、それ以外のことなのか、ちょっとその辺の意味合いを、私は理解していないので、その辺も教えていただきたい。
一方で、4月から保険適用になりますが、年度をまたぐ国庫補助でやっている、補助事業でやっている、実際、国費で動いている体外受精、顕微授精等々に関しては、一部国費を続けなければいけないのではないかと思います。その辺の費用負担というのは、この保険治療の145億の中に含まれているのかどうか、その辺も分かれば教えていただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 それでは、お願いいたします。
○榊原課長 総務課長でございます。御質問の件について、お答えさせていただきたいと思います。
まず、1点目、看護補助者が入るかどうかということでございます。委員御理解のとおり、1万2000円の積算上は、看護職員の方ということでございます。そこから先は、それぞれの医療機関の判断によって、ほかの方にもそれを使うことができるということでございます。これが1点目でございます。
2つ目、不妊治療の保険適用の145億というのは、先ほどありましたプラスの0.20%の国費相当分ということでございますので、同じものということでございます。
それから3点目、現に、今、助成を受けられて不妊治療を受けられている方が、年度をまたぐ場合がございます。こちらについても予算措置、別途講じてございます。ただし、これは、ここの中に入ってございませんで、これは保険局分を載せさせていただいておりますので、他部局のものとして計上されております。
以上でございます。
○池端委員 ありがとうございました。
○田辺部会長 ほか、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、ほかに御意見等ないようでございますので、本日はこれまでとさせていただきます。
次回の開催日については、追って事務局のほうより御連絡申し上げます。
本日は御多忙の折、御参集いただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、散会いたします。